(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるビーム動作に対するパスロス導出のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/24 20090101AFI20220111BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220111BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W72/04 136
(21)【出願番号】P 2019202252
(22)【出願日】2019-11-07
(62)【分割の表示】P 2017155214の分割
【原出願日】2017-08-10
【審査請求日】2019-11-07
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 名哲
(72)【発明者】
【氏名】林 克彊
(72)【発明者】
【氏名】曾 立至
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-118619(JP,A)
【文献】InterDigital Communications,Beam-based design framework for New Radio[online], 3GPP TSG-RAN WG1#85 R1-164874,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_985/Docs/R1-164874.zip>,2016年05月27日,1-5頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの送受信ポイント(TRP)へのアップリンク(UL)伝送のためのユーザ機器(UE)伝送電力を導出する方法であって、
UEが、第1の基準信号から測定された第1のパスロス値を導出するステップと、
前記UEが、第2の基準信号から測定された第2のパスロス値を導出するステップと、
前記UEが、前記
1つのTRPへの第1のUL伝送を送信するステップであって、該第1のUL伝送のUL伝送電力は、前記第1のパスロス値から導出される、ステップと、
前記UEが、同じ前記
1つのTRPへの第2のUL伝送を送信するステップであって、該第2のUL伝送のUL伝送電力は第2のパスロス値から導出される、ステップと、を含み、
前記第1の基準信号および前記第2の基準信号は、セル内の
同じ前記
1つのTRPから送信される、方法。
【請求項2】
前記第1のUL伝送及び前記第2のUL伝送は、異なるタイプのUL伝送である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のUL伝送のタイプは、パスロス導出のための前記第1の基準信号に少なくとも関連し、前記第2のUL伝送のタイプは、パスロス導出のための第2の基準信号に少なくとも関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記UL伝送のタイプと基準信号との間の関連は、シグナリングを介して指定される、構成されるあるいは指示される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の基準信号は、制御復調のための基準信号、データ復調のための基準信号、チャネル測定のための基準信号又はパスロスのための基準信号のうちの少なくとも1つであり、前記第2の基準信号は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
関連するタイプの前記UL伝送のUL伝送電力を導出するための前記パスロス値は、複数のビームから選択され、選択された該パスロス値は、該複数のビームのうちの最小のパスロス値である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御復調のための前記基準信号は、制御のための復調基準信号(DMRS)である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記制御復調のための前記基準信号から導出された前記パスロス値は、受信した制御シグナリングに関連する前記UL伝送に対して有効である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データ復調のための前記基準信号は、データのための復調基準信号(DMRS)である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記データ復調のための前記基準信号から導出された前記パスロス値は、受信したダウンリンク(DL)データ伝送に関連する前記UL伝送に対して有効である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記データ復調のための前記基準信号に関連するタイプの前記UL伝送は、DLデータ伝送のためのHARQ-ACK、非周期的チャネル状態情報(CSI)、周期的CSI及び/又はULデータ伝送を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記チャネル測定のための前記基準信号は、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)である、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
ULデータ伝送のUL伝送電力は、1つの関連するチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソース/プロセスから導出された前記パスロス値から導出された場合、関連する前記CSI-RSリソース/プロセスは、該ULデータ伝送をスケジュールする制御シグナリングにおいて指示される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ビーム追跡/ビーム発見のための前記基準信号に関連するタイプの前記UL伝送は、ULデータ伝送、SRS(サウンディング基準信号)、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告、SR(スケジューリング要求)、及び/又はプリアンブルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
チャネル測定のための基準信号に関連するタイプの前記UL伝送は、非周期CSI、周期的CSI、及び/又はULデータ伝送を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の基準信号はチャネル測定のための基準信号であり、前記第1のUL伝送は第1のULデータ伝送であり、前記第2の基準信号はビーム追跡/ビーム発見のための基準信号であり、前記第2のUL伝送は第2のULデータ伝送である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の基準信号はチャネル測定のための基準信号であり、前記第1のUL伝送はULデータ送信であり、前記第2の基準信号はビーム追跡/ビーム発見のための基準信号であり、前記第2のUL伝送は、プリアンブル、SRS(サウンディング基準信号)、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告及びSR(スケジューリング要求)のうちのいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の基準信号はチャネル測定のための基準信号であり、前記第1のUL伝送はULデータ伝送であり、前記第2の基準信号はデータ復調のための基準信号であり、前記第2のUL伝送は、DLデータ伝送のためのHARQ-ACK、非周期的チャネル状態情報(CSI)及び周期的CSIのうちのいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
1つの送受信ポイント(TRP)へのアップリンク(UL)伝送のための伝送電力を導出するためのユーザ機器(UE)であって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路に設けられ、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリと、を含み、前記プロセッサは、前記メモリ内に記憶されたプログラムコードを実行して、
第1の基準信号から測定された第1のパスロス値を導出するステップと、
第2の基準信号から測定された第2のパスロス値を導出するステップと、
前記
1つのTRPへの第1のUL伝送を送信するステップであって、該第1のUL伝送のUL伝送電力は、前記第1のパスロス値から導出される、ステップと、
同じ前記
1つのTRPへの第2のUL伝送を送信するステップであって、該第2のUL伝送のUL伝送電力は第2のパスロス値から導出される、ステップと、
を行うように構成され、
前記第1の基準信号および前記第2の基準信号は、セル内の
同じ前記
1つのTRPから送信される、UE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年8月10日に出願された、米国仮特許出願第62/372,942号の優先権を主張し、そのすべての開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、無線通信ネットワークに関し、より詳細には、無線通信システムにおけるビーム動作に対するパスロス導出のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信デバイスとの間で大量のデータを通信する要求の急速に高まりにつれて、従来の移動音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットで通信するネットワークに進化している。そのようなIPデータパケット通信は、ボイスオーバーIP、マルチメディア、マルチキャスト及びオンデマンド通信サービスを移動通信デバイスのユーザに提供することができる。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、エボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のボイスオーバーIP及びマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供することができる。次世代(例えば、5G)のための新しい無線技術は、現在、3GPP標準化団体によって議論されている。したがって、現行の3GPP標準への変更が現在提出されており、3GPP標準を発展させ、確定するため検討されている。
【発明の概要】
【0005】
UEの観点から、UE伝送電力を導出するための方法及び装置が開示される。一実施形態においては、方法は、UEが第1の基準信号から測定された第1のパスロス値を導出するステップを含む。追加的に、方法は、UEが第2の基準信号から測定された第2のパスロス値を導出するステップを含む。方法は、UEが第1のUL伝送を送信するステップも含む。ここで、第1のUL伝送のUL伝送電力は第1のパスロス値から導出される。方法は、UEが第2のUL伝送を送信するステップをさらに含む。ここで、第2のUL伝送のUL伝送電力は第2のパスロス値から導出される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、例示的な一実施形態による無線通信システムの図を示す。
【
図2】
図2は、例示的な一実施形態による送信機システム(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム(ユーザ機器又はUEとしても知られている)のブロック図である。
【
図3】
図3は、例示的な一実施形態による通信システムの機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、例示的な一実施形態による
図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、例示的な一実施形態によるビームフォーミングの3つのタイプを示す図である。
【
図6】
図6は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-1の再現である。
【
図7】
図7は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-2の再現である。
【
図8】
図8は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-3の再現である。
【
図9】
図9は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.2.1-1の再現である。
【
図10】
図10は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.2.1-2の再現である。
【
図11】
図11は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-0の再現である。
【
図12】
図12は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-1の再現である。
【
図13】
図13は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-2の再現である。
【
図14】
図14は、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-3の再現である。
【
図18】
図18は、例示的な一実施形態による、ユーザ機器の観点からのフローチャートである。
【
図19】
図19は、例示的な一実施形態による、ユーザ機器の観点からのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは、ブロードキャストサービスをサポートする無線通信システムを使用する。無線通信システムは、広く配置されて、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供する。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス、3GPP LTE-A若しくはLTE-Advanced(ロングタームエボリューションアドバンスト)、3GPP2 UMB(ウルトラモバイルブロードバンド)、WiMax又は何らかの他の変調技術に基づくことができる。
【0008】
特に、以下で説明する例示的な無線通信システム及びデバイスは、R2-162366, “Beam Forming Impacts”, Nokia and Alcatel-Lucent、R2-163716, “Discussion on terminology of beamforming based high frequency NR”, Samsung、R2-162709, “Beam support in NR”, Intel、R2-162762, “Active Mode Mobility in NR: SINR drops in higher frequencies”, Ericsson、RP-150465, “New SI proposal: Study on Latency reduction techniques for LTE”, Ericsson and Huawei及びTS 36.213 v13.1.1, “E-UTRA Physical layer procedures (Release 13)”を含め、本明細書では3GPPと称される「第3世代パートナーシッププロジェクト」と名付けられたコンソーシアムによって勧められる規格など、1つ以上の規格をサポートするように設計され得る。上記に挙げた規格及び文書は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による多元接続無線通信システムを示す。アクセスネットワーク100(AN)は複数のアンテナグループを含み、1つのグループは104及び106を含み、他のグループは108及び110を含み、並びに追加のグループが112及び114を含む。
図1では、各アンテナグループに対して2つのアンテナのみを示している。しかし、各アンテナグループに対してより多くの又はより少ないアンテナを利用することができる。アクセス端末116(AT)はアンテナ112及び114と通信状態にあり、ここでアンテナ112及び114はフォワードリンク120を介してアクセス端末116に情報を送信し、リバースリンク118を介してアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末(AT)122はアンテナ106及び108と通信状態にあり、ここでアンテナ106及び108はフォワードリンク126を介してアクセス端末(AT)122に情報を送信し、リバースリンク124を介してアクセス端末(AT)122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118、120、124及び126は、通信のために異なる周波数を使用することができる。例えば、フォワードリンク120は、リバースリンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用することができる。
【0010】
各アンテナグループ及び/又はそれらのアンテナが通信するように設計される範囲は、アクセスネットワークのセクタと称されることが多い。本実施形態においては、各アンテナグループは、アクセスネットワーク100によってカバーされる範囲のセクタにおいてアクセス端末に通信するように設計される。
【0011】
フォワードリンク120及び126を介した通信では、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122のためのフォワードリンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミング(beamforming)を利用することができる。また、ビームフォーミングを使用してそのカバレッジにわたってランダムに点在するアクセス端末に送信するアクセスネットワークは、単一のアンテナを通してすべてのアクセス端末に送信するアクセスネットワークよりも、隣接セル内のアクセス端末への干渉を少なくする。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するために使用される固定局又は基地局とすることができ、アクセスポイント、Node B、基地局、エンハンスド(enhanced)基地局、エボルブドNode B(eNB)、又は何らかの他の専門用語で称されることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、ワイヤレス通信デバイス、端末、アクセス端末又は何らかの他の専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られる)及び受信機システム250(アクセス端末(AT)又はユーザ機器(UE)としても知られる)の実施形態の簡略ブロック図である。送信機システム210で、ある数のデータストリームについてのトラフィックデータが、データソース212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態においては、各データストリームはそれぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、各データストリームのためのトラフィックデータを、そのデータストリームのために選択される特定の符号化スキームに基づいてフォーマットし、符号化し、インタリーブして、符号化されたデータを提供する。
【0015】
各データストリームについて符号化されたデータは、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化されることができる。パイロットデータは、代表的には、既知の方式で処理される既知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムで使用されることができる。各データストリームについて多重化されたパイロット及び符号化されたデータは、次いでそのデータストリームに対して選択される特定の変調スキーム(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK又はM-QAM)に基づいて変調(即ち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化及び変調は、プロセッサ230によって行われる命令によって決定されることができる。
【0016】
すべてのデータストリームについての変調シンボルは、次いでTX MIMOプロセッサ220に提供され、それは更に変調シンボルを(例えば、OFDMの場合)処理することができる。TX MIMOプロセッサ220は、次いでNT個の送信機(TMTR)222a~222tにNT個の変調シンボルストリームを提供する。特定の実施形態では、TX MIMOプロセッサ220は、データストリームのシンボル及びシンボルが送信されているアンテナにビームフォーミング重みを適用する。
【0017】
各送信機222は、それぞれのシンボルストリームを受信し、処理して、1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調整して(例えば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)、MIMOチャネルを介した伝送に適した変調信号を提供する。送信機222a~222tからのNT個の変調信号は、次いで、NT個のアンテナ224a~224tからそれぞれ送信される。
【0018】
受信機システム250で、送信された変調信号はNR個のアンテナ252a~252rによって受信され、各アンテナ252から受信された信号はそれぞれ受信機(RCVR)254a~254rに提供される。各受信機254は、それぞれ受信された信号を調整して(例えば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)、調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、更にサンプルを処理して、対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
RXデータプロセッサ260が、次いで特定の受信機処理技術に基づいて、NR個の受信機254からのNR個の受信シンボルストリームを受信し、処理して、NT個の「検出」シンボルストリームを提供する。RXデータプロセッサ260は、次いで各検出シンボルストリームを復調し、デインタリーブ(deinterleave)し、復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220及びTXデータプロセッサ214によって行われる処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディング行列を使用するべきかを周期的に決定する(下記で論じる)。プロセッサ270は、行列インデックス部分及びランク値部分を含むリバースリンクメッセージ(reverse link message)を編成する。
【0021】
リバースリンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含むことができる。リバースリンクメッセージは、次いでデータソース236からある数のデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a~254rによって調整され、送信機システム210に返信される。
【0022】
送信機システム210で、受信機システム250からの変調信号は、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータプロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信されたリバースリンクメッセージを抽出する。プロセッサ230は、次いでビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するべきかを決定して、次いで抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替の簡略機能ブロック図を示す。
図3に示すように、無線通信システムにおける通信デバイス300は、
図1のUE(若しくはAT)116及び122又は
図1の基地局(若しくはAN)100を実現するために利用することができ、無線通信システムは好ましくはLTEシステムである。通信デバイス300は、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及び送受信機314を含むことができる。制御回路306は、CPU308を通してメモリ310内のプログラムコード312を実行して、それによって通信デバイス300の動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を通してユーザによって入力される信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を通して画像及び音を出力することができる。送受信機314は、無線信号を受信及び送信するために使用され、受信された信号を制御回路306に供給したり、制御回路306によって生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、
図1のAN100を実現するために利用することもできる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による
図3に示したプログラムコード312の簡略ブロック図である。本実施形態では、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部分402、及びレイヤ2部分404を含み、レイヤ1部分406に結合される。レイヤ3部分402は、概して、無線リソース制御を行う。レイヤ2部分404は、概して、リンク制御を行う。レイヤ1部分406は、概して、物理的接続を行う。
【0025】
3GPP R2-162366において議論されているように、より低い周波数帯(例えば、現在のLTE帯<6GHz)では、ダウンリンク共通チャネルを送信するためのワイドセクタビームを形成することによって、必要なセルカバレッジを提供することができる。しかし、より高い周波数(>>6GHz)でワイドセクタビームを利用すると、同じアンテナ利得ではセルカバレッジが低減される。したがって、より高い周波数バンドで必要なセルカバレッジを提供するためには、増加したパスロスを補償するために、より高いアンテナ利得が必要とされる。ワイドセクタビームを介してアンテナ利得を増加させるため、より多いアンテナアレイ(数十から数百までのアンテナ素子の数)が高利得ビームを形成するために使用される。
【0026】
高利得ビームはワイドセクタビームに比べて狭いため、ダウンリンク共通チャネルを送信するための複数のビームが、必要なセルエリアをカバーするために必要とされる。アクセスポイントが形成することができる同時高利得ビームの数は、利用する送受信機のアーキテクチャのコスト及び複雑さによって制限され得る。実際には、より高い周波数では、同時高利得ビームの数は、セルエリアをカバーするために必要なビームの総数よりもはるかに少ない。言い換えると、アクセスポイントは、任意の所与の時点でビームのサブセットを使用することによってセルエリアの一部のみをカバーすることが可能である。
【0027】
3GPP R2-163716において議論されているように、ビームフォーミングは、概して、指向性信号の送信/受信のためにアンテナアレイで使用される信号処理技術である。ビームフォーミングによれば、特定の角度での信号が強め合う干渉を経験する一方で、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナのフェーズドアレイ(phased array)における素子を組み合わせることによって、ビームを形成することができる。複数のアンテナアレイを用いて、異なるビームを同時に利用することができる。
【0028】
ビームフォーミングは、概して、3つのタイプの実装に分類することができる。デジタルビームフォーミング、ハイブリッドビームフォーミング及びアナログビームフォーミングである。デジタルビームフォーミングの場合、ビームはデジタル領域で生成される。すなわち、各アンテナ素子の重み付けを、ベースバンド(例えば、TXRU(送受信機ユニット)に接続されている)によって制御することができる。したがって、各サブバンドのビーム方向をシステムの帯域幅に渡って異なるように調整することは非常に容易である。また、ビーム方向を時々変更するのに、OFDM(直交周波数分割多重)シンボル間でスイッチング時間が必要とされない。方向が全カバレッジをカバーするすべてのビームを同時に生成することができます。しかし、この構造は、TXRU(送受信機/RFチェーン)とアンテナ素子との間に(ほぼ)1対1のマッピングを必要とし、アンテナ素子の数が増加し、システム帯域幅が増加する(熱の問題も存在する)ため、この構造がかなり複雑になる。
【0029】
アナログビームフォーミングの場合、ビームはアナログ領域で生成される。すなわち、各アンテナ素子の重み付けを、RF(無線周波数)回路内の振幅/位相シフタによって制御することができる。重み付けを純粋に回路によって制御するため、同じビーム方向がシステム帯域幅全体に適用される。また、ビーム方向を変更すべき場合は、スイッチング時間が必要とされる。アナログビームフォーミングによって同時に生成されるビームの数は、TXRUの数に依存する。所与のサイズのアレイに対して、TXRUが増加すると、各ビームのアンテナ素子を減少させ、それにより、より広いビームが生成される可能性があることに留意されたい。要するに、アナログビームフォーミングは、デジタルビームフォーミングの複雑さ及び熱問題を回避することができる、一方、動作がより制限される。ハイブリッドビームフォーミングは、アナログビームフォーミングとデジタルビームフォーミングの間の妥協点として検討することができる。ここで、ビームはアナログ領域及びデジタル領域の両方から来ることができる。3つのタイプのビームフォーミングを
図5に示す。
【0030】
3GPP R2-162709において議論されているように、eNB(エボルブドNode B)は、複数のTRP(集中型又は分散型のいずれか一方)を有し得る。各TRPは、複数のビームを形成し得る。ビームの数及び時間/周波数領域における同時ビームの数は、TRPでのアンテナアレイ素子の数及びRF(無線周波数)に依存する。
【0031】
NRの場合の可能性のあるモビリティタイプは次のように列挙することができる。
・TRP内(Intra-TRP)モビリティ
・TRP間(Inter-TRP)モビリティ
・NR eNB間(Inter-NR eNB)モビリティ
【0032】
3GPP R2-162762において議論されているように、カバレッジは時間及び空間の両方の変動に対してより敏感であり得るため、ビームフォーミングに純粋に依存し、より高い周波数で動作するシステムの信頼性は挑戦的なものとなるかもしれない。結果として、狭いリンクのSINR(信号対干渉雑音比)は、LTEの場合よりもはるかに急速に低下する可能性がある。
【0033】
アクセスノードで数百の数の素子を備えるアンテナアレイを使用して、ノード当たり数十又は数百の候補ビームを備えるかなり規則的なグリッドオブビーム(grid-of-beam)カバレッジパターンを作成し得る。そのようなアレイからの個々のビームのカバレッジエリアは、場合によっては、幅数十メートルのオーダーにまで小さくなり得る。結果として、現在のサービングビームエリアの外側のチャネル品質は、LTEによって提供されるようなワイドエリアカバレッジの場合よりも、急速に低下する。
【0034】
RAN1#85会議における、ビームフォーミングについてのいくつかの合意は以下の通りである。
・ NRにおいて次の3つのビームフォーミングの実装が検討されるべきである。
- アナログビームフォーミング(Analog beamforming)
- デジタルビームフォーミング(Digital beamforming)
- ハイブリッドビームフォーミング(Hybrid beamforming)
- 注:NRのための物理レイヤ手順設計は、TRP/UEで使用されるビームフォーミング実装に関してUE/TRPに不可知論的(agnostic)とすることができるが、効率を失わないようにビームフォーミング実装固有の最適化を追求し得る。
・ RAN1は、これらのチャネル/信号/測定/フィードバックのためにマルチビームベースアプローチとシングルビームベースアプローチの両方を検討する。
- 初期アクセス信号(同期信号及びランダムアクセスチャネル)
- システム情報配信
- RRM測定/フィードバック
- L1制御チャネル
- その他についてはさらに検討する。
- 注:NRのための物理レイヤ手順設計は、スタンドアロンの初期アクセス手順において少なくとも同期信号検出のためにTRPでマルチビームベースアプローチ又はシングルビームベースアプローチが採用されるかどうかを可能な限り統一することができる。
- 注:シングルビームアプローチは、マルチビームアプローチの特殊な場合とすることができる。
- 注:シングルビームアプローチ及びマルチビームアプローチの個別の最適化が可能である。
・ マルチビームベースアプローチ
- マルチビームベースのアプローチでは、TRP/UEのDLカバレッジエリア及び/又はULカバレッジ距離をカバーするために複数のビームが使用される。
- マルチビームベースアプローチの一例は、ビーム掃引である。
・ 信号(又はチャンネル)に対してビーム掃引が適用されると、信号(チャンネル)は、有限の持続時間(time duration)において複数の時間インスタンス上にある複数のビームで送信/受信される。
- 単一/複数のビームを単一の時間インスタンスにおいて送信/受信することができる。
- その他についてはさらに検討する。
・ シングルビームベースアプローチ
- シングルビームベースアプローチでは、LTEセル固有チャネル/RSの場合と同様に、TRP/UEのDLカバレッジエリア及び/又はULカバレッジ距離をカバーするために単一のビームが使用される。
・ シングルビームベースアプローチとマルチビームベースアプローチのいずれの場合でも、RAN1は次の事項を追加的に考慮することができる。
- パワーブースティング
- SFN
- 繰り返し
- ビームダイバーシティ(マルチビームアプローチの場合のみ)
- アンテナダイバーシティ
- 他のアプローチは排除されない
・ シングルビームベースアプローチとマルチビームベースアプローチの組み合わせは排除されない
同意事項:
・ RAN1は少なくともマルチビームベースアプローチについてのビームフォーミング手順とそれによるシステムへの影響を検討する。
- マルチビームベースアプローチ及びシングルビームベースアプローチにおけるオーバヘッド、レイテンシ等の異なるメトリックを最適化するビームフォーミングのための物理レイヤ手順
- ビーム訓練を必要とするマルチビームベースアプローチにおける物理レイヤ手順、すなわち送信器ビーム及び/又は受信ビームのステアリング
・ 例:周期的/非周期的なダウンリンク/アップリンクTX/RXビーム掃引信号。ここで、周期的な信号を半静的又は動的に構成してもよい(FFS)。
・ 例: UL音信号
・ 他の例は排除されない
同意事項:
・ TRP内とTRP間の両方のビームフォーミング手順を考慮する。
・ ビームフォーミング手順は、TRPビームフォーミング/ビーム掃引の有無及びUEビームフォーミング/ビーム掃引の有無に関わらず、次の潜在的な使用事例に応じて考慮される。
- UE移動、UE回転、ビームブロッキング:
・ TRPでのビームの変化、UEでの同じビーム
・ TRPでの同じビーム、UEのビームの変化
・ TRPでのビームの変化、UEでのビームの変化
- 他の場合は排除されない
【0035】
ビーム動作及びTRPのサポートにより、セルは、UEをスケジューリングするために複数の選択肢を有することができる。例えば、同じデータをUEに送信するTRPからの複数のビームが存在し得り、これは送信の信頼性をより高くすることができる。代替的には、複数のTRPからの複数のビームが同じデータをUEに送信する。スループットを向上させるために、単一のTRPがUEに対して異なるビーム上で異なるデータを送信することも可能である。また、複数のTRPが、UEに対して異なるビーム上で異なるデータをUEに送信することができる。
【0036】
LTEシステムにおいては、UL伝送電力は複数のファクタによって決定される。ここで、ファクタの1つはDLパスロスである。概して、パスロスはCRS測定から導出することができる。より詳細な情報は、次のように、3GPP TS 36.213の第5セクションに見出すことができる。
5 電力制御
ダウンリンク電力制御は、リソース要素当たりのエネルギー(EPER:Energy Per Resource Element)を決定する。リソース要素エネルギーという用語は、CP挿入前のエネルギーを示す。リソース要素エネルギーという用語は、適用された変調方式のためのすべての配置点(constellation point)にわたって取られた平均エネルギーも示す。アップリンク電力制御は、物理チャネルが送信されるSC-FDMAシンボル上の平均電力を決定する。
5.1 アップリンク電力制御
アップリンク電力制御は、異なるアップリンク物理チャネルの伝送電力を制御する。
PUSCHの場合、5.1.1項で定義される伝送電力
(外1)
は、伝送スキームのために構成されたアンテナポートの数に対する非ゼロPUSCH送信を伴うアンテナポートの数の比によって最初にスケーリングされる。その結果得られたスケーリングされた電力は、次いで、非ゼロのPUSCHが送信されるアンテナポートにわたって均等に分割される。
PUCCH又はSRSの場合、5.1.1.1項で定義される伝送電力
(外2)
又は、
(外3)
は、PUCCH又はSRSのために構成されたアンテナポートにわたって均等に分割される。
(外4)
は、5.1.3項で定義されるP
SRS,c(i)の線形値である。セルワイド過負荷指標(cell wide overload indicator:OI)及びUL干渉を制御する高干渉指標(High Interference Indicator:HII)が、[9]で定義される。
フレーム構造タイプ1を有するサービングセルの場合、UEがUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成されることは見込まれていない。
5.1.1 物理アップリンク共有チャネル
UEがSCGで構成される場合、UEは、MCGとSCGのいずれに対してもこの項で説明する手順を適用しなければならない
- この手順をMCGに適用する場合、この項の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、それぞれ、MCGに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル、サービングセル、複数のサービングセルを指す。
- この手順をSCGに適用する場合、この項の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、それぞれ、SCGに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル(PSCellを除く)、サービングセル、複数のサービングを指す。この項の「プライマリセル」という用語は、SCGのPSCellを指す。
UEがPUCCH-SCellで構成される場合、UEは、プライマリPUCCHグループとセカンダリPUCCHグループのいずれに対してもこの項で説明する手順を適用しなければならない。
- この手順をプライマリPUCCHグループに適用する場合、この項の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、それぞれ、プライマリPUCCHグループに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル、サービングセル、複数のサービングセルを指す。
- この手順をセカンダリPUCCHグループに適用する場合、この項の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、それぞれ、セカンダリPUCCHグループに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル、サービングセル、複数のサービングセルを指す。
5.1.1.1 UE挙動
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)伝送のためのUE伝送電力の設定は、次のように定義される。
UEがサービングセルcに対して同時PUCCHなしのPUSCHを送信する場合、サービングセルcに対するサブフレームiにおけるPUSCH送信のためのUE伝送電力P
PUSCH,c(i)は、
【数1】
で与えられる。UEがサービングセルcに対して同時PUCCHありのPUSCHを送信する場合、サービングセルcに対するサブフレームiにおけるPUSCH送信のためのUE伝送電力P
PUSCH,c(i)は、
【数2】
で与えられる。UEがサービングセルcに対してPUSCHを送信していない場合、UEは、PUSCHに対してDCIフォーマット3/3Aで受信されたTPCコマンドの累積のために、サービングセルcに対するサブフレームiにおけるPUSCH送信のためのUE伝送電力P
PUSCH,c(i)が
【数3】
によって計算される。ここで、
- P
CMAX,c(i)は、サービングセルcに対するサブフレームiにおいて[6]で定義される構成済UE伝送電力であり、
(外5)
は、P
CMAX,c(i)の線形値である。UEがサービングセルcに対するサブフレームiにおいてPUSCHなしのPUCCHを送信する場合、PUSCHに対してDCIフォーマット3/3Aで受信されたTPCコマンドの累積のために、UEは5.1.2.1項で与えられるP
CMAX,c(i)を仮定する。UEがサービングセルcに対するサブフレームiにおいてPUCCH及びPUSCHを送信しない場合、PUSCHに対してDCIフォーマット3/3Aで受信されたTPCコマンドの累積のために、UEは、MPR=0dB、A-MPR=0dB、P-MPR=0dBおよびΔT
C= 0dBと仮定して、P
CMAX,c(i)を計算する。ここで、MPR、A-MPR、P-MPR及びΔT
Cは[6]で定義される。
-
(外6)
は、5.1.2.1項で定義されるP
PUCCH(i)の線形値である。
- M
PUSCH,c(i)は、サブフレームi及びサービングセルcに対して有効なリソースブロックの数で表されるPUSCHリソース割り当ての帯域幅である。
- UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成され、かつ上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、サブフレームiがアップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、
- j=0のとき、P
O_PUSCH,c(0)=P
O_UE_PUSCH,c,2(0)+P
O_NOMINAL_PUSCH,c,2(0)である。ここで、j=0は、セミパーシステントグラントに対応するPUSCH(再)送信に使用される。P
O_UE_PUSCH,c,2(0)及びP
O_NOMINAL_PUSCH,c,2(0)は、各サービングセルcに対して上位レイヤによってそれぞれ提供されるパラメータp0-UE-PUSCH-Persistent-SubframeSet2-r12及びp0-NominalPUSCH-Persistent-SubframeSet2-r12である。
- j=1のとき、P
O_PUSCH,c(1)=P
O_UE_PUSCH,c,2(1)+P
O_NOMINAL_PUSCH,c,2(1)である。ここで、j=1は、動的スケジューリンググラントに対応するPUSCH(再)送信に使用される。P
O_UE_PUSCH,c,2(1)及びP
O_NOMINAL_PUSCH,c,2(1)は、各サービングセルcに対して上位レイヤによってそれぞれ提供されるパラメータp0-UE-PUSCH- SubframeSet2-r12及びp0-NominalPUSCH-Persistent-SubframeSet2-r12である。
- j=2のとき、P
O_PUSCH,c(2)=P
O_UE_PUSCH,c(2)+P
O_NOMINAL_PUSCH,c(2)である。ここで、P
O_UE_PUSCH,c(2)=0であり、P
O_NOMINAL_PUSCH,c(2)=P
O_PRE+Δ
PREAMBLE_Msg3であり、パラメータpreambleInitialReceivedTargetPower[8](PP
O_PRE)及びΔ
PREAMBLE_Msg3は、サービングセルcに対して上位レイヤからシグナリングされ、j=2はランダムアクセス応答グラントに対応するPUSCH(再)送信に使用される。
それ以外の場合、
- P
O_PUSCH,c(j)は、サービングセルcに対して、j=0及び1についての上位レイヤから提供されるコンポーネントP
O_NOMINAL_PUSCH,c(j)と、j=0及び1についての上位レイヤから提供されるコンポーネントP
O_UE_PUSCH,c(j)との和で構成されるパラメータである。セミパーシステントグラントに対応するPUSCH(再)送信の場合、j=0であり、動的スケジューリンググラントに対応するPUSCH(再)送信の場合、j=1であり、ランダムアクセス応答グラントに対応するPUSCH(再)送信の場合、j=2である。P
O_UE_PUSCH,c(2)=0であり、P
O_NOMINAL_PUSCH,c(2)=P
O_PRE+Δ
PREAMBLE_Msg3であり、パラメータpreambleInitialReceivedTargetPower[8](PP
O_PRE)及びΔ
PREAMBLE_Msg3は、サービングセルcに対して上位レイヤからシグナリングされる。
- UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成され、かつ上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、サブフレームiがアップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、
- j=0又は1の場合、α
c(j)=α
c,2∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}である。α
c,2は、各サービングセルcに対して上位レイヤによって提供されるパラメータalpha-SubframeSet2-r12である。
- j= 2の場合、α
c(j)=1である。
それ以外の場合、
- j=0又は1の場合、α
c∈{0,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1}は、サービングセルcに対して上位のレイヤによって提供される3ビットパラメータである。j=2の場合、α
c(j)=1である。
- PL
cは、サービングセルcに対してUEにおいて計算されたdB単位でのダウンリンクパスロス推定値であり、PL
c=referenceSignalPower-(上位レイヤでフィルタリングされたRSRP)であり、referenceSignalPowerは上位レイヤによって提供され、RSRPは、基準サービングセルに対して[5]で定義され、上位レイヤのフィルタ構成は、基準サービングセルに対して[11]で定義される。
- サービングセルcがプライマリセルを含むTAGに属する場合、プライマリセルのアップリンクに対して、プライマリセルは、referenceSignalPower及び上位レイヤでフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。セカンダリセルのアップリンクについては、[11]で定義された上位レイヤのパラメータpathlossReferenceLinkingによって構成されたサービングセルは、referenceSignalPower及び上位レイヤでフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。
- サービングセルcがPSCellを含むTAGに属する場合、PSCellのアップリンクに対して、PSCellは、referenceSignalPower及び上位レイヤでフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。PSCell以外のセカンダリセルのアップリンクについては、[11]で定義された上位レイヤのパラメータpathlossReferenceLinkingによって構成されたサービングセルは、referenceSignalPower及び上位レイヤでフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。
- サービングセルcがプライマリセルや、PSCellを含まないTAGに属する場合、サービングセルcは、referenceSignalPower及び上位レイヤでフィルタリングされたRSRPを決定するための基準サービングセルとして使用される。
- K
S=1.25の場合及びK
s=0の場合は、
【数4】
であり、ここで、K
Sは、各サービングセルcに対して上位レイヤによって提供されるパラメータdeltaMCS-Enabledにより与えられる。BPRE及び
(外7)
は、各サービングセルcに対して以下のように計算される。伝送モード2の場合、K
S=0である。
- UL-SCHデータなしのPUSCHを介して送信される制御データの場合、BPRE=O
CQI/N
REであり、他の場合、
【数5】
である。
- ここで、Cはコードブロック数であり、K
rはコードブロックrのサイズであり、O
CQIはCRCビットを含むCQI/PMIビット数であり、N
REは、
【数6】
として決定されるリソース要素の数である。ここで、C、K
r、
(外8)
び
(外9)
は、[4]で定義される。
- UL-SCHデータなしのPUSCHを介して送信される制御データの場合、
【数7】
であり、他の場合、1である。
- δ
PUSCH,cは、TPCコマンドとも称される補正値であり、サービングセルcに対してDCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCH、あるいはCRCパリティビットがTPC-PUSCH-RNTIでスクランブルされたDCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCH内の他のTPCコマンドと共に共同で(jointly)符号化される。UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成され、かつ上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、サブフレームiがアップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、サービングセルcに対する現在のPUSCH電力制御調整状態はf
c,2(i)で与えられ、UEはf
c(i)の代わりにf
c,2(i)を使用して、P
PUSCH,c(i)を決定するものとする。それ以外の場合、サービングセルcに対する現在のPUSCH電力制御調整状態は、f
c(i)で与えられる。f
c,2(i)及びf
c(i)は、次により定義される
― 上位レイヤによって提供されるパラメータAccumulation-enabledに基づいて累積が有効にされる場合又はTPCコマンドδ
PUSCH,cがサービングセルcに対して、DCIフォーマット0を有するPDCCH/EPDCCH若しくはDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHに含まれる場合、
【数8】
及び
【数9】
であり、CRCは、一時C-RNTIによってスクランブルされる。
- ここで、δ
PUSCH,c(i-K
PUSCH)は、サブフレームi-K
PUSCH上のDCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCH、DCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCH又はDCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCHでシグナリングされている。ここで、f
c(0)は累積リセット後の最初の値である。CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、サブフレームi-K
PUSCHは、DCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCH又はDCIフォーマット3/3Aを有するMPDCCHが送信される最後のサブフレームである。
- K
PUSCHの値は、
- FDD又はFDD-TDD及びサービングセルフレーム構造タイプ1の場合、K
PUSCH=4である。
- TDDの場合、UEが2つ以上のサービングセルで構成され、少なくとも2つの構成済みサービングセルのTDD UL/DL構成が同じでない場合、若しくはUEが少なくとも1つのサービングセルに対してパラメータEIMTA-MainConfigServCell-r12で構成される場合、又はFDD-TDD及びサービングセルフレーム構造タイプ2の場合、「TDD UL/DL構成」は、サービングセルcに対するUL基準UL/DL構成(8.0節で定義される)を指す。
- TDD UL / DL構成1-6の場合、K
PUSCHは表5.1.1.1-1で与えられる。
- TDD UL / DL構成0の場合、
- サブフレーム2又は7のPUSCH伝送が、ULインデックスのLSBが1に設定された、DCIフォーマット0/4のPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0AのMPDCCHでスケジューリングされる場合、K
PUSCH=7である。
- 他のすべてのPUSCH伝送の場合、K
PUSCHは表5.1.1.1-1で与えられる。
- サービングセルc及び非BL/CE UEの場合、UEは、DRXにいるとき又はサービングセルcが非アクティブ化されている場合を除き、すべてのサブフレームにおいて、UEのC-RNTIを用いたDCIフォーマット0/4若しくはSPS C-RNTIに対するDCIフォーマット0のPDCCH/EPDCCH又はUEのTRC-PUSCH-RNTIを用いたDCIフォーマット3/3AのPDCCH/EPDCCHを復号することを試みる。
- サービングセルc及びCEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、UEは、DRXにいるときを除くすべてのBL/CEダウンリンクサブフレームにおいて、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIを用いたDCIフォーマット6-0AのMPDCCHと、このUEのTPC-PUSCH-RNTIを用いたDCIフォーマット3/3AのMPDCCHを復号することを試みる。
- 非BL/CE UEの場合、サービングセルcに対するDCIフォーマット0/4及びDCIフォーマット3/3Aが同じサブフレームで両方とも検出された場合、UEはDCIフォーマット0/4で提供されるδ
PUSCH,cを使用するものとする。
- CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、サービングセルcに対するDCIフォーマット6-0A及びDCIフォーマット3/3Aが同じサブフレームで両方とも検出された場合、UEはDCIフォーマット6-0Aで提供されるδ
PUSCH,cを使用するものとする。
- サブフレームcに対して復号されるTPCコマンドがない、あるいはTDD又はFDD-TDDにおいてDRXが発生するか、iがアップリンクサブフレームではなく、サービングセルcフレーム構造タイプ2であるサブフレームの場合、δ
PUSCH,c=0dBである。
- DCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHでシグナリングされた累積値δ
PUSCH,cdBが表5.1.1.1-2で与えられる。DCIフォーマット0を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHを有するPDCCH/EPDCCHが、SPS起動又はPDCCH/EPDCCH/MPDCCHの解除として有効化された場合、δ
PUSCH,cは0dBである。
- DCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCHでシグナリングされた累積値δ
PUSCH,cdBは、上位レイヤによって提供されるパラメータTPC-Indexによって決定される表5.1.1.1-2で与えられるSET1又は表5.1.1.1-3で与えられるSET2のうちの1つである。
- UEがサービングセルcに対してP
CMAX,c(i)に到達した場合、サービングセルcに対する正のTPCコマンドは累積されないものとする。
- UEが最小電力に達した場合、負のTPCコマンドは累積されないものとする。
- UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成されていない場合、UEは累積をリセットするものとする。
- サービングセルcに対して、値P
O_UE_PUSCH,cが上位レイヤによって変更されたとき
- サービングセルcに対して、UEがサービングセルcに対するランダムアクセス応答メッセージを受信したとき
- UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成される場合、
- UEは、サービングセルcに対するf
c(*)に対応する累積をリセットするものとする。
- 値P
O_UE_PUSCH,cが上位レイヤによって値が変更されたとき
- UEがサービングセルcに対するランダムアクセス応答メッセージを受信したとき
- UEは、サービングセルcに対するf
c,2(*)に対応する累積をリセットするものとする。
- 値P
O_UE_PUSCH,c,2が上位レイヤよって値が変更されたとき
- UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成される場合、
- 上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、サブフレームiがアップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、f
c(i)=f
c(i-1)である。
- 上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、サブフレームiがアップリンク電力制御サブフレームセット2に属さない場合、f
c,2(i)=f
c,2(i-1)である。
- 上位レイヤのパラメータAccumulation-enabledに基づいて、サービングセルcに対して累積が有効でない場合、f
c(i)=δ
PUSCH,c(i-K
PUSCH)及びf
c,2(i)=δ
PUSCH,c(i-K
PUSCH)である。
- δ
PUSCH,c(i-K
PUSCH)は、サブフレームi-K
PUSCH上でサービングセルcに対して、DCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHでシグナリングされている。CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、サブフレームi-K
PUSCHは、DCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCH又はDCIフォーマット3/3Aを有するMPDCCHが送信される最後のサブフレームである。
- K
PUSCHの値は
- FDD又はFDD-TDD及びサービングセルフレーム構造タイプ1の場合、K
PUSCH=4
- TDDの場合、UEが2つ以上のサービングセルで構成され、少なくとも2つの構成済サービングセルのTDD UL/DL構成が同じでない場合、又はUEが少なくとも1つのサービングセルに対してパラメータEIMTA-MainConfigServCell-r12で構成される、あるいはFDD-TDD及びサービングセルフレーム構造タイプ2である場合、「TDD UL/DL構成」は、サービングセルcに対してUL基準UL/DL構成(8.0節で定義される)を指す。
- TDD UL / DL構成1-6の場合、K
PUSCHは表5.1.1.1-1で与えられる。
- TDD UL / DL構成0の場合、
- サブフレーム2又は7でのPUSCH送信が、ULインデックスのLSBが1に設定されたDCIフォーマット0/4のPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHでスケジューリングされる場合、K
PUSCH=7である。
- 他のすべてのPUSCH送信の場合、K
PUSCHは表5.1.1.1-1で与えられる。
- DCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHでシグナリングされた絶対値δ
PUSCH,cdBが表5.1.1.1-2で与えられる。DCIフォーマット0を有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHがSPS起動又はPDCCH/EPDCCH/MPDCCHの解除として有効化された場合、δ
PUSCH,cは0dBである。
- 非BL/CE UEの場合、サービングセルcに対して復号されるDCIフォーマット0/4を有するPDCCH/EPDCCHがない、あるいはTDD又はFDD-TDDにおいてDRXが発生するか、iがアップリンクサブフレームではなく、サービングセルcフレーム構造タイプ2であるサブフレームの場合、f
c(i)=f
c(i-1)及びf
c,2(i)=f
c,2(i-1)である。
- CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、サービングセルcに対して復号されるDCIフォーマット6-0Aを有するMPDCCHがない、あるいはTDDにおいてDRXが発生するか、iがアップリンクサブフレームではないサブフレームの場合、f
c(i-1)=f
c(i-1)及びf
c,2(i)=f
c,2(i-1)である。
- UEが、サービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成される場合、
- サブフレームiが上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、アップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、f
c(i)=f
c(i-1)
- サブフレームiが上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、アップリンク電力制御サブフレームセット2に属さない場合、f
c,2(i)=f
c,2(i-1)
- f
c(*)の両方のタイプ(累積又は現在の絶対値)の場合、最初の値(the first value)は次のように設定されます。
- 値P
O_UE_PUSCH,cが上位レイヤによって変更され、サービングセルがプライマリセルである場合、又は値P
O_UE_PUSCH,cが上位レイヤによって受信され、サービングセルがセカンダリセルである場合
- f
c(0)=0
- それ以外の場合
- UEがサービングセルcに対するランダムアクセス応答メッセージを受信した場合
- f
c(0)=ΔP
rampup,c+δ
msg2,cであり、ここで、
- δ
msg2,cはサービングセルc内で送信されたランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答で指示されるTPCコマンドであり(6.2節参照)、
【数10】
であり、Δ
rampuprequested,cは、上位レイヤによって提供され、サービングセルcにおける最初のプリアンブルから最後のプリアンブルまで上位レイヤによって要求される全電力ランプアップに対応し、MPUSCH,c(0)は、サービングセルc内での最初のPUSCH送信のサブフレームに対して有効なリソースブロックの数で表されたPUSCHリソース割り当ての帯域幅である。ΔTF,c(0)は、サービングセルc内での最初のPUSCH伝送の電力調整である。
- 値P
O_UE_PUSCH,c,2が、サービングセルcに対して上位レイヤによって受信される場合、
- f
c,2(0)=0
[“TDD構成0-6の場合のK
PUSCH”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-1は、
図6として再現されている]
[“DCIフォーマット0/3/4におけるTPCコマンドフィールドの絶対δ
PUSCH,cの値及び累積δ
PUSCH,cの値へのマッピング”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-2は、
図7として再現されている]
[“DCIフォーマット3AにおけるTPCコマンドフィールドの累積δ
PUSCH,cの値へのマッピング”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.1.1-3は、
図8として再現されている]
[…]
5.1.2 物理アップリンク制御チャネル
UEがSCGで構成される場合、UEはMCG及びSCGの両方についてこの項で説明する手順を適用するものとする。
- 本手順がMCGに適用される場合、この項における「サービングセル」という用語は、MCGに属するサービングセルを指す。
本手順がSCGに適用される場合、この項における「サービングセル」という用語は、SCGに属するサービングセルを指す。この項における「プライマリセル」という用語は、SCGのPSCellを指す。UEがPUCCH-SCellで構成される場合、UEはプライマリPUCCHグループとセカンダリPUCCHグループの両方についてこの項で説明する手順を適用するものとする。
- 本手順がプライマリPUCCHグループに適用されるとき、この項における「サービングセル」という用語は、プライマリPUCCHグループに属するサービングセルを指す。
- 本手順がセカンダリPUCCHグループに適用されるとき、この項における「サービングセル」という用語は、セカンダリPUCCHグループに属するサービングセルを指す。この項における「プライマリセル」という用語は、セカンダリPUCCHグループのPUCCH-SCellを指す。
5.1.2.1 UE挙動
サービングセルcがプライマリセルであり、PUCCHフォーマット1/1a/1b/2/2a/2b/3である場合、サービングセルcに対するサブフレームiにおける物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送のためのUE伝送電力P
PUCCHの設定は、
【数11】
によって定義される。サービングセルcがプライマリセルであり、PUCCHフォーマット4/5であるの場合、サービングセルcに対するサブフレームiにおける物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)伝送のためのUE伝送電力P
PUCCHの設定は、
【数12】
によって定義される。UEがプライマリセルに対してPUCCHを送信していない場合、PUCCHのためのTPCコマンドの累積のために、UEは、サブフレームiにおけるPUCCHのためのUE伝送電力P
PUCCHが、
【数13】
によって計算されると仮定するものとする。ここで、
- P
CMAX,c(i)は、サービングセルcに対してサブフレームiにおいて[6]で定義された構成済UE伝送電力である。UEがサービングセルcに対してサブフレームiにおいてPUCCHなしのPUSCHを送信する場合、PUCCHのためのTPCコマンドの累積のために、UEは5.1.1.1で与えられたように、P
CMAX,cを仮定するものとする。UEがサービングセルcに対してサブフレームiにおいてPUCCH及びPUSCHを送信しない場合、PUCCHのためのTPCコマンドの累積のために、UEはMPR=0dB、A-MPR=0dB、P-MPR=0dB及びΔT
C=0dBと仮定して、P
CMAX,c(i)を計算する。ここで、MPR、A-MPR、P-MPR及びΔT
Cは[6]で定義される。
- パラメータΔ
F_PUCCH(F)は上位レイヤによって提供される。各値Δ
F_PUCCH(F)は、PUCCHフォーマット1aに対するPUCCHフォーマット(F)に対応する。各PUCCHフォーマット(F)は、[3]の表5.4-1で定義される。
- UEが2つのアンテナポート上でPUCCHを送信するように上位レイヤによって構成される場合、Δ
TxD(F´)の値は上位レイヤによって提供さる。ここで、各PUCCHフォーマットF´は、[3]の表5.4-1で定義される。それ以外は、Δ
TxD(F´)=0である。
- h(n
CQI,n
HARQ,n
SR)はPUCCHフォーマット依存値である。ここで、n
CQIは、[4]の5.2.3.3項で定義されたチャネル品質情報についての情報ビット数に対応する。サブフレームiが、UL-SCHのための関連するトランスポートブロックを持たないUEに対してSRのために構成される場合は、n
SR=1、それ以外の場合、n
SR=0である。UEが2つ以上のサービングセルと共に構成される、あるいはUEが1つのサービングセルで構成され、送信がPUCCHフォーマット3を使用する場合、n
HARQの値は10.1節で定義される。それ以外の場合、n
HARQは、サブフレームiで送信されたHARQ-ACKビット数である。
- PUCCHフォーマット1,1a及び1bの場合、h(n
CQI,n
HARQ,n
SR)=0である。
- チャネル選択を伴うPUCCHフォーマット1bの場合、UEが複数のサービングセルと共に構成されている場合に、
【数14】
である。そうでなければ、h(n
CQI,n
HARQ,n
SR)=0である。
- PUCCHフォーマット2、2a、2b及び通常のサイクリックプレフィックス(cyclic prefix)の場合、
【数15】
である。
- PUCCHフォーマット2及び拡張サイクリックプレフィックスの場合、
【数16】
である。
- PUCCHフォーマット3の場合、UEが周期的CSIなしのHARQ-ACK/SRを送信するとき、
- UEが、2つのアンテナポート上でPUCCHフォーマット3を送信するように上位レイヤによって構成されている場合、又はUEが12ビット以上のHARQ-ACK/SRを送信する場合、
【数17】
である。
- それ以外の場合、
【数18】
である。
- PUCCHフォーマット3の場合、UEがHARQ-ACK/SR及び周期的CSIを送信するとき、
- UEが、2つのアンテナポート上でPUCCHフォーマット3を送信するように上位レイヤによって構成されている場合、又はUEが12ビット以上のHARQ-ACK/SR及びCSIを送信する場合、
【数19】
である。
- それ以外の場合、
【数20】
である。
- PUCCHフォーマット4の場合、M
PUCCH,c(i)は、サブフレームi及びサービングセルcに対して有効なリソースブロックの数で表現されたPUCCHフォーマット4の帯域幅である。PUCCHフォーマット5の場合、M
PUCCH,c(i)=1である。
- Δ
TF,c(i)=10log
10(2
1.25・BPRE(i)-1)である。ここで、BPRE(i)=O
UCI(i)/N
RE(i)である。
- O
UCI(i)は、サブフレームiにおけるPUCCHフォーマット4/5で送信されたCRCビットを含むHARQ-ACK/SR/RI/CQI/PMIビット数である。
- PUCCHフォーマット4の場合、
【数21】
であり、PUCCHフォーマット5の場合、
【数22】
である。
- 短縮PUCCHフォーマット4又は短縮PUCCHフォーマット5がサブフレームiで使用される場合、
【数23】
である。それ以外の場合、
【数24】
である。
- P
o_PUCCHは、上位レイヤによって提供されるパラメータP
o_NOMINAL_PUCCHと上位レイヤによって提供されるパラメータP
o_UE_PUCCHとの合計で構成されるパラメータである。
- δ
PUCCHは、TPCコマンドとも称される、UE固有の補正値であり、プライマリセルに対してDCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するPDCCHに含まれる、プライマリセルに対してDCIフォーマット6-1Aを有するMPDCCHに含まれる、プライマリセルに対してDCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するEPDCCHに含まれる、あるいはCRCパリティビットがTPC-PUCCH-RNTIでスクランブルされたDCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCHで他のUE固有のPUCCH補正値と結合して符号化され送信される。
- 非BL/CE UEの場合、UEがEPDCCH監視のために構成されていない場合、UEは、DRXにいるときを除くすべてのサブフレームで、UEのTPC-PUCCH-RNTIを有するDCIフォーマット3/3AのPDCCHと、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIを有するDCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dの1つ又は複数のPDCCHの復号を試みる。
- UEがEPDCCH監視のために構成されている場合、UEは、
- 9.1.1項に説明しているように、UEのTPC-PUCCH-RNTIを有するDCIフォーマット3/3AのPDCCHと、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIを有するDCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dの1つ又は複数のPDCCH
- 9.1.4項に説明しているように、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIを有するDCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dの1つ又は複数のEPDCCH
の復号を試みる。
- CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、UEは、DRXにいるときを除くすべてのBL/CEダウンリンクサブフレームで、UEのTPC-PUCCH-RNTIを有するDCIフォーマット3/3AのMPDCCHと、UEのC-RNTI又はSPS C-RNTIを有するDCIフォーマット6-1AのMPDCCHの復号を試みる。
- UEが
- DCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するPDCCH、
- DCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するEPDCCH又は
- DCIフォーマット6-1Aを有するMPDCCH
を復号する場合、
プライマリセルで、対応する検出されたRNTIがUEのC-RNTI又はSPS C-RNTIと等しく、DCIフォーマットにおけるTPCフィールドが10.1節のようにPUCCHリソースを決定するために使用されない場合、UEは、PDCCH/EPDCCH/MPDCCHにおいてδ
PUCCHを使用するものとする。
そうでないなら、
- UEがDCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCHを復号する場合、UEはPDCCH/MPDCCHにおいてδ
PUCCHを使用するものとする。そうでないなら、UEは、δ
PUCCH=0dBを設定するものとする。
-
【数25】
ここで、g(i)は現在のPUCCH電力制御調整状態であり、g(0)はリセット後の最初の値である。
- FDD又はFDD-TDD及びプライマリセルフレーム構造タイプ1である場合。M=1であり、k
0=4である。
- TDDの場合、M及びk
mの値は表10.1.3.1-1に与えられる。ここで、表10.1.3.1-1における「UL/DL構成」は、UEがプライマリセルに対してパラメータEIMTA-MainConfigServCell-r12で構成されるときのプライマリセルに対するパラメータeimta-HARQ-ReferenceConfig-r12に対応する。
- DCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するPDCCH、DCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2/2B/2C/2Dを有するEPDCCH又はDCIフォーマット6-1Aを有するMPDCCHでシグナリングされる値δ
PUCCHが表5.1.2.1-1に与えられる。DCIフォーマット1/1A/2/2A/2B/2C/2Dを有するPDCCH、DCIフォーマット1/1A/2A/2/2B/2C/2Dを有するEPDCCH又はDCIフォーマット6-1Aを有するMPDCCHが、SPSアクティベーションPDCCH/EPDCCH/MPDCCHとして有効である、あるいはDCIフォーマット1Aを有するPDCCH/EPDCCH又はDCIフォーマット6-1Aを有するMPDCCHは、SPSリリースPDCCH/EPDCCH/MPDCCHとして有効である場合、δ
PUCCHは0dBである。
- DCIフォーマット3/3Aを有するPDCCH/MPDCCHでシグナリングされる値δ
PUCCHdBは、上位レイヤによって準静的に構成されるように、表5.1.2.1-1又は表5.1.2.1-2に与えられる。
- 値P
o_UE_PUCCHが上位レイヤによって変更される場合、
- g(0)=0であり、
- そうでないなら、
- g(0)=ΔP
rampup+δ
msg2であり、ここで、
- δ
msg2は、プライマリセル内で送信されたランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセス応答に示されるTPCコマンドである(6.2節参照)。
- UEがサブフレームiにおいてPUCCHを送信している場合、
【数26】
それ以外の場合、
【数27】
である。ΔP
rampuprequestedは、上位レイヤによって提供され、プライマリセルにおいて最初のプリアンブルから最後のプリアンブルまで上位レイヤによって要求される全電力ランプアップ(ramp-up)に対応する。
- UEがプライマリセルに対してP
C,MAX,c(i)に到達した場合、プライマリセルに対する正のTPCコマンドは累積されないものとする。
- UEが最小電力に達した場合、負のTPCコマンドは累積されないものとする。
- UEは累積をリセットするものとする。
- 値P
o_UE_PUCCHが上位レイヤによって変更された場合
- UEがプライマリセルに対するランダムアクセス応答メッセージを受信したとき
- iがTDD又はFDD-TDDにおけるアップリンクサブフレームではなく、プライマリセルフレーム構造タイプ2である場合、g(i)=g(i-1)である。
CEModeAで構成されたBL/CE UEの場合、PUCCHが複数のサブフレームi
0,i
1,...,i
N-1(ここで、i
0<i
1<...<i
N-1である)において送信されるなら、サブフレームi
k(k=0,1,...,N-1)におけるPUCCH伝送電力は、P
PUCCH,c(i
k)=P
PUCCH,c(i
0)によって決定される。
CEModeBで構成されたBL/CE UEの場合、サブフレームi
kにおけるPUCCH伝送電力は、P
PUCCH,c(i
k)=P
CMAX,c(i
0)によって決定される。
[“DCIフォーマット1A/1B/1D/1/2A/2B/2C/2D/2/3におけるTPCコマンドフィールドの値δ
PUCCHへのマッピング”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.2.1-1は、
図9として再現されている]
[“DCIフォーマット3AにおけるTPCコマンドフィールドの値δ
PUCCHへのマッピング”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表5.1.2.1-2は、
図10として再現されている]
5.1.3 サウンディング基準シンボル(SRS)
5.1.3.1 UEの動作
サービングセルcに対するサブフレームiで送信されるSRSのためのUE伝送電力P
SRSの設定は、
【数28】
によって定義される。ここで、
- P
CMAX,c(i)は、サービングセルcに対してサブフレームiにおいて[6]で定義された構成済UE伝送電力である。
- P
SRS_OFFSET,c(m)は、サービングセルcに対する、m=0及びm=1の場合に、上位レイヤによって半静的に構成される。トリガタイプ0が与えられたSRS伝送の場合m=0であり、トリガタイプ1が与えられたSRS伝送の場合m=1である。
- M
SRS,cは、リソースブロック数で表された、サービングセルcに対するサブフレームiにおけるSRS伝送の帯域幅である。
- f
c(i)は、サービングセルcに対する現在のPUSCH電力制御調整状態である(5.1.1.1項参照)。
- P
O_PUSCH,c(j)及びα
c(j)は、サブフレームiに対して5.1.1.1項で定義されるパラメータである(ここで、j=1である)。
UEがSCG又はPUCCH-SCellで構成されておらず、SC-FDMAシンボル内のサウンディング基準シンボルに対するUEの総伝送電力が
(外10)
を超過する場合、UEは、条件
【数29】
が満されるように、サービングセルcに対する
(外11)
及びサブフレームi内のSC-FDMAシンボルをスケールする。ここで、
(外12)
は、P
SRS,c(i)の線形値であり、
(外13)
は、サブフレームiにおいて[6]で定義されるP
CMAXの線形値であり、w(i)はサービングセルcに対する
(外14)
のスケーリングファクタである。ここで、0<w(i)≦1である。値w(i)は複数のサービングセルにわたって同じであることに留意されたい。
UEがSCG又はPUCCH-SCellで構成されておらず、UEが複数のTAGで構成され、TAG内のサブフレームiにおいて、サービングセルに対するSC-FDMAシンボル内のUEのSRS伝送が、他のTAG内のサブフレームiにおいて、サービングセルに対する別のSC-FDMAシンボル内のSRS伝送と重複する場合、そして、重複部分内のサウンディング基準シンボルに対するUEの総伝送電力が
(外15)
を超過する場合、UEは、条件
【数30】
が満たされるように、サービングセルcに対する
(外16)
及びサブフレームi内のSRS SC-FDMAシンボルをサブフレームをスケールする。ここで、
(外17)
は、P
SRS,c(i)の線形値であり、
(外18)
は、サブフレームiにおいて[6]で定義されるP
CMAXの線形値であり、w(i)はサービングセルcに対する
(外19)
のスケーリングファクタである。ここで、0<w(i)≦1である。値w(i)は複数のサービングセルにわたって同じであることに留意されたい。
UEがサービングセルcに対して上位レイヤのパラメータUplinkPowerControlDedicated-v12x0で構成され、サブフレームiが、上位レイヤのパラメータtpc-SubframeSet-r12によって示されるように、アップリンク電力制御サブフレームセット2に属する場合、UEはf
c(i)の代わりにf
c,2(i)を使用して、サブフレームi及びサービングセルcに対するP
SRS,c(i)を決定する。ここで、f
c,2(i)は、5.1.1.1項で定義される。
【0037】
チャネル状態情報(CSI)は、チャネル品質指標(CQI)、プリコーディング行列指標(PMI)及びランク指標(RI)を含み得り、CSI測定はCRS又はCSI-RSから測定される。以下の引用から分かるように、CQIは、特定の仮定(例えば、誤り率目標、チャネル条件)の下でアフォーダブルな(affordable)変調及び符号化スキームの指標であり、特定の信号の信号対干渉雑音比(SINR)から決定することができる、チャネルに対する暗黙のフィードバックの一種である。あるいは、CQIは、可能な量子化を用いて実チャネル係数を指示するために使用することもできる。PMIは、アンテナ領域における好ましいプリコーディング行列の指標であり、信号品質(ビームフォーミング利得)を上げる、あるいは異なるアンテナから所与のUEへの複数のストリーム(レイヤ)間の干渉を下げたりするために使用することができる。RIは、UEに対するストリーム(レイヤ)の好ましいあるいはアフォーダブルな数の指標である。より詳細な情報は、次のように、3GPP TS 36.213の7.2節に見出すことができる。
7.2 チャネル状態情報(CSI)を報告するためのUE手順
UEがPUCCH-SCellで構成される場合、UEは、特に明記されていない限り、プライマリPUCCHグループとセカンダリPUCCHグループの両方に対して、この節で説明する手順を適用するものとする。
- この手順をプライマリPUCCHグループに適用する場合、この節の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、特に明記されていない限り、それぞれ、プライマリPUCCHグループに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル、サービングセル、複数のサービングセルを指す。
- この手順をセカンダリPUCCHグループに適用する場合、この節の「セカンダリセル」、「複数のセカンダリセル」、「サービングセル」、「複数のサービングセル」という用語は、特に明記されていない限り、それぞれ、セカンダリPUCCHグループに属するセカンダリセル、複数のセカンダリセル(PUCCH-SCellを含まない)、サービングセル、複数のサービングセルを指す。この節の「プライマリセル」という用語は、セカンダリPUCCHグループのPUCCH-SCellを指します。
チャネル品質指標(CQI)、プリコーディング行列指標(PMI)、プリコーディングタイプ指標(PTI)、CSI-RSリソース指標(CRI)及び/又はランク指標(RI)からなるCSIを報告するためにUEによって使用され得る時間及び周波数リソースは、eNBによって制御される。空間多重化の場合、[3]で与えられるように、UEは有用な伝送レイヤの数に対応するRIを決定するものとする。[3]で与えられる送信ダイバーシティの場合、RIは1に等しい。
伝送モード8又は9の非BL / CE UEは、上位レイヤのパラメータpmi-RI-ReportによってPMI/RI報告ありであるいはなしで構成される。
伝送モード10のUEは、上位レイヤによってサービングセルごとに1つ以上のCSIプロセスで構成され得る。
伝送モード10のUEの場合、
- UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成されない場合、各CSIプロセスはCSI-RSリソース(7.2.5項で定義される)とCSI干渉測定(CSI-IM)リソース(7.2.6項で定義される)に関連付けられる。UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubFramePatternConfig-r12によってCSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1で構成される場合、UEはCSIプロセスに対して2つまでのCSI-IMリソースで構成され得る。
- UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「CLASS A」に設定される場合、各CSIプロセスはCSI-RSリソース(7.2.5項で定義される)とCSI干渉測定(CSI-IM)リソース(7.2.6項で定義される)に関連付けられる。UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubFramePatternConfig-r12によってCSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1で構成される場合、UEはCSIプロセスに対して2つまでのCSI-IMリソースで構成され得る。
- UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「CLASS B」に設定される場合、各CSIプロセスは1つ以上のCSI-RSリソース(7.2.5項で定義される)と1つ以上のCSI干渉測定(CSI-IM)リソース(7.2.6項で定義される)に関連付けられる。各CSI-RSリソースは、上位レイヤによってCSI-IMリソースに関連付けられる。1つのCSI-RSリソースを有するCSIプロセスの場合、上位レイヤのパラメータcsi-SubFramePatternConfig-r12によってCSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1で構成されるなら、UEは各CSIサブフレームセットについてのCSI-IMリソースで構成され得る。
伝送モード10のUEの場合、UEによって報告されるCSIは、上位レイヤによって構成されるCSIプロセスに対応する。各CSIプロセスは、上位レイヤのシグナリングによるPMI/RI報告ありであるいはなしで構成され得る。
伝送モード9のUEで、UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成される場合、この節の「CSIプロセス」という用語は、UEに対する構成済CSIを指す。
伝送モード9のUEの場合、UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成されるなら、
- eMIMO-Typeは「CLASS A」に設定され、各CSIプロセスはCSI-RSリソース(7.2.5項で定義される)に関連付けられる。
- eMIMO-Typeが「CLASS B」に設定され、各CSIプロセスは1つ以上のCSI-RSリソース(7.2.5項で定義されている)に関連付けられる。
CSIプロセスの場合、UEが伝送モード9又は10で構成され、UEが上位レイヤのパラメータpmi-RI-Reportで構成されず、UEが上位レイヤのパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスB」に設定され、1つ以上の構成済CSI-RSリソースのうちの少なくとも1つにおいてCSI-RSアンテナポートの数が複数である場合、UEはPMI報告なしで構成されているとみなされる。
サブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1が上位レイヤによって構成される場合、UEはリソース制限されたCSI測定値で構成される。
フレーム構造タイプ1のサービングセルの場合、UEがcsi-SubframePatternConfig-r12で構成されることは期待されない。
CSI報告は周期的又は非周期的である。
CEModeBで構成されるBL/CE UEが、非周期的CSI又は周期的CSI報告のいずれかで構成されることは期待されない。
UEが2つ以上のサービングセルで構成されている場合、UEは活性サービングセルに対してのみCSIを送信する。
UEがPUSCHとPUCCHを同時に伝送するように構成されていない場合、UEはPUSCHを割り当てないサブフレームにおいて、以下に定義するPUCCHについての周期的CSI報告を送信するものとする。
UEがPUSCHとPUCCHを同時に伝送するように構成されていない場合、UEはPUSCH割り当てを有するサブフレームにおいて、以下に定義する最小のServCellIndexを有するサービングセルのPUSCHについての周期的CSI報告を送信するものとする。ここで、PUSCHについてPUCCHベースの周期的CSI報告フォーマットと同じものを使用するものとする。
以下に規定される条件が満たされる場合、UEはPUSCHについての非周期的CSI報告を送信するものとする。非周期的CQI/PMI報告の場合、構成済CSIフィードバックタイプがRI報告をサポートしている場合のみ、RI報告が送信される。
表7.2-1:なし
周期的及び非周期的CSI報告が同じサブフレーム内で発生する場合、UEはそのサブフレーム内では非周期的CSI報告のみを送信するものとする。
上位レイヤのパラメータaltCQI-Table-r12が構成されかつallSubframes-r12に設定されている場合、
- UEは、表7.2.3-2に従ってCQIを報告するものとする。
そうではなく、上位レイヤのパラメータaltCQI-Table-r12が構成されかつcsi-SubframeSet1-r12又はcsi-SubframeSet2-r12に設定されている場合、
- UEは、altCQI-Table-r12によって構成された対応するCSIサブフレームセットについての表7.2.3-2に従ってCQIを報告するものとする。
- UEは、表7.2.3-1に従って他のCSIサブフレームセットについてのCQIを報告するものとする。
そうでないなら、
- UEは、表7.2.3-1に従ってCQIを報告するものとする。
[…]
7.2.3 チャネル品質指標(CQI)の定義
QPSK、16QAM及び64QAMに基づいてCQIを報告するためのCQIインデックス及びその解釈が表7.2.3-1に与えられる。QPSK、16QAM、64QAM及び256QAMに基づいてCQIを報告するためのCQIインデックス及びその解釈が表7.2.3-2に与えられる。QPSK及び16QAMに基づいてCQIを報告するためのCQIインデックスとその解釈が表7.2.3-3に与えられる。
非BL/CE UEの場合、この節で特に明記されていない限り、制限されていない時間の観測間隔に基づいてかつ制限されていない周波数の観測間隔に基づいて、UEはアップリンクサブフレームnにおいて報告された各CQI値に対して、次の条件を満たす表7.2.3-1又は表7.2.3-2における1と15の間で最も大きいCQIインデックスを導出する、あるいはCQIインデックス1が次の条件を満たさない場合、CQIインデックス0を導出する。
- CQIインデックスに対応する変調スキームとトランスポートブロックサイズとの組み合わせを有し、CSI基準リソースと呼ばれるダウンリンク物理リソースブロックのグループを占有する単一のPDSCHトランスポートブロックは、0.1を超えないトランスポートブロックエラー確率で受信することができる。
BL / CE UEの場合、制限されていない時間と周波数の観測間隔に基づいて、UEは各CQI値に対して、次の条件を満たす表7.2.3-3における1と10の間の最も大きいCQIインデックスを導出する、あるいはCQIインデックス1が次の条件を満たさない場合はCQIインデックス0を導出する。
- CQIインデックスに対応する変調スキームとトランスポートブロックサイズとの組み合わせを有し、CSI基準リソースと呼ばれるダウンリンク物理リソースブロックのグループを占有する単一のPDSCHトランスポートブロックは、0.1を超えないトランスポートブロックエラー確率で受信することができる。
CSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1が上位レイヤによって構成される場合、各CSI基準リソースは、C
CSI,0又はC
CSI,1のいずれかに属するが、両方には属さない。CSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1が上位レイヤによって構成されるとき、CSI基準リソースがいずれのサブフレームセットにも属さないサブフレーム内にあるトリガをUEが受信することは期待されない。伝送モード10及び周期的なCSI報告のUEの場合、CSI基準リソースのためのCSIサブフレームセットは、各CSIプロセスに対して上位レイヤによって構成される。
伝送モード9のUEの場合、パラメータpmi-RI-Reportが上位レイヤによって構成され、パラメータeMIMO-Typeが上位レイヤによって構成されていないとき、UEは、UEがCSI-RSに対して非ゼロ電力をとるように構成されている、[3]で定義されるチャネル状態情報(CSI)基準信号(CSI-RS)のみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告されるCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。伝送モード9の非BL/CE UEの場合でパラメータpmi-RI-Reportが上位レイヤで構成されていないとき、あるいは伝送モード1~8の場合、UEはCRSに基づいてCQIを計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。BL/CE UEの場合、UEは、CRSに基づいてCQIを計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。
伝送モード10のUEの場合、パラメータeMIMO-Typeが上位レイヤによって構成されていないとき、UEは、CSIプロセスに関連する構成済CSI-RSリソース内のゼロ電力のCSI-RS([3]で定義される)のみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告され、CSIプロセスに対応するCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。
伝送モード9のUEであって、UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成されている場合、この項における「CSIプロセス」という用語は、UEに対する構成済CSIを指す。
伝送モード9又は10のUEであって、CSIプロセスの場合、UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスA」に設定され、かつ、1つのCSI-RSリソースが構成されている場合、又はUEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeは「クラスB」に設定され、かつ、パラメータchannelMeasRestrictionが上位レイヤによって構成されていない場合、UEは、CSIプロセスに関連する構成済CSI-RSリソース内の非ゼロ電力CSI-RS([3]で定義される)のみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告され、CSIプロセスに対応するCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスB」に設定され、構成済CSI-RSリソース数がK>1であり、かつ、パラメータchannelMeasRestrictionが上位レイヤによって構成されていない場合、UEは、CRIによって指示される構成済CSI-RSリソースのみを使用してCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。
伝送モード9又は10のUEであって、CSIプロセスの場合、UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスB」に設定され、かつ、パラメータchannelMeasRestrictionが上位レイヤによって構成されている場合、UEは、最新であり、かつ、遅くともCSI基準リソースまでの、CSIプロセスに関連する構成済CSI-RSリソース内の非ゼロ電力CSI-RS([3]で定義される)のみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告され、CSIプロセスに対応するCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出するものとする。UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスB」に設定され、構成済CSI-RSリソース数がK>1であり、かつパラメータchannelMeasRestrictionが上位レイヤによって構成されている場合、UEは、最新であり、かつ、遅くともCSI基準リソースまでの、CRIによって指示される構成済CSI-RSリソース内の非ゼロ電力CSI-RSのみを使用してCQI値を計算するためのチャネル測定値を導出しなければならない。
伝送モード10のUEの場合、パラメータeMIMO-Typeが上位レイヤによって構成されていないとき、UEは、CSIプロセスに関連する構成済CSI-IMリソースのみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告され、CSIプロセスに対応するCQI値を計算するための干渉測定値を導出するものとする。
伝送モード10のUEであって、CSIプロセスの場合、パラメータeMIMO-Type及びinterferenceMeasRestrictionが上位レイヤによって構成されている場合、UEは、最新であり、かつ、遅くともCSI基準リソースまでの、CSIプロセスに関連づけられた構成済CSI-IMのみに基づいて、アップリンクサブフレームnにおいて報告され、CSIプロセスに対応するCQI値を計算するための干渉測定値を導出するものとする。UEが上位レイヤによってパラメータeMIMO-Typeで構成され、eMIMO-Typeが「クラスB」に設定され、構成済CSI-RSリソース数がK>1であり、かつ、interferenceMeasRestrictionが構成されている場合、UEは、最新であり、かつ、遅くともCSI基準リソースまでの、CRIによって指示されるCSI-RSに関連する構成済CSI-IMリソースのみに基づいて、CQI値を計算するための干渉測定値を導出するものとする。interferenceMeasRestrictionが構成されていない場合、UEは、CRIによって指示されるCSI-RSリソースに関連するCSI-IMに基づいてCQI値を計算するための干渉測定値を導出するものとする。
伝送モード10のUEが、CSIプロセスのためのCSIサブフレームセットC
CSI,0及びC
CSI,1について上位レイヤによって構成されている場合、CSI基準リソースに属するサブフレームサブセット内の構成済CSI-IMリソースが、干渉測定を導出するために使用される。
UEがサービングセルに対してパラメータEIMTA-MainConfigServCell-r12で構成されている場合、サービングセルのUL/DL構成によって指示される無線フレームのダウンリンクサブフレーム内のみの構成済CSI-IMリソースは、サービングセルのついての干渉測定値を導出するために使用され得る。
LAA Scellの場合、
- チャネル測定の場合、UEは複数のサブフレームからCRS/CSI-RS測定値を平均するなら、
- UEは、サブフレームn1の任意のOFDMシンボル又はサブフレームn1+1からサブフレームn2までの任意のサブフレームが占有されていない場合、後のサブフレームn2におけるCSI-RS測定値を用いて、サブフレームn1におけるCSI-RS測定値を平均すべきでない。
- UEは、サブフレームn1の第2のスロットの任意のOFDMシンボル、サブフレームn1+1からサブフレームn2-1までの任意のサブフレームの任意のOFDMシンボル又はサブフレームn2の最初の3つのOFDMシンボルが占有されない場合、後のサブフレームn2におけるCRS測定値を用いてサブフレームn1におけるCRS測定を平均すべきでない。
- 干渉測定の場合、UEは占有OFDMシンボルを有するサブフレームにおける測定値のみに基づいて、CQI値を計算するための干渉測定値を導出するものとする。
次の場合に、変調スキームとトランスポートブロックサイズの組み合わせはCQIインデックスに対応する。
- そのコンビネーションが関連するトランスポートブロックサイズテーブルに従って、CSI基準リソースにおけるPDSCH上の伝送のためにシグナリングされることができ、
- 変調スキームはCQIインデックスで指示され、かつ
- 基準リソースに適用されたときのトランスポートブロックサイズと変調スキームとの組み合わせがCQIインデックスによって指示されるコードレート(code rate)に可能な限り近い有効チャネルコードレートをもたらす。トランスポートブロックサイズと変調スキームとの複数の組み合わせが、CQIインデックスによって指示されるコードレートに等しく近い有効チャネルコードレートをもたらす場合、そのようなトランスポートブロックサイズのうちの最小のものとの組み合わせのみが関連する。
サービングセルに対するCSI基準リソースは、次のように定義される。
- 非BL/CE UEの場合、周波数領域において、CSI基準リソースは、導出されたCQI値が関連する帯域に対応するダウンリンク物理リソースブロックのグループによって定義される。BL/CE UEの場合、周波数領域において、CSI基準リソースは、導出されたCQI値が関連する狭帯域のいずれかに対するすべてのダウンリンク物理リソースブロックを含む。
- 時間領域において、非BL/CE UEの場合、
- 伝送モード1-9又はサービングセルに対して単一の構成済CSIプロセスを用いた伝送モード10で構成されたUEの場合、CSI基準リソースは、単一のダウンリンク又は特別サブフレームn-n
CQI_refによって定義され、
- 周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは4以上の最小値であり、それにより、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。
- 非周期的CSI報告であって、UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubframePatternConfig-r12で構成されていない場合、
- n
CQI_refは、基準リソースが、アップリンクDCIフォーマットでの対応するCSI要求と同じ有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームにあるようなものである。
- n
CQI_refは4に等しく、サブフレームn-n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応し、サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントにおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- 非周期的CSI報告であって、UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubframePatternConfig-r12で構成されている場合、
- 伝送モード1-9で構成されているUEの場合、
- n
CQI_refは4以上の最小値であり、サブフレームn-n
CQI_refは有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。ここで、サブフレームn-n
CQI_refは、アップリンクDCIフォーマットでの対応するCSI要求を伴うサブフレーム上又はその後に受信される。
- n
CQI_refは4以上の最小値であり、サブフレームn-
nCQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。ここで、サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントにおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- 上記の条件に基づいてn
CQI_refについての有効な値がない場合、n
CQI_refは、基準リソースは、対応するCSI要求を伴うサブフレームの前の有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームn-n
CQI_refにあるような最小値である。ここで、サブフレームn-n
CQI_refは、無線フレーム内で最小インデックスを有する有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームである。
- 伝送モード10で構成されているUEの場合、
- n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応するように4以上の最小値であり、対応するCSI要求はアップリンクDCIフォーマットである。
- n
CQI_refは4以上の最小値であり、サブフレームn-n
CQI_refは有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントにおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- サービングセル対して複数の構成済CSIプロセスを有する伝送モード10で構成されているUEの場合、所与のCSIプロセスに対するCSI基準リソースは、単一のダウンリンク又は特別サブフレームn-n
CQI_refによって定義され、
- FDDサービングセル及び周期的又は非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応するように、5以上の最小値であり、非周期的CSI報告の場合、対応するCSI要求はアップリンクDCIフォーマットである。
- FDDサービングセル及び非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは5に等しく、サブフレームn-n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- TDDサービングセル、2又は3の構成済CSIプロセス及び周期的又は非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応するように、4以上の最小値であり、非周期的CSI報告の場合、対応するCSI要求はアップリンクDCIフォーマットである。
- TDDサービングセル、2又は3の構成済みCSIプロセス及び非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは、4に等しく、サブフレームn-n
CQI_refは有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。ここで、サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- TDDサービングセル、4つの構成済CSIプロセス及び周期的又は非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応するように、5以上の最小値であり、非周期的CSI報告の場合、対応するCSI要求はアップリンクDCIフォーマットである。
- TDDサービングセル、4つの構成済CSIプロセス及び非周期的CSI報告の場合、n
CQI_refは5に等しく、サブフレームn-n
CQI_refは有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームに対応する。ここで、サブフレームn-n
CQI_refは、ランダムアクセス応答グラントおいて対応するCSI要求を伴うサブフレームの後に受信される。
- 時間領域において、BL/CE UEの場合、CSI基準リソースは、BL/CEダウンリンク又は特別サブフレームのセットによって定義される。ここで、最後のサブフレームがサブフレームn-n
CQI_refであり、
- 周期的CSI報告の場合、n
CQI_ref≧4である。
- 非周期的CSI報告の場合、n
CQI_ref≧4である。
CSI基準リソースにおける各サブフレームは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームである。
- 広帯域CSI報告場合:
- BL/CEダウンリンク又は特別サブフレームのセットは、各狭帯域内でBL/CE UEによりMPDCCH監視に使用されるn-n
CQI_refの前の最後の
【数31】
個のサブフレームのセットである。ここで、BL/CE UEがMPDCCHを監視し、ここで
【数32】
は、BL/CE UEがMPDCCHを監視する狭帯域の数である。
- サブバンドCSI報告の場合:
- BL/CEダウンリンク又は特別サブフレームのセットは、n-n
CQI_refの前の対応する狭帯域におけるBL/CE UEによるMPDCCH監視に使用される最後のR
CSI個のサブフレームのセットである。
- R
CSIは上位レイヤのパラメータcsi-NumRepetitionCEによって与えられる。
次の場合に、サービングセルにおけるサブフレームは、有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームであるとみなされるものとする。
- そのUEに対してダウンリンクサブフレーム又は特別サブフレームとして構成され、
- 異なるアップリンク-ダウンリンク構成を有する複数のセルがアグリゲートされ、UEがアグリゲートあれたセル内で同時に受信及び送信を行うことができない場合、プライマリセル内のサブフレームは、7680・T
sより長いDwPTSの長さを有するダウンリンクサブフレーム又は特別サブフレームである。
- 伝送モード9又は10の非BL/CE UEを除いて、MBSFNサブフレームではなく、
- DwPTSの長さが7680・T
s以下である場合にDwPTSフィールドを含まず、
- Uに対して構成済測定値ギャップ内に入らず、
- 周期的CSI報告の場合、UEがCSIサブフレームセットで構成されているときは、周期的CSI報告にリンクされたCSIサブフレームセットの要素であり、
- 複数の構成済CSIプロセスを有する伝送モード10で構成されているUEであって、CSIプロセスのための非周期的CSI報告の場合、UEがCSIプロセスのためのCSIサブフレームセットで構成され、UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubframePatternConfig-r12で構成されていないとき、アップリンクDCIフォーマットの対応するCSI要求を伴うダウンリンク又は特別サブフレームにリンクされたCSIサブフレームセットの要素であり、
- 伝送モード1-9で構成されているUEであって、非周期的CSI報告の場合、UEが上位レイヤのパラメータcsi-SubframePatternConfig-r12によってCSIサブフレームセットで構成されているとき、アップリンクDCIフォーマットの対応するCSI要求に関連づけられたCSIサブフレームセットの要素であり、
- 伝送モード10で構成されたUEであって、CSIプロセスのための非周期的CSI報告の場合、UEがCSIプロセスのための上位レイヤのパラメータcsi-SubframePatternConfig-r12によるCSIサブフレームセットで構成されているとき、アップリンクDCIフォーマットでの対応するCSI要求に関連するCSIサブフレームセットの要素である。
- サービングセルがLAA Scellであり、サブフレーム内の少なくとも1つのOFDMシンボルが占有されていない場合を除く。
- サービングセルがLAA Scellであり、[3]の6.10.1.1節で説明する
【数33】
である場合を除く。
- サービングセルがLAA Scellであり、伝送モード9又は10で構成されているUEの場合を除き、CSIプロセスに関連する構成済CSI-RSリソースは、サブフレームにない。
- 非BL/CE UEの場合、サービングセル内のCSI基準リソースに対して有効なダウンリンク又は有効な特別サブフレームがないなら、CSI報告は、アップリンクサブフレームnにおいてサービングセルに対して省略される。
- レイヤ領域において、CSI基準リソースは、CQIが調整されるRI及びPMIによって定義される。
CSI基準リソースにおいて、UEは、CQIインデックス並びに構成されているならPMI及びRIも導出するために次の事項を仮定する。
- 最初の3つのOFDMシンボルは、制御シグナリングによって占有されている。
- プライマリ又はセカンダリ同期信号又はPBCH若しくはEPDCCHによって使用されるリソース要素はない。
- 非MBSFNサブフレームのCP長
- 冗長バージョン(Redundancy Version)0
- CSI-RSがチャネル測定に使用される場合、PDSCH EPREのCSI-RS EPREに対する比は7.2.5項で与えられる通りである。
- 非BL/CE UEが伝送モード9でCSI報告の場合:
- CRS REは非MBSFNサブフレームにあるようなものである。
- UEがPMI/RI報告のために、あるいはPMI報告なしで構成されている場合、複数のCSI-RSポートが構成されているなら、UE固有の基準信号オーバヘッドは最新の報告されたランクと一致し、1つのCSI-RSポートのみが構成されているなら、ランク1伝送と一致する。ν個のレイヤのためのアンテナポート{7...6+ν}上のPDSCH信号は、
【数34】
で与えられるように、アンテナポート{15...14+P}上で送信される対応するシンボルに相当する信号をもたらす。ここで、
【数35】
は、[3]の6.3.3.2項のレイヤマッピングからのシンボルのベクトルであり、P∈{1,2,4,8,12,16}は、構成済CSI-RSポートの数であり、1つのCSI-RSポートのみが構成される場合、W(i)は1であり、そうでないなら、PMI/RI報告のために構成されているUEについては、W(i)はx(i)に適用可能な報告されたPMIに対応するプリコーディング行列であり、PMI報告なしで構成されているUEについては、W(i)はx(i)に適用可能な報告されたCQIに対応する選択されたプリコーディング行列である。アンテナポート{15...14+P}上で送信される対応するPDSCH信号は、7.2.5項で与えられる比に等しい、EPREのCSI-RS EPREに対する比を有する。
- 伝送モード10でCSI報告の場合、CSIプロセスがPMI/RI報告なしで構成されている場合:
- 関連するCSI-RSリソースのアンテナポートの数が1である場合、PDSCH送信はシングルアンテナポート、ポート7上にある。アンテナポート{7}のチャネルは、関連するCSI-RSリソースのアンテナポート{15}のチャネルから推測される。
- CRS REは非MBSFNサブフレームにあるようなものである。CRSオーバヘッドは、サービングセルのCRSアンテナポートの数に対応するCRSオーバヘッドと同じであると仮定する。
- UE固有の基準信号オーバヘッドは、PRB対ごとに12個のREである。
- それ以外の場合
- 関連するCSI-RSリソースのアンテナポートの数が2である場合、PDSCH伝送スキームは、アンテナポート{0,1}上のチャネルが、関連するCSIリソースのアンテナポート{15,16}上のチャネルからそれぞれ推測される場合を除き、アンテナポート{0,1}について7.1.2項で定義される送信ダイバーシティスキームを仮定する。
- 関連するCSI-RSリソースのアンテナポートの数が4である場合、PDSCH伝送スキームは、アンテナポート{0,1,2,3}上チャネルが、関連するCSI-RSリソースのアンテナポート{15,16,17,18}上のチャネルからそれぞれ推測される場合を除き、アンテナポート{0,1,2,3}について7.1.2項で定義される送信ダイバーシティスキームを仮定する。
- PMI/RI報告なしで構成されるCSIプロセスに関連するCSI-RSリソースのために4つ以上のアンテナポートでUEが構成されることは期待されない。
- CRS REのオーバヘッドは、関連するCSI-RSリソースと同じ数のアンテナポートを仮定している。
-UE固有の基準信号オーバヘッドはゼロである。
- 伝送モード10でCSI報告の場合、PMI/RI報告ありであるいはPMI報告なしでCSIプロセスが構成されている場合:
- CRS REは非MBSFNサブフレームにあるようなものである。CRSオーバヘッドは、サービングセルのCRSアンテナポートの数に対応するCRSオーバヘッドと同じであると仮定される。
- 複数のCSI-RSポートが構成されている場合、UE固有の基準信号オーバヘッドはCSIプロセスに対して最新の報告されたランクと一致し、1つのCSI-RSポートのみが構成されている場合、ランク1伝送と一致する。ν個のレイヤのためのアンテナポート{7...6+ν}上のPDSCH信号は、
【数36】
で与えられるように、アンテナポート{15...14+P}上で送信される対応するシンボルに相当する信号をもたらす。ここで、
【数37】
は、[3]の6.3.3.2項のレイヤマッピングからのシンボルのベクトルであり、P∈{1,2,4,8,12,16}は、関連するCSI-RSリソースのアンテナポートの数であり、P=1の場合、W(i)は1であり、そうでないなら、PMI/RI報告のために構成されているUEについては、W(i)はx(i)に適用可能な報告されたPMIに対応するプリコーディング行列であり、PMI報告なしで構成されているUEについては、W(i)はx(i)に適用可能な報告されたCQIに対応する選択されたプリコーディング行列である。アンテナポート{15...14+P}上で送信される対応するPDSCH信号は、7.2.5項で与えられる比に等しい、EPREのCSI-RS EPREに対する比を有する。
- CSI-RS及びゼロ電力CSI-RSに割り当てられるREはないと仮定する。
- PRSに割り当てられるREはないと仮定する。
- 表7.2.3-0に示すPDSCH伝送スキームは、UEのために現在構成されている伝送モード(デフォルトモードでもよい)に依存する。
- CRSがチャネル測定に使用される場合、PDSCH EPREのセル固有のRS EPREに対する比は、5.2節に与えられる通りであるが、ρ
Aの例外が仮定されるものとする。
- 任意の変調スキームに対して、UEが4つのセル固有のアンテナポートを有し、伝送モード2で構成されるかあるいは4つのセル固有のアンテナポートを有し伝送モード3で構成され、関連するRIが1に等しい場合、ρ
A=P
A+Δ
offset+10log
10(2)[dB]である。
- それ以外、任意の変調スキーム及び任意の数のレイヤに対して、ρ
A=P
A+Δ
offset[dB]である。
シフトΔ
offsetは、上位レイヤのシグナリングによって構成されるパラメータnomPDSCH-RS-EPRE-Offsetによって与えられる。
[“CSI基準リソースに対して想定されるPDSCH伝送スキーム”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-0は、
図11として再現されている]
[“4ビットCQIテーブル”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-1は、
図12として再現されている]
[“4ビットCQIテーブル2”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-2は、
図13として再現されている]
[“4ビットCQIテーブル3”と題する、3GPP TS 36.213 v13.1.1の表7.2.3-3は、
図14として再現されている]
【0038】
上述したように、ビームフォーミングのための物理レイヤ手順は、概して、マルチビームベースのアプローチを必要とする。マルチビームベースのアプローチの一例は、ビーム掃引である。ビーム掃引が信号(又はチャネル)に適用される場合、信号(チャネル)は、有限の持続時間内に複数の時間インスタンスにある複数のビームで送信/受信される。例えば、
図15に示すように、eNBは必要なセルエリアに対して8本のビームを必要とする。ビーム発見/ビーム追跡を助けるために、eNBは、8つのBRSのうちの4つで一度に信号を送信し、次いで別の時間に8つのビームのうちの他の4つで信号を送信することができる。eNBビームを検出/区別するために、eNBはビーム追跡/ビーム発見のためにビームごとの基準信号を送信することができる。
図15に示すように、eNBは、1つのビーム上に1つのビーム基準信号(BRS:Beam reference signal)を送信する。ここで、異なるビームは異なる個別のBRSに関連付けられる。
【0039】
チャネル測定及びデータ/制御伝送に関して、eNBは、UEに対して1つ以上のビームを利用することができる。これは、eNBが、UE復調のために復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)を用いてデータ伝送を送信することができることを意味する。データ及びDMRSは伝送でビーム1及び2で送信され、別の伝送でビーム2及び4で送信される。ビームが別個のDMRSを有さない場合、UEは、どのビームが利用されるかについて、透過的(transparent)又は不可知論的(agnostic)であることがある。制御伝送のためのDMRS及びチャネル測定のためのチャネル状態情報基準信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)についてと同様に、UEは、制御のためのDMRS及びCSI-RSがビームごとの基準信号でない場合、どのビームが利用されるかについて、透過的又は不可知論的であることがある。
【0040】
背景技術に示すように、LTEシステムでは、UEは、CRSを測定することを介してパスロス値を導出する。パスロス値PLは、UE伝送電力導出に利用される。eNBは、LTEの各サブフレームにおいてCRSを送信する。しかし、マルチビームベースのアプローチの場合、BRSは、例えば、10msごとで送信されるインスタンスに対して、各サブフレーム/送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)で送信されないことがある。UEのためのCSI-RS及びDMRSは、同様に各サブフレーム/TTIにおいて利用可能ではないことがある。また、BRS/DMRS/CSI-RSは異なるeNBビームから送信されることがあるため、ダウンリンク(DL:Downlink)基準信号(RS:Reference Signal)ごとにパスロス導出結果が異なることがあり、UE電力の無駄がなくeNB側での受信SINRを満たすために、UEがUL伝送電力決定のための適切なパスロス値を導出/選択する方法を考慮することが必要である。
【0041】
アプローチ1 - このアプローチでは、UEは、異なるDL RSから導出される複数のパスロス値を維持する。各タイプのUL伝送は、パスロス決定のために少なくとも1つのDL RSに関連する。異なるタイプのUL伝送が、パスロス決定のために異なるDL RSに関連してもよい。関連は、指定又は構成されるあるいは動的に変更され得る。DL RSは、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号、制御復調のための基準信号、データ復調のための基準信号、チャネル測定のための基準信号及び/又はパスロスのための基準信号を含み得る。パスロス値は、持続時間に対して有効とすることができる。
【0042】
より詳細には、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号はビーム基準信号(BRS)である。有効な持続時間は、BRS伝送の1つ以上の周期であり得る。代替的には、BRSから導出されたパスロス値が、次回のビーム追跡が実行されるまで有効である。BRSを用いると、UEは、少なくとも適格なチャネル品質を有するeNBビームについて、eNBビームごとのパスロスを推定することができる。適格なチャネル品質を有するeNBビームとは、ある閾値よりも大きい基準信号受信電力(RSRP:Referenced Signal Received Power)若しくは信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Noise and Interference Ratio)を有するビーム又はある閾値よりも小さいPLを有するビームを意味し得る。代替的には、適格なチャネル品質を有するeNBビームとは、最良のチャネル品質を有するeNBビームと比較して、ある閾値よりも小さい、RSRP若しくはSINR又はPL(絶対)の差を有するビームを意味し得る。BRSから導出されたパスロス値は、ULデータ、サウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)、UL制御、HARQ-ACKフィードバック、CSI報告、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)のいずれか等、複数のタイプのUL(アップリンク)伝送に利用され得る。
【0043】
UL伝送電力決定の場合、UEは、例えば、どのeNBビームがUL受信に利用されるかに応じて、適切な合成パスロス値を選択/導出することができる。1つの方法は、特定のeNBビームのパスロス値を利用することである。UL制御チャネル及び/又はチャネル測定のためのSRSの場合、eNBは、受信成功を保証するために少なくとも最良の適格なeNBビームを使用すると仮定することができる。従って、最良のチャネル品質を有するeNBビームのパスロス値は、特定のeNBビームとすることができ、特定のeNBビームのパスロス値は、UL制御チャネル及び/又はチャネル測定のためのSRSに関連付けられることができる。これは、特定のeNBビームのパスロス値が、UL制御チャネル及び/又はチャネル測定のためのSRSのUE伝送電力決定に利用されることを意味する。UL制御チャネルは、SR、周期的CSI、HARQ-ACK、非周期的CSI、及びもしあればビーム報告のためのチャネルを含み得る。
【0044】
プリアンブルの場合、最良のチャネル品質でeNBビームのパスロス値を選択することにより、他のeNBビームに対する潜在的な干渉を低減することができる。従って、最良のチャネル品質を有するeNBビームのパスロス値は、特定のeNBビームとすることができ、特定のeNBビームのパスロス値は、プリアンブルに関連付けられることができる。これは、特定のeNBビームのパスロス値がプリアンブルのUE伝送電力決定に利用されることを意味する。
【0045】
別の方法は、選択/合成されたパスロス値を利用することである。ULデータチャネルの場合、eNBは、スケジューリングの柔軟性のために異なるeNBビームを選択することができる。UEは、伝送電力決定のためにeNB受信ビームの情報を必要とする。さらに、eNB受信ビームの数は、合成パスロス導出のためのパラメータであってもよい。情報は、対応する制御シグナリングに示され得る。その情報に基づいて、UEは、指示されたeNB受信ビームのうち、平均パスロス値、ビームごとに異なる重み付けを有する平均パスロス値、最大のパスロス値又は最小のパスロス値のうちの1つの値を選択することができる。ULデータチャネルは、ULデータ伝送、非周期的CSI、HARQ-ACKを含み得る。ビーム掃引のためのSRSの場合、eNBが有限の持続時間内にすべてのeNBビームからSRSを受信すると仮定し、UEは、的確なチャネル品質を有するeNBビームのうち、平均パスロス値、ビームごとに異なる重み付けを有する平均パスロス値、最大のパスロス値又は最小のパスロス値のうちの1つの値を選択することができる。簡略化のために、チャネル測定のためのSRSは、ビーム掃引のためのSRSと同じパスロスを利用することができる。
【0046】
より詳細には、制御復調のための基準信号は、制御のためのDMRSである。有効な持続時間は、1つのTTI又は1つのサブフレームとすることができる。代替的には、制御のためのDMRSから導出されるパスロス値は、受信した制御シグナリングに関連するUL伝送に対して有効である。関連するDL制御シグナリングを伴うUL送信の場合、eNBがDL制御シグナリング及び関連するスケジューリングされたUL伝送に対して同じeNBビームを利用すると仮定すれば、UL伝送のUL伝送電力決定のためのパスロス値は、関連するDL制御シグナリングのためにDMRSによって測定され得る。
【0047】
しかし、UL伝送のためのeNB受信ビームがDL制御シグナリングのためのeNB送信ビームと同じでない場合、UL伝送のUL伝送電力決定のためのパスロス値は、同じeNBビームを指示する/示唆する指示がない限り、DL制御シグナリングのためにDMRSから導出されないことがある。DL制御シグナリングに関連するUL伝送は、ULデータ伝送、非周期的CSI、非周期的SRS、DL制御シグナリングのためのHARQ-ACK及び/又はDLデータ伝送のためのHARQ-ACKを含み得る。
【0048】
より詳細には、DLデータ復調のための基準信号は、データのためのDMRSである。有効な持続時間は、1つのTTI又は1つのサブフレームとすることができる。代替的には、データのためのDMRSから導出されるパスロス値は、受信したDLデータ伝送に関連するUL伝送に対して有効である。関連するDLデータ伝送伴うUL伝送の場合、eNBがDLデータ伝送及び関連するUL伝送に対して同じeNBビームを利用すると仮定すれば、UL伝送のUL伝送電力決定のためのパスロス値は、関連するDLデータ伝送のためにDMRSによって測定され得る。
【0049】
しかし、UL伝送のためのeNB受信ビームがDLデータ伝送のためのeNB送信ビームと同じでない場合、UL伝送のUL伝送電力決定のためのパスロス値は、同じeNBビームを指示する/示唆する指示がない限り、DLデータ伝送のためにDMRSから導出されないことがある。DLデータ伝送に関連するUL伝送は、DLデータ伝送のためのHARQ-ACKを含み得る。
【0050】
より詳細には、チャネル測定のための基準信号はCSI-RSである。有効な持続時間は、1つのTTI又は1つのサブフレームとすることができる。代替的には、CSI-RSから導出されるパスロス値は、対応する受信したCSI-RSから測定されたCSI報告を含むUL伝送に対して有効である。UEは、CSI-RSリソース/プロセスに応じてCSI-RSを測定する。各CSI-RS伝送に対してどのeNBビームが利用されるかは、UEに透過的であり得る。eNBがCSI報告に基づいてデータ伝送をスケジューリングし得ることを考慮すると、データ伝送のためのeNBビームがCSI-RSリソース/プロセスの1つに関連し得ると示唆することができる。1つの可能な方法は、データ伝送のUL伝送電力が、1つの関連するCSI-RSリソース/プロセスのパスロス値から導出されることである。ここで、関連するCSI-RSリソース/プロセスは制御シグナリングで指示され得る。さらに、CSI-RS上のeNB送信ビームの数が、CSI-RSからのパスロス値導出のためのパラメータとすることができる。
【0051】
より詳細には、パスロスのための基準信号はパスロスRSである。eNBは、後に関連するUL TTI又はULサブフレームにおける期待されるeNB受信ビームに応じて、1つ以上のパスロスRSを事前に提供する。UE側から、UEがUL送信を送信する前に、UEは、関連するパスロスRS測定値に応じてパスロス値を事前に決定することができる。パスロスRSと関連するUL TTI又はULサブフレームとの間のタイミング間隔は、
図16に示すように、シグナリングによって指定若しくは構成又は指示される。
【0052】
図16に示すように、eNBは、UL3のビームパターンを介してUEからUL伝送を受信することを期待する。eNBは、UL3と同じ(/類似する/重複した)ビームパターンでPL RS3を送信し、UEは、PL RS3から導出されるパスロス値に基づいてUL伝送電力を決定する。パスロスRSから導出されたパスロス値は、ULデータ、SRS、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告、非競合ベースのプリアンブル及びSRのいずれか等、複数のタイプのUL伝送に利用され得る。パスロスRSがUE固有である場合、UL伝送電力決定のためのパスロスRSは、上位レイヤにより構成されるあるいは制御シグナリングにおいて指示され得る。
【0053】
eNBは、どのUE及びどのビームから競合ベースのプリアンブルがやってくるかを予測することができないため、(競合ベースの)プリアンブルにUE固有のパスロスRSから導出されたパスロス値を利用できないことがある。パスロスRSがセル固有又はTRP固有の場合、導出されたパスロス値は、一部のUEの実際のパスロスよりも低いことがある。いくつかの補償方法が必要なことがある。UEは、いくつかのDLタイミングにおいてパスロスRSを測定することができる。ここで、DLタイミングは、すべてのTTI/すべてのサブフレーム又はいくつかの構成されたTTI/サブフレームとすることができる。パスロスRSとUL伝送との間の関連を指定又は構成することができる。さらに、パスロスRSと関連するUL伝送との間のタイミング差を指定又は構成することができる。例えば、UEは、SR構成のようなUL伝送構成を含むメッセージを受信し、UL伝送構成に関連するDL RS(パスロス)を測定するタイミング/リソース情報をメッセージ内に含めることができる。
【0054】
DL RSとUL伝送のタイプとの間の関連を
図17に要約する。UL伝送が異なるDL RSに関連付けられている場合、優先ルールが要求されることがある。1つの優先ルールでは、最新の関連するDL RSから導出されたパスロス値がUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用される。別の優先ルールの規則では、DMRS/CSI-RSから導出された有効なパスロス値が、BRSから導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用される。いくつかのタイプのUL伝送は、ULデータ伝送、非周期的CSI報告、非周期的SRS、チャネル測定のためのSRS、HARQ-ACKを含み得る。
【0055】
代替的には、BRSから導出された有効なパスロス値が、DMRS/CSI-RSから導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用される。いくつかのタイプのUL伝送は、SR、周期的CSI報告、周期的SRS、ビーム掃引のためのSRSを含み得る。さらに、DMRS/CSI-RSから導出された有効なパスロス値が、パスロスRSから導出された有効なパスロス値の代わりに、UL伝送電力を決定するために利用される。パスロスRSから導かれた有効なパスロス値が、BRSから導出された有効なパスロス値の代わりに、UL伝送電力を決定するために利用される。代替的には、パスロスRSから導出された有効なパスロス値が、DMRS/CSI-RSから導出された有効なパスロス値の代わりに、UL伝送電力を決定するために利用される。
【0056】
アプローチ2 - このアプローチでは、UEは1つのパスロス値を維持する。パスロス値は、パスロスのための基準信号から測定/導出されることができる。代替的には、パスロス値は、最良の適格なチャネル品質を有する1つの特定のeNBビームのビーム基準信号から測定/導出され得る。eNBは、各タイプのUL伝送に対して電力オフセットを提供して、異なる複数のeNBビーム受信による電力差を補償する。さらに、TPCコマンドによって調整された1つの電力状態は、複数のタイプのUL伝送に適用され得る。
【0057】
eNBは、UE又はSRS掃引測定からのビームごとのチャネル品質報告に基づいて、各eNBビームのパスロス値を推定することができる。推定は、eNBが各タイプのUL伝送に対して適切な電力オフセットを選択するのを助ける。電力オフセットを、異なるタイプのUL伝送に対して構成又は指示することができる。より詳細には、電力オフセットが上位レイヤによる構成又はMAC CEから提供される場合、そのタイプのUL伝送は、(競合ベースの)プリアンブル、SR、周期的CSI(すべてのCSI-RSリソース/プロセスに対する1つの電力オフセット又は各CSI-RSリソース/プロセスのための1つの電力オフセット)及び/又は周期的SRSを含む。DL制御シグナリングから電力オフセットが指示される場合、そのタイプのUL送信は、制御シグナリングなしのULデータ、制御シグナリングを伴うULデータ、非周期的CSI、非周期的SRS、DL制御シグナリングのためのHARQ-ACK、DLデータ伝送のためのHARQ-ACK及び/又は非競合ベースのプリアンブルを含み得る。さらに、DL制御シグナリングは、いくつかの構成された電力オフセット値の1つを指示することができる。
【0058】
パスロスのための基準信号に関して、eNBは、例えば、
図16に示すように、期待されるeNB受信ビームに応じて、後に関連するUL TTI又はULサブフレームにおける1つ以上のパスロスRSを事前に提供する。eNBは、UL2のビームパターンを介してUEからUL伝送を受信することを期待する。eNBは、UL2と同じ(/類似/重複した)ビームパターンでPL RS2を送信し、UEは、PL RS2から導出されるパスロス値に基づいてUL伝送電力を決定し得る。eNBが、UL1~4を含まないビームパターンを介して別のUEからUL伝送を受信した場合、電力オフセットがUEからのUL伝送の電力差を補償することができる。
【0059】
UE側から、UEがUL伝送を送信する前に、UEは、関連するパスロスRS測定値及び関連する電力オフセットに応じて、パスロス値を事前に決定することができる。パスロスRSから導出されたパスロス値は、ULデータ、SRS、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告、非競合ベースのプリアンブル及びSRのいずれか等、複数のタイプのUL伝送に利用され得る。
【0060】
パスロスRSがUE固有である場合、UL伝送電力決定のためのパスロスRSは、上位レイヤにより構成されるあるいは制御シグナリングで指示され得る。eNBは、どのUE及びどのビームから競合ベースのプリアンブルが到来するかを予測することができないので、UE固有のパスロスRSから導出されたパスロス値は、(競合ベースの)プリアンブルに利用することができない。
【0061】
パスロスRSがセル固有又はTRP固有である場合、導出されたパスロス値は、いくつかのUEに対する実パスロスとは異なることがある。電力オフセット方法はその差を補償ことができる。UEは、いくつかのDLタイミングにおいてパスロスRSを測定することができ、DLタイミングは、すべてのTTI/すべてのサブフレーム又はいくつかの構成されたTTI/サブフレームとすることができる。パスロスRSとUL伝送との間の関連を指定又は構成することができる。さらに、パスロスRSと関連するUL伝送との間のタイミング差を指定又は構成することができる。例えば、UEは、SR構成のようなUL伝送構成を含むメッセージを受信することができ、UL伝送構成に関連する測定(パスロス)DL RSのタイミング/リソース情報をメッセージ内に含むことができる。
【0062】
図18は、1つの例示的な実施形態による、UEの観点からのフローチャート1800である。ステップ1805において、UEは、第1の基準信号から測定された第1のパスロス値を導出する。ステップ1810において、UEは、第2の基準信号から測定された第2のパスロス値を導出する。ステップ1815において、UEは、第1のUL伝送を送信する。ここで、第1のUL伝送のUL伝送電力は、第1のパスロス値から導出される。ステップ1820において、UEは、第2のUL伝送を送信し、第2のUL伝送のUL伝送電力は、第2のパスロス値から導出される。
【0063】
一実施形態では、第1の基準信号及び第2の基準信号を異なるビームで送信することができ、eNBによって異なるビームで受信することができる。さらに、第1のUL伝送及び第2のUL伝送は、異なるタイプのUL伝送とすることができる。
【0064】
一実施形態では、第1のUL伝送のタイプは、パスロス導出のための第1の基準信号に少なくとも関連し、第2のUL伝送のタイプは、パスロス導出のための第2の基準信号に少なくとも関連する。さらに、UL伝送のタイプと基準信号との間の関連を指定又は構成するあるいはシグナリングを介して指示することができる。
【0065】
一実施形態では、第1の基準信号は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号、制御復調のための基準信号、データ復調のための基準信号、チャネル測定のための基準信号又はパスロスのための基準信号のうちの少なくとも1つとすることができる。一実施形態では、第2の基準信号は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号、制御復調のための基準信号、データ復調のための基準信号、チャネル測定のための基準信号又はパスロスのための基準信号のうちの少なくとも1つとすることができる。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号はビーム基準信号である。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号は、ビーム固有であり、異なるビームは、ビーム追跡/ビーム発見のための異なる別個の基準信号に対応する。
【0066】
一実施形態では、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出されたパスロス値は、次回のビーム追跡が実行されるまで有効である。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出されたパスロス値の有効期間は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号の1つ以上の周期とすることができる。
【0067】
一実施形態では、UEは、少なくとも適格なチャネル品質を有するビームについて、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から測定されたビームごとのパスロスを導出する。さらに、パスロス導出のために、ビーム追跡/ビーム発見のための少なくとも基準信号に関連するUL伝送のタイプは、ULデータ伝送、SRS、UL制御チャネル、HARQ-ACKフィードバック、CSI報告及びSRを含む。
【0068】
一実施形態では、最良のチャネル品質を有するビームのパスロス値が、関連するタイプのUL伝送のUL伝送電力を導出するために利用され得る。さらに、最良のチャネル品質を有するビームのパスロス値に関連するUL伝送のタイプは、プリアンブル、SR、周期的CSI、チャネル測定のためのSRS、HARQ-ACK、非周期的CSI及び/又はビーム報告のための新しいチャネルを含み得る。さらに、関連するタイプのUL伝送のUL伝送電力を導出するためのパスロス値は、複数のビームのうちの選択された値又は合成されたパスロス値とすることができる。ここで、複数のビームは、シグナリングを介して指示されるあるいは構成され得る。さらに、選択されたパスロス値は、複数のビームのうちの最大のパスロス値とすることができる。代替的には、選択されたパスロス値は、複数のビームのうちの最小のパスロス値である。
【0069】
一実施形態では、合成されたパスロス値は、複数のビームのうちの平均パスロス値、又は複数のビームのうちのビームごとの重み付けが異なる平均パスロス値とすることができる。さらに、eNB受信ビームの数は、合成されたパスロス値を導出するためのパラメータとすることができる。さらに、複数のビームうちの選択又は合成されたパスロス値に関連するタイプのUL伝送は、ULデータ送信、ビーム掃引のためのSRS、非周期的CSI、HARQ-ACK及び/又はチャネル測定のためのSRSを含み得る。
【0070】
一実施形態では、制御復調のための基準信号は、制御のためのDMRS(DeModulation Reference Signal)とすることができる。さらに、制御復調のための基準信号から導出されたパスロス値の有効期間は、1つのTTI又は1つのサブフレームである。さらに、制御復調のための基準信号から導出されたパスロス値は、受信された制御シグナリングに関連するUL伝送に対して有効である。さらに、制御復調のための基準信号に関連するタイプのUL伝送は、ULデータ伝送、非周期的CSI、非周期的SRS、DL制御シグナリングのためのHARQ-ACK及び/又はDLデータ伝送のためのHARQ-ACKを含み得る。
【0071】
一実施形態では、データ復調のための基準信号は、データのためのDMRSとすることができる。さらに、データ復調のための基準信号から導出されたパスロス値の有効期間は、1つのTTI又は1つのサブフレームとすることができる。さらに、データ復調のための基準信号から導出されたパスロス値は、受信したDLデータ伝送に関連するUL伝送に対して有効である。また、データ復調のための基準信号に関連するタイプのUL伝送は、DLデータ伝送のためのHARQ-ACKを含み得る。
【0072】
一実施形態では、チャネル測定のための基準信号は、CSI-RSとすることができる。さらに、チャネル測定のための基準信号から導出されたパスロス値の有効期間は、1つのTTI又は1つのサブフレームであり得る。さらに、チャネル測定のための基準信号から導出されたパスロス値は、チャネル測定のための対応する受信した基準信号から測定されたCSI報告を含むUL伝送に対して有効である。また、データ復調のための基準信号に関連するタイプのUL伝送は、非周期的CSI、周期的CSI及び/又はUL(アップリンク)データ伝送を含むことができる。さらに、ULデータ伝送のUL伝送電力が、関連する1つのCSI-RSリソース/プロセスから導出されたパスロス値から導出される場合、関連するCSI-RSリソース/プロセスは、ULデータ伝送をスケジューリングする制御シグナリングに示され得る。
【0073】
一実施形態では、パスロスのための基準信号はパスロスRSである。UL伝送の場合、UEは、関連するパスロスのための基準信号から測定されたパスロス値を事前に決定する。さらに、パスロスのための基準信号と関連するUL TTI又はULサブフレームとの間のタイミング間隔を指定又は構成するあるいはシグナリングを介して指示することができる。さらに、パスロスのための基準信号に関連するタイプのUL伝送は、ULデータ、SRS、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告、非競合ベースのプリアンブル及び/又はSRを含み得る。
【0074】
一実施形態では、パスロスのための基準信号は、UE固有であり、UL伝送電力決定のためのパスロスのための基準信号は、上位レイヤで構成されるあるいは制御シグナリングで指示され得る。代替的には、パスロスのための基準信号は、セル固有又はTRP固有とすることができる。
【0075】
一実施形態では、UEは、いくつかのDLタイミングにおいてパスロスのための基準信号を測定する。ここで、DLタイミングは、すべてTTI/すべてのサブフレーム又はいくつかの構成されたTTI/サブフレームである。さらに、パスロスのための基準信号と関連するタイプのUL伝送との間の関連を指定又は構成することができる。さらに、パスロスのための基準信号と関連するタイプのUL伝送との間のタイミング差を指定又は構成することができる。
【0076】
一実施形態では、あるタイプのUL伝送が異なる基準信号に関連する場合、異なる基準信号のうちの1つの基準信号が、UL伝送のUL伝送電力を決定するために利用されるパスロス値について決定され得る。さらに、最新の関連する基準信号のパスロス値が、UL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。さらに、データ若しくは制御復調のための基準信号又はチャネル測定のための基準信号から導出された有効なパスロス値は、ビーム追跡/ビーム発見のための信号のための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかの第1のタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。
【0077】
一実施形態では、いくつかのタイプのUL伝送は、ULデータ伝送、非周期的CSI報告、非周期的SRS、チャネル測定のためのSRS及び/又はHARQ-ACKを含み得る。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出された有効なパスロス値が、データ若しくは制御復調のための基準信号又はチャネル測定のための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかの第2のタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。
【0078】
一実施形態では、いくつかのタイプのUL伝送は、SR、周期的CSI報告、周期的SRS及び/又はビーム掃引のためのSRSを含み得る。さらに、データ若しくは制御復調のための基準信号又はチャネル測定のための基準信号から導出された有効なパスロス値が、パスロスのための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。パスロスのための基準信号から導出された有効なパスロス値も、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出された有効なパスロス値が、パスロスのための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。さらに、パスロスのための基準信号から導出された有効なパスロス値が、データ若しくは制御復調のための基準信号又はチャネル測定のための基準信号から導出された有効なパスロス値の代わりに、いくつかのタイプのUL伝送のUL伝送電力を決定するために利用され得る。
【0079】
再度
図3及び
図4を参照すると、UEの例示的な一実施形態において、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)第1の基準信号から測定された第1のパスロス値を導出し、(ii)第2の基準信号から測定された第2のパスロス値を導出し、(iii)第1のUL伝送を送信し(ここで、第1のUL伝送のUL伝送電力が第1のパスロス値から導出される)(iv)第2のUL伝送を送信する(ここで、第2のUL伝送のUL伝送電力が第2のパスロス値から導出される)、ことを可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述のアクション及びステップのすべて、その他の本明細書で説明した事項を実施することができる。
【0080】
図19は、例示的な一実施形態による、UEの観点からのフローチャート1900である。ステップ1905において、UEは、基準信号から測定されたパスロス値を導出する。ステップ1910において、UEは、第1のUL(Uplink)伝送を送信する。ここで、第1のUL伝送のUL伝送電力は、パスロス値及び第1の電力オフセットから導出される。ステップ1915において、UEは、第2のUL伝送を送信する。第2のUL伝送のUL伝送電力は、パスロス値及び第2の電力オフセットから導出される。
【0081】
一実施形態では、第1のUL伝送と第2のUL伝送は、同じインタフェース上とすることができる。さらに、第1のUL伝送及び第2のUL伝送は、異なるビームでeNBによって受信され得る。さらに、第1のUL伝送及び第2のUL伝送は、異なるタイプのUL伝送とすることができる。
【0082】
一実施形態では、あるタイプのUL伝送の場合、基準信号の送信ビームとそのタイプのUL伝送の受信ビームとの間の差による電力差を補償するために電力オフセットが提供され得る。さらに、異なるタイプのUL伝送に対して、異なる電力オフセットが構成又は指示される。
【0083】
一実施形態では、基準信号は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号又はパスロスのための基準信号とすることができる。さらに、TPC(伝送電力制御)コマンドによって調整される1つの電力状態が、複数のタイプのUL伝送に適用される。
【0084】
一実施形態では、いくつかのタイプのUL伝送の場合、関連する電力オフセットを上位レイヤによる構成又はMAC CEから提供することができる。さらに、これらのタイプのUL伝送は、(競合ベースの)プリアンブル、SR、周期的CSI及び/又は周期的SRSを含み得る。周期的CSIの場合、すべてのCSI-RSリソース/プロセスに対して1つの電力オフセット又は各CSI-RSリソース/プロセスに対して1つの電力オフセットとすることができる。
【0085】
一実施形態では、いくつかのタイプのUL伝送の場合、関連する電力オフセットは、DL制御シグナリングから指示され得る。さらに、これらのタイプのUL伝送は、制御シグナリングなしのULデータ、制御シグナリングを伴うULデータ、非周期的CSI、非周期的SRS、DL制御シグナリングのためのHARQ-ACK、DLデータ伝送のためのHARQ-ACK及び/又は非競合ベースのプリアンブルを含み得る。
【0086】
一実施形態では、パスロス値は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出され得る。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号は、BRSとすることができる。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号は、ビーム固有であり、異なるビームは、ビーム追跡/ビーム発見のための異なる個別の基準信号に対応し得る。
【0087】
一実施形態では、パスロス値は、最良の適格なチャネル品質を有する1つの特定のビームのビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出され得る。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導かれるパスロス値は、次回のビーム追跡を行うまで有効である。さらに、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号から導出されたパスロス値の有効期間は、ビーム追跡/ビーム発見のための基準信号の1つ以上の周期とすることができる。
【0088】
一実施形態では、パスロス値は、パスロスのための基準信号から導出され得る。さらに、パスロスのための基準信号はパスロスRSである。さらに、UL伝送のために、UEは、パスロスのための関連する基準信号から測定されたパスロス値を事前に導出することができる。また、パスロスのための基準信号と関連するUL TTI又はULサブフレームとの間のタイミング間隔を指定又は構成するあるいはシグナリングによって指示することができる。パスロスのための基準信号に関連するタイプのUL伝送は、ULデータ、SRS、UL制御、HARQ-ACK、CSI報告、非競合ベースのプリアンブル及び/又はSRを含み得る。
【0089】
一実施形態では、パスロスのための基準信号は、UE固有であり、UL伝送電力決定のためのパスロスのための基準信号は、上位レイヤによる構成又は制御シグナリングで指示され得る。代替的には、パスロスのための基準信号は、セル固有又はTRP固有とすることができる。
【0090】
一実施形態では、UEは、いくつかのDLタイミングにおいてパスロスのための基準信号を測定する。ここで、DLタイミングは、すべてTTI/すべてのサブフレーム又はいくつかの構成されたTTI/サブフレームである。さらに、パスロスのための基準信号と関連するタイプのUL伝送との間の関連を指定又は構成することができる。さらに、パスロスのための基準信号とUL伝送との間のタイミング差を指定又は構成することができる。
【0091】
一実施形態では、インタフェースは、UEと無線アクセスネットワークとの間の無線インタフェース、UEとeNBとの間の無線インタフェース又はUuインタフェースとすることができる。
【0092】
再度
図3及び
図4を参照すると、UEの例示的な一実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)基準信号から測定されたパスロス値を導出し、(ii)第1のUL伝送を送信し(ここで、第1のUL伝送のUL伝送電力はパスロス値及び第1の電力オフセットから導出される)、(iii)第2のUL伝送を送信する(ここで、第2のUL伝送のUL伝送電力はパスロス値及び第2の電力オフセットから導出される)、ことを可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述のアクション及びステップのすべて、その他の本明細書で説明した事項を実施することができる。
【0093】
本開示の様々な態様を上記に説明した。本明細書における教示は、広範な様々な形式で具体化することができ、本明細書に開示されている特定の構造、機能、又はその両方が、単に代表的なものであることは明らかなはずである。本明細書における教示に基づいて、当業者であれば、本明細書に開示された態様は任意の他の態様とは独立して実施することができ、これらの態様の2つ以上を様々な方法で組み合わせることができると認識するはずである。例えば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、デバイスを実装するあるいは方法を実施することができる。さらに、本明細書に記載の態様の1つ以上のものに加えて、あるいはそれらとは異なる他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して、そのようなデバイスを実装するあるいはそのような方法を実施することができる。上記概念のいくつかの例として、いくつかの態様では、パルス繰り返し周波数に基づいて同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様では、パルス位置又はオフセットに基づいて同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様では、時間ホッピングシーケンス(time hopping sequences)に基づいて同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様では、パルス繰り返し周波数、パルス位置又はオフセット、及び時間ホッピングシーケンスに基づいて同時チャネルを確立することができる。
【0094】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技巧のいずれかを使用して表わすことができることを理解するものである。例えば、上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光学フィールド若しくは粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表わすことができる。
【0095】
当業者であれば、本明細書で開示される態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア(例えば、ソースコーディング若しくは何らかの他の技巧を使用して設計され得る、デジタル実装、アナログ実装又は、それら2つの組み合わせ)、命令を組み込む様々な形式のプログラム若しくは設計コード(本明細書では、便宜上、「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)又はそれら両方の組み合わせとして実装し得ると認識するものである。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップは、それらの機能性の点から一般的に上記に説明している。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーション及びシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で、説明した機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲から逸脱させるものと解釈されるべきではない。
【0096】
さらに、本明細書で開示された態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末又はアクセスポイント内で実施される、あるいはそれらによって実行され得る。ICは、本明細書で説明した機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品又はそれらの任意の組み合わせを含むことができ、ICの内部、ICの外部又はその両方に存在するコード又は命令を実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又はステートマシンとすることができる。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそのような構成として実現することができる。
【0097】
任意の開示されたプロセスにおけるステップのあらゆる特定の順序又は階層は、サンプルのアプローチの例であると理解する。設計嗜好に基づいて、本開示の範囲内にとどまりながら、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は再構成することができると理解する。添付の方法の請求項は、サンプルの順序における様々なステップの要素を提示し、提示した特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0098】
本明細書に開示された態様に関連して説明した方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はそれら2つの組み合わせで直接的に具体化することができる。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能な命令及び関連データを含む)及び他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は本技術分野で知られている任意の他の形式のコンピュータ読み取り可能記憶媒体等のデータメモリに存在することができる。サンプルの記憶媒体は、例えば、コンピュータ/プロセッサ(本明細書では、便宜上「プロセッサ」と称されることがある)などの機械に結合されることができ、そのようなプロセッサは、情報(例えばコード)を記憶媒体から読み出し、情報を記憶媒体に書き込むことができる。サンプルの記憶媒体は、プロセッサに一体化することができる。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ機器内に存在することができる。代替的に、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ機器内のディスクリートコンポーネントとして存在することができる。さらに、いくつかの態様においては、任意の適切なコンピュータプログラム製品は、本開示の1つ以上の態様に関するコードを含むコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。いくつかの態様では、コンピュータプログラム製品は、包装材料を含むことができる。
【0099】
本発明を様々な態様に関連して説明したが、本発明はさらなる修正が可能であると理解するものである。この出願は、一般に、本発明の原理に従う本発明のあらゆる変形、使用又は適合をカバーするものであり、本発明が関係する技術分野において、既知の慣用的な実施の範囲内となるような本開示からの逸脱したものを含む。