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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】可変ガイド軸受
(51)【国際特許分類】
   F03B 11/06 20060101AFI20220112BHJP
   F03B 15/04 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F03B11/06
F03B15/04 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020547145
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 IB2019001158
(87)【国際公開番号】W WO2020084350
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】62/751,033
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/664,153
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520340271
【氏名又は名称】アンドリッツ ハイドロ カナダ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サルマド エラヒ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ワーレイ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン バーン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウォドスラフスキー
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-112023(JP,U)
【文献】特開2005-326155(JP,A)
【文献】実開昭57-181917(JP,U)
【文献】特開平06-217486(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第2710706(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 11/06
F03B 15/04
F16C 17/22
F16C 21/00-27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変ガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するための方法であって、
前記可変ガイド軸受と前記タービンの前記シャフトとの間のベースライン半径方向隙間を測定することと、
パッド調節器システムを前記可変ガイド軸受に係合させることであって、
前記パッド調節器システムは、前記可変ガイド軸受の背面に固定されたパッド端部および主動歯車に係合する第1の端部を有するねじ付きパッド調節器と、前記パッド調節器の長さに対して非共線状に前記ねじ付きパッド調節器と連通する主動歯車とを含むとともに、伝達機構を介して前記可変ガイド軸受と連通する原動機を含み、
前記パッド調節器システムが、前記半径方向隙間を調節する方向に前記可変ガイド軸受をトラバースするように前記原動機からの原動力によって作動させられる、ことと、
前記可変ガイド軸受と前記タービンの前記シャフトとの間の半径方向隙間偏差を測定することと、
前記半径方向隙間偏差と前記ベースライン半径方向隙間との差を計算することと、
前記半径方向隙間偏差と前記ベースライン半径方向隙間との間の前記差を補償するように、前記原動機を作動させて前記可変ガイド軸受を調節することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記方法がコンピュータにより実行される方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記主動歯車がウォーム歯車である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ウォーム歯車が、駆動シャフトを介して前記原動機によって作動される駆動シャフト歯車に螺合係合している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記主動歯車が、前記原動機によって作動されるチェーンによる駆動体であり、前記チェーンが、複数の前記パッド調節器を複数のガイド軸受に接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記主動歯車が、前記原動機によって作動されるリンク機構に接続されたアームによって駆動され、前記リンク機構が、複数の前記パッド調節器を複数の前記可変ガイド軸受に接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記原動機が、前記原動機を作動させる制御システムに冗長位置信号を提供して、前記可変ガイド軸受の位置を確認するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータ可読プログラムを有形的に具現化する非一時的な製造物品であって、前記コンピュータ可読プログラムは、実行されると、コンピュータに請求項1に記載の方法を実行させる、非一時的な製造物品。
【請求項9】
半径方向隙間を調節する方向に軸受をトラバースするパッド調節器システムであって、前記半径方向隙間が、軸受パッドの最も外側のシャフト端部とシャフトアセンブリの最も外側の周縁部との間の寸法である、パッド調節器システムと、
前記半径方向隙間における偏差を測定するためのセンサと、
前記半径方向隙間を測定する前記センサから距離信号を受信し、前記半径方向隙間における前記偏差を補償するように前記少なくとも1つの軸受を前記トラバースすることを前記パッド調節器に信号で合図する、制御システムと、を備え、
前記パッド調節器システムは、パッド調節器と、原動力を生成する原動機アセンブリと、前記パッド調節器が係合する歯車システムとを有し、
前記パッド調節器が、前記歯車システムに係合するように構成された第1の端部と、前記第1の端部から長さだけ遠位に分離されたパッド端部とを有し、前記長さが、第1の平面を画定し、前記パッド端部が、前記軸受を含む軸受パッドアセンブリに固定されたものであり、
前記軸受パッドアセンブリが、最も外側のシャフト端部を有する軸受パッドを含み、
前記原動機アセンブリが、第2の平面上で前記歯車システムと係合するものであって、前記第2の平面は、前記第1の平面と同一の広がりを持たない、
ガイド軸受システム。
【請求項10】
前記第1の平面が水平面であり、前記第2の平面が前記水平面に正接する、請求項9に記載のガイド軸受システム。
【請求項11】
前記軸受パッドアセンブリが、前記軸受パッドの裏側に係合しているスペーサを更に含み、前記スペーサが、前記パッド調節器の前記パッド端部を包囲する、請求項9に記載のガイド軸受システム。
【請求項12】
前記パッド調節器が、前記シャフトアセンブリの回転中心によって画定される半径方向平面に沿って前記軸受パッドを移動させるように構成されており、前記半径方向平面が、前記第1の平面と同一の広がりを持つ、請求項9に記載のガイド軸受システム。
【請求項13】
ウォームホイールに係合しているウォームねじを含む歯車システムであって、前記原動機アセンブリが、前記歯車システムに前記原動力を伝達するように構成されている、歯車システムと、前記歯車システムに係合しているパッド調節器と、裏側から遠位に配設されたシャフト側を有する前記軸受パッドを含む軸受パッドアセンブリであって、前記パッド調節器の前記パッド端部が前記軸受パッドアセンブリに係合する、軸受パッドアセンブリと、前記半径方向隙間の距離を含む距離信号を生成するように構成された近接センサと、を更に備える、請求項9に記載のガイド軸受システム。
【請求項14】
前記原動機と前記歯車システムとの間に配設され、かつ前記原動機及び前記歯車システムに係合している、機械的伝達機構アセンブリを更に備え、前記機械的伝達機構アセンブリが、前記原動機から前記歯車システムに前記原動力を伝達するように構成されている、請求項13に記載のガイド軸受システム。
【請求項15】
前記機械的伝達機構アセンブリが、チェーン及びスプロケット、円形ラック及びピニオン歯車並びにレバーアクション及び歯車からなる群から選択される、請求項14に記載のガイド軸受システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、個別のガイド軸受パッドを有する流体軸受に関し、より具体的には、水力発電産業で使用される流体軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
水力タービン発電機アセンブリは、再生可能資源を使用し、化石燃料を燃焼させることなく、電気エネルギーを生成する。タービンは、流水からの運動エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換する。タービンに接続されたシャフトは、発電機内のロータアセンブリに機械的エネルギーを伝達する。次いで、発電機は、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0003】
発電機は、ステータアセンブリ及びネストされたロータアセンブリを包囲する発電機ハウジングを含み得る。静止したステータアセンブリは、複数のコイルを含み得る。ロータアセンブリは、ステータアセンブリ内でステータコイルに対して回転するように構成された複数の磁石を含み得る。小さいエアギャップが、ロータアセンブリをステータアセンブリから分離する。シャフトは、タービンからの機械的エネルギーを伝達して、ロータアセンブリを回転させる。ロータアセンブリがスピンすると、静止したステータコイルを通過する磁石の移動により、コイル内で電流が誘導される。次いで、生成された電気は、更なる処理、貯蔵、又は分配のために伝達され得る。
【0004】
水力発電タービンアセンブリは、発電機の下方及び/又は上方に、シャフトに隣接して配設された流体ガイド軸受を有する傾向がある。スラスト軸受もまた、発電機の上方に配設され得る。ガイド軸受は、摩擦を低減し、動作時の回転シャフト運動を容易にし、故障事象時の横力に抵抗し、シャフトをシャフトハウジングの中心に位置付けるように構成された複数の別個のガイド軸受パッド(又は「シュー」)を含み得る。ガイド軸受パッドは、シャフトハウジング内に環状に配設され得る。シャフトが存在するとき、ガイド軸受パッドは、ガイド軸受パッドとシャフトとの間の半径方向ガイド軸受隙間を画定する。動圧流体(典型的には油又は水)を封じ込めるために、シャフトシールがガイド軸受パッドの下方及び上方に配設され得る。流体は、半径方向ガイド軸受隙間を含む、シャフトと、シャフトハウジングと、シャフトシールとの間の空間を充填する。理想的には、シャフトは、ガイド軸受パッドと回転シャフトとの間に環状に配設された流体の薄膜に対してスピンする。動作中、この流体薄膜は、通常、垂直力及び故障力に抵抗し、シャフトを中心に維持するために、パッドへのシャフトの相対運動によって大きく加圧される。しかしながら、実際には、半径方向ガイド軸受隙間の幅は、軸受システムの周囲温度に応じて著しく異なり得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示のいくつかの態様によれば、水力発電タービンアセンブリなどのタービンアセンブリのガイド軸受パッドとシャフトとの間の半径方向ガイド軸受隙間における変動の影響を軽減することができる方法、構造、及びコンピュータプログラム製品が、本明細書に記載される。
【0006】
いくつかの実施形態では、流体軸受を有する回転機械内での半径方向ガイド軸受隙間の距離変動に起因するシャフト振動の問題は、半径方向隙間を監視し、回転機械が作動している間、シャフトに対する1つ以上のガイド軸受パッドの位置を調節するように構成されたシステムによって軽減される。
【0007】
一態様では、可変ガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するための方法が提供される。一実施形態では、方法は、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間のベースライン半径方向隙間を測定することを含み得る。パッド調節器は、少なくとも1つのガイド軸受に係合され得る。パッド調節器は、伝達機構を介して少なくとも1つのガイド軸受と連通する原動機を含み得、パッド調節器は、半径方向隙間を調節する方向に少なくとも1つのガイド軸受をトラバースする原動機からの原動力によって作動させられる。方法は、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間偏差を測定することを更に含み得る。方法はまた、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を計算することも含む。いくつかの実施形態では、方法は、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を補償するように、原動機を作動させて少なくとも1つのガイド軸受を調節することを含む。いくつかの実施形態では、方法はコンピュータ実装方法である。
【0008】
本開示の別の態様では、ガイド軸受システムが提供される。一実施形態では、ガイド軸受システムは、半径方向隙間を調節する方向に少なくとも1つの軸受をトラバースするパッド調節器システムを含むことができる。半径方向隙間は、少なくとも1つの軸受パッドの最も外側のシャフト端部とシャフトアセンブリの最も外側の周縁部との間の寸法である。システムは、半径方向隙間における偏差を測定するためのセンサを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、ガイド軸受システムは、半径方向隙間を測定するセンサから距離信号を受信し、半径方向隙間における偏差を補償するように少なくとも1つの軸受をトラバースすることをパッド調節器システムに信号で合図するコントローラを含む。
【0009】
別の実施形態では、ガイド軸受システムは、歯車システムと、歯車システムに機械的に係合されたパッド調節器とを含み得る。パッド調節器は、歯車システムから遠位に配設されたパッド端部を有し得、パッド端部は軸受パッドに係合されている。ガイド軸受システムは、歯車システムに係合している原動機であって、シャフトの回転中心によって画定される半径方向平面上に配設された半径方向線と共線ではない、原動機、を更に含み得る。近接センサが、ガイド軸受パッドとシャフトとの間の半径方向隙間の距離を検出するように構成され得る。近接センサは、距離信号を生成し、距離信号を制御システムに送信する。いくつかの実施形態では、制御システムは、距離測定信号をプログラムされた範囲と比較し、距離測定信号がプログラムされた範囲に適合しない場合、制御システムは、調節信号を原動機に送信する。いくつかの実施形態では、原動機は、歯車システムウォーム駆動部と係合しており、歯車システムウォーム駆動部は、ウォームホイールに係合し、かつウォームホイールを回転させるように構成されている。ウォームホイールは、パッド調節器を回転させるように構成され得る。パッド調節器は、シャフトの回転中心によって画定される半径方向平面に沿ってガイド軸受パッドを移動させるように構成することができる。
【0010】
例示的なシステムの利点は、半径方向ガイド軸受隙間が、熱膨張するシャフトに応じて連続的に監視及び調節され得、それにより、最適な半径方向ガイド軸受隙間を回転機械の起動中及び動作全体にわたって維持し得ることであり得る。更に、半径方向ガイド隙間は、時折、動作中に変動状態に応じて急激に変化する。変動状態は、油圧外乱、電気故障、タービンブレーキを急に適用すること、タービンランナが大きい破片に遭遇すること、又は何らかの他の予定されていない動作事象から生じ得る。本明細書に記載される例示的なシステムの更なる利点は、上述の変動条件から別途生じ得る逆駆動に対する保護であり得る。
【0011】
パッド調節器の実際の又は潜在的な直線運動に対して非共線的に歯車システムに係合するように原動機を構成することによって、例示的なガイド軸受調節システムは、そうしなければ、軸受調節システムを損傷させるか、又はシャフト誘導の喪失をもたらし得る予期せぬ逆駆動に対して保護することが発見された。逆駆動はまた、回転構成要素と静止構成要素との間の間隙を閉じることもある。理論に束縛されるものではないが、非共線係合は、逆駆動力に打ち勝つために十分な反力を提供し得ると仮定される。ガイド軸受調節ボルトは、ガイド軸受パッドを半径方向に回転部品に向かって又はそれから離れる方向に調節し得る。理論に束縛されるものではないが、ウォーム駆動部及びウォームホイールサービスの配置順序は、ガイド軸受パッドからの逆駆動に対して原動機を保護することができると考えられる。一実施形態では、原動機は、安全チェックとして制御システムに冗長位置信号を提供する。
【0012】
別の態様では、可変ガイド軸受システムとタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するために上記の方法及び構造と共に用いることができる制御システムが提供される。一実施形態では、制御システムは、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の寸法に関するベースライン半径方向隙間値を記憶するためのメモリの少なくとも1つのモジュールを含み得る。制御システムは、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の測定された半径方向隙間偏差を受信するための受信機を含み得る。いくつかの実施形態では、制御システムは、補正半径方向隙間寸法を提供する際に、測定された半径方向隙間偏差をベースライン半径方向隙間値と比較するための命令セットを実行するためにハードウェアプロセッサを使用する補正半径方向隙間分析器を更に含み得る。制御システムは、半径方向隙間を調節する方向にその少なくとも1つのガイド軸受をトラバースするパッド調節器と通信する少なくとも1つの信号発生器を更に含む。
【0013】
更に別の態様では、可変ガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するための内部に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。一実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は非一時的である。コンピュータ可読プログラムコードは、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間のベースライン半径方向隙間を測定する工程を提供することができる。パッド調節器は、少なくとも1つのガイド軸受に係合され得る。パッド調節器は、伝達機構を介して少なくとも1つのガイド軸受と連通する原動機を含み得、パッド調節器は、半径方向隙間を調節する方向にその少なくとも1つのガイド軸受をトラバースする原動機からの原動力によって作動させられる。この方法は、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間偏差を測定することと、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を計算することと、を更に含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を補償するように、原動機を作動させて少なくとも1つのガイド軸受を調節することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上記は、同様の参照記号が異なる図の全てにわたって同じ部分を指す添付の図面に示されるように、本開示の例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかとなるであろう。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、開示された実施形態を説明する際に強調されている。
【0015】
図1】本開示の一実施形態による、半径方向ガイド軸受隙間における変動の影響を軽減するためにガイド軸受パッドの位置決めを調節するための方法を示す流れ図である。
図2】本開示の一実施形態による、明確にするために歯車箱カバーが除去された、例示的なガイド軸受調節システムの斜視図であり、タービンの少なくともシャフト、ガイド軸受パッド、シャフトの側壁とガイド軸受パッドとの間の半径方向隙間を描写している。
図3A】原動機と調節可能なガイド軸受との間の伝達機構としてチェーン及びスプロケットを含むガイド軸受調節システムのいくつかの実施形態の斜視図である。
図3B】原動機と調節可能なガイド軸受との間の伝達機構としてチェーン及びスプロケットを含むガイド軸受調節システムのいくつかの実施形態の斜視図である。
図4】原動機と調節可能なガイド軸受との間の伝達機構として円形ラック及びピニオンを含む例示的なガイド軸受調節システムの斜視図である。
図5】原動機と調節可能なガイド軸受との間の伝達機構としてレバーアクション及び歯車を含む例示的なガイド軸受調節システムの斜視図である。
図6】原動機と調節可能なガイド軸受との間の伝達機構として楔システムを含む例示的なガイド軸受調節システムの斜視断面図である。
図7】本開示による、半径方向ガイド軸受隙間における変動の影響を軽減するためにガイド軸受パッドの位置決めを調節するためのシステムの第1の実施形態を描写しているブロック図である。
図8】本開示の一実施形態による、図7に描写されているガイド軸受パッドの位置決めを調節するためのシステムを組み込むことができるシステムを示すブロック図である。
図9】距離信号の可能な信号経路を描写しているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、例示及び説明のみを目的として提示されるものであり、網羅的であることも、本発明の範囲及び趣旨を限定することも意図するものではない。実施形態は、本発明の原理及びその実用的な適用を最良に説明するように選択及び記載された。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明に多くの変形がなされ得ることは認識するであろう。
【0017】
対応する参照記号は、いくつかの図の全てにわたって対応する部分を示す。図面は、本開示による様々な特徴及び構成要素の実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺どおりではなく、特定の特徴は、本開示の実施形態をより良く例示するために誇張され得、そのような例示は、いかなる方法でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0018】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態は、必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含まなくてもよいことを示す。また、このような語句は、必ずしも同一の実施形態を指しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して記載されるとき、他の実施形態に関連したそのような特徴、構造、又は特性に影響を及ぼすことは、明示的に記載されているか否かに関わらず、当業者の知識の範囲内である。
【0019】
以下の説明において明確にするために具体的な用語が使用されるが、これらの用語は、図面内で説明するために選択された実施形態の特定の構造のみを指すことを意図するものであり、本開示の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。
【0020】
単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈から単数であることが明確に読み取れる場合を除き、対象の複数形も含まれるものとする。数値は、それと同じ数の有効数字に低減されると同じになる数値と、値を決定するための本出願に記載されている種類の従来の測定技術の実験誤差未満で記載値と異なる数値と、を含むことを理解されたい。
【0021】
本明細書に開示される全ての範囲は、列挙された端点を含み、独立して組み合わせ可能である(例えば、「2グラム~10グラム」の範囲は、端点である2グラム及び10グラム、並びに全ての中間値を含む。
【0022】
本明細書で使用するとき、近似の語法は、変動し得る任意の定量的表現をそれに関連する基本機能に変化をもたらすことなく修飾するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されなくてよい。修飾語「約」はまた、2つの端点の絶対値によって画定される範囲も開示すると考えられるべきである。例えば、「約2~約4」の表現はまた、「2~4」の範囲も開示する。
【0023】
本明細書で使用される用語の多くは、相対的な用語であることに留意されたい。例えば、用語「上側」及び「下側」は、位置において互いに対して相対的であり、すなわち、上側構成要素は、所与の配向において下側構成要素より高い高度に位置するが、これらの用語は、デバイスが反転されると変化し得る。用語「入口」及び「出口」は、所与の構造に関してそれらを通って流れる流体に対して相対的であり、例えば、流体は、入口を通って構造に流入し、出口を通って構造から流出する。用語「上流」及び「下流」は、流体が様々な構成要素を通って流れる方向に対して相対的であり、すなわち、流体の流れは、下流構成要素を通る前に上流構成要素を通る。
【0024】
用語「水平」及び「垂直」は、絶対基準、すなわち、地表面に対して相対的な方向を示すために使用される。しかしながら、これらの用語は、互いに対して絶対的に平行又は絶対的に直角である構造を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、第1の垂直構造及び第2の垂直構造は、必ずしも互いに平行であるとは限らない。用語「頂部」及び「底部」又は「基部」は、絶対基準、すなわち、地球の表面に対して頂部が常に底部/基部よりも高くなる位置/表面を指すために使用される。用語「上向き」及び「下向き」もまた、絶対基準に対して相対的であり、上向きの流れは、常に地球の重力に逆らっている。
【0025】
用語「直接に」は、バルブ若しくはポンプ、又は他の制御デバイス、若しくはセンサ(例えば、温度又は圧力)など、2つのシステム構成要素を指すために使用されるとき、第1の構成要素及び第2の構成要素が、この2つの構成要素の界面において、バルブ若しくはポンプ、又は他の制御デバイス、若しくはセンサ(例えば、温度又は圧力)など、任意の中間構成要素なしに接続されることを意味する。
【0026】
水力発電タービンアセンブリは、発電機の下方及び/又は上方に、シャフトに隣接して配設された流体ガイド軸受を有する傾向がある。ガイド軸受は、摩擦を低減し、動作時の回転シャフト運動を容易にし、故障事象時の横力に抵抗し、シャフトをシャフトハウジングの中心に位置付けるように構成された複数の別個のガイド軸受パッド(又は「シュー」)を含み得る。ガイド軸受パッドは、典型的には、シャフトハウジング内に環状に配設され、ガイド軸受パッドは、ガイド軸受パッドとシャフトとの間の半径方向ガイド軸受隙間を画定する。動圧流体(典型的には油又は水)を封じ込めるために、シャフトシールがガイド軸受パッドの下方及び上方に配設され得る。流体は、半径方向ガイド軸受隙間を含む、シャフトと、シャフトハウジングと、シャフトシールとの間の空間を充填する。理想的には、シャフトは、ガイド軸受パッドと回転シャフトとの間に環状に配設された流体の薄膜に対してスピンする。この流体薄膜は、通常、垂直力及び故障力に抵抗し、シャフトを中心に維持するために、パッドへのシャフトの相対運動によって大きく加圧される。
【0027】
しかしながら、半径方向ガイド軸受隙間の幅は、軸受システムの周囲温度に応じて著しく異なり得ることが明らかになっている。すなわち、「低温」シャフトは、動作温度に熱膨張した「高温」シャフトよりも広い隙間を作り出す。半径方向ガイド軸受隙間は、システム試運転中に1回設定される。半径方向ガイド軸受隙間の手動測定及び調節は、面倒で時間がかかり、また機械がオフラインである間に行われなければならない。
【0028】
補償するために、機器供給元は、タービンが通常の動作条件で一貫して稼働しているときに、シャフトの熱膨張を評価し、許容可能な「高温」半径方向ガイド軸受隙間に膨張するようにシャフトのサイズを合わせる。したがって、供給元は、典型的には、別個のガイド軸受パッドの間に低温シャフトを設置する。これにより、「高温」半径方向ガイド隙間よりも一般的に広く、同心性の低い(流体薄膜での最適以下の流れ条件に起因する)「低温」半径方向ガイド隙間がもたらされる。起動後、シャフトは、シャフト温度が動作温度と等しくなるまで徐々に温まり、最終的に膨張する。これにより、熱膨張したシャフトは、より狭い、より同心性の高い「高温」半径方向ガイド軸受隙間を画定する。
【0029】
より大きい半径方向隙間が存在する起動期間中、流体の膜圧は、排出されたダム水がタービンに及ぼす横力に抵抗するのに十分ではない。それにより、可変の横力は、シャフトに沿ってタービン及びロータを揺動させ、その結果、潜在的にシステムを危険にさらす振動、摩耗を誘起する又は損傷を誘起するシャフトとガイド軸受パッドとの間の直接的な接触、及び不要なアラーム又はトリップを頻繁にもたらす。トリップは、振動がプログラムされた閾値を超えると、タービンを停止させるが、アラームは、異常なシステム状態を単に警告するだけである。システムを動作状態にするために、機器所有者は、多くの場合、アラーム及び自動停止プロトコルを無効にする。
【0030】
このような理由で、タービンを起動することには危険が伴い得ることが明らかになっている。近くの操作員は自身を安全リスクにさらし、タービン-発電機アセンブリは損傷するリスクがある。極端な場合、ルーズフィッティングシャフト(lose-fitting shaft)は、ロータアセンブリが、ステータアセンブリに接触し、ロータ極、ステータコア、及びステータ巻線を本質的に破壊することを可能にし得る。振動もまた、他の内部発電機構成要素を弱化させるか、又はそれに疲労破壊を引き起こし得る。運転者又は据付者が、起動時のトリップを防止するためにアラーム閾値及びトリップ閾値を上昇させると、運転者又は据付者は、重大な問題を適時に検出して、システムを停止し、壊滅的な故障を回避することができない場合がある。
【0031】
したがって、長年にわたって解決されていない、起動中の半径方向隙間の変動によって引き起こされる問題を軽減する必要性が存在する。更に、半径方向ガイド隙間は、時折、動作中に変動状態に応じて急激に変化する。変動状態は、油圧外乱、電気故障、タービンブレーキを急に適用すること、タービンランナが大きい破片に遭遇すること、又は何らかの他の予定されていない動作事象から生じ得る。
【0032】
本明細書に記載される方法、構造、及びコンピュータプログラム製品によれば、流体軸受を有する回転機械におけるシャフト振動の問題は、ガイド軸受と、ガイド軸受が周囲に位置付けられているシャフトとの間の半径方向隙間を監視し、回転機械が作動している間、シャフトに対する1つ以上のガイド軸受パッドの位置を調節するように構成されたシステムによって軽減される。例示的なシステムの利点は、半径方向ガイド軸受隙間が、熱膨張するシャフトに応じて連続的に監視及び調節され得、それにより、最適な半径方向ガイド軸受隙間を回転機械の起動中及び動作全体にわたって維持し得ることであり得る。
【0033】
本開示に記載されるシステムのいくつかの実施形態の更なる利点は、半径方向ガイド軸受隙間の変動条件から別途生じ得る逆駆動に対する保護であり得る。逆駆動は、シャフトアセンブリがガイド軸受パッドと予想外に接触すると生じる。接触力は、ガイド軸受パッド及び任意の直線調節ボルトをシャフトの回転中心から後方(すなわち半径方向外側)に駆動するのに十分であり得る。逆駆動力により、これらの先行特許出願及び実用新案に開示されている静的調節機構は正常に機能しなくなるであろう。逆駆動されたガイド軸受パッドは、パッドの逆駆動されたシャフト側とシャフトとの間に大きくて不均一な間隙を作り出し、これは、シャフトアセンブリを急速に不安定にし、即時のシステムシャットダウンを必要とし得る。
【0034】
本開示の方法及びシステムは、ここで、図1図9を参照してより詳細に説明される。
【0035】
図1は、本開示の一実施形態による、半径方向ガイド軸受隙間における変動の影響を軽減するためにガイド軸受パッド210、410、510、610、710の位置決めを調節するための方法を示す流れ図である。図2図6は、図1を参照して説明した方法と組み合わせて使用することができる例示的なガイド軸受調節システム1000a、1000b、1000c、1000d、1000eを示す。図7及び図8は、図1図6に示される構造及び方法と共に使用する制御システム1100のいくつかの実施形態を示す。
【0036】
図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。いくつかの代替の実装では、ブロックに記載された機能は、図に記載された順序から外れて行われてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は時には、関与する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャート図における各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能若しくは行動を実行するか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0037】
図1のブロック1を参照すると、一実施形態では、可変ガイド軸受293、493、593、693、793とタービンのシャフト220、420、520、620、720との間の半径方向隙間を維持するための方法は、少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710とタービンのシャフト220、420、520、620、720との間のベースライン半径方向隙間を測定することを含むことから始まり得る。タービンは、水力発電タービンであり得る。しかしながら、本開示の方法、システム、及び構造は、この実施例のみに限定されない。本明細書に記載される方法、構造及びシステムは、ガイド軸受を用いる任意のタービンシステムに適用可能である。
【0038】
本明細書で使用するとき、「半径方向隙間」は、少なくとも1つの軸受パッドの最も外側のシャフト端部211とシャフトアセンブリの最も外側の周縁部(シャフト220)との間の寸法である。半径方向隙間は、図2において参照番号215によって示されており、半径方向隙間の寸法はDによって識別される。図3A図6では、半径方向隙間は、参照番号415、515、615、715によって識別される。本明細書に記載されるシステムでの半径方向隙間は、連続的に測定され、「ベースライン半径方向隙間」と比較され得る。いくつかの実施形態では、ベースライン半径方向隙間と測定された半径方向隙間との差は、可変ガイド軸受293が最適化された隙間を提供するように調節され得る差動を提供する。ベースライン半径方向隙間は、タービンの動作モードを考慮し得る。例えば、ベースライン隙間は、タービンの起動時、タービンが低温であるとき、タービンが高温であるとき、及びそれらの要因の組み合わせの場合で異なり得る。ベースライン半径方向隙間はまた、タービンの動作時間など、タービンの異なる動作考慮事項も考慮し得る。
【0039】
図7を参照すると、ベースライン半径方向隙間1102は、可変ガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するために、制御システム1100のメモリ1101に記憶され得る。半径方向隙間を測定するセンサから距離信号を受信し、半径方向隙間における偏差を補償するように少なくとも1つの軸受、例えば、可変ガイド軸受293、493、593、693、793をトラバースすることをパッド調節器245、445、645、745に信号で合図する制御システム1100はまた、コントローラとも称され得る。一実施形態では、制御システム1110は、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の寸法に関するベースライン半径方向隙間値を記憶するためのメモリの少なくとも1つのモジュール1102を含み得る。
【0040】
ベースライン半径方向隙間値は、図8に示すように、ユーザインターフェースアダプタ150を介して制御システム1110とインターフェース接続する運転者によって制御システム1100に入力され得る。この例では、タービンの運転者は、少なくとも1つの入力デバイス152、153、156からベースライン半径方向隙間の値を入力し得る。少なくとも1つの入力デバイス152、154、156は、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、及び/又はタービンに固有のコンピュータなど、任意のコンピューティングデバイスであり得る。
【0041】
入力デバイス152、154、156は、無線接続を介してユーザインターフェースアダプタ150と接続され得、又は入力デバイス152、154、156は、ユーザインターフェースアダプタ150との電気的導通にハードワイヤードされ得る。
【0042】
ベースライン半径方向隙間は、起動中に、又はデバイスがオフラインである間にタービンから手動で測定される値であり得、タービンが動作中である間の測定値も考慮し得る。
【0043】
いくつかの他の実施形態では、制御システム1100は、半径方向隙間の履歴測定値、半径方向隙間のリアルタイム測定値、及び半径方向隙間の製造者提案値のうちの少なくとも1つを考慮してベースライン半径方向隙間を調節するために機械学習を採用し得る。機械学習アルゴリズムは、タスクを実行するように明示的にプログラムされることなく予測又は決定を行うために、「訓練データ」として知られるサンプルデータに基づいて数学的モデルを構築する。この場合、訓練データアルゴリズムを提供するために、履歴測定値が動作条件と共に用いられ得、その後、リアルタイムデータを使用してベースライン半径方向隙間を更新するために、この訓練データアルゴリズムを用いることができる。
【0044】
図1を参照すると、方法は、ブロック2において、パッド調節器システムを少なくとも1つのガイド軸受293に係合させることを続けて行い得る。ガイド軸受パッド210は、好ましくは、低い摩擦係数を有する材料で作製されることに加えて、耐油性又は水材料で作製される。一実施形態では、少なくとも1つのガイド軸受293は、スズホワイトメタルライニングを有する鋼の軸受パッド210を含み得る。ホワイトメタルライニングは、スズベースのバビットであってもよい。スズベースのバビットは、80%超のスズ合金を含有する材料である。材料はまた、より少ない割合のアンチモン、鉛、及び銅を含有し得る。
【0045】
パッド調節器システムのいくつかの実施形態を図2図6に示す。以下に記載される実施形態のそれぞれにおいて、パッド調節器システムは、少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710に接続されているパッド調節器245、445、645に伝達機構を介して連通している原動機230を含み得る。パッド調節器245、445、645、745は、原動機230からの原動力によって作動させることができ、半径方向隙間を調節する方向にその少なくとも1つの上記ガイド軸受パッド210、410、510、610、710をトラバースする。例えば、原動機230は、速度を制御しながらモータがいずれかの方向、すなわち、2つの対向する方向、に回転することを可能にする双方向モータなどのモータであり得る。一実施例では、原動機230のモータが第1の方向に移動しているとき、パッド調節器システムは、半径方向隙間を増加させるように少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710を移動させ得、原動機230のモータが第2の方向(第1の方向とは反対)に移動しているとき、パッド調節器システムは、半径方向隙間を減少させるように少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710を移動させ得る。
【0046】
図2は、明確にするために歯車箱カバーが除去された、例示的なガイド軸受調節システム1000aの斜視図である。例示的なガイド軸受調節システム1000aは、支持リング207に係合している複数のリブ203を含む軸受支持構造体202上に配設され得る。支持リング207は、「ブラケット」として知られることがある。従来は、締結具が、静的ガイド軸受パッドを支持リング207に固定した。
【0047】
図2に示す実施形態では、パッド調節器245は、調節ボルトであれば、ガイド軸受パッド210に係合するように支持リング207を通って延在する。しかしながら、パッド調節器245は、全ての実施形態において、支持リング207を必ずしも通過する必要はないことが企図される。リブ203及び支持リング207の両方は、プラットフォーム201上に配設され得る。
【0048】
原動機230は、歯車箱242によって表される歯車システム241に、パッド調節器245の長さLに対して非共線状に係合している。より具体的には、原動機230のモータは、駆動シャフト236の周囲に配設された1つ以上の駆動シャフト歯車238を有する駆動シャフト236に接続されている。駆動シャフト歯車238は、参照番号242を有する歯車箱によって表される歯車システム241の主動歯車246に係合している。この実施例では、パッド調節器システムの伝達機構は、駆動シャフト236、駆動シャフト歯車238、及び歯車システム241の主動歯車246(ウォーム歯車240であり得る)のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
図示の実施形態では、パッド調節器の長さLは、パッド調節器245の実際の又は潜在的な直線運動に対応する。いくつかの実施形態では、パッド調節器245の実際の又は潜在的な直線運動に対して非共線的に歯車システム241に係合するように原動機230を構成することによって、例示的なガイド軸受調節システム200は、そうしなければ、軸受調節システムを損傷させるか、シャフト誘導の喪失をもたらすか、又は回転構成要素と静止構成要素との間の間隙を閉じ得る予期せぬ逆駆動に対して保護する。理論に束縛されるものではないが、非共線係合は、逆駆動力に打ち勝つために十分な反力を提供し得る。
【0050】
原動機アセンブリ234は、歯車箱242によって表される歯車システム241に、パッド調節器245の長さLに対して非直線状に係合している。原動機アセンブリ234は、原動機230と、原動機230に係合された駆動シャフト236と、駆動シャフト236の周囲に配設された1つ以上の駆動シャフト歯車238とを含み得る。図2では、駆動シャフト歯車238はウォームねじ235である。駆動シャフト歯車238は、駆動シャフト歯車238の周囲に接線方向に配設された第2の平面223に沿って主動歯車246に係合する。
【0051】
図示の実施形態では、パッド調節器245の長さLは、パッド調節器245の実際の又は潜在的な直線運動に対応する。パッド調節器245の長さLは更に、パッド調節器245の第1の端部243をパッド調節器245のパッド端部247から離間する。図2に示すように、パッド調節器245の第1の端部243は、ガイド軸受パッド210から最も遠い、パッド調節器245の端部であり、一方、パッド調節器245のパッド端部245は、ガイド軸受パッド210の裏側212に最も近い、パッド調節器245の端部である。
【0052】
パッド調節器245の長さLは更に、第1の平面227を画定する。パッド調節器245は、長さLの周囲でのパッド調節器245の回転(回転中心C)をもたらすねじ山を有する。パッド調節器245の長さLは、図2において水平方向に沿って延在する。第1の平面227は、図2において水平面である。第2の平面223は、第1の平面227と共線ではない。図2では、第2の平面は、第1の平面223と直角に交差する垂直平面である。第2の平面227上に配設された駆動シャフト歯車238を介して歯車システム241に係合するように原動機アセンブリ234を構成することであって、第2の平面227が第1の平面223と共線ではない、ことにより、例示的なガイド軸受調節システム200は、そうしなければ軸受調節システムを損傷させ得る予期せぬ逆駆動に対して保護するように構成されることが発見された。例えば、パッド調節器245は、パッド調節器245の長さに平行な水平軸を中心に回転され得、一方、原動機230に係合された駆動シャフト236は、垂直軸を中心に回転され、駆動シャフト歯車238が主動歯車246に係合している。
【0053】
図2に示される実施形態の一実施例では、原動機230は、ウォームねじ235(駆動シャフト歯車238を提供する)に係合している。ウォームねじ235は、歯車箱242内のウォームホイール240(主動歯車246を提供する)に接線方向に係合している。ウォームホイール240は、パッド調節器245の周囲に配設されている。原動機230が起動されると、原動機230はウォームねじ235を回転させる。続いて、ウォームねじ235は、ウォームホイール240をウォームホイールの回転中心Cの周囲で回転させる。更に、ウォームホイール240は、パッド調節器245上のねじ山244と係合し、それにより、ウォームホイールの円運動を直線運動に変換する。パッド調節器245は、ガイド軸受パッド210の裏側212に直接係合し得る。しかしながら、他の例示的な実施形態では、1つ以上の要素が、パッド調節器245のパッド端部247とガイド軸受パッド210の裏側212との間に配設され得る。例えば、図示の実施形態では、スペーサ253がパッド端部247を取り囲み、締結具248がスペーサ253をガイド軸受パッド210の裏側212に係合している。スペーサ253は、パッド調節器245をガイド軸受パッド210に係合するように構成された締結具インターフェースプレート又は他のデバイスであり得る。他の実施形態では、スペーサ253は、ガイド軸受パッド210に一体化され得る。
【0054】
図2では、ガイド軸受パッド210はスペーサ253及び締結具248と共に軸受パッドアセンブリ213を構成する。他の例示的な実施形態では、軸受パッドアセンブリ213は、軸受パッド210と、パッド調節器245をガイド軸受パッド210に係合するように構成された構造体とを含み得る。
【0055】
更に、図示の実施形態では、パッド調節器245は調節ボルトであるが、シャフト220の回転中心Cによって画定される半径方向平面に沿ってガイド軸受パッド210の位置を調節するように構成された他のデバイスが本開示の範囲内であると考えられることは理解されるであろう。同様に、原動機230は、モータ、油圧アクチュエータ、電気ステッパ、又は歯車システム241を作動させるように構成された別のデバイスを含み得ることは理解されるであろう。加えて、歯車システムの動力伝達機能は、代わりに、歯車、ラック、ピニオン、ベルト、プーリ、及びチェーンを含むがこれらに限定されない、動力伝達ソリューションの組み合わせによって提供することができる。この保護的な逆駆動防止機能は、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0206530号に開示されているものなどの特殊な連結か、又は原動機230が動いていないときに係合されるロック機構か、又はガイド軸受力への持続的な磁気抵抗を提供するように原動機230が設計されることに、置換することができる。
【0056】
図3A図6は、パッド調節器システムを含むガイド軸受調節のためのシステム1000b、1000c、1000d、1000eの代替の例示的な実施形態である。図2に示される実施形態の少なくとも1つの実施例では、各ガイド軸受パッド210は、独自のパッド調節器システムを含み、このパッド調節器システムは、個々の原動機アセンブリ230によって作動されるパッド調節器245を含み得、個々の伝達機構により個々の原動機アセンブリ230がパッド調節器245に接続される。図2に示される実施形態では、伝達機構は、駆動シャフト236、駆動シャフト歯車238、及び歯車システム241の主動歯車246(ウォーム歯車240であり得る)のうちの少なくとも1つを含み得る。図3A図6に示される実施形態では、原動機アセンブリは、各ガイド軸受パッド210に対する各パッド調節器445、645、745に個別に係合してはいない。図3A図6に示される実施形態では、単一の原動機アセンブリを2つ以上のパッド調節器445、645、745に接続することができるリンク機構部材483、583、683、783を含む伝達機構が提供される。これらの実施例では、リンク機構部材483、583、683は、より少ない原動機アセンブリが、複数の可変ガイド軸受パッド210、410、510、610、710を作動させることを可能にすることができる。特定の例示的な実施形態では、1つの原動機アセンブリが、リンク機構部材483、583、683、783、及びリンク機構部材483、583、683、783からパッド調節器445、645、745に機械的力を伝達する歯車システム441、474、541、641、649、741を介して全てのガイド軸受パッド210を移動させるように構成され得る。
【0057】
図3A及び図3Bは、リンク機構部材483が原動機から歯車システム441に原動力を伝達するように構成されたチェーン473を含む、ガイド軸受調節のためのシステム1000bのチェーン駆動された実施形態を示す。チェーン473は、原動機に機械的に係合している。チェーン473はまた、複数のスプロケット歯車474にも機械的に係合しており、チェーン473及び複数のスプロケット歯車473は、歯車システム441を提供する。軸受パッド調節システム1000bは、可変ガイド軸受パッド410を調節して、半径方向隙間を調節することができる。リンク機構部材483を提供する歯車システム441とチェーン473との組み合わせは、半径方向隙間を調節するようにガイド軸受パッド410を移動させるための原動機及びパッド調節器445を接続する伝達機構を提供する。図3Aにおいて参照番号410によって識別されるガイド軸受パッドは、図2において参照番号210によって識別されるガイド軸受パッドと同様であることに留意されたい。したがって、参照番号210によって識別される軸受パッドの説明は、参照番号410によって識別される軸受パッドを説明するのに適している。半径方向隙間は、シャフト420の外側周縁部471と軸受パッド410の最も外側の表面416との間にある。
【0058】
図示の例示的な実施形態では、歯車システム441は、チェーン473に係合するための歯を有するスプロケット歯車474、及びパッド調節器445に係合されたウォームホイール440上のねじ山を含む。各スプロケット歯車474は、ウォームホイール440に係合している。スプロケット歯車474は、原動力をウォームホイール440に伝達する。ウォームホイール440は、ウォームホイール440の回転運動をパッド調節器445の直線運動に変換するように、パッド調節器445上のねじ山444に係合している。パッド調節器445は、パッド端部447から遠位に配設された第1の端部443を含む。パッド端部447は、ガイド軸受パッド410に係合している。図3A及び図3Bに示すように、パッド調節器445の第1の端部443は、ガイド軸受パッド410から最も遠い、パッド調節器445の端部であり、一方、パッド調節器445のパッド端部445は、ガイド軸受パッド410の裏側412に最も近い、パッド調節器445の端部である。
【0059】
図4は、リンク機構部材583が、ピニオン歯車540に螺合係合にある円形ラック567を含む、例示的な軸受パッド調節システム1000cを示す。軸受パッド調節システム1000cは、可変ガイド軸受パッド510を調節して、半径方向隙間を調節することができる。円形ラック567及びピニオン歯車540は、原動機からパッド調節器に原動力を伝達する伝達機構を提供することができ、パッド調節器は、ガイド軸受パッド510の背面512に原動力を加える。ピニオン歯車540は、パッド調節器(図示せず)と螺合係合にあり得る。図4において参照番号510によって識別されるガイド軸受パッドは、図2において参照番号210によって識別されるガイド軸受パッドと同様であることに留意されたい。したがって、参照番号210によって識別される軸受パッドの説明は、参照番号510によって識別される軸受パッドを説明するのに適している。半径方向隙間は、シャフト520の外側周縁部571と軸受パッド510の最も外側の表面516との間にある。
【0060】
原動機、例えば、モータは、円形ラック567に係合している。続いて、円形ラック567は、シャフトアセンブリ570の周囲に環状に配列された複数のピニオン歯車540に係合しており、各ピニオン歯車540は、ガイド軸受パッドアセンブリ513に係合するように構成された軸受調節器に係合している。シャフトアセンブリ570は、水力発電タービンのシャフトであり得る。ガイド軸受パッドアセンブリ513は、図2に示されるガイド軸受パッドアセンブリ213と同様である。ガイド軸受パッドアセンブリ513は、スペーサ553、及びガイド軸受パッド510への締結具を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、原動機は、円形ラック567を回転させ、円形ラック567は、原動力をピニオン歯車540、続いて、軸受調節器(パッド調節器)に伝達する。軸受調節器は、ガイド軸受アセンブリ513に係合しており、それによって、シャフトの回転中心Cから延在する半径方向線に沿って均一にガイド軸受パッド510の位置を調節する。シール519は、水又は油などの潤滑剤が間隙515から漏出するのを防ぐために、ガイド軸受パッドに隣接して配設され得る。
【0062】
図5は、リンク機構部材683がレバーアクション678を含む、例示的な軸受調節システム1000dを示す。軸受パッド調節システム1000dは、可変ガイド軸受パッド610を調節して、半径方向隙間を調節することができる。レバーアクション678は、可変ガイド軸受パッド610のそれぞれに対応するウォームホイール649及びピニオン歯車640を含む歯車システム641と接触しているアーム679を含み得る。レベルアクション(level action)678のアーム679は、ウォームホイール649と直接連通している。ウォームホイール649は、ピニオン歯車640と螺合係合にあり得る。ピニオン歯車640は、パッド調節器645に係合されている。軸受パッド調節システム1000dは、可変ガイド軸受パッド610を調節して、半径方向隙間を調節することができる。レバーアクション678は、レバーリンク677を更に含み得る。レバーリンク677は、アーム679のそれぞれを接続する。ウォームホイール649及びピニオン歯車640と接続している、レバーアクション678のレバーリンク677及びアーム679は、原動機によって生成された原動力(motive for)をパッド調節器645に伝達する伝達機構を提供することができ、パッド調節器645は、可変ガイド軸受パッド610に接続されている。ピニオン歯車640は、パッド調節器(図示せず)と螺合係合にあり得る。図5において参照番号610によって識別されるガイド軸受パッドは、図2において参照番号210によって識別されるガイド軸受パッドと同様であることに留意されたい。したがって、参照番号210によって識別される軸受パッドの説明は、参照番号610によって識別される軸受パッドを説明するのに適している。半径方向隙間は、シャフト620の外側周縁部671と軸受パッド610の最も外側の表面616との間にある。
【0063】
原動機、例えば、モータは、レバーアクション678に係合している。続いて、レバーアクション678は、シャフトアセンブリ670の周囲に環状に配列された複数のピニオン歯車640に係合しており、各ピニオン歯車640は、ガイド軸受パッドアセンブリ613に係合するように構成された軸受調節器に係合している。シャフトアセンブリ670は、水力発電タービンのシャフトであり得る。ガイド軸受パッドアセンブリ613は、図2に示されるガイド軸受パッドアセンブリ213と同様である。ガイド軸受パッドアセンブリ613は、スペーサ653、及びガイド軸受パッド610への締結具を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、原動機は、レバーアクション678を回転させ、レバーアクション678は、原動力をピニオン歯車640、続いて、軸受調節器(パッド調節器645)に伝達する。軸受調節器645は、ガイド軸受アセンブリ613に係合しており、それによって、シャフトの回転中心Cから延在する半径方向線に沿って均一にガイド軸受パッド610の位置を調節する。シール619は、水又は油などの潤滑剤が間隙615から漏出するのを防ぐために、ガイド軸受パッドに隣接して配設され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、原動機は、レバーアクション678に係合している。他の例示的な実施形態では、レバーアクション678は、調節が望まれないときにウォームホイール649を係合解除するように構成することができる。
【0066】
図6は、ガイド軸受パッド710の裏側712の全周にわたる摩擦に依存して任意の1つ又はいくつかのガイド軸受パッド710での逆駆動に抵抗する楔システム789をリンク機構部材783が含む、別の例示的な軸受調節システム1000eを示す。図6に示される実施形態では、パッド調節器システムの伝達機構は楔システム789である。軸受パッド調節システム1000eは、可変ガイド軸受パッド710を調節して、半径方向隙間を調節することができる。図6において参照番号710によって識別されるガイド軸受パッドは、図2において参照番号210によって識別されるガイド軸受パッドと同様であることに留意されたい。したがって、参照番号210によって識別される軸受パッドの説明は、参照番号710によって識別される軸受パッドを説明するのに適している。ガイド軸受パッド710は、ガイド軸受パッドアセンブリ713の構成要素である。ガイド軸受パッドアセンブリ713は、図2に示されるガイド軸受パッドアセンブリ213と同様である。ガイド軸受パッドアセンブリ713は、スペーサ753、及びガイド軸受パッド610への締結具を含み得る。半径方向隙間は、シャフト720の外側周縁部771とガイド軸受パッド710の最も外側の表面716との間にある。
【0067】
原動機、例えば、モータは、レバーアクション778に係合している。続いて、レバーアクション778は、シャフトアセンブリ770の周囲に環状に配列されたガイド軸受パッド710の背面712に係合している。より具体的には、楔システム789のテーパ部が、ガイド軸受パッド710の背面712に接続されているスペーサ753と、パッド調節器245のパッド端部247との間に挿入されている。パッド調節器745のパッド端部747と、ガイド軸受パッド710の背面712に接続されているスペーサ753との間で摺動される楔システム789のテーパ部の寸法が大きいほど、ガイド軸受パッド710がシャフト720の外側周縁部716に向かって移動させられる距離は大きくなる。原動機は、レバーアクション778を回転させ、レバーアクション778は、原動力をガイド軸受パッド710に伝達する。楔システム789は複数のガイド軸受パッド710を同時に作動させ得ることに留意されたい。軸受調節器745と、ガイド軸受アセンブリ613のガイド軸受パッド710の背面712に接続されたスペーサ753との間に位置付けられている楔システム789は、それによって、シャフトの回転中心Cから延在する半径方向線に沿って均一にガイド軸受パッド710の位置を調節する。
【0068】
シール719は、水又は油などの潤滑剤が間隙715から漏出するのを防ぐために、ガイド軸受パッドに隣接して配設され得る。
【0069】
再び図1を参照すると、方法は、ブロック3において、少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710とタービンのシャフト220、420、520、620、720との間の半径方向隙間偏差を測定することを更に含み得る。半径方向隙間偏差は、タービンの動作及び非動作に関して任意の時間に測定され得る。例えば、タービンが動作中でないときに低温測定が行われ得、タービンが機能しているときに高温測定が行われ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、近接センサが、半径方向隙間の測定を行い得る。それらの測定値は、図1に示す方法のブロック1において設定されるベースライン半径方向隙間に由来する半径方向隙間からの偏差、すなわち、それとの差、を判定するために用いられ得る。用語「近接センサ」は、わずかに異なる名前を有する異なる技術を指すために使用されてもよいが、全てが、距離、又は近接度を示す信号(デジタル、アナログ、又は機械的)をもたらすセンサである。本開示の方法、構造、及びシステムに適している近接センサの一実施形態は、図2において参照番号205によって識別される。いくつかの実施形態では、図2に示すように、ガイド軸受パッド側面216上で、近接センサ205のセンサ端部が、ガイド軸受調節システム内に配設される。任意のそのような置換が、本開示の範囲内であると考えられる。他の例示的な実施形態では、近接センサは、原動機230から直接生成される正確な位置フィードバック信号の方を選んで省略され得る。
【0071】
例として、近接センサ205は、ガイド軸受パッド210内に配設され得、シャフトアセンブリ270に面するセンサ端部を有し得る。しかしながら、他の例示的な実施形態では、近接センサ205は、ガイド軸受パッド210上に、又はガイド軸受パッド210の上方に、下方に、若しくはそれに隣接して配置され得る。近接センサ205は、軸受パッドアセンブリ213の最も外側の表面216とシャフトアセンブリ270の最も外側の周縁部271との間の半径方向隙間215の距離Dを測定するように構成されている。半径方向隙間215は、典型的には、ガイド軸受パッドのシャフト側211とシャフト220との間の空間である。この半径方向隙間215は、水又は油などの潤滑剤217で充填されるように構成されている。すなわち、図2では、軸受パッドアセンブリ213の最も外側の表面216は、ガイド軸受210のシャフト側211であり、シャフトアセンブリ270の最も外側の周縁部271は、シャフト220の周縁部である。
【0072】
したがって、半径方向隙間215は、シャフト側211とシャフト220との間の距離Dである。しかしながら、他の例示的な実施形態では、シャフトアセンブリ270は、シャフト220の周囲に配設された1つ以上のスリーブを更に含み得る。スリーブ又は他の物体がガイド軸受パッド210のシャフト側211とシャフト220との間に配設されるとき、半径方向隙間が、軸受パッドアセンブリ213の最も外側の表面216とシャフトアセンブリ270の最も外側の周縁部271との間の距離Dであることは理解されるであろう。
【0073】
図2にある軸受調節システム1000aに対して参照番号205によって識別される近接センサの説明は、図3A図6に示される軸受調節システム1000b、1000c、1000d、1000eに対して用いることができる近接センサの説明を提供するために等しく適用可能であることに留意されたい。図3A図6に示されている実施形態のそれぞれでは、近接センサは、近接センサが図2に示されるガイド軸受パッドアセンブリ213に組み込まれるのと同様に、ガイド軸受パッドアセンブリ413、513、613、713に組み込まれ得る。より具体的には、近接センサは、ガイド軸受パッド410、510、610、710上に、又はガイド軸受パッド410、510、610、710の上方に、下方に、若しくはそれに隣接して配設され得る。近接センサは、軸受パッドアセンブリ413、513、613、713の最も外側の表面416、516、616、716とシャフトアセンブリ470、570、670、770の最も外側の周縁部471、571、671、771との間の半径方向隙間415、515、616、715の距離を測定するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、近接センサ205は、誘導性渦電流センサである。誘導性「渦電流」センサは、センサ面と導電性「ターゲット」、例えば、シャフトアセンブリ270の最も外側の周縁部271との間の距離に比例するアナログ電圧を出力するように設計されている。動作中、駆動体は、プローブ内の巻線コイルをRF信号で励起する。一実施例では、RF信号は、約1MHzである。プローブ内のコイルは、振動電磁場を生成する。この場に交差している任意の導電性材料は、その表面に誘導された「渦電流」を有することになる。渦電流は、独自の電磁場を生成する。コイル場と渦電流場との間の相互作用により、コイル内にインピーダンスの変化が生じ、その大きさは、2つの場の間、又はプローブとターゲット表面との間の距離に基づく。駆動体は、コイルのインピーダンスを監視し、プローブとターゲット表面との間の距離に比例する線形アナログ電圧を出力する。
【0075】
図1を参照すると、方法は、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を更に計算するブロック4を続けて行い得る。いくつかの実施形態では、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差の計算は、制御システム1100によって提供され、これは、補正半径方向隙間分析器1104を含むことができる。図7及び図8は、半径方向ガイド軸受隙間における変動の影響を軽減するためにガイド軸受パッド210、410、510、610、710の位置決めを調節するための制御システム1100の一実施形態を示す。制御システム1100はまた、コントローラとも称され得る。
【0076】
制御システム1100は、図2図6を参照して上述してきたパッド調節器システムと通信する。例えば、制御システム1110は、無線通信又はハードワイヤード通信のいずれかによって、図2において参照番号230によって識別される原動機など、原動機と通信し得る。例えば、制御システム1100は、半径方向隙間を調節する方向にその少なくとも1つの上記ガイド軸受パッド210、410、510、610、710をトラバースするパッド調節器システムと通信する少なくとも1つの信号発生器1106を含み得る。一実施形態では、少なくとも1つの信号発生器1106は、原動機230と通信する。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御システム1100は、少なくとも1つのガイド軸受パッド210、410、510、610、710とタービンのシャフト270との間の測定された半径方向隙間偏差を受信するための受信機1103を含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、制御システム1100は、補正半径方向隙間寸法を提供する際に、測定された半径方向隙間偏差をベースライン半径方向隙間値と比較するための命令セットを実行するためにハードウェアプロセッサ1105を使用する補正半径方向隙間分析器1104を更に含み得る。本明細書で使用するとき、用語「ハードウェアプロセッササブシステム」又は「ハードウェアプロセッサ」は、1つ以上の特定のタスクを実行するように協働するプロセッサ、メモリ、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを指すことができる。有用な実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、1つ以上のデータ処理要素(例えば、論理回路、処理回路、命令実行デバイスなど)を含むことができる。1つ以上のデータ処理要素は、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、及び/又は別個のプロセッサ若しくはコンピューティング要素ベースのコントローラ(例えば、論理ゲートなど)に含めることができる。ハードウェアプロセッササブシステムは、1つ以上のオンボードメモリ(例えば、キャッシュ、専用メモリアレイ、読み取り専用メモリなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッササブシステムは、オン若しくはオフボードであってもよく、又はハードウェアプロセッササブシステム専用であってもよい、1つ以上のメモリ(例えば、ROM、RAM、基本入力/出力システム(BIOS)など)を含むことができる。
【0079】
より具体的には、制御システム1110は、半径方向隙間で測定されたデータを近接センサ205から受信し、このデータは、タービンが高温若しくは低温であるとき、及び/又はタービンがオフライン若しくは稼働中であるときなどに測定することができる。次に、制御システム1110は、補正半径方向隙間分析器1104を用いて、近接センサ205からの半径方向隙間で測定されたデータを、図1に示す方法の工程1で以前に判定されたベースライン半径方向隙間と比較する。ベースライン半径方向隙間値は、制御システム1100のメモリ1101に記憶され得、ベースライン半径方向隙間のためのモジュール1102内に提供することができる。いくつかの実施形態では、補正半径方向隙間分析器1104は、ベースライン半径方向隙間と測定された半径方向隙間との間の差が、パッド調節器システムによって作動される半径方向隙間の補正から可変ガイド軸受のシステムが利益を得られ得る半径方向隙間偏差となるのに十分大きな偏差であるか否かを判定する。補正が好適であるか否かを判定するために、補正半径方向分析器は、半径方向隙間偏差の解を計算する際に、ハードウェアプロセッサ1105によって作動される複数の規則を用い得る。
【0080】
図7に示される制御システム1110の構成要素のそれぞれは、システムバス102を介して相互接続され得る。
【0081】
図7に示されるシステム又はマシン(例えば、デバイス)のうちのいずれかは、そのシステム又はマシンについて本明細書に記載される機能のうちの1つ以上を実行するように修正された(例えば、アプリケーション、オペレーティングシステム、ファームウェア、ミドルウェア、又は他のプログラムのうちの1つ以上のソフトウェアモジュールなどのソフトウェアによって構成又はプログラムされた)専用(例えば、特殊化された、ないしは別の方法で非一般的な)コンピュータであるか、それを含むか、又はそれに別の方法で実装され得る。例えば、本明細書に記載される方法論のうちのいずれか1つ以上を実装することが可能な専用コンピュータシステムが、図1図6に関して上述されており、したがって、そのような専用コンピュータは、本明細書で論じられる方法論のうちのいずれか1つ以上を実行するための手段であり得る。このような専用コンピュータの技術分野の中で、本明細書で論じられる機能を実行するように、本明細書で論じられる構造によって修正された専用コンピュータは、本明細書で論じられる構造を欠く、ないしは他の方法で本明細書に論じられる機能を実行することができない、他の専用コンピュータと比較して、技術的に改善される。したがって、本明細書で論じられるシステム及び方法に従って構成された専用マシンは、同様の専用マシンの技術に改善をもたらす。
【0082】
制御システム1100は、図8に示される処理システム1200に統合され得る。処理システム1200は、システムバス102を介して他の構成要素に動作可能に連結された少なくとも1つのプロセッサ(CPU)104を含む。キャッシュ106、読み取り専用メモリ(ROM)108、ランダムアクセスメモリ(RAM)110、入力/出力(I/O)アダプタ120、サウンドアダプタ130、ネットワークアダプタ140、ユーザインターフェースアダプタ150、及びディスプレイアダプタ160が、システムバス102に動作可能に連結されている。複数の構成要素が有するバス102相互接続が、本明細書で説明される。
【0083】
図8に示される処理システム1200は、I/Oアダプタ120によってシステムバス102に動作可能に連結されている第1の記憶デバイス122及び第2の記憶デバイス124を更に含み得る。記憶デバイス122及び124は、ディスク記憶デバイス(例えば、磁気又は光ディスク記憶デバイス)、ソリッドステート磁気デバイスなどのいずれかであり得る。記憶デバイス122及び124は、同じタイプの記憶デバイスであっても、異なるタイプの記憶デバイスであってもよい。
【0084】
スピーカ132は、サウンドアダプタ130によってシステムバス102に動作可能に連結されている。トランシーバ142は、ネットワークアダプタ140によってシステムバス102に動作可能に連結されている。ディスプレイデバイス162は、ディスプレイアダプタ160によってシステムバス102に動作可能に連結されている。
【0085】
第1のユーザ入力デバイス152、第2のユーザ入力デバイス154、及び第3のユーザ入力デバイス156は、ユーザインターフェースアダプタ150によってシステムバス102に動作可能に連結されている。ユーザ入力デバイス152、154、及び156は、キーボード、マウス、キーパッド、画像キャプチャデバイス、動き感知デバイス、マイクロフォン、上記のデバイスのうちの少なくとも2つの機能を組み込んだデバイスなどのいずれかであり得る。当然ながら、本発明の趣旨を維持しながら、他のタイプの入力デバイスも使用することができる。ユーザ入力デバイス152、154、及び156は、同じタイプのユーザ入力デバイスであっても、異なるタイプのユーザ入力デバイスであってもよい。ユーザ入力デバイス152、154、及び156は、処理システム1200に対して情報の入出力を行うために使用される。
【0086】
当然ながら、処理システム1200はまた、当業者によって容易に想到されるように、他の要素(図示せず)を含んでもよく、また特定の要素を省略してもよい。例えば、当業者によって容易に理解されるように、処理システム400には、その特定の実装に応じて、様々な他の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含めることができる。例えば、様々なタイプの無線及び/又は有線の入力及び/又は出力デバイスを使用することができる。更に、当業者によって容易に理解されるように、様々な構成における、追加のプロセッサ、コントローラ、メモリなども利用することができる。処理システム1200のこれら及び他の変形例は、本明細書で提供される本発明の教示を考慮すれば当業者によって容易に想到される。
【0087】
再び図1のブロック5を参照すると、いくつかの実施形態では、方法は、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を補償するように、原動機を作動させて少なくとも1つのガイド軸受を調節することを含む。
【0088】
図9は、距離信号355の可能な信号経路を描写しているフローチャートであり、距離信号355は、半径方向隙間を測定する際に近接センサ205によって測定される。動作中、近接センサ205は、半径方向隙間215、415、515、615、715の距離Dを測定して距離信号355を生成する。次いで、近接センサ305は、距離信号355を分析するように構成されている制御システム1100に距離信号355を送信する。制御システム1100は、物理的に様々な形態をとり得、例として、一体化された電力及び信号デバイス、又は互いに接続された別個の電力及び信号処理デバイスを含み得る。制御システム1100は、デジタル又はアナログであり得、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)論理又はリレー論理によって制御され得る。例示的な実施形態では、制御システム1100は、距離信号355の値をプログラムされた範囲357と比較する補正半径方向隙間分析器1104を含む。プログラムされた範囲357は、制御システム1100のメモリ43に記憶されることができるベースライン半径方向隙間のためのモジュール内に記憶された値を含み得る。次いで、制御システム1100は、距離信号355がプログラムされた範囲357と異なる(例えば、その中の要素ではない)場合、調節信号362を原動機230に送信することができる。一実施形態では、距離信号355がプログラムされた範囲357を超える場合、調節信号362は、ガイド軸受パッド210、410、510、610、710をシャフト220、420、520、620、720に向けて方向付ける。一実施形態では、距離信号355がプログラムされた範囲357を超えない場合、調節信号362は、ガイド軸受パッド210、410、510、610、710をシャフト220、420、520、620、720から後退させる。特定の例示的な実施形態では、パッド調節器245、445、645、745は、調節信号362に応答して、シャフト220、420、520、620、720の回転中心Cによって画定される半径方向平面に沿ってガイド軸受パッド210、410、510、610、710を移動させるように構成されている。他の例示的な実施形態では、パッド調節器245、445、645、745は、調節信号362に応答してガイド軸受パッド220、420、520、620、720のピッチを調節し得る。例示的なガイド軸受調節システムの構成要素は、望ましくは、耐油性材料で作製される。
【0089】
例示的な実施形態では、原動機230は、制御システム1100に冗長位置信号を提供して、半径方向ガイド軸受パッド210、410、510、610、710の位置を確認する。
【0090】
本発明は、任意の可能な技術的詳細レベルの集積でのシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、可変ガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間を維持するための方法を提供することができる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は媒体)を含み得る。例えば、本開示は、内部に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータ可読プログラムコードは、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間のベースライン半径方向隙間を測定する工程を提供することができる。パッド調節器は、少なくとも1つのガイド軸受に係合され得る。パッド調節器は、伝達機構を介して少なくとも1つのガイド軸受と連通する原動機を含み得、パッド調節器は、半径方向隙間を調節する方向にその少なくとも1つのガイド軸受をトラバースする原動機からの原動力によって作動させられる。この方法は、少なくとも1つのガイド軸受とタービンのシャフトとの間の半径方向隙間偏差を測定することと、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を計算することと、を更に含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、半径方向隙間偏差とベースライン半径方向隙間との差を補償するように、原動機を作動させて少なくとも1つのガイド軸受を調節することを含む。
【0091】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスで使用する命令を保持及び記憶することができる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は上記の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは以下のものを含む:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード又は命令を記録された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、及び上記の任意の好適な組み合わせ。本明細書で使用するとき、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が、電波若しくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号など、一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0092】
本明細書に記載されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、及び/若しくは無線ネットワークを介して外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0093】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、SMALLTALK、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語若しくは同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード若しくはオブジェクトコードのいずれか、であり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつリモートコンピュータ上で部分的に、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行し得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又はこの接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラム可能な論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む、電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによってコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0094】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書に記載される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることは理解されるであろう。
【0095】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを生成し得、その結果、命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行され、フローチャート及び/又はブロック図のブロックに指定された機能/行動を実装するための手段を作り出す。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、その結果、内部に命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図のブロックに指定された機能/行動の態様を実装する命令を含んでいる製造物品を含む。
【0096】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で一連の動作工程を実行させ得、その結果、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロックに指定された機能/行動を実装する。
【0097】
可変ガイド軸受の好ましい実施形態(例示的であり、限定することは意図していない)について説明してきたが、上記の教示に照らして当業者により修正及び変形が行われ得ることに留意されたい。したがって、開示された特定の実施形態において、添付の特許請求の範囲によって概説されるように本発明の範囲内にある変更がなされてもよいことを理解されたい。特許法によって要求される詳細及び特殊性と共に、本発明の態様についてこのように説明してきたが、特許証によって保護される特許請求の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9