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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/06 20060101AFI20220111BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B65H9/06
B65H3/52 330G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018166288
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020037478
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 祥悟
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-133640(JP,A)
【文献】特開2015-009949(JP,A)
【文献】特開平07-089643(JP,A)
【文献】特開2017-007797(JP,A)
【文献】特開2000-309449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、
第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと
第1遮断領域または第1開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1レバーと、
第2遮断領域または第2開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2レバーと、
第1機構と、
第2機構とを備え、
前記第1機構は、
前記第1レバーに固定される第1レバー側突き当て部と、
前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部とを有し、
前記第1レバーが前記第1遮断領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパ前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、
前記第1レバーが前記第1開放領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放
前記第2機構は、
前記第2レバーに固定される第2レバー側突き当て部と、
前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、
前記第2レバーが前記第2遮断領域に配置されているときに、前記第2レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパ前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記第2レバーが前記第2開放領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記第1遮断領域と前記第1開放領域との間の第1境界位置に前記第1レバーが配置されるときで、かつ、前記第2遮断領域と前記第2開放領域との間の第2境界位置に前記第2レバーが配置されるときに、前記第1レバーのうちの前記搬送路に交差する第1レバー部分と前記第2レバーのうちの前記搬送路に交差する第2レバー部分とは、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記第1レバー部分の前記搬送方向における位置と、前記第2レバー部分の前記搬送方向における位置とは、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しい
体搬送装置。
【請求項2】
前記第1レバーは、前記第1ストッパと前記第2レバーとの間に配置される
請求項に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、
第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、
遮断領域または開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持されるレバーと、 複数の媒体から前記媒体を分離する分離部と、
機構とを備え、
前記機構は、
前記レバーに固定されるレバー側突き当て部と、
前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部と、
前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、
前記レバーが前記遮断領域に配置されるときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記レバーが前記開放領域に配置されているときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記遮断領域と前記開放領域との間の境界位置に前記レバーが配置されるときに、前記レバーのうちの前記搬送路に交差するレバー部分は、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記レバー部分の前記搬送方向における位置は、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、
前記分離部は、前記第1ストッパと前記第2ストッパとより前記搬送方向の反対方向の側に配置される
体搬送装置。
【請求項4】
前記複数の媒体が載置される載置台をさらに備え、
前記媒体は、前記複数の媒体のうちの前記載置台に対向する側の反対側に配置される
請求項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、
第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、
遮断領域または開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持されるレバーと、
機構とを備え、
前記機構は、
前記レバーに固定されるレバー側突き当て部と、
前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部と、
前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、
前記レバーが前記遮断領域に配置されるときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記レバーが前記開放領域に配置されているときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記遮断領域と前記開放領域との間の境界位置に前記レバーが配置されるときに、前記レバーのうちの前記搬送路に交差するレバー部分は、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記レバー部分の前記搬送方向における位置は、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、
前記レバーは、レバー回転軸を中心に回転可能に前記搬送部に支持され、
前記レバー部分は、前記レバー回転軸より前記搬送方向の側に配置される
体搬送装置。
【請求項6】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、
第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、
遮断領域または開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持されるレバーと、
機構とを備え、
前記機構は、
前記レバーに固定されるレバー側突き当て部と、
前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部と、
前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、
前記レバーが前記遮断領域に配置されるときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記レバーが前記開放領域に配置されているときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記遮断領域と前記開放領域との間の境界位置に前記レバーが配置されるときに、前記レバーのうちの前記搬送路に交差するレバー部分は、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記レバー部分の前記搬送方向における位置は、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、
前記レバー部分のうちの前記搬送方向の反対方向の側のレバー端は、前記レバーが前記境界位置に配置されるときに、前記搬送方向に垂直である平面に沿う
体搬送装置。
【請求項7】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、
第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、
遮断領域または開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持されるレバーと、
機構とを備え、
前記機構は、
前記レバーに固定されるレバー側突き当て部と、
前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部と、
前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、
前記レバーが前記遮断領域に配置されるときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記レバーが前記開放領域に配置されているときに、前記レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放し、前記レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記遮断領域と前記開放領域との間の境界位置に前記レバーが配置されるときに、前記レバーのうちの前記搬送路に交差するレバー部分は、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記レバー部分の前記搬送方向における位置は、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、
前記搬送部は、う回路が形成され、
前記第1ストッパは、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置される場合で、前記媒体のうちの前記搬送方向の側の端に沿う直線が、前記第1ストッパ部分と前記レバー部分とを結ぶ線分に交差しないときに、前記媒体が前記搬送方向に搬送されないように、前記端に突き当たり、前記直線が前記線分に交差するときに、前記媒体がう回路を介して前記搬送方向に搬送されるように、前記媒体を前記う回路に案内する
体搬送装置。
【請求項8】
媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と
ストッパ回転軸を中心に回転可能に前記搬送部に支持され、第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、
第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、
遮断領域または開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持されるレバーと、
機構とを備え、
前記機構は、
前記レバーに固定される回転止め部を有し
前記レバーが前記遮断領域に配置されるときに、前記搬送部の一部と前記第1ストッパの一部との間に形成される第1隙間に前記回転止め部が入ることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記搬送部の他の一部と前記第2ストッパの一部との間に形成される第2隙間に前記回転止め部が入ることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、
前記レバーが前記開放領域に配置されるときに、前記回転止め部が前記第1隙間から外れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放し、前記回転止め部が前記第2隙間から外れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放し、
前記遮断領域と前記開放領域との間の境界位置に前記レバーが配置されるときに、前記レバーのうちの前記搬送路に交差するレバー部分は、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記レバー部分の前記搬送方向における位置は、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しい
体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送し、その搬送される媒体の画像を読み取る画像読取装置が知られている。搬送される媒体に印刷するプリンタにおいて、その媒体が斜行したときに、その斜行を矯正する機構が設けられているものが知られている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平04-49148号公報
【文献】特開平07-89643号公報
【文献】特開平09-86726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像読取装置は、プリンタと異なり、様々なサイズの媒体が搬送されることがある。このため、画像読取装置は、媒体の斜行を適切に矯正することが困難である場合がある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、媒体の斜行を適切に矯正する媒体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による媒体搬送装置は、媒体が搬送方向に搬送される搬送路が形成される搬送部と、第1遮断位置または第1開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1ストッパと、第2遮断位置または第2開放位置に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2ストッパと、第1遮断領域または第1開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第1レバーと、第2遮断領域または第2開放領域に配置されるように、移動可能に前記搬送部に支持される第2レバーと、第1機構と、第2機構とを備えている。前記第1機構は、前記第1レバーに固定される第1レバー側突き当て部と、前記第1ストッパに固定される第1ストッパ側突き当て部とを有し、前記第1レバーが前記第1遮断領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第1ストッパが前記第1遮断位置に配置された状態で、前記第1ストッパを固定し、前記第1レバーが前記第1開放領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第1ストッパが前記第1開放位置に配置されるように前記第1ストッパを解放する。前記第2機構は、前記第2レバーに固定される第2レバー側突き当て部と、前記第2ストッパに固定される第2ストッパ側突き当て部とを有し、前記第2レバーが前記第2遮断領域に配置されているときに、前記第2レバー側突き当て部が前記第2ストッパ側突き当て部に突き当たることにより、前記第2ストッパが前記第2遮断位置に配置された状態で、前記第2ストッパを固定し、前記第2レバーが前記第2開放領域に配置されているときに、前記第1レバー側突き当て部が前記第1ストッパ側突き当て部から離れることにより、前記第2ストッパが前記第2開放位置に配置されるように前記第2ストッパを解放する。前記第1遮断領域と前記第1開放領域との間の第1境界位置に前記第1レバーが配置されるときで、かつ、前記第2遮断領域と前記第2開放領域との間の第2境界位置に前記第2レバーが配置されるときに、前記第1レバーのうちの前記搬送路に交差する第1レバー部分と前記第2レバーのうちの前記搬送路に交差する第2レバー部分とは、前記第1遮断位置に前記第1ストッパが配置されるときに前記第1ストッパのうちの前記搬送路に交差する第1ストッパ部分と、前記第2遮断位置に前記第2ストッパが配置されるときに前記第2ストッパのうちの前記搬送路に交差する第2ストッパ部分との間に配置され、前記第1レバー部分の前記搬送方向における位置と、前記第2レバー部分の前記搬送方向における位置とは、前記第1ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しく、前記第2ストッパ部分の前記搬送方向における位置に等しい。
【発明の効果】
【0007】
開示の画像読取装置は、媒体の斜行を適切に矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の画像読取装置を示す側面断面図である。
図2図2は、分離部を示す断面図である。
図3図3は、可動側フレームが開放位置に配置されたときの媒体搬送装置を示す側面断面図である。
図4図4は、斜行矯正機構を示す断面図である。
図5図5は、斜行矯正機構を示す上面図である。
図6図6は、左側ストッパと左側レバーと左側連動機構とを示す斜視図である。
図7図7は、左側ストッパと左側レバーと左側連動機構とを示す側面図である。
図8図8は、左側レバーが左側境界位置に配置されているときの左側連動機構を示す側面図である。
図9図9は、左側レバーが左側レバー搬送路開放領域に配置され、左側ストッパが左側ストッパ搬送路開放位置に配置されているときの左側連動機構を示す斜視図である。
図10図10は、左側レバーが左側レバー搬送路開放領域に配置され、左側ストッパが左側ストッパ搬送路開放位置に配置されているときの左側連動機構を示す側面図である。
図11図11は、斜行矯正機構の左側ストッパに突き当たる媒体を示す平面図である。
図12図12は、斜行矯正機構の左側レバーと右側レバーとに突き当たる媒体を示す平面図である。
図13図13は、左側ストッパに突き当たることにより撓んだ媒体を示す平面図である。
図14図14は、左側ストッパに突き当たることにより撓んだ媒体を示す側面図である。
図15図15は、斜行矯正機構の左側ストッパと右側ストッパとに突き当たる媒体を示す平面図である。
図16図16は、幅が小さい媒体が搬送されるときの斜行矯正機構を示す平面図である。
図17図17は、幅が小さい媒体が搬送されるときの斜行矯正機構を示す他の平面図である。
図18図18は、実施例2の媒体搬送装置の斜行矯正機構を示す平面図である。
図19図19は、実施例2の媒体搬送装置の右側レバーと実施例1の媒体搬送装置の左側レバーとを示す平面図である。
図20図20は、幅が小さい媒体が搬送されるときの斜行矯正機構を示す平面図である。
図21図21は、幅が小さい媒体が搬送されるときの斜行矯正機構を示す他の平面図である。
図22図22は、実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構を示す斜視図である。
図23図23は、実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構を示す平面図である。
図24図24は、実施例4の媒体搬送装置の斜行矯正機構を示す斜視図である。
図25図25は、実施例5の媒体搬送装置の斜行矯正機構を示す平面図である。
図26図26は、実施例6の媒体搬送装置の左側連動機構を示す側面図である。
図27図27は、実施例7の媒体搬送装置の左側連動機構を示す側面図である。
図28図28は、実施例8の媒体搬送装置の左側連動機構を示す側面図である。
図29図29は、実施例8の媒体搬送装置のくさび状部材と左側ストッパとの接触部分を示す拡大図である。
図30図30は、実施例9の媒体搬送装置の左側ストッパを示す側面図である。
図31図31は、左側レバー44が左側境界位置に配置されたときの左側ストッパを示す側面図である。
図32図32は、左側ストッパ搬送路開放位置に配置された左側ストッパを示す側面図である。
図33図33は、実施例10の媒体搬送装置の左側レバーを示す側面図である。
図34図34は、左側境界位置に配置される左側レバーを示す側面図である。
図35図35は、左側レバー搬送路開放領域に配置される左側レバーを示す側面図である。
図36図36は、実施例11の媒体搬送装置の下側搬送ガイドを示す側面断面図である。
図37図37は、実施例11の媒体搬送装置の下側搬送ガイドを示す平面図である。
図38図38は、実施例12の媒体搬送装置の左側ストッパを示す断面図である。
図39図39は、実施例13の媒体搬送装置の分離部を示す側面図である。
図40図40は、実施例13の媒体搬送装置の分離部により斜行矯正機構に搬送される媒体を示す平面図である。
図41図41は、実施例1の媒体搬送装置の分離部により斜行矯正機構に搬送される媒体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる媒体搬送装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1の媒体搬送装置10を示す側面断面図である。媒体搬送装置10は、画像読取装置に設けられ、図1に示されているように、フレーム1を備えている。フレーム1は、固定側フレーム2と可動側フレーム3とを備えている。固定側フレーム2は、媒体搬送装置10が設置される設置面5に載置され、設置面5に固定される。設置面5は、水平面に沿うように形成されている。可動側フレーム3は、固定側フレーム2の上部に配置されている。可動側フレーム3は、閉鎖位置または開放位置に配置されるように、回転軸6を中心に回転可能に固定側フレーム2に支持されている。回転軸6は、設置面5が沿う平面に平行である。
【0011】
媒体搬送装置10は、可動側フレーム3が閉鎖位置に配置されているときに、分離口7と排紙口8と合流点12とが形成されている。分離口7は、媒体搬送装置10の後側に形成され、固定側フレーム2と可動側フレーム3との間に形成されている。排紙口8は、媒体搬送装置10のうちの分離口7が形成される後側の反対側の前側に形成され、固定側フレーム2と可動側フレーム3との間に形成されている。排紙口8は、分離口7が形成される位置より設置面5に近い下側の位置に形成されている。合流点12は、固定側フレーム2と可動側フレーム3との間に形成されている。合流点12は、設置面5から合流点12までの距離が設置面5から排紙口8までの距離と概ね等しくなるように、形成されている。
【0012】
媒体搬送装置10は、載置台14をさらに備えている。載置台14は、載置面15が形成されている。載置台14は、載置面15が斜め上方を向き、載置面15に沿う平面と設置面5に沿う平面とがなす角が55度に概ね等しくなるように、配置されている。載置台14は、さらに、載置面15に載置される媒体が重力により分離口7に向かって移動するように、分離口7の近傍に配置され、固定側フレーム2に固定されている。
【0013】
媒体搬送装置10は、可動側フレーム3が閉鎖位置に配置されているときに、媒体分離用搬送路16と媒体読取用搬送路17とがさらに形成されている。媒体分離用搬送路16は、固定側フレーム2と可動側フレーム3との間に形成されている。媒体分離用搬送路16は、一端が分離口7に接続され、他端が合流点12に接続されている。媒体分離用搬送路16は、合流点12に接続された他端が、分離口7に接続された一端より下側に配置されるように、設置面5が沿う平面に対して傾斜している。媒体読取用搬送路17は、固定側フレーム2と可動側フレーム3との間に形成されている。媒体読取用搬送路17は、一端が合流点12に接続され、他端が排紙口8に接続されている。媒体読取用搬送路17は、設置面5が沿う平面に平行である他の平面に沿うように形成されている。
【0014】
媒体搬送装置10は、搬送部20をさらに備えている。搬送部20は、分離部21と第1フィードローラ22と第2フィードローラ23と第1プレッシャローラ24と第2プレッシャローラ25とを備えている。分離部21は、媒体分離用搬送路16の途中に形成されている。分離部21は、分離口7から媒体分離用搬送路16に挿入される複数の媒体から載置台14の載置面15に接触する1つの媒体を分離する。分離部21は、さらに、媒体分離用搬送路16を介して、その分離された1つの媒体を分離口7から合流点12に向けて搬送する。
【0015】
第1フィードローラ22は、円柱状に形成されている。第1フィードローラ22は、媒体読取用搬送路17の下側に配置され、回転可能に固定側フレーム2に支持されている。第1フィードローラ22は、正回転(図1で反時計回り)することにより、媒体読取用搬送路17に配置される媒体を搬送方向28に搬送する。搬送方向28は、媒体読取用搬送路17に沿う平面に平行であり、かつ、回転軸6に垂直であり、かつ、合流点12から排紙口8に向かっている。
【0016】
第1プレッシャローラ24は、円柱状に形成されている。第1プレッシャローラ24は、媒体読取用搬送路17の上側に配置され、第1フィードローラ22の上側に配置されている。第1プレッシャローラ24は、設置面5に沿う平面に垂直である上下方向に並進可能に、かつ、回転可能に可動側フレーム3に支持されている。第1プレッシャローラ24は、媒体読取用搬送路17に配置される媒体を第1フィードローラ22に押し付ける。
【0017】
第2フィードローラ23は、円柱状に形成されている。第2フィードローラ23は、媒体読取用搬送路17の下側のうちの第1フィードローラ22と排紙口8との間に配置され、回転可能に固定側フレーム2に支持されている。第2フィードローラ23は、正回転(図1で反時計回り)することにより、媒体読取用搬送路17に配置される媒体を搬送方向28に搬送する。
【0018】
第2プレッシャローラ25は、円柱状に形成されている。第2プレッシャローラ25は、媒体読取用搬送路17の上側に配置され、第2フィードローラ23の上側に配置されている。第2プレッシャローラ25は、上下方向に並進可能に、かつ、回転可能に可動側フレーム3に支持されている。第2プレッシャローラ25は、媒体読取用搬送路17に配置される媒体を第2フィードローラ23に押し付ける。
【0019】
画像読取装置は、下側読取部26と上側読取部27とをさらに備えている。下側読取部26は、媒体読取用搬送路17の下側に配置され、第1フィードローラ22と第2フィードローラ23との間に配置されている。下側読取部26は、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体の下側の面の画像を読み取る。上側読取部27は、媒体読取用搬送路17の上側のうちの下側読取部26の上側に配置され、第1プレッシャローラ24と第2プレッシャローラ25との間に配置されている。上側読取部27は、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体の上側の面の画像を読み取る。
【0020】
図2は、分離部21を示す断面図である。分離部21は、図2に示されているように、ピックローラ31とブレーキローラ32とを備えている。ピックローラ31は、媒体分離用搬送路16の下側に配置され、回転可能に固定側フレーム2に支持されている。ピックローラ31は、正回転(図2で反時計回り)することにより、分離口7から媒体分離用搬送路16に挿入された複数の媒体33のうちの載置台14の載置面15に接触する媒体34を合流点12に向けて搬送する。複数の媒体33の各々は、たとえば、1枚の用紙から形成されている。複数の媒体33は、綴じられておらず、互いに分離されることができる。
【0021】
ブレーキローラ32は、媒体分離用搬送路16の上側に配置され、ピックローラ31に接触するようにピックローラ31の上側に配置され、回転可能に可動側フレーム3に支持されている。ブレーキローラ32は、ピックローラ31が正回転している場合で、媒体がピックローラ31とブレーキローラ32との間に挟まれていないときに、ピックローラ31に追従して正回転(図2で時計回り)する。ブレーキローラ32は、複数の媒体33がピックローラ31とブレーキローラ32との間に挟まれているときに、逆回転(図2で反時計回り)することにより、複数の媒体33のうちの媒体34と異なる他の媒体35を載置台14に向けて搬送する。ブレーキローラ32は、ピックローラ31により搬送される媒体34に接触しているときに、媒体34に追従して正回転する。
【0022】
図3は、可動側フレーム3が開放位置に配置されたときの媒体搬送装置10を示す側面断面図である。第1プレッシャローラ24は、可動側フレーム3が開放位置に配置されることにより、図3に示されているように、第1フィードローラ22から離れる。第2プレッシャローラ25は、可動側フレーム3が開放位置に配置されることにより、第2フィードローラ23から離れる。ブレーキローラ32は、可動側フレーム3が開放位置に配置されることにより、ピックローラ31から離れる。搬送部20により搬送される媒体は、可動側フレーム3が開放位置に配置されることにより、第1プレッシャローラ24と第2プレッシャローラ25とブレーキローラ32とから離され、媒体搬送装置10から容易に取り出されることができる。
【0023】
媒体搬送装置10は、図4に示されているように、斜行矯正機構41をさらに備えている。図4は、斜行矯正機構41を示す断面図である。斜行矯正機構41は、第1フィードローラ22と合流点12との間に配置され、媒体読取用搬送路17のうちの第1フィードローラ22より後側の領域に配置されている。斜行矯正機構41は、左側ストッパ42と右側ストッパ43と左側レバー44と右側レバー45とを備えている。左側ストッパ42は、媒体読取用搬送路17のうちの左側に配置されている。右側ストッパ43は、媒体読取用搬送路17のうちの右側に配置されている。左側レバー44と右側レバー45とは、媒体読取用搬送路17のうちの中央に配置され、左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に概ね配置されている。左側レバー44と右側レバー45とは、さらに、左側ストッパ42と右側ストッパ43とより搬送方向28の反対方向の側に配置されている。左側レバー44は、右側レバー45の左側に配置され、左側ストッパ42と右側レバー45との間に配置されている。図5は、斜行矯正機構41を示す上面図である。斜行矯正機構41は、左側連動機構46と右側連動機構47とをさらに備えている。
【0024】
図6は、左側ストッパ42と左側レバー44と左側連動機構46とを示す斜視図である。左側ストッパ42は、帯状に形成されている。左側ストッパ42は、左側ストッパ搬送路遮断位置または左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、ストッパ回転軸48を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。ストッパ回転軸48は、回転軸6に平行である。左側レバー44は、棒状に形成されている。左側レバー44は、左側レバー搬送路遮断領域または左側レバー搬送路開放領域に配置されるように、レバー回転軸49を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。レバー回転軸49は、ストッパ回転軸48に平行であり、ストッパ回転軸48から離れている。
【0025】
左側連動機構46は、ストッパ側突き当て部51とレバー側突き当て部52と固定部材53とを備えている。ストッパ側突き当て部51は、左側ストッパ42の上側に配置され、左側ストッパ42に固定されている。レバー側突き当て部52は、ストッパ側突き当て部51の近傍に配置され、固定部材53を介して左側レバー44に固定されている。
【0026】
図7は、左側ストッパ42と左側レバー44と左側連動機構46とを示す側面図である。搬送部20は、下側搬送ガイド54と上側搬送ガイド55とをさらに備えている。下側搬送ガイド54は、概ね板状に形成されている。下側搬送ガイド54は、設置面5に概ね平行である平面に沿うように配置され、固定側フレーム2に固定されている。上側搬送ガイド55は、概ね板状に形成されている。上側搬送ガイド55は、可動側フレーム3が閉鎖位置に配置されているときに、下側搬送ガイド54に沿う平面に平行である他の平面に沿うように配置され、可動側フレーム3に固定されている。すなわち、左側ストッパ42と右側ストッパ43と左側レバー44と右側レバー45とは、回転可能に上側搬送ガイド55に支持されている。媒体読取用搬送路17は、下側搬送ガイド54と上側搬送ガイド55との間に形成されている。
【0027】
左側ストッパ42は、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、下側搬送ガイド54に沿う平面に交差し、かつ、上側搬送ガイド55に沿う平面に交差する。下側搬送ガイド54は、左側ストッパ42がストッパ回転軸48を中心に回転したときに、左側ストッパ42に接触しないように、孔が形成されている。上側搬送ガイド55は、左側ストッパ42がストッパ回転軸48を中心に回転したときに、左側ストッパ42に接触しないように、孔が形成されている。左側ストッパ42は、左側ストッパ部分56を備えている。左側ストッパ部分56は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、左側ストッパ42のうちの媒体読取用搬送路17に重なる部分である。すなわち、左側ストッパ部分56は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体に接触するように配置されている。
【0028】
左側レバー44は、左側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、下側搬送ガイド54に沿う平面に交差し、かつ、上側搬送ガイド55に沿う平面に交差する。すなわち、左側レバー44は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体に接触するように配置されている。左側レバー44は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置される左側ストッパ42の左側ストッパ部分56より搬送方向28の反対方向の側に配置されている。
【0029】
下側搬送ガイド54は、さらに、左側レバー44がレバー回転軸49を中心に回転したときに、左側レバー44に接触しないように、他の孔が形成されている。上側搬送ガイド55は、さらに、左側レバー44がレバー回転軸49を中心に回転したときに、左側レバー44に接触しないように、他の孔が形成されている。
【0030】
レバー側突き当て部52は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されている場合で、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されているときに、ストッパ側突き当て部51に突き当たるように、配置される。左側ストッパ42は、レバー側突き当て部52がストッパ側突き当て部51に突き当たるときに、ストッパ回転軸48を中心に正回転(図7で時計回り)しないように、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で可動側フレーム3に固定される。
【0031】
左側レバー44は、レバー回転軸49を中心に正回転(図7で時計回り)することにより、左側レバー搬送路遮断領域から左側レバー搬送路開放領域に移動する。左側レバー44は、図8に示されているように、左側レバー搬送路遮断領域から左側レバー搬送路開放領域に移動するときに左側境界位置を通過する。図8は、左側レバー44が左側境界位置に配置されているときの左側連動機構46を示す側面図である。レバー側突き当て部52は、左側レバー44が左側境界位置に配置されているときに、ストッパ側突き当て部51に突き当たらないように、配置される。左側ストッパ42は、左側レバー44が左側境界位置に配置されているときに、ストッパ側突き当て部51がレバー側突き当て部52に突き当たらないことにより、左側ストッパ搬送路遮断位置から正回転することができるように解放される。
【0032】
左側レバー44は、左側レバー部分57を備えている。左側レバー部分57は、左側レバー44が左側境界位置に配置されるときに、左側レバー44のうちの媒体読取用搬送路17に重なっている部分である。左側レバー44が左側境界位置に配置されたときの左側レバー部分57の搬送方向28における位置は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときの左側ストッパ部分56の搬送方向28における位置に概ね等しい。即ち、左側レバー44が左側境界位置に配置されたときに搬送方向28に平行な直線に左側レバー部分57が正射影された線分は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときに左側ストッパ部分56がその直線に正射影された線分に重なる。
【0033】
左側レバー44は、さらに正回転することにより、左側境界位置から左側レバー搬送路開放領域に移動する。図9は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置され、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されているときの左側連動機構46を示す斜視図である。レバー側突き当て部52は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側レバー44が左側境界位置に配置されているときと同様に、ストッパ側突き当て部51に突き当たらないように、配置される。このため、左側ストッパ42は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側ストッパ搬送路遮断位置から正回転することができるように解放されている。
【0034】
左側ストッパ42は、左側ストッパ搬送路遮断位置から正回転することにより、図10に示されているように、左側ストッパ搬送路開放位置に配置される。図10は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置され、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されているときの左側連動機構46を示す側面図である。左側レバー44は、左側レバー搬送路開放領域に配置されることにより、下側搬送ガイド54に沿う平面に交差しないように、下側搬送ガイド54より上側に配置される。媒体読取用搬送路17は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されることにより、媒体が搬送されることができるように、一部が開放される。
【0035】
左側ストッパ42は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、移動可能に解放されていることにより、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができる。左側ストッパ部分56は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を媒体が搬送されるように、媒体読取用搬送路17を開放する。
【0036】
右側ストッパ43は、左側ストッパ42と同様に形成され、すなわち、右側ストッパ搬送路遮断位置または右側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、ストッパ回転軸48を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。右側ストッパ43は、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときに媒体読取用搬送路17に重なる右側ストッパ部分を備えている。右側ストッパ部分は、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されたときに、媒体読取用搬送路17を開放する。右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときの右側ストッパ部分の搬送方向28における位置は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときの左側ストッパ部分56の搬送方向28における位置に概ね等しい。
【0037】
右側レバー45は、左側レバー44と同様に形成され、すなわち、右側レバー搬送路遮断領域または右側レバー搬送路開放領域に配置されるように、レバー回転軸49を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。右側レバー45は、右側レバー45が右側レバー搬送路遮断領域に配置されたときに媒体読取用搬送路17に重なる右側レバー部分を備えている。右側レバー部分は、右側レバー45が右側レバー搬送路遮断領域に配置されたときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、右側レバー45が右側レバー搬送路開放領域に配置されたときに、媒体読取用搬送路17を開放する。右側レバー45が右側レバー搬送路遮断領域に配置されたときの右側レバー部分の搬送方向28における位置は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されたときの左側レバー部分57の搬送方向28における位置に概ね等しい。
【0038】
右側連動機構47は、左側連動機構46と同様に形成され、右側レバー45が右側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、右側ストッパ43を右側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で右側ストッパ43を可動側フレーム3に固定する。右側連動機構47は、右側レバー45が右側境界位置または右側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように、右側ストッパ43を解放する。
【0039】
斜行矯正機構41の左側ストッパ42は、媒体搬送装置10が設置面5に載置されているときに、自重により、左側ストッパ搬送路遮断位置に向かって逆回転し、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置される。左側レバー44は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されているときに、自重により、左側レバー搬送路遮断領域に向かって逆回転し、左側レバー搬送路遮断領域に配置される。右側ストッパ43は、自重により、右側ストッパ搬送路遮断位置に向かって逆回転し、右側ストッパ搬送路遮断位置に配置される。右側レバー45は、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路遮断位置に配置されているときに、自重により、右側レバー搬送路遮断領域に向かって逆回転し、右側レバー搬送路遮断領域に配置される。
【0040】
このため、左側ストッパ42は、媒体読取用搬送路17に媒体34が搬送されていない初期状態で、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置される。右側ストッパ43は、初期状態で、右側ストッパ搬送路遮断位置に配置される。左側レバー44は、初期状態で、左側レバー搬送路遮断領域に配置される。右側レバー45は、初期状態で、右側レバー搬送路遮断領域に配置される。
【0041】
さらに、左側レバー部分57は、左側レバー44が左側境界位置に配置されているときに、初期状態での左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に配置されている。右側レバー部分は、右側レバー45が右側境界位置に配置されているときに、初期状態での左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に配置されている。
【0042】
[媒体搬送装置10の動作]
ユーザは、媒体搬送装置10が設けられた画像読取装置を用いて複数の媒体33の画像を読み取りたいときに、載置台14に複数の媒体33を載置する。複数の媒体33は、載置台14に載置されたときに、重力により分離口7に挿入され、分離部21に接触する。
【0043】
ユーザは、複数の媒体33が載置台14に載置された後に、媒体搬送装置10に所定の操作を施す。搬送部20は、媒体搬送装置10に所定の操作が施されたときに、ピックローラ31と第1フィードローラ22と第2フィードローラ23とを正回転させ、ブレーキローラ32を逆回転させる。分離部21は、ピックローラ31が正回転することにより、複数の媒体33のうちの載置台14に接触する媒体34を合流点12に向けて搬送する。分離部21は、さらに、ブレーキローラ32が逆回転することにより、媒体35が合流点12に搬送されないように、複数の媒体33を媒体34と媒体35とに分離する。媒体34は、分離部21により搬送されることにより、媒体読取用搬送路17に搬送される。
【0044】
媒体34は、媒体読取用搬送路17に搬送されることにより、斜行矯正機構41を通過する。媒体34は、斜行矯正機構41を通過した後に、第1フィードローラ22と第1プレッシャローラ24との間に挟まれ、第1プレッシャローラ24により第1フィードローラ22に押し付けられる。第1フィードローラ22は、正回転することにより、媒体読取用搬送路17を介して媒体34を搬送方向28に搬送する。媒体34が媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、下側読取部26は、媒体34のうちの下側の面の画像を読み取り、上側読取部27は、媒体34のうちの上側の面の画像を読み取る。媒体34は、下側読取部26と上側読取部27との間を通過した後に、第2フィードローラ23と第2プレッシャローラ25との間に挟まれ、第2プレッシャローラ25により第2フィードローラ23に押し付けられる。第2フィードローラ23は、正回転することにより、媒体読取用搬送路17を介して媒体34を搬送方向28に搬送し、媒体34を排紙口8から排出する。
【0045】
媒体34は、斜行矯正機構41を通過するときに、図11に示されているように、媒体読取用搬送路17を斜行し、斜行矯正機構41の左側ストッパ42に突き当たることがある。図11は、斜行矯正機構41の左側ストッパ42に突き当たる媒体34を示す平面図である。媒体34は、左側ストッパ42に突き当たった後に、分離部21に搬送されることにより、撓み、媒体34の先端59のうちの左側ストッパ42に突き当たっていない部分が搬送方向28に移動するように、左側ストッパ42を概ね中心に先端59が回転する。
【0046】
媒体34は、先端59が回転することにより、図12に示されているように、さらに、左側レバー44と右側レバー45とに突き当たる。図12は、斜行矯正機構41の左側レバー44と右側レバー45とに突き当たる媒体34を示す平面図である。左側レバー44は、媒体34が左側レバー44に突き当たることにより、左側ストッパ搬送路遮断領域から左側境界領域に向かって移動する。右側レバー45は、媒体34が右側レバー45に突き当たることにより、右側ストッパ搬送路遮断領域から右側境界領域に向かって移動する。
【0047】
媒体34は、左側レバー44と右側レバー45とに突き当たった後に、分離部21に搬送されることにより、図13に示されているように、さらに撓み、先端59が右側ストッパ43に突き当たる。図13は、左側ストッパ42に突き当たることにより撓んだ媒体34を示す平面図である。媒体34は、撓むことにより、図14に示されているように、上下方向の幅が大きくなる。図14は、左側ストッパ42に突き当たることにより撓んだ媒体34を示す側面図である。すなわち、下側搬送ガイド54と上側搬送ガイド55とは、媒体34が撓むことができるように、媒体読取用搬送路17の上下方向の幅が所定の長さより大きくなるように、配置されている。
【0048】
図15は、斜行矯正機構41の左側ストッパ42と右側ストッパ43とに突き当たる媒体34を示す平面図である。左側レバー44は、媒体34が左側ストッパ42と右側ストッパ43との両方に突き当たることにより、左側境界領域に配置される。左側連動機構46は、左側レバー44が左側境界領域に配置されることにより、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、左側ストッパ42を解放する。右側レバー45は、媒体34が左側ストッパ42と右側ストッパ43との両方に突き当たることにより、右側境界領域に配置される。右側連動機構47は、右側レバー45が右側境界領域に配置されることにより、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、右側ストッパ43を解放する。
【0049】
左側ストッパ42は、解放されているときに媒体34が突き当たることにより、正回転し、左側ストッパ搬送路開放位置に配置される。右側ストッパ43は、解放されているときに媒体34が突き当たることにより、右側ストッパ搬送路開放位置に配置される。媒体34は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置され、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されることにより、搬送方向28に垂直である平面に先端59が沿う状態で、媒体読取用搬送路17を搬送方向28に搬送される。このため、媒体34は、先端59に沿う直線が搬送方向28に垂直である状態で、第1フィードローラ22に供給される。
【0050】
斜行矯正機構41は、媒体34が左側ストッパ42に突き当たる前に右側ストッパ43に突き当たるときも、同様にして、媒体34の斜行を矯正することができる。斜行矯正機構41は、媒体34が左側ストッパ42に突き当たる前に左側レバー44または右側レバー45に突き当たるときも、同様にして、媒体34の斜行を矯正することができる。
【0051】
媒体搬送装置10は、図16に示されているように、媒体34の幅より小さい幅の媒体61を搬送することがある。図16は、幅が小さい媒体61が搬送されるときの斜行矯正機構41を示す平面図である。媒体61は、媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、左側ストッパ42と左側レバー44とに突き当たるように、かつ、右側ストッパ43と右側レバー45とに突き当たらないように、形成されている。このとき、媒体61は、媒体読取用搬送路17を搬送されることにより、左側レバー44を左側境界位置に移動させる。左側ストッパ42は、左側レバー44が左側境界位置に配置されることにより、解放される。
【0052】
媒体61は、左側ストッパ42が解放されているときに媒体読取用搬送路17を搬送されることにより、図17に示されているように、左側レバー44を左側ストッパ搬送路開放領域に配置し、左側ストッパ42を左側ストッパ搬送路開放位置に配置する。図17は、幅が小さい媒体61が搬送されるときの斜行矯正機構41を示す他の平面図である。媒体61は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることにより、斜行矯正機構41でジャムが発生することなく、媒体読取用搬送路17を搬送方向28に適切に搬送されることができる。
【0053】
[媒体搬送装置10の効果]
実施例1の媒体搬送装置10は、下側搬送ガイド54と上側搬送ガイド55と左側ストッパ42と右側ストッパ43と左側レバー44と右側レバー45と左側連動機構46と右側連動機構47とを備えている。下側搬送ガイド54と上側搬送ガイド55とは、媒体が搬送方向28に搬送される媒体読取用搬送路17を形成している。左側ストッパ42は、左側ストッパ搬送路遮断位置または左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、移動可能に上側搬送ガイド55に支持されている。右側ストッパ43は、右側ストッパ搬送路遮断位置または右側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、移動可能に上側搬送ガイド55に支持されている。左側レバー44は、左側レバー搬送路遮断領域または左側レバー搬送路開放領域に配置されるように、移動可能に上側搬送ガイド55に支持されている。右側レバー45は、右側レバー搬送路遮断領域または右側レバー搬送路開放領域に配置されるように、移動可能に上側搬送ガイド55に支持されている。
【0054】
左側連動機構46は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、左側ストッパ42を左側ストッパ搬送路遮断位置に配置する。左側連動機構46は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように左側ストッパ42を解放する。右側連動機構47は、右側レバー45が右側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、右側ストッパ43を右側ストッパ搬送路遮断位置に配置する。右側連動機構47は、右側レバー45が右側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように右側ストッパ43を解放する。左側レバー44のうちの左側レバー部分57と右側レバー45のうちの右側レバー部分とは、左側ストッパ42の左側ストッパ部分56と右側ストッパ43の右側ストッパ部分との間に配置されている。
【0055】
このような媒体搬送装置10は、媒体34の斜行を矯正することができる。画像読取装置は、プリンターと異なり、左側ストッパ42と右側ストッパ43との一方のみに突き当たるような幅が小さい媒体61が搬送されることがある。媒体搬送装置10は、幅が小さい媒体61が搬送される場合でも、媒体61が左側レバー44と右側レバー45とに突き当たることにより、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを解放することができる。このため、媒体搬送装置10は、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【実施例2】
【0056】
ところで、既述の実施例1の媒体搬送装置10は、左側ストッパ42を解放する左側レバー44が右側ストッパ43を解放する右側レバー45の左側に配置されているが、右側レバー45の右側に配置されてもよい。実施例2の媒体搬送装置10は、図18に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の斜行矯正機構41が、他の斜行矯正機構71に置換されている。図18は、実施例2の媒体搬送装置の斜行矯正機構71を示す平面図である。斜行矯正機構71は、既述の斜行矯正機構41の左側レバー44と右側レバー45と左側連動機構46と右側連動機構47とが、他の左側レバー72と右側レバー73と左側連動機構74と右側連動機構75とに置換され、他の部分は斜行矯正機構41と同じである。
【0057】
左側レバー72と右側レバー73とは、媒体読取用搬送路17のうちの中央に配置され、左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に概ね配置されている。左側レバー72は、左側レバー搬送路遮断領域または左側レバー搬送路開放領域に配置されるように、左側レバー回転軸77を中心に回転可能に上側搬送ガイド55に支持されている。左側レバー回転軸77は、ストッパ回転軸48に平行であり、ストッパ回転軸48から離れている。左側レバー72は、左側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、左側レバー搬送路開放領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を開放している。
【0058】
右側レバー73は、右側ストッパ43と左側レバー72との間に概ね配置されている。右側レバー73は、右側レバー搬送路遮断領域または右側レバー搬送路開放領域に配置されるように、右側レバー回転軸76を中心に回転可能に上側搬送ガイド55に支持されている。右側レバー回転軸76は、左側レバー回転軸77に平行であり、左側レバー回転軸77から離れ、かつ、ストッパ回転軸48から離れている。右側レバー73は、右側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断し、右側レバー搬送路開放領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を開放している。
【0059】
左側連動機構74は、右側レバー73が右側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で左側ストッパ42を固定する。左側連動機構74は、右側レバー73が右側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように左側ストッパ42を解放する。右側連動機構75は、左側レバー72が左側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で右側ストッパ43を固定する。右側連動機構75は、左側レバー72が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように右側ストッパ43を解放する。
【0060】
斜行矯正機構71は、既述の実施例1の媒体搬送装置10の斜行矯正機構41と同様に、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体が左側レバー72と右側レバー73とに突き当たることにより、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを解放する。斜行矯正機構71は、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを適切に固定したり解放したりすることにより、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができる。
【0061】
図19は、実施例2の媒体搬送装置の右側レバー73と実施例1の媒体搬送装置10の左側レバー44とを示す平面図である。右側レバー73と左側ストッパ42との間の距離d2は、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側レバー44と左側ストッパ42との間の距離d1より長い。このため、斜行矯正機構71は、既述の実施例1の媒体搬送装置10の斜行矯正機構41に比較して、製造誤差による矯正後の媒体の先端の向きのずれをより小さくすることができ、斜行する媒体をより高精度に矯正することができる。
【0062】
図20は、幅が小さい媒体79が搬送されるときの斜行矯正機構71を示す平面図である。媒体79は、媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、左側ストッパ42と左側レバー72とに突き当たるように、かつ、右側ストッパ43と右側レバー73とに突き当たらないように、形成されている。このとき、媒体79は、媒体読取用搬送路17を搬送されることにより、左側レバー72を左側境界位置に移動させる。右側ストッパ43は、左側レバー72が左側境界位置に配置されることにより、解放される。
【0063】
右側レバー73は、媒体79が突き当たらないことにより、右側レバー搬送路遮断領域に配置されたままになる。左側ストッパ42は、右側レバー73が右側レバー搬送路遮断領域に配置されたままであることにより、左側ストッパ搬送路遮断位置に固定されたままになる。図21は、幅が小さい媒体79が搬送されるときの斜行矯正機構71を示す他の平面図である。媒体79は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に固定されていることにより、媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、左側ストッパ42に突き当たり、ジャムが発生することがある。このため、既述の実施例1の媒体搬送装置10は、実施例2の媒体搬送装置に比較して、ジャムの発生をより防止することができ、媒体をより適切に搬送することができる。
【実施例3】
【0064】
ところで、既述の実施例の媒体搬送装置は、左側ストッパ42と右側ストッパ43とに対応する2つのレバーを備えているが、1つのレバーを備えていてもよい。図22は、実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81を示す斜視図である。図23は、実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81を示す平面図である。斜行矯正機構81は、既述の実施例1の媒体搬送装置10の斜行矯正機構41の左側レバー44と右側レバー45とが1つのレバー82に置換され、左側連動機構46と右側連動機構47とが1つの機構83に置換され、他の部分は斜行矯正機構41と同じである。レバー82は、媒体読取用搬送路17のうちの中央に配置され、左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に概ね配置されている。レバー82は、レバー搬送路遮断領域またはレバー搬送路開放領域に配置されるように、レバー回転軸49を中心に回転可能に上側搬送ガイド55に支持されている。
【0065】
機構83は、レバー82がレバー搬送路遮断領域に配置されているときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で左側ストッパ42を固定し、右側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で右側ストッパ43を固定する。機構83は、レバー82がレバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように左側ストッパ42を解放し、右側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように右側ストッパ43を解放する。
【0066】
斜行矯正機構81は、既述の実施例1の媒体搬送装置10の斜行矯正機構41と同様に、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体がレバー82に突き当たることにより、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを解放する。斜行矯正機構81は、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを適切に固定したり解放したりすることにより、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができる。
【実施例4】
【0067】
ところで、既述の実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81は、1つのレバー82が設けられているが、複数のレバーが設けられてもよい。図24は、実施例4の媒体搬送装置の斜行矯正機構85を示す斜視図である。斜行矯正機構85は、既述の実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81のレバー82が、左側レバー86と右側レバー87とに置換され、他の部分は斜行矯正機構81と同じである。
【0068】
左側レバー86と右側レバー87とは、それぞれ棒状に形成され、媒体読取用搬送路17のうちの中央に配置され、左側ストッパ42と右側ストッパ43との間に概ね配置されている。左側レバー86と右側レバー87とは、機構83を介して互いに固定され、レバー搬送路遮断領域またはレバー搬送路開放領域に配置されるように、レバー回転軸49を中心に回転可能に上側搬送ガイド55に支持されている。
【0069】
機構83は、左側レバー86と右側レバー87とがレバー搬送路遮断領域に配置されているときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で左側ストッパ42を固定し、右側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で右側ストッパ43を固定する。機構83は、左側レバー86と右側レバー87とがレバー搬送路開放領域に配置されているときに、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように左側ストッパ42を解放する。機構83は、左側レバー86と右側レバー87とがレバー搬送路開放領域に配置されているときに、さらに、右側ストッパ43が右側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように右側ストッパ43を解放する。
【0070】
斜行矯正機構85は、既述の実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81と同様に、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体が左側レバー86または右側レバー87に突き当たることにより、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを解放する。斜行矯正機構85は、左側ストッパ42と右側ストッパ43とを適切に固定したり解放したりすることにより、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができる。
【実施例5】
【0071】
ところで、既述に実施例の媒体搬送装置は、左側ストッパ42と右側ストッパ43とが設けられているが、3つ以上のストッパが設けられていてもよい。図25は、実施例5の媒体搬送装置の斜行矯正機構91を示す平面図である。斜行矯正機構91は、既述の実施例3の媒体搬送装置の斜行矯正機構81に左内側ストッパ92と右内側ストッパ93とが追加されている。
【0072】
左内側ストッパ92は、左側ストッパ42または右側ストッパ43と同様に、帯状に形成されている。左内側ストッパ92は、左内側ストッパ搬送路遮断位置または左内側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、ストッパ回転軸48を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。左内側ストッパ92は、左内側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置される左側ストッパ42と同様に、左側ストッパ42の搬送方向28における位置と同じ位置に配置され、媒体読取用搬送路17を遮断している。左内側ストッパ92は、左内側ストッパ搬送路開放位置に配置されるときに、左側ストッパ搬送路開放位置に配置される左側ストッパ42と同様に、媒体読取用搬送路17を開放している。
【0073】
右内側ストッパ93は、左内側ストッパ92と同様に、帯状に形成されている。右内側ストッパ93は、右内側ストッパ搬送路遮断位置または右内側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、ストッパ回転軸48を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。右内側ストッパ93は、右内側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、右側ストッパ搬送路遮断位置に配置される右側ストッパ43と同様に、左側ストッパ42の搬送方向28における位置と同じ位置に配置され、媒体読取用搬送路17を遮断している。右内側ストッパ93は、右内側ストッパ搬送路開放位置に配置されるときに、右側ストッパ搬送路開放位置に配置される右側ストッパ43と同様に、媒体読取用搬送路17を開放している。
【0074】
このとき、機構83は、レバー82がレバー搬送路遮断領域に配置されているときに、さらに、左内側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で左内側ストッパ92を固定し、右内側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で右内側ストッパ93を固定する。機構83は、レバー82がレバー搬送路開放領域に配置されるときに、左内側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように左内側ストッパ92を解放し、右内側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができるように右内側ストッパ93を解放する。
【0075】
斜行矯正機構91は、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体がレバー82に突き当たることにより、左側ストッパ42と右側ストッパ43と左内側ストッパ92と右内側ストッパ93とを解放する。斜行矯正機構91は、左側ストッパ42と右側ストッパ43と左内側ストッパ92と右内側ストッパ93とを適切に固定したり解放したりすることにより、既述の斜行矯正機構と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができる。実施例5の媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【実施例6】
【0076】
ところで、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側連動機構46は、ストッパ側突き当て部51とレバー側突き当て部52とが設けられているが、ストッパ側突き当て部51とレバー側突き当て部52と異なる他の突き当て部が設けられてもよい。実施例6の媒体搬送装置は、図26に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側連動機構46が、他の左側連動機構101に置換され、他の部分は媒体搬送装置10と同じである。図26は、実施例6の媒体搬送装置の左側連動機構101を示す側面図である。左側連動機構101は、レバー側突き当て部102とストッパ側突き当て部103とを備えている。レバー側突き当て部102は、左側レバー44の上側に配置され、左側レバー44に固定されている。ストッパ側突き当て部103は、レバー側突き当て部102の上側に配置され、図示されていない固定部材を介して左側ストッパ42に固定されている。
【0077】
レバー側突き当て部102は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されている場合で、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されているときに、ストッパ側突き当て部103に突き当たる。左側ストッパ42は、レバー側突き当て部102がストッパ側突き当て部103に突き当たるときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で可動側フレーム3に固定される。
【0078】
レバー側突き当て部102は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域または左側境界位置に配置されているときに、ストッパ側突き当て部103に突き当たらないように配置される。左側ストッパ42は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域または左側境界位置に配置されているときに、レバー側突き当て部102がストッパ側突き当て部103に突き当たらないことにより、左側ストッパ搬送路開放位置に正回転するように解放される。
【0079】
実施例6の媒体搬送装置の右側連動機構は、左側連動機構101と同様に形成されてもよい。実施例6の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【実施例7】
【0080】
実施例7の媒体搬送装置は、図27に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側連動機構46が他の左側連動機構111に置換され、他の部分は媒体搬送装置10と同じである。図27は、実施例7の媒体搬送装置の左側連動機構111を示す側面図である。左側連動機構111は、回転止め部材112と固定部材113とを備えている。回転止め部材112は、固定部材113を介して左側レバー44に固定されている。回転止め部材112は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、下側搬送ガイド54の一部114と左側ストッパ42との間に形成される隙間115に挿入される。左側ストッパ42は、回転止め部材112が隙間115に配置されるときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で上側搬送ガイド55に固定される。
【0081】
回転止め部材112は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域または左側境界位置に配置されるときに、隙間115から外され、媒体読取用搬送路17の外部に配置される。左側ストッパ42は、回転止め部材112が隙間115から外されるときに、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように解放される。
【0082】
実施例7の媒体搬送装置の右側連動機構は、左側連動機構111と同様に形成されてもよい。実施例7の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。実施例7の媒体搬送装置は、回転止め部材112が隙間115に挿入されることにより、既述の実施例1の媒体搬送装置10に比較して、左側ストッパ42をより確実に、かつ、より強固に左側ストッパ搬送路遮断位
置に配置することができる。
【実施例8】
【0083】
実施例8の媒体搬送装置は、図28に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側連動機構46が他の左側連動機構121に置換され、他の部分は媒体搬送装置10と同じである。図28は、実施例8の媒体搬送装置の左側連動機構121を示す側面図である。左側連動機構121は、くさび状部材122と固定部材123とを備えている。くさび状部材122は、固定部材123を介して左側レバー44に固定されている。くさび状部材122は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に配置されているときに、図29に示されているように、左側ストッパ42の下側に配置され、左側ストッパ42の下端124に突き当たっている。図29は、実施例8の媒体搬送装置のくさび状部材122と左側ストッパ42との接触部分を示す拡大図である。左側ストッパ42は、くさび状部材122が下端124に突き当たるときに、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置された状態で上側搬送ガイド55に固定される。
【0084】
くさび状部材122は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域または左側境界位置に配置されるときに、下端124から離れ、媒体読取用搬送路17の外部に配置される。左側ストッパ42は、くさび状部材122が下端124から離れるときに、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように解放される。
【0085】
実施例8の媒体搬送装置の右側連動機構は、左側連動機構111と同様に形成されてもよい。実施例8の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。実施例8の媒体搬送装置は、くさび状部材122が下端124に突き当たることにより、既述の実施例1の媒体搬送装置10に比較して、左側ストッパ42をより確実に、かつ、より強固に左側ストッパ搬送路遮断位置に配置することができる。
【実施例9】
【0086】
実施例9の媒体搬送装置10は、図30に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側ストッパ42が他の左側ストッパ131に置換され、他の部分は媒体搬送装置10と同じである。図30は、実施例9の媒体搬送装置の左側ストッパ131を示す側面図である。左側ストッパ131は、帯状に形成され、左側ストッパ搬送路遮断位置または左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるように、ストッパ回転軸132を中心に回転可能に可動側フレーム3に支持されている。左側ストッパ131は、左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、下側搬送ガイド54に沿う平面に交差し、かつ、上側搬送ガイド55に沿う平面に交差する。すなわち、左側ストッパ131は、左側ストッパ部分133を備えている。左側ストッパ部分133は、左側ストッパ131が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、左側ストッパ131のうちの媒体読取用搬送路17に重なる部分である。左側ストッパ部分133は、左側ストッパ131が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断している。左側ストッパ部分133は、左側ストッパ131が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、左側ストッパ部分133のうちの搬送方向28の反対方向の側の端134が斜め下側を向くように、配置される。端134に沿う直線と搬送方向とがなす角の角度としては、45度が例示される。
【0087】
図31は、左側レバー44が左側境界位置に配置されたときの左側ストッパ131を示す側面図である。左側ストッパ131が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときの左側ストッパ部分133の搬送方向28における位置は、左側レバー44が左側境界位置に配置されたときの左側レバー部分57の搬送方向28における位置に概ね等しい。
【0088】
図32は、左側ストッパ搬送路開放位置に配置された左側ストッパ131を示す側面図である。左側ストッパ131は、左側レバー44が左側レバー搬送路開放領域に配置されているときに、解放されることにより、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されることができる。左側ストッパ131は、左側ストッパ搬送路開放位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を媒体が搬送されるように、媒体読取用搬送路17を開放する。
【0089】
実施例9の媒体搬送装置の右側ストッパは、左側ストッパ131と同様に形成されてもよい。実施例9の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。実施例9の媒体搬送装置は、左側ストッパ131が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに端134が斜め下側を向いていることにより、さらに、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体を下側搬送ガイド54に沿わせることができる。
【実施例10】
【0090】
実施例10の媒体搬送装置は、図33に示されているように、既述の実施例9の媒体搬送装置の左側レバー44が他の左側レバー141に置換され、他の部分は既述の実施例9の媒体搬送装置と同じである。図33は、実施例10の媒体搬送装置の左側レバー141を示す側面図である。左側レバー141は、屈曲した帯状に形成され、左側レバー搬送路遮断領域または左側レバー搬送路開放領域に配置されるように、移動可能に上側搬送ガイド55に支持されている。左側レバー141は、左側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を遮断する。左側レバー141は、左側レバー搬送路遮断領域に配置されるときに、左側レバー141のうちの下側の先端142がレバー回転軸49より搬送方向28の側に配置されるように、形成されている。
【0091】
左側レバー141は、図34に示されているように、左側レバー搬送路遮断領域から左側レバー搬送路開放領域に移動するときに左側境界位置を通過する。図34は、左側境界位置に配置される左側レバー141を示す側面図である。左側レバー141は、左側レバー部分143を備えている。左側レバー部分143は、左側境界位置に左側レバー141が配置されるときに、左側レバー141のうちの媒体読取用搬送路17に重なっている部分である。左側レバー141が左側境界位置に配置されたときの左側レバー部分143の搬送方向28における位置は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されたときの左側ストッパ部分56の搬送方向28における位置に概ね等しい。左側レバー部分143は、さらに、左側レバー141が左側ストッパ搬送路遮断位置に配置されるときに、左側レバー部分143のうちの搬送方向28の反対方向の側の端144が、媒体読取用搬送路17に沿う平面に垂直である直線に沿うように形成されている。
【0092】
図35は、左側レバー搬送路開放領域に配置される左側レバー141を示す側面図である。左側レバー141は、左側レバー搬送路開放領域に配置されるときに、媒体読取用搬送路17を開放する。
【0093】
実施例10の媒体搬送装置の右側レバーは、左側レバー141と同様に形成されてもよい。実施例10の媒体搬送装置は、既述の実施例9の媒体搬送装置と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。実施例10の媒体搬送装置は、左側境界位置に配置される左側レバー141の端144が、媒体読取用搬送路17に沿う平面に垂直である直線に沿うことにより、左側ストッパ131を所定のタイミングで解放することができる。その所定のタイミングは、媒体読取用搬送路17を搬送される媒体の先端が、搬送方向28に垂直である平面に沿うタイミングに概ね等しい。実施例10の媒体搬送装置は、左側ストッパ131が所定のタイミングで解放されることにより、斜行する媒体をより高精度に矯正することができる。
【0094】
媒体搬送装置は、メンテナンスされた後に、下側搬送ガイド54に媒体が載置された状態で、可動側フレーム3が開放位置から閉鎖位置に移動することがある。その媒体は、左側レバーの先端の搬送方向28の位置がレバー回転軸49と同じであるときに、左側レバーの先端が突き当たり、損傷することがある。左側レバー141は、左側レバー搬送路遮断領域に配置される左側レバー141の先端142がレバー回転軸49より搬送方向28の側に配置されることにより、可動側フレーム3が閉鎖位置に移動するときに、先端142がその媒体に沿うように正回転する。左側レバー141は、可動側フレーム3が開放位置から閉鎖位置に移動するときにその媒体に沿って正回転することにより、その媒体を損傷させることを防止することができる。
【実施例11】
【0095】
実施例11の媒体搬送装置は、図36に示されているように、既述の実施例10の媒体搬送装置の下側搬送ガイド54が他の下側搬送ガイド151に置換され、他の部分は実施例10の媒体搬送装置と同じである。図36は、実施例11の媒体搬送装置の下側搬送ガイド151を示す側面断面図である。下側搬送ガイド151は、窪み152が形成されている。窪み152は、う回路153を形成している。う回路153は、左側ストッパ131の下部に形成され、媒体読取用搬送路17のうちの左側ストッパ131より後側の部分と媒体読取用搬送路17のうちの左側ストッパ131より前側の部分とを繋げている。
【0096】
図37は、実施例11の媒体搬送装置の下側搬送ガイド151を示す平面図である。窪み152は、左側ストッパ131の下部と、左側ストッパ131と左側レバー141との間の領域とが繋がるように形成され、窪み152の左側の端と左側ストッパ131との間の間隔が所定の長さより小さくなるように形成されている。
【0097】
実施例11の媒体搬送装置は、既述の実施例10の媒体搬送装置と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【0098】
実施例11の媒体搬送装置は、幅が小さい媒体155を搬送することがある。媒体155は、媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、左側ストッパ131に突き当たるように、かつ、左側レバー141に突き当たらないように、形成されている。媒体155は、媒体読取用搬送路17を搬送されるときに、左側ストッパ131に突き当たることにより、下側搬送ガイド151に沿うように搬送される。媒体155は、先端156に沿う直線が線分154に交差しないときに、左側ストッパ131に突き当たることにより、先端156のうちの左側ストッパ131より右側の部分が搬送方向28に移動するように回転(図37で時計回り)する。媒体155は、先端156に沿う直線が、左側ストッパ131と左側レバー141とを結ぶ線分154に交差するときに、左側ストッパ131によりう回路153に案内される。媒体155は、う回路153に案内されることにより、左側ストッパ131を迂回して、媒体読取用搬送路17のうちの左側ストッパ131より前側の部分に搬送される。このため、実施例11の媒体搬送装置は、媒体155が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止し、媒体155を適切に搬送することができる。
【0099】
なお、窪み152は、異なる形状に形成されてもよい。その形状としては、左側ストッパ131の下端が入る直線状の溝が例示される。その溝のうちの搬送方向28の反対方向の側の後側縁は、線分154に交差するように、かつ、右側ほど搬送方向28の側に近付くように、搬送方向28に垂直である平面に対して傾斜している。その溝のうちの搬送方向28の側の前側縁は、その後側縁に沿う直線に平行である他の直線に沿うように、形成されている。この場合も、実施例11の媒体搬送装置は、ジャムの発生を防止し、媒体155を適切に搬送することができる。
【0100】
なお、実施例11の媒体搬送装置は、窪み152と同様に、右側ストッパの下端が入る窪みが下側搬送ガイド151に形成されることができる。実施例11の媒体搬送装置は、このような窪みが形成されることにより、さらに、右側ストッパに突き当たり右側レバーに突き当たらない媒体を、ジャムが発生しないように、適切に搬送することができる。
【実施例12】
【0101】
実施例12の媒体搬送装置は、図38に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の左側ストッパ42が他の左側ストッパ158に置換されている。図38は、実施例12の媒体搬送装置の左側ストッパ158を示す断面図である。左側ストッパ158は、搬送方向28の側の面が平面に沿うように形成され、搬送方向28の反対方向の側の面159が円柱面に沿うように形成されている。
【0102】
実施例12の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。実施例12の媒体搬送装置は、さらに、面159が円柱面に沿うように形成されていることにより、左側ストッパ158に突き当たる媒体が損傷することを防止することができる。なお、面159は、角張らないように、なだらかに形成されてもよい。この場合も、実施例12の媒体搬送装置は、左側ストッパ158に突き当たる媒体が損傷することを防止することができる。
【実施例13】
【0103】
実施例13の媒体搬送装置は、図39に示されているように、既述の実施例1の媒体搬送装置10の分離部21が他の分離部161に置換され、他の部分は媒体搬送装置10と同じである。図39は、実施例13の媒体搬送装置の分離部161を示す側面図である。分離部161は、ピックローラ162とブレーキローラ163とを備えている。ピックローラ162は、媒体分離用搬送路16の上側に配置され、回転可能に可動側フレーム3に支持されている。ピックローラ162は、正回転(図39で時計回り)することにより、分離口7から媒体分離用搬送路16に挿入された複数の媒体164のうちの一番上に配置される媒体165を合流点12に向けて搬送する。
【0104】
ブレーキローラ163は、媒体分離用搬送路16の下側に配置され、ピックローラ162に接触するようにピックローラ162の下側に配置され、回転可能に固定側フレーム2に支持されている。ブレーキローラ163は、ピックローラ162が正回転している場合で、媒体がピックローラ162とブレーキローラ163との間に挟まれていないときに、ピックローラ162に追従して正回転(図39で反時計回り)する。ブレーキローラ163は、複数の媒体164がピックローラ162とブレーキローラ163との間に挟まれているときに、逆回転(図36で反時計回り)することにより、複数の媒体164のうちの媒体165と異なる他の媒体166を載置台14に向けて搬送する。ブレーキローラ163は、ピックローラ162により搬送される媒体165に接触しているときに、媒体165に追従して正回転する。
【0105】
実施例13の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、幅が小さい媒体が搬送される場合でも、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【0106】
図40は、実施例13の媒体搬送装置の分離部161により斜行矯正機構41に搬送される媒体165を示す平面図である。媒体165は、分離部161により搬送されている途中で斜行矯正機構41により矯正されるときに、分離部161より斜行矯正機構41から遠い側の部分が回転することがある。媒体165は、複数の媒体164のうちの一番上に配置されていることにより、媒体165のうちの分離部161より斜行矯正機構41から遠い側の部分が回転しやすく、適切に矯正されることができる。
【0107】
図41は、実施例1の媒体搬送装置10の分離部21により斜行矯正機構41に搬送される媒体34を示す平面図である。媒体34のうちの分離部21より斜行矯正機構41から遠い側の部分は、媒体35と載置台14とに挟まれ、媒体165に比較して、回転し難い。このため、実施例13の媒体搬送装置は、既述の実施例1の媒体搬送装置10に比較して、媒体165をより適切に矯正することができる。
【0108】
ところで、左側ストッパ42は、自重で、左側ストッパ搬送路遮断位置に移動するように形成されているが、媒体搬送装置は、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に移動するように左側ストッパ42に付勢する付勢部を備えてもよい。その付勢部としては、左側ストッパ42が左側ストッパ搬送路遮断位置に移動するように左側ストッパ42に弾性力を与える弾性体が例示される。また、左側レバー44は、自重で、左側レバー搬送路遮断領域に移動するように形成されているが、媒体搬送装置は、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に移動するように左側レバー44に付勢する付勢部を備えてもよい。その付勢部としては、左側レバー44が左側レバー搬送路遮断領域に移動するように左側レバー44に弾性力を与える弾性体が例示される。このような付勢部が設けられた場合でも、媒体搬送装置は、既述の実施例の媒体搬送装置と同様に、媒体読取用搬送路17を斜行する媒体を矯正することができ、ジャムの発生を防止することができ、媒体を適切に搬送することができる。
【0109】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0110】
10 :媒体搬送装置
14 :載置台
17 :媒体読取用搬送路
20 :搬送部
21 :分離部
28 :搬送方向
31 :ピックローラ
32 :ブレーキローラ
33 :複数の媒体
34 :媒体
41 :斜行矯正機構
42 :左側ストッパ
43 :右側ストッパ
44 :左側レバー
45 :右側レバー
46 :左側連動機構
47 :右側連動機構
49 :レバー回転軸
54 :下側搬送ガイド
55 :上側搬送ガイド
56 :左側ストッパ部分
57 :左側レバー部分
71 :斜行矯正機構
72 :左側レバー
73 :右側レバー
74 :左側連動機構
75 :右側連動機構
76 :右側レバー回転軸
77 :左側レバー回転軸
81 :斜行矯正機構
82 :レバー
83 :機構
85 :斜行矯正機構
86 :左側レバー
87 :右側レバー
91 :斜行矯正機構
92 :左内側ストッパ
93 :右内側ストッパ
101 :左側連動機構
102 :レバー側突き当て部
103 :ストッパ側突き当て部
111 :左側連動機構
112 :回転止め部材
115 :隙間
121 :左側連動機構
122 :くさび状部材
123 :固定部材
131 :左側ストッパ
133 :左側ストッパ部分
134 :端
141 :左側レバー
143 :左側レバー部分
151 :下側搬送ガイド
153 :う回路
154 :線分
156 :先端
158 :左側ストッパ
159 :面
161 :分離部
162 :ピックローラ
163 :ブレーキローラ
164 :複数の媒体
165 :媒体
図1
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