(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20220111BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220111BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220111BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220111BHJP
【FI】
G02B7/02 F
G02B7/02 B
G03B17/02
H04N5/225 700
H04N5/225 100
G03B30/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020059850
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2020-04-02
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン アール ユベール
(72)【発明者】
【氏名】チャイタリ エヌ ダルヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスタン フォーサイス
(72)【発明者】
【氏名】レジス アール テシエール
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-083816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059807(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 17/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の光学設計を有するレンズアセンブリであって、前記レンズアセンブリが少なくとも、
鏡筒と、
前記鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子と、を含み、
温度変化が、前記特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす、レンズアセンブリと、
熱機械膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する
レンズホルダ材料のレンズホルダであって、
レンズ取り付け接着剤を使用して、前記レンズホルダの第1の領域が前記鏡筒に取り付けられており、
前記温度変化が、前記レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される前記レンズホルダの長さ膨張を引き起こす、レンズホルダと、
画像センサアセンブリであって、少なくとも、
前記レンズアセンブリの前記複数のレンズ素子を通過する光をキャプチャし、前記キャプチャした光を画像信号に変換するように構成されている画像センサと、
前記画像センサに結合された基板であって、ホルダ取り付け接着剤を使用して前記レンズホルダの第2の領域が前記基板に取り付けられ、
及び熱力学膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する前記レンズホルダ材料が、前記基板の前記ホルダ取り付け接着剤から前記鏡筒の前記レンズ取り付け接着剤まで延伸している、基板と、を含む、画像センサアセンブリと、 を備える、カメラモジュール。
【請求項2】
総焦点ずれ率が、前記特定の光学熱シフト率と前記レンズホルダのホルダ膨張率との間の差に基づいて決定され、前記総焦点ずれ率が画像品質性能メトリックを満たす、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記画像品質性能メトリックが、画像鮮明度の不満足な損失に関連する丁度可知欠陥(JND)メトリックである、請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記JNDメトリックが、0.1μm/℃~0.2μm/℃の範囲内の閾値焦点ずれ率値に対応し、かつ、前記総焦点ずれ率が前記閾値焦点ずれ率値未満である場合に、前記総焦点ずれ率が前記JNDメトリックを満たす、請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記特定の光学熱シフト率が、0.5μm/℃~1.0μm/℃の範囲内である、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記レンズホルダCTEが、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であり、かつ、前記レンズホルダが、水分に対する満足のいく寸法安定性を提供するために0.2パーセント未満の吸水特性を有する、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズホルダが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)材料である、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記レンズホルダCTEが、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であり、
前記鏡筒が、ポリカーボネート(PC)材料であり、前記鏡筒が、約70ppm/℃の鏡筒CTEを有する、
請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記レンズ取り付け接着剤がエポキシ材料に相当し、前記レンズ取り付け接着剤が、
70百万分率(ppm)/℃~100ppm/℃の範囲内のレンズ取り付けCTEと、
2500MPa~3000MPaの範囲内の弾性率と、を有する、請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記レンズホルダCTEが、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であり、
前記基板が、アルミナセラミック材料であり、前記基板が約7ppm/℃の基板CTEを有し、
前記ホルダ取り付け接着剤が、エポキシ材料に相当し、前記ホルダ取り付け接着剤が、
150百万分率(ppm)/℃~180ppm/℃の範囲内のホルダ取り付けCTEと、
300MPa~800MPaの範囲内の弾性率と、
を有する、請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記レンズホルダが、ポリカーボネート(PC)材料とポリブチレンテレフタレート(PBT)材料の合金である、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記レンズホルダが、複数の射出成形ゲートが対称配置された射出成形型を利用する射出成形プロセスを使用して製造され、前記対称配置が、前記レンズホルダ全体にわたって実質的に等方性の材料特性に対して前記複数の射出成形ゲートのそれぞれを通る実質的に同様の樹脂フローを提供するように設計されている、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記射出成形型が、4つの側面を含み、前記複数の射出成形ゲートが、前記4つの側面のそれぞれ対して1つの射出成形ゲートを含む、請求項12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
カメラモジュールであって、
特定の光学設計を有するレンズアセンブリであって、前記レンズアセンブリが少なくとも、
鏡筒と、
前記鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子と、を含み、
温度変化が、前記特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす、レンズアセンブリと、
熱機械膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する
レンズホルダ材料のレンズホルダであって、
レンズ取り付け接着剤を使用して、前記レンズホルダの第1の領域が前記鏡筒に取り付けられており、
前記温度変化が、前記レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される前記レンズホルダの長さ膨張を引き起こす、レンズホルダと、
画像センサアセンブリであって、少なくとも、
前記複数のレンズ素子を通過する光をキャプチャし、前記キャプチャした光を画像信号に変換するように構成されている画像センサと、
前記画像センサに結合された基板であって、ホルダ取り付け接着剤を使用して前記レンズホルダが前記基板に取り付けられ、
及び熱力学膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する前記レンズホルダ材料が、前記基板の前記ホルダ取り付け接着剤から前記鏡筒の前記レンズ取り付け接着剤まで延伸している、基板と、
を含む、画像センサアセンブリと、
を備える、カメラモジュールと、 ディスプレイと、
前記画像センサからの前記画像信号のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、前記ディスプレイに画像を提示させるように構成されている1つ以上のプロセッサと、
を備える、モバイルデバイス。
【請求項15】
前記ディスプレイが、前記モバイルデバイスの前面上に配置され、かつ、前記カメラモジュールが、前記前面とは反対側の前記モバイルデバイスの背面上に配置された固定焦点後方背面カメラである、請求項14に記載のモバイルデバイス。
【請求項16】
総焦点ずれ率が、前記特定の光学熱シフト率と前記レンズホルダのホルダ膨張率との間の差に基づいて決定され、かつ、前記総焦点ずれ率が画像品質性能メトリックを満たす、請求項14に記載のモバイルデバイス。
【請求項17】
前記画像品質性能メトリックが、画像鮮明度の不満足な損失に関連する丁度可知欠陥(JND)メトリックであり、
前記JNDメトリックが、0.1μm/℃~0.2μm/℃の範囲内の閾値焦点ずれ率値に対応し、
前記総焦点ずれ率が前記閾値焦点ずれ率値未満の場合に、前記総焦点ずれ率が前記JNDメトリックを満たす、
請求項16の記載のモバイルデバイス。
【請求項18】
特定の光学設計を有するレンズアセンブリであって、前記レンズアセンブリが少なくとも、
鏡筒と、
前記鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子と、を含み、
温度変化が、前記特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす、レンズアセンブリと、
熱機械膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する
レンズホルダ材料のレンズホルダであって、
レンズ取り付け接着剤を使用して、前記レンズホルダの第1の領域が前記鏡筒に取り付けられており、
前記レンズホルダの第2の領域が画像センサを支持するために前記基板に結合され、その結果、熱力学膨張による前記光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する前記レンズホルダ材料が、前記基板に結合するよう構成された前記レンズホルダの前記第2の領域から、前記レンズホルダを前記鏡筒に結合させる前記レンズ取り付け接着剤まで延伸し、
前記温度変化が、前記レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される前記レンズホルダの長さ膨張を引き起こす、レンズホルダと、
を備える製造品。
【請求項19】
前記レンズホルダが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)材料であり、
前記レンズホルダCTEが、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であり、
前記鏡筒が、ポリカーボネート(PC)材料であり、前記鏡筒が、約70ppm/℃の鏡筒CTEを有し、
前記レンズ取り付け接着剤が第1のエポキシ材料に相当し、前記レンズ取り付け接着剤が、
70百万分率(ppm)/℃~100ppm/℃の範囲内のレンズ取り付けCTEと、
2500MPa~3000MPaの範囲内の弾性率と、
を有する、請求項18に記載の製造品。
【請求項20】
前記レンズホルダの第2の領域が、ホルダ取り付け接着剤を使用して、画像センサアセンブリの基板に取り付けられ、
前記基板が、アルミナセラミック材料であり、前記基板が、約7ppm/℃の基板CTEを有し、
前記ホルダ取り付け接着剤が第2のエポキシ材料に相当し、前記ホルダ取り付け接着剤が、
150百万分率(ppm)/℃~180ppm/℃の範囲内のホルダ取り付けCTEと、
300MPa~800MPaの範囲内の弾性率と、
を有する、請求項19に記載の製造品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年3月29日に出願された、米国特許出願第62/826,673号の優先権の利益を主張するものであり、参照により明細に全体的に取り込まれている。
本開示は、一般に、レンズアセンブリ用のレンズホルダに関し、より詳細には、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン及びタブレット又はパッドデバイスなどの小さなモバイル多目的デバイスの出現は、デバイスを統合するための高解像度の、小型カメラに対する必要性をもたらしてきた。温度変化により熱膨張/収縮が生じ、その結果、光学焦点シフトをもたらす場合がある。いくつかの小型カメラは、温度に対する光学焦点シフトを補償するためのアクチュエータを含む光学画像安定化(OIS)機構を組み込み得る。このようなOIS機構は、設計複雑性、製造困難性、コスト、及び信頼性リスクを増大させ得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態では、レンズアセンブリと、レンズホルダと、画像センサアセンブリとを含むカメラモジュールを提供する。レンズアセンブリは、特定の光学設計を有し、少なくとも、鏡筒と、鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子とを含む。温度変化は、特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす。レンズホルダは、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダ熱膨張係数(CTE)を有する。温度変化は、レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される、レンズホルダの長さ膨張を引き起こす。画像センサアセンブリは、少なくとも、画像センサと、画像センサに結合された基板とを含む。画像センサは、レンズアセンブリの複数のレンズ素子を通過する光をキャプチャし、キャプチャした光を画像信号に変換するように構成されている。レンズホルダの第1の領域は、レンズ取り付け接着剤を使用してレンズアセンブリの鏡筒に取り付けられ、レンズホルダの第2の領域は、ホルダ取り付け接着剤を使用して画像センサアセンブリの基板に取り付けられる。
【0004】
いくつかの実施形態では、カメラモジュール、ディスプレイ、及び1つ以上のプロセッサを含むモバイルデバイスを提供する。モバイルデバイスのカメラモジュールは、レンズアセンブリと、レンズホルダと、画像センサアセンブリとを含む。レンズアセンブリは、特定の光学設計を有し、少なくとも、鏡筒と、鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子とを含む。温度変化は、特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす。レンズホルダは、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダCTEを有する。温度変化は、レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される、レンズホルダの長さ膨張を引き起こす。モバイルデバイスの画像センサアセンブリは、少なくとも、画像センサと、画像センサに結合された基板とを含む。画像センサは、モバイルデバイスのレンズアセンブリの複数のレンズ素子を通過する光をキャプチャし、キャプチャした光を画像信号に変換するように構成されている。レンズホルダの第1の領域は、レンズ取り付け接着剤を使用してレンズアセンブリの鏡筒に取り付けられ、レンズホルダの第2の領域は、ホルダ取り付け接着剤を使用して画像センサアセンブリの基板に取り付けられる。モバイルデバイスの1つ以上のプロセッサは、カメラモジュールの画像センサからの画像信号のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイスのディスプレイに画像を提示させるように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態では、レンズアセンブリ及びレンズホルダを含む製造品を提供する。レンズアセンブリは、特定の光学設計を有し、少なくとも、鏡筒と、鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子とを含む。温度変化は、特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす。レンズホルダは、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダCTEを有する。レンズホルダの第1の領域は、レンズ取り付け接着剤を使用してレンズアセンブリの鏡筒に取り付けられ、温度変化により、レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される、レンズホルダの長さ膨張を引き起こす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】いくつかの実施形態に係る、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズアセンブリ及びレンズホルダを含むモバイルデバイスを示す。
【
図1B】いくつかの実施形態に係る、
図1Aに示されるレンズアセンブリの断面詳細図である。
【
図2】いくつかの実施形態に係る、レンズホルダの長さに沿った熱膨張を示すための、
図1Aに示されるレンズアセンブリの断面詳細図である。
【
図3】いくつかの実施形態に係る、温度変化が光学焦点シフトを引き起こすことを示すための、
図1Bに示されるレンズアセンブリの側面図である。
【
図4】いくつかの実施形態に係る、レンズアセンブリ及び画像センサアセンブリの鏡筒に対するレンズホルダの位置決めを示すための、
図1Aのレンズアセンブリの断面斜視図である。
【
図5】いくつかの実施形態に係る、
図4のレンズホルダの斜視図を示す。
【
図6A】いくつかの実施形態に係る、レンズホルダを形成するための複数の射出成形ゲートが対称配置された射出成形型の上面図及び側面図を示す。
【
図6B】いくつかの実施形態に係る、レンズホルダを形成するための複数の射出成形ゲートが対称配置された射出成形型の上面図及び側面図を示す。
【
図7A】いくつかの実施形態に係る、レンズアセンブリ及び画像センサアセンブリにレンズホルダを取り付けるための接着剤を含むレンズホルダの斜視図を示す。
【
図7B】いくつかの実施形態に係る、レンズアセンブリ及び画像センサアセンブリにレンズホルダを取り付けるための接着剤を含むレンズホルダの斜視図を示す。
【
図8A】いくつかの実施形態に係る、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズアセンブリ及びレンズホルダを含むカメラモジュールを有するモバイルデバイスを示す。
【
図8B】いくつかの実施形態に係る、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズアセンブリ及びレンズホルダを含むカメラモジュールを有するモバイルデバイスを示す。
【
図8C】いくつかの実施形態に係る、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズアセンブリ及びレンズホルダを含むカメラモジュールを有するモバイルデバイスを示す。
【
図9】いくつかの実施形態に係る、例示的なコンピュータシステムを示す。
【0007】
本明細書は、「one embodiment(一実施形態)」又は「an embodiment(実施形態」に対する参照を含む。「in one embodiment(一実施形態において)」又は「in an embodiment(ある実施形態において)」という語句表現は、必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。特定の機能、構造、又は特性は、本開示と一貫したいずれかの適切な方式で組み合わされてもよい。
【0008】
「comprising(備える、含む)」。この用語はオープンエンドである。添付の特許請求の範囲で使用されるように、この用語は、追加の構造又はステップを除外しない。「1つ以上のプロセッサユニット...を備えた装置」と記載される請求項を検討する。このような請求項は、装置が追加の構成要素(例えば、ネットワークインタフェースユニット、グラフィック回路など)を含むことを除外しない。
【0009】
「configured to(ように構成されている)」。様々なユニット、回路、又は他の構成要素は、タスク又はタスク(複数)を実行する「ように構成されている」と説明又は請求されてもよい。このような文脈では、「構成されている」は、ユニット/回路/構成要素が、動作の間にそれらのタスク又はタスク(複数)を実行する構造(例えば、回路)を含むことを示すことによって構造を暗示するときに使用される。そのように、ユニット/回路/構成要素は、指定されたユニット/回路/構成要素が現在動作可能でない(例えば、オンの状態でない)ときでさえ、タスクを実行するように構成されていると言うことができる。「構成されている」という言葉と共に使用されるユニット/回路/構成要素は、ハードウェア、例えば、回路、動作を実行することが可能なプログラム命令を記憶したメモリなどを含む。ユニット/回路/構成要素が1つ以上のタスクを実行するように「構成されている」と記載するのは、そのユニット/回路/構成要素について、米国特許法第112条第6段落を発動しないように明示的に意図している。更に、「構成されている」は、ソフトウェア及び/又はファームウェア(例えば、FPGA又はソフトウェアを実行する汎用プロセッサ)によって操作され、問題のタスク(単数又は複数)を実行可能な方式で動作する汎用的な構造(例えば、汎用回路)を含むことができる。「構成されている」はまた、1つ以上のタスクを実施又は実行するように適合されたデバイス(例えば、集積回路)を組み立てるように製造工程(例えば、半導体組み立て設備)を適合させることを含んでもよい。
【0010】
「第1」、「第2」など。本明細書で使用されるように、これらの用語は、続く名詞の標識として使用され、いかなるタイプの順序付け(例えば、空間的、時間的、論理的など)も意味しない。例えば、バッファ回路は、「第1」及び「第2」の値に対する書き込み演算を実行するものとして本明細書で説明されてもよい。用語「第1」及び「第2」は、必ずしも第1の値が第2の値の前に書き込まれなければならないことを含意していない。
【0011】
「基づく」。本明細書で使用されるように、この用語は、判定に影響を及ぼす1つ以上の要因を記述するために使用される。この用語は、判定に影響を及ぼすことがある追加要因を除外しない。すなわち、判定はそれらの要因のみに基づいているか、又は少なくとも部分的にそれらの要因に基づいていることがある。「Bに基づいてAを判定する」というフレーズを検討する。このケースでは、BはAの判定に影響を及ぼす要因であるが、このようなフレーズはAの判定がCにも基づいていることを除外しない。他の例では、AはBのみに基づいて判定されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
序論
【0013】
本開示は、モバイルデバイス用の固定焦点背面カメラなどのカメラ用の設計を説明し、それにより、機械設計が画像センサ及び光学系をめぐって開発されて「アサーマル化」を提供する。換言すれば、パッケージの機械設計の機能は、温度に対する光学系の焦点シフトを補償することである。アーキテクチャ、形状、及び材料特性などの態様を含む機械設計が、本明細書で更に説明される。機械設計は、レンズホルダが、熱膨張による特定の光学設計に関連する温度に対する光学焦点シフトを熱機械的に補償するように設計された熱膨張係数(CTE)を有する二体設計に対応する。
【0014】
ねじ付きレンズ設計又は一体設計などの他の固定焦点アセンブリ概念とは対照的に、本開示の二体設計は、いくつかの設計上の利点を提供することができる。例示するため、本開示の機械設計は、ねじなし設計である。ねじ付き設計と比較して、本開示の機械設計は、光学的信頼性に対するトルクの影響を低減する。更に、ねじなし設計により、レンズ筐体(非対称)の円形度に起因する「適合」の問題を回避し、取り付け方法の位置に柔軟性を付加する。一体設計と比較して、本開示の二体設計は、鏡筒/光学系の開発とは別個の筐体設計を有する。更に、二体設計は機能を分離し、高CTEレンズホルダ材料が鏡筒材料要件によって制限されない。
【0015】
図1Aは、カメラモジュール102、センサ104、及び光源モジュール106を有するモバイルコンピューティングデバイス100を示す。
図1Aは、モバイルコンピューティングデバイス100のカメラモジュール102の詳細断面図を更に示す。
図1Aは、
カメラモジュール102のレンズアセンブリ101の簡略図を示す。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリ101は、少なくとも、鏡筒と、鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子とを含む特定の光学設計を有する。
図1Bは、レンズアセンブリ101が、鏡筒102と、鏡筒102内に組み込まれた複数のレンズ素子103とを含む、光学設計の特定の実施形態の詳細図を示す。本明細書で更に説明するように、温度変化は、特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される(
図1A及び1Bで「光学熱焦点シフト」とラベル付けされた下向き矢印として示されている)光学焦点シフトを引き起こす(例えば、
図1Bに示される特定の光学設計については
図3を参照)。
図1Aは、カメラモジュール102がまた、(
図1A及び
図1Bで「熱機械補償」とラベル付けされた上向き矢印として示されている)熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダCTEを有するレンズホルダ106を含むことを更に示す。温度変化は、レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される、レンズホルダ106の長さ膨張を引き起こす。本明細書で更に説明するように、レンズホルダ106は、レンズホルダ106の熱機械膨張が光学焦点シフトを十分に補償して画像品質メトリックを満たすような材料特性を有するように設計されている。例示するため、レンズホルダ106の熱機械膨張は、ユーザに見え得る画像鮮明度の損失(「丁度可知」欠陥とも呼ばれる)を防止するのに十分であり得る。
【0016】
図1Aの詳細断面図は、モバイルコンピューティングデバイス100のカメラモジュール102がまた、画像センサアセンブリ113を含むことを示す。画像センサアセンブリ113は、レンズアセンブリ101を通過する光をキャプチャし、キャプチャした光を画像信号に変換するように構成された画像センサ114を含む。画像センサアセンブリ113は、画像センサ114に結合された基板110を含む。
図1Aでは、モバイルデバイス100の「背」面は、カメラモジュール102が固定焦点背面カメラであり得ることを表すように示されている。
図1Aには示されていないが、モバイルデバイス100は、「前」面にディスプレイを含んでもよい。更に、
図1Aのモバイルデバイス100は、画像センサ114からの画像信号のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいてディスプレイ(前面上)に画像を提示させるように構成された1つ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0017】
レンズホルダ106の第1の領域は、レンズ取り付け接着剤104を使用してレンズアセンブリ101に取り付けられてもよく、レンズホルダ106の第2の領域は、ホルダ取り付け接着剤108を使用して基板110に取り付けられてもよい。本明細書で更に説明されるように、レンズ取り付け接着剤104及びホルダ取り付け接着剤108の両方は、熱応力下で信頼できるレンズホルダ106に接合を形成するように選択されてもよい。例示するため、レンズホルダCTEは、CTEミスマッチを表す鏡筒材料及び/又は基板材料と比較して相対的に高くてもよい。接着剤の不適切な選択は、熱応力(すなわち、温度サイクル)に対して層間剥離をもたらす場合がある。したがって、レンズ取り付け接着剤104は、接着特性がレンズホルダ106と鏡筒102との間に信頼できる接合を達成するように選択されてもよく、ホルダ取り付け接着剤108は、接着特性がレンズホルダ106と基板110との間に信頼できる接合を達成するように選択されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、レンズ取り付け接着剤104は、70~100ppm/℃の範囲内のCTE値、及び2500~3000mPaの範囲の弾性率値である材料特性を有する、Dexerials又はNamicsから入手可能なエポキシ樹脂に相当し得る。いくつかの実施形態では、ホルダ取り付け接着剤108は、150~180ppm/℃の範囲内のCTE値、及び300~800mPaの範囲の弾性率値である材料特性を有する、Namics又はHenkelから入手可能なエポキシ樹脂に相当し得る。
【0019】
図1Aの詳細断面図は、いくつかの実施形態では、カメラモジュール102が赤外線コンポーネントフィルタ(IRCF)などのフィルタ116を含み得ることを更に示す。フィルタ116は、いくつかの実施形態では、レンズアセンブリ101の下方に配置され得る。そのため、いくつかの場合では、光は、レンズアセンブリ101の1つ以上のレンズを通過し、次いでフィルタ116を通って画像センサ114まで通過してもよい。いくつかの実施形態によれば、フィルタ116と画像センサ114との間に間隙部分が存在してもよい。いくつかの実施形態では、間隙部分は、空気、又は窒素、ヘリウム、水素などの他のガスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、間隙部分は真空層であってもよい。
【0020】
図1Aの詳細断面図は、レンズアセンブリ101とレンズホルダ106との間の間隙115を更に示す。間隙115は、熱サイクル中の接触を介してレンズアセンブリ101に影響を与えることなく、レンズホルダ106の熱機械膨張を可能にするのには十分である。
図1Aの詳細断面図は、画像センサアセンブリ113が、例えば、画像センサ114から画像信号を受信するためのフレキシブルプリント回路(FPC)112を含む、画像センサアセンブリ113の内部構成要素を保護するための補強材118を含み得ることを更に示す。
【0021】
図1Aは、いくつかの実施形態では、
図4、
図5及び
図7Aに関して本明細書で図示され更に説明されるように、レンズホルダ106が、レンズホルダ106内にレンズアセンブリ101を位置決めするための1つ以上の鏡筒の出っ張り119を含み得ることを示す。カメラアクティブ位置合わせプロセスは、室温において、(
図1Aの光軸120によって示される)最大画像品質のためにレンズ焦点が画像センサ114の上部に位置合わせされることを確実にする。レンズアセンブリ101の温度が(室温に対して)変化すると、光学焦点シフトの位置は、平均位置に向かうか又はそこから離れてシフトする。これにより、画像品質の劣化をもたらす。本開示のカメラモジュール102では、レンズホルダ106が熱的に膨張してレンズ対センサ距離を再調整し、画像品質を復元する「アサーマル化」によって、焦点再位置決めが達成される。満足のいくアサーマル化を達成するために、レンズホルダ106を形成するのに利用される樹脂材料は、所望の熱補償のために慎重に選択されてもよい。樹脂材料は、レンズホルダ106の熱機械補償率が、レンズアセンブリ101に関連する光学熱焦点ずれ率と同様であるように選択される。相対的に同様な率は、率差に関連する潜在的な過/不足補償を低減する。
【0022】
図1Bを参照すると、詳細断面図は、レンズアセンブリ101が、鏡筒102と、鏡筒102内に組み込まれた複数のレンズ素子103とを含む、光学設計の特定の実施形態を示す。レンズアセンブリ101の特定の光学設計の場合、本開示は、熱特性に基づいて焦点ずれ率をシミュレートすることと、この焦点ずれ率を補償するためにレンズホルダ106の目標熱膨張率としてこの焦点ずれ率を使用することと、を含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、レンズアセンブリ101の光学熱シフト率は、0.5μm/℃~1.0μm/℃の範囲内であってもよい。この場合では、補償率は、光学焦点シフトをキャンセルするように目標化される。例示するため、温度上昇は、(本明細書では、レンズホルダ106の「長さ」とも呼ばれる)光軸120に対して画定されたレンズホルダ106の特性寸法に沿って、レンズホルダ106の熱膨張を引き起こす。温度上昇はまた、レンズ取り付け接着剤104並びにホルダ取り付け接着剤108の熱膨張を引き起こす。したがって、「総」熱膨張率は、レンズホルダ106のCTE(「レンズホルダCTE」)と、レンズ取り付け接着剤104のCTEと、ホルダ取り付け接着剤108のCTEとの特定の組み合わせに基づいて変化し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、レンズホルダCTEは、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であってもよく、レンズホルダ106は、水分に対するレンズホルダ106の満足のいく寸法安定性を提供するために0.2パーセント未満の吸水特性を有してもよい。いくつかの場合では、レンズホルダ106は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)材料であってもよい。あるいは、レンズホルダ106は、ポリカーボネート(PC)材料とPBT材料の合金であってもよい。特定の性能基準を満たす代替的なプラスチック材料もまた、レンズホルダ106に利用され得ることが理解されるであろう。
【0025】
いくつかの実施形態(例えば、レンズホルダ106がPBT材料である場合)、レンズホルダCTEは、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であってもよく、鏡筒102は、約70ppm/℃の鏡筒CTEを有するPC材料であってもよい。この例では、レンズ取り付け接着剤104は、70~100ppm/℃の範囲内のCTE値、及び2500~3000mPaの範囲の弾性率値である材料特性を有する、Dexerials又はNamicsから入手可能なエポキシ樹脂に相当し得る。
【0026】
いくつかの実施形態(例えば、レンズホルダ106がPBT材料である場合)、レンズホルダCTEは、100百万分率(ppm)/℃~140ppm/℃の範囲内であってもよく、基板110は、約7ppm/℃の基板CTEを有するアルミナセラミック材料であってもよい。この例では、ホルダ取り付け接着剤108は、150~180ppm/℃の範囲内のCTE値、及び300~800mPaの範囲の弾性率値である材料特性を有する、Namics又はHenkelから入手可能なエポキシ樹脂に相当し得る。
【0027】
このように、
図1A及び
図1Bは、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダの一例を示す。
図6A~
図6Bに関して本明細書で更に説明されるように、
図1A~
図1Bに示されるレンズホルダは、複数の射出成形ゲート(例えば、各側面に1つのゲートを有する4つのゲート)が対称配置された射出成形型を利用する射出成形プロセスを使用して製造することができる。対称配置は、レンズホルダ全体にわたって実質的に等方性の材料特性に対してゲートのそれぞれを通る実質的に同様の樹脂フローを提供するように設計されている。
【0028】
図2は、温度変化に起因する熱膨張/収縮からもたらされる様々な長さ変化を示す、レンズアセンブリ101の断面図を示す。
【0029】
熱膨張は、以下の熱膨張式によって説明することができる。
【数1】
【0030】
上記の熱膨張式では、L0は初期長さ(例えば、構成要素アクティブアセンブリプロセス中などでの室温における長さ)であり、ΔLは、長さの変化であり、αは、特定の材料の熱膨張係数(CTE)であり、ΔTは温度範囲である。
【0031】
図2では、
図1A及び
図1Bに示す光学熱焦点シフトの熱機械補償に対する総長さ変化の異なる構成要素を示すために、複数の長さ値が示されている。
図2では、第1の長さ値(「L1」として識別される)202は、レンズ取り付け接着剤104に関連する長さ構成要素を示すように設計され、第2の長さ値(「L2」として識別される)は、レンズホルダ106に関連する長さ構成要素を示すように設計され、第3の長さ値(「L3」として識別される)は、ホルダ取り付け接着剤108に関連する長さ構成要素を示すように設計されている。本明細書で更に説明されるように、(長さ構成要素202、204、及び206のそれぞれを含む)総長さ膨張から生じる熱機械補償率は、特定のセンサ/光学系構成に対する光学焦点シフトをキャンセルするように目標化される。第2の長さ構成要素204は、実質的な構成要素の大部分を表してもよく、それによって熱機械膨張に対する最大の寄与を提供することが理解されるであろう。
【0032】
ユーザに影響する画像品質に関して、「丁度可知」欠陥(JND)メトリックをめぐる研究は、約0.1~0.2μm/℃の焦点ずれ率がユーザに見え得ることを示唆する。換言すれば、30℃の温度範囲に対する約3~6μmの焦点ずれにより、画像鮮明度における十分な損失がユーザにとって顕著となる。いくつかの実施形態では、特定のセンサ/光学系構成(例えば、
図1A及び
図1Bに示される設計)に関連付けられた光学シフト率は、0.5μm/℃~1.0μm/℃の範囲内であってもよい。光シフト率の判定は、
図3に示される実施例に関して本明細書で更に説明される。この範囲内の光学シフト率の例示的で非限定的な例は、10℃~70℃の温度範囲に対して0.63μm/℃である。この場合では、レンズホルダ106は、100ppm/℃~140ppm/℃の範囲内のCTE値を有して、約0.1~0.2μm/℃のJNDメトリックなどの画像品質性能メトリックを満たし得る。
【0033】
第1の例として、レンズホルダ106は、第1のポリブチレンテレフタ率(PBT)材料から形成されてもよく、レンズホルダ106は、110ppm/℃の第1のCTE値を有する。そのようなPBT材料の一例は、DupontからのCrastin(商標)であってもよい。この場合では、レンズホルダ106の膨張率は、0.610μm/℃であってもよく、0.63μm/℃の光学シフト率と比較したときの0.020μm/℃の総焦点ずれ率を表す。この総焦点ずれ率は、画像品質に対して約0.1~0.2μm/℃のJNDメトリックを満たし得る。
【0034】
第2の例として、レンズホルダ106は、第2のPBT材料から形成されてもよく、レンズホルダ106は、120ppm/℃の第2のCTE値を有する。そのようなPBT材料の一例は、三菱からのNovoduran(商標)であってもよい。この場合では、レンズホルダ106の膨張率は、0.698μm/℃であってもよく、0.63μm/℃の光学シフト率と比較したときの-0.068μm/℃の総焦点ずれ率を表す。この総焦点ずれ率はまた、画像品質に対して約0.1~0.2μm/℃のJNDメトリックを満たし得る。
【0035】
第3の例として、レンズホルダ106は、ポリカーボネート(PC)材料とPBT材料(本明細書では「PC/PBT」材料又はPC/PBT合金とも呼ばれる)との混合物から形成されてもよく、レンズホルダ106は、100ppm/℃の第3のCTE値を有する。そのようなPC/PBT材料の一例は、PolyplasticsからのDuranex(商標)であってもよい。この場合では、レンズホルダ106の膨張率は、0.550μm/℃であってもよく、0.63μm/℃の光学シフト率と比較したときの0.080μm/℃の総焦点ずれ率を表す。この総焦点ずれ率はまた、画像品質に対して約0.1~0.2μm/℃のJNDメトリックを満たし得る。
【0036】
上記の実施例は、例示目的のみのためのものであり、特許請求される発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。むしろ、実施例は、特定のCTE値を有するレンズホルダ材料を選択することにより、光学焦点シフトを実質的に相殺する熱機械膨張率を得ることができ、それによって総焦点ずれ率が、本明細書に説明されるJNDメトリックなどの画像品質性能メトリックを満たすことができる。
【0037】
図3は、そのような光学焦点シフトの一例を示すために、
図1Bに示す(鏡筒102内に複数のレンズ素子103を含む)レンズアセンブリ101の特定の光学設計の側面図を示す。
【0038】
温度に対する光シフトは、3つの要因によって引き起こされる。第1の要因は、温度に対する屈折率の変化である。屈折率が変化するにつれて、いかなる機械的変化にかかわらず焦点距離の変化を引き起こすレンズの度も変化する。これが、光学焦点がシフトすることの主な理由である。第2の要因は、レンズの焦点距離も変化させる表面形状(レンズの物理的形状)の変化である。第3の要因は、焦点位置をシフトさせる構成要素の機械的長さの何らかの変化である。
【0039】
図3に示す焦点距離(Δf)の変化は、以下の式(I)によって説明され得る。
【数2】
【0040】
式(I)において、fは焦点距離であり、ΔTは公称値からの温度変化である。式(I)において、βは、以下の式(II)によって説明され得る。
【数3】
【0041】
式(II)において、αは材料CTEであり、n(λ)は、設計波長における屈折率であり、
【数4】
は、温度に対する相対屈折率の変化である。
【0042】
温度に対して焦点が変化するときに、温度変化に対する焦点変化を調べることによって、変化率として説明することができる。この変化は、以下の式(III)に対応する一次方程式によって近似することができる。
【数5】
【0043】
本明細書では、この変化率を、「温度に対する光学シフト率」又は単に「光学シフト率」と呼ぶ。
【0044】
図4は、画像センサアセンブリ113及び鏡筒102に接合されたレンズホルダ106を示す、
図1Aのカメラモジュール102の断面斜視図である。
図5は、
図4に示すように、レンズホルダ106が画像センサアセンブリ113及び鏡筒102に接合される前のレンズホルダ106の斜視図である。
図5に示す斜視図は、レンズホルダ106が、鏡筒102の対応する部分を受け入れるための複数の鏡筒の出っ張り502a~bを有し得ることを示す。
図5の斜視図では、第1の鏡筒の出っ張り502a及び第2の鏡筒の出っ張り502bは目に見え、2つの他の鏡筒の出っ張りは視界から遮られている。図示され、
図6A及び
図6Bに関して本明細書で更に説明されるように、第1の鏡筒の出っ張り502aは、レンズホルダ106を形成するために使用される射出成形型の第1の射出成形型ゲート位置と位置合わせされてもよく、第2の鏡筒の出っ張り502bは、射出成形型の第2の射出成形型ゲート位置と位置合わせされてもよい。
【0045】
図6A及び
図6Bは、
図5に示されるレンズホルダ106を形成する射出成形のための4ゲート設計を示す。
図6Aは、対称軸604に対して対称的に配置された4つの射出成形型ゲート位置602a~dを示す、射出成形型の上面図である。
図6Bは、
図6Aの上面図に示される4つの射出成形型ゲート位置602a~dの第1の射出成形型ゲート位置602aに対応する、射出成形型の第1の側面610aの側面寸法を示す、射出成形型の側面図である。特定の光学設計(
図1A及び
図1Bに示されるレンズアセンブリ101など)を収容するように設計されたレンズホルダの例示的な非限定的な例では、第1の側面610aの側面寸法は9.4mmであってもよく、射出成形型の各側面は、9.4mmの実質的に同様の側面寸法を有してもよい。この実施例では、射出成形型ゲート位置602a~dのそれぞれは、側面寸法の中点に(すなわち、9.4mmの側面寸法に沿って4.7mmに)位置する軸上に中心配置されてもよい。
【0046】
射出成形型ゲート位置602a~dの対称配置は、射出成形型への実質的に等しい樹脂フローを提供して、レンズホルダ106に対する対称的な材料特性を提供するように設計されている。そのような対称的な材料特性は、レンズホルダ106の安定的/対称的な熱膨張を提供して、フィールドの縁部に向かう鮮明度に損失(ぼやけた角)を引き起こし得る傾きを防止する(
図1A及び
図1Bに示されるレンズアセンブリ101などのレンズホルダ106内に収容される)光学系の実質的に等しいZオフセットを確実にするように設計されている。
【0047】
このように、
図6A及び
図6Bに示される4ゲート設計は、射出成形を介して実質的に等方性のプラスチックレンズホルダを形成するプロセスの一例を表す。代替的な射出成形設計はまた、レンズホルダに対して実質的に対称的な材料特性を提供し、それによって温度サイクル中の光学系の傾きを防止することができることが理解されるであろう。
【0048】
図7Aは、
図6A及び
図6Bに関して説明される射出成形プロセスに従って形成され得る、
図5のレンズホルダ106の斜視図である。
図7Aは、レンズ取り付け接着剤104をレンズホルダ106の第1の領域に付加することを示す。いくつかの実施形態では、レンズ取り付け接着剤104は、カメラアクティブ位置合わせアセンブリプロセス中に、レンズアセンブリ101の鏡筒102をレンズホルダ106に接合するために使用され得る。いくつかの実施形態では、カメラアクティブ位置合わせアセンブリプロセス中に、レンズ鏡筒102の対応する特徴部は、
図4に示される断面斜視図に表されるように、レンズホルダ106内に鏡筒102を適切に位置決めするために、鏡筒の出っ張りと(
図7Aに示される出っ張り502a及び502bの2つと)位置合わせされてもよい。
【0049】
図7Bは、ホルダ取り付け接着剤108の、レンズホルダ106の第2の領域への付加を示す、
図5のレンズホルダ106の反転斜視図である。いくつかの実施形態では、ホルダ取り付け接着剤108は、カメラアクティブ位置合わせアセンブリプロセス中に、画像センサアセンブリ113の基板110をレンズホルダ106に接合するために使用され得る。
多機能デバイスの実施例
【0050】
以下の論考では、ディスプレイ及びタッチ感知面を含む電子デバイスについて説明する。しかしながら、この電子デバイスは、物理キーボード、マウス、及び/又はジョイスティックなどの、1つ以上の他の物理ユーザインタフェースデバイスを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0051】
デバイスは、典型的には、描画アプリケーション、プレゼンテーションアプリケーション、ワードプロセッシングアプリケーション、ウェブサイト作成アプリケーション、ディスクオーサリングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、ゲームアプリケーション、電話アプリケーション、テレビ会議アプリケーション、電子メールアプリケーション、インスタントメッセージングアプリケーション、トレーニングサポートアプリケーション、写真管理アプリケーション、デジタルカメラアプリケーション、デジタルビデオカメラアプリケーション、ウェブブラウジングアプリケーション、デジタル音楽プレーヤアプリケーション、及び/又はデジタルビデオプレーヤアプリケーションのうちの1つ以上などの様々なアプリケーションに対応する。
【0052】
デバイス上で実行できる様々なアプリケーションは、タッチ感知面などの1つ以上の共通の物理ユーザインタフェースデバイスを使用することができる。タッチ感知面のうちの1つ以上の機能及びデバイス上に表示される対応する情報は、1つのアプリケーションから次のへと、及び/若しくはそれぞれのアプリケーション内で調整されてもよく、並びに/又は変更されてもよい。このように、デバイスの共通の物理アーキテクチャ(タッチ感知面など)は、ユーザにとって直観的及び透過的なユーザインタフェースを有する様々なアプリケーションをサポートすることができる。
【0053】
図8A~
図8Cは、いくつかの実施形態に係る、1つ以上のカメラモジュールを含み得るモバイルデバイス800を示す。いくつかの実施形態では、デバイス800は、
図1A~
図1B及び
図9に関連して本明細書に説明される実施形態の1つ又は複数の特徴、構成要素、及び/又は機能性を含み得る。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態では、
図8A~
図8Cのデバイス800は、
図1Aに示されるモバイルデバイス100など、本明細書で更に説明される様々な方法を実行するために利用され得るモバイルデバイスに相当し得る。例えば、
図8Bに示されるデバイス800のカメラモジュール870は、
図1Aに示すモバイルデバイス100のカメラモジュール102に相当してもよい。別の例として、
図8Bに示されるデバイス800のセンサ864は、
図1Aに示されるモバイルデバイス100のセンサ104に相当してもよい。更に別の例として、
図8Bに示されるデバイス800の光源モジュール875は、
図1Aに示される光源モジュール106に相当してもよい。
【0055】
図8Aは、デバイス800の「前」面がタッチスクリーン812を有し得ることを示す。タッチスクリーン812は、ユーザインタフェース(UI)800内で1つ以上のグラフィックを表示してもよい。本実施形態並びに後述する他の実施形態では、ユーザは、例えば、1本以上の指801(図には正確な縮尺率で描かれていない)又は1つ以上のスタイラス807(図には正確な縮尺率で描かれていない)を用いて、グラフィック上でジェスチャを行うことにより、グラフィックのうちの1つ以上を選択してもよい。
【0056】
デバイス800はまた、デバイス800上で実行され得るアプリケーションのセット内の任意のアプリケーション836(
図8Cを参照)にナビゲートするために使用され得る、「ホーム」又はメニューボタン815などの1つ以上の物理ボタンを含んでもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、メニューボタンは、タッチスクリーン812上に表示されるグラフィックユーザインタフェース(GUI)内のソフトキーとして実装される。
【0057】
一実施形態では、デバイス800は、タッチスクリーン812、メニューボタン815、デバイスの電源をオン/オフし、デバイスをロックするためのプッシュボタン805、音量調整ボタン(単数又は複数)809、加入者識別モジュール(SIM)カードスロット810、ヘッドセットジャック814、及びドッキング/充電用外部ポート824を含む。プッシュボタン805は、ボタンを押し下げて、所定の時間間隔の間、ボタンを押し下げた状態に保持することによってデバイス上の電源をオン/オフするため、ボタンを押し下げて、所定の時間が経過する前にボタンを解放することによってデバイスをロックするため、及び/又はデバイスをロック解除する、若しくはロック解除プロセスを開始するために、使用され得る。代替的な実施形態では、デバイス800はまた、マイクロフォン813を通じて、一部の機能をアクティブ又は非アクティブにするための口頭入力を受け入れてもよい。
【0058】
図8Bは、いくつかの実施形態に係る、デバイス800の「背」面がカメラ870を含み得ることを示す。便宜上「光学センサ」と呼ばれることがあるカメラ870はまた、光学センサシステムとして既知であり、又は光学センサシステムと呼ばれることがある。カメラ870は、本明細書に説明されたカメラモジュールのうちの少なくとも1つを含む、1つ以上のカメラモジュールを含む。
図8Bは、センサ864及び光源モジュール875を更に示す。本開示のいくつかの実施形態では、
図8Bに示すデバイス800のカメラ870は、
図1Aに示すモバイルデバイス100のカメラモジュール102を含み得る固定焦点背面カメラを含む。いくつかの実施形態では、デバイス800のセンサ864は、
図1Aに示されるセンサ104に相当してもよく、デバイス800の光源モジュール875は、
図1Aに示される光源モジュール106に相当してもよい。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態によれば、カメラ870のカメラモジュールは、レンズアセンブリ、レンズホルダ、及び画像センサアセンブリを含み得る。レンズアセンブリは、特定の光学設計を有し、少なくとも、鏡筒と、鏡筒内に組み込まれた複数のレンズ素子とを含む。温度変化は、特定の光学設計に関連する特定の光学熱シフト率に従って決定される光学焦点シフトを引き起こす。レンズホルダは、熱機械膨張による光学焦点シフトを補償するためのレンズホルダCTEを有する。温度変化は、レンズホルダCTEに従って少なくとも部分的に決定される、レンズホルダの長さ膨張を引き起こす。画像センサアセンブリは、少なくとも、画像センサと、画像センサに結合された基板とを含む。画像センサは、レンズアセンブリの複数のレンズ素子を通過する光をキャプチャし、キャプチャした光を画像信号に変換するように構成されている。レンズホルダの第1の領域は、レンズ取り付け接着剤を使用してレンズアセンブリの鏡筒に取り付けられ、レンズホルダの第2の領域は、ホルダ取り付け接着剤を使用して画像センサアセンブリの基板に取り付けられる。
【0060】
図8Cを参照すると、ブロック図は、デバイス800が、メモリ802(1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい)、メモリコントローラ822、(CPUの)1つ以上の処理ユニット820、周辺機器インタフェース818、RF回路808、オーディオ回路810、スピーカ811、タッチ感知ディスプレイシステム812、マイクロフォン813、入出力(I/O)サブシステム806、他の入力制御デバイス816、及び外部ポート824を含んでもよいことを示す。デバイス800は、1つ以上の光学センサ864を含んでもよい。これらの構成要素は、1つ以上の通信バス又は信号ライン803を介して通信してもよい。
【0061】
デバイス800は、ポータブル多機能デバイスの一例に過ぎず、デバイス800は、示されているよりも多くの又は少ない構成要素を有してもよく、2つ以上の構成要素を組み合わせもよく、又は構成要素の異なる構成若しくは配置を有してもよいことが理解されるべきである。
図8Cに示される様々な構成要素は、1つ以上の信号処理回路及び/又は特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実装されてもよい。
【0062】
メモリ802は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスなどの不揮発性メモリもまた含んでもよい。CPU820及び周辺機器インタフェース818などの、デバイス800の他の構成要素によるメモリ802へのアクセスは、メモリコントローラ822によって制御されてもよい。
【0063】
周辺機器インタフェース818を使用して、このデバイスの入力周辺機器及び出力周辺機器を、CPU820及びメモリ802に結合することができる。1つ以上のプロセッサ820は、メモリ802に記憶された様々なソフトウェアプログラム及び/若しくは命令セットを動作させ、又は実行して、デバイス800のための様々な機能を実行し、データを処理する。
【0064】
いくつかの実施形態では、周辺機器インタフェース818、CPU820、及びメモリコントローラ822は、チップ804などのシングルチップ上に実装されてもよい。いくつかの他の実施形態では、それらは、別個のチップ上で実装されてもよい。
【0065】
RF(radio frequency)(無線周波数)回路808は、電磁信号とも呼ばれるRF信号を送受信する。RF回路808は、電気信号を電磁信号に、又は電磁信号を電気信号に変換し、電磁信号を介して通信ネットワーク及び他の通信デバイスと通信する。RF回路808は、これらの機能を実行するために、アンテナシステム、RF送受信機、1つ以上の増幅器、同調器、1つ以上の発振器、デジタル信号プロセッサ、CODECチップセット、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カード、及びメモリなどを含むがそれらに限定されない、周知の回路を含んでもよい。RF回路808は、ワールドワイドウェブ(World Wide Web、WWW)とも呼ばれるインターネット、イントラネット、並びに/又はセルラー電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/若しくはメトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network、MAN)などの無線ネットワークなどのネットワークと通信してもよく、無線通信によって他のデバイスと通信してもよい。無線通信は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications、GSM)、拡張データGSM環境(Enhanced Data GSM Environment、EDGE)、高速ダウンリンクパケット接続(high-speed downlink packet access、HSDPA)、高速アップリンクパケット接続(high-speed uplink packet access、HSUPA)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access、W-CDMA)、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)、Bluetooth、Wireless Fidelity(Wi-Fi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、及び/若しくはIEEE 802.11n)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(voice over Internet Protocol、VoIP)、Wi-MAX、電子メール用のプロトコル(例えば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(Internet message access protocol、IMAP)及び/又はポストオフィスプロトコル(post office protocol、POP))、インスタントメッセージ(例えば、拡張可能なメッセージング及びプレゼンスプロトコル(extensible messaging and presence protocol、XMPP)、インスタントメッセージング及びプレゼンスイベントパッケージのためのセッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions、SIMPLE)、インスタントメッセージング及びプレゼンスイベントパッケージ(Instant Messaging and Presence Service、IMPS))、及び/若しくはショートメッセージサービス(Short Message Service、SMS)、又は本文書の出願日にまだ開発されていない通信プロトコルを含むいずれかの他の適切な通信プロトコルを含むがこれらに限定されない、様々な通信標準規格、通信プロトコル、及び通信技術のいずれか使用してもよい。
【0066】
オーディオ回路810、スピーカ811、及びマイクロフォン813は、ユーザとデバイス800との間のオーディオインタフェースを提供する。オーディオ回路810は、周辺機器インタフェース818からオーディオデータを受信し、このオーディオデータを電気信号に変換し、この電気信号をスピーカ811に送信する。スピーカ811は、電気信号を人間の可聴音波に変換する。また、オーディオ回路810は、マイクロフォン813によって音波から変換された電気信号を受信する。オーディオ回路810は、電気信号をオーディオデータに変換し、このオーディオデータを処理のために周辺機器インタフェース818に送信する。オーディオデータは、周辺機器インタフェース818によって、メモリ102及び/若しくはRF回路808から取り出されてもよく、並びに/又はメモリ102及び/若しくはRF回路808に送信されてもよい。いくつかの実施形態では、オーディオ回路810はまた、ヘッドセットジャック(例えば、
図8A~
図8Bの814)を含む。ヘッドセットジャックは、オーディオ回路810と、出力専用ヘッドホン又は出力(例えば片耳又は両耳用のヘッドホン)及び入力(例えばマイクロフォン)の両方を有するヘッドセットなどの着脱可能なオーディオ入出力周辺機器との間のインタフェースを提供する。
【0067】
I/Oサブシステム806は、タッチスクリーン812及び他の入力制御デバイス816などのデバイス800上の入出力周辺機器を、周辺機器インタフェース818に結合する。I/Oサブシステム806は、ディスプレイコントローラ856、及び他の入力又は制御デバイス用の1つ以上の入力コントローラ860を含んでもよい。1つ以上の入力コントローラ860は、他の入力又は制御デバイス816から電気信号を受信し、それらへ電気信号を送信する。他の入力制御デバイス816は、物理ボタン(例えば、プッシュボタン、ロッカボタンなど)、ダイヤル、スライダスイッチ、ジョイスティック、及びクリックホイールなどを含んでもよい。いくつかの代替的実施形態では、入力コントローラ(単数又は複数)860は、キーボード、赤外線ポート、USBポート、及びマウスなどのポインタデバイスのうちのいずれかに結合されてもよい(又は、いずれにも結合されなくてもよい)。1つ以上のボタン(例えば、
図8A~
図8Bの809)は、スピーカ811及び/又はマイクロフォン813の音量調節用のアップ/ダウンボタンを含んでもよい。1つ以上のボタンは、プッシュボタン(例えば、
図8A~
図8Bの805)を含んでもよい。
【0068】
タッチ感知ディスプレイ812は、デバイスとユーザとの間の入力インタフェース及び出力インタフェースを提供する。ディスプレイコントローラ856は、タッチスクリーン812からの電気信号の受信、及び/又はタッチスクリーン812への電気信号の送信を行う。タッチスクリーン812は、ユーザに対して視覚出力を表示する。視覚出力は、グラフィック、テキスト、アイコン、ビデオ、及びそれらのいずれかの組み合わせ(「グラフィック」と総称される)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、視覚出力の一部又は全てはユーザインタフェースオブジェクトに対応してもよい。
【0069】
タッチスクリーン812は、触覚及び/若しくは触知の接触に基づくユーザからの入力を受け入れるタッチ感知面、センサ、又はセンサのセットを有する。タッチスクリーン812及びディスプレイコントローラ856は(メモリ802内のいずれかの関連モジュール及び/又は命令セットと共に)、タッチスクリーン812上で接触(及び、いずれかの動作又は接触の中断)を検出し、検出された接触を、タッチスクリーン812上に表示されたユーザインタフェースオブジェクト(例えば、1つ以上のソフトキー、アイコン、ウェブページ、又は画像)との相互作用に変換する。例示的な実施形態では、タッチスクリーン812とユーザとの間の接触点は、ユーザの指に対応する。
【0070】
タッチスクリーン812は、LCD(液晶ディスプレイ)技術、LPD(発光ポリマーディスプレイ)技術、又はLED(発光ダイオード)技術を使用してもよいが、他の実施形態では他のディスプレイ技術を使用してもよい。タッチスクリーン812及びディスプレイコントローラ856は、静電容量技術、抵抗性技術、赤外線技術、及び表面弾性波技術、並びにタッチスクリーン812との1つ以上の接触点を決定するための他の近接センサアレイ又は他の要素含むが、これらに限定されない、現在既知の、又は今後開発される様々なタッチ感知技術のうちのいずれかを使用して、接触、及びその接触のあらゆる移動又は中断を検出してもよい。例示的な実施形態では、投影相互容量検知技術が使用され得る。
【0071】
タッチスクリーン812は、1インチ当たり100ドット(dpi)を超えるビデオ解像度を有し得る。いくつかの実施形態では、タッチスクリーンは、約160dpiのビデオ解像度を有する。ユーザは、スタイラス及び指などのいずれかの適切なオブジェクト又は付属物を使用して、タッチスクリーン812と接触してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、指による接触及びジェスチャを主に扱うように設計されるが、これは、タッチスクリーン上の指の接触面積がより大きいため、スタイラスベースの入力ほど精密でない可能性がある。いくつかの実施形態では、デバイスは、指による粗い入力を、ユーザによって所望されているアクションを実行するための、正確なポインタ/カーソルの位置又はコマンドに変換する。
【0072】
いくつかの実施形態では、タッチスクリーンに加えて、デバイス800は、特定の機能をアクティブ化又は非アクティブ化するためのタッチパッド(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、タッチパッドは、タッチスクリーンとは異なり、視覚出力を表示しない、デバイスのタッチ感知エリアである。タッチパッドは、タッチスクリーン812とは別個のタッチ感知面、又はタッチスクリーンによって形成されるタッチ感知面の拡張部とすることができる。
【0073】
デバイス800はまた、様々な構成要素に電力を供給する電力システム862を含む。電力システム862は、電力管理システム、1つ以上の電源(例えば、バッテリ、交流(AC))、再充電システム、停電検出回路、電力コンバータ又はインバータ、電力状態インジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))、並びにポータブルデバイスにおける電力の生成、管理、及び分配に関連するいずれかの他の構成要素を含んでもよい。
【0074】
デバイス800はまた、1つ以上の光学センサ864及び1つ以上のカメラ870を含んでもよい。
図8Cは、I/Oサブシステム806内の光学センサコントローラ858に結合された光学センサを示す。光学センサ864は、電荷結合デバイス(charge-coupled device、CCD)、又は相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide semiconductor、CMOS)フォトトランジスタを含んでもよい。光学センサ864は、1つ以上のレンズを通じて投影された環境からの光を受光し、その光を画像を表すデータに変換する。カメラ(単数又は複数)870と共に、光学センサ864は、静止画像又はビデオをキャプチャしてもよい。いくつかの実施形態では、タッチスクリーンディスプレイを静止画像及び/又はビデオ画像取得のためのビューファインダとして使用することができるように、デバイスの前面上のタッチスクリーンディスプレイ812の反対側である、デバイス800の背面上に光学センサが配置されている。いくつかの実施形態では、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ上で他のビデオ会議参加者を見ている間にビデオ会議のためにユーザの画像を取得することができるように、別の光学センサがデバイスの前面上に配置されている。
【0075】
デバイス800はまた、1つ以上の近接センサ866を含んでもよい。
図8Cは、周辺機器インタフェース818に結合された近接センサ866を示す。あるいは、近接センサ866は、I/Oサブシステム806内の入力コントローラ860に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、多機能デバイスがユーザの耳の近くに配置されている場合(例えば、ユーザが電話通話を行っている場合)、近接センサは、タッチスクリーン812をオフにして無効化する。
【0076】
デバイス800は、1つ以上の向きセンサ868を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の向きセンサは、1つ以上の加速度計(例えば、1つ以上の直線加速度計及び/又は1つ以上の回転加速度計)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の向きセンサは、1つ以上のジャイロスコープを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の向きセンサは、1つ以上の磁気計を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の向きセンサは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、全地球的航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GLONASS)、及び/又は他の全地球航法システム受信機のうちの1つ以上を含む。GPS、GLONASS、及び/又は他の全地球航法システム受信機は、デバイス800の位置及び(例えば、縦向き又は横向き)に関する情報を取得するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の向きセンサは、向き/回転センサの任意の組み合わせを含む。
図8Cは、周辺機器インタフェース818に結合された1つ以上の向きセンサ868を示す。あるいは、1つ以上の向きセンサ868は、I/Oサブシステム806内の入力コントローラ860に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、情報は、1つ以上の向きセンサから受信したデータの分析に基づいて、縦長表示又は横長表示でタッチスクリーンディスプレイ上に表示される。
【0077】
いくつかの実施形態では、メモリ802内に記憶されているソフトウェア構成要素は、オペレーティングシステム826、通信モジュール(又は命令セット)828、接触/動きモジュール(又は命令セット)830、グラフィックモジュール(又は命令セット)832、テキスト入力モジュール(又は命令セット)834、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)モジュール(又は命令セット)835、及びアプリケーション(又は命令セット)836を含む。更に、いくつかの実施形態では、メモリ802は、デバイス/グローバル内部状態857を記憶する。デバイス/グローバル内部状態857は、現在アクティブ状態のアプリケーションがある場合に、どのアプリケーションがアクティブであるかを示すアクティブアプリケーション状態、どのアプリケーション、ビュー、又は他の情報がタッチスクリーンディスプレイ812の様々な領域を占有しているかを示すディスプレイ状態、デバイスの様々なセンサ及び入力制御デバイス816から取得した情報を含むセンサ状態、並びにデバイスの位置及び/又は姿勢に関する位置情報、のうちの1つ以上を含む。
【0078】
オペレーティングシステム826(例えば、Darwin、RTXC、LINUX、UNIX(登録商標)、OS X、WINDOWS(登録商標)、又はVxWorksなどの組み込み型オペレーティングシステム)は、一般的なシステムタスク(例えば、メモリ管理、記憶デバイス制御、電力管理など)を制御及び管理する様々なソフトウェア構成要素及び/又はドライバを含み、様々なハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との間の通信を容易にする。
【0079】
通信モジュール828は、1つ以上の外部ポート824を介して他のデバイスとの通信を容易にし、RF回路808及び/又は外部ポート824が受信したデータを処理するための様々なソフトウェア構成要素をも含む。外部ポート824(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、FIREWIRE(登録商標)など)は、直接的に、又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LANなど)を介して間接的に、他のデバイスに結合するように適合されている。
【0080】
接触/動きモジュール830は、(ディスプレイコントローラ856と共に)タッチスクリーン812及び他のタッチ感知デバイス(例えば、タッチパッド又は物理的なクリックホイール)との接触を検出することができる。接触/動きモジュール830は、接触が生じたかどうかの判定(例えば、フィンガダウンイベントの検出)、接触の移動があるかどうかの判定及びタッチ感知面にわたる移動の追跡(例えば、1つ以上のフィンガドラッギングイベントの検出)、並びに接触が終わったかどうかの判定(例えば、フィンガアップイベント又は接触の中断の検出)など、接触の検出に関連する様々な動作を行うための様々なソフトウェア構成要素を含む。接触/動きモジュール830は、タッチ感知面から接触データを受信する。一連の接触データにより表される接触点の移動の判定は、接触点の速さ(大きさ)、速度(大きさ及び方向)、並びに/又は加速度(大きさ及び/若しくは方向の変化)の判定を含んでもよい。これらの操作は、単一の接触(例えば、1本の指の接触)又は複数の同時接触(例えば、「マルチタッチ」/複数の指の接触)に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接触/動きモジュール830及びディスプレイコントローラ856は、タッチパッド上の接触を検出する。
【0081】
接触/動きモジュール830は、ユーザによるジェスチャ入力を検出することができる。タッチ感知面上での異なるジェスチャは、異なる接触パターンを有する。したがって、特定の接触パターンを検出することによってジェスチャを検出することができる。例えば、指のタップジェスチャを検出することは、フィンガダウンイベントを検出し、続いて(例えば、アイコンの位置での)そのフィンガダウンイベントと同一の位置(又は、実質的に同一の位置)でのフィンガアップ(リフトオフ)イベントを検出することを含む。別の実施例として、タッチ感知面上の指のスワイプジェスチャを検出することは、フィンガダウンイベントを検出し、続いて1つ以上の指のドラッグイベントを検出し、その後、フィンガアップ(リフトオフ)イベントを検出することを含む。
【0082】
グラフィックモジュール832は、表示されるグラフィックの明度を変更するための構成要素を含む、タッチスクリーン812又は他のディスプレイ上にグラフィックをレンダリングして表示するための、様々な既知のソフトウェア構成要素を含む。本明細書で使用される場合、用語「グラフィック」は、テキスト、ウェブページ、アイコン(ソフトキーを含むユーザインタフェースオブジェクトなど)、デジタル画像、ビデオ、及びアニメーションなどを含むがこれらに限定されない、ユーザに対して表示することができるいずれかのオブジェクトを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、グラフィックモジュール832は、使用されるグラフィックを表すデータを記憶する。各々のグラフィックには、対応するコードが割り当てられてもよい。グラフィックモジュール832は、アプリケーションなどから、必要に応じて、座標データ及び他のグラフィック特性データと共に、表示されるグラフィックを指定する1つ以上のコードを受信し、次いでディスプレイコントローラ856に出力するスクリーン画像データを生成する。
【0084】
グラフィックモジュール832の構成要素とすることができるテキスト入力モジュール834は、様々なアプリケーション(例えば、連絡先837、電子メール840、IM841、ブラウザ847、及びテキスト入力を必要とするいずれかの他のアプリケーション)内でテキストを入力するためのソフトキーボードを提供する。
【0085】
GPSモジュール835は、デバイスの位置を判定し、この情報を、様々なアプリケーションで使用するために(例えば、位置に基づく電話発信で使用するために電話838へ、写真/ビデオのメタデータとして撮像モジュール843へ、並びに、気象ウィジェット、地域のイエローページウィジェット、及び地図/ナビゲーションウィジェットなどの、位置に基づくサービスを提供するアプリケーションへ)提供する。
【0086】
アプリケーション836は、以下のモジュール(若しくは命令セット)、又はそれらのサブセット若しくはスーパーセットを含んでもよい。
・連絡先モジュール837(時に、アドレス帳又は連絡先リストとも呼ぶ)、
・電話モジュール838、
・テレビ会議モジュール839、
・電子メールクライアントモジュール840、
・インスタントメッセージング(IM)モジュール841、
・トレーニングサポートモジュール842、
・静止画像及び/又はビデオ画像用のカメラモジュール843、
・画像管理モジュール844、
・ブラウザモジュール847、
・カレンダーモジュール848、
・気象ウィジェット849-1、株式ウィジェット849-2、計算機ウィジェット849-3、アラーム時計ウィジェット849-4、辞書ウィジェット849-5、及びユーザによって取得された他のウィジェット、並びにユーザ作成ウィジェット849-6のうちの1つ以上を含むことができる、ウィジェットモジュール849、
・ユーザ作成ウィジェット849-6を作成するためのウィジェット作成モジュール850、
・検索モジュール851、
・ビデオプレーヤから構成することができるビデオ及び音楽プレーヤモジュール852、
・モジュール及び音楽プレーヤモジュール、
・メモモジュール853、
・地図モジュール854、及び/又は
・オンラインビデオモジュール855。
【0087】
メモリ802に記憶し得る他のアプリケーション836の例には、他のワードプロセッシングアプリケーション、他の画像編集アプリケーション、描画アプリケーション、プレゼンテーションアプリケーション、JAVA(登録商標)対応アプリケーション、暗号化、デジタル著作権管理、音声認識、及び音声複製を含む。
【0088】
タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、連絡先モジュール837は、アドレス帳又は連絡先リストを管理するために使用することができ、それには、アドレス帳に名前(単数又は複数)を加えること、アドレス帳から名前(単数又は複数)を削除すること、電話番号(単数又は複数)、電子メールアドレス(単数又は複数)、実際の住所(単数又は複数)、又は他の情報を名前に関連付けること、画像を名前に関連付けること、名前を分類して並べ替えること、電話番号又は電子メールアドレスを提供して、電話838、テレビ会議839、電子メール840、若しくはIM841などによる通信を開始及び/又は容易にすることなどが含まれる。
【0089】
RF回路808、オーディオ回路810、スピーカ811、マイクロフォン813、タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、電話モジュール838は、電話番号に対応する一連の文字を入力したり、アドレス帳837内の1つ以上の電話番号にアクセスしたり、入力されている電話番号を修正したり、各々の電話番号をダイヤルしたり、会話を遂行したり、会話が完了した際に接続を切るか又は電話を切ったりするために、使用することができる。上述のように、無線通信には、様々な通信規格、通信プロトコル、及び通信技術のうちの任意のものを使用することができる。
【0090】
RF回路808、オーディオ回路810、スピーカ811、マイクロフォン813、タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、光学センサ864、光学センサコントローラ858、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、連絡先リスト837、及び電話モジュール838と共に、テレビ会議モジュール839は、ユーザの指示に従って、ユーザと1人以上の他の参加者との間のテレビ会議を開始し、行い、及び終了するための実行可能命令を含む。
【0091】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、電子メールクライアントモジュール840は、ユーザの指示に応じて、電子メールを作成し、送信し、受信し、及び管理するための実行可能命令を含む。画像管理モジュール844と共に、電子メールクライアントモジュール840は、撮像モジュール843によって撮影された静止画像又はビデオ画像を含む電子メールを作成及び送信することを非常に容易にする。
【0092】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、インスタントメッセージングモジュール841は、インスタントメッセージに対応する文字列を入力し、入力済みの文字を修正し、それぞれのインスタントメッセージを送信し(例えば、電話ベースのインスタントメッセージのためのショートメッセージサービス(SMS)若しくはマルチメディアメッセージサービス(MMS)プロトコルを使用して、又はインターネットベースのインスタントメッセージのためのXMPP、SIMPLE、若しくはIMPSを使用して)、インスタントメッセージを受信し、及び受信したインスタントメッセージを表示するための実行可能命令を含む。いくつかの実施形態では、送信及び/又は受信されたインスタントメッセージは、MMS及び/又は拡張メッセージングサービス(Enhanced Messaging Service、EMS)でサポートされるような、グラフィック、写真、オーディオファイル、ビデオファイル、及び/又は他の添付ファイルを含んでもよい。本明細書では、「インスタントメッセージング」とは、電話通信ベースのメッセージ(例えば、SMS又はMMSを使用して送信されるメッセージ)と、インターネットベースのメッセージ(例えば、XMPP、SIMPLE、又はIMPSを使用して送信されるメッセージ)との両方を指す。
【0093】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、GPSモジュール835、地図モジュール854、及び音楽プレーヤモジュール846と共に、トレーニングサポートモジュール842は、(例えば、時間、距離、及び/又はカロリー消費目標を有する)トレーニングを生成し、トレーニングセンサ(スポーツデバイス)と通信し、トレーニングセンサデータを受信し、トレーニングをモニタするために使用されるセンサを較正し、トレーニング用の音楽を選択して再生し、並びに、トレーニングデータを表示し、記憶し、及び送信する、実行可能命令を含む。
【0094】
タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、光学センサ(単数又は複数)864、カメラ(単数又は複数)870、光学センサコントローラ858、光源モジュール875(
図8B参照)、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及び画像管理モジュール844と共に、撮像モジュール843は、静止画像若しくはビデオ(ビデオストリームを含む)をキャプチャしてメモリ802にそれらを記憶する、静止画像若しくはビデオの特性を変更する、又はメモリ802から静止画像若しくはビデオを削除するための実行可能命令を含む。
【0095】
タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、光学センサ(単数又は複数)864、カメラ(単数又は複数)870、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、光源モジュール875(
図8Bを参照)、及び撮像モジュール843と共に、画像管理モジュール844は、静止画像及び/又はビデオ画像を配置し、修正(例えば、編集)するか若しくは他の方法で操作し、ラベルを付け、削除し、(例えば、デジタルスライドショー若しくはアルバム内で)提示し、及び記憶するための実行可能命令を含む。
【0096】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、ブラウザモジュール847は、ウェブページ又はそれらの一部、並びにウェブページにリンクされた添付ファイル及び他のファイルを検索し、これにリンクし、受信し、及び表示することを含む、ユーザの指示に従ってインターネットをブラウズするための実行可能命令を含む。
【0097】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、電子メールクライアントモジュール840、及びブラウザモジュール847と共に、カレンダーモジュール848は、ユーザの指示に従ってカレンダー及びカレンダーと関連付けられたデータ(例えば、カレンダー項目、やることリストなど)を作成し、表示し、変更し、及び記憶するための実行可能命令を含む。
【0098】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、及びブラウザモジュール847と共に、ウィジェットモジュール849は、ユーザがダウンロードして使用することができ(例えば、気象ウィジェット849-1、株式ウィジェット849-2、計算機ウィジェット849-3、アラーム時計ウィジェット849-4、及び辞書ウィジェット849-5)、又はユーザが作成できる(例えば、ユーザ作成ウィジェット849-6)ミニアプリケーションである。いくつかの実施形態では、ウィジェットは、HTML(Hypertext Markup Language、ハイパーテキストマークアップ言語)ファイル、CSS(Cascading Style Sheets、カスケーディングスタイルシート)ファイル、及びJavaScriptファイルを含む。いくつかの実施形態では、ウィジェットは、XML(Extensible Markup Language、拡張可能マークアップ言語)ファイル及びJavaScriptファイル(例えば、Yahoo!ウィジェット)を含む。
【0099】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、及びブラウザモジュール847と共に、ウィジェット作成モジュール850は、ウィジェットを作成する(例えば、ウェブページのユーザ指定箇所をウィジェットに変える)ためにユーザによって使用されてもよい。
【0100】
タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、検索モジュール851は、ユーザの指示に従って1つ以上の検索基準(例えば、1つ以上のユーザ指定の検索語句)と一致する、メモリ802内のテキスト、音楽、音、画像、ビデオ、及び/又は他のファイルを検索するための実行可能命令を含む。
【0101】
タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、オーディオ回路810、スピーカ811、RF回路808、及びブラウザモジュール847と共に、ビデオ及び音楽プレーヤモジュール852は、MP3又はAACファイルなどの1つ以上のファイル形式で記憶された録音済みの音楽及び他のサウンドファイルをユーザがダウンロード及び再生できるようにする実行可能命令、並びに(例えば、タッチスクリーン812上、又は外部ポート824を介して接続された外部のディスプレイ上に)ビデオを表示、提示、又は別の方法で再生するための実行可能命令を含む。いくつかの実施形態では、デバイス800は、MP3プレーヤの機能性を含み得る。
【0102】
タッチスクリーン812、ディスプレイコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、及びテキスト入力モジュール834と共に、メモモジュール853は、ユーザの指示に従って、メモ、やることリストなどを作成及び管理するための実行可能命令を含む。
【0103】
RF回路808、タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、テキスト入力モジュール834、GPSモジュール835、及びブラウザモジュール847と共に、地図モジュール854は、ユーザの指示に従って、地図及び地図に関連付けられたデータ(例えば、運転方向、特定の位置における又はその近くの店舗及び対象となる他の地点についてのデータ、並びに位置に基づく他のデータ)を受信し、表示し、変更し、及び記憶するために使用され得る。
【0104】
タッチスクリーン812、ディスプレイシステムコントローラ856、接触モジュール830、グラフィックモジュール832、オーディオ回路810、スピーカ811、RF回路808、テキスト入力モジュール834、電子メールクライアントモジュール840、及びブラウザモジュール847と共に、オンラインビデオモジュール855は、ユーザがH.264などの1つ以上のファイル形式のオンラインビデオにアクセスし、ブラウズし、受信し(例えば、ストリーミング及び/又はダウンロードにより)、再生し(例えば、タッチスクリーン上で又は外部ポート824を介して接続された外部のディスプレイ上で)、特定のオンラインビデオへのリンクを含む電子メールを送信し、及び別の方法で管理できるようにする命令を含む。いくつかの実施形態では、特定のオンラインビデオへのリンクを送信するために、電子メールクライアントモジュール840ではなく、インスタントメッセージングモジュール841が使用される。
【0105】
上記特定されたモジュール及びアプリケーションの各々は、上記説明された1つ以上の機能、並びに本出願で説明される方法(例えば、コンピュータにより実行される方法、及び本明細書で説明される他の情報処理方法)を実行する実行可能な命令セットに対応する。これらのモジュール(すなわち、命令セット)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実施される必要はなく、したがって、様々な実施形態において、これらのモジュールの様々なサブセットを組み合わせるか、又は別の方法で再配置してもよい。いくつかの実施形態では、メモリ802は、上記で識別されたモジュール及びデータ構造のサブセットを記憶してもよい。更に、メモリ802は、上述されていない追加のモジュール及びデータ構造を記憶してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、デバイス800は、そのデバイスにおける所定の機能のセットの動作がタッチスクリーン及び/又はタッチパッドのみを通じて実行されるデバイスである。デバイス800の動作に対する主要な入力制御デバイスとしてタッチスクリーン及び/又はタッチパッドを使用することによって、デバイス800上の(プッシュボタン、ダイヤルなどの)物理的な入力制御デバイスの数を削減することができる。
【0107】
排他的にタッチスクリーン及び/又はタッチパッドを介して実行することができる機能の既定のセットは、ユーザインタフェース間のナビゲーションを含む。いくつかの実施形態では、タッチパッドは、ユーザにタッチされると、デバイス800上に表示できるいずれかのユーザインタフェースから、メイン、ホーム、又はルートメニューへとデバイス800をナビゲートする。そのような実施形態では、タッチパッドは、「メニューボタン」と呼ばれてもよい。いくつかの他の実施形態では、メニューボタンは、タッチパッドの代わりに、物理的なプッシュボタン又は他の物理的な入力制御デバイスであってもよい。
例示的なコンピュータシステム
【0108】
図9は、いくつかの実施形態に係る、1つ以上のカメラモジュールを含み得る例示的なコンピュータシステム900を示す。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム900は、本明細書に説明される実施形態の1つ又は複数の特徴、構成要素、及び/又は実装機能性を含んでもよい。
【0109】
本明細書で説明するカメラモジュールの様々な実施形態は、様々な他のデバイスと相互作用できる、1つ以上のコンピュータシステム900で実施することができる。上述したいずれかの構成要素、動作、又は機能性は、様々な実施形態に従って、
図9のコンピュータシステム900として構成された1つ以上のコンピュータ上に実装されてもよいことに留意されたい。図示された実施形態では、コンピュータシステム900は、入出力(I/O)インタフェース930を介してシステムメモリ920に結合される1つ以上のプロセッサ910を含む。コンピュータシステム900は、I/Oインタフェース930に結合されたネットワークインタフェース940、並びにカーソル制御デバイス960、キーボード970、及びディスプレイ(単数又は複数)980などの1つ以上の入出力デバイス950を更に含む。いくつかの場合では、実施形態は、単一インスタンスのコンピュータシステム900使用して実施されてもよく、他の実施形態では、複数のこのようなシステム、又はコンピュータシステム900を構成する複数のノードが、実施形態の異なる部分若しくはインスタンスをホストするように構成されてもよいことが考えられる。例えば、一実施形態では、いくつかの要素は、他の要素を実装するノードと別個であるコンピュータシステム900の1つ以上のノードを介して実装されてもよい。
【0110】
様々な実施形態では、コンピュータシステム900は、1つのプロセッサ910を含む単一プロセッサシステム、又はいくつかのプロセッサ910(例えば、2つ、4つ、8つ、若しくは別の好適な個数)を含むマルチプロセッサシステムであってもよい。プロセッサ910は、命令を実行する能力を有する任意の好適なプロセッサであってもよい。例えば、様々な実施形態では、プロセッサ910は、x8 18、PowerPC、SPARC、若しくはMIPS命令セットアーキテクチャ(instruction set architectures、ISA)、又は任意の他の好適なISAなどの、様々な命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する汎用プロセッサ又は組み込みプロセッサであってもよい。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ910のそれぞれは、必ずしもではないが、同じISAを共通に実装してもよい。
【0111】
システムメモリ920は、プロセッサ910によってアクセス可能な制御プログラム命令922及び/又は制御データを記憶するように構成されてもよい。様々な実施形態では、システムメモリ920は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、又はいずれかの他の種類のメモリなど、いずれかの適切なメモリ技術を使用して実装されてもよい。図示された実施形態では、プログラム命令922は、上述された機能性のいずれかを組み込む制御アプリケーションを実装するように構成されてもよい。加えて、メモリ920の既存の制御データは、上述された情報又はデータ構造のうちのいずれかを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プログラム命令及び/又はデータは、異なる種類のコンピュータアクセス可能媒体上、又はシステムメモリ920若しくはコンピュータシステム900とは別個の同様の媒体上で、受信、送信、又は記憶されてもよい。コンピュータシステム900は、前の図の機能ブロックの機能性を実施するものとして説明されているが、本明細書で説明される機能性のいずれかは、そのようなコンピュータシステムを介して実施されてもよい。
【0112】
一実施形態では、I/Oインタフェース930は、プロセッサ910と、システムメモリ920と、ネットワークインタフェース940、又は入出力デバイス950などの他の周辺インタフェースを含む、デバイス内のいずれかの周辺デバイスとの間のI/Oトラフィックを調整するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース930は、1つの構成要素(例えば、システムメモリ920)からのデータ信号を別の構成要素(例えば、プロセッサ910)による利用に適した形式に変換するために、任意の必要なプロトコル、タイミング又は他のデータの変換を実行してもよい。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース930は、例えば、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス規格又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)規格の変形例などの、様々な種類の周辺バスを通じて取り付けられるデバイスのためのサポートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース930の機能は、例えばノースブリッジ及びサウスブリッジなどの2つ以上の別個の構成要素に分割されてもよい。また、いくつかの実施形態では、システムメモリ920へのインタフェースなどの、I/Oインタフェース930の機能の一部又は全ては、プロセッサ910内に直接組み込まれてもよい。
【0113】
ネットワークインタフェース940は、コンピュータシステム900と、ネットワーク985に取り付けられた他のデバイス(例えば、キャリアデバイス又はエージェントデバイス)との間、又はコンピュータシステム900のノード間で、データが交換されることを可能にするように構成されてもよい。ネットワーク985は、様々な実施形態では、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えば、イーサネット若しくは企業ネットワーク)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、無線データネットワーク、いくつかの他の電子データネットワーク、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせを含むがそれらに限定されない、1つ以上のネットワークを含んでもよい。様々な実施形態では、ネットワークインタフェース940は、例えば、任意の好適な種類のイーサネットネットワークなどの、有線若しくは無線汎用データネットワークを介した通信、アナログ音声ネットワーク若しくはデジタルファイバー通信ネットワークなどの電気通信/電話ネットワークを介した通信、ファイバーチャネルSANなどのストレージエリアネットワークを介した通信、又はいずれかの他の適切な種類のネットワーク及び/若しくはプロトコルを介した通信をサポートすることができる。
【0114】
入出力デバイス950は、いくつかの実施形態では、1つ以上の表示端末、キーボード、キーパッド、タッチパッド、スキャニングデバイス、音声若しくは光学認識デバイス、又は1つ以上のコンピュータシステム900によるデータの入力若しくはアクセスに適したいずれかの他のデバイスを含んでもよい。複数の入出力デバイス950がコンピュータシステム900内に存在してもよく、又はコンピュータシステム900の様々なノード上に分散されてもよい。いくつかの実施形態では、同様の入出力デバイスは、コンピュータシステム900から分離してもよく、ネットワークインタフェース940を介してなど、有線又は無線接続を通じてコンピュータシステム900の1つ以上のノードと相互作用してもよい。
【0115】
図9に示されるように、メモリ920は、上述されたいずれかの要素又はアクションを実施するようにプロセッサで実行可能とすることができる、プログラム命令922を含んでもよい。一実施形態では、プログラム命令は、上記説明された方法を実行することができる。他の実施形態では、異なる要素及びデータが含まれてもよい。データは、上記説明されたいずれかのデータ又は情報を含むことができることに留意されたい。
【0116】
当業者であれば、コンピュータシステム900は、単なる例示に過ぎず、実施形態の範囲に制限を加えることを意図していないことを理解するであろう。特に、コンピュータシステム及びデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネット装置、PDA、無線電話、ページャなどを含む、示された機能を実行し得るハードウェア又はソフトウェアのいずれかの組み合わせを含んでもよい。コンピュータシステム900はまた、図示されない他のデバイスに接続されてもよく、又はその代わりに独立型のシステムとして動作してもよい。加えて、例示される構成要素によって提供される機能は、いくつかの実施形態では、より少ない構成要素で組み合わされてもよく、又は追加の構成要素において分散されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、図示されている構成要素のうちのいくつかの機能性は提供されなくてもよく、及び/又は他の追加の機能性が利用可能であってもよい。
【0117】
当業者はまた、様々な項目は、使用されている間にメモリ内、又は記憶装置上に記憶されるように示されているが、これらの項目又はそれらの部分はメモリ管理及びデータ完全性の目的のためにメモリと他の記憶デバイスとの間で転送されてもよいことを理解するであろう。代わりに、他の実施形態では、ソフトウェア構成要素の一部又は全ては、別のデバイス上のメモリ内で実行し、コンピュータ間通信を介して、図示されているコンピュータシステムと通信してもよい。システム構成要素又はデータ構造のいくつか又は全てはまた、以上において様々な例が説明された、適当なドライブによって読み取られるべきコンピュータアクセス可能媒体又はポータブル物品上に(例えば、命令又は構造化データ)として記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム900から分離したコンピュータアクセス可能媒体上に記憶された命令は、伝送媒体、又はネットワーク及び/若しくは無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される、電気信号、電磁信号、又はデジタル信号などの信号を介してコンピュータシステム900へ送信されてもよい。様々な実施形態は、前の説明にしたがってコンピュータアクセス可能媒体上に実行される命令及び/又はデータを受信、送信、又は記憶することを更に含んでもよい。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、磁気媒体又は光媒体、例えば、ディスク若しくはDVD/CD-ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの揮発性又は不揮発性媒体などの、非一時的コンピュータ可読記憶媒体又はメモリ媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータアクセス可能媒体は、ネットワーク及び/若しくは無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される、電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの伝送媒体又は信号を含んでもよい。
【0118】
本明細書で説明される方法は、異なる実施形態では、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせの形態で実行されてもよい。加えて、方法のブロックの順序は変更されてもよく、様々な要素の追加、再順序付け、組み合わせ、省略、修正などが行われてもよい。本開示の利益を得る当業者にとって明白であるような、様々な修正及び変更が行われてもよい。本明細書で説明された各種実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。多くの変形、修正、追加、及び改善が可能である。したがって、単一の事例として本明細書で説明した構成要素について、複数の事例を提供することができる。種々の構成要素、動作及びデータストアの間の境界は、ある程度任意のものであり、特定の動作は、特定の例示的な構成の文脈において示される。機能性の他の割り当てが想定され、以下に続く請求項の範囲内に含まれてもよい。最後に、例示的な構成における別個の構成要素として提示された構造及び機能性は、組み合わされた構造又は構成要素として実施されてもよい。それらの及び他の変形例、修正、追加、及び改善は、以下に続く請求項で定義されるように、実施形態の範囲内に含まれてもよい。