(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20220112BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20220112BHJP
H01Q 5/378 20150101ALI20220112BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/24
H01Q5/378
(21)【出願番号】P 2020514021
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 JP2019011325
(87)【国際公開番号】W WO2019202893
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2018079058
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎谷 壮一郎
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-106206(JP,U)
【文献】特開平05-211406(JP,A)
【文献】特開平05-304413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 5/30
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な第1面と第2面とを有し、誘電体からなる第1基材と、
互いに平行な第3面と第4面とを有し、前記第3面が前記第2面と向かい合って当接して配置され、誘電体からなり、平面視した外形形状が前記第1基材と同じ第2基材と、
前記第1面に形成され、第1周波数帯域を利用する第1高周波信号に対応した形状の第1放射導体と、
前記第3面に形成され、前記第1周波数帯域よりも低周波数で広帯域の第2周波数帯域を利用する第2高周波信号に対応した形状の第2放射導体と、
前記第1放射導体と前記第2放射導体に給電する給電体と、
を備え、
給電点は、2個配置されており、一方の給電点と前記第1放射導体および前記第2放射導体の中心とを結ぶ方向と、他方の給電点と前記中心とを結ぶ方向とは、直交しており、
前記
2個の給電点の配置位置は、
前記中心からdの距離の位置であり、
前記第2高周波信号に対する反射損失が最小値となる位置と前記中心との距離をd0として、d/d0は4/3以上であ
り、
前記第1基材の厚みは、前記第2基材の厚みの3/7倍以下である、
アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナであって、
前記第2高周波信号は、複数種類の高周波信号を含み、
前記反射損失が最小値となる位置は、前記複数種類の高周波信号のそれぞれにおいて反射損失が最小値となる位置を含む範囲によって決定される、
アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の周波数の高周波信号を受信するアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GNSS(Global Navigation Satellite System)用のアンテナが各種考案されている。GNSS用のアンテナは、例えば、GNSSとして、GPS(Global Positioning System)を採用する場合、L1波とL2波との組合せのように、複数の周波数を受信することが要求される。
【0003】
例えば、特許文献1には、GNSS用のアンテナとして、受信周波数が異なる複数のパッチアンテナを積層した多層アンテナが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の多層アンテナでは、外形形状を変えることなく、複数の周波数の高周波信号に対して要求される受信特性(利得、周波数帯域幅)を満足できない場合がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、外形形状を変えることなく、優れた受信特性を有するアンテナを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のアンテナは、第1基材、第2基材、第1放射導体、第2放射導体、および、給電体を備える。第1基材は、互いに平行な第1面と第2面とを有する。第1基材は誘電体からなる。第2基材は、互いに平行な第3面と第4面とを有する。第2基材は、第3面が第2面と向かい合って当接して配置されている。第2基材は、誘電体からなる。第2基材は、平面視した外形形状が第1基材と同じである。第1放射導体は、第1面に形成され、第1周波数帯域を利用する第1高周波信号に対応した形状である。第2放射導体は、第3面に形成され、第1周波数帯域よりも低周波数で広帯域の第2周波数帯域を利用する第2高周波信号に対応した形状である。給電導体は、第1放射導体と第2放射導体に給電する。給電体の配置位置は、第1放射導体および第2放射導体の中心からdの距離の位置である。第2高周波信号に対する反射損失が最低となる位置と中心との距離をd0として、d/d0は4/3以上である。
【0008】
この構成では、第2高周波信号に対する3dB帯域幅を広くできる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、外形形状を変えることなく、優れた受信特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るアンテナの構成を示す側面断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るアンテナの外観斜視図である。
【
図3】(A)は第1基材の平面図であり、(B)は第1基材の側面断面図(A-A断面図)であり、(C)は第2基材の平面図であり、(D)は第2基材の側面断面図(A-A断面図)である。
【
図4】ピーク利得および3dB比帯域幅と中心からの給電点の距離との関係を示すグラフである。
【
図5】ピーク利得および3dB比帯域幅と基材の厚みとの関係を示すグラフである。
【
図6】本実施形態に係るアンテナと比較対象のアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るアンテナについて、図を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るアンテナの構成を示す側面断面図である。
図2は本発明の実施形態に係るアンテナの外観斜視図である。
図3(A)は第1基材の平面図であり、
図3(B)は第1基材の側面断面図(A-A断面図)であり、
図3(C)は第2基材の平面図であり、
図3(D)は第2基材の側面断面図(A-A断面図)である。
【0012】
図1、
図2に示すように、アンテナ10は、基材20、放射導体31、放射導体32、グランド導体40、給電体50、および、固定部材60を備える。基材20は、第1基材21と第2基材22とを備える。放射導体31が、本発明の「第1放射導体」に対応し、放射導体32が、本発明の「第2放射導体」に対応する。
【0013】
図1、
図2、
図3(A)、
図3(B)、
図3(C)、および、
図3(D)に示すように、第1基材21と第2基材22とは、平板である。第1基材21と第2基材22とは、例えばセラミック等の誘電体からなる。
【0014】
第1基材21は、互いに対向する主面211と主面212を有する。主面211は、本発明の「第1主面」に対応し、主面212は、本発明の「第2主面」に対応する。
【0015】
第2基材22は、互いに対向する主面221と主面222とを有する。主面221は、本発明の「第3主面」に対応し、主面222は、本発明の「第4主面」に対応する。第1基材21と第2基材22とは、平面視した形状が同じである。
【0016】
第1基材21と第2基材22とは、互いが重なるようにして積層されている。この際、第1基材21の主面212と第2基材22の主面221とは、互いに対向し、当接している。
【0017】
第1基材21の厚みh1は、第2基材22の厚みh2よりも小さい。より具体的には、0<(h1/h2)≦(3/7)の関係を満たす。
【0018】
放射導体31は、第1基材21の主面211に形成されている。放射導体31は、略方形である。放射導体31は、導電性の高い金属等によって形成されている。
【0019】
放射導体31の形状、具体的には方形の各辺の寸法等は、放射導体31で受信する高周波信号の周波数(波長)に応じて決められている。この放射導体31で受信する高周波信号が、本発明の「第1高周波信号」に対応し、この周波数帯域が「第1周波数帯域」に対応する。アンテナ10をGPS受信用とする場合、放射導体31で受信する高周波信号(第1高周波信号)は、L1波であり、周波数は、1575.42MHzである。したがって、第1周波数帯域は、周波数1575.42を含む所定の周波数幅の帯域である。
【0020】
放射導体32は、第2基材22の主面221に形成されている。放射導体32は、略方形である。放射導体32の平面面積は、放射導体31の平面面積よりも大きい。平面視において、放射導体32の中心と放射導体31の中心とは、一致している。放射導体32の各辺には、複数のスリットが形成されている。複数のスリットは、各辺から中心方向に延びる形状である。放射導体32は、導電性の高い金属等によって形成されている。
【0021】
放射導体32の形状、具体的には方形の各辺の寸法等は、放射導体32で受信する高周波信号の周波数(波長)に応じて決められている。この放射導体32で受信する高周波信号が、本発明の「第2高周波信号」に対応し、この周波数帯域が「第2周波数帯域」に対応する。アンテナ10をGPS受信用とする場合、放射導体32で受信する高周波信号(第2高周波信号)は、L2波、L5波、および、L6波であり、周波数は、それぞれ1227.60MHz、1176.45MHz、および、1278.75MHzである。したがって、第2周波数帯域は、周波数1227.60MHz、1176.45MHz、および、1278.75MHzを含む所定の周波数幅の帯域である。
【0022】
グランド導体40は、基材22の主面222に形成されている。グランド導体40は、主面222の略全面に形成されている。グランド導体40は、平面視において、放射導体31および放射導体32に重なっており、その面積は、放射導体31の面積および放射導体32の面積よりも大きい。なお、基材22の主面222側に絶縁性の回路基板を配置し、この回路基板(例えば、裏面(基材22側と反対側の面))に、グランド導体40を配置してもよい。
【0023】
給電体50は、棒状の導体からなる。給電体50は、基材21および基材22を貫通している。給電体50は、放射導体31に直接接続しており、給電体50は、放射導体32に対して容量的に結合している。給電体50は、グランド導体40に接続していない。給電体50は、放射導体31および放射導体32の平面視において、これらの中心POから距離dの位置に配置されている。すなわち、
図1に示すように、給電点FPと中心POとの距離は、dとなる。給電体50は、2個配置されており、一方の給電体50と中心とを結ぶ方向と、他方の給電体50と中心とを結ぶ方向とは、直交している。
【0024】
そして、距離dは、(d/d0)≧(4/3)の関係を満たす。ここで、d0は、第2高周波信号の反射損失が最小値となる時の中心POと給電点との距離を示している。より具体的には、第2高周波信号に含まれる複数の高周波信号(例えば、上述の例であれば、L2波、L5波、L6波)のそれぞれにおいて反射損失が最小値となる位置を含む範囲によって決定されている。なお、反射損失の最小値の一例としては、例えば、-30dBであり、この最小値は、アンテナ10の仕様、アンテナ10が接続するGNSS受信装置の仕様に応じて適宜設定することができる。また、dの最大値は、給電体50が放射導体31および放射導体32に対して給電可能な最長の長さ(放射導体31および放射導体32の中心からの距離)であり、例えば、放射導体31または放射導体32の半径以下の所定値に設定できる。
【0025】
この構成によって、アンテナ10は、放射導体31を用いて、第1高周波信号(例えば、L1波)を受信し、放射導体32を用いて、第1高周波信号よりも低周波数の第2高周波信号(例えば、L2波、L5波、L6波)を受信する。
【0026】
そして、アンテナ10は、給電点と中心との距離を上述の関係((d/d0)≧(4/3))にすることによって、受信特性が改善される。
【0027】
図4は、ピーク利得および3dB比帯域幅と中心からの給電点の距離との関係を示すグラフである。
図4では、L1波のピーク利得、3dB比帯域幅、すなわち、第1高周波信号のピーク利得、3dB比帯域幅と、L2波、L5波、L6波のピーク利得、3dB比帯域幅、すなわち、第2高周波信号のピーク利得、3dB比帯域幅とを示している。また、
図4の横軸は、給電点の距離の範囲を、離散的に設定している。
【0028】
図4に示すように、d/d0がD3(1.33から1.41)よりも大きい構成(本願発明の構成)とすることによって、例えば、d/d0が約Dc(0.92から0.97)の構成(比較対象である従来の一般的なアンテナの構成)と比較して、L1波に対して、従来の一般的なアンテナの構成と同等のピーク利得を得ることができる。すなわち、(d/d0)≧(4/3)とすることによって、L1波に対するピーク利得の悪化を抑制できる。
【0029】
さらに、本願発明の構成とすることによって、従来の一般的なアンテナの構成と比較して、L2波、L5波、および、L6波に対する3dB比帯域幅を広くできる。また、本願発明の構成としても、L2波、L5波、および、L6波に対して、従来の一般的なアンテナの構成と同等のピーク利得を得ることができる。すなわち、(d/d0)≧(4/3)とすることによって、L2波、L5波、および、L6波に対する3dB比帯域幅を広くしながら、ピーク利得の悪化を抑制できる。
【0030】
このように、アンテナ10を用いることによって、L1波に対するピーク利得の悪化が抑制される。
【0031】
また、アンテナ10を用いることによって、帯域幅が広いL2波、L5波、および、L6波の周波数帯域を含む周波数帯域(第2周波数帯域)に対して、この帯域幅に応じた広さの3dB比帯域幅を実現でき、受信特性を改善できる。これにより、L2波、L5波、L6波に対する受信感度を向上できる。また、この構成によって、ピーク利得の悪化が抑制されるので、アンテナ10は、L2波、L5波、および、L6波に対して優れた受信特性を有する。
【0032】
したがって、アンテナ10は、複数種類の高周波信号、具体的に本実施形態では、L1波と、L2波、L5波、および、L6波とに対して、優れた受信特性を有する。
【0033】
また、アンテナ10は、基材21の厚みh1、基材22の厚みh2を上述の関係(0<(h1/h2)≦(3/7))にすることによって、受信特性が改善される。
【0034】
図5は、ピーク利得および3dB比帯域幅と基材の厚みとの関係を示すグラフである。
図5では、L1波のピーク利得、3dB比帯域幅、すなわち、第1高周波信号のピーク利得、3dB比帯域幅と、L2波、L5波、L6波のピーク利得、3dB比帯域幅、すなわち、第2高周波信号のピーク利得、3dB比帯域幅とを示している。なお、
図4のシミュレーションは、本願構成と従来の比較構成とで基材の総厚(第1基材と第2基材との合計であるh(h1+h2))を同じにして行っている。
【0035】
図5に示すように、h1/(h1+h2)が0.3よりも小さい構成(本願発明の構成)とすることによって、例えば、h1/(h1+h2)が約0.4の構成(比較対象である従来の一般的なアンテナの構成)と比較して、L1波に対する3dB比帯域幅を狭くできる。一方、本願発明の構成としても、L1波に対して、従来の一般的なアンテナの構成と同等のピーク利得を得ることができる。すなわち、0<(h1/h2)≦(3/7)とすることによって、L1波に対する3dB比帯域幅を狭くしながら、ピーク利得の悪化を抑制できる。
【0036】
さらに、本願発明の構成とすることによって、従来の一般的なアンテナの構成と比較して、L2波、L5波、および、L6波に対する3dB比帯域幅を広くできる。また、本願発明の構成としても、L2波、L5波、および、L6波に対して、従来の一般的なアンテナの構成と同等以上のピーク利得を得ることができる。すなわち、0<(h1/h2)≦(3/7)とすることによって、L2波、L5波、および、L6波に対する3dB比帯域幅を広くしながら、ピーク利得を向上できる。
【0037】
このように、アンテナ10を用いることによって、帯域幅が狭いL1波の周波数帯域(第1周波数帯域)に対する3dB比帯域幅が不要に広い受信特性を改善できる。これにより、L1波に対する不要波の受波を抑制し、L1波に対する受信感度を実質的に向上できる。また、この構成によって、ピーク利得の悪化が抑制されるので、アンテナ10は、L1波に対して優れた受信特性を有する。
【0038】
また、アンテナ10を用いることによって、帯域幅が広いL2波、L5波、および、L6波の周波数帯域を含む周波数帯域(第2周波数帯域)に対して、この帯域幅に応じた広さの3dB比帯域幅を実現でき、受信特性を改善できる。これにより、L2波、L5波、L6波に対する受信感度を向上できる。また、この構成によって、ピーク利得が向上するので、アンテナ10は、L2波、L5波、および、L6波に対して優れた受信特性を有する。
【0039】
したがって、アンテナ10は、複数種類の高周波信号、具体的に本実施形態では、L1波と、L2波、L5波、および、L6波とに対して、優れた受信特性を有する。
【0040】
図6は、本実施形態に係るアンテナと比較対象のアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。
【0041】
図6に示すように、本実施形態に係るアンテナ10の構成を用いることによって、帯域幅の狭いL1波に対する3dB比帯域幅が不要に広くなることを抑制でき、且つ、帯域幅が広いL2波、L5波、および、L6波に対する3dB比帯域幅を、L2波、L5波、および、L6波の周波数帯域に応じて広くできる。また、アンテナ10の構成を用いることによって、L1波、L2波、L5波、および、L6波に対する利得の低下を抑制できる。
【0042】
これにより、アンテナ10は、L1波、L2波、L5波、および、L6波に対して、優れた受信特性を実現できる。さらに、アンテナ10は、この受信特性を実現するために、外形形状を変更していない。したがって、アンテナ10は、外形形状を変更することなく、L1波、L2波、L5波、および、L6波に対して、優れた受信特性を実現できる。
【0043】
なお、上述の基材の厚みの条件と、給電点と中心との距離の条件は、いずれか一方を採用することで、上述の受信特性の改善を少なからず得られる。特に、給電点の位置の条件を満たすことによって、上述の受信特性の改善を得やすい。
【0044】
また、上述の説明では、GPSを例に説明したが、他のGNSSの各システムに対しても同様の構成を適用し、同様の作用効果を得られる。
【0045】
また、上述の説明では、放射導体の形状を略方形としたが、略方形に限るものではなく、例えば、略円形のように、所望の周波数の円偏波からなる高周波信号を放射(送受信)できる形状であればよい。
【符号の説明】
【0046】
10:アンテナ
20、21、22:基材
31、32:放射導体
40:グランド導体
50:給電体
60:固定部材
211、212、221、222:主面
【用語】
【0047】
必ずしも全ての目的または効果・利点が、本明細書中に記載される任意の特定の実施形態に則って達成され得るわけではない。従って、例えば当業者であれば、特定の実施形態は、本明細書中で教示または示唆されるような他の目的または効果・利点を必ずしも達成することなく、本明細書中で教示されるような1つまたは複数の効果・利点を達成または最適化するように動作するように構成され得ることを想到するであろう。
【0048】
本明細書中に記載される全ての処理は、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサを含むコンピューティングシステムによって実行されるソフトウェアコードモジュールにより具現化され、完全に自動化され得る。コードモジュールは、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶装置に記憶することができる。一部または全ての方法は、専用のコンピュータハードウェアで具現化され得る。
【0049】
本明細書中に記載されるもの以外でも、多くの他の変形例があることは、本開示から明らかである。例えば、実施形態に応じて、本明細書中に記載されるアルゴリズムのいずれかの特定の動作、イベント、または機能は、異なるシーケンスで実行することができ、追加、併合、または完全に除外することができる (例えば、記述された全ての行為または事象がアルゴリズムの実行に必要というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作またはイベントは、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサまたはプロセッサコアを介して、または他の並列アーキテクチャ上で、逐次ではなく、並列に実行することができる。さらに、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能し得る異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによっても実行され得る。
【0050】
本明細書中に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロックおよびモジュールは、プロセッサなどのマシンによって実施または実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、またはそれらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはコンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサ(デジタル信号処理装置)とマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。本明細書中では、主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは、主にアナログ素子を含むこともできる。例えば、本明細書中に記載される信号処理アルゴリズムの一部または全部は、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路により実装することができる。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または装置内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
【0051】
特に明記しない限り、「できる」「できた」「だろう」または「可能性がある」などの条件付き言語は、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝達するために一般に使用される文脈内での意味で理解される。従って、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要とされる任意の方法であること、または1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するという訳ではない。
【0052】
語句「X、Y、Zの少なくとも1つ」のような選言的言語は、特に別段の記載がない限り、項目、用語等が X, Y, Z、のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせであり得ることを示すために一般的に使用されている文脈で理解される(例: X、Y、Z)。従って、このような選言的言語は、一般的には、特定の実施形態がそれぞれ存在するXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つ、の各々を必要とすることを意味するものではない。
【0053】
本明細書中に記載されかつ/または添付の図面に示されたフロー図における任意のプロセス記述、要素またはブロックは、プロセスにおける特定の論理機能または要素を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、潜在的にモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものとして理解されるべきである。代替の実施形態は、本明細書中に記載された実施形態の範囲内に含まれ、ここでは、要素または機能は、当業者に理解されるように、関連する機能性に応じて、実質的に同時にまたは逆の順序で、図示または説明されたものから削除、順不同で実行され得る。
【0054】
特に明示されていない限り、「一つ」のような数詞は、一般的に、1つ以上の記述された項目を含むと解釈されるべきである。従って、「~するように設定された一つのデバイス」などの語句は、1つ以上の列挙されたデバイスを含むことを意図している。このような1つまたは複数の列挙されたデバイスは、記載された引用を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「以下のA、BおよびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、Aを実行するように構成された第1のプロセッサと、BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサとを含むことができる。加えて、導入された実施例の具体的な数の列挙が明示的に列挙されたとしても、当業者は、このような列挙が典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾語を用いない「2つの列挙と」の単なる列挙は、通常、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきである。
【0055】
一般に、本明細書中で使用される用語は、一般に、「非限定」用語(例えば、「~を含む」という用語は「それだけでなく、少なくとも~を含む」と解釈すべきであり、「~を持つ」という用語は「少なくとも~を持っている」と解釈すべきであり、「含む」という用語は「以下を含むが、これらに限定されない。」などと解釈すべきである。) を意図していると、当業者には判断される。
【0056】
説明の目的のために、本明細書中で使用される「水平」という用語は、その方向に関係なく、説明されるシステムが使用される領域の床の平面または表面に平行な平面、または説明される方法が実施される平面として定義される。「床」という用語は、「地面」または「水面」という用語と置き換えることができる。「垂直/鉛直」という用語は、定義された水平線に垂直/鉛直な方向を指します。「上側」「下側」「下」「上」「側面」「より高く」「より低く」「上の方に」「~を越えて」「下の」などの用語は水平面に対して定義されている。
【0057】
本明細書中で使用される用語の「付着する」、「接続する」、「対になる」及び他の関連用語は、別段の注記がない限り、取り外し可能、移動可能、固定、調節可能、及び/または、取り外し可能な接続または連結を含むと解釈されるべきである。接続/連結は、直接接続及び/または説明した2つの構成要素間の中間構造を有する接続を含む。
【0058】
特に明示されていない限り、本明細書中で使用される、「およそ」、「約」、および「実質的に」のような用語が先行する数は、列挙された数を含み、また、さらに所望の機能を実行するか、または所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」とは、特に明示されていない限り、記載された数値の10%未満の値をいう。本明細書中で使用されているように、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が先行して開示されている実施形態の特徴は、さらに所望の機能を実行するか、またはその特徴について所望の結果を達成するいくつかの可変性を有する特徴を表す。
【0059】
上述した実施形態には、多くの変形例および修正例を加えることができ、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。そのような全ての修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図し、以下の特許請求の範囲によって保護される。