IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧

特許6999375ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム
<>
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図1
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図2
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図3
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図4
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図5
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図6
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図7
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図8
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図9
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図10
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図11
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図12
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図13
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図14
  • 特許-ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/28 20120101AFI20220111BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20220111BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G06Q50/28
E05B65/00 D
E05B65/00 V
B65G61/00 540
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017221199
(22)【出願日】2017-11-16
(65)【公開番号】P2019089650
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】一橋 修
(72)【発明者】
【氏名】高野 剛史
(72)【発明者】
【氏名】黒塚 浩史
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-092959(JP,A)
【文献】特開2017-107402(JP,A)
【文献】特開2017-038783(JP,A)
【文献】特開2017-162254(JP,A)
【文献】特開2016-124641(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202238(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G29/00-29/30
B65G1/137、61/00
E05B65/00
G06Q10/00-99/00
G07F17/00-17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置と、前記ロッカー装置を管理するロッカー管理装置と、を有するロッカー管理システムにおいて、
前記ロッカー管理装置は、
前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する記憶部と、
前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御し、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する制御部と、を備え、
前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況が含まれており、
前記制御部は、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定するロッカー管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記収納部のうち、稼動していない空ロッカーを前記物品収受部の割当数量として設定する請求項に記載のロッカー管理システム。
【請求項3】
前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、一定期間内の前記ロッカー装置の稼動状況が含まれており、
前記制御部は、前記記憶部で記憶された前記一定期間内の前記ロッカー装置の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する請求項1又は2に記載のロッカー管理システム。
【請求項4】
前記ロッカー管理装置は、複数の前記ロッカー装置をグループに区分するグループ設定部を有し、
前記制御部は、前記グループ設定部で設定された前記グループ毎に、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する請求項1からの何れか一項に記載のロッカー管理システム。
【請求項5】
前記グループ設定部で設定された同一グループに属する複数の前記ロッカー装置は、地理的な位置が近接している請求項に記載のロッカー管理システム。
【請求項6】
前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況は、複数の前記収納部の夫々の稼動状況を含んでおり、
前記制御部は、夫々の前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する請求項1からのいずれか一項に記載のロッカー管理システム。
【請求項7】
物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理装置において、
前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する記憶部と、
前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御し、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する制御部と、を備え、
前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況が含まれており、
前記制御部は、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定するロッカー管理装置。
【請求項8】
物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理方法において、
前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する第1ステップと、
前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御し、前記第1ステップで記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する第2ステップと、を備え、
前記第1ステップが記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況が含まれており、
前記第2ステップには、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する制御が含まれているロッカー管理方法。
【請求項9】
物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理をコンピュータに実行させるためのロッカー管理プログラムにおいて、
前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する第1処理と、
前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御し、前記第1処理で記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する第2処理と、を備え、
前記第1処理が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況が含まれており、
前記第2処理には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する処理が含まれているロッカー管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理装置が開示されている。当該ロッカー管理装置は、収納部の各々に対して、物品の荷物預かりサービスを提供するコインロッカーモードと、配送業者の物品配送によって発送又は着荷する物品の物品収受サービスを提供する物品収受モードと、のいずれかの動作モードでロッカー装置を稼動させる。特許文献1に記載の技術は、通常、全ての収納部をコインロッカーモードとして利用し、配送予約が入ったときのみ空いている収納部に対してコインロッカーモードとしての使用を禁止して物品収受モードに切り替えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-92959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、物品収受サービスに比べて荷物預かりサービスは、利用料が高額である。そのため、ロッカー管理装置としては、可能な限り各収納部をコインロッカーモードとして稼動させた方が収益性を高めることができる。しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、空いている収納部がある限り指定された収納部を物品収受モードとして稼動させた場合、収益性は低いものとなってしまう。
【0005】
そこで、収益性の高いロッカー装置を提供するロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法およびロッカー管理プログラムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴構成は、物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置と、前記ロッカー装置を管理するロッカー管理装置と、を有するロッカー管理システムにおいて、前記ロッカー管理装置は、前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する記憶部と、前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する点にある。
【0007】
また、本発明の特徴構成は、物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理装置において、前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する記憶部と、前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する点にある。
【0008】
また、本発明の特徴構成は、物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理方法において、前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する第1ステップと、前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御する第2ステップと、を備え、前記第2ステップには、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する制御が含まれている点にある。
【0009】
また、本発明の特徴構成は、物品を収納する複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理をコンピュータに実行させるためのロッカー管理プログラムにおいて、前記ロッカー装置の稼動状況を記憶する第1処理と、前記収納部において、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部と荷物預かりのための一時預かり部との稼動を制御する第2処理と、を備え、前記第2処理には、前記記憶部に記憶された前記ロッカー装置の稼動状況に応じて、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する処理が含まれている点にある。
【0010】
本構成では、ロッカー装置の稼働状況に応じて物品収受部として稼動可能な収納部を設定する。つまり、ロッカー装置の中で物品収受部として利用できる収納部をロッカー装置の稼動状況に応じて設定するので、例えば、一時預かり部としての稼動状況が良いロッカー装置は、物品収受部の利用を禁止する。これにより、収納部の大部分を一時預かり部専用として利用が可能となる。よって、ロッカー装置の収益性を高めることができる。
【0011】
他の特徴構成は、前記制御部は、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する点にある。
【0012】
本構成によれば、制御部は、収納部の稼働状況に応じて物品収受部として稼動可能なロッカーの割当数量を設定する。その結果、稼動率が高いロッカー装置について、物品収受部としての収納部の割当数量を少なくして、一時預かり部専用として稼動可能な収納部を増やすことにより、収益性の高いロッカー装置を実現できる。
【0013】
他の特徴構成は、前記制御部は、複数の前記収納部のうち、稼動していない空ロッカーを前記物品収受部の割当数量として設定する点にある。
【0014】
本構成のように、稼動していない空ロッカーであれば一時預かり部の収益性を損なわずに物品収受部としての利便性を高めることができる。
【0015】
他の特徴構成は、前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況が含まれており、前記制御部は、前記一時預かり部として稼動した前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する点にある。
【0016】
本構成のように、一時預かり部の稼動状況を考慮して物品収受部の割当数量を設定すれば、一時預かり部としての稼働率の高いロッカー装置について物品収受部の割当数量を少なくすることにより、ロッカー装置の収益性を高めることができる。
【0017】
他の特徴構成は、前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況には、一定期間内の前記ロッカー装置の稼動状況が含まれており、前記制御部は、前記記憶部で記憶された前記一定期間内の前記ロッカー装置の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部の割当数量を設定する点にある。
【0018】
本構成では、一定期間内のロッカー装置の稼働状況に基づき、物品収受部として稼動可能な収納部の割当数量が設定される。その結果、特定の日だけ物品収受部としての利用が多かった場合であっても、他の日の稼働状況も勘案して物品収受部の割当数量が算出される。よって、特異値に左右されずバランスよくロッカー装置の収益性を高めることができる。
【0019】
他の特徴構成は、前記ロッカー管理装置は、複数の前記ロッカー装置をグループに区分するグループ設定部を有し、
前記制御部は、前記グループ設定部で設定された前記グループ毎に、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する点にある。
【0020】
本構成のように、複数のロッカー装置をグルーピング化することで、物品収受部としての収納部の割当数量に余裕が生まれるので、物品収受部が不足して配送業者が配送できないといった不都合を防止することができる。
【0021】
他の特徴構成は、前記グループ設定部で設定された同一グループに属する複数の前記ロッカー装置は、地理的な位置が近接している点にある。
【0022】
本構成のように、同一グループに属する複数のロッカー装置が近接していれば、空いている物品収受部を容易に探し出すことが可能となるので、配送業者の利便性を高めることができる。
【0023】
他の特徴構成は、前記記憶部が記憶する前記ロッカー装置の稼動状況は、複数の前記収納部の夫々の稼動状況を含んでおり、前記制御部は、夫々の前記収納部の稼動状況に基づき、前記物品収受部として稼動可能な前記収納部を設定する点にある。
【0024】
本構成によれば、例えば装置全体としての稼働率が低い収納部が多くあるロッカー装置であっても、一時預かり部としての稼働率の高い収納部があれば、当該収納部の稼働状況に基づき、一時預かり部の割当数量を増やすことができる。これにより、ロッカー装置全体の収益性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ロッカー管理システムを示す概念図である。
図2】ロッカー管理システムのブロック図である。
図3】物品配送システムを示すフロー図である。
図4】物品回収システムを示すフロー図である。
図5】ロッカー管理方法,プログラムの第一実施例を示すフロー図である。
図6】ロッカー管理方法,プログラムの第一実施例を示す概念図である。
図7】ロッカー管理方法,プログラムの第二実施例を示すフロー図である。
図8】ロッカー管理方法,プログラムの第二実施例を示す概念図である。
図9】ロッカー管理方法,プログラムの第三実施例を示すフロー図である。
図10】ロッカー管理方法,プログラムの第三実施例を示す概念図である。
図11】ロッカー管理方法,プログラムの第四実施例を示すフロー図である。
図12】ロッカー管理方法,プログラムの第四実施例を示す概念図である。
図13】ロッカー管理方法,プログラムの第五実施例を示すフロー図である。
図14】ロッカー管理方法,プログラムの第六実施例を示すフロー図である。
図15】ロッカー管理方法,プログラムの第七実施例における表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係るロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムの実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、ロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムとして、駅構内にロッカー装置1を配置した一例を説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0027】
[基本構成]
図1に示すように、本実施形態に係るロッカー管理システムは、物品を収納する複数(本実施形態では32個)の収納部10を有するロッカー装置1と、ロッカー装置1を管理するロッカー管理装置2とを備えている。
【0028】
(ロッカー装置)
ロッカー装置1は、駅や商業施設等に設置されるものであり、本実施形態では駅構内に配置された複数のロッカー装置1A~1Cの夫々をロッカー装置1の一例として説明する。ロッカー装置1の実施形態として、地理的な位置が近接した第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bを1つのグループとしてグルーピング化し、何れにもグルーピング化されない単独のロッカー装置1として第三ロッカー装置1Cを用いた例を説明する。
【0029】
ロッカー装置1は、所謂ロッカーと呼ばれる複数の収納部10と、収納部10の作動を管理する集中管理ユニット5とを有している。複数の収納部10の一部または全ては、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部10Aと荷物預かりのための一時預かり部10Bとの何れでも稼働させることができる。
【0030】
本実施形態では、32個の収納部10の全てを一時預かり部10Bとして稼動させ、32個の収納部10のうちの一部(例えば10個)を物品収受部10Aとしても稼動可能に構成している。つまり、利用者にとって、全ての収納部10は、常時、一時預かり部10Bとして利用可能であり、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10が空いている場合のみ、配送業者または利用者がそれらの収納部10を物品収受部10Aとして利用(物品の発送又は着荷)することができる。なお、宅配予約可能なロッカー装置1の場合は、32個の収納部10の一部(例えば22個)を一時預かり部10Bとして稼動させ、32個の収納部10のうちの一部(例えば10個)を物品収受部10Aとしても稼動させても良い。
【0031】
ここで、「発送」とは、配送希望の利用者が配達希望物品を収納部10に預け入れた後、配送業者が該配達希望物品を収納部10から取り出して目的地に向けて配送することを意味する。「着荷」とは、利用者が注文物品をインターネットサイト等で注文した後、配送業者が該注文物品を収納部10に配送し、利用者が収納部10から注文物品を受け取ることを意味する。つまり、物品収受部10Aは、所謂「宅配ロッカー」と呼ばれている。また、「荷物預かり」とは、荷物の預かり入れと取り出しとを同一人物が実行することを想定している。つまり、一時預かり部10Bは、所謂「コインロッカー」と呼ばれている。
【0032】
集中管理ユニット5は、利用者による操作を受け付けて収納部10の施解錠を主として制御するものである。集中管理ユニット5は、物品収受部10Aの操作と一時預かり部10Bの操作とを判別し、操作内容に対応する収納部10の施解錠を実行する。
【0033】
図2には、ロッカー装置1とロッカー管理装置2とのブロック図が示されている。ロッカー装置1の集中管理ユニット5は、第1記憶部50、第1制御部51、表示装置52、スピーカ53、コードリーダ54、カードリーダ55、プリンタ56、貨幣処理装置57、および第1通信部58を有している。また、集中管理ユニット5は、各収納部10に設けられたロック機構(不図示)と接続されている。
【0034】
第1記憶部50は、ハードディスクや不揮発メモリ等から構成されている。第1記憶部50は、各収納部10の稼動状態である稼動状態データ50aと、ロッカー装置1の位置データ50bと、各収納部10の割当状態である割当状態データ50cと、物品収受部10Aおよび一時預かり部10Bの料金設定データ50dとを主として記憶する。「収納部10の稼動状態」とは、時系列に沿って、各収納部10に「物品収受部10Aとして収納中」、「一時預かり部10Bとして収納中」、「空ロッカー」、「故障中」を区分した状態を含んでおり、宅配予約可能なロッカー装置1の場合は、更に「物品収受部10A(「予約ロッカー」)として予約中」を区分した状態も含んでいる。また、「各収納部10の割当状態」とは、各収納部10が物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10であるか否かの状態を含んでいる。また、第1記憶部50には、第1制御部51の制御を実行する各種制御プログラム(不図示)が記憶されている。
【0035】
第1制御部51は、第1記憶部50に記憶されたロック機構の制御プログラム等をROMや不揮発メモリに一時的に保存し、これら制御プログラムを用いてCPUにより各種処理を実行する。第1制御部51は、収納管理部51a、モード選択部51b、宅配処理部51c、預かり処理部51d、ロック処理部51e、および決済処理部51fを有している。
【0036】
収納管理部51aは、各収納部10の稼動を管理する。具体的には、第1記憶部50に記憶された稼動状態データ50aおよび割当状態データ50cに基づいて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10にのみ、物品配送に係る操作を受け付けるように管理する。なお、物品収受部10A専用の収納部10を設定して、一時預かり部10Bとして稼動させる収納部10の数を制限しても良い。
【0037】
モード選択部51bは、表示装置52で利用者からの操作を受け付けた場合に、物品配送に係る操作であるか荷物預かりに係る操作であるかを識別する。モード選択部51bで物品配送に係る操作であると識別された場合、宅配処理部51cが後述する物品配送フロー又は物品回収フローに基づいて、所定の処理を実行する。そして、宅配処理部51cによって物品が発送又は着荷されたときに、宅配処理部51cの指示によりロック処理部51eが収納部10の施解錠を実行する。一方、モード選択部51bで荷物預かりに係る操作であると識別され、荷物が収納部10に出し入れされ、且つ利用者が所定の手続きを実行したときに、預かり処理部51dの指示によりロック処理部51eが収納部10の施解錠を実行する。
【0038】
ロック処理部51eは、収納部10に設けられたロック機構の施解錠を実行する。一時預かり部10Bの場合は、物品が一時預かり部10Bに入れられた後に仮施錠を行い、利用者が表示装置52のタッチパネルで所定の操作を行ったときに本施錠するように構成することが望ましい。これにより、利用者が誤って物品を収納部10に入れた場合における誤ロックを防止できる。
【0039】
決済処理部51fは、現金を貨幣処理装置57の投入口に投入したり、各種カード(プリペイドカードやクレジットカード等)、決済機能付き携帯端末等を、コードリーダ54やカードリーダ55にかざしたりすることで決済を行う処理部である。このとき、表示装置52での画像案内やスピーカ53での音声案内が実行され、プリンタ56によって認証コードや認証バーコード等が印字された用紙が発行される。
【0040】
第1通信部58では、第1記憶部50に記憶された稼動状態データ50aや割当状態データ50cなどを、後述するロッカー管理装置2の第2通信部23に無線又は有線により送信する。
【0041】
(ロッカー管理装置)
ロッカー管理装置2は、ロッカー装置1から離れた場所に設けられており、ロッカー装置1を管理する管理サーバーである。この管理サーバーは、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)としてロッカー運営事業者が所有する機器でも良いし、クラウドサーバーやレンタルサーバーであっても良い。ロッカー管理装置2は、演算部20、第2記憶部21(記憶部の一例)、第2制御部22(制御部の一例)、および第2通信部23を有している。
【0042】
演算部20は、CPUにより各種演算処理を実行する。演算部20は、第2通信部23で受信した稼動状態データ50aに基づいて、後述する第2記憶部21に記憶される稼動率データ21aおよび稼動数量データ21bを演算する。
【0043】
第2記憶部21は、ハードディスクや不揮発メモリ等から構成されている。第2記憶部21は、ロッカー装置1の稼動状況を記憶している。この第2記憶部21は、ロッカー装置1の稼動率である稼動率データ21aと、ロッカー装置1の稼動数量である稼動数量データ21bと、収納部10が物品収受部10Aとして割り当てられた状況を示す割当データ21cと、ロッカー装置1の配置やグループ等を管理するロッカー管理データ21dとが主として記憶されている。また、第2記憶部21には、第2制御部22の制御を実行する各種制御プログラム(不図示)が記憶されている。
【0044】
稼動率データ21aは、一定期間(例えば1日単位、1週間単位)や所定時刻(例えば正午)のロッカー装置1全体の稼動率(稼動している収納部10の数量/収納部10の全体数量)、又は、各収納部10ごとの稼動率(特定の収納部10の稼働時間/一定期間)である。この稼動率は、「物品収受部10Aとしての稼動率」および「一時預かり部10Bとしての稼動率」を含んでいても良い。「一時預かり部10Bとしての稼動率」と併用して、収益性を判断する要素となる1回あたりの平均使用時間(一時預かり部10Bとしての合計稼働時間/使用回数)を用いても良い。この稼動率データ21aや一時預かり部10Bの平均使用時間は、演算部20により、ロッカー装置1の第1記憶部50に記憶された稼動状態データ50aに基づいて算出される。この場合、一時預かり部10Bとしての1回あたりの平均使用時間が長いときは収益性が低くなるため、該平均使用時間が長いほど物品収受部10Aとしての割当数量を増加させることが好ましい。また、「一時預かり部10Bとしての稼動率」と併用して、一時預かり部10Bから物品が取り出されてから該一時預かり部10Bに次の物品が入れられるまでのインターバル(インターバルの平均時間、以下単に「インターバル」と言う。)を用いても良い。この場合、インターバルが長いときは収益性が低くなるため、インターバルが長いほど物品収受部10Aとしての割当数量を増加させることが好ましい。
【0045】
稼動数量データ21bは、ロッカー装置1における物品収受部10A(宅配予約可能なロッカー装置1の場合は予約ロッカーを含んでも良い。)の稼動数量、一時預かり部10Bの稼動数量、空ロッカーの数量、故障ロッカーの数量であり、一定期間(例えば1日単位、1週間単位)の平均値(整数となるように四捨五入しても良い。)や所定時刻(例えば正午)の数量が、演算部20により、ロッカー装置1の第1記憶部50に記憶された稼動状態データ50aに基づいて算出される。なお、稼動率データ21aや稼動数量データ21bをロッカー管理装置2で演算することを想定しているが、ロッカー装置1で演算しても良く特に限定されない。
【0046】
割当データ21cは、収納部10が物品収受部10Aとして割り当てられた数量や物品収受部10Aとして割り当てられた各収納部10の配置情報である。この割当データ21cは、第1記憶部50の割当状態データ50cが、ロッカー装置1の初期状態として設定されている。
【0047】
ロッカー管理データ21dは、ロッカー装置1のネットワーク設定、IPアドレス設定、ルータ情報、ロケーション番号、グループ情報などを管理している。
【0048】
第2制御部22は、第2記憶部21に記憶された制御プログラム等を不揮発メモリに一時的に保存し、これら制御プログラムを用いてCPUにより各種処理を実行する。第2制御部22は、収納部10において物品収受部10Aと一時預かり部10Bとの稼動を制御するものであり、本実施形態では、第2記憶部21に記憶されたロッカー装置1の稼動状況に応じて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する。「物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10」とは、常時、一時預かり部10Bとして利用できる収納部10のうち物品収受部10Aとしても利用できる形態だけでなく、物品収受部10A専用の収納部10を設定して、一時預かり部10Bとして稼動させる収納部10を制限する形態も含む用語である。
【0049】
第2制御部22は、グループ設定部22a、割当数量設定部22b、割当配置設定部22c、初期設定部22d、および料金設定部22eを有している。
【0050】
グループ設定部22aは、複数のロッカー装置1をグループに区分し、第2記憶部21にロッカー管理データ21dとして記憶させる。このグループ設定部22aで設定された同一グループに属する複数のロッカー装置1は地理的な位置が近接している。例えば、駅の東口にある複数のロッカー装置1を同一グループに設定し、駅の西口にある複数のロッカー装置1を同一グループに設定する。なお、同じ駅全体に配置されている複数のロッカー装置1を1つのグループとしても良いし、駅に近接しているコンビニエンスストア等の施設に設置されたロッカー装置1も同一グループに含めても良い。
【0051】
割当数量設定部22bは、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の割当数量を設定する。詳細は後述するが、割当数量設定部22bは、第2記憶部21に記憶された稼動率データ21a、稼動数量データ21b、割当データ21cおよびロッカー管理データ21dに基づいて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の割当数量を変更する。
【0052】
割当配置設定部22cは、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の配置を設定する。詳細は後述するが、第2記憶部21に記憶された稼動率データ21a、稼動数量データ21b、割当データ21cおよびロッカー管理データ21dに基づいて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の配置を変更する。
【0053】
初期設定部22dは、ロッカー装置1で入力された暗証番号に基づいて、ロッカー装置1の初期設定を行う。詳細は後述するが、ロッカー装置1で入力された暗証番号を認証し、ロッカー管理データ21dに基づいて、新規に設置させるロッカー装置1のネットワーク設定、IPアドレス設定、ルータ情報、ロケーション番号などを自動設定する。
【0054】
料金設定部22eは、ロッカー装置1の利用形態に応じて利用料金を設定する。詳細は後述するが、物品収受部10Aとして稼動した時間に応じて、割引料金などを設定する。
【0055】
第2通信部23では、第2制御部22で設定された、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の割当数量や物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の配置等の更新情報を第1通信部58に無線又は有線により送信する。そして、更新情報を受信した第1通信部58は、第1記憶部50に当該更新情報を伝達して既存データを書き換え、第1制御部51が書き換えられた第1記憶部50のデータに基づいて第1制御部51が収納部10の稼動を制御する。
【0056】
[物品配送システム、物品回収システム]
続いて、図3図4を用いて、物品配送システムおよび物品回収システムについて説明する。物品配送システムとは、利用者が注文した商品を収納部10の物品収受部10Aから受け取る際に実行されるシステムである。物品回収システムとは、利用者が、注文した商品を受取期限までに物品収受部10Aから受け取らないとき、配送業者が該商品を回収する際に実行されるシステムである。物品配送システムおよび物品回収システムは、ロッカー装置1、ロッカー管理装置2、配送管理装置3、商品管理装置4、およびユーザ端末6が通信可能な状態で構成されている。ここで、配送管理装置3は配送業者が所有する機器(配送業者の携帯端末含む)であり、商品管理装置4は商品注文を受け付けると共に受け付けた商品を手配する運営業者(例えば、インターネットショッピングを運営する運営業者)が所有する機器である。
【0057】
図3には、利用者がインターネットショッピング等で商品を購入する際、宅配ボックスを利用する物品配送システムのフロー図が示されている。まず、携帯端末やPC等のユーザ端末6から商品管理装置4に対して商品を注文し、受取日時を指定する(S11)。次いで、商品管理装置4が、お問い合わせ番号と受取日時とを配送管理装置3に伝達する(S12)。このとき、図示しないが、お問い合わせ番号や受取日時等の情報を受付完了メールとして商品管理装置4からユーザ端末6に伝達する。
【0058】
次いで、配送管理装置3は、お問い合わせ番号および受取日時と共に、配送番号および回収番号をロッカー管理装置2に伝達する(S13)。このとき、配送業者と回収業者が異なる場合は、夫々の業者の配送管理装置3が配送番号と回収番号とをロッカー管理装置2に伝達する。次いで、ロッカー管理装置2は、該当するロッカー装置1にお問い合わせ番号,受取日時,配送番号および回収番号を伝達する(S14)。そして、配送業者が該当するロッカー装置1に荷物を配送し、ロッカー装置1の物品収受部10Aが施錠されたときに荷物の配送完了情報(該当するロッカー装置1の物品収受部10Aの位置情報含む),お問い合わせ番号および配送番号をロッカー管理装置2に伝達し、ロッカー管理装置2は配送管理装置3に同じ情報を伝達する(S15~S16)。次いで、配送管理装置3は、配送完了情報およびお問い合わせ番号を商品管理装置4に伝達し、商品管理装置4は、ユーザ端末6に配送完了通知およびお問い合わせ番号を伝達する(S17~S18)。
【0059】
配送完了通知を受けた利用者は、該当するロッカー装置1にお問い合わせ番号(新たに発行される暗証番号でも良い。)を入力することにより荷物を受け取り、ロッカー装置1が荷物の受取完了情報およびお問い合わせ番号をロッカー管理装置2に伝達し、ロッカー管理装置2は配送管理装置3に同じ情報を伝達する(S21~S22)。次いで、配送管理装置3は、受取完了情報およびお問い合わせ番号を商品管理装置4に伝達し、商品管理装置4は、ユーザ端末6に受取完了通知およびお問い合わせ番号を伝達する(S23~S24)。
【0060】
図4には、利用者が受取日時までに商品を受け取らなかった場合の物品回収システムのフロー図が示されている。受取日時までの流れは図3のS1~S18と同じである。受取日時から所定時間経過後に回収期限が設定されている。ロッカー装置1は、回収期限が到来したとき、その旨とお問い合わせ番号および回収番号とをロッカー管理装置2に伝達し、ロッカー管理装置2は、回収期限到来通知と共に、お問い合わせ番号および回収番号を配送管理装置3に伝達する(S31~S32)。次いで、配送管理装置3は、お問い合わせ番号および回収番号と共に回収時刻をロッカー管理装置2に伝達し、ロッカー管理装置2は該当するロッカー装置1に同じ情報を伝達する(S33~S34)。
【0061】
そして、回収業者は、ロッカー装置1から荷物を回収し、ロッカー装置1の物品収受部10Aが施錠されたときに荷物の回収完了情報,お問い合わせ番号および回収番号をロッカー管理装置2に伝達し、ロッカー管理装置2は配送管理装置3に同じ情報を伝達する(41~S42)。次いで、配送管理装置3は、回収完了情報およびお問い合わせ番号を商品管理装置4に伝達し、商品管理装置4は、ユーザ端末6に回収通知およびお問い合わせ番号を伝達する(S43~S44)。
【0062】
以上のように説明した物品配送システム/物品回収システムでは、ロッカー管理装置2がロッカー装置1の物品収受部10Aを管理しており、配送業者はロッカー管理装置2から得られた物品収受部10Aの空き情報に基づき、配送先となるロッカー装置1を決定する。このため、配送業者が現地に到着したときには、物品収受部10Aとして利用可能な全ての収納部10が一時預かり部10Bとして利用されており、物品収受部10Aとして利用できない場合がある。そこで、一時預かり部10Bとしての収益性を確保しつつ、配送業者が利用しやすいロッカー管理システム又はロッカー管理装置2の制御方法、制御プログラムについて、以下で説明する。
【0063】
[ロッカー管理方法、ロッカー管理プログラム]
(第一実施例)
図5図6を用いて、何れにもグルーピング化されない単独ロッカーである第三ロッカー装置1Cにおいて、ロッカー管理装置2を用いたロッカー管理方法、ロッカー管理プログラムの第一実施例を説明する。なお、以下で説明する実施例は、ロッカー装置1又はロッカー管理装置2にインストールされるプログラムによって実行される。
【0064】
ロッカー管理方法(ロッカー管理プログラム)は、図2に示すロッカー管理装置2の第2記憶部21が第三ロッカー装置1Cの稼動状況を記憶する第1ステップ(第1処理、図5の♯50)と、第三ロッカー装置1Cの収納部10において、ロッカー管理装置2の第2制御部22が、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部10Aと荷物預かりのための一時預かり部10Bとの稼動を制御する第2ステップ(第2処理)と、を備え、第2ステップ(第2処理)には、第2記憶部21に記憶された第三ロッカー装置1Cの稼動状況に応じて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する制御が含まれている。本実施例では、第2ステップ(第2処理)において、第2制御部22の割当数量設定部22bが、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の割当数量を設定する(図5の♯51~♯57)。
【0065】
第2記憶部21が、所定時刻(例えば正午)における第三ロッカー装置1Cの稼動状況(ロッカー装置1のグループ状態、稼動率、物品収受部10A(宅配予約可能なロッカー装置1の場合は予約ロッカーを含んでも良い。)の割当数量および稼動数量、一時預かり部10Bの稼動数量、空ロッカーの数量)を記憶する(図5の♯50)。次いで、グループ設定部22aが、グループ内のロッカー装置1が複数であるか否かを判定し、複数の場合(図5の♯51Yes判定)は、後述するグループ内割当処理サブルーチンに移行する。一方、本実施例では、第三ロッカー装置1Cが何れにもグルーピング化されない単独ロッカーである(図5の♯51Nо判定)ので、割当数量設定部22bが、稼動率(稼動している収納部10の数量/収納部10の全体数量)が所定値(例えば50%)以上か否かを判定する(図5の♯52)。本実施例では、稼動率として、図6に示すように、物品収受部10Aとしての稼動数量と一時預かり部10Bとしての稼動数量とを加算した数量を稼動している収納部10の数量としている。
【0066】
稼動率が所定値未満の場合(図5の♯52Nо判定)は、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を空きロッカーの数量以内で増加させる(図5の♯54)。この場合、第三ロッカー装置1Cの稼動率を上げるために、空きロッカーの全数を物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として設定するのが好ましい。稼動していない空ロッカーを物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として設定すれば、一時預かり部10Bの収益性を損なわずに物品収受部10Aを増加させて配送業者の利便性を高めることができる。
【0067】
一方、図6に示すように稼動率が所定値以上の場合(例えば56%、図5の♯52Yes判定)は、割当数量設定部22bが、空ロッカーがあるか否かを判定する(図5の♯53)。判定の結果、空ロッカーがない場合(図5の♯53Nо判定)は、一時預かり部10Bとしての需要が高いため、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を減少させて、収益性を高める処理が実行される(図5の♯55)。
【0068】
一方、判定の結果、図6に示すように空ロッカーがある場合(14個、図5の♯53Yes判定)、一時預かり部10Bの稼動数量が所定数量(例えば全体数量32個に対して16個)以上か否かを判定する(図5の♯54)。一時預かり部10Bが所定数量以上の場合(図5の♯56Yes判定)、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を減少させる(図5の♯57)。このとき、一時預かり部10Bの平均使用時間(一時預かり部10Bとしての合計稼働時間/使用回数)が所定時間以上の場合に、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を増加させても良い。また、一時預かり部10Bのインターバル(が所定時間以上の場合に、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を増加させても良い。一方、図6に示すように、一時預かり部10Bが所定数量未満の場合(10個、図5の♯56Nо判定)、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を増加させる(図5の♯58)。本実施例では、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を、当初の割当数量10個から15個に増加させている。
【0069】
これにより、物品収受部10Aの稼動数量を状況に応じて増加させることが可能となるので、配送業者の利便性を高めることができる。しかも、稼動率の高いロッカー装置1は物品収受部10Aとしての割当数量を減少させるので、収益性を損なうことがない。
【0070】
(第二実施例)
続いて、図5図7図8を用いて、グルーピング化されたロッカーとして第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bにおいて、ロッカー管理装置2を用いたロッカー管理方法、ロッカー管理プログラムの第二実施例を説明する。
【0071】
ロッカー管理方法(ロッカー管理プログラム)は、図2に示すロッカー管理装置2の第2記憶部21が第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bの稼動状況を記憶する第1ステップ(第1処理、図5の♯50)と、第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bの収納部10において、ロッカー管理装置2の第2制御部22が、少なくとも、配送業者の物品配送によって発送又は着荷するための物品収受部10Aと荷物預かりのための一時預かり部10Bとの稼動を制御する第2ステップ(第2処理)と、を備え、第2ステップ(第2処理)には、第2記憶部21に記憶された第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bの稼動状況に応じて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する制御が含まれている。本実施例では、第2ステップ(第2処理)において、第2制御部22の割当数量設定部22bが、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10の割当数量を設定する(図5の♯51,図7の♯71~♯80)。
【0072】
第2記憶部21が、毎日、所定時刻(例えば正午)における第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bの稼動状況(ロッカー装置1のグループ状態、稼動率、物品収受部10A(宅配予約可能なロッカー装置1の場合は予約ロッカーを含んでも良い。)の割当数量および稼動数量、一時預かり部10Bの稼動数量、空ロッカーの数量)を記憶している(図5の♯50)。次いで、グループ設定部22aが、グループ内のロッカー装置1が複数であるか否かを判定し、複数の場合(♯51Yes判定)は、グループ内割当処理サブルーチンに移行する。図8に示すように、本実施例では、第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bがグルーピング化されているので、図7に示す処理が実行される。まず、第2制御部22の割当数量設定部22bが、稼動率(稼動している収納部10の数量/収納部10の全体数量)が最も低い第二ロッカー装置1Bを選択する(図8では第一ロッカー装置1Aの稼働率56%,第二ロッカー装置1Bの稼動率28%、図7の♯71)。なお、本実施例では、稼動率として、図8に示すように、物品収受部10Aとしての稼動数量と一時預かり部10Bとしての稼動数量とを加算した数量を稼動している収納部10の数量としている。
【0073】
次いで、割当数量設定部22bが、空ロッカーの全体数量(図8では計37個)や全体稼動率(図8では平均42%)から物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する(図7の♯72)。例えば、空ロッカーの全体数量(Xa)、全体稼動率(Xb)としたとき、下記のような式に基づいて、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10(Y)の割当数量が設定される。例えば、図8に示す例では、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を25個に設定している。
Y=αXa/Xb
ここで、αは実績値から機械学習に基づいて設定され、都度更新される。
【0074】
次いで、割当数量設定部22bが、第二ロッカー装置1Bの一時預かり部10Bの稼動数量が、他の第一ロッカー装置1Aの一時預かり部10Bの稼動数量以下か否かを判定する(図7の♯73)。このとき、夫々の一時預かり部10Bの平均使用時間(一時預かり部10Bとしての合計稼働時間/使用回数)を判断指標として用いても良い。また、夫々の一時預かり部10Bのインターバルを判断指標として用いても良い。図8に示すように、第二ロッカー装置1Bの一時預かり部10Bの稼動数量(5個)が他の第一ロッカー装置1Aの一時預かり部10Bの稼動数量(10個)以下である場合(図7の♯73Yes判定)、割当数量設定部22bが、第二ロッカー装置1Bの空ロッカーを優先的に、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として割り当てる(図7の♯74)。本実施例では、第二ロッカー装置1Bの物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を、当初の割当数量10個から17個に増加させている。なお、この増加数量は、夫々の一時預かり部10Bの稼動数量に反比例して増加させても良いし、グループ全体の物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10に対して所定の比率を乗算して増加させても良く、特に限定されない。
【0075】
次いで、割当数量設定部22bが、他の第一ロッカー装置1Aの物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する(図7の♯75)。本実施例では、グループ全体の物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を25個に設定していることから、他の第一ロッカー装置1Aの物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を、当初の割当数量10個から8個に減少させている(図8参照)。
【0076】
ロッカー装置1の一時預かり部10Bの稼動数量が他のロッカー装置1の一時預かり部10Bの稼動数量よりも大きい場合(図7の♯73Nо判定)、割当数量設定部22bは、当該ロッカー装置1の一時預かり部10Bの稼動数量が所定数量(例えば、全体数量32個に対して16個)以上か否かを判定する(図7の♯76)。このとき、一時預かり部10Bの平均使用時間(一時預かり部10Bとしての合計稼働時間/使用回数)を判断指標として用いても良い。当該ロッカー装置1の一時預かり部10Bの稼動数量が所定数量以上の場合(図7の♯76Yes判定)、当該ロッカー装置1は一時預かり部10Bとしての収益が期待できるので、割当数量設定部22bが、他のロッカー装置1のうち、一時預かり部10Bが所定数量未満のロッカー装置1の空ロッカーを、優先的に物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として割り当てる(図7の♯77)。次いで、割当数量設定部22bが、残りのロッカー装置1について、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する(図7の♯78)。
【0077】
一方、ロッカー装置1の一時預かり部10Bの稼動数量が所定数量未満の場合(図7の♯76Nо判定)、割当数量設定部22bが、当該ロッカー装置1の空ロッカーを優先的に、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として割り当てる(図7の♯79)。次いで、割当数量設定部22bが、他のロッカー装置1の物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する(図7の♯80)。
【0078】
これにより、物品収受部10Aの稼動数量を効率的に増加させることが可能となるので、配送業者の利便性を高めることができる。また、稼動率の低いロッカー装置1の空ロッカーを物品収受部10Aとして割り当てているので、収益性を損なうことがない。しかも、複数のロッカー装置1をグルーピング化することで、物品収受部10Aとしての収納部10に余裕が生まれるので、物品収受部10Aが不足して配送業者が配送できないといった不都合を防止することができる。このグルーピング化された第一ロッカー装置1Aおよび第二ロッカー装置1Bは地理的な位置が近接しているので、空いている物品収受部10Aを容易に探し出すことが可能となり、配送業者の利便性を高めることができる。
【0079】
(第三実施例)
続いて、図9図10を用いて、図2に示すロッカー装置1において、ロッカー管理装置2を用いたロッカー管理方法、ロッカー管理プログラムの第三実施例を説明する。本実施例では、第一実施例や第二実施例に加えて、ロッカー管理装置2において、第2記憶部21が記憶するロッカー装置1の稼動状況は、複数の収納部10の夫々の稼動状況を含んでおり、第2制御部22の割当配置設定部22cは、夫々の収納部10の稼動状況に基づき、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定するものである。
【0080】
第2記憶部21が、一定期間内(例えば直近1週間)のロッカー装置1における各収納部10の稼動状況(各収納部10の全体稼動率、各収納部10の一時預かり部10Bの稼動率)を記憶している(図9の♯90)。割当配置設定部22cが、各収納部10の全体稼動率(収納部10の合計稼働時間/一定期間)が第1所定値(例えば30%)以上か否かを判定する(図9の♯91)。収納部10の稼動率が第1所定値未満の場合(図9の♯91No判定)、図10に示すように、割当配置設定部22cが、該当する収納部10を物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10に設定する(図9の♯95)。
【0081】
一方、収納部10の全体稼動率が第1所定値以上の場合(図9の♯91Yes判定)、割当配置設定部22cが、該当する収納部10における一時預かり部10Bの稼動率(一時預かり部10Bの合計稼働時間/一定期間)が第2所定値(例えば50%)以上か否かを判定する(図9の♯92)。このとき、該当する一時預かり部10Bの平均使用時間(一時預かり部10Bとしての合計稼働時間/使用回数)を判断指標として用いても良い。また、該当する一時預かり部10Bのインターバルを判断指標として用いても良い。該当する収納部10における一時預かり部10Bの稼動率が第2所定値以上の場合(図9の♯92Yes判定)、当該収納部10は一時預かり部10Bとしての収益が期待できるので、図10に示すように、割当配置設定部22cが、当該収納部10を一時預かり部10B専用として設定する(図9の♯93)。一方、該当する収納部10における一時預かり部10Bの稼動率が第2所定値未満の場合(図9の♯92Nо判定)、当該収納部10の稼動率を上げるために、図10に示すように、割当配置設定部22cが、当該収納部10を物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10として設定する(図9の♯94)。
【0082】
これにより、物品収受部10Aの稼動数量を増加させることが可能となるので、配送業者の利便性を高めることができる。しかも、一時預かり部10Bとしての稼動率の低い収納部10を物品収受部10Aとして割り当てているので、収益性を損なうことがない。
【0083】
(第四実施例)
続いて、図11図12を用いて、ロッカー装置1において、図2に示すロッカー管理装置2を用いたロッカー管理方法、ロッカー管理プログラムの第四実施例を説明する。本実施例では、第一実施例や第二実施例に加えて、ロッカー管理装置2において、第2記憶部21が記憶するロッカー装置1の稼動状況は、複数の収納部10の夫々の稼動状況を含んでおり、第2制御部22の割当配置設定部22cは、夫々の収納部10の稼動状況に基づき、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定するものである。本実施例では、割当配置設定部22cが物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を設定する際に、配送予定の物品のサイズに該当する物品収受部10A以外の使用を禁止するものである。「物品のサイズ」とは、物品の縦,横,奥行きの寸法のことであり、「配送予定の物品のサイズに該当する物品収受部10A」とは、物品の縦,横,奥行きの寸法以上の内部空間を有している物品収受部10Aのうち、最も容積の小さい物品収受部10Aのことを言う。
【0084】
第2記憶部21が、一定期間(例えば、1日)のロッカー装置1における各収納部10の稼動状況(サイズ毎の各収納部10の全体稼働率)を記憶している(図11の♯110)。割当配置設定部22cが、各収納部10の全体稼動率(収納部10の合計稼働時間/一定期間)が所定値(例えば30%)以上か否かを判定する(図11の♯111)。収納部10の全体稼動率が所定値未満の場合(図11の♯111No判定)、割当配置設定部22cが、該当する収納部10を物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10に設定する(図11の♯115)。
【0085】
一方、収納部10の全体稼動率が所定値以上の場合(図9の♯111Yes判定)、割当配置設定部22cが、図12に示すように、配送予定の物品のサイズに該当するサイズAの物品収受部10Aのみを表示し、それ以外のサイズB、サイズCの物品収受部10Aとしての使用を禁止する(図11の♯112)。なお、配送予定の物品のサイズが不明であるときは、自動的に最も小さいサイズAのみを表示するようにして、サイズAよりも大きいサイズB、サイズCの物品収受部10Aとしての使用を禁止しても良い。そして、配送業者の配送管理装置3からロッカー管理装置2に対してサイズ変更の要求があれば(図11の♯113Yes判定)、割当配置設定部22cが、図12に示すように、サイズB、サイズCの空ロッカーうち物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を表示する(図11の♯114)。
【0086】
これにより、全体稼動率の高いロッカー装置1において、料金設定の高いサイズB、サイズCを一時預かり部10B専用とすることで、収益性を高めることができる。一方、必要に応じてサイズ変更要求を認めることで、配送業者の利便性を損なうことがない。
【0087】
(第五実施例)
本実施例では、図2に示すロッカー管理装置2の第2制御部22の初期設定部22dが、ロッカー装置1から送信された認証情報が予め定められた登録情報と一致するか否かを判定し、一致する場合にロッカー装置1の初期設定を実行するものである。本実施例は、新規にロッカー装置1を設置する際における設定方法の改善に関するものである。
【0088】
図13に示すように、新規にロッカー装置1を設置する場合、ロッカー管理装置2のロッカー管理データ21dに、ロッカー装置1のネットワーク設定、IPアドレス設定、ルータ情報、ロケーション番号などの位置データ50bと暗証番号とを第2記憶部21に記憶させる(♯130)。このとき、新規にロッカー装置1を設置する設置業者の現地設置員に、予め暗証番号を展開しておく。次いで、現地設置員は、ロッカー装置1の集中管理ユニット5の表示装置52に表示された「初期接続」ボタンを押し、初期設定要求をロッカー管理装置2に送信する。そして、初期設定部22dは、初期設定要求があった場合(♯131Yes判定)、暗証番号要求をロッカー装置1に送信する(♯132)。次いで、現地設置員は、表示装置52に表示された暗証番号入力画面で暗証番号を入力し、ロッカー管理装置2に送信する。そして、初期設定部22dは、送信元であるロッカー装置1のIPアドレスを取得し、受信した暗証番号が送信元であるロッカー装置1のIPアドレスに対応して記憶された暗証番号と一致しない場合(♯133No判定)、不一致である旨をロッカー装置1に通知し、現地設置員に再度入力するように促す(♯134)。一方、初期設定部22dは、受信した暗証番号が送信元であるロッカー装置1のIPアドレスに対応して記憶された暗証番号と一致する場合(♯133Yes判定)、第2通信部23から第1通信部58に位置データ50bを送信し、ロッカー装置1の初期設定を実行する。
【0089】
これにより、現地設置員がロッカー装置1に位置データ50bの初期設定を手入力する手間が省けると共に、設置作業員にネットワークに関する知識がなくとも誤入力を防止することができる。しかも、初期設定が迅速に行われ、設定情報の管理がロッカー管理装置2で一元管理されるので、効率的である。
【0090】
(第六実施例)
本実施例では、図2に示すロッカー管理装置2の第2制御部22の料金設定部22eが、物品収受部10Aとして利用できる空ロッカーの数量が閾値(例えば5個)以下となった場合、ロッカー装置1の料金設定を変更するものである。
【0091】
図14に示すように、料金設定部22eが、物品収受部10Aとして利用できる空ロッカーの数量が閾値以下であると判定した場合(♯140Yes判定)、ロッカー装置1の料金設定を変更する(♯141)。料金設定を変更するとは、「料金割引、延滞料金、ポイント付与または懸賞参加」などの料金または通貨ではないが間接的に商品に交換する設定変更を含んでいる。
【0092】
料金設定部22eは、一時預かり部10Bとして利用される場合に、第2通信部23および第1通信部58を介して第1記憶部50の料金設定データ50dを変更し、変更した料金設定の内容をロッカー装置1の表示装置52に表示したり、プリンタ56で印字したりする。具体的には、「××時(指定時刻)までに荷物を取り出した場合は、○○円の料金割引があります。」などの内容を画面表示、印字する。また、料金設定部22eは、物品収受部10Aとして宅配予約可能なロッカー装置1の場合、時刻指定の宅配予約がある場合に変更した料金設定の内容をロッカー装置1の表示装置52に表示したり、プリンタ56で印字したりしても良い。具体的には、指定時刻までに利用者が商品を取り出さない場合には延滞料金を課金する等の料金設定にする。また、物品収受部10Aとして利用される場合、料金設定の内容を利用者の携帯端末に送信するように構成しても良い。
【0093】
次いで、料金設定部22eは、利用者が指定時刻よりも早く荷物を取出したか否かを判定する(♯142)。利用者が指定時刻よりも早く荷物を取出した場合(♯142Yes判定)、料金優遇措置(例えば、料金割引、ICカードへのポイントチャージ、懸賞サイトへのアクセスURL等のURコードの画面表示や印字レシート等)を実行する(♯143)。
【0094】
一方、利用者が指定時刻よりも早く荷物を取出さない場合(♯142No判定)、通常取出時刻(例えば、一時預かり部10Bであれば24時間、物品収受部10Aであれば受取期限)よりも荷物の取出しが遅れたか否かが判定される(♯144)。利用者が通常取出時刻よりも早く荷物を取り出した場合(♯144No判定)、通常料金を課金する(♯145)。一方、通常取出時刻よりも荷物の取出しが遅れた場合(♯144Yes判定)、延滞ペナルティ(延滞料金の値上げ等)を実行する(♯146)。
【0095】
このように料金割引等を設定することにより、一時預かり部10Bの利用者に早く荷物を取り出すインセンティブが働いて収納部10が空ロッカーとなる可能性が高まるので、物品収受部10Aが不足することを未然に防ぎ、配送業者の利便性を高めることができる。しかも、一時預かり部10Bの稼動率を高めることにも繋がるので、ロッカー装置1の収益性を高めることができる。なお、本実施例の料金設定部22eを、ロッカー装置1の第1制御部51に設けても良く特に限定されない。
【0096】
(第七実施例)
本実施例では、図2に示すロッカー管理装置2の第2制御部22の割当数量設定部22bが、一時預かり部10Bとして稼動率の高い時間帯(曜日設定でも可)には、ロッカー装置1の物品収受部10Aとしての利用を強制的に禁止するものである。これにより、配送業者の宅配員が現地に赴いて物品収受部10Aに物品を収納しようとしても、表示装置52に利用が禁止されている旨が表示され、宅配員はロッカー装置1を利用できないこととなる。
【0097】
第2記憶部21は、日時(例えば1時間毎)に対応したロッカー装置1の稼動率である稼動率データ21aと、日時(例えば1時間毎)に対応したロッカー装置1の稼動数量である稼動数量データ21bとを記憶している。割当数量設定部22bは、第2記憶部21に記憶されたロッカー装置1の稼動状況の良い時間帯又は曜日(例えば、空ロッカーの数量が所定値未満である状態が所定時間以上継続している時間帯又は曜日)において、物品収受部10Aとしての利用を禁止する。なお、割当数量設定部22bは、手動で入力された日時(例えば、近隣で不定期イベント等が開催される時間帯)に基づいて、物品収受部10Aとしての利用を禁止しても良い。
【0098】
図15には、配送業者の配送管理装置3(携帯端末等)の表示例が示されている。割当数量設定部22bがロッカー装置1の物品収受部10Aとしての利用を禁止した場合、ロッカー管理装置2は、配送業者の配送管理装置3に物品収受部10Aとして利用できる収納部10が無い旨を伝達する。このとき、図15に示すように、配送管理装置3の表示画面では「お届け」が指定できないようになり、「配達可能時間外」と表記される。一方、回収期限が到来した収納部10から物品を回収できるように、「回収」ボタンは指定できるようになっている。
【0099】
本実施例では、一時預かり部10Bとしての利用が見込まれる時間帯又は曜日に物品収受部10Aとしての利用を禁止することで、ロッカー装置1の収益性を高めることができる。また、配送業者に対して、一時預かり部10Bとして収益性の低い時間帯や曜日(例えば、早朝や平日)に物品収受部10Aの利用を促すことで、ロッカー装置1を効率的に運用することができる。
【0100】
[その他の実施形態]
(1)上述した実施形態は、適宜組み合わせて利用することができる。
(2)上述した実施形態におけるロッカー管理装置2やロッカー管理プログラムをロッカー装置1に組み込んでも良い。
(3)上述した実施形態においてロッカー管理装置2が実行した処理の一部をロッカー装置1が実行しても良く、特に限定されない。例えば、ロッカー管理装置2の演算部20をロッカー装置1が有していても良い。
(4)上述した実施形態のロッカー装置1は、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10であっても、常時一時預かり部10Bとして利用できる形態を示したが、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10を物品収受部10Aのみの利用としても良い。また、物品収受部10Aとして稼動可能な収納部10に対して物品配送予約が入ったときに、一時預かり部10Bとしての利用を禁止しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、複数の収納部を有するロッカー装置を管理するロッカー管理システム、ロッカー管理装置、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 :ロッカー装置
2 :ロッカー管理装置
10 :収納部
10A :物品収受部
10B :一時預かり部
21 :第2記憶部(記憶部)
22 :第2制御部(制御部)
22a :グループ設定部
22b :割当数量設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15