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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】タグホルダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/00 20060101AFI20220111BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220111BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G06K19/00 050
G06K19/077 220
B65D25/20 Y
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018139046
(22)【出願日】2018-07-25
(65)【公開番号】P2020017037
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 侑也
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-018830(JP,A)
【文献】特開2009-046181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0182150(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状のICタグを保持するタグホルダにおいて、
ICタグの外周縁を囲い、ICタグの外周縁と当接、又は、近接する周壁部と、
ICタグの表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、前記周壁部の内面間を連結する支持部と、
ICタグの表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、前記周壁部のうち前記支持部から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部とを備え、
前記周壁部と、前記支持部と、前記係止部との間にICタグを収容するタグ収容部が設けられ、
前記周壁部は、
互いに対向する第1側壁部、及び、第2側壁部と、
前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向に対して直交する方向において互いに対向する第3側壁部、及び、第4側壁部とを備え、
前記支持部は、
前記第1側壁部と、前記第2側壁部との間を連結する第1連結部と、
前記第3側壁部と、前記第4側壁部との間を連結する第2連結部とを備えるとともに、
前記第2側壁部から離間した位置において、前記第3側壁部の内面に隣接する開口部、及び、前記第4側壁部の内面に隣接する開口部のうち少なくとも一方を有し、
前記係止部は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられ、
前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられた前記係止部と、前記第1側壁部との間には、ICタグを前記タグ収容部に挿入させるための入口部が設けられ、
前記第2連結部の前記タグ収容部側の面のうち前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向、及び、前記第3側壁部と前記第4側壁部とが対向している方向のどちらにも直交する方向であるタグホルダの厚み方向において、前記第1連結部の前記タグ収容部側の面よりも、前記係止部から離間していることを特徴とするタグホルダ。
【請求項2】
前記第2連結部の前記タグ収容部側の面のうち前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、連接する前記第3側壁部、又は、前記第4側壁部側に向けて、前記タグホルダの厚み方向において前記係止部から離間する側に傾斜して延びていることを特徴とする請求項1に記載のタグホルダ。
【請求項3】
カード状のICタグを保持するタグホルダにおいて、
ICタグの外周縁を囲い、当該ICタグの外周縁と当接、又は、近接する周壁部と、
ICタグの表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、前記周壁部の内面間を連結する支持部と、
ICタグの表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、前記周壁部のうち前記支持部から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部とを備え、
前記周壁部と、前記支持部と、前記係止部との間にICタグを収容するタグ収容部が設けられ、
前記周壁部は、
互いに対向する第1側壁部、及び、第2側壁部と、
前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向に対して直交する方向において互いに対向する第3側壁部、及び、第4側壁部とを備え、
前記支持部は、
前記第1側壁部と、前記第2側壁部との間を連結する第1連結部と、
前記第3側壁部と、前記第4側壁部との間を連結する第2連結部とを備えるとともに、
前記第2側壁部から離間した位置において、前記第3側壁部の内面に隣接する開口部、及び、前記第4側壁部の内面に隣接する開口部のうち少なくとも一方を有し、
前記係止部は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられ、
前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられた前記係止部と、前記第1側壁部との間には、ICタグを前記タグ収容部に挿入させるための入口部が設けられ、
前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位において、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とするタグホルダ。
【請求項4】
前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位において、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタグホルダ。
【請求項5】
前記係止部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタグホルダ。
【請求項6】
前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち、前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、連接する前記第3側壁部、又は、前記第4側壁部側に向けて、前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタグホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード状のICタグを保持するタグホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カード状のICタグをパレット等の対象物に取付ける場合に、ICタグをタグホルダに装着し、当該タグホルダを対象物に取付けることが知られている。タグホルダとしては、ICタグの外周縁を囲う周壁部と、ICタグの表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、周壁部の内面間を連結するようにして略格子状に延在する支持部と、ICタグの表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、周壁部のうち支持部から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部とを備え、周壁部と、支持部と、係止部との間にICタグを収容するタグ収容部を形成するといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【0003】
また、ICタグを上記特許文献1のタグホルダに装着する場合には、係止部と、周壁部との間の隙間を介して、ICタグの一辺をタグ収容部に斜めに挿入させるとともに、ICタグを支持部に押し付けるようにして湾曲変形させつつ、前記一辺を先頭にして、ICタグをその全体がタグ収容部に収容されるまで押込む(挿入させる)ようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-34401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ICタグの面積を大きくするべく、ICタグの前記一辺の長さを長くした場合、当該ICタグを上記特許文献1のタグホルダのタグ収容部に挿入させていく際に、ICタグの前記一辺の両端部が支持部側に変形し易くなってしまうおそれがある。この場合、ICタグの前記一辺の両端部が支持部に引っ掛かってしまい、ICタグをタグホルダに装着する際の作業性の低下等を招いてしまうことが懸念される。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、ICタグの装着作業性の向上を図ることのできるタグホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.カード状のICタグを保持するタグホルダにおいて、
ICタグの外周縁を囲い、ICタグの外周縁と当接、又は、近接する周壁部と、
ICタグの表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、前記周壁部の内面間を連結する支持部と、
ICタグの表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、前記周壁部のうち前記支持部から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部とを備え、
前記周壁部と、前記支持部と、前記係止部との間にICタグを収容するタグ収容部が設けられ、
前記周壁部は、
互いに対向する第1側壁部、及び、第2側壁部と、
前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向に対して直交する方向において互いに対向する第3側壁部、及び、第4側壁部とを備え、
前記支持部は、
前記第1側壁部と、前記第2側壁部との間を連結する第1連結部と、
前記第3側壁部と、前記第4側壁部との間を連結する第2連結部とを備えるとともに、
前記第2側壁部から離間した位置において、前記第3側壁部の内面に隣接する開口部、及び、前記第4側壁部の内面に隣接する開口部のうち少なくとも一方を有し、
前記係止部は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられ、
前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられた前記係止部と、前記第1側壁部との間には、ICタグを前記タグ収容部に挿入させるための入口部が設けられ、
前記第2連結部の前記タグ収容部側の面のうち前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向、及び、前記第3側壁部と前記第4側壁部とが対向している方向のどちらにも直交する方向であるタグホルダの厚み方向において、前記第1連結部の前記タグ収容部側の面よりも、前記係止部から離間していることを特徴とするタグホルダ。
【0009】
ICタグをタグホルダに装着する場合、入口部を介して、ICタグの一辺をタグ収容部に斜めに挿入させるとともに、ICタグを支持部に押し付けるようにして湾曲変形させつつ、前記一辺を先頭にして、ICタグをその全体がタグ収容部に収容されるまで押込む(挿入させる)こととなる。本手段1では、ICタグのタグ収容部への挿入方向に対して直交して延在する第2連結部のタグ収容部側の面のうち第3側壁部、及び、第4側壁部と連接している端部を含む部位が、ICタグのタグ収容部への挿入を案内する第1連結部のタグ収容部側の面よりも、タグホルダの厚み方向において係止部から離間している(タグ収容部を広げる側であり、タグホルダの厚み方向における外方側に位置している)。このため、ICタグをタグ収容部に挿入していく際に、ICタグの前記一辺(挿入方向先頭側の辺部)の両端部が支持部側に湾曲変形したとしても、当該ICタグの前記一辺の両端部と、第2連結部との干渉を抑制する(ICタグの前記一辺の両端部が多少変形しても、第2連結部と接触しないようにする)ことができる。従って、ICタグの面積を大きくする(例えば、アンテナを大きくする)べく、ICタグの前記一辺の長さを長くすることで、タグホルダへの装着に際しICタグの前記一辺の両端部が変形し易くなったとしても、比較的スムースにICタグをタグホルダに装着することができる。結果として、ICタグの面積を確保しつつ、ICタグをタグホルダに装着する際の作業性の向上を図ることができる。
【0010】
尚、支持部に開口部が設けられることで、タグホルダの軽量化が図られるとともに、タグホルダを支持部側から視認した場合においても、支持部の開口部を介して、ICタグが装着されているか否かを確認することができる。
【0011】
手段2.前記第2連結部の前記タグ収容部側の面のうち前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、連接する前記第3側壁部、又は、前記第4側壁部側に向けて、前記タグホルダの厚み方向において前記係止部から離間する側に傾斜して延びていることを特徴とする手段1に記載のタグホルダ。
【0012】
手段2によれば、第2連結部のタグ収容部側の面の両端部を傾斜させることで、タグ収容部に挿入されるICタグの挿入方向先頭側の辺部の両端部との干渉を効率的に回避する形状とすることができる。従って、ICタグをタグ収容部に挿入する際にICタグが第2連結部に引っ掛かるといった事態を確実に防止するとともに、例えば、第2連結部のタグ収容部側の面において段差が形成される場合に比べて、段差への応力の集中が回避されることによる第2連結部の耐久性の向上、及び、ICタグの挿入に際してICタグが段差(角部)に接触することによる損傷の回避等を図ることができる。
【0013】
手段3.カード状のICタグを保持するタグホルダにおいて、
ICタグの外周縁を囲い、当該ICタグの外周縁と当接、又は、近接する周壁部と、
ICタグの表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、前記周壁部の内面間を連結する支持部と、
ICタグの表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、前記周壁部のうち前記支持部から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部とを備え、
前記周壁部と、前記支持部と、前記係止部との間にICタグを収容するタグ収容部が設けられ、
前記周壁部は、
互いに対向する第1側壁部、及び、第2側壁部と、
前記第1側壁部と前記第2側壁部とが対向している方向に対して直交する方向において互いに対向する第3側壁部、及び、第4側壁部とを備え、
前記支持部は、
前記第1側壁部と、前記第2側壁部との間を連結する第1連結部と、
前記第3側壁部と、前記第4側壁部との間を連結する第2連結部とを備えるとともに、
前記第2側壁部から離間した位置において、前記第3側壁部の内面に隣接する開口部、及び、前記第4側壁部の内面に隣接する開口部のうち少なくとも一方を有し、
前記係止部は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられ、
前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部に設けられた前記係止部と、前記第1側壁部との間には、ICタグを前記タグ収容部に挿入させるための入口部が設けられ、
前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位において、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とするタグホルダ。
【0014】
手段3によれば、ICタグのタグ収容部への挿入方向に対して直交して延在する第2連結部の第1側壁部側の面のうちタグ収容部側の部位が、タグ収容部側に向けて第2側壁部側に傾斜している。このため、ICタグをタグ収容部に挿入していく際に、ICタグの挿入方向先頭側の辺部の両端部が支持部側に湾曲変形し、第2連結部の第1側壁部側の面のタグ収容部側の部位と当接したとしても、当該部位の傾斜により、ICタグの挿入方向先頭側の辺部の両端部をスムースにタグ収容部側に案内することができる。従って、ICタグの面積を大きくする(例えば、アンテナを大きくする)ことで、タグホルダへの装着に際しICタグの挿入方向先頭側の辺部の両端部が変形し易くなったとしても、比較的スムースにICタグをタグホルダに装着することができる。結果として、ICタグの面積を確保しつつ、ICタグをタグホルダに装着する際の作業性の向上を図ることができる。
【0015】
手段4.前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、少なくとも前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位において、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする手段1又は2に記載のタグホルダ。
【0016】
手段4によれば、上記手段3と同様の作用効果が奏される。加えて、上記手段1、2の構成に対し、本手段4の構成を組合わせることで、第2連結部のタグ収容部側の面のうち第3側壁部、及び、第4側壁部と連接する端部の全体を係止部から比較的大きく離間させるのではなく、第1側壁部側の一部のみを係止部から比較的大きく離間させる構成を採用することができる。つまり、第2連結部のうち第1側壁部側の面と、タグ収容部側の面との境界部を含む部位であって、第3側壁部、及び、第4側壁部と連接する端部を含む部位が、連接する第3側壁部、又は、第4側壁部側に向けて係止部から離間する側に傾斜するとともに、タグ収容部側に向けて第2側壁部側に傾斜するように構成することもできる。
【0017】
手段5.前記係止部の前記第1側壁部側の面のうち前記タグ収容部側の部位は、前記タグ収容部側に向けて前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のタグホルダ。
【0018】
手段5によれば、ICタグをタグ収容部に挿入していく際に、ICタグの挿入方向先頭側の辺部が、係止部の第1側壁部側の面のタグ収容部側の部位と当接したとしても、当該部位の傾斜により、ICタグの挿入方向先頭側の辺部をスムースにタグ収容部側に案内することができる。従って、ICタグをタグホルダに装着する際の作業性の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。
【0019】
手段6.前記支持部に設けられた開口部の前記第2側壁部側に隣接する前記第2連結部の前記第1側壁部側の面のうち、前記第3側壁部、及び、前記第4側壁部と連接している端部を含む部位は、連接する前記第3側壁部、又は、前記第4側壁部側に向けて、前記第2側壁部側に傾斜して延びていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のタグホルダ。
【0020】
手段6によれば、ICタグをタグ収容部に挿入していく際に、ICタグの挿入方向先頭側の辺部の両端部が支持部側に湾曲変形した場合、ICタグは、挿入方向先頭側の辺部の湾曲部位が全体的に(一度に)第2連結部の第1側壁部側の面に当接するのではなく、第2連結部のうちタグ収容部側の面と第1側壁部側の面とのコーナー部に対して、前記湾曲部位のうち一点で当接することになる。そして、ICタグをタグ収容部に挿入させて行くに従い、ICタグの湾曲部位のうち第2連結部の前記コーナー部と当接した部位がタグ収容部側に案内されて湾曲が解消されるとともに、残りの前記湾曲部位についても、ICタグの挿入方向先頭側の辺部の中央部側から端部側に向けて順次前記コーナー部に当接していくことで、前記湾曲部位の湾曲が内から外へ順次解消されていく。最終的に、前記湾曲部位全体の湾曲が少なくとも第2連結部との干渉が生じないまでに解消され、ICタグの挿入方向先頭側の辺部が第2連結部を乗り越えるようになっている。従って、ICタグをタグホルダに装着する際の作業性の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。特に、上記手段3、手段4の構成を併用する場合には、第2連結部の前記コーナー部によりICタグの前記湾曲部位をタグ収容部側に案内する作用が高められる上、前記コーナー部に当接した前記湾曲部位の損傷を抑制することができる。
【0021】
尚、上記手段1~手段4、及び、手段6において、第2連結部が複数存在する場合、各手段の「第2連結部の端部を含む部位の構成」が第2連結部のうち少なくとも1つに適用されていればよく、また、適用される箇所が増える程、各手段の作用効果がより顕著に奏される(上記手段5の係止部についても同様)。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ICタグが装着されたタグホルダの第1構成面側の斜視図である。
図2】ICタグが装着されたタグホルダの第2構成面側の斜視図である。
図3】タグホルダを第1構成面側から見た斜視図である。
図4】タグホルダを第2構成面側から見た斜視図である。
図5】タグホルダの長手幅方向に沿って切断した断面を含むタグホルダの斜視図である。
図6】タグホルダの短手幅方向に沿って切断した断面を含むタグホルダの斜視図である。
図7】ICタグが装着されたタグホルダの一部断面を含む斜視図である。
図8】ICタグをタグホルダに装着する過程を示す一部断面を含む斜視図である。
図9】タグホルダがパレットに取付けられた状態を示す部分拡大斜視図である。
図10】タグホルダがパレットに取付けられた状態を示す部分拡大斜視図である。
図11】別の実施形態におけるタグホルダを第2構成面側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図4図7に示すように、四角いカード状のICタグ1を保持するタグホルダ2は、ICタグ1の外周縁を囲い、当該ICタグ1の外周縁と当接、又は、近接する略矩形枠状の周壁部3と、ICタグ1の表裏面のうち一方と対向して支持する部位であって、周壁部3の内面間を連結する支持部4と、ICタグ1の表裏面のうち他方と対向して係止する部位であって、周壁部3のうち支持部4から所定距離を隔てた部位から内方に突出する係止部5とを備えている。当該構成により、周壁部3と、支持部4と、係止部5との間には、ICタグ1を収容するタグ収容部6が設けられている。本実施形態のタグホルダ2は、ポリプロピレンにより一体的に形成されている。
【0024】
尚、本実施形態のICタグ1はパッシブ型であり、可撓性を有するカード状の基材と、半導体チップと、アンテナコイルとを備え、厚みが約0.5mmとなっている。また、ICタグ1のアンテナ設置面とは反対側の面は、2次元コード等が記された情報表示部とされている。
【0025】
図3図4等に示すように、周壁部3は、タグホルダ2の短手幅方向に延び、互いに対向する第1側壁部7、及び、第2側壁部8と、タグホルダ2の長手幅方向に延び、互いに対向する第3側壁部9、及び、第4側壁部10とを備えている。また、支持部4は、第1側壁部7と、第2側壁部8との間を連結する第1連結部としての第1リブ11と、第3側壁部9と、第4側壁部10との間を連結する第2連結部としての第2リブ12とを備えている。第1リブ11、及び、第2リブ12はそれぞれ2本ずつ設けられ、各第1リブ11と、各第2リブ12とが十字に連結されている。さらに、図示は省略するが、ICタグ1は、情報表示部側の面が支持部4側に向くようにして装着され、格子状の支持部4に設けられた開口部(隙間)を介して、ICタグ1の情報表示部を視認可能となっている。
【0026】
係止部5は、第3側壁部9、及び、第4側壁部10において、それぞれ3箇所に設けられており、タグホルダ2の短手幅方向において対称に配置されている。本実施形態では、第3側壁部9、及び、第4側壁部10のうち、第2側壁部8との境界部において、第2側壁部8とも連結される係止部5が設けられる一方で、全ての係止部5は、第1側壁部7から離間して設けられるようになっている。これにより、第3側壁部9、及び、第4側壁部10に設けられた係止部5と、第1側壁部7との間に、ICタグ1をタグ収容部6に挿入させるための入口部13が設けられている。
【0027】
ICタグ1をタグホルダ2に装着する場合、図8に示すように、入口部13を介して、ICタグ1の一辺をタグ収容部6に斜めに挿入させるとともに、ICタグ1を支持部4に押し付けるようにして湾曲変形させつつ、前記一辺を先頭にして、ICタグ1をその全体がタグ収容部6に収容されるまで押込む(挿入させる)こととなる。
【0028】
尚、図3図4等に示すように、第1側壁部7と第2側壁部8とが対向している方向(タグホルダ2の長手幅方向)、及び、第3側壁部9と第4側壁部10とが対向している方向(タグホルダ2の短手幅方向)のどちらにも直交する方向であるタグホルダ2の厚み方向において、支持部4と、係止部5とが重複しないように配置されている。本実施形態の2本の第2リブ12は、第3側壁部9及び第4側壁部10においてそれぞれ3箇所に設けられた係止部5の間に配置されるようになっている。
【0029】
また、図3に示すように、周壁部3のうちタグホルダ2の厚み方向における一方側の辺部と、支持部4のうちタグ収容部6側の辺部とは反対側の辺部とが面一とされている。以下、前記周壁部3の一方側の辺部、及び、前記支持部4の反対側の辺部により構成される面を、タグホルダ2の「第1構成面14」とも称する。さらに、図4に示すように、周壁部3のうちタグホルダ2の厚み方向における他方側の辺部と、係止部5のうちタグ収容部6側の面とは反対側の面とが面一とされている。以下、前記周壁部3の他方側の辺部、及び、前記係止部5の反対側の面により構成される面を、タグホルダ2の「第2構成面15」とも称する。
【0030】
加えて、図2等に示すように、タグホルダ2は、周壁部3の第1側壁部7の外面側において、タグホルダ2をパレット31(図9参照)に取付けるための取付部16を備えている。取付部16は、第3側壁部9、及び、第4側壁部10を延長させたような格好で第1側壁部7の外面から突出する一対の側壁延長部17と、一対の側壁延長部17の先端縁間の開口を閉塞する蓋部18とを備えている。蓋部18は、第1側壁部7よりも一回り大きく構成され、一対の側壁延長部17の外面、及び、側辺部よりも外方に突出している。さらに、取付部16には、一対の側壁延長部17の外面からそれぞれ外方に突出する係止突部19が設けられている。
【0031】
これに対し、図9図10に示すように、パレット31は、タグホルダ2を収容するホルダ収容部32を備えている。尚、図示は省略するが、パレット31は、複数の柱部と、複数の柱部の上端部間を連結する上デッキ部とを備えており、例えば、パレット31の中央に位置する柱部33の上部内側にホルダ収容部32が設けられている。柱部33は、上下に延びる四角筒状の筒状部34と、筒状部34の上側の開口を閉塞する上壁部35とを備えている。上壁部35の中央部には、上壁部35を上下に貫通する略正四角形状の中央孔部36が設けられるとともに、中央孔部36の各側辺部に沿って、上壁部35を上下に貫通する取付孔部37が4つ設けられている。つまり、本例では、ホルダ収容部32の上部(入口)を構成する取付孔部37が4つ設けられていることから、パレット31に対し4つのタグホルダ2を取付可能に構成されている。
【0032】
また、図9に示すように、取付孔部37の内周面のうち下側の部位から内方に突出する内周突部38が設けられている。これにより、取付孔部37の内周面は、下側部位が一回り小さくなるようにして段差状をなしている。さらに、取付孔部37のうち内周突部38が設けられた下側部位の内寸は、第2側壁部8の外寸とほぼ同じであり、取付孔部37のうち内周突部38よりも上側部位の内寸は、タグホルダ2の取付部16の蓋部18の外寸とほぼ同じとなっている。
【0033】
そして、蓋部18が上方を向き、タグホルダ2の第1構成面14(支持部4側の面)が中央孔部36側を向くようにして、柱部33の上方からタグホルダ2を取付孔部37に挿入させ、一対の側壁延長部17よりも外方に突出する蓋部18の下面と、内周突部38の上面とを当接させるとともに、係止突部19を内周突部38の下面に係止させることで、タグホルダ2がパレット31に取付けられる。また、タグホルダ2のパレット31への取付状態においては、中央孔部36、及び、格子状に構成された支持部4の開口部(第1リブ11、及び、第2リブ12の間の隙間)を介して、ICタグ1の情報表示部が視認可能となっている(図9参照)。さらに、タグホルダ2のパレット31への取付状態においては、タグホルダ2の第2構成面15(係止部5側の面)が、柱部33の筒状部34の内面と当接、又は、近接するようになっている(図10参照)。
【0034】
尚、図2等に示すように、タグホルダ2の取付部16の蓋部18のうち、タグホルダ2の第2構成面15側の辺部には位置合わせ凹部21が設けられている。これに対し、図9に示すように、パレット31の柱部33には、取付孔部37の内周面(中央孔部36から遠い側の面)から突出し、タグホルダ2のパレット31への取付状態において位置合わせ凹部21に挿入される位置合わせ凸部39が設けられている。また、図2等に示すように、タグホルダ2の短手幅方向中央位置において、蓋部18と、第1側壁部7との間を連結する補強リブ22が設けられている。さらに、第1側壁部7、蓋部18、及び、側壁延長部17のうち、タグホルダ2の第1構成面14側の部位の間を連結する補強壁23が設けられ、当該補強壁23は補強リブ22とも連結されている。加えて、図9に示すように、タグホルダ2のパレット31への取付状態においては、蓋部18の上面が、柱部33の上壁部35の上面と面一、又は、上壁部35の上面よりも下方に位置するようになっている。
【0035】
図4図6等に示すように、第2リブ12は、一対の第1リブ11の間の部位に関しては、タグ収容部6側の辺部が、第1リブ11のタグ収容部6側の辺部と面一となっている。その一方で、第2リブ12のうち、第3側壁部9、及び、第4側壁部10と、第1リブ11との間の部位に関しては、第1リブ11に近い部位は、タグ収容部6側の辺部が、第1リブ11のタグ収容部6側の辺部と面一となっているものの、それよりも第2側壁部8の両端部側の部位では、タグ収容部6側の辺部が、連接する第3側壁部9、又は、第4側壁部10側に向けて、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間する側(タグホルダ2の第1構成面14側)に傾斜して延びている。これにより、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部のうち第3側壁部9、及び、第4側壁部10と連接する端部を含む部位は、第1リブ11のタグ収容部6側の辺部よりも、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間する(第1構成面14側に位置する)ようになっている。
【0036】
また、図4図5に示すように、第2リブ12の第1側壁部7側の辺部のうちタグ収容部6側の部位は、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜して延びている。さらに、図3等に示すように、係止部5の第1側壁部7側の面のうちタグ収容部6側の部位は、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜して延びている。加えて、係止部5のうち、タグ収容部6側の面は、第1側壁部7側の部位に関しては、上記のように傾斜しているのに対し、第2側壁部8側の部位は、第1リブ11と平行して延びている。但し、第3側壁部9、及び、第4側壁部10において3つずつ設けられた係止部5のうち、第1側壁部7側の2つに関しては、係止部5のタグ収容部6側の面の第2側壁部8側の部位において、タグホルダ2の短手幅方向における係止部5の幅の中央部を通るようにして、第1リブ11の延在方向に沿って延びる係止突条部24が設けられている。尚、係止突条部24は面取り形状とされ、タグ収容部6に挿入される過程のICタグ1が係止突条部24と引っ掛かることなく比較的スムースに摺接するようになっている。
【0037】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ICタグ1のタグ収容部6への挿入方向に対して直交して延在する第2リブ12のタグ収容部6側の辺部の各端部を含む部位が、ICタグ1のタグ収容部6への挿入を案内する第1リブ11のタグ収容部6側の辺部よりも、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間している(タグホルダ2の第1構成面14側に位置している)。このため、ICタグ1をタグ収容部6に挿入していく際に、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部が支持部4側に湾曲変形したとしても、当該ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部と、第2リブ12との干渉を抑制する(ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部が多少変形しても、第2リブ12と接触しないようにする)ことができる。従って、ICタグ1の面積を大きくする(例えば、アンテナを大きくする)べく、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の長さを長くすることで、タグホルダ2への装着に際しICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部が変形し易くなったとしても、比較的スムースにICタグ1をタグホルダ2に装着することができる。結果として、ICタグ1の面積を確保しつつ、ICタグ1をタグホルダ2に装着する際の作業性の向上を図ることができる。
【0038】
特に、本実施形態では、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部の各端部を含む部位が、連接する第3側壁部9、又は、第4側壁部10に向けて、タグホルダ2の第1構成面14側に傾斜している。このため、タグ収容部6に挿入されるICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部との干渉を効率的に回避する形状とすることができる。従って、ICタグ1をタグ収容部6に挿入する際にICタグ1が第2リブ12に引っ掛かるといった事態を確実に防止するとともに、例えば、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部において段差が形成される場合に比べて、段差への応力の集中が回避されることによる第2リブ12の耐久性の向上、及び、ICタグ1の挿入に際してICタグ1が段差(角部)に接触することによる損傷の回避等を図ることができる。
【0039】
また、第2リブ12の第1側壁部7側の辺部のうちタグ収容部6側の部位が、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜している。このため、ICタグ1をタグ収容部6に挿入していく際に、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部が支持部4側に湾曲変形し、第2リブ12の第1側壁部7側の辺部のタグ収容部6側の部位と当接したとしても、当該部位の傾斜により、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部をスムースにタグ収容部6側に案内することができる。従って、ICタグ1をタグホルダ2に装着する際の作業性の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。
【0040】
さらに、係止部5の第1側壁部7側の面のうちタグ収容部6側の部位は、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜して延びている。このため、ICタグ1をタグ収容部6に挿入していく際に、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部が、係止部5の第1側壁部7側の面のタグ収容部6側の部位と当接したとしても、当該部位の傾斜により、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部をスムースにタグ収容部6側に案内することができる。従って、ICタグ1をタグホルダ2に装着する際の作業性の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。
【0041】
加えて、支持部4が格子状に構成されている。このため、タグホルダ2の軽量化、省材料化を図るとともに、支持部4の開口部(隙間)を介して、タグホルダ2に装着されたICタグ1の情報表示部を視認することができる。また、パレット31に取付けられた状態においても、パレット31の中央孔部36、及び、支持部4の隙間を介して、ICタグ1の情報表示部を視認することができる。従って、パレット31に取付ける、或いは、パレット31から取外すICタグ1の判別を行い易くすることができ、作業性の向上等を図ることができる。さらに、パレット31に取付けられたタグホルダ2の第2構成面15(係止部5側の面)は、パレット31の柱部33の筒状部34の内面と当接、又は、近接するようになっている。このため、タグホルダ2に装着されたICタグ1が、第3側壁部9に設けられた係止部5と、第4側壁部10に設けられた係止部5との間の隙間を介して、タグホルダ2から脱落してしまうといった事態を、筒状部34の内面によって確実に防止することができる。
【0042】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0043】
(a)上記実施形態において、第1リブ11、及び、第2リブ12の数、配置、大きさ等は特に限定されるものではなく、少なくとも1本ずつ設けられていればよい。但し、ICタグ1をタグ収容部6にスムースに(挿入方向に対して左右に傾きなく)挿入させたり、タグホルダ2の変形を抑制したり、ICタグ1のタグ収容部6への収容状態の安定化を図ったりするべく、第1リブ11は2本以上設けられることが望ましい。さらに、第2リブ12についても、タグホルダ2の変形を抑制したり、ICタグ1のタグ収容部6への収容状態の安定化を図ったりするべく、2本以上設けられることが望ましい。
【0044】
加えて、格子状に構成された支持部4の隙間を部分的に閉塞するように構成してもよい。例えば、一対の第2リブ12の間を壁部で閉塞してもよいし、第1側壁部7側の第2リブ12と第1側壁部7との間、及び、第2側壁部8側の第2リブ12と第2側壁部8との間の部位を壁部で閉塞してもよい。尚、支持部4のうち、第2側壁部8から離間した位置において、第3側壁部9と隣接する開口部、及び、第4側壁部10と隣接する開口部のうち少なくとも一方が設けられていることとしてもよい。支持部4に開口部が設けられることで、タグホルダ2の軽量化が図られるとともに、タグホルダ2を支持部4側から視認した場合においても、支持部4の開口部を介して、ICタグ1が装着されているか否かを確認することができる。
【0045】
また、上記実施形態では、周壁部3は、ICタグ1の全周を隙間なく囲っているが、周壁部3に隙間が形成されていてもよい。さらに、上記実施形態では、第3側壁部9と、第4側壁部10との間の距離が、ICタグ1の短辺部の幅と対応し、第1側壁部7と、第2側壁部8との間の距離が、ICタグ1の長辺部の幅と対応するように構成されているが、第3側壁部9と、第4側壁部10との間の距離が、ICタグ1の長辺部の幅と対応し、第1側壁部7と、第2側壁部8との間の距離が、ICタグ1の短辺部の幅と対応するように構成してもよい。
【0046】
(b)上記実施形態では、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部の両端部を含む部位は、連接する第3側壁部9、又は、第4側壁部10側に向けて、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間する側に傾斜しているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部の両端部を含む部位が、第1リブ11のタグ収容部6側の辺部よりも、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間するようにして、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部が段差状に構成されていることとしてもよい。さらに、第2リブ12のうち、第1リブ11との連接部近傍部位や第1リブ11同士の間を連結するようにして延びる部位についても、第1リブ11のタグ収容部6側の辺部よりも、タグホルダ2の厚み方向において係止部5から離間するように構成してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、第2リブ12のタグ収容部6側の辺部の両端部を含む部位が上記のように傾斜し、さらに、第2リブ12の第1側壁部7側の辺部のうちタグ収容部6側の部位が、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜しているが、少なくともどちらか一方の傾斜構造を具備していればよい。加えて、上記実施形態では、第2リブ12のタグ収容部6側の面のうち第3側壁部9、及び、第4側壁部10と連接する端部の全体が第1構成面14側に傾斜するように構成されているが、第2リブ12の第1側壁部7側の面がタグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜する構成を組合わせれば、第2リブ12のタグ収容部6側の面のうち第1構成面14側に傾斜する部位を第1側壁部7側の一部とすることも可能である。つまり、第2リブ12のうち第1側壁部7側の面と、タグ収容部6側の面との境界部を含む部位であって、第3側壁部9、及び、第4側壁部10と連接する端部を含む部位が、連接する第3側壁部9、又は、第4側壁部10側に向けて第1構成面14側に傾斜するとともに、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜するように構成することとしてもよい。
【0048】
(c)加えて、図11に示すように、第1側壁部7側の第2リブ12のうち両端部を含む部位を、連接する第3側壁部9、又は、第4側壁部10側に向けて、第2側壁部8側に傾斜させるように構成してもよい。この場合、ICタグ1をタグ収容部6に挿入していく際に、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の両端部が支持部4側に湾曲変形した場合、ICタグ1は、挿入方向先頭側の辺部の湾曲部位が全体的に(一度に)第2リブ12の第1側壁部7側の辺部に当接するのではなく、第2リブ12のうちタグ収容部6側の辺部と第1側壁部7側の辺部とのコーナー部に対して、前記湾曲部位のうち一点で当接することになる。そして、ICタグ1をタグ収容部6に挿入させて行くに従い、ICタグ1の湾曲部位のうち第2リブ12の前記コーナー部と当接した部位がタグ収容部6側に案内されて湾曲が解消されるとともに、残りの前記湾曲部位についても、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部の中央部側から端部側に向けて順次前記コーナー部に当接していくことで、前記湾曲部位の湾曲が内から外へ順次解消されていく。最終的に、前記湾曲部位全体の湾曲が少なくとも第2リブ12との干渉が生じないまでに解消され、ICタグ1の挿入方向先頭側の辺部が第2リブ12を乗り越えるようになっている。従って、ICタグ1をタグホルダ2に装着する際の作業性の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。特に、第2リブ12の第1側壁部7側の辺部のうちタグ収容部6側の部位が、タグ収容部6側に向けて第2側壁部8側に傾斜する構成と併用されることで、第2リブ12の前記コーナー部によりICタグ1の前記湾曲部位をタグ収容部6側に案内する作用が高められる上、前記コーナー部に当接した前記湾曲部位の損傷を抑制することができる。
【0049】
尚、第2リブ12の両端部を含む部位を全体的に第3側壁部9、又は、第4側壁部10に向けて第2側壁部8側に傾斜させなくても、第2リブ12のうち第1側壁部7と対向する面を同方向に傾斜させることで、同様の作用効果が奏される。さらに、第2リブ12のうち、第3側壁部9、及び、第4側壁部10と、第1リブ11との間の部位の全体を傾斜させなくてもよく、タグ収容部6に挿入されるICタグ1の湾曲した側部が当接し得る範囲を傾斜させればよい。また、図11では、一対の第2リブ12のうち第1側壁部7側の第2リブ12に関し、第2リブ12の両端部が、第3側壁部9、又は、第4側壁部10に向けて第2側壁部8側に傾斜するようになっているが、第2側壁部8側の第2リブ12についても同様に傾斜させてもよい。
【0050】
(d)また、上記実施形態では、係止部5の第1側壁部7側の面のうちタグ収容部6側の部位は、タグ収容部6側に向けて、第2側壁部8側に傾斜しているが、係止部5の第1側壁部7側の面や、タグ収容部6側の面を平坦面としてもよいし、係止部5の第1側壁部7側の面やタグ収容部6側の面の全体を傾斜させることとしてもよい。尚、係止部5の数、配置、大きさ等は特に限定されるものではなく、少なくとも第3側壁部9、及び、第4側壁部10に設けられ、第3側壁部9、及び、第4側壁部10に設けられた係止部5と、第1側壁部7との間に入口部13が設けられていればよい。例えば、第2側壁部8に連接するような係止部5が設けられなくてもよいし、第1側壁部7に連接する(比較的小さな)係止部を設けることとしてもよい。
【0051】
(e)タグホルダ2が取付けられる対象物は特に限定されるものではなく、合成樹脂製の容器等に取付けることとしてもよい。また、タグホルダ2を対象物に取付けるための構成や、タグホルダ2を対象物に取付ける向き等についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、タグホルダ2に取付部16が設けられていなくても、対象物がタグホルダ2を保持可能なように構成してもよい。
【0052】
(f)上記実施形態では、タグホルダ2はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。尚、ICタグ1は、基本的には略矩形をなして周壁部3に安定して保持されるカード状とされていればよく、例えば、コーナー部を面取り形状としたり、側辺部の一部を切り欠くようにして凹部を形成したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…ICタグ、2…タグホルダ、3…周壁部、4…支持部、5…係止部、6…タグ収容部、7…第1側壁部、8…第2側壁部、9…第3側壁部、10…第4側壁部、11…第1リブ、12…第2リブ、13…入口部、14…第1構成面、15…第2構成面、31…パレット、37…取付孔部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11