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特許6999056メッセージ管理装置及びメッセージ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】メッセージ管理装置及びメッセージ管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220111BHJP
   H04W 4/14 20090101ALI20220111BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20220111BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04W4/14
H04W88/18 130
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021052143
(22)【出願日】2021-03-25
(62)【分割の表示】P 2018126282の分割
【原出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2021106024
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-05-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】金泉 実
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-099731(JP,A)
【文献】特表2012-530984(JP,A)
【文献】特表2005-521338(JP,A)
【文献】特許第6345364(JP,B1)
【文献】特許第6262391(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
G08B 25/00
G06F 13/00
H04L 12/00
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む所定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するメッセージ取得部と、
前記メッセージ取得部が取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するメッセージ配信部と、
前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末それぞれの送達状況の一覧を表示する送達状況画面と、前記送達状況画面にアクセスするためのアドレス情報とを生成する生成部と、
を有するメッセージ管理装置。
【請求項2】
前記送達状況画面は、前記メッセージ配信部が配信したSMSメッセージの識別情報に対応する画面である、
請求項1に記載のメッセージ管理装置。
【請求項3】
前記送達状況画面は、前記送信端末の識別情報に対応する画面である、
請求項1に記載のメッセージ管理装置。
【請求項4】
前記アドレス情報は、前記メッセージ配信部が配信した前記SMSメッセージの識別情報を含み、
前記送達状況画面は、当該SMSメッセージの識別情報に対応する画面である、
請求項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項5】
前記アドレス情報は、前記送信端末の識別情報を含み、
前記送達状況画面は、当該送信端末の識別情報に対応する画面である、
請求項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項6】
前記メッセージ取得部は、前記送信端末から、前記グループ識別情報として、SMSメッセージを複数の通信端末に配信するサービスの契約者に付与された電話番号である特番と、前記送信端末の電話番号である発信者番号とを取得し、
前記特定部は、前記特番と、前記発信者番号とに関連付けられている前記複数の受信端末を特定する、
請求項1からのいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項7】
前記メッセージ取得部は、前記送信端末から、前記グループ識別情報として、SMSメッセージを複数の通信端末に配信するサービスの契約者に付与された電話番号である特番を取得し、
前記特定部は、前記特番に関連付けられている前記複数の受信端末を特定する、
請求項1からのいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項8】
前記受信端末から、前記SMSメッセージを受信したことを示す送達結果通知を取得する通知取得部と、
前記通知取得部が、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末のうち、少なくとも1つの前記受信端末から前記送達結果通知を取得した場合に、前記生成部が生成した前記送達状況画面にアクセスするためのアドレス情報を前記送信端末に送信する情報送信部と、
をさらに有する、
請求項1からのいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項9】
前記通知取得部は、前記受信端末から、配信された前記SMSメッセージを前記受信端末のユーザが閲覧したことを示す閲覧通知を取得し、
前記生成部は、前記通知取得部が取得した前記閲覧通知に基づいて、送達状況画面を更新する、
請求項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項10】
前記通知取得部は、前記受信端末が、配信された前記SMSメッセージに含まれる、前記SMSメッセージを閲覧したことを通知するためのアドレス情報が示すアドレスにアクセスしたことを、前記閲覧通知として取得する、
請求項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項11】
前記メッセージ配信部は、前記SMSメッセージを表示したときに実行される、前記閲覧通知を送信する通知コマンドを含む前記SMSメッセージを、前記特定部が特定した前記複数の受信端末に配信し、
前記通知取得部は、前記通知コマンドが実行されたことによって前記受信端末から送信された前記閲覧通知を取得する、
請求項又は10に記載のメッセージ管理装置。
【請求項12】
前記通知取得部は、前記受信端末が、前記メッセージ配信部が配信した前記SMSメッセージを受信できなかった要因を示す未送達要因情報を取得し、
前記生成部は、前記送達結果通知と前記未送達要因情報とに基づく前記送達状況を表示する前記送達状況画面を生成する、
請求項から11のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項13】
前記メッセージ配信部は、前記未送達要因情報に基づくタイミングで、前記通知取得部が前記送達結果通知を取得していない1つ以上の前記受信端末に、前記SMSメッセージを再度配信する、
請求項12に記載のメッセージ管理装置。
【請求項14】
前記送達状況画面において、前記SMSメッセージの再送処理を設定する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、
前記メッセージ配信部は、前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信した後において、設定された前記再送処理に関する情報に基づいて、前記送達結果通知を取得していない1つ以上の前記受信端末に前記SMSメッセージを再度配信する、
請求項12に記載のメッセージ管理装置。
【請求項15】
前記情報送信部は、前記送達状況画面にアクセスするためのアドレス情報を、前記送信端末を含む前記複数の受信端末に送信する、
請求項から14のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項16】
コンピュータが実行する、
送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む所定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するステップと、
取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定するステップと、
特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するステップと、
前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末それぞれの送達状況の一覧を表示する送達状況画面と、前記送達状況画面にアクセスするためのアドレス情報とを生成するステップと、
を有するメッセージ管理方法。
【請求項17】
送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するメッセージ取得部と、
前記メッセージ取得部が取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するメッセージ配信部と、
生成されたアドレス情報であって、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを配信した前複数の受信端末それぞれの送達状況の一覧を表示する送達状況画面にアクセスするための前記アドレス情報によって示されるアドレスにアクセスした前記送信端末の表示部に前記送達状況画面を表示させる制御部と、
を有するメッセージ管理装置。
【請求項18】
コンピュータが実行する、
送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するステップと、
取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定するステップと、
特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するステップと、
生成されたアドレス情報であって、前記SMSメッセージを配信した前複数の受信端末それぞれの送達状況の一覧を表示する送達状況画面にアクセスするための前記アドレス情報によって示されるアドレスにアクセスした前記送信端末の表示部に前記送達状況画面を表示させるステップと、
を有するメッセージ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信端末に配信されたSMS(Short Message Service)メッセージの送達状況を管理するメッセージ管理装置及びメッセージ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話番号を用いてメッセージを送信するサービスとして、SMSが知られている。特許文献1には、受信側通信事業者網におけるHLR(Home Location Register)から取得した各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データに基づいて、送信側ユーザ端末装置が発信したSMSメッセージを各受信側ユーザ端末装置に配信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-109777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、SMSにおける伝送工程は、SMSC(Short Message Service Center)がSMSメッセージを受け付け、受け付けたSMSメッセージを受信側ユーザ端末装置に伝送すると終了する。特許文献1のような技術を用いることにより、送信側ユーザは、各受信側ユーザ端末装置にSMSメッセージを配信することができる。しかしながら、送信側ユーザは、送信したSMSメッセージが各受信側ユーザ端末装置に届いたかを把握することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、SMSメッセージの送達状況を容易に把握させることができるメッセージ管理装置及びメッセージ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るメッセージ管理装置は、送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む所定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するメッセージ取得部と、前記メッセージ取得部が取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するメッセージ配信部と、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを前記複数の受信端末それぞれに配信した後に、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末それぞれの送達状況を表示する送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を前記送信端末に送信する情報送信部と、を有する。
【0007】
前記メッセージ取得部は、前記送信端末から、前記グループ識別情報として、SMSメッセージを複数の通信端末に配信するサービスの契約者に付与された電話番号である特番と、前記送信端末の電話番号である発信者番号とを取得し、前記特定部は、前記特番と、前記発信者番号とに関連付けられている前記複数の受信端末を特定してもよい。
【0008】
前記メッセージ取得部は、前記送信端末から、前記グループ識別情報として、SMSメッセージを複数の通信端末に配信するサービスの契約者に付与された電話番号である特番を取得し、前記特定部は、前記特番に関連付けられている前記複数の受信端末を特定してもよい。
【0009】
前記メッセージ管理装置は、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを前記複数の受信端末それぞれに配信した後に、前記送達状況画面を生成する生成部をさらに有してもよい。
【0010】
前記メッセージ管理装置は、前記受信端末から、前記SMSメッセージを受信したことを示す送達結果通知を取得する通知取得部をさらに有し、前記情報送信部は、前記通知取得部が、前記メッセージ配信部が前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末のうち、少なくとも1つの前記受信端末から前記送達結果通知を取得した場合に、前記生成部が生成した前記送達状況画面にアクセスするための前記送信者用アドレス情報を前記送信端末に送信してもよい。
【0011】
前記通知取得部は、前記受信端末から、配信された前記SMSメッセージを前記受信端末のユーザが閲覧したことを示す閲覧通知を取得し、前記生成部は、前記通知取得部が取得した前記閲覧通知に基づいて、送達状況画面を更新してもよい。
【0012】
前記通知取得部は、前記受信端末が、配信された前記SMSメッセージに含まれる、前記SMSメッセージを閲覧したことを通知するための受信者用アドレス情報が示すアドレスにアクセスしたことを、前記閲覧通知として取得してもよい。
【0013】
前記メッセージ配信部は、前記SMSメッセージを表示したときに実行される、前記閲覧通知を送信する通知コマンドを含む前記SMSメッセージを、前記特定部が特定した前記複数の受信端末に配信し、前記通知取得部は、前記通知コマンドが実行されたことによって前記受信端末から送信された前記閲覧通知を取得してもよい。
【0014】
前記通知取得部は、前記受信端末が、前記メッセージ配信部が配信した前記SMSメッセージを受信できなかった要因を示す未送達要因情報を取得し、前記生成部は、前記送達結果通知と前記未送達要因情報とに基づく前記送達状況を表示する前記送達状況画面を生成してもよい。
【0015】
前記メッセージ配信部は、前記未送達要因情報に基づくタイミングで、前記通知取得部が前記送達結果通知を取得していない1つ以上の前記受信端末に、前記SMSメッセージを再度配信してもよい。
【0016】
前記メッセージ管理装置は、前記送達状況画面において、前記SMSメッセージの再送処理を設定する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、前記メッセージ配信部は、前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信した後において、設定された前記再送処理に関する情報に基づいて、前記送達結果通知を取得していない1つ以上の前記受信端末に前記SMSメッセージを再度配信してもよい。
情報送信部は、前記送信者用アドレス情報を、前記送信端末を含む前記複数の受信端末に送信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係るメッセージ管理方法は、コンピュータが実行する、送信側の通信端末である送信端末から、受信側の通信端末である複数の受信端末を含む所定のグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得するステップと、取得した前記グループ識別情報に基づいて、前記複数の受信端末を特定するステップと、特定した前記複数の受信端末に前記SMSメッセージを配信するステップと、前記SMSメッセージを前記複数の受信端末それぞれに配信した後に、前記SMSメッセージを配信した前記複数の受信端末それぞれの送達状況を表示する送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を前記送信端末に送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、SMSメッセージの送達状況を容易に把握させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態におけるメッセージ管理システムの概要を説明するための図である。
図2】メッセージ管理装置の構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るサービス管理データベースの構成を示す図である。
図4】送達状況画面の一例を示す図である。
図5】状況管理データベースの構成を示す図である。
図6】メッセージ管理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】第2の実施形態におけるメッセージ管理システムの処理の流れを説明するための図である。
図8】第2の実施形態に係るサービス管理データベースの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
[メッセージ管理システムS1の概要]
図1は、第1の実施形態におけるメッセージ管理システムS1の概要を説明するための図である。第1の実施形態におけるメッセージ管理システムS1は、メッセージ配信サービスを介して配信されたSMSメッセージの送達状況を管理するシステムである。メッセージ配信サービスは、特番を宛先として送信されたSMSメッセージを複数の通信端末に配信するサービスである。
【0021】
第1実施形態に係るメッセージ配信サービスは、非常災害時に企業が従業者の安否を確認したり、組織の管理者がメンバーに連絡事項を周知したりする場合において用いられるサービスである。特番は、グループ配信サービスの契約者に付与される電話番号である。メッセージ管理システムS1は、送信端末1と、複数の受信端末2と、SMSC3と、メッセージ管理装置4とを有する。
【0022】
送信端末1は、SMSメッセージの送信側の通信端末である。通信端末は、通信事業者から割り当てられた電話番号を有する端末であり、例えばスマートフォンである。通信端末には、SMSメッセージを送受信するための専用アプリケーションソフトウェア(以下、SMSアプリという)がインストールされている。
受信端末2は、SMSメッセージの受信側の通信端末である。
【0023】
SMSC3は、通信事業者が提供するSMSを管理するサーバ又はシステムである。SMSC3は、通信端末が送信したSMSメッセージを受信し、受信したSMSメッセージを、宛先の電話番号に対応する通信端末に送信する。
【0024】
メッセージ管理装置4は、メッセージ配信サービスの管理者が管理する装置であり、例えばサーバである。メッセージ管理装置4は、携帯電話回線を介して、SMSC3に対してSMSに基づくデータを送受信する。また、メッセージ管理装置4は、インターネットを介して、グループ配信サービスに関する情報を提供する。
【0025】
メッセージ管理装置4は、携帯電話回線及びインターネットの2つのネットワークにおいて通信が可能なように構成してもよいし、インターネットのみにおいて通信が可能なように構成してもよい。メッセージ管理システムS1は、メッセージ管理装置4が、インターネットのみにおいて通信が可能なように構成している場合、SMSC3とメッセージ管理装置4とのデータの送受信を中継するための中継サーバをさらに有してもよい。
【0026】
本明細書においては、メッセージ管理装置4が、携帯電話回線及びインターネットの2つのネットワークにおいて通信が可能なように構成しているものとして説明する。図1に示す実線の矢印は、SMSに基づくデータの流れを示し、破線の矢印は、SMSに基づくデータ以外のデータの流れを示す。
【0027】
まず、送信者Xは、αグループに属するメンバーA、B、CにSMSメッセージを送信するために、送信端末1を用いて、メッセージ配信サービスにおいて付与された特番を宛先として、SMSメッセージをSMSC3に送信する(図1の(1))。SMSC3は、宛先の特番に対応するメッセージ管理装置4にSMSメッセージを送信する(図1の(2))。
【0028】
メッセージ管理装置4は、αグループを識別するグループ識別情報と、SMSメッセージとを取得すると、グループ識別情報に基づいて、αグループに属するメンバーA、B、Cそれぞれが使用する受信端末2a、2b、2cを特定する(図1の(3))。グループ識別情報は、SMSメッセージのヘッダー情報に含まれる宛先と、発信者番号とを含む情報である。
【0029】
メッセージ管理装置4は、特定した受信端末2a、2b、2cそれぞれに対応する電話番号それぞれを宛先として、SMSメッセージをSMSC3に送信する(図1の(4))。SMSC3は、宛先の電話番号それぞれに対応する受信端末2a、2b、2cにSMSメッセージを配信する(図1の(5))。メッセージ管理装置4は、SMSメッセージを配信した後に、SMSメッセージを配信した受信端末2a、2b、2cそれぞれの送達状況を表示する送達状況画面を生成する(図1の(6))。
【0030】
メッセージ管理装置4は、送信端末1に対応する電話番号を宛先として、生成した送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報をSMSC3に送信する(図1の(7))。SMSC3は、宛先の電話番号に対応する送信端末1に送信者用アドレス情報を送信する(図1の(8))。
【0031】
ここで、受信端末2a、2b、2cのうちの受信端末2a、2bが、図1の(5)において配信されたSMSメッセージを受信したとする。この場合において、受信端末2a、2bは、特番を宛先として、SMSメッセージを受信したことを示す送達結果通知をSMSC3に送信する(図1の(9))。SMSC3は、宛先の特番に対応するメッセージ管理装置4に送達結果通知を送信する(図1の(10))。メッセージ管理装置4は、送達結果通知を取得すると、取得した送達結果通知を記憶する(図1の(11))。
【0032】
その後、送信端末1は、受信した送信者用アドレス情報が示すアドレスにアクセスすると、メッセージ管理装置4に送達状況画面の表示を要求する(図1の(12))。そして、メッセージ管理装置4は、送達結果通知に基づく送達状況を表示する送達状況画面を送信端末1に送信することによって、送信端末1のディスプレイに送達状況画面を表示させる(図1の(13))。このようにすることで、送信者Xは、送信したSMSメッセージについて、受信端末2a、2bが受信した状況であり、受信端末2cが受信していない状況であることを確認することができる。その結果、送信者Xは、SMSメッセージの送達状況を容易に把握することができる。
以下、メッセージ管理装置4の構成について説明する。
【0033】
[メッセージ管理装置4の構成]
図2は、メッセージ管理装置4の構成を示す図である。メッセージ管理装置4は、第1通信部41と、第2通信部42と、記憶部43と、制御部44とを有する。
【0034】
第1通信部41は、携帯電話回線を介して、SMSC3に対してSMSに基づくデータの送受信を行うためのインターフェイスである。
第2通信部42は、インターネットを介して、通信端末に対してSMSに基づくデータ以外のデータの送受信を行うためのインターフェイスである。
【0035】
記憶部43は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部43は、制御部44が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部43は、グループ配信サービスに関する情報を管理するサービス管理データベースと、SMSメッセージの配信先の送達状況を管理する状況管理データベースとを記憶している。サービス管理データベース及び状況管理データベースの詳細については後述する。
【0036】
制御部44は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部44は、記憶部43に記憶されたプログラムを実行することにより、メッセージ取得部441、特定部442、メッセージ配信部443、生成部444、情報送信部445、通知取得部446、Webアクセス制御部447及び操作受付部448として機能する。
以下、制御部44の機能を、グループ配信サービスにおいて提供する、配信機能、送達状況閲覧機能、再送機能ごとに説明する。
【0037】
[配信機能]
配信機能は、特番を宛先として送信されたSMSメッセージを複数の通信端末に配信する機能である。送信端末1が、特番を宛先としてSMSメッセージを送信すると、メッセージ取得部441は、第1通信部41を介して、送信端末1から、SMSメッセージと、当該SMSメッセージのヘッダー情報に含まれる、複数の受信端末2を含む所定のグループを識別するグループ識別情報とを取得する。
【0038】
具体的には、メッセージ取得部441は、第1通信部41を介して、送信端末1から、SMSメッセージと、グループ識別情報として、特番と、送信端末1の電話番号である発信者番号とを取得する。メッセージ取得部441は、取得した特番と、発信者番号とを含むグループ識別情報を特定部442に入力する。また、メッセージ取得部441は、取得したSMSメッセージをメッセージ配信部443に入力する。
【0039】
特定部442は、メッセージ取得部441が取得したグループ識別情報に基づいて、複数の受信端末2を特定する。具体的には、特定部442は、サービス管理データベースを参照し、特番と発信者番号とに関連付けられている複数の受信端末2を特定する。
【0040】
図3は、第1の実施形態に係るサービス管理データベースの構成を示す図である。図3に示すように、サービス管理データベースは、特番と、発信者番号と、送信者が配信先のグループを識別するために用いられる利用用途と、配信先とを関連付けて記憶している。サービス管理データベースにおける配信先には、所定のグループに含まれる複数の受信端末2それぞれの電話番号と、当該複数の受信端末2それぞれを使用するメンバーの名前とが含まれる。
【0041】
図3に示すように、第1の実施形態に係るサービス管理データベースにおいては、配信先である所定のグループを、特番と、発信者番号とに関連付けて管理している。このようにすることで、メッセージ管理装置4は、1つの特番に複数のグループを含めることができるので、特番を割り当てる数を低減することができる。
【0042】
図2に戻り、特定部442は、特定した複数の受信端末2それぞれに対応する電話番号をメッセージ配信部443に入力する。メッセージ配信部443は、第1通信部41を介して、特定部442が特定した複数の受信端末2にSMSメッセージを配信する。具体的には、メッセージ配信部443は、第1通信部41を介して、特定部442が特定した複数の受信端末2それぞれに対応する電話番号を宛先としてSMSメッセージを送信することにより、SMSメッセージを配信する。また、メッセージ配信部443は、SMSメッセージを識別するためのメッセージIDを付与してSMSメッセージを配信する。メッセージ配信部443は、メッセージIDを生成部444に入力する。
【0043】
[送達状況閲覧機能]
送達状況閲覧機能は、SMSメッセージを配信した複数の受信端末2それぞれの送達状況に関する情報を提供する機能である。図4は、送達状況画面の一例を示す図である。図4に示すように、送達状況画面には、配信したSMSメッセージの内容を示す「メッセージ」と、SMSメッセージを配信した複数の受信端末2それぞれの送達状況を示す「送達状況」とが表示されている。送達状況画面の「送達状況」には、後述する再送機能において用いられる「選択」と、受信端末2を使用するメンバーを示す「名前」と、受信端末2がSMSメッセージを受信したか否かを示す「送達」と、受信端末2がSMSメッセージを表示したか否かを示す「閲覧」とが表示されている。
【0044】
図4に示す送達状況画面において、Aさんが使用する受信端末2aの送達状況は、SMSメッセージを受信し、SMSメッセージを表示した状況であることを示している。また、Bさんが使用する受信端末2bの送達状況は、SMSメッセージを受信し、SMSメッセージを表示していない状況であることを示している。また、Cさんが使用する受信端末2cの送達状況は、SMSメッセージを受信していない状況であることを示している。送達状況閲覧機能において、このような送達状況画面を提供することにより、送信者は、配信したSMSメッセージの送達状況を容易に把握することができる。
【0045】
図2に戻り、生成部444は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、送達状況画面を生成する。具体的には、生成部444は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、状況管理データベースを参照し、メッセージ配信部443から入力されたメッセージIDに対応する送達状況を表示する送達状況画面を生成する。
【0046】
図5は、状況管理データベースの構成を示す図である。図5に示すように、状況管理データベースは、メッセージIDと、配信先と、送達状況とを関連付けて記憶している。図5に示す「配信先」は、図3に示すサービス管理データベースの「配信先」に対応する。図5に示す配信先の「名前」は、図4に示す送達状況画面において表示されている送達状況の「名前」に対応する。図5に示す送達状況の「送達」は、図4に示す送達状況画面において表示されている送達状況の「送達」に対応する。また、図5に示す送達状況の「閲覧」は、図4に示す送達状況画面において表示されている送達状況の「閲覧」に対応する。
【0047】
図2に戻り、生成部444は、生成した送達状況画面をメッセージIDに関連付けて記憶部43に記憶させる。また、生成部444は、メッセージIDを含み、送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を、情報送信部445に入力する。
【0048】
情報送信部445は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、第1通信部41を介して、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した複数の受信端末2それぞれの送達状況を表示する送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を送信端末1に送信する。情報送信部445は、送信者用アドレス情報を、送信端末1と、特定部442が特定した複数の受信端末2とに送信してもよい。このように、情報送信部445が、送信者用アドレス情報を複数の受信端末2に送信することにより、受信端末2を使用する受信者は、SMSメッセージが誰に配信されたかを把握することができる。
【0049】
情報送信部445は、後述する通知取得部446が、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した複数の受信端末2のうち、少なくとも1つの受信端末2から送達結果通知を取得した場合に、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。情報送信部445は、例えば、生成部444が送達状況画面を生成した後において、後述する通知取得部446が、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した複数の受信端末2のうち、少なくとも1つの受信端末2から送達結果通知を取得したタイミングで、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。
【0050】
また、情報送信部445は、通知取得部446が、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した全ての受信端末2から送達結果通知を取得した場合に、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。情報送信部445は、例えば、生成部444が送達状況画面を生成した後において、通知取得部446が、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した全ての受信端末2から送達結果通知を取得したタイミングで、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。
【0051】
また、情報送信部445は、例えば、生成部444が送達状況画面を生成したタイミングで、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。具体的には、まず、生成部444は、後述する通知取得部446が、メッセージ配信部443がSMSメッセージを配信した複数の受信端末2のうち、少なくとも1つの受信端末2から送達結果通知を取得したときに、送達状況画面を生成する。そして、情報送信部445は、生成部444が送達状況画面を生成したタイミングで、送信者用アドレス情報を送信端末1に送信してもよい。このように、情報送信部445が、送達結果通知が取得されたタイミングで送信者用アドレス情報を送信端末1に送信することにより、送信者は、SMSメッセージの送達状況に変化があったことを認識することができる。
【0052】
通知取得部446は、第1通信部41を介して、受信端末2から、SMSメッセージを受信したことを示す送達結果通知を取得する。送達結果通知には、受信端末2が受信したSMSメッセージに対応するメッセージIDと、受信端末2の電話番号とが含まれる。通知取得部446は、送達結果通知を取得すると、取得した送達結果通知に含まれるメッセージIDと、受信端末2の電話番号とに関連付けて状況管理データベースに記憶されている「送達」のステータスを更新させる。
【0053】
ところで、SMSC3は、受信端末2がSMSメッセージを受信しなかった場合に、SMSメッセージを受信できなかった要因を示す未送達要因情報をメッセージ管理装置4に送信する。「SMSメッセージを受信できなかった要因」は、例えば、受信端末2が通話中である場合、圏外である場合、通信設備が障害である場合、又は受信拒否されている場合等である。
【0054】
そこで、生成部444は、未送達要因情報をさらに含む送達状況画面を生成してもよい。具体的には、まず、通知取得部446は、SMSC3から、受信端末2が、メッセージ配信部443が配信したSMSメッセージを受信できなかった要因を示す未送達要因情報を取得する。そして、生成部444は、送達結果通知と未送達要因情報とに基づく送達状況を表示する送達状況画面を生成する。このようにすることで、送信者は、受信端末2の送達状況とともに、受信端末2がSMSメッセージを受信できなかった要因を把握することができる。
【0055】
続いて、通知取得部446は、受信端末2から、配信されたSMSメッセージを受信端末2のユーザが閲覧したことを示す閲覧通知を取得する。閲覧通知には、受信端末2が受信したSMSメッセージに対応するメッセージIDと、受信端末2の電話番号とが含まれる。
【0056】
通知取得部446は、様々な方法により、受信端末2から閲覧通知を取得してもよい。通知取得部446は、例えば、受信端末2が、配信されたSMSメッセージに含まれる、SMSメッセージを閲覧したことを通知するための受信者用アドレス情報が示すアドレスにアクセスしたことを、閲覧通知として取得してもよい。
【0057】
具体的には、まず、メッセージ配信部443は、受信者用アドレス情報を含むSMSメッセージを、特定部442が特定した複数の受信端末2に配信する。受信者用アドレス情報には、SMSメッセージのメッセージIDと、受信端末2の電話番号とが含まれる。通知取得部446は、受信端末2がSMSメッセージに含まれる受信者用アドレス情報が示すアドレスに基づいてメッセージ管理装置4にアクセスすると、受信者用アドレス情報に含まれるメッセージIDと、受信端末2の電話番号とを取得する。
【0058】
また、通知取得部446は、例えば、SMSメッセージに含まれる通知コマンドが実行されたことによって受信端末2から送信された閲覧通知を取得してもよい。通知コマンドは、SMSアプリにおいて、SMSメッセージを表示したときに実行される、閲覧通知を送信するコマンドである。
【0059】
具体的には、まず、メッセージ配信部443は、SMSメッセージを表示したときに実行される、閲覧通知を送信する通知コマンドを含むSMSメッセージを、特定部442が特定した複数の受信端末2に配信する。受信端末2は、SMSアプリにおいて、受信したSMSメッセージを表示すると、SMSメッセージに含まれる通知コマンドを実行し、閲覧通知をメッセージ管理装置4に送信する。そして、通知取得部446は、受信端末2において通知コマンドが実行されることによって送信された閲覧通知を取得する。
【0060】
通知取得部446は、閲覧通知を取得すると、取得した閲覧通知に含まれるメッセージIDと、受信端末2の電話番号とに関連付けて状況管理データベースに記憶されている「閲覧」のステータスを更新させる。
【0061】
Webアクセス制御部447は、送信端末1が、送信者用アドレス情報が示すアドレスに基づいてアクセスすると、送信者用アドレス情報に含まれるメッセージIDを取得する。Webアクセス制御部447は、取得したメッセージIDに関連付けて記憶部43に記憶されている送達状況画面を送信端末1に送信する。そして、Webアクセス制御部447は、送信者用アドレス情報に含まれるメッセージIDに関連付けて状況管理データベースに記憶されている送達状況を表示する送達状況画面を送信端末1のディスプレイに表示させる。
【0062】
Webアクセス制御部447は、生成部444が送達結果通知又は閲覧通知に基づいて更新した送達状況画面を送信端末1のディスプレイに表示させてもよい。具体的には、まず、生成部444は、送達状況画面を生成した後において、通知取得部446が送達結果通知及び閲覧通知のうち、少なくともいずれか1つの通知情報を取得した場合に、通知情報に基づいて、送達状況画面を更新する。そして、Webアクセス制御部447は、生成部444が更新した送達状況画面を送信端末1に送信し、通知情報に基づく送達状況を表示する送達状況画面を送信端末1のディスプレイに表示させる。
【0063】
[再送機能]
再送機能は、SMSメッセージを配信した複数の受信端末2を対象として、SMSメッセージを再度配信する機能である。図4に示す例において、送信者が、送達状況画面において、Cさんに対応する「選択」欄のチェックボックスにチェックして再送実行ボタンを押下する操作を行ったとする。
【0064】
この場合において、操作受付部448は、第2通信部42を介して、Cさんが使用する受信端末2cに「メッセージ」欄に表示されたSMSメッセージを再度配信する操作を受け付ける。そして、メッセージ配信部443は、第1通信部41を介して、送達状況画面の「メッセージ」に表示されているSMSメッセージを、「選択」欄においてチェックされたチェックボックスに対応するCさんが使用する受信端末2cに再度配信する。
【0065】
メッセージ配信部443は、設定された再送処理に関する情報に基づいて、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2にSMSメッセージを再度配信してもよい。再送処理に関する情報は、例えば、再送間隔(例えば1時間に1回)、再送回数、再送日時(例えば毎月1日)、又は再送終了時刻(例えば17時まで)等である。
【0066】
具体的には、まず、操作受付部448は、第2通信部42を介して、送達状況画面において、SMSメッセージの再送処理を設定する操作を受け付ける。そして、メッセージ配信部443は、第1通信部41を介して、複数の受信端末2にSMSメッセージを配信した後において、設定された再送処理に関する情報に基づいて、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2にSMSメッセージを再度配信する。
【0067】
操作受付部448は、例えば、送達状況画面において、SMSメッセージの再送処理を設定する操作として、再送間隔を1時間に1回に設定する操作を受け付けたとする。この場合において、メッセージ配信部443は、複数の受信端末2にSMSメッセージを配信した後に、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2から送達結果通知を取得するまで、1時間に1回の間隔でSMSメッセージを再度配信する。
【0068】
メッセージ配信部443は、所定の位置から所定の範囲内にいない1つ以上の受信端末2にSMSメッセージを再度配信してもよい。例えば、送信者が、所定の位置として、会社の所在地(住所)を設定したとする。
【0069】
この場合において、まず、メッセージ配信部443は、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2それぞれの位置情報を取得する。メッセージ配信部443は、例えば、通信端末の位置情報を管理している不図示のHLRから、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2それぞれの位置情報を取得する。そして、メッセージ配信部443は、送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2それぞれに対応する位置情報が示す位置が、会社の所在地から所定の範囲内(例えば100メートル以内)にいない1つ以上の受信端末2に対して、SMSメッセージを再度配信する。このようにすることで、メッセージ配信部443は、会社内にいない受信端末2に絞り込んでSMSメッセージを再送することができる。
【0070】
ところで、SMSメッセージを受信しなかった受信端末2がSMSメッセージを受信することができる状態になるタイミングは、SMSメッセージを受信できなかった要因によって異なる。例えば、受信端末2が、通話中によりSMSメッセージを受信できなかった場合と、圏外によりSMSメッセージを受信できなかった場合とでは、前者の方がSMSメッセージを受信することができる状態になるタイミングが早いことが考えられる。
【0071】
そこで、メッセージ配信部443は、未送達要因情報に基づくタイミングで、通知取得部446が送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2に、SMSメッセージを再度配信してもよい。メッセージ配信部443は、例えば、SMSメッセージを受信しなかった受信端末2に対応する未送達要因情報が示す要因が「通話中」である場合、「圏外」よりも早いタイミングで、当該受信端末2にSMSメッセージを再度配信する。また、メッセージ配信部443は、例えば、SMSメッセージを受信しなかった受信端末2に対応する未送達要因情報が示す要因が「圏外」である場合、「通話中」よりも遅いタイミングで、当該受信端末2にSMSメッセージを再度配信する。
【0072】
メッセージ配信部443は、送達状況画面において、未送達要因情報が示す要因ごとに設定された再送のタイミングに基づいて、通知取得部446が送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2に、SMSメッセージを再度配信してもよい。このように、メッセージ配信部443は、未送達要因情報に基づくタイミングでSMSメッセージを再送することで、受信端末2がSMSメッセージを受信する確率を向上させることができる。
【0073】
メッセージ配信部443は、未送達要因情報に基づいて、通知取得部446が送達結果通知を取得していない1つ以上の受信端末2に、SMSメッセージを再度配信するか否かを決定してもよい。具体的には、まず、メッセージ配信部443は、未送達要因情報が示す要因が、SMSメッセージを受信することができる状態になりうる要因であるか否かを判定する。
【0074】
メッセージ配信部443は、例えば、未送達要因情報が示す要因が、受信端末2において設定された受信拒否である場合、又は受信端末2においてSMSメッセージを送受信する機能を備えていない場合に、SMSメッセージを受信することができる状態になりうる要因ではないと判定する。一方、メッセージ配信部443は、例えば、未送達要因情報が示す要因が、「通話中」、又は「圏外」である場合に、SMSメッセージを受信することができる状態になりうる要因であると判定する。
【0075】
そして、メッセージ配信部443は、SMSメッセージを受信することができる状態になりうる要因であると判定した1つ以上の受信端末2に、SMSメッセージを再度配信する。一方、メッセージ配信部443は、SMSメッセージを受信することができる状態になりうる要因ではないと判定した1つ以上の受信端末2においては、SMSメッセージの再送を行わない。このようにすることで、メッセージ配信部443は、再送処理に伴うリソースの消費を低減することができる。
【0076】
メッセージ配信部443は、送達状況画面において編集されたSMSメッセージを、複数の受信端末2に再度配信してもよい。具体的には、まず、操作受付部448は、送達状況画面において、メッセージ取得部441が取得したSMSメッセージを編集する操作を受け付ける。そして、メッセージ配信部443は、操作受付部448が受け付けた編集後のSMSメッセージを、複数の受信端末2に再度配信してもよい。このようにすることで、送信者は、例えば、送信したSMSメッセージの一部に誤りがあった場合、又は送信したSMSメッセージに付け足したい内容がある場合等において、SMSメッセージを作成しなおす手間を軽減することができる。
【0077】
生成部444は、SMSメッセージが再度配信された後に、生成した送達状況画面を、メッセージ配信部443がSMSメッセージを再度配信した1つ以上の受信端末2それぞれの送達状況をさらに表示する送達状況画面に更新してもよい。このようにすることで、送信者は、送達状況画面において、最初に送信したSMSメッセージと、再送したSMSメッセージとを含む一連の送達状況を把握することができる。
【0078】
[メッセージ管理システムS1の処理]
続いて、メッセージ管理システムS1の処理の流れについて説明する。図6は、メッセージ管理システムS1の処理の流れを示すシーケンス図である。図6に示す実線の矢印は、SMSに基づくデータの流れを示し、破線の矢印は、SMSに基づくデータ以外のデータの流れを示す。
【0079】
本処理は、送信者が、送信端末1においてSMSメッセージを作成したことを契機として開始する(S1)。送信端末1は、送信者が、特番を宛先として、作成したSMSメッセージを送信する操作を行うと、SMSメッセージをSMSC3に送信する。SMSC3は、宛先の特番に対応するメッセージ管理装置4にSMSメッセージを送信する。
【0080】
メッセージ管理装置4のメッセージ取得部441は、第1通信部41を介して、SMSC3からSMSメッセージを受信すると、送信端末1から送信された、SMSメッセージと、当該SMSメッセージのヘッダー情報に含まれるグループ識別情報として、特番と、発信者番号とを取得する。メッセージ取得部441は、取得した特番と、発信者番号とを含むグループ識別情報を特定部442に入力する。また、メッセージ取得部441は、取得したSMSメッセージをメッセージ配信部443に入力する。
【0081】
メッセージ管理装置4の特定部442は、サービス管理データベースを参照し、メッセージ取得部441が取得したグループ識別情報に含まれる特番と、発信者番号とに関連付けられている複数の受信端末2を配信先として特定する(S2)。特定部442は、特定した複数の受信端末2それぞれに対応する電話番号をメッセージ配信部443に入力する。
【0082】
メッセージ管理装置4のメッセージ配信部443は、第1通信部41を介して、特定部442が特定した複数の受信端末2それぞれに対応する電話番号ごとに、受信端末2に対応する電話番号を宛先として、SMSメッセージをSMSC3に送信することにより、SMSメッセージを配信する。SMSC3は、宛先の電話番号それぞれに対応する受信端末2a、2b、2cにSMSメッセージを配信する。
【0083】
SMSメッセージが配信された受信端末2a、2b、2cのうちの受信端末2a、2bがSMSメッセージを受信した場合に、受信端末2a、2bは、特番を宛先として、受信したSMSメッセージに対応するメッセージIDと、自身の電話番号とを含む送達結果通知をSMSC3に送信する。SMSC3は、宛先の特番に対応するメッセージ管理装置4に送達結果通知を送信する。
【0084】
メッセージ管理装置4の通知取得部446は、第1通信部41を介して、受信端末2a、2bから送信された送達結果通知を取得する。通知取得部446は、取得した送達結果通知に含まれるメッセージIDと、受信端末2の電話番号とに関連付けて状況管理データベースに記憶されている送達状況を更新させる(S3)。
【0085】
メッセージ管理装置4の生成部444は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、状況管理データベースを参照し、メッセージ配信部443から入力されたメッセージIDに対応する送達状況を表示する送達状況画面を生成する(S4)。生成部444は、生成した送達状況画面をメッセージIDに関連付けて記憶部43に記憶させる(S5)。また、生成部444は、送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を、情報送信部445に入力する。
【0086】
メッセージ管理装置4の情報送信部445は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、第1通信部41を介して、送信端末1の電話番号を宛先として、送信者用アドレス情報をSMSC3に送信する。SMSC3は、宛先の電話番号に対応する送信端末1に送信者用アドレス情報を送信する。
【0087】
送信端末1は、送信者が、受信した送信者用アドレス情報が示すアドレスにアクセスする操作を行うと、インターネットを介して、メッセージ管理装置4に送達状況画面の表示を要求する(S6)。メッセージ管理装置4のWebアクセス制御部447は、第2通信部42を介して、表示の要求に含まれる送信者用アドレス情報を取得すると、取得した送信者用アドレス情報に含まれるメッセージIDに関連付けて記憶部43に記憶されている送達状況画面を送信端末1に送信する。送信端末1は、送達状況画面を取得すると、ディスプレイに取得した送達状況画面を表示する(S7)。
【0088】
[第1の実施形態における効果]
以上説明したとおり、第1の実施形態に係るメッセージ管理システムS1は、送信端末1から取得したSMSメッセージを、グループ識別情報に基づいて特定した複数の受信端末2に配信する。そして、メッセージ管理システムS1は、SMSメッセージを複数の受信端末2に配信した後に、SMSメッセージを配信した複数の受信端末それぞれの送達状況を表示する送達状況画面を、送信端末1を使用する送信者に提供する。このようにすることで、メッセージ管理システムS1は、SMSメッセージを受信したか否かの送達状況を、SMSメッセージを配信した複数の受信端末2ごとに把握させることができる。その結果、送信者は、SMSメッセージの送達状況を容易に把握することができる。
【0089】
[変形例]
上記において、メッセージ管理システムS1が、特番を宛先として送信されたSMSメッセージを複数の受信端末2に配信した場合に、複数の受信端末2それぞれの送達状況を表示する送達状況画面を送信者に提供する説明をしたが、これに限らない。メッセージ管理システムS1は、送達状況閲覧サービスとして、1つの受信端末2に対応する電話番号を宛先としてSMSメッセージを送信した場合に、当該受信端末2の送達状況を表示する送達状況画面を送信者に提供してもよい。
【0090】
この場合、メッセージ管理システムS1は、SMSメッセージを送信する度に、当該SMSメッセージのメッセージIDに対応する送達状況画面を送信者に提供してもよい。また、メッセージ管理システムS1は、送達状況確認サービスの利用時に登録された送信端末1の識別情報(例えば、端末ID又は電話番号等)に対応する送達状況画面を予め設け、送信端末1が過去に送信した複数のSMSメッセージそれぞれに対応する受信端末2の送達状況の一覧を表示する送達状況画面を送信者に提供してもよい。このようにすることで、送信者は、過去に送信した複数のSMSメッセージのうち、どのSMSメッセージが受信されていないかを容易に把握することができる。
【0091】
<第2の実施形態>
[グループ配信サービスにおいてグループチャットを提供する]
続いて、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態に係るメッセージ管理システムS1は、グループ識別情報に含まれる発信者番号に対応する送信端末1が、特番を宛先としてSMSメッセージを送信することにより、複数の受信端末2にSMSメッセージを配信する。これに対して、第2の実施形態に係るメッセージ管理システムS2は、グループ識別情報に含まれる特番に関連付けられている複数の通信端末のうちのいずれかの通信端末が、特番を宛先としてSMSメッセージを送信することにより、複数の受信端末2にSMSメッセージを配信する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる部分について説明を行う。第1の実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0092】
図7は、第2の実施形態におけるメッセージ管理システムS2の処理の流れを説明するための図である。図7の(9)から(13)までにおける処理は、図1の(9)から(13)までにおける処理と同じであるため説明を省略する。
【0093】
第2の実施形態に係るメッセージ配信サービスは、グループ内においてやり取りされるメッセージを共有するために用いられるサービス、すなわち、グループチャットを提供するサービスである。図7に示す例において、αグループに属するメンバーX、A、Bそれぞれが使用する通信端末のうちのいずれかの通信端末が、特番を宛先としてSMSメッセージを送信することにより、複数の受信端末2にSMSメッセージが配信される。
【0094】
図7に示すように、αグループに属する複数のメンバーのうち、メンバーXが使用する送信端末1xが、特番を宛先として、SMSメッセージをSMSC3に送信したとする(図7の(1))。この場合おいて、メッセージ管理装置4のメッセージ取得部441は、SMSC3を介して、送信端末1xから、グループ識別情報として特番を取得する(図7の(2))。
【0095】
特定部442は、サービス管理データベースを参照し、メッセージ取得部441が取得したグループ識別情報に含まれる特番に関連付けられている複数の受信端末2を特定する(図7の(3))。図8は、第2の実施形態に係るサービス管理データベースの構成を示す図である。図8に示すように、サービス管理データベースは、特番と、利用用途と、配信先(電話番号、名前)とを関連付けて記憶している。
【0096】
図8に示すように、第2の実施形態に係るサービス管理データベースにおいては、配信先である所定のグループを、特番に関連付けて管理している。特定部442は、特定した複数の受信端末2にSMSメッセージを送信した送信端末1を含めてもよいし、送信端末1を除いてもよい。
【0097】
図7に戻り、メッセージ配信部443は、SMSC3を介して、特定部442が特定した複数の受信端末2にSMSメッセージを配信する(図7の(4)(5))。情報送信部445は、メッセージ配信部443がSMSメッセージを複数の受信端末2それぞれに配信した後に、SMSC3を介して、生成部444が生成した送達状況画面にアクセスするための送信者用アドレス情報を、送信端末1を含む複数の受信端末2に送信する(図7の(6)(7)(8))。その後、例えば、メンバーAが、メンバーXが送信したSMSメッセージに対して返信を行った場合、図7の(1)から(8)までの処理が行われる。
【0098】
[第2の実施形態における効果]
以上説明したとおり、第2の実施形態に係るメッセージ管理システムS2は、特番に関連付けられている複数の通信端末のうちのいずれかの通信端末が、特番を宛先として送信したSMSメッセージを、特番を含むグループ識別情報に基づいて特定した複数の受信端末2に配信する。そして、メッセージ管理システムS2は、SMSメッセージを複数の受信端末2に配信した後に、SMSメッセージを配信した複数の受信端末それぞれの送達状況を表示する送達状況画面を、送信端末1を含む複数の受信端末2を使用するメンバーに提供する。
【0099】
このようにすることで、メッセージ管理システムS2は、SMSメッセージが誰に配信されたかを把握させることができる。また、メッセージ管理システムS2は、SMSメッセージを受信したか否かの送達状況を、SMSメッセージを配信した複数の受信端末2ごとに把握させることができる。その結果、所定のグループに属する複数のメンバーそれぞれは、SMSメッセージの送達状況を容易に把握することができる。
【0100】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0101】
1 送信端末
2 受信端末
3 SMSC
4 メッセージ管理装置
41 第1通信部
42 第2通信部
43 記憶部
44 制御部
441 メッセージ取得部
442 特定部
443 メッセージ配信部
444 生成部
445 情報送信部
446 通知取得部
447 Webアクセス制御部
448 操作受付部
S メッセージ管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8