(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】タングをパネルの挿入溝に挿入するための装置
(51)【国際特許分類】
B27M 3/18 20060101AFI20220111BHJP
F16B 12/12 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B27M3/18 Z
F16B12/12 C
(21)【出願番号】P 2019532971
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(86)【国際出願番号】 SE2017051305
(87)【国際公開番号】W WO2018117953
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-13
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス、フランソン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス、ブロムグレン
(72)【発明者】
【氏名】カール、エリクソン
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-518130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0129573(US,A1)
【文献】特開2007-168006(JP,A)
【文献】特表2011-511891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0042563(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0101769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27M 3/18
F16B 12/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タング(30)をパネル(1)の挿入溝(20)に挿入するための手持装置(80)において、
前記手持装置は、パンチャー(14)を駆動するように構成された動力装置(16)を備える第1部分(10)を備え、
前記手持装置は、前記第1部分(10)に連結される第2部分(12)を備え、
前記第2部分は、変位可能な前記パンチャー(14)と案内装置(13)とを備え、前記案内装置(13)は、前記変位可能なパンチャー(14)及び前記タング(30)を案内するように構成され、
前記第2部分(12)の外縁部(60)は、第1位置決め要素(54)と第2位置決め要素(55)とを備え、
前記第1位置決め要素(54)及び前記第2位置決め要素(55)は、前記タングの前記挿入溝への挿入中に、少なくとも部分的に前記挿入溝(20)内に配置されるように構成され、
前記変位可能なパンチャー(14)は、前記タング(30)を、前記手持装置から前記挿入溝(20)内の挿入位置まで移動させるように構成される、
ことを特徴とする手持装置(80)。
【請求項2】
前記第2部分は、前記タング(30)が前記第1位置決め要素(54)と前記第2位置決め要素(55)との間で変位可能であるように構成される、
請求項1に記載の手持装置。
【請求項3】
前記第1位置決め要素(54)の内面(51)が、前記第2位置決め要素(55)の内面(52)から距離を置いて配置される、
請求項1又は2に記載の手持装置。
【請求項4】
前記第2部分(12)は、
マガジン(15)を備え、前記マガジンは2つ以上の前記タング(30)用のものである、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手持装置。
【請求項5】
前記マガジン(15)は、第1の前記タングの上方に第2の前記タングを収納するように構成される、
請求項4に記載の手持装置。
【請求項6】
前記タング(30)は細長い形状を有し、
前記タングの長手方向は、前記変位可能なパンチャー(14)の変位方向に対して直交する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の手持装置。
【請求項7】
前記挿入溝は細長い形状を有し、
前記挿入溝の長手方向は、前記パネルの縁部に対して平行である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の手持装置。
【請求項8】
前記タング(30)は細長い形状を有し、
前記タングの長手方向は、前記挿入位置において、前記挿入溝(20)の前記長手方向に対して平行である、
請求項7に記載の手持装置。
【請求項9】
前記手持装置は、ハンドル(50)を前記第1部分に備える、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の手持装置。
【請求項10】
前記第1部分は、前記変位可能なパンチャー(14)のストロークを作動させるためのトリガ(61)を備える、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の手持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、タングをパネルの挿入溝に挿入するための方法及び装置に関する。パネルは、タングを備える係止装置によって、隣接するパネルに対して直交してに配置されて係止されるように構成される。パネルは互いに組み付けられて係止され得る。これにより、本棚、食器棚、たんす、箱、引出、又は家具構成要素等の家具製品が得られる。
【背景技術】
【0002】
従来の家具製品は、複数の要素又はパネルによって組み立てられる。パネルは、例えば、WO2012/154113号に開示されているような機械的係止装置を用いて組み立てることができる。製品は、機械的係止装置により第2パネルに対して直交して連結された第1パネルを備える。機械的係止装置は、第1パネルにおける縁部タングと、第2パネルにおける縁部溝と、挿入溝内の可撓性タングとを備える。
【0003】
WO2015/038059号は、挿入溝内に可撓性タングを備える機械的係止装置により係止された複数のパネルによって組み立てられた製品を開示している。
【0004】
一般に、パネルの係止装置は、多数のフライス工具を含む連続製造方法によって製造ラインで製造される。縁部溝及び挿入溝は、パネルの前縁部から後縁部まで連続して延びてもよい。好適には、縁部溝は、前縁部において装飾層によって覆われる。例えば、SE1650135‐5号及びWO2017/135874号に開示されるように、縁部溝及び挿入溝は、前縁部及び/又は後縁部の手前で終端してもよい。
【0005】
本発明の実施形態は、タングをパネルの挿入溝に挿入するための改良された装置を提供する必要性に対処する。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の実施形態は、タングを挿入溝部に挿入するための装置を提供することにより、当技術分野における単数又は複数の欠陥、不利点、又は問題を軽減、低減又は解消することを目的とする。好適には、本装置は手で持つ(手持)か、組立台に取り付けられるように構成される。
【0007】
本発明の実施形態の更なる目的は、短い連続生産に適した高い柔軟性を有する装置を提供することである。
【0008】
詳細な説明から明らかとなるこれら及び他の目的及び利点の少なくともいくつかは、タングを家具パネル又は床パネル等のパネルの挿入溝に挿入するための手持装置を含む本発明の態様により達成された。装置は、パンチャーを駆動するように構成された動力装置を備える第1部分を備える。装置は、第1部分に連結される第2部分を備える。第2部分は、変位可能なパンチャーと案内装置とを備え、案内装置は、変位可能なパンチャー及びタングを案内するように構成される。第2部分の外縁部は、第1位置決め要素と第2位置決め要素とを備える。第1位置決め要素及び第2位置決め要素は、タングの挿入溝への挿入中に、少なくとも部分的に挿入溝内に配置されるように構成される。変位可能なパンチャーは、タングを、手持装置から挿入溝内の挿入位置まで移動させるように構成される。
【0009】
好適には、第2部分は、タングが第1位置決め要素と第2位置決め要素との間で変位可能であるように構成される。
【0010】
好適には、第1位置決め要素の内面が、第2位置決め要素の内面から距離を置いて配置される、好適には、この距離は、タングの長手方向長さと本質的に等しい。
【0011】
第1位置決め要素と第2位置決め要素との間で変位するように構成されたパンチャーの外幅は、タングの長手方向長さと本質的に等しくてもよい。
【0012】
タングは細長い形状を有していてもよく、タングの長手方向は、変位可能なパンチャーの変位方向に対して直交する。
【0013】
挿入溝は細長い形状を有していてもよく、挿入溝の長手方向は、パネルの縁部に対して平行である。
【0014】
タングは細長い形状を有していてもよく、タングの長手方向は、挿入位置において、挿入溝の長手方向に対して平行である。
【0015】
装置は取付装置を備えてもよい。装置は、取付装置によって保持具又は組立台に取り付けられるように構成されてもよい。
【0016】
第2部分は、2つ以上の前記タング用のマガジンを備えてもよい。
【0017】
マガジンは、第1の前記タングの上方に第2の前記タングを収納するように構成されてもよい。マガジンは、第2方向に対して本質的に直交して延びる。
【0018】
マガジンは、タングが正しい配向においてマガジンに容易に装填されるように構成されてもよい。実施形態は、タングが正しい状態でしか装填され得ないように、タングの外径に適合した開口を有する天板を含み得る。
【0019】
装置は、ハンドルを、好適には第1部分に備えてもよい。
【0020】
第1部分は、変位可能なパンチャーのストロークを作動させるためのトリガを備えてもよい。
【0021】
ハンドルは、変位可能なパンチャーのストロークを作動させるためのトリガを備えてもよい。
【0022】
溝は細長い形状を有し、パネルの上面に沿って長手方向に延びる。
【0023】
タングは細長い形状を有していてもよく、タングの長手方向は、挿入溝の長手方向に対して平行であってもよい。
【0024】
タングは細長い形状を有していてもよく、タングの長手方向は、変位可能なパンチャーの変位方向に対して直交してもよい。
【0025】
タングは細長い形状を有していてもよく、第1長縁部及び第2長縁部とを備えてもよい。
【0026】
タングは可撓性のタングであってもよく、例えばポリマーから構成されてもよく、好適には繊維等の強化材料、例えばグラスファイバーを含んでもよい。
【0027】
タングは、第1長縁部に撓み部分と、好適には撓み部分に隣接する溝とを備えてもよい。撓み部分は、この撓み部分に隣接する溝に押し込まれるように構成されてもよい。タングは、複数の前記撓み部分と、好適には複数の前記溝とを備えてもよい。
【0028】
タングは、ポリマー材料を含んでもよく、好適には射出成形により製造される。
【0029】
縁部溝及び挿入溝は、パネルの前縁部から後縁部まで連続的に延びてもよい。
【0030】
本発明の実施形態のこれらの及び他の態様、特徴及び利点が、添付図面を参照してなされる本発明の実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態による手持装置の実施形態を示す三次元図。
【
図2】本発明の実施形態による手持装置の実施形態の横断面図。
【
図3A】本発明の実施形態による
図2に示す装置の実施形態の一部の拡大図。
【
図3B】本発明の実施形態による
図2に示す装置の実施形態の一部の拡大図。
【
図4】本発明の実施形態による
図2に示す装置の実施形態の一部の拡大図。
【
図5A】第2部分の実施形態の一部の実施形態の三次元図。
【
図5B】第2部分の実施形態の一部の実施形態の三次元図。
【
図6A】第1部分の実施形態の一部の実施形態の三次元図。
【
図6B】第2部分の実施形態の一部の実施形態の三次元図。
【
図7A】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図7B】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図7C】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図7D】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図8A】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図8B】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図8C】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図8D】本発明の実施形態によるタングの実施形態を示す図。
【
図9A】本発明の実施形態によるパネルの実施形態を示す図。
【
図9B】本発明の実施形態によるパネルの実施形態を示す図。
【
図9C】本発明の実施形態によるパネルの実施形態を示す図。
【
図9D】本発明の実施形態によるパネルの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の特定の実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において具体化され得るとともに、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧に完全であり、且つ本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付図面に示される実施形態について詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図していない。図面において、同様の符号は同様の要素を指す。
【0033】
タングのパネルの挿入溝への挿入を改良し得る手持装置の実施形態を
図1乃至
図6Bに示す。
【0034】
図1は手持装置の実施形態を示す三次元図であり、
図2は実施形態を示す横断面図である。実施形態は、パンチャー14を駆動するように構成された動力装置16を備えた第1部分10と、第1部分10に連結された第2部分12とを備える。
【0035】
図3Aは、第2部分が変位可能なパンチャー14と案内装置13とを備え、案内装置13が変位可能なパンチャー14及びタング30を案内するように構成されていることを示す。第2部分12の外縁部60は、第1位置決め要素54と第2位置決め要素55とを備える。第1位置決め要素54及び第2位置決め要素55は、タングの挿入溝20への挿入中に、少なくとも部分的に挿入溝20内に配置されるように構成される。変位可能なパンチャー14は、タング30を、手持装置から挿入溝20内の挿入位置まで移動させるように構成される。
【0036】
図3Aは、タング30の挿入溝20への挿入中の、
図2に示すいくつかの部品の拡大図である。
図3Bは、パネル1の縁部3における挿入溝20内の挿入位置にあるタング30を示す。
【0037】
第2部分は、タング30が第1位置決め要素54と第2位置決め要素55との間で変位可能であるように構成され得る。
【0038】
パネル1は、第1方向91において延びる上面11を有し得る。挿入溝の深さ方向は、第1方向91に対して角度93をなす第2方向92において延び得る。角度93は、約0°乃至約90°の範囲、好適には約10°乃至約45との範囲にあってもよいし、又は約25°である。
【0039】
手持装置は、挿入中に、好適には、案内装置が挿入溝の深さ方向に対して平行な方向に延びる状態で配置される。
【0040】
第2部分12は、2つ以上の前記タング30のためのマガジン15を備え得る。マガジンは、第1のタングの上方に第2のタングを収納するように構成され得る。また、マガジン15は、変位可能なパンチャー14の変位方向に対して本質的に直交して延びてもよい。
【0041】
第2部分は、下方構造部41を備え得る。マガジン15は、下方構造部41に対して本質的に直交して延び得る。マガジンの実施形態を
図4の横断面図に示す。マガジンは、マガジンフレーム42と、マガジンフレーム42に配置されたタングを供給するように構成された供給装置62とを備える。供給装置は、タングのマガジンフレーム42への装填を容易とするように、ヒンジ63によって下部に旋回可能64に取り付けられる。
【0042】
案内装置13は、可撓性案内要素56を、案内装置の外側部分に備え得る。可撓性案内要素は、タング30を挿入溝20内に案内するように構成される。
【0043】
挿入溝20は、パネルの縁部3に対して平行な長手方向を有する細長い形状を有し得る。
【0044】
タング30は細長い形状を有し得る。タングの長手方向は、挿入溝20の長手方向に対して平行であり得る。
【0045】
タング30は細長い形状を有し得る。タングの長手方向は、変位可能なパンチャー14の変位方向に対して直交する。
【0046】
第2部分の実施形態の下部を
図5Aに三次元図で示す。実施形態は、好適には、第1位置決め要素54の内面51が、第2位置決め要素55の内面52から距離を置いて配置されていることを示す。好適には、この距離は、タングの長手方向長さに等しい。第2部分12は、下方構造部41を備える。
【0047】
第1位置決め要素と第2位置決め要素との間で変位するように構成されたパンチャーの外幅は、タングの長手方向長さに本質的に等しくてもよい。
【0048】
図5Bは、マガジンフレーム42の実施形態を三次元図で示す。マガジンは、
図5Aに示す下部に取り付けられ得る。フレームは、マガジンフレームの上部の開口を介してタングを装填するように構成されている。
【0049】
マガジン15は、タングが正しい配向においてマガジンフレーム42にに容易に装填されるように構成され得る。マガジンフレームの実施形態は、装填開口44を有する天板43を備え得る。装填開口44は、タングが正しい状態でしか装填され得ないように、タングの外径に適合している。
【0050】
図6Aは、
図5Bに示すマガジンフレーム42に配置されたタングを供給するように構成された供給装置62を三次元図で示す。供給装置は、タングを変位可能なパンチャー14に向かって変位させるように構成された変位可能要素65を備える。変位可能要素は、バネ荷重され得る。供給装置は、タングのマガジンフレーム42への装填を容易とするように、ヒンジによって
図5Aに示す下部に旋回可能64に取り付けられ得る。
【0051】
供給装置62は、タングがマガジンフレームに装填される前に、マガジンフレーム44の装填開口44から離れるように枢動64され得る。
【0052】
2つ以上の前記タング30を備えるタングセットは、ストリップ、ピン、又は溶接等の解除可能な連結によって互いに連結され得る。解除可能な連結は、タングセットのマガジンフレーム42への装填時に取り外され得る。好適には、解除可能な連結は、タングセットの前方のタングを変位可能なパンチャー14によって変位させるとタングセットの前側タングが解除されるようなものとされる。
【0053】
図6Bは、第1部分10の実施形態を三次元図で示す。実施形態は、後部のハンドル50と、前部の別のハンドル50’と、トリガ61とを備える。第1部分は、
図5Aに示す第2部分の下方構造部41に取り付けられ得る。
【0054】
実施形態は、第2部分の交換可能な実施形態を含み得る。第2部分の各実施形態は、特定のタングの実施形態用に構成される。第2部分の第1交換可能実施形態は、第1長手方向長さを有するタング用に構成されてもよく、第2部分の第2交換可能実施形態は、第2長手方向長さを有するタング用に構成される。第2長手方向長さは、第1長手方向長さより短くても長くてもよい。
【0055】
図9A‐9Dに示すように挿入溝20内で変位可能とされ得るタング30の実施形態を
図7A‐7Dに示す。
図7A‐7Bに示すタングの第1実施形態は、タングの第1長縁部に撓み突出部31を備える。第1実施形態は、
図7Aでは弛緩状態で、
図7Bでは圧縮状態で示される。タングの第2長縁部は、好適には本質的にまっすぐである。第1実施形態は、撓み突出部が挿入溝の底部に面するとともに、第2縁部が挿入溝の開口を超えて延びる状態で、挿入溝に挿入され得る。
図7Cに弛緩状態で示されるタングの第2実施形態は、細長い形状を有するとともに可撓性である。第2実施形態は、タングの第1長縁部及び本質的にまっすぐな第2縁部に凹部37を備える。第2実施形態の圧縮状態において、凹部が縮小する。第2実施形態は、凹部37が挿入溝の底部に面するとともに、第2縁部が挿入溝の開口を超えて延びる状態で、挿入溝に挿入され得る。
図7Dに示すタングの第3実施形態は、可撓性を有し圧縮されるように構成された第1部分38と、剛性を有する第2部分39とを備える。第1部分は挿入溝に配置され得るとともに、第2部分は挿入溝の開口を超えて部分的に延び得る。
【0056】
タングは、例えばその全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる、例えばWO2006/043893号及びWO2007/015669号に開示される変位可能なタングの任意の実施形態として構成され得る。
【0057】
タングは、可撓性であってもよく、例えばポリマーから構成されてもよく、好適には繊維等の強化材料、例えばグラスファイバーを含んでもよい。
【0058】
タング30の他の実施形態を、
図8A‐8Dに示す。タングは、細長い形状をしており、第1短縁部34と、反対側の第2短縁部36と、第1長縁部及び第2長縁部32を備える。
図8Dは、
図8Aに示す丸で囲んだ領域Aの拡大図である。タングは、第1長縁部に複数の撓み部分31と、各撓み部分31に溝33とを備える。タングは、ポリマー材料を含み得るとともに、好適には射出成形により製造される。撓み部分31は、タングが圧縮された状態において、溝33内に押し込まれるように構成されている。
【0059】
図8Aは、第1短縁部34における第1レール35によって、及び第2短縁部における第2レール37によって、タングブランク内の複数のタング(図示せず)に接続されるタングの実施形態を示す。第1レール及び第2レールは、タングに対して直交する長手方向に延びる。タングは、それぞれ第1及び第2鋳造ゲートによって、鋳造ゲートであり得る第1レール及び/又は第2レールに接続され得る。タングは、装置に取り付けられるように構成されたマガジン内に積み重ねられる前に、第1及び/又は第2レールから分離される。
【0060】
図8B及び
図8Cは、タング30を横断面図で示す。
図8Bではタングが弛緩状態にあり、
図8Cではタングが圧縮状態にある。撓み部分31の外側部分と第2長縁部32との間の距離は、弛緩状態よりも圧縮状態の方が短い。
【0061】
好適には、タングは、パネルの挿入溝に挿入されて、このパネルを隣接するパネルに係止するように構成される。
【0062】
図9A‐9Dは、パネル1のいくつかの実施形態を示し、各実施形態は、隣接するパネル2に連結された挿入溝20の実施形態に挿入されたタング30の実施形態を含む。
図9A‐9Dに示すパネルの実施形態は、家具パネルであり得る。また、
図9Cに示すパネルの実施形態は、床パネルであり得る。
【0063】
図9Aはパネル1を示し、このパネル1は、隣接するパネル2に対して直交する配置されるとともに、この隣接するパネルに第1の方向、及び第1方向に対して直交する第2方向において係止されている。パネルは、パネルの上面に縁部溝21を備える。縁部溝21は長手方向の形状を有するとともに、パネル1の縁部に沿って延びる。縁部溝は、前記挿入溝20を備え得る。挿入溝20は縁部溝に沿って延びるとともに、前記タング30を備える。隣接するパネルは縁部タング22を備える。縁部タング22は、隣接するパネルの縁部に沿って延びるタング溝10を備える。タング30は、タング溝10と協働してパネル1を隣接するパネル2に第1方向において互いに係止するように構成される。縁部タング22は、縁部溝21と協働してパネル1を隣接するパネル2に第2方向において互いに係止するように構成される。
【0064】
図9Bはパネル1を示し、このパネル1は、隣接するパネル2に対して直交して配置されるとともに、この隣接するパネルに第1方向及び第1方向に対して直交する第2方向において係止されている。隣接するパネルは、隣接するパネルの上面に縁部溝21を備える。縁部溝21は長手方向の形状を有するとともに、隣接するパネル1の縁部に沿って延びる。縁部溝は、タング溝10を備える。パネルは、縁部タング22を備える。縁部タング22は、前記タング30を備える前記挿入溝20を備える。挿入溝は、縁部タングに沿って延びる。タング30は、タング溝10と協働してパネル1を隣接するパネル2に第1方向において互いに係止するように構成される。縁部タング22は、縁部溝21と協働してパネル1を隣接するパネル2に第2方向において互いに係止するように構成される。
【0065】
図9Cはパネル1を示し、このパネル1は、隣接するパネル2に対して平行に配置されるとともに、この隣接するパネルに第1方向及び第1方向に対して直交する第2方向において係止されている。パネルは、パネルの縁部に沿って延びる前記挿入溝20を備える。縁部は、縁部から突出するストリップを備える。ストリップは、上方に突出する係止要素を備える。隣接するパネル2は、この隣接するパネル2の隣接する縁部に沿って延びるタング溝10を備える。隣接する縁部は、下方を向く開口を有する係止溝を備える。タング30は、タング溝10と協働してパネルを隣接するパネルに第1方向において係止するように構成される。係止要素は、係止溝と協働してパネルを隣接するパネルに第2方向において係止するように構成される。前記第1及び第2パネルの実施形態は、隣接するパネルの隣接する縁部に挿入溝20と、パネルの縁部にタング溝10とを備える。
【0066】
図9Dは、
図8Aに示すパネル及び隣接するパネルの実施形態を三次元図で示す。縁部タング22は隣接するパネルの縁部4に沿って延び、隣接するパネル2の隣接する縁部6の手前で終端する。縁部溝21はパネル1の縁部3に沿って延び、パネル1の隣接する縁部5の手前の側壁23で終端する。
【0067】
上記のパネル及び隣接するパネルの実施形態のコア材料は、HDF、MDF、合板、無垢材、又はパーチクルボード等の木質繊維ベースボード、又は強化プラスチックボード、又は木質繊維複合材ボードを含み得る。コアには装飾層が設けられ得る。