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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】シート積重体のスプリッタ
(51)【国際特許分類】
   B26F 3/02 20060101AFI20220111BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20220111BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20220111BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B26F3/02
B26D7/06 E
B26D7/02 D
B26D7/18 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018097763
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019202368
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 寛史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 潤二郎
(72)【発明者】
【氏名】林 弘貴
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-4200(JP,A)
【文献】特開2004-10353(JP,A)
【文献】特表2009-526720(JP,A)
【文献】特開2003-312838(JP,A)
【文献】特開昭58-211899(JP,A)
【文献】特開2016-132075(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第292067(EP,A1)
【文献】米国特許第5865358(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 3/02
B26D 7/06
B26D 7/02
B26D 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積重体(100)が隣り合う基台(1,2)の上面に供給され、前記シート積重体(100)の切目線(101)を挟んだ両側部分をそれぞれ押圧板(3,4)により上方から押さえた状態で、前記一方の基台(1)を他方の基台(2)から離れた外端部が上下するように揺動させ、前記シート積重体(100)を切目線(101)に沿ってブランク積重体(102,103)に分割し、前記ブランク積重体(102,103)を前記基台(1,2)から送り出すシート積重体のスプリッタにおいて、
前記基台(1,2)への前記シート積重体(100)の供給方向と、前記基台(1,2)からの前記ブランク積重体(102,103)の排出方向とが交差し、
前記基台(1,2)は、前記シート積重体(100)の供給方向へ延びるスロット(21a)を備えたテーブル(21)と、前記スロット(21a)の長さ方向に搬送方向が向いたベルトコンベヤ(22)とを備え、前記ベルトコンベヤ(22)の昇降に伴い、そのベルト(22a)のキャリヤ側が前記スロット(21a)から上方へ突出又は下方へ没入する構造とされ、
前記基台(1,2)の上方には、前記シート積重体(100)の排出方向に対して進退するプッシャー(24)が設けられており、
前記基台(1,2)のベルトコンベヤ(22)が上昇した状態で、前記スロット(21a)から上方へ突出した前記ベルト(22a)のキャリヤ側に前記シート積重体(100)が載せられて、前記ベルト(22a)の送りにより前記テーブル(21)の上方に前記シート積重体(100)が供給され、
前記ベルトコンベヤ(22)が下降し、前記テーブル(21)の上面に前記シート積重体(100)が載置された状態で、前記押圧板(3,4)により前記シート積重体(100)が押圧され、
前記シート積重体(100)が切目線(101)に沿ってブランク積重体(102,103)に分割された後、前記押圧板(3,4)による前記シート積重体(100)の押圧が解除され、
前記プッシャー(24)が前進し、前記ブランク積重体(102,103)が前記プッシャー(24)により押されて排出されることを特徴とするシート積重体のスプリッタ。
【請求項2】
請求項1に記載のシート積重体のスプリッタにおいて、前記基台(1,2)に対し、前記シート積重体(100)を押さえる昇降シリンダ(16)が連結された前記押圧板(3,4)の押圧中心線の下方には、前記スロット(21a)が位置せず、前記テーブル(21)の上面が存在していることを特徴とするシート積重体のスプリッタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシート積重体のスプリッタにおいて、前記シート積重体(100)が切目線(101)に沿ってブランク積重体(102,103)に分割された後、
前記基台(2)のベルトコンベヤ(22)が一旦上昇して僅かに駆動され、前記ブランク積重体(102,103)同士が引き離されて、前記ベルトコンベヤ(22)が再度下降し、
その後、前記ブランク積重体(102,103)が前記プッシャー(24)により押されて排出されることを特徴とするシート積重体のスプリッタ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のシート積重体のスプリッタにおいて、前記ブランク積重体(102,103)が前記プッシャー(24)により押されて、前記基台(1,2)の排出側端部に達したことが排出センサに(25)より検出されると、
前記プッシャー(24)の前進速度が低下して、前記ブランク積重体(102,103)が基台(1,2)からゆっくりと送り出されることを特徴とするシート積重体のスプリッタ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のシート積重体のスプリッタにおいて、前記プッシャー(24)により押された前記ブランク積重体(102,103)が、前記基台(1,2)の排出端側に位置する下流工程への送り機構により搬送され始め、前記プッシャー(24)の押出力が前記ブランク積重体(102,103)に作用しなくなったことが離反センサ(26)により検出されると、
前記プッシャー(24)がストロークの終端位置に達することなく、後退して始端位置に戻ることを特徴とするシート積重体のスプリッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボールのシート積重体を切目線に沿ってブランク積重体に分割するスプリッタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール製品の製造に際しては、材料の有効利用等のため、材料の段ボールシートを打ち抜いて、複数のブランクが繋部を有する切目線を介して連なった状態とし、このシートを多数枚積み重ねたシート積重体を切目線に沿ってブランク積重体に分割し、製品のブランクを得る工程が採用されることがある。
【0003】
このような製造工程でシート積重体をブランク積重体に分割するスプリッタとして、本出願人は、下記特許文献1に記載されたものを提案している。
【0004】
このスプリッタは、図10に示すように、シート積重体100を、隣り合う基台コンベヤ51,52の上面に供給し、シート積重体100の切目線101を挟んだ両側部分をそれぞれ押圧板3,4により上方から押さえつつ、一方の基台コンベヤ51を揺動シリンダ11により揺動させると共に、ローラー14が斜路15を昇るようにし、シート積重体100を切目線101に沿ってブランク積重体102,103に分割した後、基台コンベヤ51,52から送り出すものである。
【0005】
このスプリッタでは、一方の押圧板3が固定フレーム10側に昇降シリンダ16を介して吊下支持され、昇降シリンダ16が固定フレーム10側及び押圧板3側にそれぞれ回動軸17,18を介して連結されている。そして、押圧板3が基台コンベヤ51とは独立して揺動し、基台コンベヤ51,52の側方からでもシート積重体100を供給できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-132075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1においては、シート積重体100の供給方向と、その分割後のブランク積重体102,103の排出方向とをスプリッタの内部で転換できる機構については、提示されていなかった。
【0008】
また、このスプリッタでは、シート積重体100を基台コンベヤ51,52のベルトに載せた状態で、押圧板3,4により上方から押さえるため、シート積重体100に凹んだプレス跡が残りやすいという問題があった。
【0009】
また、基台コンベヤ51,52の下流側が小さな曲率半径でカーブしたコンベヤとなっている場合、基台コンベヤ51,52の送りを速くすると、基台コンベヤ51,52から排出されたブランク積重体102,103がコンベヤから逸脱する恐れがあった。
【0010】
そこで、この発明は、工場内のライン配置の自由度を向上させる具体的手段を備え、プレス跡等の傷を残すことなく、シート積重体を効率よく分割できるスプリッタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するため、この発明は、シート積重体が隣り合う基台の上面に供給され、前記シート積重体の切目線を挟んだ両側部分をそれぞれ押圧板により上方から押さえた状態で、前記一方の基台を他方の基台から離れた外端部が上下するように揺動させ、前記シート積重体を切目線に沿ってブランク積重体に分割し、前記ブランク積重体を前記基台から送り出すシート積重体のスプリッタにおいて、
前記基台への前記シート積重体の供給方向と、前記基台からの前記ブランク積重体の排出方向とが交差し、
前記基台は、前記シート積重体の供給方向へ延びるスロットを備えたテーブルと、前記スロットの長さ方向に搬送方向が向いたベルトコンベヤとを備え、前記ベルトコンベヤの昇降に伴い、そのベルトのキャリヤ側が前記スロットから上方へ突出又は下方へ没入する構造とされ、
前記基台の上方には、前記シート積重体の排出方向に対して進退するプッシャーが設けられており、
前記基台のベルトコンベヤが上昇した状態で、前記スロットから上方へ突出した前記ベルトのキャリヤ側に前記シート積重体が載せられて、前記ベルトの送りにより前記テーブルの上方に前記シート積重体が供給され、
前記ベルトコンベヤが下降し、前記テーブルの上面に前記シート積重体が載置された状態で、前記押圧板により前記シート積重体が押圧され、
前記シート積重体が切目線に沿ってブランク積重体に分割された後、前記押圧板による前記シート積重体の押圧が解除され、
前記プッシャーが前進し、前記ブランク積重体が前記プッシャーにより押されて排出されるものとしたのである。
【0012】
また、前記基台に対し、前記シート積重体を押さえる昇降シリンダが連結された前記押圧板の押圧中心線の下方には、前記スロットが位置せず、前記テーブルの上面が存在しているものとしたのである。
【0013】
また、前記シート積重体が切目線に沿ってブランク積重体に分割された後、
前記基台のベルトコンベヤが一旦上昇して僅かに駆動され、前記ブランク積重体同士が引き離されて、前記ベルトコンベヤが再度下降し、
その後、前記ブランク積重体が前記プッシャーにより押されて排出されるものとしたのである。
【0014】
さらに、前記ブランク積重体が前記プッシャーにより押されて、前記基台の排出側端部に達したことが排出センサにより検出されると、
前記プッシャーの前進速度が低下して、前記ブランク積重体が基台からゆっくりと送り出されるものとしたのである。
【0015】
また、前記プッシャーにより押された前記ブランク積重体が、前記基台の排出端側に位置する下流工程への送り機構により搬送され始め、前記プッシャーの押出力が前記ブランク積重体に作用しなくなったことが離反センサにより検出されると、
前記プッシャーがストロークの終端位置に達することなく、後退して始端位置に戻るものとしたのである。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るシート積重体のスプリッタでは、シート積重体の供給用のベルトコンベヤの搬送方向と、分割後のブランク積重体の排出用のプッシャーの進退方向とが交差しているので、供給側と排出側のシート積重体の搬送方向が転換され、工場内のライン配置の自由度を向上させることができ、様々なレイアウトの工場に対応できる。
【0017】
また、シート積重体をベルトコンベヤのベルト上ではなく、テーブル上で押圧板により押さえるので、ブランク積重体にプレス跡が残りにくい。
【0018】
また、シート積重体をブランク積重体に分割した後に、一方の基台のベルトコンベヤを僅かに逆転駆動して、ブランク積重体同士を引き離すので、ブランク積重体同士の接触により、ブランクの端部のフラップ部分等に傷が付くことがない。
【0019】
そして、ブランク積重体が基台の排出側端部に達したとき、プッシャーの前進速度が下流工程への送り機構の搬送速度よりも遅くなるように低下させると、ブランク積重体が下流工程への送り機構により基台からゆっくりと送り出されるので、基台の下流側のコンベヤが小さな曲率半径でカーブしていても、ブランク積重体の逸脱が防止される。
【0020】
また、ブランク積重体が下流工程への送り機構により搬送され始めたとき、プッシャーがストロークの終端位置に達することなく、後退して始端位置に戻るので、サイクルタイムを短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施形態に係るシート積重体のスプリッタの全体俯瞰斜視図
図2】同上のシート積重体の供給状態を示す図1のI-I断面概略図
図3】同上のシート積重体の押圧状態を示す図1のI-I断面概略図
図4】同上のシート積重体の分割動作を示す図1のI-I断面概略図
図5】同上のブランク積重体同士の引離動作を示す図1のI-I断面概略図
図6】同上のブランク積重体の排出準備状態を示す図1のII-II断面概略図
図7】同上のブランク積重体の排出第1段階を示す図1のII-II断面概略図
図8】同上のブランク積重体の排出第2段階を示す図1のII-II断面概略図
図9】同上のプッシャーの復帰動作を示す図1のII-II断面概略図
図10】特許文献1に記載のスプリッタの分割動作を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
このスプリッタは、図1に示すように、並行して隣り合う基台1,2の上面にシート積重体100が供給され、シート積重体100の切目線101を挟んだ両側部分をそれぞれ押圧板3,4により上方から押さえた状態で、一方の基台1を他方の基台2から離れた外端部が上下するように揺動させ、シート積重体100を切目線101に沿ってブランク積重体102,103に分割するものである。
【0024】
シート積重体100は、段ボールシートをダイカッタで打ち抜いて、2個の段ボール箱のブランク105が繋部を有する切目線101を介して連なったシート104を形成し、このシート104を多数枚積み重ねたものである。そして、このスプリッタによりシート積重体100をブランク積重体102,103に分割すると、段ボール箱ごとに切り離されたブランク105を得ることができる。
【0025】
このスプリッタにおいて、基台1,2及び押圧板3,4は、箱枠状の固定フレーム10の内部に備えられている。
【0026】
スプリッタの上流側には、シート積重体100を供給するローラーコンベヤ31が設けられ、スプリッタの下流側には、ブランク積重体102,103を下流工程へ搬送するローラーコンベヤ32が設けられている。スプリッタの上流側からの基台1,2へのシート積重体100の供給方向と、基台1,2からのブランク積重体102,103の下流側への排出方向とは、90°交差している。
【0027】
基台1,2の排出端とローラーコンベヤ32の間には、ブランク積重体102,103の送り機構としてモーターローラー5が設けられている。
【0028】
一方の基台1の下方には、エアシリンダである揺動シリンダ11が設けられている。揺動シリンダ11は、図2に示すように、上方へかけて外側へ傾き、所定角度で固定フレーム10の下梁に固定され、上端部が基台1のフレームの外端部に連結軸12を介して回動可能に連結されている。また、揺動シリンダ11と平行に同様の取付態様で複数本のリニアガイド13が配置されている。
【0029】
また、一方の基台1の他方の基台側に位置する内端部には、下側にローラー14が回動自在に設けられ、その下方において固定フレーム10の下梁から立ち上がる支柱上には、内側から外側へかけて高くなる斜路15が設けられている。
【0030】
そして、図3及び図4に示すように、揺動シリンダ11を伸縮駆動すると、基台1の外端部が円弧状の軌跡を描くように昇降すると共に、ローラー14が斜路15に沿って転動し、基台1は、固定フレーム10より上方に位置する仮想的な回動軸を中心として、水平状態と上方への傾斜状態との間で揺動する。
【0031】
これに対して、他方の基台2は、幅方向の両端部が共に固定フレーム10に固定されており、揺動することがない。
【0032】
一方、図2及び図3に示すように、押圧板3,4は、固定フレーム10の上梁にエアシリンダである昇降シリンダ16を介して吊下支持されている。
【0033】
昇降シリンダ16の上部は、図3及び図4に示すように、固定フレーム10の上梁に回動軸17を介して揺動可能に連結され、押圧板3,4は、昇降シリンダ16の下部に回動軸18を介して揺動可能に連結されている。
【0034】
これにより、押圧板3は、基台1の揺動とは独立して、シート積重体100に当接した状態で受動的に揺動する。なお、シート積重体100の分割動作において実際に揺動するのは、一方の押圧板3のみである。
【0035】
また、図1に示すように、昇降シリンダ16と平行に同様の取付態様で複数本のリニアガイド19が配置され、リニアガイド19は、昇降シリンダ16と同様に揺動する。そして、押圧板3,4は、昇降シリンダ16の伸縮駆動により、シート積重体100の高さに対応して昇降するようになっている。
【0036】
さらに、基台1,2は、図2及び図6に示すように、シート積重体100の供給方向へ延びる複数本の平行なスロット21aを備えたテーブル21と、スロット21aの長さ方向に搬送方向が向けられたベルトコンベヤ22とを備えている。
【0037】
テーブル21の上面は、シート積重体100との摩擦を極力小さくするため、平滑に仕上げられている。
【0038】
ベルトコンベヤ22は、ストロークの短い昇降シリンダ23の動作により昇降し、テーブル21に対する昇降に伴い、細い紐状のベルト22aのキャリヤ側がスロット21aから上方へ突出又は下方へ没入する構造とされている。
【0039】
ベルト22aを回転駆動するドライブプーリ22bは、基台1,2に対しシート積重体100を押さえる昇降シリンダ16が連結された押圧板3,4の押圧中心線の下方に位置し、この部分にはスロット21aが位置せず、テーブル21の上面が存在するように、スロット21aは長さ方向に分割されている。
【0040】
基台1,2の上方には、図6に示すように、シート積重体100の排出方向に対して進退するプッシャー24が設けられている。プッシャー24は、水平方向に駆動され、ガイドウェイ24a及びガイドロッド24bに沿って移動する。
【0041】
基台1,2の排出側端部に臨む部分には、モーターローラー5の外側上方に位置するように排出センサ25が設けられている。排出センサ25は、プッシャー24に押されて搬送されるブランク積重体102,103を検出するものである。
【0042】
プッシャー24には、離反センサ26が設けられている。離反センサ26は、ブランク積重体102,103がモーターローラー5により搬送され始めて、プッシャー24から離れたことを検出するものである。
【0043】
固定フレーム10の一側上部には、スプリッタの動作を設定するための操作パネル27が設けられている。また、固定フレーム10の一側面には、下部にヒンジを有する開閉式のドア28が設けられており、ドア28は、開放状態で水平に保持され、その上面でブランク105の検品等ができるようになっている。
【0044】
このようなスプリッタを用いてシート積重体100を分割する際には、図2に示すように、基台1,2が水平となり、テーブル21に対してベルトコンベヤ22が上昇し、押圧板3,4が上昇した状態で、ローラーコンベヤ31からベルトコンベヤ22のベルト22aにシート積重体100を載せて送り込む。
【0045】
これに伴い、シート積重体100は、ベルトコンベヤ22で搬送されて、切目線101を挟んだ両側部分がそれぞれ基台1,2の上面に移載される。この状態では、シート積重体100がテーブル21の上面から僅かに浮き上がるように離れている。
【0046】
次に、図3に示すように、テーブル21に対してベルトコンベヤ22が下降し、テーブル21の上面にシート積重体100が載置された状態で、昇降シリンダ16が伸長して、押圧板3,4が下降し、シート積重体100が基台1,2に対して動かないように上方から押さえ付けられる。
【0047】
そして、図4に示すように、揺動シリンダ11が伸長して、基台1の外端部が斜め外側上方へ押され、円弧状の軌跡を描くように上昇し、ローラー14が斜路15を昇り、基台1が上方への傾斜状態へ揺動する。このとき、昇降シリンダ16がシート積重体100を介し基台1に押し上げられて若干縮む。
【0048】
このような動作により、シート積重体100は、切目線101を軸として、基台1に載置された部分が基台2に載置された部分に対し上方へ折り曲げられると共に、切目線101の両側部分が引き離され、切目線101の繋部が破断するので、切目線101に沿ってブランク積重体102,103に分割される。
【0049】
その後、図5に示すように、昇降シリンダ16の収縮に伴い、押圧板3,4が上昇しつつ、一方の基台2のベルトコンベヤ22が上昇し、ベルトコンベヤ22が僅かに逆転駆動して、ブランク積重体102,103同士が引き離される。
【0050】
なお、ブランク積重体102,103同士の引き離しに際しては、基台1のベルトコンベヤ22を正転駆動してもよいが、傾動することなく水平に固定されている基台2のベルトコンベヤ22を逆転駆動したほうが、ブランク積重体102,103が安定し、その積重状態が崩れたりすることがない。
【0051】
このようにシート積重体100が分割された後、図6に示すように、基台2のベルトコンベヤ22が再度下降し、押圧板3,4が完全に上昇して、ブランク積重体102,103の排出準備が完了する。
【0052】
この状態から、図7に示すように、プッシャー24が前進し、ブランク積重体102,103がプッシャー24により排出方向へ高速で押される。これに伴い、ブランク積重体102,103は、滑らかなテーブル21の上面に沿って摺動し、基台1,2の排出端方向へ迅速に移動する。
【0053】
そして、図8に示すように、基台1,2の排出側端部に達したことが排出センサ25により検出されると、所定のタイミングでプッシャー24の前進速度が低下して、ブランク積重体102,103が基台1,2からゆっくりと送り出される。
【0054】
その後、図9に示すように、ブランク積重体102,103がモーターローラー5により搬送され始め、プッシャー24の押出力がブランク積重体102,103に作用しなくなったことが離反センサ26により検出されると、プッシャー24がストロークの終端位置に達することなく、後退して始端位置に戻る。
【0055】
上記のようなシート積重体のスプリッタでは、シート積重体100の供給用のベルトコンベヤ22の搬送方向と、分割後のブランク積重体102,103の排出用のプッシャー24の進退方向とが交差しているので、供給側と排出側のシート積重体100の搬送方向が転換され、工場内のライン配置の自由度を向上させることができ、様々なレイアウトの工場に対応できる。
【0056】
また、シート積重体100をベルトコンベヤ22のベルトの上面ではなく、テーブル21の上面で押圧板3,4により押さえることとなり、最も強く押圧力が作用する昇降シリンダ16の下方にスロット21aがないので、ブランク積重体102,103にプレス跡が残りにくい。
【0057】
また、シート積重体100をブランク積重体102,103に分割した後に、一方の基台2のベルトコンベヤ22を僅かに逆転駆動して、ブランク積重体102,103同士を引き離すので、ブランク積重体102,103同士の接触により、ブランクの端部のフラップ部分等に傷が付くことがない。
【0058】
そして、ブランク積重体102,103が基台1,2の排出側端部に達したとき、プッシャー24の前進速度がモーターローラー5の搬送速度よりも遅くなるように低下して、ブランク積重体102,103がモーターローラー5により基台1,2からゆっくりと送り出されるので、基台1,2の下流側のローラーコンベヤ32が小さな曲率半径でカーブしていても、ブランク積重体102,103のローラーコンベヤ32からの逸脱が防止され、工場内のライン配置をコンパクトに纏めることができる。
【0059】
また、ブランク積重体102,103が基台1,2の下流側のモーターローラー5により搬送され始めたとき、プッシャー24がストロークの終端位置に達することなく、後退して始端位置に戻るので、サイクルタイムを短縮することができ、生産性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0060】
1,2 基台
3,4 押圧板
5 モーターローラー
10 固定フレーム
11 揺動シリンダ
12 連結軸
13 リニアガイド
14 ローラー
15 斜路
16 昇降シリンダ
17,18 回動軸
19 リニアガイド
21 テーブル
21a スロット
22 ベルトコンベヤ
22a ベルト
22b ドライブプーリ
23 昇降シリンダ
24 プッシャー
24a ガイドウェイ
24b ガイドロッド
25 排出センサ
26 離反センサ
27 操作パネル
28 ドア
31,32 ローラーコンベヤ
100 シート積重体
101 切目線
102,103 ブランク積重体
104 シート
105 ブランク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10