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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】面光源を備えたライト装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/145 20180101AFI20220128BHJP
   F21S 45/10 20180101ALI20220128BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20220128BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220128BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220128BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20220128BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220128BHJP
【FI】
F21S43/145
F21S45/10
F21S43/19
F21S2/00 660
F21V17/00 150
F21Y107:70
F21Y115:15
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017180225
(22)【出願日】2017-09-20
(65)【公開番号】P2018056120
(43)【公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】1658886
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】パスカル、ポワロ
(72)【発明者】
【氏名】ババカール、バティエリー
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0053082(US,A1)
【文献】国際公開第2012/114887(WO,A1)
【文献】特開2012-230391(JP,A)
【文献】特開2002-133915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 2/00
F21V 17/00
F21W 103/00
F21Y 107/70
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車照明および/または信号装置用のライト装であって、
- 可撓性面光と、
- 前記可撓性面光源の少なくとも一部を、所定の形状に一致させるように配置されたハウジンと、
- 前記可撓性面光源の前記一部を、前記ハウジングに対して押圧するように配置されたキャッと、を備え、
前記ハウジングおよび/または前記キャップは、前記可撓性面光源により放射された光を通過させることが可能であ
前記ハウジングは、前記ハウジングの底壁から延び、かつ、前記可撓性面光源を収容するエンクロージャを定める、周囲フランジを備え、
前記キャップは、前記ハウジングの周囲フランジと連結する、周囲フランジを備える、
ことを特徴とするライト装置。
【請求項2】
前記キャッと、前記ハウジンとを連結し、前記キャップが前記ハウジングに対して移動して、前記ハウジングと前記キャップとの間に前記可撓性面光の挿入を可能とするように配置されているヒンジを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のライト装
【請求項3】
前記ハウジンと、前記キャッとは、2つの個別の要素である、ことを特徴とする請求項1に記載のライト装
【請求項4】
前記ハウジンと、前記キャッとは、接触して、前記可撓性面光を封入するように構成されている、ことを特徴とする請求項に記載のライト装
【請求項5】
前記可撓性面光は、前記ハウジンの底に配置され、
前記可撓性面光源は、前記キャッの押圧により、前記ハウジングの底壁に対して押圧される、ことを特徴とする請求項に記載のライト装
【請求項6】
前記キャッの少なくとも一部は、前記ハウジンの前記周囲フランに配置され、前記エンクロージャを封入する、ことを特徴とする請求項に記載のライト装
【請求項7】
前記キャッの押圧壁を定める、前記キャッの少なくとも一部は、前記エンクロージャに挿入されて、前記可撓性面光を、前記ハウジンの底に対して押圧する、ことを特徴とする請求項に記載のライト装
【請求項8】
前記可撓性面光は、有機発光ダイオードである、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のライト装
【請求項9】
前記キャップの少なくとも押圧壁は、透明または半透明材料で作製されている、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のライト装
【請求項10】
前記キャッの少なくとも押圧は、前記可撓性面光により放射された光をカラーリングすることが可能な材料で作製されている、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のライト装
【請求項11】
前記キャッの押圧の少なくとも一部は、前記可撓性面光により放射された光の少なくとも一部を屈折させて、所定の測光機能を生成するように構成されている、ことを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載のライト装
【請求項12】
前記可撓性面光の相補的な係止手と協同して、前記ハウジン内の前記可撓性面光源の遊びを除去することが可能な係止手を備える、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のライト装
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用の照明および/または信号の分野に関する。より具体的には、本発明は、自動車照明および/または信号装置用のライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、可撓性有機発光ダイオード(OLED:Organic Light-Emitting Diode)がますます広く用いられている。実際に、可撓性OLEDは、形態およびスタイルの多数の可能性を提示し、よって、車両の審美的アピールや、特定の視覚的な特徴に寄与する。
【0003】
さらに、可撓性OLEDは、放射面から光を放射し、よって、見られる方向に関わらず、この放射面の均一な視覚的表現を得ることも可能にする。車両は、次いで、より可視となり、車両の安全性および審美的外観を増加させる。
【0004】
しかし、車両のライト装置にOLEDを組み込み可能とするには、その可撓性のため、これらの可撓性OLEDの形状を維持する必要がある。
【0005】
仏国特許第3018393号は、この可撓性OLEDに対して樹脂をモールディングすることにより、可撓性OLEDを適合させる方法を開示している。しかし、この成形方法は、可撓性OLEDに対する損傷のリスクをもたらす。さらに、この方法は、複雑で長時間および費用のかかる製造方法を課すものである。従って、可撓性OLEDを損傷することなしに、簡潔、迅速かつ安価に可撓性OLEDの形状を適合および維持する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、よって、この必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、自動車照明および/または信号装置用のライト装置を提案し、ライト装置は、
- 可撓性面光源と、
- 可撓性面光源の少なくとも一部を、所定の形状に従って適合させるように構成されたハウジングと、
- 可撓性面光源の前記一部を、ハウジングに対して押圧するように構成されたキャップと、を備え、
ハウジングおよび/またはキャップは、可撓性面光源により放射された光を通過させることが可能である。
【0008】
従って、本発明により、可撓性OLEDは、損傷することなしに適合させることができ、それは、この可撓性OLEDに対して樹脂をモールディングしないからである。さらに、ハウジングと、キャップとの使用は、可撓性OLEDの形状を、ごく容易、非常に迅速かつ安価に、適合および維持することを可能にする。
【0009】
好適には、本発明は、道路照明装置、車両信号装置またはさらに車両内照明装置に実施することができる。
【0010】
面光源は、光放射面を有する光源であり、光放射面の寸法は、面光源の高さよりも実質的に大きく、例えば、1cmを超え、さらに10cmを超える領域を有すると理解すべきである。
【0011】
可撓性光源は、特に折りたたむか折り曲げることにより、破損せずに、かつ光放射機能を実質的に変えることなく変形させることができる光源であると理解すべきである。
【0012】
好適には、可撓性面光源の前記部分は、前記可撓性面光源の光放射面を備える。
【0013】
好ましくは、可撓性面光源の全ては、所定の形状に従い適合される。
【0014】
以下、本明細書では、キャップは、光を通過させることが可能であるとみなされる。代替的または累積的に、本発明の範囲から逸脱せずに、光を通過させることが可能なのは、ハウジングであるとみなすことが可能である
1つの実施形態によれば、キャップは、ハウジングと一体形成されている。必要に応じて、ハウジングおよびキャップは、スリットとして出現するキャビティを形成するように構成することができ、このスリットを通して、可撓性面光源の前記部分を、キャビティに挿入することができる。
【0015】
もう1つの実施形態によれば、ハウジングとキャップとは、2つの個別の要素である。
【0016】
例えば、キャップと、ハウジングとを連結し、かつ、キャップがハウジングに対して移動して、ハウジングとキャップとの間に可撓性面光源の挿入を可能とするように構成されている、リンク手段、特にヒンジを、装置は備える。
【0017】
変形例として、ハウジングとキャップとは、接触して、可撓性面光源、特に可撓性面光源の全体を封入するように構成されている。”封入”は、ハウジングとキャップとの間の接触が、特に湿気から密閉された密閉カプセルを形成するように構成されることを意味すると理解すべきである。可撓性面光源の封入は、キャップと可撓性面光源との間への妨害要素の侵入、例えば、湿気の侵入によって引き起こされる、この可撓性面光源の劣化を防止することを可能にする。
【0018】
好適には、可撓性面光源は、ハウジングの底壁に配置され、可撓性面光源は、キャップの押圧壁により、ハウジングの底壁に対して押圧される。
【0019】
例えば、ハウジングは、ハウジングの底壁から、特に底壁の周囲から延び、かつ、可撓性面光源を収容するエンクロージャを定義する周囲フランジを備える。必要に応じて、キャップの少なくとも一部は、ハウジングの前記周囲フランジに配置され、エンクロージャを封入する。変形例において、ハウジングの前記周囲フランジは、前記可撓性面光源が底壁に配置される際に、可撓性面光源の放射面と比べて突出する。もう1つの変形例において、ハウジングの前記周囲フランジは、前記可撓性面光源が底壁に配置される際に、可撓性面光源の放射面と同一平面にある。
【0020】
好適には、キャップの押圧壁を定義する、キャップの少なくとも一部は、エンクロージャに挿入されて、可撓性面光源を、ハウジングの底壁に対して押圧する。変形例において、キャップの周囲領域は、ハウジングの周囲フランジに配置されるのに対し、周囲領域と比べて突出、かつ、キャップの押圧壁を定義する、キャップの中央領域は、エンクロージャに挿入される。もう1つの変形例において、キャップの全体が、エンクロージャに挿入されて、可撓性面光源を押圧する。
【0021】
好適には、キャップは、キャップの押圧壁から延び、かつ、可撓性面光源を受けるためのエンクロージャを定義する周囲フランジを備える。好ましくは、キャップの周囲フランジは、ハウジングの一部、特に、底壁を囲むハウジングの周囲領域に配置される。好適には、ハウジングの少なくとも一部、ハウジングの底壁を定義する前記一部は、キャップの周囲フランジにより形成されたエンクロージャに挿入される。変形例において、ハウジングの全体が、エンクロージャに挿入される。
【0022】
好適には、ハウジングとキャップとは、互いに溶接される。必要に応じて、ハウジングおよび/またはキャップのうちの一方の周囲フランジを、ハウジングおよび/またはキャップのうちの他方の周囲領域に溶接することができる。変形例として、ハウジングおよび/またはキャップは、ハウジングおよび/またはキャップのうちの他方の周囲フランジにより定義されたエンクロージャに挿入され、ハウジングおよび/またはキャップの周囲外壁は、ハウジングおよび/またはキャップのうちの他方の周囲内壁と接触している。必要に応じて、周囲外壁の一部は、周囲内壁の一部に溶接される。溶接は、特に、レーザを用いて行うことができる。
【0023】
変形例において、ハウジングとキャップとは、互いに接着される。
【0024】
もう1つの変形例において、ハウジングおよびキャップは、機械的な固定手段によって互いに固定される。好適には、キャップは、オスのスナップ係合手段、特にクリップを備え、ハウジングは、キャップとハウジングとが接触状態とされて、機械的な固定手段を形成する際に、オスのスナップ係合手段と協同するメスのスナップ係合手段、特にノッチを備える。
【0025】
好ましくは、可撓性面光源は、1cmを超え、さらには10cmを超える光放射面を備える。優先的には、可撓性面光源は、可撓性有機発光ダイオードである。
【0026】
好適には、キャップの少なくとも押圧壁は、可撓性面光源により放射された光を通過させる透明または半透明材料で作製されている。
【0027】
好適には、キャップの少なくとも押圧壁は、可撓性面光源により放射された光をカラーリングすることが可能な材料で作製されている。着色光の放射は、光源がアクティブ化された際に車両の審美的外観を高め、かつ差別化することを可能にし、かつ、特定の色を必要とする、所定の調整的測光機能を生成するように構成されている。
【0028】
好適には、キャップの少なくとも押圧壁を、透明の熱可塑性材料内で作製する。
【0029】
好適には、透明の熱可塑性材料は、ポリメチルメタクリレート(PMMA:Polymethyl Methacrylate)またはポリカーボネート(PC:Polycarbonate)である。
【0030】
好適には、キャップの少なくとも押圧壁は、光を通過させることが可能な正孔を備える。必要に応じて、キャップを、透明または半透明ではなく不透明にすること、例えば、穿孔アルミニウム板により形成するものと定めることも可能である。
【0031】
好適には、キャップの押圧壁の少なくとも一部は、スクリーン印刷される。必要に応じて、このスクリーン印刷は、可撓性面光源により光が放射される際、および/または、面光源による光放射がない場合に、シンボルまたはロゴの表示を可能にする。
【0032】
好適には、キャップの押圧壁の少なくとも1つは、可撓性面光源により放射された光の少なくとも一部を屈折させて、所定の測光機能を生成するように構成されている。例えば、キャップの押圧壁の少なくとも前記一部は、中空または粗粒化パターンなどの拡散する光学パターンを備える。
【0033】
好適には、装置は、特にこの可撓性面光源の周囲に形成されて、ハウジング内の前記可撓性面光源の遊びを除去する、可撓性面光源の相補的な係止手段と協同可能な係止手段を備える。例えば、キャップおよび/またはハウジングは、前記係止手段を形成する突出要素を備え、可撓性面光源は、前記相補的な係止手段を形成するノッチを備える。
【0034】
好適には、ハウジングは、不透明および/または反射材料で作製される。
【0035】
変形例において、ハウジングは、透明材料で作製される。
【0036】
好適には、ハウジングは、熱可塑性材料で作製される。
【0037】
変形例において、所定の形状は、3次元の表面である。”3次元の表面”は、少なくとも1つの所与の方向に湾曲された面であること、すなわち、3つのデカルト座標が、表面の点のそれぞれを定義する必要があり、選択された基準フレームの関係なしにこれを行うこと、を意味すると理解すべきである。好適には、所定の形状は、制御表面である。
【0038】
好適には、ハウジングおよびキャップは、同一の外形を呈し、この外形は、可撓性面光源を、その表面全てに渡って、より容易に適合させることを可能にする。
【0039】
好適には、ライト装置は、ハウジングとキャップとにより形成されるエンクロージャ内に接着剤を持たない。これにより、可撓性面光源に対する、著しい機械的応力の印加を回避する。
【0040】
好適には、ライト装置は、照明または信号装置内に、装置を固定するための固定手段を備える。必要に応じて、ハウジングおよび/またはキャップは、固定手段を備える。
【0041】
本発明の他の特徴および利点は、説明および図面から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明に係るライト装置を表す図。
図2A】第1の実施形態に係る、本発明に係るライト装置の面P1に沿って見た論理図。
図2B図2Aに表されるライト装置の面P2に沿って見た論理図。
図3】第2の実施形態に係る、本発明に係るライト装置の横断面図に沿って見た論理図。
図4】第3の実施形態に係る、本発明に係るライト装置の横断面図に沿って見た論理図。
図5】本発明に係る照明および/または信号装置の実施用に用いることができる可撓性面光源の実施形態の論理図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、自動車照明および/または信号あるいは内部照明装置用の、本発明に係るライト装置6を表している。ライト装置6は、可撓性OLED1と、ハウジング2と、キャップ3とを備えている。このような光源の例示的な実施形態を、後に図5に表す。ハウジング2は、制御表面を形成する方向に可撓性OLEDを屈曲させることにより、可撓性OLED1を適合することを可能にする。キャップ3は、可撓性OLED1をハウジング2に押圧することを可能にする。
【0044】
ハウジング2は、また、この例では、ライト装置6を照明または信号装置に固定するために、ネジを受けることを意図したオリフィスの形状で形成される、固定手段4を備える。
【0045】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ、図1の装置6の面P1およびP2に従う断面図を表す。可撓性OLED1は、ハウジング2の底壁17に配置され、前記可撓性OLED1は、キャップ3の押圧壁15により、ハウジング2の底壁17に押圧される。可撓性OLED1は、よって、ハウジング2により所定の形状に従って適合され、キャップ3により、この形状に維持される。ハウジング2とキャップ3とは、同一の外形を呈する。さらに、ハウジング2とキャップ3とは、可撓性OLED1の全体を封入する。可撓性OLED1は、よって、外部からの、特に水分からの攻撃から保護され、これは、可撓性OLED1の早期の劣化を回避する。
【0046】
キャップ3は、押圧壁15から延び、かつ、可撓性OLED1を収容するためのエンクロージャを定義する周囲フランジ16を備える。
【0047】
ハウジング2の全体は、キャップ3の周囲フランジ16により形成されたエンクロージャに挿入される。ハウジング2は、周囲外壁18を備え、キャップ3は、周囲内壁19を備え、これらの周囲壁18および19の2つの部位は、ハウジング2をキャップ3に挿入する際に接触する。ハウジング2の周囲外壁18は、キャップ3の周囲内壁19と、これらの接触する部位にて溶接される。
【0048】
表される実施形態において、可撓性OLED1は、2つの上および下の光放射面33を有する。キャップ3の押圧壁15は、可撓性OLED1の上放射面33により放射された光を通過させる透明材料で作製される。この透明材料は、ポリメチルメタクリレートである。キャップ3の押圧壁15は、可撓性OLED1の上放射面33からの光を拡散し、かつ、ライト装置を離れる光に均一な外観を与えることを可能にする、キャップ3の上面の粗粒化により形成された光学パターン14を備える。
【0049】
ハウジング2は、反射材料で作製され、この可撓性OLED内にて、上放射面に向けて、従ってキャップ3の押圧壁15に向けて、可撓性OLED1の下放射面33により放射された光を反射する。キャップ3の周囲フランジ16は、凸状の突出要素30を備える。可撓性OLED1は、この可撓性OLED1の放射面33を縁取る、特にその電源のための機能的領域32を有する。可撓性OLED1は、機能的領域32の外周に作製された凹状のノッチ31をさらに備える。ノッチ31は、突出要素30の断面と同一の断面を呈し、これらの突出要素30は、可撓性OLED1がキャップ3とハウジング2とにより封入される際に、可撓性OLED1のノッチ31に、位置を合わせて挿入される。これらの突出要素30と、これらのノッチ31とは、よって、OLEDがハウジング2のキャップ3により封入される際に、機能的領域32の外周とキャップ3の周囲フランジ16との間に定義される、可撓性OLED1の遊びを無くすための係止手段と、相補的な係止手段とを形成する。
【0050】
ライト装置の第2の実施形態は、図3の断面図に従って表される。
【0051】
可撓性OLED41は、ハウジング42の底壁44に配置され、可撓性OLED41は、キャップ43の押圧壁45により、ハウジング42の底壁44に押圧される。
【0052】
ハウジング42は、ハウジング42の底壁44から延長し、かつ、可撓性OLED41を収容するエンクロージャを形成する、周囲フランジ48を備える。ハウジング42の前記周囲フランジ48は、可撓性OLED41の放射面と比べて突出する。キャップ43の押圧壁45は、エンクロージャに挿入され、可撓性OLED41を、ハウジング42の底壁44に対して押圧し、キャップ43の周囲領域50は、ハウジング42の周囲フランジ48に配置される。
【0053】
キャップ43は、キャップ43の周囲領域50から延びる周囲フランジ49を備えており、周囲領域50が、周囲フランジ49と、押圧壁45との間に窪みを形成し、この窪みは、ハウジング42の周囲フランジ48を収容している。
【0054】
キャップ43の周囲フランジ49は、周囲内壁52を備え、ハウジング42の周囲フランジ48は、周囲外壁53を備え、これらの周囲壁52および53の2つの部分は、キャップ43の押圧壁45を、ハウジング42のエンクロージャに挿入する際に接触する。キャップ43の周囲内壁52は、クリップ46を備え、ハウジング42の周囲外壁53は、ノッチ47を備える。クリップ46およびノッチ47は、互いに弾性的に係合し、ハウジング42とキャップ43とを互いに固定する。ハウジング42と、キャップ43とは、これにより、可撓性OLED41を封入することになる。
【0055】
可撓性OLED41は、よって、ハウジング42により所定の形状に従って適合され、キャップ43によって簡潔、迅速かつ安価にこの形状に維持される。
【0056】
本発明に係るライト装置の別の実施形態を、このような装置の横断面図を示す図4に表す。
【0057】
可撓性OLED61は、ハウジング62の底壁64に配置され、可撓性OLED61は、キャップ63の押圧壁65により、ハウジング62の底壁64に対して押圧される。
【0058】
ハウジング62は、ハウジング62の底壁64の外周から延び、かつ、可撓性OLED61を収容するエンクロージャを定義する、周囲フランジ66を備える。ハウジング62の周囲フランジ66は、可撓性OLED61の放射面と同一平面にある。
【0059】
キャップ63の周囲領域67は、ハウジング62の前記周囲フランジ66に配置される。また、ハウジング62の周囲フランジ66は、キャップ63の周囲領域67に溶接されるが、周囲領域67は、キャップ63が定位置に置かれてエンクロージャを封入する際に、ハウジング62の周囲フランジ66と接触する。
【0060】
ハウジング62とキャップ63とは、よって、可撓性OLED61を封入することになる。
【0061】
図5は、図1図2Aおよび図2Bに既に表されている実施形態に用いられ、かつ、図3および図4で説明される実施形態にも同様に用いることが可能な可撓性OLEDに従う、可撓性OLEDを表す。
【0062】
可撓性OLED1は、カソード70と、アノード71と、有機層72と、のいくつかの層を備える。有機層72は、異なる有機材料で生成された様々なプライ75~79を備える。光放射プライ77に加えて、有機層は、放射プライ77への電子の移動を促進するプライ75と、放射プライ77への正孔の移動を促進するプライ79と、を備える。層は、また、上層77~79から来る正孔を固定するプライ76と、下プライ75~77から発生する電子を固定するプライ78と、を備える。これらのプライは、共に、その厚さが調整されて光学的共鳴を生成するマイクロキャビティを構成する。よって、選択的な干渉リフレクタが生成され、共振キャビティを構成する。
【0063】
光放射プライ77は、上放射面33と、下放射面33とを備える。
【0064】
電圧発生器または電流源80が、可撓性OLED1に電力を供給可能にする。
【0065】
有機層に電流が通過する際、上放射面33は、光放射に対して透明の上プライ78および79と、アノード71とを伝播する光放射73を発し、下放射面33は、光放射に対して透明の下プライ76および75と、カソード70とを伝播する光放射を発する。
【0066】
アノード71およびカソード70は、透明の酸化インジウムスズ(ITO:Indium-tin Oxide)で作製される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5