(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ガラス板の加工装置
(51)【国際特許分類】
C03B 33/037 20060101AFI20220111BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20220111BHJP
B24B 7/24 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
C03B33/037
C03C19/00 Z
B24B7/24 C
(21)【出願番号】P 2017146242
(22)【出願日】2017-07-28
(62)【分割の表示】P 2017503026の分割
【原出願日】2016-05-13
【審査請求日】2019-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2015149057
(32)【優先日】2015-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【審査官】須藤 英輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/039075(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0308217(US,A1)
【文献】特開2000-237939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 33/02-33/04
C03C 15/00-23/00
B24B 1/00-1/04
B24B 7/00-7/24
B24B 9/00-19/28
B24B 41/00-51/00
B28D 5/00-5/04
B23Q 39/04
B23Q 1/60-1/62
G05B 19/04-19/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立してNC制御移動又は角度制御回転を行う共にガラス板の搬送方向に直交したY軸方向に移動を行う2基の研削ワークテーブルと、この2基の研削ワークテーブルのY軸方向の移動に対応してガラス板の搬送方向に平行なX軸方向にNC制御移動を行う1基の研削ヘッドとを具備しており、研削ヘッドは、2基の研削ワークテーブルの各々に対応する位置に交互に配されるように、2基の研削ワークテーブルのY軸方向の移動に対応してX軸方向に移動するようになっており、2基の研削ワークテーブルは、交互に研削ヘッドと協働して平面座標系移動を行い、
一方の研削ワークテーブルが折割られたガラス板を保持して研削ヘッドによって当該折割られたガラス板の周縁の研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、研削後のガラス板の搬出動作と次のガラス板の受け取り動作とを交互に繰り返して行い、研削ヘッドが連続してガラス板の周縁の研削加工を行うようになっているガラス板の加工装置。
【請求項2】
ガラス板搬送装置と、このガラス板搬送装置によるガラス板の搬送方向に直交するY軸方向に互いに独立して移動すると共にガラス板の搬送方向に配列されている2基の研削ワークテーブルと、この2基の研削ワークテーブルのY軸方向の移動に対応して搬送方向に平行なX軸方向に移動する1基の研削ヘッドとを備えており、1基の研削ヘッドは、2基の研削ワークテーブルの各々に対応する位置に交互に配されるように、2基の研削ワークテーブルのY軸方向の移動に対応してX軸方向に移動するようになっており、
2基の研削ワークテーブルは、保持したガラス板に対する研削ヘッドによるガラス板の周縁の研削加工と、この研削加工中、研削後のガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取り保持とを交互に繰り返すようになっており、1基の研削ヘッドは、ガラス板を保持した研削ワークテーブルと交代的にXY平面座標系移動を行い、連続してガラス板の周縁の研削加工を行うようになっているガラス板の加工装置。
【請求項3】
ガラス板搬送装置は、互いに独立して往復動を行う搬送シャトルを備えており、この搬送シャトルは、研削ワークテーブルとガラス板の切出し位置との間をNC制御されて往復直動するようにした請求項2に記載のガラス板の加工装置。
【請求項4】
搬送シャトルは、吸盤を具備しており、スクライブ装置また折割装置において、素板ガラス板のスクライブ線域内を吸着した状態で、スクライブ線姿勢のまま、ガラス板を素板ガラス板から切出し、研削ワークテーブルへ搬送するようにした請求項3に記載のガラス板の加工装置。
【請求項5】
互いに独立して角度制御回転すると共にガラス板の搬送方向に直交したY軸方向に移動を行う2基の研削ワークテーブルと、この2基の研削ワークテーブルの各々と協働して交互に平面座標系移動を行う1基の研削ヘッドとを備えており、研削ヘッドは、2基の研削ワークテーブルの各々に対応する位置に交互に配されるように、2基の研削ワークテーブルのY軸方向の移動に対応してガラス板の搬送方向であってX軸方向に移動するようになっており、
一方の研削ワークテーブルがガラス板を保持して研削ヘッドによりガラス板の周縁の研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、研削後のガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続してガラス板の周縁の研削加工を行うようになっているガラス板の加工装置。
【請求項6】
2基の研削ワークテーブルは、互いに独立して角度制御回転を行い、研削ヘッドは、X軸に沿って各研削ワークテーブルに対してX軸移動を行うようにした請求項5に記載のガラス板の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓ガラス用のガラス板、その他の用途のガラス板等のガラス板を素板ガラス板から切り出し、この切り出したガラス板の周縁の研削加工を行うガラス板の加工装置に関する。
【0002】
また、本発明は、ガラス板のスクライブ装置及び折割分割装置と研削加工装置とを吸着搬送装置を介して接続し、スクライブ装置及び折割分割装置から連続して切り出したガラス板を切り出し姿勢のまま、次々に研削加工装置に供給し、連続して研削加工を行い、次々に取り出すガラス板の加工装置に係る。
【0003】
更に、本発明は、スクライブ部、折割部、研削加工部及びガラス板搬送装置がNC制御されて運転されるガラス板加工装置に係る。
【背景技術】
【0004】
ガラス板の加工装置は、特許文献1及び2で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公平6-75819号公報
【文献】特開平8-231238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載のガラス板の加工装置は、共に折割分割装置と研削加工装置とをガラス板搬送装置を介して接続し、折割分割装置から連続して切り出したガラス板を順次に研削加工装置に供給し、連続研削加工し、そして順次取り出すようにしたものである。
【0007】
しかし、斯かる加工装置では、研削ヘッドに対応する研削ワークテーブルは、1基であるため、研削ワークテーブルに供給保持されたガラス板の研削加工が終了する度に、研削ヘッドは研削ワークテーブルから離れ、待機点に復帰して待機停止する。研削ワークテーブルのガラス板搬出と、次のガラス板の受け取りが終われば研削ヘッドは研削ワークテーブルに向かって進行し研削加工を開始する。このように、研削ワークテーブルのガラス板の受け渡しの度に研削加工の中断タイムロスが生じ、生産スピードを上げられない。
【0008】
本発明は、従来の上記ような欠陥を除去し、生産速度を高くでき、加えて、高精度で且つ均一寸法の研削加工を得られ、更に、研削ワークテーブルへのガラス板の供給渡しを高精度に行い得るガラス板の加工装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガラス板の加工装置は、互いに独立してNC制御移動又は角度制御回転を行う2基の研削ワークテーブルと、この2基の研削ワークテーブルに対応してNC制御移動を行う1基の研削ヘッドとを具備しており、2基の研削ワークテーブルは、交互に研削ヘッドと協働して平面座標系移動を行い、一方の研削ワークテーブルがガラス板を保持して研削ヘッドによって研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、ガラス板の搬出動作と次のガラス板の受け取り動作とを交互に繰り返し行い、研削ヘッドが次々に受け取ったガラス板に対して連続して研削加工を行うようにしてなる。
【0010】
また、本発明のガラス板の加工装置は、ガラス板搬送装置と、このガラス板搬送装置によるガラス板の搬送方向に直交するY軸方向に互いに独立して移動すると共にガラス板の搬送方向に配列された2基の研削ワークテーブルと、搬送方向に平行なX軸方向に移動する1基の研削ヘッドとを具備しており、2基の研削ワークテーブルは、保持したガラス板に対する研削ヘッドによる研削加工と、この研削加工中、研削後のガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取り保持とを交互に繰り返すようになっており、1基の研削ヘッドは、ガラス板を保持した研削ワークテーブルと交代的にXY平面座標系移動を行い、連続して研削加工を行うようになっている。
【0011】
更にまた、本発明のガラス板の加工装置は、互いに独立して角度制御回転すると共にガラス板の搬送方向に直交したY軸方向に移動を行う2基の研削ワークテーブルと、この2基の研削ワークテーブルの各々と協働して交互に平面極座標系移動を行う1基の研削ヘッドとを具備しており、2基の研削ワークテーブルは、ガラス板の搬送方向に直列配設されており、研削ヘッドは、2基の研削ワークテーブルの各々に対応する位置に交互に配されるように、ガラス板の搬送方向であってX軸方向に移動されるようになり、一方の研削ワークテーブルがガラス板を保持して研削ヘッドにより研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、ガラス板の搬出及び次のガラス板の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続して研削加工を続けるようになっている。
【0012】
以上の本発明では、研削加工ポジションにおいて、2基の研削ワークテーブルを具備しており、この2基の研削ワークテーブルは互いに独立してNC制御され、交互に共通の1基の研削ヘッドとNC制御の座標移動をさせて、研削加工が行われる。
【0013】
このため、本発明のガラス板の加工装置では、一方の研削ワークテーブルが研削ヘッドと座標移動してのガラス板の研削加工中、他方の研削ワークテーブルは、原点に停止して、ガラス板の受け渡しが行われ、一方の研削ワークテーブル上のガラス板研削加工が終われば、研削ヘッドは、他方の研削ワークテーブルに進行して、連続して研削加工を行う。研削ヘッドは、2基の研削ワークテーブルのガラス板に対して交互、即ち交代的に連続して研削加工を行い、待機点に復帰しての待機停止を必要としなく、このため、損失時間がなく高い生産能力を得ることができる。
【0014】
また、本発明のガラス板の加工装置では、1基の研削ヘッドで、2基の研削ワークテーブルのガラス板を研削加工するため、2基のワークテーブルのガラス板の研削加工寸法にバラツキがなく、仕上りは一定する。
【0015】
更に、本発明のガラス板の加工装置では、2基の研削ワークテーブルは、互いに相手に対して独立してNC制御されるため、2基の研削ワークテーブルで異なる寸法、形状のガラス板の研削加工を行い得る。
【0016】
加えて、本発明のガラス板の加工装置では、NC制御されて移動を行う2基の研削ワークテーブルと、同じくNC制御されてガラス板を搬送するガラス板搬送装置との協働により研削ワークテーブルへのガラス板の位置精度の高い渡しができる上に、研削加工の輪郭線軌跡に合わせた精確な渡しができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、生産速度を高くでき、加えて、高精度で且つ均一寸法の研削加工を得られ、更に、研削ワークテーブルへのガラス板の供給渡しを高精度に行い得るガラス板の加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明による一具体例の正面説明図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線矢視断面説明図である。
【
図6】
図6は、本発明による他の具体例の正面説明図である。
【
図8】
図8は、
図6のVIII-VIII線矢視断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態の好ましい具体例を図面を参照して説明する。本発明は、これら具体例に何ら限定されない。
【0020】
第1具体例
図1から
図5において、本例のガラス板加工装置1は、床面に設置される基台3を具備しており、基台3の水平面内の一の方向であるX方向(以下、X軸方向という)の両端には、支柱4が立設されており、支柱4には、これら支柱4を橋絡してX軸方向に伸びた架台6が設けられている。
【0021】
ガラス板2へのスクライブ線(切線、即ち、折割線)の形成とスクライブ線に沿ったガラス板2の折割と、折割られたガラス板2の周縁の研削とを含むガラス板2に対する加工を行うガラス板加工装置1には、入込みポジション7、スクライブポジション8、折割ポジション9、研削加工ポジション10及び取出しポジション11が設けられている。
【0022】
入込みポジション7には、入込みテーブル12が、スクライブポジション8には、スクライブワークテーブル13とスクライブヘッド14とが、折割ポジション9には、折割装置15と折割ベルトコンベア16とが、研削加工ポジション10には、2基の研削ワークテーブル17A及び17Bと1基の研削ヘッド18とが、そして、取出しポジション11には、取出しコンベア19が、設けられており、ガラス板搬送装置20は、X軸方向に沿って、直列配置された入込みテーブル12、スクライブワークテーブル13、折割ベルトコンベア16、2基の研削ワークテーブル17A及び17B並びに取出しコンベア19の上方であって架台6の背面21に架台6に沿って、即ちX軸方向に沿って設けられている。
【0023】
スクライブワークテーブル13は、上面でガラス板2を平面支持するテーブル本体22と、テーブル本体22を固定支持するテーブル支持台23と、水平面内でX軸方向に直交するY方向(以下、Y軸方向という)にテーブル支持台23を移動させるY軸移動手段24とを具備している。
【0024】
Y軸移動手段24は、基台3の上面にY軸方向に沿って並設された2本のガイドレール25と、これらガイドレール25にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックへ架設したY軸移動台26と、Y軸移動台26にネジナットを介して連結されていると共にガイドレール25の間に設けた回転自在な送りネジ27と、送りネジ27の一端に連結したY軸制御モータ28とを具備している。Y軸移動台26にテーブル支持台23を介して取付けられているテーブル本体22は、Y軸制御モータ28の駆動による送りネジ27の回転でのネジナットを介するY軸移動台26のY軸方向の移動で同じくY軸方向に移動されるようになっている。
【0025】
架台6の正面36には、テーブル本体22のX軸方向の幅に対応してX軸方向に移動されるスクライブヘッド14がX軸移動手段37を介して設けられている。
【0026】
X軸移動手段37は、テーブル本体22のX軸方向の幅を超えるX軸方向の範囲において正面36に並設した2本のガイドレール49と、これらガイドレール49にX軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに固定されたX軸移動台38と、正面36においてガイドレール49間に設けられた回転自在な送りネジ39と、送りネジ39に接続されたX軸制御モータ40とを具備している。
【0027】
X軸移動台38に取付けられている軸受装置41は、内蔵のベアリング(図示せず)により、水平面であるXY平面、即ち、ガラス板2の上面に対して直交した回転軸心をもってX軸移動台38に対して回転自在に回転軸42を保持しており、下端部にブラケット43を介してスクライブヘッド14が取付けられた回転軸42を具備しており、回転軸42の下端部にはブラケット43を介してスクライブヘッド本体44が取付けられており、上端部に角度制御モーター45の出力回転軸が互いに噛合う平歯車44a及び44bを介して連結されている。
【0028】
スクライブヘッド14は、回転軸42に加えて、回転軸42の下端部に取付けられたブラケット43と、スクライブヘッド本体44とを具備しており、スクライブヘッド本体44は、カッタホイール46を下端に具備したカッタヘッド47と、カッタヘッド47の上部に取付けられており、且つ、カッタホイール46を上下動させると共にスクライブ時にはカッタホイール46に切り圧を与えるエアシリンダ装置48とを具備している。
【0029】
角度制御モータ45は、回転軸42の回転軸心上に配されたカッタホイール46を、平歯車44a及び44b並びに回転軸42を介してガラス板2の上面に直交する当該回転軸心の回りで角度制御させて、カッタホイール46の刃先の向きをスクライブ方向に合わせるようになっている。
【0030】
上面にガラス板2を吸着して互いに独立して交互にY軸方向に移動される2基の研削ワークテーブル17A及び17Bの夫々は、上面においてガラス板2を吸着する複数の吸盤29の夫々と、これらの吸盤29の夫々が着脱自在に載置されるテーブル台30A及び30Bの夫々とを具備しており、テーブル台30A及び30Bの夫々は、Y軸移動手段31A及び31Bの夫々に取付けられている。
【0031】
テーブル台30Aに対するY軸移動手段31Aは、基台3の上面にY軸方向に沿って並設された一対のガイドレール32Aと、これらガイドレール32AにY軸方向に移動自在に保持されていると共にテーブル台30Aに固着されたスライドブロック33Aと、X軸方向のガイドレール32A間において基台3の上面に回転自在に設けられた送りネジ34Aと、一方では、テーブル台30Aに固定され、他方では、送りネジ34Aに螺合したナット36Aと、送りネジ34Aの一端に連結されたY軸制御モータ35Aとを具備しており、テーブル台30Aを具備した研削ワークテーブル17Aは、Y軸制御モータ35Aの駆動によりガイドレール32Aに案内されてY軸方向に移動されるようになっている。
【0032】
テーブル台30Bに対するY軸移動手段31Bは、Y軸移動手段31Aと同様に、基台3の上面にY軸方向に沿って並設された一対のガイドレール32Bと、これらガイドレール32BにY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロック33Bと、X軸方向のガイドレール32B間において基台3に上面に回転自在に設けた送りネジ34Bと、一方では、テーブル台30Bに固定され、他方では、送りネジ34Bに螺合したナット36Bと、送りネジ34Bの一端に連結したY軸制御モータ35Bとを具備しており、テーブル台30Bを具備した研削ワークテーブル17Bは、Y軸制御モータ35Bの駆動によりガイドレール32Bに案内されてY軸方向に移動されるようになっている。
【0033】
架台6の正面36には、研削ワークテーブル17A及び17BのY軸方向の移動に対応してX軸方向の移動を交互に行う1基の研削ヘッド18がX軸移動手段50を介して設けられており、X軸移動手段50は、研削ワークテーブル17A及び17BのX軸方向の配置範囲に対応したX軸方向の移動範囲において架台6に並設した一対のガイドレール51と、ガイドレール51の夫々にX軸方向に移動自在に保持されているスライドブロック51aに一体固定したX軸移動台52と、X軸移動台52にナットを介して連結されていると共に上下方向Hのガイドレール51の間に設けられた送りネジ53と、送りネジ53の一端に連結されたX軸制御モータ54とを具備しており、 X軸制御モータ54の駆動によりX軸移動台52は、研削ワークテーブル17A及び17Bに対してX軸方向に移動する。
【0034】
軸受装置55を介してX軸移動台52に取付けられている研削ヘッド本体58を有した研削ヘッド18は、研削ワークテーブル17A及び17Bに対して交互にX軸方向の移動を行うようになっている。
【0035】
X軸移動台52に取付けられた軸受装置55は、ベアリング(図示せず)を介してXY平面座標系、つまりガラス板2の上面に対して直交した軸心を有した回転軸56を回転自在に保持しており、回転軸56の下端部には、ブラケット57を介して研削ヘッド本体58が取付けられている一方、その上端部59には、角度制御モーター60の出力回転軸に取付けられた平歯車に噛合う平歯車61が取付けられている。
【0036】
研削ヘッド本体58は、研削ホイール62が取付けられた出力回転軸を有したスピンドルモータ63と、スピンドルモータ63の位置、延いては研削ホイール62のガラス板2に対する研削作業部の位置を直交するXY方向において調節するスライド装置64とを具備しており、回転軸56の回転軸心上に研削ホイール62の研削作業部を位置させ、角度制御モーター60により回転軸56を角度制御し、変化するガラス板2の周縁形状に対応して研削ホイール62を研削作業部を中心に首振りさせ、研削ホイール62でもって常に定角度をもってガラス板2の周縁に研削加工を行うようになっている。
【0037】
折割ポジション9には、スクライブポジション8でスクライブ線が形成されたガラス板2が載置される折割ベルトコンベア16と、折割ベルトコンベア16上に載置されたガラス板2の折割を行う2基の折割装置15とが設けられている。
【0038】
折割装置15の夫々は、端切りカッター装置70と、プレス装置71と、端切りカッター装置70及びプレス装置71を保持すると共にこれらをガラス板2の上面に沿って移動させる移動手段72とを具備している。
【0039】
各移動手段72は、端切りカッター装置70及びプレス装置71を保持し、Y軸方向に方向にNC制御移動させるY方向移動装置73と、Y方向移動装置73を保持してX軸方向に移動させるX方向移動装置74とを具備しており、一方のX方向移動装置74は、架台6に、他方のX方向移動装置74は、基台3からの立設体75に夫々ブラケット76を介して取付けられている。
【0040】
折割ベルトコンベア16は、コンベアベルト77と、コンベアベルト77を内側から平面状に支えると共に基台3に支持された支持板兼フレーム78と、コンベアベルト77を回走させる駆動装置79とを有している。
【0041】
折割ポジション9では、まずスクライブポジション8においてスクライブ線が形成されたガラス板2がスクライブポジション8に対応の搬送シャトル81Aの吸盤82Aにより折割ベルトコンベア16上に載置される。
【0042】
スクライブ線が形成されたガラス板2を折割ベルトコンベア16上に載置した搬送シャトル81Aは、スクライブポジション8へ復帰し、代りに、折割ポジション9に復帰した搬送シャトル81Bの吸盤82Bが降下し、搬送シャトル81Aにより折割ベルトコンベア16上に置かれたガラス板2を搬送シャトル81Bの吸盤82Bで吸着押えして固定し、この固定したガラス板2に対して各折割装置15の端切りカッター装置70を必要箇所へ順次移動させ、ガラス板2に各端切りカッター装置70で端切り線を入れ、次に、各プレス装置71を必要箇所に順次移動させ、端切線が入れられたガラス板2に各プレス装置71でプレスを加え、不要部を折割して分離し、不要部が分離されたガラス板2は、折割ポジション9対応の搬送シャトル81Bの吸盤82Bにより吸着、持上げされ、この状態で研削ワークテーブル17A又は17Bへ搬送される一方、折割ベルトコンベア16が作動し、不要部からなる折割カレットは外部200へ排出される。
【0043】
ガラス板搬送装置20は、架台6の背面21に入込みテーブル12の上方から取り出しコンベア19の上方に亘って敷設された一対のガイドレール83と、ガイドレール83にスライドブロックを介してX軸方向に移動自在に保持されていると共にガイドレール83に案内されてX軸方向に往復直動する3基の搬送シャトル81A、81B及び81Cと、上下方向Hのガイドレール83間において当該ガイドレール83に並設されていると共に搬送シャトル81A、81B及び81Cに共用のラック84とを具備している。
【0044】
搬送シャトル81Aは、ブラケット90Aと、ブラケット90Aに取付けられた走行用モータ85A及び一対のガラス板吸着昇降装置87A1及び87A2とを、搬送シャトル81Bは、ブラケット90Bと、ブラケット90Bに取付けられた走行用モータ85B及びガラス板吸着昇降装置87Bとを、搬送シャトル81Cは、ブラケット90Cと、ブラケット90Cに取付けられた走行用モータ85C及びガラス板吸着昇降装置87Cとを夫々具備しており、ブラケット90A、90B及び90Cの夫々は、スライドブロックを介して一対のガイドレール83にX軸方向に移動自在に支持されている。
【0045】
走行用モータ85Aの出力回転軸には、ピニオンギア86Aが、走行用モータ85Bの出力回転軸には、ピニオンギア86Bが、そして、走行用モータ85Cの出力回転軸には、ピニオンギア86Cが、夫々ギアラック84に噛合って取付けられている。
【0046】
搬送シャトル81A、81B及び81Cは、夫々の走行用モータ85A、85B及び85Cの独立な制御駆動で、夫々互いに独立して必要距離のX軸方向の往復走行を行なうようになっている。
【0047】
ガラス板吸着昇降装置87A1は、ガラス板2の吸着と吸着開放を行う複数個の吸盤82A1と、吸盤82A1が取付けられていると共に吸盤82A1を昇降させる昇降装置89A1とを、ガラス板吸着昇降装置87A2は、ガラス板2の吸着と吸着開放を行う複数個の吸盤82A2と、吸盤82A2が取付けられていると共に吸盤82A2を昇降させる昇降装置89A2とを、ガラス板吸着昇降装置87Bは、ガラス板2の吸着と吸着開放を行う複数個の吸盤82Bと、吸盤82Bが取付けられていると共に吸盤82Bを昇降させる昇降装置89Bとを、ガラス板吸着昇降装置87Cは、ガラス板2の吸着と吸着開放を行う複数個の吸盤82Cと、吸盤82Cが取付けられていると共に吸盤82Cを昇降させる昇降装置89Cとを夫々具備している。
【0048】
2基のガラス板吸着昇降装置87A1及び87A2を具備した搬送シャトル81Aは、その走行用モータ85Aの作動で、X軸方向のその復動端では、ガラス板吸着昇降装置87A1を入込みテーブル12の上方に位置させ、ガラス板吸着昇降装置87A2をスクライブワークテーブル13の上方に位置させる一方、その往動端では、ガラス板吸着昇降装置87A2を折割ベルトコンベア16の上方に位置させ、ガラス板吸着昇降装置87A1をスクライブワークテーブル13の上方に位置させるように、ガラス板2を入込みテーブル12からスクライブワークテーブル13へ、スクライブテーブル13から折割ベルトコンベア16上へと置換搬送を行うように、往復動を繰り返すようになっている。
【0049】
搬送シャトル81Bは、その走行用モータ85Bの作動により、折割ベルトコンベア16上と研削ワークテーブル17A及び17B上との交互間を往復移動され、折割ベルトコンベア16上で折割されたガラス板2を研削ワークテーブル17Aと研削ワークテーブル17Bとに交互に搬送する。
【0050】
搬送シャトル81Cは、その走行用モータ85Cの作動により、交互に研削ワークテーブル17A及び17B上の研削加工済みのガラス板2を取出しコンベア19に搬出する。
【0051】
ガラス板加工装置1では、その運転開始と共にガラス板搬送装置20が動作し、入込みテーブル12において、吸盤82A1が降下し、入込みテーブル12上の素板ガラス板であるガラス板2を吸着、持上げると共に搬送シャトル81Aが往動し、ガラス板2を吸着した吸盤82A1がスクライブワークテーブル13上方に達すると吸盤82A1が降下し、ガラス板2に対する吸着を開放して、ガラス板2をスクライブワークテーブル13上に載置し、空になった吸盤82A1は、上昇し、搬送シャトル81Aの復動によって再び入込みテーブル12上に復帰し、代わって、スクライブワークテーブル13上には当該スクライブワークテーブル13に対応の吸盤82A2が復帰すると同時に、スクライブヘッド14とスクライブワークテーブル13とが、XY座標移動し、カッタホイール46でガラス板2にスクライブ線を形成し、このスクライブ線形成が終了すると、スクライブヘッド14及びスクライブワークテーブル13は原点に復帰し、次に、スクライブワークテーブル13上に復帰した吸盤82A2が降下し、スクライブ線入りのガラス板2を吸着持上げし、吸盤82A2で吸着持上げされたガラス板2は、搬送シャトル81Aの往動により折割ポジション9へ向かって搬送され、スクライブ線入りのガラス板2を吸着した吸盤82A2が折割ポジション9に達すると、吸盤82A2は、降下され、スクライブ線入りの素板ガラス2に対する吸着を開放して、スクライブ線入りの素板ガラス2を折割ベルトコンベア16に載置すると、吸盤82A2は、スクライブワークテーブル13上方に復帰され、代わって、折割ポジション9には、折割ポジション9に対応の搬送シャトル81Bが復帰して、直ぐさま吸盤82Bを降下させ、折割ベルトコンベア16上に載置のスクライブ線入りのガラス板2を吸盤82Bで吸着のうえ、動かないように折割ベルトコンベア16上に押付け、この状態で各折割装置15が動作し、端切りカッター装置70、プレス装置71がスクライブ線入りのガラス板2上方を移動し、必要位置に端切りを、次にプレス動作を行いスクライブ線に沿って外側域の不要部を折割分離し、切出したガラス板2を作製し、作製後、切出したガラス板2の吸着を続けている吸盤82Bはそのまま上昇し、切出したガラス板2を持ち上げ、吸盤82Bが切出したガラス板2を吸着持上げたままで、搬送シャトル81Bが研削加工ポジション10に向って往動を開始し、この時、研削加工ポジション10において、2基の研削ワークテーブル17A及び17Bのうちの一方の研削ワークテーブル17Aに吸盤29を介して吸着されたガラス板2は、当該一方の研削ワークテーブル17Aと研削ヘッド18とのXY座標移動によるその周縁の研削加工中にあり、他方の研削ワークテーブル17Bは、原点に復帰し、搬送シャトル81Cによる加工済みガラス板2の搬出中にある状態において、吸盤82Bがコンベアベルト77上の切出したガラス板2を吸着し、搬送シャトル81Bにより研削ワークテーブル17B上方に吸盤82Bを移動させ、研削ワークテーブル17Bに向かって降下し、研削ワークテーブル17B上で吸盤82Bを吸着開放して当該切出したガラス板2を研削ワークテーブル17B上に搬入載置し、同時に、研削ワークテーブル17Bは、受け取った切出したガラス板2を吸盤29を介して吸着固定し、研削エリアに向って進行し、先に研削加工作業中の研削ワークテーブル17Aの研削加工の終了に同期して、研削ヘッド18は、研削ワークテーブル17Bに進行し、研削ワークテーブル17BとXY座標移動を行って研削ワークテーブル17B上の新たに切出したガラス板2の周縁の研削加工を行う。
【0052】
上記のようにして、ガラス板加工装置1では、研削ワークテーブル17A及び17Bは、交互に研削ヘッド18と平面座標系移動を行い、一方の研削ワークテーブル17A又は17Bがガラス板2を保持して研削ヘッド18によって研削加工中、他方の研削ワークテーブル17B又は17Aは、ガラス板2の搬出とガラス板2の受取とを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッド18は、連続してガラス板2の周縁の研削加工を行うようになっている。
【0053】
第2具体例
図6から
図9に示す本例のガラス板加工装置1Aもまた、床面に設置される基台91を備えており、基台91のX軸方向の両端に支柱92が立設されており、支柱92には、これら支柱92を橋絡して架台93がX軸方向に伸びて架設されている。ガラス板加工装置90には、入込みポジション94、スクライブ及び折割ポジション95、研削加工ポジション96及び取出しポジション128が設けられており、スクライブ及び折割ポジション95では、ガラス板2を同一位置に固定したまま、ガラス板2へのスクライブ線形成とスクライブ線が形成されたガラス板2に対する折割分離(切出したガラス板2の作製)とを行うようになっている。
【0054】
入込みポジション94とスクライブ及び折割ポジション95とには、スクライブ線及び端切り線形成並びにプレス装置97が、研削加工ポジション96には、2基の研削ワークテーブル98A及び98Bと1基の研削ヘッド99とが、そして、取出しポジション128には、取出しコンベア129が夫々設けられている。
【0055】
スクライブ線及び端切り線形成並びにプレス装置97、研削ワークテーブル98A及び98B並びに取出しコンベア129は、架台93に沿って、即ちX軸方向に沿って、かつ必要な間隔をもって直列配置されており、これらスクライブ線及び端切り線形成並びにプレス装置97、研削ワークテーブル98A及び98B並びに取出しコンベア129の上方を直線状に貫いてガラス板搬送装置100が設けられている。
【0056】
スクライブ線及び端切り線形成並びにプレス装置97は、ガラス板2を平面支持して搬送し、所与の位置でガラス板2を停止させるベルトコンベアテーブル102と、ベルトコンベアテーブル102の上面と平行してXY平面座標系移動を行うスクライブヘッド105及び折割装置106とを備える。
【0057】
ベルトコンベアテーブル102は、幅広のコンベアベルト103と、コンベアベルト103を下面から平面支持する支持台104と、コンベアベルト103をNC制御して走行させるNC制御モータ119とを具備している。
【0058】
コンベアベルト103の上面のX軸方向の中央域を挟んで、X軸方向の一方側には入込みポジション94がX軸方向の他方側にはスクライブ及び折割ポジション95が夫々形成されている。
【0059】
本体フレーム107の内側にX軸方向に沿って取付けられているベルトコンベアテーブル102のY軸方向の両側の夫々において、X軸方向に沿ってガイドレール108が本体フレーム107に設けられており、ガイドレール108の夫々には、スライドブロック109の夫々がX軸方向に移動自在に保持されている。ベルトコンベアテーブル102の上方には、走行フレーム110が、X軸方向に水平面内で直交する方向であるY軸方向のその両端でブラケット120を介してスライドブロック109に架設されている。
【0060】
ガイドレール108にX軸方向に移動自在に嵌合したスライドブロック109に支持されている走行フレーム110は、ガイドレール108に案内されてX軸方向に移動自在である。ベルトコンベアテーブル102の両側の夫々において、ガイドレール108と平行にX軸方向に伸びたラック111が本体フレーム107の夫々に設けられている。
【0061】
走行フレーム110のY軸方向の両側の夫々に取付けられたブラケット120の夫々には、対応のラック111に噛み合わされたピニオンギア112が回転自在に取付けられている。
【0062】
走行フレーム110には、ブラケット120の夫々を回転自在に貫通してシャフト121が取付られており、シャフト121のY軸方向の両端部の夫々は、対応のピニオンギア112にプリー及びベルトを介して連結されており、シャフト121の一方の端部には、X軸サーボモータ113の出力回転軸が連結されており、走行フレーム110は、X軸サーボモータ113の作動によるプリー及びベルトを介する各ピニオンギア112の回転並びに各ピニオンギア112とラック111との噛合いでX軸方向に移動する。
【0063】
走行フレーム110には、Y軸方向に沿って一対のガイドレール114と、ガイドレール114に沿ってラック115とが並設されており、ガイドレール114にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックにブラケット116が取付けられており、ブラケット116は、一対のガイドレール114に案内されて、Y軸方向に移動自在であり、ブラケット116の上面には、Y軸サーボモータ117が取付けられおり、Y軸サーボモータ117の出力回転軸には、ラック115に噛み合わされているピニオンギア118が取付けられており、ブラケット116は、Y軸サーボモータ117の作動により、一対のガイドレール114に案内されてY軸方向に移動する。
【0064】
ブラケット116の正面には、スクライブヘッド105と折割装置106とが並設されており、スクライブヘッド105と折割装置106とは、一体となって、ベルトコンベアテーブル102の上方で、走行フレーム110のX軸方向の移動と、ブラケット116のY軸方向の移動とでXY平面座標移動を行う。
【0065】
スクライブヘッド105は、カッタホイール124を回転軸125の下端に具備したカッタヘッド122と、回転軸125の上部に取付けられており、且つカッタホイール46を回転軸125を介して上下動させると共にスクライブ時には回転軸125を介してカッタホイール124に切り圧を与えるエアシリンダ装置123と、カッタホイール124が取付けられている回転軸125をその回転軸心の回りで角度制御させて、カッタホイール124の刃先の向きをスクライブ方向及び端切線方向に合わせる角度制御モータ201とを具備しており、角度制御モーター201の回転出力軸は、互いに噛合う平歯車を介して回転軸125に連結されており、折割装置106は、端切線が入れられたガラス板2に必要箇所で油圧又は空気圧シリンダ126の油圧又は空気圧をもって上下方向Hに移動自在なロッド139を介してプッシャー127でプレスを加え、不要部を折割して、切り出したガラス板2を作製する。
【0066】
スクライブ及び折割ポジション95においては、予め記憶されたスクライブ形成情報に基づいてスクライブヘッド105を基準としてスクライブヘッド105及び折割装置106を一体としてNC制御移動させ、先ず、スクライブヘッド105を動作させてガラス板2にスクライブ線を形成し、スクライブ線の形成後の端切線形成の次に、予め記憶された折割情報に基づいて折割装置106を基準としてスクライブヘッド105及び折割装置106を一体としNC制御移動させ、折割装置106を複数のプレス必要位置の夫々に移動させてその各位置で折割装置106を動作させてガラス板2に順次プレス押しを作用させ、不要域をガラス板2から折割分離し、切出したガラス板2を生成する。切出したガラス板2の生成後、切出したガラス板2の上方に搬送シャトル150Bが復帰し、吸盤151Bを降下させて、切出したガラス板2を吸着持上げし、研削加工ポジション96に向って搬送する。
【0067】
研削加工ポジション96において、X軸方向移動手段140を介して架台93に設けられている研削ヘッド99は、交互に研削ワークテーブル98A及び98Bに対応した位置に移動し、夫々の位置において、研削ワークテーブル98A又は98Bと極座標動作を行う。
【0068】
研削ワークテーブル98A及び98Bの夫々は、上面にガラス板2を吸着し、ガラス板2をNC制御された角度制御回転させながらY軸方向に移動し、固定した研削ヘッド99と極座標動作を行い、ガラス板2の周縁を研削ヘッド99の研削ホイール145により極座標研削加工させる。
【0069】
即ち、研削加工ポジション96では、研削ワークテーブル98A及び98Bの夫々の位置においてワーク座標系が設けられており、夫々のワーク座標系の対応位置へ研削ヘッド99が交互にX軸方向に沿って移動して停止し、研削ヘッド99が停止したワーク座標系において、研削ワークテーブル98A又は98Bによるガラス板2の角度制御回転と研削ワークテーブル98A又は98Bによるガラス板2のY軸方向の移動とで停止した研削ヘッド99に対してガラス板2を極座標動作を行わせるようになっており、研削ワークテーブル98A及び98Bは、互いに独立して、角度制御回転とY軸移動とを行うようになっている。
【0070】
研削ワークテーブル98Aは、上面にガラス板2を吸着する複数の吸盤131と、これら吸盤131が吸着されてこれら吸盤131を支持するテーブル台132Aと、テーブル台132Aを回転自在に軸受保持すると共にテーブル台132AをNC制御された角度制御回転を行わせる本体装置133Aとを具備している。
【0071】
研削ワークテーブル98AをY軸方向に移動させるY軸移動手段134Aは、基台91の上面にY軸方向に沿って並設された2本のガイドレール136Aと、これらガイドレール136AにY軸方向に移動自在に保持されたスライドンブロックへ架設されていると共に本体装置133Aを内蔵したY軸移動台135Aと、Y軸移動台135Aにナットを介して連結されていると共にガイドレール136Aの間に設けた送りネジ137Aと、送りネジ137Aの一端に出力回転軸が連結したY軸制御モータ138Aとを具備しており、研削ワークテーブル98Aは、Y軸移動台135Aに載設されていると共にY軸制御モータ138Aの駆動によりY軸移動台135AのY軸方向の移動を介して同じくY軸方向に移動されるようになっている。
【0072】
研削ワークテーブル98Bは、上面にガラス板2を吸着する複数の吸盤131と、これら吸盤131が吸着されてこれら吸盤131を支持するテーブル台132Bと、テーブル台132Bを回転自在に軸受保持すると共にテーブル台132BをNC制御された角度制御回転を行わせる本体装置133Bとを具備している。
【0073】
研削ワークテーブル98BをY軸方向に移動させるY軸移動手段134Bは、基台91の上面にY軸方向に沿って並設された2本のガイドレール136Bと、これらガイドレール136BにY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックへ架設されていると共に本体装置133Bを内蔵したY軸移動台135Bと、Y軸移動台135Bにナットを介して連結されていると共にガイドレール136Bの間に設けた送りネジ137Bと、送りネジ137Bの一端に出力回転軸が連結したY軸制御モータ138Bとを具備しており、研削ワークテーブル98Bは、Y軸移動台135Bに載設されていると共にY軸制御モータ138Bの駆動によりY軸移動台135BのY軸方向の移動を介して同じくY軸方向に移動されるようになっている。
【0074】
研削ヘッド99をX軸方向に移動させるX軸方向移動手段140は、研削ワークテーブル98A及び98Bに対応してX軸方向に伸びていると共に架台93の正面130に取付けられた一対の位置ガイドレール141と、ガイドレール141にX軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに一体固定されたX軸方向移動台142と、X軸方向移動台142にナット連結されていると共にガイドレール141の間に設けられた送りネジ143と、送りネジ143の一端に連結されたX軸方向制御モータ144とを具備している。
【0075】
X軸制御モータ144の駆動によりX軸方向移動台142、延いては、X軸方向移動台142にブラケット147を介して取付けられている研削ヘッド99は、研削ワークテーブル98A及び98Bの夫々のワーク座標系に対応した位置に交互して進行し、研削ワークテーブル98A又は98Bと極座標動作を行う。
【0076】
ブラケット147の下端部には、研削ホイール145のY軸方向の位置を調節するスライド装置148を介してスピンドルモータ146が取付けられており、スピンドルモータ146の出力回転軸に研削ホイール145が取付けられている。
【0077】
架台93の背面149に設けられているガラス板搬送装置100は、2基の搬送シャトル150B及び150Cと、架台93の背面に、X軸方向においてスクライブ線及び端切り線形成並びにプレス装置97のスクライブ及び折割ポジション95の上方から取出しコンベア129の上方までに亘って並設された一対のガイドレール152と、ガイドレール152の間において並設されているラック153とを具備しており、搬送シャトル150B及び150Cは、ガイドレール152にスライドブロックを介してX軸方向に移動自在に保持されてX軸方向に往復直動を行うようになっている。
【0078】
搬送シャトル150は、ガイドレール152にX軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに取付けられた板ブラケット158Bと、板ブラケット158Bに取付けられた走行サーボモータ154Bと、走行サーボモータ154Bの出力回転軸に取付けられていると共にラック153に噛合ったピニオンギア155Bとを具備している。
【0079】
搬送シャトル150Cは、ガイドレール152にX軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに取付けられた板ブラケット158Cと、板ブラケット158Cに取付けられた走行サーボモータ154Cと、走行サーボモータ154Cの出力回転軸に取付けられていると共にラック153に噛合ったピニオンギア155Bと同等のピニオンギヤとを具備している。
【0080】
搬送シャトル150B及び150Cの夫々の走行サーボモータ154B及び154Cを独立してNC制御駆動することにより、搬送シャトル150B及び150Cは、夫々、独立してX軸方向の必要距離のNC制御の往復走行を行うようになっている。
【0081】
搬送シャトル150Bは、板ブラケット158Bに取付けられている1基のガラス板吸着昇降装置156Bを、搬送シャトル150Cは、板ブラケット158Cに取付けられている1基のガラス板吸着昇降装置156Cを夫々具備しており、ガラス板吸着昇降装置156Bは、下端においてガラス板2の吸着と吸着開放とを行う吸盤151Bと、吸盤151Bが取付けられていると共に吸盤151Bを上下方向Hに昇降させる昇降装置157Bとを具備しており、ガラス板吸着昇降装置156Cは、下端においてガラス板2の吸着と吸着開放とを行う吸盤151Cと、吸盤151Cが取付けられていると共に吸盤151Cを上下方向Hに昇降させる昇降装置157Cとを具備しており、ガラス板吸着昇降装置156Bは、その昇降装置157Bにおいて板ブラケット158Bに取付けられており、ガラス板吸着昇降装置156Cは、その昇降装置157Cにおいて板ブラケット158Cに取付けられている。
【0082】
ガラス板加工装置1Aは、互いに独立して角度制御回転すると共にX軸方向に平行であるガラス板2の搬送方向Dに直交したY軸方向の移動を行う研削ワークテーブル98A及び98Bと、研削ワークテーブル98A及び98Bの各々と交互に平面極座標系移動を行う研削ヘッド99とを備えており、研削ワークテーブル98A及び98Bは、ガラス板2の搬送方向Dに平行に直列配設されており、研削ヘッド99は、原点に戻ることなく研削ワークテーブル98A及び98Bの各々に対する位置に交互に移動され、研削ヘッド99が一方の研削ワークテーブル98Aに対して位置するとき、この一方の研削ワークテーブル98Aは、上面に吸着したガラス板2を角度制御回転させながらY軸移動して研削ヘッド99と極座標系移動させてガラス板2の周縁の研削を行う一方、この研削中、他方の研削ワークテーブル98Bは、搬送シャトル150Cにより研削加工済みのガラス板2の搬出と、搬送シャトル150Bにより新しいガラス板2の受け取りとを行い、而して、ガラス板加工装置1Aは、斯かる動作を交互に繰り返し、研削ヘッド99が連続してガラス板2の周縁に対する研削加工を続けるようになっている。
【符号の説明】
【0083】
1 ガラス板加工装置
2 ガラス板
3 基台
7 入込みポジション
8 スクライブポジション
9 折割ポジション
10 研削加工ポジション
17A、17B 研削ワークテーブル
18 研削ヘッド