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特許6998987シンクライアント方式によるデバイス制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】シンクライアント方式によるデバイス制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/00 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
G06F15/00 410Z
G06F15/00 410B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020066115
(22)【出願日】2020-04-01
(62)【分割の表示】P 2017507258の分割
【原出願日】2015-03-25
(65)【公開番号】P2020113321
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2020-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518246361
【氏名又は名称】株式会社ハイウェイテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】鄭 澤勇
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-015750(JP,A)
【文献】特開2002-063108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続される端末装置であって
前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、
前記提示した入力インタフェースを利用して入力される値のリストを前記サーバ装置に送信する手段と、
前記デバイスを制御するための制御情報として初期化の制御と終了時の指示とを含む制御情報と、前記デバイスにより処理される、前記送信した値のリストを含むデータを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信した制御情報に含まれる初期化の制御に引き続いて前記受信したデータを追記し、さらに前記制御情報のうち終了時の指示を追記して、前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、
を含む端末装置。
【請求項2】
サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続される端末装置であって
前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、
前記提示した入力インタフェースを利用して入力される値のリストを前記サーバ装置に送信する手段と、
前記デバイスを制御するための制御情報と、前記デバイスにより処理される、前記送信した値のリストを含むデータを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信した制御情報と、前記受信したデータとを前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、
を含み、
前記デバイスは、カードリーダとGPS装置の少なくとも一方を含み、
この端末装置は、
前記サーバ装置に対して前記デバイスであるカードリーダとGPS装置のいずれかに係るデバイス制御要求を送出し、当該サーバ装置からデバイス制御情報を受信し、
前記デバイス通信手段は、当該受信したデバイス制御情報に基づく処理として、前記カードリーダまたは前記GPS装置を制御して、当該デバイスから情報を取得し、当該取得した情報を、動作の結果を表す情報として前記サーバ装置へ送出する端末装置。
【請求項3】
サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続される端末装置であって
前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、
前記提示した入力インタフェースを利用して入力される値のリストを前記サーバ装置に送信する手段と、
前記デバイスを制御するための制御情報と、前記デバイスにより処理される、前記送信した値のリストを含むデータを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信した制御情報と、前記受信したデータとを前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、
を含み、
前記デバイスはカメラを含み、
この端末装置は、
前記サーバ装置に対して前記デバイスであるカメラに係るデバイス制御要求を送出し、当該サーバ装置からデバイス制御情報を受信し、
前記デバイス通信手段は、当該受信したデバイス制御情報に基づく処理として、前記カメラを起動し、シャッター押下を待機して、シャッターが押下されたときに当該デバイスから画像の情報を取得し、当該取得した画像の情報を、動作の結果を表す情報として前記サーバ装置へ送出する端末装置。
【請求項4】
サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続されるコンピュータを、
前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、
前記提示した入力インタフェースを利用して入力される値のリストを前記サーバ装置に送信する手段と、
前記デバイスを制御するための制御情報として初期化の制御と終了時の指示とを含む制御情報と、前記デバイスにより処理される、前記送信した値のリストを含むデータとを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信した制御情報に含まれる初期化の制御に引き続いて前記受信したデータを追記し、さらに前記制御情報のうち終了時の指示を追記して、前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務で利用されるバーコードリーダを備えたハンディターミナル(以下、単にハンディターミナルという)や、携帯電話機など、多くの機器がマイクロコンピュータによって制御されている。また、インターネット技術など通信技術の発展に伴って、こうした各種機器に通信機能が搭載され、ネットワークを介してデータを送受信する機能を有するようになってきている。
【0003】
例えば、流通の現場では数多くのハンディターミナル機器が既に利用されており、センタ側の装置に対してネットワークを介してデータを送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】再公表98/006037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また一方で、ハンディターミナル等の端末側においてプリンタや、各種のRFIDタグリーダー・ライタ等、外部接続されるデバイスを制御したいという要望もある。しかしながら一般に端末の数が多数であるため、既存の端末側に、デバイスを制御させるためのアプリケーションをインストールすることが困難となっている。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、比較的簡便な構成で、端末側におけるデバイス制御を実現できる情報処理システム及び端末装置を提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、サーバ装置と、バックエンド装置と、前記サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続される端末装置とを含む情報処理システムであって、前記サーバ装置は、前記バックエンド装置から入力インタフェースに関する画面記述情報を受け入れる手段と、前記受け入れた画面記述情報に基づいて、前記端末装置において解釈可能なデータ形式の情報に変換する手段と、前記端末装置側で解釈可能なデータ形式の情報を端末装置に送信する手段と、前記デバイスを制御するための制御情報を前記バックエンド装置から受信して、当該情報を端末装置へ送信するサーバ装置であり、前記端末装置は、前記サーバ装置を経由してバックエンド装置から送信される制御情報を受信する受信手段と、当該受信した制御情報を、前記デバイスへ送出する手段と、を含むこととしたものである。
【0008】
また、本発明の一態様に係る端末装置は、サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続され、前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、前記デバイスを制御するための制御情報と、前記デバイスにより処理されるデータとを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、前記受信した制御情報と、前記受信したデータとを前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、を含むこととしたものである。
【0009】
さらに本発明の別の態様に係るプログラムは、サーバ装置と、制御の対象となるデバイスとのそれぞれと通信可能に接続されるコンピュータを、前記サーバ装置から入力インタフェースを規定する情報を受信して、当該情報に基づいて入力インタフェースをユーザに提示する手段と、前記デバイスを制御するための制御情報と、前記デバイスにより処理されるデータとを、前記サーバ装置から受信する受信手段と、前記受信した制御情報と、前記受信したデータとを前記デバイスへ送出するデバイス通信手段と、として機能させることとしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの例を表す構成ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係るバックエンド装置の例を表す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の例を表す機能ブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る端末装置の例を表す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの基本的な動作の例を表すフロー図である。
図6】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの動作の例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る情報処理システムは、図1に示すように、バックエンド装置1と、サーバ装置2と、端末装置3と、プリンタ等のデバイス4とを含んで構成されている。なお、ここでは説明のため端末装置3を一つだけ図示しているが、複数あっても構わない。また、バックエンド装置1とサーバ装置2とはネットワークを介して接続されてもよいし、同じコンピュータによってこれらが一体的に実装されていてもよい。端末装置3は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、通信部35と、インタフェース部36とを含む。この端末装置3とサーバ装置2とはインターネット等、ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0012】
バックエンド装置1は、一般的なウェブサーバであり、機能的には図2に例示するように、ウェブサーバ部11と、バックエンド処理部12とを含んで構成される。ここでウェブサーバ部11は、サーバ装置2から配信情報の要求を受け入れると、当該要求をバックエンド処理部12に出力する。この要求は例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)におけるウェブページの要求であり、パラメータとして次に説明する画面記述情報で規定される入力欄に対して端末装置3にて入力されたデータを含んでもよい。またこのウェブサーバ部11は、バックエンド処理部12から入力される指示に従い、端末装置3のユーザに対して表示されるべきユーザインタフェースの外観等を規定する画面記述情報を含んだ配信情報を、サーバ装置2へ送出する。ここで配信情報は例えばHTMLやXML(eXtensible Markup Language)などを用いて記述される。
【0013】
本実施の形態における画面記述情報は、文字列(テキスト)やボタン、入力欄といった画面要素をそれぞれ規定するものである。なお、こうした画面要素のうち、ユーザが行う指示操作を受け付けるもの(ボタンや入力欄、メニュー等)を以下、インタフェース部品と呼ぶ。
【0014】
バックエンド処理部12は、ウェブサーバ部11から配信情報の要求を受け入れて、当該要求に係る配信情報をウェブサーバ部11に出力する。ここで配信情報は、予め記憶部32に格納されているものであってもよいし、バックエンド処理部12において生成されるものでもよい。
【0015】
またこの配信情報の要求には、既に述べたように端末装置3にて入力されたデータが含まれてもよい。このように、入力されたデータを含む要求を受けた場合には、バックエンド処理部12は、当該配信した画面記述情報に含まれる操作案内要素に関連して入力されたデータを受け入れて、当該データを利用した処理を実行する。この処理は具体的には在庫管理や、出庫管理等、バックエンド装置1が実行するプログラムによって実現される処理(ビジネスロジック)である。
【0016】
さらに本実施の形態のバックエンド処理部12は、デバイス4を制御するための制御情報(デバイス制御情報)を配信情報に含めてウェブサーバ部11に出力し、サーバ装置2を介して端末装置3に送出してもよい。本実施の形態の一例では、このデバイス制御情報は、デバイス4としてのプリンタ等を制御する制御コマンドを記述したものである。またこのデバイス制御情報を含む配信情報には、端末装置3にて入力されたデータ、あるいはバックエンド処理部12にて生成したデータが、デバイスにて処理されるデータとして含まれてもよい。このデータは、例えばデバイス制御情報がプリンタを制御する制御コマンドである場合、当該制御コマンドとともに出力される。そして当該データは、制御の対象となったプリンタにて印刷される。
【0017】
サーバ装置2は、プログラム制御デバイスであるCPUや、記憶部、表示部等を有してなる一般的なサーバコンピュータであり、予めインストールされたプログラムに従って動作する。このサーバ装置2は、機能的には、図3に例示するように、クライアント部21と、情報変換部22とを含んで構成されている。
【0018】
クライアント部21は、情報変換部22から入力されるパラメータとともに、記述された配信情報を取得する要求をバックエンド装置1に出力する。この要求は既に述べたように、URL(Uniform Resource Locators)とともに出力され、当該URLによって特定される配信情報の要求として解釈される。またこのクライアント部21は、バックエンド装置1から配信情報を受信して、当該受信した配信情報を情報変換部22に出力する。
【0019】
情報変換部22は、クライアント部21から入力される配信情報について、少なくとも当該配信情報に含まれる画面記述情報を、端末装置3側で解釈可能なデータ形式(端末装置3に対する指示)に変換する。具体的な例として、この情報変換部22は、配信情報に含まれる画面記述情報に、ボタンを表示するべき旨を指示する記述(この記述にはボタンが操作されたときに要求するべき配信情報のURL等を含めておく)が含まれている場合、これを端末装置3側で解釈可能なものとして予め定められたデータ形式の情報(端末制御情報と呼ぶ)に変換する。
【0020】
この端末制御情報のデータ形式は例えば、予め定められたフォーマットに配列される一連の文字列であって、具体的にはインタフェース部品のタイプ(Type)と、モード情報(mode)、サイズ情報(size)、表示位置に関する情報(「x」,「y」)、表示文字列に関する情報(text)、操作されたときに要求する配信情報のURL(url)等をXMLにより記述して配列したものである(「<button mode=aaa size=bbb x=ccc y=ddd buttontype=fff url=ggg.eee</button>」などといったもの)。ここでサイズや表示位置の情報は、情報変換部22において、画面記述情報に基づいて、対応するインタフェース部品のサイズや位置を得ることができる。
【0021】
またこの情報変換部22は、画面記述情報内に複数のインタフェース部品を表す情報が含まれる場合は、その記述された順に、対応するインタフェース部品に係る情報を配列すればよい。この形式のデータは後に述べる端末装置3において解釈されて、端末装置3の画面表示の処理や、情報入力の処理に供される。
【0022】
さらに情報変換部22は、配信情報にデバイス制御情報やデバイスにより処理されるべきデータが含まれる場合、このデバイス制御情報やデバイスにより処理されるべきデータをそのまま端末制御情報に含めて出力する。
【0023】
端末装置3の制御部31は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部32に格納されているプログラムに従って動作し、通信部35から入力される指示を解釈して、当該指示に従って各部を制御する。この制御部31の具体的動作の内容は後から詳しく述べる。
【0024】
記憶部32は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなど、プログラムを保持する、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であり、また、少なくとも一部に読み書き可能な部分を含み、制御部31の動作に必要な情報を記憶する、ワークメモリとしても動作する。
【0025】
操作部34は、キーパッドやバーコードリーダなどであり、ユーザの操作に応じて情報入力を受け入れ、当該受け入れた情報を制御部31に出力する。表示部33は、制御部31から入力される指示に従って情報を表示するディスプレイである。具体的にこの表示部33は、液晶ドットマトリクスディスプレイなどがあるが、これに限られるものではない。通信部35は、例えば無線LANインタフェース等であり、インターネットを介してサーバ装置2との間でアクセス可能なアクセスポイントを介してサーバ装置2と情報の送受信を行う。この通信部35は、サーバ装置2から受信される指示を制御部31に出力し、また、制御部31から入力される指示に従って、情報をサーバ装置2に対して送信する。
【0026】
インタフェース部36は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースやBluetooth(登録商標)インタフェース等であり、デバイス4に接続されて、制御部31から入力される情報をデバイス4に対して送出する。またこのインタフェース部36は、デバイス4から送信される情報を受信して制御部31に出力する。
【0027】
ここで端末装置3の制御部31の動作について説明する。制御部31が実行するプログラムの一つは、サーバ装置2から受信される端末制御情報を解釈するインタプリタであり、その解釈の結果に従って、表示部33に対して文字列の表示などを行わせる。本実施の形態の制御部31は、機能的には、図4に例示するように、インタプリタ部41と、データ入出力部42と、データ保持部43と、デバイス制御部44と、デバイス通信部45とを含んで構成される。
【0028】
本実施の形態において端末装置3では、一般的なコンピュータ制御装置と同様に、基本プログラム(BIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステム)が実行されており、外部接続されるデバイスとの間のデータの入出力は、これらの基本プログラムにより設定されるデバイス通信部45(仮想的なインタフェース)を介して実行する。すなわち端末装置3上で実行されるプログラムは、基本プログラムに対してデバイスへ送出するべき情報を出力すれば、基本プログラムにより実現されるデバイス通信部45がUSBコントローラ等の制御を行って、デバイス宛に情報を送出することとなる。また、デバイス側から受信される情報は、デバイス通信部45を介して受け取られる。
【0029】
インタプリタ部41は、サーバ装置2の情報変換部22により生成された端末制御情報を受け入れて、当該端末制御情報からインタフェース部品のタイプ(Type)と、モード情報(mode)、サイズ情報(size)、表示位置に関する情報(「x」,「y」)、表示文字列に関する情報(text)等の情報を取り出し、データ入出力部42に対して当該取り出した情報を出力する。
【0030】
本実施の形態においてこのインタプリタ部41は、配信情報にデバイス制御情報が含まれる場合、当該デバイス制御情報を含んだ配信情報を、デバイス制御部44に出力する。この際、インタプリタ部41は、予め定められた文字列(例えば「印刷中…」など)を、表示部33に出力させるようにしてもよい。
【0031】
データ入出力部42は、インタプリタ部41が取り出した情報に基づいて、表示画面を生成する。具体的に、このデータ入出力部42は、インタフェース部品のタイプとして、「ボタン」を表す情報が取り出された場合、当該情報とともに取り出されるサイズの情報や表示位置の情報を参照しながら、表示部33を制御してボタンの画像を表示させる。またこのデータ入出力部42は、ユーザが操作部34を操作してデータを入力すると、当該入力されたデータを受け入れて、データ保持部43に出力する。本実施の形態の一例では、このデータ入出力部42は、入力欄のインタフェース部品ごとの入力値(データ)を、端末制御情報に含まれる順に配列して出力する。データ保持部43は、データ入出力部42が出力したデータを保持する。
【0032】
デバイス制御部44は、データ入出力部42からデバイス制御情報を含んだ配信情報の入力を受け入れると、当該配信情報に含まれるデバイス制御情報を、デバイス通信部45を介してデバイス4に出力する。またこのデバイス制御部44は、デバイス制御情報とともに配信情報に含まれるデータを利用した処理を行ってもよい。本実施の形態の一例では、デバイス制御情報としてプリンタの制御のための情報として初期化、印字位置の指定等の印刷開始時の制御情報や、印刷終了時の制御情報(改ページ指示等)が入力される。
【0033】
またデバイス制御部44は、印刷開始時の制御情報と、印刷終了時の制御情報との間に、配信情報に含められてサーバから受信したデータを含める。またこのデータには、デバイス制御部44は、所定文字数ごと、あるいは所定データ数ごとに、印字行の終了を表す文字列(いわゆるCR,LFコード)を挿入してもよい。
【0034】
具体的に、デバイス制御部44が入力を受けるプリンタの制御のためのデバイス制御情報は、ESC/P等の広く知られたプリンタ制御用コマンドで記述されてもよい。この場合の印刷開始時の制御情報は例えば、
ESC @(初期化)
ESC 0(改行量の設定)
ESC $ a b(印字開始の水平位置を、パラメータa,bに基づいて設定)
といったものとなる。また、印刷終了時の制御情報としてはFF(Full Feed)コードとしておけばよい。
【0035】
この例の場合、デバイス制御部44は、デバイス制御情報とともに受信したデータが例えば1から100までの連番であれば、データ5つごとにCR,LFコマンドを含めて、
ESC @(初期化)
ESC 0(改行量の設定)
ESC $ a b(印字開始の水平位置を、パラメータa,bに基づいて設定)
1,2,3,4,5 CR LF
6,7,8,9,10 CR LF
……
96,97,98,99,100 CR LF
FF
といったようにデバイス制御情報に、サーバ装置2から受信したデータを含めて追記し、デバイス通信部45を介してデバイス4へ送信する。
【0036】
またこのデバイス制御部44は、デバイス制御情報(データを追記した場合を含む)を送出したデバイス4側から、デバイス通信部45を介して情報を受信すると、当該受信した情報をパラメータとして含む配信情報の要求を生成し、当該生成した配信情報の要求を、サーバ装置2へ送出する。
【0037】
デバイス4は、プリンタ等であり、本実施の形態の一例では、USB等のインタフェース、あるいはネットワークを介して端末装置3と通信可能に接続される。このデバイス4は端末装置3からデバイス制御情報の入力を受けて、当該デバイス制御情報に従って動作し、動作の結果を表す情報(処理の成功を表すコードやエラーコード等)を端末装置3へ送出する。
【0038】
本発明の実施の形態は以上の構成を備えており、次のように動作する。以下の例では、バックエンド装置1は、在庫管理の処理として、品番と数量とを入力する欄を表示させる指示を含む配信情報P1と、プリンタに対してデータを出力させる指示を含む配信情報P2とを、それぞれ要求されたときに配信するものとする。具体的に配信情報P2には、予め定義された<print>タグ内に、デバイス制御情報と印刷の対象となるデータとが記述されているものとする。なお配信情報P1には、バックエンド装置1に対してデータを送信(submit)するための指示に係るボタンを表示する指示(操作されたときにデータをsubmitする指示を含むボタンの記述)が含まれ、さらに配信情報P1には、印刷を要求するための指示に係るボタンを表示する指示が含まれるものとする。
【0039】
またここではバックエンド装置1にて実行されるプログラムは、HTTPプロトコルにより各配信情報を送出する。具体的に、このプログラムは、Java(登録商標)、及びそのサーブレットのほか、JavaScript(登録商標)、PHP、ASP(Active Server Pages)等のスクリプト言語によって記述できる。
【0040】
端末装置3がサーバ装置2へアクセスをすると、サーバ装置2から配信情報P1が送出される。本実施の形態における情報処理システムの動作の一例は図5に示すようなものとなる。すなわち端末装置3が、初期化操作が行われたときに、サーバ装置2に対してアクセスを行うと(S1)、サーバ装置2が、予め定められたURLのデータの取得要求をバックエンド装置1に送出する(S2)。バックエンド装置1では、当該データの取得要求に応答して、要求されたURLで特定される配信情報P1を、要求元であるサーバ装置2に配信する(S3)。
【0041】
サーバ装置2のHTTPクライアント部21は、当該配信情報P1を受信する。そしてサーバ装置2は、情報変換部22としての動作を実行して、配信情報P1に含まれる画面記述情報を、端末制御情報に変換する(S4)。この端末制御情報には、品番の入力欄と、数量の入力欄とを表示し、ユーザの操作を受け入れるべき指示が含まれる。なお、各入力欄には、ユーザの操作に関する条件が関連付けられていてもよい。例えば品番の入力欄には、バーコード入力が可能である旨の操作条件が指定されてもよく、数量の入力欄には、50以上100以下の数値をキーパットによって入力すべき操作条件が指定されていてもよい。情報変換部22は、変換により得た端末制御情報を端末装置3に送信する(S5)。
【0042】
端末装置3の制御部31は、通信部35が受信した、この端末制御情報の入力を受けてその内容を解釈し、表示部33上で当該端末制御情報に指定された各位置に品番の入力欄と、数量の入力欄とをそれぞれ表示する(S6)。
【0043】
端末装置3の制御部31は、ユーザからの操作により、品番の入力を行う旨が入力され、ついでユーザが操作部34であるバーコードリーダを操作して在庫品に係るバーコードを読みとると、バーコードリーダで読みとった当該データ(一例として「aaaa」であるとする)が制御部31に出力され、制御部31は、当該情報を記憶部32に保持するとともに、当該データを品番の入力欄に表示するよう表示部33を制御する。そして制御部31は、数量の入力欄にカーソルを移動する。
【0044】
ここでユーザが例えば「100」を入力して、バックエンド装置1に対してデータを送出するべき旨のボタンを操作すると、制御部31は、当該ボタンを表示する指示に含まれるURL(入力されたデータを受け入れるプログラムのURLとする)と、入力された値(品番及び数量)のリスト(パラメータのリスト)とを通信部35を介してサーバ装置2に送信する(S7)。
【0045】
サーバ装置2は、当該URLで特定されるデータの要求と、パラメータのリストとをバックエンド装置1側に送信する(S8)。そしてバックエンド装置1は、この要求に応答して、データを受け入れるプログラムを実行し、受信したパラメータのリストにより示された値をデータベース等に格納する等の処理を行う(S9)。
【0046】
またユーザが、端末装置3を操作して、印刷を要求する指示に係るボタンを操作した場合の動作について図6を参照して説明する。この場合、端末装置3の制御部31は、当該ボタンを表示する指示に含まれるURL(デバイス制御情報を含む配信情報P2のURL)と、入力された値(品番及び数量)のリスト(パラメータのリスト)とを、通信部35を介してサーバ装置2に送信する(S11)。サーバ装置2は、当該URLで特定されるデータの要求とパラメータのリストとをバックエンド装置1側に送信する(S12)。そしてバックエンド装置1は、受信したパラメータのリストにより示された値をデータベース等に格納する等の処理を行い、またこのデータの要求に応答して、受信したURLに対応する配信情報P2を、要求元であるサーバ装置2に配信する(S13)。
【0047】
サーバ装置2のHTTPクライアント部21は、当該配信情報P2を受信する。そしてサーバ装置2は、情報変換部22としての動作を実行する。ここで配信情報P2にはデバイス制御情報が含まれるので、サーバ装置2は、当該デバイス制御情報を含む配信情報P2を、そのまま端末装置3に送信する(S14)。
【0048】
端末装置3の制御部31は、通信部35が受信した配信情報P2(ここではデバイス制御情報とデータとを含む)の入力を受けてその内容を調べる。ここでは、受信した配信情報P2にデバイス制御情報が含まれているので、制御部31は、当該デバイス制御情報について、デバイス制御部44としての動作を行い、デバイス4へ送信する(S15)。
【0049】
具体的にここでは、サーバ装置2から受信した配信情報P2に含まれるデバイス制御情報が、
ESC @(初期化)
ESC 0(改行量の設定)
ESC $ a b(印字開始の水平位置を、パラメータa,bに基づいて設定)
といった印刷開始時の指示を含む場合、制御部31はこれに続けて、配信情報P2に含まれるデータ(例えば品番と数量のリスト)、
aaaa, 100 CR LF
を追記し、さらに、サーバ装置2から受信した配信情報P2に含まれるデバイス制御情報のうち印刷終了時の指示である
FF
を付け加えて、デバイス4へ送出する。
【0050】
デバイス4としてのプリンタは、この端末装置3から送出されたデバイス制御情報(データが追記されたもの)を受け入れる。そしてプリンタは当該受け入れたデバイス制御情報に記述された指示に従い、プリンタを初期化し、改行量を設定し、用紙を給紙して印字開始位置を設定した後に、データである品番と数量の文字列、「aaaa, 100」をその用紙上に印字し、改行してから、当該印字した用紙を排出する(S16)。
【0051】
そしてプリンタは、印刷が完了した旨の情報を端末装置3へ送出する(S17)。端末装置3は、当該情報を受け入れて、当該印刷が完了した旨の情報をパラメータとして含む配信情報の要求を生成し、当該生成した配信情報の要求を、サーバ装置2へ送出する(S18)。ここで送信する配信情報の要求(URL)は、デバイス制御情報に関連付けて、配信情報P2に記録しておいてもよいし、予め結果を通知する際に指定するべきURLとして設定されたものであってもよい。
【0052】
サーバ装置2は、当該URLで特定されるデータの要求をバックエンド装置1側に送信する(S19)。そしてバックエンド装置1は、この要求に応答して、当該URLに含まれるデバイス制御の結果(ここでは印刷が完了した旨の情報)を受け取る。このデバイス制御の結果の情報は、後の処理に供されてもよい。具体的にこの後の処理とは、デバイス制御の結果がエラーであった場合に、その旨を表す情報を記述した配信情報を、サーバ装置2を介して端末装置3へ送信する処理等である。
【0053】
以上のように本実施の形態によると、端末装置3においてはデバイスに対して情報を送出する処理を可能としておけば、デバイスごとに固有なデバイスドライバや制御用のアプリケーションを端末装置3に個別にインストールする必要なく、デバイスの制御を実現できる。また、デバイス制御の結果をバックエンド装置1にて取得することが可能となり、バックエンド装置1において多様な処理を行うことが可能となる。
【0054】
また、ここでの説明では、デバイス4の例としてプリンタについて述べたが、デバイス4の例は、プリンタに限られない。例えばデバイス4は、カードリーダー・ライターや、ICチップのリーダであってもよい。この場合、デバイス4は、バックエンド装置1からサーバ装置2及び端末装置3を介して受信したデバイス制御情報に基づく処理として、カードやICチップの情報を読み取る。そして当該読み取って得た情報を、動作の結果を表す情報として端末装置3に送出する。端末装置3では、当該情報を含む配信情報の要求を、サーバ装置2を介してバックエンド装置1に送出することとなる。
【0055】
さらにデバイス4は、端末装置3の内部にあるGPS(Global Positioning System)装置であってもよい。この場合、端末装置3の制御部31は、サーバ装置2から受信したデバイス制御情報に基づいて、GPS装置を制御し、動作の結果を表す情報として位置情報を取得する。そして当該取得した位置情報を含む配信情報の要求を、サーバ装置2を介してバックエンド装置1に送出することとなる。
【0056】
さらにデバイス4は端末装置3の内部にあるカメラであってもよい。この場合、端末装置3の制御部31は、サーバ装置2から受信したデバイス制御情報に基づいて、カメラを起動する。そして端末装置3がカメラとしての動作を行い、利用者のシャッター押下を待機し、やがて利用者がシャッターを押下すると、その時点で撮像素子によって捉えられた画像の情報が端末装置3内に記録される。端末装置3はこうして得た、撮影した画像の情報を含む配信情報の要求を、サーバ装置2を介してバックエンド装置1に送出する。
【符号の説明】
【0057】
1 バックエンド装置、2 サーバ装置、3 端末装置、4 デバイス、11 ウェブサーバ部、12 バックエンド処理部、21 クライアント部、22 情報変換部、31 制御部、32 記憶部、33 表示部、34 操作部、35 通信部、36 インタフェース部、41 インタプリタ部、42 データ入出力部、43 データ保持部、44 デバイス制御部、45 デバイス通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6