(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】液体漂白剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/395 20060101AFI20220111BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20220111BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20220111BHJP
C11D 7/54 20060101ALI20220111BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
C11D3/395
C11D3/43
C11D7/50
C11D7/54
C11D17/08
(21)【出願番号】P 2017199637
(22)【出願日】2017-10-13
【審査請求日】2020-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2016-0133806
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513280854
【氏名又は名称】オーシーアイ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OCI Company Ltd.
【住所又は居所原語表記】94,Sogong-ro,Jung-gu,Seoul,100-718(KR)
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヘジン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ソンキュン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨソプ
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特表平05-504163(JP,A)
【文献】特表2008-546897(JP,A)
【文献】特開平02-120400(JP,A)
【文献】特開平02-120384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
D06L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性有機溶媒;及び
0.1ないし100umの平均直径を有する固体状の過酸化物と、0.1ないし100umの平均直径を有するシリカからなる無機物
;
脂肪酸、架橋されたアクリルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクリル酸ナトリウムから選択されるいずれかの補助増粘剤;及び
酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、汚物沈澱防止剤、洗浄酵素及び香料から選択されるいずれかの添加剤;
からなり、
前記非水性有機溶媒と前記無機物は、1:0.6ないし1:2の重量比で存在して、
前記過酸化物と前記シリカは、650:1ないし7:1の重量比で存在する、
液体漂白剤組成物。
【請求項2】
前記固体状の過酸化物は、過炭酸塩(percarbonate)、過ホウ酸塩(perborate)、過硫酸塩(persulfates)及び過酸化尿素(urea peroxide)から選択されるいずれかである、
請求項1に記載の液体漂白剤組成物。
【請求項3】
前記非水性有機溶媒は、ポリアルキレングリコール、多価アルコール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテル、アルキルエステル及びアルキルアミドから選択されるいずれかである、
請求項1に記載の液体漂白剤組成物。
【請求項4】
前記非水性有機溶媒は、平均分子量400ないし6000の範囲のポリエチレングリコールである、
請求項1に記載の液体漂白剤組成物。
【請求項5】
前記脂肪酸は、C10ないしC18の飽和または不飽和脂肪酸の中から選択された2種以上の混合物である、
請求項
1に記載の液体漂白剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体漂白剤組成物に関し、より具体的には、過酸化物粒子の大きさを調節することで、液体内の粒子沈降を最小化した低粘度の漂白剤に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤の成分として使用される漂白剤は、大きく塩素系漂白剤と酸素系漂白剤とがあり、最近、酸素系漂白剤の使用量が増えつつある。
【0003】
塩素系漂白剤は、漂白力は高いものの、衣類を漂白する際、カラー衣類を変色させるか纎維構造を破壊するなどの問題がある。また、使用時、人体に有害な塩素の発生で不愉快な臭いを発生する問題点がある。
【0004】
酸素系漂白剤は、形態によって大きく液体漂白剤と粉末漂白剤に分けられる。
【0005】
現在市販されているほとんどの酸素系漂白剤は、過炭酸ソーダまたは過ホウ酸ソーダ等を使用した粉末漂白剤であって、これらは常温水や、特に冷水にほとんど溶けない短所がある。さらに、粉末漂白剤を製造する際に各固体成分間の均一な混合が困難であり、粉末漂白剤を使用する場合は、粉塵が発生するなどの不便さがあり、特に、保管時に大気中の水を吸収する場合は化学的に分解されて酸素を発生させるという短所がある。
【0006】
しかし、最近液体漂白剤は、粉末漂白剤の製品より使用に便利であり、消費者に好まれる傾向である。液体漂白剤は、粉末漂白剤より計量しやすいし、水に早く溶けて粉塵が発生せず、保管時に化学的分解現象が起こるか、粉末漂白剤においてよく発生するケーキング(caking)現象がないという長所がある。
【0007】
従来は、過酸化水素を漂白剤の成分とする液体漂白剤を使用したが、前記過酸化水素を利用した液体漂白剤は、保管時に過酸化水素の分解によって保管容器が膨脹するか漂白力が低下するなどの問題がある。
【0008】
また、液体漂白剤の化学的安定度を高めるために組成物の粘度を高める従来の方法も、保管中に過酸化水素の分解によって組成物の粘度が変わり、商業化が困難である問題点がある。
【0009】
したがって、水気がほとんど存在しない溶媒からなる漂白剤であって、化学的安全性を保障すると共に、増粘剤を添加して物理的安全性も確保する液体漂白剤を開発する必要が生じてきた。
【0010】
また、常温においても液体の低粘度状態を維持し、取り扱いがさらに容易であり、使用に便利である低粘度の漂白剤の開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、使用に便利であり、物理的・化学的安全性に優れた漂白剤を開発するためのものであって、非極性で水に溶けやすい特定有機溶媒と、固体状増粘剤であるシリカ及び固体状の過酸化物を含む液体漂白剤組成物を提供することを目的にする。
【0012】
また、上述した固体状の過酸化物及びシリカの平均粒子の大きさを0.1ないし100umに調節することで、粒子沈降を最小化して液体の低粘度状態を維持できる発明を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した技術的課題を解決するため本発明の一側面によれば、非水性有機溶媒及び0.1ないし100umの平均直径を有する固体状の過酸化物と、0.1ないし100umの平均直径を有するシリカからなる無機物、脂肪酸、架橋されたアクリルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクリル酸ナトリウムから選択されるいずれかの補助増粘剤、及び酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、汚物沈澱防止剤、洗浄酵素及び香料から選択されるいずれかの添加剤からなり、前記非水性有機溶媒と前記無機物は、1:0.6ないし1:2の重量比で存在して、前記過酸化物と前記シリカは、650:1ないし7:1の重量比で存在する、液体漂白剤組成物が提供される。
【0015】
ここで、固体状の過酸化物は、過炭酸塩(percarbonate)、過ホウ酸塩(perborate)、過硫酸塩(persulfates)及び過酸化尿素(urea peroxide)から選択されるいずれかである。
【0016】
非水性有機溶媒は、ポリアルキレングリコール、多価アルコール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテル、アルキルエステル及びアルキルアミドから選択されるいずれかであって、ポリアルキレングリコールの中でも、平均分子量が400ないし6000の範囲のポリエチレングリコールを使用することが好ましいし、さらに好ましくは、分子量が異なる2以上のポリエチレングリコールを混合して使用して、このとき、分子量400ないし2000の低分子量ポリエチレングリコールと分子量2000ないし6000の高分子量ポリエチレングリコールを重量比9:1ないし1:1で混合した非水性有機溶媒であってもよい。
【0017】
固体状増粘剤としては、平均粒子の大きさが0.1ないし100umの範囲以内であるシリカが使用されるが、ここに脂肪酸、架橋されたアクリルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクリル酸ナトリウムから選択されるいずれかである補助増粘剤をさらに含む。
【0018】
このとき、脂肪酸は、C10ないしC18の飽和または不飽和脂肪酸の中から選択された2種以上の混合物である。
【0019】
本発明の一実施例による液体漂白剤は、水分含量は1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であり、粘度は1,000ないし50,000cps(せん断速度(shear rate)20sec-1
at 50℃)であって、漂白剤組成物のうち固体状の過酸化物及びシリカが液体成分中に分散されて、サスペンション(suspension)を成していることを特徴とする非水性(non-aqueous)酸素系漂白剤である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、非極性で水に溶けやすい特定有機溶媒と、シリカ及び固体状の過酸化物を含むことで、取り扱い・使用に便利であり、物理的・化学的安全性に優れた漂白剤組成物を提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、固体状の過酸化物及びシリカの平均粒子の大きさを0.1ないし100umに調節することで、粒子沈降を最小化して低粘度状態が維持される液体漂白剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点及び特徴、またそれらを達する方法は、後述の実施例らを参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施例らに限定されるものではなく、異なる多様な形態に具現されるものであり、但し、本実施例らは、本発明の開示を完全にさせて、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0023】
以下、本発明による液体漂白剤組成物について詳説する。
【0024】
本発明の一側面による液体漂白剤組成物は、固体状の過酸化物、非水性有機溶媒及びシリカを含む。
【0025】
このとき、有機溶媒と過酸化物及びシリカからなる無機物は、1:0.6ないし1:2の範囲内に存在することが好ましい。
【0026】
上述した範囲から脱して無機物がさらに少なくなる場合は、漂白の効果が足りないし、その量が多くなる場合は、液体漂白剤の流れ性低下によって使用に不便さをもたらすことがある。
【0027】
無機物を構成する過酸化物及びシリカは、650:1ないし7:1の重量比で存在することが好ましい。
【0028】
上述した範囲から脱してシリカが少ない量で存在する場合は、粘性が足りないし、層分離現象が起こり、分散安全性及び剤型安全性を確保することができない。
【0029】
逆に、多すぎる量のシリカが存在する場合は、過度な粘性によりネバネバのペースト状となり、使用が容易でなくなる問題が発生する。
【0030】
固体状の過酸化物は、過酸化水素を形成することのできる物質であって、過炭酸塩(percarbonate)、過ホウ酸塩(perborate)、過硫酸塩(persulfates)及び過酸化尿素(urea peroxide)及び金属固体状の過酸化物(ZnO2、MnO2、CaO2)などの中から選択されたものを使用することができ、好ましくは過炭酸塩を使用したほうがよい。
【0031】
このとき、過炭酸塩は、炭酸ナトリウムと過酸化水素の結合からなる化合物であって、高い有効酸素含量および水に対する高溶解度を有している、環境にやさしい化合物である。
【0032】
固体状の過酸化物は、平均粒子の大きさが0.1ないし100umの範囲内、さらに好ましくは、0.1ないし40umの範囲内であるものを使用することが好ましい。
【0033】
ここで、平均粒子の大きさが大きい場合は、固体状の過酸化物の含量を高めることはできるが、大きすぎる場合は、液体内の粒子沈降現象が発生して、分散性が低下し、粉末が液体内で溶解するまで長い時間を要するという問題点が発生する。
【0034】
非水性有機溶媒は、組成物全体の化学的、物理的安定度に大きく影響するため、その選定に特に注意すべきであり、このような非水性有機溶媒の選択・使用は、本発明の技術構成上の特徴の一つである。
【0035】
ここで、非水性有機溶媒として、水とよく混ざる有機溶媒(water-miscible solvent)を使用することができるが、上述した固体状の過酸化物は、水に溶けると、分解されて酸素を発生するところ、組成物の化学的安定度に悪影響を与える。
【0036】
したがって、本発明では、非水性有機溶媒として、水気はほとんど存在してはならず(0.5重量%未満)、有機溶媒が大気中の水をあまり吸収しないものを選択して使用することが好ましい。
【0037】
また、本発明において使用する非水性有機溶媒は、極性が非常に低いものを選択して使用するようにする。すなわち、極性の高い溶媒は、過炭酸塩などの過酸化物を溶かす傾向があるため、エタノールやプロパノールのような極性の高い溶媒は使用しないほうがよい。
【0038】
また、本発明において使用する非水性有機溶媒は、共に使用される他の成分らとの化学的反応があってはならず、組成物の粘度調節及びゲル化防止機能が可能な溶媒を選択しなければならない。
【0039】
上述した条件らを満たす非水性有機溶媒として、本発明において使用できる有機溶媒を具体的に例えば、ポリアルキレングリコール、多価アルコール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテル、アルキルエステル及びアルキルアミドから選択される1種またはそれ以上の混合物を使用することができる。
【0040】
有機溶媒は、過酸化物が分解されないように30ないし100℃、さらに好ましくは40ないし60℃の範囲内で液状に存在して、常温では、製造された液体漂白剤の低粘度性び流れ性が保障されるべきであるため、分子量が低くて極性が低いものを使用したほうがよい。
【0041】
特に、ポリアルキレングリコールの中でも、平均分子量が400ないし6000の範囲のポリエチレングリコールを使用することが望ましいし、さらに好ましくは、分子量が異なる2以上のポリエチレングリコールを混合して使用して、このとき、分子量400ないし2000の低分子量ポリエチレングリコールと分子量2000ないし6000の高分子量ポリエチレングリコールを重量比9:1ないし1:1で混合したものを使用する。
【0042】
ここで、ポリエチレングリコールの分子量が400未満である場合は、水分を適切に防げる役割ができず、過酸化物の分解安全性を阻害して、分子量が6000を超える場合は、組成物の粘度が上昇して液体の流れ性を確保し難い。
【0043】
このとき、非水性有機溶媒の使用量は、あわせて液体漂白剤組成物の重量35ないし60重量%であることが好ましい。
【0044】
非水性有機溶媒の使用量が35重量%未満である場合は、液体漂白剤の粘性が高くなり流れ性を確保することができないし、60重量%を超える場合は、液体としての流れ性は確保されるとしても、低い粘性により過酸化物及びシリカの分散安全性を維持し難いという問題が発生する。
【0045】
本発明では、増粘剤なしにも物理的安定度に優れたサスペンションを製造することはできるが、必要によっては、増粘剤を使用する場合より好ましい効果を得ることができる。
【0046】
液体漂白剤組成物の成分として、増粘剤はシリカが使用されて、好ましくはフュームドシリカ(fumed silica)として、液体漂白剤内で非水性有機溶媒に沈澱されるか凝集されない状態で安定して分散されているコロイドシリカ(colloid silica)を生成することができる。
【0047】
コロイドシリカは、表面積200m2/gであり、平均粒子の大きさが0.1ないし100umの範囲である親水性フュームドシリカ、または表面積100m2/gであり、平均粒子の大きさが0.1ないし100umの範囲である疎水性フュームシリカを使用する。
【0048】
平均粒子の大きさが大きくなる場合は、シリカの含量を高めることはできるが、大きすぎたシリカの場合、液体内の粒子沈降現象が発生して分散性を低下させるという問題が発生する。
【0049】
このとき、液体漂白剤組成物のうちコロイドシリカの含量は、0.1ないし5重量%であり、さらに好ましくは0.2ないし3重量%である。
【0050】
本発明による液体漂白剤組成物として、上述した増粘剤のほか補助増粘剤をさらに含んでもよい。
【0051】
ここで、補助増粘剤は、脂肪酸、架橋されたアクリルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクリル酸ナトリウムから選択されるいずれかである。
【0052】
このとき、脂肪酸としては、炭素数10ないし18の飽和または不飽和脂肪酸の中から選択された2種以上の混合物を使用することができ、好ましくは、カプリン酸(capric acid)、ラウリン酸(lauric acid)、ミリスチン酸(myristic acid)及びパルミチン酸(palmitic
acid)のうち2種以上の混合物を使用するほうがよい。
【0053】
また、架橋されたアクリルポリマーは、0.75ないし1.5重量%のポリアリルスクロースで架橋されたアクリル酸ポリマーを使用してもよい。架橋されたアクリルポリマーの使用量は、0.01ないし1.5重量%であり、好ましくは0.1ないし2重量%を使用するほうがよい。
【0054】
原料及び製造中に導入される金属物質らは(例えば鉄、マンガン、銅、クロム等)、固体状の過酸化物の分解を促進して、最終組成物の化学的安定度を低下するためなるべく排除して、少量の成分としては、洗浄組成物のうち当業界で通常使用する成分らを含んでもよい。
【0055】
すなわち、酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、汚物沈澱防止剤、洗浄酵素及び香料のような、様々なその他少量添加剤をさらに含んでもよいし、これら使用量は0.01ないし5重量%である。
【0056】
上述したように、本発明の低粘度の液体漂白剤組成物は、固体状粒子らが非水性液体に分散された形態であって、過酸化水素を生成する固体状の過酸化物、水とよく混ざる有機溶媒(water-miscible solvent)、固体状増粘剤(thickening agent)であるシリカからなるものであって、長い保管時間の間、物理的・化学的に安定して使用に簡便であり、漂白力にも優れた液体漂白剤組成物を提供することができる。
【0057】
以下では、本発明の具体的な実施例らを提示する。但し、下記に記載した実施例らは、本発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、これをもって本発明が制限されてはならない。
【0058】
漂白剤組成物の製造
【0059】
実施例1
【0060】
3ブレードプロペラ攪拌機(three-blade
propellar agitator)と冷却装置(jacket)を備えた1Lガラス反応機でポリエチレングライコール500mLを投入した後、ポリビニルピロリドン数5gを添加し、完全に溶解して混合溶液を準備した。
【0061】
次いで、混合溶液に平均直径が10μmであるシリカがガラス0.2重量%
(1g)となるように添加して、約1時間撹拌した後、平均直径が32umである粉末状の過炭酸ナトリウム570gを添加した後、45分間撹拌して、液体漂白剤組成物を製造した。
【0062】
実施例2
【0063】
混合溶液に添加されるシリカが0.5重量%(2.5g)であることを除いて、実施例1と同様に液体漂白剤組成物を製造した。
【0064】
比較例1
【0065】
液体漂白剤組成物の形態に提供されない、平均直径が32umである粉末状の過炭酸ソーダを漂白剤として使用した。
【0066】
比較例 2
【0067】
混合溶液にシリカを添加しない点を除いて、実施例1と同様に液体漂白剤組成物を製造した。
【0068】
比較例3
【0069】
混合溶液に添加されるシリカが0.1重量%(0.5g)であることを除いて、実施例1と同様に液体漂白剤組成物を製造した。
【0070】
比較例4
【0071】
平均直径が900umである粉末状の過炭酸ソーダを使用した点を除いて、実施例1と同様に液体漂白剤組成物を製造した。
【0072】
漂白剤組成物の活性酸素量の測定結果
【0073】
実施例1及び比較例1によって製造された漂白剤組成物それぞれ40℃、80%の湿度条件を維持するオーブンで1ヶ月間保管した後、過マンガン酸カリウム(KMnO4)を利用した滴定(titration)方法で漂白剤組成物に残存する活性酸素(active oxygen)の損失を計算した。残存活性酸素量の損失に対する測定結果は、下記の表1に表した。
【0074】
【0075】
表1の結果を参照すれば、実施例1の場合、既存に常用的に販売される粉末状漂白剤と類似する水準の残存活性酸素量を示すことを確認できた。すなわち、実施例1のように、漂白剤組成物が液状形態で長期間保管されるとしても、漂白剤として作用可能な水準の残存活性酸素量を維持できることを確認することができる。
【0076】
また、実施例1、実施例2、比較例2、比較例3及び比較例4に従って製造された漂白剤組成物200mLをガラス容器に投入して、それぞれ常温で1週間保管した後、層分離の発生有無と共に、層分離発生地点とガラス容器の下端部における活性酸素量差を測定した。
【0077】
【0078】
表2の結果を参照すれば、実施例1及び実施例2の場合、層分離が発生しないにつれて、上下活性酸素量差は0.5%以下に過ぎないことを確認することができる。一方、比較例2ないし比較例4の場合、液体漂白剤組成物に層分離が生じるだけでなく、上下活性酸素量差が2%を越えることを確認することができる。
【0079】
この場合、既存に常用的に販売される粉末状漂白剤と類似する水準の残存活性酸素量を示すことを確認することができた。すなわち、実施例1のように、漂白剤組成物が液状形態で長期間保管されるとしても、漂白剤として作用可能な水準の残存活性酸素量を維持できることを確認することができる。
【0080】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から脱しない範囲内において、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれる。