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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】新規糖尿病治療剤
(51)【国際特許分類】
   C07C 281/06 20060101AFI20220203BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220203BHJP
   A61K 31/175 20060101ALI20220203BHJP
   C07C 337/06 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
C07C281/06 CSP
A61P3/10
A61K31/175
C07C337/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017163122
(22)【出願日】2017-08-28
(65)【公開番号】P2018039795
(43)【公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2016170346
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000228545
【氏名又は名称】JCRファーマ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(73)【特許権者】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
(74)【代理人】
【識別番号】100128897
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 佳希
(72)【発明者】
【氏名】清野 進
(72)【発明者】
【氏名】菅原 健二
(72)【発明者】
【氏名】森 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 明郎
(72)【発明者】
【氏名】霊園 良恵
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-211840(JP,A)
【文献】特表2006-517199(JP,A)
【文献】特表2005-532402(JP,A)
【文献】国際公開第2004/106289(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0142285(US,A1)
【文献】PACILLY, C.,The action of aliphatic isocyanates on hydrazine derivatives,Recueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas,1936年,Vol.55, No.2,pp.101-121,doi:10.1002/recl.19360550203
【文献】REGISTRY(STN)[ONLINE],2003年04月15日,CAS登録番号:502969-01-9 retrieved on 2021.1.12
【文献】REGISTRY(STN)[ONLINE],1987年02月07日,CAS登録番号:106437-84-7 retrieved on 2021.1.12
【文献】REGISTRY(STN)[ONLINE],2002年09月26日,CAS登録番号:455309-99-6 retrieved on 2021.1.12
【文献】REGISTRY(STN)[ONLINE],2006年08月23日,CAS登録番号:903805-03-8 retrieved on 2021.1.12
【文献】GINWALA, K. et al.,Synthesis of 1,1-diphenyl 4-substituted thiosemicarbazides,Current Science,1963年,Vol.32, No.4,pp.159-160
【文献】SCOTT, F.,Polynitrogen systems from the hydrazinocarbonic acids. V. Aminolytic reactions of N,N-diphenylcarbamyl azide,Journal of the American Chemical Society,1957年,Vol.79,pp.6077-6082
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[IV]:
【化4】

〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R5は,酸素原子又は硫黄原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,化合物。
【請求項2】
一般式[V]:
【化5】

〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式[VI]:
【化6】

〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
一般式[VII]:
【化7】

〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R5は,酸素原子又は硫黄原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
一般式[VIII]:
【化8】

〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
一般式[IX]:
【化9】

〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
該一般式[IV]~[IX]において,R3がカルボキシル基又はその塩である,請求項1~6の何れかに記載の化合物。
【請求項8】
該一般式[IV]~[IX]において,該塩が,ナトリウム塩又はカリウム塩である請求項1~7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
該塩が,ナトリウム塩である請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式[X]:
【化10】

〔式中,カルボキシル基と1,1-ジフェニルセミカルバジド基とは,シス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項5に記載の化合物又はその塩である化合物。
【請求項11】
式[XI]:
【化11】

〔式中,カルボキシル基と1,1-ジフェニルセミカルバジド基とは,シス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,請求項6に記載の化合物又はその塩である化合物。
【請求項12】
式[XII]:
【化12】

で表わされる,請求項10に記載の化合物又はその塩である化合物。
【請求項13】
式[XIII]:
【化13】

で表わされる,請求項11に記載の化合物又はその塩である化合物。
【請求項14】
該塩が,ナトリウム塩又はカリウム塩である,請求項10~13の何れかに記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,持続的な低血糖症等の副作用の発生を抑制することのできる新たな糖尿病の治療剤に関する。詳しくは,有効成分が1,1-ジフェニルセミカルバジド又は1,1-ジフェニルチオセミカルバジドの誘導体であることを特徴とする糖尿病の治療剤,例えば,有効成分が1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジド又は1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-チオセミカルバジドの誘導体であることを特徴とする,糖尿病の治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
2型糖尿病は,膵β細胞からのインスリンの分泌不全と,肝臓,脂肪組織及び筋肉を含む組織のインスリン感受性の低下を特徴とする疾患である。膵β細胞からのインスリンの分泌を促進し,組織におけるインスリン感受性を改善する薬効を有する,種々の糖尿病治療薬が開発されている。インスリン分泌促進剤としては,スルホニルウレア(SU剤),グリニド系薬剤,インクレチン関連薬等が,インスリンの分泌不全を伴う2型糖尿病の治療薬として臨床応用されている(非特許文献1)。これらの中で,スルホニルウレアが最も汎用されている。
【0003】
膵β細胞にはATP感受性カリウムチャネル(KATPチャネル)が発現している。KATPチャネルは,孔形成サブユニットであるKir6.2と,制御サブユニットであるSUR1とから構成されている(非特許文献2-4)。SUR1はスルホニルウレア及びグリニド系薬剤の受容体でもある。
【0004】
スルホニルウレア及びグリニド系薬剤は,SUR1に結合することにより,KATPチャネルを閉鎖させる。これにより膵β細胞膜が脱分極され,更に,電位依存性カルシウムチャネル(VDCCs)が解放されてカルシウムイオンが流入し,膵β細胞内におけるカルシウムイオン濃度が上昇し,インスリン分泌が誘導される(非特許文献5-8)。
【0005】
スルホニルウレアは,KATPチャネルを閉鎖させる機能に加えて,膵β細胞内においてインスリン分泌を刺激するシグナル分子であるEpac2A/Rap1を直接活性化する機能も有する(非特許文献9,10,特許文献1)。スルホニルウレアによるEpac2Aの活性化は,スルホニルウレアとcAMPとの協調により引き起こされる(非特許文献11)。
【0006】
スルホニルウレア及びグリニド系薬剤は,2型糖尿病の治療薬として汎用されている。しかし,これらの薬剤はインスリンの分泌促進という治療効果を有する一方で,副作用として持続的な低血糖症を引き起こす場合がある。その原因は,これら薬剤が生体内で安定であるため,その作用が長期に持続することにあると考えられている(非特許文献12)。糖尿病患者の中でも,特に老人と腎不全を伴う患者に,副作用の生じる傾向は強い。従って,低血糖症等の副作用の発生率が低い,2型糖尿病薬剤の新たな薬剤が臨床的に求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2010/119693号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Stein SA. et al., Expert Opin Drug Saf. 12. 153-75 (2013)
【文献】Inagaki N. et al., Science. 270. 1166-70 (1995)
【文献】Sakura H. et al., FEBS letters. 367. 193-7 (1995)
【文献】Seino S. Annu Rev Physiol. 61. 337-62 (1999)
【文献】Ashcroft FM. et al., Prog Biophys Mol Biol. 54. 87-143 (1999)
【文献】Aguilar-Bryan L. et al., Endocr Rev. 20. 101-35 (1999)
【文献】Henquin JC. et al., Diabetes. 49. 1751-60 (2000)
【文献】Seino S. et al., Prog Biophys Mol Biol. 81. 133-76 (2003)
【文献】Zhang CL. et al., Science. 325. 607-10 (2009)
【文献】Takahashi T. et al., Sci Signal. 6. Ra94. (2013)
【文献】Takahashi H. et al., Diabetes. 64. 1262-72 (2015)
【文献】Nyenwe EA. et al., Metabolism. 60. 1-23 (2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は,スルホニルウレア及びグリニド系薬剤等の薬剤に認められる持続的な低血糖症等の副作用の発生を抑制することのできる,2型糖尿病の治療剤として使用し得る新規な経口血糖降下剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的に向けた研究において,本発明者らは,血中での半減期が比較的短く,且つ,膵β細胞からのインスリンの分泌を促進する活性を有する新規化合物を見出し,本発明を完成した。すなわち,本発明は以下を含むものである。
1.一般式[I]:
【化1】
(式中,R1は,シクロヘキシル基又はその誘導体,若しくは,CH3-(CH2)n-(n=1~8)のアルキル基を表す。R2は,酸素原子又は硫黄原子を表す。),で表わされる,化合物。
2.一般式[II]:
【化2】
(式中,R1は,シクロヘキシル基又はその誘導体,若しくは,CH3-(CH2)n-(n=1~8)のアルキル基を表す。),で表わされる,上記1に記載の化合物。
3.一般式[III]:
【化3】
(式中,R1は,シクロヘキシル基又はその誘導体,若しくは,CH3-(CH2)n-(n=1~8)のアルキル基を表す。),で表わされる,上記1に記載の化合物。
4.該シクロヘキシル基の誘導体が,
(1)シクロヘキシル環上の1個の水素が,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換されたもの,又はその塩,
(2)シクロヘキシル環上の2個の水素が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシエチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換されたもの,又はその塩,
(3)シクロヘキシル環上の3個の水素が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換されたもの,又はその塩,
(4)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素原子の1個~3個が,窒素原子に置換されたもの,
(5)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素原子の1個が,窒素原子に置換されたもの,
(6)上記(4)の置換と上記(1)~(3)のいずれかの置換とを組み合わせたもの,及び
(7)上記(5)の置換と上記(1)~(3)のいずれかの置換とを組み合わせたもの,
からなる群から選択されるものである,上記1~3の何れかに記載の化合物。
5.該塩が,ナトリウム塩又はカリウム塩である,上記4の化合物。
6.一般式[IV]:
【化4】
〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R5は,酸素原子又は硫黄原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記1に記載の化合物。
7.一般式[V]:
【化5】
〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記6に記載の化合物。
8.一般式[VI]:
【化6】
〔式中,R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記6に記載の化合物。
9.一般式[VII]:
【化7】
〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R5は,酸素原子又は硫黄原子を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記6に記載の化合物。
10.一般式[VIII]:
【化8】
〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記9に記載の化合物。
11.一般式[IX]:
【化9】
〔式中,R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記9に記載の化合物。
12.該一般式[IV]~[IX]において,R3がカルボキシル基又はその塩である,上記6~11の何れかに記載の化合物。
13.該一般式[IV]~[IX]において,該塩が,ナトリウム塩又はカリウム塩である上記6~12の何れかに記載の化合物。
14.該塩が,ナトリウム塩である上記13に記載の化合物。
15.式[X]:
【化10】
〔式中,カルボキシル基と1,1-ジフェニルセミカルバジド基とは,シス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記10に記載の化合物又はその塩である化合物。
16.式[XI]:
【化11】
〔式中,カルボキシル基と1,1-ジフェニルセミカルバジド基とは,シス(cis-)又はトランス(trans-)に配位する。〕,で表わされる,上記11に記載の化合物又はその塩である化合物。
17.式[XII]:
【化12】
で表わされる,上記15に記載の化合物又はその塩である化合物。
18.式[XIII]:
【化13】
で表わされる,上記16に記載の化合物又はその塩である化合物。
19.該塩が,ナトリウム塩又はカリウム塩である,上記15~18の何れかに記載の化合物。
20.一般式[XXI]:
【化21】
〔式中,nはアルキル鎖長を示す2~6の整数である。R6は,酸素原子又は硫黄原子を表す。〕,で表わされる,上記1に記載の化合物。
21.一般式[XXII]:
【化22】
〔式中,R6は,酸素原子又は硫黄原子を表す。〕で表わされる,上記20に記載の化合物。
22.上記1~21の何れかに記載の化合物を有効成分として含有してなる,医薬組成物。
23.糖尿病の治療に用いられるものである,上記22に記載の医薬組成物。
24.該糖尿病が,2型糖尿病である,上記23に記載の医薬組成物。
25.スルホニルウレア系の投与により持続的な低血糖症を示した患者の治療に用いられるものである,上記22~24の何れかに記載の医薬組成物。
26.経口投与により投与されるものである,上記22~25の何れかに記載の医薬組成物。
27.1回の投与量が1~100mg/kg体重である,上記22~26の何れかに記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば,持続的な低血糖症等の副作用が軽減された,2型糖尿病の治療剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】MIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験の結果を示す図。縦軸は分泌したインスリンのコントロールに対する相対量を示す。横軸は試験化合物の濃度を示す。白バーはC8,黒バーはDSC108を試験化合物としたときの値を示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。アスタリスクはP<0.05,二重アスタリスクはP<0.01の優意差(アンペアード・スチューデントt検定)を示す。
図2】マウスを用いたインスリン分泌刺激試験の結果を示す図。縦軸は還流液中に含まれるインスリンの濃度(ng/mL)を示す。横軸は,還流開始後の経過時間(分)を示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。
図3】細胞内カルシウムイオン濃度の測定結果を示す図。縦軸は(340 nmの蛍光光度/380 nmの蛍光光度)の値を示す。横軸はDSC108添加後の経過時間(分)を示す。黒丸は30 μMのDSC108,黒四角は10 μMのDSC108,黒三角は3 μMのDSC108を添加したときの測定値をそれぞれ示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。
図4】[3H]グリベンクラミド競合試験の結果を示す図。縦軸はコントロールを100%としたときのMIN6-K8細胞への[3H]グリベンクラミドの結合量(%)を示す。横軸は添加したDSC108-Naの濃度のlog値(M)を示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。
図5】DSC108-Naの血中濃度の測定結果を示す図。縦軸は試験化合物の血漿中の濃度(μM)を示す。横軸は試験化合物を投与後の経過時間(分)を示す。黒丸はDSC108-Naの濃度(μM),白丸はグリクラジドの濃度(μM)をそれぞれ示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。
図6】野生型マウスを用いた血糖降下作用の測定結果を示す図。縦軸は血中グルコース濃度(mg/dL)を示す。横軸はDSC108-Naを投与後の経過時間(分)を示す。白丸はビークル投与群(コントロール群),黒四角は10 mg/kg体重投与群,黒三角は30 mg/kg体重投与群,黒丸は100 mg/kg体重投与群の測定値をそれぞれ示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。アスタリスクはP<0.05,二重アスタリスクはP<0.01の優意差(ダネットの検定)を示す。
図7】2型糖尿病モデルラットを用いた血糖降下作用の測定結果を示す図。縦軸は血漿中のインスリン濃度(ng/mL)を示す。横軸は,DSC108-Naを投与後の経過時間(分)を示す。白丸はビークル投与群,黒丸はDSC108-Na投与群の測定値をそれぞれ示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。アスタリスクはt検定でP<0.05(ペアード・スチューデントt検定)の優意差を示す。
図8】2型糖尿病モデルラットを用いた血糖降下作用の測定結果を示す図。縦軸は血中グルコース濃度(mg/dL)を示す。横軸は,DSC108-Naを投与後の経過時間(分)を示す。白丸はビークル投与群,黒丸はDSC108-Na投与群の測定値をそれぞれ示す。各測定値の縦線は標準偏差を示す。アスタリスクはP<0.05の優意差(ペアード・スチューデントt検定)を示す。
図9】各種1,1-ジフェニルセミカルバジドの誘導体のMIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験の結果を示す図。縦軸は分泌したインスリンのコントロールに対する相対量を示す。横軸上の番号は,表1に示す化合物の番号に対応する。各測定値の縦線は標準偏差を示す。
図10】DSC108及びそのナトリウム塩の製造法の一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
「セミカルバジド」は,化学式(14)で示される物質であり,「チオセミカルバジド」は,化学式(15)で示される物質である。スルホニルウレアは,インスリン分泌を促進する物質として2型糖尿病の治療剤として使用されている。スルホニルウレアは化学式(16)で示されるスルホニルウレア構造(S‐フェニルスルホニルウレア構造)を有する。従って,スルホニルウレアは,セミカルバジドの誘導体であるということができる。
【0014】
【化14】
【0015】
【化15】
【0016】
【化16】
【0017】
本発明に係る化合物は,スルホニルウレアがセミカルバジドの誘導体であることに着目し,インスリン分泌促進活性を有する候補物質をスクリーニングすることにより得られたものである。すなわち,本発明の化合物は,セミカルバジド又はチオセミカルバジドの誘導体である。
【0018】
更に詳しくは,本発明のセミカルバジド誘導体は,化学式(17)で示される1,1-ジフェニルセミカルバジドの誘導体である。なお,本発明において,化学式(17)のR1を除いた部分を1,1-ジフェニルセミカルバジド基という。
【0019】
【化17】
【0020】
化学式(17)において,R1に特に限定はないが,シクロヘキシル基又はその誘導体が好適である。シクロヘキシル基の誘導体としては,
(1)シクロヘキシル環上の1個の水素原子が,カルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(2)シクロヘキシル環上の2個の水素原子が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(3)シクロヘキシル環上の3個の水素原子が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(4)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素のうち,1個~3個の炭素が窒素に置き換わったもの,
(5)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素のうち,1個の炭素が窒素に置き換わったもの,
(6)上記(4)と上記(1)~(3)のいずれかとを組み合わせたもの,
(7)上記(5)と上記(1)~(3)のいずれかとを組み合わせたもの,又はこれらの塩が挙げられる。ここで塩としては,ナトリウム塩又はカリウム塩が好適であり,ナトリウム塩がより好適であるが,これらに限られるものではない。又,シクロヘキシル環上において,水素と置換される基は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基をエクアトリアル位に結合させたときに,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまり,これらの基は,シクロヘキシル環上において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基に対して,シス(cis-)に配位してもよく,トランス(trans-)に配位してもよい。
【0021】
セミカルバジド誘導体のより具体的な形態として,化学式(17)において,R1が,シクロヘキシル基,3-カルボキシシクロヘキシル基,4-カルボキシシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシメチルシクロヘキシル基,4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシメチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシメチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシメチルシクロヘキシル基,3-カルボキシエチルシクロヘキシル基,4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシエチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシエチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシエチルシクロヘキシル基,3-カルボキシプロピルシクロヘキシル基,4-カルボキシプロピルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシプロピルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシプロピルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシプロピルシクロヘキシル基,3-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシペンチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシペンチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシブチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-カルボキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシブチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシペンチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシシクロヘキシル基,4-ヒドロキシシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシシクロヘキシル基,3,4-ジヒドロキシシクロヘキシル基,2,4,6-トリヒドロキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチルシクロヘキシル基,4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,3,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(5-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(5-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(5-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(5-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-スルホシクロヘキシル基,4-スルホシクロヘキシル基,2,4-スルホシクロヘキシル基,2,4-スルホシクロヘキシル基,3,4-ジスルホシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジスルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,からなる群から選択される何れかの基,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,ナトリウム塩又はカリウム塩が好適であり,ナトリウム塩がより好適であるが,これらに限られるものではない。又,シクロヘキシル環上の基は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基をアキシアル位に結合させたときに,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまり,これらの基は,シクロヘキシル環上において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基に対して,シス(cis-)に配位してもよく,トランス(trans-)に配位してもよい。
【0022】
本発明のセミカルバジド誘導体の好適な形態として,化学式(17)において,R1がシクロヘキシル基である,化学式(18)で示される1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジドがある。
【0023】
【化18】
【0024】
本発明のセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(5)で示されるものがある。ここで、R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりR3は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよい。
【0025】
【化5】
【0026】
本発明のセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(8)で示されるものがある。ここで、R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりR3は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよい。
【0027】
【化8】
【0028】
本発明のセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(17)において,R1が4-カルボキシシクロヘキシル基である,化学式(10)で示される,1,1-ジフェニル-4-(4-カルボキシシクロヘキシル)-セミカルバジドがある。ここで,カルボキシ基は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりカルボキシ基は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよいが,好適には,化学式(12)で示されるようにシス(cis-)に配位する。
【0029】
【化10】
【0030】
【化12】
【0031】
化学式(10),(12),(17)及び(18)で示されるセミカルバジド誘導体において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基中のフェニル基の水素原子を官能基に置換することもできる。化学式(23)は,1,1-ジフェニルセミカルバジド基中の2つフェニル基のそれぞれ1個の水素原子を置換したものであり,式中のXとYは互いに独立した官能基(置換基)を示す。但し,化学式(23)において,X又はYの何れか一方のみが官能基に置換したものであっても,XとYの両方が官能基に置換したものであってもよい。
【0032】
【化23】
【0033】
化学式(23)においてX及びYで示される官能基として好適なものとして,カルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,特に限定はないが,ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく,特にナトリウム塩が好ましい。
【0034】
本発明のチオセミカルバジド誘導体は,化学式(19)で示される1,1-ジフェニルチオセミカルバジドの誘導体である。なお,本発明において,化学式(19)のR1を除いた部分を1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基という。
【0035】
【化19】
【0036】
化学式(19)において,R1に特に限定はないが,シクロヘキシル基又はその誘導体が好適である。シクロヘキシル基の誘導体としては,
(1)シクロヘキシル環上の1個の水素原子が,カルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(2)シクロヘキシル環上の2個の水素原子が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(3)シクロヘキシル環上の3個の水素原子が,それぞれカルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基に置換したもの(特に,メタ位(m-)又はパラ位(p-)の水素がこれらの基に置き換わったもの),又はこれらの塩,
(4)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素のうち,1個~3個の炭素が窒素に置き換わったもの,
(5)シクロヘキシル環を構成する6個の炭素のうち,1個の炭素が窒素に置き換わったもの,
(6)上記(4)と上記(1)~(3)のいずれかとを組み合わせたもの,
(7)上記(5)と上記(1)~(3)のいずれかとを組み合わせたもの,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,ナトリウム塩又はびカリウム塩が好適であり,ナトリウム塩がより好適であるが,これらに限られるものではない。又,シクロヘキシル環上において,これらの基は,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基をエクアトリアル位に結合させたときに,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまり,これらの基は,シクロヘキシル環上において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基に対して,シス(cis-)に配位してもよく,トランス(trans-)に配位してもよい。
【0037】
チオセミカルバジド誘導体のより具体的な形態として,化学式(19)において,R1が,シクロヘキシル基,3-カルボキシシクロヘキシル基,4-カルボキシシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシメチルシクロヘキシル基,4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシメチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシメチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシメチルシクロヘキシル基,3-カルボキシエチルシクロヘキシル基,4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシエチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシエチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシエチルシクロヘキシル基,3-カルボキシプロピルシクロヘキシル基,4-カルボキシプロピルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシプロピルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシプロピルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシプロピルシクロヘキシル基,3-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,2,4-ジカルボキシペンチルシクロヘキシル基,3,4-ジカルボキシペンチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリカルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシブチルシクロヘキシル基,3-カルボキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-カルボキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシブチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-カルボキシペンチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシシクロヘキシル基,4-ヒドロキシシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシシクロヘキシル基,3,4-ジヒドロキシシクロヘキシル基,2,4,6-トリヒドロキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチルシクロヘキシル基,4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,3,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2,4,6-トリヒドロキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシメチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-ヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-ヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジヒドロキシエチル-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシプロピル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシプロピル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシブチル)シクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシブチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(1-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(1-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(2-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(2-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(3-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(3-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(4-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(4-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-(5-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,4-(5-ヒドロキシペンチル)シクロヘキシル基,3-(5-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,4-(5-ヒドロキシペンチル)-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-スルホシクロヘキシル基,4-スルホシクロヘキシル基,2,4-スルホシクロヘキシル基,2,4-スルホシクロヘキシル基,3,4-ジスルホシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシメチルシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,3,5-ジスルホ-4-カルボキシエチルシクロヘキシル基,2-スルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,3-スルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,及び3,5-ジスルホ-4-カルボキシペンチルシクロヘキシル基,からなる群から選択される何れかの基,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,ナトリウム塩又はカリウム塩が好適であり,ナトリウム塩がより好適であるが,これらに限られるものではない。又,シクロヘキシル環上の基は,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基をエクアトリアル位に結合させたときに,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまり,これらの基は,シクロヘキシル環上において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基に対して,シス(cis-)に配位してもよく,トランス(trans-)に配位してもよい。
【0038】
本発明のチオセミカルバジド誘導体の好適な形態として,化学式(19)において,R1がシクロヘキシル基である,化学式(20)で示される1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-チオセミカルバジドがある。なお,本発明において,化学式(20)で示される化合物を,特にC8という。
【0039】
【化20】
【0040】
本発明のチオセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(6)で示されるものがある。ここで、R3及びR4は,互いに独立して,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基,アセチル基及び水素原子又はその塩からなる群から選択される何れかの基又は原子を表す。R3は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりR3は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよい。
【0041】
【化6】
【0042】
本発明のセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(9)で示されるものがある。ここで、R3は,カルボキシル基,カルボキシメチル基,カルボキシペンチル基,ヒドロキシ基及びアセチル基又はその塩からなる群から選択される何れかの基を表す。R3は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりR3は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよい。
【0043】
【化9】
【0044】
本発明のチオセミカルバジド誘導体の更なる好適な形態として,化学式(19)において,R1が4-カルボキシシクロヘキシル基である,化学式(11)で示される,1,1-ジフェニル-4-(4-カルボキシシクロヘキシル)-チオセミカルバジドがある。ここで,カルボキシ基は,シクロヘキシル環において,アキシアル位に結合してもよく,エクアトリアル位に結合してもよい。つまりカルボキシ基は,シクロヘキシル環において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基とシス(cis-)に配位してもよくトランス(trans-)に配位してもよいが,好適には,化学式(13)で示されるようにシス(cis-)に配位する。なお,本発明において,化学式(13)で示される化合物を,特にDSC108といい,そのナトリウム塩をDSC108-Naという。
【0045】
【化11】
【0046】
【化13】
【0047】
化学式(11),(13),(19)及び(20)で示されるチオセミカルバジド誘導体において,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基中のフェニル基の水素原子を官能基に置換することもできる。化学式(24)は,1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基中の2つフェニル基のそれぞれ1個の水素原子を置換したものであり,式中のXとYは互いに独立した官能基(置換基)を示す。但し,化学式(24)において,X又はYの何れか一方のみが官能基に置換したものであっても,XとYの両方が官能基に置換したものであってもよい。
【0048】
【化24】
【0049】
化学式(23)においてX及びYで示される官能基として好適なものとして,カルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,特に限定はないが,ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく,特にナトリウム塩が好ましい。
【0050】
本発明の1,1-ジフェニルセミカルバジド又は1,1-ジフェニルチオセミカルバジド誘導体の他の好適な形態として,化学式(21)で示されるものがある。化学式(21)において,nはアルキル鎖長を示すものであり,好ましくは1~8の整数であり,より好ましくは1~6の整数であり,更に好ましくは2~4の整数である。R6は硫黄原子又は酸素原子であり,特に硫黄原子である。
【0051】
【化21】
【0052】
本発明の1,1-ジフェニルセミカルバジド又は1,1-ジフェニルチオセミカルバジド誘導体の他の好適な形態として,化学式(22)で示されるものがある。化学式(22)において,R6は硫黄原子又は酸素原子であり,特に硫黄原子である。
【0053】
【化22】
【0054】
化学式(21)及び(22)で示される1,1-ジフェニルセミカルバジド又は1,1-ジフェニルチオセミカルバジド誘導体において,1,1-ジフェニルセミカルバジド基又は1,1-ジフェニルチオセミカルバジド基中のフェニル基の水素原子を官能基に置換することもできる。化学式(25)は,2つフェニル基のそれぞれ1個の水素原子を置換したものであり,式中のXとYは互いに独立した官能基(置換基)を示す。但し,化学式(25)において,X又はYの何れか一方のみが官能基に置換したものであっても,XとYの両方が官能基に置換したものであってもよい。
【0055】
【化25】
【0056】
化学式(25)においてX及びYで示される官能基として好適なものとして,カルボキシル基,カルボキシメチル基,1-カルボキシエチル基,2-カルボキシエチル基,1-カルボキシプロピル基,2-カルボキシプロピル基,3-カルボキシプロピル基,1-カルボキシブチル基,2-カルボキシブチル基,3-カルボキシブチル基,4-カルボキシブチル基,1-カルボキシペンチル基,2-カルボキシペンチル基,3-カルボキシペンチル基,4-カルボキシペンチル基,5-カルボキシペンチル基,1-カルボキシヘキシル基,2-カルボキシヘキシル基,3-カルボキシヘキシル基,4-カルボキシヘキシル基,5-カルボキシヘキシル基,6-カルボキシヘキシル基,ジカルボキシメチル基,1,2-ジカルボキシエチル基,2,2-ジカルボキシエチル基,2,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシプロピル基,3,3-ジカルボキシプロピル基,1,2-ジカルボキシブチル基,2,3-ジカルボキシブチル基,3,4-ジカルボキシブチル基,2,4-ジカルボキシブチル基,1,2-ジカルボキシペンチル基,2,3-ジカルボキシペンチル基,2,4-ジカルボキシペンチル基,2,5-ジカルボキシペンチル基,4,5-ジカルボキシペンチル基,1,2-ジカルボキシヘキシル基,1,3-ジカルボキシヘキシル基,2,3-ジカルボキシヘキシル基,2,4-ジカルボキシヘキシル基,2,5-ジカルボキシヘキシル基,2,6-ジカルボキシヘキシル基,3,5-ジカルボキシヘキシル基,3,6-ジカルボキシヘキシル基,1,2,2-トリカルボキシブチル基,1,2,4-トリカルボキシブチル基,2,3,4-トリカルボキシブチル基,3,4,4-トリカルボキシブチル基,1,2,2-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシペンチル基,2,3,4-トリカルボキシペンチル基,3,4,5-トリカルボキシペンチル基,3,5,5-トリカルボキシペンチル基,1,2,3-トリカルボキシヘキシル基,1,2,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,4-トリカルボキシヘキシル基,2,3,5-トリカルボキシヘキシル基,2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,3,4,5-トリカルボキシヘキシル基,3,4,6-トリカルボキシヘキシル基,4,5,6-トリカルボキシヘキシル基,1,2,3,3-テトラカルボキシペンチル基,2,3,4,5-テトラカルボキシペンチル基,2,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,3,4,5,5-テトラカルボキシペンチル基,1,2,3,3,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,3,4,5-ペンタカルボキシヘキシル基,2,3,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,3,4,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,1,2,4,5,5-ペンタカルボキシヘキシル基,ヒドロキシ基,ヒドロキシメチル基,ヒドロキシメチル基,1-ヒドロキシエチル基,2-ヒドロキシエチル基,1-ヒドロキシプロピル基,2-ヒドロキシプロピル基,3-ヒドロキシプロピル基,1-ヒドロキシブチル基,2-ヒドロキシブチル基,3-ヒドロキシブチル基,4-ヒドロキシブチル基,1-ヒドロキシペンチル基,2-ヒドロキシペンチル基,3-ヒドロキシペンチル基,4-ヒドロキシペンチル基,5-ヒドロキシペンチル基,1-ヒドロキシヘキシル基,2-ヒドロキシヘキシル基,3-ヒドロキシヘキシル基,4-ヒドロキシヘキシル基,5-ヒドロキシヘキシル基,6-ヒドロキシヘキシル基,ジヒドロキシプロピル基,ジヒドロキシブチル基,ジヒドロキシペンチル基,ジヒドロキシヘキシル基,トリヒドロキシブチル基,トリヒドロキシペンチル基,トリヒドロキシヘキシル基,テトラヒドロキシペンチル基,テトラヒドロキシヘキシル基,ペンタヒドロキシヘキシル基,ヒドロキシカルボキシメチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシエチル基,2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル基,1-ヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシプロピル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシプロピル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシブチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシブチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-4-カルボキシブチル基,4-ヒドロキシ-1-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシペンチル基,1,2-ジヒドロキシ-4-カルボキシペンチル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-1-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-2-カルボキシヘキシル基,1,2-ジヒドロキシ-3-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-4-カルボキシヘキシル基,1,2,2-トリヒドロキシ-5-カルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-6-カルボキシヘキシル基,1-ヒドロキシ-2,3-ジカルボキシプロピル基,2-ヒドロキシ-3,4-ジカルボキシブチル基,2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジカルボキシペンチル基,1,2,3-トリヒドロキシ-5,6-ジカルボキシヘキシル基,2-ヒドロキシ-3,4,4-トリカルボキシブチル基,2,3-ヒドロキシ-2,3,5-トリカルボキシペンチル基,5-ヒドロキシ-2,3,6-トリカルボキシヘキシル基,5-ヒドロキシ-2,3,4,4-テトラカルボキシペンチル基,2-ヒドロキシ-2,4,6,6-テトラカルボキシヘキシル基,2,3-ジヒドロキシ-2,3,4,5,6-ペンタカルボキシヘキシル基,スルホ基,スルホメチル基,1-スルホエチル基,2-スルホエチル基,1-スルホプロピル基,2-スルホプロピル基,3-スルホプロピル基,1-スルホブチル基,2-スルホブチル基,3-スルホブチル基,4-スルホブチル基,1-スルホペンチル基,2-スルホペンチル基,3-スルホペンチル基,4-スルホペンチル基,5-スルホペンチル基,1-スルホヘキシル基,2-スルホヘキシル基,3-スルホヘキシル基,4-スルホヘキシル基,5-スルホヘキシル基,6-スルホヘキシル基,ジスルホプロピル基,ジスルホブチル基,ジスルホペンチル基,ジスルホヘキシル基,トリスルホブチル基,トリスルホペンチル基,トリスルホヘキシル基,テトラスルホペンチル基,テトラスルホヘキシル基,ペンタスルホヘキシル基,及びアセチル基からなる群から選択される何れかの基,又はこれらの塩が挙げられる。塩としては,特に限定はないが,ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく,特にナトリウム塩が好ましい。
【0057】
本発明の化合物は,周知の化学合成法を組み合わせることにより当業者であれば容易に合成することができるものであり,その合成に特段の困難はない。例えば,化学式(13)で示される化合物であるDSC108及びそのナトリウム塩は,cis-4-アミノシクロヘキサンカルボン酸と1,1-ジフェニルヒドラジンを原料として,実施例に概略記載された方法で合成することができる。
【0058】
本発明のセミカルバジド誘導体及びチオセミカルバジド誘導体は,膵β細胞からのインスリン分泌を促進する機能を有する。かかる機能の少なくとも一部は,膵β細胞の細胞膜上に発現するKATPチャネルを構成するサブユニットであるSUR1を介して発揮される。すなわち,これら化合物は,SUR1に結合することによりKATPチャネルを閉鎖させる。これにより膵β細胞膜が脱分極され,更に,電位依存性カルシウムチャネル(VDCCs)が解放されてカルシウムイオンが流入し,膵β細胞内におけるカルシウムイオン濃度が上昇し,インスリン分泌が誘導される。そして,インスリン分泌が誘導されることにより,血中のグルコース濃度が低下するので,本発明のセミカルバジド誘導体及びチオセミカルバジド誘導体は,血糖降下剤として,特に2型糖尿病患者の治療剤として使用することができる。
【0059】
本発明の化合物は,経口投与により血糖降下剤としての機能を発揮する。従って,錠剤,粉末剤として医療機関に提供される。本発明のセミカルバジド誘導体及びチオセミカルバジド誘導体は,血中での半減期が,スルホニルウレア系の経口血糖降下剤であるグリクラジドと比較して短い。従って,従来型のスルホニルウレア系薬剤に認めらる持続的な低血糖症等の副作用が低減される。従って,持続的な低血糖症等の副作用の出現によりスルホニルウレア系薬剤の投与が好ましくない患者の治療剤として特に有効である。本発明の化合物が経口投与される場合の,一回当たり投与量は,1~100 mg/kg体重,10~100 mg/kg体重,1~30 mg/kg体重,10~30 mg/kg体重等と,患者の症状に応じて適宜調整される。
【0060】
以下,本発明の化合物の一つである化学式(13)で示されるDSC108を例にとり,血糖降下剤としての使用法を以下に詳述する。DSC108は,経口投与により速やかに血中に移行するので,経口投与に適した錠剤又は粉末剤として供給される。但し,剤形はこれらに限定されることはない。DSC108は,食後に2型糖尿病の患者に経口投与することで,2型糖尿病患者の血糖値を降下させる機能を発揮させることができる。従って,DSC108は,毎食後に服用されることが好ましい。DSC108の1回当たり投与量は,1~100 mg/kg体重,10~100 mg/kg体重,1~30 mg/kg体重,10~30 mg/kg体重等と,患者の症状に応じて適宜調整される。
【実施例
【0061】
以下,実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが,本発明が実施例に限定されることは意図しない。
【0062】
〔実施例1〕MIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験
MIN6-K8細胞(FERM P-18081として寄託されたMIN6-m9細胞株と同種の細胞)を,10% FBS,50 μM 2-メルカプトエタノール,100 mg/L ストレプトマイシン及び60.5 mg/L 硫酸ペニシリンを添加したダルベッコ改良イーグル培地(DMEM培地)中で,5% CO2の湿潤した条件で37℃にて培養した。MIN6-K8細胞を培地で2回洗浄した後,133.4 mM NaCl,4.7 mM KCl,1.2 mM KH2PO4,1.2 mM MgSO4,2.5 mM CaCl2,5.0 mM NaHCO3,2.8 mM グルコース,0.1% BSA及び10 mM HEPES緩衝液(pH 7.4)を含む培地で30分間プレ培養した。次いで,細胞を,試験化合物及び11.2 mM グルコース含有するKRBH緩衝液中で30分間培養した。培養後,KRBH緩衝液中に含まれるインスリンの濃度をインスリンアッセイキット(CIS Bio International Inc.)を用いて測定した。インスリンの濃度は,試験化合物を非添加の場合のインスリンの濃度を1としたときの相対値として求めた。ここで試験化合物としてDSC108とC8を用い,1 μM~100 μMの濃度の範囲で,両剤のインスリン分泌促進能を比較した。なお,測定はn=3で実施した。
【0063】
〔実施例2〕マウスを用いたインスリン分泌刺激試験
マウスを用いたインスリン分泌刺激試験は,(Bonnevie-Nielsen V. Diabetes. 30. 424-9 (1981))及び(Miki T. Diabetes. 54. 1056-63 (2005))に記載された方法を参考にして実施した。6時間絶食させた16~20週齢の雄性マウスを,80 mg/kg体重の用量でペントバルビタールナトリウムを投与することにより麻酔した。麻酔させたマウスの膵臓を,95% O2/5% CO2で通気した4.6% デキストラン及び0.25% BSAを含むKRBH緩衝液により還流した。
【0064】
次いで,マウスの膵臓を,2.8 mM グルコース及び10 μM DSC108を含むKRBH緩衝液で還流しながら,還流液を1分毎に採取し,還流液中に含まれるインスリンの濃度をインスリンアッセイキット(CIS Bio international Inc.)を用いて経時的に測定した。このとき,コントロールとして,マウスを2.8 mMグルコースを含むKRBH緩衝液で還流し,同様にして還流液中に含まれるインスリンの濃度を測定した。
【0065】
〔実施例3〕細胞内カルシウムイオン濃度の測定
細胞内カルシウム濃度は,(Shimaoto K. Mol Pharmacol. 53. 195-201 (1998))に記載された方法を参考にして,カルシウムイオン感受性の蛍光試薬であるフラ-2-アセトキシメチルエステル(Fura-2-AM,Dojindo Inc.)を用いて実施した。MIN6-K8細胞を,10% FBS,50 μM 2-メルカプトエタノール,100 mg/L ストレプトマイシン及び60.5 mg/L 硫酸ペニシリンを添加したダルベッコ改良イーグル培地(DMEM培地)中で,5% CO2の湿潤した条件で37℃にて培養した。次いで,MIN6-K8細胞を,5 μM Fura-2-AM及び2.8 mM グルコースを含むKRBH緩衝液中で37℃,20分間静置した。次いで,試験化合物として3 μM,10 μM及び30 μMのDSC108を含むKRBH緩衝液を添加し,2波長蛍光光度計(Fluoroskan Ascent CF, Labsystem Inc.)を用いて,340 nmと380 nmの蛍光光度を経時的に20分間測定し,(340 nmの蛍光光度/380 nmの蛍光光度)の値を求めた。この値は,細胞内に流入したカルシウムイオンと正の相関関係を示す。なお,測定はn=4で実施した。
【0066】
〔実施例4〕[3H]グリベンクラミド競合試験
常法により,ヒトSUR1(hSUR1)をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターをMIN6-K8細胞に導入し,hSUR1強発現MIN6-K8細胞株を樹立した。hSUR1強発現MIN6-K8細胞を,10 nM [3H]グリベンクラミドとDSC108-Naを含有する緩衝液中で30分間培養した。このときのDSC108-Naの緩衝液中の濃度は,300 μM~1 mMとした。細胞を減圧濾過してWhatmann GF/Cフィルター(Whatmann International Inc.)上に回収した後,フィルターを氷冷した4mLの緩衝液で3回洗浄した。洗浄後のフィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定し,hSUR1を介してhSUR1強発現MIN6-K8細胞に結合した[3H]グリベンクラミドの量を測定した。そしてDSC108-Na非添加のときの値をコントロールとして100%とし,この値に対する相対値として,MIN6-K8細胞への[3H]グリベンクラミドの結合量(%)を求めた。
【0067】
〔実施例5〕膵β細胞を用いた電気生理学的試験
膵島は,(Shibasaki T. Proc Natl Acad Sci USA. 104. 19333-8 (2007))に記載された方法を参考にして,コラゲナーゼ消化法によりC57BL/6マウスから単離した。膵島細胞を分散させ,10% FBSを添加したDMEM中で培養し,実験前にコラーゲンコートを施したガラス薄片を敷いた3.5 cmのディッシュに播き,37℃にて24~48時間インキュベートした。
【0068】
膵β細胞の膜電位は,電流クランプモードで穿孔パッチクランプ法(Gonoi T. J. Biol. Chem., 269:16989-92 (1994))によって測定した。細胞外溶液として,143 mM NaCl,5.4 mM KCl,1.8 mM CaCl2,0.5 mM MgCl2,0.33 mM NaHPO4及び5.5 mM グルコースを含む5 mM HEPES緩衝液-NaOH(pH 7.4)を用いた。ピペット溶液として,107 mM KCl,11 mM EGTA,2 mM MgSO4,1 mM CaCl2及び1 μM ATP-K2を含む11 mM HEPES-KOH緩衝液(pH 7.4)を用いた。この条件下で30 μMのDSC108により誘導される外向き電流を穿孔パッチクランプアッセイにより測定した。
【0069】
〔実施例6〕KATPチャネル発現COS-1細胞を用いた電気生理学的試験 常法により,ヒトSUR1(hSUR1)をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターとヒトKir6.2(hKir6.2)をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターとを共にCOS-1細胞に導入し,KATPチャネルをCOS-1細胞で再構築させた(Inagaki N. Science. 270. 1166-70 (1995))。この細胞を,10% FBSを添加したDMEM培地(Sigma-Aldrich Inc.)中で培養し,実験前にコラーゲンコートを施したガラス薄片を敷いた3.5 cmのディッシュに播き,37℃にて24~72時間インキュベートした。
【0070】
KATPチャネルを再構築させたCOS-1細胞の膜電位は,(Gonoi T. J. Biol. Chem., 269:16989-92(1994))に記載された方法を参考にして,電流クランプモードで穿孔パッチクランプ法によって測定した。細胞外溶液として,143 mM NaCl,5.4 mM KCl,1.8 mM CaCl2,0.5 mM MgCl2,0.33 mM NaHPO4及び5.5 mM グルコースを含む5 mM HEPES緩衝液-NaOH(pH 7.4)を用いた。ピペット溶液として,107 mM KCl,11 mM EGTA,2 mM MgSO4,1 mM CaCl2及び1 μM ATP-K2を含む11 mM HEPES-KOH緩衝液(pH 7.4)を用いた。この条件下で300 μM diazoxide(Sigma Chemical Inc.)により誘導されるKATPチャネルを介したCOS-1細胞膜の分極に対する,DSC108による阻害効果を測定した。
【0071】
このとき,300 μM diazoxide(Sigma Chemical Inc.)により誘導される外向き電流を全細胞パッチクランプアッセイにより測定し,この値を0 mVとした。そして,diazoxideとともに,DSC108,グリベンクラミド又はグリクラザイド(Sigma Chemical Inc.)を添加したときの外向き電流の値を求め,diazoxideにより誘導される細胞膜の分極に対する,これら薬剤の阻害効果(IC50)を求めた。
【0072】
〔実施例7〕DSC108の血中濃度測定
18~28週齢の雄性C57BL/6JJclマウス(CLEA Japan Inc.)に,試験化合物としてDSC108Na及びグリクラジドを30mg/kg体重の用量で経口投与した。投与後に尾静脈より末梢血を経時的に採取した。採取した血液を遠心して血漿を得た。20 μM メチオニンスルフォンを含む抽出溶液(クロロホルム:メタノール:水=1:2:0.8)を血漿に添加し,撹拌した後に遠心した。抽出溶液分画を5kDフィルター(Millipore Inc.)でろ過した後,抽出液を凍結乾燥した。凍結乾燥させて得た抽出物を純水に溶かし質量分析した。質量分析は,液体クロマトグラフィー(Nexera UHPLC, Shimazu Inc.)を装着した質量分析計(LCMS-8050, Shimazu Inc.)を用いて実施した。液体クロマトグラフィーによる分離は,Discovery HS F5 column(3 μm, 2.1 mm X 150 mm, Shigma-Aldrich Inc.)を用い,0.1% ギ酸水溶液と0.1% ギ酸アセトニトリル液の二重勾配により行った。
【0073】
〔実施例8〕野生型マウスを用いた血糖降下作用の測定
16時間絶食させた18~30週齢の雄性C57BL/6JJclマウス(CLEA Japan Inc.)に,グルコース負荷(1.5 g グルコース/kg体重)の20分前に,DSC108-Naを10,30及び100 mg/kg体重の用量で経口投与した(それぞれ,10 mg/kg体重投与群,30 mg/kg体重投与群及び100 mg/kg体重投与群)。また,コントロールとしてDSC108-Na非投与群(ビークル投与群)をおいた。血中のグルコース濃度をAntsense III glucose analyzer(Horiba Inc.)を用いて投与後120分間に渡って経時的に測定した。各群とも4匹のマウスを用いて測定を行った。
【0074】
〔実施例9〕2型糖尿病モデルラットを用いた血糖降下作用の測定
6時間絶食させた18~30週齢の雄性GK/Slcラット(Japan SLC Inc.)に,グルコース負荷(1.5 g グルコース/kg体重)の20分前に,DSC108-Naを100 mg/kg体重の用量で経口投与した(DSC108-Na投与群)。また,コントロールとしてDSC108-Na非投与群(ビークル投与群)をおいた。血中のグルコース濃度をAntsense III glucose analyzer(Horiba Inc.)を用いて測定した。また,血中のインスリン濃度をインスリン測定キット(Morinaga Inc.)を用いてELISA法により測定した。なお,この試験に限らず,全ての動物試験は神戸大学の動物実験倫理委員会の承認を得て,神戸大学動物実験実施規則の定めに従って実施した。
【0075】
〔実施例10〕各種1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジドの誘導体のMIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験
表1に示す番号2~7の1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジド誘導体について,上記のMIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験を行った。試験化合物の濃度は100 μMとし,試験化合物無添加のときのインスリン分泌量を1としたときの分泌量を測定した。なお,番号1は化学式(18)で示される1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジドである。また,番号2~7は,1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジドのシクロヘキシル環上の水素原子の一つをカルボキシル基に置換した化合物である。
【0076】
【表1】
【0077】
〔実施例11〕実験結果:MIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験
MIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験の結果を図1に示す。DSC108とC8の両剤とも濃度依存的にMIN6-K8細胞からのインスリン分泌を促進した。但し,両剤とも1 μM~30 μMの濃度では用量依存的にインスリン分泌を促進したが,100 μMの濃度では,30 μMの濃度のときと比較してMIN6-K8細胞からのインスリン分泌量が減少した。また,1 μM~100 μMの濃度の範囲では,C8と比較してDSC108がより高いインスリン分泌促進能を示した。これらの結果は,C8とDSC108は,共に生体内でインスリン分泌促進能を発揮する糖尿病の治療薬として有望であることを示すものである。また,DSC108は,C8と比較してインスリン分泌促進能が高いことから,糖尿病の治療薬としてより有望であることを示すものである。
【0078】
〔実施例12〕実験結果:マウスを用いたインスリン分泌刺激試験
マウスを用いたインスリン分泌刺激試験の結果を図2に示す。10 μMのDSC108を含むKRBH緩衝液で還流開始5分後に,還流液中に含まれるインスリンの濃度が上昇した。このインスリンの濃度の上昇は一時的であり,還流開始9分後にはインスリンの濃度はベースラインに戻った。この結果は,DSC108のインスリン分泌刺激効果が,投与後速やかに消失することを示すものである。薬剤のよるインスリン分泌刺激効果が生体内で持続すると,低血糖症等の副作用が生じるおそれがあり,また持続的な刺激を受けることによりβ細胞が疲弊し,糖尿病の諸症状の悪化するおそれもある。図2に示されるように,DSC108の効果は投与後速やかに消失することから,DSC108投与により低血糖症等の副作用が発生するおそれは低いと考えられる。
【0079】
〔実施例13〕実験結果:細胞内カルシウムイオン濃度の測定
細胞内カルシウムイオン濃度の測定結果を図3に示す。DSC108は,3 μM~30 μMの濃度範囲で,濃度依存的に細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させた。これらの結果は,DSC108によるインスリン分泌の誘導が,膵β細胞中のカルシウムイオン濃度の上昇を介して起こることを示すものである。
【0080】
〔実施例14〕実験結果:[3H]グリベンクラミド競合試験
細胞内カルシウムイオン濃度の測定結果を図4に示す。DSC108は濃度依存的に[3H]グリベンクラミドのhSUR1強発現MIN6-K8細胞への結合を阻害した。この結果は,DSC108が[3H]グリベンクラミドと競合してhSUR1に結合することを示すものであり,DSC108もまたhSUR1に結合することを示すものである。
【0081】
〔実施例15〕実験結果:膵β細胞を用いた電気生理学的試験
膵β細胞の膜電位は,DSC108不存在下では-69±2mVであった。一方,膵β細胞の膜電位は,30 μM DSC108存在下では-54±4 mVであった。この結果は,DSC108が膵β細胞の脱分極を誘導する機能を有することを示すものである。
【0082】
〔実施例16〕実験結果:KATPチャネル発現COS-1細胞を用いた電気生理学的試験
DSC108は,diazoxideにより誘導されるKATPチャネルを介したCOS-1細胞膜の分極を,濃度依存的に阻害し,そのIC50は2.3 μMであった。この結果は,膵β細胞を用いた電気生理学的試験等の結果と合わせて考えると,DSC108が,SUR1に結合することによりKATPチャネルを閉鎖し,細胞膜の脱分極を誘導させるとともに,β細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることにより,インスリン分泌を誘導することを示す。
【0083】
〔実施例17〕実験結果:DSC108の血中濃度測定
DSC108の血中濃度測定の結果を図5に示す。DSC108-Naとして経口投与されたDSC108は,投与後30分に血中濃度が72.4 μMと最高値を示し,その後急速に血中から消失した。一方,
スルホニルウレア系の経口血糖降下剤であるグリクラジドは,投与後60分に血中濃度がほぼ100 μMと最高値を示し,120分経過後も血中濃度は75 μMと高値を保った。グリクラジド等のスルホニルウレアは持続的な低血糖症を引き起こし,その原因が生体内で安定であることに起因していると考えられている。DSC108は,グリクラジドと比較すると血中から速やかに消失することから,これを経口血糖降下剤として使用したときに,持続的な低血糖症等の副作用が低減されることが期待できる。
【0084】
〔実施例18〕実験結果:野生型マウスを用いた血糖降下作用の測定
野生型マウスを用いた血糖降下作用の測定結果を図6に示す。DSC108-Naとして経口投与されたDSC108は,10~100 mg/kg体重の用量範囲で,用量依存的な血糖降下作用を示した。
【0085】
〔実施例19〕実験結果:2型糖尿病モデルラットを用いた血糖降下作用の測定
2型糖尿病モデルラットを用いた血糖降下作用の測定結果を図7及び図8に示す。ここで用いたGK/Slcラットは,膵β細胞のグルコース代謝異常を伴うインスリン分泌不全を示す非肥満型の2型糖尿病モデルラットである。GK/Slcラットに100 mg/kg体重の用量でDSC108-Naを経口投与することにより,投与20分後にインスリンの血中濃度の増加が認められた(図7)。また,GK/Slcラットに100 mg/kg体重の用量でDSC108-Naを経口投与した場合,投与後120分間に渡って,血中のグルコース濃度を降下させる効果が持続した(図8)。
【0086】
〔実施例20〕実験結果:各種1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジドの誘導体のMIN6-K8細胞を用いたインスリン分泌刺激試験
表1に示した番号1の1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジド及び番号2~5の誘導体でインスリン分泌が促進された(図9)。但し,番号4の誘導体によって促進されるインスリン分泌は軽微なものであった。一方,番号6及び7の誘導体では,インスリン分泌が抑制された。シクロヘキシル環の4位にカルボキシル基を導入した,番号2と3の1,1-ジフェニル-4-シクロヘキシル-セミカルバジド誘導体が,高いインスリン分泌促進能を示し,番号2のカルボキシル基をシス(cis-)に配位したものが最も高いインスリン分泌促進能を示した。
【0087】
〔実施例21〕実験結果:まとめ
以上の結果から,チオセミカルバジド誘導体であるDSC108及びそのナトリウム塩は,血糖降下作用を有し,且つ,スルホニルウレア系の経口血糖降下剤であるグリクラジドと比較して血中で速やかに消失することから,スルホニルウレア系の薬剤で認められる持続的な低血糖症等の副作用の低減された経口血糖降下剤として,2型糖尿病治療剤として使用することができる。
【0088】
〔実施例22〕DSC108の合成法
DSC108及びそのナトリウム塩は,cis-4-アミノシクロヘキサンカルボン酸と1,1-ジフェニルヒドラジンを原料として,図10に概略記載された方法で合成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
スルホニルウレア等の経口血糖降下剤に認められる持続的な低血糖症等の副作用の発生率の低い,従来型の2型糖尿病の治療剤に代わる新たな治療剤を臨床現場に提供できる。
図1
図2
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図7
図8
図9
図10