(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】平行通路コンタクター及び吸着ガス分離方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20220111BHJP
C01B 32/00 20170101ALI20220111BHJP
C01B 32/194 20170101ALI20220111BHJP
【FI】
B01D53/04 230
C01B32/00
C01B32/194
(21)【出願番号】P 2019523584
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(86)【国際出願番号】 CA2017051328
(87)【国際公開番号】W WO2018085927
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-11-05
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518334613
【氏名又は名称】スヴァンテ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヒアヴィ,ソヘイル
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-226337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0135951(US,A1)
【文献】特表2010-527750(JP,A)
【文献】特表2008-526494(JP,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第02824994(CA,A1)
【文献】国際公開第2005/032694(WO,A1)
【文献】特開2001-129343(JP,A)
【文献】特開2016-165711(JP,A)
【文献】特開2012-196670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-53/18
C01B 32/00
C01B 32/194
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分流体ストリーム(20)から少なくとも第1の成分を吸着ガス分離するための平行通路コンタクター(2)であって、
複数の吸着剤構造(1)であって、前記吸着剤構造(1)は、
第1の吸着剤層(12)であって、前記第1の吸着剤層(12)のz軸に沿った第1の透過率値、および、第1の吸着剤材料を有し
、前記第1の吸着剤材料が、
第1の組成と、
第1の孔サイズと、を更に備える
前記第1の吸着剤層(12)と、
第2の吸着剤層(14)であって、前記第2の吸着剤層(14)のz軸に沿った第2の透過率値、および、第2の吸着剤材料を
有し、前記第2の吸着剤材料が、
第2の組成と、
第2の孔サイズと、を更に備える
前記第2の吸着剤層(14)と
、
前記第1の透過率値と前記第2の透過率値とが異なること
前記第1の組成と前記第2の組成とが異なること
前記第1の孔サイズと前記第2の孔サイズとが異なること、および
前記第1の吸着材料が前記第2の吸着材料と比べて疎水性が高いこと
の少なくとも1つであり、
前記第1の吸着剤層(12)と前記第2の吸着剤層(14)との間に挿入される障壁層(10)と
、を備える、
複数の吸着剤構造(1)と、
第1の流体通路(16)であって、前記第1の流体通路(16)の少なくとも一部分は前記第1の吸着剤層(12)によって定義される、第1の流体通路(16)と、
第2の流体通路(18)であって、前記第2の流体通路(18)の少なくとも一部分は前記第2の吸着剤層(14)によって定義される、第2の流体通路(18)と
、
を備え、
前記第1の流体通路(16)及び前記第2の流体通路(18)は、前記平行通路コンタクター(2)内で流体的に分離され
た平行通路コンタクター(2)。
【請求項2】
前記障壁層(10)は、1000μm
以下の厚さを有する、請求項1に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項3】
前記障壁層(10)は、
10
-6m
2以下
の透過率を有する、請求項1または2に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項4】
前記第1の吸着剤材料は、疎水性吸着剤材料、活性炭吸着剤材料、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ吸着剤材料、
ゼオライト吸着剤材料のうちの少なくとも1つを含み、前記第2の吸着剤材料は、親水性吸着剤材料、ゼオライト吸着剤材料、及び金属有機構造体吸着剤材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1
に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項5】
前記第1の吸着剤層(12)及び前記第2の吸着剤層(14)のうちの少なくとも一方は
、10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性材料を含む、請求項1に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項6】
複数の前記第1の流体通路(16)及び複数の前記第2の流体通路(18)を更に備え
る、請求項1に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項7】
前記第1の流体通路(16)及び前記第2の流体通路(18)に流体接続された、第1のポート、前記第1の流体通路(16)及び前記第2の流体通路(18)に流体接続された、第2のポート、
前記第1の流体通路(16)に流体接続された、第3のポート、及び、前記第1の流体通路(16)に流体接続された、第4のポートを更に備える、請求項1に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項8】
複数の前記第1の流体通路(16)及び複数の前記第2の流体通路(18)を更に備え、前記第1のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)及び複数の前記第2の流体通路(18)に流体接続され、前記第2のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)及び複数の前記第2の流体通路(18)に流体接続され、前記第3のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)に流体接続され、前記第4のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)に流体接続される、請求項7に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項9】
前記第1の流体通路(16)に流体接続された、第3のポート、前記第1の流体通路(16)に流体接続された、第4のポート、前記第2の流体通路(18)に流体接続された、第5のポート、及び、前記第2の流体通路(18)に流体接続された、第6のポートを更に備える、請求項1に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項10】
複数の前記第1の流体通路(16)及び複数の前記第2の流体通路(18)を更に備え、前記第3のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)に流体接続され、前記第4のポートは、複数の前記第1の流体通路(16)に流体接続され、前記第5のポートは、複数の前記第2の流体通路(18)に流体接続され、前記第6のポートは、複数の前記第2の流体通路(18)に流体接続される、請求項9に記載の平行通路コンタクター(2)。
【請求項11】
多成分流体ストリーム(20)から少なくとも第1の成分を分離するための吸着ガス分離プロセスであって、
(i)前記多成分流体ストリーム(20)を、平行通路コンタクター(2)内に受入れるステップであって、前記平行通路コンタクター(2)は、
複数の吸着剤構造(1)であって、前記吸着剤構造(1)は、
第1の吸着剤層(12)であって、前記第1の吸着剤層(12)のz軸に沿った第1の透過率値、および、第1の吸着剤材料を
有し、前記第1の吸着剤材料が、
第1の組成と、
第1の孔サイズと、を更に備える
前記第1の吸着剤層(12)と、
第2の吸着剤層(14)であって、前記第2の吸着剤層(14)のz軸に沿った第2の透過率値、および、第2の吸着剤材料を
有し、前記第2の吸着剤材料が、
第2の組成と、
第2の孔サイズと、を更に備える
第2の吸着剤層(14)と、
前記第1の透過率値と前記第2の透過率値とが異なること、
前記第1の組成と前記第2の組成とが異なること、
前記第1の孔サイズと前記第2の孔サイズとが異なること、および
前記第1の吸着材料が前記第2の吸着材料と比べて疎水性が高いこと
の少なくとも1つであり、
前記第1の吸着剤層(12)と前記第2の吸着剤層(14)との間に挿入される障壁層(10)と、
第1の流体通路(16)であって、前記第1の流体通路(16)の少なくとも一部分は前記第1の吸着剤層(12)によって定義される、第1の流体通路(16)と、
第2の流体通路(18)であって、前記第2の流体通路(18)の少なくとも一部分は前記第2の吸着剤層(14)によって定義される、第2の流体通路(18)と
、を備え、
前記第1の流体通路(16)及び前記第2の流体通路(18)は、前記平行通路コンタクター(2)内で流体的に分離され
る、受入れるステップと、
(ii)前記多成分流体ストリーム(20)を、前記平行通路コンタクター(2)の前記第2の流体通路(18)内に受入れるステップと、
(iii)前記第2の流体通路(18)の
前記少なくとも
一部分を画定する前記第2の吸着剤層(14)の前記第2の吸着剤材料上に前記多成分流体ストリーム(20)の前記第1の成分の少なくとも一部分を吸着させるステップと、
(iv)前記平行通路コンタクター(2)の前記第2の流体通路(18)から、前記多成分流体ストリーム(20)と比べて前記第1の成分が
枯渇した第1の生成物ストリーム(22)を回収するステップと、
(v)脱着流体ストリーム(24)を前記平行通路コンタクター(2)の前記第2の流体通路(18)及び/または前記第1の流体通路(16)内に受入れるステップと、
(vi)前記第2の吸着剤層(14)の前記第2の吸着剤材料上に吸着された、前記第1の成分の少なくとも一部分を脱着させるステップと、
(vii)前記平行通路コンタクター(2)の前記第2の流体通路(18)から、前記多成分流体ストリーム(20)と比べて前記第1の成分が
富化した第2の生成物ストリーム(26a)を回収するステップと、を含む、吸着ガス分離プロセス。
【請求項12】
ステップ(vi)にて、前記第2の吸着剤層(14)の前記第2の吸着剤材料上に吸着された、前記第1の成分の少なくとも一部分を脱着させるステップは、前記脱着流体ストリーム(24)及び前記第1の吸着剤層(12)から前記第2の吸着剤層(14)の前記第2の吸着剤材料に熱を伝達するステップ、及び、前記第1の吸着剤層(12)の前記第1の吸着剤材料上への前記脱着流体ストリーム(24)の少なくとも一部分の吸着を通して吸着熱を放出するステップのうちの少なくとも1つによって、前記第2の吸着剤材料を加熱するステップによる、請求項11に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項13】
ステップ(ii)にて、前記多成分流体ストリーム(20)を、前記平行通路コンタクター(2)の前記第1の流体通路(16)内に受入れステップと、
ステップ(iii)にて、前記第1の流体通路(16)の
前記少なくとも
一部分を画定する前記第1の吸着剤層(12)の前記第1の吸着剤材料上に前記多成分流体ストリーム(20)の前記第1の成分の少なくとも一部分を吸着させるステップと、
ステップ(iv)にて、前記第1の流体通路(16)から、前記多成分流体ストリーム(20)と比べて前記第1の成分が少なくとも周期的に枯渇した前記第1の生成物ストリーム(22)を回収するステップと、
ステップ(vi)にて、前記脱着流体ストリーム(24)による前記第1の吸着剤材料の加熱によって前記第1の吸着剤層(12)の前記第1の吸着剤材料上に吸着された前記第1の成分の少なくとも一部分を脱着させるステップと、
ステップ(vii)にて、前記平行通路コンタクター(2)の前記第1の流体通路(16)から、前記多成分流体ストリーム(20)と比べて前記第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収するステップと、を更に含む、請求項11または12に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項14】
前記第1の吸着剤材料及び前記第2の吸着剤材料の少なくとも1つは、疎水性吸着剤材料を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項15】
前記脱着流体ストリーム(24)は、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、及び燃焼煙道ガスストリームのうちの少なくとも1つを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項16】
前記脱着流体ストリーム(24)は、60℃以上
の温度である、請求項15に記載の吸着ガス分離プロセス。
【請求項17】
前記第1の成分が、二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、または酸素である、請求項11~13のいずれか一項に記載の吸着ガス分離プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年11月8日に出願された米国仮特許出願第62/419,359号の優先権を主張する。
【0002】
本技術は、概して、多成分流体混合物の吸着ガス分離のための装置及び方法ならびにそれを組込むシステムに関する。より詳細には、本技術は、温度スイング吸着プロセスを使用する吸着ガス分離のための方法及びそのための平行通路コンタクター構造に関し、平行通路コンタクター構造を組込むシステムに更に関する。
【背景技術】
【0003】
吸着ガス分離プロセス及び分離機、例えば、温度スイング吸着及び分圧スイング吸着プロセス及び分離機は、多成分流体混合物の吸着ガス分離において使用するために当技術分野で知られている。ガス分離が望ましい場合がある1つのタイプの産業プロセスは、例えば、酸化剤及び炭素含有燃料が燃焼され、少なくとも熱及び燃焼ガスストリーム(燃焼煙道ガスストリームとしても知られる)を発生する燃焼プロセスを含む。例えば、燃焼後排ガス処理システムにおける場合を含んで、燃焼ガスストリームからの少なくとも1つの成分の分離が望ましい場合がある。
【0004】
従来の温度スイング吸着ガス分離プロセスは、通常、2つの基本的ステップ、吸着ステップ及び再生または脱着ステップを使用することができる。典型的な吸着ステップ中に、多成分流体混合物等のフィードストリームは、フィードストリームの或る成分を吸着することができる吸着剤材料を含む、吸着分離機及びコンタクター内に受入れられ、フィードストリームの残りの成分からの吸着された成分の分離を実現することができる。後続の典型的な再生ステップ中に、再生または脱着流体ストリーム、例えば、加熱された空気または蒸気ストリームは、吸着剤材料の温度を上げるために吸着分離機及びコンタクター内に受入れられ、吸着された成分の少なくとも一部分を、吸着剤材料から解除または脱着させ、それにより、脱着された成分を提供し、吸着剤材料の循環的再使用を可能にすることができる。従来の吸着ガス分離器は、通常、従来のビード型吸着剤ベッドまたは吸着剤コンタクターにおいて等で、全体を通して、1つまたは複数の吸着剤材料の単一組成物を使用する。
【0005】
従来の吸着ガス分離プロセス及び分離機の1つの欠点は、必要とされる蒸気及び/または吸着剤材料の脱着及び再生のために消費されるエネルギーの他のソースであり、他のソースは、こうした吸着システム及びプロセスの運転コストの大きな部分を通常示す。従来の吸着分離機及びプロセスにおける高いエネルギー消費及び関連する運転コストは、従来の吸着ガス分離技術の幅広い適応及び実装に対する障壁として通常働く場合がある。従来の吸着分離機及びプロセスにおいてゼオライトまたは親水性吸着剤材料等の一部の従来の吸着剤材料を使用することの更なる欠点は、例えば、水または蒸気についてのこうした吸着剤材料の高い親和性を含む場合があり、分離される流体内のまたは再生流体内の蒸気及び/または水の存在は、目標成分についての吸着剤材料の、吸着容量(adsorptive capacity)を大幅に減少させる場合がある。さらに、従来の吸着ガス分離プロセスにおいて、吸着剤コンタクターを通した、一部の流体ストリーム、例えば、脱着流体ストリームの流れに対する或る吸着剤材料の曝露は、コンタクターから吸着剤材料を浸食しまたは洗浄し、経時的にコンタクターの吸着容量を減少させる場合がある。
【0006】
平行通路コンタクターを備える従来の吸着ガス分離機は、平行通路コンタクターの2つの小面上に流体入口及び出口ポートを有するように通常構成される。こうした典型的な構成は、種々の流体ストリーム(例えば、吸着ガス分離プロセスのために使用されるフィードストリーム及び脱着流体ストリーム)が、実質的に同様な距離に吸着剤材料と接触した状態で、平行通路コンタクターを通って移動させることをもたらす場合がある。例えば、平行通路コンタクターを備える従来の吸着ガス分離機を使用する従来の吸着ガス分離プロセスの吸着ステップ中に、フィードストリームは、コンタクターの第1の小面上の入口ポートを介して吸着ガス分離機及び平行通路コンタクター内に受入れられて、第2の小面上の出口ポートを介して平行通路コンタクターから回収される前に、第1の距離に平行通路コンタクターを通して移動することができ、一方、従来の吸着ガス分離プロセスの脱着または再生ステップ中に、再生または脱着流体ストリームは、平行通路コンタクターの第1または第2の小面上の入口ポートを介して吸着ガス分離機及び平行通路コンタクター内に受入れられて、第1の小面上の出口ポートを介して平行通路コンタクターから回収される前に、実質的に同じ距離に平行通路コンタクターを通して移動することができる。種々の流体ストリームを実質的に同じ距離に平行通路コンタクターを通して移動させることは、例えば、平行通路コンタクターにおいて、1つまたは複数の流体ストリーム、例えば、再生または脱着流体ストリームあるいは冷却用流体ストリームについて所望より長い滞留時間をもたらす場合があり、それは、例えば、再生流体ストリームまたは冷却用流体ストリームからの成分の吸着剤材料上への望ましくない吸着、ならびに、吸着ガス分離プロセスの効率の減少、吸着剤コンタクターからの吸着剤材料の浸食、1つまたは複数の流体ストリームについて吸着剤コンタクターにわたる所望よりも高い圧力降下または喪失、及びコンタクター構成及び吸着ガス分離プロセスの効率を増加させる能力の制限を更にもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、従来のプロセス及びシステムの欠点のうちの1つまたは複数の欠点に望ましくは対処する吸着ガス分離プロセス及び分離機が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で述べる概念は、第1の吸着剤層と、第2の吸着剤層と、障壁層とを備える吸着剤構造として具現化されることができ、障壁層は第1の吸着剤層と第2の吸着剤層との間に挿入される。障壁層は、任意選択で、金属、膜、炭素、炭素分子ふるい、及びグラフェン材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。第1の吸着剤層は第1の吸着剤材料を含むことができ、第2の吸着剤層は第2の吸着剤材料を含むことができ;第1及び第2の吸着剤材料は、異なる材料組成及び/または物理特性を有することができる。
【0009】
概念は、代替の実施形態において、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層とを備える吸着剤構造を含むことができ、第1の吸着剤層は第2の吸着剤層に並置される。
【0010】
概念は、更なる実施形態において、平行通路コンタクターを含み、平行通路コンタクターは、それぞれが、第2の吸着剤層に並置された第1の吸着剤層を備える複数の吸着剤構造であって、第1の吸着剤層が第1の吸着剤材料を含み、第2の吸着剤層が第2の吸着剤材料を含む、複数の吸着剤構造と;第1の流体通路であって、第1の流体通路の少なくとも一部分が第1の吸着剤層によって境界付けされる、第1の流体通路と、第2の流体通路であって、第2の流体通路の少なくとも一部分が第2の吸着剤層によって境界付けされる、第2の流体通路とを備える。幾つかの変形において、障壁層は、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層との間に挿入されることができる。
【0011】
概念は、多成分流体ストリームから少なくとも第1の成分を分離するための吸着ガス分離プロセスとして同様に具現化されることができ、プロセスは、
(i)多成分流体ストリームを、第1の吸着剤材料を有する第1の吸着剤層及び第2の吸着剤材料を有する第2の吸着剤層を備える平行通路コンタクターの第1の流体通路及び第2の流体通路内に受入れることであって、第1の吸着剤層は第1の流体通路の少なくとも一部分を画定し、第2の吸着剤層は第2の流体通路の少なくとも一部分を画定する、受入れることと、
(ii)第2の流体通路の少なくともその部分を画定する第2の吸着剤層の第2の吸着剤材料上に多成分流体ストリームの第1の成分の少なくとも一部分を吸着させることと、
(iii)平行通路コンタクターの第1の流体通路及び第2の流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に枯渇した第1の生成物ストリームを回収することと、
(iv)脱着流体ストリームを平行通路コンタクターの第1の通路内に受入れることと、
(v)脱着流体ストリーム及び第1の吸着剤層から第2の吸着剤層の第2の吸着剤材料に熱を伝達すること、及び、第2の吸着剤層の第2の吸着剤材料に接触するように第1の吸着剤層を通して脱着流体ストリームの少なくとも一部分を拡散させること、及び、吸着熱を放出することのうちの少なくとも1つによって、第2の吸着剤材料を加熱することによって第2の吸着剤層の第2の吸着剤材料上に吸着された第1の成分の少なくとも一部分を脱着させることと、
(vi)平行通路コンタクターの第2の流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収することを含む。
【0012】
概念は、代替的に、多成分流体ストリームから少なくとも第1の成分を分離するための吸着ガス分離プロセスとして具現化されることができ、吸着ガス分離プロセスは、
(i)多成分流体ストリームを、複数の吸着剤層上に吸着剤材料を含む平行通路コンタクターの流体通路内に受入れることであって、吸着剤材料の少なくとも1つ及び複数の吸着剤層は、平行通路コンタクターの流体通路の少なくとも一部分を画定し、多成分流体ストリームは、第1の距離について、複数の吸着剤層上の吸着剤材料に接触する、受入れることと、
(ii)複数の吸着剤層上の吸着剤材料上に第1の成分の少なくとも一部分を吸着させることと、
(iii)第2のポートを介して、平行通路コンタクターの流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に枯渇した第1の生成物ストリームを回収することと、
(iv)第3のポートを介して、脱着流体ストリームを平行通路コンタクターの流体通路内に受入れることであって、前記脱着流体ストリームは、第2の距離について、複数の吸着剤層上の吸着剤材料に接触する、受入れることと、
(v)複数の吸着剤層上の吸着剤材料上に吸着された第1の成分の少なくとも一部分を脱着させることと、
(vi)第4のポートを介して、前記平行通路コンタクターの流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収することとを含み、
第1の距離は前記第2の距離より大きい。
【0013】
概念は、平行通路コンタクターとして更に具現化されることができ、平行通路コンタクターは、複数の吸着剤層であって、吸着剤層は吸着剤材料を更に含み、複数の吸着剤層は平行通路コンタクターの流体通路の少なくとも一部分を画定する、複数の吸着剤層と、流体通路に流体接続された第1のポート及び第2のポートであって、複数の吸着剤層の外周上に構成され、第1の距離だけ分離されている、第1のポート及び第2のポートと、流体通路に流体接続された第3のポート及び第4のポートであって、複数の吸着剤層の外周上に構成され、第2の距離だけ分離されている、第3のポート及び第4のポートとを備え、第1の距離は第2の距離より大きい。
【0014】
本開示の種々の実施形態による、多成分流体混合物から少なくとも1つの流体成分を吸着ガス分離するための装置及び方法が、ここで、添付図面の図を参照して述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による吸着剤構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による
図1に示すような複数の吸着剤構造を使用する平行通路コンタクターを示す斜視図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による吸着ガス分離プロセスの吸着ステップ中の流体の流れを示す、
図2に示すような例示的な平行通路コンタクターの斜視図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による吸着ガス分離プロセスの脱着ステップ中の流体の流れを示す、
図2に示すような例示的な平行通路コンタクターの斜視図である。
【0016】
同様な参照数字は、図面の幾つかの図を通して対応する部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による例示的な吸着剤構造1の斜視図を示し、吸着剤構造1は、本発明の別の実施形態による、本明細書で述べる吸着分離プロセスを実装するため等で、例示的な平行通路コンタクター及び関連する吸着ガス分離機において使用されることができる。吸着剤構造1は、第1の吸着剤層12と第2の吸着剤層14との間に挿入されたオプションの障壁層10を備える。第1の吸着剤層12は、1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料を含む。第2の吸着剤層14は、1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料を含む。第1の吸着剤材料は、第2の吸着剤材料のそれと異なる、材料組成、物理特性及び/またはプロパティの少なくとも1つを含むことができる(しかし、含む必要はない)。一態様において、障壁層10は、適切に熱伝導性のある材料を望ましくは含むことができ、それにより、障壁層10を通る第1及び第2の吸着剤層12及び14の一方の吸着剤層から他の吸着剤層への熱伝達は、障壁層10の熱伝導率によって促進されることができる。例えば、障壁層10は、望ましくは、
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向等に、障壁層10の厚さにわたって高い熱伝導率を有する、適した熱伝導性材料を含むことができる。一実施形態において、障壁層10は、障壁層10の厚さにわたる熱伝達を促進するために、熱伝導率(本明細書で、「W/m・K」と呼ぶメートル・ケルビン当たりのワットの測定単位を使用して表現されることができる)が適切に高い場合がある材料を望ましくは含むことができる。1つのこうした態様において、障壁層10は、例えば、約10W/m・K、詳細には約100W/m・K、またはより詳細には約200W/m・Kの所望の熱伝導率閾値以上の熱伝導率を望ましくは有する()熱伝導性材料を含むことができる。
【0018】
本発明による一実施形態において、吸着ガス分離プロセス中に、障壁層10は、障壁層10の厚さを通して(
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に)または第1の吸着剤層12と第2の吸着剤層14との間で、流体、例えば、ガス及び/または蒸気の形態の水の移送を望ましくは低減または制御しながら、熱の迅速かつ効率的な伝達を望ましくは可能にすることができる。一実施形態において、障壁層10は、障壁層10の厚さにわたる熱伝達を促進するために、熱伝導率(本明細書で、「W/m・K」と呼ぶメートル・ケルビン当たりのワットの測定単位を使用して表現されることができる)が適切に高い場合がある材料を望ましくは含むことができる。1つのこうした態様において、障壁層10は、例えば、約10W/m・K、詳細には約100W/m・K、またはより詳細には約200W/m・Kの所望の熱伝導率閾値以上の熱伝導率を望ましくは有する熱伝導性材料を含むことができる。特定の実施形態において、障壁層10は、所望の透過率範囲内の透過率を望ましくは有する障壁材料等の、1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)または他の流体に対する透過率が望ましくは低い材料を含み、1つまたは複数のガスまたは例えば蒸気の形態の水等の流体に対して、例えば半透過性または実質的に不透過性である場合がある拡散抑制剤または障壁として障壁層10が機能することを可能にすることができる。1つのこうした実施形態において、障壁層10は、障壁層10の厚さを通して、例えば、
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に、第1及び第2の吸着剤層12と14との間で1つまたは複数のこうしたガスの望ましくは制御された移送レート(rate of transfer)を提供するために、1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)に対して半透過性である材料を含むことができる。
【0019】
本発明による一実施形態において、適切に熱伝導率が高くかつ透過率が低い(または特に実質的に不透過性の)障壁層、例えば障壁層10を使用することは、或る実施形態の吸着ガス分離プロセスを有利に可能にすることができ、そのプロセスにおいて、両方の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の再生または脱着は、1つまたは複数の成分(例えば、水または二酸化炭素)を含む再生または脱着流体(例えば、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、第1の成分を実質的に含む流体ストリーム、燃焼煙道ガスストリーム)を、吸着ガス分離機、平行通路コンタクター、及び/または流体通路内に受入れて、障壁層の第1の側面で、実質的に1つの吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤層12の第1の吸着剤材料に接触させることによって行われることができる。これは、障壁層の対向するまたは第2の側面上の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤層14の第2の吸着剤材料に関する再生または脱着流体の曝露または接触を有利に減少させることをもたらすことができ、それは、再生または脱着流体の1つまたは複数の成分または種の吸着、吸着材料の汚染、及び/または、吸着剤層からの吸着剤材料の浸食または洗浄による吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤層14の第2
の吸着剤材料の喪失によって、障壁層の対向するまたは第2の側面上での吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤層14の第2の吸着剤材料の吸着容量の喪失を有利に低減させることを更にもたらすことができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、選択された及び/または制御された透過率を有する熱伝導率が適切に高い障壁層(例えば、障壁層10)を使用することは、或る実施形態の吸着ガス分離プロセスを有利に可能にすることができ、障壁層の両側面に隣接する、吸着剤層、例えば第1の吸着剤層及び第2の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤材料上に吸着された成分の再生または脱着が、1つまたは複数の成分または種(例えば、水または二酸化炭素)を含む再生または脱着流体(例えば、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、第1の成分を実質的に含む流体ストリーム、燃焼煙道ガスストリーム)を、吸着ガス分離機、平行通路コンタクター、及び/または流体通路内に受入れて、障壁層(例えば、障壁層10)の第1の側面に隣接する、実質的に1つの吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料(例えば、第1の吸着剤層12の第1の吸着剤材料)に接触させ、一方、脱着または再生流体の1つまたは複数の成分または種の少量が、障壁層を通して拡散し、障壁層の対向するまたは第2の側面に隣接する吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第2の吸着剤層14の第2の吸着剤材料に接触することを制御する及び/または可能にすることによって、行われることができる。これは、吸着剤材料上に吸着された第1の成分を脱着するために使用されることができる熱を発生すること(脱着または再生ストリームの成分または種が、障壁層を通して拡散し、障壁層の対向するまたは第2の側面に隣接する吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第2の吸着剤層14の第2の吸着剤材料上に吸着し、吸着熱を発生または放出することによる)、一方、障壁層の対向するまたは第2の側面に隣接する吸着剤層(例えば、第2の吸着剤層14)の1つまたは複数の吸着剤材料の汚染及び/もしくは吸着容量の喪失を有利に実質的に低減すること、ならびに/または、平行通路コンタクター及び/もしくは流体通路内に受入れられる再生または脱着流体の量を有利に低減することを有利に支援することができ、それは、吸着ガス分離プロセス及び吸着ガス分離機のエネルギー消費、資本コスト、及び/または運転コストを低減することを更にもたらすことができる。
【0021】
一実施形態において、透過率は、平方メートル(本明細書で「m
2」と呼ばれる)の測定単位を使用して表現されることができる。1つのこうした態様において、障壁層10は、実質的に障壁層10の厚さにわたってまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向に(例えば、
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に)測定されることができる透過率値であって、例えば、第1の吸着剤層及び/または第2の吸着剤層の少なくとも一方のほぼ透過率値以下の、あるいは、約10
-6m
2以下、詳細には約10
-8m
2以下、より詳細には約10
-12m
2以下、更により詳細には約10
-13m
2以下の、所望の透過率閾値以下の、透過率値を望ましくは有する選択的に及び/または制御可能に透過性の材料を含むことができる。別のこうした態様において、障壁層10は、障壁層10の厚さにわたってまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向に(例えば、
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に)実質的に測定されることができる透過率値であって、例えば、約10
-6m
2~10
-17m
2、詳細には約10
-8m
2~10
-15m
2、より詳細には約10
-12m
2~10
-15m
2、または更により詳細には約10
-13m
2~10
-15m
2の所望の透過率範囲閾値内にある、透過率値を望ましくは有する選択的に透過性の材料を含むことができる。一態様において、障壁層10として使用するための適した材料は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金等の金属及び金属合金、膜、ポリマー、または炭素分子ふるい等の炭素材料、酸化グラファイト、グラフェン、グラフェンフレーク、剥離グラフェン、及び剥離グラフェンフレークのうちの1つまたは複数を含むことができるが、それに限定されない。
【0022】
一実施形態において、障壁層10は、同様に好ましくは、温度の急速変化を可能にし、吸着剤層12と14との間の熱伝達を更に促進するために低熱容量を有することができ、低熱容量は、例えば、
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に、約1000ミクロン(本明細書でμmと呼ぶ)以下、より詳細には約100μm以下、なおより詳細には約10μm以下、または更により詳細には約5μm以下の厚さを有する等の、所望の厚さ閾値以下の厚さを有する実質的に薄いフィルムの形態で障壁層10を構成することによって達成されることができる。
【0023】
一実施形態において、吸着剤構造1は、1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料を含むことができる第1の吸着剤層12、及び、1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料を含むことができる第2の吸着剤層14を備える。1つのこうした実施形態において、第1の吸着剤層12及び第2の吸着剤層14は、オプションの障壁層、例えば障壁層10を通して熱連通状態にあり、それと直接接触状態にあり、またそれによって分離される。1つのこうした実施形態において、第1の吸着剤層12に含まれる第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤層14に含まれる第2の吸着剤材料は、材料組成、例えば水分子を排除するまたははじく能力(用語、疎水性によって表現されることができる)、透過率、または孔サイズ等の物理的特性及び/またはプロパティを更に有し、第1の吸着剤層の第1の吸着剤材料の材料組成、物理的特性及び/またはプロパティのう
ちの少なくとも1つは、第2の吸着剤層14の第2の吸着剤材料の材料組成、物理的特性及び/またはプロパティのうちの少なくとも1つと似ていないまたは異なる。例えば、一実施形態において、第1の吸着剤層12は、活性炭吸着剤材料、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ吸着剤材料、疎水性ゼオライト吸着剤材料、疎水性吸着剤材料、または(第2の吸着剤層14に含まれる第2の吸着剤材料と比べて)高い疎水性を有する吸着剤材料等の少なくとも第1の吸着剤材料を含むことができる。1つのこうした実施形態において、第2の吸着剤層14は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば、(親水性)ゼオライト吸着剤材料、親水性吸着剤材料、または(第1の吸着剤層12に含まれる第1の吸着剤材料として使用される吸着剤材料と比べて)低い疎水性を有する吸着剤材料等の第2の吸着剤材料を含むことができる。代替的に、第1の吸着剤層12は、少なくとも、親水性吸着剤材料である吸着剤材料または第2の吸着剤層14に含まれる吸着剤材料と比べて低い疎水性を有する吸着剤材料を含むことができ、第2の吸着剤層14は、少なくとも、疎水性吸着剤材料である吸着剤材料または第1の吸着剤層12の吸着剤材料と比べて高い疎水性を有する吸着剤材料を含むことができる。一実施形態において、第1の吸着剤層12及び第2の吸着剤層14は、高いガス透過率、または、例えば、約10
-12m
2以上または詳細には約10
-11m
2以上の所望の透過率閾値以上の、実質的に第1の吸着剤層12及び/または第2の吸着剤層14の厚さにわたって(
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に)測定されることができるガス透過率値を望ましくは有することができる。別のこうした態様において、第1の吸着剤層12及び第2の吸着剤層14は、例えば、約10
-6m
2~10
-13m
2、詳細には約10
-7m
2~10
-12m
2、またはより詳細には約10
-8m
2~10
-11m
2の所望の透過率範囲閾値内の、実質的に第1の吸着剤層12及び/または第2の吸着剤層14の厚さにわたって(
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に)測定されることができる透過率値を望ましくは有することができる。
【0024】
任意選択で、熱伝導性材料は、吸着剤構造の第1の吸着剤層及び/または第2の吸着剤層内で及び/またはその上で使用されることができる。1つのこうした実施形態において、熱伝導性材料は、実質的に連続または不連続であり、任意選択で、1つまたは複数の吸着剤材料と直接接触状態にある、縦(
図1に示すX軸に実質的に平行な、沿う)方向及び/または横(
図1に示すY軸に実質的に平行な、沿う)方向及び/または吸着剤層に関して縦方向及び横方向の間の任意の方向及び/または流体ストリームの流れ方向に配向または構成されることができる。流体ストリームは、例えば、平行通路コンタクター内の、多成分流体ストリームまたはフィードストリーム、脱着/再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームである。例えば、熱伝導性材料は、吸着剤構造1の第1の吸着剤層12内で使用され構成されて、吸着剤構造1の実質的に縦の(
図1に示すX軸に実質的に平行な)方向に熱を伝達することができる、及び/または、熱伝導性材料は、吸着剤構造1の第2の吸着剤層14内で使用され構成されて、吸着剤構造1の実質的に横の(
図1に示すY軸に実質的に平行な)方向に熱を伝達することができる。または、熱伝導性材料は、吸着剤構造1の、第1の吸着剤層12及び/または第2の吸着剤層14内で、使用され構成されて、吸着剤構造1の実質的に縦の(
図1に示すX軸に実質的に平行な)方向に及び/または吸着剤構造1の実質的に横の(
図1に示すY軸に実質的に平行な)方向に熱を伝達することができる。一実施形態において、熱伝導性材料は、望ましくは、実質的に連続であることができる、及び/または、吸着剤構造の吸着剤層の実質的に端から端にまたは小面から小面に(
図1に示すX軸及び/またはY軸に実質的に平行に)延在することができる。別の実施形態において、熱伝導性材料は、縦方向及び横方向の少なくとも一方において所定の範囲で不連続であるまたは周期的であることができる。一実施形態において、適した熱伝導性材料は、例えば、炭素フィラメント、炭素布、金属フィラメント、及び金属フィルムまたはフォイル、あるいはその組合せを含むことができるが、それに限定されない。吸着剤材料内で及び/または吸着剤材料と接触状態で例示的な熱伝導性材料を使用する例示的な吸着剤コンタクター構造は、「PARALLEL PASSAGE FLUID CONTACTOR STRUCTURE」という名称の米国特許第8,940,072号として現在登録(grant)されている出願人の米国特許出願第13/203,714号、及び、「METHOD OF ADSORPTIVE GAS SEPARATION USING THERMALLY CONDUCTIVE CONTACTOR STRUCTURE」という名称の米国特許第8,900,347号として現在登録(grant)されている米国特許出願第13/891,319号に開示され、それらの内容は、全ての目的でその全体が本明細書に組込まれる。米国特許出願第13/203,714号及び米国特許出願第13/891,319号は共に、コンタクターであって、縦方向に配向する平行流体流通路と、それぞれの隣接する流体流通路の間のセル壁と、セル壁表面内に埋め込まれるまたはセル壁表面間に位置する軸方向に連続な熱伝導性フィラメントであって、コンタクターの縦方向に熱エネルギーを伝達することができる、熱伝導性フィラメントとを備える、コンタクターを開示する。例えば、米国特許出願第13/203,714号及び米国特許出願第13/891,319号は、縦方向に熱エネルギーを伝達することができる縦方向に(
図1に示すX軸に実質的に沿うまたは平行な方向に)配向する熱伝導性フィラメントを備えるコンタクターを開示する。
【0025】
一態様において、例示的な吸着剤構造1は、第1の吸着剤層12であって、例えば、布、メッシュ、マット、またはシートの形態の炭素、グラフェン、金属、または他の熱伝導性材料を含むことができる、第1の吸着剤層内のオプションの熱伝導性材料または吸着剤支持体上で支持された、少なくとも第1の吸着剤材料(例えば、活性炭、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ、または疎水性ゼオライト吸着剤材料、及び任意選択で適したバインダー材料)を有する第1の吸着剤層12と、少なくとも第2の吸着剤材料(例えば、親水性ゼオライト、ゼオライト、または金属有機構造体(MOF:metal organic framework)吸着剤材料、及び任意選択で適したバインダー材料)を有し、例えば、布、メッシュ、マット、またはシートの形態の炭素、グラフェン、金属、または他の熱伝導性材料を含むことができる、オプションの熱伝導性材料または吸着剤支持体上に支持された第2の吸着剤層14と、第1の吸着剤層12と第2の吸着剤層14との間の障壁層10とを備えることができる。一実施形態において、障壁層10は、第1及び第2の吸着剤層12及び14の間でまたは障壁層10の厚さを通して、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に、少なくとも1つのガスまたは液体種の拡散を遅延させる及び/または制御するように働くことができるような、実質的に不透過性の、選択的に透過性または制御可能に透過性の、または他の適した障壁層を備えることができる。一実施形態において、障壁層10は、金属(アルミニウムフォイル等)、膜、炭素、及びグラフェン(グラフェンフレーク等)材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。特定の実施形態において、障壁層10は、約5μm以下の厚さ、及び、例えば蒸気等の少なくとも1つの所望のガスまたは流体種に関して約10
-8m
2以下の透過率を有することができる。1つのこうした実施形態において、吸着剤構造は、例えば、脱着/再生流体として蒸気を使用する吸着ガス分離プロセスにおいて、吸着剤構造内の吸着剤材料の総量の少なくとも一部分として、例えば親水性ゼオライトを含む親水性吸着剤材料の使用を有利に可能にすることができる。障壁層は、吸着剤層(脱着または再生流体、例えば蒸気ストリームが直接接触状態になることができる障壁層の対向側面上に構成される)の吸着剤材料、例えば、親水性吸着剤材料を、脱着または再生流体であって、接触すると、吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料または特に吸着剤層の親水性吸着剤材料を通常不活性化する、飽和させる、及び/または汚染する場合がある、脱着または再生流体との直接接触から実質的に分離し保護するために使用されることができる。
【0026】
一実施形態において、吸着剤構造、例えば吸着剤構造1は、
1)第1の吸着剤層、例えば、第1の吸着剤層12であって、1つまたは複数の吸着剤材料及び
・適したバインダー材料、
・熱伝導性材料、例えば、炭素材料、グラフェン材料、金属材料を任意選択で、含む、例えば、布、メッシュ、またはシートの形態の吸着剤支持体、
・活性炭吸着剤材料、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ吸着剤材料、疎水性ゼオライト吸着剤材料、または疎水性吸着剤材料を更に含む吸着剤材料、
・吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティ、例えば、疎水性、透過率、または孔サイズを有する吸着剤材料であって、吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティの少なくとも1つは、第2の吸着剤層の吸着剤材料の吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティの少なくとも1つと異なる、吸着剤材料、
・例えば約10
-12m
2以上または詳細には約10
-11m
2以上の、例えば所望の透過率閾値以上の、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向の実質的に第1の吸着剤層の厚さにわたる透過率値、
・例えば、約10
-6m
2~10
-13m
2、詳細には約10
-7m
2~10
-12m
2、またはより詳細には約10
-8m
2~10
-11m
2の所望の透過率範囲閾値内の、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向の実質的に第1の吸着剤層の厚さにわたる透過率値、
・実質的に連続または不連続であり、任意選択で、1つまたは複数の吸着剤材料と直接接触状態にあり、縦(例えば、
図1に示すX軸に実質的に沿うまたは平行な)方向及び/または横(例えば、
図1に示すY軸に実質的に沿うまたは平行な)方向または縦方向及び横方向の間の任意の方向に配向または構成される熱伝導性材料、
・例えば、炭素フィラメント、炭素布、炭素メッシュ、金属フィラメント、及び金属フィルムまたはフォイル、あるいはその組合せを含む熱伝導性材料、
のうちの少なくとも1つを含む、第1の吸着剤層、例えば、第1の吸着剤層12と、
2)第2の吸着剤層、例えば、第2の吸着剤層14であって、1つまたは複数の吸着剤材料及び
・適したバインダー材料、
・熱伝導性材料、例えば、炭素材料、グラフェン材料、金属材料を任意選択で、含む、例えば、布、メッシュ、またはシートの形態の吸着剤支持体;
・(親水性)ゼオライト吸着剤材料、親水性吸着剤材料、または金属有機構造体(MOF)吸着剤材料を更に含む吸着剤材料、
・吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティ、例えば、疎水性、透過率、または孔サイズを有する吸着剤材料であって、吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティの少なくとも1つは、第1の吸着剤層の吸着剤材料の吸着剤材料組成、物理的特性及び/またはプロパティの少なくとも1つと異なる、吸着剤材料、
・例えば約10
-12m
2以上のまたは詳細には約10
-11m
2以上の所望の透過率閾値以上の、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向の実質的に第2の吸着剤層の厚さにわたる透過率値、
・例えば、約10
-6m
2~10
-13m
2、詳細には約10
-7m
2~10
-12m
2、またはより詳細には約10
-8m
2~10
-11m
2の所望の透過率範囲閾値内の、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向の実質的に第2の吸着剤層の厚さにわたる透過率値、
・実質的に連続または不連続であり、任意選択で、1つまたは複数の吸着剤材料と直接接触状態にあり、縦(例えば、
図1に示すX軸に実質的に沿うまたは平行な)方向及び/または横(例えば、
図1に示すY軸に実質的に平行な)方向または縦方向及び横方向の間の任意の方向に配向または構成される熱伝導性材料、及び、
・例えば、炭素フィラメント、炭素布、炭素メッシュ、金属フィラメント、及び金属フィルムまたはフォイル、あるいはその組合せを含む熱伝導性材料、
のうちの少なくとも1つを含む、第2の吸着剤層、例えば、第2の吸着剤層14と、
3)任意選択で、第1の吸着剤層及び第2の吸着剤層の間に挿入された、両者と熱連通状態にあり、両者と直接接触状態にある障壁層、例えば障壁層10であって、
・例えば、約10W/m・K、詳細には約100W/m・K、またはより詳細には約200W/m・Kの所望の熱伝導率閾値以上の熱伝導率を望ましくは有する熱伝導性材料、
・1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)あるいは他の流体に対して実質的に不透過性である材料、
・1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)あるいは他の流体に対して半透過性である材料、
・例えば第1の吸着剤層のほぼ透過率値以下、第2の吸着剤層のほぼ透過率値以下、または、約10
-6m
2以下、詳細には約10
-8m
2以下、より詳細には約10
-12m
2以下、更により詳細には約10
-13m
2以下の、所望の透過率閾値以下の、実質的に、障壁層の厚さにわたるまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向の(例えば、
図1に示すZ軸に実質的に沿う方向の)透過率値;
・例えば、約10
-6m
2~10
-17m
2、詳細には約10
-8m
2~10
-15m
2、より詳細には約10
-12m
2~10
-15m
2、またはなおより詳細には約10
-13m
2~10
-15m
2の所望の透過率範囲閾値内の、実質的に、障壁層10の厚さにわたるまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向の(例えば、
図1に示すZ軸に実質的に沿う方向の)透過率値、
・金属(アルミニウム及びアルミニウム合金等)、膜、ポリマー、または炭素材料(炭素分子ふるい等)、酸化グラファイト、グラフェン、グラフェンフレーク、剥離グラフェン、及び剥離グラフェンフレークの少なくとも1つの材料組成、
・低熱容量、及び、
・約1000μm以下、より詳細には約100μm以下、更により詳細には約10μm以下、または更により詳細には約5μm以下の(例えば、
図1に示すZ軸に実質的に沿う方向の)材料厚さ
のうちの少なくとも1つを含む、障壁層、例えば障壁層10とを備える。
【0027】
オプションの実施形態において、吸着剤構造は、第2の吸着剤層に並置され(隣接しかつ接触状態で設置され)、それと熱連通状態にあり、それと直接接触状態にある、第1の吸着剤層を備え、第1の吸着剤層は少なくとも第1の吸着剤材料を更に含み、第2の吸着剤層は少なくとも第2の吸着剤材料を更に含み、第1の吸着剤材料の少なくとも1つの吸着剤材料組成、物理特性またはプロパティ、例えば疎水性度、透過率、または孔サイズは第2の吸着剤材料のそれらと異なる。こうした実施形態において、吸着剤構造は、任意選択で、適した結合材料、熱伝導性材料、及び/または熱伝導性材料を任意選択で有する吸着剤支持体を含む。例示的な実施形態において、吸着剤構造は、少なくとも第2の吸着剤材料、例えば、(親水性)ゼオライト吸着剤材料、親水性吸着剤材料、または金属有機構造体(MOF)吸着剤材料を有する第2の吸着剤層に並置された、少なくとも第1の吸着剤材料、例えば、活性炭吸着剤材料、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ吸着剤材料、疎水性ゼオライト吸着剤材料、または疎水性吸着剤材料を有する第1の吸着剤層を備える。第2の吸着剤層に並置された第1の吸着剤層を備える吸着剤構造は、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層と間の、及び、それぞれの吸着剤材料の間の熱伝達及び熱伝導率を有利に増加させることができる。
【0028】
オプションの実施形態において、吸着剤構造は、第2の吸着剤層に並置され、それと熱連通状態にあり、それと直接接触状態にある、障壁層を備え、第2の吸着剤層は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば、(親水性)ゼオライト吸着剤材料、親水性吸着剤材料、または金属有機構造体(MOF)吸着剤材料等の第2の吸着剤材料を更に含む。任意選択で、第2の吸着剤層は、適した結合材料、熱伝導性材料、及び/または吸着剤支持体(熱伝導性材料を任意選択で有する)の1つまたは複数を含む。障壁層は、拡散遅延剤または障壁として機能することができ、拡散遅延剤または障壁は、1つまたは複数のガスまたは例えば蒸気の形態の水等の流体に対して、例えば半透過性または実質的に不透過性であることができる。1つのこうした実施形態において、障壁層は、例えば
図1に示す実質的にZ軸に沿う方向に、障壁層の厚さを通して1つまたは複数のこうしたガスの望ましくは制御された移送レートを提供するために、1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)に対して半透過性である材料を含むことができる。
【0029】
オプションの実施形態において、吸着剤構造は、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層の間に挿入され、それらと熱連通状態にあり、それらと直接接触状態にある、障壁層を備え、第1の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料を含み、第2の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料を含み、吸着剤材料は、吸着剤組成、物理的特性、及び/またはプロパティが実質的に同様である。こうした実施形態において、吸着剤構造の第1及び第2の吸着剤層は、任意選択で、適した結合材料、熱伝導性材料、及び/または熱伝導性材料を任意選択で有する吸着剤支持体を含む。例えば、吸着剤構造は、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層の間に挿入された障壁層を備え、第1及び第2の吸着剤層の吸着剤材料の組成は、実質的に同様であり、任意の適した吸着剤材料を含むことができ、任意の適した吸着剤材料は、例えば、活性炭吸着剤材料、ポリエチレンイミンでドープされたシリカ吸着剤材料、疎水性または親水性ゼオライト吸着剤材料、疎水性吸着剤材料、金属有機構造体(MOF)吸着剤材料、アミン材料、及びその組合せを含む。
【0030】
一実施形態において、平行通路コンタクターは、少なくとも1つの流体通路を画定する複数の吸着剤層と、5つ以上の小面(または詳細には6つ以上の小面)であって、平行通路コンタクターの小面が、1つまたは複数の吸着剤層あるいは1つまたは複数の吸着剤構造によって少なくとも部分的に実質的に画定されることができる、5つ以上の小面と、少なくとも、対向する小面(例えば、第1の小面と第2の小面)の間に第1の距離を有する対向する小面の第1のセット、及び、対向する小面(例えば、第3の小面と第4の小面)の間に第2の距離を有する対向する小面の第2のセットであって、第1の距離がほぼ第2の距離以上である(または、第2の距離がほぼ第1の距離以下である)、少なくとも対向する小面の第1のセット及び対向する小面の第2のセットとを備えるように構成されることができ、対向する小面の第1及び第2のセットの小面(例えば、第1、第2、第3、及び第4の小面)は、流体ストリームを受入れる及び/または回収するための少なくとも1つの流体通路に流体接続された少なくとも1つのポートを有する。平行通路コンタクター、吸着剤層、及び/または吸着剤構造の少なくとも1つの外周は、平行通路コンタクターの小面を少なくとも部分的に画定することができる。任意選択で、対向する小面の第1のセット及び対向する小面の第2のセットは共通小面を共有することができる。例えば、5つの小面を持つように構成される平行通路コンタクターは、複数の三角形状吸着剤層及び/または吸着剤構造の間に挿入された1つまたは複数の流体通路を備えることができ、一方、6つの小面を持つように構成される平行通路コンタクターは、複数の三角形状または四角形状吸着剤層及び/または吸着剤構造の間に挿入された1つまたは複数の流体通路を備えることができる。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態による、複数の吸着剤構造1a、1b、及び1cを備える例示的な平行通路コンタクター2を示し、吸着剤構造1a、1b、及び1cの外周、及び/または、吸着剤層12及び14の外周は、第1の小面30、第2の小面32、第3の小面34、及び第4の小面36を部分的に画定することができる。1つのこうした実施形態において、例えば、第1の吸着剤構造1a、第2の吸着剤構造1b、及び第3の吸着剤構造1cは、第1の流体通路16の少なくとも一部分及び第2の流体通路18の少なくとも一部分を境界付けるまたは画定するために例示的な平行通路コンタクター構造2内に望ましくは構成されることができる。一態様において、複数の吸着剤構造は、少なくとも1つの第1の吸着剤層、例えば第1の吸着剤層12によって境界付けられたまたは画定された第1の通路16、及び、少なくとも1つの第2の吸着剤層、例えば第2の吸着剤層14によって境界付けられたまたは画定された第2の通路18が、複数通路平行通路コンタクター内で望ましくは互い違いになることができるように構成されることができる。一実施形態において、第1の流体通路16及び第2の流体通路18は、平行通路コンタクター内で望ましくは、実質的に流体的に離れていることができる。一態様において、例示的な吸着剤構造1a、1b、及び1cは、望ましくは、
図1に示し上述した吸着剤構造1と実質的に同様である。しかし、吸着剤構造1bは、吸着剤構造1bの第1の吸着剤層12が吸着剤構造1aの第1の吸着剤層12に隣接しまたは並置状態にあるように平行通路コンタクター2内で構成され、それにより、第1の流体通路16の少なくとも一部分を画定するまたは境界付けることができる。同様に、一態様において、吸着剤構造1bの第2の吸着剤層14は、望ましくは、吸着剤構造1cの第2の吸着剤層14に隣接しまたは並置状態にあり、それにより、第2の流体通路18の少なくとも一部分を画定するまたは境界付けることができる。1つのこうした実施形態において、第1の流体通路16の1つまたは複数の壁の少なくとも一部分は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料を有する1つまたは複数の第1の吸着剤層12によって境界付けられることができる及び/または画定(またた形成)されることができる。第2の流体通路18の1つまたは複数の壁の少なくとも一部分は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料を有する1つまたは複数の第2の吸着剤層14によって境界付けられることができる及び/または画定(またた形成)されることができる。
【0032】
一実施形態において、平行通路コンタクター2ならびに吸着剤構造1a、1b、及び1cは、縦距離または縦軸に実質的に平行な第1の距離(例えば、吸着剤層及び/または平行通路コンタクター2の第1の小面30から、。吸着剤層及び/または平行通路コンタクター2の対向するまたは第2の小面32までの、
図2に示すX軸に実質的に平行な距離)及び横距離または横軸に実質的に平行な第2の距離(例えば、吸着剤層及び/または平行通路コンタクター2の第3の小面34から、吸着剤層及び/または平行通路コンタクター2の対向するまたは第4の小面36までの、
図2に示すY軸に実質的に平行な距離)を含むように構成され、ほぼ縦の又は第1の距離はほぼ横のまたは第2の距離以上であることができる、または、ほぼ横のまたは第2の距離はほぼ縦の又は第1の距離以下であることができる。例示的な吸着剤構造1a、1b、および1cは障壁層10を備えるが、必要ではない。
【0033】
一態様において、1つまたは複数のシールまたは密封構造(全て
図2に示さず)は、第1の流体通路16の少なくとも一部分及び/または第2の流体通路18の少なくとも一部分を密封し、境界付ける及び/または画定するために使用されることができる。スペーサ(適した知られている間隔をあける特徴部またはデバイス等)(全て
図2に示さず)は、任意選択で、吸着剤構造1a、1b、及び1cを分離し、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18を画定するのを補助するために使用されることができる。オプションの態様において、更なる吸着剤構造(全て
図2に示さず)は、平行通路コンタクターの第1の流体通路及び第2の流体通路を増加させるために使用されることができ、流体通路は、平行通路コンタクター内で第1の流体通路16(第1の吸着剤層12によって少なくとも部分的に境界付けられる)と第2の流体通路18(第2の吸着剤層14によって少なくとも部分的に境界付けられる)との間で互い違いになるように構成されることができ、例えば、平行通路コンタクターは、複数の吸着剤構造、複数の第1の流体通路、及び複数の第2の流体通路を備えることができ、複数の吸着剤構造は、複数の第1の流体通路及び複数の第2の流体通路を形成及び/または画定する(全て
図2に示さず)。一実施形態において、第1の流体通路16は複数の第2の流体通路18の間に挿入されることができる、または、第2の流体通路18は複数の第1の流体通路16の間に挿入されることができる。任意選択で、平行通路コンタクターの一方または両方の端または小面(例えば、
図2に示すZ軸の1つまたは複数の小面)における吸着剤構造は、第1の吸着剤層12及び第2の吸着剤層14を備える必要がない(例えば、吸着剤構造1aは第2の吸着剤層14を備える必要がない及び/または吸着剤構造1cは第1の吸着剤層12を備える必要がない)。1つのこうしたオプションの実施形態において、吸着剤構造1aは第1の吸着剤層12及び障壁層10を備えることができる及び/または吸着剤構造1cは第2の吸着剤層14及び障壁層10を備えることができる(全て
図2に示さず)。同様に任意選択で、1つまたは複数のバッフルまたは適した知られている間隔をあける特徴部またはデバイスは、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18内で使用されて、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18内を流れることを許容された流体ストリームの流れを方向付けることができる。
【0034】
一実施形態において、平行通路コンタクター2は、第1のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第1の小面30上に実質的に構成され、1つまたは複数の第1の流体通路16及び1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば多成分流体ストリームを、フィードガスストリームまたは第1の生成物ストリームとして、平行通路コンタクター2の1つまたは複数の第1の流体通路16及び1つまたは複数の第2の流体通路18内に受入れるまたは回収する、第1のポートと、第2のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第2の小面32上に実質的に構成され、平行通路コンタクター2の1つまたは複数の第1の流体通路16及び1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば第1の生成物ストリーム、多成分流体ストリームを、フィードガスストリームとして、平行通路コンタクター2の1つまたは複数の第1の流体通路16及び1つまたは複数の第2の流体通路18から回収するまたは受入れる、第2のポートと、第3のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第3の小面34上に実質的に構成され、1つまたは複数の第1の流体通路16及び任意選択で1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば、脱着または再生流体ストリーム、任意選択でパージ流体ストリーム、任意選択で冷却用流体ストリーム、及び/または第2の生成物ストリームを、平行通路コンタクター2の1つまたは複数の第1の流体通路16及び任意選択で1つまたは複数の第2の流体通路18内に受入れるまたは回収する、第3のポートと、第4のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第4の小面36上に実質的に構成され、1つまたは複数の第1の流体通路16及び任意選択で1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば、第2の生成物ストリームあるいは脱着または再生流体ストリーム、任意選択でパージ流体ストリーム、任意選択で及び/または冷却用流体ストリームを、平行通路コンタクター2の1つまたは複数の第1の流体通路16及び任意選択で1つまたは複数の第2の流体通路18から回収するまたは受入れる、第4のポートとを備えることができる。第1の対向する小面セットは、第1の小面30及び第2の小面32を備え、実質的に第1の小面30と第2の小面32との間に第1の距離を有することができ、第2の対向する小面セットは、第3の小面34及び第4の小面36を備え、実質的に第3の小面34と第4の小面36との間に第2の距離を有することができる。代替の実施形態において、平行通路コンタクター2は、第5のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第3の小面34上に実質的に構成され、1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば、脱着または再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームを受入れるまたは回収する、第5のポートを備えることができる。別の代替の実施形態において、平行通路コンタクター2は、第6のポート(
図2に示さず)であって、平行通路コンタクター2の小面、例えば第4の小面36上に実質的に構成され、1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば、脱着または再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームを受入れるまたは回収する、第6のポートを備えることができる。任意選択で、平行通路コンタクター2は、第6のポート(
図2に示さず)であって、小面、例えば第4の小面36上に実質的に構成され、1つまたは複数の第2の流体通路18に流体接続されて、例えば、脱着または再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームを受入れるまたは回収する、第6のポートを備えることができる。
【0035】
代替の実施形態において、平行通路コンタクター2は、平行通路コンタクター2の共通小面、例えば第1の小面30上に実質的に構成される、第1のポート、及び第3のポートまたは第4のポートの少なくとも1つ、及び任意選択で第5のポートまたは第6のポート(全て
図2に示さず)の少なくとも1つと、平行通路コンタクター2の共通小面、例えば第2の小面32上に実質的に構成される、第2のポート、及び第3のポートまたは第4のポートの少なくとも1つ、及び任意選択で第5のポートまたは第6のポート(全て
図2に示さず)の少なくとも1つを備えることができ、任意選択で、1つまたは複数のバッフルは、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18内に使用されて、共通小面上に実質的に構成される複数のポートを分離する、及び/または、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18内を流れることを許容される流体ストリームの流れを方向付けることができ、1つまたは複数のバッフルは、共通小面に実質的に交差し、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18内に延在することができる(全てのポート及びバッフルは
図2に示さず)。一態様において、第1のポート、第2のポート、第3のポート、第4のポート、オプションの第5のポート、及びオプションの第6のポート(全て
図2に示さず)の少なくとも1つは、例えば、ゲート弁、軸またはヒンジの周りに回転可能なゲート式弁、あるいは共通軸の周りの複数の同心シール等の適したシールによって実質的に密封されることができる。
【0036】
一実施形態において、平行通路コンタクターは、第1のポートと第2のポートとの間の縦のまたは第1の距離及び第3のポートと第4のポートとの間の横のまたは第2の距離を含むことができ、第1の距離は第2の距離以上である、または、第2の距離は第1の距離以下であり、任意選択で、第1のポート及び/または第2のポートは第3のポート及び/または第4のポートに実質的に垂直に(厳密にまたはほぼ垂直に)構成される。
【0037】
代替の実施形態において、平行通路コンタクターは、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層の間に挿入され、それらと熱連通状態にあり、それらと直接接触状態にある、障壁層を更に備える複数の吸着剤構造を備えることができ、第1の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料を含み、第2の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料を含み、吸着剤材料は、吸着剤組成、物理的特性、及び/またはプロパティが実質的に同様である。
【0038】
代替の実施形態において、平行通路コンタクターは、第2の吸着剤層に並置され、それと熱連通状態にあり、それと直接接触状態にある、第1の吸着剤層を更に備える複数の吸着剤構造を備えることができ、第1の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料を有し、第2の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料を有し、第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤材料は、吸着剤材料組成、物理特性、及び/またはプロパティの少なくとも1つにおいて異なる。平行通路コンタクターは、複数の第1の吸着剤層の間に挿入された1つまたは複数の第1の流体通路(例えば、複数の第1の吸着剤層は第1の流体通路の少なくとも一部分を画定することができる)及び複数の第2の吸着剤層の間に挿入された1つまたは複数の第2の流体通路(例えば、複数の第2の吸着剤層は第2の流体通路の少なくとも一部分を画定することができる)を同様に備えることができる。
【0039】
代替の実施形態において、平行通路コンタクターは、第2の吸着剤層に並置され、それと熱連通状態にあり、それと直接接触状態にある、障壁層を更に備える複数の吸着剤構造を備えることができ、第2の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)を含む。平行通路コンタクターは、複数の障壁層の間に挿入された少なくとも1つの第1の流体通路(例えば、障壁層は第1の流体通路を少なくとも部分的に画定することができる)及び複数の第2の吸着剤層の間に挿入された少なくとも1つの第2の流体通路(例えば、複数の第2の吸着剤層は第2の流体通路の少なくとも一部分を画定することができる)を同様に備える。任意選択で、第2の吸着剤層は、適した結合材料、熱伝導性材料、及び/または熱伝導性材料を任意選択で有する吸着剤支持体を含む。障壁層は、拡散遅延剤または障壁として機能することができ、拡散遅延剤または障壁は、1つまたは複数のガスまたは例えば蒸気の形態の水等の流体に対して、例えば半透過性または実質的に不透過性であることができる。1つのこうした実施形態において、障壁層は、例えば
図2に示す実質的にZ軸に沿う方向に、障壁層の厚さを通して1つまたは複数のこうしたガスの望ましくは制御された移送レートを提供するために、1つまたは複数のガス(及び/または蒸気の形態の水)に対して半透過性である材料を含むことができる。
【0040】
上述した実施形態の吸着剤構造及び平行通路コンタクターは、利点であって、例えば、本明細書で述べる或る実施形態の吸着ガス分離プロセスを使用可能にすることと、平行通路コンタクターの第2の流体通路内への再生または脱着流体ストリームの受入れを実質的になくしまたは低減しながら、平行通路コンタクターの第1の流体通路内に再生または脱着流体ストリームを受入れることによって、両方の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の再生または脱着を可能にすること、平行通路コンタクターの吸着剤層、例えば第2の吸着剤層の吸着材料に対する再生または脱着流体ストリームの接触または曝露を低減すること、第1の吸着剤層を介して第2の吸着剤層に、また任意選択で障壁層から移送されることができる脱着流体ストリームからの熱を利用することと、第1の吸着剤層を介して第2の吸着剤層への、また任意選択で障壁層からの脱着または再生流体の受入れを受動的に制御することを含む、利点を提供することができる。これは、例えば、再生または脱着流体の1つまたは複数の成分または種の吸着、吸着剤材料の汚染、及び/または、浸食または洗浄による第2の吸着剤層の吸着剤材料の喪失による第2の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料の吸着容量の喪失を低減することと、脱着または再生流体ストリームとして蒸気ストリームを使用しながら、第2の吸着剤層内での親水性吸着剤材料の使用を可能にすることと、平行通路コンタクター内に受入れられる再生または脱着流体の量を低減すること、例えば、吸着ガス分離プロセスの蒸気比を低減することとを有利にもたらすことができ、それは、吸着ガス分離プロセス及び吸着ガス分離機のエネルギー消費、資本コスト、及び/または運転コストを更に低減することができる。本明細書で述べた実施形態の吸着剤構造及び平行通路コンタクターの他の利点は、種々の流体ストリーム、例えば、フィードストリーム、再生または脱着流体ストリーム、及び冷却用流体ストリームが、平行通路コンタクターの3つ以上の小面から受入れられるまたは回収されることを可能にし、平行通路コンタクターを通るフィードストリームの望ましいより長い移動距離を維持しながら、例えば、脱着または再生流体ストリームが平行通路コンタクターを通るより短い距離を移動することを可能することを含み、それは、流体ストリーム、例えば脱着または再生流体ストリームについてのより短い滞留時間、吸着剤材料上での望ましくない成分の吸着の低減、利用可能な吸着容量の喪失の低減、及び平行通路コンタクターにわたる圧力降下の低減を有利にもたらすことができる。
【0041】
一実施形態において、平行通路コンタクター2、吸着剤構造1a、1b、及び1cは、任意の適した形状、サイズ、及び配向に従って構成されることができ、吸着ガス分離機内で、固定であることができる、または代替的に、可動である、例えば、回転することができる、また、本発明の一態様に従って本明細書で述べたような例示的な吸着ガス分離プロセスで使用するための任意の適した構成で有利に使用されることができる。
【0042】
本発明のプロセスの実施形態において、吸着ガス分離プロセスであって、複数の吸着剤構造(
図1に示され上述された)、1つまたは複数の第1の流体通路、及び1つまたは複数の第2の流体通路を更に備える少なくとも1つの実施形態の平行通路コンタクター(
図2に示され上述された)を備える吸着ガス分離機において、多成分流体混合物またはストリーム(例えば、煙道ガスストリーム、燃料燃焼器によって生成される燃焼後ガスストリーム、または天然ガスストリーム)から、少なくとも第1の成分、例えば二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物、または酸素を分離するための、吸着ガス分離プロセスが提供される。吸着剤構造は、少なくとも1つの吸着剤材料(例えば、第1の吸着剤材料)を有する第1の吸着剤層と、少なくとも1つの吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)を有する第2の吸着剤層と、任意選択で、第1の吸着剤層と第2の吸着剤層の間に挿入され、それらとの直接接触を通して熱連通状態にある、障壁層とを備えることができる。一態様において、第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤材料は、吸着剤材料組成、物理特性、及び/またはプロパティ、例えば、吸着剤化学組成、疎水性度、吸着容量、または多孔性の少なくとも1つにおいて異なることができる。別の態様において、障壁層は、熱伝導性材料を含むことができ、特に、こうした態様は、例えば、約10W/m・K、詳細には約100W/m・K、またはより詳細には約200W/m・Kの所望の熱伝導率閾値以上の熱伝導率を望ましくは有することができる。別の態様において、障壁層は、実質的に、障壁層の厚さにわたるまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向の(例えば、
図1及び
図2に示す実質的にZ軸に沿う方向の)透過率値であって、例えば、第1の吸着剤層及び/または第2の吸着剤層の少なくとも一方のほぼ透過率値以下の、あるいは、約10
-6m
2以下、詳細には約10
-8m
2以下、より詳細には約10
-12m
2以下、更により詳細には約10
-13m
2以下の、所望の透過率閾値以下の、透過率値を含むことができる。別のこうした態様において、障壁層は、実質的に、障壁層の厚さにわたるまたは第1及び第2の吸着剤層の間の方向の透過率値であって、例えば、約10
-6m
2~10
-17m
2、詳細には約10
-8m
2~10
-15m
2、より詳細には約10
-12m
2~10
-15m
2、または更により詳細には約10
-13m
2~10
-15m
2の所望の透過率範囲閾値内にある、透過率値を含むことができる。吸着剤構造は、第1の流体通路と第2の流体通路との間に挿入されることができ、第1の流体通路及び第2の流体通路が平行通路コンタクター内で互い違いになる複数の吸着剤構造が構成されることができるが、そうである必要はない。第1の流体通路の少なくとも一部分は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料を有する第1の吸着剤層によって形成または画定されることができる。第2の流体通路の少なくとも一部分は、少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料を有する第2の吸着剤層によって形成または画定されることができる。
【0043】
1つのプロセスの実施形態において、多成分流体ストリームから少なくとも第1の成分を分離するための吸着ガス分離プロセスは、
(a)平行通路コンタクターの1つまたは複数の第2の流体通路、任意選択で、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第1の流体通路内にフィードストリームとして多成分流体ストリームを受入れるステップであって、平行通路コンタクターは、
第1の吸着剤層と第2の吸着剤層との間に挿入されたオプションの障壁層を有する複数の吸着剤構造であって、第1の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料を有し、第2の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料を有し、任意選択で、第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤材料は、吸着剤材料組成、物理特性、及び/またはプロパティの少なくとも1つにおいて異なるが、層である必要はない、複数の吸着剤構造と、1つまたは複数の第1の流体通路であって、1つまたは複数の第1の流体通路の少なくとも一部分は1つまたは複数の第1の吸着剤層によって画定される、1つまたは複数の第1の流体通路と、1つまたは複数の第2の流体通路であって、1つまたは複数の第2の流体通路の少なくとも一部分は1つまたは複数の第2の吸着剤層によって画定される、1つまたは複数の第2の流体通路とを備える、
受入れるステップと、
フィードストリームを、第2の流体通路を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第2の吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料と、また任意選択で、第1の流体通路を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第1の吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料と接触させるステップと、
(b)第1の成分の少なくとも一部分を、第2の流体通路を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第2の吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料上に、また任意選択で、第1の流体通路を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第1の吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料上に吸着させるステップと、
(c)平行通路コンタクターの1つまたは複数の第2の流体通路、及び任意選択で平行通路コンタクターの1つまたは複数の第1の流体通路から、多成分流体ストリームまたはフィードストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的(「周期的(periodically)」は非連続的を示すが、必ずしも一定間隔を示さず、「少なくとも周期的(at least periodically)」は、連続性が可能であるが必要でないことを示す)に枯渇した第1の生成物ストリームを回収するステップと、
(d)脱着または再生流体ストリーム、例えば、水ストリーム、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、実質的に第1の成分を含む流体ストリーム、及び燃焼煙道ガスストリームを、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第1の流体通路内に受入れるステップであって、任意選択で、脱着または再生流体ストリームは、約60℃以上、好ましくは約80℃以上、またはより好ましくは約100℃以上の温度にあることができる、受入れるステップと、
(e)任意選択で、第1の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料を再生する(例えば、第1の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料を加熱すること等の温度スイング、分圧スイング、圧力スイング、スイープ、及び/または置換パージのうちの少なくとも1つによって、第1の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第1の吸着剤材料上に吸着された第1の成分の少なくとも一部分を脱着させる)ステップと、
(f)第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料を再生する(例えば、第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料を加熱することによって、第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料上に吸着された第1の成分の少なくとも一部分を脱着させる)ステップであって、熱は、
脱着または再生流体ストリームから、オプションの障壁層を通り、任意選択で第1の吸着剤層を介して、第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料、例えば第2の吸着剤材料に熱を移送することと、
脱着または再生流体ストリームの少なくとも一部分を、オプションの障壁層を通り、任意選択で第1の吸着剤層を介して拡散させ、脱着または再生流体ストリームの少なくとも一部分を第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料(例えば第2の吸着剤材料)と接触させ、第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料(例えば第2の吸着剤材料)上への脱着または再生流体ストリームの少なくとも一部分の吸着を通して吸着熱を放出すること
の少なくとも一方によって提供されることができる、再生するステップと、
(g)平行通路コンタクターの1つまたは複数の第1及び第2の流体通路の少なくとも1つの流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収するステップとを含む。
【0044】
オプションの実施形態において、ステップ(a)中に、プロセスは、少なくとも1つの平行通路コンタクターを備える吸着ガス分離機内に、フィードストリームとして多成分流体ストリームを受入れることを更に含むことができる。任意選択で、ステップ(d)に先立って、プロセスは、一実施形態による、平行通路コンタクター、平行通路コンタクターの1つ又は複数の第2の流体通路、また任意選択で、平行通路コンタクターの1つ又は複数の第1の流体通路内への多成分流体ストリームまたはフィードストリームの受入れを終了することを更に含むことができる。オプションの実施形態において、ステップ(d)及び/または(e)中に、プロセスは、第1の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料(例えば第1の吸着剤材料)上への脱着または再生流体ストリームの少なくとも一部分の吸着を通して吸着熱を放出することを更に含むことができる。別のオプションの実施形態において、ステップ(f)中に、プロセスは、脱着または再生流体ストリーム、例えば、水ストリーム、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、実質的に第1の成分を含む流体ストリーム、及び燃焼煙道ガスストリームを、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第2の流体通路内に受入れることを更に含むことができ、任意選択で、脱着または再生流体ストリームは、約60℃以上、好ましくは約80℃以上、またはより好ましくは約100℃以上の温度にあることができる。同様に、更なるオプションの実施形態において、ステップ(e)及び/または(f)の後に、プロセスは、平行通路コンタクターの1つ又は複数の第1の流体通路内への脱着または再生流体ストリームの受入れを終了することを更に含むことができる。任意選択で、ステップ(e)、(f)、及び/または(g)中に、プロセスは、真空または真空源を、平行通路コンタクター、任意選択で、吸着ガス分離機の第1の及び/または第2の流体通路に流体接続すること、平行通路コンタクターの第1の及び/または第2の流体通路内に真空を引込む(induce)こと、及び、平行通路コンタクターの第2の流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収することを更に含むことができる。別のオプションの実施形態において、ステップ(f)及び/または(g)中に、プロセスは、流体ストリーム、例えばパージまたはスイープガスストリームを平行通路コンタクターの第2の流体通路内に受入れることを更に含むことができる。
【0045】
一実施形態において、代替的に、ステップ(a)中に、プロセスは、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第2の流体通路、任意選択で、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第1の流体通路内にフィードストリームとして多成分流体ストリームを受入れることであって、平行通路コンタクターは、
第2の吸着剤層に並置された第1の吸着剤層を有する複数の吸着剤構造であって、第1の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料を有し、第2の吸着剤層は1つまたは複数の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料を有し、任意選択で、第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤材料は、吸着剤材料組成、物理特性、及び/またはプロパティの少なくとも1つにおいて異なる、複数の吸着剤構造と;1つまたは複数の第1の流体通路であって、1つまたは複数の第1の流体通路の少なくとも一部分は1つまたは複数の第1の吸着剤層によって少なくとも部分的に境界付けられるまたは画定される、1つまたは複数の第1の流体通路と;1つまたは複数の第2の流体通路であって、1つまたは複数の第2の流体通路の少なくとも一部分は1つまたは複数の第2の吸着剤層によって少なくとも部分的に境界付けられるまたは画定される、1つまたは複数の第2の流体通路とを備える、
受入れること;
フィードストリームを、第2の流体通路の少なくとも一部分を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第2の吸着剤層の吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料と、また任意選択で、第1の流体通路を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する吸着剤材料、例えば、第1の吸着剤材料と接触させることを含むことができる。
【0046】
代替の実施形態において、ステップ(a)中に、プロセスは、平行通路コンタクターの1つまたは複数の第2の流体通路内にフィードストリームとして多成分流体ストリームを受入れることであって、平行通路コンタクターは、
第2の吸着剤層に並置され、それと熱連通状態にあり、それと直接接触状態にある障壁層を有する複数の吸着剤構造であって、第2の吸着剤層は少なくとも1つの吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料を含む、複数の吸着剤構造と、1つまたは複数の障壁層によって少なくとも部分的に境界付けられるまたは画定される1つまたは複数の第1の流体通路(例えば、第1の流体通路は複数の障壁層の間に挿入されることができる)と、1つまたは複数の第2の吸着剤層によって少なくとも部分的に境界付けられるまたは画定される1つまたは複数の第2の流体通路(例えば、第2の流体通路は複数の第2の吸着剤層の間に挿入されることができる)とを備える、
受入れること、
フィードストリームを、第2の流体通路の少なくとも一部分を少なくとも部分的に境界付けるまたは画定する第2の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料、例えば、第2の吸着剤材料と接触させることとを含むことができる。
【0047】
本明細書で述べる実施形態の吸着ガス分離プロセスは、利点であって、例えば、平行通路コンタクターの第2の流体通路内への再生または脱着流体ストリームの受入れを実質的になくしまたは低減しながら、平行通路コンタクターの第1の流体通路内に再生または脱着流体ストリームを受入れることによって、両方の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の再生または脱着を可能にすることと、平行通路コンタクターの吸着剤層、例えば第2の吸着剤層の吸着材料に対する再生または脱着流体ストリームの接触または曝露を低減することと、及び、第1の吸着剤層を介して第2の吸着剤層に、また任意選択で障壁層から移送されることができる脱着流体ストリームからの熱を利用することと、第1の吸着剤層を介して第2の吸着剤層への、また任意選択で障壁層からの脱着または再生流体の受入れを受動的に制御することを含む、利点を提供することができる。これは、例えば、再生または脱着流体の1つまたは複数の成分または種の吸着、吸着剤材料の汚染、及び/または、浸食または洗浄による第2の吸着剤層の吸着剤材料の喪失による第2の吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料の吸着容量の喪失を低減することと、脱着または再生流体ストリームとして蒸気ストリームを使用しながら、第2の吸着剤層内での親水性吸着剤材料の使用を可能にすることと、平行通路コンタクター内に受入れられる再生または脱着流体の量を低減すること、例えば、吸着ガス分離プロセスの蒸気比を低減することとを有利にもたらすことができ、それは、吸着ガス分離プロセス及び吸着ガス分離機のエネルギー消費、資本コスト、及び/または運転コストを更に低減することができる。本明細書で述べた実施形態の吸着剤構造及び平行通路コンタクターの他の利点は、種々の流体ストリーム、例えば、フィードストリーム、再生または脱着流体ストリーム、及び冷却用流体ストリームが、平行通路コンタクターの3つ以上の小面から受入れられるまたは回収されることを可能にし、平行通路コンタクターを通るフィードストリームの望ましいより長い移動距離を維持しながら、例えば、脱着または再生流体ストリームが、平行通路コンタクターを通るより短い距離を移動することを可能にすることを含み、それは、流体ストリーム、例えば脱着または再生流体ストリームについてのより短い滞留時間、吸着剤材料の望ましくない成分の吸着の低減、利用可能な吸着容量の喪失の低減、及び平行通路コンタクターにわたる圧力降下の低減を有利にもたらすことができる。
【0048】
別の態様において、第1の吸着剤層12の吸着剤材料(例えば、第1の吸着剤材料)及び/または第2の吸着剤層14の吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)上に吸着された第1の流体成分の少なくとも一部分の吸着後に、例えば、上記ステップ(g)後に、吸着ガス分離プロセスは、オプションの冷却ステップを含むことができ、冷却ステップは、約60℃以下、詳細には約50℃以下、またはより詳細には約40℃以下の温度等、所望の再生後(post-regeneration)温度または前吸着(pre-adsorption)温度に、第1の吸着剤層12及び/または第2の吸着剤層14の吸着剤材料の少なくとも一部分を冷却するのに適した温度で、調整用ストリームまたは冷却用ストリーム、例えば空気ストリームまたは不活性ガスストリームを受入れることを含む。1つのこうした実施形態において、適した冷却用流体は、平行通路コンタクターの第1の流体通路16及び任意選択で平行通路コンタクターの第2の流体通路18及び任意選択で吸着ガス分離機内に受入れられることができる。特定のこうした実施形態において、冷却用流体の受入れは、第1の吸着剤層12の吸着剤の温度を下げること及び第2の吸着剤層14の吸着剤の温度を下げることを行うことができる。こうしたオプションの冷却に続いて、一実施形態において、プロセスは、例えば、第3の生成物ストリームを、第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18から、任意選択で平行通路コンタクター2から、また任意選択で吸着ガス分離機から回収することを更に含むことができる。こうした回収に続いて、更なるオプションの態様において、プロセスは、オプションの吸着ガス分離機、平行通路コンタクター2、ならびに第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18のうちの1つまたは複数内への調整用ストリームまたは冷却用ストリームの受入れを終了することを更に含むことができる。特定のこうした実施形態において、上述した冷却ステップが終了した後、吸着ガス分離プロセスのステップは、実質的に循環的なプロセスまたは吸着デバイスにおいて等で、順次、実質的に連続的に、または半連続的に反復されることができる。
【0049】
一実施形態において、例示的な平行通路コンタクター2を備える吸着ガス分離機を使用する吸着ガス分離プロセスは、脱着または再生流体ストリーム(例えば、蒸気または他の適した脱着ガスストリーム)、及び/またはエネルギーの消費を有利に低減して、吸着剤構造及び平行通路コンタクター2の第1の吸着剤層12の吸着剤材料(例えば、第1の吸着剤材料)及び/または第2の吸着剤層14の吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)を再生することができる。特定のこうした実施形態において、脱着または再生流体ストリーム24(例えば、蒸気または他の適した脱着ガスストリーム)は、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16内に受入れられ、第1の吸着剤層12の吸着剤材料(例えば、第1の吸着剤材料)の温度を上げかつ障壁層10を介して第2の吸着剤層14の吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)に熱を伝達するために使用され、第2の吸着剤層14の吸着剤材料(例えば、第2の吸着剤材料)上に吸着された1つまたは複数の成分の少なくとも一部分を脱着するための脱着熱を提供することができる。こうした実施形態において、低いまたは制限された透過率は、吸着剤構造の障壁層10の熱伝導率と共に、吸着剤構造が、親水性吸着剤材料またはより低い疎水性度閾値を有する吸着剤材料、例えばゼオライト吸着剤材料を、吸着剤構造のために使用される全体吸着剤材料の少なくとも一部分として使用することを有利に可能にすることができ、それは、他の疎水性吸着剤材料と比べて、材料コストの低減及び/または吸着容量の増加をもたらすことができる。
【0050】
本発明による更なるオプションの実施形態において、脱着または再生流体ストリーム24(例えば、蒸気ストリームまたは他の適した脱着ガスストリーム)は、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16内に受入れられ、第1の吸着剤層12の疎水性の第1の吸着剤材料の温度を上げかつ第1の吸着剤層12の疎水性の第1の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の少なくとも一部分を脱着するために脱着熱を提供するために使用されることができる。さらに、こうした実施形態において、選択的に透過性のある障壁層10は、例えばグラフェンシートまたは圧縮された剥離グラフェンフレーク等の選択的に透過性のある障壁層材料を含むことができ、選択的に透過性のある障壁層材料は、再生流体ストリーム24の拡散された部分、成分、または種の、疎水性の第2の吸着剤材料上への吸着を可能にするための、選択的に透過性のある障壁層10を横切って第2の吸着剤層14の親水性の疎水性の第2の吸着剤材料に至る再生流体ストリーム24(蒸気等)の一部分の選択的拡散、及び、再生流体ストリーム24の拡散された部分、成分、または種の吸着熱であって、第2の吸着剤層14の親水性の第2の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の少なくとも一部分を脱着するために望ましくは脱着熱を提供することができる、吸着熱の放出を望ましくは可能にすることができる。一態様において、選択的に透過性のある障壁層10は、同様に望ましくは、第1の吸着剤層12の吸着剤材料、例えば疎水性の第1の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の脱着中に、選択的に透過性のある障壁層10を通して、第1の吸着剤層12から第2の吸着剤層14に熱が伝達されるように、熱伝導性があるまたは高い熱伝導率を有して、第2の吸着剤層14の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の少なくとも一部分を脱着するために更なる脱着熱源を提供することができる。1つのこうした実施形態において、第1の吸着剤層12の疎水性の第1の吸着剤材料及び第2の吸着剤層14の親水性の第2の吸着剤材料及び選択的に透過性のある障壁層10を備える平行通路コンタクター2は、1つまたは複数の第2の流体通路18への脱着または再生ストリームの受入れを必要とすることなく、第2の吸着剤層14の親水性の第2の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の脱着を好ましくは行うことができ、第2の吸着剤層14の親水性の第2の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の脱着は、例えば、第1の吸着剤層12の脱着熱フロント(desorption thermal front)から、第2の吸着剤層14の吸着剤材料、例えば親水性の第2の吸着剤材料への熱の伝達(例えば、第1の吸着剤層12の吸着剤材料上に吸着された1つまたは複数の成分の脱着中の)、及び、障壁層10を通して拡散し第2の吸着剤層14上に吸着された脱着流体ストリームの拡散された部分、成分、または種の吸着熱の放出の一方または両方の組合せによって推進されることができる。こうした実施形態において、吸着剤構造2の選択的に透過性のある障壁層10は、吸着剤構造が、親水性吸着剤材料またはより低い疎水性度閾値を有する吸着剤材料、例えばゼオライト吸着剤材料を、吸着剤構造のために使用される全体吸着剤材料の少なくとも一部分として使用することを有利に可能にすることができ、それは、他の疎水性吸着剤材料と比べて、材料コストの低減及び/または吸着容量の増加をもたらすことができる。
【0051】
図3aは、本発明の一実施形態による吸着ガス分離プロセスの平行通路コンタクター2内に多成分流体ストリームをフィードストリームとして受入れるための受入れステップ、及び、平行通路コンタクター2から第1の生成物ストリームを回収するための回収ステップ中の平行通路コンタクター2を示す。多成分流体ストリームをフィードストリームとして受入れるための受入れステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(a)中に、フィードストリーム20は、平行通路コンタクター2の小面、例えば第1の小面30上に実質的に構成される第1のポート(
図2及び
図3aに示さず)を通して等で、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16及び第2の流体通路18内に受入れられて、第1の流体通路16、第2の流体通路18、及び平行通路コンタクター2の実質的に縦方向にまたは縦軸に沿って実質的に平行に(
図2及び
図3aに示すX軸に実質的に平行に)流れることができる。第1の生成物ストリームを回収するための回収ステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(c)中に、第1の生成物ストリーム22は、例えば、小面、例えば第2の小面32上に実質的に構成される第2のポート(
図2及び
図3aに示さず)を通して等で、任意選択で平行通路コンタクター2の第1の流体通路16及び/または第2の流体通路18から、少なくとも周期的に回収されることができる。第1の対向する小面セットは、第1の小面30及び第2の小面32を備え、第1の小面30と第2の小面32との間に或る距離、例えば第1の距離を有することができる。一実施形態において、受入れステップ、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(a)中に、多成分流体ストリーム、例えばフィードストリーム20は、平行通路2内に受入れられて、縦のまたは第1の距離だけ、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16及び第2の流体通路18を通して移動することができ、縦のまたは第1の距離は、フィードストリームが平行通路コンタクター2の第1の吸着剤層12の1つまたは複数の吸着剤材料及び/または第2の吸着剤層14の1つまたは複数の吸着剤材料と接触状態にある距離と、平行通路コンタクターの実質的に入口ポート(例えば、第1のポート)と出口ポート(例えば、第2のポート)との間の距離または長さと、実質的に平行通路コンタクターの対向する小面のセット(例えば、第1の対向する小面セット)の間の距離または長さと、実質的に第1の小面30と第2の小面32との間の距離または長さ、のうちの少なくとも1つとして規定されることができる。
【0052】
図3bは、本発明の一実施形態による吸着ガス分離プロセスの、脱着または再生流体ストリームを受入れるための受入れステップ、及び、第2の生成物ストリームを回収するための回収ステップ中の平行通路コンタクター2を示す。1つのこうした実施形態において、第1の流体通路16及び第2の流体通路18は、任意選択で、平行通路コンタクター2の、縦小面、例えば第1の小面30及び第2の小面32、ならびに、横小面、例えば第3の小面34及び第4の小面36にある壁または他の流体制限物(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)によって、また、第1の流体通路16と第2の流体通路18との間に位置する障壁層10によって等で、実質的に平行通路コンタクター2内で実質的に流体的に分離されることができる。一実施形態において、脱着または再生ストリームを受入れるための受入れステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(e)中に、脱着または再生ストリーム24、例えば、蒸気ストリームまたは他の適した脱着ガスストリームは、例えば、平行通路コンタクター2の小面、例えば第3の小面34上に実質的に構成される第3のポート(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)を介して平行通路コンタクター2の第1の流体通路16内に受入れられて、第1の流体通路16及び平行通路コンタクター2の横方向に横軸に沿って実質的に平行に(
図2、
図3a、及び
図3bに示すY軸に実質的に平行に)流れることができる。第2の生成物ストリームを回収するための回収ステップ、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(h)中に、第2の生成物ストリーム26は、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16から回収されることができ、第2の生成物ストリーム26aは、平行通路コンタクター2の第2の流体通路18から、例えば、平行通路コンタクター2の小面、例えば第4の小面36上に実質的に構成される第4のポート(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)を介して回収されることができる。任意選択で、第2の吸着剤層の脱着または再生ステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(f)中に、及び/または、第2の生成物ストリームを回収するための回収ステップ、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(g)中に、パージ流体ストリーム(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)は、平行通路コンタクター2の第2の流体通路18内に、例えば、第3の小面34上に実質的に構成される第5のポート(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)または第3のポート(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)を介して受入れられて、横方向に横軸に沿って実質的に平行に(
図2、
図3a及び
図3bに示すY軸に実質的に平行に)流れることができる。第2の対向する小面セットは、第3の小面34及び第4の小面36を備え、第3の小面34と第4の小面36との間に或る距離、例えば第2の距離を有することができる。一実施形態において、脱着または再生流体ストリームを受入れるための受入れステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(d)中に、また任意選択で、脱着または再生ステップ及び/または第2の生成物ストリームを回収するための回収ステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(f)及び/または(g)中に、脱着または再生流体ストリーム24及び/または任意選択でパージ流体ストリーム(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)は、平行通路コンタクター2内に受入れられて、横のまたは第2の距離だけ、平行通路コンタクター2の第1の流体通路16及び任意選択で第2の流体通路18を通して移動することができ、横のまたは第2の距離は、脱着、再生、またはオプションのパージ流体ストリームが平行通路コンタクター2の第1の吸着剤層12の1つまたは複数の吸着剤材料及び/または第2の吸着剤層14の1つまたは複数の吸着剤材料と接触状態にある距離と、平行通路コンタクターの実質的に入口ポート(例えば、第3のポート)と出口ポート(例えば、第4のポート)との間の距離または長さ、実質的に平行通路コンタクターの対向する小面のセット(例えば、第2の対向する小面セット)の間の距離または長さと、実質的に第3の小面34と第4の小面36との間の距離または長さと、のうちの少なくとも1つとして規定されることができる。一実施形態において、縦のまたは第1の距離は、ほぼ横のまたは第2の距離以上である、または、横のまたは第2の距離は、ほぼ縦のまたは第1の距離以下である。
【0053】
代替のプロセスの実施形態において、任意選択で、脱着または再生流体ストリームを受入れるための受入れステップ中に、例えば、上述した吸着ガス分離プロセスのステップ(d)中に、脱着または再生流体ストリーム24、例えば、蒸気ストリームまたは他の適した脱着ガスストリームは、第3のポート(
図2、
図3a、及び
図3bに示さず)を介して平行通路コンタクター2の第1の流体通路16内に受入れられて、第1の流体通路16の実質的に縦方向に縦軸に沿って実質的に平行に(
図2、
図3a及び
図3bに示すX軸に実質的に平行に)、及び平行通路コンタクター2に平行に流れることができる。
【0054】
1つのこうした実施形態において、脱着または再生ストリーム24を受入れることであって、それにより、フィードストリーム20に比べて短い距離だけ、例えば横軸に沿ってまたは横軸に平行に上述した第2の距離だけ移動させる、受入れることは、脱着または再生流体ストリーム24、例えば、蒸気または他の適した脱着ガスストリームが、吸着剤層、例えば、第1の吸着剤層12の吸着剤材料と接触状態にある継続時間を低減することによって、脱着または再生ステップ及び吸着ガス分離プロセスの効率を有利に改善することができ、及び/または、脱着または再生ステップ及び第2の生成物ストリーム回収ステップ、例えば、ステップ(g)及び/または(f)中に平行通路コンタクター2にわたる圧力降下または損失を低減することができる。例示的な実施形態において、適した脱着または再生流体ストリーム24は、例えば、脱着ストリームを含む加熱された二酸化炭素または吸着剤材料上の吸着された成分の脱着に適した高温度の脱着ストリームを含む二酸化炭素を含むことができる。
【0055】
別の実施形態において、平行通路コンタクターは、任意選択で吸着剤支持体(例えば、布、メッシュ、またはシートの形態の、任意選択で、熱伝導性材料、例えば、炭素材料、グラフェン材料、金属材料、または他の適した吸着剤支持材料を含む)上の少なくとも1つの吸着剤材料を有し、任意選択で適したバインダー材料と、複数の吸着剤層の間に挿入された流体通路であって、少なくとも1つの吸着剤支持体上の複数の吸着剤層及び/または少なくとも1つの吸着剤材料が平行通路コンタクターの少なくとも1つの流体通路の少なくとも一部分を境界付ける、画定する、または形成することができる、流体通路を有する複数の吸着剤層と、少なくとも1つの流体通路に流体接続された第1のポート及び第2のポートであって、少なくとも1つの吸着剤支持体、吸着剤層、及び/または平行通路コンタクターの外周上に構成され、第1の距離だけ分離された、第1のポート及び第2のポートと、少なくとも1つの流体通路に流体接続された第3のポート及び第4のポートであって、少なくとも1つの吸着剤支持体、吸着剤層、及び/または平行通路コンタクターの外周上に構成され、第2の距離だけ分離された、第3のポート及び第4のポートとを備え;第1の距離は第2の距離より大きい。任意選択で、第1のポート及び第2のポートの少なくとも一方は第3のポート及び第4のポートの少なくとも一方に実質的に垂直である。任意選択で、平行通路コンタクターは、少なくとも1つの吸着剤支持体及び/または平行通路コンタクターの外周によって少なくとも部分的に画定された複数の小面を更に備え、平行通路コンタクターの小面は、第1のポートまたは第2のポートの一方及び第3のポートまたは第4のポートの一方を有することができる。
【0056】
1つのプロセスの実施形態において、多成分流体ストリームから少なくとも第1の成分を分離するための吸着ガス分離プロセスは、
平行通路コンタクターの少なくとも1つの流体通路内にフィードストリームとして多成分流体ストリームを受入れることであって、平行通路コンタクターは、
任意選択で吸着剤支持体上に少なくとも1つの吸着剤材料を更に含む複数の吸着剤層と、複数の吸着剤層、吸着剤支持体、及び/または吸着剤材料の間に挿入される少なくとも1つの流体通路(例えば、複数の吸着剤層の少なくとも一部分によって少なくとも部分的に境界付けられる、画定される、または形成される)であって、複数の吸着剤層、吸着剤支持体、及び/または少なくとも1つの流体通路が縦のまたは第1の距離及び横のまたは第2の距離を更に含む、少なくとも1つの流体通路と、複数の吸着剤層及び/または吸着剤支持体の外周によって少なくとも部分的に画定される複数の小面と、少なくとも1つの流体通路に流体接続され、平行通路コンタクターの対向する小面または外周上に構成され、第1の距離だけ分離される第1のポート及び第2のポートと、少なくとも1つの流体通路に流体接続され、平行通路コンタクターの対向する小面または外周上に構成され、第2の距離だけ分離される第3のポート及び第4のポートとを
備える、受入れることと、
実質的に第1の距離について、フィードストリームを複数の吸着剤層上の少なくとも1つの吸着剤材料と接触させることと、
複数の吸着剤層上の1つまたは複数の吸着剤材料上に第1の成分の少なくとも一部分を吸着させることと、
平行通路コンタクターの少なくとも1つの流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に枯渇した第1の生成物ストリームを回収することと、
脱着または再生流体ストリーム、例えば、水ストリーム、蒸気ストリーム、空気ストリーム、不活性ガスストリーム、実質的に第1の成分を含む流体ストリーム、及び燃焼煙道ガスストリームを平行通路コンタクターの少なくとも1つの流体通路内に受入れることであって、任意選択で、脱着または再生流体ストリームが、約60℃以上、好ましくは約80℃以上、またはより好ましくは約100℃以上の温度にあることができる、受入れることと、
実質的に第2の距離について、脱着または再生流体ストリームを複数の吸着剤層上の少なくとも1つの吸着剤材料と接触させることと、
(例えば、温度スイング、分圧スイング、または置換パージを含む少なくとも1つの脱着または再生メカニズムによって、複数の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料上に吸着された第1の成分の少なくとも一部分を脱着させることによって)複数の吸着剤層の少なくとも1つの吸着剤材料を再生することと、
平行通路コンタクターの少なくとも1つの流体通路から、多成分流体ストリームと比べて第1の成分が少なくとも周期的に富化した第2の生成物ストリームを回収することとを含む。平行通路コンタクター、吸着剤支持体、及び/または複数の吸着剤層の少なくとも1つの外周は、平行通路コンタクターの複数の小面を、実質的に少なくとも部分的に画定することができ、1つまたは複数のポートは平行通路コンタクターの小面または外周上に構成されるまたは位置することができ、1つまたは複数のポートは少なくとも1つの流体通路に流体接続されることができる。縦のまたは第1の距離は、流体ストリーム、例えばフィードストリームが吸着剤層の吸着剤材料と接触状態になる場合がある距離と、実質的に、流体ストリームを受入れ回収するための、例えばフィードストリームを受入れるための平行通路コンタクターの入口ポート(例えば、第1のポート)と平行通路コンタクターの出口ポート(例えば、第2のポート)との間の距離と、及び/または、実質的に平行通路コンタクターの対向する小面のセット(例えば、第1の対向する小面セット)の間の距離または長さ、のうちの少なくとも1つとして規定されることができる。横のまたは第2の距離は、例えば、脱着、再生、またはオプションのパージ流体ストリームが吸着剤層の1つまたは複数の吸着剤材料と接触状態にある距離と、実質的に、流体ストリームを受入れ回収するための、例えば、脱着、再生、またはオプションのパージ流体ストリームを受入れるための入口ポート(例えば、第3のポート)と、流体ストリームを回収するための、例えば第2の生成物ストリームを回収するための平行通路コンタクターの出口ポート(例えば、第4のポート)との間の距離と、及び/または、実質的に平行通路コンタクターの対向する小面のセット(例えば、第1の対向する小面セット)の間の距離または長さのうちの少なくとも1つとして規定されることができる。一実施形態において、縦のまたは第1の距離は、ほぼ横のまたは第2の距離以上である、または、横のまたは第2の距離は、ほぼ縦のまたは第1の距離以下である。多成分流体ストリームまたはフィードストリームは、平行通路コンタクターの流体通路内に受入れられて、平行通路コンタクターの流体通路の縦方向に実質的に平行な方向に流れることができ、脱着または再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームの少なくとも1つの流体ストリームは、平行通路コンタクターの流体通路内に受入れられて、平行通路コンタクターの流体通路の横方向に実質的に平行な方向に流れることができ、例えば、多成分流体ストリームまたはフィードストリームは、脱着または再生流体ストリーム、パージ流体ストリーム、及び/または冷却用流体ストリームの少なくとも1つの流体ストリームの流れ方向に実質的に垂直な方向に平行通路コンタクターの流体通路内に流れるように受入れられることができる。こうした実施形態において、平行通路コンタクターは、少なくとも1つの流体通路を画定する複数の吸着剤層と、1つまたは複数の吸着剤層によって少なくとも部分的に画定されることができる5つ以上の小面または詳細には6つ以上の小面と、対向する小面の間の第1の距離を有する対向する小面の第1のセット及び対向する小面の間の第2の距離を有する対向する小面の第2のセットとを備えるように構成されることができ、第1の距離はほぼ第2の距離以上であり(または、第2の距離はほぼ第1の距離以下であり)、対向する小面の第1及び第2のセットは、流体ストリームを受入れる及び/または回収するための少なくとも1つの平行流体通路に流体接続された少なくとも1つのポートを有する。任意選択で、対向する小面の第1のセット及び対向する小面の第2のセットは共通小面を共有することができる。
上述した実施形態の吸着ガス分離プロセス及び装置は、利点(その一部は既に述べられた)であって、例えば、種々の流体(例えば、フィードストリーム、再生または脱着流体ストリーム、及び冷却用流体ストリーム)が平行通路コンタクターの3つ以上の小面から受入れられ回収されることを可能にすることであって、例えば、プランビングのための利用可能な空間を増加させることをもたらす、可能にすることと、プランビングの複雑さを低減すること、平行通路コンタクターを通るフィードストリームの望ましいより長い移動距離を維持しながら脱着または再生流体ストリームが平行通路コンタクターを通ってより短い距離を移動することを可能にすることとを含む、利点を提供することができ、それは、流体ストリーム、例えば、脱着または再生流体ストリームについてより短い滞留時間、吸着剤材料上での望ましくない成分の吸着の低減、利用可能な吸着容量の喪失の低減、及び1つまたは複数の流体ストリーム(例えば、脱着または再生流体ストリーム及び/または冷却用流体ストリーム)についての平行通路コンタクターにわたる圧力降下の低減を有利にもたらすことができる。
【0057】
上記で詳述した実施形態のうちの任意の実施形態で述べた任意の吸着ガス分離機または平行通路コンタクターは、任意の適した吸着剤材料を使用することができ、任意の適した吸着剤材料は、例えば、乾燥剤、活性炭、グラファイト、炭素分子ふるい、活性アルミナ、分子ふるい、アルミノリン酸塩、シリコアルミノリン酸塩、ゼオライト吸着剤、イオン交換ゼオライト、親水性ゼオライト、疎水性ゼオライト、修飾ゼオライト、天然ゼオライト、フォージャサイト、クリノプチロライト、モルデナイト、金属交換シリコアルミノリン酸塩、単極樹脂、双極樹脂、芳香族架橋ポリスチレンマトリクス、臭素化芳香族マトリクス、メタクリル酸エステルコポリマー、炭素繊維、炭素ナノチューブ、ナノ材料、金属塩吸着剤、過塩素酸塩、シュウ酸塩、アルカリ土類金属粒子、ETS、CTS、金属酸化物、支持アルカリ炭酸塩、アルカリ促進ハイドロタルサイト、化学収着剤、シリカ、ポリエチレニミンでドープされたシリカ、アミン、有機金属試薬、及び金属有機構造体吸着剤材料、ならびにその組合せを含むが、それに限定されない。
【0058】
本明細書で述べる例示的な実施形態は、網羅的であること、または、開示される厳密な形態に本発明の範囲を限定することを意図されない。例示的な実施形態は、当業者がその教示を理解することを可能にするため、本発明の原理ならびにその適用及び実用的使用を説明するために選択され述べられる。
【0059】
上記開示を考慮して当業者に明らかになるように、多くの変更及び修正が、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の実施において可能である(種々の述べた実施形態またはその複数の部分の組合せを含む)。したがって、本発明の範囲は、添付特許請求項によって規定される内容に従って解釈される。