(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】植込み型医療デバイスを用いて分析物の存在を決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1459 20060101AFI20220111BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61B5/1459 ZDM
G01N21/64 F
G01N21/64 B
(21)【出願番号】P 2018567194
(86)(22)【出願日】2017-08-09
(86)【国際出願番号】 US2017046116
(87)【国際公開番号】W WO2018038920
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2018-12-21
(32)【優先日】2016-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ケーン、マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マイレ、キース アール.
(72)【発明者】
【氏名】スターマン、ジェフリー イー.
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-537247(JP,A)
【文献】特表2002-523774(JP,A)
【文献】特表2010-539484(JP,A)
【文献】国際公開第2016/025297(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0266776(US,A1)
【文献】国際公開第2016/059635(WO,A1)
【文献】特表2015-522300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455-5/1459
G01N 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジケータタグを含む植込み型医療デバイスであって、前記インジケータタグは分析物に対して応答性を示し、前記インジケータタグは、植込み型医療デバイスの外部表面上に配置され、前記分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、及び/又は臓器に直接曝露されるように構成されている植込み型医療デバイスと、
前記インジケータタグ上に光を放出するように構成されている光源であって、放出される光は、少なくとも1つの光の波長を含み、前記インジケータタグは、前記放出される光に応答して、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかに相当する光を発する、光源と、
光を受信するように構成された光センサであって、受信される光は、前記発せられる光の少なくとも一部を含み、前記受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含む、光センサと、
前記光センサに通信接続されているプロセッサであって、
前記放出される光の強度に対する前記受信される光
の強度の比率を決定することによって、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、プロセッサと
を含む、医療システム。
【請求項2】
前記光源及び前記光センサは、前記植込み型医療デバイスに組み込まれている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記光源は、前記植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、前記光センサは、前記植込み型医療デバイスに組み込まれており、前記放出される光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、前記受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、前記第1の受信される光パルスは、前記少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答して前記インジケータタグにより発せられる光パルスを含み、前記プロセッサは、前記光センサが前記第1の受信される光パルスを受信したことに応答して、高パワー状態に移行するように構成されている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記植込み型医療デバイスは、前記受信される光を前記光センサに伝送するように構成されている導波管を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項5】
前記光源は、前記植込み型医療デバイスに組み込まれており、前記光センサは、前記植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項6】
前記植込み型医療デバイスは、前記放出される光を前記インジケータタグに伝送するように構成されている導波管を含む、請求項1、2、及び5のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項7】
前記光源は、前記植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、前記光センサは、前記植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、前記放出される光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、前記受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、前記第1の受信される光パルスは、前記少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答して前記インジケータタグにより発せられる光パルスを含み、前記プロセッサは、前記光センサが前記第1の受信される光パルスを受信したことに応答して、高パワー状態に移行するように構成されている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記光センサは複数の光検出器を含み、前記複数の光検出器のそれぞれは、複数のフィルタの各フィルタに結合されており、前記複数のフィルタのフィルタは、1つの光の波長のみが前記フィルタを通過することを可能にするように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項9】
前記放出される光及び前記受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、
前記プロセッサは、前記インジケータタグによって前記少なくとも2つの光の波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、前記インジケータタグによって前記少なくとも2つの光の波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、前記第1の吸収と前記第2の吸収とを比較することによって、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項10】
前記インジケータタグは、前記分析物に曝露されたときに前記インジケータタグの蛍光を変化させることにより前記分析物に対して応答性を示し、
前記プロセッサは、前記受信される光を基に前記インジケータタグの蛍光を決定することによって、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記受信される光の蛍光寿命効果を決定することによって、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項12】
植込み型医療デバイスの外部表面上に配置され、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、及び/又は臓器に直接曝露されるように構成されているインジケータタグを光に曝露させるステップであって、前記光は、少なくとも1つの光の波長を含み、前記インジケータタグは、前記光に曝露されたことに応答して光を発し、発せられる光は、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかに相当する、ステップと、
光センサを用いて、前記発せられる光の少なくとも一部を受信するステップであって、受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含む、ステップと、
プロセッサを用いて、
前記インジケータタグを曝露させた光の強度に対する前記受信される光の強度の比率を決定することによって、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記曝露させた光及び前記受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかは、前記インジケータタグによって前記少なくとも2つの波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、前記インジケータタグによって前記少なくとも2つの波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、前記第1の吸収と前記第2の吸収とを比較することを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記インジケータタグは異なる濃度の前記分析物に曝露されると前記インジケータタグの蛍光を変化させることにより、前記分析物の存在に対して応答性を示し、前記受信される光を基に、前記インジケータタグが前記分析物に曝露されたかどうかを決定するステップは、前記受信される光を基に前記インジケータタグの蛍光を決定すること、及び前記受信される光の蛍光寿命効果を決定することのうちの少なくとも1つを含む、請求項
12又は
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、分析物の存在を決定するための医療デバイス及びシステムに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、植込み型医療デバイス(IMD:implantable medical device)の1つ以上のインジケータタグを用いて分析物の存在を決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病態の発症又は発生は、分析物の存在を決定すること及び/又は1つ以上の分析物の濃度を測定することによって決定され得る。しかしながら、1つ以上の病態を決定するために分析物を測定する従来のシステム及び方法の多くは一時的なものであることが多い。例えば、高血糖イベント又は低血糖イベントの発症を決定するために、被験者は、自身の指を穿刺してグルコースレベルを決定する必要がある場合がある。しかしながら、多くの被験者は、自身のグルコースレベルの確認を忘れるか、多くの場合、高血糖イベント又は低血糖イベントを防止するのに十分なほど自身のグルコースレベルを確認しないかのいずれかであり得る。したがって、被験者は、高すぎる又は低すぎる血糖によって有害事象を被る場合がある。したがって、当該技術分野においては、分析物の存在及び/又は被験者の分析物濃度を決定するための代替的なシステム及び方法に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、植込み型医療デバイス(IMD:implantable medical device)上に配置された1つ以上のインジケータタグを用いて、分析物の存在を決定するためのシステム及び方法に関する。例示的実施形態は以下を含む。
【0004】
例1においては、インジケータタグを含む植込み型医療デバイスであって、インジケータタグは分析物に対して応答性を示す、植込み型医療デバイスと、インジケータタグ上に光を放出するように構成されている光源であって、放出される光は、少なくとも1つの光の波長を含み、インジケータタグは、放出される光に応答して、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかに相当する光を発する、光源と、光を受信するように構成された光センサであって、受信される光は、発せられる光の少なくとも一部を含み、受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含む、光センサと、光センサに通信接続されているプロセッサであって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されているプロセッサとを含む、医療システム。
【0005】
例2においては、光源及び光センサは、植込み型医療デバイスに組み込まれている、例1に記載の医療システム。
例3においては、光源は、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、光センサは、植込み型医療デバイスに組み込まれており、放出される光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、第1の受信される光パルスは、少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答してインジケータタグにより発せられる光パルスを含み、プロセッサは、光センサが第1の受信される光パルスを受信したことに応答して、高パワー状態に移行するように構成されている、例1に記載の医療システム。
【0006】
例4においては、植込み型医療デバイスは、受信される光を光センサに伝送するように構成されている導波管を含む、例1~3のいずれかに記載の医療システム。
例5においては、光源は、植込み型医療デバイスに組み込まれており、光センサは、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれている、例1に記載の医療システム。
【0007】
例6においては、植込み型医療デバイスは、放出される光をインジケータタグに伝送するように構成されている導波管を含む、例1~2及び5のいずれかに記載の医療システム。
【0008】
例7においては、光源は、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、光センサは、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、放出される光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、第1の受信される光パルスは、少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答してインジケータタグにより発せられる光パルスを含み、プロセッサは、光センサが第1の受信される光パルスを受信したことに応答して、高パワー状態に移行するように構成されている、例1に記載の医療システム。
【0009】
例8においては、光センサは複数の光検出器を含み、複数の光検出器のそれぞれは、複数のフィルタの各フィルタに結合されており、複数のフィルタのフィルタは、1つの光の波長のみがフィルタを通過することを可能にするように構成されている、例1~7のいずれかに記載の医療システム。
【0010】
例9においては、プロセッサは、放出される光の強度に対する受信される光の強度の比率、及び放出される光の波長に対する受信される光の波長の比率のうちの少なくとも1つを決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例1~8のいずれかに記載の医療システム。
【0011】
例10においては、放出される光及び受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、プロセッサは、インジケータタグによって少なくとも2つの光の波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、インジケータタグによって少なくとも2つの光の波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、第1の吸収と第2の吸収とを比較することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例1~9のいずれかに記載の医療システム。
【0012】
例11においては、インジケータタグは、分析物に曝露されたときにインジケータタグの蛍光を変化させることにより分析物に対して応答性を示し、プロセッサは、受信される光を基にインジケータタグの蛍光を決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例1~10のいずれかに記載の医療システム。
【0013】
例12においては、プロセッサは、受信される光の蛍光寿命効果を決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例1~11のいずれかに記載の医療システム。
【0014】
例13においては、インジケータタグを光に曝露させるステップであって、光は、少なくとも1つの光の波長を含み、インジケータタグは、光に曝露されたことに応答して光を発し、発せられる光は、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかに相当するステップと、光センサを用いて、発せられる光の少なくとも一部を受信するステップであって、受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含むステップと、プロセッサを用いて、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するステップとを含む方法。
【0015】
例14においては、曝露させた光及び受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかは、インジケータタグによって少なくとも2つの波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、インジケータタグによって少なくとも2つの波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、第1の吸収と第2の吸収とを比較することを含む、例13に記載の方法。
【0016】
例15においては、インジケータタグは異なる濃度の分析物に曝露されるとインジケータタグの蛍光を変化させることにより、分析物の存在に対して応答性を示し、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するステップは、受信される光を基にインジケータタグの蛍光を決定すること、及び受信される光の蛍光寿命効果を決定することのうちの少なくとも1つを含む、例13及び例14のいずれかに記載の方法。
【0017】
例16においては、インジケータタグを含む植込み型医療デバイスであって、インジケータタグは分析物に対して応答性を示す、植込み型医療デバイスと、インジケータタグ上に光を放出するように構成されている光源であって、放出される光は、少なくとも1つの光の波長を含み、インジケータタグは、放出される光に応答して、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかに相当する光を発する、光源と、光を受信するように構成された光センサであって、受信される光は、発せられる光の少なくとも一部を含み、受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含む、光センサと、光センサに通信接続されているプロセッサであって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されているプロセッサとを含む医療システム。
【0018】
例17においては、光源及び光センサは、植込み型医療デバイスに組み込まれている、例16に記載の医療システム。
例18においては、光源は、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれており、光センサは、植込み型医療デバイスに組み込まれている、例16に記載の医療システム。
【0019】
例19においては、植込み型医療デバイスは、受信される光を光センサに伝送するように構成されている導波管を含む、例18に記載の医療システム。
例20においては、光源は、植込み型医療デバイスに組み込まれており、光センサは、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれている、例16に記載の医療システム。
【0020】
例21においては、植込み型医療デバイスは、放出される光をインジケータタグに伝送するように構成されている導波管を含む、例20に記載の医療システム。
例22においては、光源及び光センサは、植込み型医療デバイスとは異なるデバイスに組み込まれている、例16に記載の医療システム。
【0021】
例23においては、光センサは複数の光検出器を含み、複数の光検出器のそれぞれは、複数のフィルタの各フィルタに結合されており、複数のフィルタのフィルタは、1つの光の波長のみがフィルタを通過することを可能にするように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0022】
例24においては、プロセッサは、放出される光の強度に対する受信される光の強度の比率、及び放出される光の波長に対する受信される光の波長の比率のうちの少なくとも1つを決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0023】
例25においては、放出される光及び受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、プロセッサは、インジケータタグによって少なくとも2つの光の波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、インジケータタグによって少なくとも2つの光の波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、第1の吸収と第2の吸収とを比較することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0024】
例26においては、インジケータタグは、分析物に曝露されたときにインジケータタグの蛍光を変化させることにより、分析物の存在に対して応答性を示し、プロセッサは、受信される光を基にインジケータタグの蛍光を決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0025】
例27においては、プロセッサは、受信される光の蛍光寿命効果を決定することによって、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0026】
例28においては、放出される光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、第1の受信される光パルスは、少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答してインジケータタグにより発せられる光パルスを含み、プロセッサは、光センサが第1の受信される光パルスを受信したことに応答して、高パワー状態に移行するように構成されている、例16に記載の医療システム。
【0027】
例29においては、インジケータタグを光に曝露させるステップであって、光は、少なくとも1つの光の波長を含み、インジケータタグは、光に曝露されたことに応答して光を発し、発せられる光は、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかに相当するステップと、光センサを用いて、発せられる光の少なくとも一部を受信するステップであって、受信される光は、少なくとも1つの光の波長を含むステップと、プロセッサを用いて、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するステップとを含む方法。
【0028】
例30においては、曝露させた光及び受信される光は、少なくとも2つの光の波長を含み、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかは、インジケータタグによって少なくとも2つの波長のうちの第1の波長の第1の吸収を決定し、インジケータタグによって少なくとも2つの波長のうちの第2の波長の第2の吸収を決定し、第1の吸収と第2の吸収とを比較することを含む、例29に記載の方法。
【0029】
例31においては、インジケータタグは異なる濃度の分析物に曝露されるとインジケータタグの蛍光を変化させることにより、分析物の存在に対して応答性を示し、受信される光を基に、インジケータタグが分析物に曝露されたかどうかを決定するステップは、受信される光を基にインジケータタグの蛍光を決定すること、及び受信される光の蛍光寿命効果を決定することのうちの少なくとも1つを含む、例29に記載の方法。
【0030】
例32においては、受信される光を基に分析物の存在を決定するステップは、受信される光の蛍光寿命効果を決定するステップを含む、例29に記載の方法。
例33においては、光センサとインジケータタグは導波管を用いて互いに接続されていること、及び光源とインジケータタグは導波管を用いて互いに接続されていること、のうちの少なくとも1つである、例29に記載の方法。
【0031】
例34においては、発せられる光を、発せられる光が光センサによって受信される前に、少なくとも1つのフィルタを用いてフィルタリングするステップを更に含む、例29に記載の方法。
【0032】
例35においては、光は、少なくとも2つの光のパルスを含み、受信される光は、第1の受信される光パルスを含み、第1の受信される光パルスは、少なくとも2つの光のパルスのうちの第1の放出される光パルスに応答してインジケータタグにより発せられる光パルスを含み、光センサが第1の受信される光パルスを受信したことに応答してプロセッサに信号を送信し、プロセッサは信号の受信に応答して低パワー状態から高パワー状態に移行する、例29に記載の方法。
【0033】
複数の実施形態が開示されるが、当業者には、開示される対象の例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な説明から、本開示の更に別の実施形態が明らかになろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示であり、限定ではないと考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本開示の実施形態による、分析物の存在及び/又は分析物濃度を決定するための、IMDを含むシステムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、分析物の存在及び/又は分析物濃度を決定するための例示的な医療システムを示すブロック図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、IMD上におけるインジケータタグの異なる配置を示すIMDの一部分の概略図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、IMD上におけるインジケータタグの異なる配置を示すIMDの一部分の概略図である。
【
図3C】本開示の実施形態による、IMD上におけるインジケータタグの異なる配置を示すIMDの一部分の概略図である。
【
図4】異なる光の波長における、異なる分析物濃度に応答した相対強度を示すグラフである。
【
図5】本開示の実施形態による、分析物の存在及び/又は分析物濃度を決定するための例示的なプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
開示される対象は、様々な修正形態及び代替的な形態に適用可能であるが、例として、図面には特定の実施形態が示されており、以下に詳細に記載される。しかしながら、開示される対象は記載される特定の実施形態に限定されるものではない。反対に、開示される対象は、添付の特許請求の範囲により定義される開示される対象の範囲内にあるあらゆる修正形態、均等物、及び代替形態を包含することを意図する。
【0036】
本明細書において測定の範囲(直前で開示したものなど)に関して用語が使用される場合、「約」は、記載の測定値を含み、記載の測定値に適度に近いが、当業者には、測定誤差、測定及び/又は製造機器の校正の差、測定値の読取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素、特定の実施シナリオ、人若しくは機械による物体の不正確な調整及び/又は操作に関連する測定値の差を考慮し、性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行った調整等に起因するものであると理解され、容易に確認されるような適度にわずかな量だけ異なり得る任意の測定値も含む測定値について延べるために区別なく使用され得る。
【0037】
本明細書において、用語「ブロック」は、例示的に用いられる異なる要素を意味するために使用され得るが、この用語は、本明細書中に開示される様々なブロック間の特定の順序の要求、又は本明細書中に開示される様々なブロック間の特定の順序を意味するものと解釈されるべきではない。同様に、例示的な方法は1つ以上の図面(例えば、流れ図、通信フロー等)によって示され得るが、図面は、本明細書中に開示される様々なステップ間の特定の順序の要求、又は本明細書中に開示される様々なステップ間の特定の順序を意味するものと解釈されるべきではない。しかしながら、特定の実施形態は、特定のステップ及び/又は特定のステップ間の特定の順序を必要とする場合がある本明細書中に明示的に記載され得る場合及び/又はステップ自体の性質から理解され得る場合(例えば、いくつかのステップの実施は、前のステップの結果に依存し得る)。付加的に、物品(例えば、入力、アルゴリズム、データ値等)の「セット」、「サブセット」、又は「群」は、1つ以上の物品を含んでもよく、同様に、物品のサブセット又は下位群は、1つ以上の物品を含んでもよい。「複数」は、1つより多いことを意味する。
【0038】
詳細な説明
図1は、被験者の体104内に植え込まれ、プロセッサ106に通信接続されるように構成されている植込み型医療デバイス(IMD)102を含むシステム100の概略図である。システム100は、本開示の実施形態に従い、被験者を診断する及び/又は被験者に治療を提供するために、被験者の分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度をインビボで監視する(例えば、決定し、検出し、及び/又は記録する)ために使用されてもよい。実施形態では、IMD102は、例えば、被験者の胸部、腹部、頭部、脚及び/又は腕内の植え込み位置又はポケット内に、皮下に植え込まれてもよく、IMD102は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を監視するように構成されていてもよい。即ち、例えば、IMD102は、被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等中の分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定してもよい。1つ以上の分析物及び/又は1つ以上の分析物濃度は、被験者の循環器系、筋肉系、骨格系、神経系、リンパ系、呼吸器系及び/又は内分泌系に関連する1つ又は病態を示してもよい。
【0039】
付加的に又は代替的に、実施形態では、IMD102は、また、被験者の循環器系108に関連する他の生理学的パラメータを監視するように構成されていてもよい。例えば、IMD102は、例えば、被験者の心臓興奮信号、心音、動脈の拍動、酸素飽和度等などの生理学的パラメータを監視するように構成されている植込み型心臓モニタ(ICM:implantable cardiac monitor)(例えば、植込み型診断モニタ(IDM:implantable diagnostic monitor)、植込み型ループ式心電計(ILR:implantable loop recorder)等)であってもよい。しかしながら、これらは単なる例であり、限定を意図するものではない。
【0040】
付加的に又は代替的に、実施形態では、IMD102は、また、被験者の呼吸器系に関連する他の生理学的パラメータを監視するように構成されていてもよい。例えば、IMD102は、例えば、被験者の呼吸数、一回換気量、呼吸パターン、気流、酸素飽和度等などの生理学的パラメータを監視するように構成されている植込み型呼吸モニタ(IRM:implantable respiratory monitor)であってもよい。しかしながら、これらは単なる例であり、限定を意図するものではない。
【0041】
付加的に又は代替的に、実施形態では、IMD102は、加速度信号などの、被験者の身体活動レベル及び/又は代謝レベルを示す1つ以上の信号を含み得る生理学的パラメータを監視するように構成されていてもよい。実施形態では、IMD102は、他の1つ以上の臓器、系等に関連する生理学的パラメータを監視するように構成されていてもよい。例えば、IMD102は、心臓系の信号、循環器系の信号、神経系の信号、呼吸器系の信号、及び/又は被験者の活動に関連する信号を検出するためのセンサ又は回路を含んでもよい。
【0042】
付加的に又は代替的に、実施形態では、IMD102は、例えば、呼吸一回換気量及び毎分換気量を含む様々な呼吸パラメータを得ることができる胸腔内インピーダンスを検出するように構成されていてもよい。実施形態では、IMD102は、例えば、左心室及び右心室の活動を含む様々な心臓パラメータを得ることができる心臓インピーダンスを検出するように構成されていてもよい。1つ以上の身体運動、体位及び/又は姿勢に関係する信号を検出するためのセンサ及び関連する回路が、IMD102とともに組み込まれていてもよい。例えば、加速度計及び/又はGPSデバイスが、振戦、ふるえ、平衡異常パターン、被験者の活動、被験者の位置、体の向き、及び/又は身体姿勢を検出するために用いられてもよい。実施形態では、1つ以上の身体運動、体位及び/又は姿勢に関係する信号が、分析物及び/又は分析物濃度を示す信号などの他の信号の二次的な及び/又は確認信号として使用されてもよい。
【0043】
限定の目的ではなく説明の目的で、本開示による、生理学的パラメータを監視するために使用されてもよいデバイスの様々な実施形態が、被験者の胸部領域の皮膚下に植え込まれ得るIMDという状況で本明細書中に記載される。実施形態では、しかしながら、IMD102は、ハウジングを有するとともに被験者の体104内に植え込まれるように構成されている、任意の種類のIMD、植込み型システムの任意の数の異なる構成要素等を含んでもよい。例えば、IMD102は、制御デバイス、モニタリングデバイス、ぺースメーカ、植込み型除細動器(ICD:implantable cardioverter defibrillator)、皮下植込み型除細動器(S-ICD:subcutaneous implantable cardioverter defibrillator)、リードレス植込み型除細動器(L-ICD:leadless implantable cardioverter defibrillator)、心臓再同期療法(CRT:cardiac resynchronization therapy)デバイス、神経刺激デバイス等を含んでもよく、当該技術分野で周知の又は後に開発される、被験者の体及び/又はIMD102に関する治療及び/又は診断データを提供するための植込み型医療デバイスであってもよい。様々な実施形態において、IMD102は、除細動及びぺーシング/CRT性能の両方(例えば、CRT-Dデバイス)を含んでもよい。
【0044】
IMD102は、規則的な間隔で、連続的に、及び/又は検出されたイベントに応答して監視するように構成されていてもよい。実施形態では、このような検出されたイベントは、IMD102、別のIMD(図示せず)、外部デバイス(図示せず)等の1つ以上のセンサによって検出されてもよい。加えて、IMD102は、様々な診断的実施形態、治療的実施形態及び/又は監視実施形態とともに使用され得る様々な分析物及び/又はその濃度を検出するように構成されていてもよい。
【0045】
示されるように、IMD102は、IMD102の端部の近傍に配置されたヘッダ112を有するハウジング110を含んでもよい。ハウジング110は、任意の数の異なる形状、大きさ、及び/又は特徴を含んでもよい。実施形態では、IMD102は、例えば、音センサ、圧力センサ、インピーダンスセンサ、光センサ、温度計、気圧計、モーションセンサ、又はショックセンサ(例えば、加速度計、慣性測定ユニット(IMU:inertial measuring unit)等)任意の数の様々な種類の構成のなどの任意の数の電極114及び/又は他の種類のセンサを含んでもよい。
【0046】
実施形態では、IMD102は、インジケータタグ116が被験者の分析物(即ち、分析物の存在又は欠如)及び/又は分析物濃度にインビボで曝露されたかどうかに対して応答性を示す1つ以上のインジケータタグ116を含んでもよい。実施形態では、インジケータタグ116は、被験者の、分析物が存在し得る部分と接触する。例えば、インジケータタグ116は、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等と接触してもよい。こうすることで、インジケータタグ116が、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器、息等と接触するように、インジケータタグ116はIMD102の一部分に位置してもよい。例えば、実施形態では、インジケータタグ116は、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等に直接曝露されるIMD102の一部分に位置してもよい。別の例として、インジケータタグ116は、IMD102の一部分に位置し、分析物を透過させる材料層によって被覆されていてもよい。実施形態では、インジケータタグ116の有効寿命を延ばすために、インジケータタグ116は材料層によって被覆されていてもよい。
【0047】
実施形態では、インジケータタグ116は1つ以上のインジケータタグ116を含んでもよい。1つより多いインジケータタグ116が含まれる実施形態では、1つのインジケータタグ116は他のインジケータタグ116の冗長検査として使用されてもよい。付加的に又は代替的に、各インジケータタグ116は同一分析物及び/又は分析物濃度に対して応答性を示してもよく、又は各インジケータタグ116は異なる分析物及び/又は異なる分析物濃度に対して応答性を示してもよい。付加的に又は代替的に、実施形態では、第1のインジケータタグ116が第1の期間にわたって使用され、時間の経過とともに崩壊する表面によって被覆された第2のインジケータタグ116が第1の期間の後の第2の期間にわたって使用されるように、1つのインジケータタグ116は、時間の経過とともに崩壊する表面によって被覆されてもよい。2つのインジケータタグ116について記載しているが、3つ、4つ、5つ、6つ等のインジケータタグ116があってもよい。異なる期間の間に使用されるインジケータタグ116を含むことで、IMD102の有効寿命を延ばしてもよい。
【0048】
分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に対して応答性を示し得るインジケータタグ116の1つ以上の特性を決定するために、インジケータタグ116は、光源118から放出される光に曝露させてもよい。光に曝露されたことに応答して、インジケータタグ116は、インジケータタグ116の1つ以上の特性を示す光を発してもよい。実施形態では、インジケータタグ116から発せられる光は、蛍光により再放射される光であってもよい。実施形態では、インジケータタグ116から発せられる光は、インジケータタグ116によって反射される光であってもよい。分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよいインジケータタグ116の特性の例としては、インジケータタグ116が吸収及び/又は反射する光の種類及び/又は量、インジケータタグ116の蛍光及び/又は蛍光寿命効果が挙げられるが、これらに限定されない。これら例については、
図2に関連して以下でより詳細に説明する。
【0049】
インジケータタグ116から発せられる光は、光センサ120を用いて検出されてもよい。光センサ120によって検出された光は、メモリに記憶されてもよく、かつ/又は1つ以上の信号を介してプロセッサ106に通信されてもよい。プロセッサ106は、光センサ120から受信された信号を基に、インジケータタグ116が分析物(即ち、分析物の存在又は欠如)及び/又は分析物濃度に曝露されているかどうかを決定するように構成されている。
【0050】
付加的に又は代替的に、IMD102は、光センサ120からの光パルスの検出に応答して、低パワー状態から高パワー状態に移行するように構成されていてもよい。高パワー状態に変換後、プロセッサ106は、受信された信号を基に、分析物の存在若しくは欠如及び/又は1つ以上の分析物濃度を決定するように構成されていてもよい。付加的に又は代替的に、IMD102は、非無線通信リンク及び/又は無線通信リンクを介して信号を受信後、低パワー状態から高パワー状態に移行するように構成されていてもよい。実施形態では、IMD102は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は1つ以上の分析物濃度の決定後、高パワー状態から低パワー状態に移行してもよい。
【0051】
実施形態では、プロセッサ106、光源118及び/又は光センサ120は、IMD102に組み込まれてもよく、又はIMD102の外部にあってもよい。例えば、プロセッサ106、光源118及び/又は光センサ120がIMD102の外部にある実施形態では、プロセッサ106、光源118及び/又は光センサ120は、別のIMD(図示せず)に組み込まれてもよい。あるいは、プロセッサ106、光源118及び/又は光センサ120がIMD102の外部にある実施形態では、プロセッサ106、光源118及び/又は光センサ120は、被験者上に、被験者の近傍に、又は被験者の外部の任意の位置に配置されてもよい。
【0052】
実施形態では、光源118、光センサ120及びインジケータタグ116は、可視光スペクトル内で動作してもよい。他の実施形態では、光源118、光センサ120及びインジケータタグ116は、赤外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、光源118、光センサ120及びインジケータタグ116は、紫外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、光源118、光センサ120及びインジケータタグ116は、可視光スペクトル、赤外光スペクトル及び/又は紫外光スペクトルの組み合わせ内で動作してもよい。したがって、実施形態では、本出願における光という用語の範囲は、電磁スペクトルの赤外部、可視部、及び紫外部を含む。
【0053】
実施形態では、IMD102とプロセッサ106は、非無線通信リンク及び/又は無線通信リンクを介して通信してもよい。例えば、IMD102とプロセッサ106は、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11などの近距離無線リンク及び/又は独自の無線プロトコルを介して通信接続されてもよい。「通信リンク」という用語は、少なくとも2つのデバイス間においてある種の情報を少なくとも1つの方向に通信する機能を意味し得るものであり、直接的、持続的、あるいは限定的な通信チャネルに限定されるものと解釈すべきではない。即ち、実施形態によれば、通信リンクは、持続通信リンク、間欠通信リンク、アドホック通信リンク等であってもよい。通信リンクは、IMD102とプロセッサ106との間の一方向通信及び/又は双方向通信を容易にしてもよい。データ及び/又は制御信号は、IMD102及び/又はプロセッサ106の機能を調整するために、IMD102とプロセッサ106との間で伝送されてもよい。実施形態では、被験者データは、IMD102及びプロセッサ106のうちの1つ以上から定期的に又はコマンドでダウンロードされてもよい。医師及び/又は被験者は、例えば、分析物データを取得するために、及び/又は分析物の存在若しくは欠如、分析物濃度の決定を開始、終了、若しくは修正するために、及び/又は治療を管理するために、IMD102及びプロセッサ106と通信してもよい。
【0054】
図1に示される例示的なシステム100は、本開示の全体を通して開示される対象の実施形態の使用又は機能の範囲に関するいかなる制限も示唆するものではない。例示的なシステム100は、
図1に示される任意の単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関して依存もせず、必須でもないと解釈すべきである。例えば、実施形態では、例示的なシステム100は、付加的な構成要素を含んでもよい。付加的に、
図1に示される構成要素の任意の1つ以上は、実施形態では、
図1に示される他の構成要素(及び/又は不図示の構成要素)のうちの様々なものと統合することができる。他の構成要素又は構成要素の組み合わせは、
図1に示される例示的なシステム100と統合することができ、これらは全て、本開示の範囲内であると考えられる。
【0055】
図2は、本開示の実施形態による、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度をインビボで決定するための例示的な植込み型医療デバイス200を示すブロック図である。実施形態は、1つより多いIMD200を含んでもよい。IMD200は、
図1に示されるIMD102に類似してもよく、IMD102を含んでもよく、又はIMD102に含まれていてもよい。例えば、IMD200は、被験者の胸部、腹部、頭部、脚及び/若しくは腕に植え込まれてもよく、並びに/又は間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等に植え込まれてもよい。
【0056】
図2に示される実施形態によれば、IMD200は、光源202、インジケータタグ204、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、ストレージデバイス212、通信コンポーネント214及び/又は電源216を含む。
【0057】
実施形態では、光源202は、
図1に示される光源118に類似してもよく、光源118を含んでもよく、又は光源118に含まれていてもよい。光源202は、光を放出するように構成されている。実施形態では、光源202から放出される光は、連続光、光パルス及び/又は一連の1つより多い光パルス(例えば、2つの光パルス、3つの光パルス等)であってもよい。一連の光パルスが光源202から放出される実施形態では、光パルスは、異なる持続時間及び/又は強度のものであってもよい。実施形態では、一連の光パルスのうちの第1の光パルスは、以下に記載されるように、IMD200を低パワー状態から高パワー状態に移行するために使用されてもよい。
【0058】
付加的に又は代替的に、光源202から放出される光は、単一狭帯域の波長又は1つより多い狭帯域の波長を含んでもよい。実施形態では、光源202から放出される光は、2つの狭帯域源、3つの狭帯域源等であってもよい。付加的に又は代替的に、実施形態では、LEDと、得られる狭帯域波長の種類用の特定の蛍光体とを用いて、1つより多い狭帯域の波長が生成されてもよい。例えば、光源202から放出される光は、1つより多い狭帯域の波長を含む白色光であってもよい。白色光は、青色又は紫外線発光ダイオード(LED)と蛍光体コーティングとを用いて生成されてもよい。青色又は紫外線LEDによって発生した青色又は紫外線光子は、変化されずに蛍光体層内を移動する、又は蛍光体層内で黄色光子に変換されるのいずれかである。黄色光子のいくらかは青色又は紫外線光子と組み合わされて白色光を生成することができる。以下で説明するように、1つより多い狭帯域の波長を放出する光源202は、光センサ206によって検出された変化が、光源202の出力変化及び/又は経路損失による変化のいずれかに起因する場合に、分析物の存在又は欠如及び/又は分析物濃度の変化であると決定される尤度を低下させるために使用されてもよい。
【0059】
光源202から放出される光はインジケータタグ204に向けられる。光源202から放出され、インジケータタグ204に向けられる光は、1つより多い狭帯域の波長を含んでもよい。インジケータタグ204は、インジケータタグ204に向けられた、放出される光の少なくとも一部に曝露されている。光源202から放出される光の一部又は全てに曝露されたことに応答して、インジケータタグ204は光を発するように構成されている。実施形態では、インジケータタグ204から発せられる光は、1つより多い狭帯域の波長を含んでもよい。実施形態では、インジケータタグ204が発する光の種類及び/又は量は、インジケータタグ204の環境に対して応答性を示してもよい。即ち、上述のように、インジケータタグ204は、分析物及び/又は分析物濃度に応答して発する光の種類及び/又は量を変化させてもよい。実施形態では、インジケータタグ204から発せられる光は、蛍光により再放射される光であってもよい。実施形態では、インジケータタグ204から発せられる光は、インジケータタグ204によって反射される光であってもよい。
【0060】
実施形態では、インジケータタグ204によって発せられる光の量は、インジケータタグ204が曝露される異なる光の波長、インジケータタグ204が曝露される分析物及び/又はインジケータタグ204が曝露される分析物濃度に対して応答性を示してもよい。例えば、分析物に曝露されたことに応答して、インジケータタグ204は赤色光より多くの緑色光を吸収してもよく、したがって、緑色光よりも多くの赤色光を発してもよい。即ち、発せられる緑色光の強度は、発せられる赤色光の強度よりも大きい。しかしながら、インジケータタグ204が分析物に曝露されていない場合、インジケータタグ204は緑色光よりも多くの赤色光を吸収してもよく、したがって、赤色光より多くの緑色光を発してもよい。
【0061】
別の例として、インジケータタグ204の蛍光は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよい。例えば、インジケータタグ204が分析物に曝露されていない場合、インジケータタグ204は第1の蛍光色を有してもよい。しかしながら、分析物に曝露されたことに応答して、インジケータタグ204は第2の蛍光色を有してもよい。
【0062】
更に別の例として、インジケータタグ204の蛍光寿命効果は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよい。即ち、インジケータタグ204によって発せられる光は、分析物の存在又は欠如及び/又は分析物の濃度に相当する異なる時間だけ遅らされてもよい。例えば、インジケータタグ204が分析物に曝露されていない場合、インジケータタグ204から発せられる光は、第1の時間だけ遅らされてもよい。しかしながら、分析物に曝露されたことに応答して、インジケータタグ204は、第1の時間とは異なる第2の時間だけ遅らされてもよい。
【0063】
実施形態では、インジケータタグ204は、以下の1つ以上を含んでもよい。一実施形態では、インジケータタグ204は、フルオロイオノフォアが適切な基材に共有結合するように、非担体イオン選択的検出要素(non-carrier ion selective sensing element)を含んでもよい。フルオロイオノフォアは、蛍光部分とイオン錯体部分の両方を含む化合物である。一例として、カリウムイオン選択的フルオロイオノフォアである、(6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボエトキシ)チオフェニル]クマリンがアズラクトン官能性親水性多孔質ポリエチレン膜に共有結合して、蛍光系K+非担体イオンセンサを生成することができる。別の例として、水素イオン選択的フルオロイオノフォアであるヒドロキシピレントリスルホナートがアミン官能性セルロースに共有結合して、蛍光系pH非担体イオンセンサを生成することができる。フルオロイオノフォアは、特定のフルオロイオノフォアの化学官能性に依存し得る任意の有用な反応法によって基材に共有結合させることができる。基材は、更に、バッキング膜又は層に付着させることができる。フルオロイオノフォアの例示的な類は、クマロクリプタンド類である。クマロクリプタンド類は、リチウム特異的フルオロイオノフォア類、ナトリウム特異的フルオロイオノフォア類、及びカリウム特異的フルオロイオノフォア類を含み得る。例えば、リチウム特異的フルオロイオノフォア類としては、(6,7-[2.1.1]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボエトキシ)フリル]クマリンが挙げられ得る。ナトリウム特異的フルオロイオノフォア類としては、(6,7-[2.2.1]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボエトキシ)フリル]クマリンが挙げられ得る。カリウム特異的フルオロイオノフォア類としては、(6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボエトキシ)フリル]クマリン及び(6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボエトキシ)チオフェニル]クマリンが挙げられ得る。
【0064】
一実施形態では、インジケータタグ204は、非担体カリウムイオンセンサであってもよい。例えば、インジケータタグ204は、架橋アミン官能性セルロース膜(キュプロファン(CUPROPHAN)(商標)、ドイツ国オーダーストラーセのエンカ社(Enka AG、Ohderstrasse、Germany))に共有結合された6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボキシ)フリル]クマリン(FCCC)を含むセンシング層を含んでもよく、センシング層は、フレキソボンド430(FLEXOBOND430)(商標)ウレタン接着剤によってポリカーボネートバッキング膜に付着され、バッキング膜は、剥離ライナー上にコーティングされたCW14(商標)感圧接着剤を有する。非担体カリウムイオンセンサの別の具体例としては、ジアミンリンカーなどのリンカーを有する架橋アズラクトン官能性ヒドロゲルに共有結合された6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボキシ)フリル]クマリンを含むセンシング層が挙げられる。また、センシング層は、マイクロウェルなどの基材のキャビティ又はサテライトセンサのゲルカプセル内で光架橋され得る。サテライトセンサという用語は、パルス発生器から遠隔にある植込み型化学センサを記載するために使用され得る。
【0065】
一実施形態では、インジケータタグ204は、非担体ナトリウムイオンセンサであってもよい。例えば、インジケータタグ204は、架橋アミン官能性セルロース膜(キュプロファン(商標)、ドイツ国オーダーストラーセのエンカ社)に共有結合された6,7-[2.2.1]-クリプタンド-3-[2”-(5”-カルボキシ)フリル]クマリンを有するセンシング層を含んでもよく、センシング層は、フレキソボンド430(商標)ウレタン接着剤によってポリカーボネートバッキング膜に付着され、バッキング膜は、剥離ライナー上にコーティングされたCW14(商標)感圧接着剤を有する。
【0066】
一実施形態では、インジケータタグ204は、非担体水素イオンセンサであってもよい。例えば、インジケータタグ204は、架橋アミン官能性セルロース膜(キュプロファン(商標)、ドイツ国オーダーストラーセのエンカ社)に共有結合されたヒドロキシピレントリスルホナートを含むセンシング層を含んでもよく、センシング層は、フレキソボンド430(商標)ウレタン接着剤によってポリカーボネートバッキング膜に付着され、バッキング膜は、剥離ライナー上にコーティングされたCW14(商標)感圧接着剤を有する。
【0067】
付加的に又は代替的に、インジケータタグ204は、ヒドロゲル、グルコース応答性蛍光ヒドロゲル、アセトナフトンフェニルエチルプロピオナートヒドロキシルタングステン酸塩(APPHT:AcetonaPhthone phenyl ethyl Propionate Hydroxyl Tungstate)等中の非酵素酸(例えば、ボロン酸)であってもよい。インジケータタグ204が構成され得る他の例は、2006年5月17日に出願された「Implantable Medical Device with Chemical Sensor and Related Methods」という名称の米国特許出願第11/383,933号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書中に明示的に援用される。
【0068】
インジケータタグ204が応答性を示し得る分析物としては、例えば、クレアチニン、炎症マーカー(例えば、サイトカイン、C反応性タンパク質)、ナトリウム排泄増加性タンパク質(例えば、ABP、BNP)、脂質、重炭酸塩、心筋トロポニン、クレアチンホスホキナーゼ、ヘキサン、ケトン、グルコース、ヘモグロビンA1c、電解質(例えば、カリウム、ナトリウム)、血液尿素窒素、水素濃度(即ち、pHレベル)、塩化物、NT-proBNP、尿酸、リチウム、ジゴキシン等が挙げられる。
【0069】
インジケータタグ204は、IMD200用の1種以上の接着剤及び/又は結合技術を用いて、IMD200に接着及び/又は結合されてもよい。あるいは、実施形態では、インジケータタグ204は、接着剤を使用することなくIMD200に付着するように構成されていてもよい。実施形態では、インジケータタグ204は、IMD200の、分析物に直接曝露され得る部分に位置してもよい。実施形態では、インジケータタグ204は、分析物を透過させる層によって被覆されてもよい。実施形態では、インジケータタグ204は、インジケータタグ204の有効寿命を延ばすために層によって被覆されてもよい。
【0070】
1つのインジケータタグ204のみを
図2に示すが、実施形態では、1つより多いインジケータタグ204がIMD200の外部表面上に配置されていてもよい。1つより多いインジケータタグ204が含まれる実施形態では、1つのインジケータタグ204が他のインジケータタグ204の冗長検査として使用されてもよい。付加的に又は代替的に、各インジケータタグ204は同一分析物及び/又は分析物濃度に対して応答性を示してもよく、又は各インジケータタグ204は異なる分析物及び/又は異なる分析物濃度に対して応答性を示してもよい。付加的に又は代替的に、実施形態では、第1のインジケータタグ204が第1の期間にわたって使用され、時間の経過とともに崩壊する表面によって被覆された第2のインジケータタグ204が第1の期間の後の第2の期間にわたって使用されるように、1つのインジケータタグ204は、時間の経過とともに崩壊する表面によって被覆されていてもよい。2つのインジケータタグ204について記載しているが、3つ、4つ、5つ、6つ等のインジケータタグ204があってもよい。異なる期間の間に使用されるインジケータタグ204を含むことで、MD200の有効寿命を延ばしてもよい。
【0071】
実施形態では、インジケータタグ204は、1つ以上の光の波長をフィルタリングするために、1つ以上のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)を含んでもよく、かつ/又は1つ以上のフィルタに結合されていてもよい。
【0072】
付加的に又は代替的に、実施形態では、1つ以上の導波管が、光源202から放出される光をインジケータタグ204に結合させてもよい。光源202が1つより多い狭帯域の波長を放出する実施形態では、単一の導波管が、光源202から放出される光をインジケータタグ204に結合させてもよい。代替的に、各狭帯域の光の波長用の各導波管が、光源202から放出される光をインジケータタグ204に結合させてもよい。実施形態では、1つ以上の導波管は、1つ以上の光の波長をフィルタリングするためにフィルタを含んでもよい。
【0073】
実施形態では、任意の数の軽減システム及び方法が、インジケータタグ204及び/又はIMD200の有効寿命を増加するために使用されてもよい。例えば、インジケータタグ204は薄膜で被覆されていてもよい。インジケータタグ204及び/又はIMD200の有効寿命を増加するために使用されてもよい軽減システム及び方法の他の例は、2015年8月10日に出願された「Implantable Medical Device Coating for Wetting and Microbial Resistance」という名称の米国特許出願第14/822,779号明細書、「Medical Implant Having a Conductive Coating」2014年4月17日に出願されたという名称の米国特許出願第14/255,738号明細書、2012年11月19日に出願された「Fibrous Matrix Coating Materials」という名称の米国特許出願第13/680,590号明細書、及び/又は「Implantable Lead Having a Lumen with a Wear-Resistant Liner」という名称の米国特許第9,364,662号明細書に記載されており、これら開示は、参照により本明細書中に明示的に援用される。一実施形態では、感光性インジケータタグ204がその有効寿命の終了に到達後、別の感光性インジケータタグ204が植え込まれてもよいが、システムのその他の要素は交換された感光性インジケータタグ204によって再利用される。
【0074】
光センサ206は、インジケータタグ204から発せられる光の少なくとも一部を検出するように構成されている。実施形態では、光センサ206は、発せられる光の強度及び/又は発せられる光の色を検出するように構成されていてもよい。光センサ206は、例えば、光検出器であってもよい。実施形態では、光センサ206は、単一狭帯域の波長を検出するように構成されている単一センサを含んでもよい。あるいは、実施形態では、光センサ206は、各センサが各狭帯域の波長を検出するように複数のセンサを含んでもよい。実施形態では、光センサ206は、特定の狭帯域の波長のみが光センサ206によって検出されるように、1つ以上の光の波長をフィルタリングする1つ以上のフィルタを含んでもよい。
【0075】
実施形態では、1つ以上の導波管が、インジケータタグ204から発せられる光を光センサ206に結合してもよい。発せられる光が1つより多い狭帯域の光の波長を含む実施形態では、単一の導波管が、インジケータタグ204から発せられる光を光センサ206に結合してもよい。あるいは、各狭帯域の波長用の各導波管が、インジケータタグ204から発せられる光を光センサ206に結合してもよい。実施形態では、1つ以上の導波管は、二方向性用に構成されていてもよい。即ち、導波管は、光源202からインジケータタグ204に、及びインジケータタグ204から光センサ206にエネルギーを結合してもよい。実施形態では、1つ以上の導波管は、1つ以上の光の波長をフィルタリングするために1つ以上のフィルタを含んでもよい。
【0076】
実施形態では、光源202、光センサ206、及びインジケータタグ204は、可視光スペクトル内で動作してもよい。他の実施形態では、光源202、光センサ206及びインジケータタグ204は、赤外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、光源202、光センサ206及びインジケータタグ204は、紫外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、光源202、光センサ206及びインジケータタグ204は、可視光スペクトル、赤外光スペクトル及び/又は紫外光スペクトルの組み合わせ内で動作してもよい。したがって、実施形態では、本出願における光という用語の範囲は、電磁スペクトルの赤外部、可視部、及び紫外部を含む。
【0077】
光センサ206がインジケータタグ204から発せられる光の少なくとも一部を検出した後、検出された発せられる光に対応する1つ以上の信号が、分析コンポーネント208に送信されてもよく、分析コンポーネント208によって受信されてもよい。分析コンポーネント208は、受信された信号から、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定してもよい。
【0078】
上述のように、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して、インジケータタグ204は、インジケータタグ204から発する光の量を変化させてもよい。例えば、インジケータタグ204が反射する光の量、インジケータタグ204の蛍光及び/又はインジケータタグ204の蛍光寿命効果は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよい。
【0079】
例えば、インジケータタグ204が、分析物及び/又は分析物濃度に応答して反射する光の量を変化させる実施形態では、分析コンポーネント208は、インジケータタグ204から光センサ206により受信される光の強度及び/又は波長と、光源202から放出される光の強度及び/又は波長との間の比率を決定してもよい。分析コンポーネント208は、その後、この比率を、分析物の存在若しくは欠如及び/又はインジケータタグ204が応答する特定の分析物濃度に相関させてもよい。異なる分析物濃度(即ち、グルコース)に応答した、異なる光の波長における相対強度を示すグラフが、以下、
図4に示される。
【0080】
実施形態では、分析コンポーネント208は、1つより多い狭帯域の波長における、放出される光に対する受信される光の比率を決定し、この比率を、異なる狭帯域の波長と比較してもよい。複数の狭帯域の波長における、放出される光に対する受信される光の比率を決定し、この比率を違いに比較することによって、分析コンポーネント208は、光源202の出力が変化したかどうか、及び/又は経路損失による変化があるかどうかを決定してもよい。
【0081】
例えば、インジケータタグ204による第1の波長の吸収は分析物濃度が増加するにつれて減少し、第2の波長の吸収は分析物の異なる濃度において比較的一定のままであると仮定する。更に、光源202から放出される光は光が放出されるたびには測定されず、その代わり、一定であると仮定する。最後に、放出される光の強度は低下しており、かつ/又は光の経路損失は増加したと仮定する。したがって、分析物濃度に依存する第1の波長の比率のみが決定される場合、放出される光の強度の減少及び/又は光の経路損失の増加によって、受信される光が減少することから、比率は下に歪み、分析物濃度計測値は上に歪む。分析コンポーネント208は、比率の減少が分析物の濃度の増加、放出される光の強度の変化及び/又は経路損失による変化に起因するかどうかを決定することができない場合がある。反対に、2つの異なる波長に対して2つの異なる比率が算出される場合、分析コンポーネント208は、放出される光の強度が低下したかどうか及び/又は光の経路損失が増加したかどうかを決定することができる。即ち、第2の波長における、放出される光に対する受信される光の比率は下に歪む。しかしながら、第2の波長は分析物濃度とは独立であるため、放出される光に対する受信される光の比率は一定である。したがって、分析コンポーネント208は、第1の波長における、放出される光に対する受信される光の比率を、第2の波長における歪みの比率を基に補正することができる。分析コンポーネント208は、したがって、第1の波長における補正された比率を基に分析物濃度を決定することができる。
【0082】
付加的に又は代替的に、実施形態では、分析コンポーネント208は、インジケータタグ204の蛍光を基に、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定してもよい。即ち、分析コンポーネント208は、インジケータタグ204が光源202から放出される光によって刺激されたことに応答し、インジケータタグ204によって放出され、光センサ206によって検出された蛍光を決定してもよい。その後、分析コンポーネントは、インジケータタグ204によって発せられた蛍光を、分析物の存在若しくは欠如及び/又はインジケータタグ204が応答する分析物濃度に相関させてもよい。実施形態では、光源202から放出される光は、1つより多い波長を含んでもよく、複数の光の波長は、上述のように、インジケータタグ204の発せられる光の変化が、分析物の存在又は欠如、分析物濃度の変化、光源202の出力強度の変化、及び/又は経路損失による変化の変化に起因するかどうかを決定するために、分析コンポーネント208によって分析されてもよい。
【0083】
付加的に又は代替的に、実施形態では、分析コンポーネント208は、インジケータタグ204の蛍光寿命効果を基に、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定してもよい。即ち、分析コンポーネント208は、インジケータタグ204が光源202から放出される光によって刺激された後、インジケータタグ204によって発せられる光の遅延を決定してもよい。その後、分析コンポーネントは、遅延を、分析物の存在若しくは欠如及び/又はインジケータタグ204が応答する分析物濃度に相関させてもよい。同様に、実施形態では、光源202から放出される光は、1つより多い波長を含んでもよく、複数の光の波長は、上述のように、インジケータタグ204の発せられる光の変化が、分析物の存在又は欠如の変化、分析物濃度の変化、光源202の出力強度の変化及び/又は経路損失による変化における変化に起因するかどうかを決定するために、分析コンポーネント208によって分析されてもよい。
【0084】
実施形態では、分析コンポーネント208は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせにおいて実装されてもよく、少なくとも一部、プロセッサ210によって実装されてもよい。実施形態では、プロセッサ210は、
図1に示されるプロセッサ106に類似してもよく、プロセッサ106を含んでもよく、又はプロセッサ106に含まれていてもよい。プロセッサ210は、IMD200の他の機能コンポーネントの動作を指示する、例えば、分析コンポーネント208の命令を実行するためのプログラミング命令を格納する及び/又は実行するように構成されている電子回路、電子コンポーネント、プロセッサ、プログラムコンポーネント等の任意の配置であってもよく、例えば、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせの形態で実装されてもよい。
【0085】
実施形態では、検出された発せられた光は、1つ以上の光パルスを含んでもよい。実施形態では、分析コンポーネント208によって受信された第1のパルスは、プロセッサ210を低パワー状態から高パワー状態に移行してもよい。実施形態では、プロセッサ210は、分析コンポーネント208の命令を実行すると、高パワー状態に移行するように構成されていてもよい。プロセッサ210が受信された信号を分析するために高パワー状態になるように構成されている場合、低パワー状態から高パワー状態に移行することで、IMD200のパワーを保存してもよく、それによりIMD200の寿命を増加してもよい。付加的に又は代替的に、IMD200は、分析コンポーネント208の命令を実行した後、高パワー状態から低パワー状態に移行するように構成されていてもよい。
【0086】
いくつかの実装形態によれば、ストレージデバイス212は、IMD200によって検出された情報を格納するために使用されてもよい。ストレージデバイス212は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよく、IMD200によって実行されると、IMD200に方法及びプロセスを実施させる命令を格納してもよい。実施形態では、プロセッサ210は、IMD200によって実施される検出操作及び/又は分析操作を制御する、IMD200によって実施される通信を制御する等のために、ストレージデバイス212に格納された命令及び/又はデータを処理してもよい。
【0087】
光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、IMD200に組み込まれるものとして示されているが、実施形態では、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、IMD200の外部にあってもよい。例えば、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、異なるIMD(図示せず)に組み込まれてもよい。あるいは、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、被験者の外部に位置してもよい。付加的に又は代替的に、実施形態では、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、複数のデバイス間に分配されてもよい。即ち、例えば、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、及びストレージデバイス212は、それぞれIMD又は外部デバイスに配置された(及び/又はIMD又は外部デバイスによって例示された)いくつかの異なる光源、光センサ、分析コンポーネント及び/又はプロセッサを意味し得る。
【0088】
通信コンポーネント214は、例えば、回路、プログラムコンポーネント、並びに、例えば、外部光源、外部光センサ、外部分析コンポーネント、外部プロセッサ、及び/又は外部ストレージデバイスなどのIMD200の外部にある1つ以上のデバイスと非無線通信又は無線通信するための1つ以上の送信機及び/又は受信機を含んでもよい。様々な実施形態によれば、通信コンポーネント214は、1つ以上の送信機、受信機、トランシーバ、トランスデューサ等を含んでもよく、例えば、無線周波数(RF)通信、マイクロ波通信、赤外線通信、音響通信、誘導通信、伝導通信等などの任意の数のタイプの無線通信を容易にするように構成されていてもよい。通信コンポーネント214は、任意の数の通信リンクの確立、維持、及び使用を容易にするように構成されているハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。実施形態では、通信コンポーネント214は、例えば、医療デバイス間の協調動作を容易にするなどのために、他の植込み型デバイス又は外部医療デバイスとの通信を容易にしてもよい。
【0089】
他の実施形態では、他の形態の非無線テレメトリ又は無線テレメトリが通信のために用いられてもよい。例えば、実施形態では、他のRFテレメトリ技術が用いられてもよい。代替的に及び/又は付加的に、例えば、外部光源、外部光センサ、外部分析コンポーネント、外部プロセッサ、及び/又は外部ストレージデバイスと通信するために、誘導テレメトリ、音響テレメトリ等が用いられてもよい。実施形態では、伝導テレメトリが用いられてもよく、この場合、例えば、通信コンポーネント214は、電気パルスにエンコードされた通信を送信する及び/又は受信するために、1つ以上の検出電極/治療電極と相互作用してもよい。
【0090】
電源216は、IMD200の他の機能コンポーネント(例えば、光源202、光センサ206、分析コンポーネント208、プロセッサ210、ストレージデバイス212及び/又は通信コンポーネント214)に電力を供給し、IMD200の所望の性能及び/又は寿命要件を提供するのに好適な任意の種類の電源であってもよい。様々な実施形態では、電源216は、(例えば、外部エネルギー源を使用して)充電可能であってもよい1つ以上のバッテリを含んでもよい。電源216は、1つ以上のコンデンサ、エネルギー変換機構等を含んでもよい。IMD200などの医療デバイス用の電源は周知であるため、本明細書中では更に詳細には記載しない。
【0091】
図3A~
図3Cは、本開示の実施形態による、IMD300A~300C上におけるインジケータタグの異なる配置を示すIMD300A~300Cの一部分の概略図である。IMD300A~300Cのそれぞれは、
図1に示されるIMD102及び/又は
図2に示されるIMD200に類似してもよく、IMD102及び/又はIMD200を含んでもよく、又はIMD102及び/又はIMD200に含まれていてもよい。例えば、IMD300A~300Cはハウジング302を含んでもよく、ハウジング302は、IMD300A~300Cの1つ以上の内部構成要素を含むベース部分304と、任意の数の電極308及び/又は例えば、任意の数の様々な種類の構成の音センサ、圧力センサ、インピーダンスセンサ、光センサ、温度計、気圧計、モーションセンサ又はショックセンサ(例えば、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)等)などの他の種類のセンサを含んでもよいヘッダ部分306とを有する。実施形態では、IMD300A~300Cの内部構成要素は、例えば、光源(例えば、
図1に示される光源118及び/又は
図2に示される光源202)、光センサ(例えば、
図1に示される光センサ120及び/又は
図2に示される光センサ206)、分析コンポーネント(例えば、
図3に示される分析コンポーネント208)、プロセッサ(例えば、
図1に示されるプロセッサ106及び/又は
図2に示されるプロセッサ210)、ストレージデバイス(例えば、
図2に示されるストレージデバイス212)、通信コンポーネント(例えば、
図2に示される通信コンポーネント214)及び/又は電源(例えば、
図2に示される電源216)を含んでもよい。実施形態では、しかしながら、これらコンポーネントの1つ以上は、IMD300A~300Cの外部に、例えば、別のIMD(図示せず)、外部デバイス(図示せず)等の内部に位置してもよい。
【0092】
IMD300A~300Cは、また、インジケータタグ310を含む。実施形態では、インジケータタグ310は、それぞれ
図1及び
図2に示されるインジケータタグ116及び/又はインジケータタグ204と同じ特徴のいくつか又は全てを有してもよい。例えば、インジケータ310は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に対して応答性を示す。
【0093】
実施形態では、インジケータタグ310は、被験者の、分析物が存在し得る部分と接触する。例えば、インジケータタグ310は、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等と接触してもよい。こうすることで、インジケータタグ310が、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器、息等と接触するように、インジケータタグ310はIMD300A~300Cの一部分に位置してもよい。例えば、実施形態では、インジケータタグ310は、分析物を含み得る被験者の間質液、漿液、胃液、血液、尿、臓器等に直接曝露されるIMD300A~300Cの一部分に位置してもよい。別の例として、インジケータタグ310は、IMD300A~300Cの一部分に位置し、分析物を透過させる層によって被覆されていてもよい。実施形態では、インジケータタグ310は、インジケータタグ310の有効寿命を延ばすために層によって被覆されていてもよい。
【0094】
図3A及び
図3Bを参照すると、インジケータタグ310はヘッダ306の異なる部分に配置されている。実施形態では、ヘッダ306は、透明材料、例えば、プラスチック、ガラス等で作製されていてもよい。したがって、ヘッダ306は、ベース部分304の1つ以上の内部構成要素からヘッダ306を介してインジケータタグ310に及び/又はインジケータ310タグからヘッダ306を介してベース部分304の1つ以上の内部構成要素に光を結合するための導波管として使用されてもよい。付加的に又は代替的に、ヘッダ306は、ヘッダ306内に配置されており、インジケータタグ310からベース部分304の1つ以上の内部構成要素に、及び/又はベース部分304の1つ以上の内部構成要素からインジケータタグ310に光を結合する導波管312を含んでもよい。実施形態では、導波管312は、ヘッダ306内に配置されたガラス繊維又はプラスチック繊維であってもよい。したがって、繊維312の周囲のヘッダ306の部分は、繊維のクラッディングとして機能してもよい。
図3Cを参照すると、インジケータタグ310はベース部分304上に配置されてもよい。ベース部分304は、ベース部分304の1つ以上の内部構成要素からハウジング302を介してインジケータタグ310に、及び/又はインジケータタグ310からハウジング302を介してベース部分304の1つ以上の内部構成要素に光を伝送することを可能にする窓を含んでもよい。
【0095】
図4は、異なる光の波長における、異なる分析物濃度に応答した相対強度を示すグラフ400である。即ち、インジケータタグ(例えば、
図1に示されるインジケータタグ116及び/又は
図2に示されるインジケータタグ204)は、被験者の生体内に配置されている。インジケータタグは、異なる狭帯域の波長及び異なる濃度の分析物に曝露させた。この例では、分析物はグルコースであった。これは単なる一例であるが、本明細書中に開示される実施形態は、変化する分析物濃度に応答してその性質の1つ以上を変化させる任意のインジケータタグに使用されてもよい。この例では、分析物はグルコースである。インジケータタグが曝露された光の強度に対するインジケータタグにより発せられた光の強度の比率は、異なる狭帯域の波長において、グルコースの異なる濃度に応答して変化する。例えば、約620ナノメートル(nm)の波長(即ち、赤色光)においては、インジケータタグが曝露されたグルコースの濃度が増加するため、インジケータタグが曝露された光の量に対するインジケータタグにより発せられた光の量の比率は増加する。実施形態では、この比率は、光源の既知の出力及び光センサ(例えば、
図1に示される光センサ120及び/又は
図2に示される光センサ206)から受信された光を基に、分析コンポーネント(例えば、
図2の分析コンポーネント208)によって決定されてもよい。更に、実施形態では、この比率は、インジケータタグの近傍のグルコース濃度を決定するために、例えば、分析コンポーネントによって相関させてもよい。別の例として、約650nmの波長においては、インジケータタグが曝露された光の量に対するインジケータタグにより発せられた光の量の比率は、インジケータタグが曝露されたグルコースの濃度とは相対的に独立である。実施形態では、しかしながら、620nmにおける比率の増加又は減少が、上述のように、グルコースの濃度変化、経路損失による変化及び/又は光源による光出力の強度の変化に起因するものであるかどうかを決定するために、650nmにおける比率は、620nmにおける比率とともに使用されてもよい。
【0096】
図5は、本開示の実施形態による、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定するための例示的な方法500を示す流れ図である。方法500は、インジケータタグを光に曝露させるステップ(ブロック502)を含む。実施形態では、光は光源から放出されてもよい。光源は、
図1に示される光源118及び/若しくは
図2に示される光源202に類似してもよく、光源118及び/若しくは光源202を含んでもよく、又は光源118及び/若しくは光源202に含まれていてもよい。例えば、光は、1つの狭帯域の波長又は1つより多い狭帯域の波長を含んでもよい。別の例として、光源は、IMDに含まれてもよく、インジケータタグを含むIMDとは異なる第2のIMDに含まれてもよく、又は外部デバイス、即ち、被験者内に植え込まれていないデバイス内に含まれてもよい。
【0097】
実施形態では、インジケータタグは、
図1に示されるインジケータタグ116及び/若しくは
図2に示されるインジケータタグ204に類似してもよく、インジケータタグ116及び/若しくはインジケータタグ204を含んでもよく、又はインジケータタグ116及び/若しくはインジケータタグ204に含まれていてもよい。例えば、感光性タグは、1つの又は1つより多いインジケータタグを含んでもよい。別の例として、IMDがインジケータタグを含んでもよい。更に別の例として、発せられる光が、分析物の存在若しくは欠如及び/又はインジケータタグが接している分析物の濃度に対応するように、インジケータタグは、光に曝露されたことに応答して光を発してもよい。付加的に、実施形態では、発せられる光は、1つの狭帯域の波長又は1つより多い狭帯域の波長を含んでもよい。
【0098】
実施形態では、方法500は、インジケータタグから発せられる光をフィルタリングするステップ(ブロック504)を更に含んでもよい。発せられる光のフィルタリングは、
図2に関して上記したフィルタに類似してもよく、このフィルタを含んでもよく、又はこのフィルタに含まれていてもよい。例えば、インジケータタグ、光源をインジケータタグに結合する導波管、光センサ及び/又はインジケータタグを光センサに結合する導波管は、光の波長をフィルタリングするために1つ以上のフィルタを含んでもよい。実施形態では、フィルタは、狭帯域の波長以外の全ての光をフィルタリングしてもよい。
【0099】
実施形態では、方法500は、光センサを用いて発せられる光の光を受信するステップを更に含んでもよい(ブロック506)。実施形態では、光センサは、上記の
図2に示される光センサ206に類似してもよく、光センサ206を含んでもよく、又は光センサ206に含まれていてもよい。例えば、光センサは、インジケータタグを含むIMDに含まれていてもよく、インジケータタグを含むIMDの外部にあってもよく、又は外部デバイスに含まれていてもよい。別の例として、光センサは、光検出器であってもよく、単一狭帯域の波長を検出するように構成されている単一センサを含んでもよい、又は複数のセンサの各センサが各狭帯域の波長を検出するように、複数のセンサを含んでもよい。上記のように、実施形態では、光センサは、1つ以上の光の波長をフィルタリングする1つ以上のフィルタを含んでもよい。更に、実施形態では、導波管が、インジケータタグから発せられる光を光センサに結合してもよい。
【0100】
実施形態では、方法500の光源、光センサ及びインジケータタグは、可視光スペクトル内で動作してもよい。他の実施形態では、方法500の光源、光センサ及びインジケータタグは、赤外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、方法500の光源、光センサ及びインジケータタグは、紫外スペクトル内で動作してもよい。更に他の実施形態では、方法500の光源、光センサ及びインジケータタグは、可視光スペクトル、赤外光スペクトル及び/又は紫外光スペクトルの組み合わせ内で動作してもよい。したがって、実施形態では、本出願における光という用語の範囲は、電磁スペクトルの赤外部、可視部、及び紫外部を含む。
【0101】
実施形態では、方法500は、プロセッサを用いて、光センサから受信された光を基に、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定するステップ(ブロック508)を更に含んでもよい。実施形態では、プロセッサは、
図1に示されるプロセッサ106及び/又は
図2に示されるプロセッサ210に類似してもよく、プロセッサ106及び/又はプロセッサ210を含んでもよく、又はプロセッサ106及び/又はプロセッサ210に含まれていてもよい。例えば、プロセッサは、インジケータタグを含むIMDに含まれていてもよく、インジケータタグを含むIMDの外部にあってもよく、又は外部デバイスに含まれていてもよい。実施形態では、受信された光の分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定するステップは、
図1、
図2及び
図4に関して上述した分析物濃度を決定するステップであってもよく、このステップに類似してもよく、このステップを含んでもよく、又はこのステップに含まれてもよい。
【0102】
例えば、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定するステップは、光センサから受信される光の強度と光源から放出される光との間の比率を決定するステップを含んでもよい。この比率は、その後、分析物の存在若しくは欠如及び/又はインジケータタグが曝露される分析物の濃度に相関させてもよい。別の例として、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を決定するステップは、1つ以上の狭帯域の波長における、放出される光に対する受信される光の比率を決定し、この比率を、異なる狭帯域の波長と比較するステップを含んでもよい。この比較は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に相関させてもよい。更に別の例として、インジケータタグの蛍光は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよい。インジケータタグにより発せられた蛍光は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に相関させてもよい。更に別の例として、インジケータタグ204の蛍光寿命効果は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に応答して変化してもよい。即ち、インジケータタグ204によって発せられる光は、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に相当する異なる時間だけ遅延させてもよい。遅延は、その後、分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度に相関させてもよい。
【0103】
本明細書中に記載される様々な実施形態を用いることで、被験者の分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度がインビボで決定されてもよい。分析物の存在若しくは欠如及び/又は分析物濃度を基に、1つ以上の病態が決定されてもよく、いくつかの場合では、修正措置が取られてもよい。
【0104】
本開示の範囲から逸脱することなく、記載した例示的実施形態に様々な修正及び付加を施すことができる。例えば、上述の実施形態では特定の特徴を参照しているが、本開示の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び記載されている特徴の全ては含まない実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲の範囲内にあるこのような全ての代替形態、変更形態、及び変形形態を、その全ての均等物とともに包囲するものである。