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特許6999711ワイヤレスローカルエリアネットワークシステムにおけるBSS負荷要素の送信
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ワイヤレスローカルエリアネットワークシステムにおけるBSS負荷要素の送信
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20220111BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20220111BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220111BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220111BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W48/16 135
H04W84/12
H04W16/28
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019570992
(86)(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2018091916
(87)【国際公開番号】W WO2018233616
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-01-29
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/089548
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】15/910,963
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】クウォク・シュム・オウ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ガン
(72)【発明者】
【氏名】シュン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】オサマ・アブル-マグド
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504113(JP,A)
【文献】Ming Gan (Huawei),CR-on-BSS-Load-Information-in-802.11ax-follow-up,IEEE 802.11-17/1397r0,2017年09月11日,[検索日2021.03.18], インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/17/11-17-1397-00-00ax-cr-on-bss-load-information-in-802-11ax-follow-up.pptx>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによる実施のための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実施されると、前記処理システムに、
基本サービスセット(BSS)負荷要素を生成するステップであって、前記BSS負荷要素は、
高効率(HE)ステーション(STA)カウントフィールド、
周波数未利用率フィールド、および
空間ストリーム未利用率フィールド
を含み、
前記HE STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられている1つまたは複数のHE STAの総数を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの周波数ドメインリソースの未利用率を示し、
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つの空間ドメインリソースの未利用率を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)のサイズに基づいて計算され、前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つのOFDMA RUのサイズに基づいて計算される、ステップ、および
前記BSS負荷要素を送信させるステップ
の動作を実行させるように指示する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備える、処理システム。
【請求項2】
前記周波数未利用率フィールドは、時間の割合として定義され、100%を表す255で線形にスケーリングされ、前記時間の割合は、以下に基づいている:
【数1】
式中、RUmaxは、BSS帯域幅の最大RUサイズに依存する正規化係数であり、RUmaxは、1であり、
式中、Tbusyは、クリアチャネルアセスメント(CCA)が測定期間中にチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数であり、
式中、Tiは、プライマリ20 MHzチャネルがビジーであるマイクロ秒単位の時間間隔あり、
式中、Nは、合計測定時間の間に発生したビジーイベントの数であり、前記合計測定時間は、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals連続ビーコン間隔以下であり、
式中、NRUは、Tiの間に前記BSS帯域幅内で割り当てられたRUの数であり、
式中、Bj、iは、j番目のRUがTiの間で占有または干渉されている場合に1であり、Bj、iは、j番目のRUがTiの間で占有または干渉されていない場合に0であり、
式中、RUjは、RUサイズに依存する正規化係数であり、j番目のRUサイズと前記BSS帯域幅の前記最大RUサイズとの比に等しい、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも106トーンを有する1つまたは複数のRUに基づいて計算される、請求項1または2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、時間の割合として定義され、100%を表す255で線形にスケーリングされ、前記時間の割合は、以下に基づいている:
【数2】
式中、Nmax_SSは、前記処理システムによってサポートされる空間ストリームの最大数であり、
式中、NRUMは、サイズが少なくとも106トーンであり、Tiの間のBSS帯域幅内で割り当てられる前記1つまたは複数のRUの数であり、
式中、RUMjは、少なくとも106トーンを有するj番目のRUのサイズに依存する正規化係数であり、RUMjは、j番目のRUサイズと前記BSS帯域幅の最大RUMサイズとの比に等しく、
式中、NSS、j、iは、Tiの間のj番目のRUM上の1つまたは複数のストリームの数であり、
式中、Tiは、プライマリ20 MHzチャネルがビジーであるマイクロ秒単位の時間間隔であり、
式中、Tbusyは、CCAが測定期間中にチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数である、
請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
前記BSS負荷要素は、
プライマリチャネルの利用率を示す利用率フィールドであって、前記利用率フィールドは、前記プライマリチャネルがビジーである時間の間隔に基づいて計算される、利用率フィールド
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項6】
前記利用率フィールドは、前記プライマリチャネルの前記利用率の割合数を表し、前記割合数は、以下に基づいている:
【数3】
式中、Tbusyは、クリアチャネルアセスメント(CCA)が測定期間中に前記プライマリチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数であり、
式中、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervalは、前記プライマリチャネルのビジー時間が測定される連続ビーコン間隔の数を表し、
式中、dot11BeaconPeriodは、ビーコン期間である、
請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによる実施のための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実施されると、前記処理システムに、
基本サービスセット(BSS)負荷要素を受信するステップであって、前記BSS負荷要素は、
高効率(HE)ステーション(STA)カウントフィールド、
周波数未利用率フィールド、および
空間ストリーム未利用率フィールドを含み、
前記HE STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられている1つまたは複数のHE STAの総数を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの周波数ドメインリソースの未利用率を示し、
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つの空間ドメインリソースの未利用率を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)のサイズに基づいて計算され、前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つのOFDMA RUのサイズに基づいて計算される、ステップ、および
前記BSS負荷要素に基づいて関連付けるアクセスポイント(AP)を選択させるステップ
の動作を実行させるように指示する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と
を備える、処理システム。
【請求項8】
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも106トーンを有する1つまたは複数のRUに基づいて計算される、請求項7に記載の処理システム
【請求項9】
前記BSS負荷要素は、
プライマリチャネルの利用率を示す利用率フィールドをさらに含み、前記利用率フィールドは、前記プライマリチャネルがビジーである時間の間隔に基づいて計算される、
請求項7または8に記載の処理システム
【請求項10】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるアクセスポイント(AP)によって、基本サービスセット(BSS)負荷要素を生成するステップであって、前記BSS負荷要素は、
高効率(HE)ステーション(STA)カウントフィールド、
周波数未利用率フィールド、および
空間ストリーム未利用率フィールド
を含み、
前記HE STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられている1つまたは複数のHE STAの総数を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの周波数ドメインリソースの未利用率を示し、
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つの空間ドメインリソースの未利用率を示し、
前記周波数未利用率フィールドは、少なくとも1つの直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)のサイズに基づいて計算され、前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも1つのOFDMA RUのサイズに基づいて計算される、ステップと、
前記APによって、前記BSS負荷要素を送信するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記周波数未利用率フィールドは、時間の割合として定義され、100%を表す255で線形にスケーリングされ、前記時間の割合は、以下に基づいている:
【数4】
式中、RUmaxは、BSS帯域幅の最大RUサイズに依存する正規化係数であり、RUmaxは、1であり、
式中、Tbusyは、クリアチャネルアセスメント(CCA)が測定期間中にチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数であり、
式中、Tiは、プライマリ20 MHzチャネルがビジーであるマイクロ秒単位の時間間隔あり、
式中、Nは、合計測定時間の間に発生したビジーイベントの数であり、前記合計測定時間は、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals連続ビーコン間隔以下であり、
式中、NRUは、Tiの間に前記BSS帯域幅内で割り当てられたRUの数であり、
式中、Bj、iは、j番目のRUがTiの間で占有または干渉されている場合に1であり、Bj、iは、j番目のRUがTiの間で占有または干渉されていない場合に0であり、
式中、RUjは、RUサイズに依存する正規化係数であり、j番目のRUサイズと前記BSS帯域幅の前記最大RUサイズとの比に等しい、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、少なくとも106トーンを有する1つまたは複数のRUに基づいて計算される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記空間ストリーム未利用率フィールドは、時間の割合として定義され、100%を表す255で線形にスケーリングされ、前記時間の割合は、以下に基づいている:
【数5】
式中、Nmax_SSは、前記APによってサポートされる空間ストリームの最大数であり、
式中、NRUMは、サイズが少なくとも106トーンであり、Tiの間のBSS帯域幅内で割り当てられる前記1つまたは複数のRUの数であり、
式中、RUMjは、少なくとも106トーンを有するj番目のRUのサイズに依存する正規化係数であり、RUMjは、j番目のRUサイズと前記BSS帯域幅の最大RUMサイズとの比に等しく、
式中、NSS、j、iは、Tiの間のj番目のRUM上の1つまたは複数のストリームの数であり、
式中、Tiは、プライマリ20 MHzチャネルがビジーであるマイクロ秒単位の時間間隔であり、
式中、Tbusyは、CCAが測定期間中にチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数である、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記BSS負荷要素は、
プライマリチャネルの利用率を示す利用率フィールドであって、前記利用率フィールドは、前記プライマリチャネルがビジーである時間の間隔に基づいて計算される、利用率フィールド
をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記利用率フィールドは、前記プライマリチャネルの前記利用率の割合数を表し、前記割合数は、以下に基づいている:
【数6】
式中、Tbusyは、クリアチャネルアセスメント(CCA)が測定期間中に前記プライマリチャネルがビジーであることを示すマイクロ秒数であり、
式中、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervalは、前記プライマリチャネルのビジー時間が測定される連続ビーコン間隔の数を表し、
式中、dot11BeaconPeriodは、ビーコン期間である、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年3月2日に出願された「Transmission of BSS Load Element in Wireless Local Area Network System」と題する米国特許出願第15/910,963号に対する優先権(米国の継続として)、および2017年6月22日に出願された「Transmission of BSS Load Element in Wireless Local Area Network System」と題するPCT特許出願第PCT/CN2017/089548号に対する優先権(米国の一部継続として)を主張し、それらのすべての内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)通信に関し、特に、WLANシステムにおいて基本サービスセット(BSS)負荷要素を送信するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術が進化するにつれて、様々なワイヤレス通信技術がユーザにサービスおよび/またはネットワーク接続への便利なアクセスを提供している。多くのWLAN技術は、米国電気電子技術者協会(IEEE)802標準化機構によって提案されている。802.11規格ファミリーに関連するグループは、サービス品質(QoS)の向上、アクセスポイントプロトコル、セキュリティ強化、ワイヤレス管理などに関連する規格を開発し、商業化している。
【0004】
最近、802.11a/gは、直交周波数分割多重(OFDM)技術の導入により、ワイヤレス速度を54Mbpsに高めた。802.11nによるリンク速度の向上は、最大150Mbpsの単一のストリームリンクをユーザに提示した。さらに、802.11acは、より広いチャネル(160MHz)およびより高い変調次数を有する単一の空間ストリーム上で約866Mbpsのリンク速度の可能性をもたらした。
【0005】
しかし、多様な環境で現在展開されているWLANデバイスは、状況によってはイライラするほど遅いデータトラフィックを提供する場合がある。例えば、混雑している空港で公共Wi-Fiを介してメールをチェックしようとするなどの密集したシナリオは、ネガティブなユーザエクスペリエンスを提供することがある。ビデオ、クラウドアクセス、およびオフローディングなどの様々なアプリケーションをより良好にサポートするために、WLANのパフォーマンスを向上させるための新しいIEEE 802.11ax WLAN規格が開発されている。
【0006】
したがって、ワイヤレス企業オフィス、屋外ホットスポット、および密集した住宅環境などの環境をサポートするために、WLAN通信効率を向上させるための、ならびに負荷を分散するための解決策が望まれている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、WLANシステムで送信される(基本サービスセット)BSS負荷要素に基づいて、ステーション(STA)が関連付ける適切なアクセスポイント(AP)を選ぶことを可能にする例示的なアプローチを説明する。各20MHzチャネル上の周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドならびにBSS負荷要素のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドを含めることによって、本明細書で説明される例は、少なくともいくつかのアプリケーションでの過負荷問題と非効率的なリソース利用率の課題の一方または両方に対処することができる。少なくともいくつかの例では、ネットワーク全体の負荷分散を達成するために、BSS負荷要素を送信するための方法およびシステムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な態様によれば、アクセスポイント(AP)によって実行される、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)に関する情報を生成および送信するための方法およびシステムがある。BSS負荷要素は、対応(ステーション)STAカウントフィールド、複数の周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールド、および複数のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドを含むAPによって生成される。対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示す。周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、各チャネルの直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の未利用の周波数および/または空間ストリームドメインリソースを示し、周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、RUサイズに基づいて計算される。デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドの各々は、対応するセカンダリチャネル上の観測可能な利用率に基づいて計算されたセカンダリチャネル内のサブバンドの利用率を示す。次に、BSS負荷要素がWLANで送信される。
【0009】
いくつかの例では、BSS要素を受信し、1つまたは複数のAPから受信されたBSS要素に基づいて関連付けるAPを選択するためのステーションが提供される。さらなる例示的な態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)に関する情報を送信するように構成された処理システムがある。処理システムは、処理デバイスと、処理デバイスに関連付けられたメモリと、命令を記憶するための非一時的ストレージとを含む。命令は、メモリにロードされ、処理デバイスによって実施されると、処理デバイスに、対応STAカウントフィールド、未利用率情報および観測可能なセカンダリチャネル利用率情報を含むBSS負荷要素を生成させる。対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示す。未利用率情報は、複数のチャネルの各々の直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の未利用の周波数および/または空間ストリームドメインリソースに関する情報を示す。観測可能なセカンダリチャネル利用率情報は、1つまたは複数のセカンダリチャネルにおける複数のサブバンドの観測可能なセカンダリチャネル利用率情報を含む。命令はまた、処理デバイスに、BSS負荷要素を送信させる。
【0010】
第1の例示的な態様によれば、アクセスポイント(AP)によって実行される、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)の利用率情報を提供するための方法は、以下の未利用率フィールド:対応STAカウントフィールド、周波数未利用率フィールド、空間ストリーム未利用率フィールド、周波数および空間ストリーム未利用率フィールドの1つまたは複数を含むBSS負荷要素を生成するステップであって、対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示し、未利用率フィールドの各々は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の、未利用の周波数リソースおよび未利用の空間ストリームドメインリソースの一方または両方を示し、未利用率フィールドの各々は、RUのサイズに基づいて計算される、ステップと、BSS負荷要素を送信するステップとを含む。
【0011】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、方法は、複数のチャネル利用率フィールドを生成するステップをさらに含む。デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドの各々は、対応するセカンダリチャネル上の観測可能な利用率に基づいて計算されたセカンダリチャネル内のサブバンドの利用率を示す。
【0012】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドは、OFDMA RU上の未利用の周波数または空間ストリームドメインリソースを示す。
【0013】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドは、以下:周波数および空間ストリーム未利用率、周波数未利用率、ならびに空間ストリーム未利用率の1つまたは組合せを示す情報を含む。
【0014】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドの各々は、周波数未利用率情報および空間ストリーム未利用率情報を含む。
【0015】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドは、周波数未利用率フィールドである。
【0016】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドは、少なくとも106トーンを有するRUに基づいて計算された空間ストリーム未利用率フィールドである。
【0017】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、方法は、アップリンクおよびダウンリンクについて個別に未利用の周波数または空間ストリームドメインリソースを決定するステップをさらに含む。
【0018】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、セカンダリチャネルは、セカンダリ帯域幅40MHzまたはセカンダリ帯域幅80MHzを含む。
【0019】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、BSS負荷要素は、STAの1つが関連付けられているBSSをスキャンするためのプローブ要求に応じてプローブ応答で送信される。
【0020】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、BSS負荷要素は、定期的にブロードキャストされるビーコンで送信される。
【0021】
第2の態様によれば、ステーション(STA)によって実行される、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)の利用率情報を受信するための方法は、少なくとも1つのアクセスポイント(AP)から、対応STAカウントフィールドおよび複数の未利用率フィールドを含むBSS負荷要素を受信するステップであって、未利用率フィールドは、周波数未利用率フィールドまたは空間ストリーム未利用率フィールドであり、対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示し、未利用率フィールドの各々は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の未利用の周波数または空間ストリームドメインリソースに関する情報を含み、未利用率フィールドの各々は、RUサイズに基づいて計算される、ステップと、BSS負荷要素に基づいて関連付けるAPを選択するステップとを含む。
【0022】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、BSS負荷要素は、複数のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドをさらに含み、デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドの各々は、対応するセカンダリチャネル上の観測可能な利用率に基づいて計算されたセカンダリチャネル内のサブバンドの利用率を示す。
【0023】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率フィールドは、複数のチャネルの各チャネルのOFDMA RU上の未利用の周波数または空間ストリームドメインリソースを示す。
【0024】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドは、周波数および空間ストリーム未利用率フィールド、または周波数未利用率フィールド、または空間ストリーム未利用率フィールドを含む。
【0025】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、周波数および空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、106トーンRU未満のRUのサイズと106トーンRU以上のRUのサイズの両方で計算される。
【0026】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、周波数未利用率フィールドの各々は、106トーンRU未満のRUのサイズで計算される。
【0027】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、106トーンRU以上のRUのサイズで計算される。
【0028】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、セカンダリチャネルは、セカンダリ帯域幅40MHzまたはセカンダリ帯域幅80MHzを含む。
【0029】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、BSS負荷要素は、STAが関連付けられているBSSをスキャンするためのプローブ要求に応じてプローブ応答で受信される。
【0030】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、BSS負荷要素は、定期的にブロードキャストされるビーコンで受信される。
【0031】
第3の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)に関する情報を送信するように構成された処理システムは、処理デバイスと、処理デバイスに関連付けられたメモリと、メモリにロードされ、処理デバイスによって実施されると、処理デバイスに、対応STAカウントフィールドおよび未利用率情報を含むBSS負荷要素を生成させ、対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示し、未利用率情報は、複数のチャネルの各々の直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の未利用の周波数または空間ストリームドメインリソースに関する情報を示し、BSS負荷要素を送信させる命令を記憶するための非一時的ストレージとを備える。
【0032】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、観測可能なセカンダリチャネル利用率情報は、サブバンドの使用量とサブバンドを含むセカンダリチャネルの使用量との間の差分に関するデルタ観測可能な利用率情報を含む。
【0033】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、未利用率情報は、複数の20MHzチャネルの未利用の周波数と空間ストリームドメインリソースの両方に関する情報を示す。
【0034】
第4の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムにおける基本サービスセット(BSS)負荷要素を処理するように構成された処理システムは、処理デバイスと、処理デバイスに関連付けられたメモリと、メモリにロードされ、処理デバイスによって実施されると、処理デバイスに、アクセスポイント(AP)から、対応STAカウントフィールドおよび複数の未利用率フィールドを含むBSS負荷要素を受信させ、未利用率フィールドは、周波数未利用率フィールドまたは空間ストリーム未利用率フィールドであり、対応STAカウントフィールドは、BSSに現在関連付けられているSTAの総数を示し、周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、各チャネルの直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット(RU)上の未利用の周波数および/または空間ストリームドメインリソースに関する情報を含み、周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールドの各々は、RUサイズに基づいて計算され、BSS負荷要素に基づいて関連付けるAPを選択させる命令を記憶するための非一時的ストレージとを備える。
【0035】
本発明、およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明への参照がここで行われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】例示的な実施形態による通信のためのWLANシステムを示す概略図である。
図2】例示的な実施形態による通信のためのMU-MIMO WLANシステムの概略図である。
図3A】802.11acの従来技術の拡張BSS負荷要素のフォーマットを示す図である。
図3B図3Aの拡張BSS負荷要素の空間ストリーム未利用率フィールドの方程式を示す図である。
図4A】802.11ax環境の周波数/時間グラフでOFDMA RUを示す図である。
図4B】802.11ax環境の20、40および80MHZチャネルでサポートされるRUを示す図である。
図4C】802.11ax環境の周波数帯域幅内のチャネルブロックの例を示す図である。
図5A】例示的な実施形態によるBSS負荷要素500のフォーマットを示す図である。
図5B図5AのBSS負荷要素の周波数および空間ストリーム未利用率フィールドの方程式を示す図である。
図5C】さらなる例示的な実施形態による図5AのBSS負荷要素の周波数未利用率フィールドの方程式を示す図である。
図5D】さらなる例示的な実施形態による図5AのBSS負荷要素の空間ストリーム未利用率フィールドの方程式を示す図である。
図5E図5AのBSS負荷要素のデルタ観測可能な利用率フィールドの方程式を示す図である。
図5F図5Eのデルタ観測可能な利用率の方程式で使用するための観測可能な利用率フィールドの方程式を示す図である。
図5G】例示的な実施形態によるBSS負荷要素500のフォーマットを示す図である。
図5H】例示的な実施形態によるBSS負荷要素500のフォーマットを示す図である。
図6図5AのBSS負荷要素の送信のリソーススケジュールの例を示す図である。
図7図5AのBSS負荷要素の送信を実装するために使用される処理システムの概略図である。
図8】例示的な実施形態による図7の処理システムで行われる方法のブロック図である。
【0037】
同様の参照番号は、同様の構成要素を示すために異なる図で使用されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ワイヤレス企業オフィス、屋外ホットスポット、または混雑した住宅環境などの密集したワイヤレス環境では、アクセスポイント(AP)は、APがあまりにも多くのステーション(STA)に関連付けられている場合にトラフィックによって過負荷になる可能性がある。したがって、WLANシステムにおいて基本サービスセット(BSS)負荷要素を提供および送信してスペクトル効率およびリンク信頼性を向上させるための方法およびシステムが、以下に説明される。
【0039】
図1は、本明細書で説明される方法が実装され得るWLANシステム90の概略図を提供する。少なくとも1つの関連するSTA102と共にAP101は、インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)と呼ばれる。図1は、WLANシステム90の2つの代表的なBSS100(1)、100(2)(本明細書では一般にBSS100と呼ばれる)を含む。AP101は、STA機能を有し、関連するSTA102の配信サービスへのアクセスを提供するエンティティである。本明細書で使用されるように、STA102は、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、マシンタイプ通信デバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、ならびにワイヤレス検知および報告デバイスを含むがこれらに限定されない、ワイヤレス通信に対応するモバイルデバイスであり得る。
【0040】
図2を参照すると、複数のSTA102とBSS100のAP101との間のワイヤレス通信の場面でWLANシステム90の例が説明される。複数のAPアンテナを使用するマルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)ベースの送信により、WLANシステムにおける無線チャネルの効果的な使用のために複数のSTA102による同時チャネルアクセスが可能になる。AP101は、空間多重化されたデータを複数のSTA102に同時に送信することができる。データが複数のそれぞれの空間ストリーム(ストリーム1、2、3、4)を使用して複数のSTA102に同時に送信されると、WLANシステム90の全体的なスループット(TH)を増加させることができる。
【0041】
WLANシステム90において、STA102は、WLANサービスを提供するAP101とスキャン、認証、および関連付け手順を実行する。従来のWLANでは、STAによって実行されるAPスキャンの結果として複数のAPが見つけられると、STAは通常、STAに最も強い受信電力を提供するAPにアクセスすることを好む。しかし、密集した環境には多数のSTAおよびトラフィックが存在する。効果的な負荷分散がない場合、一部のAPがあまりにも多くのSTAに関連付けられ、過負荷になる可能性がある。STAがビジーまたは過負荷のAP101を選ぶ場合、STAは、スケジュールされた送信の機会が少なくなる。したがって、例示的な実施形態では、STA102が密集した環境でAP101を選択するとき、WLANシステム90の全体的な負荷バランスが考慮される。
【0042】
IEEE 802.11acでは、従来の拡張BSS負荷要素300は、図3Aに示すように定義される。MU-MIMO空間ストリーム未利用率フィールド301は、MU-MIMO特徴をサポートするためにビーコンフレームの拡張BSS負荷要素300に含まれる。STAは、関連付けるAPを選択するために、実装固有のAP選択アルゴリズムのためにビーコンフレームの受信された拡張BSS負荷要素300を使用する。図3Aで述べるように、拡張BSS負荷要素300は、空間ストリーム未利用率フィールド301、観測可能なセカンダリ20MHz利用率フィールド302、観測可能なセカンダリ40MHz利用率フィールド303、および観測可能なセカンダリ80MHz利用率フィールド304を含む。
【0043】
空間ストリーム未利用率フィールド301に使用される値は、以下の方程式(1)を使用して決定される:(図3Bにも示す):
【数1】
式中:
Tutilizedは、
【数2】
を表し、式中、Tiは、MUビームフォーミング対応STAへのAPによる1つまたは複数の空間ストリームの送信によりプライマリ20MHzチャネルがビジーである、マイクロ秒単位の時間間隔であり、Nss、iは、時間間隔Tiの間に送信された空間ストリームの数であり、Nは、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals連続ビーコン間隔以下の合計測定時間の間に発生したビジーイベントの数である。。
Nmax_SSは、APによってサポートされる空間ストリームの最大数である。
Tbusyは、クリアチャネルアセスメント(CCA)が測定期間中にチャネルがビジーであることを示したマイクロ秒数である。CCAビジー測定の解像度は、マイクロ秒単位である。
【0044】
IEEE 802.11acは、シングルユーザ(SU)/MU-MIMOを用いた直交周波数分割多重(OFDM)をサポートし、その結果、周波数利用率は、プライマリ20MHzチャネルおよびセカンダリ20/40/80MHzチャネルでのみ計算される。802.11ac拡張BSS負荷要素300に含まれるBSS負荷フィールドは、チャネル全体のMIMO空間スチーム利用率および帯域幅利用率に関する情報しか含まないため、関連付ける最適なAPを選択する際にSTAによって使用され得る周波数利用率情報は、省略される。したがって、以下で説明される例示的な実施形態は、強化された利用率情報を提供するBSS負荷要素を提供する。
【0045】
IEEE 802.11axでは、図4Aおよび4Bに図示されるように、同じチャネル帯域幅でより多くのステーションを多重化する直交周波数分割多元接続(OFDMA)送信方式が定義される。802.11axでは、特定のサブキャリアセットが個々のステーションに割り当てられる。図4を参照すると、チャネル(20、40、80または160MHz帯域幅を有することができる)は、各々が事前定義された数のサブキャリアを有する小さなサブチャネルに分割される。最小のサブチャネルは、リソースユニット(RU)410と呼ばれる。RUサブチャネルは、26トーンRU、52トーンRU、106トーンRU、242トーンRU、484トーンRU、996トーンRUおよび2*996トーンRUを含むことができる。
【0046】
図4Bに図示されるように、以下のトーンサイズのRUが、以下の帯域幅サイズチャネルでサポートされる:(1)20MHz帯域幅:26トーンRU、52トーンRU、106トーンRUおよび242トーンRU、(2)40MHz帯域幅:26トーンRU、52トーンRU、106トーンRU、242トーンRUおよび484トーンRU、(3)80MHz帯域幅:26トーンRU、52トーンRU、106トーンRU、242トーンRU、484トーンRU、および996トーンRU、および(4)160MHz(または80+80MHz)帯域幅:26トーンRU、52トーンRU、106トーンRU、242トーンRU、484トーンRU、996トーンRUおよび2*996トーンRU。OFDMA RUは、全帯域幅を含み、これは帯域幅内の最大RUの場合である。
【0047】
図4Cは、802.11axに従ってチャネル帯域幅ブロックに分割された利用可能な帯域幅(図示された例では5170~5330MHz)の例を図示する。図4Cに図示されるように、利用可能な帯域幅は、以下のチャネルブロックに分割される:8つの20MHzチャネル420(第1~第8の20MHzチャネル)、各々が2つの(第1および第2の)20MHzサブバンドを含む4つの40MHzチャネル430、4つの(第1~第4の)20MHzサブバンドを含む2つの80MHzの440チャネル、および160MHzチャネル(80MHz+80MHz)。
【0048】
例示的な実施形態では、BSSには、BSSのプライマリ20MHzチャネルとして、40、80、または160MHz幅のチャネル内の20MHzセグメントが割り当てられる。この20MHzチャネルは、BSSまたはAPが動作するコア周波数セグメントを形成する。プライマリ20Hzチャネルのスペクトルを含む40MHzチャネルは、プライマリ40MHzチャネルとして指定され、プライマリ40MHzチャネルを含む80MHzチャネルは、プライマリ80MHzチャネルとして指定される。プライマリ80MHzチャネルではない80MHzチャネルは、セカンダリ80MHzチャネルとして指定され、プライマリ80MHzチャネルのスペクトル内にある非プライマリ40MHzチャネルは、セカンダリ40MHzチャネルとして指定される。階層構造が図4Cに図示されており、破線ループ420Pは、指定されたプライマリ20MHzチャネルを示し、破線ループ430Pは、対応するプライマリ40MHzチャネルを示し、破線ループ440Pは、対応するプライマリ80MHzチャネルを示す。さらに、破線ループ440Sは、対応する指定されたセカンダリ80MHzチャネルを示し、破線ループ430Sは、対応する指定されたセカンダリ40MHzチャネルを示す。
【0049】
BSS負荷要素500は、例示的な実施形態によれば、図5Aに示すように定義される。BSS負荷要素500は、例えば、高効率ワイヤレス(HEW)802.11ax環境に適し得る。図5Aに示す例示的なBSS負荷要素500は、最大8つの予約された20MHzチャネル420(第1~第8の20MHzチャネル)、セカンダリ40MHzチャネル430Sの2つの(第1および第2の)20MHzサブバンド、およびセカンダリ80MHzチャネル440Sの4つの(第1~第4の)20MHzサブバンドのリソース使用量情報を含むように構成される。
BSS負荷要素500は、要素IDフィールド501、長さフィールド502、HE STAカウントフィールド503、複数の(第1~第8の)周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504、および複数の(第1~第6の)デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド505を含む。図5Aの例では、BSS負荷要素500は、第1~第8の20MHzチャネルの各々に1つずつ、8つの周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504を含む。BSS負荷要素500は、セカンダリ40MHzチャネル430Sの第1および第2の20MHzサブバンドの各々のフィールド505、およびセカンダリ80MHzチャネル440Sの第1~第4の20MHzサブバンドの各々のフィールド505を含む、6つのデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド505を含む。以下で述べるように、いくつかの例では、20MHzチャネル420およびセカンダリチャネル430S、440Sの一部は、BSSに予約されるかまたは利用不可能である場合があり、その場合、BSS負荷要素500の対応するフィールドは、ヌル情報を含むか、または省略され得る。また、一部の周波数および空間ストリーム未利用率フィールドは、帯域幅に応じて、ヌル情報を含むか、または省略され得る。
【0050】
BSS負荷要素500に含まれるBSS負荷フィールド(501、502、503、第1~第8の504、および第1~第6の505)は、AP101からのデータパケットで送信され、WLANシステム90の使用量状況に関する有用な情報を提供する。STA102は、BSS負荷要素500からの情報を使用して、各20MHzチャネルに対して関連付ける適切なAP101を選択することができる。特に、STA102は、実装固有のAP選択アルゴリズムでWLAN使用量状況の情報を使用することができ、各STA102が関連付ける適切なAP101(例えば、アイドルAP101)を選ぶことを可能にする。BSS負荷要素500に基づく最適化されたAP選択は、少なくともいくつかの例では、効率的なチャネル使用量を増加させ、同時にスケジュールされた送信の待機時間を短縮し得る。
【0051】
図示された例では、図5Aに示すように、対応ステーション(STA)カウントフィールド503は、AP101に現在関連付けられており、HE対応またはMU-MIMOおよびOFDMA対応であるSTAの総数を示す。
【0052】
BSS負荷要素500を送信するAP101に現在関連付けられているOFDMA/MU-MIMO対応STA。
【0053】
各20MHzチャネルの周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504には、100%を表す255で線形にスケーリングされ、AP101が20MHzチャネル420のOFDMA RU上のメディアの所与のビジー時間に対して未利用の周波数および空間ストリームドメインリソースを有する、時間の割合を表す値が入力される。したがって、フィールド504は、対象となる20MHzチャネル420のリソース未利用率に関する情報を含む。周波数および空間ストリーム未利用率値は、8つの20MHzチャネルの各々に計算される。例示的な実施形態では、この割合は、測定された20MHzチャネル420について、以下の方程式(2A)、(2B)、または方程式(3)のいずれかを使用して計算される(図5Bにも示す):
【数3】
または、代替の実施形態では:
【数4】
【数5】
【0054】
式中:
Nmax_SSは、APによってサポートされる空間ストリームの最大数である。
Tbusyは、CCAが、測定期間中、チャネルがビジーであるか、または測定された20MHzチャネルがビジーであるかもしくは占有されていることを示したマイクロ秒数である。CCAビジー測定の解像度は、マイクロ秒単位である。
Tiは、測定された20MHzチャネルまたはプライマリ20MHzチャネルがビジーであるか、またはAPとHE STAとの間の1つまたは複数の空間ストリームのOFDMA送信により占有されている、マイクロ秒単位の時間間隔であり、
NRUは、測定された20MHzチャネルまたは時間間隔Tiの間の帯域幅もしくはBSS帯域幅内で割り当てられるRUの数であり、
NSS、j、iは、時間間隔Tiの間にj番目のRU上で送信される空間ストリームの数であり、
Nは、dot11ChannelUtilizationBeaconIntervals連続ビーコン間隔以下の合計測定時間の間に発生したビジーイベントの数であり、
RU1jは、RUサイズに依存する正規化係数である。RU1は、サイズが106トーン未満のRUに関して適用される。j番目のRU1が26トーンRUである場合、RU1j=1/9であり、j番目のRU1が52トーンRUの場合、RU1j=2/9であり、
N1RU1は、測定された20MHzチャネルまたは時間間隔Tiの間の帯域幅もしくはBSS帯域幅内で割り当てられるサイズが106トーン未満のRU(正規化係数が4/9未満のRU)の数であり、BSS帯域幅である場合、PPDUによって占有されていない20MHzチャネルは、PPDUの帯域幅がBSS帯域幅よりも小さいときに1つまたは複数のRUと見なすことができ、これらのRUは、干渉RUとして解釈され、
Bj、iは、j番目のRU1がビジー時間Tiで占有または干渉されている場合に1であり、そうでない場合は0であり、
RU2jは、RUサイズに依存する正規化係数である。RU2は、サイズが少なくとも106トーンのRUに関して適用される。j番目のRUが106トーンRUである場合、RUj=4/9であり、j番目のRUが242トーンRUまたはラガーである場合、RUj=1である。
N2RU2は、測定された20MHzチャネルまたは時間間隔Tiの間の帯域幅もしくはBSS帯域幅内で割り当てられるサイズが少なくとも106トーン以上のRU(正規化係数が少なくとも4/9のRU)の数でありBSS帯域幅である場合、PPDUによって占有されていない20MHzチャネルは、PPDUの帯域幅がBSS帯域幅よりも小さいときに1つまたは複数のRUと見なすことができ、これらのRUは、干渉RUとして解釈され、
NSS、j、iは、0~8の範囲であり、これはビジー時間Tiにおけるj番目のRU2上のストリームの数であり、NSS、j、iは、j番目のRU2がビジー時間Tiで占有または干渉されている場合に0に設定される。
上で示す方程式(3)、および図5Bにおいて、aiおよびajは、正規化された係数、つまり
【数6】
および
【数7】
である(いくつかの例では、他の方程式が正規化係数aiおよびajを決定するために使用されてもよい)。
この例では、未利用率フィールドは、OFDMAおよび/またはMU-MIMO送信に基づいて計算されるため、Nは、OFDMA PPDU、OFMDA+MU-MIMO PPDUおよび全帯域幅MU-MIMO PPDUを含む、MU PPDU送信イベントの数を示すために使用される。
【0055】
上記の方程式で述べたように、例示的な実施形態では、周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504は、106トーン未満のサイズを有するRUと106トーン以上のサイズを有するRUの両方について計算される要素を含む。図5Bを参照すると、方程式(2)および(3)において、各周波数および空間ストリーム未利用率フィールドは、RU1j(点線の円510によって示される)およびRU2j(点線の円520によって示される)に基づいて計算される。上述のように、RU1jは、RUサイズに依存する正規化係数である。RU1は、サイズが106トーン未満のRUに関して適用される。j番目のRU1が26トーンRUであるとき、RU1j=1/9であり、j番目のRU1が52トーンRUであるとき、RU1j=2/9である。さらに、RU2jもまた、RUサイズに依存する正規化係数である。RU2は、サイズが少なくとも106トーン以上のRUに関して適用される。j番目のRUが106トーンRUであるとき、RUj=4/9であり、j番目のRUが242トーンRU以上であるとき、RUj=1である。したがって、周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504は、BSSに含まれるRUのサイズに基づく情報を組み込む。この情報に基づいて、STAは、WLANシステム90でのリソース利用率を増加させ、スケジュールされた送信の待機時間を短縮し得る適切なAPを選択して関連付けることができる。
【0056】
方程式(2)および(3)から理解されるように、BSS要素500の20MHzチャネル420の各々に含まれるチャネルリソース未利用率情報は、802.11acのBSS要素300で以前に行われたチャネル全体の使用量ではなく、RUリソース使用量に基づいて決定される。
【0057】
図示された実施形態では、Tbusyが0であるとき、周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504は、予約されている。代替の例示的な実施形態では、Tbusyは、CCAがアップリンクマルチユーザ(MU)送信の測定期間中に測定された20MHzチャネルがビジーであることを示したマイクロ秒数ではない場合がある。代わりに、Tbusyは、アップリンクMU送信の測定期間中に測定された20MHzチャネル内の1つのRU上に少なくとも1つの受信された送信があるマイクロ秒数であり得る。あるいは、Tbusyは、チャネルのビジー度を示す任意の他の適切な指標であってもよい。
【0058】
代替の例示的な実施形態では、すべての利用可能な20MHzチャネルの全帯域幅にわたる平均の周波数および空間ストリーム未利用率フィールドは、AP101によって提供される。これは、帯域幅内の20MHzチャネルごとのすべての周波数および空間ストリーム未利用率を平均することによって計算することができる。あるいは、方程式(2)または(3)は、利用可能な帯域幅全体をカバーするように適応することができ、正規化係数RU1jおよびRU2jは、RUサイズを帯域幅またはBSS帯域幅内の最大RUで割った値として計算され、例えば、RU1が40MHz帯域幅で26トーンRUの場合、
【数8】
である。
【0059】
図5Aを参照すると、上述のように、複数の周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504は、最初の20MHzチャネルから第8の20MHzチャネルまでの8つのチャネル420の各々に対するそれぞれのフィールド504を含む。最初の20MHzチャネルから第8の20MHzチャネルは、最低周波数の20MHzサブチャネルから最高周波数の20MHzサブチャネルにそれぞれ対応する。
【0060】
代替の例示的な実施形態では、周波数および空間ストリーム未利用率は、2つの部分に分割することができる。
【0061】
周波数未利用率は、図5Cにも示される以下の方程式(4A)、またはあるいは方程式(4B)もしくは方程式(4C)(すべて集合的に方程式(4)と呼ばれる)によって定義される:
【数9】
または
【数10】
式中、RU3は、RU1とRU2の両方を含み、RU3maxは、BSS帯域幅内の最大RUの正規化係数であり、1に設定され、この場合、N1RU1、N1RU3およびN2RU2は、BSS帯域幅内のRUの数である。別の実施形態では、RU3maxは、HE PPDU帯域幅内の最大RUの正規化係数である。例えば、40MHzのBSS帯域幅では、40MHzのBSS帯域幅の最大RUサイズは、484トーンであり、MU PPDUの20MHz帯域幅内の最大RUは、242トーンであり、したがってRU3max=242/484=0.5であり、この場合、N1RU1、N1RU3およびN2RU2は、PPDUの帯域幅内のRUの数である。第2の実施形態では、RU3maxはTbusy、iによって変化するため、正確な式は以下である
【数11】
式中、Tbusy、iは、測定された20MHzチャネルまたはプライマリ20MHzチャネルがビジーであるか、またはAPとHE STAとの間の1つまたは複数の空間ストリームのOFDMA送信により占有されている、マイクロ秒単位の時間間隔であり、Tbusy、i=Ti、N3=Nである。
RU3max、iは方程式5Bに適用されるが、Tbusy、iは、測定された20MHzチャネルまたはプライマリ20MHzチャネルがビジーであるか、またはAPとHE STAとの間の1つまたは複数の空間ストリームのOFDMA送信(OFDMAまたはOFDMAとMU-MIMOの実施形態における)および/または1つまたは複数の空間ストリームの送信(MU-MIMOの実施形態における)により占有されている、マイクロ秒単位の時間間隔である。
【数12】
はRU3maxにほぼ等しいが、RU3maxに関連するRUには、
【数13】
に関連するRUの合計と比較して、追加の残りのトーンがいくつかあるためにまったく同じではない。加えて、
【数14】
は、イベントNによって変化する。
【0062】
空間ストリーム未利用率は、図5Dにも示される以下の方程式(5A)または(5B)によって定義される:
【数15】
あるいは:
【数16】
式中、RU3は、RU1とRU2の両方を含み、RU3maxは、帯域幅内の最大RUの正規化係数である
方程式(4)および(5)に含まれるパラメータは、方程式(2)および(3)に関して上に示したものと同じ値を有する。方程式(5A)および(5B)において、Tiの別の意味は、測定された20MHzチャネルまたはプライマリ20MHzチャネルがビジーであるか、またはAPとHE STAとの間の1つまたは複数の空間ストリームのOFDMA送信(OFDMAまたはOFDMAとMU-MIMOの実施形態における)および/または1つまたは複数の空間ストリームの送信(MU-MIMOの実施形態における)により占有されている、マイクロ秒単位の時間間隔である。一例では、周波数未利用率および空間ストリーム未利用率は、各20MHzチャネル420に対して計算することができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、各20MHzの420チャネルのBSS負荷要素500の周波数および空間ストリーム未利用率フィールド504は、方程式(4)および(5)に従って計算された周波数未利用率フィールドまたは空間ストリーム未利用率フィールドのいずれか、または周波数未利用率フィールドと空間ストリーム未利用率フィールドの両方で置き換えることができる。方程式(4)では、周波数未利用率は106トーン未満のRU(方程式4A)、またはすべてのRU(方程式4B)に基づいて計算されるが、方程式(5)では、空間ストリーム未利用率は、少なくとも106トーン以上のRUのみに基づいて計算される。図5Cおよび図5Dを参照すると、RU1jは、方程式(4)の点線の円510によって示され、RU2jは、方程式(5)の点線の円520によって示される。
【0063】
図5Eおよび図5Fを参照して、BSS負荷要素500のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド505に入力するために使用される値は、例示的な実施形態に従って、より詳細に説明される。BSS負荷要素500では、送信チャネルは、すべての20MHzチャネル420の周波数利用率に分割される(例えば、プライマリ20 MHzチャネルおよびセカンダリ20/40/80MHzチャネルのみを考慮する802.11ac BSS負荷要素と比較して)。例示的な実施形態では、デルタ観測可能な利用率は、特定の20MHzサブバンドの観測可能な利用率と、特定の20MHzサブバンドが属するセカンダリ40MHzまたは80MHzチャネル全体の観測可能な利用率の組合せに基づいて、セカンダリ40MHzおよび80MHzチャネル430Sおよび440Sの各20MHzサブバンドについて決定される。
【0064】
上述のように、例示的な実施形態では、BSS負荷要素500は、40MHzセカンダリチャネル430Sの2つのサブバンドおよび80MHzセカンダリチャネル440Sの4つのサブバンドを含む、6つの20MHzサブバンドのデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド505を含む。以下の方程式(6)および(7)は、デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド505に入力するために使用される値を決定するための2つの代替の例を提供する。以下の方程式では、「W2」が使用されてセカンダリ40MHz帯域または80MHz帯域のいずれかを指定し、W2=40MHzは、セカンダリ40MHzチャネルを指定し、W2=80MHzは、セカンダリ80MHzチャネルを指定する。「W1」は、W2チャネル内のW1番目のサブバンドを指定するために使用され、W2=40MHzに対してW1=1または2であり、W2=80MHzに対してW1=1、2、3または4である。
【数17】
代替の例示的な方程式:
【数18】
【0065】
式中、方程式(6)および方程式(7)において:
dot11ChannelUtilizationBeaconIntervalsは、セカンダリチャネルのビジー時間が測定される連続ビーコン間隔の数を表す。
Tbusy、w1、w2は、物理クリアチャネルアセスメント(PHY-CCA).indication(BUSY、{20MHzごとのビットマップ})(セカンダリW2のW1番目の20MHzチャネルに対応するn番目の(n=1、...、8)ビットは1に設定される)からのPHY-CCA.indicationプリミティブの次の発生までの期間の合計として算出され、測定間隔と重複する。例として、W1=1、W2=40MHzであるとき、T_(busy、W1、W2)は、T_(busy、1、40)であり、PHY-CCA.indicationからの期間の合計として算出され(BUSY、{x1...X8})、xnビットは、1に設定され、xnビットは、セカンダリ40MHzチャネルの最初の20MHzチャネルに対応する。
「観測可能なセカンダリW2利用率」は、W2=40MHzの場合の40Mhzセカンダリチャネル全体の観測された利用率、およびW2=80MHzの場合の80Mhzセカンダリチャネル全体の観測された利用率である。
【0066】
方程式(6)は、測定される特定のサブバンドの観測可能な利用率と、特定のサブバンドが属するセカンダリ40MHzまたは80MHzチャネルの観測可能な利用率との間の差であるデルタ観測可能な値を提供し、方程式(7)は、測定される特定のサブバンドの観測可能な利用率と、特定のサブバンドが属するセカンダリ40MHzまたは80MHzチャネルの観測可能な利用率との比であるデルタ観測可能な値を提供することが理解されよう。
【0067】
方程式(6)および(7)の共通の初期部分は、BSS負荷要素500のフィールドとして代替的にまたは追加的に含まれ得る、絶対的な観測可能な値を提供することにも留意されたい、つまり:
【数19】
いくつかの例では、セカンダリW2チャネル利用率のデルタ観測可能なW1番目の20MHzサブバンドの代わりに、セカンダリW2利用率の観測可能なW1番目の20MHzが使用され得ることに留意されたい。
BSS負荷要素500はまた、Tbusy、w1、w2の代わりにTbusy、primary 20 MHzを使用することによって方程式7および8を介して算出することができる、プライマリ20MHzチャネル利用率を含む。
【0068】
例示的な実施形態では、BSS負荷要素500に加えて、AP101は、サポートされるSTAチャネル幅を指定するフィールドを含むHT Operation要素、および/またはサポートされるチャネル幅を指定するフィールドを含むVHT Operation要素を送信する。AP101がHT Operation要素のSTAチャネル幅フィールドおよびVHT Operation要素のチャネル幅フィールドで20MHz、40MHz、または80MHzのチャネル幅を示す場合、セカンダリ80MHzフィールド内のn番目の(1≦n≦8)20MHzチャネルの周波数および空間ストリーム未利用率が予約され、観測可能なまたはデルタ観測可能な(第1~第4の20MHz)セカンダリ80MHz利用率フィールドが予約される。APがHT Operation要素のSTAチャネル幅フィールドで20MHzまたは40MHzのチャネル幅を示す場合、セカンダリ40MHzフィールド内のn番目の(1≦n≦8)20MHzチャネルの周波数および空間ストリーム未利用率が予約され、観測可能なまたはデルタ観測可能な(第1~第2の20MHz)セカンダリ40MHz利用率フィールドが予約される。APがHT Operation要素のSTAチャネル幅フィールドで20MHzのチャネル幅を示す場合、セカンダリ20MHzフィールドに対応するn番目の(1≦n≦8)20MHzチャネルの周波数および空間ストリーム未利用率が予約され、またはいくつかの例では、周波数または空間ストリーム未利用率は、個別に予約される。
【0069】
方程式(2)、(3)、(4)、および(5)の周波数および/または空間ストリームの未利用率、ならびに方程式(6)および(7)のセカンダリチャネルのデルタ観測可能な利用率は、2つの部分:1つはアップリンク送信用、もう1つはダウンリンク送信用に分割することができる。対応するパラメータTi、TbusyおよびTbusy、w1、w2は、個別にアップリンクおよびダウンリンク送信によって測定される。より具体的には、対応するパラメータTi、TbusyおよびTbusy、w1、w2は、アップリンクおよびダウンリンク部分に対して個別にアップリンクおよびダウンリンクMU送信によって測定され、TbusyおよびTbusy、w1、w2は、個別に累積アップリンクおよびダウンリンクMU送信時間によって測定される。別の実施形態では、対応するパラメータTiおよびTbusy、w1、w2のみが、アップリンクおよびダウンリンク部分に対して個別にアップリンクおよびダウンリンク送信によって測定される。プライマリ20MHzチャネル利用率はまた、2つの部分:1つはアップリンク送信用、もう1つはダウンリンク送信用に分割することができる。
【0070】
図5Gは、未利用率フィールドがチャネルごとではなく帯域幅全体に基づいて計算される例示的な実施形態によるBSS負荷要素500のフォーマットを図示する。
【0071】
図5Hは、未利用率フィールドがチャネルごとではなく帯域幅全体に基づいて計算される例示的な実施形態によるBSS負荷要素500のフォーマットを図示する。
【0072】
代替の例示的な実施形態では、80MHzチャネル帯域幅の中央領域におけるまたは160MHz帯域幅(または80+80MHz帯域幅)の80MHzでの26トーンRUに対して、26トーンRUの周波数未利用率は無視される。代替の例では、中央26トーンRUは、中央26トーンRUの元の場所に隣接する20MHzチャネル、または中央26トーンRUの元の場所に隣接する2つの20MHzチャネルに移動される。方程式(2)、(3)、(4)および(5)の各RUの正規化係数は、80MHzチャネルの移動された中央26トーンRUを含む対応する20MHzチャネルに対して調整される必要がある。例えば、RU1jがサイズが106トーン未満のRUの正規化係数である場合、j番目のRU1が26トーンRUであるとき、RU1j=1/10であり、j番目のRU1が52トーンRUであるとき、RU1j=2/10である。RU2jがサイズが少なくとも106トーンのRUの正規化係数である場合、j番目のRUが106トーンRUであるとき、RUj=4/10であり、j番目のRUが242トーンRUであるとき、RUj=9/10であり、j番目のRUが242トーンRUよりも大きいとき、RUj=1である。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態では、BSS負荷情報を運ぶBSS負荷要素500のフィールド(例えば、フィールド504、505)は、さらにまたは代替として、802.11ac拡張BSS負荷要素などのレガシーBSS負荷要素の拡張に含めることができる。受信機(例えばSTA102)は、長さフィールドまたはサブエレメントIDなどの別の明示的なフィールドを使用して、レガシーBSS負荷要素がOFDMA/MU-MIMO送信のBSS負荷情報を運ぶかどうかを知ることができる。
【0074】
代替の例示的な実施形態では、BSS負荷要素500に含まれるBSS負荷フィールド(例えばフィールド504、505)は、ビーコンまたはプローブ応答で送信され得る。例えば、BSS負荷要素500は、BSSのAP101スキャンのためのSTA102からのプローブ要求に応答するプローブ応答で送信されてもよい。代替の例では、BSS負荷要素500は、AP101によって定期的にブロードキャストされるビーコンで送信される。
【0075】
802.11acと802.11axとの間のリソース利用率の比較が、図6に示される。図6は、MU-MIMOおよびOFDMA技術の手段によるダウンリンクおよびアップリンクマルチユーザ操作を用いた802.11axの例を示し、一部のアプリケーションでは、駅、空港およびスタジアムなどの高密度のシナリオにおいて、ユーザあたりの平均スループットを4倍に増加させる場合がある。
【0076】
図7は、例えばAP101および1つまたは複数のSTA102など、本明細書で開示される方法およびシステムを実装するために使用され得る、例示的な処理システム700の概略図である。本開示で説明される例を実装するのに適した他の処理システムを使用することができ、これは以下で説明されるものとは異なる構成要素を含むことができる。図7は各構成要素の単一のインスタンスを示すが、処理システム700には各構成要素の複数のインスタンスが存在する場合があり、処理システム700は、並列および/または分散システムを使用して実装され得る。
【0077】
処理システム700は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用論理回路、またはそれらの組合せなどの1つまたは複数の処理デバイス705を含むことができる。処理システム700はまた、1つまたは複数の適切な入力デバイス735および/または出力デバイス770とのインターフェースを可能にすることができる、1つまたは複数の任意選択の入力/出力(I/O)インターフェース710を含むことができる。処理システム700は、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、P2Pネットワーク、WANおよび/またはLAN、および/または無線アクセスネットワーク(RAN))または他のノードとのワイヤードまたはワイヤレス通信のための1つまたは複数のネットワークインターフェース715を含み得る。ネットワークインターフェース715は、ワイヤードネットワークおよびワイヤレスネットワークへの1つまたは複数のインターフェースを含み得る。ワイヤードネットワークは、ワイヤードリンク(例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル)の使用を行うことができる。ワイヤレスネットワークは、それらが使用される場合、アンテナ775などのアンテナを介して送信されるワイヤレス接続の使用を行うことができる。ネットワークインターフェース715は、例えば、1つまたは複数の送信機または送信アンテナおよび1つまたは複数の受信機または受信アンテナを介してワイヤレス通信を提供してもよい。この例では、送信機と受信機の両方として機能し得る、単一のアンテナ775が示されている。しかし、他の例では、送信用と受信用に個別のアンテナが存在し得るか、またはアンテナ775が存在しない場合がある。処理システム700はまた、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブおよび/または光ディスクドライブなどの大容量ストレージユニットを含み得る、1つまたは複数のストレージユニット720を含むことができる。
【0078】
処理システム700は、揮発性または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または読み取り専用メモリ(ROM))を含み得る、物理メモリ210を含み得る1つまたは複数のメモリ725を含むことができる。非一時的メモリ725(ならびにストレージ720)は、本開示で説明されているような方法を行うなど、処理デバイス705による実施のための命令を記憶してもよい。メモリ725は、オペレーティングシステム(OS)、および他のアプリケーション/機能を実装するためなど、他のソフトウェア命令を含み得る。いくつかの例では、1つまたは複数のデータセットおよび/またはモジュールは、外部メモリ(例えば、処理システム700とのワイヤードまたはワイヤレス通信の外部ドライブ)によって提供されてもよいし、または一時的または非一時的コンピュータ可読媒体によって提供されてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、RAM、ROM、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、CD-ROM、または他のポータブルメモリストレージを含む。
【0079】
処理システム700の構成要素間の通信を提供するバス730があってもよい。バス730は、例えば、メモリバス、周辺バスまたはビデオバスを含む任意の適切なバスアーキテクチャであり得る。任意選択で、入力デバイス735(例えば、キーボード、マウス、マイク、タッチスクリーン、および/またはキーパッド)および出力デバイス770(例えば、ディスプレイ、スピーカおよび/またはプリンタ)は、処理システム700の外部として示され、任意選択のI/Oインターフェース710に接続される。他の例では、入力デバイス735および/または出力デバイス770の1つまたは複数は、処理システム700の構成要素として含めることができる。
【0080】
AP101およびSTA102は各々、アンテナアレイを形成する複数のアンテナ775を含むことができ、WLANシステム90の上記の例示的な実施形態に図示されるようにBSS負荷要素500を送信するステップを含む、指向性ワイヤレス通信を行うために、適切なビームフォーミングおよびビームステアリング制御を行うことができる(例えば、処理デバイス705および処理システム700によって実装されるビームステアリング回路および/またはビームステアリング制御モジュールを使用して)。
【0081】
処理システム700(1)(本明細書では総称して処理システム700と呼ばれる)がAPである実施形態は、上記の例示的な実施形態に図示されるBSS負荷要素500を処理システム700(1)に関連付けられているアンテナ775を介してSTAに送信することができる。処理デバイス705は、ストレージ720またはメモリ725に記憶されたパラメータに従って方程式(2)~(7)を行ってもよい。
【0082】
処理システム700(2)(本明細書では総称して処理システム700と呼ばれる)がSTAである代替の例示的な実施形態は、処理システム700(2)に関連付けられているアンテナ775を介してAPから上記の例示的な実施形態に図示されるBSS負荷要素を受信する。次いで、処理デバイス705は、ストレージ720またはメモリ725に記憶され得る、BSS負荷要素に含まれる負荷フィールドを用いて特定のAP選択アルゴリズムを実装し得る。
【0083】
図8は、処理システム700(1)上のAPから別の処理システム700(2)上のSTAへBSS負荷要素を送信するための上述の実施形態に従って実装される方法の例を図示する。少なくともいくつかの例では、処理デバイス705に図8に示す方法を行わせる命令は、APなどの処理システム700(1)のストレージ720に記憶される。方法は、STAに対して、APにおいてHE対応STAカウントフィールド、複数の周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールド、ならびに複数のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドを含むBSS負荷要素を生成して送信するステップを含む(ステップ801)。
【0084】
例示的な実施形態では、処理デバイス705に図8に示す方法を行わせる命令は、STAなどの処理システム700(2)のストレージ720に記憶される。STAは、処理システム700(2)に関連付けられているアンテナ775を介してBSS負荷要素を受信する。次に、STAの処理システム700(2)は、特定のAP選択アルゴリズムを実装して関連付ける適切なAPを選択する(ステップ802)。
【0085】
本開示では、各20MHzチャネルの周波数および/または空間ストリーム未利用率情報を伴うBSS負荷要素の送信のための方法が説明される。各20MHzチャネル上の複数の周波数および/または空間ストリーム未利用率フィールド、ならびにBSS負荷要素の複数のデルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールドを含めると、従来のアプローチと比較して、APのチャネル利用率に関する情報をより明確かつ明示的に提供することができる。本明細書で開示される例を使用すると、STAは、受信されたBSS負荷要素を使用して関連付けられる適切なAPを選ぶことができ、これによりWLANシステムの全体的な効率を向上させ、同時にトラフィックフローおよびチャネルアクセスを向上させることができる。
【0086】
本開示は、特定の順序のステップで方法およびプロセスを説明しているが、方法およびプロセスの1つまたは複数のステップは、適宜省略または変更されてもよい。必要に応じて、説明されている順序以外の順序で、1つまたは複数のステップを実行してもよい。
【0087】
本開示は、少なくとも部分的に、方法に関して説明されているが、本開示はまた、ハードウェア構成要素、ソフトウェアまたはこれら2つの任意の組合せによる、説明された方法の態様および特徴の少なくともいくつかを実行するための様々な構成要素も対象とすることを当業者は理解するであろう。したがって、本開示の技術的解決策は、ソフトウェア製品の形態で具現化され得る。適切なソフトウェア製品は、例えば、DVD、CD-ROM、USBフラッシュディスク、リムーバブルハードディスク、または他のストレージメディアを含む、事前に記録されたストレージデバイスまたは他の同様の不揮発性もしくは非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができる。ソフトウェア製品は、処理デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイス)が本明細書で開示される方法の例を実施することを可能にする、有形に記憶された命令を含む。
【0088】
説明された実施形態の特定の適合および修正を行うことができる。したがって、上述の実施形態は例示的であり、限定的ではないと見なされる。本発明を例示的な実施形態を参照して説明してきたが、この説明は、限定的な意味に解釈されることを意図したものではない。例示的な実施形態の様々な修正および組合せ、ならびに本発明の他の実施形態は、説明を参照すれば当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような修正または実施形態を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0089】
90 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム
100 基本サービスセット(BSS)
100(1) BSS
100(2) BSS
101 アクセスポイント(AP)
102 ステーション(STA)
210 物理メモリ
300 拡張BSS負荷要素
301 MU-MIMO空間ストリーム未利用率フィールド
302 観測可能なセカンダリ20MHz利用率フィールド
303 観測可能なセカンダリ40MHz利用率フィールド
304 観測可能なセカンダリ80MHz利用率フィールド
410 リソースユニット(RU)
420 20MHzチャネル
420P 破線ループ
430 40MHzチャネル
430P 破線ループ
430S セカンダリ40MHzチャネル、破線ループ
440 80MHzチャネル
440P 破線ループ
440S セカンダリ80MHzチャネル、破線ループ
500 BSS負荷要素、BSS要素
501 要素IDフィールド
502 長さフィールド
503 対応ステーション(STA)カウントフィールド
504 周波数および空間ストリーム未利用率フィールド
505 デルタ観測可能なセカンダリチャネル利用率フィールド
510 点線の円
520 点線の円
700 処理システム
705 処理デバイス
710 入力/出力(I/O)インターフェース
715 ネットワークインターフェース
720 ストレージ、ストレージユニット
725 非一時的メモリ
730 バス
735 入力デバイス
770 出力デバイス
775 アンテナ
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7
図8