(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法及びゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/75 20140101AFI20220112BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20220112BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220112BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220112BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220112BHJP
【FI】
A63F13/75
A63F13/5375
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/80 B
(21)【出願番号】P 2020155541
(22)【出願日】2020-09-16
(62)【分割の表示】P 2019173785の分割
【原出願日】2016-08-25
【審査請求日】2020-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年6月10日 http://tdig.gree-apps.net/?mode=card&act=packgacha_top&gacha_id=235を通じて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】天津 朋道
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏之
(72)【発明者】
【氏名】木滑 直也
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-163150(JP,A)
【文献】特開2014-198183(JP,A)
【文献】特開2015-66263(JP,A)
【文献】特開2010-148781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部にゲームを進行させるゲーム処理プログラムであって、
前記制御部に、
前記ゲーム媒体が設定される設定領域に追加される前記ゲーム媒体の識別情報を含む編成情報に、前記設定領域のパラメータに関する設定制限の特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体の識別情報が含まれる場合に、前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを第1の値として、前記編成情報が反映された場合の前記設定領域のゲーム媒体の前記パラメータの合計値が最大値以下であるか否かを判定する合計値判定ステップと、
前記合計値が前記最大値以下であると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映し、前記合計値が前記最大値を超えると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映しない設定ステップと、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ
た場合に、前記特殊効果が終了した前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを前記第1の値よりも大きい第2の値として、前記特殊効果を終了した前記特殊ゲーム媒体を含め、全ての前記ゲーム媒体の前記合計値が前記最大値以下であるか否かを判定する制限判定ステップと、を実行させるゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記制御部に、
前記制限判定ステップで前記設定制限を満たさない前記ゲーム媒体が前記設定領域に含まれると判定した場合に、前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記ゲーム媒体のうち、前記特殊効果を終了する条件が満たされたときの前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体を提示する、請求項1に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記制御部に、
前記特殊効果を終了する条件が満たされたとき、前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体が前記記憶部に記憶されていない場合には、前記設定制限を満たすゲーム媒体の取得を提案するステップをさらに実行させる、請求項1又は2に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記制御部に、
前記特殊効果を終了する条件が満たされたとき、前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体が前記記憶部に記憶されていない場合には、前記設定制限を満たすゲーム媒体を所有する他のユーザとのコミュニケーションを提案するステップをさらに実行させる、請求項1~3のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記制御部に、
提示された複数の前記ゲーム媒体のうち、少なくとも一つのゲーム媒体の選択を受け付ける受付ステップと、
選択された前記ゲーム媒体を、前記設定制限を満たさないゲーム媒体に替えて、前記設定領域に設定するステップと、をさらに実行させる、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記記憶部に記憶されたゲーム媒体は、保管領域に設定されたゲーム媒体と、前記設定領域に設定されたゲーム媒体とを含み、
前記制御部に、
前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して所定の関係を満たすゲーム媒体が前記保管領域に設定されている場合に、所定数以下という設定制限の下で前記保管領域に設定されている数に応じて、当該所定の関係を満たすゲーム媒体が前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して効果を増大させるとともに、前記特殊ゲーム媒体に、前記所定数以下という設定制限を一時的に適用しない特殊効果を発揮させてゲームを行う
ステップをさらに実行させる、請求項1~5のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項7】
前記ゲームを一時中断して前記ゲーム媒体を前記設定領域に設定できる特殊効果を前記特殊ゲーム媒体に発揮させる、請求項1~6のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項8】
前記制御部に、対戦相手からのアクションによる作用を一時的に適用しない又は緩和する特殊効果を前記特殊ゲーム媒体に発揮させてゲームを行う
ステップをさらに実行させる、請求項1~7のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項9】
前記設定領域に関する前記設定制限は、前記ゲーム媒体の性質毎に設定された上限数であって、
前記制御部に、前記設定領域に対し、前記特殊ゲーム媒体に対して前記上限数を適用せず、
前記設定制限が適用される通常ゲーム媒体については前記上限数を適用する
ステップをさらに実行させる、請求項1~8のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項10】
前記制御部に、
グループに属する複数のユーザのうち、所定数の前記ユーザに前記特殊ゲーム媒体を付与する付与ステップ
と、
前記ユーザに付与された前記特殊ゲーム媒体に対して前記設定制限を適用せず
、前記設定制限が適用される通常ゲーム媒体に対して前記設定制限を適用し、前記グループに属するユーザの前記設定領域を用いて、異なるグループ同士の対戦を実行する
ステップと、をさらに実行させる
請求項1~
9のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項11】
ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部がゲームを進行するゲーム処理方法であって、
前記制御部が、
前記ゲーム媒体が設定される設定領域に追加される前記ゲーム媒体の識別情報を含む編成情報に、前記設定領域のパラメータに関する設定制限の特殊効果を一時的に有する特殊
ゲーム媒体の識別情報が含まれる場合に、前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを第1の値として、前記編成情報が反映された場合の前記設定領域のゲーム媒体の前記パラメータの合計値が最大値以下であるか否かを判定する合計値判定ステップと、
前記合計値が前記最大値以下であると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映し、前記合計値が前記最大値を超えると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映しない設定ステップと、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ
た場合に、前記特殊効果が終了した前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを前記第1の値よりも大きい第2の値として、前記特殊効果を終了した前記特殊ゲーム媒体を含め、全ての前記ゲーム媒体の前記合計値が前記最大値以下であるか否かを判定する制限判定ステップと、を実行するゲーム処理方法。
【請求項12】
ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を含むゲーム処理システムであって、
前記ゲーム媒体が設定される設定領域に追加される前記ゲーム媒体の識別情報を含む編成情報に、前記設定領域のパラメータに関する設定制限の特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体の識別情報が含まれる場合に、前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを第1の値として、前記編成情報が反映された場合の前記設定領域のゲーム媒体の合計値が最大値以下であるか否かを判定する合計値判定部と、
前記合計値が前記最大値以下であると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映し、前記合計値が前記最大値を超えると判定した場合に前記編成情報を前記設定領域に反映しない設定部と、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ
た場合に、前記特殊効果が終了した前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを前記第1の値よりも大きい第2の値として、前記特殊効果を終了した前記特殊ゲーム媒体を含め、全ての前記ゲーム媒体の前記合計値が前記最大値以下であるか否かを判定する制限判定部と、を含むゲーム処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム媒体を用いたゲームを提供するゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法及びゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いるゲームの一つとして、ユーザが保有するカードを組み合わせてデッキ(設定領域)を構成し、デッキを用いてゲームを展開するものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、デッキ(設定領域)は、ユーザが保有するカードをゲームのルールに従って設定する領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、デッキは、カードの組み合わせによりカードの能力が増強されて強力になるため、ユーザは組み合わせを工夫してゲームを進めていく。また、ゲームの難易度についてのゲームバランスを最適化するために、デッキにはゲーム毎に多様な制限が適用されている。しかし、デッキに制限が適用されることにより、デッキにおけるカードの組み合わせのバリエーションは自ずと限られる。このため、デッキを用いての戦略も限定され、ゲームの興趣の向上に限界がある。
【0005】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持しつつゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やしてゲームの興趣を高めることのできるゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法及びゲーム処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するゲーム処理プログラムは、ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部にゲームを進行させるゲーム処理プログラムであって、前記制御部に、設定制限が適用される通常ゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うゲーム実行ステップと、前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、前記設定制限を満たす他のゲーム媒体を提示する提示ステップと、を実行させる。
【0007】
上記構成によれば、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持しつつゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やしてゲームの興趣を高めることができる。
【0008】
上記課題を解決するゲーム処理方法は、ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部がゲームを進行するゲーム処理方法であって、前記制御部が、設定制限が適用される通常ゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うゲーム実行ステップと、前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、前記設定制限を満たす他のゲーム媒体を提示する提示ステップと、を実行する。
【0009】
上記構成によれば、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持しつつゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やしてゲームの興趣を高めることができる。
【0010】
上記課題を解決するゲーム処理システムは、ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を含むゲーム処理システムであって、
設定制限が適用される通常ゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うゲーム実行部と、前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、前記設定制限を満たす他のゲーム媒体を提示する提示部と、を含む。
【0011】
上記構成によれば、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持しつつゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やしてゲームの興趣を高めることができる。
【0012】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記提示ステップでは、前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記ゲーム媒体のうち、前記特殊効果を終了する条件が満たされたときの前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体を提示することが好ましい。
【0013】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記制御部に、前記特殊効果を終了する条件が満たされたとき、前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体が前記記憶部に記憶されていない場合には、前記設定制限を満たすゲーム媒体の取得を提案するステップをさらに実行させることが好ましい。
【0014】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記制御部に、前記特殊効果を終了する条件が満たされたとき、前記設定領域の前記設定制限を満たすゲーム媒体が前記記憶部に記憶されていない場合には、前記設定制限を満たすゲーム媒体を所有する他のユーザとのコミュニケーションを提案するステップをさらに実行させることが好ましい。
【0015】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記制御部に、前記提示された複数のゲーム媒体のうち、少なくとも一つのゲーム媒体の選択を受け付ける受付ステップと、選択された前記ゲーム媒体を、前記設定制限を満たさないゲーム媒体に替えて、前記設定領域に設定するステップと、をさらに実行させることが好ましい。
【0016】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記記憶部に記憶されたゲーム媒体は、保管領域に設定されたゲーム媒体と、前記設定領域に設定されたゲーム媒体とを含み、前記ゲーム実行ステップでは、前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して所定の関係を満たすゲーム媒体が前記保管領域に設定されている場合に、所定数以下という設定制限の下で前記保管領域に設定されている数に応じて、当該所定の関係を満たすゲーム媒体が前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して効果を増大させるとともに、前記特殊ゲーム媒体に、前記所定数以下という設定制限を一時的に適用しない特殊効果を発揮させてゲームを行うことが好ましい。
【0017】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記ゲーム実行ステップでは、前記ゲームを一時中断して前記ゲーム媒体を前記設定領域に設定できる特殊効果を前記特殊ゲーム媒体に発揮させることが好ましい。
【0018】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記ゲーム実行ステップでは、対戦相手からのアクションによる作用を一時的に適用しない又は緩和する特殊効果を前記特殊ゲーム媒体に発揮させてゲームを行うことが好ましい。
【0019】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記設定領域に関する前記設定制限は、前記ゲーム媒体の性質毎に設定された上限数であって、前記ゲーム実行ステップでは、前記設定領域に対し、前記特殊ゲーム媒体に対して前記上限数を適用せず、前記通常ゲーム媒体については前記上限数を適用することが好ましい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記設定領域に関する前記設定制限は、前記ゲーム媒体毎に設定された所定のパラメータの合計が最大値以下であることであって、
前記ゲーム実行ステップでは、前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを含めず、前記通常ゲーム媒体のみの前記パラメータを合計することが好ましい。
上記ゲームプログラムについて、前記制御部に、グループに属する複数のユーザのうち、所定数の前記ユーザに前記特殊ゲーム媒体を付与する付与ステップをさらに実行させ、前記ゲーム実行ステップでは、前記特殊ゲーム媒体が付与された前記ユーザの前記設定領域に前記特殊ゲーム媒体が設定された際、前記特殊ゲーム媒体に対して前記設定制限を適用せず前記通常ゲーム媒体に対して前記設定制限を適用し、前記グループに属するユーザの前記設定領域を用いて、異なるグループ同士の対戦を実行することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持しつつゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やしてゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態におけるゲーム処理システムの構成を示すブロック図。
【
図2】同実施形態のゲーム媒体が設定される領域を説明する概念図。
【
図3】同実施形態におけるデッキであって、(a)は特殊ゲーム媒体が設定される前のデッキ、(b)は特殊ゲーム媒体が設定されたデッキを示す概念図。
【
図4】同実施形態における特殊効果の終了後のデッキの構成を説明する概念図。
【
図5】同実施形態のデッキ編成手順を説明する処理手順を示すフローチャート。
【
図6】同実施形態の特殊効果終了後におけるデッキの構成の変更手順を説明する処理手順を示すフローチャート。
【
図7】第2実施形態における特殊媒体が設定されたデッキを説明する概念図。
【
図8】他の実施形態における特殊効果の終了後のデッキの構成を説明する概念図。
【
図9】他の実施形態における特殊効果の終了後のデッキの構成を説明する概念図。
【
図10】他の実施形態における特殊ゲーム媒体の特殊効果を説明する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
ゲーム処理プログラム、ゲーム処理システム及びゲーム処理方法について、その第1実施形態を説明する。本実施形態では、ゲームは、ゲーム媒体で構成した設定領域としてのデッキを用いて対戦を行うゲームである。また、本実施形態では、ゲームを、ユーザがシングルプレイヤとして単独で対戦を行なうものに例示して説明する。
【0023】
ゲーム媒体は、対戦に用いられるものであって、例えばカード、キャラクタ、アバター等である。ゲーム媒体は、ユーザに属するものであり、ユーザによって取得、所有、使用、管理等がなされる。また、ゲーム媒体には、複数の種類があり、ゲーム内で発揮する効果も複数の効果がある。なお、対戦相手は、コンピュータが設定するゲーム媒体や、他のユーザ等である。
【0024】
ゲームでは、ユーザが所有するゲーム媒体のうち、ユーザによって1乃至複数のゲーム媒体が組み合されてデッキが作成される。デッキは、ユーザによって編成されることが可能である。ユーザは、デッキに設定されたゲーム媒体を用いて、ゲーム内で出現する敵や、他のユーザと対戦することができる。対戦では、例えば、デッキに設定されたゲーム媒体の所定のパラメータの合計を、対戦相手の戦闘力の合計と比較して勝敗を決める。また、ゲーム媒体の組み合わせによって、デッキ全体の能力が増強される。また、デッキ60に設定されたゲーム媒体のうち1乃至複数のゲーム媒体を選択してゲーム媒体に設定されたパラメータを用いて対戦を行なったり、デッキ60に適宜ゲーム媒体を追加してパラメータの合計を変更したりして、対戦相手とリアルタイムで対戦するようにしてもよい。
【0025】
図1を参照して、ゲーム処理システム10の構成について説明する。ゲーム処理システム10は、ゲーム管理装置11及びユーザ端末12を備えている。ゲーム管理装置11及びユーザ端末12は、ネットワーク13を介して接続されている。
【0026】
ユーザ端末12は、ゲーム処理部15、表示部16及び操作入力部17を備えている。ゲーム処理部15は、演算部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部を有し、ゲーム管理装置11からネットワーク13を介して各種情報を送受信する。また、ゲーム処理部15は、不揮発性記憶部に格納されたプログラムに従って、ゲーム管理装置11から受信した情報を用いてゲームを実行する。表示部16は、タッチパネルディプレイであって、ゲーム処理部15が出力した情報を画像として表示する。操作入力部17は、タッチパネルディスプレイにおける操作入力を受け付ける。ゲーム処理部15は、操作入力部17を介してユーザの入力操作を受け付けて、不揮発性記憶部に記録されたプログラムに従って各種処理を行なう。
【0027】
ゲーム管理装置11は、制御部20及び記憶部21を備えている。制御部20は、演算部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部を有し、不揮発性記憶部に格納されたゲーム処理プログラムに従って各種演算を行なう。また、制御部20は、ネットワーク13を介して、ユーザ端末12との間で各種情報を送受信する。制御部20は、ゲーム管理部22と、制限判定部23と、領域変更部としてのデッキ変更部24とを有する。ゲーム管理部22は、ゲーム媒体をデッキに設定し、ゲームの進行を管理する。制限判定部23は、デッキが、デッキに関する設定制限を満たすか否かを判定する。デッキ変更部24は、制限判定部23の判定結果に基づきデッキの構成を変更する。
【0028】
記憶部21には、ゲーム媒体情報25及びユーザ情報26が記録されている。ゲーム媒体情報25は、ゲーム媒体毎に記録されている。記憶部21には、ゲームでユーザに提供され得る全てのゲーム媒体のゲーム媒体情報25が記録されている。ゲーム内でユーザがゲーム媒体を取得すると、ゲーム管理部22は、そのゲーム媒体に応じたゲーム媒体情報25を取得してユーザ端末12に送信する。ゲーム媒体情報25は、ゲーム媒体の識別子、ゲーム媒体に固有のパラメータを含む。
【0029】
ゲーム媒体の識別子は、ゲーム媒体毎に設定された識別子である。ゲーム媒体に固有のパラメータは、ゲーム媒体の名称、「戦闘力」、「属性」、「レアリティ」、「コスト」、「特殊効果」等を含む。
【0030】
ここで、「戦闘力」はゲーム媒体の攻撃力の大きさや防御力の大きさ等である。ゲーム媒体情報25においては、戦闘力等は初期値に設定されている。戦闘力等が高いほど、ゲーム媒体は強力になる。
【0031】
ゲーム媒体が属する分類を示す「属性」には、3種類以上の属性があり、ゲーム媒体の属性の組み合わせは対戦時の優劣に影響を及ぼす。対戦相手に応じて属性の組み合わせを工夫することによりデッキが強力になる。
【0032】
「レアリティ」は、ゲーム媒体の希少度を示す。レアリティには、ノーマル、レア(R)、スーパーレア(SR)、ダブルスーパーレア(SSR)等の複数の階級があり、全てのゲーム媒体にいずれかのレアリティが付与されている。ノーマルからダブルスーパーレアのようにレアリティが高くになるにつれて、ゲーム媒体が強力になる。
【0033】
「コスト」は、ゲーム媒体に対して設定されている。例えば、ゲーム媒体が強力になるほど、コストは大きくなる。
「特殊効果」は、ゲーム媒体がゲーム内で発揮する効果を示す。特殊効果には、複数の種類の効果がある。ゲーム媒体には、特殊効果が付与されたゲーム媒体と、特殊効果が付与されていないゲーム媒体とがある。特殊効果としては、例えば、ゲーム媒体の必殺技、スキル等がある。また、特殊効果の一つとして、特殊効果が設定されたゲーム媒体自身に、デッキに関する制限が適用されない効果がある。この特殊効果が付与されたゲーム媒体(以下、特殊ゲーム媒体)は、デッキに関する制限を変更してデッキに設定することができる。デッキに関する制限の変更は、デッキに関する制限を無視すること、デッキに関する制限を緩和すること等が含まれる。なお、特殊ゲーム媒体及びゲーム媒体を区別しないで説明する場合には、単にゲーム媒体として説明する。
【0034】
ユーザ情報26は、ユーザ毎に記憶部21に記録されている。ユーザ情報26には、ユーザの識別情報であるユーザの識別子、ユーザに固有のパラメータを含む。ユーザに固有のパラメータは、ユーザが所有するゲーム媒体に関する所有ゲーム媒体情報を含む。所有ゲーム媒体情報は、ゲーム媒体情報25と関連付けられている。所有ゲーム媒体情報は、ユーザが所有するゲーム媒体の識別子と、そのゲーム媒体に関する最新のパラメータとを含む。このパラメータは、「戦闘力」、「属性」、「レアリティ」、「コスト」、「特殊効果」等のパラメータであって、ゲームの進行に応じて更新された最新値となっている。すなわちゲームの進行に伴いゲーム媒体が成長すると、所有ゲーム媒体情報に含まれるパラメータは、ゲーム媒体情報25に含まれる初期値のパラメータよりも高くなる。また、ユーザ情報26は、ユーザのデッキに設定されたゲーム媒体の識別子と、デッキ内でのゲーム媒体の位置とを有するユーザデッキ情報を含む。さらに、ユーザ情報26には、例えば「HP」、「経験値」、「アイテム」等、ゲーム媒体とは別にユーザ毎に付与されるゲーム内での能力を示す情報を含んでいてもよい。
【0035】
次に、
図2を参照して、ゲームの際にユーザ端末12の表示部16に出力される表示について説明する。ユーザ端末12の表示部16には、ユーザの操作に応じて、ゲーム媒体50が保管される保管領域51を含む画面が表示される。また、表示部16には、ユーザの操作に応じて、ゲーム媒体50が設定されるデッキ60を含む画面が表示される。
【0036】
ユーザがゲーム内でゲーム媒体50を取得すると、ゲーム管理装置11のゲーム管理部22は、取得されたゲーム媒体50に対応するゲーム媒体情報25を記憶部21から取得する。また、ゲーム管理部22は、取得したゲーム媒体情報25を、保管領域51と関連付けてユーザ情報26の所有ゲーム媒体情報に記録する。例えば、ゲーム媒体情報25は、ユーザデッキ情報に記録されずに所有ゲーム媒体情報に記録されることで保管領域51に設定されたことになる。
【0037】
デッキ60には、ゲーム媒体50を設定できる所定数の枠61が設けられている。
図2では、9つの枠61が設けられている。ゲーム管理部22は、ユーザ端末12でのユーザの操作に応じてゲーム媒体50を枠61に設定する。デッキ60の枠61のうち一つにゲーム媒体50が設定されると、ユーザ情報26のユーザデッキ情報に、そのゲーム媒体50の情報が、枠61の識別子とともに記録される。
【0038】
また、ユーザは、デッキ60に設定されたゲーム媒体50を、保管領域51に戻すことができる。すなわち、ユーザは、デッキ60に設定されたゲーム媒体50を、デッキ60から除いたり、保管領域51に設定されたゲーム媒体50と入れ替えたりすることができる。デッキ60においてゲーム媒体50の入れ替えを行なう際、ゲーム管理部22は、デッキ60から除くゲーム媒体50の情報をユーザデッキ情報から除外し、デッキ60に設定するゲーム媒体50の情報をユーザデッキ情報に記録する。なお、本実施形態ではゲーム媒体50の入れ替えは、対戦前等、所定のタイミングに限られる。
【0039】
デッキ60には、ゲーム媒体50に関する設定制限が設けられている。デッキ60に関する設定制限の一つとして、レアリティ毎の上限数がある。デッキ60に設定できるレアリティ毎のゲーム媒体50の数は、レアリティ毎に定められた上限数以下である必要がある。例えば、1つのデッキ60には、ダブルスーパーレア(SSR)のゲーム媒体は1つ、スーパーレア(SR)のゲーム媒体は2つ、レア(R)のゲーム媒体は4つ設定することができる。ノーマルのゲーム媒体には上限数はない。デッキ60に希少度の高いゲーム媒体50をできるだけ多く設定することにより、デッキ60の戦闘力等が高められてデッキ60を強力にすることができる。但し、上述したように、デッキ60にはレアリティ毎の上限数が定められているため、例えば、保管領域51に多くのダブルスーパーレアのゲーム媒体50が保管されていたとしても、それらのゲーム媒体50に設定制限が適用されると、上限数を超えてダブルスーパーレアのゲーム媒体50をデッキ60に設定することはできない。
【0040】
図3を参照して、デッキ60に関する設定制限を特殊ゲーム媒体52に適用しない特殊効果について説明する。なお、特殊ゲーム媒体52は、ノーマルよりも希少度の高いレアリティを有しており、ノーマルのゲーム媒体50よりもデッキ60に設定する価値が高くなっている。ゲーム管理装置11のゲーム管理部22は、例えば、ユーザが所定のイベントに参加した場合、ユーザが所定の対戦を開始した場合等、特殊ゲーム媒体52の付与条件をユーザが満たした場合に、特殊ゲーム媒体52をユーザに付与する。特殊効果の開始条件は、例えば、特殊ゲーム媒体52のデッキ60への設定等である。ゲーム管理部22は、イベント期間の終了、所定の対戦の終了、特殊ゲーム媒体がデッキ60に設定された時点からの所定時間の経過、戦闘力等の所定のパラメータの上限値への到達等、特殊効果の終了条件が満たされると、その特殊ゲーム媒体52の特殊効果が終了したと判断する。
【0041】
図3(a)に示すデッキ60には、ダブルスーパーレア(図中「SSR」)のゲーム媒体50が1つ、スーパーレアのゲーム媒体50が1つ、レアのゲーム媒体50が3つ、ノーマルのゲーム媒体50が4つ設定されている。スーパーレアの上限数は2つであるとする。ゲーム管理部22により上述した特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された場合、制限判定部23は、この特殊ゲーム媒体52に対し、上述したレアリティ毎の上限数を適用しない。また、制限判定部23は、その他のゲーム媒体50に対し、ゲーム媒体情報25又はユーザ情報26の所有ゲーム媒体情報に基づき、レアリティ毎の上限数を適用して、設定制限が満たされるか否かを判断する。
【0042】
例えば、
図3(b)に例示するように、スーパーレアのレアリティを有する3つの特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された場合、制限判定部23は、スーパーレアのゲーム媒体50の数に特殊ゲーム媒体52の数を含めない。例えば、スーパーレアのレアリティを有する特殊ゲーム媒体52を、スーパーレアのゲーム媒体50としてカウントせず、スーパーレアの数を「1」とカウントする。従って、その特殊ゲーム媒体52を含め、上限数を越える4つのスーパーレアのゲーム媒体50をデッキ60に設定することができる。一方、特殊ゲーム媒体52の戦闘力はデッキ60全体の戦闘力に含まれ、属性や、必殺技等の他の特殊効果等も有効であるため、特殊ゲーム媒体52が有する価値をデッキ60に反映することが可能である。
【0043】
制限判定部23は、特殊ゲーム媒体52が有する特殊効果の終了条件が満たされたとき、その特殊ゲーム媒体52にも、レアリティ毎の上限数を適用する。制限判定部23は、特殊ゲーム媒体52の数をレアリティ毎の数に含めてカウントする。
【0044】
ゲーム管理装置11のデッキ変更部24は、デッキ60が設定制限を満たす場合には、デッキ60の構成を変更しない。デッキ変更部24は、デッキ60が設定制限を満たさない場合には、レアリティ毎の上限数を満たすように、デッキ60の構成を変更する。
【0045】
図3及び
図4を参照して、特殊効果終了後のデッキ60の変更について説明する。
図3(b)に示すように、制限判定部23は、特殊効果が終了した際に、上限数を超える4つのスーパーレアのゲーム媒体50がデッキ60に設定されていると判断した場合、スーパーレアの上限数を満たさないと判定する。
【0046】
図4に示すように、デッキ変更部24は、制限判定部23の判定結果に基づき、スーパーレアの上限数である「2つ」を超える数、すなわち2つのスーパーレアのゲーム媒体50を選択する。消去するゲーム媒体50は、所定の選択方法により選択される。そして、そのゲーム媒体50の情報をユーザデッキ情報から除外することで、ゲーム媒体50をデッキ60から消去する。デッキ変更部24は、デッキ60から消去したゲーム媒体50を、保管領域51に関連付けて記憶し、保管領域51に戻す。又は、デッキ変更部24は、デッキ60から消去するゲーム媒体50を、保管領域51に関連付けず、ユーザが保有するゲーム媒体50から除外してもよい。
【0047】
消去するゲーム媒体50の選択方法の一つとして、レアリティ毎の上限数を満たさないゲーム媒体50を所定の順番で選択する方法がある。例えばデッキ60の枠61には、例えば枠61A~61Iの順に枠番号「1」~「9」が付与されている。「消去」においては、デッキ変更部24は、特殊ゲーム媒体52のうち、枠番号が大きい特殊ゲーム媒体52から順に、上限数を満たさない数の特殊ゲーム媒体52を選択し、消去する。特殊ゲーム媒体52が消去されると、ユーザは、ユーザ端末12の表示部16に、保管領域51の画面を表示させて、保管領域51の中からデッキ60に新たに設定するゲーム媒体50を選択する。なお、ここでは3つの特殊ゲーム媒体52の特殊効果が終了したタイミングが同時である場合について説明したが、特殊効果は特殊ゲーム媒体52毎に設定されているので、特殊効果が終了するタイミングは異なっていてもよい。
【0048】
次に
図5,
図6を参照して、デッキ60の編成及び特殊効果終了後のデッキ60の変更について、ゲーム管理装置11の動作とともに説明する。
まず、
図5を参照して、ユーザがデッキ60を編成する場合について説明する。ユーザは、デッキ60を含む画面をユーザ端末12の表示部16に表示させて、デッキ60を編成するための所定の操作を行なう。例えば、デッキ60に設定されたゲーム媒体50と、保管領域51に保管されたゲーム媒体50を入れ替える操作を行なう。
【0049】
ユーザ端末12のゲーム処理部15は、操作入力部17を介して編成操作を受け付けて、デッキ60から除くゲーム媒体50の識別子と、デッキ60への追加が要求されたゲーム媒体50の識別子とを含む編成情報をゲーム管理装置11に送信する。
【0050】
ゲーム管理装置11のゲーム管理部22は、ユーザ端末12から送信された編成情報を取得する(ステップS1)。制限判定部23は、記憶部21からユーザ情報26のユーザデッキ情報を取得して、デッキ60に特殊ゲーム媒体52があるか否かを判断する(ステップS2)。
【0051】
制限判定部23は、デッキ60に特殊ゲーム媒体52が設定されていないと判断すると(ステップS2:NO)、編成情報に含まれるゲーム媒体50の識別子に対応するゲーム媒体情報25又はユーザの所有ゲーム媒体情報に基づき、デッキ60の設定制限の判定を行なう(ステップS4)。この際、制限判定部23は、デッキ60への追加が要求されたゲーム媒体50及びデッキ60に設定されたゲーム媒体50について、レアリティ毎のゲーム媒体50の数をカウントする。そして、カウントしたゲーム媒体50の数が、レアリティ毎の上限数を満たすか否かを判断する。又は、制限判定部23は、ユーザデッキ情報に含まれたレアリティ毎の残り枚数に基づき、デッキ60への追加が要求されたゲーム媒体50がレアリティ毎の残り枚数を満たすか否かを判断するようにしてもよい。例えば、デッキ60への追加が要求されたゲーム媒体50が「スーパーレア」であり、ユーザデッキ情報に、デッキ60に追加できるスーパーレアのゲーム媒体50の残り枚数が「スーパーレア残り2枚」と記録されていた場合には、レアリティ毎の上限数を満たすと判断する。
【0052】
次に、制限判定部23は、判定結果に基づき、その編成操作を受け付けた場合のデッキ60の構成が、デッキ60に関する設定制限を満たすか否かを判断する(ステップS5)。制限判定部23がデッキ60の設定制限を満たさないと判断した場合(ステップS5:NO)、デッキ60の編成を拒否して(ステップS7)、新たな編成情報がユーザ端末12から送信されるのを待機する。この際、ゲーム管理部22は、デッキ60の編成が受け付けられない旨のメッセージをユーザ端末12に送信する。
【0053】
制限判定部23がデッキ60の設定制限を満たすと判断した場合(ステップS5:YES)、デッキ60の編成を受け付ける(ステップS6)。この際、ゲーム管理部22は、デッキ60から除くゲーム媒体50の情報をユーザ情報26のユーザデッキ情報から削除し、デッキ60へ設定しようとするゲーム媒体50の情報をユーザデッキ情報へ記録する。また、ユーザデッキ情報にレアリティ毎の残り枚数が含まれている場合には、残り枚数を更新する。ゲーム管理装置11は、このデッキ60の編成処理を、編成情報を取得する度に行なう。ユーザは、このように編成されたデッキ60を用いて対戦を行なう。
【0054】
一方、制限判定部23が、デッキ60に特殊ゲーム媒体52が設定されていると判断すると(ステップS2:YES)、取得した編成情報に基づき、特殊ゲーム媒体52にデッキ60の設定制限を適用せずに、デッキ60の設定制限の判定を行なう(ステップS3)。この際、制限判定部23は、特殊ゲーム媒体52を除くゲーム媒体50について、ゲーム媒体情報25又はユーザ情報26の所有ゲーム媒体情報に基づき、レアリティ毎のゲーム媒体50の数をカウントする。そして、カウントしたゲーム媒体50の数が、レアリティ毎の上限数を満たすか否かを判断する。又は、制限判定部23は、ユーザデッキ情報に含まれたレアリティ毎の残り枚数に基づき、デッキ60への追加が要求されたゲーム媒体50がレアリティ毎の残り枚数を満たすか否かを判断するようにしてもよい。特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定されている場合、レアリティ毎の残り枚数は、特殊ゲーム媒体52を含めずに算出されている。
【0055】
そして、制限判定部23は、ステップS3の判定結果に基づき、デッキ60の構成が設定制限を満たすか否かを判断する(ステップS5)。制限判定部23が、設定制限が満たされないと判断した場合(ステップS5:NO)、その編成操作を拒否する(ステップS7)。制限判定部23が、設定制限が満たされたと判断すると(ステップS5:YES)、デッキ60の編成を受け付ける(ステップS6)。
【0056】
このようにデッキ60に特殊ゲーム媒体52が設定されることによって、その特殊ゲーム媒体52を設定しない場合には組み合わせることのできないゲーム媒体50の組み合わせで対戦を行なうことができる。例えば、ノーマルのゲーム媒体50の代わりに、レア、スーパーレア、ダブルスーパーレア等の特殊ゲーム媒体52をデッキ60に設定することができる。この場合にはデッキ60が強力となり、ゲームを有利に進めることができる。
【0057】
次に
図6を参照して、特殊効果が終了した場合にデッキ60の構成を変更する手順について説明する。ゲーム管理部22は、イベントの終了、対戦の終了等の特殊効果の終了条件が満たされたか否かを判断する(ステップS10)。特殊効果の終了条件が満たされないと判断した場合(ステップS10:NO)、ステップS10の判断を繰り返す。
【0058】
ゲーム管理部22が、特殊ゲーム媒体52の特殊効果が終了したと判断した場合(ステップS10:YES)、特殊効果の終了した特殊ゲーム媒体52を含めて、デッキの設定制限の判定を行なう(ステップS11)。制限判定部23は、スーパーレアのレアリティを有する特殊ゲーム媒体52を、スーパーレアのゲーム媒体50としてカウントする。
【0059】
制限判定部23は、ステップS11の判定結果に基づき、デッキ60の構成が設定制限を超えているか否かを判断する(ステップS12)。制限判定部23が、デッキの制限を超えていると判断した場合(ステップS12:YES)、デッキ変更部24が、デッキ60の制限を満たすようにデッキ60の構成を変更する(ステップS13)。デッキ変更部24は、上限数を超える特殊ゲーム媒体52の情報をユーザデッキ情報から除外して、対象の特殊ゲーム媒体52を消去する。一方、制限判定部23が、デッキの制限を超えていないと判断した場合(ステップS12:NO)、設定構成の変更(ステップS13)を行なわない。
【0060】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定され、その特殊効果が有効である間だけ、特殊ゲーム媒体52のみについてデッキ60に関する設定制限が適用されない。このため、特殊ゲーム媒体52が設定されない場合に比べ、ゲーム媒体50の組み合わせのバリエーションを増やすことができる。一方、特殊効果の有効期間は限られ、特殊ゲーム媒体52以外のゲーム媒体50については設定制限が適用されるため、特殊ゲーム媒体52の設定がゲームの難度を過度に低下させることを抑制することができる。従って、ゲームの攻略の難易度についてのゲームバランスを好適なものとしつつ、デッキ60でのゲーム媒体の組み合わせのバリエーションを増やすことができる。このようにゲーム媒体50の組み合わせのバリエーションを増やすことによって、デッキ60を用いての戦略も増えることとなるため、ゲームの興趣をさらに高めることができる。また、特殊効果が終了した場合には、デッキ60が設定制限を満たすように構成されるため、特殊ゲーム媒体52の設定に伴って、特殊効果の終了した特殊ゲーム媒体52と他のゲーム媒体50との入れ替え等、ユーザの操作が大幅に増えることを抑制することができる。このため、特殊ゲーム媒体52を設定することのメリットを維持することができる。
【0061】
(2)特殊ゲーム媒体52についてはレアリティ毎の上限数が適用されないので、特殊効果が有効である間だけ、上限数を超える特殊ゲーム媒体52を設定することが可能である。そのため、特殊ゲーム媒体52が設定されていない場合に比べ、戦闘力等の所定のパラメータを増強させたデッキ60とすることができ、新たな戦略での対戦が可能となる。従って、ゲームの興趣をさらに高めることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。尚、第2実施形態は、グループ同士が対戦するゲームにおいて、グループに対して特殊ゲーム媒体を付与する点のみが第1実施形態と異なるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
ゲーム管理装置11の記憶部21に記録されたユーザ情報26は、ユーザが属するグループの識別子を含んでいる。なお、記憶部21には、グループ毎に、グループに属するユーザの識別子を有するグループ情報を記録するようにしてもよい。
【0064】
ゲーム管理装置11のゲーム管理部22は、グループ同士で対戦するグループ対戦のゲームを実行する。グループ対戦では、ユーザは、グループ内で攻撃役、防御役等に分かれてもよい。この場合、攻撃役のユーザは、攻撃力が高いゲーム媒体50を用いてデッキ60を構成し、防御役のユーザは、防御力が高いゲーム媒体50を用いてデッキを構成する。
【0065】
ゲーム管理部22は、特殊ゲーム媒体52の付与条件が満たされたとき、所定数の特殊ゲーム媒体52をグループ毎に付与する。この際、特殊ゲーム媒体52の数を、グループの所定のパラメータ(経験値、対戦力等)に応じて変化させるようにしてもよいし、グループ毎に一定にしてもよい。
【0066】
図7に示すように、ゲーム管理部22は、特殊ゲーム媒体52を、グループ63に属する複数のユーザ(図中、ユーザA、ユーザB)に付与する。特殊ゲーム媒体52が付与されたユーザのデッキ60には、特殊ゲーム媒体52が設定される。又は、グループ63に付与された特殊ゲーム媒体52は、グループ63に属するユーザのうち一人に付与されてもよい。
【0067】
ゲーム管理部22は、グループ内において、特殊ゲーム媒体52を付与するユーザを、対戦での役割に応じて決定してもよい。例えば、攻撃役のユーザのみに特殊ゲーム媒体52を付与してもよく、防御役のユーザのみに特殊ゲーム媒体を付与してもよい。又は、攻撃力が高いゲーム媒体50を攻撃役のユーザに付与し、防御力が高いユーザを防御役のユーザのみに付与してもよい。又は、制限判定部23が、所定のパラメータの低いユーザから順に特殊ゲーム媒体52を付与してもよいし、所定のパラメータの高いユーザから順に特殊ゲーム媒体52を付与してもよい。又は、制限判定部23が、グループに属する一部のユーザ又は全てのユーザによって、特殊ゲーム媒体52を付与するユーザを選択するようにしてもよい。
【0068】
特殊ゲーム媒体52が付与されたユーザのデッキ60には、その特殊ゲーム媒体52が設定される。ユーザは、特殊ゲーム媒体52が設定されたデッキ60を用いて、グループ対戦を行なう。このように対戦結果を左右する要因が多いグループ対戦に特殊ゲーム媒体52を適用すると、特殊ゲーム媒体52の付与は、その多くの要因の一つとなる。従って、グループ対戦における特殊ゲーム媒体52の付与は対戦結果に直接的には結びつかなくなる。このため、特にグループ対戦においては、特殊ゲーム媒体52の付与が、ゲームの難易度についてのゲームバランスを崩すことがないため、ゲームバランスを好適にすることができる。
【0069】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1の実施形態に記載した(1),(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(3)特殊ゲーム媒体52を用いてグループ対戦を行なうので、通常とは異なる対戦を行なうことが可能となり、ゲームの興趣を高めることができる。また、勝敗を左右する要因が特に多いグループ対戦では、特殊ゲーム媒体の付与は数多くの要因に一つの要因を加えるだけであるため、ゲームの難易度についてのバランスを好適に維持することができる。
【0070】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記第1実施形態では、デッキ変更部24が、デッキ60の制限を満たすようにデッキ60の構成を変更する(ステップS23)。具体的には、設定制限を満たさない数だけ特殊ゲーム媒体52を消去する。これに代えて、特殊ゲーム媒体の特殊効果が終了した際に、設定制限を満たさないゲーム媒体について、そのゲーム媒体の替わりを自動的に設定してもよい。
【0071】
図8に示すように、ゲーム管理装置11のデッキ変更部24は、所有ゲーム媒体情報に基づき、ユーザの保管領域51のうち、デッキ60の制限を満たすようなゲーム媒体50を選択する。例えば、上限数を満たさないゲーム媒体50のレアリティよりも希少度が低いレアリティを有するゲーム媒体50を選択する。そして、デッキ変更部24は、その選択したゲーム媒体50と、上限数を超えるゲーム媒体50とを入れ替える。この際、上限数を超えるゲーム媒体50であって入れ替えの対象となるゲーム媒体50は、枠番号が大きいものから順に決めてもよいし、枠番号が小さいものから順に決めてもよい。また、入れ替えの対象となるゲーム媒体50は、所定のパラメータが大きい順又は小さい順としてもよいし、ランダムに決めてもよい。これにより、特殊効果が終了した場合には、設定制限を満たすようにデッキ60が自動的に変更されるため、特殊ゲーム媒体52の設定に伴う操作面での煩わしさを軽減することができる。従って、特殊ゲーム媒体52がデッキ60に付与されることのメリットを維持することができる。
【0072】
・上記第1実施形態では、デッキ変更部24が、デッキ60の制限を満たすようにデッキ60の構成を変更する(ステップS23)。具体的には、設定制限を満たさない数だけ特殊ゲーム媒体52を消去する。これに代えて、特殊ゲーム媒体の特殊効果が終了した際に、設定制限を満たさないゲーム媒体について、デッキ制限を満たすようなゲーム媒体をユーザに提案し、提案したゲーム媒体の中の所定数のゲーム媒体をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0073】
図9に示すように、デッキ変更部24は、ユーザの保管領域51のうち、デッキ60の設定制限を満たすようなゲーム媒体50の情報をユーザ端末12に送信して、ユーザ端末12の表示部16に表示62として出力させる。ユーザは、表示されたゲーム媒体50のうち、ゲーム管理装置11に指定された数又は任意の数のゲーム媒体50を選択する。ユーザ端末12のゲーム処理部15は選択されたゲーム媒体50の識別子をゲーム管理装置11に送信する。ゲーム管理装置11のゲーム管理部22は、ユーザによって選択されたゲーム媒体50を、レアリティ毎の上限数を超えたゲーム媒体50に替えて、デッキ60に設定する。
【0074】
また、このとき、例えばデッキ60の制限を満たすようなゲーム媒体50をユーザが所有していない場合には、制御部20が、ゲーム媒体50の購入を提案したり、設定制限を満たすことのできるようなゲーム媒体50を所有する他のユーザに応援を依頼するように提案してもよい。このようにゲーム管理装置11がデッキ60に新たに設定するゲーム媒体50を提案することにより、別のゲーム媒体を探すためのユーザの操作の手間を省き、特殊ゲーム媒体52の設定に伴う操作面での煩わしさを低減することができる。また、ユーザの意図に沿ったゲーム媒体を設定領域に設定することができる。
【0075】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。デッキに関する設定制限が適用されない効果であれば、特殊効果はこれに限定されるものではない。例えば、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果に代えて又は加えて、コストを有さない、又はデッキ60のコスト合計にそのコストが含まれないような特殊効果を有していてもよい。「コスト」は、ゲーム媒体に対して設定されている。例えば、ゲーム媒体が強力になるほど、コストは大きくなる。デッキには最大デッキコストが設定されており、デッキに設定するゲーム媒体のコストの合計が、最大デッキコスト以下になる必要がある。デッキ60に設定されたゲーム媒体50のコストの合計は、そのユーザの最大デッキコスト以下にする必要がある。例えば戦闘力が大きいゲーム媒体のコストは大きい傾向があるが、戦闘力が大きいゲーム媒体を優先して選択すると、コスト合計が、最大デッキコストを超える場合がある。その場合には、戦闘力が小さいゲーム媒体を含めてデッキ60に設定する。特殊ゲーム媒体52については合計コストに含まれないので、特殊効果が有効である間だけ、コストが大きい特殊ゲーム媒体52を設定したり、デッキ60に設定される他のゲーム媒体50をコストが大きいものとしたりすることが可能である。この場合にも特殊ゲーム媒体52の特殊効果が終了した場合には、デッキ変更部24は、制限を満たすようにデッキ60を変更する。そのため、特殊ゲーム媒体52が設定されていない場合に比べ、戦闘力等の所定のパラメータを増強させたデッキ60とすることが可能となる。従って、ゲームの興趣をさらに高めることができる。
【0076】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。デッキ60に関する設定制限が適用されない効果であれば、特殊効果はこれに限定されるものではない。例えば、特殊ゲーム媒体52は、上限数が適用されない特殊効果と、コストが適用されない特殊効果との両方を有していてもよい。このようにすると、特殊ゲーム媒体52をデッキ60に設定することで、ゲームを有利に進めることができる。
【0077】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数を適用しない特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊ゲーム媒体52は、その他のデッキ構成に関する制限が適用されない特殊効果を有していてもよい。
【0078】
図10に示すように、デッキ60の戦闘力を増加させる効果としてデッキ増強効果(タワー効果)がある。デッキ増強効果とは、デッキ60に設定したゲーム媒体50に対し、保管領域51にあるゲーム媒体50であってそれと同じ種類のゲーム媒体50の枚数に応じてデッキ60のゲーム媒体50の所定のパラメータの一部又は全てを加算する効果である。これにより、デッキ60のゲーム媒体50の攻撃力や防御力等の所定のパラメータを増強させることができる。同じ種類のゲーム媒体50とは、例えば、カードの図柄や、キャラクタ、アバターが同じであるゲーム媒体50である。デッキ60の設定制限の一つとして、このデッキ増強効果に関する制限がある。具体的には、デッキ60に設定した1つのゲーム媒体50に対しパラメータを加算して増強できるゲーム媒体50の数は、例えば「3」以下に限られる。ゲーム管理装置11の制限判定部23は、特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された場合、そのデッキ増強効果に関するデッキ60の設定制限を適用せず、同じ種類のゲーム媒体50を制限無く重ねることを許容する。なお、特殊ゲーム媒体52にパラメータを加算して増強できるゲーム媒体は、特殊ゲーム媒体52と図柄等が同じであればよく、特殊効果を有していても有していなくてもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊ゲーム媒体52は、対戦中の任意のタイミングで、保管領域51のゲーム媒体50や、応援を依頼した他のユーザのゲーム媒体と、自身とを交換できる特殊効果を有していてもよい。特殊ゲーム媒体52が、他のゲーム媒体と自身とを交換できる特殊効果を有している場合、制限判定部23は、ユーザ端末12から交換指示及び交換するゲーム媒体50の識別子を受信したとき、対戦を一時停止して、特殊ゲーム媒体52を指定されたゲーム媒体50と交換する。このように任意のタイミングで交換を行なうことができれば、例えば特殊ゲーム媒体52の攻撃力や防御力等の所定のパラメータが減少した後で、特殊ゲーム媒体52の替わりに所定のパラメータが減少していないゲーム媒体50を設定できる。そして、所定のパラメータが減少していないゲーム媒体50を用いて対戦を行なうことができるので、ゲームを有利に進めることができる。
【0080】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊ゲーム媒体52は、自身に対する対戦相手からの所定の作用を適用しない特殊効果を有していてもよい。例えば、制御部20は、特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された場合、対戦相手からの特定の攻撃を回避したり、自身からの攻撃時に対戦相手の防御力を低下したりする。このようにすると、特殊ゲーム媒体52が設定されたデッキ60を用いてゲームを有利に進めることができる。
【0081】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊ゲーム媒体52はデッキ60に関する下限数が適用されない効果を有していてもよい。例えば、デッキ60に関する制限は、コストの合計等の所定のパラメータが所定値以上であることであってもよい。制御部20は、特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された場合、例えば、制限判定部23は、デッキ60の編成情報を取得したとき、特殊ゲーム媒体52以外のゲーム媒体50のコスト合計が所定値以上であるか否かを判断する。制限判定部23は、コスト合計が所定値未満であると判断すると、デッキ60の編成を拒否し、コスト合計が所定値以上であると判断すると、デッキ60の編成を受け付ける。
【0082】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、レアリティ毎の上限数が適用されない特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊ゲーム媒体52は、デッキ60に関する制限を緩和する特殊効果を有していてもよい。例えば、特殊ゲーム媒体52がデッキ60へ設定される際に、その特殊ゲーム媒体52のパラメータが、設定制限による制約を受けにくい方向にカウントされるようにしてもよい。具体的には、スーパーレアの特殊ゲーム媒体52がデッキ60へ設定される際に、上記実施形態ではスーパーレアのゲーム媒体50の数に特殊ゲーム媒体52の数を含めないところ、スーパーレアよりも希少度の低い「レア」のゲーム媒体としてレアリティ毎の上限数が適用されたり、「レア」2枚分としてレアリティ毎の上限数が適用されたりしてもよい。又はコストが「4」の特殊ゲーム媒体52が、デッキ60へ設定される際に「2」として合計コストに含まれるようにしてもよい。このようにすると、特殊ゲーム媒体52に対し設定制限を課しつつもその制限を小さくできるので、デッキ60を用いての戦略も増え、ゲームの興趣をさらに高めるとともに、ゲームバランスを最適化することができる。
【0083】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体52は、特殊効果の終了条件が満たされるまで一定の特殊効果を有する。これに代えて又は加えて、特殊効果を、特殊効果が開始されてから終了されるまでの間、変化させるようにしてもよい。例えば、特殊ゲーム媒体52がデッキ60に設定された直後の期間においてレアリティ毎の上限数が適用されず、その次の期間において、特殊ゲーム媒体52のレアリティよりも希少度の低いレアリティとしてカウントされるようにしてもよい。さらに次の期間において、特殊ゲーム媒体52のレアリティとしてカウントされるようにしてもよい。このようにすると、特殊ゲーム媒体52を用いてゲームを有利に展開することを可能としつつ、時間に関する制限を設けることができるので、デッキ60を用いての戦略も増え、ゲームの興趣を高めるとともに、ゲームバランスを最適化することができる。
【0084】
・上記各実施形態では、ゲーム媒体50がデッキ60へ設定される前に、レアリティ毎の上限数等のデッキ60に関する制限を満たすか否かを判断するようにした。これに代えて、ゲーム媒体50をデッキ60に設定した後にデッキ60に関する制限が満たされるか否かを判断するようにしてもよい。そして、制限判定部23がデッキ60に関する制限が満たされないと判断した場合、デッキ変更部24は、制限を満たすようにデッキ60を変更する。例えば、デッキ変更部24は、制限を超えるゲーム媒体50の消去、ゲーム媒体50の替わりを自動的に設定、他のゲーム媒体50の提案等を行なう。
【0085】
・上記各実施形態では、特殊ゲーム媒体が設定される設定領域を、設定されたゲーム媒体を組み合わせて対戦を行なうデッキとして説明したが、特殊ゲーム媒体が設定できる領域であれば、デッキ以外の領域にも適用することができる。例えば、キャラクタやアバターなどのゲーム媒体が所定範囲内を移動できる場合、その所定範囲を設定領域としてもよい。この場合には、特殊ゲーム媒体が所定範囲内に設定されたとき、特殊ゲーム媒体に対し所定範囲に関する制限を適用せずにゲームを行なうことができる。このため、ユーザは通常とは異なる態様でゲームを行なうことができる。
【0086】
・上記各実施形態では、特殊効果が付与された特殊ゲーム媒体52は、ノーマルよりも希少度の高いレアリティを有している。特殊ゲーム媒体52の適用対象は、レアリティ以外に、戦闘力、レベル、スキル等の所定のパラメータが優れ、デッキ60に設定する価値が高ければよい。
【0087】
・ゲーム媒体50の固有のパラメータは、ゲーム媒体の名称、「戦闘力」、「属性」、「レアリティ」、「コスト」、「特殊効果」等を含むものとしたが、これに限定されるものではない。ゲーム媒体50の固有のパラメータは、ゲームの内容に応じたものであり、上記のパラメータの一部又は全てを含まず、他のパラメータを含んでいてもよい。また、デッキ60に関する設定制限は、ゲーム媒体50の固有のパラメータに応じて設けられる。例えば、ゲーム媒体50の固有のパラメータに「レベル」が含まれている場合、レベル毎に上限数を設定してもよい。この場合、特殊ゲーム媒体52は、このレベルの制限が適用されない。
【0088】
・上記各実施形態では、ユーザが所有するゲーム媒体の情報をユーザ情報26に記録したが、ユーザが所有するゲーム媒体の情報の記録先は、これに限定されるものではない。ユーザが所有するゲーム媒体の情報に関連付けられていれば、ゲーム媒体情報25に含まれていてもよい。
【0089】
・上記各実施形態では、ゲーム管理装置11の制御部20及び記憶部21は、ユーザ端末12に備えられていてもよい。この場合、ユーザ端末12の制御部20は、不揮発性記憶部に格納されたゲーム処理プログラムを実行することにより、ブラウザ等の他のアプリケーションを介さないゲームであるネイティブゲームを提供する。又は、ゲーム管理装置11及びユーザ端末12のそれぞれが処理の一部の担うハイブリッドゲームであってもよい。
【0090】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
〔1〕ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部にゲームを進行させるゲーム処理プログラムであって、
前記制御部に、
設定制限が適用されるゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うステップと、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たす場合に前記設定領域を用いたゲームの進行を可能とし、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能とするステップと、を実行させるゲーム処理プログラム。
〔2〕前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能として、前記特殊効果を終了した前記特殊ゲーム媒体の少なくとも一つを消去する、〔1〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔3〕前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能として、前記設定制限を満たす他のゲーム媒体を提示する、〔1〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔4〕前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能として、前記設定制限を満たすように前記設定領域にゲーム媒体を設定する、〔1〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔5〕前記記憶部に記憶されたゲーム媒体は、保管領域に設定されたゲーム媒体と、前記設定領域に設定されたゲーム媒体とを含み、
前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して所定の関係を満たすゲーム媒体が前記保管領域に設定されている場合に、所定数以下という設定制限の下で前記保管領域に設定されている数に応じて、当該所定の関係を満たすゲーム媒体が前記設定領域に設定されたゲーム媒体に対して効果を増大させるとともに、
前記特殊ゲーム媒体が一時的に有する特殊効果は、前記所定数以下という設定制限を一時的に適用しない効果である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔6〕前記特殊ゲーム媒体が一時的に有する特殊効果は、前記ゲームを一時中断して前記ゲーム媒体を前記設定領域に設定できる効果である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔7〕前記特殊ゲーム媒体が一時的に有する特殊効果は、対戦相手からのアクションによる作用を一時的に適用しない又は緩和する効果である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔8〕前記設定領域に関する前記設定制限は、前記ゲーム媒体の性質毎に設定された上限数であって、
前記設定領域に対し、前記特殊ゲーム媒体に対して前記上限数を適用せず、他のゲーム媒体については前記上限数を適用する、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔9〕前記設定領域に関する前記設定制限は、前記ゲーム媒体毎に設定された所定のパラメータの合計が最大値以下であることであって、
前記特殊ゲーム媒体の前記パラメータを含めず、他のゲーム媒体のみの前記パラメータを合計する、〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔10〕前記制御部を、
グループに属する複数のユーザのうち、所定数の前記ユーザに前記特殊ゲーム媒体を付与し、
前記特殊ゲーム媒体が付与された前記ユーザの前記設定領域に前記特殊ゲーム媒体が設定された際、前記特殊ゲーム媒体に対して前記設定制限を適用せず他のゲーム媒体に対して前記設定制限を適用し、前記グループに属するユーザの前記設定領域を用いて、異なるグループ同士の対戦を実行する手段として機能させる〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
〔11〕
ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を用いて、制御部がゲームを進行するゲーム処理方法であって、
前記制御部が、
設定制限が適用されるゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うステップと、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たす場合に前記設定領域を用いたゲームの進行を可能とし、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能とするステップと、を実行するゲーム処理方法。
〔12〕
ゲーム媒体の識別情報、及びゲーム媒体に関連付けられたユーザ識別情報を記憶した記憶部を含むゲーム処理システムであって、
設定制限が適用されるゲーム媒体と、前記設定制限が適用されない特殊効果を一時的に有する特殊ゲーム媒体とが設定された設定領域を用いて、ゲームを行うゲーム実行部と、
前記特殊ゲーム媒体を含む設定領域について前記特殊効果を終了する条件が満たされ、当該設定領域が前記設定制限を満たす場合に前記設定領域を用いたゲームの進行を可能とし、当該設定領域が前記設定制限を満たさない場合に、当該設定領域を用いたゲームを不可能とする進行部と、を含むゲーム処理システム。
【符号の説明】
【0091】
10…ゲーム処理システム、11…ゲーム管理装置、12…ユーザ端末、13…ネットワーク、15…ゲーム処理部、16…表示部、17…操作入力部、20…制御部、21…記憶部、22…ゲーム管理部、23…制限判定部、24…デッキ変更部、25…ゲーム媒体情報、26…ユーザ情報、50…ゲーム媒体、51…保管領域、52…特殊ゲーム媒体、60…設定領域としてのデッキ、61,61A~61I…枠。