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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】金属プローブ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
G01R1/073 E
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020061236
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021067666
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2020-03-30
(31)【優先権主張番号】108138660
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513311619
【氏名又は名称】巨擘科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PRINCO CORP.
【住所又は居所原語表記】No.6, CREATION 4TH Rd.,HSINCHU SCIENCE-BASED INDUSTRY PARK,HSINCHU CITY 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朱亦麟
(72)【発明者】
【氏名】古鴻勝
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0286817(US,A1)
【文献】特開2006-078495(JP,A)
【文献】特開2007-173846(JP,A)
【文献】特開昭64-004042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0058653(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102455373(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0091532(US,A1)
【文献】特開2004-301527(JP,A)
【文献】特開2006-189430(JP,A)
【文献】特開2008-128882(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110136617(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0257631(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0031141(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層基板と、
該多層基板上に位置する第1の導電層と、
該多層基板及び該第1の導電層上に位置る第1の可撓性誘電体層と、
該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該第1の導電層に隙間なく接続される第2の導電層と、
該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該第2の導電層を覆う第2の可撓性誘電体層と、
第2の導電層上にそれぞれ設けられ且つ該第2の可撓性誘電体層に部分的に位置する複数の金属積層体であって、下から上へと積層される複数の第1の金属素子をそれぞれ含む複数の金属積層体と、
これら金属積層体の側面及び頂面に位置してこれら金属積層体を隙間なく接続し、これら金属積層体とともに金属プローブを形成する複数の金属層とを含む、金属プローブ構造。
【請求項2】
該第1の可撓性誘電体層及び該第2の可撓性誘電体層がポリイミドを含む、請求項1に記載の金属プローブ構造。
【請求項3】
これら第1の金属素子が銅又はアルミニウムを含む、請求項1に記載の金属プローブ構造。
【請求項4】
該金属層がニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項に記載の金属プローブ構造。
【請求項5】
多層基板と、
該多層基板上に位置する第1の導電層と、
該多層基板及び該第1の導電層上に位置る第1の可撓性誘電体層と、
該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該第1の導電層に隙間なく接続される第2の導電層と、
該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該第2の導電層を覆う第2の可撓性誘電体層と、
第2の導電層上にそれぞれ設けられ且つ該第2の可撓性誘電体層に部分的に位置する複数の金属積層体であって、下から上へと交互に積層される複数の第1の金属素子と複数の第2の金属素子とをそれぞれ含む複数の金属積層体と
これら金属積層体の側面及び頂面に位置してこれら金属積層体を隙間なく接続し、これら金属積層体とともに金属プローブを形成する金属層とを含む、金属プローブ構造。
【請求項6】
該第1の可撓性誘電体層及び該第2の可撓性誘電体層がポリイミドを含む、請求項に記載の金属プローブ構造。
【請求項7】
これら第1の金属素子とこれら第2の金属素子とは異なる材料を含む、請求項に記載の金属プローブ構造。
【請求項8】
これら第1の金属素子は銅又はアルミニウムを含み、これら第2の金属素子はニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項に記載の金属プローブ構造。
【請求項9】
該金属層がニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項に記載の金属プローブ構造。
【請求項10】
第1の導電層及び第1の可撓性誘電体層が順次形成されている多層基板を提供する工程と、
該第1の可撓性誘電体層上に位置して該第1の導電層に隙間なく接続される第2の導電層を形成する工程と、
該第1の可撓性誘電体層上に該第2の導電層を覆う第2の可撓性誘電体層を形成する工程と
該第2の可撓性誘電体層上にパターン化フォトレジスト層を形成する工程であって、該パターン化フォトレジスト層が複数の第2の開口を有することによって、該第2の可撓性誘電体層に複数の第1の開口を形成し、これら第2の開口は、これら第1の開口上にそれぞれ位置し且つこれら第1の開口及びこれら第1の開口を形成するときに露出させた該第2の導電層の該一部をそれぞれ露出させる工程と、
これら第1の開口内に第1の金属素子をそれぞれ形成する工程であって、該第1の金属素子はこれら第1の開口にそれぞれ充填されて該第2の導電層と隙間なく接触する工程と、
該パターン化フォトレジスト層を除去する工程と、
エッチングプロセスを行い、一部の該第2の可撓性誘電体層及び該第2の可撓性誘電体層の上のすべての可撓性誘電体層を除去し、これら第1の金属素子の一部を露出させる工程とを含
該エッチングプロセスを行う前に、
該第2の可撓性誘電体層上に第3の可撓性誘電体層を形成し、これら第1の金属素子を覆う工程と、
該第1の金属素子上に別の第1の金属素子を形成することで、順次積層された複数の第1の金属素子を含む複数の金属積層体を形成する工程とをさらに含み、
該エッチングプロセスを行う際に、該第3の可撓性誘電体層及び一部の該第2の可撓性誘電体層を除去し、これら金属積層体について下から上へと積層されたこれら第1の金属素子の一部を露出させ、
めっきプロセスを行い、これら第1の金属素子の側面及び頂面に金属層を形成することで、これら金属積層体とともに金属プローブを形成する工程をさらに含む金属プローブ構造の製造方法。
【請求項11】
該エッチングプロセスを行う前に、これら金属積層体に対してアニールプロセスを行う工程をさらに含む、請求項10に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項12】
該第1の可撓性誘電体層及び該第2の可撓性誘電体層がポリイミドを含む、請求項10に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項13】
これら第1の金属素子が蒸着により形成される、請求項10に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項14】
これら第1の金属素子が銅又はアルミニウムを含む、請求項10に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項15】
該金属層がニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項10に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項16】
(a)第1の導電層及び第1の可撓性誘電体層が順次形成されている多層基板を提供する工程と、
(a1)該第1の可撓性誘電体層上に位置して該第1の導電層に隙間なく接続される第2の導電層を形成する工程と、
(b)該第1の可撓性誘電体層上に第2の可撓性誘電体層を形成し、該第2の導電層を覆う工程と、
(c)該第2の可撓性誘電体層上に、該第2の導電層の一部をそれぞれ露出させる複数の第1の開口を形成する工程と、
(d)これら第1の開口内に、これら第1の開口内に充填されて該第2の導電層と隙間なく接触する第1の金属素子を形成する工程と、
(e)該第2の可撓性誘電体層上にパターン化フォトレジスト層を形成する工程であって、該パターン化フォトレジスト層は、これら第1の開口内に位置する該第1の金属素子をそれぞれ露出させる複数の第2の開口を有する工程と、
(f)これら第2の開口内に第2の金属素子をそれぞれ形成する工程と、
(g)該パターン化フォトレジスト層を除去する工程と、
(h)該第2の可撓性誘電体層上にパターン化第3の可撓性誘電体層を形成してこれら第2の金属素子を覆う工程であって、該パターン化第3の可撓性誘電体層は、これら第2の金属素子をそれぞれ露出させる複数の第3の開口を有する工程と、
(i)これら第3の開口内に、これら第3の開口に充填されて該第2の金属素子と隙間なく接触する別の第1の金属素子を形成する工程と、
(j)工程(e)から工程(i)までの工程を少なくとも1回繰り返し、該第1の金属素子上に別の第2の金属素子及び別の第1の金属素子を順次形成する工程と、
(k)工程(e)から工程(g)までの工程を繰り返し、該第1の金属素子上に少なくとも別の第2の金属素子を形成することで、順次交互に積層された複数層の第1の金属素子及び第2の金属素子を含む複数の金属積層体を形成する工程と、
(l)エッチングプロセスを行い、該第3の可撓性誘電体層を除去し、これら金属積層体の一部を露出させる工程とを含
めっきプロセスを行い、これら交互に積層された第1の金属素子及び第2の金属素子の側面及び頂面に金属層を形成することで、これら交互に積層された該第1の金属素子及び該第2の金属素子とともに金属プローブを形成する工程をさらに含む金属プローブ構造の製造方法。
【請求項17】
該エッチングプロセスを行う前に、これら金属プローブにアニール処理を施す工程をさらに含む、請求項16に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項18】
該第1の可撓性誘電体層、該第2の可撓性誘電体層及び該第3の可撓性誘電体層がポリイミドを含む、請求項16に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項19】
これら第1の金属素子は蒸着により形成され、これら第2の金属素子は化学的無電解めっきにより形成される、請求項16に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項20】
これら第1の金属素子は銅又はアルミニウムを含み、これら第2の金属素子はニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項16に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【請求項21】
該金属層がニッケル、パラジウム、金及びこれらの合金を含む、請求項16に記載の金属プローブ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路試験装置に関し、特に、集積回路試験用プローブカードの金属プローブ構造及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路(Integrated Circuit)技術の発展に伴って集積度が急速に向上し、パッケージング技術も前例のない革新的な技術レベルに達した。しかし、パッケージング後の集積回路の電気的試験は主にプローブカードによって行われる。
【0003】
従来技術においては、プローブカードのテストプローブの測定寿命が環境温度、機械の動作及び耐電流性の影響を受けており、単一構造のテストプローブでは上記影響による測定誤差を克服することができない。
【0004】
また、従来のテストプローブはウェハテストの際、プローブ自体に順応性(compliance)や許容変位量の要件があるので、弾性を備えなければならない、つまり、自身変形能力を備えることで、測定点自体の高低差に適応しなければならない。この要件があるので、プローブ径は細くしなければならない。そうすると、プローブの耐電流性能が制限され、この耐大電流性能が第5世代高周波ウェハなどの高周波製品に使用される場合は、肝心な要素となる。プローブの数が多くなると、テストプローブが作動する際短絡現象が生じて測定に影響を及ぼすだけでなく、回路の機能も破壊されたりして、プローブカードの機能や試験結果にマイナス影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
さらに、自身変形能力を備えるプローブは、現代半導体プロセスによって製造される生ウェハの接触点が漸増し、接触点間のピッチが漸減する傾向において、ピッチ縮小が不可能で、コストが上昇するという問題がある。
【0006】
したがって、上述した欠陥を克服するために、プローブのピッチを短縮し、信頼性、耐電流特性、放熱性及び/又は機械的強度を向上させることができるプローブ構造が必要になる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以上に鑑みてなされたものであり、プローブカードに用いられる良好な信頼性、耐電流特性、放熱性及び/又は機械的強度を有するプローブ構造を提供するために、金属プローブ構造及びその製造方法を提供した。この金属プローブ構造に含まれる多層フレキシブル基板と合わせることで、順応性の効果(compliance)が発生し、剛性が強く耐電流性が高い金属プローブを測定点自体の高低差に適応させることができる。
【0008】
一実施例によれば、本発明の金属プローブ構造は、多層基板、第1の可撓性誘電体層、第2の可撓性誘電体層、及び複数の第1の金属素子を含む。該第1の可撓性誘電体層は、該多層基板上に位置し、導電層が形成されている。該第2の可撓性誘電体層は、該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該導電層を覆う。これら第1の金属素子は、該導電層上にそれぞれ設けられ且つ該第2の可撓性誘電体層に部分的に位置して金属プローブとして機能する。
【0009】
別の一実施例によれば、本発明の金属プローブ構造は、多層基板、第1の可撓性誘電体層、第2の可撓性誘電体層、及び複数の金属積層体を含む。該第1の可撓性誘電体層は、該多層基板上に位置し、導電層が形成されている。該第2の可撓性誘電体層は、該第1の可撓性誘電体層上に位置し、該導電層を覆う。これら金属積層体は、該導電層上にそれぞれ設けられ且つ該第2の可撓性誘電体層に部分的に位置し、これら金属積層体は、下から上へと交互に積層される複数の第1の金属素子と複数の第2の金属素子とをそれぞれ含む。
【0010】
一実施例によれば、本発明の金属プローブ構造の製造方法は、第1の可撓性誘電体層及び導電層が順次形成されている多層基板を提供する工程と、該第1の可撓性誘電体層上に該導電層を覆う第2の可撓性誘電体層を形成する工程と、該第2の可撓性誘電体層内に、該導電層の一部をそれぞれ露出させる複数の第1の開口を形成する工程と、該第2の可撓性誘電体層上にパターン化フォトレジスト層を形成する工程であって、該パターン化フォトレジスト層は、これら第1の開口上にそれぞれ位置し且つこれら第1の開口の全部又は一部及びこれら第1の開口を形成するときに露出させた該導電層の該一部をそれぞれ露出させる複数の第2の開口を有する工程と、これら第1の開口内に第1の金属素子をそれぞれ形成する工程であって、これら第1の金属素子がこれら第1の開口にそれぞれ充填されて該導電層と隙間なく接触する工程と、該パターン化フォトレジスト層を除去する工程と、エッチングプロセスを行い、一部の該第2の可撓性誘電体層及び該第2の可撓性誘電体層の上のすべての可撓性誘電体層を除去し、これら第1の金属素子の一部を露出させて金属プローブを形成する工程とを含む。
【0011】
別の一実施例によれば、本発明の金属プローブ構造の製造方法は、
(a)第1の可撓性誘電体層及び導電層が順次形成されている多層基板を提供する工程と、
(b)該第1の可撓性誘電体層上に該導電層を覆う第2の可撓性誘電体層を形成する工程と、
(c)該第2の可撓性誘電体層上に、該導電層の一部をそれぞれ露出させる複数の第1の開口を形成する工程と、
(d)これら第1の開口内に、これら第1の開口内に充填されて該導電層と隙間なく接触する第1の金属素子を形成する工程と、
(e)該第2の可撓性誘電体層上にパターン化フォトレジスト層を形成する工程であって、該パターン化フォトレジスト層は、これら第1の開口内に位置する該第1の金属素子をそれぞれ露出させる複数の第2の開口を有する工程と、
(f)これら第2の開口内に第2の金属素子をそれぞれ形成する工程と、
(g)該パターン化フォトレジスト層を除去する工程と、
(h)該第2の可撓性誘電体層上にパターン化第3の可撓性誘電体層を形成してこれら第2の金属素子を覆う工程であって、該パターン化第3の可撓性誘電体層は、これら第2の金属素子をそれぞれ露出させる複数の第3の開口を有する工程と、
(i)これら第3の開口内に、これら第3の開口に充填されて該第2の金属素子と隙間なく接触する別の第1の金属素子を形成する工程と、
(j)工程(e)から工程(i)までの工程を少なくとも1回繰り返し、該第1の金属素子上に別の第2の金属素子及び別の第1の金属素子を順次形成する工程と、
(k)工程(e)から工程(g)までの工程を繰り返し、該第1の金属素子上に少なくとも別の第2の金属素子を形成することで、順次交互に積層された複数層の第1の金属素子及び第2の金属素子を含む複数の金属積層体を形成する工程と、
(l)エッチングプロセスを行い、該第3の可撓性誘電体層を除去し、これら金属積層体の一部を露出させる工程とを含む。
【0012】
本発明の実施例の金属プローブ構造の製造方法及びそれにより形成される金属プローブ構造は、複数の金属素子が積層された複数の金属積層体と、これら金属積層体を隙間なく接続する金属層とからなる複合金属プローブ構造である。このため、金属プローブ構造は、テストウェハの種類に応じて、金属積層体及び金属層の材料、層数、ピッチ及びアスペクト比などを含むがこれらに限定されない特性を設計及び調整することができ、それにより従来のプローブカードに使用される単一構造の金属プローブよりも優れた信頼性、導電性、放熱性及び/又は機械的強度などの特性を有する金属プローブを提供することができる。この金属プローブ構造に含まれる多層フレキシブル基板と合わせることで、順応性の効果(compliance)が発生し、剛性が強く耐電流性が高い金属プローブを測定点自体の高低差に適応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図2】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図3】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図4】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図5】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図6】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図7】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図8】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図9】本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図10】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図11】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図12】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図13】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図14】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図15】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図16】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図17】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図18】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図19】本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
図20】本発明のいくつかの異なる実施例に係る金属プローブ構造を示す上面概略図である。
図21】本発明のいくつかの異なる実施例に係る金属プローブ構造を示す上面概略図である。
図22】本発明のいくつかの異なる実施例に係る金属プローブ構造を示す上面概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下は、本発明を特定の具体的な実施例を通じて説明する実施形態であるが、当業者であれば、本明細書に開示された内容より本発明の利点及び効果を理解することができる。本発明はその他異なる具体的な実施例を通じて実施又は適用することができ、本明細書における各細部も異なる観点及び用途に応じて、本発明の精神から逸脱することなく様々な修正や変更を行うことができる。なお、本発明の図面は本発明を簡単に説明するためのものであって、実際の寸法通りに描かれたものではないことを理解されたい。以下の実施形態は本発明の関連技術内容を詳細に説明するが、開示された内容は本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。
【0015】
図1図9は、本発明の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
【0016】
図1に示すように、まずは、第1の可撓性誘電体層100及び導電層110が順次形成されている多層基板10を提供し、多層基板10と可撓性誘電体層100との間に、導電層110に隙間なく接続される導電層30が形成されている。それから、第1の可撓性誘電体層100上に第2の可撓性誘電体層120を形成し、導電層110を覆う。
【0017】
一実施例では、多層基板10は例えばフレキシブル多層基板であって、多層相互接続構造を有するプローブカード基板として順次交互に積層された複数の可撓性誘電体層及び導電層(いずれも図示せず)を含み、使用される可撓性誘電体層では低誘電係数のポリイミド(polyimide、PI)を用い、使用される導電層は後続の電気的接続用として金属線を用いる。
【0018】
図2に示すように、次いで、第2の可撓性誘電体層120内に、導電層110の一部をそれぞれ露出させる複数の第1の開口120aを形成する。それから、第2の可撓性誘電体層120上にパターン化フォトレジスト層99を形成し、パターン化フォトレジスト層99は、これら第1の開口120a上にそれぞれ位置し且つこれら第1の開口120aの各々及びこれら第1の開口120aにより露出された導電層110の一部をそれぞれ露出させる複数の第2の開口99aを有する。ここで、第1の開口120a及び第2の開口99aの数が2つであることが挙げられているが、これに限定されない。
【0019】
図3に示すように、次いで、これら第1の開口120a内に第1の金属素子140aをそれぞれ形成する。ここで、第1の金属素子140aはこれら第1の開口120aにそれぞれ充填されて導電層110と隙間なく接触する。それからパターン化フォトレジスト層99(図2を参照)を除去した後、第2の可撓性誘電体層120上に第3の可撓性誘電体層145を形成し、これら第1の金属素子140aを覆う。
【0020】
図4に示すように、第3の可撓性誘電体層145内に複数の第1の金属素子180を形成する。これら第1の金属素子180は、図2図3の工程を1回繰り返すことにより得られ、形成された第1の金属素子180は、前の第1の金属素子140a上にそれぞれ位置する。それから、第3の可撓性誘電体層145及びこれら第1の金属素子180の上に第3の可撓性誘電体層150を形成する。
【0021】
図5図6に示すように、次いで、図2図3の工程を1回繰り返し、第3の可撓性誘電体層150内に、これら第1の金属素子180の各々をそれぞれ露出させる複数の第3の開口150aを形成し、それから、これら第3の開口150a内に第1の金属素子200をそれぞれ形成して、順次積層された複数層の第1の金属素子140a、180及び200を含む複数の金属積層体A(図8を参照)を形成する。
【0022】
この実施例では、第1の可撓性誘電体層100、第2の可撓性誘電体層120、及び第3の可撓性誘電体層145、150はポリイミドを含み、第1の金属素子140a、180及び200は銅又はアルミニウムを含み、蒸着方法などにより形成することができる。これら第1の金属素子140a、180及び200はそれぞれ5~200μmの最大幅及び5~100μmの最大高さを有し、これら金属積層体Aはそれぞれ0.5:1~5:1のアスペクト比を有する。
【0023】
図7に示すように、次いで、順次積層された複数層の第1の金属素子140a、180及び200を含むこれら金属積層体A(図8を参照)に対して、100~350℃の温度でアニールプロセス300を行う。
【0024】
図8に示すように、次いで、エッチングプロセス400を行い、第3の可撓性誘電体層150、145及び一部の第2の可撓性誘電体層120を除去し、これら第1の金属素子140a、180及び200をそれぞれ含む複数の金属積層体Aの一部を露出させ、これら第1の金属素子140a、180及び200は金属プローブとして使用することができる。本実施例では、エッチングプロセス400は、例えば、フッ化物、酸素などを含むエッチングガスを使用するドライエッチングであり、これら金属積層体A間に5~100μmのピッチを有する。
【0025】
図9に示すように、次いで、必要に応じてめっきプロセス500を行って、これら金属積層体Aの側面及び頂面に金属層250を形成してこれら金属積層体Aを隙間なく接続し、これら金属積層体Aとともに金属プローブCを形成する。本実施例では、めっきプロセス500は例えば無電解めっきプロセスであり、金属層250は、ニッケル、パラジウム、金及びその合金を含む。また、形成された金属プローブCが1:1~5:1のアスペクト比を有するように、各層の厚さを適宜調整してもよい。
【0026】
図10図19は、本発明の別の一実施例に係る金属プローブ構造の製造方法を示す断面概略図である。
【0027】
図10に示すように、まずは、第1の可撓性誘電体層100及び導電層110が順次形成されている多層基板10を提供し、多層基板10と可撓性誘電体層100との間に、導電層110に隙間なく接続される導電層30が形成されている。それから、第1の可撓性誘電体層100上に第2の可撓性誘電体層120を形成し、導電層110を覆う。
【0028】
一実施例では、多層基板10は例えばフレキシブル多層基板であって、多層相互接続構造を有するプローブカード基板として順次交互に積層された複数の可撓性誘電体層及び導電層(いずれも図示せず)を含み、使用される可撓性誘電体層では低誘電係数のポリイミド(polyimide、PI)を用い、使用される導電層は後続の電気的接続用として金属線を用いる。
【0029】
図11に示すように、次いで、第2の可撓性誘電体層120内に、導電層110の一部をそれぞれ露出させる複数の第1の開口120aを形成する。ここで、第1の開口120aの数が2つであることが挙げられているが、これに限定されない。
【0030】
図12に示すように、これら第1の開口120a内に第1の金属素子130をそれぞれ形成する。第1の金属素子130はこれら第1の開口120a内に充填されて導電層110と隙間なく接触する。それから、第2の可撓性誘電体層120上にパターン化フォトレジスト層99を形成し、パターン化フォトレジスト層99は、これら第1の開口120内に位置する第1の金属素子130をそれぞれ露出させる複数の第2の開口99aを有する。ここで、第2の開口99aの数が2つであることが挙げられているが、これに限定されない。
【0031】
図13に示すように、これら第2の開口99a内に第2の金属素子140bをそれぞれ形成する。ここで、第2の金属素子140bはこれら第2の開口99aにそれぞれ充填されてこれら第1の金属素子130の各々と隙間なく接触する。それからパターン化フォトレジスト層99を除去した後、各第1の金属素子130上に位置する第2の金属素子140bを残す。
【0032】
図14に示すように、次いで、第2の可撓性誘電体層120上にパターン化第3の可撓性誘電体層150を形成してこれら第2の金属素子140bを覆い、パターン化第3の可撓性誘電体層150は、これら第2の金属素子140bの各々をそれぞれ露出させる複数の第3の開口150bを有する。ここで、第3の開口150bの数が2つであることが挙げられているが、これに限定されない。
【0033】
図15に示すように、次いで、これら第3の開口150b内に、各第3の開口150bにそれぞれ充填されて第2の金属素子140bと隙間なく接触する別の第1の金属素子160を形成する。
【0034】
図16に示すように、次いで、図12図15に示す製造方法を繰り返してもよく、第3の可撓性誘電体層150上に別の第3の可撓性誘電体層170、第3の可撓性誘電体層170内に位置する複数の第2の金属素子180a及び第1の金属素子190をさらに形成する。これら第2の金属素子180a及び第1の金属素子190の配置位置及び積層関係は、第3の可撓性誘電体層150内に位置する第2の金属素子140b及び第1の金属素子160の関係と同じであり、且つ、これら第2の金属素子180aはそれぞれその下方の第1の金属素子160の各々と隙間なく接触している。それから、図12図13に示す製造方法を繰り返し、第1の金属素子190上にそれぞれ位置する第2の金属素子210を形成し、それにより、順次積層された複数層の第1の金属素子130、160、及び190と複数層の第2の金属素子140b、180a及び210とを含む複数の金属積層体A’が形成される(図18を参照)。
【0035】
この実施例では、第1の可撓性誘電体層100、第2の可撓性誘電体層120及び第3の可撓性誘電体層150、170はポリイミドを含み、第1の金属素子130、160及び190は銅又はアルミニウムを含み、蒸着方法などにより形成することができる。これら第1の金属素子130、160及び190はそれぞれ5~200μmの最大幅及び5~100μmの最大高さを有する。さらに、第2の金属素子140b、180a及び210は、ニッケル、パラジウム、金及びその合金を含み、化学的無電解めっきなどによって形成することができる。これら第2の金属素子140b、180a及び210はそれぞれ5~200μmの最大幅及び5~100μmの最大高さを有する。
【0036】
図17に示すように、次いで、順次積層された複数層の第1の金属素子130、160及び190と複数層の第2の金属素子140b、180a及び210とを含む複数の金属積層体A’(図18を参照)に対して、100~350の温度でアニールプロセス300を行う。
【0037】
図18に示すように、次いで、エッチングプロセス400を行い、第3の可撓性誘電体層170、150及び一部の第2の可撓性誘電体層120を除去し、これら第1の金属素子130、160及び190とこれら第2の金属素子140b、180a及び210とをそれぞれ含む複数の金属積層体A’の一部を露出させる。本実施例では、エッチングプロセス400は、例えば、フッ化物、酸素などを含むエッチングガスを使用するドライエッチングであり、これら金属積層体A’間に5~100μmのピッチを有し、且つこれら金属積層体はそれぞれ0.5:1~5:1のアスペクト比を有する。
【0038】
図19に示すように、次いで、めっきプロセス500を行って、これら金属積層体A’の側面及び頂面に金属層250を形成してこれら金属積層体A’を隙間なく接続して、これら金属積層体A’とともに金属プローブCを形成する。本実施例では、めっきプロセス500は例えば無電解めっきプロセスであり、金属層250は、ニッケル、パラジウム、金及びその合金を含む。また、形成された金属プローブCが1:1~5:1のアスペクト比を有するように、各層の厚さを適宜調整することができる。
【0039】
図20図22は、本発明のいくつかの実施例に係る金属プローブ構造を示す上面概略図である。
【0040】
図20は、図9及び図19に示したような金属プローブ構造の上面概略図を示している。ここで、金属プローブ構造における金属プローブCは、2つの金属積層体A/A’の側面及び頂面上に位置する金属層250と、この2つの金属積層体A/A’とからなり、図9及び図19に示す断面概略図は主に図20のF-F線に沿った断面状態を示している。
【0041】
また、図21は、図9及び図19に示したような金属プローブ構造の別の上面概略図を示している。ここで、金属プローブ構造における金属プローブCは、4つの金属積層体A/A’の側面及び頂面上に位置する金属層250と、この4つの金属積層体A/A’とからなり、図9及び図19に示す断面概略図は、図21のF-F線に沿った2つの金属積層体A/A’の断面状態を部分的に示している。
【0042】
さらに、図22は、図9及び図19に示したような金属プローブ構造のもう一つの上面概略図を示している。その他実施例では、図9及び図19に示したような金属プローブ構造の金属プローブCは、1つの金属積層体A/A’の側面及び頂面上に位置する金属層250と、この金属積層体A/A’とからなってもよく、図9及び図19に示す断面概略図は、図20のF-F線に沿った1つの金属積層体A/A’の断面状態を部分的に示している。
【0043】
以上をまとめると、本発明の金属プローブ構造の製造方法及びそれにより形成される金属プローブ構造は、複数の金属素子が積層された複数の金属積層体と、これら金属積層体を隙間なく接続する金属層とからなる複合金属プローブ構造である。このため、金属プローブ構造は、テストウェハの種類に応じて、金属積層体と金属層の材料、層数、ピッチ及びアスペクト比などの特性を設計及び調整することができ、それにより従来のプローブカードに使用される単一構造の金属プローブよりも優れた信頼性、導電性、放熱性及び/又は機械的強度などの特性を有する金属プローブを提供することができる。
【0044】
以上は本発明を好適な実施例により説明したが、本発明を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正を行うことができ、したがって、本発明の保護範囲は添付された特許請求の範囲に定められたものに準ずるべきである。
【符号の説明】
【0045】
10:多層基板
30:導電層
99:パターン化フォトレジスト層
99a:第2の開口
100:第1の可撓性誘電体層
110:導電層
120:第2の可撓性誘電体層
120a:第1の開口
140a:第1の金属素子
140b:第2の金属素子
145:第3の可撓性誘電体層
150:第3の可撓性誘電体層
150a:第3の開口
150b:第3の開口
160:第1の金属素子
170:第3の可撓性誘電体層
180:第1の金属素子
180a:第2の金属素子
190:第1の金属素子
200:第1の金属素子
210:第2の金属素子
250:金属層
300:アニールプロセス
400:エッチングプロセス
500:めっきプロセス
C:金属プローブ
A、A’:金属積層体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
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図20
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図22