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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】光量調節装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/02 20210101AFI20220111BHJP
   G03B 9/24 20210101ALI20220111BHJP
【FI】
G03B9/02 A
G03B9/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018068982
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019179169
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-3993(JP,A)
【文献】特開2017-207561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/00 - 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する地板と、
前記開口を通過する光量を調節する絞り羽根と、
前記絞り羽根を駆動する駆動リングと、
前記地板との間で、前記絞り羽根と前記駆動リングを作動可能に保持する押さえ板と、
前記絞り羽根と前記駆動リングとの間に配置されたリング状のシート部材と、を備え、
前記駆動リングは、リング状の前記シート部材の内径よりも前記開口の中心側で前記シート部材の前記絞り羽根に対向する面よりも前記絞り羽根側に突出し、前記地板との間で前記絞り羽根を支持する羽根押さえ部を有することを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記絞り羽根の走行スペースが、前記羽根押さえ部と前記地板との間隔で規定されることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記駆動リングは前記シート部材と前記押さえ板に挟まれて支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記羽根押さえ部は、前記シート部材の前記絞り羽根に対向する面よりも、前記絞り羽根の1枚分から数枚分の厚みに相当する量だけ前記地板に近づくように突出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記絞り羽根はカムピンまたはカム溝部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光量調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラや交換レンズ等の光学機器に搭載される、例えば絞り装置などの光量調節装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラや交換レンズ等の光学機器に搭載される光量調節装置においては、絞り径の高精度化及び絞り駆動の高速化が求められている。特許文献1および図11から図14に示す従来の光量調節装置としての絞り装置では、駆動リングを固定開口の周囲で回転させて複数の絞り羽根を開閉方向に回動させ、複数の絞り羽根により形成される絞り開口の大きさを変化させることにより光量を調節する。このような絞り装置は、虹彩型絞り装置とも呼ばれる。
【0003】
図11および図13に示すように、各絞り羽根210には、羽根面から互いに逆方向に延出した駆動ピン211とカムピン212が設けられている。図11および図12に示す駆動リング220には、複数の絞り羽根210の駆動ピン211がそれぞれ係合する複数の駆動穴部223が形成されている。
【0004】
図14に示す地板250には、その中央に光軸205を中心として固定開口254が形成されているとともに、固定開口254の周囲に複数の絞り羽根210のカムピン212がそれぞれ係合する複数のカム溝部251が形成されている。押さえ板240は、中央に固定開口244が形成され、地板250との間で複数の絞り羽根210と駆動リング220を挟むように配置されて、地板250に固定される。
【0005】
このように、従来の絞り装置では、複数の絞り羽根210は、固定された地板250と回転する駆動リング220とによって回動可能に挟持される。また、各絞り羽根210の地板250側の羽根面における駆動ピン211の裏側部分は、地板250によって支持される。
【0006】
さらに、各絞り羽根210の駆動リング220側の羽根面におけるカムピン212の裏側の周辺部分は、駆動リング220にラジアル方向外側に延出するように形成された羽根支持部228によって支持される。羽根支持部228は、駆動リング220における周方向複数箇所に、駆動穴部223に近接して設けられている。複数の羽根支持部228の間には、これら羽根支持部228を含んでひとつながりのフランジを形成するように周方向に延びる連結部221が形成されている。複数の羽根支持部228と連結部221の地板250側(絞り羽根側)の面は、1つの平面(フランジ面)として形成されている。
【0007】
また、中央に開口224が形成された駆動リング220の内周側には、押さえ板240側に突出した円筒形状のラジアル支持部226が形成されており、ラジアル支持部226の外周面には、押さえ板240の内周面に回転可能に当接する突起227が周方向複数箇所に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平2-114246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように構成される従来の絞り装置では、絞り羽根210における地板250側とは反対側の羽根面は、回転する部材である駆動リング220によって支持されており、回動する絞り羽根210と回転する駆動リング220とが摺動する構造となっている。また、駆動リング220は押さえ板240の内径と隙間を持った状態で嵌合しており、駆動部201のトルクがピニオンギア202を伝って、駆動リング220のギア部225に伝達され、駆動リング220が回動される。この場合、駆動リング220が重いと絞り動作時に負荷となってしまい、駆動スピードが遅くなってしまう。さらに、駆動リング220と絞り羽根210が接触して摺動することで抵抗が大きくなり、負荷となってしまう。
【0010】
一方、別の従来例では、図15の断面図に示すように、シート部材370を駆動リング320と絞り羽根310の間に固定部材として挟みこむことで駆動リングを小さくし、軽くすることで駆動負荷を減らしている。しかし、絞り羽根310の厚み方向の走行スペースは、絞り羽根310が駆動リング320の内周側に配置される小絞り状態では、符号381で示すように、地板350の上面と駆動リング320の下面の間の間隔で決まる。一方、絞り羽根310が駆動リング320の外周側に配置される絞りが開いた状態では、絞り羽根310の厚み方向の走行スペースは、符号380で示すように、地板350とシート部材370の間の間隔で決まることになる。そのため、外周側における羽根走行スペース380と内周側における羽根走行スペース381が異なってしまい、羽根の走行精度が安定しないという問題がある。また、装置の姿勢差によっては、羽根の走行精度がさらに悪化してしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光量調節装置において、羽根の走行精度の向上と、羽根の駆動速度の高速化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係わる光量調節装置は、開口を有する地板と、前記開口を通過する光量を調節する絞り羽根と、前記絞り羽根を駆動する駆動リングと、前記地板との間で、前記絞り羽根と前記駆動リングを作動可能に保持する押さえ板と、前記絞り羽根と前記駆動リングとの間に配置されたリング状のシート部材と、を備え、前記駆動リングは、リング状の前記シート部材の内径よりも小さい外形を有して前記シート部材の前記絞り羽根に対向する面よりも前記絞り羽根側に突出し、前記地板との間で前記絞り羽根を支持する羽根押さえ部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光量調節装置において、羽根の走行精度の向上と、羽根の駆動速度の高速化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係わる絞り装置の構成を示す分解斜視図。
図2】一実施形態の絞り装置を組み立てた状態を示す斜視図。
図3】一実施形態の絞り装置における絞り羽根の斜視図。
図4A】一実施形態の絞り装置における駆動リングの表面の斜視図。
図4B】一実施形態の絞り装置における駆動リングの裏面の斜視図。
図5】一実施形態の絞り装置における地板の斜視図。
図6】一実施形態の絞り装置におけるシート部材の斜視図。
図7】一実施形態の絞り装置の断面図。
図8】一実施形態の絞り装置における絞り羽根を開いた状態を示す平面図。
図9】一実施形態の絞り装置における絞り羽根を絞った状態を示す平面図。
図10】一実施形態の変形例の絞り羽根を示す図。
図11】従来の絞り装置の分解斜視図。
図12】従来の絞り装置における駆動リングの斜視図。
図13】従来の絞り装置における絞り羽根の斜視図。
図14】従来の絞り装置における地板の斜視図。
図15】他の従来の絞り装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の光量調節装置の一実施形態である虹彩型絞り装置6の分解斜視図である。また、図2は、本実施形態の絞り装置6の組み立て状態を示した斜視図である。なお、本実施形態では絞り装置について説明するが、シャッタ装置やシャッタ機能を有する絞り装置も、本発明の光量調節装置に含まれる。
【0017】
図1及び図2において、絞り装置6は、アクチュエータ1と、押さえ板40と、駆動リング20と、複数の絞り羽根(遮光羽根)10と、地板(ベース部材)50と、フォトインタラプタ3とを備える。
【0018】
アクチュエータ1は、ステッピングモータ等の電磁アクチュエータである。アクチュエータ1の出力軸には、駆動リング20を回転駆動するピニオンギア2が取り付けられる。アクチュエータ1とピニオンギア2とにより駆動源部が構成される。
【0019】
フォトインタラプタ3は、駆動リング20の初期位置を検出するためのセンサとして用いられる。アクチュエータ1はビス61により押さえ板40に取り付けられる。
【0020】
絞り装置6の中心軸5は、絞り装置6が撮像装置に搭載された場合には、撮像装置の光軸に一致する。以下の説明では、この中心軸5に平行な方向をスラスト方向と呼ぶ。押さえ板40、駆動リング20、シート部材70、複数の絞り羽根10および地板50は、この順でスラスト方向において積層される。すなわち、駆動リング20は、スラスト方向において、絞り羽根10に対して地板50とは反対側に配置され、押さえ板40は絞り羽根10および駆動リング20に対して地板50とは反対側に配置される。絞り羽根10と駆動リング20は、地板50と押さえ板40により作動可能に保持される。なお、スラスト方向に直交する方向および面をそれぞれラジアル方向(径方向)およびラジアル面と呼ぶことにする。
【0021】
絞り羽根10は、地板50に形成された固定開口54の周方向に複数配置されている。本実施形態では9枚の絞り羽根10が用いられている。なお、絞り羽根の枚数は9枚に限らず、他の複数枚であってもよい。
【0022】
図3は、1つの絞り羽根10を拡大して示した図である。絞り羽根10は、ラジアル面にほぼ平行になるように配置され、遮光機能を有する平板形状の羽根部10aと、羽根部10aからスラスト方向の互いに反対側に突出するように設けられた駆動ピン11およびカムピン12を有する。駆動ピン11とカムピン12のラジアル面内での位置は互いに異なっている。
【0023】
図4Aは駆動リング20を拡大して示した図であり、図4B図4Aの駆動リング20を裏側から見た図である。駆動リング20は、その中央に光通過開口24を有し、さらに光通過開口24の周囲における周方向複数箇所(9箇所)に設けられた第1の羽根支持部としての羽根支持突起部22と、9つの羽根支持突起部22を周方向において連結するようにリング形状に形成された連結部21とを有する。各羽根支持突起部22は、連結部21からラジアル方向外側に突出するように形成されている。9つの羽根支持突起部22には、9つの絞り羽根10の駆動ピン11がそれぞれ挿入されて係合する駆動穴部23が形成されている。
【0024】
また、駆動リング20の外周部の一部には、ピニオンギア2に噛み合うギア部25が形成されている。ギア部25は、周方向に円弧状に延びてその外周に複数のギア歯が形成されたギア歯部25aと、連結部21からラジアル方向外側に延出してギア歯部25aにつながってギア歯部25aと連結部21との間に空間を形成する2つのギア支柱部31とによって構成されている。なお、これらギア支柱部31には、2つの絞り羽根10の駆動ピン11が挿入される駆動穴部23が形成されている。つまり、ギア支柱部31は、9つの駆動穴部23のうち2つを兼ねている。
【0025】
また、駆動リング20の連結部21における周方向複数箇所(本実施形態では9箇所)には、連結部21からスラスト方向における押さえ板40側に延出したラジアル支持壁部26が形成されている。駆動リング20のラジアル支持壁部26が押さえ板40の内周部に嵌合し、中心軸5の周りに回転可能に支持される。
【0026】
さらに、駆動リング20の連結部21における押さえ板40側の周方向複数箇所(本実施形態では9箇所)の表裏にはスラスト押さえ突起29が設けられている。地板50のスラスト押え突起52にリング状のシート部材70が乗り、このシート部材70と押さえ板40とによって駆動リング20のスラスト押さえ突起29を挟み込むことで、駆動リング20は押さえ板40によって回転可能にスラスト方向に支持される。
【0027】
また、駆動リング20の周方向一箇所には、フォトインタラプタ3の発光部と受光部との間に入り込んで遮光する遮光突起部30が設けられている。
【0028】
なお、駆動リング20の裏面には、図4Bに示すように、羽根押さえ部32が形成されている。羽根押さえ部32については、後に詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、押さえ板40はその中央に光通過開口44を有するリング形状に形成されており、地板50の上に配置された絞り羽根10および駆動リング20を覆う(押さえる)ようにして、地板50に6つのビス60により固定される。
【0030】
図5は、地板50の形状を示す斜視図である。地板50は、その中央に固定開口としての光通過開口54を有するリング形状に形成されており、このリング形状の部分には複数の絞り羽根10のカムピン12がそれぞれ係合する複数(絞り羽根10と同じ9つ)のカム溝部51が形成されている。
【0031】
また、地板50の羽根面側と駆動リング20の羽根面側には駆動リングが小さくできるように図6に示すシート部材70が設けられている。
【0032】
なお、本実施形態において、絞り羽根10を「支持する(又は押さえる)」とは、絞り羽根10の滑らかな回動に必要なガタを与えつつ、それ以上に絞り羽根10がガタついたり脱落したりしないように移動を制限することを意味する。つまり、回動する方向以外の方向(スラスト方向)にガタがないように押さえ込むことではない。
【0033】
以上のように構成された絞り装置6においては、アクチュエータ1が動作してピニオンギア2が回転すると、駆動リング20が地板50および押さえ板40に対して中心軸5の周りに回転する。駆動リング20は、9つの絞り羽根10に駆動ピン11を介してアクチュエータ1からの駆動力を伝達する。これにより、各絞り羽根10は、カムピン12がカム溝部51に沿って移動することで駆動ピン11を中心として回動する。アクチュエータ1による駆動リング20の回転位置を制御することで、複数の絞り羽根10の回動位置、つまりは複数の絞り羽根10の羽根部10aによって形成される絞り開口のサイズ(径)が制御される。絞り開口径に応じて、光通過開口44,24,54を通過する光量を変化させる(調節する)ことができる。
【0034】
駆動リング20の回転位置を制御するために必要な駆動リング20の回転初期位置の検出は、駆動リング20の遮光突起部30がフォトインタラプタ3の発光部と受光部との間に入り込んで発光部からの光を遮ったことを示す信号を検出することで行うことができる。
【0035】
次に、このように構成される本実施形態の絞り装置6のさらに特徴的な構成について説明する。
【0036】
従来では図15に示すように、外周側の羽根走行スペース380はシート部材370と地板350で作られたスペースで決められている。この時、駆動リング320は、地板350と押さえ板340で支えられたシート部材370と、押さえ板340とに挟まれるように支持されている。その結果、シート部材370よりも内周側の羽根走行スペース381は、シート部材370の外周側の羽根走行スペース380よりもシート部材370の厚み分だけ広くなっている。
【0037】
一方、本実施形態の絞り装置6では、図7のように内周側の羽根走行スペース81は駆動リング20と地板50で作られたスペースで決められている。ただし、駆動リング20には、シート部材70の開口部70aの内側で図中下方に突出する羽根押さえ部32が形成されている。羽根押さえ部32は、リング状のシート部材70の内径よりも小さい外径を有して、シート部材70の内径よりも開口部70aの中心側で、シート部材70の絞り羽根に対向する面よりも絞り羽根側に突出している。より具体的には、羽根押さえ部32は、シート70の図中下面よりdで示す寸法だけ下方に突出しており、シート70の内周側での羽根走行スペース81をシート70の外周側での羽根走行スペース80よりも小さくしている。dの寸法は、例えば絞り羽根10の1枚分から数枚分の厚みに相当する。このように、駆動リング20の羽根押さえ部32と地板50の間の間隔をシート70と地板50の間の間隔よりも積極的に狭くして、羽根押さえ部32と地板50の間の間隔で羽根走行スペースを規定する。これにより、図8図9に示すように絞り羽根10が開放状態でも小絞り状態でも常に絞り羽根10の走行スペースが羽根押さえ部32と地板50の間の間隔で規定され、絞り羽根10を常に安定して支持することができる。また、姿勢差による絞り羽根10の走行スペースの変化も少ないため、精度の変化を小さくすることができる。
【0038】
さらに、シート部材70を駆動リング20の外周に設けることで駆動リング20を小さくすることができ、高速化且つ、精度向上を図ることができる。
【0039】
図10は、一実施形態の変形例の絞り羽根410を示す図である。この変形例では、地板50にカム溝部51を設ける代わりに、カムピンを設け、絞り羽根410側にカム溝部412を設けている。このような構成でも、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、シート部材70が存在することにより駆動リング20を小さくすることができ、絞り羽根10と駆動リング20の接触面積を少なくすることができる。この結果、絞り羽根10が受ける摩擦抵抗を低減することができ、絞り羽根10を滑らかに回動させられるため、高速応答性を向上させることができる。さらに羽根の走行スペースを常に地板50と駆動リング20の羽根押さえ部32で決めることができるため、羽根の走行スペースの変化を少なくでき、羽根の駆動精度を安定化させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1:アクチュエータ
2:ピニオンギア
3:フォトインタラプタ
10:絞り羽根
20:駆動リング
40:押さえ板
50:地板
70:シート部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15