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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017206846
(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公開番号】P2019076561
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特許第6694417(JP,B2)
【文献】特開2017-164505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出として、第1特定演出と第2特定演出とを実行可能な特定演出実行手段と、
遊技者の動作を検出する検出手段と、
遊技に関する音を出力可能な音出力手段と、
前記音出力手段から出力される音を制御する音制御手段と、
を備え
記特定演出実行手段は、
前記第1特定演出において、第1前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第2特定演出において、第2前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第1前段表示と前記第2前段表示とで共通のキャラクタを表示可能であり、
前記第1特定演出において、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し、
前記第2特定演出において、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を表示し、
前記音制御手段は、前記第2前段表示を行うときは特定の音を出力する一方で、前記第1前段表示を行うときは前記特定の音を出力せず、
前記第1特定演出が実行されるときと前記第2特定演出が実行されるときで前記有利状態に制御される割合が異なり、
前記特定演出実行手段は、1回の可変表示において、前記第1特定演出と前記第2特定演出の双方を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出として、第1特定演出と第2特定演出とを実行可能な特定演出実行手段と、
遊技者の動作を検出する検出手段と、
遊技に関する音を出力可能な音出力手段と、
前記音出力手段から出力される音を制御する音制御手段と、
を備え
記特定演出実行手段は、
前記第1特定演出において、第1前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第2特定演出において、第2前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第1前段表示と前記第2前段表示とで共通のキャラクタを表示可能であり、
前記第1特定演出において、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し、
前記第2特定演出において、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を表示し、
前記音制御手段は、前記第2前段表示を行うときと前記第1前段表示を行うときで音出力の態様を異ならせ、
前記第1特定演出が実行されるときと前記第2特定演出が実行されるときで前記有利状態に制御される割合が異なり、
前記特定演出実行手段は、1回の可変表示において、前記第1特定演出と前記第2特定演出の双方を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
演出表示が行われる遊技機として、画像表示装置(メイン液晶)と副画像表示装置(サ
ブ液晶)を備え、画像表示装置と副画像表示装置に類似する演出表示を行う遊技機がある
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-117576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された遊技機では、これらの類似する演出表示を
行う際には、画像表示装置と副画像表示装置のいずれで実行する場合でも、表示位置が異
なるのみで態様が共通するため、演出が単調となるものであった。
【0005】
そこで、本発明が課題しようとする課題は、演出の態様に変化が出ることによって遊技
興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A)本発明の一態様による遊技機は、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出として、第1特定演出と第2特定演出とを実行可能な特定演出実行手段と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプッシュセンサ35B等)と、
遊技に関する音を出力可能な音出力手段と、
前記音出力手段から出力される音を制御する音制御手段と、
を備え
記特定演出実行手段は、
前記第1特定演出において、第1前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第2特定演出において、第2前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第1前段表示と前記第2前段表示とで共通のキャラクタを表示可能であり、
前記第1特定演出において、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10の表示を行った後に、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されて、プッシュセンサ35Bが遊技者の動作(操作)を検出したときに、図21-4(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する等)、
前記第2特定演出において、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を表示し(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されず、プッシュセンサ35Bが遊技者の動作(操作)を検出しない場合にも、図21-5(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第2宝箱演出等)、
前記音制御手段は、前記第2前段表示を行うときは特定の音を出力する一方で、前記第1前段表示を行うときは前記特定の音を出力せず、
前記第1特定演出が実行されるときと前記第2特定演出が実行されるときで前記有利状態に制御される割合が異なり、
前記特定演出実行手段は、1回の可変表示において、前記第1特定演出と前記第2特定演出の双方を実行しない
ことを特徴とする。
(1)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例えば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプッシュセンサ35B等)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第1宝箱演出等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第1宝箱演出等)と、を実行可能であり、
前記第1特定演出では、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10の表示を行った後に、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されて、プッシュセンサ35Bが遊技者の動作(操作)を検出したときに、図21-4(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する等)、
前記第2特定演出では、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を表示する(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されず、プッシュセンサ35Bが遊技者の動作(操作)を検出しない場合にも、図21-5(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第2宝箱演出等)ことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0008】
(B)本発明の一態様による遊技機は、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出として、第1特定演出と第2特定演出とを実行可能な特定演出実行手段と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプッシュセンサ35B等)と、
を備え
記特定演出実行手段は、
前記第1特定演出において、第1前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第2特定演出において、第2前段表示を表示した後に後段表示として予告画像を表示し、
前記第1前段表示と前記第2前段表示とで共通のキャラクタを表示可能であり、
前記第1特定演出において、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し、
前記第2特定演出において、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を表示し、
前記音制御手段は、前記第2前段表示を行うときと前記第1前段表示を行うときで音出力の態様を異ならせ、
前記第1特定演出が実行されるときと前記第2特定演出が実行されるときで前記有利状態に制御される割合が異なり、
前記特定演出実行手段は、1回の可変表示において、前記第1特定演出と前記第2特定演出の双方を実行しない
ことを特徴とする。
(2)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例えば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプッシュセンサ35B等)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第1宝箱演出等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する第1宝箱演出等)と、を実行可能であり、
前記第1特定演出において、遊技者の動作を受け付ける際に動作を指示する指示表示を行わず(例えば、図21-7(B)、図21-9に示すように、第1宝箱演出の操作有効期間内にメイン液晶5には、プッシュボタン31Bを模したボタン画像57SH31Bを表示しない等)、
前記第2特定演出において、遊技者の動作を受け付ける際に動作を指示する指示表示を行う(例えば、図21-8(B)、図21-9に示すように、第2宝箱演出の操作有効期間内にメイン液晶5にプッシュボタン31Bを模したボタン画像57SH31Bを表示する等)ことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0010】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、前記表示制御手段は、前記第1特定演
出と前記第2特定演出は同時に実行しない(例えば、メイン液晶5に表示された宝箱57
SH10とサブ液晶57SH51に表示された宝箱57SH10を1回の可変表示では実
行しない等)ようにしてもよい。
【0011】
上記構成によれば、遊技者を混乱させにくくできるので、興趣の向上を図ることができ
る。
【0012】
なお、前記第1特定演出と前記第2特定演出は同時に実行しないの「同時」とは、第1
特定演出と第2特定演出の一方の特定演出の開始時から終了時までの間に、他方の特定演
出が実行されないことをいい、例えば、1回の可変表示中には、第1特定演出と第2特定
演出とは実行されない。
【0013】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの遊技機において、前記表示制御手段は、前記特定
演出を第1表示手段で実行する(例えば、図21-4(B)に示すように、サブ液晶57
SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示
すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から
出てくる内容物57SH11を表示する等)ようにしてもよい。
【0014】
上記構成によれば、遊技者が演出結果を認識しやすくなるので、興趣の向上を図ること
ができる。
【0015】
(5)上記(1)~(4)のいずれかの遊技機において、前記特定演出は、前記特定演出
以外の演出を示唆する予告演出(例えば、図21-4に示すように、リーチ演出を示唆す
る宝箱演出、図21-5に示すように、保留表示エリア57SH52に表示される保留表
示の変化を示唆する宝箱演出、図21-8に示すように、飾り図柄表示エリア5L、5C
、5Rに表示される飾り図柄が1回の変動で複数回の変動を行うように見せる擬似連演出
を予告する宝箱演出等)であるようにしてもよい。
【0016】
上記構成によれば、特定演出以外の演出に関して示唆されるバリエーションが増えるの
で、興趣の向上を図ることができる。
【0017】
(6)上記(1)~(5)のいずれかの遊技機において、前記表示制御手段は、前記第1
特定演出において動作を指示する動作指示の報知(例えば、プッシュボタン31Bを小さ
く表示した、図21-10(A-1)に示す小ボタン画像57SH31BSを表示した動
作指示の報知等)と前記第2特定演出において動作を指示する動作指示の報知(例えば、
プッシュボタン31Bを大きく表示した、図21-10(A-2)に示す大ボタン画像5
7SH31BBを表示した動作指示の報知等)とを異ならせる(例えば、小ボタン画像5
7SH31BSと大ボタン画像57SH31BBとは異なる等)ようにしてもよい。
【0018】
上記構成によれば、遊技者を混乱させにくくできるので、興趣の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図4】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図8】変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。
図9】演出動作例を示す図である。
図10】演出動作例を示す図である。
図11】演出動作例を示す図である。
図12】演出動作例を示す図である。
図13】演出動作例を示す図である。
図14】演出動作例を示す図である。
図15】予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
図16】予告演出決定処理における決定割合を示す図である。
図17】変形例の演出動作例を示す図である。
図18】変形例の演出動作例を示す図である。
図19】変形例の演出動作例を示す図である。
図20-1】パチンコ遊技機の正面図である。
図20-2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図20-3】パチンコ遊技機の背面斜視図である。
図20-4】遊技機用枠を開放した状態のパチンコ遊技機の背面斜視図である。
図20-5】(A),(B)は、演出制御コマンドを例示する図である。
図20-6】各乱数を示す説明図である。
図20-7】変動パターンを例示する図である。
図20-8】表示結果判定テーブルを示す説明図である。
図20-9】大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
図20-10】各種大当りの内容を示す説明図である。
図20-11】(A)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)を示す説明図であり、(B)は大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)を示す説明図であり、(C)は小当り用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
図20-12】ハズレ用変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
図20-13】遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。
図20-14】第2特別可変入賞球装置の構造を示す正面図である。
図20-15】(A)は、表示モニタの正面図、(B)は、表示モニタの表示内容を説明する説明図である。
図20-16】主基板のRAMにおける記憶領域の一部の構成を示す図である。
図20-17】主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。
図20-18】主基板RAMの記憶領域に対応するRAM領域を示した図である。
図20-19】(A)は、表示モニタに表示される項目の表示時間を示すタイムチャート、(B-1)~(B-6)は、表示モニタの表示内容の変化を説明する説明図である。
図20-20】リングバッファの記憶領域に記憶されたデータの移動を説明する説明図である。
図20-21】遊技制御メイン処理の一部を示すフローチャートである。
図20-22】設定変更処理における表示モニタの表示態様を示す説明図である。
図20-23】遊技制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
図20-24】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図20-25】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図20-26】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図20-27】第1始動入賞演出と第2始動入賞演出の演出態様を示す図である。
図20-28】変動表示中の演出態様を示す図である。
図20-29】変動表示中の演出態様を示す図である。
図20-30】変形例1における変動表示中の演出態様を示す図である。
図20-31】変形例2における変動表示中の演出態様を示す図である。
図20-32】変形例2における変動表示中の演出態様を示す図である。
図20-33】変形例3における設定変更処理での表示モニタの表示態様を示す説明図である。
図20-34】(A)は変形例4における表示モニタの表示態様を示す説明図であり、(B)は変形例4における表示モニタの表示内容の変化を説明する説明図である。
図20-35】変形例5におけるセキュリティカバーを示す図である。
図20-36】変形例5における遊技機用枠の開閉を示す図である。
図20-37】変形例6におけるセキュリティカバーを示す図である。
図20-38】変形例6における遊技機用枠の開閉を示す図である。
図20-39】変形例7におけるパチンコ遊技機を示す説明図である。
図20-40】演出制御コマンドを例示する図である。
図20-41】設定値変換処理の一例を示すフローチャートである。
図20-42】設定値の設定秘匿値への変換方法を示す説明図である。
図20-43】設定変更処理における表示モニタの表示態様の一部を示す説明図である。
図20-44】コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。
図20-45】設定値更新処理の一例を示すフローチャートである。
図20-46】朝いち背景演出(設定値示唆演出)の決定割合を示す説明図である。
図21-1】特徴部57SHを含むパチンコ遊技機の正面図である。
図21-2】(A)は、宝箱を表示する表示装置及び表示文字を説明する図、(B)は、宝箱演出の実行割合を説明する図、(C)は、先読み宝箱演出内容決定テーブルを示す図、(D)は、SPリーチハズレ宝箱演出内容決定テーブルを示す図、(E)は、SPリーチ大当り宝箱演出内容決定テーブルを示す図である。
図21-3】特徴部57SHの宝箱演出決定処理の一例を示すフローチャートである。
図21-4】特徴部57SHの第1実施形態の演出動作例を示す図である。
図21-5】特徴部57SHの第1実施形態の演出動作例を示す図である。
図21-6】特徴部57SHの第1実施形態の演出動作の一例のタイムチャートである。
図21-7】特徴部57SHの第2実施形態の演出動作例を示す図である。
図21-8】特徴部57SHの第2実施形態の演出動作例を示す図である。
図21-9】特徴部57SHの第2実施形態の演出動作の一例のタイムチャートである。
図21-10】特徴部57SHの変形例の演出動作の例を示す図である。
図21-11】特徴部57SHの変形例の演出動作の例を示す図である。
図21-12】特徴部57SHの変形例の演出動作の例を示す図である。
図21-13】特徴部57SHの変形例の演出動作の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び
制御でもある。)について説明する。
【0021】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチン
コ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技
盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領
域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から
発射されて打ち込まれる。
【0022】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識
別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1
特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それ
ぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「
-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパタ
ーンが含まれてもよい。
【0023】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示す
ることである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示
、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などが
ある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表
示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表
示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある
図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図
柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示につ
いても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0024】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」とも
いい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともい
う。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた
特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表
示装置は1種類であってもよい。
【0025】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示
装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構
成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンか
ら構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0026】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、
特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など
)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「
左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変
表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される
特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0027】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、
実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられてい
てもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示
ともいう。
【0028】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記
憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう
。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0029】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25
Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数に
よって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって
、第2保留記憶数を表示する。
【0030】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられてい
る。
【0031】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放
状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには
、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る
【0032】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状
態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、
一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であ
るときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに
近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状
態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態
であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入でき
る開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊
技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特
図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化す
るものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0033】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉
受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合に
は、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球
が賞球として払い出される。
【0034】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装
置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって
開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化
する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0035】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイ
ド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞
口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用
のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技
球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0036】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球とし
て払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始
動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0037】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始
動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0038】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器2
0が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどか
らなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う
。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表され
る。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図
柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0039】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊
技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0040】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表
示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲーム
の数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0041】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車
及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入し
なかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0042】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8R
が設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けら
れている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0043】
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設け
られている。
【0044】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射す
るために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられてい
る。
【0045】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球
や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)
する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い
出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0046】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可
能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31
Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントロー
ラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出さ
れる。
【0047】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所
定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに
対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
【0048】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティッ
クコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が
設けられていてもよい。
【0049】
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊
技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表
示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊
技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に
基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定
の上限数(例えば4)まで保留される。
【0050】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄
の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の
普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」
となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御
が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0051】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示
装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0052】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄
表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0053】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御
されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが
当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特
図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0054】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」
、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」と
なり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示さ
れれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ
図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0055】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態
として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後に
は、小当り遊技状態に制御される。
【0056】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で
開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイ
ミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイ
ミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウン
ドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともい
う。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)とい
う。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで
繰り返し実行可能となっている。
【0057】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を
得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当
り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有
利となる。
【0058】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(
ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短
状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。
大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほと
んど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0059】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態
様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊
技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大
入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同
様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0060】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御
されることがある。
【0061】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮
させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変
動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を
通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(
高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)
の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0062】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率
が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向
上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利
な状態である。
【0063】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技
状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する
。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り
時短、回数切り確変等)ともいう。
【0064】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状
態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り
」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊
技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合の
ように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態で
ある。
【0065】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状
態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていな
い状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、
確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態
かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0066】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が
「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図
ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技
状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0067】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定
領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過し
たとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0068】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり
、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、
当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該
表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ラ
ンプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
【0069】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中
」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲ
ームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや
第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミン
グでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)
も停止表示(導出)される。
【0070】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の
態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様と
は、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を
構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続してい
る態様などのことである。
【0071】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実
行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や
飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度
とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば
、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、があ
る。
【0072】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において
、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図
柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「
左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン
上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0073】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数
の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変
状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(
例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図
柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ
態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい
【0074】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において
、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図
柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当
り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、
5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。な
お、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り
遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の
確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0075】
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリー
チ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図
柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果
が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には
、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果
として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾
り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こ
ともある。
【0076】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクテ
ィブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を
予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変
表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されて
いる可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出
として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態
様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0077】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた
後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように
見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0078】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り
中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを
示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知
する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り
遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確
状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が
小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにして
もよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後と
で共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないよう
にしてもよい。
【0079】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモ
ンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0080】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声
制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、
パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源
基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0081】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行
(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大
当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は
、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111
などを有する。
【0082】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップの
マイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random A
ccess Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路10
4と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0083】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の
進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM10
1が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決
定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメイン
メモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対
する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなって
いる。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開
して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0084】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数
)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコ
ンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの
)であってもよい。
【0085】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種
信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第
1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)
する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0086】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口ス
イッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッ
チ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す
検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信
号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
【0087】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆
動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役
物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0088】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部と
して、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマ
ンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、
中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドに
は、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り
種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))
、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留
記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0089】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマ
ンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演
出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行
する機能を有する。
【0090】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と
、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0091】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することによ
り、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能
を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM
121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122が
メインメモリとして使用される。
【0092】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35
Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容
を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0093】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character G
enerator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演
出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0094】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行す
る演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5
に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊
技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を
音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)
をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作
させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0095】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音
指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピー
カ8L、8Rから出力させる。
【0096】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ラ
ンプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果
ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの
点灯/消灯を制御する。
【0097】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可
動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が
実行するようにしてもよい。
【0098】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)
を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が
所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新さ
れるもの)であってもよい。
【0099】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された
演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ラ
ンプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0100】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外
の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられ
ていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0101】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0102】
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給
が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によっ
て遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行す
る遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0103】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ス
テップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタッ
クポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポ
ート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0104】
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3
)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態
で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイク
ロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(
ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、C
PU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRA
Mクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0105】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信
する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると
、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するため
の画面表示を行う。
【0106】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM
102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する
(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止し
たときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電
源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバ
ックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保
護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビ
ット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデ
ータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)
の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バ
ックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM1
02にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理
(ステップS8)を実行する。
【0107】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、
CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用い
て行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例
えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時
のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM10
2のデータが正常であると判定する。
【0108】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状
態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実
行する。
【0109】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CP
U103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステ
ップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックア
ップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時
の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込
み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0110】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板
12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊
技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中
の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これ
らコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを
使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンド
を受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断
からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、
前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0111】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した
後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(
ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかる
ように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定
を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理
に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU10
3へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0112】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号
を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割
込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU10
3は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲ
ートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントス
イッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS2
1)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異
常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22
)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部
に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を
示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となっ
た回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0113】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソ
フトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。こ
の後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU1
03がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行
及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現
される(詳しくは後述)。
【0114】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26
)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲー
トスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づ
く)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開
放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することによ
り行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0115】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断
が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、C
PU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記
各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御
処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板
に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可
してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0116】
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理
の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103
は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0117】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報
を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大
当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記
憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する
処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に
始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマン
ドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御
コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコ
マンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して
伝送される。
【0118】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けら
れた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを
選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120
)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設
定が行われる。
【0119】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)
のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1
特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常
処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り
」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果
が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定さ
れた表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄
や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値
が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲーム
が第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先
消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶
し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう
)。
【0120】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテー
ブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照され
る。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じ
である。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている
【0121】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のとき
に実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」
とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パタ
ーンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理で
は、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動
パターン設定処理は終了する。
【0122】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行
時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示
中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ば
れる。
【0123】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実
行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装
置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開
始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が
変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図
柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラ
グの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0124】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実
行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装
置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表
示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」
である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラ
グがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8
”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値
が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確
変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更
新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0125】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実
行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき
、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設
定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用の
ソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには
、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期
間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフ
ラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0126】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実
行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測
する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の
個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否か
を判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入
賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実
行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0127】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実
行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が
設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に
大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウン
ドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”
に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセス
フラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放
後処理は終了する。
【0128】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行
される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエ
ンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大
当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処
理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“
0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0129】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実
行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小
当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれてい
る。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終
了する。
【0130】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実
行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測
する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に
戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態
に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が
“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0131】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実
行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行さ
れる期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、
小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1にお
ける遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときに
は、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
【0132】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源
基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフロ
ーチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理
を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステッ
プS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載さ
れたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理
を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置
に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行
される。
【0133】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73
)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2
ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオ
フであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機す
る。
【0134】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みと
は別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割
込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生す
る割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、
演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態
にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが
望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる
割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信
割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主
基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを
取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた
演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込
み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0135】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Ye
s)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コ
マンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板1
1の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッ
ファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出
制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受
信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるよ
うに、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM1
22に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特
定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0136】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行
する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域
における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ
9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といっ
た、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動
作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決
定、設定などが行われる。
【0137】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ス
テップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフ
トウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処
理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0138】
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一
例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用
CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設
定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づい
て、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出
制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行さ
れる。
【0139】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM12
2に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S1
77の処理のいずれかを選択して実行する。
【0140】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期
値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変
表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における
飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5
における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“
1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0141】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のとき
に実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定
される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図
柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有
無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した
演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり
)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実
行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表
示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示
により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0142】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに
実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、
表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターン
に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動さ
せること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8
Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の
出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾
り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、
例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこ
と、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを
受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる
。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、
可変表示中演出処理は終了する。
【0143】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実
行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基
板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマン
ドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始
することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の
開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対し
て、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグ
の値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又
は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信
待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定
して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの
値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0144】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のとき
に実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、
例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設
定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出
処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受
信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“
5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0145】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のと
きに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120
は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定
内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出
プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0146】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実
行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例え
ば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内
容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理
では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信し
たことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値で
ある“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0147】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のとき
に実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120
は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定
内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行
する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演
出処理を終了する。
【0148】
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
【0149】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品と
して払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付
与する封入式遊技機であってもよい。
【0150】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)
だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよ
い。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄
が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)
【0151】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所
定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転さ
せ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合
せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを
実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、A
RT、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用
可能である。
【0152】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピ
ュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定される
ものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくこと
で配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及び
データは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワ
ーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない
【0153】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するもの
だけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモ
リ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネッ
トワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としても
よい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うこ
とによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0154】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「
低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよ
い。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満
の割合であることも含む。
【0155】
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図8は、本実施の形態のパチ
ンコ遊技機1における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図8(A
)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに
表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1-1、PA1-2、飾
り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレ
の変動パターンPA2-1~PA2-6、PA3-1~PA3-4等、表示結果が「大当
り」となる変動パターンPB2-1~PB2-6、PB3-1~PB3-4等が用意され
ている。
【0156】
また、図8(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチ
A~Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ
演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行
されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図8(B)の黒色の星の数で表すように、ノー
マルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチ
B<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリー
チを設けてもよい。
【0157】
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようにな
っている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇
格)する発展演出が実行される場合がある。図8(A)に示す変動パターンPA3-1~
PA3-4等、変動パターンPB3-1~PB3-4等が、発展演出が実行されることに
対応した変動パターンとなっている。なお、図8(A)では、信頼度が一段階上のスーパ
ーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パ
ターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
【0158】
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定
タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図8(B)
に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、
スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイト
ルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される
。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置により
タイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に
煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまた
は信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示
結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字
のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
【0159】
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのも
のを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出
内容等を示すものであってもよい。
【0160】
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基
板11から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU120が演出制御
プロセス処理を実行することで実行される。図9図10は、本実施の形態におけるスー
パーリーチの演出動作例を示す図である。図9(A)は、画像表示装置5の「左」、「中
」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行
されていることを示している。その後、例えば、図9(B)に示すように、「左」及び「
右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応
じて演出が分岐する。
【0161】
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図9(C)に示すように、画像表示装置5に味方キ
ャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、
例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリ
ーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリ
ーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図9(D)に示すように、画像表示装置
5の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」
の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(こ
こでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知
される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図9(E)に
示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK
001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ
31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キ
ャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝
利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
【0162】
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置5にセリフを表示するときに、スピーカ8
からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図9(E)に
示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置5の下部等に字幕で表示
するようにしてもよい。
【0163】
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図9(C)に示すように、画像表示装置5にキャラ
クタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ
31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部
分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図9(F)
に示すように、画像表示装置5の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005
(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタ
イトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパ
ーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK00
5が消去され、図9(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表
示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ
31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出
の後続部分が実行される。
【0164】
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始
されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。こ
のようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを
報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
【0165】
また、スーパーリーチA(図9(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(
図9(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分にお
いては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図9(C
))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリ
ーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。ス
ーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を
完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるか
を判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、ス
ーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトル
に関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆する
ような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、
遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特
定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
【0166】
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図9(H)に示すように、画像表示装置5の中央の
一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)
が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「
敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このよう
に、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるように
なっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期
待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図9(H)に示すように、黒い星
の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼
度と完全に一致していなくてもよい。
【0167】
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではな
く、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リー
チの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タ
イトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
【0168】
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図9(I)に示すように、画
像表示装置5にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK0
07及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置5の右上部分等に縮小して表示
され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握す
ることができる。なお、図9(I)では、図9(C)(スーパーリーチA、スーパーリー
チB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出
が実行されてもよい。
【0169】
その後、図9(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示さ
れ、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31
AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実
行される。
【0170】
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図10(A)に示すように、画像表示装置5の左上
の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字
)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリー
チEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表
示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011と
が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラ
クタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ
演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタ
イトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル
31AK010が表示され続ける。
【0171】
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずに
タイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対
して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リー
チ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図9(D)、(F)、(
H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演
出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDとい
ったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うように
してもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリー
チ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り
信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報
知を行うようにしてもよい。
【0172】
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいて
は、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリー
チD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され
るようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行で
き演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチ
A及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタ
イトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいて
は、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼
度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度
の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知される
ようにしてもよい。
【0173】
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像
表示装置5の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及び
スーパーリーチEにおいては、画像表示装置5の画面の一部(第2領域)においてタイト
ルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演
出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリー
チである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知
が可能になる。なお、画像表示装置5の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱ
いに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報
知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)
等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う
表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知
を行う表示領域を異ならせてもよい。
【0174】
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態
の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせて
もよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである
場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じて
タイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面
積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
【0175】
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにお
けるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリ
ーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示
唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止
できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタ
イトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで
、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されること
で遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB
、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよ
い。
【0176】
なお期待度示唆表示は、図9(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限
定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応
した数値を表示するようにしてもよい。また、図9(H)等に示すように、黒い星の数に
よって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段
階数を増やしてもよい。
【0177】
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイ
トルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これによ
り、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることが
できる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示され
た後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパ
ーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把
握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知
を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっ
ても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
【0178】
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例え
ば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
【0179】
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)に
なると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決
め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」
となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図10(B)に示すよ
うに、画像表示装置5に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後
、表示結果が「大当り」であれば、図10(C)に示すように、味方キャラが勝利したこ
とを示す画像31AK013が表示され、図10(D)に示すように、大当り組合せとな
る確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北
したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
【0180】
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出
が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に
注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
【0181】
図9図10に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置
5の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出
中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示され
なくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異
ならせてもよい。
【0182】
なお、画像表示装置5に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャ
ラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演
出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低
信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。この
ようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを
防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
【0183】
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図11(A)に示
すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイト
ル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図11(B)に示すように
、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチ
Aに発展する場合には、図11(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知
され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合に
は、図11(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリー
チのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリ
ーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリ
ーチに発展したかがわかりやすくなる。図11に示すように、発展先のリーチが表示及び
音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知
が改めて実行される。
【0184】
なお、発展演出は図11(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入っ
て割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにし
てもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に
徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
【0185】
(期待度示唆演出)
図9(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い
星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒
い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
【0186】
例えば、図12(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最
初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図12(B)
に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表
示され、図12(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示3
1AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8か
ら期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図12
D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。こ
のときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ8から出力される音声(音量、音階、
音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待
度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図12(F)に示すように、その黒い星が光
るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したこ
とがわかりやすくなる。
【0187】
図12(A)~(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示によ
り示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて
期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が
半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度
の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するよ
うにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されると
きとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの
黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力し
ない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効
果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示
されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が
増加するような演出を実行するようにしてもよい。
【0188】
(演出モード)
画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9といった演出装置における演出モード
が複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板11から同じコマンド(例えば変動
パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異な
る演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置5に表示される背景、キャラ
クタ、モチーフ、スピーカ8から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは
、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の
操作により変更可能にしてもよい。
【0189】
図12(G)~(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場
合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作
例である。通常モードでは、図12(A)~(F)に示すようタイトル報知及び期待度示
唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ
演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリー
チ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図12(G
)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき
、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異
なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における
期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
【0190】
その後、図12(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒
い菱形31AK025が表示され、図12(I)に示すように、黒い菱形31AK025
が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行さ
れる。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」と
いう音声が出力される。図12(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した
回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒
菱形が収まった段階で、図12(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように
強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード
(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせること
で演出が多彩になり演出効果が向上する。
【0191】
図12では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示した
が、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイト
ル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード
(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かや
タイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場
合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊
技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
【0192】
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆
し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期
待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよ
い。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するよう
にしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
【0193】
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場
合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。
この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示に
ついては段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図13(A)に示すよ
うに、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了
した後に、図13(B)に示すように、画像表示装置5にボタン画像31AK031が表
示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン31Bへの操作が検出されると
図13(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「
SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される
。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展
先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりや
すくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆
表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一
度に表示される。なお、可動体32が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化す
る発展演出を実行するようにしてもよい。
【0194】
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色
等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例え
図14(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示
されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで
、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図14(B)に示すようにタイトル31
AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このよ
うに、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実
行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図14に示すタイトル予告では、
音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化す
る場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお
、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始
時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
【0195】
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、
タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにし
てもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音
声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるよう
にしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力す
るようにしてもよい。
【0196】
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御さ
れる期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい
。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行
され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
【0197】
図15は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例
を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU120が図7のス
テップS171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御
用CPU120は、先ず、主基板11から送信されるコマンドから特定される変動パター
ンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001
)。
【0198】
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)
、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステッ
プ31AKS002)。
【0199】
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに
応じて、例えば図16(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決
定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図16(A)に示すように、「黒」、「
赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「
赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信
頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度
が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに
注目するようになり、演出効果が向上する。
【0200】
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ
柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであ
ってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変
化するものについては、図14に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が
変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あ
ってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせても
よい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパ
ーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイト
ルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場
合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するように
してもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチ
AやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示
期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
【0201】
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図16(A
)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図16(B)に示すよう
な通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示
色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出
モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせ
ることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
【0202】
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラク
タのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセ
リフ予告を実行するようになっている。
【0203】
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出に
おけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ3
1AKS003)。
【0204】
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに
応じて、例えば図16(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決
定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図16(C)に示すように、「白」、「
赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信
頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が
異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目
するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフ
が表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変
化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大
当り信頼度を異ならせてもよい。
【0205】
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なる
ようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含
まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り
信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミング
が異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信
頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞ
れの変化タイミングに注目させることができる。
【0206】
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モード
と異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表
示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
【0207】
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告す
る予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の
変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすれ
ばよい。
【0208】
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンで
ないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有
無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002~3
1AKS004における決定結果をRAM122の所定領域に保存し(ステップAK31
S005)、予告演出決定処理を終了する。
【0209】
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予
告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリー
チ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能に
してもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図16に示す決定割合で決
定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に
応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告
演出を実行でき、演出効果が向上する。
【0210】
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表
示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効
果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変
更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにするこ
とで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
【0211】
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化するこ
とを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5に作用演出画像を表
示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行す
るようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様
(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイ
トル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行さ
れたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用
演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演
出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決
定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様
に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作
用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセ
リフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なる
ようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。こ
のような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、
タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお
、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や
演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用
演出を実行でき、演出効果が向上する。
【0212】
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作
やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少な
くとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、
遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
【0213】
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で
説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
【0214】
(サブ液晶)
画像表示装置5とは異なるサブ表示装置として、遊技盤2または遊技機用枠3にサブ液
晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機EL
やドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示
装置5の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい
。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば
、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパ
ーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示
する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
この場合、画像表示装置5においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトル
や期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置5
におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示するこ
とができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
【0215】
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、本発明
を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)
に本発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表
示装置5における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モ
ード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイ
トル報知に本発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティッ
クコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したとき
に遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報
知に本発明を適用してもよい。
【0216】
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」
となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるように
なっていた(図10(B)~(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出す
る前の所定タイミングになると、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B
の操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出
の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにし
てもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技
者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
【0217】
図17図18は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例
におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図17(A)に示すように、画像
表示装置5においてリーチ態様となった後、例えば図17(B)に示すように、味方キャ
ラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表
示され、図17(C)~(F)、図18(G)~(I)に示すように、キャラクタ31A
K041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
【0218】
リーチ演出に伴い、図17(C)に示すように、画像表示装置5の右下に小ボタン画像
31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示
される。これにより、プッシュボタン31Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は
操作の受付が規制されていることが示唆される。
【0219】
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されて
いる。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当
り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを
示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
【0220】
例えば、図17(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図1
7(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046
に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化
する。
【0221】
その後、図18(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図18(I)に
示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示さ
れ、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される
。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
【0222】
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化す
ることを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する
場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しな
い場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっ
ていてもよい。
【0223】
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図18(J)に示すように、規制線31
AK044が消去され、図18(K)に示すように、スティック画像31AK051が中
央部に拡大表示され、スティックコントローラ31Aを引く操作を促す表示がされる。ま
た、このときスティックコントローラ31Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
【0224】
ここで、スティックコントローラ31Aを引く操作が検出されると、図18(L)に示
すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、
変動時間の終了するタイミングで、図18(M)に示すように、大当り組合せとなる確定
飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった
場合には、自動的に図18(L)に示す画像が表示される。
【0225】
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像
とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操
作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が
表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合が
あるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
【0226】
なお、図17図18に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆
表示は省略しているが、図17図18に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実
行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示
する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図15のステップ31AKS004にて実行
されればよい。
【0227】
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにして
もよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイ
トル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上
をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後に
リーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示
およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場
合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよい
し、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
【0228】
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像の
ことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、
要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これ
ら要素E1~E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示
およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1~E5の全てが視認可能となる
ように表示される。また、特定画像を構成する要素E1~E5の表示サイズは、シャッタ
ー表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、
要素E1~E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まる
ように表示される。
【0229】
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されると
きには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演
出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、
フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示され
ないときには、たとえば、各要素E1~E5を含まない無地の画像が表示される。なお、
シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像と
して、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り
信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえ
ば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大
当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるよ
うにしてもよい。
【0230】
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際に
おいても、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効
果ランプ9の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ9の発光制御により
、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示
およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。
また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される
。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
【0231】
図19は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図で
ある。図19(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置5に
おいて可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像
31AK061には、要素E1~E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、
シャッター演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知が実行
されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。閉じていたシャッター
が開くと、図19(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印
が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止する
と、図19(c)に示すように、リーチ状態となる。
【0232】
次いで、図19(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例
えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リ
ーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容
がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E
1~E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK
062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文
字が表示される。
【0233】
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力す
る報知が実行されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。さらに、
共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示
す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッ
ター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイト
ル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者
により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に
分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
【0234】
その後、図19(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キ
ャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャ
ラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バ
トルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の
数字図柄による可変表示画面に戻る。図19(f)に示すように、全ての図柄が停止し、
「777」の大当り図柄が表示される。
【0235】
図19(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイ
トル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1~E5を
含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK06
1とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に
表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたこ
とを正確に伝えることができる。
【0236】
また、図19(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図19(d
)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よっ
て、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の
表示サイズとの違いに注目させることができる。
【0237】
また、図19(a)に示すシャッター画像31AK061と図19(d)に示すリーチ
タイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実
行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしま
うことを防止することができる。
【0238】
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図15のステップ
31AKS004にて実行されればよい。その際には、図15のステップ31AKS00
2におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うよう
にしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合
は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演
出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図15のステップ31AKS004
にて実行されるようにしてもよい。
【0239】
(特徴部31AKに関する付記)
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な有利
状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって
、前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な
示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU120)と、前記示唆演出に対応したタイト
ルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、前記タ
イトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応
したタイトルを報知可能である(例えば図9(D)、(F))。
【0240】
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
【0241】
(2)上記(1)の遊技機において、前記示唆演出実行手段は、複数種類の前記示唆演
出を実行可能であって、複数種類の前記示唆演出において、前記所定期間内の演出の少な
くとも一部は共通の態様で実行可能であるようにしてもよい(例えば図9(C))。
【0242】
このような構成によれば、いずれの示唆演出が実行されるかに注目させることができ、
興趣が向上する。
【0243】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、前記示唆演出実行中の複数の実行タ
イミングにおいて、前記有利状態に制御されることを示唆する特定演出(例えば発展演出
や予告演出)を実行可能であり、前記所定期間中には前記特定演出の実行タイミングが設
けられないようにしてもよい。
【0244】
このような構成によれば、タイトルの報知後でも遊技者の期待感を維持することができ
る。
【0245】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として少なくとも第1示唆演出(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチ
Bのリーチ演出)と第2示唆演出(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチEのリーチ
演出)とを実行可能であり、前記タイトル報知手段は、前記第2示唆演出では、当該第2
示唆演出の開始時から当該第2示唆演出に対応したタイトルを報知するようにしてもよい
【0246】
このような構成によれば、示唆演出に応じたタイトルの報知を実行できるので演出効果
が向上する。
【0247】
(5)上記(4)の遊技機において、前記第2示唆演出が実行された場合よりも前記第
1示唆演出が実行された場合の方が前記有利状態に制御される割合が高いようにしてもよ
い。
【0248】
このような構成によれば、演出効果が向上する。
【0249】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、前記示唆演出実行手段は、
前記所定期間において報知されるタイトルに関連する演出態様で前記示唆演出を実行可能
であるようにしてもよい。
【0250】
このような構成によれば、演出効果が向上する。
【0251】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、遊技者の動作を検出可能な
検出手段(例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B)と、前記検出
手段に対応した特定表示(例えば小ボタン画像31AK043、大ボタン画像31AK0
47、スティック画像31AK051)を行う特定表示実行手段(例えば演出制御用CP
U120)と、をさらに備え、前記特定表示実行手段は、前記特定表示として、第1特定
表示(例えば小ボタン画像31AK043)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって
有利度が高い第2特定表示(例えば、大ボタン画像31AK047、スティック画像31
AK051)を表示可能であり、前記検出手段による検出の非有効期間において、前記第
1特定表示を表示した後に当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ(例えば図1
7(E)、図18(I))、前記検出手段による検出の有効期間において、変化後の前記
第2特定表示を用いた動作演出が実行されるようにしてもよい(例えば図18(J)、(
K))。
【0252】
このような構成によれば、演出効果が向上する。
【0253】
(8)上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、前記有利状態への制御の期
待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図19
a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像31AK061によ
る表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図19(d)に示すリーチ
タイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像31AK062等)とを表示
可能な表示手段(例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120)をさらに備え、前記
表示手段は、態様の異なる複数種類の要素(図19(a)、(d)に示す要素E1(バナ
ナ)、要素E2(メロン)、要素E3(リンゴ)、要素E4(スイカ)、要素E5(イチ
ゴ)等)を含んで構成された特定画像(図19(a)、(d)に示すフルーツ柄等)を表
示可能であり、前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表
示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆
表示のいずれにも含まれるように表示する(図19(a)、(d)に示すシャッター画像
31AK061、リーチタイトル画像31AK062のいずれにも要素E1~E5が含ま
れるように表示する等)ようにしてもよい。
【0254】
このような構成によれば、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示する
ことができる。これにより、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
【0255】
(特徴部109SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部について説明する。以下、図面を参照しつつ、本発明の一
実施形態を詳細に説明する。図20-1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正
面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別し
て、縦長の方形枠状に形成された外枠109SG001aと、遊技盤面を構成する遊技盤
(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている
。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所
定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠109SG003には
、ガラス窓を有するガラス扉枠109SG003aが左側辺を中心として遊技機用枠10
9SG003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可
能に設けられ、該ガラス扉枠109SG003aにより遊技領域を開閉できるようになっ
ており、ガラス扉枠109SG003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透
視できるようになっている。
【0256】
また、遊技機用枠109SG003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない
錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠109
SG003及びガラス扉枠109SG003aを開放することはできないようになってい
る。
【0257】
主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース109S
G201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板1
1には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチ109
SG051と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を
変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ109SG052が設けら
れている。
【0258】
これら錠スイッチ109SG051及び設定切替スイッチ109SG052といった遊
技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース
109SG201内に収容されており、錠スイッチ109SG051及び設定切替スイッ
チ109SG052は、基板ケース109SG201を開放しなくても操作可能となるよ
うに基板ケース109SG201の背面右部に形成された開口を介して背面側に露出して
いる。
【0259】
錠スイッチ109SG051及び設定切替スイッチ52を有する基板ケース109SG
201は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠3を閉鎖した状態
では操作が極めて困難であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠3を開放することで操作
が可能となる。また、錠スイッチ109SG051は、遊技場の店員等が所有する設定キ
ーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また
、錠スイッチ109SG051は、設定キーによって、後述するONとOFFの切替操作
及び該切替操作とは異なる操作(例えば、押込み操作)を実行可能なスイッチでもある。
尚、この実施の形態では、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一
のキーにて兼用されていてもよい。
【0260】
また、基板ケース109SG201には、表示モニタ109SG029と、該表示モニ
タ109SG029の表示を切り替えるための表示切替スイッチ109SG030が配置
されている。これら表示モニタ109SG029及び表示切替スイッチ109SG030
は、主基板11に接続されているとともに、基板ケース109SG201の左上部に配置
されている。つまり、ら表示モニタ109SG029及び表示切替スイッチ109SG0
30は、基板ケース109SG201における主基板11を視認する際の正面に配置され
ている。主基板11は、遊技機用枠109SG003を開放していない状態では視認でき
ないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠109SG003を開放した
状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは
異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通する
ようにしてもよい。
【0261】
また、図20-3及び図20-4に示すように、外枠109SG001aの右端部には、遊技機用枠109SG003の閉鎖時に、錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ52とを含む基板ケース109SG201の右側部を背面側から被覆するセキュリティカバー109SG500Aが取り付けられている。このキュリティカバー109SG500Aは、前後方向を向く短片109SG500Aaと、該短片109SG500Aaの後端部からパチンコ遊技機1の左側方に向けて伸びる長片109SG500Abと、を備える略L字状の部材であって、透過性を有する板状の合成樹脂材によって構成されている。短片109SG500Aaの上下寸法は、基板ケース109SG201の背板の上下寸法とほぼ同寸とされている。また、セキュリティカバー109SG500Aは、短片109SG500Aaの前端部を介して外枠109SG001aの右端部に固定されている。
【0262】
尚、図20-3に示すように、長片109SG500Abは、遊技機用枠109SG0
03が閉鎖されている状態において、基板ケース109SG201の右部にパチンコ遊技
機1の後方から当接(または近接)することによって錠スイッチ109SG051と設定
切替スイッチ109SG052とを含む基板ケース109SG201の右側部をパチンコ
遊技機1の背面側から被覆する。このため、錠スイッチ109SG051及び設定切替ス
イッチ109SG052は、長片109SG500Abによって操作不能な状態となる。
一方で、図20-4に示すように、遊技機用枠109SG003が開放されている状態に
おいては、錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052とは、遊技
機用枠109SG003とともに移動して長片109SG500Abから離間することに
よって長片109SG500Abによる被覆状態が解除されることで操作可能な状態とな
る。
【0263】
つまり、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、遊技機用枠109SG003が閉
鎖されている状態においては、セキュリティカバー109SG500Aによって錠スイッ
チ109SG051と設定切替スイッチ109SG052を含む操作部に対する操作が規
制される規制状態に維持される一方で、遊技機用枠109SG003が開放されている状
態においては、前述したセキュリティカバー109SG500Aによる規制状態が解除さ
れ、錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052との操作が許容さ
れる許容状態となる。
【0264】
基板ケース109SG201は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられているため、遊
技機用枠109SG003が閉鎖されている状態において、錠スイッチ109SG051
や設定切替スイッチ109SG052にアクセスすることは極めて困難であるため、遊技
場の店員等が扉キーにより遊技機用枠109SG003を開放しない限り錠スイッチ10
9SG051や設定切替スイッチ109SG052を操作して設定値を変更することはで
きない。
【0265】
しかし、パチンコ遊技機1が遊技場の遊技島(図示略)に設置された状態において、遊
技機用枠109SG003が閉鎖されていても、例えば、パチンコ遊技機1に隣接する他
のパチンコ遊技機との間に設置されるカードユニット等の遊技用装置やスペーサ部材とパ
チンコ遊技機1との間から針金やセル板等の不正部材を進入させて、パチンコ遊技機1の
背面側にある錠スイッチ109SG051や設定切替スイッチ109SG052を操作す
ることで設定値が変更されるといった不正行為が行われる可能性があるため、遊技機用枠
109SG003が閉鎖されている状態においてセキュリティカバー109SG500A
によって錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052を含む操作部
に対する操作が規制される規制状態に維持されることで、上記不正行為を好適に抑制する
ことができる。
【0266】
また、遊技機用枠109SG003が閉鎖され、セキュリティカバー109SG500
Aによって錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052を含む基板
ケース109SG201の背面右側が被覆されている規制状態でも、透過性を有するセキ
ュリティカバー109SG500Aを通して、基板ケース109SG201に収容されて
いる主基板11等を透視することができるため、主基板11におけるCPU103などの
電子部品が実装される実装面や封印シール等の状況を容易に確認することができる。
【0267】
遊技盤2の所定位置(図20-1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図
柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装
置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスの
LED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別
識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される
。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」~
「9」を示す数字や「-」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示す
る。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別
図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」を示す記号等から構成されるものに限定され
ず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを
異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていれば
よい。
【0268】
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、
「0」~「9」を示す数字それぞれには、「0」~「9」の図柄番号が付され、「-」を
示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示
装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装
置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0269】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成
されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」~「9
」を示す数字、及び、「-」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい
。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「0
0」~「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていて
もよい。尚、本実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4B
を方形状とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1
特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各セグメントを、不規則に
配置したものであってもよい。
【0270】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表
示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する
表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aに
よる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞ
れに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各
々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う
)が変動表示される。
【0271】
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示
エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表
示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動
のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表
示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)
が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示
されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア
5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が
停止表示される。
【0272】
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1
特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変
動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結
果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特
別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報
を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることであ
る。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄
が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図
柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることが
ある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的
に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行して
いないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生
じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示する
ことなどが含まれてもよい。
【0273】
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される
演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」~「9」あるいは漢数字や、英文字、
所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ
画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の
物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であれ
ばよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例
えば、「1」~「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」~「9」の図柄番号が付さ
れている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど
適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類
など)。
【0274】
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示され
るまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて
、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるような
スクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示される
と、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、飾
り図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り
図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロー
ル表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大
である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
【0275】
画像表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア109SG005D及び第2
保留記憶表示エリア109SG005Uが配置されており、画像表示装置5の下部におけ
る左右方向の中央には、変動表示中の保留記憶に対応する保留表示をアクティブ表示とし
て表示するアクティブ表示エリア109SG005Fが表示されている。ここで、各特別
図柄に対応した変動表示の保留は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、可変入
賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入
賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動
条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が
実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより
、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応
する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア109SG005Dにおける保
留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発
生した保留表示であり、第2保留記憶表示エリア109SG005Uにおける保留表示は
、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保
留表示である。
【0276】
特に本実施の形態の第1保留記憶表示エリア109SG005Dは、下から上方に向け
て1つ目の第1特図保留表示を表示する保留1表示位置、2つ目の第1特図保留表示を表
示する保留2表示位置、3つ目の第1特図保留表示を表示する保留3表示位置、4つ目の
第1特図保留表示を表示する保留4表示位置が並列されており、各保留表示を表示可能と
なっている。
【0277】
また、画像表示装置5における第1保留記憶表示エリア109SG005Dの上方位置
には、キャラクタ画像109SGCが表示される(図20-27参照)。本実施の形態の
パチンコ遊技機1では、詳細は後述するが、新たな始動入賞が発生することによりキャラ
クタ画像109SGCから保留表示が第1保留記憶表示エリア109SG005Dまたは
アクティブ表示エリア109SG005Fに向けて移動する始動入賞演出を実行可能とな
っている。
【0278】
本実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に
基づいて発生した保留表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア109SG005
Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することに
よる始動入賞に基づいて発生した保留表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア1
09SG005Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通
過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示と、第2始動入賞口を遊
技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留表示と、の表示態様
は、異なる表示態様であってもよい。
【0279】
図20-1に示す例では、第1保留記憶表示エリア109SG005D及び第2保留記
憶表示エリア109SG005Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄
表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25
Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留
記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能
に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている
記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されてい
る記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留
記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通
常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を
指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一
方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
【0280】
画像表示装置5の左右には、一般入賞口109SG050A,109SG050Dが設
けられているとともに、一般入賞口109SG050Aの下方の領域には、一般入賞口1
09SG050B,109SG050Cとが設けられている。また、画像表示装置5の下
方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。入賞球装置6Aは
、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成す
る。可変入賞球装置6Bは、図20-2に示す普通電動役物用となるソレノイド109S
G081によって、垂直位置となる通常開放状態(図20-1中実線位置参照)と傾動位
置(図20-1中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通
電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
【0281】
一例として、可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド109SG081
がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口
を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、可変入賞球装置6Bでは、普通
電動役物用のソレノイド109SG081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置と
なる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる
。尚、可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球
が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低く
なるように構成してもよい。あるいは、可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、
例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しな
いように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球
が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進
入)できない通常開放状態とに変化する。
【0282】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2
0-2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。可変入賞球装置6Bに形成
された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図20-2に示す第2始動口
スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出さ
れたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図
保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第
2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3
個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4
」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊
技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22B
によって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個
数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0283】
また、一般入賞口109SG050A,109SG050B,109SG050C,1
09SG050Dを通過(進入)した遊技球は、図20-2に示す第1一般入賞口スイッ
チ109SG026A,第2一般入賞口スイッチ109SG026B,第3一般入賞口ス
イッチ109SG026C,第4一般入賞口スイッチ109SG026Dによって検出さ
れ、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0284】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置109S
G007A及び第2特別可変入賞球装置109SG007Bが一体化された特別可変入賞
球ユニット109SG007が設けられている。
【0285】
ここで、特別可変入賞球ユニット109SG007の構成について説明する。尚、以下
の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する
【0286】
図20-1に示すように、特別可変入賞球ユニット109SG007は、左部側が第1
特別可変入賞球装置109SG007Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置10
9SG007Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット109SG007の正面
側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられてお
り、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット109SG007内、特に第2
特別可変入賞球装置109SG007B内を流下する遊技球を視認できるようになってい
る。
【0287】
第1特別可変入賞球装置109SG007Aは、ソレノイド109SG082(図20
-2参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉109SG701を備え、該第1大入
賞口扉109SG701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成す
る。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット109SG007の左部において、上向き
に開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉109SG701は、ソレノイド
109SG082の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開
放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
【0288】
第1特別可変入賞球装置109SG007Aでは、ソレノイド109SG082がオン
状態であるときに第1大入賞口扉109SG701が第1大入賞口を開放状態として、遊
技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド109SG08
2がオフ状態であるときに第1大入賞口扉109SG701が第1大入賞口を閉鎖状態と
して、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、
遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)でき
ず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入
)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(
進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
【0289】
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウント
スイッチ109SG023(図20-2参照)を通過することで、該第1カウントスイッ
チ109SG023によって検出される。第1カウントスイッチ109SG023を通過
した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導
される。第1カウントスイッチ109SG023によって遊技球が検出されたことに基づ
き、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別
可変入賞球装置109SG007Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通
過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技
球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変
入賞球装置109SG007Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入
賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第
1特別可変入賞球装置109SG007Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第
1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊
技者にとって不利な第2状態となる。
【0290】
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等
により可変入賞球装置6Bに誘導され、可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2
始動入賞口に入賞するようになっている。
【0291】
図20-14に示す第2特別可変入賞球装置109SG007Bは、第1特別可変入賞
球装置109SG007Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド10
9SG083(図20-2参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉109SG71
1を備え、該第2大入賞口扉109SG711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する
第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置109SG007B
の上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉109SG7
11は、ソレノイド109SG083の駆動によって第2大入賞口を開放する第1状態(
開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第2状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライ
ド移動可能に設けられている。
【0292】
第2特別可変入賞球装置109SG007Bでは、第2大入賞口扉109SG711用
のソレノイド109SG083がオン状態であるときに第2大入賞口扉109SG711
が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。そ
の一方で、第2大入賞口扉109SG711用のソレノイド109SG083がオフ状態
であるときに第2大入賞口扉109SG711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球
が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過
(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者に
とって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない
閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難
い一部開放状態を設けてもよい。
【0293】
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、図20-14に示す第2大入賞口内に設置
された第2カウントスイッチ109SG024Aを通過することで、該第2カウントスイ
ッチ109SG024A内によって検出される。第2カウントスイッチ109SG024
Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球
として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置109SG007Bにおいて開
放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞
口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多
くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置109SG007Bにお
いて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技
者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置109SG00
7Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)さ
せて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0294】
図20-14に示すように、第2特別可変入賞球装置109SG007B内には、第2
大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路109SG750が形成されている。
遊技球流路109SG750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路10
9SG740(図20-14中実線に沿う領域)と該主経路109SG740から分岐す
る分岐路109SG741(図20-14中点線に沿う領域)とを有する。主経路109
SG740と分岐路109SG741との間には後述する逆流防止部材109SG730
が配設されている。また、主経路109SG740における逆流防止部材109SG73
0の上流側には、主経路109SG740から分岐路109SG741が分岐する第1分
岐部109SG742が設けられており、主経路109SG740における逆流防止部材
109SG730の下流側には、主経路109SG740から分岐路109SG741が
分岐する第2分岐部109SG743が設けられている。つまり、主経路109SG74
0を流下する遊技球は、第1分岐部109SG742または第2分岐部109SG743
から分岐路109SG741側に移動可能とされている。
【0295】
主経路109SG740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ1
09SG024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ109SG02
4Bを通過することで、該第3カウントスイッチ109SG024Bによって検出される
。第3カウントスイッチ109SG024Bを通過した遊技球は、遊技盤2に形成された
図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路109SG74
1の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技
盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ109SG024Cを通過することで、
該第4カウントスイッチ109SG024Cによって検出される。
【0296】
尚、本実施の形態では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ109SG02
4Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊
技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉109SG
711が開放している期間において、振動等を付加することよって遊技球の進路が変更さ
れて第3カウントスイッチ109SG024Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊
技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、このような場合に遊技を中止するようになってい
る。
【0297】
主経路109SG740における第1分岐部109SG742の下流側には、遊技球の
第3カウントスイッチ109SG024Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材1
09SG721が設けられている。規制部材109SG721は、ソレノイド109SG
085(図20-2参照)の駆動によって主経路109SG740内に突出することで、
遊技球の主経路109SG740での第3カウントスイッチ109SG024Bへ向けて
の流下を規制する規制状態と、主経路109SG740内から退避することで遊技球の主
経路109SG740での第3カウントスイッチ109SG024Bへ向けての流下を許
容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
【0298】
尚、規制部材109SG721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は
、正面視で分岐路109SG741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路
109SG740に設けられている。このため、規制部材109SG721が規制状態で
あるときに主経路109SG740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材10
9SG721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部109SG743を経由して
分岐路109SG741に向けて流下するように誘導される。
【0299】
主経路109SG740と分岐路109SG741との間には、前後方向を向く枢軸に
よって逆流防止部材109SG730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材109
SG730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材109SG72
1の平坦面にて誘導される遊技球が主経路109SG740側から接触したときに主経路
109SG740側から分岐路109SG741側へ通過可能となるように移動(回動)
可能である。具体的には、主経路109SG740と分岐路109SG741との間を開
放するように傾斜する許容位置と、主経路109SG740と分岐路109SG741と
の間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材109SG
721の上方には前方に向けて突出するリブ109SG801が設けられており、逆流防
止部材109SG730は規制位置において該リブ109SG801に正面視で反時計回
り方向から当接する。
【0300】
尚、逆流防止部材109SG730は、通常は自重により規制位置に配置されており、
該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路109SG740側(正面視で右
側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方
向に回動する。
【0301】
このとき、逆流防止部材109SG730の先端部と第2分岐部109SG743の下
部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ109
SG024Bが設けられている主経路109SG740側から第4カウントスイッチ10
9SG024Cが設けられている分岐路109SG741側への遊技球の移動が許容され
る。一方、逆流防止部材109SG730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路10
9SG741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材109SG730
がリブ109SG801に当接していることによって逆流防止部材109SG730の反
時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材109SG730の先端部
と第2分岐部109SG743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持
されるため、第4カウントスイッチ109SG024Cが設けられている分岐路109S
G741側から第3カウントスイッチ109SG024Bが設けられている主経路109
SG740側への遊技球の移動が確実に規制される。
【0302】
図20-1に戻って、遊技盤2の所定位置(図20-1に示す例では、遊技領域の左側
方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマ
トリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図
柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
【0303】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表
示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート109SG041を通
過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、通過ゲート109SG04
1は、特別可変入賞球ユニット109SG007における第1特別可変入賞球装置109
SG007A及び第2特別可変入賞球装置109SG007B間に設置されている。尚、
通過ゲート109SG041内には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
【0304】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車
及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるよう
にしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り
込まれるアウト口が設けられている。
【0305】
遊技機用枠109SG003の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピ
ーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設け
られている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば入賞球装置6A、可
変入賞球装置6B、特別可変入賞球ユニット109SG007等)の周囲には、装飾用L
EDが配置されていてもよい。遊技機用枠109SG003の右下部位置には、遊技媒体
としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作
ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による
操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射
装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(
タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0306】
遊技領域の下方における遊技機用枠109SG003の所定位置には、賞球として払い
出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能
に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠109SG003
の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持
(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上
面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作
が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する上皿部材
には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ3
1Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタ
ン31Bが設けられている。
【0307】
本実施の形態では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された画像表示装置5
の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、
打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は第1経路(左遊技領域)を
流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は第2経路(右遊
技領域)を流下するようになっている。
【0308】
また、第1経路を流下した遊技球は、入賞球装置6A及び可変入賞球装置6Bに入賞可
能となり、第2経路を流下した遊技球は、可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置
109SG007A及び第2特別可変入賞球装置109SG007Bに入賞可能、かつ、
通過ゲート109SG041を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つ
まり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置109SG007A及び第2特別可変入賞
球装置109SG007Bに入賞不能、かつ、通過ゲート109SG041を通過不能で
ある。
【0309】
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1で
は、遊技領域に設けられた通過ゲート109SG041を通過した遊技球が図20-2に
示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通
図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動
表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立
したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
【0310】
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時
間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)す
る。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄
(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。
その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普
図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ
」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球
装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制
御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0311】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図20-2に
示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立し
た後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条
件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図の変動表示が開始さ
れる。また、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球
図20-2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始
動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことな
どにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図
の変動表示が開始される。
【0312】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示では、特
別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特
別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、
確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果と
しての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表
示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄と
は異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0313】
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な
ラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り
遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、
大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
【0314】
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」
の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし
、「-」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置4A
による特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、
第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄とな
るようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小
当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0315】
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果
としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置10
9SG007Aの第1大入賞口扉109SG701が、所定の上限時間(例えば29秒間
)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期
間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置109S
G007Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0316】
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例え
ば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚
、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大
入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにし
てもよい。
【0317】
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表
示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装
置109SG007Bの第2大入賞口扉109SG711が、所定の上限時間(例えば3
秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまで
の期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置10
9SG007Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
【0318】
尚、本実施の形態では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉109SG711が所
定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、本
発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにし
てもよい。
【0319】
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置1
09SG007B内に設けられた第3カウントスイッチ109SG024Bを通過すると
、該遊技球の第3カウントスイッチ109SG024Bの通過に基づく「大当り」となる
(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ109S
G024Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方
、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置10
9SG007B内に設けられた第4カウントスイッチ109SG024Cを通過した場合
は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッ
チ109SG024Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制
御しない。
【0320】
そして、遊技球の第3カウントスイッチ109SG024Bの通過に基づいて大当り遊
技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置109SG007Bの第2大入賞口扉1
09SG711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所
定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態と
する。これにより、第2特別可変入賞球装置109SG007Bを遊技者にとって有利な
第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、本実施の形態では、第3カ
ウントスイッチ109SG024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第
2特別可変入賞球装置109SG007Bが第1状態に制御されるようになっているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置109SG007Aが
第1状態に制御されるようにしてもよい。
【0321】
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(
例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウ
ンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入
賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよ
い。
【0322】
尚、本実施の形態における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば
、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制
御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特
図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。
通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パ
チンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源
投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技
状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されるこ
とと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウ
ントスイッチ109SG024Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立した
ときに終了すればよい。
【0323】
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B
による特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くす
る制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常
状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り
」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」とな
ったことに基づく可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を
通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制
御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立す
る可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制
御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、
高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるよう
にしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
【0324】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないと
きよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4B
における第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり
、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または
「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放
制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御
と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
【0325】
パチンコ遊技機1には、例えば図20-2に示すような主基板11、演出制御基板12
、音声制御基板13、ランプ制御基板14、ターミナル基板(情報出力基板)16、電源
基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主
基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基
板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背
面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の
基板が配置されている。
【0326】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、図20-3に示すように、基板ケース10
9SG201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載され、パチンコ遊技機1
における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主とし
て、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの
信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令
情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コ
ンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第
1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメ
ントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御するこ
とや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20によ
る普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機
能も備えている。
【0327】
また、主基板11には、図20-3及び図20-15(A)に示すように、パチンコ遊
技機1の背面側から視認可能な表示モニタ109SG029が設けられており、該表示モ
ニタ109SG029に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。尚
、表示モニタ109SG029の左側方には表示切替スイッチ109SG030が設けら
れており、該表示切替スイッチ109SG030の操作によって表示モニタ109SG0
29に表示されている情報を切り替えることが可能となっている。
【0328】
また、主基板11には、図20-2に示すように、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガ
ラス扉枠109SG003aの開放を検知する扉開放センサ109SG090、第1大入
賞口扉109SG701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ109SG091
、第2大入賞口扉109SG711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ109
SG092、等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信
号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。
【0329】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各
種スイッチからの検出信号の他、電源断信号、クリア信号、リセット信号等の各種信号を
取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技
制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド109SG0
81~83に伝送する出力回路109SG111、ターミナル基板109SG016から
セキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路109SG112が搭
載されている。
【0330】
また、図20-2に示す主基板11は、図20-3及び図20-15(A)に示すよう
に、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケース109SG201に封入されており、
主基板11の中央には表示モニタ109SG029(例えば、7セグメント)が配置され
、表示モニタ109SG029の右側には表示切替スイッチ109SG030が配置され
ている。表示モニタ109SG029及び表示切替スイッチ109SG030は、主基板
11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠109SG003
を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技
機用枠109SG003を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面で
あり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパ
チンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
【0331】
また、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(第1大入
賞口、第2大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1~第4一般入賞口、以下、
「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比など
の各種の入賞情報が表示モニタ109SG029に表示されるようになっており、これら
入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報
を確認できる。つまり、パチンコ遊技機1のメーカ側においては、予め定められた頻度で
一般入賞口に遊技球が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計すること
が通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技
球が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、
どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊
技球が進入しているかが確認される。そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、当
該パチンコ遊技機1において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるよう
になっている。
【0332】
また、電源基板17は、図20-3に示すように透過性を有する合成樹脂材からなる基
板ケース109SG201に封入されており、電源基板17の背面右側上部には、後述す
る設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチ109SG051(図
20-2参照)と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定
値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ109SG052(図
20-2参照)が設けられている。
【0333】
尚、錠スイッチ109SG051及び設定切替スイッチ109SG052は、パチンコ
遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠109
SG003を開放しない限り操作不可能とされており、所定のキーを所持する店員のみが
操作可能となる。また、錠スイッチ109SG051はキー操作を要することから、遊技
店の店員のなかでも、錠スイッチ109SG051の操作を行うキーを所持する店員のみ
操作が可能とされている。また、錠スイッチ109SG051は、所定のキーによってO
NとOFFの切替操作を実行可能なスイッチであるとともに、該切替操作とは異なる操作
(例えば、押込み操作)を実行可能なスイッチでもある。
【0334】
尚、図20-3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側の下部には、各入賞口に入賞
した遊技球やアウト口に進入した遊技球をパチンコ遊技機1外に排出するためのノズル(
排出口)が設けられており、該ノズル内には、パチンコ遊技機1内から排出される遊技球
を検出する(発射された遊技球を検出する)ための排出口スイッチ109SG070が設
けられている。該排出口スイッチ109SG070は、図20-2に示すように、前述し
たスイッチ回路110に接続されている。
【0335】
尚、出力回路109SG111は、ソレノイド109SG085を駆動させるためのコ
ントローラ109SG084にも接続されている。コントローラ109SG084は、パ
チンコ遊技機1の起動時に出力回路109SG111を介して遊技制御用マイクロコンピ
ュータ100から起動信号を受信することでソレノイド109SG085の駆動制御を開
始するようになっている。コントローラ109SG084がソレノイド109SG085
を駆動することにより、規制部材109SG721は、遊技状態にかかわらず規制状態と
許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
【0336】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によっ
て中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送され
る制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制
御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられ
る表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる
音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用
いられるLED制御コマンドが含まれている。
【0337】
図20-5(A)は、本実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す
説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE
(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデ
ータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」
とされる。尚、図20-5(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド
形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されるこ
とになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数
であってもよい。
【0338】
図20-5(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4
Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマン
ドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた
特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XX
Hは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」
、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄な
どの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、X
XHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任
意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パタ
ーンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0339】
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの
変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例え
図20-5(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」である
か「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる
場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じ
て、異なるEXTデータが設定される。
【0340】
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図20-5(B)に示すように、コマンド8C
00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指
定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「
大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果
指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が
「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結
果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別
が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示
結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨
の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは
、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定
コマンドである。
【0341】
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄
表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンド
である。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊
技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1におけ
る現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コ
マンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応し
た第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(
高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
【0342】
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生し
たエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)
指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されること
により、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのか
を特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によ
って報知される。
【0343】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の
表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放
状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマン
ドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態か
ら閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コ
マンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の
表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0344】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンド
と同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果
に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当
り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデー
タとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにし
てもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技
状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」~「15」)に対
応して、異なるEXTデータが設定される。
【0345】
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した
遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生し
たことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行
するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)し
た遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生
したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実
行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである
【0346】
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア109SG005Dなどにて特図保留
記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知
コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア109SG005Uな
どにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2
保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口
を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指
定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。
第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2
始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、
主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマン
ドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立した
とき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応し
て送信されるようにしてもよい。
【0347】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数
を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保
留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられ
てもよい。
【0348】
コマンドD100は、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ109
SG024Bを通過したことで第3カウントスイッチ109SG024Bがオンとなった
ことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
【0349】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップの
マイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM
(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random A
ccess Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Ce
ntral Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データ
の更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出
力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
【0350】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM10
1から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進
行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から
固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動
データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に
一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI
/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を
受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュー
タ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0351】
図20-6は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である
図20-6に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結
果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の
乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR
5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるた
めに、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1~MR5は、CP
U103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウ
ントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路10
4は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技
制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであ
ってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともい
う。
【0352】
尚、本実施の形態では各乱数値MR1~MR5をそれぞれ図20-6に示す範囲の値と
して用いる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各乱
数値MR1~MR5の範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なら
せてもよい。
【0353】
図20-7は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、
変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」で
ある場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り
」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表
示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている
。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に
対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」とも
いう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」であ
る場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」
ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示
結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が
「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動
表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称さ
れる。
【0354】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行さ
れるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスー
パーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施
の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリ
ーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパ
ーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリー
チγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
【0355】
図20-7に示すように、本実施の形態におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行さ
れるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パター
ンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施
の形態におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演
出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ
βのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパー
リーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
【0356】
尚、本実施の形態では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマ
ルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定され
ているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変
動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
【0357】
尚、本実施の形態においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リ
ーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パター
ンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パター
ンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに
変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、
変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から
変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する
変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0358】
また、本実施の形態では、図20-7に示すように、変動パターン毎に変動内容(演出
内容)が予め決定されている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、設定されている設定値に応じて同じ変動パターンであっても変動内容(演出内容)
が異なるようにしてもよい。例えば、ノーマルリーチハズレの変動パターンPA2-1の
場合は、設定されている設定値が1の場合は、ノーマルリーチハズレとなる変動パターン
とし、設定されている設定値が2の場合は、擬似連演出を2回実行して非リーチハズレと
なる変動パターンとして、設定されている設定値が3の場合は、擬似連演出を3回実行し
てスーパーリーチハズレとなる変動パターンとすればよい。
【0359】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出
したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊
技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU10
3は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の
乱数の全てを生成可能とされている。
【0360】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプ
ログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが
記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うた
めに用意された、図20-8及び図20-9などに示す複数の判定テーブルを構成するテ
ーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11か
ら各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成する
テーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる
変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0361】
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図20-8(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図20-8(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図20-8(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図20-9(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図20-9(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図20-9(C)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、ハズレ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
【0362】
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当り及び小当りの当選確率(出
玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄
通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることによ
り、大当り及び小当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~3
の3段階からなり、1が最も出玉率が高く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率
が低くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有
利度が高く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0363】
図20-8(A)~(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図
である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであ
って、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定
テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表
示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2
特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と
、小当りとする判定値が設定されている。
【0364】
図20-8(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いると
きに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象
とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも高い確率(1/99)
で大当りに当選するとともに、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値とし
て設定されていることで、設定値が「2」、「3」である場合よりも高い確率(1/50
)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合
には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の
判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特
別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/99)で大当りに当選すると
ともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていること
で、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(100/200)
で小当りに当選するようになっている。
【0365】
また、図20-8(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用
いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よ
りも低い確率(1/150)で大当りに当選するとともに、これら判定値のうちの一部が
小当りに対応する判定値として設定されていることで、設定値が「1」である場合よりも
低い確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッフ
ァが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1
である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされてい
る場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/150)
で大当りに当選するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値とし
て設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確
率であり、かつ、設定値が「1」である場合と同じ確率(100/200)で小当りに当
選するようになっている。
【0366】
図20-8(C)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いると
きに、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定され
ているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表
示の対象とされている場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも低い確率(1
/200)で大当りに当選するが、小当りは当選しない(当選確率:0)。また、変動特
図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バ
ッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対
象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(
1/200)で大当りに当選するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応す
る判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合
よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(100/
200)で小当りに当選するようになっている。
【0367】
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テ
ーブルを参照して、MR1の値が図20-8(A)~(C)に示す大当りに対応するいず
れかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とする
ことを決定する。また、MR1が図20-8(A)~(C)に示す小当りに対応するいず
れかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわ
ち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図20-8(A)~
(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を
示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否
か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置
4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小
当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するとい
うことであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停
止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0368】
尚、本実施の形態では、図20-8(A)~(C)に示す各表示結果判定テーブルにお
いて、変動特図指定バッファが第2である場合における小当りの当選確率は全て同じとし
ているが、設定値1、2、3の順に小当りの当選確率が低くなるようにしてもよい。一方
、変動特図指定バッファが第1である場合、設定値1、2、3の順に小当りの当選確率が
低くなるようにしているが、変動特図指定バッファが第2である場合と同様に、全ての設
定値で同じ当選確率としてもよい。
【0369】
また、本実施の形態では、CPU103は、図20-8(A)~(C)に示す表示結果
判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、
大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指
定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である
場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファ
が第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
【0370】
また、本実施の形態では、図20-8(C)に示す設定値3に対応する表示結果判定テ
ーブルを用いるときに変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値
以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選
しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応
する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。つまり、設定されている
設定値に応じて小当り確率の割合が異なることには、小当り確率が0%であることも含ま
れている。
【0371】
尚、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~3の計3個の
設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設
定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
【0372】
図20-9(A)、(B)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル
(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。
このうち、図20-9(A)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記
憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する
場合のテーブルである。また、図20-9(B)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞した
ことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大
当り種別を決定する場合のテーブルである。
【0373】
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたとき
に、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA~大当りCの
うちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0374】
図20-9(C)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説
明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がな
されたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、小当りの種別を小当りAま
たは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施の形態では、小当
りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ109SG024Bを通過した場合
、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行さ
れるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ109
SG024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大
当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当り
Eは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2によって決定される大当り
種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイ
ッチ109SG024Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
【0375】
ここで、本実施の形態における大当り種別について、図20-10を用いて説明すると
、本実施の形態では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実
行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行さ
れる大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。つまり、これら大当りA~大当
りEのうち、大当りC,Eは遊技者にとって最も有利な大当りとされ、大当りA,Dは遊
技者にとって最も不利な大当りとされている。また、大当りEは大当りDよりも有利な大
当りであるため、小当りBは小当りAよりも有利な小当りとされている。
【0376】
これら大当りA~大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な
第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当り
である。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
【0377】
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが1
0回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当
り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲーム
が実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0378】
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが1
5回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当
り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲ
ームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0379】
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4
回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊
技状態の終了後は時短制御が実行されない。
【0380】
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが1
4回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当
り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲ
ームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0381】
尚、大当りDと大当りEは、開放対象の大入賞口を第2大入賞口109SG712とし
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りDと大当りEの開放対象の大
入賞口は、第1大入賞口であってもよい。つまり、大当りDと大当りEについては、小当
り遊技については第2大入賞口109SG712を開放し、該小当り遊技中にV入賞が発
生したことに基づいて、大当り遊技として第2大入賞口109SG712に替えて第1大
入賞口を開放すればよい。
【0382】
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小
当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として
大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生す
る場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂
連荘状態となる。
【0383】
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数
が20回に設定されているため、該20回の特図ゲーム中に小当りが発生し、遊技球が第
3カウントスイッチ109SG024Bを通過する割合(20回の特図ゲーム中に遊技球
がV入賞して大当りが発生する割合)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び
大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が10
0回に設定されているため、該100回の特図ゲーム中に小当りが発生し、遊技球が第3
カウントスイッチ109SG024Bを通過する割合(100回の特図ゲーム中に遊技球
がV入賞して大当りが発生する割合)はほぼ100%に設定されている。
【0384】
尚、本実施の形態では大当り種別として大当りA~大当りEの5種類が設けられている
が、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても
良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
【0385】
また、図20-9(A)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)に
おいては、設定値が「1」である場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~4
9までが大当りAに割り当てられており、50~149までが大当りBに割り当てられて
おり、150~299までが大当りCに割り当てられている。また、設定値が「2」であ
る場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが大当りAに割り当てら
れており、100~249までが大当りBに割り当てられており、250~299までが
大当りCに割り当てられている。また、設定値が「3」である場合、MR2の判定値の範
囲0~299のうち、0~149までが大当りAに割り当てられており、150~249
までが大当りBに割り当てられており、250~299までが大当りCに割り当てられて
いる。
【0386】
このように、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合に、大当り遊技
終了に時短制御が実行される大当りBまたは大当りCを決定する割合が設定値1、2、3
の順に低くなるようにしている。
【0387】
一方で、図20-9(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)
においては、設定値が「1」である場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~
29までが大当りAに割り当てられており、30~99までが大当りBに割り当てられて
おり、100~299までが大当りCに割り当てられている。また、設定値が「2」であ
る場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~69までが大当りAに割り当てら
れており、70~269までが大当りBに割り当てられており、270~299までが大
当りCに割り当てられている。また、設定値が「3」である場合、MR2の判定値の範囲
0~299のうち、0~199までが大当りAに割り当てられており、200~269ま
でが大当りBに割り当てられており、270~299までが大当りCに割り当てられてい
る。
【0388】
このように、第2特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合に、大当り遊技
終了に時短制御が実行される大当りB,Cを決定する割合が、第1特別図柄の特図ゲーム
において大当りが発生した場合よりも高く、かつ、設定値1,2,3の順に低くなるよう
になっている。
【0389】
つまり、本実施の形態においては、図20-9(A)及び図20-9(B)に示すよう
に、設定されている設定値が1である場合は、大当り種別を大当りCに決定する割合が最
も高く、次いで、大当りBに決定する割合が高く、大当りAに決定する割合が最も低い(
設定値1における大当り種別決定割合:大当りC>大当りB>大当りA)。また、設定さ
れている設定値が2である場合は、大当り種別を大当りBに決定割合が最も高く、次いで
、大当りAに決定する割が高く、大当りCに決定する割合が最も低い(設定値2における
大当り種別決定割合:大当りB>大当りA>大当りC)。更に、設定されている設定値が
3である場合は、大当り種別を大当りAに決定する割合が最も高く、次いで、大当りBに
決定する割合が高く、大当りCに決定する割合が最も低くなっている(設定値3における
大当り種別決定割合:大当りA>大当りB>大当りC)。
【0390】
尚、本実施の形態では、設定されている設定値に応じて、変動表示結果が大当りとなる
場合の大当り種別を大当りA、大当りB、大当りCから異なる割合で決定する形態を例示
しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては
、大当りA、大当りB、大当りCのうち、決定されてない大当り種別が1つまたは複数あ
ってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なること
には、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当
り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
【0391】
また、図20-9(C)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、設定値が
「1」である場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~99までが小当りAに
割り当てられており、100~299までが小当りBに割り当てられている。また、設定
値が「2」である場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~149までが小当
りAに割り当てられており、150~299までが小当りBに割り当てられている。また
、設定値が「3」である場合、MR2の判定値の範囲0~299のうち、0~199まで
が小当りAに割り当てられており、200~299までが小当りBに割り当てられている
【0392】
このように、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、大当り遊技終了後に時短
制御が実行される特図ゲームの回数が100回である大当りEを決定する割合が、20回
である大当りDを決定する割合よりも高く、かつ、設定値1,2,3の順に低くなるよう
になっている。
【0393】
つまり、本実施の形態においては、図20-9(C)に示すように、設定されている設
定値が1である場合は、小当り種別として小当りBが小当りAよりも高い割合で決定され
ることにより、小当り遊技中にV入賞が発生することに基づいて大当り種別が大当りEに
決定される割合が大当りDに決定される割合よりも高くなっている(設定値1におけるV
入賞による大当り種別決定割合:大当りE>大当りD)。また、設定されている設定値が
2である場合は、小当り種別として小当りAと小当りBとが同一の割合にて決定されるこ
とにより、小当り遊技中にV入賞が発生することに基づいて大当り種別が大当りDに決定
される割合と大当りEに決定される割合が等しくなっている(設定値2におけるV入賞に
よる大当り種別決定割合:大当りE=大当りD)。更に、設定されている設定値が3であ
る場合は、小当り種別として小当りAが小当りBよりも高い割合で決定されることにより
、小当り遊技中にV入賞が発生することに基づいて大当り種別が大当りDに決定される割
合が大当りEに決定される割合よりも高くなっている(設定値1におけるV入賞による大
当り種別決定割合:大当りD>大当りE)。
【0394】
このように、本実施の形態では、設定されている設定値に応じて変動表示結果が大当り
となった場合の大当り種別の決定割合や、V入賞が発生した場合の大当り種別の決定割合
が異なっている、つまり、設定されている設定値に応じて制御される小当り遊技状態の種
類が変化するとともに、V入賞が発生した場合に制御される大当り遊技状態の種類が変化
することがあるので、遊技興趣を向上できるようになっている。
【0395】
尚、本実施の形態では、設定されている設定値に応じて小当り種別の決定割合が異なっ
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては、
小当りA、小当りBのうち、決定されない小当り種別があってもよい。つまり、設定され
ている設定値に応じて小当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの一方小当り種
別を決定しないこと(決定割合が0%である)、すなわち、他方の小当り種別を100%
の割合で決定することも含まれている。また、本実施の形態では、変動特図が第1特図で
あるか第2特図であるか変わらず小当り種別を共通の小当り種別判定テーブルを用いて決
定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り種別の決
定割合は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なっていてもよい。
尚、小当り種別を変動特図に応じて異なる割合で決定する場合は、変動特図によっては、
小当りA、小当りBのうち、決定されない小当り種別があってもよい。つまり、小当り種
別を変動特図に応じて異なる割合で決定することには、いずれか一方の小当り種別を決定
しないこと(決定割合が0%である)、すなわち、他方の小当り種別を100%の割合で
決定することも含まれている。
【0396】
尚、本実施の形態では、大当り種別や小当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるM
R2を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別と小
当り種別の少なくともどちらか一方は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1と用い
て決定してもよい。
【0397】
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者に
とって有利となる(大当り確率や小当り確率高まることや、大当り種別としての大当りC
や小当り種別としての小当りBが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、本
発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほ
ど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
【0398】
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率や
小当り確率が変化する一方で、後述する図20-10~図20-12に示すように、遊技
性自体は変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パ
チンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
【0399】
例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り
確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ
)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当
り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ109SG024B
を通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変
動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ109SG024Bを通過
する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている
設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高
ベース中(時短制御中)に遊技球が第3カウントスイッチ109SG024Bを通過する
ことに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよ
い。更に、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3と遊技性が同一であるが、
これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で
大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されて
いる設定値が4である場合)を設けてもよい。
【0400】
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異な
る用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1や4の場合は、第
3カウントスイッチ109SG024Bを演出用スイッチ(遊技球が第3カウントスイッ
チ109SG024Bを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用
し、設定値が2や3の場合は、第3カウントスイッチ109SG024Bを遊技用スイッ
チ(遊技球が第3カウントスイッチ109SG024Bを通過したことに基づいて遊技状
態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
【0401】
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターン
を決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決
定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
【0402】
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にするこ
とが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結
果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定
テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハ
ズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
【0403】
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン
(PB1-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリー
チβ大当りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定
用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている
【0404】
図20-11(A)及び図20-11(B)に示すように、大当り用変動パターン判定
テーブルとしては、大当り種別が大当りAである場合に使用される大当り用変動パターン
判定テーブル(大当りA用)と、大当り種別が大当りB、大当りC用である場合に使用さ
れる大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)が予め用意されており
、これら大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と大当り用変動パターン判定
テーブル(大当りB、大当りC用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1
-1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)、スーパーリーチβ大当
りの変動パターン(PB1-3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数
値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0405】
図20-11(A)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)
においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~
300までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており
、301~800までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当
てられており、801~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-
3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合、MR3の判定値の範囲0
~997のうち、0~350までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)
に割り当てられており、351~825までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(
PB1-2)に割り当てられており、826~997までがスーパーリーチβ大当りの変
動パターン(PB1-3)に割り当てられている。また、設定値が「3」である場合、M
R3の判定値の範囲0~997のうち、0~400までがノーマルリーチ大当りの変動パ
ターン(PB1-1)に割り当てられており、401~850までがスーパーリーチα大
当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、851~997までがスーパ
ーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0406】
図20-11(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大
当りC用)においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の範囲0~997の
うち、0~100までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1-1)に割り当て
られており、101~350までがスーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1-2
)に割り当てられており、351~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターン
(PB1-3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合、MR3の判定
値の範囲0~997のうち、0~150までがノーマルリーチ大当りの変動パターン(P
B1-1)に割り当てられており、151~450までがスーパーリーチα大当りの変動
パターン(PB1-2)に割り当てられており、451~997までがスーパーリーチβ
大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。また、設定値が「3」であ
る場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~200までがノーマルリーチ大当
りの変動パターン(PB1-1)に割り当てられており、201~550までがスーパー
リーチα大当りの変動パターン(PB1-2)に割り当てられており、551~997ま
でがスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)に割り当てられている。
【0407】
このように、特図ゲームにおいて大当りAが当選した場合に、スーパーリーチα大当り
の変動パターン(PB1-2)を決定する割合が、スーパーリーチβ大当りの変動パター
ン(PB1-3)を決定する割合よりも高く、かつ、設定値1,2,3の順に低くなるよ
うになっている。また、特図ゲームにおいて大当りBまたは大当りCが当選した場合に、
スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1-3)を決定する割合が、スーパーリー
チα大当りの変動パターン(PB1-2)を決定する割合よりも高く、かつ、設定値1,
2,3の順に低くなるようになっている。
【0408】
つまり、本実施の形態では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「
大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA
」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、
スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC
」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
【0409】
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1
-1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のう
ち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。具体的には、図20-11(C)に
示すように、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、設定値が「1」、「2」、
「3」のいずれである場合でも、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~997ま
でが小当りの変動パターン(PC1-1)に割り当てられている。尚、本実施における小
当りの変動パターンとしてはPC1-1のみが設けられているが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設け、設定値
「1」、「2」、「3」で小当りの変動パターンを複数の変動パターンから異なる割合で
決定してもよい。
【0410】
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていな
い低ベース状態において保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パタ
ーン判定テーブルAと、低ベース状態において合計保留記憶数が2~4個である場合に使
用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、低ベース状態において合計保留記憶数
が5~8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が
時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判
定テーブルDとが予め用意されている。
【0411】
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パ
ターン(PA1-1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2-1)、スーパー
リーチαハズレの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン
(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の
乱数値が判定値として割り当てられている。
【0412】
図20-12(A)に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルA(低ベース中
合算保留記憶数1個以下用)においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の
範囲0~997のうち、0~350までが非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)
に割り当てられており、351~700までがノーマルリーチハズレの変動パターン(P
A2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαハズレの変動
パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβハズレ
の変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合
、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~400までが非リーチハズレの変動パタ
ーン(PA1-1)に割り当てられており、401~700までがノーマルリーチハズレ
の変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリ
ーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスー
パーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値
が「3」である場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~450までが非リー
チハズレの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、451~700までがノ
ーマルリーチハズレの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~90
0までがスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901
~997までがスーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられて
いる。
【0413】
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2~4個に
対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1-2)、ノーマルリーチハズレの
変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)、
スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱
数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0414】
図20-12(B)に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルB(低ベース中
合算保留記憶数2~4個用)においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の
範囲0~997のうち、0~400までが非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)
に割り当てられており、401~700までがノーマルリーチハズレの変動パターン(P
A2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαハズレの変動
パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβハズレ
の変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合
、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~450までが非リーチハズレの変動パタ
ーン(PA1-1)に割り当てられており、451~700までがノーマルリーチハズレ
の変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリ
ーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスー
パーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値
が「3」である場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~500までが非リー
チハズレの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、501~700までがノ
ーマルリーチハズレの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~90
0までがスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901
~997までがスーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられて
いる。
【0415】
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5~8個に
対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1-3)、ノーマルリーチハズレの
変動パターン(PA2-1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)、
スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱
数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0416】
図20-12(C)に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルC(低ベース中
合算保留記憶数5個以上用)においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の
範囲0~997のうち、0~450までが非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)
に割り当てられており、451~700までがノーマルリーチハズレの変動パターン(P
A2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαハズレの変動
パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβハズレ
の変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合
、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~500までが非リーチハズレの変動パタ
ーン(PA1-1)に割り当てられており、501~700までがノーマルリーチハズレ
の変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリ
ーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスー
パーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値
が「3」である場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、0~550までが非リー
チハズレの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、551~700までがノ
ーマルリーチハズレの変動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~90
0までがスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901
~997までがスーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられて
いる。
【0417】
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の
非リーチハズレの変動パターン(PA1-4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(
PA2-1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)、スーパーリーチ
βハズレの変動パターン(PA2-3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がと
りうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0418】
図20-12(D)に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルD(高ベース中
用)においては、設定値が「1」である場合、MR3の判定値の範囲0~997のうち、
0~450までが非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)に割り当てられており、
451~700までがノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2-1)に割り当てら
れており、701~900までがスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2-2)
に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2
-3)に割り当てられている。また、設定値が「2」である場合、MR3の判定値の範囲
0~997のうち、0~500までが非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)に割
り当てられており、501~700までがノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2
-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチαハズレの変動パタ
ーン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパーリーチβハズレの変
動パターン(PA2-3)に割り当てられている。また、設定値が「3」である場合、M
R3の判定値の範囲0~997のうち、0~550までが非リーチハズレの変動パターン
(PA1-1)に割り当てられており、551~700までがノーマルリーチハズレの変
動パターン(PA2-1)に割り当てられており、701~900までがスーパーリーチ
αハズレの変動パターン(PA2-2)に割り当てられ、901~997までがスーパー
リーチβハズレの変動パターン(PA2-3)に割り当てられている。
【0419】
このように、ハズレ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合、非リーチ変動パ
ターンまたはノーマルリーチ変動パターンを決定する割合が、スーパーリーチ変動パター
ンを決定するよりも高く、かつ、設定値1、2、3の順に低くなるようになっている。ま
た、ハズレ用変動パターン判定テーブルA~Dを用いる場合は、変動パターン判定テーブ
ルにかかわらず判定値のうち701~900までがスーパーリーチαハズレの変動パター
ン、901~997までがスーパーリーチβハズレの変動パターンにそれぞれ割り当てら
れている、つまり、変動表示結果がハズレである場合は、設定されている設定値にかかわ
らずスーパーリーチの変動パターンを共通の決定割合で決定するので、スーパーリーチの
変動パターンによる変動表示が実行されないことにより演出効果が低下してしまうことを
防ぐことができる。
【0420】
尚、本実施の形態における「共通の決定割合」とは、異なる設定値にて決定割合が完全
に同一であるもの(本実施の形態)の他、異なる設定値にて決定割合が同一であるもの(
例えば、設定値1~設定値3間において、スーパーリーチの変動パターンの決定割合が1
%程度異なるもの)を含んでいる。
【0421】
尚、本実施の形態では、変動表示結果がハズレである場合は、設定されている設定値に
かかわらずスーパーリーチの変動パターンの決定割合が同一である形態を例示しているが
、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果がハズレである場合は、設定さ
れている設定値にかかわらず非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの全ての変動パ
ターンの決定割合が同一であってもよいし、また、非リーチ、ノーマルリーチのいずれか
の変動パターンの決定割合のみが同一であってもよい。
【0422】
また、本実施の形態では、変動表示結果がハズレである場合は、設定されている設定値
にかかわらずスーパーリーチαハズレの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβハズ
レの変動パターンの決定割合の両方が設定されている設定値にかかわらず同一である形態
を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果がハズレであ
る場合は、スーパーリーチαハズレの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβハズレ
の変動パターンの決定割合のどちらか一方のみの決定割合が設定されている設定値にかか
わらず同一であってもよい。
【0423】
また、本実施の形態では、変動表示結果がハズレである場合は、設定されている設定値
にかかわらずスーパーリーチαハズレの変動パターンの決定割合とスーパーリーチβハズ
レの変動パターンの決定割合の両方が設定されている設定値にかかわらず同一である形態
を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が大当りであ
る場合においても、設定されている設定値にかかわらずスーパーリーチ大当りの変動パタ
ーンの決定割合が設定されている設定値にかかわらず同一であってもよい。
【0424】
尚、本実施の形態では、変動表示結果がハズレである場合は、設定されている設定値に
応じて非リーチやノーマルリーチの変動パターンの決定割合が異なる形態を例示している
が、設定されている設定値によっては、非リーチの変動パターンとノーマルリーチの変動
パターンのうち、決定されない変動パターンが1つまたは複数あってもよい。つまり、設
定されている設定値に応じて変動パターンの決定割合が異なることには、いずれかの変動
パターンを決定しないこと(決定割合が0%であること)や、特定の変動パターンを10
0%の割合で決定することも含まれている。
【0425】
尚、図20-12に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1-
1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1-2)の方が変動時間は短く、さらに
、変動パターン(PA1-2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1-3)の方
が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハ
ズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記
憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無
駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変
動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1-1)が決定されること
によって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊
技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
【0426】
また、本実施の形態では、図20-12(A)~図20-12(C)に示すように、合
算保留記憶数に応じて異なるハズレ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを
決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動対象の特
別図柄における保留記憶数(例えば、第1特別図柄の変動表示を実行する場合は第1特別
図柄の保留記憶数、第2特別図柄の変動表示を実行する場合は第2特別図柄の保留記憶数
)に応じて異なるハズレ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定しても
よい。
【0427】
また、本実施の形態の各ハズレ用変動パターン判定テーブルにおいては、パチンコ遊技
機1に設定されている設定値が1~3のいずれの数値であっても、スーパーリーチハズレ
の変動パターン(PA2-2及びPA2-3)に割り当てられている乱数値の範囲が同一
となっている。しかしながら、大当り確率及びハズレ確率は、パチンコ遊技機1に設定さ
れている設定値に応じて異なっているので、実際に変動表示がスーパーリーチハズレの変
動パターンにて実行される割合(スーパーリーチハズレの変動パターンの出現率)は、パ
チンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なっている。尚、本実施の形態では、
パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて変動表示がスーパーリーチハズレの変
動パターンにて実行される割合が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定され
るものではなく、各設定値毎の大当り確率及びハズレ確率を考慮し、パチンコ遊技機1に
設定されている設定値にかかわらず同一の割合で変動表示がスーパーリーチハズレの変動
パターンにて実行されるようにしてもよい。
【0428】
図20-2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、そ
の一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバック
アップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対す
る電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバ
ックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は
保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデー
タ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに
保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生
じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧さ
せるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデ
ータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0429】
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するた
めに用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図20-13に示すような遊
技制御用データ保持エリア109SG150が設けられている。図20-13に示す遊技
制御用データ保持エリア109SG150は、第1特図保留記憶部109SG151Aと
、第2特図保留記憶部109SG151Bと、普図保留記憶部109SG151Cと、遊
技制御フラグ設定部109SG152と、遊技制御タイマ設定部109SG153と、遊
技制御カウンタ設定部109SG154と、遊技制御バッファ設定部109SG155と
を備えている。
【0430】
第1特図保留記憶部109SG151Aは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口
を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されて
いない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の
保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部109SG151Aは、第1始
動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進
入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽
出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パ
ターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所
定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部109
SG151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留され
ていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当
りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0431】
第2特図保留記憶部109SG151Bは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入
賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始さ
れていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム
)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部109SG151Bは、第
2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過
(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等か
ら抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変
動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所
定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部109
SG151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留され
ていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当
りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0432】
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づ
く保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる
第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留
番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動
入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保
留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0433】
普図保留記憶部109SG151Cは、通過ゲート109SG041を通過した遊技球
がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20によ
り開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部109S
G151Cは、遊技球が通過ゲート109SG041を通過した順に保留番号と対応付け
て、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普
図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所
定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0434】
遊技制御フラグ設定部109SG152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状
況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御
フラグ設定部109SG152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を
示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0435】
遊技制御タイマ設定部109SG153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を
制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定
部109SG153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記
憶される。
【0436】
遊技制御カウンタ設定部109SG154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行
を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられ
ている。例えば、遊技制御カウンタ設定部109SG154には、複数種類のカウンタそ
れぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部
109SG154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアによ
り更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
【0437】
遊技制御カウンタ設定部109SG154のランダムカウンタには、乱数回路104で
生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1~MR4を示す数値データが、ランダムカウ
ント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるい
は不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント
値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104にお
ける数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路1
04から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所
定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
【0438】
遊技制御バッファ設定部109SG155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行
を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている
。例えば、遊技制御バッファ設定部109SG155には、複数種類のバッファそれぞれ
におけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0439】
図20-2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊
技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポート
と、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポ
ートとを含んで構成されている。
【0440】
図20-2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う
演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM1
21と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装
置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123
と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路
124と、I/O125とが搭載されている。
【0441】
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み
出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作
を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM1
21から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM
122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用
CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動デー
タ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部か
ら各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介し
て演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0442】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載さ
れた1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
【0443】
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音
声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するため
の配線、ランプ制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝
送するための配線などが接続されている。
【0444】
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各
種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
【0445】
図20-2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプロ
グラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納
されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、
設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出
制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
【0446】
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画
像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型な
ど)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出
制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技
効果ランプ9の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制
御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出
動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターン
テーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演
出制御パターン等が、格納されていればよい。
【0447】
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにお
いて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示される
までの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演
出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様
々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは
、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出と
なる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは
、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応し
て、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
【0448】
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンご
とに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パ
ターンが含まれてもよい。
【0449】
図20-2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御す
るために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持
エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と
、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備
えている。
【0450】
演出制御フラグ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状
態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状
態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には
、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオ
フ状態を示すデータが記憶される。
【0451】
演出制御タイマ設定部には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動
作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設け
られている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタ
イマ値を示すデータが記憶される。
【0452】
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種
類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウ
ンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
【0453】
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータ
を一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部
には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0454】
本実施の形態では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア1
09SG005Dにて保留表示を行うための第1特図始動入賞バッファと、第2保留記憶
表示エリア109SG005Uにて保留表示を行うための第2特図始動入賞バッファと、
が設定されている。第1特図始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数
の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」~「4」に対応した
領域)が設けられており、第2特図始動入賞バッファには、第2特図保留記憶の合計保留
記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」~「4」に対
応した領域)が設けられている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入
賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変
動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留演出処理(S7
2、図20-26参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに
基づいて第1保留記憶表示エリア109SG005D及び第2保留記憶表示エリア109
SG005Uにおける保留表示が更新される。
【0455】
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定
コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア109SG005Dにおける保留
表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたこ
とに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア109
SG005Dにおける保留表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型
の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシ
フト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞が
あったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表
示エリア109SG005Uにおける保留表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一
方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信した
ときには、第2保留記憶表示エリア109SG005Uにおける保留表示のうち、最上位
(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色
表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する
【0456】
ここで、本実施の形態の主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示につい
て説明する。
【0457】
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動口(ヘソ)への入賞によ
る賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2
大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、発射球数が集計され
、表示モニタ109SG029は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(
アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第
2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(ア
タッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)、打ち出した遊技球数に
対する賞球合計数が占める割合であるベース(%)を表示するようになっている。連比と
は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞
球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2
始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタ
ッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。ベースとは
、賞球合計数に対する打ち出した遊技球数が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲
得球数)は、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、
第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、第1大入賞口および第2大入賞口
(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入
賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、第1大入賞口および第2大入賞口
(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能
幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、第1大入賞口
および第2大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1
始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、
遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
【0458】
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、連比と役比については、6000
個の賞球数における第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(
一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数
(電チュー賞球数)、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞
球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、
10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集
計する第1始動口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)
、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、設定値
毎に設けられたリングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分
の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。つまり、6000個の11
セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(
%)、役比(%)を算出することができる。また、ベースについては、60000個の賞
球数に対する打ち出した遊技球数を集計する。その集計を1セットとし、打ち出した遊技
球数に対する60000個の賞球の占める割合(ベース(%))を算出する。
【0459】
表示モニタ109SG029は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の
連比(%)、役比(%)及び前回の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベー
ス1(%))、直前の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース2(%))
を所定時間(例えば、5秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表
示手段で6つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行う
のに30秒要するが、遊技が進行することで集計される第1始動口(ヘソ)への入賞によ
る賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、第1大入賞口および第2
大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば
、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される60
000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と60000個
分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動口(ヘソ)
への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、第1大入賞口
および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、
切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミン
グなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
【0460】
尚、本実施の形態における遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域は、設定値毎に設けられており、一般入賞賞球や第1始動口賞球、普通電役賞球、特別電役賞球、賞球合計、打込合計は、設定されている設定値に応じた記憶領域(リングバッファ)に記憶されるようになっている。このため、本実施の形態の連比、役比、ベースは、設定値毎に個別に算出可能となっている。
【0461】
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電
チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入
賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比
(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、パチンコ
遊技機1から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは
、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累
計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによっ
て払い出された遊技媒体の累計数をいう。打込合計とは、賞球数が60000個に達する
までにパチンコ遊技機1に打ち込まれた遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下
記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。
また、ベースは下記(3)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
ベース=[60000(賞球合計数)/打込合計]×100・・・(3)
【0462】
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率
は、42000を60000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)
として求められる。しかしながら、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータ
は小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
【0463】
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を1
00倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。
これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%とし
て求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結
果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1
000倍すればよい。
【0464】
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を10
0で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商と
して70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。
つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められ
るようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算
すればよい。
【0465】
上記した例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するため
に、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本
例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球
数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
【0466】
ここで、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士
の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについ
て切り捨てを行ってもよい。
【0467】
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方
法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように
、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を
00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A4
10hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり1
0進数表記で164を算出する。
【0468】
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)
して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。こ
こで求められた78より役物比率が78%として求められる。
【0469】
第3の演算方法ではパチンコ遊技機1で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容
易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がとも
に10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くな
ることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
【0470】
また、基板ケース109SG201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板
11、及び表示モニタ109SG029が視認可能になっている。基板ケース109SG
201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板1
1の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた
表示モニタ109SG029は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このた
め放熱孔によって表示モニタ109SG029の視認性が遮られないようにされている。
なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11
を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。 ここで、パチンコ遊技機
1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができ
ない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい
【0471】
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方
法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように
、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を
00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A4
10hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり1
0進数表記で164を算出する。
【0472】
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)
して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。こ
こで求められた78より役物比率が78%として求められる。
【0473】
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合
計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の
入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作され
た場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後に
さらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に
初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、
役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として
起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領
域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表
示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初
期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
【0474】
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876
個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。
19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)である
ことが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には
小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。198
76/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て
、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため
57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ109SG029に表示されるこ
ととなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないも
のとなる。
【0475】
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大と
なる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを
上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコン
ピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%
の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%
、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→
70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上に
おいても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
【0476】
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球
数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場
合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さら
に大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってし
まう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768
)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行
わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のLEDの発
光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
【0477】
また、表示モニタ109SG029は役比(%)と、連比(%)と、ベース(%)を7
セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば5秒毎)に切り
替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を5秒間表示している間に、電チューや
アタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を5
秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離し
てしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出され
た値を順次表示していくことが好ましい。
【0478】
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ
設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には10
0の代わりに99を表示するようにしてもよい。図20-15(A)に示す表示モニタ1
09SG029では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁
を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の
一部に数値を表示してもよい。
【0479】
尚、本実施の形態では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって
遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集
計する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アタッカーに入賞し
た遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けら
れたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数、連続役物獲得球数を集計す
るようにしてもよい。
【0480】
以下、連比、役比、ベースの表示について、より具体的に説明する。本実施の形態にお
いて主基板11は、遊技盤2(図1参照)の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側
には、主基板11以外の他、演出制御基板12などの各周辺基板も設けられている。
【0481】
主基板11におけるRAM102には、ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウン
タ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3
一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。尚
、本実施の形態では、第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)の入賞数を大入賞
数カウンタにて集計する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく
、これら第1大入賞口への入賞数を集計する第1大入賞数カウンタと、第2大入賞口への
入賞数を集計する第2大入賞数カウンタとを個別に設けて、第1大入賞口への入賞数と第
2大入賞口への入賞数とを個別に集計し、これらの各入賞数を合計してアタッカーへの入
賞数とするようにしてもよい。
【0482】
ゲート通過数カウンタは、ゲートスイッチ21が遊技球を検出した数を計数するカウン
タである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数
を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊
技球を検出した数を計数するカウンタである。第1一般入賞数カウンタは、第1一般入賞
口スイッチ109SG026Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2一
般入賞数カウンタは、第2一般入賞口スイッチ109SG026Bが遊技球を検出した数
を計数するカウンタである。第3一般入賞数カウンタは、第3一般入賞口スイッチ109
SG026Cが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第4一般入賞数カウンタ
は、第4一般入賞口スイッチ109SG026Dが遊技球を検出した数を計数するカウン
タである。大入賞数カウンタが、第1カウントスイッチ109SG023と第2カウント
スイッチ109SG024Aとが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
【0483】
尚、主基板11には、図示しないクリアスイッチが接続されている。クリアスイッチは
、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。ク
リアスイッチを操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比
に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは、連比や役比の算出などに障害が生じ
た場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイ
ッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている
際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチを操作すると、デー
タのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
【0484】
尚、主基板11には、前述したように、RTC106が設けられおり、RTC106に
よって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過
時間などを測定できるが、本実施の形態においてRTC106は、遊技場の営業可能時間
を計測可能とされている。
【0485】
主基板11は、基板ケース109SG201に収容されている。基板ケース109SG
201には、図示しないかしめピンが取り付けられている。このかしめピンが設けられて
いることにより、主基板11が基板ケース109SG201に完全に封入された状態とな
り、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース109SG2
01は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
【0486】
また、表示モニタ109SG029は、主基板11上に設けられている。また、基板ケ
ース109SG201には、主基板11が封入されたことを証明するための図示しない封
印シールが貼られている。封印シールは例えば基板ケース109SG201における取り
外し部分をまたいで貼られている。封印シールは、主基板11からは離れた位置に配置さ
れており、表示モニタ109SG029の真正面など、表示モニタ109SG029の視
認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ109S
G029は、封印シールによって隠されない位置に配置されている。
【0487】
表示モニタ109SG029は、第1表示部29A、第2表示部29B、第3表示部2
9C、第4表示部29D及び第5表示部29Eを備えている。第1表示部29A~第5表
示部29Eは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメ
ントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これら
の第1表示部29A~第5表示部29Eは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色
、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させ
ながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
【0488】
表示モニタ109SG029には、図20-15(B)に示す表示No1~6の各項目
が表示される。1桁目の第1表示部29Aには集計させた設定値(1~3)が表示され、
2桁目の第2表示部29Bと3桁目の第3表示部29Cには集計期間が表示され、4桁目
の第4表示部29Dと5桁目の第5表示部29Eには数値が百分率で表示される。表示N
o1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No
3では、総累計の連比が表示され、表示No4では、総累計の役比が表示される。また、
表示No5では、前回の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース1)が表
示され、表示No6では、直前の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース
2)が表示される。
【0489】
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味
する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比
の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
【0490】
なお、上記の例では、連比や役比、ベースは、遊技状態によらずに算出するが、遊技状
態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の
大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数の
うち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入
賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、ベースは、低ベース状態と
高ベース状態とで個別に算出してもよい。
【0491】
表示No1の短期連比が表示される場合には、第2表示部29B及び第3表示部29C
に「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第2表示部29
B及び第3表示部29Cに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示
される場合には、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、短期連比が百分率表示(
%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第4表示部29D及び第5
表示部29Eには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
【0492】
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第2表示部29B及び第3表示部29
Cに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第2表示部
29B及び第3表示部29Cに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比
が表示される場合には、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、総累計連比が百分
率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第4表示部29
D及び第5表示部29Eには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
【0493】
表示No5のベース1が表示される場合には、第2表示部29B及び第3表示部29C
に「bL.」が表示され、表示No4のベース2が表示される場合には、第2表示部29
B及び第3表示部29Cに「B6.」が表示される。また、表示No5のベース1が表示
される場合には、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、総累計連比が百分率表示
(%表示)され、表示No6のベース2が表示される場合には、第4表示部29D及び第
5表示部29Eには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
【0494】
主基板11は、連比、役比及びベースを算出するにあたり、第1大入賞口および第2大
入賞口(アタッカー)、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4
一般入賞口に進入した遊技球の進入数と、排出口から排出された遊技球数の集計を行って
いる。CPU103は、メイン処理において、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ
22A及び第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ109SG023、第2カ
ウントスイッチ109SG024A、並びに、第1一般入賞口スイッチ109SG026
A~第4一般入賞口スイッチ109SG026D、排出口スイッチ109SG070の各
スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理を行っている。
【0495】
このスイッチ処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの
進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、ゲートスイッチ21から検出信号
が出力された場合には、ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A
,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウン
タ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、第1カウントスイッチ109SG023、第
2カウントスイッチ109SG024Aから検出信号が出力された場合には、大入賞数カ
ウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ109SG026A,第2一般入賞口スイ
ッチ109SG026B,第3一般入賞口スイッチ109SG026C,第4一般入賞口
スイッチ109SG026Dから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウン
タ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を
加算し、排出口スイッチ109SG070から検出信号が出力された場合には、打込数カ
ウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入
賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
【0496】
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域
に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状
態確認処理であるスイッチ処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させ
ることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせ
ることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
【0497】
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入
賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶
させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球
数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、
入賞口毎にあらかじめ定められている。
【0498】
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図20-16に示すように、一般入賞口賞球
(第1一般入賞口~第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球
(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞によ
る賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RA
M102は、総賞球数や打ち込まれた遊技球数も記憶している。なお、CPU103では
、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数を個別に集計している
が、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動口への遊技球入賞数をまとめて集計して
もよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とを個別に算出して
いるが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよ
い。
【0499】
RAM102は、これらの賞球数や打込数を記憶するためのリングバッファとアクティ
ブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入
賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域~第1
0記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)
の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入
賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備
えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算され
る。第0記憶領域~第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536
のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
【0500】
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域~第10記憶領域に記憶された賞
球数(10セット分)や打込数の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セ
ット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、この
ため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、6000
0個までのデータは余裕をもって記憶できる。
【0501】
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比
記憶領域と、10セット分のベース(ベース2)と前回の10セット分のベース(ベース
1)を記憶するベース記憶領域と、を備えている。主基板11のCPU103では、10
セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット
分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶す
る連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連
比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及
び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタ
で余裕をもって記憶できる。
【0502】
また、主基板11のCPU103では、10セット分の各入賞口への遊技球の入賞数に
対する打込数によって、10セット分のベースを算出し、該10セット分のベース(ベー
ス2)と前回の10セット分の各入賞口への遊技球の入賞数に対する打込数によって算出
したベース(ベース1)とをベース記憶領域に記憶させる。ベース1とベース2は、例え
ば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
【0503】
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。図20-17は主
基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジ
スタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。
具体的には、図20-17のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/デー
タ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H~2FFFH(Hは
16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H~2FBFH。2FC0H~2FFF
Hはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定し
てROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施の形態では、ROM領域を
第一領域~第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから
始まる領域としている。
【0504】
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実
施形態では、FE00H~FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタ
エリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを
行う。
【0505】
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形
態では、F000H~F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を
指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行
う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H~EFFFH、F400
H~FDFFH、FEC0H~FFFFH)は非使用領域とされている。
【0506】
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H~
2FFFHの16Kバイト領域)は、図20-18に示すように、RAM制御領域、非使
用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応
するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対
応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要
な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御
プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応す
るRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(
例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
【0507】
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM
102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、
非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶す
る記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応する
RAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第
1記憶領域~第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分
)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非
使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記
憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されて
いる。
【0508】
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領
域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ
、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイ
ト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRA
M102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
【0509】
また、主基板11は、表示モニタ109SG029に対して、連比、役比、ベースを表
示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図2
0-19(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャート
である。図20-19(A)に示すように、表示モニタ109SG029に対する表示を
開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、
緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図20-19(B-1)に示すよ
うに、第1表示部29Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部29Bに「y」の
文字が表示され、第3表示部29Cに「6.」の文字が表示される。また、第4表示部2
9D及び第5表示部29Eには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場
合、第4表示部29Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部29Eに「1.」の文字
が表示される。
【0510】
表示No1の表示が5秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No
2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図20
19(B-2)に示すように、第1表示部29Aに設定値である「1」が表示され、第2
表示部29Bに「y」の文字が表示され、第3表示部29Cに「7.」の文字が表示され
る。また、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、短期役比が表示される。例えば
、短期役比が63%の場合、第4表示部29Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部
29Eに「3.」の文字が表示される。
【0511】
表示No2の表示が5秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示N
o3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図
20-19(B-3)に示すように、第1表示部29Aに設定値である「1」が表示され
、第2表示部29Bに「A」の文字が表示され、第3表示部29Cに「6.」の文字が表
示される。また、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、総累計連比が表示される
。例えば、総累計連比が58%の場合、第4表示部29Dに「5.」の文字が表示され、
第5表示部29Eに「8.」の文字が表示される。
【0512】
表示No3の表示が5秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示N
o4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図
20-19(B-4)に示すように、第1表示部29Aに設定値である「1」が表示され
、第2表示部29Bに「A」の文字が表示され、第3表示部29Cに「7.」の文字が表
示される。また、第4表示部29D及び第5表示部29Eには、総累計役比が表示される
。例えば、総累計役比が68%の場合、第4表示部29Dに「6.」の文字が表示され、
第5表示部29Eに「8.」の文字が表示される。
【0513】
表示No4の表示が5秒間継続すると、図20-19(B-5)に示すように、表示N
o5のベース1が表示される。表示No5のベース1の表示は、赤字で表示される。表示
No5のベース1の表示では、図20-19(B-5)に示すように、第1表示部29A
に設定値である「1」が表示され、第2表示部29Bに「b」の文字が表示され、第3表
示部29Cに「L.」の文字が表示される。また、第4表示部29D及び第5表示部29
Eには、前回の賞球60000個に基づいて算出したベース1が表示される。例えば、ベ
ース1が40%の場合、第4表示部29Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部29
Eに「0.」の文字が表示される。
【0514】
表示No5の表示が5秒間継続すると、図20-19(B-6)に示すように、表示N
o6のベース2が表示される。表示No6のベース2の表示は、赤字で表示される。表示
No6のベース2の表示では、図20-19(B-6)に示すように、第1表示部29A
に設定値である「1」が表示され、第2表示部29Bに「b」の文字が表示され、第3表
示部29Cに「6.」の文字が表示される。また、第4表示部29D及び第5表示部29
Eには、直前の賞球60000個に基づいて算出したベース2が表示される。例えば、ベ
ース2が42%の場合、第4表示部29Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部29
Eに「2」の文字が表示される。
【0515】
そして、表示No5の表示が5秒間継続すると図20-19(B-1)に示すように、
表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比が表示される。以後、表示N
o1の短期連比~表示No6のベース2の表示が5秒毎に順次表示される。また、その表
示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比~表示No5
のベース2は赤色とされる。このように、表示モニタ109SG029は、短期連比、短
期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2を5秒ごとに切り替えて表示する
【0516】
更に、これら短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表
示は、図20-19(A)~図29-19(C)に示すように、表示切替スイッチ109
SG030の操作に基づいて、設定値が「1」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比
、総累計役比、ベース1、ベース2の表示、設定値が「2」の場合の短期連比、短期役比
、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示、設定値が「3」の場合の短期連
比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示に順次変更すること
が可能となっている。尚、設定値が「1」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総
累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ109SG030が操作され
た場合は、第1表示部29Aに表示される数値が「2」に更新されるとともに、第4表示
部29D及び第5表示部29Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役
比、ベース1、ベース2の数値が設定値「2」の値に切り替わる。
【0517】
また、設定値が「2」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース
1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ109SG030が操作された場合は、第1表
示部29Aに表示される数値が「3」に更新されるとともに、第4表示部29D及び第5
表示部29Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベ
ース2の数値が設定値「3」の値に切り替わる。
【0518】
そして、設定値が「3」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベー
ス1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ109SG030が操作された場合は、第1
表示部29Aに表示される数値が「1」に更新されるとともに、第4表示部29D及び第
5表示部29Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、
ベース2の数値が設定値「1」の値に切り替わる。
【0519】
尚、本実施の形態の表示モニタ109SG029においては、各設定値における連比、
役比、ベースを表示可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、表示モニタ109SG029においてはこれら連比、役比、ベースのうち、1の数値
のみ、或いはいずれか2の数値のみ表示可能であってもよい。
【0520】
また、本実施の形態では、付与された賞球数に基づく情報である連比、役比、ベースを
算出し、これら連比、役比、ベースを表示モニタ109SG029にて表示する形態を例
示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連比、役比、ベースを算出せず
に、表示モニタ109SG029には、付与された賞球数の履歴を表示するようにしても
よい。
【0521】
また、本実施の形態では、表示モニタ109SG029において、短期連比のみ赤色で
表示し、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2については緑色にて表
示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、短期連比と短期役比、総累計連
比及び総累計役比を同色にて表示し、ベース1とベース2とについては短期連比、短期役
比、総累計連比、総累計役比とは異なる同一の色にて表示してもよい。
【0522】
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の
容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域~第10記憶
領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セッ
ト分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
【0523】
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0
記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リ
ングバッファの第1記憶領域~第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領
域~第10記憶領域に移動させる。例えば、図20-20に示すように、第0記憶領域~
第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「
36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このと
きに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、
第1憶領域~第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81
」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新す
る。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
【0524】
第0記憶領域~第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞
球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞
球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
【0525】
(設定変更処理)
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の設定値の変更について説明する。先ず
、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、図20-21に示すように、前述
した遊技制御メイン処理(図3参照)において、初期化処理(ステップS8)を実行した
後、CPU103が、錠スイッチ109SG051がONであるか否かを判定する(ステ
ップ109SGSa11)。錠スイッチ109SG051がONである場合(ステップ1
09SGSa11;Yes)は、扉開放センサ109SG090がONであるか否かを判
定する(ステップ109SGSa12)。扉開放センサ109SG090がONである場
合(ステップ109SGSa12;Yes)は、設定変更処理(ステップ109SGSa
13)を実行してステップ109SGSa14に進む。
【0526】
CPU103は、設定変更処理(ステップ109SGSa13)を実行することによっ
て設定切替スイッチ109SG052や錠スイッチ109SG051の操作を受け付け、
設定値を変更可能な状態となる。尚、設定変更処理においては、表示モニタ109SG0
29の表示において設定値の設定状況を確認することが可能となっている。
【0527】
そして、設定変更処理(ステップ109SGSa13)を実行した後、ステップS7を
実行した後、錠スイッチ109SG051がOFFである場合(ステップ109SGSa
11;No)、扉開放センサ109SG090がOFFである場合(ステップ109SG
Sa12;No)は、ステップ109SGSa14においてRAM102のバックアップ
領域に格納されている設定値を読み出し、該読み出した設定値をパチンコ遊技機1の設定
値として設定した後にステップS10以降の処理を実行する。
【0528】
尚、本実施の形態では、設定変更処理においてパチンコ遊技機1に新たな設定値が設定
された場合には、CPU103は、演出制御基板12に対して設定された設定値を通知す
るためのコマンドを出力してもよい。このように、CPU103が演出制御基板12に対
して設定された設定値を通知するためのコマンドを出力可能とする場合は、演出制御用C
PU120が新たに設定された設定値を認識することができるようになるので、遊技の特
定のタイミング(例えば、変動表示中や大当り遊技終了時等)において、パチンコ遊技機
1の設定値の報知演出(例えば、設定値1の確定報知演出等)や、パチンコ遊技機1の設
定値を示唆する設定値示唆演出等を実行することが可能となる。
【0529】
また、本実施の形態では、CPU103が設定変更処理を実行することによりパチンコ
遊技機1の設定値を変更可能とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、設定変更処理を実行する場合は、CPU103は演出制御基板12に対して
設定変更処理を実行中である旨を通知するためのコマンドを出力してもよい。このように
、CPU103が演出制御基板12に対して設定変更処理を実行中である旨を通知するた
めのコマンドを出力とする場合は、CPU103が設定変更処理を実行中であることを演
出制御用CPU120が認識することができるようになるので、画像表示装置5での画像
表示やスピーカ8L,8Rからの音出力、遊技効果ランプ9からの発光等によってパチン
コ遊技機1の設定値を変更中であることを周囲に報知することが可能となる。
【0530】
例えば、設定変更処理の実行中は、画像表示装置5において黒色背景に「設定変更中」
等の文字を表示するとともに、スピーカ8L,8Rから「設定変更中です」等の音声を繰
り返し出力し、画像表示装置5におけるその他の表示(例えば、演出図柄や小図柄、第4
図柄、右打ち表示等)を表示しないようにすればよいが、これら演出図柄や小図柄、第4
図柄、右打ち表示等については、設定変更処理の実行中において表示してもよい。更に、
本実施の形態の設定変更処理の実行中は、特別図柄や普通図柄の変動表示が実行されてい
ないので、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20
には何ら表示されていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理の
実行中は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20
において設定変更処理の実行中である旨を示す図柄や、特定の表示結果(例えば、ハズレ
)を示す図柄を停止表示してもよい。
【0531】
尚、本実施の形態では、設定変更処理の実行中に第1特別図柄表示装置4Aや第2特別
図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において設定変更処理の実行中である旨を示す図
柄や、特定の表示結果(例えば、ハズレ)を示す図柄を停止表示する形態を例示している
が、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理の実行中は、第1保留表示器
25Aや第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cを設定変更処理の実行中である旨
を示す態様にて発光(例えば、点滅を繰り返す用)させるようにしてもよい。更に、パチ
ンコ遊技機1に大当り遊技中のラウンド数を表示する表示器(ラウンド数表示器)や、遊
技者に対して遊技領域の特定領域(例えば右側の遊技領域)に遊技球を打ち出すよう指示
するための表示器(右打ち表示器)等を設ける場合は、これら表示器を設定変更処理の実
行中である旨を示す態様にて発光させるようにしてもよい。
【0532】
また、本実施の形態では、クリアスイッチがオンの状態である場合(S3;Y)や、バ
ックアップデータが格納されていない場合(S4;N)やバックアップRAMが正常でな
い場合(S5;N)に、錠スイッチ109SG051や扉開放センサ109SG090が
ONであるか否かの判定(109SGSa11、109SGSa12)や、設定変更処理
(109SGSa13)を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、バックアップデータが格納されていない場合(S4;N)やバックアップRAM
が正常でない場合(S5;N)は、パチンコ遊技機1が正常でない状態で電断された場合
や、正常でない状態で電源が投入された場合に起こりうる事象であるので、クリアスイッ
チがオンの状態であると判定した場合(S3;Y)のみ錠スイッチ109SG051や扉
開放センサ109SG090がONであるか否かの判定(109SGSa11、109S
GSa12)や、設定変更処理(109SGSa13)を実行してもよい。つまり、バッ
クアップデータが格納されていない場合(S4;N)やバックアップRAMが正常でない
場合(S5;N)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が引き継がれるようにし
てもよい。
【0533】
また、本実施の形態では、CPU103が設定変更処理を実行することによりパチンコ
遊技機1の設定値を変更可能とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、CPU103は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を表示モニタ1
09SG029から確認可能である一方で該設定値を変更不能な処理(以下、設定確認処
理)を実行可能であってもよい。尚、このようにCPU103が設定確認処理を実行可能
とする場合は、CPU103は演出制御基板12に対して設定確認処理を実行中である旨
を通知するためのコマンドを出力してもよい。このように、CPU103が演出制御基板
12に対して設定確認処理を実行中である旨を通知するためのコマンドを出力とする場合
は、CPU103が設定確認処理を実行中であることを演出制御用CPU120が認識す
ることができるようになるので、画像表示装置5での画像表示やスピーカ8L,8Rから
の音出力、遊技効果ランプ9からの発光等によってパチンコ遊技機1の設定値を変更中で
あることを周囲に報知することが可能となる。
【0534】
尚、該設定確認処理は、CPU103がメイン処理(図3参照)の初期化処理を実行し
た後に、錠スイッチ109SG051と扉開放センサ109SG090とがONとなった
ことを条件に実行可能であればよいが、例えば、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、
小当り遊技中、特別図柄の変動表示は実行されていないが保留記憶が存在している場合、
エラーが検出されてからの所定期間、賞球の払出中、大当り遊技開始用ゲートへの遊技球
の進入待ち中(パチンコ遊技機1に大当り遊技開始用ゲートが設けられている場合のみ)
等の所定期間中は、錠スイッチ109SG051と扉開放センサ109SG090とがO
Nとなっても設定確認処理が実行されないようにしてもよい。
【0535】
更に、CPU103が設定確認処理を実行して表示モニタ109SG029にパチンコ
遊技機1に設定されている設定値を表示した後は、錠スイッチ109SG051をOFF
に切り替えずとも、つまり、表示モニタ109SG029に設定値が設定された状態で遊
技を可能としてもよい。
【0536】
次に、設定変更処理の処理状況と表示モニタ109SG029の表示態様について説明
する。先ず、図20-22(A)及び図20-22(B)に示すように、遊技場の店員等
の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機1への電力の供給
が停止することによって表示モニタ109SG029での表示が終了する。尚、電源をO
FFとするタイミングにおいて大当り遊技中や小当り遊技中等の大入賞口の開放中である
場合は、ソレノイド82への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
【0537】
次に、図20-22(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつ
つ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS3でYesの場合)、錠スイッチ
109SG051がONとなっていることと、扉開放センサ109SG090がONとな
っていることを条件にCPU103によって設定変更処理が実行され、表示モニタ109
SG029においてRAM102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示され
る。
【0538】
このように表示モニタ109SG029にて設定値が表示されている状態において、図
20-22(D)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等による設定切替スイッ
チ109SG052の操作を検出する毎に表示モニタ109SG029に表示している数
値を順次更新(例えば、設定切替スイッチ109SG052が操作される毎に1→2→3
→1→・・・のように更新)表示していく。
【0539】
次いで、図20-22(E)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等による錠
スイッチ109SG051の押込操作を検出したことにもとづいて、表示モニタ109S
G029に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)
する。このとき、CPU103は、表示モニタ109SG029を点滅表示させることに
よって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM102のバックアップ領域に格納された
ことを報知する。また、RAM102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場
合は、該保留記憶がクリアされる。
【0540】
図20-22(E)においては、後述する本実施の形態の特徴部2(図20-40~図
20-46参照)に示すように、CPU103は、RAM102のバックアップ領域に格
納した設定値を設定秘匿値に変換し、該設定秘匿値を含む設定値指定コマンドを演出制御
基板12に対して出力してもよい。尚、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は
、CPU103から前記設定値指定コマンドを受信した場合、該設定値指定コマンドから
設定値を特定して記憶することによって、設定されている設定値を示唆する演出(設定値
示唆演出)を実行してもよい。また、図20-22(A)のタイミング(パチンコ遊技機
1の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合は、再び大入賞口
が開放される。以降、CPU103は、錠スイッチ109SG051が遊技場の店員等の
操作によってOFFとなったことに基づいて設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、
つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可
能な状態となる。
【0541】
尚、本実施の形態における設定変更処理では、表示モニタ109SG029に表示する
初期表示として、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形
態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表
示モニタ109SG029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も有利な設定
値(本実施の形態であれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も不利な設定値(本実施
の形態であれば「3」)を表示するようにしてもよい。
【0542】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号
を受信して割込み要求を受付けると、図20-23のフローチャートに示す遊技制御用タ
イマ割込処理を実行する。図20-23に示す遊技制御用タイマ割込処理を開始すると、
CPU103は、まず、電源断検出処理を実行する(109SGS010)。そして、所
定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ2
1、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ10
9SG023、第2カウントスイッチ109SG024A、第3カウントスイッチ109
SG024B、第4カウントスイッチ109SG024C、排出口スイッチ109SG0
70といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(109SGS01
1)。
【0543】
続いて、一般入賞口109SG050A~一般入賞口109SG050D、第1始動入
賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口、第2大入賞口109SG712のいずれかに遊技
球が入賞が発生した場合、つまり、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22
B、第1カウントスイッチ109SG023、第2カウントスイッチ109SG024A
、第1一般入賞口スイッチ109SG026A,第2一般入賞口スイッチ109SG02
6B,第3一般入賞口スイッチ109SG026C,第4一般入賞口スイッチ109SG
026Dからの検出信号の入力があった場合には、各検出信号による入賞に対応した賞球
個数の設定などを行う賞球処理(109SGS012)を実行する。
【0544】
次いで、CPU103は、役比、連比、ベース等の入賞情報を算出する入賞情報処理(
109SGS013)、該入賞情報処理にて算出された役比、連比、ベース等の入賞情報
を表示モニタ109SG029に表示する入賞情報表示制御処理(109SGS014)
を行う。その後、所定のメイン側エラー処理(109SGS015)を実行することによ
り、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可
能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1
の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率
変動情報、払出情報などのデータを出力する(109SGS016)。
【0545】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1や乱数値MR1~M
R4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱
数更新処理を実行する(109SGS017)。この後、CPU103は、特別図柄プロ
セス処理を実行する(109SGS018)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラ
グ設定部109SG152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1にお
ける遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置
4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット109SG007における大入
賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行され
る。
【0546】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(109SGS0
19)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器
20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図
柄の変動表示や可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0547】
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行するこ
とにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマン
ドを伝送させる(109SGS020)。これらの一例として、コマンド制御処理では、
遊技制御バッファ設定部109SG155に設けられた送信コマンドバッファの値によっ
て指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出
力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポー
トに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データを
セットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とするこ
となどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能と
する。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用
タイマ割込み処理を終了する。
【0548】
尚、109SGS020のコマンド制御処理においては、パチンコ遊技機1に設定され
ている設定値を通知するためのコマンドを送信すること、または、変動パターンや変動表
示が終了したことを通知するためのコマンド等の既存コマンドにパチンコ遊技機1に設定
されている設定値の情報を含ませて送信することによって、演出制御基板12に対して定
期的に設定値を通知するようにしてもよい。更に、演出制御基板12(演出制御用CPU
120)は主基板11からこれらコマンドを受信することによって、設定されている設定
値を示唆する演出を変動表示中や大当り遊技中等、様々タイミングにて実行してもよい。
【0549】
図20-24は、特別図柄プロセス処理として、図20-23に示す109SGS01
8にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理に
おいて、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(109SGS021)。
該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部109SG1
52に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、109SGS022~109SGS
031の処理のいずれかを選択して実行する。
【0550】
109SGS021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイ
ッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場
合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パ
ターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記
憶部109SG151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場
合には、第2特図保留記憶部109SG151Bにおける空きエントリの最上位に格納す
る。尚、始動入賞処理においては、始動入賞が発生した場合は、演出制御基板12に対し
て第1始動口入賞指定コマンドや第2始動入賞指定コマンドを送信するための設定も実行
する。尚、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、CPU103
がコマンド制御処理(109SGS020)を実行することによって演出制御基板12に
対して出力される。
【0551】
109SGS022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに
実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部109SG151Aや第2
特図保留記憶部109SG151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否
かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、設定されている設定値に応じた表示
結果判定テーブル(図20-8参照)と変動表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値デ
ータに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変
動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では
、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや
第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り
図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図
柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される
【0552】
109SGS023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のと
きに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否
かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを
用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。尚、変動
パターンは、設定されている設定値と変動表示結果及び大当り種別に応じて、図20-1
1~図20-12に示す変動パターン判定テーブルのいずれかを用いて決定する。変動パ
ターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフ
ラグの値が“2”に更新される。
【0553】
109SGS022の特別図柄通常処理や109SGS023の変動パターン設定処理
により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表
示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設
定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動
パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する
処理を含んでいる。
【0554】
109SGS024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに
実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示
装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を
開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、109SGS02
4の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部109SG153に設
けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算
して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特
別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の
タイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに
対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、109SGS02
4の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲー
ムでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲー
ムでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい
。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、
特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0555】
109SGS025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに
実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示
装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を
停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ
設定部109SG152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定など
が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新さ
れる。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部10
9SG152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、
小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、
大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“
0”に更新される。
【0556】
109SGS026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに
実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに
基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とす
るための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当
りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放
状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく
、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンド
を実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、
「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定する
ことにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラ
グの値が“5”に更新される。
【0557】
109SGS027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに
実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間
を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ109SG023によ
って検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻
すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口
を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉109SG701用のソレノイド109SG
082に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロ
セスフラグの値が“6”に更新される。
【0558】
109SGS028の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実
行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ラ
ンプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての
エンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、
大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセ
ット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセス
フラグの値が“0”に更新される。
【0559】
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、
特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセ
スフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時
短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(本実施の形態で
は「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新す
る。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットすると
ともに「大当りC」に対応するカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回
数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
【0560】
109SGS029の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに
実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに
基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口109SG71
2を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変
動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口109SG712を開放状
態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる
第2大入賞口109SG712の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態
とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新さ
れる。
【0561】
尚、本実施の形態では、小当り状態において第2大入賞口109SG712の開放回数
を「1回」、第2大入賞口109SG712を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設
定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態にお
ける第2大入賞口109SG712の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また
、第2大入賞口109SG712を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口1
09SG712に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であっても良い。
【0562】
S30の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。
この小当り開放中処理には、第2大入賞口109SG712を開放状態としてからの経過
時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ109SG024
Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口109SG712を開
放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている
。そして、第2大入賞口109SG712を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉1
09SG711用のソレノイド109SG083に対するソレノイド駆動信号の出力を停
止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
【0563】
109SGS031の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実
行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ラ
ンプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての
エンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理など
が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に
更新される。
【0564】
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図20-25は、演出制御基板12に搭載
されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャート
である。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する
。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動
間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行
う(109SGS051)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監
視(109SGS052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出
制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン
処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU12
0は、そのフラグをクリアし(109SGS053)、以下の処理を実行する。
【0565】
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出
制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:109SG
S054)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバ
ッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、
遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御I
NT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に
保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマン
ドがどのコマンド(図20-5参照)であるのか解析する。
【0566】
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(109SGS05
5)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態
(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行
する。
【0567】
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント
値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(109SGS056)、その後、109SG
S052に移行する。
【0568】
図20-26は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(109SGS0
55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU12
0は、先ず、保留表示やアクティブ表示に関する演出の制御を実行するための保留演出処
理を実行する(109SGS072)。本実施の形態にける保留演出処理において、演出
制御用CPU120は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受
信していることに基づいて第1保留記憶表示エリア109SG005Dや第2保留記憶表
示エリア109SG005Uにおける保留表示の更新や、第1変動開始指定コマンドや第
2変動開始指定コマンドの受信に基づいて保留表示をアクティブ表示エリア109SG0
05Fに表示させることが可能となっている。また、保留演出処理では、演出制御用CP
U120は、第1始動入賞演出や第2始動入賞演出を実行可能となっている。
【0569】
第1始動入賞演出とは、図20-27(A)及び図20-27(B)に示すように、第
1保留記憶表示エリア109SG005Dに保留表示が表示されており且つアクティブ表
示エリア109SG005Fにアクティブ表示が表示されている変動表示中において、第
1始動入賞口に始動入賞が発生した場合に、保留表示をキャラクタ画像109SGCから
第1保留記憶表示エリア109SG005Dにおける新たな保留表示の表示位置に向けて
移動表示する演出である。尚、第1始動入賞演出対象の保留表示の移動表示は、該第1始
動入賞演出の開始時に予め第1特図保留記憶数に基づいて決定された位置(第1保留記憶
表示エリア109SG005Dにおける保留記憶数に応じて決定された位置)に移動する
ことによって終了する。
【0570】
また、第2始動入賞演出とは、図20-27(C)及び図20-27(D)に示すよう
に、保留記憶数が0であり且つ変動表示が実行されていない状態において、第1始動入賞
口に始動入賞が発生した場合に、アクティブ表示をキャラクタ画像109SGCから第1
保留記憶表示エリア109SG005Dを経由してアクティブ表示エリア109SG00
5Fに向けて移動表示する演出である。
【0571】
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じて109SG
S073~109SGS082のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下の
ような処理を実行する。
【0572】
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(109SGS073):遊技制御用マイクロ
コンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体
的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。
変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変
動開始処理(109SGS074)に対応した値に変更する。
【0573】
演出図柄変動開始処理(109SGS074):演出図柄の変動が開始されるように制
御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(109SGS07
5)に対応した値に更新する。
【0574】
演出図柄変動中処理(109SGS075):変動パターンを構成する各変動状態(変
動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、
変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(109S
GS076)に対応した値に更新する。
【0575】
演出図柄変動停止処理(109SGS076):全図柄停止を指示する演出制御コマン
ド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果
(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り
表示処理(109SGS077)、小当り表示処理(109SGS080)または変動パ
ターン指定コマンド受信待ち処理(109SGS073)に対応した値に更新する。
【0576】
大当り表示処理(109SGS077):変動時間の終了後、画像表示装置5に大当り
の発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの
値を大当り遊技中処理(109SGS078)に対応した値に更新する。
【0577】
大当り遊技中処理(109SGS078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入
賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5に
おけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終
了演出処理(109SGS079)に対応した値に更新する。
【0578】
大当り終了演出処理(109SGS079):画像表示装置5において、大当り遊技状
態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグ
の値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(109SGS073)に対応した値に更
新する。
【0579】
小当り表示処理(109SGS080):変動時間の終了後、画像表示装置5に小当り
の発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの
値を小当り遊技中処理(109SGS081)に対応した値に更新する。
【0580】
小当り遊技中処理(109SGS081):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入
賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5に
おけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終
了演出処理(109SGS082)に対応した値に更新する。
【0581】
小当り終了演出処理(109SGS082):画像表示装置5において、小当り遊技状
態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグ
の値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(109SGS073)または大当り表示
処理(109SGS077)に対応した値に更新する。
【0582】
尚、本実施の形態において前述の第1始動入賞演出を実行する際には、該第1始動入賞
演出の実行中に変動表示の終了と新たな変動表示が開始されることによって第1保留記憶
表示エリア109SG005Dに表示されている保留表示数が変化(減少)する場合があ
る。このような場合には、図20-28(A)~図20-28(E)に示すように、第1
始動入賞演出対象の保留表示の第1保留記憶表示エリア109SG005Dにおける移動
先(停止位置)を再決定した後、第1始動入賞演出を継続すればよい。
【0583】
例えば、図20-28(A)~図20-28(E)に示すように、保留4表示位置に向
けての第1始動入賞演出の実行中に変動表示の終了と新たな変動表示が開始されたことに
基づいて第1保留記憶表示エリア109SG005Dに表示されている保留表示がシフト
した場合(第1特図保留記憶数が2個となったことに基づいて第1保留記憶表示エリア1
09SG005Dの保留3表示位置に保留表示が表示されなくなってしまった場合)は、
第1始動入賞演出対象の保留表示の第1保留記憶表示エリア109SG005Dにおける
移動先を保留3表示位置に再決定した後、第1始動入賞演出を継続すればよい。
【0584】
また、スーパーリーチの変動中におけるリーチ演出等、変動表示結果が大当りとなるこ
とを示唆する特定の演出中は、第1始動入賞演出を実行するとリーチ演出に対して遊技者
を注目させることができなくなってしまう。そこで本実施の形態における保留演出処理に
おいては、図20-29(A)及び図20-29(B)に示すように、スーパーリーチの
変動中におけるリーチ演出中等の特定の演出の実行中に第1始動入賞口にて新たな始動入
賞が発生した場合は、第1始動入賞演出を実行せずに、第1保留記憶表示エリア109S
G005Dに新たな保留表示を追加表示するのみとすることで、第1始動入賞演出によっ
てリーチ演出の興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
【0585】
(変形例1)
尚、本実施の形態では、本発明における出現表示として第1始動入賞演出と第2始動入賞演出とを実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図20-30(A)及び図20-30(B)に示すように、保留記憶数が0であり且つ変動表示の非実行中であるときに新たな始動入賞が発生した場合は、第2始動入賞演出を実行することなく保留表示をアクティブ表示としてアクティブ表示エリア109S005Fに表示してもよいし、また、第2始動入賞演出として、保留表示をキャラクタ画像109SGCから第1保留記憶表示エリア109SG005Dを経由することなく直接アクティブ表示エリア109SG005Fに移動させてもよい。このようにすることで、新たな始動入賞が発生してからアクティブ表示エリア109SG005Fにアクティブ表示が表示されるまでの期間を短縮できる。
【0586】
また、本実施の形態では、第1保留記憶表示エリア109SG005Dや第2保留記憶
表示エリア109SG005Uにおいて白色丸形の保留表示を表示する形態を例示したが
、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留表示の表示態様として複数の表示
態様(例えば、青色の丸形や赤色の丸形、白色の三角形や白色の四角形等)を設け、保留
表示がいずれの表示態様にて表示されているかによって各保留表示に対応する変動表示に
おいて変動表示結果が大当りとなる割合(大当り期待度)を示唆する保留変化演出を実行
可能としてもよい。
【0587】
(変形例2)
尚、このように、保留表示の表示態様に応じて大当り期待度を異ならせる場合には、第
1始動入賞演出中に第1始動入賞演出対象の保留表示の表示態様を変化させてもよい。具
体的には、変形例2として図20-31(A)~図20-31(D)に示すように、画像
表示装置5の側方に可動体を設け、第1始動入賞演出の実行中に可動体を保留表示の移動
経路上に配置することによって該保留表示を遊技者から隠蔽する。そして、該隠蔽中に保
留表示の表示態様を変化させることによって第1始動入賞演出中の保留表示の表示態様の
変化(丸型の白色表示から図20-31(D)に示す星型の白色表示109SG005H
1への変化)を実現すればよい。このようにすることで、第1始動入賞演出対象の保留表
示の表示態様がいずれに変化するのかに対して遊技者を注目させることができるので、遊
技興趣を向上できる。
【0588】
また、本変形例2では、可動体によって第1始動入賞演出対象の保留表示を隠蔽し、該
隠蔽中に保留表示の表示態様を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、図20-32(A)~図20-32(D)に示すように、第1始動入
賞演出対象の保留表示は、可動体ではなく、画像表示装置5にて表示される画像(図20
-32(C)に示すキャラクタ画像109SG005G)によって隠蔽し、該隠蔽中に保
留表示の表示態様を変化させることによって第1始動入賞演出中の保留表示の表示態様の
変化(丸型の白色表示から図20-32(D)に示す四角型の白色表示109SG005
H2への変化)を実現すればよい。
【0589】
(変形例3)
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に該パチンコ遊技機1の設定
値を変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊
技機1の設定値の変更は遊技中に実行可能であってもよい。尚、遊技中にパチンコ遊技機
1の設定値を変更する場合は、変形例3として図20-33(A)~図20-33(C)
に示すように、例えば、先ず、遊技場の店員等が遊技機用枠109SG003を開放した
後、錠スイッチ109SG0051をONにすることによって表示モニタ(第1表示部1
09SG029A)に現在パチンコ遊技機1に設定されている設定値を表示させた後、遊
技場の店員等が設定切替スイッチ109SG052を操作することによって第1表示部1
09SG029Aに表示されている数値を変化させる。
【0590】
そして、遊技場の店員等が錠スイッチ109SG051を押込み操作することによって
第1表示部109SG029Aに表示されている数値(設定値)を新たなパチンコ遊技機
1の設定値として設定するとともに、RAM102のバックアップ領域に格納すればよい
。尚、新たな設定値が設定された後は、遊技制御用データ保持エリア109SG150を
クリアすることによって、特図保留記憶、普図保留記憶や遊技制御フラグ設定部109S
G152、遊技制御タイマ設定部109SG153、遊技制御カウンタ設定部109SG
154、遊技制御バッファ設定部109SG155等に記憶されている各種フラグやデー
タを消去してもよい。
【0591】
このように、遊技制御用データ保持エリア109SG150をクリアすることによって
、設定値の変更に伴い変動表示結果が大当りとなる保留記憶が新たに発生してしまうこと
や、新たに可変入賞球装置6Bが開放されること(普図当りが発生してしまうこと)、実
行中の変動表示結果が不当に大当りとなってしまうことを防止することができる。更に、
遊技制御用データ保持エリア109SG150をクリアすることによって、大当り遊技中
であれば大入賞口を閉鎖させたり、可変入賞球装置6Bが開放中であれば該可変入賞球装
置6Bを閉鎖させることで遊技者が不適切な利益を得ることを防止することができる。更
に、新たな設定値が設定されずに設定変更処理が中断された場合に、新たな設定値が設定
されていないにもかかわらず、保留記憶が消去されてしまうことを防ぐことができる。
【0592】
尚、本変形例3では、パチンコ遊技機1の設定値を遊技中に変更可能な形態を例示して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、このように遊技中にパチンコ遊技機1
の設定値を変更可能とする場合は、図示しない枠開放検出用センサによって遊技機用枠1
09SG003の開放が検出されていることに基づいてスピーカ8L,8Rからの音出力
やLEDの発光等によって遊技機用枠109SG003が開放中であることを報知可能な
開放報知手段を設け、パチンコ遊技機1の設定値が不正に変更されてしまうことを防止で
きるようにしてもよい。
【0593】
更に、このように開放報知手段を備える場合は、遊技機用枠109SG003の開放中
に遊技制御用データ保持エリア109SG150に保留記憶が記憶されているか否かを判
定し、遊技制御用データ保持エリア109SG150に保留記憶が記憶されている場合は
、遊技制御用データ保持エリア109SG150に保留記憶が記憶されていない場合とは
異なる報知態様で報知を行ってもよい。このようにすることで、設定値を変更するために
遊技機用枠109SG003を開放した場合、報知手段の報知態様によって遊技制御用デ
ータ保持エリア109SG150に保留記憶が記憶されているか否かを容易に遊技場の店
員等が認識することができるので、不適切に設定値が変更されてしまうことを防止できる
【0594】
更に、変形例3では、このように開放報知手段を備える場合は、遊技機用枠109SG
003の開放中に遊技制御用データ保持エリア109SG150内に変動表示結果が大当
りとなる保留記憶が有るか否かを判定し、変動表示結果が大当りとなる保留記憶が有ると
判定した場合は、変動表示結果が大当りとなる保留記憶が無いと判定した場合とは異なる
報知態様で報知を行ってもよい。このようにすることで、遊技機用枠109SG003が
開放されたときに、変動表示結果が大当りとなる保留記憶の有無を遊技場の店員等が容易
に認識できるようになるので、不適切に設定値が変更されてしまうことを防ぐことができ
る。
【0595】
更に、本変形例3のようにパチンコ遊技機1の設定値を遊技中に変更可能であるととも
に、前記変形例2のように、保留表示の表示態様を白色の丸形から該白色の丸形よりも大
当り期待度の高い白色の三角形や四角形に変化可能とする場合は、遊技機用枠109SG
003の開放中に白色の三角形や四角形で表示されている保留表示が有るか否かを判定し
、白色の三角形や四角形で表示されている保留表示が有ると判定した場合には、白色の三
角形や四角形で表示されている保留表示が無い場合とは異なる報知態様で報知を行っても
よい。このようにすることで、遊技機用枠109SG003が開放されたときに、保留表
示が白色の丸形よりも大当り期待度の高い白色の三角形や四角形にて表示されていること
を遊技場の店員等が容易に認識できるようになるので、不適切に設定値が変更されてしま
うことを防ぐことができる。
【0596】
尚、本変形例3では、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されたことに基づいて保
留記憶をクリアする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、元
からパチンコ遊技機1に設定されていた設定値を再設定した場合においても保留記憶をク
リアしてもよい。
【0597】
また、本変形例3においては、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されたことに基
づいて保留記憶をクリアする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、図20-33(A)に示すように、表示モニタ109SG029にパチンコ遊技機
1に設定されている設定値が表示されたタイミング、つまり、CPU103によって設定
変更処理が実行されるときに保留記憶をクリアしてもよい。このようにすることで、パチ
ンコ遊技機1に設定値の変更が的確に反映されなくなってしまうことを確実に防ぐことが
できる。
【0598】
また、本変形例3においては、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されたことに基
づいて第1大入賞口や第2大入賞口109SG712が閉鎖される形態を例示しているが
、本発明はこれに限定されるものではなく、図20-33(A)に示すように、表示モニ
タ109SG029にパチンコ遊技機1に設定されている設定値が表示されたタイミング
、つまり、CPU103によって設定変更処理が実行されるときに第1大入賞口や第2大
入賞口109SG712を閉鎖してもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機1に
設定値の変更が的確に反映されなくなってしまうことを確実に防ぐことができる。
【0599】
また、本変形例3においては、遊技機用枠109SG003の開放中に遊技制御用デー
タ保持エリア109SG150内に保留記憶が有る場合は、報知手段による報知を実行す
る形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機用枠109S
G003の開放中に遊技制御用データ保持エリア109SG150内に保留記憶が有る場
合は、パチンコ遊技機1に新たな設定値を設定不能としてもよいし、遊技機用枠109S
G003の開放中に遊技制御用データ保持エリア109SG150内に保留記憶が無い場
合よりも複雑な変更手順を設けることによって新たな設定値が設定され難くしてもよい。
このようにすることで、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されることによって誤っ
て保留記憶がクリアされてしまうことを防ぐことができる。
【0600】
(変形例4)
また、本実施の形態では、表示モニタ109SG029に第1表示部109SG029
A~第5表示部109SG029Eまでの5つの表示部を設け、第1表示部109SG0
29Aにおいて第2表示部109SG029B~第5表示部109SG029Eにて表示
中の連比、役比、ベースの設定値を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、変形例4として図20-34(A)に示すように、表示モニタには表示
中の連比、役比、ベースの設定値を表示する表示部を設けなくともよい。尚、このような
場合は、図20-34(B)に示すように、設定値1での連比、役比、ベースを赤色、設
定値2での連比、役比、ベースを緑色、設定値3での連比、役比、ベースを青色にて表示
することによって、表示モニタ109SG029にて表示中の連比、役比、ベースがいず
れの設定値での数値であるのかを把握し易くしてもよい。
【0601】
また、本実施の形態や本変形例4においては、表示モニタ109SG029において、
設定値1における連比、役比、ベースを5秒間隔毎に切り替えて表示可能であるとともに
、表示切替スイッチ109SG030の操作毎にこれら設定値1における連比、役比、ベ
ースの5秒間隔での切替表示を設定値2における連比、役比、ベースの5秒間隔での切替
表示、設定値3における連比、役比、ベースの5秒間隔での切替表示に変化可能な形態を
例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、設定値1における連比、
設定値2における連比、設定値3における連比の5秒間隔での切替表示と、設定値1にお
ける役比、設定値2における役比、設定値3における役比の5秒間隔での切替表示と、設
定値1におけるベース、設定値2におけるベース、設定値3におけるベースの5秒間隔で
の切替表示と、を表示切替スイッチ109SG030の操作毎に切替可能としてもよい。
【0602】
(変形例5)
また、本実施の形態では、セキュリティカバー109SG500Aを外枠109SG0
01aに固定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、セキ
ュリティカバーは遊技機用枠109SG003側に設けてもよい。具体的には、変形例5
として図20-35(A)及び図20-35(B)に示すように、短片109SG500
Baと長片109SG500Bbとから成るセキュリティカバー109SG500Bを、
例えば、基板ケース109SG201に対して、長片109SG500Bbの右端部が錠
スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052とを含む基板ケース10
9SG201の右側部を被覆する被覆位置と該被覆位置よりも右側の被覆解除位置との間
で左右方向にスライド移動可能に設ける。
【0603】
一方、遊技機用枠109SG003を開放した際には、基板ケース109SG201に
対してセキュリティカバー109SG500Bを右側方にスライド移動させることによっ
て、長片109SG500Bbの左部に形成された貫通口109SG500Bcを介して
錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052とを操作可能とすれば
よい。つまり、本変形例1においては、遊技機用枠109SG003が閉鎖されていると
きは、セキュリティカバー109SG500B(長片109SG500Bb)が錠スイッ
チ109SG051と設定切替スイッチ109SG052を被覆した状態で基板ケース1
09SG201に対する左右方向へのスライド移動が規制されることによってパチンコ遊
技機1が規制状態に維持される。一方で、遊技機用枠109SG003が開放されている
ときには、基板ケース109SG201に対してセキュリティカバー109SG500B
を右方向にスライド移動させて錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109S
G052を被覆した状態を解除することによって、パチンコ遊技機1が規制状態から解除
可能(許容状態に変化させることが可能)な状態とすることができる。
【0604】
より詳しくは、図20-35(A)及び図20-35(B)に示すように、遊技機用枠
109SG003の閉鎖時は、セキュリティカバー109SG500Bの基板ケース10
9SG201からの突出寸法が長さL1である一方で、遊技機用枠109SG003を開
放した際には、基板ケース109SG201に対してセキュリティカバー109SG50
0Bをスライド移動させることによってセキュリティカバー109SG500Bの基板ケ
ース109SG201からの突出寸法が長さL2に伸長される(L2>L1)。
【0605】
つまり、図20-36(A)に示すように、遊技機用枠109SG003を所定の回動
軸を中心に回動して開放した際には、セキュリティカバー109SG500Bを基板ケー
ス109SG201からの突出寸法が長さL2となるまで基板ケース109SG201に
対してスライド移動させる(パチンコ遊技機1を許容状態とする)ことで、遊技場の店員
等が錠スイッチ109SG051や設定切替スイッチ109SG052を操作することに
よってパチンコ遊技機1の設定値を変更可能となっている。一方で、該パチンコ遊技機1
が許容状態である場合は、図20-36(B)に示すように、セキュリティカバー109
SG500Bを基板ケース109SG201からの突出寸法が長さL1となるまで基板ケ
ース109SG201に対してスライド移動させなければ(パチンコ遊技機1を規制状態
に変化させなければ)セキュリティカバー109SG500Bが外枠109SG001a
の前端部に当接してしまい、遊技機用枠109SG003を閉鎖することが不可能となっ
ている。
【0606】
このため、本変形例1では、パチンコ遊技機1が許容状態のまま遊技機用枠109SG
003が閉鎖されてしまうことを防止することが可能となっているので、セキュリティカ
バー109SG500Bによる錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109S
G052との被覆し忘れ、つまり、操作部に対する操作を規制しないまま遊技機用枠10
9SG003を閉鎖してしまうことを防ぐことができ、セキュリティ性を向上できるよう
になっている。
【0607】
尚、遊技機用枠109SG003を閉鎖している状態では、短片109SG500Ba
の前端部が外枠109SG001aと遊技機用枠109SG003との間に配置されるこ
とで被覆位置から左右方向への移動が規制されるようになっているが、セキュリティカバ
ー109SG500Bにより錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG
052とを被覆している状態が維持される範囲でセキュリティカバー109SG500B
が左右方向に移動されるようになっていてもよい。
【0608】
(変形例6)
更に、セキュリティカバーを遊技機用枠109SG003側に設ける形態としては、変
形例6として図20-37(A)及び図20-38(B)に示すように、セキュリティカ
バー109SG500Cの左端部を遊技機用枠109SG003の背面側に設けられた上
下方向を向く枢軸109SG500Cdを中心として、錠スイッチ109SG051と設
定切替スイッチ109SG052とを含む基板ケース109SG201の右側部を被覆す
る被覆位置と該被覆位置から回動した被覆解除位置との間で回動可能に枢支されていても
よい。このような場合は、遊技機用枠109SG003の閉鎖時には、短片109SG5
00Caの前端部が外枠109SG001aの右側辺に設けられた係止部109SG50
0Ccに係止され、長片109SG500Cbが錠スイッチ109SG051と設定切替
スイッチ109SG052とを背面側から被覆している状態から背面側への回動が規制さ
れるようにすればよい。
【0609】
そして、遊技機用枠109SG003を開放した際には、基板ケース109SG201
に対してセキュリティカバー109SG500Cを枢軸109SG500Cd周り(平面
視で反時計回り)に回動させることによって錠スイッチ109SG051と設定切替スイ
ッチ109SG052とを被覆した状態を解除して操作可能とすればよい。つまり、本変
形例6においては、遊技機用枠109SG003が閉鎖されているときは、セキュリティ
カバー109SG500C(長片109SG500Cb)が錠スイッチ109SG051
と設定切替スイッチ109SG052を被覆した状態で回動が規制されることによってパ
チンコ遊技機1が規制状態に維持される。一方で、遊技機用枠109SG003が開放さ
れているときには、基板ケース109SG201に対してセキュリティカバー109SG
500Cを枢軸109SG500Cd周り(平面視で反時計回り)に回動させて錠スイッ
チ109SG051と設定切替スイッチ109SG052を被覆した状態を解除すること
によって、パチンコ遊技機1が規制状態から解除可能(許容状態に変化させることが可能
)な状態とすることができる。
【0610】
より詳しくは、図20-38(A)に示すように、本変形例6におけるセキュリティカ
バー109SG500Cは、枢軸109SG500Cd周りに回動する(パチンコ遊技機
1を許容状態とする)ことで、遊技場の店員等が錠スイッチ109SG051や設定切替
スイッチ109SG052を操作することによってパチンコ遊技機1の設定値を変更可能
となっている。一方で、該パチンコ遊技機1が許容状態である場合は、図20-38(B
)に示すように、セキュリティカバー109SG500Cを平面視で時計回り方向に回動
して該セキュリティカバー109SG500Cによって錠スイッチ109SG051や設
定切替スイッチ109SG052を被覆しなければ(パチンコ遊技機1を規制状態に変化
させなければ)、セキュリティカバー109SG500Cが外枠109SG001aの前
端部に当接してしまい、遊技機用枠109SG003を閉鎖することが不可能となってい
る。
【0611】
このため、本変形例6では、パチンコ遊技機1が許容状態のまま遊技機用枠109SG
003が閉鎖されてしまうことを防止することが可能となっているので、セキュリティカ
バー109SG500Cによる錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109S
G052との被覆し忘れ、つまり、操作部に対する操作を規制しないまま遊技機用枠10
9SG003を閉鎖してしまうことを防ぐことができ、セキュリティ性を向上できるよう
になっている。
【0612】
(変形例7)
また、前記実施の形態では、遊技機用枠109SG003を開放することによってパチ
ンコ遊技機1の設定値を変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、ガラス扉枠109SG003aを開放することによってパチンコ遊技機1の設定
値を変更可能としてもよい。尚、このようにガラス扉枠109SG003aを開放するこ
とによってパチンコ遊技機1の設定値を変更可能とする場合は、変形例7として図20
39(A)~図20-39(C)に示すように、遊技機用枠109SG003下部に貫通
口109SG003bを形成し、該貫通口109SG003bを介して錠スイッチ109
SG051や設定切替スイッチ109SG052を操作可能とすればよい。
【0613】
このように貫通口109SG003bを介して錠スイッチ109SG051や設定切替
スイッチ109SG052を操作可能とする場合には、貫通口109SG003bを開閉
可能な扉体109SG003cを設け、該扉体109SG003cが閉鎖されている状態
ではて錠スイッチ109SG051や設定切替スイッチ109SG052の操作規制され
るようにすればよい。尚、図20-39(B)及び図20-39(C)に示すように、扉
体109SG003cを遊技機用枠109SG003の正面側に設ける場合は、ガラス扉
枠109SG003aを閉鎖することによって扉体109SG003cがガラス扉枠10
9SG003aと遊技機用枠109SG003との間で開閉可能に挟持されることとなる
ので、ガラス扉枠109SG003aの閉鎖時に錠スイッチ109SG051や設定切替
スイッチ109SG052が不正に操作されてしまうことを強力に防ぐことができ、セキ
ュリティ性を向上することができる。
【0614】
(本実施形態の特徴部2に関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部2について説明する。先ず、本実施の形態のパチンコ遊技
機1のように設定値を変更可能な遊技機においては、例えば、主基板11側のRAM10
2と演出制御基板12側のRAM122の両方に設定情報(設定値の値)を記憶しておく
ことが考えられる。しかしながらこのような場合は、RAM122に設定情報を何ら加工
すること無く記憶したり、主基板11側から演出制御基板12に何ら加工されていない設
定情報を含むコマンドを出力する場合は、パチンコ遊技機1の設定値が「1」である場合
とパチンコ遊技機1の設定値が「2」や「3」である場合のRAM122の内容や主基板
11から演出制御基板12に出力するコマンドを比較することで、容易に設定値の値が解
析されてしまう。そこで、本実施の形態においては、CPU103は、設定値を後述する
設定秘匿値に変換するとともに、該設定秘匿値を含むコマンドを演出制御基板12に対し
て出力するとともに、演出制御用CPU120は、前記コマンドから特定した設定値を後
述する設定対応値に変換して記憶することで、パチンコ遊技機1に設定されている設定値
の特定を困難としている。
【0615】
以下、本実施の形態における特徴部2について説明する。図20-40に示すように、
演出制御コマンドとして、RAM102のバックアップ領域に格納された設定値(変更さ
れた新たな設定値)を演出制御基板12に対して指定するための設定値指定コマンド(コ
マンドD1XXH)を設ける。尚、設定値指定コマンドでは、設定値を変化した後の設定
秘匿値などに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0616】
また、設定値変更処理(図20-21参照)においては、CPU103は、RAM10
2のバックアップ領域に格納した設定値を設定秘匿値に変化するための設定値変換処理を
実行する。図20-41に示す設定値変換処理においてCPU103は、先ず、新たな設
定値(RAM102のバックアップ領域に格納した設定値)を特定する(109SGS3
01)。次いで、CPU103は、該特定した設定値を設定値秘匿値に変換する(109
SGS302)。
【0617】
尚、109SGS302の処理においては、CPU103は、例えば、特定した設定値
を、図20-42(1)や図20-42(2)に示すような変換テーブルを用いて秘匿値
に変換すればよい。尚、図20-42(1)は、設定値毎に規則性の無い1の値が設定さ
れている変換用テーブルAを示す図である。本変換用テーブルAを用いて設定値を秘匿値
に変換する場合は、例えば、109SGS301の処理において特定した設定値が「1」
である場合は該設定値を設定秘匿値「150」に変換し、109SGS301の処理にお
いて特定した設定値が「2」である場合は該設定値を設定秘匿値「41」に変換し、10
9SGS301の処理において特定した設定値が「3」である場合は該設定値を設定秘匿
値「34」に変換する。
【0618】
また、図20-42(2)は、設定値毎に特定の規則性を有する1の値が設定されてい
る変換用テーブルBを示す図である。本変換用テーブルBを用いて設定値を設定秘匿値に
変換する場合は、例えば、109SGS301の処理において特定した設定値が「1」で
ある場合は該設定値を設定秘匿値「4」に変換し、109SGS301の処理において特
定した設定値が「2」である場合は該設定値を設定秘匿値「5」に変換し、109SGS
301の処理において特定した設定値が「3」である場合は該設定値を設定秘匿値「6」
に変換する。つまり、変換用テーブルBは、RAM102のバックアップ格納領域に格納
された設定値に「3」を加えた値を設定秘匿値とする変換用テーブルである。
【0619】
尚、110SG302の処理において変換用テーブルAを用いて設定値を設定秘匿値に
変換する場合は、設定値毎に規則性の無い値(設定秘匿値)に変換されるので、該設定秘
匿値を含む設定値指定コマンドを演出制御基板12に対して出力する際に、設定されてい
る設定値(RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値)の解析や改竄を困
難化することができる。一方で、109SGS302の処理において変換用テーブルBを
用いて設定値を設定秘匿値に変換する場合は、設定値毎に規制性を有する値(設定秘匿値
)に変換されるので、後述する設定値更新処理(図20-45参照)において該設定値秘
匿値から設定値を特定する際の処理負荷を低減することができる。
【0620】
また、109SGS302の処理においては、図20-42(3)に示すように、特定
した設定値を所定の変換係数(例えば、設定値である「1」、「2」、「3」の公倍数で
ある「6」や「12」等)によって乗算(演算A)または除算(演算B)した値を設定秘
匿値とする演算変換を実行してもよい。
【0621】
更に、109SGS302の処理においては、図20-42(4)に示すように、特定
した設定値に所定の数値を加算(シフトA)或いは減算(シフトB)した値を設定秘匿値
とする数値シフト変換を実行してもよい。
【0622】
尚、シフトAにおける数値シフト変換では、例えば、109SGS301の処理におい
て特定した設定値が「1」である場合は該設定値を設定秘匿値「12」に変換し、109
SGS301の処理において特定した設定値が「2」である場合は該設定値を設定秘匿値
「13」に変換し、109SGS301の処理において特定した設定値が「3」である場
合は該設定値を設定秘匿値「14」に変換、つまり、設定値に対して+11のシフトを行
った値を設定秘匿値とすればよい。また、シフトBにおける数値シフト変換では、例えば
、109SGS301の処理において特定した設定値が「1」である場合は該設定値を設
定秘匿値「0」に変換し、109SGS301の処理において特定した設定値が「2」で
ある場合は該設定値を設定秘匿値「1」に変換し、109SGS301の処理において特
定した設定値が「3」である場合は該設定値を設定秘匿値「2」に変換、つまり、設定値
に対して-1のシフトを行った値を設定秘匿値とすればよい。
【0623】
また、109SGS302の処理においては、図20-42(4)に示すように、連続
した8桁のビット(00000000)のうち、特定した設定値に対応するビットを立た
せた(0から1に変化させる)値を設定値秘匿値とするビット位置変換を実行してもよい
。具体的には、109SGS301の処理において特定した設定値が「1」である場合は
該設定値を設定秘匿値「00000001」に変換し、109SGS301の処理におい
て特定した設定値が「2」である場合は該設定値を設定秘匿値「00000001」に変
換し、109SGS301の処理において特定した設定値が「3」である場合は該設定値
を設定秘匿値「00000100」に変換してもよいし(位置A)、109SGS301
の処理において特定した設定値が「1」である場合は該設定値を設定秘匿値「10000
000」に変換し、109SGS301の処理において特定した設定値が「2」である場
合は該設定値を設定秘匿値「01000000」に変換し、109SGS301の処理に
おいて特定した設定値が「3」である場合は該設定値を設定秘匿値「00100000」
に変換してもよい(位置B)。
【0624】
以上のように、109SGS302の処理において図20-42に示すいずれかの方法
で設定値を設定秘匿値に変換した後は、CPU103は、該変換した設定秘匿値を含む設
定値指定コマンドの送信設定を行い、設定値変換処理を終了する(S109SGS303
)。尚、S109SGS303において送信設定が行われた設定値指定コマンドは、CP
U103がコマンド制御処理(S27)を実行することによって演出制御基板12に対し
て出力される。尚、設定値変換処理は、図20-43に示すように、遊技場の店員等が錠
スイッチ109SG051を押込み操作したタイミング、つまり、RAM102のバック
アップ領域に新たな設定値が格納されたタイミングで実行すればよい。
【0625】
次に、演出制御基板12が設定値指定コマンドを受信した場合の態様について説明する
図20-44は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。図20-44に示す
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御コマンド受信用
バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板
11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(109SGS221)。このとき、受
信コマンドがなければ(109SGS221;N)、コマンド解析処理を終了する。
【0626】
109SGS221にて受信コマンドがある場合には(109SGS221;Y)、例
えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1
始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(109SGS222)。そして、第1
始動口入賞指定コマンドであるときには(109SGS222;Y)、第1保留記憶数通
知待ち時間を設定する(109SGS223)。例えば、109SGS223の処理では
、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が
、演出制御タイマ設定部に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
【0627】
109SGS222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には
(109SGS222;N)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか
否かを判定する(109SGS224)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであると
きには(109SGS224;Y)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(109S
GS225)。例えば、109SGS225の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの
受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセッ
トされればよい。
【0628】
109SGS224にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には
(109SGS224;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定
する(109SGS226)。109SGS226にて受信コマンドが図柄指定コマンド
ではない場合には(109SGS226;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマン
ドであるか否かを判定する(109SGS227)。109SGS227にて受信コマン
ドが変動カテゴリコマンドではない場合には(109SGS227;N)、その受信コマ
ンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(109SGS228)。そ
して、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(109SGS228;Y)、例えば
コマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通
知待ち時間をクリアする(109SGS229)。
【0629】
109SGS228にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には
(109SGS228;N)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか
否かを判定する(109SGS230)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであると
きには(109SGS230;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初
期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(109SGS23
1)。
【0630】
そして、109SGS229,109SGS231の処理のいずれかを実行した後は、
格納したエントリの表示未決定フラグに、保留表示態様が未決定である旨を示す「1」を
セットする(109SGS232)。
【0631】
109SGS226にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(109SGS
226;Y)、109SGS227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合
(S227;Y)、あるいは109SGS223,109SGS225,109SGS2
32の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを図示しない始動入賞時受信コマ
ンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納し(109SGS233)、109
SGS221の処理に戻る。
【0632】
尚、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに
保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマン
ド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ1
94Aに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制
御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順
次に格納することができればよい。
【0633】
また、109SGS230にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場
合には(109SGS230;N)、受信コマンドが設定値指定コマンドであるか否かを
判定する(109SGS232)。受信コマンドが設定値指定コマンドである場合(10
9SGS232;Y)は、演出制御基板12に搭載されているRAM122に該設定値指
定コマンドから特定した設定値を記憶する設定値更新処理を実行し(S109SGS23
3)、109SGS21に戻る。尚、109SGS232において受信コマンドが設定値
指定コマンドでない場合(109SGS232;N)は、その他の受信コマンドに応じた
設定を行ってから(109SGS234)、109SGS221の処理に戻る。
【0634】
図20-45は、コマンド解析処理における設定値更新処理を示すフローチャートであ
る。設定値更新処理において演出制御用CPU120は、先ず、受信した設定値指定コマ
ンドから設定値(RAM102のバックアップ領域に格納された設定値)を特定する(1
10SGS311)。尚、該110SGS311の処理において演出制御用CPU120
は、受信した設定値指定コマンドから設定秘匿値を特定するとともに、CPU103が設
定値を設定値秘匿値に変換した方法に対応する方法において、該設定値秘匿値から設定値
を特定すればよい。
【0635】
例えば、CPU103が変換用テーブルAを用いて設定値を設定秘匿値に変換した場合
は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「150」であれば設定値を「1」に
特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「41」であれば設定値を「2」
に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「34」であれば設定値を「3
」に特定すればよい。また、CPU103が変換用テーブルBを用いて設定値を設定秘匿
値に変換した場合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「4」であれば設定
値を「1」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「5」であれば設定
値を「2」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「6」であれば設定
値を「3」に特定すればよい。
【0636】
また、CPU103が演算変換として演算Aを用いて設定値を設定秘匿値に変換した場
合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値を所定の変換係数にて除算した値を設
定値に特定すればよい。また、CPU103が演算変換として演算Bを用いて設定値を設
定秘匿値に変換した場合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値を所定の変換係
数にて乗算した値を設定値に特定すればよい。
【0637】
また、CPU103が数値シフト変換としてシフトAを用いて設定値を設定秘匿値に変
換した場合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「12」であれば設定値を
「1」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「13」であれば設定値
を「2」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「14」であれば設定
値を「3」に特定すればよい。また、CPU103が数値シフト変換としてシフトBを用
いて設定値を設定秘匿値に変換した場合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値
が「0」であれば設定値を「1」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値
が「1」であれば設定値を「2」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値
が「2」であれば設定値を「3」に特定すればよい。
【0638】
また、CPU103がビット位置変換として位置Aを用いて設定値を設定秘匿値に変換
した場合は、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「00000001」であれ
ば設定値を「1」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「00000
010」であれば設定値を「2」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値
が「00000100」であれば設定値を「3」に特定すればよい。また、CPU103
がビット位置変換として位置Bを用いて設定値を設定秘匿値に変換した場合は、設定値指
定コマンドから特定した設定秘匿値が「10000000」であれば設定値を「1」に特
定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「01000000」であれば設定
値を「2」に特定し、設定値指定コマンドから特定した設定秘匿値が「00100000
」であれば設定値を「3」に特定すればよい。
【0639】
次いで、演出制御用CPU120は、110SGS311において特定した設定値を該
特定した設定値に対応する1の設定対応値に変換し(110SGS312)、RAM12
2に記憶されている設定対応値を、変換した設定対応値に更新記憶して設定値更新処理を
終了する(110SGS313)。
【0640】
尚、110SGS312及び110SGS313の処理においては、演出制御用CPU
120は、例えば、図20-42に示す変換用テーブルや演算変換、数値シフト変換、ビ
ット位置変換等を用いて設定値を設定秘匿値とは異なる値(設定対応値)に変換してRA
M122に更新記憶すればよい。このように、演出制御用CPU120は、主基板11か
ら受信した設定値指定コマンドから特定した設定値を、該設定値のままや設定秘匿値のま
まRAM122に更新記憶せずに設定対応値に変換してRAM122に更新記憶すること
で、パチンコ遊技機1の設定値が解析されてしまうことや、RAM122に設定値とは異
なる値が更新記憶されてしまう虞を低減することができる。
【0641】
尚、110SGS312において演出制御用CPU120が設定値を設定対応値に変換
する方法は、CPU103が設定値変換処理の110SGS302の処理において設定値
を設定秘匿値に変換する方法と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0642】
更に、このように、設定された設定値に応じた値(設定対応値)をRAM122に更新
記憶する場合、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が
変更されてから所定期間(例えば、100回の変動表示が実行されるまでや、1時間が経
過するまで)に亘って、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する設定値示唆
演出を実行可能としてもよい。具体的には、図20-46に示すように、RAM122に
記憶されている設定対応値に応じて、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから前述した
所定期間に亘って画像表示装置5に背景画像として春、夏、冬の背景画像を異なる割合で
表示する朝いち背景演出(設定値示唆演出)を実行するようにすればよい。
【0643】
例えば、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1に原電が投入されてから設定値
示唆演出として画像表示装置5に背景画像として表示する画像を春、夏、冬のいずれかに
決定する。このとき、演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されている設定対
応値が設定値「1」に対応する値である場合は、背景画像として表示する画像を80%の
割合で冬の画像に決定し、15%の割合で春の画像に決定し、5%の割合で夏の画像に決
定する。また、RAM122に記憶されている設定対応値が設定値「2」に対応する値で
ある場合は、背景画像として表示する画像を60%の割合で冬の画像に決定し、30%の
割合で春の画像に決定し、10%の割合で夏の画像に決定する。そして、RAM122に
記憶されている設定対応値が設定値「3」に対応する値である場合は、背景画像として表
示する画像を40%の割合で冬の画像に決定し、45%の割合で春の画像に決定し、15
%の割合で夏の画像に決定する。
【0644】
尚、本実施の形態においては、設定値1が最も遊技者にとって有利な設定値であり、設
定値3が最も遊技者にとって不利な設定値であるので、パチンコ遊技機1に電源が投入さ
れてから所定期間が経過するまでの間は、画像表示装置5の背景画像として表示されてい
る画像に遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
【0645】
尚、本実施の形態においては、設定値示唆演出として画像表示装置5の背景画像として
表示される画像を異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく
、設定値示唆演出としては、変動表示中や大当り遊技中、大当り遊技の終了タイミング、
特定回数(例えば、500回)以降の変動表示中等で特定のキャラクタやセリフ等を画像
表示装置5に表示することでパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する演出で
あってもよい。更に、本実施の形態においては、パチンコ遊技機1に電源が投入されてか
ら所定期間が経過するまで設定値示唆演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、設定値示唆演出は、パチンコ遊技機1に電源が投入されて
からの期間に関わらず実行可能な演出としてもよい。
【0646】
また、本実施の形態においてCPU103は、設定値変換処理において、パチンコ遊技
機1に設定した設定値を変換用テーブルや演算変換、数値シフト変換、ビット位置変換等
の方法を用いて設定秘匿値に変換する形態を例示しているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、設定値変換処理においては、パチンコ遊技機1に設定した設定値をこれら
変換用テーブルや演算変換、数値シフト変換、ビット位置変換以外の方法を用いて設定秘
匿値に変換してもよいし、パチンコ遊技機1に設定した設定値を2以上の方法を用いて設
定秘匿値に変換してもよい。
【0647】
また、本実施の形態において演出制御用CPU120は、設定値更新処理において、設
定値指定コマンドから特定した設定値を、変換用テーブルや演算変換、数値シフト変換、
ビット位置変換等の方法を用いて設定対応値に変換する形態を例示しているが、本発明は
これに限定されるものではなく、設定値更新処理においては、設定値指定コマンドから特
定した設定値をこれら変換用テーブルや演算変換、数値シフト変換、ビット位置変換以外
の方法を用いて設定対応値に変換してもよいし、設定値指定コマンドから特定した設定値
を2以上の方法を用いて設定対応値に変換してもよい。
【0648】
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定された場合、CPU
103は、該設定値を変換した設定秘匿値を含む設定値指定コマンドを演出制御基板12
に対して出力し、演出制御用CPU120は、設定値指定コマンドから特定した設定値を
設定対応値に変換してRAM122に記憶する形態を例示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定された場合は、CPU103
による設定値の設定秘匿値への変換と、演出制御用CPU120による設定値の設定対応
値への変換と、のうち一方のみを実行してもよい。尚、CPU103による設定値の設定
秘匿値への変換を実行しない場合、CPU103は、設定値を含む設定値指定コマンドを
演出制御基板12に向けて出力し、演出制御用CPU120は、該設定値指定コマンドか
ら特定した設定値を設定対応値に変換してRAM122に記憶すればよい。また、演出制
御用CPU120による設定値の設定対応値への変化を実行しない場合、CPU103は
、設定値を変換した設定秘匿値を含む設定値指定コマンドを演出制御基板12に対して出
力し、演出制御用CPU120は、設定値指定コマンドから特定した設定値をそのままR
AM122に記憶すればよい。
【0649】
以上、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、図9(H)に示すように、
演出制御用CPU120は、第1示唆演出としてのスーパーリーチAやスーパーリーチB
のリーチ演出と、第2示唆演出としてのスーパーリーチCやスーパーリーチDのリーチ演
出と、を実行可能であるとともに、スーパーリーチCやスーパーリーチDのリーチ演出を
実行する際には、該スーパーリーチCやスーパーリーチDのリーチ演出の開始時から該ス
ーパーリーチCやスーパーリーチDのリーチ演出に対応したタイトル31AK007を報
知するので、リーチ演出に応じたタイトル31AK007の報知を実行することができ、
演出効果を向上できる。
【0650】
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、スーパーリーチAとスーパ
ーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパ
ーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行する
ことで、演出効果が向上し、演出に対して遊技者を注目させることができる。
【0651】
また、本実施の形態には、以下に示す第2発明も含まれている。つまり、従来、設定機
能付きのパチンコ遊技機として、例えば、特開2010-200902号公報に記載され
ているものがある。しかしながら、特開2010-200902号公報に記載の遊技機に
あっては、演出を行う演出制御基板に対して設定値を特定可能な設定値指定コマンドを送
信して、設定値を演出制御基板に通知して設定示唆演出を制御するようにしており、これ
ら設定示唆演出を制御する演出制御基板は、遊技の進行を制御するのではなく演出を制御
する基板であることにより、遊技の進行を制御する遊技制御基板よりも基板をケース等か
ら取り出して解析することが容易であることから、演出制御基板に記憶されている設定値
が改竄されてしまうと、不適切な設定示唆演出が行われてしまう畏れがあるという問題が
あった。そのため、該問題点に着目した場合に、該問題を解決する第2発明の手段1の遊
技機として、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例え
ば、パチンコ遊技機1)であって、
複数の設定値(例えば、1~3の設定値)のうちのいずれかの設定値を設定可能な設定
手段(例えば、CPU103が図20-21に示す設定変更処理を実行する部分)と、
前記設定手段によって設定された設定値にもとづいて前記有利状態の制御を実行可能な
遊技制御手段(例えば、CPU103が図5に示すてプロセス制御処理を実行する部分)
と、
前記遊技制御手段から送信される制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段(
例えば、演出制御用CPU120が図20-46に示す朝いち背景演出(設定値示唆演出
)を実行する部分)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、前記設定値を特定可能な前記制御情報として、前記設定手段によ
って設定された設定値とは異なる数値であって該設定値を変換した秘匿値を含む設定値制
御情報(例えば、設定値指定コマンド)を送信可能であって(例えば、CPU103が設
定値変換処理の110SG303の処理の実行後にコマンド制御処理(S27)を実行す
る部分)、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から送信された前記設定値制御情報に含まれる
秘匿値を記憶する(例えば、演出制御用CPU120が図20-45に示す設定値更新処
理の110SG313の処理を実行する部分)とともに、該秘匿値から特定した設定値に
関する演出を実行可能である(例えば、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから1時間
が経過するまでや、100回の変動表示が実行されるまで朝いち背景演出(設定値示唆演
出)を実行する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、記憶されている設定値が
改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0652】
更には、第2発明の手段2の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値と前記秘匿値とが対応付けられた変換テーブルを使用
して前記変換を実行する(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の
110SGS302の処理において、図20-42(1)に示す変換用テーブルAや図2
0-42(2)に示す変換用テーブルBを用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換の処理負荷を低減し
つつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0653】
更には、第2発明の手段3の遊技機として、
前記遊技制御手段は、所定の変換係数による演算を前記設定値に対して行うことで前記
変換を実行するとしている(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理
の110SGS302の処理において、図20-42(3)に示す演算変換(演算Aまた
は演算B)を用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0654】
更には、第2発明の手段4の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値に対応する特定のビット値を1とすることで前記変換
を実行する(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の110SGS
302の処理において、図20-42(5)に示すビット位置変換(位置Aまたは位置B
)を用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0655】
更には、第2発明の手段5の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値を所定数だけシフトすることで前記変換を実行する(
例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の110SGS302の処理
において、図20-42(4)に示す数値シフト変換(シフトAまたはシフトB)を用い
て設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0656】
また、本実施の形態には、以下に示す第3発明も含まれている。つまり、従来、設定機
能付きのパチンコ遊技機として、例えば、特開2010-200902号公報に記載され
ているものがある。しかしながら、特開2010-200902号公報に記載の遊技機に
あっては、演出を行う演出制御基板に対して設定値を特定可能な設定値指定コマンドを送
信して、設定値を演出制御基板に通知して設定示唆演出を制御するようにしており、これ
ら設定示唆演出を制御する演出制御基板は、遊技の進行を制御するのではなく演出を制御
する基板であることにより、遊技の進行を制御する遊技制御基板よりも基板をケース等か
ら取り出して解析することが容易であることから、演出制御基板に記憶されている設定値
が改竄されてしまうと、不適切な設定示唆演出が行われてしまう畏れがあるという問題が
あった。そのため、該問題点に着目した場合に、該問題を解決する第3発明の手段1の遊
技機として、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例え
ば、パチンコ遊技機1)であって、
複数の設定値(例えば、1~3の設定値)のうちのいずれかの設定値を設定可能な設定
手段(例えば、CPU103が図20-21に示す設定変更処理を実行する部分)と、
前記設定手段によって設定された設定値にもとづいて前記有利状態の制御を実行可能な
遊技制御手段(例えば、CPU103が図5に示すてプロセス制御処理を実行する部分)
と、
前記遊技制御手段から送信される制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段(
例えば、CPU103が図5に示すてプロセス制御処理を実行する部分)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、前記制御情報として前記設定値を含む設定値制御情報(例えば、
設定値指定コマンド)を送信可能であって(例えば、CPU103が設定値変換処理の1
10SG303の処理の実行後にコマンド制御処理(S27)を実行する部分)、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から送信された前記設定値制御情報に含まれる
設定値を、該設定値とは異なる数値である秘匿値に変換して記憶する(例えば、演出制御
用CPU120が図20-45に示す設定値更新処理の110SG313の処理において
、設定値指定コマンドから特定した設定値を設定対応値に変換して記憶する部分)ととも
に、該記憶した秘匿値から特定した設定値に関する演出を実行可能である(例えば、パチ
ンコ遊技機1に電源が投入されてから1時間が経過するまでや、100回の変動表示が実
行されるまで朝いち背景演出(設定値示唆演出)を実行する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、記憶されている設定値が
改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0657】
更には、第3発明の手段2の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値と前記秘匿値とが対応付けられた変換テーブルを使用
して前記変換を実行する(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の
110SGS302の処理において、図20-42(1)に示す変換用テーブルAや図2
0-42(2)に示す変換用テーブルBを用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換の処理負荷を低減し
つつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0658】
更には、第3発明の手段3の遊技機として、
前記遊技制御手段は、所定の変換係数による演算を前記設定値に対して行うことで前記
変換を実行するとしている(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理
の110SGS302の処理において、図20-42(3)に示す演算変換(演算Aまた
は演算B)を用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0659】
更には、第3発明の手段4の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値に対応する特定のビット値を1とすることで前記変換
を実行する(例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の110SGS
302の処理において、図20-42(5)に示すビット位置変換(位置Aまたは位置B
)を用いて設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0660】
更には、第3発明の手段5の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記設定値を所定数だけシフトすることで前記変換を実行する(
例えば、CPU103が図20-41に示す設定値変換処理の110SGS302の処理
において、図20-42(4)に示す数値シフト変換(シフトAまたはシフトB)を用い
て設定値を設定秘匿値に変換する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、変換に必要なデータ容量
を低減しつつ、設定値が改竄されてしまうことを防ぐことができる。
【0661】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発
明に含まれる。
【0662】
例えば、前記実施の形態では、開閉体として外枠109SG001aの開口を開閉可能
な遊技機用枠109SG003や、遊技機用枠109SG003の前面を開閉可能なガラ
ス扉枠109SG003aを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば、スロットマシンのように、筐体の前面開口を開閉可能な前面扉等を含
む。また、回動により開閉可能なものだけでなく、スライドや着脱により開閉するもので
もよい。
【0663】
また、前記実施の形態では、操作部として錠スイッチ109SG051や設定切替スイ
ッチ109SG052を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、錠スイッチ109SG051と設定切替スイッチ109SG052のうちいずれか
一方だけでもよいし、あるいは他のスイッチ、ボタン、レバー、ダイヤル、タッチセンサ
等の操作態様(例えば、引き操作、押す操作、回転操作など)が異なる他の操作部であっ
てもよい。
【0664】
また、前記実施の形態では、規制部材としてセキュリティカバー109SG500A,
109SG500B,109SG500Cを適用した形態を例示したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、このような板状の部材で操作部を被覆する部材でなくても、操
作部の操作を規制可能な部材であれば、形状や大きさ、材質等は種々に変更可能である。
詳しくは、例えば、操作部を被覆するのではなく、操作部に接触するなどして操作部の動
作を規制するもの等であってもよい。
【0665】
また、前記実施の形態では、規制部材としてのセキュリティカバー109SG500A
,109SG500B,109SG500Cは、操作部の規制状態において操作部を被覆
することで操作が困難な状態となればよく、必ずしも操作が不能な状態とならなくてもよ
い。
【0666】
また、前記実施の形態では、錠スイッチ109SG051や設定切替スイッチ109S
G052といった操作部を有する設定切替本体部が主基板11に搭載される形態を例示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、主基板11とは別個の基板に設けてもよ
いし、また、基板ケース109SG201以外のケースに収容されていてもよいし、基板
ケース109SG201に収容されていなくてもよい。
【0667】
前記変形例5,6では、規制部材としてのセキュリティカバー109SG500B,1
09SG500Cは、被覆解除位置のままでは遊技機用枠109SG003を閉鎖するこ
とができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機用枠1
09SG003を閉鎖する例えば、遊技機用枠109SG003の閉鎖動作に応じて連動
する連動機構等を設け、セキュリティカバー109SG500B,109SG500Cが
被覆解除位置から被覆位置へ戻るようにしてもよい。
【0668】
また、前記実施の形態では、錠スイッチ109SG051や設定切替スイッチ109S
G052が設けられた基板ケース109SG201を、パチンコ遊技機1の背面に設けた
形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機用枠109SG00
3が閉鎖されているときに操作が困難となる位置に設けられていれば、パチンコ遊技機1
の背面以外の場所(例えば、遊技機用枠109SG003の前面においてガラス扉枠10
9SG003aにより閉鎖される位置や、あるいは、外枠109SG001aなど)に設
けてもよい。
【0669】
また、前記実施の形態では、クリアスイッチ(図3参照)と錠スイッチ105SG05
1の両方がONであることにもとづいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更
可能となる(設定変更処理を実行する)形態を例示しているが、本発明はこれに限定され
るものではなく、クリアスイッチと錠スイッチ105SG051のON/OFFの組み合
わせに応じてその他の処理を実行してもよい。例えば、クリアスイッチがOFFであり錠
スイッチ105SG051がONである場合は、パチンコ遊技機1に設定されている設定
値を確認可能な状態(設定確認処理を実行する)とし、クリアスイッチがONであり錠ス
イッチ105SG051がOFFである場合は、RAM122に記憶されているデータを
クリアし、クリアスイッチと錠スイッチ105SG051の両方がOFFである場合は、
電断からの復旧処理(図3に示す復旧処理)を実行すればよい。尚、前述した設定変更処
理や設定確認処理の実行中は、特別図柄の変動表示や遊技球の発射、変動表示結果が大当
りとなるか否かや大当り種別等の各種抽選、賞球の払出等の一切の処理を実行しない遊技
停止状態に制御されればよい。
【0670】
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、
例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが
開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な画像表示装
置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該画像表示装置に導出され
た変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
【0671】
(特徴部57SHに関する説明)
[特徴部57SHの第1実施形態]
次に、本実施の形態の特徴部57SHを含むパチンコ遊技機の第1実施形態について説
明する。図21-1は、特徴部を含むパチンコ遊技機の正面図である。図21-1に示す
ように、パチンコ遊技機1は、副画像表示装置57SH51を備えている。副画像表示装
置57SH51は、例えば画像表示装置5の近傍等に固定されている。副画像表示装置5
7SH51は、例えば液晶表示装置(サブ液晶)によって構成されている。副画像表示装
置57SH51は画像表示装置5よりも画面が小さく、画像表示装置5よりも遊技者が視
認し難くされている。なお、副画像表示装置57SH51は、液晶表示装置以外の表示装
置であってもよい。副画像表示装置57SH51は、有機ELやドットマトリクスのLE
Dにより構成されてもよい。副画像表示装置57SH51は、画像表示装置5の近傍等に
固定されているが、可動式または収納式であってもよい。
【0672】
パチンコ遊技機1では、画像表示装置5や副画像表示装置57SH51に画像を表示す
ることにより、パチンコ遊技機1の遊技を演出する。また、スピーカ8(8L、8R)か
ら音を出力したり、遊技効果ランプ9を点灯・点滅させたりすることによっても遊技の演
出を行っている。スピーカ8から発せられる音の再生チャンネルは複数設けられており、
例えば、画像表示装置5の表示に対応する音は第1音出力チャンネルから出力され、副画
像表示装置57SH51の表示に対応する音は第2音出力チャンネルから出力される。第
1音出力チャンネルから出力される音は、画像表示装置5に近い側に右スピーカ8Rから
出力される。一方、第2音出力チャンネルから出力される音は、副画像表示装置57SH
51に近い側の左スピーカ8Lから出力される。
【0673】
パチンコ遊技機1においては、特図ゲーム中において、大当り図柄が停止表示されれば
「大当り」となるが、大当りとなるか否かを表示する前に予告演出やリーチ演出等の各種
演出を実行することにより、特図ゲームを盛り上げている。これらの予告演出やリーチ演
出が画像表示装置5や副画像表示装置57SH51を用いて実行される。
【0674】
パチンコ遊技機1では、予告演出の1つとして、宝箱演出が実行可能とされている。宝
箱演出では、宝箱が表示されるとともに、宝箱が開放し、宝箱の内容物(文字)が表示さ
れる。宝箱の内容物は、画像表示装置5に表示される文字であり、表示された文字に応じ
て、以後に実行される演出等を予告(示唆)している。
【0675】
宝箱演出で予告される演出としては、図21-2(A)に示すように、保留変化演出、
ゾーン演出、擬似連演出、リーチ演出、スーパーリーチのリーチ演出(以下「SPリーチ
演出」という)、及び大当り報知演出(ファンファーレ演出)がある。このうち、擬似連
演出、リーチ演出、SPリーチ演出、大当り報知演出の予告は画像表示装置5で実行可能
とされている。また、保留変化演出、ゾーン演出、及びリーチ演出の予告は副画像表示装
置57SH51で実行可能とされている。なお、以下の説明において、2つの表示装置を
対比して説明するために、画像表示装置5を「メイン液晶5」、副画像表示装置57SH
51を「サブ液晶57SH51」ということがある。また、大当り報知演出は、大当り状
態が開始されるときに実行されるので、実質的に、宝箱演出では、大当り状態の実行も予
告(示唆)している。
【0676】
宝箱演出は、先読み予告演出が実行されるとき、SPリーチが実行され、特図ゲームの
結果がハズレであるときSPリーチが実行され、特図ゲームの結果が大当りであるときに
実行されることがある。以下、先読み予告演出が実行されるときの宝箱演出を「先読み宝
箱演出」、SPリーチが実行され、特図ゲームの結果がハズレであるときに実行される宝
箱演出を「SPリーチハズレ宝箱演出」、SPリーチが実行され、特図ゲームの結果が大
当りであるときに実行される宝箱演出を「SPリーチ大当り宝箱演出」ともいう。
【0677】
保留変化演出及びゾーン演出は、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)
における大当り信頼度を予告する先読み予告演出として実行される演出であり、未だ開始
されていない可変表示についての先読み判定の結果に応じて実行される。ここでの未だ開
始されていない可変表示を先読み対象ともいう。また、擬似連演出、リーチ演出、及びS
Pリーチ演出は、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出である。大
当り報知演出は、大当り状態の開始を報知する演出である。
【0678】
宝箱演出において、保留変化演出が予告される際には、宝箱からは「変化!」の文字が
飛び出す演出が実行される。ゾーン演出が予告される際には、「SPECIAL!」の文
字、擬似連演出が予告される際には、「続」の文字、リーチ演出が予告される際には、「
チャンス!」の文字、SPリーチ演出が予告される際には、「激アツ!」の文字、大当り
報知演出が予告される際には、「おめでとう!」の文字がそれぞれ飛び出す演出が実行さ
れる。
【0679】
保留変化演出は、画像表示装置5に表示されている保留表示の表示態様が変化する演出
である。ゾーン演出は、背景画像や演出態様がそれぞれ異なるゾーン(ステージ、演出モ
ード等)に移行させる演出である。ゾーン演出としては、背景画像や演出態様が異なる複
数種類の演出があってもよい。擬似連演出は、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮
停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表
示のように見せる演出である。宝箱演出は、先読み予告演出が実行される場合及びSPリ
ーチ演出が実行される場合に実行可能とされている。
【0680】
なお、先読み予告演出が実行されず、SPリーチ演出が実行されない場合に宝箱演出が
実行されるようにしてもよい。例えば、先読み予告演出が実行されず、ノーマルリーチの
リーチ演出が実行される場合などに宝箱演出を実行するようにしてもよい。特徴部57S
Hを含むパチンコ遊技機1では、宝箱演出が実行されると必ずSPリーチ演出が実行され
るが、SPリーチが実行されない場合を含むことにより、SPリーチが実行されたときの
喜びを大きくすることができる。また、予告される演出等がない宝箱演出を行ってもよい
。予告される演出等がない宝箱演出では、宝箱が開き、煙等が発生しても内容物がない演
出としてもよい。
【0681】
図21-2(B)は、宝箱演出の実行割合を説明する図である。図21-2(B)に示
すように、先読み宝箱演出は、先読み予告演出が実行される場合の80%の割合で実行さ
れる。また、SPリーチハズレ宝箱演出は、SPリーチ演出が実行され、特図ゲームの結
果が「ハズレ」である場合の50%で実行される。SPリーチ大当り宝箱演出は、SPリ
ーチ演出が実行され、特図ゲームの結果が「大当り」である場合の90%で実行される。
なお、SPリーチ演出が実行されるときには、先読み予告演出は、実行されないようにさ
れている。このため、1回の可変表示で宝箱演出が2回以上実行されることはないように
されている。
【0682】
先読み宝箱演出では、図21-2(C)に示すように、サブ液晶57SH51において
、70%の割合で保留変化演出が予告され、30%の割合でゾーン演出が予告される。S
Pリーチハズレ宝箱演出では、図21-2(D)に示すように、メイン液晶5において、
40%の割合で擬似連演出が予告され、40%の割合でリーチ演出が予告され、10%の
割合でSPリーチ演出が予告され、サブ液晶57SH51において、10%の割合でリー
チ演出が予告される。SPリーチ大当り宝箱演出では、図21-2(E)に示すように、
メイン液晶5において、10%の割合で擬似連演出が予告され、20%の割合でリーチ演
出が予告され、35%の割合でSPリーチ演出が予告され、5%の割合で大当り報知演出
が予告され、サブ液晶57SH51において、30%の割合でリーチ演出が予告される。
【0683】
次に、特徴部57SHの宝箱演出決定処理の手順を説明する。図21-3は、特徴部5
7SHの宝箱演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図21-3に示すように
、宝箱演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から送信される
変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップ57SHS10)。な
お、変動パターン指定コマンドとは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して
画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5
Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定するコマンドであり
、主基板11で決定され、主基板11から演出制御基板12に送信される。また、変動パ
ターン指定コマンドには、「非リーチハズレ」「ノーマルリーチハズレ」「SPリーチハ
ズレ」「SPリーチ大当り」を示す変動パターン指定コマンドが含まれている。
【0684】
変動パターン指定コマンドを受信していない場合(ステップ57SHS10:NO)、
演出制御用CPU120は、宝箱演出決定処理を終了する。また、変動パターン指定コマ
ンドを受信している場合(ステップ57SHS10:YES)、演出制御用CPU120
は、受信した変動パターン指定コマンドが「SPリーチ大当り」の変動パターン指定コマ
ンドであるか否かを判断する(ステップ57SHS12)。
【0685】
受信した変動パターン指定コマンドが「SPリーチ大当り」である場合(ステップ57
SHS12:YES)、演出制御用CPU120は、図21-2(B)に示す宝箱演出実
行割合に基づいて、SPリーチ大当り宝箱演出を実行するか否かを判断する(ステップ5
7SHS14)。
【0686】
その結果、SPリーチ大当り宝箱演出を実行する場合(ステップ57SHS14:YE
S)、演出制御用CPU120は、図21-2(E)に示すSPリーチ大当り宝箱演出内
容決定テーブルを参照して、SPリーチ大当り宝箱演出で予告する演出の内容を決定する
(ステップ57SHS16)。また、受信した変動パターン指定コマンドが「SPリーチ
大当り」でない場合(ステップ57SHS12:NO)、SPリーチ大当り宝箱演出を実
行しない場合(ステップ57SHS14:NO)、演出制御用CPU120は、そのまま
ステップ57SHS18に進む。
【0687】
続いて、演出制御用CPU120は、受信した変動パターン指定コマンドが「SPリー
チハズレ」の変動パターン指定コマンドであるか否かを判断する(ステップ57SHS1
8)。受信した変動パターン指定コマンドが「SPリーチハズレ」である場合(ステップ
57SHS18:YES)、演出制御用CPU120は、図21-2(B)に示す宝箱演
出実行割合に基づいて、SPリーチハズレ宝箱演出を実行するか否かを判断する(ステッ
プ57SHS20)。
【0688】
その結果、SPリーチハズレ宝箱演出を実行する場合(ステップ57SHS20:YE
S)、演出制御用CPU120は、図21-2(D)に示すSPリーチハズレ宝箱演出内
容決定テーブルを参照して、SPリーチハズレ宝箱演出で予告する演出の内容を決定する
(ステップ57SHS22)。また、受信した変動パターン指定コマンドが「SPリーチ
ハズレ」でない場合(ステップ57SHS18:NO)、SPリーチハズレ宝箱演出を実
行しない場合(ステップ57SHS20:NO)、演出制御用CPU120は、そのまま
ステップ57SHS24に進む。
【0689】
続いて、演出制御用CPU120は、先読み対象があるか否かを判断する(ステップ5
7SHS24)。先読み対象がある場合(ステップ57SHS24:YES)、演出制御
用CPU120は、図21-2(B)に示す宝箱演出実行割合に基づいて、先読み宝箱演
出を実行するか否かを判断する(ステップ57SHS26)。
【0690】
その結果、先読み宝箱演出を実行する場合(ステップ57SHS26:YES)、演出
制御用CPU120は、図21-2(C)に示す先読み宝箱演出内容決定テーブルを参照
して、先読み宝箱演出で予告する演出の内容を決定する(ステップ57SHS28)。そ
して、宝箱演出決定処理を終了する。また、先読み対象がない場合(ステップ57SHS
24:NO)、先読み宝箱演出を実行しない場合(ステップ57SHS26:NO)、演
出制御用CPU120は、そのまま宝箱演出決定処理を終了する。
【0691】
次に、メイン液晶5及びサブ液晶57SH51で実行される宝箱演出の例について説明
する。図21-4、図21-5は、特徴部57SHを含むパチンコ遊技機1の第1実施形
態の演出動作例を示す図である。図21-4、図21-5では、宝箱演出の進行に伴うメ
イン液晶5及びサブ液晶57SH51の表示態様、さらにはスピーカ8(右スピーカ8R
,左スピーカ8L)から出力される音を示している。
【0692】
図21-4では、宝箱57SH10がメイン液晶5に表示される宝箱演出の例を示し、
図21-5では、宝箱57SH10がサブ液晶57SH51に表示される宝箱の例を示し
ている。図21-4に示す宝箱演出を第1宝箱演出とし、図21-5に示す宝箱演出を第
2宝箱演出として以下の説明を行う。また、図21-6には、第1宝箱演出及び第2宝箱
演出のタイムチャートを示している。このタイムチャートも合わせて参照して第1宝箱演
出及び第2宝箱演出について説明する。
【0693】
まず、宝箱57SH10がメイン液晶5に表示される第1宝箱演出の例について説明す
る。宝箱57SH10がメイン液晶5に表示される第1宝箱演出では、図21-2に示す
ように、擬似連演出、リーチ演出、SPリーチ演出、及び大当り報知演出である。このた
め、先読み予告演出である保留変化演出やゾーン演出についての予告(示唆)は行われな
い。
【0694】
図21-4(A)に示すように、特図ゲームが実行されているとき、メイン液晶5にお
ける飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、飾り図柄が可変表示されている。また、
メイン液晶5における下方位置には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、「保
留表示」と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリア57SH52
が設けられている。保留表示は、円形の白色で表示される。
【0695】
保留表示エリア57SH52では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式
で保留記憶数が表示される。例えば、メイン液晶5において、第1保留記憶数は左側端部
の第1保留表示エリア57SH52Aに表示され、第2保留記憶数は右側端部の第2保留
表示エリア57SH52Bに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを
区別して表示することにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを容易に区別可能と
なる。図21-4(A)に示す例では、保留表示エリア57SH52の第1保留表示エリ
ア57SH52Aには3つの保留表示が表示されており、第2保留表示エリア57SH5
2Bには保留表示は表示されていない。
【0696】
また、メイン液晶5における下部中央には、アクティブ表示エリア57SH53が設け
られている。アクティブ表示エリア57SH53には、保留表示エリアから消去された(
移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応
する変動対応表示が表示される。なお、保留表示エリア57SH52及びアクティブ表示
エリア57SH53は、メイン液晶5における表示領域のうちのいずれの位置に配置され
てもよい。
【0697】
第1宝箱演出が開始される前のメイン液晶5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに
おいて飾り図柄が可変表示されている間、サブ液晶57SH51には、パチンコ遊技機1
の機種名が装飾文字によって表示されている。サブ液晶57SH51は、メイン液晶5よ
りも視認し難くされているので、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄
が可変表示されているときには、この可変表示を注目させやすくなっている。なお、サブ
液晶57SH51には、機種名の装飾文字以外の画像が表示されていてもよく、動画が表
示されていてもよいし、静止画が表示されていてもよい。
【0698】
続いて、図21-6に示す第1時間57SHT11となると、第1宝箱演出が開始され
る。第1宝箱演出では、図21-4(B)に示すように、第1宝箱演出の前段表示が行わ
れる。第1宝箱演出の前段表示では、メイン液晶5に宝箱57SH10が表示される。こ
のとき、メイン液晶5には、宝箱57SH10とともにプッシュボタン31Bを模したボ
タン画像57SH31Bが静止状態で表示される。ボタン画像57SH31Bが表示され
ることにより、プッシュボタン31Bの操作指示(動作指示)を遊技者に行っている。ボ
タン画像57SH31Bは、静止状態で表示されていてもよいし、動作状態、例えば、上
下動するように動作する状態で表示されていてもよい。ボタン画像57SH31Bは、プ
ッシュボタン31Bの操作有効期間が経過するかプッシュボタン31Bの操作をプッシュ
センサ35Bが検出するまで表示される。プッシュボタン31Bの操作有効期間は、図2
1-6に示す第1時間57SHT11から第2時間57SHT12までの間である。
【0699】
ボタン画像57SH31Bが表示されている間、ボタン画像57SH31Bの下方には
、タイムゲージ57SH5TGが表示されており、プッシュボタン31Bの操作有効時間
を視覚的に報知している。タイムゲージ57SH5TGは、ボタン画像57SH31Bが
表示されると同時に表示される。タイムゲージ57SH5TGは、操作有効期間を示すバ
ーを備えており、時間の経過に伴ってバーが短くなる表示を行う。なお、タイムゲージ5
7SH5TGが表示されないようにしてもよい。
【0700】
タイムゲージ57SH5TGのバーが表示されている間に、図21-4(C)に示すよ
うに、プッシュボタン31Bを遊技者が操作し、プッシュボタン31Bの操作をプッシュ
センサ35Bが検出すると、宝箱57SH10が開放して、宝箱57SH10の中から煙
に巻かれた内容物が飛び出す画像が表示される。宝箱57SH10が開放する際、左スピ
ーカ8Lからは「パカッ」という音が出力され、宝箱57SH10が開放した雰囲気を醸
し出している。宝箱57SH10が開放して飛び出した内容物57SH11は、メイン液
晶5に表示される。
【0701】
ここまでが、第1宝箱演出の前段表示となる。第1宝箱演出の前段表示では、後に説明
する第2宝箱演出の前段表示のように、前段特殊効果音として出現音がスピーカ8から出
力されることはない。また、プッシュボタン31Bが操作されることなく第2時間57S
HT12となり、操作有効期間が経過すると、タイムゲージ57SH5TGのバーが消滅
し、ボタン画像57SH31B及び宝箱57SH10も消滅して後段表示が実行されるこ
となく第1宝箱演出は終了する。なお、プッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ3
5Bが検出しないで第2時間57SHT12となり、操作有効期間が経過したときに、第
1宝箱演出の後段表示が実行されるようにしてもよい。
【0702】
操作有効期間にプッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出した場合に
は、第2時間57SHT12となると、メイン液晶5に表示された煙が消去されて、第1
宝箱演出の後段表示が開始される。後段表示が開始されると、後段特殊効果音として本演
出音が左スピーカ8Lから出力される。本演出音は、第1宝箱演出の後段表示が表示され
ている間、継続して出力される。
【0703】
第1宝箱演出の後段表示では、図21-4(D)に示すように、宝箱57SH10から
飛び出した内容物57SH11が表示される。このとき、宝箱57SH10は消去されて
いるが、表示されたままとしてもよい。ここでは、内容物57SH11として、「チャン
ス!」の文字が表示される。「チャンス!」の文字が表示されるとき、左スピーカ8Lか
らは「チャンス」という音が出力され、大当り状態が実行されることに対する期待感を高
めている。また、図21-4(B)~(D)に示す第1宝箱演出が実行されている間にお
いて、サブ液晶57SH51には、パチンコ遊技機1の機種名が装飾文字によって表示さ
れている。
【0704】
内容物57SH11として「チャンス!」の文字がメイン液晶5に表示されることによ
り、リーチ演出の実行が予告されている。その後、図21-6に示す第3時間57SHT
13となると、第1宝箱演出が終了する。第1宝箱演出が終了すると、第1宝箱演出の予
告のとおり、図21-4(E)に示すように、メイン液晶5の飾り図柄表示エリア5L、
5Rの飾り図柄として、同一の数字、ここでは「7」が停止表示され、飾り図柄表示エリ
ア5Cの飾り図柄は可変表示を継続してリーチ状態の飾り図柄が表示されてリーチ演出が
実行される。このとき、左スピーカ8Lからは「リーチ」という音が出力されるとともに
、サブ液晶57SH51には「リーチ」の装飾文字が表示されて、リーチ演出の開始を報
知している。
【0705】
続いて、宝箱57SH10がサブ液晶57SH51に表示される第2宝箱演出の例につ
いて説明する。宝箱57SH10がサブ液晶57SH51に表示される第2宝箱演出では
図21-2に示すように、先読み予告演出である保留変化演出やゾーン演出についての
予告(示唆)が主に行われる。また、第2宝箱演出では、擬似連演出も予告(示唆)され
、先読み予告演出以外の演出についても予告(示唆)を行っている。
【0706】
図21-5(A)に示すように、特図ゲームが実行されているとき、図21-6に示す
第1時間57SHT11となると、第2宝箱演出が開始される。第2宝箱演出が開始され
ると、図21-5(B)に示すように、第2宝箱演出の前段表示が行われる。第2宝箱演
出の前段表示では、サブ液晶57SH51に宝箱57SH10が表示される。このとき、
メイン液晶5では、大きな変化はなく、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾
り図柄が可変表示され、図21-4(B)に示すようなボタン画像57SH31Bや宝箱
57SH10は表示されない。また、第2宝箱演出が開始されると、前段特殊効果音とし
て出現音が右スピーカ8Rから出力される。出現音は、第2宝箱演出の前段表示が行われ
ている間、継続して出力される。
【0707】
第1時間57SHT11から第2時間57SHT12に至るまでの間に、プッシュボタ
ン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出しない場合でも、図21-5(C)に示す
ように、宝箱57SH10が開放して、宝箱57SH10の中から煙に巻かれた内容物5
7SH11が飛び出す画像が表示される。ここで、宝箱57SH10はサブ液晶57SH
51に表示されているが、内容物57SH11はメイン液晶5に表示される。宝箱57S
H10が開放する際、右スピーカ8Rからは「パカッ」という音が出力され、宝箱57S
H10が開放した雰囲気を醸し出している。ここまでが、第2宝箱演出の前段表示となる
【0708】
第2時間57SHT12となると、メイン液晶5に表示された煙が消去されて、第2宝
箱演出の後段表示が開始される。第2宝箱演出の後段表示が開始されると、第1宝箱演出
と同様に、後段特殊効果音として本演出音が左スピーカ8Lから出力される。本演出音は
、第2宝箱演出の後段表示が表示されている間、継続して出力される。
【0709】
第2宝箱演出の後段表示では、図21-5(D)に示すように、宝箱57SH10から
飛び出した内容物57SH11がメイン液晶5に表示される。ここでは、内容物57SH
11として、「変化!」の文字がメイン液晶5に表示される。このとき、宝箱57SH1
0はサブ液晶57SH51に表示されたままであるが、消去してもよい。「変化!」の文
字が表示されるとき、左スピーカ8Lからは「あれ?」という音が出力され、保留表示の
変化に対する期待感を高めている。図21-5(C)~(D)に示す第2宝箱演出が実行
されている間、サブ液晶57SH51には、開放した宝箱57SH10が表示されている
【0710】
内容物57SH11として「変化!」の文字がメイン液晶5に表示されることにより、
保留変化演出の実行が予告されている。その後、図21-6に示す第3時間57SHT1
3となると、この予告のとおり、第2宝箱演出が終了すると、図21-5(E)に示すよ
うに、メイン液晶5の保留表示エリア57SH52における3つの保留表示のうち、最新
の保留表示、図21-5(A)に示す保留表示では、最も左側の保留表示の形が円形から
星型に変化する。また、保留表示の色は白から青に変化する。
【0711】
このように、特徴部57SHの第1実施形態では、予告演出として、第1宝箱演出と第
2宝箱演出を実行可能であり、これらの宝箱演出で以後に実行される演出等を予告してい
る。このうち、第1宝箱演出では、メイン液晶5において、前段表示を行った後に後段表
示を表示する。また、第2宝箱演出では、サブ液晶57SH51において前段表示を行っ
た後に後段表示を表示する。このとき、第1宝箱演出では、プッシュボタン31Bが操作
されることにより、後段表示を表示するが、第2宝箱演出では、プッシュボタン31Bが
操作されていなくても後段表示を表示する。このため、予告演出としての宝箱演出の態様
に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることができる。
【0712】
また、特徴部57SHの第1実施形態において、第1宝箱演出では、前段表示を行う際
には前段特殊効果音としての出現音を出力しないが、第2宝箱演出では、前段表示を行う
際に前段特殊効果音としての出現音を出力する。このため、予告演出としての宝箱演出の
態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることができる。
【0713】
また、特徴部57SHの第1実施形態では、1回の可変表示において、第1宝箱演出と
第2宝箱演出を同時に実行しないようにされている。このため、1回の可変表示で宝箱5
7SH10や内容物57SH11が2回以上表示されることはないので、遊技者を混乱さ
せにくくでき、興趣の向上を図ることができる。
【0714】
また、特徴部57SHの第1実施形態において、宝箱演出をメイン液晶5で実行してい
る。このため、遊技者が演出結果を認識しやすくなるので、興趣の向上を図ることができ
る。特に、第2宝箱演出では、前段表示をサブ液晶57SH51で行うが、後段表示はメ
イン液晶5で表示している。宝箱演出の演出結果は、後段表示で表示されるので、後段表
示をメイン液晶5で表示することにより、遊技者が演出結果を認識しやすくなる。
【0715】
また、特徴部57SHの第1実施形態において、宝箱演出は、宝箱演出以外の演出、例
えば、保留変化演出、ゾーン演出、擬似連演出、リーチ演出、SPリーチ演出、及び大当
り報知演出を示唆している。このため、宝箱演出以外の演出に関して示唆されるバリエー
ションが増えるので、興趣の向上を図ることができる。
【0716】
また、第1宝箱演出では、擬似連演出、リーチ演出、SPリーチ演出、及び大当り報知
演出を示唆し、先読み予告演出である保留変化演出及びゾーン演出の示唆は行わない。ま
た、第2宝箱演出では、先読み予告演出である保留変化演出及びゾーン演出の示唆を行っ
ている。このように、宝箱演出の種類によって、示唆する演出が割り振られているため、
宝箱演出の種類で示唆される演出がおおよそ特定されるので、興趣の向上を図ることがで
きる。また、第2宝箱演出では、擬似連演出の示唆も行っている。このため、例えば第2
宝箱演出が実行されたとしても、先読み予告演出以外の演出の実行に対しても期待させる
ことができる。
【0717】
また、第1宝箱演出では、メイン液晶5に宝箱57SH10及び内容物57SH11が
表示され、左側に位置するメイン液晶5において演出が主に進行する。第2宝箱演出では
、サブ液晶57SH51に宝箱57SH10が表示され、メイン液晶5に内容物57SH
11が表示され、右側に位置するサブ液晶57SH51において前段表示が主に行われ、
左側に位置するメイン液晶5において後段表示が主に表示される。第1宝箱演出では、メ
イン液晶5に近い側の左スピーカ8Lから音が出力される。また、第2宝箱演出の前段表
示では、サブ液晶57SH51に近い側の右スピーカ8Rから音が出力され、後段表示で
は、メイン液晶5に近い側の左スピーカ8Lから音が出力される。このように、宝箱演出
において、主に画像等が表示されている表示装置に近い側のスピーカ8から音が出力され
るので、宝箱演出が表示されている表示装置(メイン液晶5かサブ液晶57SH51)に
遊技者を注目させることができるので、宝箱演出を注目させやすくすることができ、興趣
の向上を図ることができる。
【0718】
さらに、宝箱演出に関する音は、右スピーカ8Rまたは左スピーカ8Lのいずれか一方
から出力するため、宝箱演出に関する音を出力しないスピーカからは、宝箱演出に関する
音を出力することなく宝箱演出に関する音以外の音を出力することができる。このため、
例えば宝箱演出と同一のタイミングで異なる演出を実行し、その演出が音を発する演出で
ある場合、宝箱演出に関する音を出力しないスピーカからその演出の音を出力することが
できる。したがって、出力される音が聞き取りにくくなることを抑制できる。
【0719】
[特徴部57SHの第2実施形態]
次に、特徴部57SHを含むパチンコ遊技機の第2実施形態について説明する。特徴部
57SHを含むパチンコ遊技機の第2実施形態は、特徴部57SHを含むパチンコ遊技機
の第1実施形態と比較して、宝箱演出の態様が異なっている。以下、特徴部57SHを含
むパチンコ遊技機について、宝箱演出の内容を中心として説明する。
【0720】
特徴部57SHにおけるメイン液晶5及びサブ液晶57SH51で実行される宝箱演出
の例について説明する。図21-7、図21-8は、特徴部57SHの第2実施形態の演
出動作例を示す図である。図21-7、図21-8では、宝箱演出の進行に伴うメイン液
晶5及びサブ液晶57SH51の表示態様、さらにはスピーカ8(右スピーカ8R,左ス
ピーカ8L)から出力される音を示している。
【0721】
図21-7では、宝箱57SH10がメイン液晶5に表示される宝箱演出の例を示し、
図21-8では、宝箱57SH10がサブ液晶57SH51に表示される宝箱の例を示し
ている。図21-7に示す宝箱演出を第1宝箱演出とし、図21-8に示す宝箱演出を第
2宝箱演出として以下の説明を行う。また、図21-9には、第1宝箱演出及び第2宝箱
演出のタイムチャートを示している。このタイムチャートも合わせて参照して第1宝箱演
出及び第2宝箱演出について説明する。
【0722】
まず、宝箱57SH10がメイン液晶5に表示される第1宝箱演出の例について説明す
る。図21-7(A)に示すように、特図ゲームが実行されているとき、図21-9に示
す第1時間57SHT21となると、第1宝箱演出が開始される。第1宝箱演出が開始さ
れると、図21-7(B)に示すように、第1宝箱演出の前段表示が行われる。
【0723】
第1宝箱演出の前段表示では、第1実施形態と同様に、メイン液晶5に宝箱57SH1
0が表示され、図21-4(B)に示すようなボタン画像57SH31B(図21-4(
B)参照)は表示されない。また、第1宝箱演出が開始されると、前段特殊効果音として
出現音が左スピーカ8Lから出力される。出現音は、第1宝箱演出の前段表示が行われて
いる間、継続して出力される。左スピーカ8Lから出現音が出力されることにより、プッ
シュボタン31Bの操作を遊技者に匂わせている。
【0724】
第1時間57SHT21から第2時間57SHT22に至るまでの間に、プッシュボタ
ン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出すると、図21-7(C)に示すように、
宝箱57SH10が開放して、宝箱57SH10の中から煙に巻かれた内容物57SH1
1が飛び出す画像が表示される。宝箱57SH10が開放する際、左スピーカ8Lからは
「パカッ」という音が出力され、宝箱57SH10が開放した雰囲気を醸し出している。
ここまでが、第1宝箱演出の前段表示となる。また、プッシュボタン31Bの操作をプッ
シュセンサ35Bが検出することなく第2時間57SHT22となった場合にも、最終的
に宝箱57SH10が開放して、第1宝箱演出の後段表示が表示される。なお、プッシュ
ボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出することなく第2時間57SHT22
となり、操作有効期間が経過したときには、第1宝箱演出の後段表示が実行されないよう
にしてもよい。
【0725】
第2時間57SHT22となると、メイン液晶5に表示された煙が消去されて、第1宝
箱演出の後段表示が開始される。第1宝箱演出の後段表示が開始されると、第1宝箱演出
と同様に、後段特殊効果音として本演出音が左スピーカ8Lから出力される。本演出音は
、第2宝箱演出の後段表示が行われている間、継続して出力される。
【0726】
第2宝箱演出の後段表示では、図21-7(D)に示すように、宝箱57SH10から
飛び出した内容物57SH11がメイン液晶5に表示される。ここでは、内容物57SH
11として、「激アツ!」の文字がメイン液晶5に表示される。このとき、宝箱57SH
10は消去されているが、表示されたままとしてもよい。「激アツ!」の文字が表示され
るとき、左スピーカ8Lからは「激アツ」という音が出力され、SPリーチの実行、さら
には大当り状態に対する期待感を高めている。また、図21-7(B)~(D)に示す第
1宝箱演出が実行されている間において、サブ液晶57SH51には、パチンコ遊技機1
の機種名が装飾文字によって表示されている。
【0727】
内容物57SH11として「激アツ!」の文字がメイン液晶5に表示されることにより
、SPリーチ演出の実行が予告されている。その後、図21-9に示す第3時間57SH
T23となると、第1宝箱演出が終了する。第1宝箱演出が終了すると、メイン液晶5の
飾り図柄表示エリア5L、5Rにリーチ状態の飾り図柄が表示されてリーチ演出が実行さ
れる。続いて、第1宝箱演出の予告のとおり、図21-7(E)に示すように、SPリー
チが実行される。このとき、サブ液晶57SH51には、「SPリーチ」の装飾文字が表
示され、スピーカ8(左スピーカ8L、右スピーカ8R)からは「対決」の音が出力され
る。
【0728】
続いて、宝箱57SH10がサブ液晶57SH51に表示される第2宝箱演出の例につ
いて説明する。図21-8(A)に示すように、特図ゲームが実行されているとき、図2
1-9に示す第1時間57SHT21となると、第2宝箱演出が開始される。また、第2
宝箱演出が開始される前の第0時間57SHT20となったときに、第2宝箱演出の実行
の前兆となる前兆音がスピーカ8(右スピーカ8R、左スピーカ8L)から出力される。
前兆音は、第0時間57SHT20から第1時間57SHT21まで継続して出力される
【0729】
第2宝箱演出が開始されると、図21-8(B)に示すように、第2宝箱演出の前段表
示が行われる。第2宝箱演出の前段表示では、サブ液晶57SH51に宝箱57SH10
が表示される。このとき、メイン液晶5には、ボタン画像57SH31Bが表示され、プ
ッシュボタン31Bの操作を促している。ボタン画像57SH31Bは、プッシュボタン
31の操作有効期間が経過するかプッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが
検出するまで表示される。プッシュボタン31Bの操作有効期間は、図21-9に示す第
1時間57SHT21から第2時間57SHT22までの間である。ボタン画像57SH
31Bが表示されている間、ボタン画像57SH31Bの下方には、タイムゲージ57S
H5TGが表示されている。また、第2宝箱演出が開始されると、前段特殊効果音として
出現音が右スピーカ8Rから出力される。出現音は、第2宝箱演出の前段表示が行われて
いる間、継続して出力される。
【0730】
タイムゲージ57SH5TGのバーが表示されている間に、図21-8(C)に示すよ
うに、プッシュボタン31Bを遊技者が操作し、プッシュボタン31Bの操作をプッシュ
センサ35Bが検出すると、宝箱57SH10が開放して、宝箱57SH10の中から煙
に巻かれた内容物が飛び出す画像が表示される。宝箱57SH10が開放する際、右スピ
ーカ8Rからは「パカッ」という音が出力され、宝箱57SH10が開放した雰囲気を醸
し出している。宝箱57SH10が開放して飛び出した内容物57SH11は、メイン液
晶5に表示される。ここまでが、第2宝箱演出の前段表示となる。なお、プッシュボタン
31Bが操作されることなく第2時間57SHT22となり、操作有効期間が経過すると
、タイムゲージ57SH5TGのバーが消滅し、ボタン画像57SH31B及び宝箱57
SH10も消滅して後段表示が実行されることなく第2宝箱演出は終了するが、操作有効
期間が経過したときに、第2宝箱演出の後段表示が実行されるようにしてもよい。
【0731】
操作有効期間にプッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出した場合に
は、第2時間57SH22となると、メイン液晶5に表示された煙が消去されて、第2宝
箱演出の後段表示が開始される。第2宝箱演出の後段表示が開始されると、第1宝箱演出
と同様に、後段特殊効果音として本演出音が左スピーカ8Lから出力される。本演出音は
、第2宝箱演出の後段表示が行われている間、継続して出力される。
【0732】
第2宝箱演出の後段表示では、図21-8(D)に示すように、宝箱57SH10から
飛び出した内容物57SH11がメイン液晶5に表示される。ここでは、内容物57SH
11として、「続」の文字がメイン液晶5に表示される。このとき、宝箱57SH10は
メイン液晶5に表示されたままであるが、消去してもよい。「続」の文字が表示されると
き、左スピーカ8Lからは「続くの?」という音が出力され、擬似連演出の実行を示唆し
ている。図21-5(C)~(D)に示す第2宝箱演出が実行されている間、サブ液晶5
7SH51には、開放した宝箱57SH10が表示されている。
【0733】
内容物57SH11として「続」の文字がメイン液晶5に表示されることにより、保留
変化演出の実行が予告されている。その後、図21-9に示す第3時間57SHT23と
なり、第2宝箱演出が終了すると、この予告のとおり、図21-5(E)に示すように、
メイン液晶5の飾り図柄表示エリア5L、5Rの飾り図柄として、1つずれの数字、ここ
では飾り図柄表示エリア5Lに「7」、飾り図柄表示エリア5Rに「8」の数字が仮停止
表示され、飾り図柄表示エリア5Cの飾り図柄は可変表示を継続している。これに続いて
、擬似連演出が実行される。擬似連演出において、飾り図柄表示エリア5L、5C、5R
が仮停止状態から再度可変表示を再開する際には、「再始動」という音がスピーカ8から
出力される。
【0734】
このように、特徴部57SHの第2実施形態において、第1宝箱演出では、プッシュボ
タン31Bの操作有効期間内に、メイン液晶5において、ボタン画像57SH31Bの表
示を行わず、第2宝箱演出では、プッシュボタン31Bの操作有効期間内に、メイン液晶
5にボタン画像57SH31Bを表示する。このため、予告演出としての宝箱演出(第2
宝箱演出)の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることができる。
【0735】
また、特徴部57SHの第2実施形態では、第1宝箱演出と第2宝箱演出とで実行され
る音出力の態様が異なる。具体的に、第1宝箱演出では、前段表示では出現音を出力し、
後段表示では本演出音を出力するのに対して、第2宝箱では、前段表示が行われる前から
前兆音を出力し、前段表示では出現音を出力し、後段表示では本演出音を出力する。この
ため、前段表示が行われる段階では、第1宝箱演出及び第2宝箱演出のいずれにおいても
出現音が出力されるが、第2宝箱演出では前兆音が出力されることにより、宝箱演出が開
始されることに対する注目を集めることができる。したがって、予告演出としての宝箱演
出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることができる。
【0736】
(特徴部57SHの変形例)
以下、特徴部57SHを備えるパチンコ遊技機1の変形例について説明する。特徴部5
7SHの変形例では、第1宝箱演出と第2宝箱演出との間で、プッシュボタン31Bの操
作をプッシュセンサ35Bが検出したときに宝箱が開放する場合に表示されるボタン画像
(プッシュボタン31Bの操作有効期間内に表示されるボタン画像)の表示態様が異なる
ようにしてもよい。例えば、第1宝箱演出では、図21-10(A-1)に示すように、
通常の大きさのボタン画像57SH31Bよりも小さい小ボタン画像57SH31BSが
表示され、第2宝箱演出では、図21-10(B)に示すように、ボタン画像57SH3
1Bよりも大きい大ボタン画像57SH31BBが表示されるようにしてもよい。また、
第1宝箱演出では、通常の大きさのボタン画像57SH31Bが表示され、第2宝箱演出
では、大ボタン画像57SH31BBが表示されるようにしてもよいし、第1宝箱演出で
は、小ボタン画像57SH31BSが表示され、第2宝箱演出では、通常の大きさのボタ
ン画像57SH31Bが表示されるようにしてもよい。
【0737】
また、ボタン画像とともにキャラクタが表示されるようにしてもよい。例えば、第1宝
箱演出では、図21-10(A-2)に示すように、通常のボタン画像57SH31Bが
表示され、第2宝箱演出では、図21-10(B-2)に示すように、通常のボタン画像
57SH31Bの上にキャラクタ57SHCが表示されるようにしてもよい。また、第1
宝箱演出では、ボタン画像57SH31Bの上にキャラクタが表示されるとともに、第2
宝箱演出では、第1宝箱演出とは異なるキャラクタがボタン画像57SH31Bの上に表
示されるようにしてもよい。
【0738】
また、ボタン画像を表示したときに、プッシュボタンの操作態様を第1宝箱演出と第2
宝箱演出で異ならせるようにしてもよい。例えば、第1宝箱演出では、プッシュボタン3
1Bの長押しを促す画像を表示し、第2宝箱演出では、プッシュボタン31Bの連打を促
す画像を表示するようにしてもよい。そして、第1宝箱演出では、プッシュボタン31B
が所定時間、例えば4秒間長押しされることで、宝箱57SH10が開放する画像を表示
し、第2宝箱演出では、プッシュボタン31Bが所定回数、例えば20回連打されること
で宝箱57SH10が開放する画像を表示してもよい。
【0739】
また、ボタン画像の表示とともに、遊技効果ランプ9の点灯・点滅状態を異ならせるよ
うにしてもよい。例えば、第1宝箱演出では、プッシュボタン31Bの操作有効期間にお
いて、図21-11(A-1)に示すように、遊技効果ランプ9を点滅させるが、ボタン
画像は表示しないようにし、第2宝箱演出では、図21-11(B-1)に示すように、
遊技効果ランプ9を点灯させるとともに、メイン液晶5にボタン画像57SH31Bを表
示するようにしてもよい。なお、図21-11(A-1)(B-1)においては、図1
示す遊技効果ランプ9の点滅状態を模式的に示している。
【0740】
また、図21-11(A-2)、(B-2)に示すように、遊技機用枠3の表面に電飾
体57SH30を設けた場合に、第1宝箱演出と第2宝箱演出との間で、電飾体57SH
40の点灯状態(光の流れ方)を異なるようにしてもよい。この電飾体57SH40は、
電飾体上部57SH40Aと電飾体下部40Bを含んで構成されており、電飾体上部57
SH40Aは、上皿57SH41の上端辺よりも上方に位置しており、電飾体下部57S
H40Bは、上皿57SH41の上端辺よりも下方に位置している。電飾体下部57SH
40Bは、下方にいくほど中央に集まる形状となっており、電飾体下部57SH40Bの
下端部は、スティックコントローラ31Aの下端部につながっている。
【0741】
このような電飾体57SH40が設けられている場合、第1宝箱演出では、例えば、プ
ッシュボタン31Bの操作有効期間において、図21-11(A-2)に示すように、電
飾体上部57SH40Aが全体的に点滅し、プッシュボタン31Bの操作を遊技者に示唆
する。また、第2宝箱演出では、プッシュボタン31Bの操作有効期間において、図21
-11(B-2)に示すように、電飾体上部57SH40Aで点滅した光が電飾体下部5
7SH40Bに下降し、電飾体下部57SH40Bの下端部(中央部)のスティックコン
トローラ31Aの上方に設けられたプッシュボタン31Bを照らすようにしてもよい。電
飾体下部57SH40Bを下降して流れる光がプッシュボタン31Bを照らすことにより
、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促している。このように、第1宝箱演出と第2
宝箱演出で電飾体57SH40の点灯状態(光の流れ方)を異ならせてもよい。
【0742】
また、第1宝箱演出と第2宝箱演出でスピーカ8から出力される音が異なるようにして
もよい。例えば、図21-12(A-1)に示すように、第1宝箱演出では、前段表示に
おいて、左スピーカ8Lから第1出現音を出力し、図21-12(B-1)に示すように
、第2宝箱演出では、前段表示において、右スピーカ8Rから第2出現音を出力するよう
にしてもよい。また、後段表示において出力される本演出音を第1宝箱演出と第2宝箱演
出で異ならせてもよいし、前段表示及び後段表示の双方において出力される出現音及び本
演出音の態様を第1宝箱演出と第2宝箱演出で異ならせてもよい。
【0743】
また、第1宝箱演出と第2宝箱演出との間で、出力される音(出現音及び本演出音等)
の態様が異なる場合、出力される音の態様が異なる例としては、音の長さや音の高さ、音
量の大小が異なるものであってもよい。または、一方の宝箱演出では機械的な音が出力さ
れ、他方の宝箱演出ではセリフのような音が出力されるものでもよいし、出力されるスピ
ーカの数が異なるようにしてもよく、例えば、一方の宝箱演出では複数のスピーカから音
が出力され、他方の宝箱演出では単独のスピーカから音が出力されるようにしてもよい。
さらには、第1宝箱演出と第2宝箱演出の両方においてプッシュボタン31B等を振動さ
せるときには、振動音を発する場合と発しない場合とがあるようにしてもよい。
【0744】
また、上記の実施形態では、第1宝箱演出に関する音及び第2宝箱演出の前段表示が左
スピーカ8Lから出力され、第2宝箱演出の後段表示に関する音が右スピーカ8Rから出
力されるが、他の態様で出力されるようにしてもよい。例えば、第1宝箱演出に関する音
を右スピーカ8Rから出力してもよいし、第2宝箱演出に関する音をすべて左スピーカ8
Lから出力してもよい。また、第1宝箱演出及び第2宝箱演出に関するすべての音を右ス
ピーカ8R及び左スピーカ8Lの一方から出力してもよいし、右スピーカ8R及び左スピ
ーカ8Lの両方から出力してもよい。
【0745】
また、プッシュボタン31Bの振動状態を異ならせるようにしてもよい。例えば、図2
1-12(A-2)に示すように、第1宝箱演出では、操作有効期間において、プッシュ
ボタン31Bの操作が行われるまでの間、ボタン画像57SH31Bを表示するとともに
、プッシュボタン31Bを振動させ、図21-12(B-2)に示すように、第2宝箱演
出では、操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が行われるまでの間、ボタ
ン画像57SH31Bを表示するとともに、プッシュボタン31Bを振動させるが、プッ
シュボタン31Bを振動させないようにしてもよい。また、第1宝箱演出と第2宝箱演出
と第2で振動の態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1宝箱演出では、連続的
にプッシュボタン31Bを振動させ、第2宝箱演出では、断続的にプッシュボタン31B
を振動させるようにしてもよい。
【0746】
また、操作対象をプッシュボタン以外のデバイス、例えばスティックコントローラ31Aとしてもよい。例えば、図21-13(A-1)に示すように、第1宝箱演出では、操作有効期間にスティックコントローラ31Aを模したコントローラ画像57SH31Aを表示し、スティックコントローラ31Aの操作をコントローラセンサユニット35Aが検出したときに、宝箱57SH10を開放させる画像を表示し、図21-13(B-1)に示すように、第2宝箱演出では、操作有効期間にボタン画像57SH31Bを表示し、プッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出したときに、宝箱57SH10を開放させる画像を表示するようにしてもよい。この場合、表示される画像と操作されるデバイスが対応していてもよいし対応していなくてもよい。例えば、ボタン画像57SH31Bが表示されているときに、スティックコントローラ31Aの操作をコントローラセンサユニット35Aが検出した場合に、宝箱57SH10を開放させる画像を表示してもよいし、コントローラ画像57SH31Aが表示されているときに、プッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出した場合に、宝箱57SH10を開放させる画像を表示してもよい。
【0747】
また、パチンコ遊技機1において、オートボタンやオート連打機能を備えるようにして
もよい。「オートボタン」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン31Bが操作さ
れていないのであるが、恰もボタン等が操作されているものとして処理を実行する機能で
ある。即ち、オートボタンの機能が有効に設定されている場合には、プッシュボタン31
Bが操作されなくても、プッシュボタン31Bがされているものとして処理を実行し、宝
箱演出を実行する。
【0748】
また、「オート連打」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン31Bが継続して
操作(例えば長押し)されているのであるが、恰もプッシュボタン31Bが複数回連続し
て操作(例えば、プッシュボタン31Bの連打)されているものとして検出する機能であ
る。即ち、オート連打の機能が有効に設定されている場合には、プッシュボタン31Bが
複数回連続して操作されなくても、ボタン等が連打操作されているものとして処理を実行
し、予告表示を表示する。オート連打の機能は、プッシュボタン31Bの長押しを始めた
時点から開始してもよいし、長押しを始めた時点から一定時間、例えば4秒間が経過した
後に開始するようにしてもよい。
【0749】
なお、オートボタンやオート連打の機能は、プッシュボタン31Bの操作に代えて、ス
ティックコントローラ31Aの操作によって実現できるようにしてもよい。スティックコ
ントローラ31Aの場合、プッシュボタン31Bの長押しに対応して長引きが実行され、
プッシュボタン31Bの連打に対応して連続して引く動作が実行されてもよい。
【0750】
オートボタンやオート連打の機能は、パチンコ遊技機1に常に備えられていてもよいし
、所定のタイミング、例えば可変表示が行われていないときに、遊技者が専用の画面から
設定できるようにしてもよい。また、オートボタンとオート連打の機能は、パチンコ遊技
機1に両方が備えられていてもよいし、一方のみが備えられていてもよい。
【0751】
例えば、パチンコ遊技機1がオートボタンの機能を設定できる場合においては、オート
ボタンの機能が設定された状態であることを示すオートボタン表示が設けられていてもよ
い。オートボタンの機能が設定されている状態を示す表示としては、例えば、オートボタ
ンの機能が設定されていないときには、図21-13(A-2)に示すように、オートボ
タンの機能が設定されていることを示す表示が行われず、オートボタンの機能が設定され
ているときには、図21-13(A-3)に示すように、メイン液晶5の右上隅部にオー
トボタンの機能が設定されていることを示すオート中表示57SH5ASが表示される。
オートボタン表示は、いつ行われるものでもよく、例えば、オートボタンの機能が設定さ
れたときに表示を開始して、常に表示されるようにしてもよいし、プッシュボタン31B
の操作をプッシュセンサ35Bが検出可能であるときに表示されるようにしてもよい。ま
た、プッシュボタン31Bの操作をプッシュセンサ35Bが検出可能でないときに表示さ
れるようにしてもよい。
【0752】
なお、オートボタンの機能が設定されていることを示す表示はどのように行われていて
もよく、例えば、メイン液晶5におけるオート中表示57SH5ASは、メイン液晶5の
どの位置に表示されてもよいし、サブ液晶57SH51に表示されていてもよい。また、
オートボタンの機能が設定されていることを示すオートボタン設定ランプ等を設けて、オ
ートボタンの機能が設定されているときに、オートボタン設定ランプを点灯させるように
してもよい。
【0753】
また、パチンコ遊技機1がオート連打の機能を設定できる場合には、オートボタンを設
定できる場合のオートボタンの機能の設定の表示と同様に、オート連打の機能が設定され
ていることを表示できるようにしてもよい。また、オートボタンオート連打の両方を設定
できる場合には、オート連ボタン打の機能が設定されていることの表示とオート連打の機
能が設定されていることの表示を区別できるように表示してもよい。
【0754】
パチンコ遊技機1が、例えばオートボタンの機能を備えているときに、例えば、第1宝
箱演出と第2宝箱演出において、オートボタンの機能が設定されているときには、オート
ボタンの機能が働くか否かの態様が異なるようにしてもよい。例えば、第1宝箱演出では
、操作有効期間においてメイン液晶5にボタン画像57SH31Bが表示されず、第2宝
箱演出では、操作有効期間においてメイン液晶にボタン画像57SH31Bが表示される
ときには、第1宝箱演出では、操作有効期間にオートボタンの機能が働かず、第2宝箱演
出では、操作有効期間にオートボタンの機能が働くようにしてもよい。また、パチンコ遊
技機1が、例えばオート連打の機能を備えるときには、同様にして第1宝箱演出と第2宝
箱演出において、オート連打の機能が働くか否かの態様が異なるようにしてもよい。
【0755】
また、プッシュボタンとして、突出状態と非突出状態となりえる突出型プッシュボタン
を用いてもよい。この突出型プッシュボタンは、例えば、通常時は非突出状態となり、プ
ッシュセンサがプッシュボタンの操作を検出可能であるときの一部または全部において、
非突出状態から突出して突出状態となる。また、突出型プッシュボタンの操作を検出する
プッシュセンサは、突出型プッシュボタンが非突出状態にあるときには、上記のプッシュ
ボタン31Bと同様に、ある程度押し込まれたときに遊技者の操作を検出し、突出型プッ
シュボタンが突出状態にあるときには、突出型プッシュボタンが突出状態から半分程度押
し込まれたときに遊技者の操作を検出する。このような突出型プッシュボタンを設けた場
合において、突出型プッシュボタンが突出状態となったときに、メイン液晶5には、突出
状態にある突出型プッシュボタンを模した突出ボタン画像を表示するようにしてもよい。
【0756】
突出型プッシュボタンを備える場合に、例えば、第1宝箱演出では、操作有効期間にお
いて、突出型プッシュボタンを非突出状態とし、ボタン画像57SH31Bと同様のボタ
ン画像を表示し、突出型プッシュボタンの操作をプッシュセンサが検出したときに、宝箱
57SH10を開放させる画像を表示し、第2宝箱演出では、突出型プッシュボタンを突
出状態とし、操作有効期間に突出ボタン画像を表示し、突出型プッシュボタンの操作をプ
ッシュセンサが検出したときに、宝箱57SH10を開放させる画像を表示するようにし
てもよい。
【0757】
また、突出型プッシュボタンを操作したときに、突出ボタン画像に作用を施して、突出
ボタン画像が押し込まれた画像を表示するようにしてもよい。例えば、メイン液晶5の前
を上下動する可動役物を設け、可動役物が下降して突出ボタン画像を押し込むように作用
して、突出ボタン画像が押し込まれる画像を表示してもよい。あるいは、キャラクタ等を
突出ボタン画像の上に表示し、またはキャラクタ等が突出ボタン画像を上方からキックし
て突出ボタン画像に作用して、突出ボタン画像が押し込まれる画像を表示してもよい。こ
れらの表示の態様を第1宝箱演出と第2宝箱演出とで異なるように適宜選択して表示して
もよい。
【0758】
また、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31A等の遊技者の操作を検出
するセンサに代えて、遊技者の動作を検出するセンサを設けてもよい。例えば、遊技機用
枠3の表面に遊技者がかざした手を検出するセンサであったり、遊技者が動かす手の動か
し方を検出するセンサであったりしてもよい。これらのセンサとしては、画像センサ、距
離センサ、光センサなどを用いてもよい。
【0759】
また、上記の宝箱演出では、第1宝箱演出及び第2宝箱演出のいずれにおいても後段表
示をメイン液晶5に表示しているが、後段表示をサブ液晶57SH51に表示するように
してもよい。例えば、第1宝箱演出では、前段表示をメイン液晶5で行い、後段表示をサ
ブ液晶57SH51に表示するようにしてもよいし、第2宝箱演出では、前段表示及び後
段表示をサブ液晶57SH51に表示するようにしてもよい。要は、第1宝箱演出はメイ
ン液晶5のみで行われ、第2宝箱演出は、サブ液晶57SH51のみ行われてもよいし、
第1宝箱演出と第2宝箱演出がメイン液晶5とサブ液晶57SH51の両方で行われても
よい。
【0760】
また、上記の実施形態及び変形例において、操作有効期間に行われる第1宝箱演出にお
けるボタン表示等と第2宝箱演出におけるボタン表示等は、互いに入れ替えるようにして
もよい。あるいは、ボタン表示や遊技効果ランプ9の点灯、電飾体57SH40の点灯状
態等については、適宜組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0761】
また、上記の実施形態の宝箱演出において、宝箱から飛び出す内容物は文字であるが、
文字以外のものでもよく、例えば、食べ物、マーク、キャラクタ、図柄等でもよいし、こ
れらの文字や文字以外のもの、あるいは文字以外のもの同士を組み合わせたものでもよい
。内容物がマークである場合、示唆(予告)される演出等を想起させるマークとしてもよ
いし、内容物がキャラクタである場合、示唆(予告)される演出に応じたキャラクタとし
てもよい。
【0762】
また、上記の実施形態では1回の可変表示では宝箱演出は1回行われ、1回の可変表示で2回以上の宝箱演出が行われないが、1回の可変表示で宝箱演出が2回以上行われることがあるようにしてもよい。例えば、メイン液晶5及びサブ液晶57SH51にそれぞれ宝箱57SH10を表示し、メイン液晶5に表示された宝箱57SH10から飛び出した内容物57SH11によって擬似連演出等を予告(示唆)し、サブ液晶57SH51に表示された宝箱57SH10から飛び出した内容物57SH11によって先読み予告演出等を示唆(予告)してもよい。この場合、内容物57SH11は、同時に表示してもよいし、タイミングをずらして表示するようにしてもよい。また、内容物57SH11をともにメイン液晶5に表示してもよいし、サブ液晶57SH51に表示してもよいし、メイン液晶5とサブ液晶51に分けて表示してもよい。
【0763】
また、特徴部57SHの実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用さ
れていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することに
よりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能
な画像表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該画像表示装
置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可
能である。
【0764】
(特徴部57SHと特徴部31AKに関する説明)
パチンコ遊技機1が特徴部31AKを含む場合、パチンコ遊技機1は、例えば、リーチ
演出に対応したタイトルを報知するタイトル報知を行うが、パチンコ遊技機1が特徴部5
7SHと特徴部31AKを含む場合には、例えば、リーチ演出の予告(示唆)を行うよう
いにしてもよい。
【0765】
また、第1宝箱演出及び第2宝箱演出のそれぞれにおいて、リーチ演出の予告(示唆)
を行い、第1宝箱演出では、タイトル報知を経由するリーチ演出を予告(示唆)し、第2
宝箱演出では、タイトル報知を経由しないリーチ演出を予告(示唆)するようにしてもよ
い。また、タイトル報知を行う場合と行わない場合とで、出現音や本演出音の態様が異な
るようにしてもよい。
【0766】
(特徴部57SHと特徴部109SGに関する説明)
パチンコ遊技機1が特徴部109SGを含む場合、パチンコ遊技機1は、例えば「1」
~「3」の3段階の設定値を設定可能であり、設定値が小さい(低い)ほど、大当り確率
(出玉率)等が高くなる。パチンコ遊技機1が特徴部57SHと特徴部109SGを含む
場合には、例えば、第1宝箱演出と第2宝箱演出によって設定値の示唆や報知を行うよう
にしてもよい。
【0767】
例えば、設定値が小さいほど第1宝箱演出よりも第2宝箱演出が実行されやすくするよ
うにしてもよい。この場合、第1宝箱演出が実行された方が、設定値が小さい(出玉率が
高い)可能性が高いことになる。あるいは、設定値が偶数である方が奇数であるよりも第
1宝箱演出の出現率が高くなるようにしてもよい。また、特定の宝箱演出、例えば、営業
日当日の最初(いわゆる朝いち)の第1宝箱演出において、設定値を示唆する演出を行う
ようにしてもよい。
【0768】
また、第1宝箱演出において、設定値が小さいほど大当り報知演出が決定されやすくな
るなど、特定の演出が決定されやすくなっていてもよい。また、設定値によって出玉率決
定要因の比率が異なり、出玉率決定要因の高低などによって第1宝箱演出よりも第2宝箱
演出の実行割合が異なるようにしてもよい。出玉率決定要因としては、例えば、大当り確
率、小当り確率、確変突入率、確変継続率等を挙げることができる。確変突入率とは、例
えば、低確状態中の大当り全体(通常大当り及び確変大当り)における確変大当りが占め
る割合をいい、確変継続率とは、例えば、高確状態中の大当り全体における確変大当りが
占める割合をいう。
【0769】
また、パチンコ遊技機1の設定値は「1」~「3」の3段階であるが、段階数は2段階
或いは4段階以上でもよく、例えば「1」~「6」の6段階であってもよい。また、設定
値は、小さいほど大当り確率(出玉率)が高くなるが、設定値が大きいほど大当り確率(
出玉率)が高くなるようにしてもよい。
【0770】
(特徴部57SHに関する付記)
(11)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例え
ば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ
液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制
御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプ
ッシュセンサ35B等)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示
を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)
を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った
後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5にお
いて、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝
箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示す
る第1宝箱演出等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った
後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH
51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示すよ
うに、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11
を表示する第1宝箱演出等)と、を実行可能であり、
前記第1特定演出では、前記検出手段の検出に基づいて前記後段表示を表示し(例えば
図21-4(B)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10の表示を行
った後に、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されて、プッシュセンサ35Bが遊技者
の動作(操作)を検出したときに、図21-4(C)(D)に示すように、宝箱57SH
10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する等)、
前記第2特定演出では、前記検出手段の検出がなされていない場合でも前記後段表示を
表示する(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH51において、宝
箱57SH10の表示を行った後、プッシュボタン31Bが遊技者に操作されず、プッシ
ュセンサ35Bが遊技者の動作(操作)を検出しない場合にも、図21-5(C)(D)
に示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57
SH11を表示する第2宝箱演出等)ことを特徴とする。
【0771】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0772】
(12)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例え
ば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ
液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制
御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技者の動作を検出する検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの動作を検出するプ
ッシュセンサ35B等)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示
を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)
を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った
後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5にお
いて、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝
箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示す
る第1宝箱演出等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った
後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH
51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示すよ
うに、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11
を表示する第1宝箱演出等)と、を実行可能であり、
前記第1特定演出において、遊技者の動作を受け付ける際に動作を指示する指示表示を
行わず(例えば、図21-7(B)、図21-9に示すように、第1宝箱演出の操作有効
期間内にメイン液晶5には、プッシュボタン31Bを模したボタン画像57SH31Bを
表示しない等)、
前記第2特定演出において、遊技者の動作を受け付ける際に動作を指示する指示表示を
行う(例えば、図21-8(B)、図21-9に示すように、第2宝箱演出の操作有効期
間内にメイン液晶5にプッシュボタン31Bを模したボタン画像57SH31Bを表示す
る等)ことを特徴とする。
【0773】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0774】
(13)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例え
ば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ
液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制
御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技に関する音を出力可能な音出力手段(例えば、スピーカ8L、8R等)と、
前記音出力手段から出力される音を制御する音制御手段(例えば、音声制御基板13等
)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示
を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)
を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った
後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5にお
いて、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝
箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示す
る等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った
後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、副画像表示装置5
7SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に
示すように、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57S
H11を表示する等)と、を実行可能であり、
前記音制御手段は、
前記第1特定演出が実行されるときには、前記第1前段演出において特定の音を出力せ
ず(例えば、図21-4(B)に示すように、画像表示装置5において、宝箱57SH1
0の表示を行っているときにスピーカ8L、8Rからは出現を出力しない等)、
前記第2特定演出が実行されるときには、前記第2前段演出において特定の音を出力す
る(例えば、図21-5(B)に示すように、画像表示装置5において、宝箱57SH1
0の表示を行っているときにスピーカ8L、8Rから出現音を出力する等)ことを特徴と
する。
【0775】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0776】
(14)本発明の一態様による遊技機は、遊技に関する表示が可能な第1表示手段(例え
ば、メイン液晶5等)と、該第1表示手段よりも認識し難い第2表示手段(例えば、サブ
液晶57SH51等)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
前記第1表示手段と前記第2表示手段とに遊技に関する表示をさせる制御を行う表示制
御手段(例えば、表示制御部123等)と、
遊技に関する音を出力可能な音出力手段(例えば、スピーカ8L、8R等)と、
前記音出力手段から出力される音を制御する音制御手段(例えば、音声制御基板13等
)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前段表示を行った後に後段表示を表示する特定演出(例えば、宝箱57SH10の表示
を行った後に宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示する宝箱演出等)
を実行可能であり、
該特定演出として、
前記後段表示を、前記前段表示である第1前段表示を前記第1表示手段において行った
後に表示する第1特定演出(例えば、図21-4(B)に示すように、メイン液晶5にお
いて、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-4(C)(D)に示すように、宝
箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11を表示す
る等)と、
前記後段表示を、前記前段表示である第2前段表示を前記第2表示手段において行った
後に表示する第2特定演出(例えば、図21-5(B)に示すように、サブ液晶57SH
51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D)に示すよ
うに、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH10から出てくる内容物57SH11
を表示する等)と、を実行可能であり、
前記音制御手段は、
前記第1特定演出が実行されるときと前記第2特定演出が実行されるときとで音出力の
態様を異ならせる(例えば、図21-7(B)に示すように、メイン液晶5に宝箱57S
H10が表示されるときには、図21-7(A)に示すように、前兆音は出力されず、図
21-8(B)に示すように、サブ液晶57SH51に宝箱57SH10が表示されると
きには、図21-8(A)に示すように、前兆音が出力される等)ことを特徴とする。
【0777】
上記構成によれば、演出の態様に変化が出ることによって遊技興趣の向上を図ることが
できる。
【0778】
(15)上記(11)~(14)のいずれかの遊技機において、前記表示制御手段は、前
記第1特定演出と前記第2特定演出は同時に実行しない(例えば、メイン液晶5に表示さ
れた宝箱57SH10とサブ液晶57SH51に表示された宝箱57SH10を1回の可
変表示では実行しない等)ようにしてもよい。
【0779】
上記構成によれば、遊技者を混乱させにくくできるので、興趣の向上を図ることができ
る。
【0780】
(16)上記(11)~(15)のいずれかの遊技機において、前記表示制御手段は、前
記特定演出を第1表示手段で実行する(例えば、図21-4(B)に示すように、サブ液
晶57SH51において、宝箱57SH10の表示を行った後に、図21-5(C)(D
)に示すように、メイン液晶5において、宝箱57SH10が開放されて宝箱57SH1
0から出てくる内容物57SH11を表示する等)ようにしてもよい。
【0781】
上記構成によれば、遊技者が演出結果を認識しやすくなるので、興趣の向上を図ること
ができる。
【0782】
(17)上記(11)~(16)のいずれかの遊技機において、前記特定演出は、前記特
定演出以外の演出を示唆する予告演出(例えば、図21-4に示すように、リーチ演出を
示唆する宝箱演出、図21-5に示すように、保留表示エリア57SH52に表示される
保留表示の変化を示唆する宝箱演出、図21-8に示すように、飾り図柄表示エリア5L
、5C、5Rに表示される飾り図柄が1回の変動で複数回の変動を行うように見せる擬似
連演出を予告する宝箱演出等)であるようにしてもよい。
【0783】
上記構成によれば、特定演出以外の演出に関して示唆されるバリエーションが増えるの
で、興趣の向上を図ることができる。
【0784】
(18)上記(11)~(17)のいずれかの遊技機において、前記表示制御手段は、前
記第1特定演出において動作を指示する動作指示の報知(例えば、プッシュボタン31B
を小さく表示した、図21-10(A-1)に示す小ボタン画像57SH31BSを表示
した動作指示の報知等)と前記第2特定演出において動作を指示する動作指示の報知(例
えば、プッシュボタン31Bを大きく表示した、図21-10(A-2)に示す大ボタン
画像57SH31BBを表示した動作指示の報知等)とを異ならせる(例えば、小ボタン
画像57SH31BSと大ボタン画像57SH31BBとは異なる等)ようにしてもよい
【0785】
上記構成によれば、遊技者を混乱させにくくできるので、興趣の向上を図ることができ
る。
【符号の説明】
【0786】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 入賞球装置
6B … 可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 一般入賞口
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
30 … 打球操作ハンドル
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32 … 可動体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20-1】
図20-2】
図20-3】
図20-4】
図20-5】
図20-6】
図20-7】
図20-8】
図20-9】
図20-10】
図20-11】
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図20-14】
図20-15】
図20-16】
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図20-20】
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図20-22】
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図20-24】
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図20-27】
図20-28】
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図20-37】
図20-38】
図20-39】
図20-40】
図20-41】
図20-42】
図20-43】
図20-44】
図20-45】
図20-46】
図21-1】
図21-2】
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図21-11】
図21-12】
図21-13】