IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレゼニウス カービ ドイチュラント ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6999564医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット
<>
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図1
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図2
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図3
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図4
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図5
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図6
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図7
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図8
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図9
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図10
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図11
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図12
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図13
  • 特許-医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】医薬製剤を製造するシステムの弁ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20220203BHJP
   A61J 1/20 20060101ALI20220203BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20220203BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20220203BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
B65B3/04
A61J1/20 314Z
A61J3/00 310Z
B65B39/00 B
F16K27/00 D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018543658
(86)(22)【出願日】2017-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2017053626
(87)【国際公開番号】W WO2017140849
(87)【国際公開日】2017-08-24
【審査請求日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】16156529.6
(32)【優先日】2016-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16173695.4
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16156531.2
(32)【優先日】2016-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16173696.2
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509063694
【氏名又は名称】フレゼニウス カービ ドイチュラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビエル, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ホック, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シャアケ, ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ボルクヴァルト, マルセル
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03647118(US,A)
【文献】特開平04-339796(JP,A)
【文献】米国特許第05431202(US,A)
【文献】特開2004-173844(JP,A)
【文献】実開昭60-068096(JP,U)
【文献】実公昭46-008150(JP,Y1)
【文献】特開平07-100212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00-3/36
B65B 37/00-39/14
F16K 27/00-27/12
A61J 1/00-19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬製剤を製造する装置(28)の弁ユニット(1)であって、該弁ユニット(1)は、複数の該弁ユニット(1)の流入口(3a~3l)及び1つの弁ユニット(1)の流出口(5)を有するハウジング(2)を備え、前記流入口(3a~3l)は、弁(9)を介して前記流出口(5)に接続され、前記弁(9)は、少なくとも3方向弁として構成され、前記方向弁は、少なくとも2つの該弁の流入口及び1つの該弁の流出口を有し、それにより、2つの原料容器を単一の弁に接続することができることを特徴とし、
前記弁(9)は、少なくとも2つの列(a、b)に配置され、1つの列(a)の前記弁(9)は、他の列(b)における前記弁(9)に対して軸方向にオフセットされるように配置される、
弁ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の弁ユニット(1)であって、前記流出口(5)は、前記ハウジング(2)に配置されたダクト(12)に接続され、該ダクト(12)は、前記弁(9)に通じる開口(13)を有することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁(9)は、中央封鎖位置を有する3/3方向弁として構成されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の弁ユニット(1)であって、前記ダクト(12)は、一定の直径を有することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項5】
請求項1~に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁ユニット(1)がホース(4a~4l、6)を含み、前記流入口(3a~3l)及び/又は前記流出口(5)は、前記ホース(4a~4l、6)に接続されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項6】
請求項に記載の弁ユニット(1)であって、前記流入口(3a~3l)及び/又は前記流出口(5)は、前記ホース(4a~4l、6)に分離不能に接続されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁ユニット(1)がホース(4a~4l、6)を含み、前記流入口(3a~3l)は、少なくとも2つの異なる直径で存在する前記ホース(4a~4l)に接続され、及び/又は、前記流出口(5)は、3つの部分(6a~6c)、すなわち、中央部分(6b)と該中央部分(6b)に隣接する2つの隣接部分(6a、6c)とを含むホース(6)に接続され、中央部分(6b)は、前記隣接部分(6a、6c)に対して拡大した断面を有することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、該弁ユニット(1)は、少なくとも4個の流入口を有することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項9】
請求項に記載の弁ユニット(1)であって、流入口が少なくとも8個であることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項10】
請求項に記載の弁ユニット(1)であって、流入口が少なくとも12個であることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記ハウジング(2)は、医薬製剤を製造する前記装置(28)の駆動ユニットに取り付けられる掛止手段を有することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁(9)は、エラストマー製のプラグ(10)を備え、該プラグ(10)は、前記ハウジング(2)に挿入されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の弁ユニット(1)であって、前記プラグ(10)は、前記ハウジング(2)に潤滑剤なしで挿入されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁は、下側に駆動部に対する係合要素を有するプラグ(10)を備えることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項15】
請求項14に記載の弁ユニット(1)であって、前記係合要素は、スロット(11)として構成されることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁(9)は、プラグ(10)を備え、開放位置において、流体を前記プラグ(10)の外面に沿って導くことが可能であることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)であって、前記弁(9)は、プラグ(10)を備え、前記プラグ(10)は、クリアランス(18)を有し、前記弁(9)の開放位置において、前記クリアランス(18)によって、前記弁(9)の流入口と前記流出口との間にダクトが構成され、及び/又は、前記プラグ(10)は、エラストマーにより構成され、前記クリアランス(18)の上下に少なくとも1つの周囲ウェブ(17a~17c、19a~19c)を有し、該ウェブ(17a~17c、19a~19c)は、前記ハウジング(2)に対するシールとして機能することを特徴とする、弁ユニット。
【請求項18】
請求項17に記載の弁ユニット(1)であって、前記クリアランス(18)が2つであることを特徴とする、弁ユニット。
【請求項19】
医薬製剤を製造する装置の弁ユニット(1)であって、該弁ユニット(1)は、複数の該弁ユニット(1)の流入口(3a~3l)及び1つの該弁ユニット(1)の流出口(5)を有するハウジング(2)を備え、また、該弁ユニット(1)がホース(4a~4l、6)を含み、前記流入口(3a~3l)は、弁(9)を介して前記流出口(5)に接続され、前記流入口(3a~3l)は、それぞれ前記ホース(4a~4l)に接続され、該ホース(4a~4l)は、前記ハウジング(2)に分離不能に接続されることを特徴とし、
前記弁(9)は、少なくとも2つの列(a、b)に配置され、1つの列(a)の前記弁(9)は、他の列(b)における前記弁(9)に対して軸方向にオフセットされるように配置される、
弁ユニット。
【請求項20】
医薬製剤を製造する装置(28)であって、請求項1~19のいずれか1項に記載の弁ユニット(1)を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製剤を製造する装置の弁ユニットに関する。本発明は、特に、例えば、非経口栄養用の輸液パウチ又は輸液シリンジに充填を行う装置の弁ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬製剤を製造する装置、特に、非経口栄養用の製剤を製造する装置は、例えば、薬局又は病院において、患者別の製剤、特に、種々の基本栄養素、微量元素、及びビタミンの混合物、任意にはそれとともに薬剤を充填するのに用いられる。
【0003】
このタイプの装置は、TPNコンパウンダー(TPN=total parenteral nutrition:完全非経口栄養)とも称される。例えば、Fresenius社によるMultiComp(商標)装置等の実際に知られている市販されている装置は、コンピューター制御のポンプユニットを備え、このポンプユニットにより、組成物の構成成分を、異なる原料容器から計量器上に位置する目標容器に移送する。
【0004】
少なくとも、全ての原料容器に利用可能でない別個のポンプの場合、異なる原料容器からの調量を、弁を用いて制御する必要がある。
【0005】
不都合点は、弁を設けることが複雑であることである。再使用可能な弁は、洗浄がしづらいことから、ほとんどの場合、考慮されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに対して、本発明は、単純かつ小型に設計され、特に、単回使用部品、すなわち、いわゆる使い捨て物品として十分にコスト効果的に設けることもできる、医薬製剤を製造する装置の弁ユニットを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項のうちの1つに記載の弁ユニットによってもはや達成される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態及び改良形態は、それぞれの従属請求項の主題、明細書、及び図面から得ることができる。
【0009】
本発明は、医薬製剤を製造する装置の弁ユニットに関する。特に、弁ユニットは、装置に取り付け、使用後に再び取り外すことができる。
【0010】
本発明は、特に、非経口栄養剤を調製する装置、すなわち、患者別の組成物における異なる原料容器からの成分を目標容器に供給するのに用いる装置の弁ユニットに関する。
【0011】
弁ユニットは、複数の流入口を有するハウジングを備え、流入口は、弁を介して流出口に接続可能である。目標容器は、流出口を介して充填される。
【0012】
弁ユニットは、特に、交換可能な単回使用部品として、好ましくはカートリッジ式に構成される。弁は、開閉を機械的に作動する係合手段を有する。
【0013】
特にスロットとして構成されるこれらの係合手段によってハウジングに位置する弁は、装置内に存在するモーターによって、開閉する又は(より包括的な用語では)作動させることができる。
【0014】
したがって、通常は、装置の動作中、常に一度に1つの弁のみが開放され、それにより、1つの原料容器のみから液体を回収することができる。そのため、目標容器を充填するためには、異なる原料容器からの異なる構成成分が、異なる流入口を介して目標容器に繰り返し移送される。
【0015】
本発明によれば、弁は、少なくとも3方向弁として構成される。このタイプの弁ユニットは、3方向弁を用いることにより、単純かつ小型の設計で実現することができることが実証されている。この方向弁は、少なくとも2つの流入口及び1つの流出口を有し、それにより、2つの原料容器を単一の弁に接続することができる。
【0016】
特に、封鎖位置、好ましくは中央封鎖位置を有する3/3方向弁として構成される弁が用いられる。したがって、単一の弁により、2つの原料容器からの流入口を開閉することができる。
【0017】
弁は、プラグ弁として構成されることが好ましい。
【0018】
本発明の1つの実施形態の場合、弁は、好ましくは直線の少なくとも2つの列に配置される。列に存在する弁は、相互にオフセットされるように配置されることが好ましい。1つの列の弁は、他の列の対向する2つの弁に対して真ん中にあるように配置されることが好ましい。
【0019】
したがって、弁ユニットの平面図において見た場合、弁、ひいては機械的に作動する係合手段は、弁同士を接続する仮想直線が直交して交差する構成を形成しない。
【0020】
むしろ、弁、ひいては機械的に作動する係合手段は、六方最密充填の法則に従うが、相互に離間するように配置されることが好ましい。
【0021】
したがって、弁は、同様により小型設計の実施形態を可能にする、より密な様式で組み付けることができる。この結果、特に、弁ユニットの体積が低減され、したがって、デッドボリュームが低減される。
【0022】
これに対して、弁の流入口は、列に配置することができ、流入口(辺縁部の流入口を除く)は、反対の列の流入口の真向かい又は実質的に真向かいに位置する。
【0023】
弁は、弁ユニットのハウジングのダクトに隣接することが好ましく、開口は、ダクトと弁の出口との間に存在する。ダクトは、弁に通じる開口を横方向に有することが好ましい。
【0024】
開口は、各場合において、例えば、弁ハウジングが、弁のプラグを回転させることができる回転対称形状を有することで実現することができる。弁ハウジングは、実質的に円筒形に構成されることが好ましい。この円筒形状は、上から見ると、ダクトに重なっており、そのため、開口、ひいては3方向弁の出口は、重なり位置において構成される。
【0025】
また、ダクトは、目標容器を充填する役目を果たす弁ユニットの流出口に接続される。
【0026】
ダクトは、少なくとも弁の領域において、一貫した直径を有することが好ましい。これにより、弁は、好ましくは、同一サイズの開口によってダクトにまた接続されるように同一様式で実現され、これにより、さらに、開放状態における異なる弁の同一の流量又は流れ抵抗が保証される。
【0027】
弁ユニットのハウジングは、射出成形部品として構成されることが好ましい。
【0028】
ハウジングは、特に、立方体の基本形状を有することができる。
【0029】
本発明の1つの実施形態の場合、ハウジングの底部は開放しており、ハウジングが装置の上に配置されると、装置における駆動手段を受ける役目を果たす。
【0030】
弁、特に、プラグを受ける役目を果たす弁ハウジングは、ハウジングのプレートの一部とすることができる。
【0031】
射出成形部品である場合のハウジングにおいて一貫した断面を有するダクトは、本発明の1つの実施形態において、2つのハウジング構成部分、すなわち、ハウジング上半部分及びハウジング下半部分を互いに重ねて配置することで実現することができ、この場合、ダクトは、これらのハウジング半部分間に構成される。
【0032】
本発明の別の実施形態の場合、ダクトは、一体構成のハウジング部分、特に一体構成のハウジングに配置される。
【0033】
弁ユニットは、いわゆる使い捨て物品として単回使用のために設けられることが好ましい。単回使用とは、該弁ユニットを洗浄して再使用することが意図されていない弁ユニットの設計実施形態として理解される。
【0034】
本発明の1つの改良形態の場合、弁ユニットの流入口は、それぞれ1つのホースを備え、ホースは、少なくとも2つの直径で存在する又は存在し得る。
【0035】
特に、いわゆる微量用の、すなわち、例えば、微量元素又はビタミンを含み、少ない用量で供給される製剤用の原料容器のホースは、主要構成成分、例えば、糖液、脂肪酸、アミノ酸を調量するのに用いるホースよりも小さな直径を有して設計されるように意図される。
【0036】
比較的細いホースは、特に、上記のより太いホースの少なくとも半分未満の内径を有することができる。
【0037】
1つの実施形態の場合、異なる長さを有するホースを用いることが意図される。特に、製剤の主要構成成分を調量する比較的太いホースは、より長く構成されることが意図される。したがって、比較的大きな原料容器は、装置のより遠くの位置から、例えばバーから吊るすことができる。比較的小さな原料容器は、弁ユニットのより近くに配置することができ、これにより、弁ユニットを交換する際に、これらの高価であることが多い製剤構成成分の取り残される残量が更に低減される。
【0038】
弁ユニットは、少なくとも4個、特に好ましくは少なくとも8個、特に最も好ましくは12個の流入口を有することが好ましい。
【0039】
弁ユニットは、装置の上に取り付けることができる。弁ユニットのハウジングは、装置の上に容易に取り付けるために、特に、掛止手段を備えることができる。
【0040】
装置の使用後、弁ユニットは、装置から再び取り外し、好ましくは新しい弁ユニットと交換することができる。したがって、この変形形態における上記掛止手段は、解除可能であるように設計される。掛止手段は、弁ユニットの1つの側から見た場合に好ましくは解除可能であり、そのため、掛止機構は、例えば正面から解除することができ、弁ユニットを容易に取り外すことができる。これは、例えば、装置上の形状嵌合要素の下方に、弁ユニットの反対側にある弾性の(sprung)掛止フックによって係合するカラーを用いて実現することができる。
【0041】
本発明の1つの実施形態の場合、弁ユニットは、エラストマー製のプラグを有する弁を備え、上記プラグは、ハウジングに、好ましくは潤滑剤なしで挿入される。
【0042】
プラグは、60~100、好ましくは70~90、特に好ましくは80~85のショアA硬度を有することが好ましい。1つの実施形態におけるプラグは、熱可塑性エラストマーによって設けられる。これは、最上の例では、ウレタン系の熱可塑性エラストマーである。さらに、これは、例えば、PPマトリックス中にEPDMゴム粒子を含有することによって得られる架橋オレフィン系熱可塑性エラストマーとすることができる。
【0043】
実質的に円筒形に構成され、円筒形に構成された弁ハウジングに圧入されるプラグによって、確実なシール効果を非常に単純な方法で得ることができることが実証されている。
【0044】
プラグは、好ましくは下側に係合要素、特にスロットを有し、このスロットにより、プラグを、装置の一部として存在する弁制御ユニットを用いて、装置のモーターによって作動させることができる。
【0045】
弁ユニットは、ホース及びホースのコネクタを除き、ハウジング及びハウジングに挿入されるプラグのみによって構成することができ、したがって、少数の構成要素から単純な方法で構成される。
【0046】
さらに、実質的に円筒形に構成され、ダクトの開放のために外装部にクリアランスを有するプラグは、ダクトへの開口にクリアランスを動かすことによって、軸方向に自己中心合わせ又は自己位置決めすることが実証されている。プラグは、例えば、開口を有するプレート等の形状嵌合要素によって固定されることは必須ではない。
【0047】
弁ハウジングの上側は、好ましくは少なくとも部分的に閉鎖しており、それにより、プラグは、挿入方向にデテントを有する。これにより、弁ユニットが組み立てられるときに、プラグが弁ハウジングから突き出ることが防止される。意図される使用に従った方法で装置の上に弁ユニットが配置されると、これにより、プラグは、1つの方向にはデテントによって、及び他の方向には装置の動力付き駆動部の係合手段によって、位置が固定される。
【0048】
本発明の1つの改良形態の場合、弁ユニットの流出口は、少なくとも3つの部分を含むホースに接続され、この場合、中央部分は、隣接部分に対して拡大した断面を有する。
【0049】
特に、流出口に存在するホースは、蠕動ポンプ、特にホースポンプ、例えば、ローラーポンプ又はフィンガーポンプ用に使用され、この場合、中央部分がポンプに挿入されることが意図される。このタイプのポンプの場合、ホースを周期的に締め付けることによって媒体が運ばれる。ホースの中央部分の拡大断面は、この断面を、使用する蠕動ポンプ用に用いることができるように選択される。他の2つのホース部分の断面は、必要とされる体積流量のために構成されることが好ましい。
【0050】
したがって、原料容器から目標容器のコネクタまでの総距離部分は、単回使用部品として構成される。移送される媒体と接触する構成要素、例えば、ポンプの部分は存在しない。
【0051】
さらに、本発明は、医薬製剤を製造する装置の弁ユニット、特に、1つ又は複数の上記特徴を有する弁ユニットに関する。
【0052】
弁ユニットは、同様に、複数の流入口を有するハウジングを備え、流入口は、弁を介して流出口に接続可能である。
【0053】
本発明によれば、弁は、ハウジングに挿入されるプラグを備え、開放位置において、流体をプラグの外面上を通して導くことが可能である。
【0054】
本発明によれば、これにより、プラグの外面はシール面として機能し、又は、流体は、開放状態において、プラグの外面に沿って導かれる。
【0055】
プラグは、好ましくは円筒形に実現され、外装部に少なくとも1つのクリアランスを有し、このクリアランスによって、開放位置において、弁の流入口と流出口との間のダクトが解放される。プラグは、反対方向の2つのクリアランスを有することが好ましい。各場合において、1つのクリアランスが開放位置のそれぞれに割り当てられる。
【0056】
弁は、弁ユニットのハウジングに構成される弁ハウジングに単に圧入されることが好ましい。
【0057】
本発明の1つの改良形態の場合、好ましくはエラストマーから構成されるプラグは、クリアランスの上下に少なくとも1つの周囲ウェブを有し、このウェブは、ハウジングに対するリップシールを構成する。
【0058】
軸方向に相互に離間した少なくとも2つ、特に好ましくは少なくとも3つのウェブが設けられることが好ましい。
【0059】
弁ユニットは、上記ウェブによって外部に対してシールされる。ウェブは、ウェブの材料が横方向に曲がることができることから、プラグの圧入を更に容易にする。
【0060】
本発明の1つの改良形態の場合、プラグは、特にクリアランスに隣接して、軸方向に延在するウェブを有することが意図される。上記ウェブは、弁の閉鎖位置における弁のリップシールとして、又は、開放していないそれぞれのダクトに対するシール手段として機能する。
【0061】
本発明の更なる態様によれば、弁ユニットの流入口は、それぞれ、例えば、溶接又は接着によりハウジングに分離不能に接続される1つのホースを備える。
【0062】
分離不能な接続とは、意図される使用では、破壊せずに解除することができない接続として理解される。
【0063】
これにより、使用者がホースを接続する必要がないことから、弁ユニットの使用は簡略化される。また、一方では、コネクタを取り違える可能性がないことから、また他方では、個々のホースを許容されない方法で複数回用いることができないことから、安全性が向上する。
【0064】
弁ユニットは、ホースを介して原料容器に接続される。上記弁ユニットは、例えば、複数の目標容器に特定の体積量を充填するか、又は特定の時間にわたって使用するように意図される。既定の体積が流れ終わる及び/又は既定の時間が経過した後、弁ユニットは、取り外され、新しい弁ユニットに交換される。
【0065】
ハウジングの流出口も、製剤を目標容器に移送するのに用いるホースに好ましくは分離不能に接続される。
【0066】
本発明の主題は、例示的な一実施形態を参照するとともに、図面の図1図14を用いて、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明に係る弁ユニットのワイヤフレーム斜視図である。
図2】ホースを伴わない弁ユニットの斜視図である。
図3】弁ユニットの底面図である。
図4】ハウジング上部の底面図である。
図5】弁ユニットの分解図である。
図6】弁ユニットの断面斜視図である。
図7】a~cは、弁の開放位置及び閉鎖位置を説明する断面図である。
図8】a~cは、弁の開放位置及び閉鎖位置を説明する断面図である。
図9】弁のプラグの詳細図である。
図10】主な延在方向の軸に対して垂直方向のプラグの断面図である。
図11】原料容器のコネクタピースの詳細図である。
図12】弁ユニットの流出口のホースの詳細図である。
図13】医薬製剤を製造する装置の概略図である。
図14】本発明に係る弁ユニットに対する装置上のレセプタクルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1の斜視図は、単回使用部品として構成されている弁ユニット1の一実施形態を示している。
【0069】
弁ユニット1は、プラスチック材料製のハウジング2を備える。上記ハウジングは、カートリッジ式に構成することができる。
【0070】
立方体形状に構成されているハウジング2は、上側に複数の流入口3a~3lを備える。この例示的な実施形態では、12個の流入口3a~3lが存在する。弁ユニット1は、より多い又はより少ない流入口を有する構成とすることもできる。
【0071】
ハウジング2は、2cm~6cmの高さ、6cm~12cmの幅、及び3cm~8cmの奥行きを有することが好ましい。
【0072】
各場合において、2つの流入口、すなわち、流入口3a及び3bと、流入口3c及び3dとが、この例示的な実施形態では、それぞれただ1つの3方向弁9によって開閉される。
【0073】
ここに示されている弁ユニット1の実施形態の変形形態は、6つの3方向弁を備える。各流入口3a~3lは、1つの可撓性ホース4a~4lに接続される。わかりやすさを増すために、ホース4a~4lは、この図では一部にしか参照符号を付していないが、流入口3a~3lに対応している、すなわち、各流入口3a~3lに1つのホース4a~4lが割り当てられる。
【0074】
ホース4a~4lは、好ましくは溶接又は接着によって、流入口3a~3lに接続され、上記ホース4a~4lは、破壊せずに外すことはできなくなっている。
【0075】
この例示的な実施形態では、例えば、ホース4h及び4iは、ホース4a及び4lの直径よりも小さな直径を有する。ホース4h及び4iは、微量の調量の機能を果たす。
【0076】
目標容器(図示せず)は、流出口5及び流出口5に好ましくは同様に分離不能に接続されたホース6を介して充填することができる。
【0077】
この図には、ハウジング2のそれぞれのコネクタに向いているホース4a~4l、6の端部のみが示されており、コネクタを有するホースの残りの部分は示されていない(図11及び図12を参照)。
【0078】
この例示的な実施形態では、流出口5の反対側に更なるコネクタ7が設けられる。弁ユニット1は、コネクタ7によって両側から閉鎖することができる。不要な流出口5又はコネクタ7は、それぞれ容易に閉鎖することができる。
【0079】
図2は、弁ユニット1のハウジング2の斜視図を示している。ここでは、流入口3a~3l及び流出口5に対するホース4a~4lは省かれている。この図は、図1のものに対しておよそ180度回転されている。
【0080】
弁ユニット1を装置28の上に掛止することを可能にするための掛止フック8を、特にこの図において見て取ることができる。ハウジング2の反対側は、装置上の形状嵌合要素の下方に係合するカラー26によって保持される(図3も参照)。
【0081】
弁ユニット1を取り外すには、使用者は、弾性の掛止フック8のつまみ27を正面から上方に引くだけでよく、これにより、掛止機構が解除され、それにより、弁ユニット1を取り外すことができる。
【0082】
さらに、弁9が見て取れる。弁9の弁ハウジング14は、ハウジング2の上側から突出している。図では1つの弁9のみに参照符号が付されている。
【0083】
それぞれ2つの流入口3a~3lに対する弁9は、同一構成であることが好ましく、そのため、弁9に関する以下の記載は、弁ユニット1の弁9の全てに当てはまる。
【0084】
ここで参照符号9によって示されている弁9は、流入口3a及び3bを作動させる機能を果たす。弁ユニット1の上側の平面図における流入口3a及び3bは、弁ハウジング14に重なっている。したがって、流入口3a~3lは、互いに近くに配置することができる。同時に、それぞれの流入口3a、3bからのダクトは、流入口3a、3bと弁ハウジング14とが重なる領域における開口(図4の15a、15b)によって容易に設けることができる。
【0085】
弁ハウジング14は、好ましくは流入口3a、3bの1.1倍~1.5倍の内径を有する。弁ハウジング14は、例えば0.5cm~2cmの内径を有する。
【0086】
弁ハウジング14上の流入口3a、3bは、該流入口3a、3bの外径の半分未満だけ離間していることが好ましい。
【0087】
図3は、ハウジング2の底面斜視図を示している。
【0088】
弁9は、それぞれ1つの圧入プラグ10a~10fを備え、圧入プラグ10a~10fは、モーターによって作動する駆動部に対する係合要素として機能するスロット11を有する(これについては、図14における係合要素36を有する連動要素(entrainment elements)35を参照)。
【0089】
流入口3a~3lの完全な開放は、プラグ10a~10fのおよそ4分の1回転、好ましくは8分の1回転で行われる。1つのコネクタは、1つの方向に回転することで開放し、他のコネクタは、他の方向に回転することで開放する。したがって、2つの開放位置を達成する回転は、実質的に、中央閉鎖位置に対して±45度で達成される。
【0090】
したがって、中央閉鎖位置を有する3/3方向弁が用いられる。
【0091】
平面図におけるプラグ10a~10fは、2つの直線列a及びbに配置される。列aのプラグ10d~10fは、列bのプラグ10a~10cに対し、それぞれ対向するプラグに関して軸方向にオフセットされている。
【0092】
列bのプラグ10a~10cは、中央位置にあり、したがって、それぞれの弁9は閉鎖している。これに対して、列aのプラグ10c~10eは、8分の1回転だけ回転され、それぞれ1つの流入口(3a~3l)が開放している。ただし、医薬製剤を製造する装置28の動作において、調量ステップ中、一度に1つの弁9のみが開放されることが理解される。詳細には、この例における弁9は、流入口3a~3lのうちの1つの流入口に関してのみ開放される。
【0093】
図4は、プラグ9を伴わないハウジング2のハウジング上部2aの図を示している。このように、ここに示されている例示的な実施形態は、ハウジング2を2部分として示している。別の実施形態の場合、ハウジング2は一体的に構成されるが、その他の点ではここに示されている例示的な実施形態と同様である。
【0094】
弁ハウジング14は、ハウジング2における好ましくは円筒形のダクトによって実質的に形成され、このダクトは、ハウジング2の下側からハウジング2に通じることを見て取ることができる。プラグ10は、ハウジング2の下側を介してハウジング2に圧入される。
【0095】
各弁ハウジング14は、それぞれ弁における流入口3a~3lに通じる開口15a、15bを横方向に有する。
【0096】
プラグ10の2つの開放位置において、流体が、1つの流入口から開口15aを介して又は他の流入口から開口15bを介してプラグ10を通過し、開口13を介して弁ハウジング14を出て中央ダクト12に入ることができる。
【0097】
この例示的な実施形態における開口15a、15bは、実質的にスロット形状に構成されるとともに、プラグ10のクリアランス18の高さと並ぶ(図6を参照)。
【0098】
弁ハウジング14の円筒形状は、ダクト12に重なる。こうして形成された弁ハウジング14の開口13は、ダクト12へと開口する。流体は、開口13を介してダクト12に流入することができる。
【0099】
ダクト12は、好ましくは少なくとも弁9の領域において、一貫した断面を有する。これにより、全ての弁9の場合に同一サイズの開口13が確保され、したがって、開放状態において全ての弁9に略同一の流量が保証される。
【0100】
開口15a、15bは、ここに示されているように、ともに接合される2つのハウジング半部分によって実現することができる。
【0101】
弁ハウジング14は、上側に通気穴16を有する。弁ハウジング14内に存在する空気は、プラグ10が圧入されるときに通気穴16を介して流出することができる。
【0102】
図5は、ここでは2つの部分である弁ユニット1の分解図を示している。ハウジング2は、ハウジング上部2a及びハウジング下部2bを含む。
【0103】
ここで、プラグ10を受ける円筒形の弁ハウジング14の下部を見て取ることができる。弁ハウジング14は、それぞれ1つの開口13を介して中央ダクト12へと開口する。
【0104】
さらに、流入口3a~3lに通じる開口15a及び15bが見て取れる。
【0105】
図6は、弁ユニット1の主な延在方向に沿った図を断面で示している。
【0106】
弁ハウジング14に圧入されるプラグ10を見て取ることができる。流入口3e又は流入口3fは、参照符号10で示されるプラグによって弁ユニット1の中央ダクト12に接続することができる。
【0107】
さらに、ハウジング2が、弁9に対する支持部として機能するプレート32を備えることを見て取ることができる。
【0108】
この例示的な実施形態におけるプレート32は、ハウジング2が2部分で実現されることから、2段に構成されている。代替的な一実施形態の一体的なハウジング2(ここでは図示せず)では、プレート32は1段である。
【0109】
図7a~図7cは、様々な位置における弁9の断面図を示している。
【0110】
図7aによる図における弁9のプラグ10は、中央閉鎖位置に位置している。ダクト12と弁ハウジング13との間の開口13は、プラグ10によって閉鎖されている。このため、流体は、それぞれ流入口3h及び開口15aを介して又は流入口3g及び開口15bを介してダクト12に入ることができない。
【0111】
図7bは、開放する途中の弁9を示している。プラグ10の外装部のクリアランス18は、ダクト12の開口13に達し、流体は、開口13を通ってダクト12に流入することができる。
【0112】
図7cは、完全な開放位置にある弁9を示している。ダクトは、8分の1回転で解放され、流体は、流入口3gから、プラグ10の外装部の外面を介して、クリアランス18に沿って、開口13を通ってダクト12に流入することができる。
【0113】
装置28の動作中、液体はここで、流入口3gに接続された原料容器29から回収することができる。
【0114】
図8a~図8cによる図は、図7a~図7cの図に対応するが、相違点は、プラグ10が、図8aに示されている中央閉鎖位置から進む際、反対方向に8分の1回転だけ回転されることである。
【0115】
図8cに見て取ることができるように、流入口3hは、ここではダクト12に接続されている。流体の流れは、図示の矢印33によって表される。
【0116】
図9は、プラグ10の詳細図をワイヤフレーム斜視図で示している。
【0117】
プラグ10の下側は、駆動部に対する係合要素としてのスロット11を有する(これについては図14も参照)。
【0118】
プラグ10は、実質的に円筒形に構成され、弁ハウジング14に圧入される。
【0119】
プラグ10は、0.5cm~2cmの直径及び/又は0.5cm~3cmの高さを有することが好ましい。
【0120】
開放状態において弁9におけるダクトを解放するために、プラグ10は、互いに反対側にある2つのクリアランス18を有する(この図では1つのクリアランスのみが見えている)。
【0121】
クリアランス18は、プラグ10の円周の4分の1を占めることが好ましい(これについては図10を参照)。
【0122】
各場合において、周りを囲むとともに軸方向に相互に離間したウェブ17a~17c及び19a~19cを有する2つの領域が、クリアランス18の上下に設けられる。
【0123】
クリアランス18の上のウェブ19a~19cは、リップシールとして機能し、一方、ウェブ17a~17cは、ハウジング14の下側におけるリップシールを構成し、したがって、ハウジング14の下側においてプラグ10をシールする。
【0124】
クリアランス18が存在しない領域では、プラグ10は、軸方向に延在するウェブ20a~20dを有し、ウェブ20a~20dは、ダクト12への開口13と弁ハウジング14の入口側の開口15a、15bとの間のリップシールとしての効果をもたらす。
【0125】
ウェブ20a~20dにより、それぞれ、閉鎖位置において、弁側の出口15a及び15bがシールされるか、又は、開放位置において、それぞれの開放されていない流入口3a~3lが封鎖される。
【0126】
図10(クリアランス18の高さレベルにおけるもの)は、プラグ10の径方向断面を示している。プラグ10の中央領域に軸方向に向かい合って延在する、互いに反対側にある2つの湾曲クリアランス18を見て取ることができる(これについては図9を参照)。
【0127】
クリアランス18は、それぞれ、プラグ10の外装部の円周のおよそ4分の1を占める。
【0128】
さらに、軸方向に延在するウェブ20a~20dは、クリアランス18が延在しない領域においてプラグ10の外装部の周りに分布することが見て取れる。
【0129】
図11は、流入口のホース4a~4lのコネクタピース21、22を示している。
【0130】
コネクタピース21、22は、例えばルアーロックコネクタとして構成することができ、及び/又はスパイクを備えることができる。
【0131】
例えばホース4hは、ホース4gよりも短いことを見て取ることができる。また、ホース4hは、より小さな直径を有し、微量の調量の機能を果たす。
【0132】
図12は、流出口5に対するホース6の図を示している。
【0133】
上記ホース6は、目標容器に対するコネクタ23を備え、該コネクタ23は、例えばルアーロックコネクタとして構成され得る。
【0134】
ホース6は、それぞれ1つの接続ピース24、25によって接続されるホース部分6a~6cに細分化される。
【0135】
中央部分6bは、隣接部分6a及び6cの直径よりも大きな直径を有し、蠕動ポンプ、特に、ローラーポンプ又はフィンガーポンプの設計のホースポンプ(図示せず)においてホース6を使用するのに役立つ。
【0136】
図13は、医薬製剤を製造する、特に非経口栄養用の製剤を製造する装置28の概略図を示している。弁ユニット1は、装置28の上に取り付けることができる別個の部品である。弁ユニット1は、使用後に再び取り外すことができ、特に、ホース4a~4l及び6とともに処分することができる。
【0137】
ここでは、弁ユニット1は、装置28の上側のレセプタクル34に掛止されている。弁ユニット1のホース4a~4l及び6は、図示されていない。流入口3a~3lのホース4a~4lは、原料容器29に接続される。例示的にはバイアルとして設けられる微量用の原料容器29のみが、ここには示されている。
【0138】
流出口5のホース6は、装置28に接続された計量器31上に配置される目標容器(図示せず)に接続される。
【0139】
患者別の製剤は、ポンプ30によってコンピューター制御により目標容器に移送することができ、この場合、いずれの原料容器29から液体を回収するかを、弁ユニット1の弁9によって制御する。回収された量は、計量器31によって確認することができる。
【0140】
図14は、弁ユニット1に対する装置上のレセプタクル34の詳細斜視図を示している。
【0141】
レセプタクル34は、弁ユニット1の掛止フック8及びカラー26に対する形状嵌合要素として機能する、突出した周縁部37を有する。
【0142】
レセプタクル34は、装置におけるモーターによって回転させることができる連動要素35を更に備える。
【0143】
連動要素35は、プラグ10と対応する様式で、2つの直線列に配置され、1つの列の連動要素35は、他の列の連動要素35に対して軸方向にオフセットされている。
【0144】
連動要素35は、スクリュードライバーのような構成であるとともに、弁ユニット1の掛止状態においてプラグ10のスロット11に係合する係合要素36を有する。これにより、プラグ10を回転させることができ、連動要素35によって弁9を作動させることができる。
【0145】
本発明により、非経口栄養剤を調製する装置の丈夫で信頼性のある弁ユニットを提供することができる。
【符号の説明】
【0146】
1 弁ユニット
2 ハウジング
2a ハウジング上部
2b ハウジング下部
3a~3l 流入口
4a~4l ホース
5 流出口
6 ホース
6a~6c ホース部分
7 コネクタ
8 掛止フック
9 弁
10、10a~10f プラグ
11 スロット
12 ダクト
13 開口
14 弁ハウジング
15a、15b 開口
16 通気穴
17a~17c ウェブ
18 クリアランス
19a~19c ウェブ
20a~20d ウェブ
21 コネクタ
22 コネクタ
23 コネクタ
24 接続ピース
25 接続ピース
26 カラー
27 つまみ
28 装置
29 原料容器
30 ポンプ
31 計量器
32 プレート
33 矢印
34 レセプタクル
35 連動要素
36 係合要素
37 周縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14