(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置
(51)【国際特許分類】
B22D 17/00 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
B22D17/00 510
B22D17/00 512
B22D17/00 550
(21)【出願番号】P 2021182148
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】202011232551.2
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宋 剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】時 迎港
(72)【発明者】
【氏名】何 軒
(72)【発明者】
【氏名】王 棟
(72)【発明者】
【氏名】王 思然
(72)【発明者】
【氏名】焦 朝旭
(72)【発明者】
【氏名】樊 又銘
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲とん▼宇
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-160657(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111940699(CN,A)
【文献】特表2014-511276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、スプラインモーター、第一油圧シリンダー、遷移軸、ピッチ変化ボルト、スラリー製作筒体、直角転送筒体、半固体状スラリー貯蔵室、電磁気加熱ミキサー及び第二油圧シリンダーを含み、
前記スプラインモーター、第一油圧シリンダー及び遷移軸は、固定ホルダーを介してフレームに固定され、前記スプラインモーターは、出力軸が遷移軸と第一油圧シリンダーのデュアルヘッドピストンとを介して前記ピッチ変化ボルトにおける第一端に接続され、前記ピッチ変化ボルトにおける第二端は、前記スラリー製作筒体が外部に設置され、前記スラリー製作筒体における第二端は、前記直角転送筒体を介して前記半固体状スラリー貯蔵室の入口側に接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室は、二回目攪拌と保温に用いられる電磁気加熱ミキサーの第一端に連通され、前記電磁気加熱ミキサーにおける第二端は、第二油圧シリンダーのピストンに接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室における出口端は、加工成形装置に接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室における出口端にはスラリーが流れ出さないように阻む金属溶融体軸方向バルブが設置されており、
前記デュアルヘッドピストンは、中空として構成され、両端が第一油圧シリンダーに延出すると共に、両端にピストン端蓋を取り付けるためのオネジが加工され、前記遷移軸は、中央部が大きいが両端が小さい段階状軸であり、前記遷移軸は、剛性軸継手を介してピッチ変化ボルトに接続されるための止めピン穴が第一方端に設置され、スプラインモーターに接続されトルクを転送するためのスプラインが第二端に設置され、前記遷移軸は、第一油圧シリンダーにおけるデュアルヘッドピストンに取り付けられ、前記遷移軸は、それぞれアンギュラ玉軸受が両端に取り付けられ、ピストン端蓋による作用により、前記デュアルヘッドピストンに対して軸方向に移動する自由度を限定しており、
前記スラリー製作筒体は、第一端と近い外壁に、金属粉末ホッパーを取り付けるための中空の第一円柱状突出部が設置され、前記スラリー製作筒体は、第一端が中空端蓋に螺合接続されることにより閉鎖の作用を形成し、曲面と円柱面からなる第二円柱状突出部が第二端に設置され、第二円柱状突出部は、直角転送筒体に螺合接続され、前記スラリー製作筒体における外壁には、粉末の温度と固体・液体の状態を制御するための電磁気加熱ミキサーが均一に覆われており、
前記ピッチ変化ボルトは、外面にネジ部が設置され、前記ネジ部における前部、中央部及び後部には、それぞれ異なるピッチを有するネジが設置され、前記異なるピッチを有するネジは、異なる溶解階段にある金属粉末を異なる程度で攪拌しながら転送を行うためのものであり、前記ピッチ変化ボルトは、剛性軸継手に接続されるピン穴が第一端に設置され、円錐状ヘッドが第二端に設置され、前記円錐状ヘッドには、スラリーを絞り出すための溝が設けられ、前記円錐状ヘッドとネジ部との間に段階が設置され、前記段階全体は錐形状とされ、段階における円錐状ヘッドと近い部分が円柱として構成され、段階におけるネジ部と近い部分が錐面とされ、前記ピッチ変化ボルトには、スラリーが還流するのを防ぐ逆止弁が取り付けられ、前記逆止弁は、円柱として構成され、前記ピッチ変化ボルトの段階の錐面と嵌合する錐形状穴が第一端に設置され、円穴が第二端に設置され、円穴の直径がピッチ変化ボルト段階円柱構成の直径よりも大きいことから、スラリーをピッチ変化ボルトにおける円錐状ヘッドの方向へ転送する時に、逆止弁を前方へ押して円錐状ヘッドにおける周方向の溝より流し出し、スラリー貯蔵室のピストンがスラリーを加工成形装置へ流すように押す時に、逆止弁が反対方向に移動し、逆止弁の錐形状穴とピッチ変化ボルトにおける錐形状段階とが接触してスラリーが還流しないように制限し、
生産の際には、金属粉末を金属粉末ホッパーよりスラリー製作筒体に入り、電磁気加熱ミキサーの作用により融解し、異なる溶解階段にある金属粉末に、異なる程度で攪拌して転送を完了させ、溶解しながら攪拌される金属粉末が半固体状になり始まり、ピッチ変化ボルトネジの作用により、直角転送筒体における第一端に転送され、このとき、第一油圧シリンダーにおける油圧を変えて、デュアルヘッドピストンが軸方向に移動するように押し、ひいては、ピッチ変化ボルトを押すと共に、ピッチ変化ボルトの円錐状ヘッド側に取り付けられる逆止弁に結合し、半固体状のスラリーを直角転送筒体の第一端から半固体状のスラリー貯蔵室へ押し出し、逆止弁によりスラリーがスラリー製作筒体へ還流するのを防ぎ、金属溶融体軸方向バルブにより、スラリーが半固体状スラリー貯蔵室から流出するのを防ぎ、電磁気加熱ミキサーは、半固体状の温度区間内における一定温度で攪拌し、スラリーの組織が均一に結晶化するように、一定の時間だけ攪拌してから温度を維持し始め、最後、第二油圧シリンダーの油圧を変えて、第二油圧シリンダーの供給する圧力が金属溶融体軸方向バルブの抵抗力よりも大きいようにし、第二油圧シリンダーのピストンを押して、半固体状のスラリーを金属溶融体軸方向バルブから加工成形装置へ入る、
ことを特徴とする金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置。
【請求項2】
前記直角転送筒体は、第一端に、錐面と円柱面との結合する突出部が設置され、突出部は、周方向に、等間隔で分布され直角転送筒体とスラリー製作筒体を接続するための螺合穴が設置され、内部における端面と近い部分が円柱穴とされ、円柱穴の直径がスラリー製作筒体の内径と等しく、円柱穴と隣接する部分は、ピッチ変化ボルト円錐状ヘッドと一致する大きさの錐穴であり、直角転送筒体は、内部に、錐穴に接続される複数の円形流路穴が設置され、第二端に円台が設置され、前記円台は、軸方向に、スラリー貯蔵室に接続されるための四つの螺合穴が分布される、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置。
【請求項3】
前記半固体状スラリー貯蔵室は、内部が半固体状のスラリーを貯蔵するための中空構成であり、円柱状突出部が出口端に設置され、前記円柱状突出部は、内部がシリンダー胴体の内部に連通する円穴であり、上部と二つの側部に、それぞれ金属溶融体逆止弁に接続され、直角転送筒体に接続されると共にスラリー貯蔵室端蓋に接続されるネジ穴が設置されており、
前記スラリー貯蔵室は、内部にピストンが取り付けられ、前記ピストンのプッシュロッド部分の端部に、第二油圧シリンダーのピストンに螺合接続される円柱状突出部が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置。
【請求項4】
前記金属溶融体軸方向バルブは、バルブハウジング、ボールスプラインスリーブ、スプラインゲージ、バルブ入口ストップスリーブ、ガイドロッド及びばねを含み、
前記バルブハウジングは、両端に、それぞれ、円柱状突出部が設置され、前記円柱状突出部は、軸方向に、等間隔で分布されるネジ穴が設置され、一端がスラリー貯蔵室に接続され、第二端が半固体状のスラリーを加工成形装置に転送するための管路に接続され、前記バルブハウジングは、第一端における内部に、周方向に分布される三つの長方形支持棒が設置され、三つの長方形支持棒は、前記バルブハウジングの円心に交差し、円心交差位置に、第三円柱状突出部が設置されており、前記第三円柱状突出部は、その内部が、貫通するネジ穴であり、
前記ボールスプラインスリーブは、内部の周方向に、三つのスプラインが設置され、一端の内部の底部に、ばねの揺動を限定するための円形凹溝が設置され、外部の底面に、外部がネジ構成であると共に内部が中空でありスプラインスリーブを貫通するボルトが設置され、前記ボルトは、前記バルブハウジングの第三円柱状突出部と嵌合して接続され、第三円柱状突出部における両側において、それぞれ、前記スプラインスリーブの突出部ボルトにナットが取り付けられ、前記ナットは、前記ボルトと、バルブハウジングにおける三つの支持棒の円柱状突出部との相対位置を位置決めし、ばねの弾性力の大きさを変えて、スプラインゲージの抵抗力を変え、
前記スプラインゲージは、その主体構成がスプライン軸であり、第一端が、曲面と円柱面形状からなる突出部であり、第二端における中央箇所に、ガイドロッドを取り付けるためのネジ穴が設置されると共に、ばねの揺動を限定するための凹溝付き突出部が設置され、
前記バルブ入口ストップスリーブは、第一端が、突出する薄いストップカラーであり、前記薄いストップカラーは、周方向において等間隔のネジ穴が分布され、バルブハウジングに取り付けられ、スプラインゲージと嵌合してスラリーが入出するように制御するための中空曲面凹溝が底部に設置され、
前記ガイドロッドは、スプラインゲージのネジ穴と嵌合するオネジが第一端に設置され、第二端が、取り付けされる際にスプラインスリーブにおけるネジ棒の内部に插入し、前記ガイドロッドは、軸方向に、一定の弾性係数を有するばねが取り付けられ、前記バルブが稼働する場合に、スラリーは、圧力が十分であるとバルブ入口に流れ込み、スプラインゲージを圧縮し、スプラインゲージは、軸方向に沿ってスプラインスリーブにおいてばねを圧縮し、ひいては、スラリーが流れ出すようにし、圧力が十分でないとばねが原状回復方向に移動して、バルブがオフになるようにスプラインゲージを押し、スプラインスリーブにおけるボルト及びその上に取り付けられる二つのナットを調節することにより、バルブハウジングの三つの支持棒の円柱状突出部に対する相対位置を変えて、ひいては、スラリーに対するバルブの抵抗力を変えることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半固体状のスラリーを製作する分野に関し、特に、金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体で成形される部品は、その使用性能が良い一方、数多くの加工工程が必要でありながら、加工装置により制限され、形状が複雑でない部品しか生産できない。液体で成形する場合には、複雑な部品を生産するために比較的少ない工程が必要であるが、その使用性能が、固定で成形される部品よりも確実でないと共に、鋳造で欠陥を避けることが難しい。半固体状で成形する技術は、液体と固体の金属で成形される良い特性を両者で備える。半固体状の粉末により成形することは、粉末による冶金と半固体状による成形との両者の利点を兼有しており、従来、デンドライトの凝固モードを破り、製作された完全品の材料は、結晶粒が微小であり、その寸法が均一であり、変形抵抗が小さく、成形のプロセスの流れが短いなどの著しい利点を有する。先進的な金属加工方法としては、半固体状による加工技術を用いて、複雑な部品を製造できると共に、その使用性能が鍛造部品と同様に優れる。金属材料は、半固体状の状態に、チキソトロピーの流体と同様に、粘弾性の特徴を有する。せん断応力が作用しない場合には、スラリーが固体と類似であり、せん断応力が作用する場合には、スラリーの粘度が下がり始め、剪断減粘効果を有する。従って、半固体状の組織を製作する鍵は、球状又は準球形であり、液相に均一に分布している固相粒子スラリーを得るということにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、従来における半固体状で成形する技術の不足を克服して、半固体状による成形技術において、スラリーを製作してから具体的な製品を生産して加工する効率を高めるために、結晶の粒度が小さく、結晶粒が均一に分布しながら固相率が制御可能であり、品質が高い、半固体状のスラリーを生産できると共に、スラリーを製作する直後に、自らが有する転送構成を介して加工成形装置に入れて、半固体状のスラリーを製作して成形することが一足飛びに済み、しかも、半固体状のスラリーを製作することが連続的なものであり、加工成形装置が高い効率で生産するように保証することができる、金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的に、本発明は、フレーム、スプラインモーター、第一油圧シリンダー、遷移軸、ピッチ変化ボルト、スラリー製作筒体、直角転送筒体、半固体状スラリー貯蔵室、電磁気加熱ミキサー及び第二油圧シリンダーを含む、金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置を提供する。
【0005】
前記スプラインモーター、第一油圧シリンダー及び遷移軸は、固定ホルダーを介してフレームに固定され、前記スプラインモーターは、出力軸が遷移軸と第一油圧シリンダーのデュアルヘッドピストンとを介して前記ピッチ変化ボルトにおける第一方端に接続され、前記ピッチ変化ボルトにおける第二端は、前記スラリー製作筒体が外部に設置され、前記スラリー製作筒体における第二端は、前記直角転送筒体を介して前記半固体状スラリー貯蔵室の入口側に接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室は、二回目攪拌と保温に用いられる電磁気加熱ミキサーの第一方端に連通され、前記電磁気加熱ミキサーにおける第二端は、第二油圧シリンダーのピストンに接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室における出口端は、加工成形装置に接続され、前記半固体状スラリー貯蔵室における出口端にはスラリーが流れ出さないように阻む金属溶融体軸方向バルブが設置される。
【0006】
前記デュアルヘッドピストンは、中空として構成され、両端が第一油圧シリンダーに延出すると共に、両端にピストン端蓋を取り付けるためのオネジが加工され、前記遷移軸は、中央部が大きいが両端が小さい段階状軸であり、前記遷移軸は、剛性軸継手を介してピッチ変化ボルトに接続されるための止めピン穴が第一方端に設置され、スプラインモーターに接続されトルクを転送するためのスプラインが第二端に設置され、前記遷移軸は、第一油圧シリンダーにおけるデュアルヘッドピストンに取り付けられ、前記遷移軸は、それぞれアンギュラ玉軸受が両端に取り付けられ、ピストン端蓋による作用により、前記デュアルヘッドピストンに対して軸方向に移動する自由度を限定する。
【0007】
前記スラリー製作筒体は、第一方端と近い外壁に、金属粉末ホッパーを取り付けるための中空の第一円柱状突出部が設置され、前記スラリー製作筒体は、第一方端が中空端蓋に螺合接続されることにより閉鎖の作用を形成し、曲面と円柱面からなる第二円柱状突出部が第二端に設置され、第二円柱状突出部は、直角転送筒体に螺合接続され、前記スラリー製作筒体における外壁には、粉末の温度と固体・液体の状態を制御するための電磁気加熱ミキサーが均一に覆われる。
【0008】
前記ピッチ変化ボルトは、外面にネジ部が設置され、前記ネジ部における前部、中央部及び後部には、それぞれ異なるピッチを有するネジが設置され、前記異なるピッチを有するネジは、異なる溶解階段にある金属粉末を異なる程度で攪拌しながら転送を行うためのものであり、前記ピッチ変化ボルトは、剛性軸継手に接続されるピン穴が第一方端に設置され、円錐状ヘッドが第二端に設置され、前記円錐状ヘッドには、スラリーを絞り出すための溝が設けられ、前記円錐状ヘッドとネジ部との間に段階が設置され、前記段階全体は錐形状とされ、段階における円錐状ヘッドと近い部分が円柱として構成され、段階におけるネジ部と近い部分が錐面とされ、前記ピッチ変化ボルトには、スラリーが還流するのを防ぐ逆止弁が取り付けられ、前記逆止弁は、円柱として構成され、前記ピッチ変化ボルトの段階の錐面と嵌合する錐形状穴が第一方端に設置され、円穴が第二端に設置され、円穴の直径がピッチ変化ボルト段階円柱構成の直径よりも大きいことから、スラリーをピッチ変化ボルトにおける円錐状ヘッドの方向へ転送する時に、逆止弁を前方へ押して円錐状ヘッドにおける周方向の溝より流し出し、スラリー貯蔵室のピストンがスラリーを加工成形装置へ流すように押す時に、逆止弁が反対方向に移動し、逆止弁の錐形状穴とピッチ変化ボルトにおける錐形状段階とが接触してスラリーが還流しないように制限する。
【0009】
生産の際には、金属粉末を金属粉末ホッパーよりスラリー製作筒体に入り、電磁気加熱ミキサーの作用により融解し、異なる溶解階段にある金属粉末に、異なる程度で攪拌して転送を完了させ、溶解しながら攪拌される金属粉末が半固体状になり始まり、ピッチ変化ボルトネジの作用により、直角転送筒体における第一方端に転送され、このとき、第一油圧シリンダーにおける油圧を変えて、デュアルヘッドピストンが軸方向に移動するように押し、ひいては、ピッチ変化ボルトを押すと共に、ピッチ変化ボルトの円錐状ヘッド側に取り付けられる逆止弁に結合し、半固体状のスラリーを直角転送筒体の第一方端から半固体状のスラリー貯蔵室へ押し出し、逆止弁によりスラリーがスラリー製作筒体へ還流するのを防ぎ、金属溶融体軸方向バルブにより、スラリーが半固体状スラリー貯蔵室から流出するのを防ぎ、電磁気加熱ミキサーは、半固体状の温度区間内における一定温度で攪拌し、スラリーの組織が均一に結晶するように、一定の時間だけ攪拌してから温度を維持し始め、最後、第二油圧シリンダーの油圧を変えて、第二油圧シリンダーの供給する圧力が金属溶融体軸方向バルブの抵抗力よりも大きいようにし、第二油圧シリンダーのピストンを押して、半固体状のスラリーを金属溶融体軸方向バルブから加工成形装置へ入る。
【0010】
好ましくは、前記直角転送筒体は、第一方端に、錐面と円柱面との結合する突出部が設置され、突出部は、周方向に、等間隔で分布され直角転送筒体とスラリー製作筒体を接続するための螺合穴が設置され、内部における端面と近い部分が円柱穴とされ、円柱穴の直径がスラリー製作筒体の内径と等しく、円柱穴と隣接する部分は、ピッチ変化ボルト円錐状ヘッドと一致する大きさの錐穴であり、直角転送筒体は、内部に、錐穴に接続される複数の円形流路穴が設置され、第二端に円台が設置され、前記円台は、軸方向に、スラリー貯蔵室に接続されるための四つの螺合穴が分布される。
【0011】
好ましくは、前記半固体状スラリー貯蔵室は、内部が半固体状のスラリーを貯蔵するための中空構成であり、円柱状突出部が出口端に設置され、前記円柱状突出部は、内部がシリンダー胴体の内部に連通する円穴であり、上部と二つの側部に、それぞれ金属溶融体逆止弁に接続され、直角転送筒体に接続されると共にスラリー貯蔵室端蓋に接続されるネジ穴が設置されており、前記スラリー貯蔵室は、内部にピストンが取り付けられ、前記ピストンのプッシュロッド部分の端部に、第二油圧シリンダーのピストンに螺合接続される円柱状突出部が設置される。
【0012】
好ましくは、前記金属溶融体軸方向バルブは、バルブハウジング、ボールスプラインスリーブ、スプラインゲージ、バルブ入口ストップスリーブ、ガイドロッド及びばねを含み、
前記バルブハウジングは、両端に、それぞれ、円柱状突出部が設置され、前記円柱状突出部は、軸方向に、等間隔で分布されるネジ穴が設置され、一方端がスラリー貯蔵室に接続され、第二端が半固体状のスラリーを加工成形装置に転送するための管路に接続され、前記バルブハウジングは、第一方端における内部に、周方向に分布される三つの長方形支持棒が設置され、三つの長方形支持棒は、前記バルブハウジングの円心に交差し、円心交差位置に、第三円柱状突出部が設置されており、前記第三円柱状突出部は、その内部が、貫通するネジ穴であり、
前記ボールスプラインスリーブは、内部の周方向に、三つのスプラインが設置され、一端の内部の底部に、ばねの揺動を限定するための円形凹溝が設置され、外部の底面に、外部がネジ構成であると共に内部が中空でありスプラインスリーブを貫通するボルトが設置され、前記ボルトは、前記バルブハウジングの第三円柱状突出部と嵌合して接続され、第三円柱状突出部における両側において、それぞれ、前記スプラインスリーブの突出部ボルトにナットが取り付けられ、前記ナットは、前記ボルトと、バルブハウジングにおける三つの支持棒の円柱状突出部との相対位置を位置決めし、ばねの弾性力の大きさを変えて、スプラインゲージの抵抗力を変え、
前記スプラインゲージは、その主体構成がスプライン軸であり、第一端が、曲面と円柱面形状からなる突出部であり、第二端における中央箇所に、ガイドロッドを取り付けるためのネジ穴が設置されると共に、ばねの揺動を限定するための凹溝付き突出部が設置され、
前記バルブ入口ストップスリーブは、第一端が、突出する薄いストップカラーであり、前記薄いストップカラーは、周方向において等間隔のネジ穴が分布され、バルブハウジングに取り付けられ、スプラインゲージと嵌合してスラリーが入出するように制御するための中空曲面凹溝が底部に設置され、
前記ガイドロッドは、スプラインゲージのネジ穴と嵌合するオネジが第一端に設置され、第二端が、取り付けされる際にスプラインスリーブにおけるネジ棒の内部に插入し、前記ガイドロッドは、軸方向に、一定の弾性係数を有するばねが取り付けられ、前記バルブが稼働する場合に、スラリーは、圧力が十分であるとバルブ入口に流れ込み、スプラインゲージを圧縮し、スプラインゲージは、軸方向に沿ってスプラインスリーブにおいてばねを圧縮し、ひいては、スラリーが流れ出すようにし、圧力が十分でないとばねが原状回復方向に移動して、バルブがオフになるようにスプラインゲージを押し、スプラインスリーブにおけるボルト及びその上に取り付けられる二つのナットを調節することにより、バルブハウジングの三つの支持棒の円柱状突出部に対する相対位置を変えて、ひいては、スラリーに対するバルブの抵抗力を変えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、従来技術に比べると、効果が以下の通りである。
(1)本発明では、半固体状のスラリーは、その品質が固相率、結晶粒度、結晶粒の形状などに影響され、生産された製品の性能の高さが直接に左右される。従来における半固体状成形技術は、先に、半固体状半完成品を生産し、次に、運送して二回目加熱してから、加工成形装置に送り込んで、製品を製造する。これは、半固体状成形技術による生産の効率を大幅に低下させてしまう。金属粉末により品質が高い半固体状のスラリーを連続的に製作し、生産されたスラリーを即時で加工成形装置に送り、生産率を高めることは、本発明が主に解決する技術的問題となる。
【0014】
(2)本発明に係る第一工程は、ピッチ変化ボルトとスラリー筒の外周に位置する電磁気加熱ミキサーを用いて、金属粉末を十分に均一に攪拌しながら加熱し、半固体状スラリーに対する一回目の攪拌加熱を実現する。第一工程を経て、第二工程に移行し、スラリーを、電磁気加熱ミキサーが取り付けられているスラリー貯蔵室に絞り出し、スラリーを二回目攪拌しながら一定の時間だけ保温し、半固体状スラリーにおける内部のデンドライトが第二工程において、均一に分布する球形状結晶に球状化するようにし、最後に、金属溶融体軸方向バルブと油圧シリンダーを用いて、スラリーを加工成形装置に送り込む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る構成全体の模式図の一例である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る第一油圧シリンダー及びその部品の分解図の一例である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るピッチ変化ボルトの立体構成の模式図の一例である。
【
図4a】本発明の一実施形態に係るスラリー製作筒体及びその部品の構成の模式図の一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るスラリー製作筒体の半分の断面を示す模式図の一例である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る半固体状スラリーの二回目攪拌保温部件の取り付け部の軸方向の側面図の一例である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る金属溶融体軸方向バルブの分解図の一例である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る金属溶融体軸方向バルブの半分の軸方向の側面図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る構成全体の模式図の一例である。係る構成は、主に、二つの部分が含まれる。第一部分は、スプラインモーター7、第一油圧シリンダー5及びデュアルヘッドピストン18と嵌合する遷移軸6、ピッチ変化ボルト2及びボルトと嵌合する逆止弁19、スラリー製作筒体1、外壁の電磁気加熱ミキサー9及び粉末供給ホッパー8を含む。第二部分は、第二油圧シリンダー16、半固体状スラリー貯蔵室12、ピストン14、電磁気加熱ミキサー13及び金属溶融体軸方向バルブ11を含む。二つの部分は、フレーム17を介して取り付けられると共に、直角転送筒体10を介して半固体状のスラリーを、第一部分におけるスラリー製作筒体1を第二部分における半固体状スラリー貯蔵室12に移転する。スプラインモーター7、第一油圧シリンダー5及びデュアルヘッドピストン18と嵌合する遷移軸6は、ホルダーを介して取り付けられ、ホルダーは、鉛直部と横方向の支持板を含み、鉛直部は、ボルトを介してフレーム17に固定され、スプラインモーター7、第一油圧シリンダー5及びデュアルヘッドピストン18と嵌合する遷移軸6は、横方向板に置かれる。
【0018】
図2は第一油圧シリンダー及びその部品の分解図の一例である。この構成は、ピッチ変化ボルトを前向きに移行させる押し力を提供するためのものであり、第一油圧シリンダー5、デュアルヘッドピストン18、アンギュラ玉軸受27、デュアルヘッドピストン端蓋4及びデュアルヘッドピストン穴に取り付けられる遷移軸6を含む。デュアルヘッドピストンは、両端が延出する中空油圧シリンダーであり、デュアルヘッドピストン端蓋を取り付けるためのオネジが両端に加工されている。遷移軸は、中央部分が粗いが両端が細い段階状軸であり、一方端に、剛性軸継手を介してピッチ変化ボルトに接続するための止めピン穴が設けられ、他方端に、スプラインモーター7に接続されてトルクを転送するためのスプラインが設けられる。遷移軸6は、デュアルヘッド油圧シリンダーピストン内に取り付けられ、両端にアンギュラ玉軸受27が取り付けられると共に、デュアルヘッドピストン端蓋4の作用により、デュアルヘッドピストン18に対する軸方向に移動する自由度を限定する。このような設計は、油圧シリンダーがピストンに掛ける軸方向力により、ピストン、遷移軸及び遷移軸と嵌合するピッチ変化ボルトが共に、軸方向に移動できるようにし、ひいては、半固体状の粉末を押し、スプラインモーター7がトルクを供給すると遷移軸6とピッチ変化ボルト2が回転するように連動してデュアルヘッドピストン18が回転しないようにする。
【0019】
図3は、ピッチ変化ボルト2の構成の模式図の一例であり、
図4aと
図4bは、スラリー製作筒体の構成の模式図の一例及びその断面図である。半固体状スラリーの初期の製作は、主に、剛性軸継手3を介して遷移軸6に接続されるピッチ変化ボルト2による。ピッチ変化ボルト2は、その外面において、前部、中央部及び後部に、ピッチがそれぞれ異なり、異なる溶解階段にある金属粉末を異なる程度で攪拌して転送機能を完了させるためのネジ200が加工される。ピッチ変化ボルト2は、一方端に、剛性軸継手3に取り付けられるためのピン穴が加工されており、他方端に、円錐状ヘッド201が設けられる。円錐状ヘッド201には、スラリーを絞り出すための四つの溝202が設けられ、円錐状ヘッドとネジとの間に段階203が設置されており、段階における円錐状ヘッドと近い部分は円柱形であり、ネジと近い部分が錐面であり、この錐面は、逆止弁19を取り付けることにより、スラリーを下層構成に絞り出す時、スラリー貯蔵室から加工成形装置へスラリーを出力する時に還流しないようにするためのものである。ピッチ変化ボルト2と嵌合する逆止弁19は、その外形が円柱として構成され、ピッチ変化ボルトにおける錐形状段階と嵌合する錐形状穴が一方端に設けられ、円穴の直径がピッチ変化ボルト2の方よりも大きいと共に、ピッチ変化ボルト2における円錐状ヘッドの底面の直径よりも少々大きい円柱段階が他方端に設けられる。このような逆止弁19は、その構成により、スラリーをピッチ変化ボルト2における円錐状ヘッドの方向に転送する時に逆止弁19を前向きに押し円錐状ヘッドにおける周方向の穴より流れ出し、スラリー貯蔵室12のピストンによりスラリーを加工成形装置に流すように押す時、逆止弁19が右へ移動し、その錐形状穴がピッチ変化ボルト2の錐形状段階と接触してスラリーが還流しないように制限する。
【0020】
図5は、スラリー製作筒体の一部の軸方向の側面図である。スラリー製作筒体1は、ピッチ変化ボルト2の外部に取り付けられ、その材料が比較的良い耐熱性と高強度を有する方が良く、耐熱鋼H11、H13、H21又はセラミック材料などが好ましい。右端面と近い箇所の外壁には、金属粉末ホッパー8を取り付けるための中空の円柱状突出部が取り付けられ、右端面における周方向には、中空端蓋15に接続されることにより閉鎖の役割を果たし、等間隔で分布されるネジ穴が設けられる。左端には、曲面と円柱面とからなる突出部が設けられ、円柱状突出部は、その直径が比較的大きいと共に周方向において等間隔で分布される螺合穴が設けられ、螺合穴は、半固体状スラリーを下部貯蔵室に移転するための直角転送筒体10に接続されるためのものである。スラリー製作筒体1はその外壁に、均一に電磁気加熱ミキサー9を設置することにより、ピッチ変化ボルト2により攪拌しながら転送される粉末の温度と固体と液体の状態を制御する。スラリー製作筒体1に接続される直角転送筒体10は、錐面と円柱面とからなる突出部が一方端に設けられ、円柱状突出部は、周方向に、スラリー製作筒体1に接続されるための、等間隔で分布される螺合穴が設けられ、突出部は、内部における端面と近い部分が円柱穴であり、直径がスラリー製作筒体1の内径と等しく、隣接する部分は、ピッチ変化ボルト2における円錐状ヘッドの大きさと一致する錐穴であり、スラリー継手における残りの内部構成は、一定の大きさの円形流路穴である。直角転送筒体10は、他方端に円台が設けられ、スラリー貯蔵室12に接続されるための軸方向に四つの螺合穴が分布される。
【0021】
図6は、半固体状スラリーの二回目攪拌保温部件の取り付け部の軸方向の側面図の一例である。半固体状スラリー貯蔵室12は、内部が、半固体状スラリーを貯蔵するための中空構成であり、一方端に円柱状突出部が設けられ、内部は、シリンダー胴体内部と連通する円穴であり、その周方向において、金属溶融体逆止弁と接続されるためのネジ穴が等間隔で分布され、左端面と近いシリンダー胴体の外壁に円柱状突出部が設けられ、その内部は、シリンダー胴体内部に連通する円穴であり、その周方向において、直角転送筒体10に接続されるためのネジ穴が等間隔で分布される。右端面には、周方向において、同様に、周方向においてネジ穴中心である円柱穴が設けられるスラリー貯蔵室端蓋と逆止弁に接続される、ネジ穴が設けられる。スラリー貯蔵室は、その内部に、ピストンが取り付けられ、ピストンにおけるプッシュロッド部分の端部に、円柱状突出部が設けられ、突出部における内部にネジ穴が設けられ、ネジ穴は、スラリー貯蔵室ピストンを押すための油圧シリンダーピストンに接続され、ひいては、油圧シリンダーピストンの作用により、スラリー貯蔵室ピストンを押して、半固体状スラリーを半固体状加工成形装置に絞り出す。半固体状スラリー貯蔵室12は、外部に電磁気加熱ミキサー13が取り付けられ、電磁気加熱ミキサー13は、二回目で攪拌し、ピッチ変化ボルト2を介して、半固体状スラリー加熱しながら攪拌され、十分にリボン結晶に打ち砕くと共に、熱量を半固体状スラリー貯蔵室12に供給して半固体状スラリーを適当的に保温する。
【0022】
図7は、金属溶融体軸方向バルブの取り付け部の分解図の一例であり、
図8は、金属溶融体軸方向バルブ11の半部の軸方向の側面図の一例である。金属溶融体軸方向バルブ11は、バルブハウジング20、ボールスプラインスリーブ25、スプラインゲージ22、バルブ入口ストップスリーブ21、ガイドロッド23及びばね24を含む。バルブハウジング20は、両端に、それぞれ、円柱状突出部が設けられ、突出部における軸方向に、等間隔で分布されるネジ穴が設けられ、突出部における第一端は、半固体状スラリー貯蔵室12に接続され、第二端が半固体状スラリーを最終成形装置に転送するための管路に接続される。バルブハウジング20における一端の内部には、周方向に分布される三つの長方形支持棒が設けられ、三つの支持棒は、バルブハウジング20の円心に交差して、円心の交差部に、円柱状突出部が設けられる。突出部は、内部が、貫通のネジ穴である。ボールスプラインスリーブ25は、内部の周方向に、三つのスプライン251であり、スプラインにおける両端が閉鎖され中央がホルダーにより固定されると共に、連続されるボールからなり、ボールスプラインスリーブ25における他端の内部は、底面に、ばねの揺動を限定するための円形凹溝が設けられ、外部の底面に、外部がネジ構成であり、内部が中空でありボールスプラインスリーブを貫通するボルト26が設けられ、この部分は、バルブハウジング20における三つの支持棒の円柱状突出部に嵌合して接続され、バルブハウジング20における三つの支持棒の円柱状突出部は、両側において、それぞれ、ボールスプラインスリーブの突出部ボルトにナットが取り付けられ、ナットは、ボルトとバルブハウジング20における三つの支持棒上の円柱状突出部との相対位置を位置決め、ばねの弾力の大きさを変えて、スプラインゲージ22の抵抗力を変える。スプラインゲージ22における主体構成は、スプライン軸であり、スプライン軸における第一方端に、曲面と円柱面からなり突出部が設けられ、その第二端における中央箇所には、ガイドロッドを取り付けるためのネジ穴が設けられ、さらに、ばねの揺動を限定するための凹溝付けの突出部がある。バルブ入口ストップスリーブ21における一端には、突出する薄いストップカラーが設けられ、周方向において等間隔で分布されるネジ穴は、バルブハウジングに取り付けられ、底部には、スプラインゲージ22と嵌合して制御スラリーが入出するように制御するためのものであって、バルブの入口となる中空の曲面凹溝が設けられる。ガイドロッドにおける第一端には、スプラインゲージ22のネジ穴と嵌合するためのオネジが設けられ、ガイドロッドにおける第二端は、取り付けられる場合に、ボールスプラインスリーブのネジ棒の内部に挿入され、ガイドロッドにおける軸方向において、一定の弾性係数を有するばねが取り付けられ、バルブが作動する場合に、スラリーは、その圧力が十分である場合にバルブ入口圧縮スプラインゲージ22に流れ込み、スプラインゲージが軸方向に沿ってスプラインスリーブ内にばねを圧縮し、ひいては、スラリーが流れ出すようにし、スラリーの圧力が十分でない場合に、ばねが原状回復の方向へ動き、スプラインゲージを押して、バルブがオフになるようにする。スプラインスリーブにおけるボルト及びそれに取り付けられる二つのナットを調節することにより、バルブハウジングにおける三つの支持棒の円柱状突出部に対する相対位置を変え、ひいては、バルブ対スラリーの抵抗力を変えることができる。
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る作動の原理を詳しく説明する。
【0024】
金属粉末は、粉末供給ホッパー8よりスラリー製作筒体1へ入り、電磁気加熱ミキサー9が内部の粉末を加熱しながら、スプラインモーター7が一定の速度で回転し(具体的な加熱温度とモーターの回転速度は、具体的な金属粉末の性能により定まる)、スプラインモーターの出力端に接続されると共にデュアルヘッドピストン18を貫通する遷移軸6は、モーターの駆動により回転しながら、ピッチ変化ボルト2により、デュアルヘッドピストン、遷移軸6及びそれに位置する部品が回転するように連動する。この構成の設計と分布により、デュアルヘッドピストンが回転しないでも第一油圧シリンダー5における内部の油圧に影響を与えることはない。ピッチ変化ボルト2における外面に加工された前部、中央及び末端に、ピッチがそれぞれ異なるネジにより、異なる溶解階段にある金属粉末を異なる程度で攪拌しながら転送機能を完了させ、溶解しながら攪拌される金属粉末は半固体状になり始め、ピッチ変化ボルトネジの作用により直角転送筒体10の先端に転送され、このとき、第一油圧シリンダー5における油圧を用いて、デュアルヘッドピストン18が軸方向に移動するように連動し、ひいては、ピッチ変化ボルト2を押し、ピッチ変化ボルト2における円錐状ヘッド端に取り付けられる逆止弁19に結合し、半固体状のスラリーを直角転送筒体10の先端から半固体状スラリー貯蔵室12に押し込み、逆止弁19は、スラリーがスラリー製作筒体1に還流することを防ぎ、金属溶融体軸方向バルブ11は、その内部の機械抵抗力により、スラリーがスラリー貯蔵室12から流れ出すことを防ぎ、電磁気加熱ミキサー13は、一定の温度で攪拌し始め、一定時間だけ攪拌して保温し、スラリーの組織を均一に結晶化させるようにする。最後、第二油圧シリンダー16の油圧を変えて、提供する圧力が金属溶融体軸方向バルブ11の抵抗力よりも大きいようにし、ピストン14を押し、半固体状スラリーを、金属溶融体軸方向バルブ11を介して具体的な半固体状加工成形装置に押す。
【0025】
具体的な製作の過程では、異なる金属粉末が異なる液相線を有し、同系合金でも一つ又は複数の成分のパーセントが変化することにより、液相線が著しく変化することになり、金属粉末半固体状スラリー製作装置の加熱温度、保温時間及びボルトの押し力並びに攪拌力は、いずれも、異なる金属粉末の液相線、半固体状温度区間及び異なる温度時の液相粘度などの物性並びに熱力学変数と一緒に決められており、また、異なる金属粉末材料における実際の加工試験におけるプロセスの性能を参照しながら、当該装置について具体的な製作パラメータを設置することが必要であり、本願が構成を設計するものであることから、ここで省略する。
【0026】
以上に説明した実施例は、本発明における好ましい実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明に係る設計の趣旨を逸脱しない限り、当業者は、本発明の技術的手段について様々な変形や改良を行うことが可能であり、それらは、いずれも、本発明の特許請求の範囲による保護範囲に含まれる。
【要約】
【課題】結晶の粒度が小さく、結晶粒が均一に分布しながら固相率が制御可能であり、品質が高い、半固体状のスラリーを生産できると共に、スラリーを製作する直後に、自体が付く転送構成を介して加工成形装置に入れて、半固体状のスラリーを製作して成形することが一足飛びに済み、しかも、半固体状のスラリーを製作することが連続的なものであり、加工成形装置が高い効率で生産するように保証することができる金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置を提供する。
【解決手段】本発明は、フレーム、スプラインモーター、第一油圧シリンダー、遷移軸、ピッチ変化ボルト、スラリー製作筒体、直角転送筒体、半固体状スラリー貯蔵室、電磁気加熱ミキサー及び第二油圧シリンダーを含む、金属粉末により半固体状のスラリーを連続的に製作する装置を提供する。本発明に係る第一工程は、ピッチ変化ボルトとスラリー製作筒体の外周に位置する電磁気加熱ミキサーを用いて、金属粉末を十分に均一に攪拌しながら加熱し、半固体状スラリーに対する一回目攪拌加熱を実現し、第一工程を経て、第二工程に移行し、スラリーを、電磁気加熱ミキサーが取り付けられているスラリー貯蔵室に絞り出し、スラリーを二回目攪拌しながら一定の時間だけ保温し、半固体状スラリーにおける内部のデンドライトが第二工程において、均一に分布する球形状結晶に球状化するようにし、最後に、金属溶融体軸方向バルブと油圧シリンダーを用いて、スラリーを加工成形装置に送り込む。
【選択図】
図1