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特許6999659遺伝子サイレンシングにおける向上または遺伝子サイレンシングに関する向上
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】遺伝子サイレンシングにおける向上または遺伝子サイレンシングに関する向上
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20220111BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20220111BHJP
   C12N 15/87 20060101ALI20220111BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20220111BHJP
   A01N 63/60 20200101ALI20220111BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12N15/113 Z
C12N15/87 Z
A01P7/04
A01N63/60
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019517881
(86)(22)【出願日】2017-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017073601
(87)【国際公開番号】W WO2018065206
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/404,245
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー ジェフリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャリー ネマ デヴィ
【審査官】宮岡 真衣
(56)【参考文献】
【文献】RAGELLE, H. et al.,Journal of Controlled Release,2014年,176,p.54-63
【文献】EWE A. et al.,Drug Deliv. and Transl. Res.,2016年06月22日,7,p.206-216, Suppl. Fig. 1, Suppl. Table 1
【文献】ZINTCHENKO A. et al.,Bioconjugate Chem.,2008年,19,p.1448-1455
【文献】SAFARI F. et al.,Artificial Cells, Nanomedicine, and Biotechnology,2015年,44:6,p.1561-1568
【文献】DUBELMAN S. et al.,PLoS ONE,2014年,Volume 9 Issue 3,e93155
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/09-15/90
A01P 1/00-7/04
A01N 63/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン性ポリマーとポリヌクレオチドとの間で形成された錯体を含む組成物の土壌中に存在する負電荷分子に対する結合を阻害または実質的に低減する方法であって、前記錯体における表面に露出した正電荷を実質的に中和することが可能であるクエンチング剤を前記組成物に含ませる工程を含む、方法。
【請求項2】
前記ポリヌクレオチドが、dsRNAであり、前記ポリマーが、ポリアミンであり、前記クエンチング剤が、モノアルデヒドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマーが、直鎖もしくは分岐鎖ポリエチレンイミン、ポリペプチドまたはカチオン性多糖類である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記負電荷分子が、フミン酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
地下植物有害生物の外寄生を防除する方法であって;
a)カチオン性ポリマーとdsRNAとの間で形成された錯体を含む組成物を提供する工程、
b)クエンチング剤でa)の前記錯体の表面に露出した正電荷を実質的に中和する工程、ならびに
c)b)の前記組成物を土壌に適用する工程、
を含み、前記dsRNAが、前記地下植物有害生物における標的遺伝子の転写後サイレンシングをもたらす、方法。
【請求項6】
前記地下植物有害生物が、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ウンデキムプンクタタ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ゼアエ(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)(ウリムシ(cucurbit beetle))、線虫、ハリガネムシおよびウジ、ならびに細菌および真菌などの適切な土壌病原体からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記地下植物有害生物が、ディアブロティカ(Diabrotica)種の昆虫である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポリヌクレオチドおよびカチオン性ポリマーを含む錯体における残存正電荷基を実質的に中和するための、クエンチング剤の使用であって、前記クエンチング剤及び前記錯体が土壌中で使用される、クエンチング剤の使用
【請求項9】
カチオン性ポリマーとポリヌクレオチドとの間で形成された錯体と、前記錯体において残存する表面に露出した正電荷基を実質的に中和することが可能であるクエンチング剤とを含む、土壌への適用のための組成物であって、前記ポリマーが、分岐または線状ポリエチレンイミン、イミダゾール含有ポリマー、キトサン、カチオン性多糖類、ポリアミドアミン、アミン基を含むリシン、ヒスチジンおよびアルギニンなどのアミノ酸のポリマーおよびコポリマー、ならびにポリアミンからなる群から選択され、表面に露出した正電荷基が、中和されなければ土壌への前記錯体の吸着をもたらす、組成物。
【請求項10】
前記ポリマーが、分岐または線状ポリエチレンイミンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドが、dsRNAである、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーが、ポリアミンである、請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリアミンが、少なくとも5つのアミン基を含む直鎖および分岐ポリアミンからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記錯体が、細胞ライセート中に含まれているか、または無傷細胞内で形成されており、前記クエンチング剤が添加されている、請求項9~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記クエンチング剤が、イソシアネート、モノアルデヒド、モノエポキシド、モノエステル、モノカルボン酸、一無水物、およびアミンと反応性である単一の基を含む他の分子からなる群から選択される、請求項9~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記モノアルデヒドが、水溶性である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記モノアルデヒドが、メタナール、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナールおよびヘキサナールからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記モノアルデヒドが、実質的に水不溶性である、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
前記モノアルデヒドが、ヘプタナール、オクタナールおよびデカナールからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
土壌中に存在するものなどの負電荷粒子に前記錯体が実質的に結合しないよう、前記錯体における十分な残存する正電荷基をクエンチするのに十分な量で前記モノアルデヒドを含有する、請求項15~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリヌクレオチドが、真核細胞における遺伝子のmRNAの配列と実質的に同一である配列を含むdsRNAである、請求項9~20のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二本鎖RNAによる遺伝子発現の制御に関する。特に、本発明は、外来に投与された二本鎖RNA(すなわち、標的生体の外部から、かつ、比較的厳しい環境条件下で)の、その生体における遺伝子発現をサイレンシングする能力を増強する方法に関する。本発明はまた、本方法において用いられる組成物、および、本方法における、特にdsRNAといったポリヌクレオチドとカチオン性ポリマーとを含む錯体における正電荷を「クエンチ」する公知の薬剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
潜在的に遺伝子発現をサイレンシングするRNA干渉の現象は周知である。
【0003】
RNAは比較的不安定であり、細胞外においても偏在的に存在する例えばリボヌクレアーゼによって急速に分解されることが可能である。標的生体に対する直接的なdsRNAの適用、または、標的生体が存在する生息地に対する外来性の投与を介したdsRNAの適用に伴う問題は、RNAの低い安定性に対する懸念である。
【0004】
外来性の適用とは、標的生体が取り込み可能であるような標的生体への適用、または、dsRNAが標的生体とは異なる第1の生体中において産生され、第1の生体もしくはdsRNAを含むその一部が標的生体によって取り込まれるような標的生体への適用であって、いずれにおいても、前記dsRNAが、dsRNAによって構成されているものに相当するヌクレオチド配列を含む遺伝子の転写後サイレンシングをもたらすことが可能であるような適用を意味する。
【0005】
外来性の適用は内在性の産生とは区別されるものであり、内在性の産生とは、標的生体中の細胞中における、標的化遺伝子の転写後サイレンシングが可能である二本鎖RNAの産生(一般に、適切な非相同配列からの発現を介する)を意味する。
【0006】
外来性に適用されたdsRNAは一般に、短期間の間(おそらくは適用後数日間以内)に関連する生物学的効果をもたらすことが可能であるが、dsRNAは、例えば土壌において、さらに、投与される環境における正確な条件に応じて、約12~24時間未満の半減期を典型的に有するために、一般的に効果は急速に低減してしまう。
【0007】
dsRNAをカプセル化するか、または、dsRNAの安定性を高めるポリマーとdsRNAとを結合させることによりdsRNAを安定化させ、これにより作用期間を延長させるものを含む種々の解決策がこの問題に対して提示されている。このような安定化されたdsRNAはそれ自体に問題が無いわけではないが、しかしながら、dsRNAとカチオン性ポリマーとにより形成された錯体が、生息地に存在する荷電粒子によって結合されるか、または、そうでなくてもこのような荷電粒子に結合し得る限りにおいては、その利用可能性が低減されるか、または、生息地中における錯体の移動であって、典型的には、標的生体が位置する場所への移動が妨げられてしまう。この問題は、dsRNAが最初に適用された場所から遠ざかる標的生体の移動によって悪化してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故、本発明は、一方では、所望される生物学的効果をもたらすことが可能であるようdsRNAを十分に安定化させるという問題、および、他方では、このようにして安定化されたdsRNAの利用可能性を維持することを可能とし、または、標的生体が位置している生息地内で移動するもしくは移動されることを可能とするという問題に対する解決策に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、カチオン性ポリマーおよびポリヌクレオチドにより形成された錯体を含む組成物の土壌中に存在する負電荷(negatively charged)分子に対する結合を阻害または実質的に低減する方法であって、組成物に、錯体上の正電荷を実質的に中和することが可能であるクエンチング剤を含ませるステップを含む方法が提供されている。
【0010】
本発明の組成物の特に好ましい実施形態において、ポリヌクレオチドはdsRNAであり、ポリマーはポリアミンであり、および、クエンチング剤はモノアルデヒドまたはモノエポキシドである。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態において、ポリマーは、直鎖もしくは分岐鎖ポリエチレンイミン、ポリペプチドまたはカチオン性多糖類である。
【0012】
本発明の特に好ましい実施形態において、ポリマーは直鎖または分岐鎖ポリエチレンイミンである。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態において、負電荷粒子はフミン酸を含む。
【0014】
本発明はまた、地下植物有害生物による外寄生の防除方法であって;
a)カチオン性ポリマーおよびdsRNAにより形成された錯体を含む組成物、
b)クエンチング剤でa)に係る錯体の表面に露出した正電荷を実質的に中和するステップ、ならびに
c)b)に係る組成物を土壌に適用するステップ、
を含み、dsRNAが、前記地下植物有害生物における標的遺伝子の転写後サイレンシングをもたらす、方法を提供する。
【0015】
地下植物有害生物としては、例えば幼生期といったライフサイクルの少なくとも一部において土壌中に生息する有害生物が挙げられる。
【0016】
地下有害生物としては、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ウンデキムプンクタタ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ゼアエ(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)(ウリムシ(cucurbit beetle))、線虫、ハリガネムシおよびウジ、ならびに、細菌および真菌などの適切な土壌病原体からなる群におけるものが挙げられる。
【0017】
好ましくは、地下有害生物は、ディアブロティカ(Diabrotica)種である。
【0018】
本発明はまた、ポリヌクレオチドおよびカチオン性ポリマーを含む錯体における残存正電荷(positively charged)基を実質的に中和するためのクエンチング剤の使用を提供する。
【0019】
本発明はまた、カチオン性ポリマーおよびポリヌクレオチドにより形成された錯体と、錯体において残存する表面に露出した正電荷基を実質的に中和可能であるクエンチング剤とを含む組成物を提供し、ここで、ポリマーは、分岐または線状ポリエチレンイミン、イミダゾール含有ポリマー、キトサン、カチオン性多糖類、ポリアミドアミン、アミン基を含むリシン、ヒスチジンおよびアルギニンなどのアミノ酸のポリマーおよびコポリマー、ならびに、ポリアミンからなる群から選択される。
【0020】
本発明の特に好ましい実施形態において、組成物中に存在するカチオン性ポリマーは分岐または線状ポリエチレンイミンである。
【0021】
錯体とは、2つ以上の構成分子化合物(イオン性または非荷電)が関与する緩い会合によって形成される分子化合物を意味する。
【0022】
カチオン性ポリマーおよびポリヌクレオチドが錯体を形成する場合、ポリヌクレオチドにおける正味負電荷は、カチオン性ポリマーの表面に露出した正電荷基のすべての相殺または「中和」には不十分であり得、結果的に、錯体は表面に露出した残存する正電荷基を含んでいる。
【0023】
本発明のポリヌクレオチドはRNAであり得る。RNAはdsRNAであり得るが、siRNA、miRNA、または、RNAi遺伝子サイレンシングが可能であるいずれかの他のRNA分子でもあり得る。好ましくは、ポリヌクレオチドはdsRNAである。
【0024】
好ましくは、dsRNAは、標的生体中の標的遺伝子と同等または補完的である、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、または、それ以上のヌクレオチドを含む。
【0025】
好適な標的遺伝子は、転写後サイレンシングが標的生体に有害な影響を有するものである。例えば、成長に関する変化、発育阻止、死亡率の増加、生殖能力の低下もしくは繁殖力の低下、摂食行動もしくは動作の低下もしくは休止、または、変態段階の発達の低下もしくは休止である。
【0026】
カチオン性ポリマーは、分岐または線状ポリエチレンイミン、イミダゾール含有ポリマー、キトサン、カチオン性多糖類、ポリアミドアミン、ならびに、第三級アミノ基を含むリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸のポリマーからなる群から選択され得る。あるいは、カチオン性ポリマーは、ポリアミン、または、少なくとも5つのアミン基を含む分岐ポリアミンであり得る。スペルミン、スペルミジン、プトレシンおよびカダベリンなどの単純なポリアミンは、ポリヌクレオチドがdsRNAである場合には特に好ましくない。これは、このような単純なポリアミンとdsRNAとによって形成された錯体に残存するいずれかの電荷を中和するためにクエンチング剤を使用すると、錯体の解離を生じさせてしまう可能性があるためである。
【0027】
組成物の好ましい実施形態において、錯体は細胞ライセート中に含まれているか、または、無傷細胞中において形成されており、および、クエンチング剤が添加されている。
【0028】
クエンチング剤に関しては、アミンと反応してその正電荷をクエンチすることが可能である単一の基を含有するいずれかのものであれば十分であるが、イソシアネート、モノエポキシド、モノエステル、モノカルボン酸、一無水物、モノアルデヒドおよびピロカーボネートを含む、いく種かのクエンチング剤が好ましい。
【0029】
しかしながら、特に好ましいクエンチング剤は、モノアルデヒドまたはモノエポキシドである。モノアルデヒドは、水溶性または水不溶性であり得る。本発明の組成物中に存在する水溶性モノアルデヒドとしては、メタナール、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナールおよびヘキサナールが挙げられる。好ましい水不溶性モノアルデヒドとしては、ヘプタナール、オクタナールおよびデカナールが挙げられる。好ましいモノエポキシドとしては、1~約10の範囲の重合度を有するポリエチレングリコールグリシジルエーテルが挙げられる。
【0030】
クエンチング剤は、土壌中に存在するものなどの負電荷粒子に錯体が実質的に結合しないよう、錯体におけるいずれかの残存する表面に露出した正電荷基を実質的にクエンチするために十分な量で組成物中に存在しているべきであり、フミン酸がその一例である。配合化学に係る当業者は、これらの量がどの程度であるかを容易に判定できる立場にあるが、典型的には、クエンチング剤は、一価クエンチング剤のモル数が錯体中に存在するアミンのモル数の約10%~約190%に等しくなるような量で組成物中に存在する(クエンチング反応に係る第一級アミンは二価であるが、第二級アミンは一価であることが認識される)。
【0031】
ポリヌクレオチドがdsRNAである場合、これは、真核細胞中の遺伝子のmRNAの配列と実質的に同等である配列を含む。特に、真核生物は、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ウンデキムプンクタタ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ゼアエ(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)(ウリムシ(cucurbit beetle))、線虫、ハリガネムシおよびウジから群から選択される昆虫、ならびに、細菌および真菌などの適切な土壌病原体であり得る。ポリヌクレオチドおよびカチオン性ポリマーを含む錯体中における残存する正電荷の中和により、錯体が適用される負電荷を含有する基剤上またはその中における錯体のさらに自由な移動が可能となる。
【0032】
ネクイムシの幼虫が存在している生息地に土壌潅注の一部として殺虫剤を含む組成物が適用される場合には、コーンルートワームの防除は全体的に効果的であることは必ずしも必須ではないことが周知である。考えられる1つの理由は、土壌中における殺虫性組成物の利用可能性または移動性が、全体としての有効成分および/または殺虫性配合物と適用先である土壌の荷電成分との間に係る静電的および/または他の結合性相互作用によって妨げられてしまう場合があるということである。利用可能性とは、有効成分が、固体成分に吸着されているのではなく、土壌の水相に残っていることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】PEG化PEIおよびDEPC-処理PEIの両方が、未修飾PEIと比して結合親和性を低下させた。
図2】PEG化PEIで形成された錯体は土壌に結合する強度が低く、従って、土壌インキュベーション後に上澄中に残る。PEG化のレベルが高いほど、土壌に対する錯体の結合親和性が低くなる。
図3】修飾PEIで形成された錯体中におけるライセートdsRNAの安定性(PEG化PEI)。dsRNAは、PEG化PEIで形成された錯体中において安定である。
図4】修飾PEIで形成された錯体中におけるライセートdsRNAの安定性(DEPC-処理PEI)。dsRNAは、DEPC-処理PEIで形成された錯体中において安定である。
図5】未修飾PEIで形成された錯体と比して、dsRNAがPEG化PEIと錯化された場合にCRWの死亡率が向上しており、これは、修飾錯体中におけるdsRNAの生体利用率が向上していることを示している。
図6】未修飾PEIで形成された錯体と比して、dsRNAがDEPC-PEIと錯化された場合にCRWの死亡率が向上しており、これは、修飾錯体中におけるdsRNAの生体利用率が向上していることを示唆している。PEIにおける修飾レベルが高いほど、向上した生体利用率がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、以下の非限定的な実施例からさらに明確になるであろう。
【0035】
以下の略語が用いられている:
-% w/w=総重量の関数としての割合
ODU=光学密度単位(600nmにおける吸光度)
PBS緩衝剤=リン酸緩衝生理食塩水緩衝剤
BPEI 25kD=分子量25kD(25000g/mol)の分岐ポリエチレンイミン
【実施例
【0036】
実施例1.
対照サンプルA.10μLのIVT dsRNA(公称1mg/mL)を、bPEI(分岐ポリエチレンイミン)60kDaのPBS緩衝剤中の10%溶液(13μL)と組み合わせた。これをPBS中に500μLの総体積に希釈し、次いで、10mgコロイダルシリカ[Aerosil 200,Evonik]と組み合わせた。サンプルを2000rpmで短時間の間遠心分離にかけ、上澄を回収した。1μLの1%ヘパリン.Na塩を添加して、bPEI-dsRNAをすべて脱錯化した。電気泳動ゲル上を泳動させたところdsRNAに相当するバンドは視認されず、すべての錯体がコロイダルシリカに結合していたことが示された。
【0037】
テストサンプルB.このサンプルは、コロイダルシリカと組み合わせる前に、PBS緩衝剤中のクエンチペンタナール10%溶液(25μL)を添加し、周囲条件下で1時間反応させたことを除き、対照サンプルAと同じく調製した。この場合、遊離dsRNAに相当するバンドが視認され、バンド強度は、合計dsRNAの約25%がbPEI-dsRNA錯体の形態でコロイダルシリカに結合していなかったことを示していた。
【0038】
実施例2.
PEI(=ポリエチレンイミン)でコーティングされた細胞は、土壌中におけるdsRNAの安定性が向上し得る。しかしながら、細胞のPEIコーティングは、土壌中の酸基に対するアミン基の相互作用に起因する、土壌に対する細胞の強固な吸着を生じさせ得る。これによって、土壌易動性およびCRWに対するdsRNAの送達が損なわれ得る。PEIコーティングをグルタルアルデヒドまたはモノアルデヒド(ペンタナール)と反応させることにより、PEI上の遊離アミン基が、土壌との相互作用が低減されるようクエンチされ得る。しかしながら、グルタルアルデヒドによるクエンチングは、ある程度の凝集をもたらし、これが土壌易動性を損なわせ得る。以下に示すとおり、モノアルデヒド処理は凝集をもたらさず、従って、遊離アミンをクエンチするための好ましい方法であり得る。
【0039】
1.無傷細胞(事前に0.002% w/w/ODUグルタルアルデヒドで処理し、次いで、洗浄した)をPBS緩衝剤中の12ODU/mLで再度懸濁させ、1mLアリコートに分割した。
【0040】
2.BPEI 25kD溶液を、2% w/w BPEI(pH約11)および1.25% w/w BPEI(pH約7)で調製した。
【0041】
3.以下のとおり各無傷細胞アリコートをBPEI溶液で処理し、所見を報告した:
アリコート1:BPEI(pH11)を0.1% w/w最終BPEI濃度に添加し、次いで、0.2%グルタルアルデヒドで処理した。直後に、激しい凝集が観察された。
【0042】
アリコート2:BPEI(pH11)を0.1% w/w最終BPEI濃度に添加し、次いで、0.2%ペンタナールで処理した。凝集は観察されなかった。
【0043】
アリコート3:BPEI(pH7)を0.1% w/w最終BPEI濃度に添加し、次いで、0.2%グルタルアルデヒドで処理した。直後に、凝集が観察されたがアリコート1ほど激しくはなく、視認による評価で凝集粒子の粒径は小さかった。
【0044】
アリコート4:BPEI(pH7)を0.1% w/w最終BPEI濃度に添加し、次いで、0.2%ペンタナールで処理した。凝集は観察されなかった。
【0045】
実施例3.
ポリエチレンイミン(PEI)の修飾
エポキシ-官能基化PEGによるPEIのPEG化
二官能基化PEG中のエポキシ基の半数がクエンチングされることを目標として、PEG-ジグリシジルエーテル(500D)を先ずトリス-HCl(pH7)によりクエンチして単官能基化PEGを得た。これは、PEGにおけるエポキシ基の半数との反応を目標とする比率でPEG-ジグリシジルエーテルの20%トリス-HCl溶液(pH7)を混合し、続いて、高温で一晩インキュベーションすることにより行った。このようにして得た単官能基化PEGを、PEIにおける第一級アミンの種々のレベルのPEG化(通常、第一級アミンの30%、60%および90%クエンチングを目標とする)を目標とした比率で、分岐PEI溶液(pH7に調節した)と混合した。PEIにおける第一級アミンの実際のクエンチングレベルは、比色TNBSA(2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸)アッセイを行うことにより判定した。実際に得られたPEG化レベルは以下のとおりであり(表1)、これらは、予測どおり、数々の考えられる理由のために公称目標からある程度異なっており、この理由には、二官能性PEGの単官能性への転換は特異反応ではなく、第一級アミンの利用可能性を阻止する立体障害によるものであるということが含まれる。公称および実際のクエンチングレベル間の差異は、実際のクエンチングレベルの範囲に及ぶよう設計されたため、実験の結果に影響しない。
【0046】
【表1】
【0047】
ジエチルピロカーボネートによるPEIの修飾
ジエチルピロカーボネート(DEPC)による第一級アミンの様々なレベルのクエンチング(とりわけ、25%、50%および75%の目標クエンチング)を目標として、pH7に調節したPEI溶液にDEPCを直接添加することにより、DEPCを伴う反応によりPEIにおける第一級アミンをクエンチした。PEIにおける第一級アミンの実際のクエンチングレベルは、比色TNBSA(2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸)アッセイを行うことにより判定した。実測されたDEPC修飾の実際のレベルは以下のとおりであり(表2)、また、上記のとおり、標的化および実際のクエンチングレベル間の矛盾は実験の結果に影響しない。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例4.
土壌に対する修飾PEI対未修飾PEIの結合親和性の評価
未修飾PEI溶液およびPEG化またはDEPCによる修飾PEIの溶液を、2:1(溶液:土壌)wt/wtの比率で1時間、土壌と共にインキュベートした。テストした溶液の濃度はPEIの0~0.08%で様々であった。土壌インキュベーションの後、土壌を遠心分離によりPEI溶液から分離した。溶液中に残った未結合のPEIをTNBSAアッセイにより評価した。PEIの土壌に対する結合プロファイルを等温線を結合することにより表した(図1)。PEIにおける第一級アミンクエンチングのレベルは、説明文中の括弧中の数字で示した。
【0050】
実施例5.
dsRNA-PEI錯体の結合親和性
dsRNAを発現する大腸菌(E.coli)細胞ライセートを、以下のとおりPEI溶液と混合した:ライセートを25OD/mLに希釈し、PEI溶液を、0.75%の最終濃度でライセートに添加した。ライセートdsRNA-PEI錯体溶液を2.5倍にさらに希釈し、2:1(溶液:土壌)wt/wtの比率で1時間、土壌と共にインキュベートした。未配合のライセート溶液を対照として用いた。その後、土壌を遠心分離によりペレット化し、ポリアニオンを添加することにより上澄中の未結合全RNAを錯体から抽出してPEIからdsRNAを脱錯化し、続いて、RNAZol RT抽出を行った。サンプルの上澄中に存在する全RNA濃度をUV-Vis分光分析により定量化した(図2)。
【0051】
実施例6
修飾PEIで形成した錯体中のライセート-dsRNAの安定性の評価
dsRNAを発現する大腸菌(E.coli)細胞ライセートを、以下のとおりPEI溶液と混合した:ライセートを50OD/mLに希釈し、PEI溶液を、0.5%(1×PEI)または1.5%(3×PEI)の最終濃度でライセートに添加した。ライセートdsRNA-PEI錯体溶液を、37℃で一晩、リボヌクレアーゼIIIと共にインキュベートした。ポリアニオンを添加することにより全RNAを錯体から抽出して、PEIからdsRNAを脱錯化し、続いて、RNAZol RT抽出を行った。dsRNAのインテグリティをアガロースゲル電気泳動法(図3および4)を用いて評価した。
【0052】
実施例7
修飾PEIで形成した錯体中のdsRNAの生体利用率の評価
人工ウェスタンコーンルートワーム飼料-取り込みバイオアッセイを、修飾PEIで形成した錯体、および、dsRNAを発現する大腸菌(E.coli)ライセートで実施した。リボヌクレアーゼを含まない水を用いてライセート配合物を希釈し、均質になるまでボルテックス混合で等量の飼料と十分に混合した(0.5mlの飼料および0.5mlの希釈した配合溶液)。3回の反復を各配合物種について実施し、各反復プレートについて、およそ12匹の新生幼虫を加えた。プレートを室温でインキュベートした。アッセイ期間中、死亡率を1日置きに記録した。最終的な死亡率が図5および6に示されており、クエンチされた錯体の向上した活性が示されている。この所見は、土壌中におけるバイオアッセイによっても裏付けられた。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕カチオン性ポリマーとポリヌクレオチドとの間で形成された錯体を含む組成物の土壌中に存在する負電荷分子に対する結合を阻害または実質的に低減する方法であって、前記錯体における表面に露出した正電荷を実質的に中和することが可能であるクエンチング剤を前記組成物に含ませる工程を含む、方法。
〔2〕前記ポリヌクレオチドが、dsRNAであり、前記ポリマーが、ポリアミンであり、前記クエンチング剤が、モノアルデヒドである、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記ポリマーが、直鎖もしくは分岐鎖ポリエチレンイミン、ポリペプチドまたはカチオン性多糖類である、前記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記負電荷粒子が、フミン酸を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔5〕地下植物有害生物の外寄生を防除する方法であって;
a)カチオン性ポリマーとdsRNAとの間で形成された錯体を含む組成物を提供する工程、
b)クエンチング剤でa)の前記錯体の表面に露出した正電荷を実質的に中和する工程、ならびに
c)b)の前記組成物を土壌に適用する工程、
を含み、前記dsRNAが、前記地下植物有害生物における標的遺伝子の転写後サイレンシングをもたらす、方法。
〔6〕前記地下植物有害生物が、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ウンデキムプンクタタ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ゼアエ(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)(ウリムシ(cucurbit beetle))、線虫、ハリガネムシおよびウジ、ならびに細菌および真菌などの適切な土壌病原体からなる群から選択される、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記地下植物有害生物が、ディアブロティカ(Diabrotica)種の昆虫である、前記〔6〕に記載の方法。
〔8〕ポリヌクレオチドおよびカチオン性ポリマーを含む錯体における残存正電荷基を実質的に中和するための、クエンチング剤の使用。
〔9〕カチオン性ポリマーとポリヌクレオチドとの間で形成された錯体と、前記錯体において残存する表面に露出した正電荷基を実質的に中和することが可能であるクエンチング剤とを含む組成物であって、前記ポリマーが、分岐または線状ポリエチレンイミン、イミダゾール含有ポリマー、キトサン、カチオン性多糖類、ポリアミドアミン、アミン基を含むリシン、ヒスチジンおよびアルギニンなどのアミノ酸のポリマーおよびコポリマー、ならびにポリアミンからなる群から選択され、表面に露出した正電荷基が、中和されなければ土壌への前記錯体の吸着をもたらす、組成物。
〔10〕前記ポリマーが、分岐または線状ポリエチレンイミンである、前記〔9〕に記載の組成物。
〔11〕前記ポリヌクレオチドが、dsRNAである、前記〔9〕または〔10〕に記載の組成物。
〔12〕前記ポリマーが、ポリアミンである、前記〔9〕~〔11〕に記載の組成物。
〔13〕前記ポリアミンが、少なくとも5つのアミン基を含む直鎖および分岐ポリアミンからなる群から選択される、前記〔12〕に記載の組成物。
〔14〕前記錯体が、細胞ライセート中に含まれているか、または無傷細胞内で形成されており、前記クエンチング剤が添加されている、前記〔9〕~〔13〕に記載の組成物。
〔15〕前記クエンチング剤が、イソシアネート、モノアルデヒド、モノエポキシド、モノエステル、モノカルボン酸、一無水物、およびアミンと反応性である単一の基を含む他の分子からなる群から選択される、前記〔9〕~〔14〕に記載の組成物。
〔16〕前記モノアルデヒドが、水溶性である、前記〔15〕に記載の組成物。
〔17〕前記モノアルデヒドが、メタナール、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナールおよびヘキサナールからなる群から選択される、前記〔16〕に記載の組成物。
〔18〕前記モノアルデヒドが、実質的に水不溶性である、前記〔15〕に記載の組成物。
〔19〕前記モノアルデヒドが、ヘプタナール、オクタナールおよびデカナールからなる群から選択される、前記〔18〕に記載の組成物。
〔20〕土壌中に存在するものなどの負電荷粒子に前記錯体が実質的に結合しないよう、前記錯体における十分な残存する正電荷基をクエンチするのに十分な量で前記モノアルデヒドを含有する、前記〔15〕~〔19〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔21〕前記ポリヌクレオチドが、真核細胞における遺伝子のmRNAの配列と実質的に同一である配列を含むdsRNAである、前記〔9〕~〔20〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔22〕前記真核生物が、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ヴィルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)(ウェスタンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)(ノーザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ウンデキムプンクタタ・ホワルディ(Diabrotica undecimpunctata howardi)(サザンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・ヴィルギフェラ・ゼアエ(Diabrotica virgifera zeae)(メキシカンコーンルートワーム)、ディアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)(ウリムシ(cucurbit beetle))、線虫、ハリガネムシおよびウジからなる群から選択される昆虫、ならびに細菌および真菌などの適切な土壌病原体である、前記〔21〕に記載の組成物。
〔23〕ポリヌクレオチドとカチオン性ポリマーとを錯化する工程、およびクエンチング剤を添加することによって前記錯体中における残存する正電荷をクエンチングする工程を含む、前記〔9〕~〔23〕のいずれか一項に記載の組成物を形成する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6