(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】雲台およびその制御方法、無人機
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220111BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220111BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G03B17/56 B
G03B15/00 U
G03B15/00 P
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2020543081
(86)(22)【出願日】2018-02-11
(86)【国際出願番号】 CN2018076237
(87)【国際公開番号】W WO2019153293
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】6F,HKUST SZ IER Bldg.NO.9 Yuexing 1st Rd.Hi-Tech Park(South),Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー ティェ
(72)【発明者】
【氏名】パン ポール
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0352992(US,A1)
【文献】特表2017-508108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を搭載するための雲台であって、
第1の軸アームと、
第2の軸アームと、
第3の軸アームと、
前記第1の軸アームの一端に接続された第1のモータと、
前記第2の軸アームの一端と前記第1の軸アームの他端とに接続された第2のモータと、
前記第3の軸アームの一端と前記第2の軸アームの他端とに接続された第3のモータと、
前記第3の軸アームの他端に接続され、前記負荷が固定される固定ラックと、
前記第1のモータに固定接続され、前記第1のモータの回転軸方向に延伸する手持ちバーと、
コントローラと、
前記手持ちバーに設けられ、前記コントローラに電気的に接続され、第1のモードと第2のモードとを切り替えるためのモード切り替えスイッチと、を備え、
前記コントローラは、
前記モード切り替えスイッチにおいて前記第1のモードから前記第2のモードへの切り替えの操作がされた場合、
前記負荷及び前記固定ラックを相対的に静止した状態に保つように制御し、
前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで前記手持ちバーをy軸の周りで90度回転させ、
前記第1のモータを前記負荷及び前記固定ラックをx軸の周りで転動させるロール軸モータとし、
前記第2のモータを前記負荷及び前記固定ラックをz軸の周りで転動させるヨー軸モータとし、
前記第3のモータを前記負荷及び前記固定ラックをy軸の周りで転動させるピッチ軸モータとし、
前記モード切り替えスイッチにおいて前記第2のモードから前記第1のモードへの切り替えの操作がされた場合、
前記負荷及び前記固定ラックを相対的に静止した状態に保つように制御し、
前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで前記手持ちバーをy軸の周りで90度回転させ、
前記第1のモータを前記負荷及び前記固定ラックをz軸の周りで転動させるヨー軸モータとし、
前記第2のモータを前記負荷及び前記固定ラックをx軸の周りで転動させるロール軸モータとし、
前記第3のモータを前記負荷及び前記固定ラックをy軸の周りで転動させるピッチ軸モータとする、
雲台。
【請求項2】
前記モード切り換えスイッチがシフトレバーであることを特徴とする、
請求項
1に記載の雲台。
【請求項3】
前記第1のモータをロール軸モータとして用いるとき、前記ロール軸モータの転動角度が45°よりも大きいことを特徴とする、
請求項1に記載の雲台。
【請求項4】
前記ロール軸モータの転動角度が70°よりも大きいことを特徴とする、
請求項
3に記載の雲台。
【請求項5】
前記ロール軸モータは、無限に回転することができることを特徴とする、
請求項
3に記載の雲台。
【請求項6】
前記第1のモータ上にスリップリングが設けられており、前記ロール軸モータを無限に回転させることができることを特徴とする、
請求項
5に記載の雲台。
【請求項7】
前記負荷が撮影装置であることを特徴とする、
請求項1に記載の雲台。
【請求項8】
請求項1から
7のうちいずれか一つに記載の雲台を含む無人機。
【請求項9】
負荷を搭載するための雲台の制御方法であって、前記雲台は、
第1の軸アームと、
第2の軸アームと、
第3の軸アームと、
前記第1の軸アームの一端に接続された第1のモータと、
前記第2の軸アームの一端と前記第1の軸アームの他端とに接続された第2のモータと、
前記第3の軸アームの一端と前記第2の軸アームの他端とに接続された第3のモータと、
前記第3の軸アームの他端に接続され、前記負荷が搭載される固定ラックと、
前記第1のモータに接続され、前記第1のモータの回転軸方向に延伸する手持ちバーと、
コントローラと、
前記手持ちバーに設けられて前記コントローラに電気的に接続されており、第1のモードと第2のモードとを切り替えるためのモード切り替えスイッチと、を備え、
前記コントローラは、
前記モード切り替えスイッチにおいて前記第1のモードから前記第2のモードへの切り替えの操作がされた場合、
前記負荷を相対的に静止した状態に保つように制御し、
前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで前記手持ちバーをy軸の周りで90度回転させ、
前記第1のモータを前記負荷及び前記固定ラックをx軸の周りで転動させるロール軸モータとし、
前記第2のモータを前記負荷及び前記固定ラックをz軸の周りで転動させるヨー軸モータとし、
前記第3のモータを前記負荷及び前記固定ラックをy軸の周りで転動させるピッチ軸モータとし、
前記モード切り替えスイッチにおいて前記第2のモードから前記第1のモードへの切り替えの操作がされた場合、
前記負荷及び前記固定ラックを相対的に静止した状態に保つように制御し、
前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで前記手持ちバーをy軸の周りで90度回転させ、
前記第1のモータを前記負荷及び前記固定ラックをz軸の周りで転動させるヨー軸モータとし、
前記第2のモータを前記負荷及び前記固定ラックをx軸の周りで転動させるロール軸モータとし、
前記第3のモータを前記負荷及び前記固定ラックをy軸の周りで転動させるピッチ軸モータとする、
雲台の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雲台の分野に関し、特に雲台およびその制御方法、無人機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている雲台は、搭載される負荷のロール方向に、いずれもソフトウェア角度リミットを有し、一般に±30°前後である。ソフトウェアリミットを加えない場合、ロール方向での負荷の回転が30°を超え、45°以上に達し、雲台が揺動し、雲台上に搭載されたスチルカメラが撮影を継続できなくなる。しかしながら、いくつかの場面の撮影の際に、ユーザは、ロール方向で大きな角度で撮影することを希望し、例えば空や地面が回転する画面など、負荷がロール方向で大きな角度で転動しなければ実現できない特殊効果の場面の撮影を希望することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、雲台およびその制御方法、無人機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様により、負荷を搭載するための雲台であって、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、前記負荷を搭載するために用いられ、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの一方とし、前記第3のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの他方として用いることができ、前記ロール軸モータが転動して、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記ヨー軸モータおよび前記ピッチ軸モータを前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動させる、雲台を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様により、機体を含み、雲台と、前記雲台上に搭載された負荷と、をさらに含む無人機であって、前記雲台は、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第1のモータは、前記機体上に固定され、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、前記負荷を搭載するために用いられ、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの一方とし、前記第3のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの他方として用いることができ、前記ロール軸モータが転動して、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記ヨー軸モータおよび前記ピッチ軸モータを前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動させる、無人機を提供する。
【0006】
本発明の第3の態様により、雲台の制御方法であって、前記雲台は、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、手持ちバーと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に、前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、負荷を搭載するために用いられ、前記第3のモータはピッチ軸モータであり、前記手持ちバーは、前記第1のモータに接続され、前記方法は、雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するか、または雲台を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するためのモード切り換えコマンドを受け、前記切り換えコマンドが、雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられる場合、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまでy軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータとして用い、前記切り換えコマンドが、雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられる場合、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がy軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータをヨー軸モータとし、前記第2のモータをロール軸モータとして用いることを含む、雲台の制御方法を提供する。
【0007】
以上の本発明の実施例で提供する技術手法からわかるように、本発明のロール軸モータが転動するとき、ヨー軸モータおよびピッチ軸モータがロール軸モータの回転軸の周りで同期転動し、雲台は、この構造の下で、ロール軸モータが大きな角度での転動を実現することができ、従来の雲台における、ロール軸モータの転動角度が一定の角度よりも大きいときに、雲台が、3つの自由度から2つの自由度に変わり、拘束が生じ、雲台が乱回転するか、または痙攣を起こす可能性がある状況が現れない。
【0008】
本発明の実施例における技術手法をより明確に説明するために、次に実施例の記述における用いることが必要な図面について簡単に紹介する。次の記述における図面は、本発明の実施例の一部でしかなく、当業者にとって、創造的作業を行わない前提の下で、これらの図面に基づきその他の図面をさらに得ることができることは自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例における雲台の第2のモードでの構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例における雲台の第1のモードでの構造模式図である。
【
図3】
図2のもう1つの方向における構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例における吊り下げ式雲台の第1のモードでの構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例における無人機の立体図である。
【
図6】本発明の実施例における雲台制御方法の方法流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例における図面と合わせ、本発明の実施例における技術手法について、明確かつ完全に記述するが、記述する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的作業を行わない前提の下で得たその他すべての実施例は、いずれも本発明の保護する範囲に属す。
【0011】
次に、図面と合わせ、本発明の雲台およびその制御方法、無人機について詳細に説明する。抵触しない場合、下記の実施例および実施形態における特徴は、互いに組み合わせてもよい。
【0012】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例1は、雲台200を提供する。本実施例の雲台200は、負荷300を搭載するために用いられ、本実施例において、前記負荷300は、スチルカメラ、ビデオカメラ、赤外線撮像設備、紫外線撮像設備または類似の設備などの撮影装置である。他の実施例において、前記負荷300は、画像センサなどの映像キャプチャデバイスであってもよい。また、
図1に示すように、本実施例の雲台200は、負荷300のx軸(すなわちロール方向)、y軸(すなわちピッチ方向)およびz軸(すなわちヨー方向)の周りの転動を制御することができる。x軸、y軸およびz軸は、三次元直角座標系を形成する。負荷300のy軸の周りの転動は、負荷300のピッチ方向における姿勢変化に対応し、負荷300のz軸の周りの転動は、負荷300のヨー方向における姿勢変化に対応し、負荷300のx軸の周りの転動は、負荷300のロール軸方向における姿勢変化に対応する。
【0013】
図1に示すように、前記雲台200は、第1の軸アセンブリ10と、第2の軸アセンブリ20と、第3の軸アセンブリ30と、を含んでもよい。前記第1の軸アセンブリ10は、第1の軸アーム11と、前記第1の軸アーム11の一端に装着された第1のモータ12と、を含んでもよく、前記第2の軸アセンブリ20は、第2の軸アーム21と、前記第2の軸アーム21の一端に装着された第2のモータ22と、を含んでもよく、前記第3の軸アセンブリ30は、第3の軸アーム31と、前記第3の軸アーム31の一端に装着された第3のモータ32と、を含んでもよい。さらに、前記第1の軸アーム11の前記第1のモータ12から遠い一端に、前記第2のモータ22が固定接続されており、前記第2の軸アーム21の前記第2のモータ22から遠い一端に、前記第3のモータ32が固定接続されており、前記第3の軸アーム31は、前記負荷300を搭載するために用いられ、選択可能に、前記第3の軸アーム31に、固定ラック50が装着されており、前記負荷300は、前記固定ラック50上に固定されている。
【0014】
前記第1のモータ12をロール軸モータとし、前記第2のモータ22をヨー軸モータおよびピッチ軸モータのうちの一方とし、前記第3のモータ32をヨー軸モータおよびピッチ軸モータのうちの他方として用いることができる。例えば、1つの実施例において、前記第1のモータ12はロール軸モータであり、前記第2のモータ22はヨー軸モータであり、前記第3のモータ32はピッチ軸モータである。もう1つの実施例において、前記第1のモータ12はロール軸モータであり、前記第2のモータ22はピッチ軸モータであり、前記第3のモータ32はヨー軸モータである。本実施例では、前記ロール軸モータが転動し、前記負荷300をx軸の周りで転動させ、前記ヨー軸モータおよび前記ピッチ軸モータを前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動させる。
【0015】
本発明の実施例では、ロール軸モータが転動するとき、ヨー軸モータおよびピッチ軸モータは、前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動し、雲台200は、この構造の下で、ロール軸モータが大きな角度での転動を実現することができ、従来の雲台における、ロール軸モータの転動角度が一定の角度よりも大きいときに、雲台が、3つの自由度から2つの自由度に変わり、拘束が生じ、雲台が乱回転するか、または痙攣を起こす可能性がある状況が現れない。
【0016】
なお、本発明は、前記第1のモータ12、第2のモータ22および第3のモータ32のタイプについて具体的に限定せず、前記第1のモータ12、第2のモータ22および第3のモータ32は、ステッピングモータとしても、他のタイプのモータとしてもよい。
【0017】
前記第1のモータ12をロール軸モータとして用いるとき、前記ロール軸モータの転動角度は45°よりも大きくなり、ユーザの撮影ニーズを満たす。選択可能に、前記ロール軸モータの転動角度は、70°よりも大きくてもよい。好ましくは、前記ロール軸モータは、無限に回転することができ、すなわち、ロール軸モータは、360°転動しても、360°よりも大きく転動してもよく、雲台200に搭載される負荷300は、カーレースの追い抜きの撮影など、空や地面が回転する創造的な画面を撮影することができ、ロール軸モータが360°または360°よりも大きく転動した後、より多くの角度の画面を撮影することができる。ロール軸モータの360°または360°よりも大きい転動を実現するため、本実施例では、前記第1のモータ12にスリップリングを設け、前記ロール軸モータを無限に回転させる。
【0018】
本実施例では、前記第3のモータ32はピッチ軸モータである。前記雲台200は、第1のモードおよび第2のモードを含んでもよく、雲台200は、第1のモードと第2のモードとの間で切り換えることができる。雲台200が第1のモードにあるとき、雲台200は、従来の雲台と同じように用いることができ(
図2、
図3および
図4の使用状態)、雲台200を第2のモードに切り換えるとき、雲台は、ロール方向により大きな角度で転動することができ(
図1の使用状態)、特定の撮影場面に適している。モードの切り換えにより、雲台200をより多様な撮影場面に用いることができ、ユーザの撮影ニーズを満たすことができる。本実施例では、前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき(すなわち
図2および
図3における雲台200のモードから
図1における雲台200のモードに切り換えるとき)、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき(すなわち
図1における雲台200のモードから
図2および
図3における雲台200のモードに切り換えるとき)、前記第1の軸アセンブリ10および前記第2の軸アセンブリ20の作用に入れ替えが生じる。
【0019】
具体的には、前記雲台200を前記第1のモードに切り換えるとき、
図2および
図3に示すように、前記第1のモータ12はヨー軸モータであり、前記第2のモータ22はロール軸モータであり、前記第1のモータ12が転動し、前記負荷300をz軸の周りで転動させ、前記第2のモータ22および前記第3のモータ32を前記第1のモータ12の回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータ22が転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記第3のモータ32を前記第2のモータ22の回転軸の周りで同期転動させる。本実施例では、前記雲台200は、非直交雲台であり、雲台200は、第1のモードの構造の下で、第1のモータ12の回転軸がz軸に平行であり、第2のモータ22の回転軸がx軸に対して傾斜して設けられており、第3のモータ32の回転軸がy軸に平行である。負荷300をy軸の周りで回転させる必要がある場合、第3のモータ32の回転を制御する。負荷300をx軸の周りで回転させる必要がある場合、第2のモータ22の回転を制御する。負荷300をz軸の周りで回転させる必要がある場合、第1のモータ12の回転を制御する。負荷300をx軸の周りで回転させるとき、第2の軸モータ角度が90°に達するか、達しそうになる頃に、雲台200が、3つの自由度から2つの自由度のみに変わり、雲台200に乱回転(ロール軸モータが転動するときに、ピッチ軸モータは、ロール軸モータに追随してロール軸モータの回転軸の周りで同期転動し、ヨー軸モータは、ロール軸モータに追随してロール軸モータの回転軸の周りで同期転動せず、ピッチ軸モータの回転軸方向で変化を生じさせ、ピッチ軸モータの回転軸が前記ヨー軸の回転軸にほぼ平行になることにより、ピッチ軸モータおよびヨー軸モータが雲台のヨー方向での動きを同時に制御する)または痙攣の状況が現れる。第1のモードの下で、第1のモータ12は、z軸の周りで360°回転することができる。なお、ある実施例では、前記雲台200は、直交雲台であり、雲台200は、第1のモードの構造の下で、第1のモータ12の回転軸がz軸に平行であり、第2のモータ22の回転軸がx軸に平行であり、第3のモータ32の回転軸がy軸に平行である。
【0020】
前記雲台200を前記第2のモード(懐中電灯モードとも言う)に切り換えるとき、
図1に示すように、前記第1のモータ12はロール軸モータであり、前記第2のモータ22はヨー軸モータであり、前記第1のモータ12が転動し、前記負荷300をx軸の周りで転動させ、前記第2のモータ22および前記第3のモータ32を前記第1のモータ12の回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータ22が転動し、前記負荷をz軸の周りで転動させ、前記第3のモータ32を前記第2のモータの回転軸の周りで転動させる。雲台200は、第2のモードの構造の下で、第1のモータの回転軸12がx軸に平行であり、第3のモータ32の回転軸がy軸に平行であるが、第2のモータ22の回転軸はz軸と平行でない。負荷300をy軸の周りで回転させる必要がある場合、第3のモータ32の回転を制御する。負荷300をx軸の周りで回転させる必要がある場合、第1のモータ12の回転を制御する。負荷300をy軸の周りで回転させる必要がある場合、第2のモータ22および第3のモータ32の回転を制御する。本実施例の第1のモータ12が転動するとき、第2のモータ22および第3のモータ32は、前記第1のモータ12の回転軸の周りで同期転動し、すなわち第2のモータ22および第3のモータ32は、第1のモータ12に追随して第1のモータ12の回転軸の周りで同期転動し、第2のモータ22および第3のモータ32の回転軸の方向に変化が生じず、雲台200は、3つの自由度を終始保ち、乱回転または痙攣の状況が現れない。
【0021】
他の実施例では、前記第3のモータ32はヨー軸モータであってもよい。第1のモードの下で、第1のモータ12はピッチ軸モータであり、第2のモータ22はロール軸モータである。第2のモードの下で、第1のモータ12はロール軸モータであり、第2のモータ22はピッチ軸モータである。本実施例の2種類のモードの切り換え過程は、上記実施例の2種類のモードの切り換え過程に類似しており、上記実施例の2種類のモードの説明を参照することができ、ここでは繰り返し述べない。
【0022】
以下の実施例は、前記第3のモータ32がピッチ軸モータであり、第1のモードの下で、前記第1のモータ12がヨー軸モータであり、前記第2のモータ22がロール軸モータであり、第2のモードの下で、前記第1のモータ12がロール軸モータであり、前記第2のモータ22がヨー軸モータであるものを例としてさらに説明する。
【0023】
前記雲台200は、手持雲台200であっても、吊り下げ式雲台200であってもよい。例えば、1つの実施例において、
図1から
図3と合わせ、前記雲台200は手持雲台200である。本実施例では、前記雲台200は、さらに手持ちバー40を含んでもよく、前記手持ちバー40は、前記第1のモータ12に固定接続される。本実施例では、第1のモードの下で、前記手持ちバー40の延伸方向はz軸に平行である。第2のモードの下で、前記手持ちバー40の延伸方向はz軸に垂直でありx軸に平行である。前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるか、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記手持ちバー40は、前記手持ちバー40をy軸の周りで転動させ、前記第1の軸アセンブリ10および前記第2の軸アセンブリ20の作用に入れ替えを生じさせるよう操作される。例えば、前記手持ちバー40の転動を手動で制御してもよく、制御方式は簡単で、コストは低く、前記手持ちバー40の転動を自動制御してもよく、制御精度は高い。選択可能に、具体的な実現形態において、前記雲台200は、さらにコントローラを含んでもよく、前記コントローラは、前記手持ちバー40の転動を制御するために用いられ、前記ピッチ軸モータの転動を制御するために用いられる。
【0024】
もう1つの実施例において、
図4に示すように、前記雲台200は吊り下げ式雲台200である。前記雲台200は、基座を含んでもよく、前記基座は、例えば無人機などの可動設備を固定することにより、雲台200を可動設備上に吊り下げるために用いられる。これに対応して、前記基座の転動を手動で制御しても、前記基座の転動を自動制御してもよい。選択可能に、具体的な実現形態において、前記雲台200は、さらにコントローラを含んでもよく、前記コントローラは、前記基座の転動を制御するために用いられ、前記ピッチ軸モータの転動を制御するために用いられ、前記基座の一端は前記第1のモータ12に固定接続され、他端は前記可動設備に固定接続される。
【0025】
手持雲台200であっても、吊り下げ式雲台200であっても、雲台200を第1のモードと第2のモードとの間で切り換える過程の原理は類似している。本実施例は、前記雲台200が手持雲台200であるものを例として、雲台200を第1のモードと第2のモードとの間で切り換える過程についてさらに説明する。
【0026】
手動方式または自動方式を採用して雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えることができる。例えば、1つの実施例において、前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるか、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換え、手動で手持ちバー40をy軸の周りで90°回転させ、コントローラによって手持ちバー40の延伸方向を判断することができる。具体的には、前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記負荷300を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバー40を操作し、前記手持ちバー40の延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させる。前記雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記負荷300を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバー40を操作し、前記手持ちバー40の延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させる。前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、手動で前記手持ちバー40を操作し、y軸の周りで90°回転させる方向は、前記雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、手動で前記手持ちバー40を操作し、y軸の周りで90°回転させる方向と逆である。
【0027】
もう1つの実施例において、自動方式を採用して雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換える。本実施例では、前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷300を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバー40を制御して、前記手持ちバー40の延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させる。前記雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷300を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバー40を制御して、前記手持ちバー40の延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させる。具体的には、
図1から
図3と合わせ、第1のモードの下で、手持ちバー40の延伸方向はz軸に平行であり、第2のモードの下で、手持ちバー40の延伸方向はz軸に垂直でありx軸に平行である。雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるとき、コントローラは、手持ちバー40を制御して、y軸の周りで反時計回りに90°回転させ、前記手持ちバー40の延伸方向がx軸と平行になるようにする。雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるとき、コントローラは、手持ちバー40を制御して、y軸の周りで時計回りに90°回転させ、前記手持ちバー40の延伸方向がz軸と平行になるようにする。前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラが前記手持ちバー40を制御し、y軸の周りで90°回転させる方向は、前記雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記コントローラが前記手持ちバー40を制御し、y軸の周りで90°回転させる方向と逆である。
【0028】
なお、本発明の実施例では、手持ちバー40の延伸方向とは、手持ちバー40の先端から手持ちバー40の末端までを結ぶ線の方向をいう。雲台200が吊り下げ式雲台200である場合、前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷300を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバー40を制御して、前記基座の延伸方向(基座の第1のモータ12に接続した一端から基座の第1のモータ12から離れた一端までの結ぶ線の方向)がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させる。
【0029】
さらに、前記コントローラは、モード切り換えコマンドを受け取った後、前記手持ちバー40を制御して、y軸の周りで90°回転させ、前記第1の軸アセンブリ10および前記第2の軸アセンブリ20の作用に入れ替えを生じさせる。前記切り換えコマンドは、雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられるか、または雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられる。
【0030】
ある例では、前記手持ちバー40にモード切り換えスイッチが設けられており、前記モード切り換えスイッチは、前記コントローラに電気的に接続されている。本実施例では、前記モード切り換えコマンドは、前記モード切り換えスイッチが操作されたときに生じる。第2のモードの下で、モード切り換えスイッチを操作することにより、第1のモータ12を制御して、x軸の周りで回転させ、負荷300がロール方向で大きな角度で回転する機能を実現する。選択可能に,前記モード切り換えスイッチをオフからオンに切り換えるとき、前記モード切り換えスイッチは、雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するためのモード切り換えコマンドを生じる。前記モード切り換えスイッチをオンからオフに切り換えるとき、前記モード切り換えスイッチは、雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するためのモード切り換えコマンドを生じる。さらに、前記モード切り換えスイッチは、シフトレバーであってもよい。
【0031】
別のある例において、前記モード切り換えコマンドは、外部設備により前記コントローラに送信され、雲台200のリモートコントロールを実現する。第2のモードの下で、外部設備により、第1のモータ12を制御して、x軸の周りで回転させ、負荷300がロール方向で大きな角度で回転する機能を実現する。選択可能に、前記外部設備は、携帯端末、クランク、ジェスチャー設備またはリモートコントローラであっても、雲台200を制御するために用いられる他の設備であってもよい。
【0032】
また、本実施例では、前記コントローラは、第3のモータ32の転動を制御するために用いることができるだけでなく、前記第1のモータ12および前記第2のモータ22の転動を制御するために用いることもできる。本実施例では、前記コントローラは、中央処理装置(central processing unit,CPU)であってもよい。前記コントローラは、さらにハードウェアチップを含んでもよい。上記ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)であっても、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device,PLD)であっても、その組み合わせであってもよい。上記PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device,CPLD)であっても、フィールドプログラマブルロジックゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)であっても、ジェネリックアレイロジック(generic array logic,GAL)であっても、その任意の組み合わせであってもよい。
【0033】
実施例2
図5に示すように、本発明の実施例2は、無人機を提供し、前記無人機は、機体100と、雲台200と、前記雲台200上に搭載された負荷300と、を含むことができ、前記雲台200は、上記実施例1の雲台200であり、雲台200の構造、機能、動作原理および効果は、実施例1の記述を参照することができ、ここでは繰り返し述べない。
【0034】
本実施例では、前記雲台200の第1のモータ12は、前記機体100上に固定されている。選択可能に、前記第1のモータ12は、基座によって機体100の底部に固定される。
【0035】
本実施例の無人機は、多回転翼無人機であっても、非回転翼無人機であってもよい。
【0036】
実施例3
図6に示すように、本発明の実施例3は、雲台の制御方法を提供する。前記雲台200は、第1の軸アセンブリ10と、第2の軸アセンブリ20と、第3の軸アセンブリ30と、手持ちバー40と、を含む。前記第1の軸アセンブリ10は、第1の軸アーム11と、前記第1の軸アーム11の一端に装着された第1のモータ12と、を含み、前記第2の軸アセンブリ20は、第2の軸アーム21と、前記第2の軸アーム21の一端に装着された第2のモータ22と、を含み、前記第3の軸アセンブリ30は、第3の軸アーム31と、前記第3の軸アーム31の一端に装着された第3のモータ32と、を含み、前記第1の軸アーム11の前記第1のモータ12から遠い一端に、前記第2のモータ22が固定接続されており、前記第2の軸アーム21の前記第2のモータ22から遠い一端に、前記第3のモータ32が固定接続されており、前記第3の軸アーム31は、負荷300を搭載するために用いられる。前記第3のモータ32はピッチ軸モータであり、前記手持ちバー40は前記第1のモータ12に接続されている。本実施例の雲台制御方法の実行主体は、雲台200コントローラである。
【0037】
図6に示すように、前記方法は、次のステップを含むことができる。
【0038】
ステップS601:雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられるか、または雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられるモード切り換えコマンドを受け取る。
【0039】
このステップにおいて、前記切り換えコマンドは、雲台200上のモード切り換えスイッチにより生じても、外部設備により送信してもよい。例えば、1つの実施例において、前記雲台200は、モード切り換えスイッチをさらに含み、前記モード切り換えコマンドは、前記モード切り換えスイッチが操作されたときに生じる。第2のモードの下で、モード切り換えスイッチを操作することにより、第1のモータ12を制御して、x軸の周りで回転させ、負荷300がロール方向で大きな角度で回転する機能を実現する。選択可能に、前記モード切り換えスイッチをオフからオンに切り換えるとき、前記モード切り換えスイッチは、雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するためのモード切り換えコマンドを生じる。前記モード切り換えスイッチをオンからオフに切り換えるとき、前記モード切り換えスイッチは、雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するためのモード切り換えコマンドを生じる。さらに、前記モード切り換えスイッチは、シフトレバーであってもよい。
【0040】
もう1つの実施例において、前記モード切り換えコマンドは、外部設備により送信され、雲台200のリモートコントロールを実現する。第2のモードの下で、外部設備により、第1のモータ12を制御して、x軸の周りで回転させ、負荷300がロール方向で大きな角度で回転する機能を実現する。選択可能に、前記外部設備は、携帯端末、クランク、ジェスチャー設備またはリモートコントローラであっても、雲台200を制御するために用いられる他の設備であってもよい。
【0041】
ステップS602:前記切り換えコマンドを、雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いる場合、前記負荷300を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバー40を制御して、前記手持ちバー40の延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータ12をロール軸モータとし、前記第2のモータ22をヨー軸モータとして用いる。
【0042】
ステップS603:前記切り換えコマンドを、雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるよう指示するために用いる場合、前記負荷300を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバー40を制御して、前記手持ちバー40の延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータ12をヨー軸モータとし、前記第2のモータ22をロール軸モータとして用いる。
【0043】
ステップS602およびステップS603において、
図1から
図3と合わせ、第1のモードの下で、手持ちバー40の延伸方向はz軸に平行であり、第2のモードの下で、手持ちバー40の延伸方向はz軸に垂直でありx軸に平行である。雲台200を第1のモードから第2のモードに切り換えるとき、コントローラは、手持ちバー40を制御して、y軸の周りで反時計回りに90°回転させ、前記手持ちバー40の延伸方向がx軸と平行になるようにする。雲台200を第2のモードから第1のモードに切り換えるとき、コントローラは、手持ちバー40を制御して、y軸の周りで時計回りに90°回転させ、前記手持ちバー40の延伸方向がz軸と平行になるようにする。前記雲台200を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラが前記手持ちバー40を制御して、y軸の周りで90°回転させる方向は、前記雲台200を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記コントローラが前記手持ちバー40を制御して、y軸の周りで90°回転させる方向と逆である。
【0044】
なお、本発明の実施例では、手持ちバー40の延伸方向とは、手持ちバー40の先端から手持ちバー40の末端までを結ぶ線の方向をいう。
【0045】
本発明の実施例では、雲台200は、第2のモードの下で、ロール軸モータが転動するとき、ヨー軸モータおよびピッチ軸モータは、ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動し、雲台200は、この構造の下で、ロール軸モータが大きな角度での転動を実現することができ、従来の雲台における、ロール軸モータの転動角度が一定の角度よりも大きいときに、雲台が、3つの自由度から2つの自由度に変わり、拘束が生じ、雲台が乱回転するか、または痙攣を起こす可能性がある状況が現れない。かつ、雲台200が第1のモードにあるとき、雲台200は、従来の雲台と同じように用いることができ(
図2、
図3および
図4の使用状態)、雲台200を第2のモードに切り換えるとき、雲台は、ロール方向により大きな角度で転動することができ(
図1の使用状態)、特定の撮影場面に適している。モードの切り換えにより、雲台200をより多様な撮影場面に用いることができ、ユーザの撮影ニーズを満たすことができる。
【0046】
上記実施例1の雲台200を参照して、本発明の実施例3の雲台制御方法についてさらに説明することができる。
【0047】
なお、本文では、第1のおよび第2のなどの類の関係用語は、1つの実体または操作と別の実体または操作とを区分するために用いられているだけに過ぎず、必ずしもこれらの実体または操作の間にこの種の実際の関係または順序が存在することを要求するものでも、暗示するものでもない。用語「含む」、「包含」、またはいかなるその他の変体は、排他的でない包含を網羅することを意図しており、一連の要素のプロセス、方法、物品または設備を含むことは、それらの要素を含むだけでなく、明確に列記されていないその他の要素をさらに含むか、またはこれらのプロセス、方法、物品または設備のために固有の要素をさらに含む。さらに多くの制限がない場合、語句「1つの・・・を含む」により限定される要素は、前記要素に含まれるプロセス、方法、物品または設備に別の同一の要素が存在することを排除しない。
【0048】
以上、本発明の実施例で提供する雲台およびその制御方法、無人機について詳細に紹介し、本文において具体的な例を用いて本発明の原理および実施形態について述べたが、以上の実施例の説明は、本発明の方法およびその核となる考えへの理解を助けるために用いられたものに過ぎない。また、当業者にとって、本発明の考え方、具体的な実施形態および適用範囲の上でいずれも変更可能な箇所があり、上記を総合し、本明細書の内容は、本発明に対する限定として理解すべきではない。
【0049】
[項目1]
負荷を搭載するための雲台であって、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、前記負荷を搭載するために用いられる雲台において、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの一方とし、前記第3のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの他方として用い、
前記ロール軸モータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記ヨー軸モータおよび前記ピッチ軸モータを前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動させることを特徴とする雲台。
[項目2]
前記第3のモータがピッチ軸モータであり、前記雲台は、第1のモードと、第2のモードと、を含み、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換える、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えが生じ、
前記雲台を前記第1のモードに切り換えるとき、前記第1のモータはヨー軸モータであり、前記第2のモータはロール軸モータであり、前記第1のモータが転動し、前記負荷をz軸の周りで転動させ、前記第2のモータおよび前記第3のモータを前記第1のモータの回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記第3のモータを前記第2のモータの回転軸の周りで同期転動させ、
前記雲台を前記第2のモードに切り換えるとき、前記第1のモータはロール軸モータであり、前記第2のモータはヨー軸モータであり、前記第1のモータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記第2のモータおよび前記第3のモータを前記第1のモータの回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータが転動し、前記負荷をz軸の周りで転動させ、前記第3のモータを前記第2のモータの回転軸の周りで同期転動させることを特徴とする項目1に記載の雲台。
[項目3]
前記第1のモータに固定接続された手持ちバーをさらに含み、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるか、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記手持ちバーは、前記手持ちバーをy軸の周りで転動させ、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えを生じさせるよう操作されることを特徴とする項目2に記載の雲台。
[項目4]
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記負荷を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバーを操作し、前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、
前記雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記負荷を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバーを操作し、前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させることを特徴とする項目3に記載の雲台。
[項目5]
コントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記手持ちバーの転動を制御するために用いられ、前記ピッチ軸モータの転動を制御するために用いられ、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、
前記雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させることを特徴とする項目3に記載の雲台。
[項目6]
前記コントローラは、モード切り換えコマンドを受け取った後、前記手持ちバーを制御して、y軸の周りで90°回転させ、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えを生じさせ、前記切り換えコマンドは、前記雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられるか、または前記雲台を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられることを特徴とする項目5に記載の雲台。
[項目7]
前記手持ちバー上にモード切り換えスイッチが設けられており、前記モード切り換えスイッチは、前記コントローラに電気的に接続されており、前記モード切り換えコマンドは、前記モード切り換えスイッチが操作されたときに生じることを特徴とする項目6に記載の雲台。
[項目8]
前記モード切り換えスイッチがシフトレバーであることを特徴とする項目7に記載の雲台。
[項目9]
前記モード切り換えコマンドは、外部設備により前記コントローラに送信されることを特徴とする項目6に記載の雲台。
[項目10]
前記外部設備は、携帯端末、クランク、ジェスチャー設備またはリモートコントローラであることを特徴とする項目9に記載の雲台。
[項目11]
前記第1のモータをロール軸モータとして用いるとき、前記ロール軸モータの転動角度が45°よりも大きいことを特徴とする項目1に記載の雲台。
[項目12]
前記ロール軸モータの転動角度が70°よりも大きいことを特徴とする項目11に記載の雲台。
[項目13]
前記ロール軸モータは、無限に回転することができることを特徴とする項目11に記載の雲台。
[項目14]
前記第1のモータ上にスリップリングが設けられており、前記ロール軸モータを無限に回転させることができることを特徴とする項目13に記載の雲台。
[項目15]
前記負荷が撮影装置であることを特徴とする項目1に記載の雲台。
[項目16]
機体を含み、雲台と、前記雲台上に搭載された負荷と、をさらに含む無人機であって、前記雲台は、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第1のモータは、前記機体上に固定され、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、前記負荷を搭載するために用いられる無人機において、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの一方とし、前記第3のモータをヨー軸モータおよびピッチ軸モータの他方として用い、
前記ロール軸モータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記ヨー軸モータおよび前記ピッチ軸モータを前記ロール軸モータの回転軸の周りで同期転動させることを特徴とする無人機。
[項目17]
前記第3のモータがピッチ軸モータであり、前記雲台は、第1のモードと、第2のモードと、を含み、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換える、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えが生じ、
前記雲台を前記第1のモードに切り換えるとき、前記第1のモータはヨー軸モータであり、前記第2のモータはロール軸モータであり、前記第1のモータが転動し、前記負荷をz軸の周りで転動させ、前記第2のモータおよび前記第3のモータを前記第1のモータの回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記第3のモータを前記第2のモータの回転軸の周りで同期転動させ、
前記雲台を前記第2のモードに切り換えるとき、前記第1のモータはロール軸モータであり、前記第2のモータはヨー軸モータであり、前記第1のモータが転動し、前記負荷をx軸の周りで転動させ、前記第2のモータおよび前記第3のモータを前記第1のモータの回転軸の周りで同期転動させ、前記第2のモータが転動し、前記負荷をz軸の周りで転動させ、前記第3のモータを前記第2のモータの回転軸の周りで同期転動させることを特徴とする項目16に記載の無人機。
[項目18]
前記第1のモータに固定接続された手持ちバーをさらに含み、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるか、または前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記手持ちバーは、前記手持ちバーをy軸の周りで転動させ、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えを生じさせるよう操作されることを特徴とする項目17に記載の無人機。
[項目19]
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記負荷を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバーを操作し、前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、
前記雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記負荷を相対的に静止した状態に保ち、手動方式を採用して前記手持ちバーを操作し、前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させることを特徴とする項目18に記載の無人機。
[項目20]
コントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記手持ちバーの転動を制御するために用いられ、前記ピッチ軸モータの転動を制御するために用いられ、
前記雲台を前記第1のモードから前記第2のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、
前記雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるとき、前記コントローラは、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させることを特徴とする項目18に記載の無人機。
[項目21]
前記コントローラは、モード切り換えコマンドを受け取った後、前記手持ちバーを制御して、y軸の周りで90°回転させ、前記第1の軸アセンブリおよび前記第2の軸アセンブリの作用に入れ替えを生じさせ、前記切り換えコマンドは、前記雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられるか、または前記雲台を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられることを特徴とする項目20に記載の無人機。
[項目22]
前記手持ちバー上にモード切り換えスイッチが設けられており、前記モード切り換えスイッチは。前記コントローラに電気的に接続されており、前記モード切り換えコマンドは、前記モード切り換えスイッチが操作されたときに生じることを特徴とする項目21に記載の無人機。
[項目23]
前記モード切り換えスイッチがシフトレバーであることを特徴とする項目22に記載の無人機。
[項目24]
前記モード切り換えコマンドは、外部設備により前記コントローラに送信されることを特徴とする項目21に記載の無人機。
[項目25]
前記外部設備は、携帯端末、クランク、ジェスチャー設備またはリモートコントローラであることを特徴とする項目24に記載の無人機。
[項目26]
前記第1のモータをロール軸モータとして用いるとき、前記ロール軸モータの転動角度が45°よりも大きいことを特徴とする項目16に記載の無人機。
[項目27]
前記ロール軸モータの転動角度が70°よりも大きいことを特徴とする項目26に記載の無人機。
[項目28]
前記ロール軸モータは、無限に回転することができることを特徴とする項目26に記載の無人機。
[項目29]
前記第1のモータ上にスリップリングが設けられており、前記ロール軸モータを無限に回転させることができることを特徴とする項目28に記載の無人機。
[項目30]
前記負荷が撮影装置であることを特徴とする項目16に記載の無人機。
[項目31]
雲台の制御方法であって、前記雲台は、第1の軸アセンブリと、第2の軸アセンブリと、第3の軸アセンブリと、手持ちバーと、を含み、前記第1の軸アセンブリは、第1の軸アームと、前記第1の軸アームの一端に装着された第1のモータと、を含み、前記第2の軸アセンブリは、第2の軸アームと、前記第2の軸アームの一端に装着された第2のモータと、を含み、前記第3の軸アセンブリは、第3の軸アームと、前記第3の軸アームの一端に装着された第3のモータと、を含み、前記第1の軸アームの前記第1のモータから遠い一端に、前記第2のモータを固定接続し、前記第2の軸アームの前記第2のモータから遠い一端に前記第3のモータを固定接続し、前記第3の軸アームは、負荷を搭載するために用いられ、前記第3のモータはピッチ軸モータであり、前記手持ちバーは前記第1のモータに接続され、前記方法は、
前記雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いられるか、または前記雲台を第2のモードから第1のモードに切り換えるよう指示するために用いられるモード切り換えコマンドを受け取り、
前記切り換えコマンドを、前記雲台を第1のモードから第2のモードに切り換えるよう指示するために用いる場合、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がx軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータをロール軸モータとし、前記第2のモータをヨー軸モータとして用い、
前記切り換えコマンドを、前記雲台を前記第2のモードから前記第1のモードに切り換えるよう指示するために用いる場合、前記負荷を相対的に静止した状態に保つよう制御し、前記手持ちバーを制御して、前記手持ちバーの延伸方向がz軸と平行になるまで、y軸の周りで90°回転させ、前記第1のモータをヨー軸モータとし、前記第2のモータをロール軸モータとして用いることを含むことを特徴とする雲台の制御方法。
[項目32]
前記雲台は、モード切り換えスイッチをさらに含み、前記モード切り換えコマンドは、前記モード切り換えスイッチが操作されたときに生じることを特徴とする項目31に記載の方法。
[項目33]
前記モード切り換えコマンドは、外部設備により送信されることを特徴とする項目31に記載の方法。
[項目34]
前記外部設備は、携帯端末、クランク、ジェスチャー設備またはリモートコントローラであることを特徴とする項目33に記載の方法。
【符号の説明】
【0050】
10 第1の軸アセンブリ
11 第1の軸アーム
12 第1のモータ
20 第2の軸アセンブリ
21 第2の軸アーム
22 第2のモータ
30 第3の軸アセンブリ
31 第3の軸アーム
32 第3のモータ
40 手持ちバー
50 固定ラック
100 機体
200 雲台
300 負荷