(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】電極ユニット、ヘッドセット、及び遮蔽ユニット
(51)【国際特許分類】
A61B 5/291 20210101AFI20220111BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20220111BHJP
【FI】
A61B5/291
A61B5/256 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019002168
(22)【出願日】2019-01-09
(62)【分割の表示】P 2017047492の分割
【原出願日】2017-03-13
【審査請求日】2019-01-10
(32)【優先日】2016-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】321004817
【氏名又は名称】ニールセン コンシューマー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ジョバノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】カシャップ フルートワラ
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド モラディ
(72)【発明者】
【氏名】バティア バーソ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ボッス
(72)【発明者】
【氏名】メヘラン マヒンポア ティルーニ
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ バードアー
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-119230(JP,A)
【文献】特開2015-123198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0255127(US,A1)
【文献】特開2014-036862(JP,A)
【文献】実開昭62-059002(JP,U)
【文献】特開2011-120866(JP,A)
【文献】特開2014-193195(JP,A)
【文献】特表2015-529491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/297
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを定め、底面
と、当該底面から上側へ延びるように形成された窪みによって定められるキャビティと、を有するハウジングと、
前記キャビティの
内面、及び前記ハウジングの底面に沿って延びる導電性ペーストの層と、
前記キャビティ内に配置され、前記キャビティの
内面から離間した電極と、
前記電極と前記ハウジングとの間に配置された絶縁体と、
を備え、前記電極は、前記キャビティから延び、前記導電性ペーストの層は、前記電極をノイズから遮蔽するためのものである、
脳波データ収集用へッドセットの電極ユニット。
【請求項2】
請求項1の電極ユニットと、
被験者の頭部上に配置されるバンドと、
を備え、前記バンドは、前記バンドを貫通する小孔を有し、前記電極ユニットは、前記バンドに結合され、前記電極は、前記小孔を貫通して延びる、ヘッドセット。
【請求項3】
前記小孔に隣接して前記バンドに結合されたピン
をさらに含み、
前記ピンは、前記ハウジングの底部に係合す
る、請求項2に記載のヘッドセット。
【請求項4】
前記導電性ペーストが前記ハウジングの前記底部上にさらに配置された、
請求項3に記載のヘッドセット。
【請求項5】
前記ピンは、前記被験者の前記頭部上に配置される遮蔽電極に結合される、
請求項3に記載のヘッドセット。
【請求項6】
前記ピンは、前記バンド内に配置されたプリント回路基板を介して前記遮蔽電極に結合される、
請求項5に記載のヘッドセット。
【請求項7】
ヘッドバンドをさらに含み、前記遮蔽電極は、前記バンドに結合されて前記被験者の前頭に接触する、
請求項5に記載のヘッドセット。
【請求項8】
前記電極ユニットは、第1のコネクタをさらに含み、前記バンドは、第2のコネクタをさらに含み、前記第1のコネクタは、前記第2のコネクタに取外し可能に結合される、
請求項2に記載のヘッドセット。
【請求項9】
前記第1のコネクタは磁石であり、前記第2のコネクタは金属である、
請求項8に記載のヘッドセット。
【請求項10】
前記コネクタは、前記小孔の周りに配置された金属リングである
、請求項9に記載のヘッドセット。
【請求項11】
下部カバーの上側から下側まで延びた開口部を有する下部カバーと、
前記下部カバーの前記上側に結合された上部カバーであって、前記上部カバーの底部に導電性ペーストが配置された、上部カバーと、
前記下部カバーを貫通して延びたチャネル内に配置されたピンであって、前記上部カバー上の前記導電性ペーストと接触し、且つ前記下部カバーの前記下側から延びた、ピンと、
を備えた、
脳波データ収集用へッドセットの電極ユニットを遮蔽する遮蔽ユニット。
【請求項12】
前記ピンはポゴピンである、
請求項11に記載の遮蔽ユニット。
【請求項13】
電極ユニットをさらに含み、前記電極ユニットは、前記下部カバー内の前記開口部内に配置される、
請求項12に記載の遮蔽ユニット。
【請求項14】
前記電極ユニットは、締まりばめにより前記下部カバーに結合される、
請求項13に記載の遮蔽ユニット。
【請求項15】
前記電極ユニットは、前記下部カバーの前記下側から延びる、
請求項13に記載の遮蔽ユニット。
【請求項16】
請求項15の遮蔽ユニットと、
被験者の頭部上に配置されるバンドと、
を備え、前記バンドは、前記バンドを貫通する小孔を有し、前記遮蔽ユニットは、前記バンドに結合され、電極は、前記小孔を貫通して延びる、
ヘッドセット。
【請求項17】
前記バンドは、前記小孔に隣接した電気パッドを含み、前記ピンは、前記電気パッドに係合する、
請求項16に記載のヘッドセット。
【請求項18】
前記電気パッドは、前記被験者の前記頭部に配置される遮蔽電極に電気的に結合される、
請求項17に記載のヘッドセット。
【請求項19】
前記ピンは、前記バンド内に配置されたプリント回路基板を介して前記遮蔽電極に電気的に結合される、
請求項18に記載のヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に神経学的及び生理学的モニタリングに関し、より具体的には脳波記録データ収集用ヘッドセット及び電極に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]脳波記録法(EEG:Electroencephalography)は、脳内の神経プロセスに対応する電気的活動を測定すること及び記録することを伴う。EEGデータは、典型的には、ユーザの頭皮上に配置された複数の電極を用いて、この脳の神経内の電気的活動の結果である電圧変動を測定することによって測定される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】EEG信号を収集するための、本開示の教示により構築された例示的なヘッドセットの斜視図である。
【
図2】
図1の例示的なヘッドセットの片側(例えば内側)の平面図である。
【
図3】
図1の例示的なヘッドセットのもう一方の側(例えば外側)の平面図である。
【
図4A】
図1の例示的なヘッドセットの左側面図である。
【
図4B】
図1の例示的なヘッドセットの右側面図である。
【
図4C】被験者の頭部上の
図1の例示的なヘッドセットを示す。
【
図4D】比較的小さい頭部上に配置された
図1の例示的なヘッドセットの背面図である。
【
図4E】比較的大きい頭部上に配置された
図1の例示的なヘッドセットの背面図である。
【
図5】
図1の例示的なヘッドセットと共に用いることができる例示的な電極を有する例示的な電極ユニットの分解図である。
【
図6】
図5の例示的な電極ユニットの部分組立図である。
【
図7】
図5の例示的な電極ユニットの組立図である。
【
図8】例示的な電極ユニットが伸長位置にある
図5の例示的な電極ユニットの側面図である。
【
図9】例示的な電極ユニットが後退又は圧縮位置にある
図5の例示的な電極ユニットの側面図である。
【
図10】
図8の線A-Aに沿った
図8の例示的な電極ユニットの断面図である。
【
図11】
図9の線B-Bに沿った
図9の例示的な電極ユニットの断面図である。
【
図12】例示的な電極ユニットが伸長位置にある
図5の例示的な電極ユニットの斜視図である。
【
図13】例示的な電極ユニットが後退位置にある
図5の例示的な電極ユニットの斜視図である。
【
図16】
図1の例示的なヘッドセットと共に用いることができる例示的な電極を有する別の例示的な電極ユニットの分解図である。
【
図19】
図1の例示的なヘッドセットと共に用いることができる例示的な電極を有する別の例示的な電極ユニットの側面図である。
【
図22】組み立てられていない状態の
図19の例示的な電極の斜視図である。
【
図25】組み立てられた状態の
図19の例示的な電極の斜視図である。
【
図28】
図19の例示的な電極ユニットの例示的なハウジングの側面図である。
【
図31】圧縮状態の例示的な電極を示す
図19の例示的な電極ユニットの側面図である。
【
図34】例示的な製造プロセス中に複数の
図19の例示的な電極が打ち抜かれる例示的な基材を示す。
【
図35】
図1の例示的なヘッドセットと共に用いることができる例示的な電極を有する例示的な電極ユニットの分解図である。
【
図40】
図35の例示的な電極ユニットを実装した例示的な遮蔽ユニットの分解図である。
【
図41】本明細書で開示される例示的な電極のいずれかとして実装することができる例示的なポゴピン電極の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0048]特定の例が、上記の図面に示され、且つ下記で詳細に説明される。これらの例を説明する際に、類似又は同一の符号は、同じ又は同様の要素を識別するために用いられる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、図面の特定の特徴及び特定の図は、明確性及び/又は簡潔さのために縮尺を拡大して又は模式的に示される場合がある。さらに、本明細書を通じて幾つかの例を説明した。いずれの例のいずれの特徴も、他の例の他の特徴と共に含めることができ、他の特徴で置き換えることができ、又はそれ以外に他の例と組み合わせることができる。
【0005】
[0049]本明細書で開示される例示的なヘッドセットは、被験者の頭部内の脳からEEG信号を取得するために用いることができる。本明細書で開示される例示的なヘッドセットは、ヘッドセットに取外し可能に又は恒久的に結合することができる電極ユニットを含む。幾つかの例において、電極ユニットは、例示的なヘッドセットに磁気的に結合可能である。他の例において、電極ユニットは、例えば、ねじ接続又は摩擦ばめなどの機械的締結具によってヘッドセットに結合される。例示的な電極ユニットは、1以上の電極を含む。幾つかの例において、電極は、電極本体と、電極本体の中に後退可能なピンとを含む。かかる幾つかの例において、ピンは、ばねにより外方に付勢される。幾つかの例において、電極は、曲げ可能又は圧縮可能なアームを含む。
【0006】
[0050]本明細書に開示される例示的な電極ユニットは、開口部を定めるガイドと、開口部内に配置された電極とを含む。かかる幾つかの例において、電極は、ハウジング、第1のばね、及びピンを有し、ピンは、第1のばねによりハウジングの第1の端部から外方へ付勢される。幾つかの例において、電極ユニットは、ハウジングの第2の端部に隣接して開口部の上を覆って配置された第2のばねをさらに含む。
【0007】
[0051]幾つかの例において、電極は、第1の電極であり、ハウジングは、第1のハウジングであり、ピンは、第1のピンである。かかる幾つかの例において、電極ユニットは、開口部内に配置された第2の電極をさらに含む。幾つかの例において、第2の電極は、第2のハウジング、第3のばね、及び第2のピンを含み、第2のピンは、第3のばねにより第2のハウジングの第1の端部から外方へ付勢される。幾つかの例において、第1の電極及び第2の電極は、第1のばね及び第3のばねにより独立に調節可能である。幾つかの例において、第1の電極及び第2の電極は、第2のばねにより同時に調節可能である。
【0008】
[0052]幾つかの例において、ハウジングは、第2のばねに結合される。かかる幾つかの例において、ハウジングは、第2のばね内の小孔を貫通して延びた突起を含み、ハウジングは、かしめ又はプレスばめにより第2のばねに結合される。幾つかの例において、該開口部は、第1の開口部であり、電極ユニットは、第2の開口部を有するコネクタをさらに含む。かかる幾つかの例において、ガイドは、コネクタの第2の開口部内に配置される。コネクタは、被験者の頭部上に配置されるバンドに結合することができる。幾つかの例において、コネクタは、磁石である。幾つかの例において、ガイドは、締まりばめによりコネクタに結合する。幾つかの例において、電極ユニットは、キャビティ(空所)を定める第3の開口部を有する電極ユニットハウジングをさらに含み、コネクタは、第3の開口部内に配置される。幾つかの例において、コネクタは、電極ユニットハウジングの底部に位置合わせされ、ガイド及び電極は、電極ユニットハウジングの底部から延びる。幾つかの例において、電極は、ガイドの第1の開口部を貫通して電極ユニットハウジングのキャビティ内へ可動である。幾つかの例において、第2のばねは、第2のキャビティ内でコネクタ及びガイドの上を覆って配置される。かかる幾つかの例において、電極が電極ユニットハウジングのキャビティ内へ移動するとき、第2のばねの中心は、キャビティ内へたわむ。幾つかの例において、電極ユニットは、キャビティ内に配置されたプッシャを含み、第2のばねの外縁部は、プッシャとコネクタとの間に結合される。幾つかの例において、プッシャは、第3の開口部の反対側の電極ユニットハウジングの第4の開口部からキャビティ内へ挿入される。幾つかの例において、電極ユニットハウジングは、開口部内にレッジを含み、第2のばねの外縁部は、コネクタとレッジとの間に結合される。幾つかの例において、第2のばねの外縁部は、第2のばねの中心がキャビティ内へたわんだときにコネクタと接触したままである。幾つかの例において、第2のばねは、渦巻ばね板である。
【0009】
[0053]本明細書で開示される例示的な電極ユニットは、キャビティを定めるハウジングと、キャビティの内壁上に配置された導電性ペーストと、キャビティ内に配置され、キャビティの内壁から離間した電極とを含む。かかる幾つかの例において、電極は、キャビティから延び、導電性ペーストは、電極をノイズから遮蔽するためのものである。幾つかの例において、電極ユニットは、電極とハウジングの間に配置された絶縁層を含む。
【0010】
[0054]本明細書で開示される例示的なヘッドセットは、電極ユニットと、被験者の頭部上に配置されるバンドとを含む。かかる幾つかの例において、バンドは、バンドを貫通する小孔を有する。幾つかの例において、電極ユニットは、バンドに結合され、小孔を貫通して延びる。幾つかの例において、ヘッドセットは、小孔に隣接してバンドに結合されたピンを含み、ピンは、ハウジングの底部に係合する。幾つかの例において、導電性ペーストが、ハウジングの底部にさらに配置される。幾つかの例において、ピンは、被験者の頭部上に配置される遮蔽電極に結合される。かかる幾つかの例において、ピンは、バンド内に配置されたプリント回路基板を介して遮蔽電極に結合される。幾つかの例において、ヘッドセットは、ヘッドバンドをさらに含み、遮蔽電極は、ヘッドバンドに結合されて被験者の前頭に接触する。幾つかの例において、電極ユニットは、第1のコネクタを含み、バンドは、第2のコネクタを含み、第1のコネクタは、第2のコネクタに取外し可能に結合することができる。幾つかの例において、第1のコネクタは磁石であり、第2のコネクタは金属である。幾つかの例において、第2のコネクタは、小孔の周りに配置された金属リングである。
【0011】
[0055]本明細書において例示的な遮蔽ユニットが開示される。例示的な遮蔽ユニットは、下部カバーの上側から下側まで延びた開口部を有する下部カバーを含む。例示的な遮蔽ユニットはまた、下部カバーの上側に結合された上部カバーを含む。導電性ペーストが、上部カバーの底部に配置される。例示的な電極ユニットは、下部カバーを貫通して延びたチャネル内に配置されたピンをさらに含み、ピンは、上部カバー上の導電性ペーストと接触し、且つ下部カバーの下側から延びる。
【0012】
[0056]幾つかの例において、ピンはポゴピンである。かかる幾つかの例において、遮蔽ユニットは、電極ユニットをさらに含み、電極ユニットは、下部カバー内の前記開口部内に配置される。幾つかの例において、電極ユニットは、締まりばめにより下部カバーに結合される。幾つかの例において、電極ユニットは、下部カバーの下側から延びる。
【0013】
[0057]本明細書で開示される例示的なヘッドセットは、開示された遮蔽ユニットと、被験者の頭部上に配置されるバンドとを含む。バンドは、バンドを貫通する小孔を有し、遮蔽ユニットは、バンドに結合され、電極は、小孔を貫通して延びる。幾つかの例において、バンドは、小孔に隣接した電気パッドを含み、ピンは、電気パッドに係合する。幾つかの例において、電気パッドは、被験者の頭部に配置される遮蔽電極に電気的に結合される。幾つかの例において、ピンは、バンド内に配置されたプリント回路基板を介して遮蔽電極に電気的に結合される。
【0014】
[0058]本明細書で開示される幾つかの例示的な電極ユニットは、ハウジングの片側の開口部によって定められたキャビティを有するハウジングと、電極とを含む。かかる幾つかの例において、電極は、開口部内に配置されたリングと、アームとを含み、アームは、ハウジングから遠ざかる方向に開口部から外方へ延びた第1の部分と、第1の部分の端部からハウジングに向かって延びてキャビティに入る第2の部分とを有し、第1及び第2の部分は、曲がり部で接続する。
【0015】
[0059]幾つかの例において、アームの第1の部分は、リングを貫通して、ハウジングから遠ざかる方向に開口部から外方へ延びる。かかる幾つかの例において、アームの第2の部分は、リングを貫通してキャビティの中へ延びる。幾つかの例において、キャビティは、ハウジング内へ延びたチャネルを含む。かかる幾つかの例において、アームの第2の部分は、曲がり部に力がかかったときにチャネル内へ可動である。
【0016】
[0060]幾つかの例において、電極ユニットは、ハウジングを被験者の頭部上に装着されるバンドに結合するための、開口部の周りでハウジングに結合したコネクタを含む。幾つかの例において、リングは、コネクタとハウジングとの間に結合される。かかる幾つかの例において、コネクタは、磁石である。幾つかの例において、ハウジングは、ガイドを含み、ガイドは、電極のリングを貫通して延びて、電極をハウジング内で位置合わせする。幾つかの例において、曲げ部に力がかかったときに、第1の部分は、第2の部分へ向かって移動する。幾つかの例において、リング及びアームは一体である。
【0017】
[0061]本明細書で開示される例示的なヘッドセットは、開示された電極ユニットと、被験者の頭部上に配置されるバンドとを含む。バンドは、バンドを貫通する小孔を含み、電極ユニットは、バンドに結合され、アームの第1の部分は、小孔を貫通して延びる。
【0018】
[0062]幾つかの例において、電極ユニットは、第1のコネクタを含み、バンドは、第2のコネクタを含み、第1のコネクタは、第2のコネクタに取外し可能に結合される。幾つかの例において、第1のコネクタは磁石であり、第2のコネクタは金属である。幾つかの例において、第2のコネクタは、小孔の周りに配置された金属リングである。
【0019】
[0063]ここで図面に示された例を見ると、
図1は、被験者(例えば、個人)の頭部からEEG信号を収集するための例示的なヘッドセット100を示す。本明細書で用いる場合、被験者は、あらゆる個人、ユーザ、閲覧者、関係者及び/又はパネリストとすることができる。パネリストは、例えば、格付け団体サブシステムを所有する及び/又は運営する格付け団体(ratings entity)(例えば視聴率測定会社(audiencemeasurement company))によって維持されたパネルに登録されたユーザとすることができる。伝統的に、視聴率測定団体(本明細書において「格付け団体」とも呼ばれる)は、登録されたパネルメンバに基づいて、広告及び媒体プログラミングに対する人口統計学的範囲(demographic reach)を判定する。すなわち、視聴率測定団体は、モニタされてパネルになることに同意した人々を登録する。登録の際に、視聴率測定団体は登録する人々から人口統計学的情報を受け取り、後で、それらのパネリストに対する広告/媒体の露出と、異なる人口統計学的市場との間の相関関係を取ることができるようにする。人々は、例えば、媒体デバイス上に提示されたユーザインタフェースを介して(例えばウェブサイトを介して)パネリストになる。人々は、付加的な又は代替的な方法、例えば、電話インタビューを介すること、オンラインサーベイを完成させること、等によってパネリストになる。付加的に又は代替的に、任意の所望の方法論(例えば、無作為選択、統計学的選択、電話勧誘、インターネット広告、サーベイ、ショッピングモール内の広告、製品パッケージ等)を用いて、人々に接触し及び/又は徴募することができる。
【0020】
[0064]図示した例において、ヘッドセット100は、被験者の頭部上に延びるように形作られたバンドを有する本体を含む。本体102は、被験者の頭部上に適合するヘッドバンド104を含む。図示した例において、ヘッドバンド104は、連続的なリングである。図示した例において、本体102は、被験者の頭部上に頭部の左側から右側に延びるように位置決めされた第1のバンド106、第2のバンド108及び第3のバンド110を含む。図示した例において、第1、第2及び第3のバンド106、108、110は、正中線バンド112によってヘッドバンド104に結合する。正中線バンド112は、ヘッドバンド104から延び、被験者の頭部上に、ヘッドセット100を装着する向きに応じて頭部の前方から後方に又は頭部の後方から前方に(例えば、正中線に沿って)延びるように位置決めされる。他の例において、ヘッドセット100は、他の向きで装着することができる(例えば、ヘッドセット100の前方を頭部の後方に位置決めすることができる)。幾つかの例において、ヘッドセットは、より多い又はより少ないバンドを含むことができる。バンドの数、バンドの長さ、バンドの形状、バンドの向き等は、EEG信号を収集すべき所望のチャネル数及び/又は所望の測定位置に基づくものとすることができる。
【0021】
[0065]幾つかの例において、電極は、ヘッドセットの本体102に結合される。幾つかの例において、電極は、ヘッドバンド104、第1のバンド106、第2のバンド108、第3のバンド110及び正中線バンド112の各々に結合される。他の例において、ヘッドバンド104、第1のバンド106、第2のバンド108、第3のバンド110及び/又は正中線バンド112のうちの特定のもののみが電極を含む。電極は、本明細書でさらに詳細に開示されるように、本体102内に形成された小孔に結合される。
【0022】
[0066]
図1に示した例において、ヘッドバンド104は、連続リングを形成する。他の例において、ヘッドバンド104は、区分する又は分割することができ、ヘッドバンド104の2つの端部を互いに結合することができる。幾つかの例において、本体102は、実質的に単一の部分又は構成要素である(例えば一体成形で形成されたモノリシック構造)。他の例において、本体102は、互いに結合された(例えば、締結された)複数の部分又は構成要素で構成することができる。幾つかの例において、ヘッドセット100の本体102は、シリコーン、ゴム又はプラスチックである。幾つかの例において、本体102は、比較的可撓性であるが、その一般形状を保持する。
【0023】
[0067]幾つかの例において、ヘッドセット100は、電極を受け入れる小孔を含む。
図2は、平らに配置した例示的なヘッドセット100の本体102の底部の内側の図を示し、
図3は、平らに配置した例示的なヘッドセット100の本体102の上部の外側の図を示す。
図2及び
図3に示した例において、ヘッドセット100は、電極を受け入れるために本体102内に形成された第1の小孔200a(例えば、開口部、穴等)を含む。例えば、電極(例えば、本明細書でさらに詳細に開示される
図5の電極ユニット500のような)は、第1の小孔200aに結合することができる。幾つかの例において、ヘッドセット100は、小孔200b~200nのように複数の電極用の複数の小孔を含む。任意の数(n)の小孔を使用することができる。小孔200a~200nは、ヘッドバンド104、第1のバンド106、第2のバンド108、第3のバンド110及び/又は正中線バンド112のいずれにも形成することができる。
【0024】
[0068]電極を第1の小孔200aに接続するために、
図3の例に示すように、第1のコネクタ202aが第1の小孔200aに隣接して配置される。幾つかの例において、第1のコネクタ202aは、金属リングであり、電極(又は電極ユニット)は、電極(又は電極ユニット)を第1のコネクタ202aに結合するための磁石を含むことができる。他の例において、第1のコネクタ202aは、磁石である。他の例において、他の型式のコネクタ(例えば機械的コネクタ)を実装することができる。図示した例において、第1のコネクタ202aは、第1の小孔200aを取り囲む又は取り巻く。幾つかの例において、複数のコネクタが用いられ、コネクタの各々が複数の小孔200a~200nのそれぞれ1つと関連付けられる。例えば、
図3において、複数のコネクタ202a~202nが複数の小孔200a~200nに対して示されている。図示した例は、コネクタを小孔毎に関連付けているが、その代わりに小孔よりも少ないコネクタを用いることができる。
【0025】
[0069]幾つかの例において、ヘッドセット100は、本体102内に配置されたプリント回路基板(PCB)(例えば、回路を搭載及び/又はプリントすることができる基板)を含む。例えば、シリコーン又は他の材料をPCBの周りに成形してヘッドセット100の本体102を形成することができる。PCBは、可撓性とすることができ、回路を形成するトレース又は配線を含むことができる。幾つかの例において、コネクタ202a~202n(例えばPCBの配線又はトレース)は、1以上の小孔200a~200n及び/又は、本明細書でさらに詳細に論じる電気コネクタ300(
図3)と共に回路内にある。幾つかの例において、PCBは、1つの基板で形成される。他の例において、PCBは、複数のセクション又は部分で構築することができ、及び/又は複数のPCBを使用することができる。例えば、
図3に示すように、ヘッドセット100は、ヘッドバンド104の第1の部分302内の第1のPCB301、ヘッドバンド104の第2の部分304内の第2のPCB303、及びヘッドセット100の第3の部分306内の第3のPCB305を含むことができる。図示した例において、第3の部分306は、ヘッドバンド104の一部、第1のバンド106、第2のバンド108、第3のバンド110及び正中線バンド112を含む。PCB301、303、305は、回路内(例えば、電気的及び/又は磁気的接続部内)にあり、ヘッドセット100の本体102全体にわたって延びた全回路(又は複合PCB)を形成する。幾つかの例において、複数のPCBが用いられる場合、比較的小さいPCB又はPCBセクションを一体のPCB材料から切り出すことができるので、それにより全ヘッドセットPCBを一体で切り出すのに比べて廃棄物が削減される。換言すれば、比較的小さいPCB又はPCBセクションを切り出す場合、テンプレートを互いにより近づけて配置することができるので、隣接するピース間の廃棄物が最小化される。加えて、幾つかの例において、複数のPCBを使用することの結果として、ヘッドバンド104のセクション間の調節性及び運動性が高められるので、大きいPCBによって呈示されるであろう大きい剛性領域が回避される。従って、複数のPCB301、303、305を使用することで、ヘッドセット100の装着者の快適性が高まる。
【0026】
[0070]幾つかの例において、ヘッドセット100は、ヘッドセット100を被験者の頭部にしっかりと締め付けるための1以上の張力ストラップを含むことができる。例えば、
図4Aは、例示的なヘッドセット100の左側面図である。第1の張力ストラップ400(例えば、コード)は、第1のバンド106の一端に結合され、第2の張力ストラップ402は、第2のバンド108の一端に結合され、第3の張力ストラップ404は、第3のバンド110の一端に結合される。幾つかの例において、第1、第2及び第3の張力ストラップ400、402、404は、弾性(例えば、ゴム及び/又はシリコーン)を有するものである。第1、第2及び第3の張力ストラップ400、402、404は、カバー406(例えば、コネクタ)に結合される。図示した例において、プルストラップ408が、カバー406と第1のコネクタ410との間に結合される。第1のコネクタ410を引っ張って、第1、第2及び第3の張力ストラップ400、402、404をしっかりと締めることができ、これにより第1、第2及び第3のバンド106、108、110が被験者の頭部上にしっかりと締め付けられる。図示した例において、カバー406は、ストラップ400、402、404、408が結合するコネクタ又は接合部として動作する。他の例において、ストラップ400、402、404、408は互いに結合し、カバー406が接続部を覆う。第1のコネクタ410は、ヘッドセット100の右側から延びる別のコネクタに結合する(本明細書でさらに詳細に開示する)。従って、第1、第2及び/又は第3のバンド106、108、110は、例えば、プルストラップ408を引く又は緩めることにより、一緒に(例えば、同時に)しっかり締める又は緩めることができる。付加的に又は代替的に、第1、第2及び/又は第3のバンド106、108、110は、独立に調節することができる。例えば、
図4Aに示すように、第1の張力ストラップ400は、第1のバンド106内の(例えば、第1のバンド106の端部に隣接した)第1の開口部401を貫通して延びる。第1の開口部401は、第1のバンド106と第1の張力ストラップ400との間に摩擦を生じさせるような寸法にされる。摩擦力は、例えば、カバー406を引っ張ったときに第1の張力ストラップ400を第1のバンド106に結合するのに十分である。第1の張力ストラップ400の有効長(例えば、第1のバンド106とカバー406との間の第1の張力ストラップ400の長さ)を短くするために、第1の張力ストラップ400の端部を(摩擦に打ち勝つのに十分な力で)引っ張って、第1の開口部401を通して第1の張力ストラップ400を摺動させることができる。第1の張力ストラップ400の有効長を長くする又は緩めるために、第1の張力ストラップ400を第1のバンド106の反対側から引っ張ることができる。幾つかの例において、第1の開口部401内に歯部を設けることができる。例示的な組立体及び断面を
図4Aの拡大部分に示す。図示した例において、エンドキャップ407が第1のバンド106の端部に結合される。エンドキャップは、歯部411を有する通路409を含む。歯部411は、第1の張力ストラップ400をヘッドバンド104に向かって引っ張って第1の張力ストラップ400を緩めるときに第1の張力ストラップ400に対する摩擦を生じさせるように、角度付けされる。第1の開口部401と同様に、第2のバンド108は、第2の張力ストラップ402が貫通して延びる第2の開口部403を含み、第3のバンド110は、第3の張力ストラップ404が貫通して延びる第3の開口部405を含む。従って、第1、第2及び第3の張力ストラップ400、402、404は、互いに独立に調節することができる。
【0027】
[0071]幾つかの例において、ヘッドバンド104は、第1、第2及び/又は第3の張力ストラップ400、402、404のための1以上の通路を含む。例えば、
図4Aに示すように、第1の通路412(例えば、チャネル、貫通孔、等)がヘッドバンド104内に設けられる。第1の張力ストラップ400は、第1の通路412を通って延びる。図示した例において、第2の通路414及び第3の通路416が同様に第2及び第3の張力ストラップ402、404に対して設けられる。幾つかの例において、第1、第2及び/又は第3の張力ストラップ400、402、404のうちの2以上が同じ通路を通って延びる。
【0028】
[0072]
図4Bは、例示的なヘッドセット100の右側面図である。左側(
図4A参照)と同様に、右側は、第1の張力ストラップ400(
図4A)の反対側で第1のバンド106の他端に結合することができる第4の張力ストラップ418(例えば、コード)と、第2の張力ストラップ402(
図4A)の反対側で第2のバンド108の他端に結合する第5の張力ストラップ420と、第3の張力ストラップ404(
図4A)の反対側で第3のバンド110の他端に結合する第6の張力ストラップ422とを含む。第4、第5及び第6の張力ストラップ418、420、422は、第2のカバー424に結合される。通路412、414、416(
図4A)と同様に、ヘッドセット100は、第4、第5及び/又は第6の張力ストラップ418、420、422のための1以上の通路を含む。図示した例において、プルストラップ426が、第2のカバー424と第2のコネクタ428との間に結合される。図示した例において、カバー424は、ストラップ418、420、422、426が結合するコネクタ又は接合部として動作する。第2のコネクタ428を引っ張って、第4、第5及び第6の張力ストラップ418、420、422をしっかり締めることができ、これにより第1、第2及び第3のバンド106、108、110が被験者の頭部上にしっかりと締め付けられる。また、第1、第2及び第3の張力ストラップ400、402、404と同様に、第4、第5及び第6の張力ストラップ418、420、422は、張力ストラップ418、420、422をそれぞれの開口部を通して摺動させてそれぞれのストラップ418、420、422の有効長を長くする又は短くすることによって、独立に調節可能である。
【0029】
[0073]幾つかの例において、第1のコネクタ410(
図4A)及び第2のコネクタ428(
図4B)を引っ張ってぴんと張り、互いに結合させて(例えば、装着者の顎の下、装着者の頭部の後ろ等で)、ヘッドセット100を被験者の頭部に保持することができる。例えば、
図4Cは、被験者の頭部430上の例示的なヘッドセット100を示す。第1のコネクタ410は、頭部430の後方で第2のコネクタ428に結合される。図示した例において、第1のコネクタ410は、ループとして実装され、第2のコネクタ428は、フックとして実装される。他の例において、第1及び第2のコネクタ410、428は、ボタン、スナップ、磁石、Velcro(登録商標)、及び/又は他のいずれかの適切な締結具などの、他の型式のコネクタとすることができる。他の例において、第1及び第2のコネクタ410、428は、被験者の顎の下で接続される。
【0030】
[0074]
図4A~
図4Cに示した例において、ヘッドセット100は、電気コネクタ300を含み、これにプロセッサ(例えば、コントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は同様のもの)を接続することができる。上記で開示したように、ヘッドセット100は、本体102内に配置された(例えば、本体102内に組み込まれた)1以上のPCBを含むことができる。PCBは、小孔200a~200nのそれぞれの中に位置決めされた1以上の電極を電気コネクタ300に通信結合するトレース又は配線を含む。それゆえ、電極によって収集された信号は、集積及び/又は解析のためにプロセッサに伝送される。例示的なプロセッサ434を
図4Cに示す。例示的なプロセッサ434は、電気コネクタ300にプラグ接続することができる電気コネクタ436を含む。幾つかの例において、プロセッサ434は、信号を調整し、ノイズをフィルタし/減衰し、付加的な信号処理及び/若しくは信号解析を提供し、並びに/又は外部装置にデータを出力する。幾つかの例において、プロセッサ434は、電極によって収集された信号及び/又はかかる信号に基づくデータを伝送するための送信機を含む。
【0031】
[0075]
図4A~
図4Cに示した例において、ヘッドバンド104の2つの端部は、ラッチ又はロック438を介して互いに結合される。
図2及び
図3に示すように、ヘッドバンド104は、第1の部分302及び第2の部分304に分割され、これらは正中線バンド112から延びる。第1の部分302は、第2の部分304より短い。それゆえ、第1及び第2の部分302、304の端部を接続するロック438は、被験者の頭部430の後部からずらされる(例えば、頭部430の後部の中心に位置決めされない)。従って、1以上の電極をヘッドバンド104の後方セクション上に頭部430の後方に沿って位置決めすることができ、このことは、後方又はイニオンの付近で頭部の正中線に沿って発生するEEG信号を収集するのに有益である。例えば、
図4Dは、比較的小さい頭部上のヘッドセット100の背面図を示す。図示した例において、ヘッドバンド104の後部は、電極を接続する(及び信号を収集する)ことができる4つの小孔(及びコネクタ)を含む。具体的には、ヘッドバンド104は、第1の小孔200a、第2の小孔200b、第3の小孔200c及び第4の小孔200dを含む。図示した例において、第3の小孔200cは、頭部430の正中線に沿って(又は付近に)配置される。従って、この事例では、第3の小孔200cは、頭部430の正中線からの信号を収集するための電極と共に用いることができる。正中線の左方の第2の小孔200b及び正中線の右方の第4の小孔200dは、それぞれ正中線のすぐ左及び右の信号を収集するための電極と共に用いることができる。従って、電極によって正中線、左正中線及び右正中線位置にアクセスすることができる。幾つかの例において、第1の小孔200aは、空のままで(電極を挿入しない)又は有効化しないままにしておくことができる。
【0032】
[0076]ヘッドセット100がより大きい頭部の被験者によって用いられる場合、ヘッドバンド104の後部は、異なる位置に配置される。例えば、
図4Eは、より大きい頭部上のヘッドセット100を示す。図示するように、第2の小孔200bが頭部430の正中線に沿って配置される。従って、この構成において、第2の小孔200bは、正中線からの信号を収集する電極と共に用いることができ、第1の小孔200a及び第3の小孔200cは、それぞれ左及び右正中線信号を収集するために用いることができる。従って、例示的なヘッドセット100は、異なるサイズの頭部上で用いるときに同じ3つの位置(正中線、左及び右)からの信号を取得するために用いることができる。
【0033】
[0077]
図4A~
図4Eに示した例において、それぞれの小孔200a~200nの周りに支持部440a~440nが設けられる。支持部440a~440nは、それぞれの小孔200a~200nに取り付けられてこれを貫通して延びることができる電極に対して、支持及び心合わせを可能とする。例えば、
図4Dに示すように、第1の支持部440aは、第1の小孔200aの周りに設けられ、第2の支持部440bは第2の小孔200bの周りに設けられる等である。幾つかの例において、支持部440a~440nは、プラスチックで作られる。
【0034】
[0078]ヘッドバンド104を調節するために、例示的なヘッドセット100は、ロック438を含む。
図4Dに示すように、ロック438は、ロック位置と解除位置との間で移動するリリースタブ442を含む。図示した例において、リリースタブ442は、ロック位置にある(
図4Dの左方)。例示的なヘッドセット100は、第1の上部ワイヤ444a及び第1の下部ワイヤ444bを含む。
図4A及び
図4Cに示すように、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、ヘッドセット100の左側に沿って延びる。第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、ヘッドバンド104の左側の第5の電極小孔200eの第5の支持部440eに結合する。第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、後方に延び、第6の支持部440f及び第7の支持部440g内のそれぞれのチャネルを通過する。例示的なチャネルを
図4Aの第6の支持部440f上で示す(点線で示す)。
図4Dに戻ると、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、第1の支持部440a内のチャネルを通り、リリースタブ442内のチャネルを通り、第2の支持部440b内のチャネルを通って延びる。第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、プルタブ446に結合される。リリースタブ442内のチャネルは、第1の支持部440a内のチャネルからずれている。結果として、リリースタブ442がロック位置(左方、第1の支持部440aに隣接)にあるとき、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bのための通路が摩擦を生じさせ、第1の支持部440aが第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bに沿って摺動することを防止する。このことは、例示的なチャネルを示した第1の支持部440a、リリースタブ442及び第2の支持部440bの部分拡大断面図である、
図4Dの丸で囲まれた領域内に示される。図示した例において、第1の支持部440aは、第1のチャネル441を含み、リリースタブ442は、第2のチャネル443を含む。第1のチャネル441は、第2のチャネル443に対して傾斜し又は角度付けされており、第1の支持部440aとリリースタブ442とが互いに隣接したときに第1及び第2のチャネル441、443が位置合わせされないようになっている。リリースタブ442がロック位置(左方)にあるとき、第1の上部ワイヤ444aは、チャネル441、443を通って強制的に曲げられ、これが摩擦を生じさせ、それにより第1の支持部440aが第1の上部ワイヤ444aに沿って摺動することが防止される。このようにして、ヘッドバンド104の端部が互いに所定位置にロックされる。ヘッドバンド104を解放又は調節するためには、リリースタブ442を右に(第2の支持部440bに向かって)移動させ、これにより摩擦を低減又は解消する。結果として、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、第1及び第2の支持部440a、440b及びリリースタブ442を通って自由に摺動することができる。プルタブ446を右に引っ張って、ヘッドバンド104の両端(
図3の部分302、304)を互いの方に向かって動かすことができ、又は左に戻して、張力を解放し、
図4Eに示すようにヘッドバンド104の両端間により多くの空間を与えることができる。第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、ヘッドバンド104の構造的一体性を高める。幾つかの例において、ヘッドバンド104は、ゴム(又は他の可撓性材料)で作られ、頭部430から遠ざかる方向に曲がる傾向がある場合がある。かかる事例において、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、ヘッドバンド104を所定位置に保持し又は支持する。幾つかの例において、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bは、鋼ワイヤである。幾つかの例において、2より多くのワイヤを実装することができる。他の例において、2本のワイヤの代わりに1本のワイヤのみを実装することができる。幾つかの例において、ワイヤは、支持部440a~440nのうちの他のものと、及び/又はヘッドバンド104上の他の位置に結合することができる。
図4Dに示すように、スペーサ448を設けて、第1の上部及び下部ワイヤ444a、444bの余分な長さを支える。スペーサ448は、ヘッドバンド104に沿って可動である。例えば、
図4Eに示すように、スペーサ448は、さらに右に移動される。
【0035】
[0079]
図4Bに示すように、ヘッドセット100は、第2の上部ワイヤ450a及び第2の下部ワイヤ450bを含み、これらはヘッドセット100の右側に沿って延びる。第2の上部及び下部ワイヤ450a、450bは、第8の支持部440hに結合され、第9の支持部440i、第10の支持部440j等の中のチャネルを通って後方に延びる。
図4Dに戻ると、第2の上部及び下部ワイヤ450a、450bは、頭部430の後ろに沿って支持部内のチャネルに延び、第2の支持部440bに結合する。幾つかの例において、第2の上部及び下部ワイヤ450a、450bもまた、ヘッドバンド104に構造的一体性を与える。幾つかの例において、2より多くのワイヤを実装することができる。幾つかの例において、第2の上部及び下部ワイヤ450a、450bは、鋼ワイヤである。幾つかの例において、ワイヤは、支持部440a~440nのうちの他のものと、及び/又はヘッドバンド104上の他の位置に結合することができる。他の例において、他の引き締め機構及び/又はロック機構をヘッドセット100に実装することができる。他の例において、ヘッドバンド104は、ロック438を頭部430上の他の位置に配置してEEG信号収集にとって望ましい領域上に電極を配置することができるように保証するように、異なる仕方で分割又は区分することができる。幾つかの例において、プロセッサ支持部452(
図4D及び
図4E)がヘッドセット100に結合され、プロセッサ(例えば、
図4Cのプロセッサ434)をヘッドセット100に取り付けるときにこれを支持する。
【0036】
[0080]
図5は、
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100又は他のヘッドセットと共に用いることができる例示的な電極ユニット500を示す。電極ユニット500は、例えば、
図2及び
図3の第1の小孔200aに結合することができる。幾つかの例において、複数の電極ユニット500が、
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100と共に用いられる。
【0037】
[0081]図示した例において、電極ユニット500は、プッシャ502と、ばね504と、コネクタ506と、ガイド508と、第1の電極510と、第2の電極512と、ハウジング514とを含む。ガイド508は、開口部516を定める。図示した例において、第1及び第2の電極510、512は、開口部516(例えば、通路、貫通孔)内に摺動的に配置される。ガイド508は、コネクタ506の開口部518内に配置される寸法にされる。幾つかの例において、ガイド508は締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)により、コネクタ506に結合する。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてガイド508をコネクタ506に結合することができる。図示した例において、コネクタ506はリング形である。ばね504は、コネクタ506及びガイド508の上を覆って配置されるような寸法にされる。図示した例において、ばね504は、渦巻きばね板である。付勢されていない又は弛緩した位置において、ばね504は、
図5の位置で示すように、実質的に平坦又は平面である。
【0038】
[0082]図示した例において、ガイド508(第1及び第2の電極510、512と共に)、コネクタ506及びばね504は、ハウジング514のキャビティ520内に配置される寸法にされ、第1及び第2の電極510、512がハウジング514の底部522から延びるようになっている。図示した例において、ハウジング514内の第1の開口部521と、ハウジング514の反対側の第2の開口部523とが、キャビティ520を定める。第2のばね504は、キャビティ520内でコネクタ506及びガイド508の上を覆って配置される。幾つかの例において、コネクタ506は、締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)によりハウジング514に結合する。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてコネクタ506をハウジング514に結合することができる。
【0039】
[0083]図示した例において、電極510、512は、ピンとして実装される。しかしながら、他の例において、電極は、例えば、リング、ボール、フック形等のような他の所望の形状を有することができる。
【0040】
[0084]
図6の例において、ばね504、コネクタ506(
図5)及びガイド508(
図5)(第1及び第2の電極510、512と共に)は、ハウジング514内に配置されている。
図5及び
図6に示すように、この例のプッシャ502は、上部524と、上部524から延びた壁526とを含む。
図7に示すように、この例のプッシャ502は、ハウジング514のキャビティ520(
図5)内に(ハウジング514の第2の開口部523(
図5)を通して)挿入することができる。具体的には、壁526(
図5及び
図6)がキャビティ520(
図5)内に受け入れられる。上部524(
図5及び
図6)は、リップ527を含み、その底面は、ハウジング514の上部528(
図5)に係合する。幾つかの例において、プッシャ502は、締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)によりハウジング514に結合する。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてプッシャ502をハウジング514に結合することができる。
【0041】
[0085]
図8は、第1及び第2の電極510、512(
図5)が伸長位置にある例示的な電極ユニット500の側面図であり、
図9は、第1及び第2の電極510、512(
図5)が後退位置にある例示的な電極ユニット500の側面図である。
図10は、
図8の線A-Aに沿った
図8の電極ユニット500の断面図であり、
図11は、
図9の線B-Bに沿った
図11の電極ユニット500の断面図である。
図8~
図11に示すように、ガイド508は、コネクタ506内に受け入れられ、コネクタ506は、ハウジング514のキャビティ520内に受け入れられる。コネクタ506は、ハウジング514の底部522(
図10及び
図11)と実質的に位置合わせされ、ガイド508並びに第1及び第2の電極510、512は、ハウジング514の底部522から延びる。
【0042】
[0086]
図10及び
図11に示した例に示すように、第1の電極510は、第1の電極本体1000(例えば、ハウジング、シース)及び第1のピン1002(例えば、ポゴピン)を含む。第1の電極本体1000は、第1のピン1002を第1の電極本体1000の第1のキャビティ1004内に受け入れる。図示した例の第1のピン1002は、第1のキャビティ1004内に後退可能であり、第1のキャビティ1004内に配置された第1のばね1006によって第1の電極本体1000から(例えば、第1の電極本体1000の端部から)外方へ付勢される。第1のピン1002の先端1008は、被験者の頭部の頭皮に接触してEEG信号を検知する。第1のばね1006は、頭皮に対して下向きに力がかかったときに第1のピン1002が第1の電極本体1000の中に後退することを可能にし、従って第1の電極510が頭皮にかける圧力を低減することによってヘッドセット(例えば、
図1のヘッドセット100)の快適性及び装着性を高める。幾つかの例において、第1のピン1002が第1の電極本体1000から偶発的に外れることを防止するために、第1のピン1002は、第1のばね1006の一端に(例えば溶接により)結合され、第1のばね1006の他端は、第1の電極本体1000に結合される。付加的に又は代替的に、第1のピン1002は、第1のキャビティ1004の内側を取り巻くリムに当接する脚部又はリップを含むことができる。脚部又はリップは、第1のピン1002を第1のキャビティ1004に最初に挿入するときに、リムに(例えば、スナップばめにより)押し込むことができる。他の例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いて、第1のピン1002が第1の電極本体1000から完全に排出されることを防止することができる。異なるサイズのばね又は異なる材料のばねを第1の電極510と共に利用して、より大きい又は小さい付勢力を与えることができる。幾つかの例において、第1のばね1006は、約0.2ニュートンの力を与える。図示した例において、第1のばね1006は、コイルばねである。他の例において、第1のばね1006は、他の任意の型式のばね、例えば板ばねなどによって実装することができる。
【0043】
[0087]
図10及び
図11に示した例において、第2の電極512は、第1の電極510と実質的に同じ(例えば、同一)である。具体的には、第2の電極512は、第2の電極本体1000、第2のピン1002、第2のキャビティ1004、第2のばね1006及び第2の先端1008を含む。それゆえ、第2の電極512は、第1の電極510と実質的に同じに動作する。従って、冗長性を減じるために、本明細書において第2の電極512をさらに説明することはしない。代わりに、興味ある読者は、第2の電極512の完全な説明について、第1の電極510に関連した上記開示を参照されたい。
【0044】
[0088]
図8及び
図10に示すピン1002の伸長位置において、ばね504(
図10)は、実質的に平坦であり、第1の電極510の第1の電極本体1000及び第2の電極512の第2の電極本体1000の端部は、ガイド508の開口部516と面一に配置される(
図10参照)。加えて、第1の電極510の第1のピン1002は、第1の電極本体1000の第1のキャビティ1004から(例えば、第1の端部から)延び、第2の電極512の第2のピン1002は、第2の電極本体1000の第2のキャビティ1004から延びている。第1の電極本体1000の第1の上部1010(例えば、第2の端部)は、ばね504と係合し、第2の電極本体1000の第2の上部1010は、ばね504と係合する。第2のばね504は、第1及び第2の電極510、512の第1の上部1010及び第2の上部1010に隣接して、開口部516の上を覆って配置される。幾つかの例において、第1の上部1010及び/又は第2の上部1010は、ばね504に結合される。図示した例において、ばね504の外縁部/外周は、プッシャ502の壁526とコネクタ506との間に結合され(例えば、保持され)、これらはハウジング514に(例えば、締まりばめにより)結合される。幾つかの例において、プッシャ502は、ばね504とコネクタ506との接触を保つ力を与える(例えば、その接触を通じてEEG信号を伝達するために)。幾つかの例において、プッシャ502は、電極ユニット500の内部構成要素を覆って、偶発的な損傷及び/又はばね504との接触を防止する。
【0045】
[0089]幾つかの例において、第1の電極510は、かしめ又はプレスばめによりばね504に結合(例えば、固定的に結合)される。例えば、第1の電極510は、第1の電極本体1000の第1の上部1010から延びた(
図5及び
図10に示すような)第1の突起530(例えば、ボス)を含む。
図5に示すように、ばね504は、第1の小孔532(例えば、穴)を含む。第1の突起530は、第1の小孔532に挿入されて平らにされ又は変形され(例えば、かしめパンチ、又は熱により)、第1の電極510をばね504に締結する。同様に、第2の電極512は、第2の電極本体1000の第2の上部1010から延びた(
図5及び
図10に示すような)第2の突起530(例えば、ボス)を含み、ばね504は、第2の小孔536を含み、これを通して第2の突起530を挿入して(例えば、変形により)締結することができる。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、他の機械的及び/又は化学的締結具を用いて、第1の電極510及び/又は第2の電極512をばね504に結合することができる。例えば、第1の電極510及び/又は第2の電極512は、ばね504にはんだ付けすることができる。図示した例において、第1の電極510及び第2の電極512は、それぞれのばね1006により独立に調節可能である。
【0046】
[0090]
図9及び
図11に示す電極ピン1002の後退位置において、第1及び第2の電極510、512は、ガイド508内の開口部516を貫通してばね504に押し込まれており、上部1010は、開口部516の上方及びガイド508のさらに内部に配置される(
図11参照)。換言すれば、第1及び第2の電極510、512は、ガイド508の開口部516を貫通してハウジング514のキャビティ520内へ可動である。ばね504がたわんで、この第1及び第2の電極510、512の後退位置への移動を可能にする。具体的には、第1及び第2の電極510、512がハウジング514のキャビティ520内へ移動すると、ばね504の中心がたわんでキャビティ520内へ入る。ばね504の中心がたわむときに、ばね504の外縁部は、コネクタ506と接触したままである。十分な力が例えばヘッドセット100を引き締めることによってかかったときに、ばね504は、第1及び第2の電極510、512がハウジング514及びプッシャ502内へ後退することを可能にするので、従って、ばね504は、頭皮に対するピン1002の力をさらにやわらげ、ヘッドセット100を装着する被験者の快適性を高める。
図10及び
図11を比べると、力を受けたとき、ばね504の伸びに加えて、個別の電極510、512内のばね1006が圧縮することが分かる。従って、ばね504及びばね1006は、頭皮に付加的な力を与える。電極510、512内のばね1006は、電極ピン1002が個別に頭皮上の隆起及び湾曲に対して調節されることを可能にする。従って、第1のピン1002は、第1の電極本体1000内に後退し、第2のピン1002は、第2の電極本体1000内に後退し、これが頭皮に対する力をさらにやわらげ、快適性を高める。ばね504がなければ、電極ピン1002の後退は、第1の電極本体1000及び第2の電極本体1000によってそれぞれ制限され、付加的な力がかかると、第1のピン1002及び第2のピン1002からヘッドセット100を装着した被験者の頭皮に伝達されることになる。第1の電極本体1000及び第2の電極本体1000は、電極の配置、頭皮の湾曲、毛髪量、及び/又はバンドの引き締め又は緩みの程度に応じて独立して可動なので、第1の電極本体1000は、ガイド508から第1の距離だけ延びることができ、第2の電極本体1000はガイド508から第2の距離だけ延びることができる。幾つかの例において、第2の距離は、第1の距離とは異なる。幾つかの例において、第1の電極510及び第2の電極512は、ばね504により同時に調節可能であり、且つばね1006により独立に調節される。
【0047】
[0091]図示した例において、コネクタ506は磁性である。それゆえ、電極ユニット500は、本体102に磁気的に結合することができる。例えば、
図3の第1のコネクタ202aは、磁性リングであり、コネクタ506(
図5、10及び11)は磁性リングである。従って、例えば電極ユニット500が第1の小孔200aに配置されたとき、第1のコネクタ202a及びコネクタ506は、電極ユニット500を本体102に磁気的に結合する。図示した例において、ガイド508の底部は、第1の小孔200aの中に延び、第1及び第2の電極510、512は、第1の小孔200aを貫通して本体102の底部から外方に出る。他の例において、コネクタ202a、506は、他の型式のコネクタとすることができる。これらの磁性結合(又は他の妥当な機械的結合)は、電極ユニット500をヘッドセット100に独立して結合させることを可能にする。それゆえ、独立して結合可能な電極ユニット500は、個別に修理又は交換することができ、そのことが、ヘッドセット100全体ではなく個別の電極ユニット500の交換を可能にすることによってヘッドセット100の耐用年数を延ばす。
【0048】
[0092]第1及び第2の電極510、512は、被験者の頭皮からEEG信号を検知する。信号は、ピン1002から電極本体1000、ばね504及びコネクタ506を通って第1のコネクタ202aへ転送される。上述のようにPCBを本体102内に配置して、第1のコネクタ202aをプロセッサ434(
図4C)及び/又は送信機に電気的に結合することができる。幾つかの例において、第1及び第2の電極510、512並びにばね504は電気伝導性であり、他方、ガイド508及びハウジング514は電気伝導性ではない。例えば、第1及び第2の電極510、512並びにばね504は、金属製(例えば、鋼、銀、塩化銀、クロム、金、等)とすることができ、ガイド508及びハウジング514は、プラスチック又はゴム及び/又は他の適切な材料若しくは材料の組合せとすることができる。
【0049】
[0093]図示した例において、電極ユニット500は、2つの電極を含む。しかしながら、他の例において、電極ユニット500は、それより多い又は少ない電極及び/又はピンを含むことができる。例えば、電極ユニット500は、1つの電極のみを含むことができる。他の例において、電極ユニット500は、3つの電極、4つの電極、10個の電極、等を含むことができる。
【0050】
[0094]
図12は、
図8及び
図10と同様に、電極ユニット500(
図5)のばね504、コネクタ506、ガイド508並びに第1及び第2の電極510、512を伸長位置で示す。
図12において、プッシャ502及びハウジング514は、分かりやすくするために除去してある。図示した例において、ばね504は、弛緩された又は付勢されていない状態である。
図13は、
図11と同様に、ばね504を付勢された状態で示す。第1及び第2の電極510、512(
図12)は、ガイド508を貫通して、ばね504の底部に当接して押し上げられる。結果として、ばね504の中央部が上方にたわむ。付勢された状態において、ばね504は、第1及び第2の電極510、512を下方へ付勢する。
【0051】
[0095]
図14は、
図12の線C-Cに沿った、ばね504、コネクタ506、ガイド508並びに第1及び第2の電極510、512の断面図であり、
図10と同様に伸長位置にある第1及び第2の電極510、512を示す。
図15は、
図13の線D-Dに沿った、ばね504、コネクタ506、ガイド508並びに第1及び第2の電極510、512の断面図であり、
図11と同様に後退位置にある第1及び第2の電極510、512を示す。
【0052】
[0096]
図16~
図18は、
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100と共に用いることができる別の例示的な電極ユニット1600を示す。
図16~
図18において、電極ユニット1600は、ヘッドセット100(
図1)のヘッドバンド104に結合したものとして示されている。図示した例において、電極ユニット1600は、電極1602、ハウジング1604、コネクタ1606及び絶縁体1608を含む。
図18に示すように、電極1602は、電極本体1610(例えば、ハウジング、シース)及びピン1612(例えば、ポゴピン)を含む。電極本体1610は、電極本体1610内のキャビティ1614内にピン1612を受け入れる。図示した例のピン1612は、キャビティ1614内に後退可能であり、キャビティ1614内に配置されたばね1616によって電極本体1610から外方へ付勢される。ピン1612の先端1618は、被験者の頭部の頭皮に接触してEEG信号を検知する。
【0053】
[0097]
図16~
図18に示した例において、絶縁体1608及び電極本体1610は、ハウジング1604のキャビティ1620内に配置される。絶縁体1608は、電極本体1610とキャビティ1620の内壁1622との間に位置する。幾つかの例において、キャビティ1620は、止まり穴として実装される。
【0054】
[0098]上で論じたように、ヘッドセット100のバンド104、106、108、110、112は、バンド104、106、108、110、112を貫通して延びた複数の小孔200a~200nを含み、小孔200a~200nの周りに複数のコネクタ202a~202nが配置される。
図16~
図18において、電極ユニット1600は、第1の小孔200aに結合したものとして示される。電極1602は、第1の小孔200aを貫通して延びる。図示した例において、コネクタ1606は磁石であり、第1のコネクタ202aは金属リングである。それゆえ、電極ユニット1600は、ヘッドバンド104に磁気的に結合し、従って解放可能に結合する。図示した例において、コネクタ1606は、電極本体1610から延びたフランジ1623と、絶縁体1608との間に配置される。電極ユニット1600がヘッドバンド104上に配置されたとき、コネクタ1606と第1のコネクタ202aとの間の引力が電極ユニット1600をヘッドバンド104上に保持する。他の例において、コネクタ1606及び第1のコネクタ202aは、電極ユニット1600をヘッドバンド104に取外し可能に結合する他の型式のコネクタとすることができる。
【0055】
[0099]
図16~
図18に示すように、PCB1624がヘッドバンド104内に配置される(例えば完全に封入される)。PCB1624は、第1のコネクタ202aを電気コネクタ300(
図4C)に通信結合する。電極1602によって収集された信号は、電極ピン1612から電極本体1610及びフランジ1623を通って、第1のコネクタ202a、PCB1624へ、従って電気コネクタ300へ転送される。PCB1624は、主として導体として作用し、必ずしも論理回路を含む必要はないので、幾つかの例において、PCB1624は、配線などの他の導体で置き換えられる。
【0056】
[00100]幾つかの例において、ノイズ又は他の信号(例えば、干渉)が電極1602によって収集されるEEG信号に悪影響を与えることを阻止する又は防止するために、遮蔽が所望される。図示した例において、ヘッドバンド104は、第1の小孔200aに隣接した電気ピン1626を含む。電極ユニット1600が第1の小孔200aに結合しているとき、電気ピン1626は、ハウジング1604の底部1628に接触する。導電性塗料又はペースト1630の層がハウジングの底部1628及びキャビティ1620の壁1622に沿って配置される。電気ピン1626は、PCB1624に結合(例えば、はんだ付け)される。幾つかの例において、PCB1624内の配線又はトレースは、ピン1626を遮蔽電極に電気的に結合し、遮蔽電極は、被験者の頭部(例えば、前頭)に接触することができる。従って、ペースト1630は、装着者の身体と電気的に接触しており、これは電極1602を取り囲む身体の延長部として作用し、これにより電極1602を環境内の何らかの干渉又はノイズから遮蔽する。例えば、
図2に戻ると、例示的なヘッドセット100は、ヘッドバンドに結合された(例えばヘッドバンド104の本体102内に成形された)、ヘッドバンド104の前頭側に沿って配置された6つの平坦電極204a、204b、204c、204d、204e、204fを含む。平坦電極204a~204fは、ヘッドセット100の本体102内のPCB1624に、及び/又はヘッドセット100の本体102内に配置された他の配線又はトレースに通信結合される。幾つかの例において、平坦電極204a~204fのうちの1つは遮蔽電極であり、これはピン1626(及び他の小孔200a~200nに関連付けられた他のピン)に通信結合される。幾つかの例において、平坦電極204a~204fのうちの3つがEEG信号を収集し、平坦電極204a~204fのうちの1つが接地電極であり、平坦電極204a~204fのうちの1つが参照又は帰還電極であり、平坦電極204a~204fのうちの1つが遮蔽電極である。他の例において、平坦電極204a~204fのうちの1以上が異なる機能を有することができる。幾つかの例において、より多い又は少ない平坦電極が実装される。
【0057】
[00101]幾つかの例において、遮蔽層(例えば、銀又は銅の層)が、PCB1624の上に配置され(又はPCB1624の上にヘッドセット100の本体102として成形され)、ヘッドセット100の本体102全体にわたって組み込まれる。遮蔽層はまた、被験者の前頭上の遮蔽電極にも電気的に結合され、従ってPCB1624を同様の方式で遮蔽する。幾つかの例において、遮蔽層は、プロセッサ434内の遮蔽層(これはプロセッサ434内の電気的構成要素の上に配置される)に電気的に結合され、プロセッサ434内のいずれかの電気的構成要素を同様に遮蔽する。従って、ヘッドセット100の電気的構成要素の周りに受動遮蔽を形成することができる。他の例において、電荷をピン1626に与え、且つペースト1630全体に分布させて、ノイズ及び干渉を阻止することができる。幾つかの例において、金属メッシュ又はパターン(例えば、ケージ)が電極1602の周りに配置される。幾つかの例において、電気ピン1626は、ヘッドバンド104から上方へ付勢され(例えば、
図10の第1のばね1006及び第1のピン1002と同様に、ばねにより)、電気ピン1626は、ハウジング1604に接触したときに基部又は本体の中に後退するようになっている。他の例において、電気ピン1626は、電極ユニット1600に組み込まれ、ヘッドセット100に結合されたときに第1の小孔200aの付近のパッドに接触する(本明細書においてさらに詳細に開示される)。
【0058】
[00102]
図16~
図18において、電極ユニット1600は、ヘッドバンド104に結合されたものとして示されている。しかしながら、他の例において、電極ユニット1600は、バンドのうちの他のもの(例えば、第1のバンド106、第2のバンド108、第3のバンド110、又は正中線バンド112)に同様に結合することができる。幾つかの例において、電極ユニット1600と同様の(例えば、同一の)複数の電極ユニットがヘッドセット100(
図1~
図4E)に結合される。
【0059】
[00103]
図19、
図20及び
図21は、
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100と共に用いることができる別の例示的な電極ユニット1900を示す。図示した例において、電極ユニット1900は、電極1902、ハウジング1904及びコネクタ1906を含む。
図19及び
図20において、ハウジング1904の内部構造を点線で示す。電極1902は、アーム1908及びリング1910を含む。図示した例において、ハウジング1904は、キャビティ1912を含む。電極1902のリング1910は、キャビティ1912の開口部1914の周りに配置される。図示した例において、リング1910は、コネクタ1906と、ハウジング1904の底部1916との間に結合される。アーム1908は、この例では屈曲又は湾曲している。アーム1908の第1の端部は、リング1910に結合され、アーム1908の他端は、リング1910の開口部1918を貫通してハウジング1904のキャビティ1912の中へ延びる(
図25もまた参照のこと)。
【0060】
[00104]例示的な電極ユニット1900は、
図1~
図4のヘッドセット100の小孔200a~200nのうちの1つに結合することができる。幾つかの例において、コネクタ1906は磁石であり、コネクタ202a~202n(
図3)は金属リングである。それゆえ、コネクタ1906は、電極ユニット1900をコネクタ202a~202nのうちの1つに磁気的に結合させる。コネクタ202a~202nのうちの1つに結合されたとき、電極1902のアーム1908は、それぞれの小孔200a~200nを貫通して延び、ヘッドセット100が被験者の頭部上に配置されると被験者の頭皮に接続する。
図19~
図21において、例示的な電極1902は、非圧縮状態にある。電極1902によって収集された信号は、コネクタ1906を通って、コネクタ202a~202nへ、そしてヘッドセット100の本体102内に配置されたPCB(又は他の導電性配線)を介して電気コネクタ300(
図3)へ転送される。
【0061】
[00105]
図22~
図24は、組み立てられていない(例えば、成形されていない又は曲げられていない)状態又は形態の例示的な電極1902を示す。電極1902は、基材、例えば、銀、塩化銀、クロム、金、及び/又は他のいずれかの適切な金属、合金又は他の導電性材料又はそれらの組合せのシートから打ち抜く又は切り出すことができる。図示した例において、電極1902は、リング1910と、リング1910から延びたアーム1908とを含む。
図25~
図27は、組み立てられた状態又は形態の電極1902を示す。電極1902を
図22の組み立てられていない電極1902から形成するために、アーム1908を、リング1910越しに曲げ、開口部1918を通して挿入し、折り又は曲げて、アーム1908の一部が開口部1918を逆方向に貫通して延びるようにする。例えば、
図25~27に示すように、アーム1908の第1の部分2500はリング1910から下方に(開口部1918を貫通して)延び、角又は曲げ部2502において、アーム1908の第2の部分2504が上方に戻って延びてリング1910の開口部1918を貫通する。第1及び第2の部分2500、2504は、曲げ部2502において結合する。幾つかの例において、第1及び第2の部分2500、2504は一体である。
図25に示すような電極1902は、アーム1908をリング1910越しに曲げて開口部1918を貫通させることによって形成することができる。他の例において、アーム1908を、リング1910の円周の外側で下方に曲げ、折り又は曲げて角又は曲げ部2502を形成し、リング1910の開口部1918を貫通して戻るように位置決めすることができる。他の例は、曲げ部2502の代わりに湾曲部を含み、これを用いて、例えば、頭皮上の電極1902の接続面積を増大すること及び/又は被験者の快適性の向上をもたらすことができる。
【0062】
[00106]
図28~
図30は、電極ユニット1900(
図19)の例示的なハウジング1904を示す。具体的には、
図28は、ハウジング1904の側面図であり、
図29は、ハウジング1904の底面図であり、
図30は、
図28の線G-Gに沿ったハウジング1904の断面図である。
図29及び
図30に示すように、キャビティ1912は、底部1916内の開口部1914からハウジング1904の中へ延びる。図示した例において、第1の溝又は凹部2900が開口部1914の周りに形成される。第1の凹部2900は、コネクタ1906(
図19)を受けるサイズにされる。第2の溝又は凹部2902は、第1の凹部2900の上方に形成され、電極1902のリング1910(
図19)を受けるサイズにされる。幾つかの例において、コネクタ1906は、第1の凹部2900内に締まりばめ(例えば、摩擦ばめ)により保持される。他の例において、化学的、磁気的及び/又は機械的締結具を用いて、コネクタ1906をハウジング1904に結合することができる。
【0063】
[00107]図示した例において、キャビティ1912は、ハウジング1904内へ延びた第1のチャネル2904(例えば、スロット)及び第2のチャネル2906を含む。電極のアーム1908が圧縮されると、アーム1908の第2の部分2504(
図25)が第1のチャネル2904又は第2のチャネル2906のうちの1つの中に配置される(本明細書でさらに詳細に論じるように)。それゆえ、電極1902は、2つの配向のうちの1つで配向することができる(例えば、第2の部分2504は、第1のチャネル2904又は第2のチャネル2906の中に延びる)。他の例において、キャビティ1912は、1つのチャネルのみを含むことができる。他の例において、キャビティ1912は、2つより多くのチャネルを含むことができ、又は電極1902をハウジング1904内で任意の配向で位置決めすることができるような連続チャネルを含むことができる。
【0064】
[00108]
図29及び30に示した例において、ガイド2908がキャビティ1912内に配置される。ガイド2908は、キャビティ1912の内壁から延びた円筒形であり、電極1902のリング1910を受けて電極1902をハウジング1904の開口部1914に位置合わせするようなサイズとされる。
図29に示すように、ガイド2908は、キャビティ1912の第1のチャネル2904に位置合わせされた第1のスロット2910と、キャビティ1912の第2のチャネル2906に位置合わせされた第2のスロット2912とを含む。結果として、電極1902のアーム1908は、第1又は第2のスロット2910、2912のうちの1つを通ってキャビティ1912のそれぞれ第1又は第2のチャネル2904、2906の中へ延びることができる。
【0065】
[00109]
図31~
図33は、電極ユニット1900の例示的な電極1902を、電極1902が被験者の頭皮に接触しているときのような曲げ又は圧縮状態で示す。
図31及び
図32において、ハウジング1904の内部構造を点線で示す。例えば、電極ユニット1900がヘッドセット(例えば、
図1~
図4のヘッドセット100)に取り付けられたとき、電極1902は、ヘッドセットの小孔を貫通して延び、被験者の頭部に接触する。具体的には、曲げ部2502が被験者の頭部に接触する。アーム1908は、曲がり又は圧縮されて、曲げ部2502と被験者の頭皮との間の接触を低減し又はやわらげる。換言すれば、電極1902は、曲げ部2502を開口部1914から下方に付勢するばねとして作用する。電極1902は、板ばねと同様の機械的運動を有する。
図31~
図33に示すように、曲げ部2502に力がかかると(例えば、ヘッドセット100を引き締めたときの被験者の頭皮からの抵抗)、アーム1908の第1の部分2500及び第2の部分2504が曲がる又は湾曲する。幾つかの例において、曲げ部2502に力がかかったとき、第1の部分2500が第2の部分2504に向かって移動する。曲げ部2502が開口部1914に向かって上方へ移動すると、アーム1908の第2の部分2504は、キャビティ1912の第1のチャネル2904内へ摺動する。
図22、
図23及び
図25に戻ると、リング1910は、開口部1918のリムに形成されたノッチ2506を含む。幾つかの例において、
図31~
図33に示すように、アーム1908が圧縮されたとき、第2の部分2504がノッチ2506内へ移動し、ノッチ2506はガイドとして機能する。EEG信号は、曲げ部2502から、第1の部分2500(又は第2の部分2504)を通ってリング1910、コネクタ1906へ転送され、コネクタ1906からヘッドセット100のコネクタ202a~202n(
図3)のうちの1つへ転送される。信号は、コネクタ202a~202nのうちの1つからPCBを介して電気コネクタ300(
図4A)へ転送される。
【0066】
[00110]本明細書で開示されるように、電極1902は、基材、例えば上で開示したような基材から打ち抜く又は切り出すことができる。
図34は、基材3400に打ち抜きされた例示的な電極1902a~1904dを示す。基材3400は、鋼、銀、塩化銀、クロム、金及び/又は他のいずれかの適切な材料又は材料の組合せを含むことができる。それゆえ、複数の電極を比較的迅速に且つ低コストで製造することができる。
【0067】
[00111]
図35~
図39は、
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100と共に用いることができる例示的な電極ユニット3500を示す。
図35の分解図に示すように、電極ユニット3500は、ハウジング3502、ばね3504、支持部3506、第1の電極3508、第2の電極3510、ガイド3512及びコネクタ3514を含む。図示した例において、第1及び第2の電極3508、3510は、電極ユニット500(
図5)の第1及び第2の電極510、512と実質的に同じであり、外方へ付勢されるピン(例えば、ポゴピン)を含む。図示した例において、第1及び第2の電極3508、3510は、支持部3506を介してばね3504に結合される。幾つかの例において、支持部3506は、ばね3504内の開口部を貫通して延びる1以上のタブ又は突起を含み、これらは、かしめられ又はプレスばめされる(第1及び第2の電極510、512と同様に)。他の例において、支持部3506は、他の機械的及び/又は化学的締結部を介してばね3504に結合される。
【0068】
[00112] 第1及び第2の電極3508、3510は、ガイド3512の開口部3516内に摺動可能に配置され、ガイド3512は、コネクタ3514の開口部3518内に配置される寸法にされる。幾つかの例において、ガイド3512は、締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)によりコネクタ3514に結合される。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてガイド3512をコネクタ3514に結合することができる。コネクタ3514は、ハウジング3502内の開口部3520内に挿入される寸法にされる。幾つかの例において、コネクタ3514は、締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)によりハウジング3502に結合される。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてコネクタ3514をハウジング3502に結合することができる。コネクタ3514がハウジング3502の開口部3520に挿入されると、ばね3504は、コネクタ3514と、ハウジング3502の開口部3520のレッジ3522との間にクランプされる。コネクタ3514は、本明細書で開示する他の電極ユニット同様に、電極ユニット3500を
図1~
図4Eの例示的なヘッドセット100のコネクタ202a~202nのうちの1つに結合する。電極ユニット3500が組み立てられたとき、ばね3504は、ガイド3512の開口部3516の上を覆って配置される。上記開示の電極ユニット500(
図5)と同様に、ばね3504は、第1及び第2の電極3508、3510が頭皮にかける圧力を低減することによって、ヘッドセット100の快適性及び装着性を高める。第1及び第2の電極3508、3510が上方へ押し上げられると、ばね3504の中心セクションが上方へたわんでハウジング3502の開口部3520の中へ入る。第1及び第2の電極3508、3510からの電気信号は、支持部3506を通ってばね3504へ伝送され、ばね3504を通って、ヘッドセット100(
図1~
図4E)のコネクタ202a~202nのうちの1つに接触しているコネクタ3514へ伝送される。
【0069】
[00113]
図36は、例示的な電極ユニット3500の組立図を示し、
図37は、例示的な電極ユニット3500の側面図を示し、
図38は、例示的な電極ユニット3500の別の側面図を示し、
図39は、
図38の線I-Iに沿った例示的な電極ユニット3500の断面図を示す。
図36~
図39に示すように、コネクタ3514がハウジング3502内に受け入れられたとき、コネクタ3514は、ハウジング3502の底部3524と実質的に面一又は同一平面であり、ガイド3512並びに第1及び第2の電極3508、3510は、ハウジング3502の底部3524から延びる。第1及び第2の電極3508、3510が頭皮と接触すると、本明細書の他の例において開示したように、第1及び第2の電極3508、3510のピンが後退し、及び/又は第1及び第2の電極3508、3510がハウジング3502の開口部3520内へ後退する。
図39に示すように、ばね3504の外縁部/外周は、ハウジング3502のレッジ3522と、コネクタ3514との間に結合され(例えば、保持され)、これはハウジング3502に結合される。
【0070】
[00114]幾つかの例において、電極ユニット3500のための遮蔽が所望される場合がある。
図40は、例示的な電極ユニット3500を遮蔽するために実装することができる例示的な遮蔽ユニット4000を示す。図示した例において、遮蔽ユニット4000は、上部カバー4002(例えば、第1のカバー)及び下部カバー4004(例えば、第2のカバー)を含む。下部カバー4004は、電極ユニット3500を受けるための開口部4006を含む。開口部4006は、下部カバー4004の上側4007から下側4009へ延びる。電極ユニット3500が下部カバー4004内に配置されたとき、第1及び第2の電極3508、3510は底部から延び、第1及び第2の電極3508、3510が例示的なヘッドセット100(
図1~
図4E)の小孔200a~200nの1つを貫通して延びることができるようになっている。例えば、図示した例において、遮蔽ユニット4000(中に配置された電極ユニット3500と共に)は、ヘッドバンド104の第1の小孔200aに結合することができる。コネクタ3514は、電極ユニット3500(従って遮蔽ユニット4000)をコネクタ202aに(例えば機械的に)結合する。上部カバー4002は、下部カバー4004の上側4007に結合される。
【0071】
[00115]幾つかの例において、下部カバー4004内の電極ユニット3500を保持するために、ハウジング3502は、締まりばめ(例えば、摩擦又はプレスばめ)により下部カバー4004に結合される。付加的に又は代替的に、幾つかの例において、接着剤などの化学的締結具及び/又は機械的締結具を用いてハウジング3502を下部カバー4004に結合することができる。図示した例において、遮蔽ユニット4000は、下部カバー4004を貫通して延びたチャネル4010内に配置されたピン4008を含む。ピン4008は、下部カバー4004から延びており、遮蔽ユニット4000がヘッドセット100の小孔200a~200jのうちの1つに結合されたとき、ピン4008は、第1の小孔200aに隣接する電気パッド4012(例えば、金属パッド)に接続する。ピン4008の他端は、
図18のハウジング1604の底部1628の導電性ペースト1630の層と同様に上部カバー4002の底部4016の周りに配分された、導電性ペースト4014の層に接触する。幾つかの例において、ピン4008は、ポゴピンである(例えば、
図41のポゴピン電極と同様に)。電気パッド4012は、
図16~
図19の例示的な電極ユニット1600と同様に、PCB1624及び/又は他のトレース又は配線を介して遮蔽電極(例えば、平坦電極204a~204f(
図2)のうちの1つ)に電気的に結合される。図示した例において、ピン4008は、
図16~
図18のピン1626と同様の、ばね荷重ピン(例えば、ポゴピン)である。他の例において、ピン4008は、ばね荷重ではない。例示的な遮蔽ユニット4000を例示的な電極ユニット3500に関連して説明したが、例示的な電極ユニット500、1600、1900などの他のいずれの電極も同様に遮蔽ユニット4000内に収容することができることが理解される。それゆえ、例示的な遮蔽ユニット4000は、他の電極ユニットの遮蔽を提供するために使用することができる。
【0072】
[00116]
図41は、例示的なポゴピン電極4100の断面図である。本明細書で開示された例示的な電極(例えば、電極510、512、1602、3508、3510)はいずれも、例示的な電極4100として実装することができる。電極4100は、本体4102と、本体4102の開口部4106内へ後退可能なピン4104とを含む。ばね4108は、開口部4106内に配置され、ピン4104を外方へ付勢する。ピン4104が開口部4106から排出されないように留めておくために、開口部4106を囲む本体4102の縁部4110は、内方へ角度付けされる。加えて、ピン4104の上部セクション4112は、広げられている。ピン4104の上部セクション4112は、本体4102の縁部4110と係合し、これによりピン4104が排出されることを防止する。幾つかの例において、EEG信号を収集する際に1以上の接地電極が実装される。接地電極は、被験者の身体の別の部分、例えば、耳、指、前頭(例えば、
図2の平坦電極204a~204fのうちの1つ)、乳様突起の後ろ等に結合することができる。接地電極は、信号取得ユニット(例えば、
図4Cのプロセッサ434)に電気的に結合される。幾つかの例において、信号取得プロセスを強化するために、1以上の身体検知電極(例えば、制御電極、参照電極、帰還電極)が用いられる。身体検知電極は、十分な結合性を有し且つ脳及び/又は他の身体信号に対する曝露が低い、耳たぶ、鼻、及び/又は他のいずれかの身体領域に結合される。身体検知電極は、例えば、
図2の平坦電極204a~204fのうちの1つとすることができる。身体検知電極は、環境中のノイズ及び干渉によって発生した信号を測定又は取得する。ノイズ又は干渉信号をヘッドセット上の電極によって得られた所望の信号から差し引くことができ、それによりヘッドセット電極によってピックアップされたノイズ又は干渉信号がオフセットされる。幾つかの例において、身体検知電極によって提供された信号は、反転されて接地信号に供給される(例えば、駆動電圧を作り出すために)。幾つかの例において、開示された電極ユニットのうちの1以上が接地電極及び/又は身体検知電極として実装される。
【0073】
[00117]上記のことから、
図1~
図4Eのヘッドセット100のようなヘッドセットに取外し可能に結合することができる電極ユニットが開示されたことが認識されるであろう。幾つかの例において、電極ユニットは、例えば、洗浄、修理及び/又は交換のためにヘッドセットから独立に取り外すことができる。加えて、電極ユニットがヘッドセットに固定取り付けされていないので、電極ユニットは、異物(例えば、毛髪)に引っかかったり又は絡まったりした場合には容易に取り外すことができ、それにより被験者の負傷又はヘッドセットの損傷のリスクが低減される。さらに、本明細書で開示された幾つかの例示的な電極は、基材、例えば金属又は合金から電極を打ち抜くことによって製造される。従って、電極は、比較的に迅速且つ低コストで製造することができる。
【0074】
[00118]本明細書では特定の例示的な装置を説明したが、この特許の対象範囲はそれに限定されない。それどころか、この特許は、文言的に又は均等論の下で添付の特許請求の範囲内に適正に入る全ての方法、装置、及び製造物品を包含する。
【符号の説明】
【0075】
100…ヘッドセット
102…本体
104…ヘッドバンド
200…小孔
300…電気コネクタ
500…電極ユニット
502…プッシャ
506…コネクタ
508…ガイド
510…第1の電極
512…第2の電極
514…ハウジング
516,518…開口部
520…キャビティ
1000…電極本体
1002…ピン
1004…キャビティ
1006…ばね