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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】圧縮装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20220111BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20220111BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F04B39/00 105
F04B41/00 Z
F04B39/00 106Z
F16K27/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018108771
(22)【出願日】2018-06-06
(65)【公開番号】P2019210887
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】橋本 宏一郎
(72)【発明者】
【氏名】兼井 直史
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 拓也
(72)【発明者】
【氏名】和田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】森 亮輔
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-101669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0000337(US,A1)
【文献】特開2015-160196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04B 41/00
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮装置であって、
それぞれがガスを圧縮する複数の圧縮部と、
前記複数の圧縮部のうち最も低段側に位置する圧縮部に前記ガスを供給するための吸込ラインと、
各圧縮部同士を連結する複数の連結ラインと、
前記複数の圧縮部のうち最も高段側に位置する圧縮部から吐出されたガスを流すための吐出ラインと、
圧力の値を表示する表示部を有し、前記吸込ライン、前記複数の連結ライン及び前記吐出ラインのうちの少なくとも1つのラインである圧力検出対象ラインの圧力を検出するための圧力計と、
圧力の値を表示する表示部を有し、前記吸込ライン、前記複数の連結ライン及び前記吐出ラインのうちの他の圧力検出対象ラインの圧力を検出するための第2の圧力計と、
前記圧力検出対象ラインから分岐した配管に設けられたマニホールドと、
前記他の圧力検出対象ラインから分岐した配管に設けられた第2のマニホールドと、
圧力を検出するとともに検出圧力を制御装置に伝送する圧力伝送器と、
圧力を検出するとともに検出圧力を制御装置に伝送する第2の圧力伝送器と、
前記複数の圧縮部と前記圧力計と前記第2の圧力計と前記マニホールドと前記第2のマニホールドと前記圧力伝送器と前記第2の圧力伝送器とを収容する筐体と、を備え、
前記マニホールドは、前記圧力検出対象ラインが接続される入口ポートと、前記圧力計が接続される圧力計接続ポートと、前記入口ポートに連通するとともに前記圧力伝送器が接続される圧力伝送器接続ポートと、を含み、
前記第2のマニホールドは、前記他の圧力検出対象ラインが接続される入口ポートと、前記第2の圧力計が接続される圧力計接続ポートと、前記入口ポートに連通するとともに前記第2の圧力伝送器が接続される圧力伝送器接続ポートと、を含み、
前記筐体は、
少なくとも前記複数の圧縮部と前記圧力計との周囲に配置される周壁と、
前記周壁に形成された開口部を開閉可能な扉と、を有し、
前記圧力計は、前記表示部が前記扉に対向する位置に配置され
前記圧力伝送器及び前記第2の圧力伝送器が前記扉に対向する位置になるように、前記マニホールド及び前記第2のマニホールドを支持する支持部材が設けられている、圧縮装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮装置において、
記圧力計と前記第2の圧力計とをまとめて保持する保持部材をさらに備えている、圧縮装置。
【請求項3】
請求項2に記載の圧縮装置において、
前記保持部材は、前記圧力計の前記表示部及び前記第2の圧力計の前記表示部が前記扉側を向く姿勢で前記圧力計及び前記第2の圧力計をまとめて保持し、
前記扉は、前記筐体の外部からの前記圧力計の前記表示部及び前記第2の圧力計の前記表示部の視認を可能とする視認部を有している、圧縮装置。
【請求項4】
請求項1に記載の圧縮装置において、
前記吸込ライン、前記連結ライン及び前記吐出ラインのうち前記圧力計が設けられたラインに設けられた安全弁をさらに備え、
前記安全弁は、前記扉に対向する位置に配置されている、圧縮装置。
【請求項5】
請求項に記載の圧縮装置において、
記マニホールドは、
記入口ポートから流入したガスの流出を許容するとともに前記安全弁が設けられている配管に接続されることが可能な出口ポートを含み、
前記マニホールドは、前記扉に対向する位置に配置されている、圧縮装置。
【請求項6】
請求項に記載の圧縮装置において、
前記マニホールドは、前記入口ポート及び前記出口ポートと連通しておりガスを供給するための供給ポートをさらに有する、圧縮装置。
【請求項7】
請求項又はに記載の圧縮装置において、
前記第2の圧力計及び前記第2のマニホールドがそれぞれ複数設けられ、
前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計が直線状に並ぶように前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計をまとめて保持する保持部材を備え
前記支持部材は、前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計が並ぶ方向と平行に前記マニホールド及び前記複数の第2のマニホールドが並ぶように前記マニホールド及び前記複数の第2のマニホールドを支持する、圧縮装置。
【請求項8】
請求項1に記載の圧縮装置において、
記圧力計を保持する保持部材と、
前記保持部材とは別個に構成され、前記第2の圧力計を保持する第2の保持部材と、をさらに備え、
前記筐体は、前記扉と別個に形成され、前記周壁に形成された開口部を開閉可能な第2の扉を有しており、
前記扉は、前記筐体の外部からの視認を可能とする視認部を有し、
前記第2の扉は、前記筐体の外部からの視認を可能とする第2の視認部を有し、
前記保持部材は、前記扉の前記視認部を通して前記圧力計の前記表示部を視認できる位置に前記圧力計を保持し、
前記第2の保持部材は、前記第2の視認部を通して前記第2の圧力計の前記表示部を視認できる位置に前記第2の圧力計を保持している、圧縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを圧縮する圧縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多段圧縮式の圧縮装置が知られている。例えば、特許文献1には、ガスを圧縮する第1圧縮部と、第1圧縮部から吐出されたガスをさらに圧縮する第2圧縮部と、第1圧縮部から吐出されたガスを冷却する第1冷却部と、第2圧縮部から吐出されたガスを冷却する第2冷却部と、各圧縮部と各冷却部とをつなぐ連絡路と、を備える圧縮装置が開示されている。この圧縮装置は、連絡路から分岐した連絡路分岐部を備えており、この連絡路分岐部の端部に圧力計や安全弁が取り付けられている。
【0003】
また、特許文献2~4には、圧縮機及びそれを収容する筐体を備える圧縮装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-214928号公報
【文献】特開2015-232384号公報
【文献】特開2011-132876号公報
【文献】特開2017-137926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される圧縮装置が筐体に収容される場合、圧力計や安全弁等の計器は、筐体内に配置されることになる。このため、作業者による計器の保守ないし点検作業が困難となる。
【0006】
本発明の目的は、筐体内に配置された計器の保守ないし点検が容易な圧縮装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、圧縮装置であって、それぞれがガスを圧縮する複数の圧縮部と、前記複数の圧縮部のうち最も低段側に位置する圧縮部に前記ガスを供給するための吸込ラインと、各圧縮部同士を連結する複数の連結ラインと、前記複数の圧縮部のうち最も高段側に位置する圧縮部から吐出されたガスを流すための吐出ラインと、圧力の値を表示する表示部を有し、前記吸込ライン、前記複数の連結ライン及び前記吐出ラインうちの少なくとも1つのラインである圧力検出対象ラインの圧力を検出するための圧力計と、圧力の値を表示する表示部を有し、前記吸込ライン、前記複数の連結ライン及び前記吐出ラインのうちの他の圧力検出対象ラインの圧力を検出するための第2の圧力計と、前記圧力検出対象ラインから分岐した配管に設けられたマニホールドと、前記他の圧力検出対象ラインから分岐した配管に設けられた第2のマニホールドと、圧力を検出するとともに検出圧力を制御装置に伝送する圧力伝送器と、圧力を検出するとともに検出圧力を制御装置に伝送する第2の圧力伝送器と、前記複数の圧縮部と前記圧力計と前記第2の圧力計と前記マニホールドと前記第2のマニホールドと前記圧力伝送器と前記第2の圧力伝送器とを収容する筐体と、を備える。前記マニホールドは、前記圧力検出対象ラインが接続される入口ポートと、前記圧力計が接続される圧力計接続ポートと、前記入口ポートに連通するとともに前記圧力伝送器が接続される圧力伝送器接続ポートと、を含む。前記第2のマニホールドは、前記他の圧力検出対象ラインが接続される入口ポートと、前記第2の圧力計が接続される圧力計接続ポートと、前記入口ポートに連通するとともに前記第2の圧力伝送器が接続される圧力伝送器接続ポートと、を含む。前記筐体は、少なくとも前記複数の圧縮部と前記圧力計との周囲に配置される周壁と、前記周壁に形成された開口部を開閉可能な扉と、を有する。前記圧力計は、前記表示部が前記扉に対向する位置に配置されている。前記圧力伝送器及び前記第2の圧力伝送器が前記扉に対向する位置になるように、前記マニホールド及び前記第2のマニホールドを支持する支持部材が設けられている。
【0008】
本発明に係る圧縮装置では、表示部が筐体内のうち扉と対向する位置に圧力計が配置されている。このため、作業者は、周壁に対して扉を開けることによって圧力計の確認や保守等の作業を容易に行うことが可能となる。
また、圧力伝送器及び第2の圧力伝送器から伝送された圧力の値を制御装置等で適宜処理することができ、かつ、圧力伝送器及び第2の圧力伝送器が扉に対向する位置に配置されるため、当該圧力伝送器及び第2の圧力伝送器の保守ないし点検が容易になる。
また、マニホールド及び第2のマニホールドに圧力計及び圧力伝送器が接続されるため、配管に圧力計及び圧力伝送器が接続される場合に比べ、継手の数が削減される。
【0009】
前記圧縮装置は、前記圧力計と前記第2の圧力計とをまとめて保持する保持部材をさらに備えていてもよい。
【0010】
この態様では、複数の圧力計がまとめて配置されるので、これら圧力計の確認や保守等がさらに容易となる。
【0011】
前記圧縮装置において、前記保持部材は、前記圧力計の前記表示部及び前記第2の圧力計の前記表示部が前記扉側を向く姿勢で前記圧力計及び前記第2の圧力計をまとめて保持してもよい。この場合、前記扉は、前記筐体の外部からの前記圧力計の前記表示部及び前記第2の圧力計の前記表示部の視認を可能とする視認部を有していてもよい。
【0012】
この態様では、作業者は、扉を開けずに筐体の外から各圧力計の表示部を確認することが可能となる。
【0013】
前記圧縮装置は、前記吸込ライン、前記連結ライン及び前記吐出ラインのうち前記圧力計が設けられたラインに設けられた安全弁をさらに備えていてもよい。この場合、前記安全弁は、前記扉に対向する位置に配置されていてもよい。
【0014】
この態様では、作業者は、周壁に対して扉を開けることによって、容易に安全弁の保守ないし点検を行うことが可能となる。
【0017】
記マニホールドは、前記入口ポートから流入したガスの流出を許容するとともに前記安全弁が設けられている配管に接続されることが可能な出口ポートを含んでもよい。この場合、前記マニホールドは、前記扉に対向する位置に配置されていてもよい。
【0018】
この態様では、配管に安弁が接続される場合に比べ、継手の数が削減される。しかもマニホールドの保守ないし点検も容易となる。
【0019】
前記圧縮装置において、前記マニホールドは、前記入口ポート及び前記出口ポートと連通しておりガスを供給するための供給ポートをさらに有してもよい。
【0020】
この態様では、各圧縮部の吸込口と吐出口とを遮断した状態で供給ポートからマニホールド内にガスを供給することによって、マニホールドが設けられているラインからのガスの漏れの検査を行うことが可能となる。よって、配管に検査用のポートが設けられる場合に比べ、構造が簡素化される。
【0021】
前記圧縮装置は、前記第2の圧力計及び前記第2のマニホールドがそれぞれ複数設けられ、前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計が直線状に並ぶように前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計をまとめて保持する保持部材を備えてもよい。この場合、前記支持部材は、前記圧力計及び前記複数の第2の圧力計が並ぶ方向と平行に前記マニホールド及び前記複数の第2のマニホールドが並ぶように前記マニホールド及び前記複数の第2のマニホールドを支持してもよい。
【0022】
この態様では、複数の圧力計及び複数のマニホールドがそれぞれ直線状に並ぶようにまとめて配置されるので、これら圧力計及びマニホールドの確認や保守等が容易となる。
【0023】
前記圧縮装置は、前記圧力計を保持する保持部材と、前記保持部材とは別個に構成され、前記第2の圧力計を保持する第2の保持部材と、をさらに備えてもよい。この場合、前記筐体は、前記扉と別個に形成され、前記周壁に形成された開口部を開閉可能な第2の扉を有してもよい。前記扉は、前記筐体の外部からの視認を可能とする視認部を有してもよい。前記第2の扉は、前記筐体の外部からの視認を可能とする第2の視認部を有してもよい。前記保持部材は、前記扉の前記視認部を通して前記圧力計の前記表示部を視認できる位置に前記圧力計を保持してもよい。前記第2の保持部材は、前記第2の視認部を通して前記第2の圧力計の前記表示部を視認できる位置に前記第2の圧力計を保持していてもよい。
【0024】
この態様では、作業者は、扉を開けずに筐体の外から圧力計の表示部を確認することが可能であるとともに、第2の扉を開けずに筐体の外から第2の圧力計の表示部を確認することが可能である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、筐体内に配置された計器の保守ないし点検が容易な圧縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態に係る圧縮装置の構成の概略を示す図である。
図2図1に示す圧縮装置の斜視図である。
図3図2に示す圧縮装置の視認部の正面図である。
図4】各圧力計や各マニホールド等の周辺の概略を示す正面図である。
図5図4に示す図の側面図である。
図6】その他の実施形態に係る圧縮装置の斜視図である。
図7】その他の実施形態に係る圧縮装置における圧力計及びマニホールド等の配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一実施形態の圧縮装置について、図1図5を参照しながら説明する。図1に示されるように本圧縮装置1は、複数の圧縮部11~15と、吸込ラインLsと、複数の連結ラインLcと、吐出ラインLdと、複数のマニホールド31~36と、複数の圧力計PG1~PG6と、複数の安全弁SV1~SV5と、複数の圧力伝送器PT1~PT6と、筐体40(図2を参照)と、を備えている。
【0028】
各圧縮部11~15は、ガス(例えば水素ガス)を圧縮する。本実施形態では、複数の圧縮部11~15は、ガスを圧縮する第1圧縮部11と、第1圧縮部11から吐出されたガスをさらに圧縮する第2圧縮部12と、第2圧縮部12から吐出されたガスをさらに圧縮する第3圧縮部13と、第3圧縮部13から吐出されたガスをさらに圧縮する第4圧縮部14と、第4圧縮部14から吐出されたガスをさらに圧縮する第5圧縮部15と、を有している。ただし、圧縮部の数は、2以上であれば、5に限られない。各圧縮部11~15は、ガスを吸い込む吸込口(図示略)と、ガスを吐出する吐出口(図示略)と、を有している。各圧縮部11~15は、単一の圧縮機に設けられている。
【0029】
吸込ラインLsは、第1圧縮部11にガスを供給するためのラインである。吸込ラインLsの下流側の端部は、第1圧縮部11の吸込口に接続されている。
【0030】
各連結ラインLcは、各圧縮部11~15同士を連結する。より詳細には、各連結ラインLcは、特定の圧縮部の吐出口と当該特定の圧縮部の1つ高段側の圧縮部の吸込口とを連結する。
【0031】
吐出ラインLdは、第5圧縮部15から吐出されたガスを流すためラインである。吐出ラインの上流側の端部は、第5圧縮部15の吐出口に接続されている。
【0032】
各圧力計PG1~PG6は、吸込ラインLs、各連結ラインLc及び吐出ラインLdにそれぞれ設けられている。各圧力計PG1~PG6は、各ラインLs,Lc,Ldの圧力を検知するように構成されている。圧力計PG1~PG6は、検知された圧力の値を表示する表示部dを有している。
【0033】
各安全弁SV1~SV6は、吸込ラインLs、各連結ラインLc及び吐出ラインLdにそれぞれ設けられている。例えば、安全弁SV1は第1の安全弁として機能し、安全弁SV2,SV3はそれぞれ第2の安全弁として機能する。第1の安全弁及び第2の安全弁を含め、全ての安全弁SV1~SV6は何れも同じ構成を有している。なお、6つの安全弁SV1~SV6が設けられる構成に限られるものではない。圧縮部11~15の段数が変更された場合には、圧縮部の段数に応じて安全弁の数も変更することが可能である。安全弁は省略されていてもよい。
【0034】
各圧力伝送器PT1~PT6は、吸込ラインLs、各連結ラインLc及び吐出ラインLdにそれぞれ設けられている。例えば、圧力伝送器PT1は第1の圧力伝送器として機能し、圧力伝送器PT2,PT3はそれぞれ第2の圧力伝送器として機能する。第1の圧力伝送器及び第2の圧力伝送器を含め、全ての圧力伝送器PT1~PT6は何れも同じ構成を有している。なお、6つの圧力伝送器PT1~PT6が設けられる構成に限られるものではない。例えば、圧縮部11~15の段数が変更された場合には、圧縮部の段数に応じて圧力伝送器の数も変更することが可能である。圧力伝送器は省略されていてもよい。
【0035】
各圧力伝送器PT1~PT6は、各ラインLs,Lc,Ldの圧力の値を制御装置に伝送可能である。前記制御装置は、筐体40内に設けられてもよいし、筐体40の外部に設けられてもよい。また、前記制御装置への圧力の値を信号の伝送は、有線または無線のいずれで行われてもよい。
【0036】
各マニホールド31~36は、吸込ラインLs、各連結ラインLc及び吐出ラインLdにそれぞれ設けられている。具体的に、複数のマニホールド31~36は、吸込ラインLsから分岐した配管21に設けられたマニホールド31と、各連結ラインLcから分岐した配管22に設けられたマニホールド32~35と、吐出ラインLdから分岐した配管23に設けられたマニホールド36と、を有している。例えば、マニホールド31は第1のマニホールドとして機能し、マニホールド32,33はそれぞれ第2のマニホールドとして機能する。第1のマニホールド及び第2のマニホールドを含め、全てのマニホールド31~36は何れも同じ構成を有している。なお、6つのマニホールドが設けられる構成に限られるものではない。例えば、圧縮部11~15の段数が変更された場合には、圧縮部の段数に応じてマニホールドの数も変更することが可能である。マニホールドは省略されていてもよい。
【0037】
各マニホールド31~36は、入口ポート30aと、出口ポート30bと、圧力計接続ポート30cと、圧力伝送器接続ポート30dと、供給ポート30eと、を有している。
【0038】
入口ポート30aは、前記配管21~23に接続されることが可能でかつ当該配管21~23からのガスの流入を許容する。
【0039】
出口ポート30bは、入口ポート30aから流入したガスの流出を許容するとともに、各安全弁SV1~SV6の入り口側に接続されている配管24に接続されることが可能である。なお、各安全弁SV1~SV6の出口側は各安全弁SV1~SV6を通過したガスを回収する配管25に接続されている。
【0040】
圧力計接続ポート30cは、圧力計PG1~PG6の接続が可能であり、入口ポート30a及び出口ポート30bと連通している。各圧力計PG1~PG6は、この圧力計接続ポート30cに接続されている。
【0041】
圧力伝送器接続ポート30dは、圧力伝送器PT1~PT6の接続が可能であり、入口ポート30a及び出口ポート30bと連通している。各圧力伝送器PT1~PT6は、この圧力伝送器接続ポート30dに接続されている。
【0042】
供給ポート30eは、ガスを供給するためのポートであり、入口ポート30a及び出口ポート30bと連通している。具体的に、各圧縮部11~15の吸込口及び吐出口が遮断された状態で供給ポート30eからガスが供給されることにより、各ラインLs,Lc,Ld及び前記配管21~23からのガスの漏れを検査することが可能となる。なお、本圧縮装置1の運転時、この供給ポート30eには、当該供給ポート30eを閉塞するキャップ30E(図4を参照)が取り付けられている。
【0043】
筐体40は、前記圧縮機(第1圧縮部11~第5圧縮部15)、各圧力計PG1~PG6、各安全弁SV1~SV6、各圧力伝送器PT1~PT6、各マニホールド31~36等を収容する。筐体40は、周壁42と、扉44と、を有する。
【0044】
周壁42は、前記圧縮機(第1圧縮部11~第5圧縮部15)、各圧力計PG1~PG6、各安全弁SV1~SV6、各圧力伝送器PT1~PT6、各マニホールド31~36等の周囲に配置されている。周壁42の内側には、フレーム材を枠状に組んだ構成の枠体43が配置されている。周壁42は、この枠体43を構成するフレーム材に取り付けられ、この枠体43に支持されている。枠体43は、筐体40の各隅角部に配置されて筐体40の支柱を構成するフレーム材と、筐体40の長手方向の中間部に配置されて筐体40の支柱を構成するフレーム材と、支柱間に架け渡された梁を構成するフレーム材とを有する。
【0045】
周壁42は、開口部(図示略)を有している。扉44は、前記開口部を閉塞する形状を有するとともに、開口部を開閉可能となるように周壁42に取り付けられている。扉44は、周壁42の外部から筐体40内に配置された各圧力計PG1~PG6の表示部dの視認を可能とする視認部45を有している。本実施形態では、扉44は、観音開きになっている。ただし、扉44は、シャッター式や引き戸でもよい。
【0046】
本実施形態の圧縮装置1は、図3図5に示されるように、筐体40内に設けられた保持部材51及び支持部材52をさらに備えている。
【0047】
保持部材51は、各圧力計PG1~PG6が扉44と対向する位置に配置されるように当該圧力計PG1~PG6をまとめて保持する。保持部材51は、各表示部dが扉44側を向く姿勢で当該圧力計PG1~PG6を保持している。なお、「各表示部dが扉44側を向く姿勢」は、各表示部dと視認部45とが平行となる姿勢に限られるものではなく、各表示部dと視認部45とが平行となっている姿勢に対して±90度となる範囲で表示部dが傾いている姿勢であってもよい。保持部材51は、各圧力計PG1~PG6の表示部dを筐体40外から視認部45を通じて作業者が視認することが可能となる位置で各圧力計PG1~PG6を保持していればよい。本実施形態では、保持部材51は、各圧力計PG1~PG6が水平方向に直線状に並ぶようにこれら圧力計PG1~PG6を保持している。
【0048】
保持部材51は、一方向に長い平板状に形成されるとともに、視認部45と平行で且つ水平方向に延びる姿勢で配置されている。圧力計PG1~PG6は、保持部材51において視認部45に対向する面に取り付けられている。
【0049】
保持部材51の両端は、筐体40内に設けられた一対の支持部材55(図5を参照)に接続されている。具体的に、両支持部材55は、視認部45の延びる方向に互いに間隔をおいて配置されており、各支持部材55は、一方向に直線的に延びる部材によって構成されている。そして、各支持部材55は、視認部45の長手方向両側において、図5に示すように、視認部45が形成された扉44に向けて延びる姿勢で配置されている。両支持部材55は、枠体43を構成するフレーム材に直接的又は間接的に支持されている。各支持部材55における視認部45側の端部又は端部近郷に保持部材51の両端部が結合されている。なお、支持部材55は、各種機器の支持や作業者の足場等に利用される。
【0050】
両支持部材55には、それぞれ連結板54が接続されている。連結板54は、支持部材55から上方に延びている。連結板54には、支持部材52が接続されており、当該支持部材52は、保持部材51よりも上方に位置している。
【0051】
支持部材52は、各マニホールド31~36が扉44と対向する位置に配置されるように当該マニホールド31~36をまとめて支持している。ただし、各マニホールド31~36は、視認部45に対して位置ずれしているため、視認部45を通して、外部から各マニホールド31~36及び支持部材52を視認することはできない。なお、各マニホールド31~36も視認部45を通して、外部から視認できる位置に配置されていてもよい。
【0052】
支持部材52は、複数の圧力計PG1~PG6が並ぶ方向(本実施形態では水平方向)と平行に各マニホールド31~36が並ぶように当該マニホールド31~36を支持する。本実施形態では、各安全弁SV1~SV6及び各圧力伝送器PT1~PT6も支持部材52に支持されている。より詳細には、支持部材52は、各マニホールド31~36、各安全弁SV1~SV6及び各圧力伝送器PT1~PT6がそれぞれ扉44と対向する位置に配置され、かつ、水平方向に並ぶように当該各マニホールド31~36、各安全弁SV1~SV6及び各圧力伝送器PT1~PT6を支持している。
【0053】
以上に説明したように、本実施形態の圧縮装置1では、各圧力計PG1~PG6が筐体40内のうち扉44と対向する位置に配置されているので、作業者は、周壁42に対して扉44を開けることによって各圧力計PG1~PG6の確認や保守等の作業を容易に行うことが可能となる。
【0054】
また、上記圧縮装置1は、複数の圧力計PG1~PG6をまとめて保持する保持部材51を備えているので、つまり、各圧力計PG1~PG6がまとめて筐体40内に配置されるので、これら圧力計PG1~PG6の確認や保守等がさらに容易となる。
【0055】
さらに、保持部材51は、各圧力計PG1~PG6の表示部dが扉44側を向く姿勢で各圧力計PG1~PG6をまとめて保持しており、かつ、扉44は視認部45を有しているので、作業者は、扉44を開けずに筐体40の外から各圧力計PG1~PG6の表示部dを確認することができる。
【0056】
また、各安全弁SV1~SV6、各圧力伝送器PT1~PT6及び各マニホールド31~36は、扉44に対向する位置に配置されているので、作業者は、周壁42に対して扉44を開けることによって、容易に各安全弁SV1~SV6、各圧力伝送器PT1~PT6及び各マニホールド31~36の保守ないし点検を行うことが可能となる。
【0057】
また、各マニホールド31~36は、供給ポート30eを有しているので、各圧縮部11~15の吸込口と吐出口とが遮断された状態で当該供給ポート30eからガスが供給されることによって、各マニホールド31~36が設けられているラインLs,Lc,Ld及び配管21~23からのガスの漏れの検査を行うことが可能となる。よって、配管に検査用のポートが設けられる場合に比べ、構造が簡素化される。
【0058】
また、上記圧縮装置1は、複数の圧力計PG1~PG6が並ぶ方向と平行に各マニホールド31~36が並ぶようにこれらマニホールド31~36を支持する支持部材52を備えているので、各圧力計PG1~PG6に加えて各マニホールド31~36の確認や保守等も容易となる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
例えば、複数の圧力計PG1~PG6は、その少なくとも1つが扉44と対向する位置に配置されてもよい。
【0061】
また、視認部45は、省略されてもよい。
【0062】
また、各圧力計PG1~PG6は、扉44と対向する位置であれば、まとめて配置されていなくてもよい。
【0063】
図6は、一部の圧力計PG1~PG4と、残りの圧力計PG5、PG6とが互いに離れた位置に配置された例を示している。この構成では、扉44の視認部45は、一部の圧力計PG1~PG4を外部から視認可能とする一方で、他の圧力計PG5、PG6を視認可能としていない。他の圧力計(第2の圧力計)PG5、PG6は、視認部45とは別個に構成された第2の視認部452によって、筐体40の外部から視認可能となっている。
【0064】
周壁42には、扉44と、扉44とは別個に構成された第2の扉442とが含まれる。視認部45は、扉44に設けられ、第2の視認部452は、第2の扉442に設けられている。一部の圧力計PG1~PG4の表示部d1は、扉44を向く姿勢で配置され、残りの圧力計(第2の圧力計)PG5、PG6の表示部d2は、第2の扉442を向く姿勢で配置されている。
【0065】
保持部材51は、一部の圧力計PG1~PG4を保持するように構成されている。他の圧力計PG5、PG6は、図7に示すように、保持部材51とは別個に設けられた第2の保持部材512によって保持されている。第2の保持部材512の構成は、保持部材51の構成と同様である。すなわち、第2の保持部材512は、一方向に長い平板状に形成されるとともに、第2の視認部452と平行で且つ水平方向に延びる姿勢で配置されている。第2の保持部材512は、その両端部において、筐体40内に設けられた一対の第2の支持部材552に支持されている。この第2の支持部材552は、第2の視認部452が形成された第2の扉442に向けて延びる姿勢で配置されている。この第2の支持部材552は、枠体43を構成するフレーム材に直接的又は間接的に支持されている。各第2の支持部材552における第2の視認部452側の端部又は端部近郷に、第2の保持部材512の両端部が結合されている。
【0066】
第2の支持部材552のそれぞれに、連結板542が接続されている。連結板542は、第2の支持部材552から上方に延びている。連結板542には、第2の支持部材522が接続されており、当該第2の支持部材522は、第2の保持部材512よりも上方に位置している。
【0067】
第2の支持部材522は、マニホールド35,36が第2の扉442と対向する位置に配置されるように、当該マニホールド35,36を支持している。第2の支持部材522は、安全弁SV5,SV6及び圧力伝送器PT5,PT6も支持している。マニホールド35,36の並ぶ方向は、圧力計PG5,PG6が並ぶ方向と平行である。
【0068】
なお、図6の形態でも、マニホールド31~34、安全弁SV1~SV4、圧力伝送器PT1~PT4は、支持部材52に支持されている。
【0069】
図6に示す構成においても、圧力計PG1~PG6の確認や保守等の作業を容易に行うことが可能となる。
【0070】
また、複数の安全弁SV1~SV6は、その少なくとも1つが扉44と対向する位置に配置されてもよい。同様に、複数のマニホールド31~36は、その少なくとも1つが扉44と対向する位置に配置されてもよい。複数の圧力伝送器PT1~PT6は、その少なくとも1つが扉44と対向する位置に配置されてもよい。
【0071】
上記実施形態において、複数の圧縮部11~15と、当該圧縮部11~15を駆動する駆動部との間に動力伝達機構が設けられる場合、この動力伝達機構内に形成される空間内の圧力を取得するマニホールドが設けられてもよい。当該マニホールドには安全弁および圧力伝送器が接続される。ただし、当該マニホールドには必ずしも圧力計が設けられる必要はない。周壁42において、扉44が設けられる側面部分に当該マニホールドが設けられていてもよい。この場合、保守等の作業をより容易に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 圧縮装置
11 第1圧縮部
12 第2圧縮部
13 第3圧縮部
14 第4圧縮部
15 第5圧縮部
30a 入口ポート
30b 出口ポート
30c 圧力計接続ポート
30d 圧力伝送器接続ポート
30e 供給ポート
31~36 マニホールド
40 筐体
42 周壁
44 扉
45 視認部
51 保持部材
52 支持部材
442 第2の扉
452 第2の視認部
512 第2の保持部材
522 第2の支持部材
d 表示部
Ls 吸込ライン
Lc 連結ライン
Ld 吐出ライン
PG1~PG6 圧力計
PT1~PT6 圧力伝送器
SV1~SV6 安全弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7