(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】画像投影装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20220111BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2018046971
(22)【出願日】2018-03-14
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】506423051
【氏名又は名称】株式会社QDレーザ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 広明
【審査官】大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-330070(JP,A)
【文献】特開2014-153388(JP,A)
【文献】特開2008-147744(JP,A)
【文献】特開2004-233780(JP,A)
【文献】特開2017-168935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00-27/64
H04N 5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づき光源からレーザ光を照射して利用者の網膜に画像を投影させる画像投影装置であって、
前記光源と、前記レーザ光を走査する走査ミラーとを有する投影部と、
前記投影部に前記画像データを入力させる制御部と、
前記投影部と前記制御部とを連結させるためのフレキシブルアームと、
前記画像投影装置を保持するためのイヤーフックと、
前記イヤーフックが回転可能に取り付けられたフレームと、
前記イヤーフックが回転したことを検出する回転検出部と、を有し、
前記制御部は、前記回転検出部により前記イヤーフックの回転が検出された場合に、前記投影部に入力させる前記画像データの上下を反転させ
、
前記イヤーフックは、一対のイヤーフックであって、
前記投影部は、
前記一対のうち一方のイヤーフックと同じ側に設けられ、
前記回転検出部は、
前記一対のうち他方のイヤーフックと同じ側に設けられ、
前記回転検出部は、
前記他方のイヤーフックが、前記一方のイヤーフックに近づいていく方向に回転したことを検出する、画像投影装置。
【請求項2】
前記一対のうち一方のイヤーフックは、他方のイヤーフックから離れる方向への回転が制限されており、且つ、前記他方のイヤーフックに近づいていく方向に付勢されている、請求項
1記載の画像投影装置。
【請求項3】
前記一対のイヤーフックのそれぞれが取り付けられた一対の前記フレームのそれぞれを、前記制御部の両側に連結させる一対のネックバンドを有する、請求項
1記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記一対の前記フレームのうち、一方のフレームが、前記フレキシブルアームと連結している、請求項
3記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記フレキシブルアームは、前記一対のうち一方のイヤーフックと、前記制御部との間から分岐している、請求項
3記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記投影部は、
前記フレキシブルアームによって前記制御部と連結されており、
前記制御部と前記フレームとが連結されている、請求項1記載の画像投影装置。
【請求項7】
前記投影部と同じ側にあるイヤーフックが、利用者の左耳に掛けられる場合、前記投影部は利用者の左眼用の画像を投影し、前記回転検出部がイヤーフックの回転を検出したとき、前記投影部は利用者の右眼用の画像を投影する、請求項
1記載の画像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、眼鏡型の網膜走査型ディスプレイ(Retinal. Scanning Display: RSD)が知られている。この眼鏡型の網膜走査型ディスプレイでは、網膜に映像を投影するため、瞳孔と画像出力部との位置関係に制約があることが知られている。
【0003】
また、従来では、単眼用のヘッドマウントディスプレイが知られている。単眼用のヘッドマウントディスプレイの例として、従来では、オーバーヘッドバンドで連結された2つのヘッドホーンハウジングの一方に、リッジットアームとフレキシブルアームとからなる支持アームにより、表示部を上下方向と左右方向に回動可能に取り付けたものが知られている。また、単眼用のヘッドマウントディスプレイの他の例として、表示ユニットと、表示ユニットを使用者の片目の近傍に配置させる長さを有するアームとを、表示ユニットが片目に対して少なくとも上下回動方向の自由度を有するように連結したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-22238号公報
【文献】特開2004-80679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の眼鏡型の網膜走査型ディスプレイでは、眼鏡と投影方向、位置等が固定されるため、ユーザ毎のカスタマイズが必要となる。また、単眼用とした場合には、左眼用と右眼用と別の構造をとる必要があり、製造の観点からコストが高くなる。
【0006】
また、従来の単眼用のヘッドマウントディスプレイでは、支持アームをリッジットアームとフレキシブルアームで構成するため、フレキシブルアームを短くせざるを得ず、フレキシブルアームの変形の自由度が小さくなる。また、表示ユニットを回動させる場合、表示ユニットを使用者の眼の位置に合わせた任意の角度で固定する必要があるため、構造が複雑になる。
【0007】
開示の技術は、上述した事情に鑑みて成されたものであり、簡易な構成で、左右のどちらの目に対しても設置可能な画像投影装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術は、画像データに基づき光源からレーザ光を照射して利用者の網膜に画像を投影させる画像投影装置であって、前記光源と、前記レーザ光を走査する走査ミラーとを有する投影部と、前記投影部に前記画像データを入力させる制御部と、前記投影部と前記制御部とを連結させるためのフレキシブルアームと、前記画像投影装置を保持するためのイヤーフックと、前記イヤーフックが回転可能に取り付けられたフレームと、前記イヤーフックが回転したことを検出する回転検出部と、を有し、前記制御部は、前記回転検出部により前記イヤーフックの回転が検出された場合に、前記投影部に入力させる前記画像データの上下を反転させ、前記イヤーフックは、一対のイヤーフックであって、前記投影部は、前記一対のうち一方のイヤーフックと同じ側に設けられ、前記回転検出部は、前記一対のうち他方のイヤーフックと同じ側に設けられ、前記回転検出部は、前記他方のイヤーフックが、前記一方のイヤーフックに近づいていく方向に回転したことを検出する、画像投影装置である。
【発明の効果】
【0009】
簡易な構成で、左右のどちらの目に対しても設置可能な画像投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施形態の画像投影装置を説明する第一の図である。
【
図2】第一の実施形態の画像投影装置を説明する第二の図である。
【
図3】第一の実施形態の画像投影装置のフレームを説明する第一の図である。
【
図4】第一の実施形態の画像投影装置のフレームを説明する第二の図である。
【
図5】第一の実施形態の画像投影装置が利用者に装着された状態を説明する図である。
【
図6】第二の実施形態の画像投影装置を説明する図である。
【
図7】第三の実施形態の画像投影装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して第一の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の画像投影装置を説明する第一の図である。
【0012】
本実施形態の画像投影装置100は、制御部110、投影部120、ネックバンド130、140、イヤーフック150、160、フレーム170、180、フレキシブルアーム190を有する。
【0013】
本実施形態の画像投影装置100において、制御部110は、ネックバンド130によってフレーム170と連結されている。また、制御部110は、ネックバンド140によってフレーム180と連結されている。フレーム170には、イヤーフック150が回動可能に取り付けられており、フレーム180にはイヤーフック160が回動可能に取り付けられている。
【0014】
フレーム170には、フレキシブルアーム190によって投影部120が連結されている。
【0015】
つまり、投影部120と制御部110とは、フレキシブルアーム190とフレーム170とネックバンド130とを介して連結されている。
【0016】
また、投影部120は、右耳用と左耳用とに設けられた一対のイヤーフック150、160のうち、一方のイヤーフック150と連結されている。言い換えれば、投影部120は、一対のイヤーフック150、160のうち、一方のイヤーフック150と同じ側に設けられている。
【0017】
本実施形態の画像投影装置100は、イヤーフック150、160で画像投影装置100を利用者の両耳に掛けることで、利用者の頭部に保持されて装着される。
【0018】
本実施形態の制御部110は、画像投影装置100の全体の動作を制御する。具体的には、本実施形態の制御部110は、投影部120に搭載される光源や走査ミラーを駆動させるための駆動部、外部装置とのインターフェイス部、無線通信部、投影部120に画像を入力する画像入力部、バッテリ等を含む。
【0019】
制御部110は、例えば、インターフェイス部を介して外部装置から取得した画像データを、画像入力部により投影部120に入力し、投影部120よってこの画像データを利用者の網膜に投影させても良い。外部装置とは、例えば、端末装置やカメラ等である。尚、画像投影装置100には、例えば、投影部120の先端部等にカメラが設けられていても良い。また、制御部110は、無線通信部を介して受信した画像データを投影部120により投影させても良い。
【0020】
投影部120は、利用者の網膜にレーザ光を照射して画像を投影する。具体的には、投影部120は、少なくとも、レーザ光を照射する光源と、レーザ光を利用者の網膜に向けて走査するための走査ミラーとが含まれる。本実施形態の走査ミラーは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーである。
【0021】
尚、本実施形態では、光源と走査ミラーを駆動させる駆動部が制御部110に設けられるものとしたが、これに限定されない。駆動部は、投影部120に設けられていても良い。
【0022】
ネックバンド130とネックバンド140とは、制御部110の両側に設けられ、フレーム170とフレーム180のそれぞれと連結される。つまり、ネックバンド130、ネックバンド140は、制御部110の両側に設けられた一対のネックバンドである。また、フレーム170とフレーム180は、一対のネックバンドのそれぞれと連結された一対のフレームである。
【0023】
ネックバンド130は、制御部110とフレーム170の一端とを連結させる。フレーム170の他端は、フレキシブルアーム190と連結されている。ネックバンド130とフレーム170とは、内部に空間を有するチューブ状の形状である。また、フレキシブルアーム190は、チューブ状であり、形状を保持する機能を有するものである。
【0024】
本実施形態では、制御部110から引き出された各種の信号線は、ネックバンド130、フレーム170、フレキシブルアーム190の内部を通って投影部120に接続される。
【0025】
ネックバンド140は、制御部110とフレーム180の一端とを連結させる。フレーム180の他端は、封止されている。
【0026】
つまり、本実施形態では、投影部120と制御部110とを連結するネックバンド130、フレーム170、フレキシブルアーム190にのみ、内部に投影部120を制御するための信号線が通されており、ネックバンド140、フレーム180には、投影部120を制御するための信号線は通されていない。
【0027】
尚、本実施形態において、ネックバンド130とネックバンド140とは、水平方向で対称の形状であることが好ましい。このような形状とすることで、左右どちらの目に対しても同様に画像投影装置100を装着することができる。
【0028】
フレーム170には、イヤーフック150がイヤーフック160に近づいていく方向に回動するように、取り付けられている。言い換えれば、イヤーフック150は、イヤーフック150に対向して設けられた他方のイヤーフック160に向かう方向に回動するように、フレーム170に取り付けられている。また、イヤーフック150は、回転角度の最大が180度となるように、フレーム170に取り付けられている。
【0029】
フレーム180には、イヤーフック160がイヤーフック150に近づいていく方向に回動するように、取り付けられている。言い換えれば、イヤーフック160は、イヤーフック160に対向して設けられた他方のイヤーフック150に向かう方向に回動するように、フレーム180に取り付けられている。また、イヤーフック160は、回転角度が最大で180度となるように、フレーム180に取り付けられている。
【0030】
また、本実施形態の画像投影装置100では、フレーム180の内部に、イヤーフック160が180度回転したことを検出し、検出結果を制御部110へ出力するセンサが設けられている。センサの詳細は後述する。
【0031】
センサから引き出された信号線は、ネックバンド140の内部を通って制御部110へ接続される。尚、ネックバンド140も、ネックバンド130と同様に、内部に空間を有するチューブ状の形状を有する。つまり、ネックバンド140には、センサから出力された信号を制御部110へ通知するための信号線のみが通されている。
【0032】
本実施形態の制御部110は、センサから、イヤーフック160が180度回転したことを示す信号が出力されると、投影部120に投影させる画像の上下を反転させる。
【0033】
このように、本実施形態では、投影部120を制御するための信号線と、イヤーフック160の回転を検出するセンサの出力を制御部110に送出するための信号線とが分離されている。
【0034】
また、本実施形態の画像投影装置100は、
図1に示す状態で利用者が装着した場合には、投影部120が利用者の左眼側に配置されるようになるため、左眼用の画像投影装置100となる。
【0035】
ここで、本実施形態の画像投影装置100において、イヤーフック150、160を回転させた場合について説明する。
【0036】
図2は、第一の実施形態の画像投影装置を説明する第二の図である。
図2では、画像投影装置100を、
図1の状態からイヤーフック150とイヤーフック160のそれぞれを180度回転させた状態を示している。
【0037】
本実施形態の画像投影装置100は、
図2に示す状態で利用者が装着した場合には、投影部120が利用者の右眼側に配置されるようになるため、右眼用の画像投影装置100となる。
【0038】
また、制御部110は、
図2の状態では、
図1に示す状態で投影部120に投影させていた画像データの上下を反転させて、投影部120に投影させる。したがって、本実施形態では、イヤーフック150、160を180度回転させるだけで、画像投影装置100を右眼用と左眼用とを切り替えることができる。
【0039】
また、本実施形態では、イヤーフック150、160が回転する方向を、互いに対向するイヤーフックに向かう方向とし、回転角度の最大を180度としている。したがって、本実施形態では、
図1に示す状態と
図2に示す状態のそれぞれにおいて、画像投影装置100が装着された場合に、イヤーフック150、160が利用者の頭部から離れる方向に回転することがない。このため、本実施形態では、画像投影装置100の装着時に、イヤーフック150、160を利用者の頭部に圧接させることができ、画像投影装置100を保持することができる。
【0040】
また、本実施形態では、イヤーフック150、160を頭部方向に付勢させるように、イヤーフック150、160の回転軸にばねやゴムなどの弾性のある部材を設置しても良い。これにより、頭部への圧接性を高めることができる。
【0041】
次に、
図3を参照して、本実施形態のフレーム170、180について説明する。
図3は、第一の実施形態の画像投影装置のフレームを説明する第一の図である。
図3では、
図1、
図2におけるフレーム170のA-A断面図を示している。
【0042】
本実施形態のフレーム170は、内部に区間を有する円筒状(チューブ状)の形状であり、内周の周方向に凸部171が形成されている。
【0043】
本実施形態のイヤーフック150は、フレーム170の内部に差し込まれる差し込み部151を含む。差し込み部151には、凸部152が形成されており、差し込み部151がフレーム170に差し込まれた状態では、フレーム170の内周方向に凸部152が移動可能となるように空間153が形成される。
【0044】
また、イヤーフック150では、差し込み部151の内部に空間154が形成されるような形状である。
図3では図示していないが、空間154には、制御部110から引き出された信号線が通されている。
【0045】
本実施形態では、
図3に示す状態(凸部152の端部152aと、凸部171の端部171aとが当接した状態)から、イヤーフック150が矢印Y1方向に180度回転すると、凸部152の端部152bと凸部171の端部171bとが当接し、回転が停止する。
【0046】
図4は、第一の実施形態のフレームを説明する第二の図である。
図4では、
図1、
図2におけるフレーム180のB-B断面図を示している。
【0047】
本実施形態のフレーム180は、内部に区間を有する円筒状(チューブ状)の形状であり、内周の周方向に凸部181が形成されている。
【0048】
本実施形態のイヤーフック160は、フレーム180の内部に差し込まれる差し込み部161を含む。差し込み部161には、凸部162が形成されており、差し込み部161がフレーム180に差し込まれた状態では、フレーム180の内周方向に凸部162が移動可能となるように空間163が形成される。
【0049】
また、イヤーフック160は、差し込み部161の内部に、センサ165が設けられている。センサ165は、凸部166と、収納部167とを有しており、凸部166が押圧されて収納部167に収納されると、凸部166が押圧されたことを示す信号を出力する。また、センサ165は、凸部166に対する押圧がなくなると、凸部166が収納部167から突出した状態となる。このとき、センサ165は、凸部166に対する押圧がなくなったことを示す信号を出力する。
【0050】
また、センサ165は、例えば、凸部166に対する押圧を検出した場合と、凸部166に対する押圧がなくなった場合とのそれぞれにおいて、特定のパルス信号等を出力しても良い。センサ165から引き出された信号線は、イヤーフック160とネックバンド140の内部を通り、制御部110に接続される。
【0051】
本実施形態では、
図4に示す状態(凸部162の端部162aと、凸部181の端部181aとが当接した状態)から、イヤーフック160が矢印Y2方向に180度回転すると、凸部162の端部162bと凸部181の端部181bとが当接し、回転が停止する。
【0052】
また、このとき、センサ165では、凸部166が凸部181に押圧された状態から、凸部166に対する押圧がなくなった状態となる。したがって、センサ165は、制御部110に対して、パルス信号を出力する。
【0053】
つまり、本実施形態のセンサ165は、イヤーフック160が180度回転したとき、この回転を検出し、回転したことを通知する信号を制御部110に出力する回転検出部の役割を果たす。
【0054】
尚、本実施形態では、センサ165により回転検出部を実現する形態を説明したが、回転検出部を実現する方法は、これに限定されない。回転検出部は、投影部120が連結されていない側のイヤーフック160において、端部152aが端部171aに当接したことを検出するスイッチを設けるなど、イヤーフック160が180度または所定の角度回転したことを検出できれば、どのような方法で実現されても良い。
【0055】
本実施形態での、センサによる回転検出部は、投影部120が連結されている側のイヤーフックの回転を検出することを妨げるものではない。
【0056】
このように、本実施形態の画像投影装置100では、2つのイヤーフックを、互いが近づく方向に180度回転させる構成と、この回転を検出する構成と、を設け、イヤーフックの回転が検出されると、投影部から投影させる画像の上下を反転させる。
【0057】
したがって、本実施形態によれば、イヤーフック150が左側の耳に掛けられるとき、投影部120には、左眼用の画像を投影し、センサ165がイヤーフック160の回転検出した場合、投影部120には、画像の上下を反転させた右眼用の画像を投影することができる。
【0058】
本実施形態では、この構成により、イヤーフックを回転させるだけで、画像投影装置100を左眼用と右眼用とに切り替えることができる。
【0059】
また、本実施形態では、イヤーフックの回転を検出する回転検出部を、投影部と連結されていないイヤーフック側に設けている。このため、本実施形態によれば、回転検出部が出力する信号を制御部110に出力するための配線の自由度を高めることができる。また、本実施形態では、左眼用と右眼用とに切り替えるとき、投影部120を回転させる必要がなく、投影部120と制御部110との配線に対する負荷を軽減できる。
【0060】
次に、
図5を参照して、画像投影装置100が利用者に装着された状態について説明する。
図5は、第一の実施形態の画像投影装置が利用者に装着された状態を説明する図である。
【0061】
本実施形態では、フレキシブルアーム190の長さを、画像投影装置100が利用者に装着される際に、利用者の耳の下側から眼の側面までの空間において、任意の形状が保持される長さとしている。具体的には、例えば、フレキシブルアーム190は、三次元のS字形状において、2箇所以上の屈曲点が設けられる長さとしている。
【0062】
本実施形態では、フレキシブルアーム190の長さを、このような長さとすることで、投影部120の設置位置の自由度を高め、利用者が任意の位置に投影部120を設置することを可能としている。
【0063】
また、本実施形態のフレキシブルアーム190は、屈曲点を設ける際に、曲げRによっては跳ね返り(キックバック)が生じる。尚、曲げRとは、金属の曲げ加工時に、曲げ位置にかかる半径(R)である。
【0064】
本実施形態では、キックバックが生じない曲げRが小さいフレキシブルアーム190ほど、フレキシブルアーム190を屈曲させて投影部120の位置を合わせる場合に、適切に位置を合わせることができ、好ましい。
【0065】
また、本実施形態では、利用者が一般的な眼鏡を掛けた場合に、眼鏡と利用者の顔と間に配置されるように、投影部120の位置が設定されることが好ましい。本実施形態では、このように投影部120の位置を設定することで、利用者が画像投影装置100を装着したまま眼鏡を装着することができる。したがって、本実施形態によれば、例えば、利用者が画像投影装置100を装着する際に、眼鏡を外したりする必要がない。
【0066】
また、本実施形態によれば、例えば、画像投影装置100と眼鏡の両方を装着している場合に、投影部120から視線をずらすだけで、投影された画像が含まれない眼鏡越しの視界とすることができる。したがって、本実施形態によれば、日常的に眼鏡を装着している利用者にとっても、画像投影装置100を利用するための煩わしさを低減することができる。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、簡易な構成で、安価に、左右のどちらの目に対しても設置可能な画像投影装置を提供することができる。
【0068】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、制御部110とフレキシブルアーム190とが連結している点が第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0069】
図6は、第二の実施形態の画像投影装置を説明する図である。本実施形態の画像投影装置100Aは、制御部110から、ネックバンド130Aとフレキシブルアーム190Aとが分岐している。言い換えれば、本実施形態では、画像投影装置100を利用者が装着した状態において、フレキシブルアーム190Aがイヤーフック150よりも後方から分岐している。
【0070】
また、本実施形態では、イヤーフック150は、フレーム170Aを介してネックバンド130Aと連結されている。また、本実施形態では、投影部120は、一対のイヤーフック150、160のうち、一方のイヤーフック150と同じ側に設けられている。
【0071】
本実施形態の画像投影装置100Aでは、制御部110と投影部120とを接続する信号線は、フレキシブルアーム190A内のみを通り、ネックバンド130Aとフレーム170Aの内部には信号線は通っていない。
【0072】
本実施形態では、このように、フレキシブルアーム190Aを長くすることで、投影部120の位置を設定する際の自由度を高めることができる。したがって、本実施形態によれば、例えば、利用者の髪型や服装等に応じて、投影部120の位置を設定したりすることもできる。
【0073】
また、本実施形態では、第一の実施形態と比較してフレキシブルアーム190Aが長くなるため、第一の実施形態と比較して、キックバックが生じない曲げRが大きいフレキシブルアーム190Aを使用することができる。したがって、本実施形態では、第一の実施形態と比較して、フレキシブルアーム190Aを太くすることができ、より安価に構成することができる。
【0074】
尚、
図6の例では、フレキシブルアーム190Aが制御部110から分岐するものとしたが、これに限定されない。フレキシブルアーム190Aは、例えば、ネックバンド130Aの途中から分岐していても良い。言い換えれば、フレキシブルアーム190Aは、制御部110とイヤーフック150との間から分岐しても良い。この場合、制御部110と投影部120とを接続する信号線は、ネックバンド130Aの一部分の内部とフレキシブルアーム190Aの内部とを通ることになる。
【0075】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、イヤーフックが1つである点が第一の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0076】
図7は、第三の実施形態の画像投影装置を説明する図である。本実施形態の画像投影装置100Bは、制御部110、投影部120、イヤーフック150、フレーム170B、フレキシブルアーム190Bを有する。
【0077】
本実施形態では、イヤーフック150とフレーム170Bとが連結されており、イヤーフック150の差し込み部151内に、センサ165が設けられている。センサ165から引き出された信号線は、フレーム170Bの内部を通り、制御部110と接続される。
【0078】
また、画像投影装置100Bでは、制御部110からフレキシブルアーム190Aが引き出され、制御部110と投影部120とを接続している。したがって、本実施形態でも、センサ165と制御部110とを接続する配線と、制御部110と投影部120とを接続する配線とは分離されており、それぞれの配線の自由度を高めることができる。
【0079】
本実施形態では、イヤーフック150を右方向又は左方向に180度回転させると、センサ165が回転を検出し、制御部110が投影部120で投影させる画像の上下を反転させる。
【0080】
したがって、本実施形態によれば、投影部120を回転させずに、画像投影装置100Bを左眼用と右眼用とに切り替えることができ、投影部120とフレキシブルアーム190Aとの接続部や、フレキシブルアーム190Aと制御部110との接続部に対する負荷を軽減できる。
【0081】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態にあげた構成、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0082】
100、100A、100B 画像投影装置
110 制御部
120 投影部
130、130A、140 ネックバンド
150、160 イヤーフック
165 センサ
170、170A、170B、180 フレーム
190、190A フレキシブルアーム