(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-24
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】まつげエクステンション用人工毛の装着方法
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A41G5/02
(21)【出願番号】P 2021079981
(22)【出願日】2021-05-10
【審査請求日】2021-05-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519354049
【氏名又は名称】株式会社オリーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【氏名又は名称】前田 健壱
(72)【発明者】
【氏名】堀部 有紀
【審査官】柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-109220(JP,A)
【文献】特開2020-007663(JP,A)
【文献】特開2012-092491(JP,A)
【文献】特開2021-014657(JP,A)
【文献】特開2020-020073(JP,A)
【文献】特開2015-105447(JP,A)
【文献】特開2021-063308(JP,A)
【文献】特開2019-094588(JP,A)
【文献】特開2018-127725(JP,A)
【文献】特開2020-041230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本のまつ毛に装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、
2本以上の人工毛から構成されるまつげエクステンション用人工毛の基端部に
水分を吸収することにより硬化が進行する接着剤が付着される人工毛接着剤付着工程と、
前記人工毛接着剤付着工程により前記まつげエクステンション用人工毛
に付着された前記接着剤がまつ毛の上部に接触される
ことにより、まつ毛上部に付着された該接着剤がまつ毛下部に回り込みまつ毛全周に付着される人工毛接着剤まつ毛上部接触工程と、
該人工毛接着剤まつ毛上部接触工程により接触された前記まつげエクステンション用人工毛が前記まつ毛の上部から離される人工毛まつ毛離し工程と、
該人工毛まつ毛離し工程により離された前記まつげエクステンション用人工毛が1本のまつ毛の下部に貼付される人工毛まつ毛下部貼付工程と、を有し、
該人工毛まつ毛下部貼付工程により貼付される前記まつげエクステンション用人工毛は、
前記人工毛接着剤まつ毛上部接触工程により前記まつげエクステンション用人工毛に付着された前記接着剤が
まつ毛に含まれる水分を吸収することにより硬化進行を急速に促進され、前記人工毛まつ毛離し工程により前記まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離されている間に前記まつげエクステンション用人工毛に付着された前記接着剤を仮硬化状態に近づけられているので、複数本のまつ毛に貼付され難くなる
とともに1本のまつ毛に強い吸着力で貼り付けられ、さらに、前記人工毛まつ毛離し工程により前記まつげエクステンション用人工毛が前記まつ毛の上部から離されるので、前記まつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤が硬化する間に発生する揮発性物質の目への影響を少なくできることを特徴とするまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項2】
前記人工毛接着剤付着工程により接着剤が付着されるまつげエクステンション用人工毛の基端部の最大幅は、0.05mm~1.5mmであることを特徴とする請求項1記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項3】
前記人工毛まつ毛下部貼付工程により前記まつげエクステンション用人工毛が貼付される1本のまつ毛は、前記人工毛接着剤まつ毛上部接触工程により前記まつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分が接触されたまつ毛であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1本のまつ毛に装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、1本のまつ毛に装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法が知られている。この種のまつげエクステンション用人工毛の装着方法として、まつげエクステンション用人工毛の基端部に付着させた接着剤がまつ毛のカールの内側に接触された後に、そのまつげエクステンション用人工毛の基端部をまつ毛の付根側に向けて移動させることにより、まつげエクステンション用人工毛がまつ毛に固定されるというものであった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
まつげエクステンション用人工毛は、その基端部に接着剤を付着させてまつ毛に装着されるが、そのまつげエクステンション用人工毛の基端部に付着された接着剤は、まつ毛に含まれる水分と接触されることにより、揮発性物質を発生させながら硬化進行が急速に促進されるものである。しかしながら、従来のまつげエクステンション用人工毛の装着方法では、まつげエクステンション用人工毛の基端部に付着された接着剤がまつ毛のカールの内側に接触された後に、まつげエクステンション用人工毛の基端部をまつ毛の付根側に向けて移動させてまつ毛に固定するものであるので、接着材が硬化進行段階中のまつげエクステンション用人工毛がまつ毛に長い時間継続して接触されることになり、その間にまつげエクステンション用人工毛の基端部に付着されている硬化進行中の接着剤が左右のまつ毛に付着されることがあった。特に、2本以上の人工毛から構成されるまつげエクステンション用人工毛の基端部は横幅が少し長くなるので、左右のまつ毛に付着されやすくなる。このように、まつげエクステンション用人工毛の基端部の接着剤が左右のまつ毛に付着されると、そのまつげエクステンション用人工毛に付着されている複数本のいずれかのまつ毛が抜けた場合、その抜けたまつ毛がまつげエクステンション用人工毛に垂れ下がった状態となり、その垂れ下がったまつ毛の付け根が眼球に接触することにより、眼球が傷つけられるという問題が生じる。また、接着材が硬化進行段階中のまつげエクステンション用人工毛がまつ毛と長い時間継続して接触されると、その間目の近くでまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤から揮発性物質が発生することになるので、まつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤から発生した揮発性物質が目に染みるなど目に好ましくない影響を与えるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、2本以上の人工毛から構成されるまつげエクステンション用人工毛がまつ毛に装着される場合でも、眼球が傷つけられることを防止できるとともに、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質の目への影響を少なくすることができるまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、1本のまつ毛に装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、2本以上の人工毛から構成されるまつげエクステンション用人工毛の基端部に水分を吸収することにより硬化が進行する接着剤が付着される人工毛接着剤付着工程と、人工毛接着剤付着工程によりまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤がまつ毛の上部に接触されることにより、まつ毛上部に付着された接着剤がまつ毛下部に回り込みまつ毛全周に付着される人工毛接着剤まつ毛上部接触工程と、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程により接触されたまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離される人工毛まつ毛離し工程と、人工毛まつ毛離し工程により離されたまつげエクステンション用人工毛が1本のまつ毛の下部に貼付される人工毛まつ毛下部貼付工程と、を有し、人工毛まつ毛下部貼付工程により貼付されるまつげエクステンション用人工毛は、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程によりまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤がまつ毛に含まれる水分を吸収することにより硬化進行を急速に促進され、人工毛まつ毛離し工程によりまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離されている間にまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤を仮硬化状態に近づけられているので、複数本のまつ毛に貼付され難くなるとともに1本のまつ毛に強い吸着力で貼り付けられ、さらに、人工毛まつ毛離し工程によりまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離されるので、まつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤が硬化する間に発生する揮発性物質の目への影響を少なくできることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、まつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分がまつ毛の上部に接触された後に、まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離されることにより、そのまつ毛の上部から離されている間にまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤がある程度硬化されるので、まつげエクステンション用人工毛が1本のまつ毛の下部に貼付された後、まつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤が早期に硬化される。これにより、まつげエクステンション用人工毛が左右のまつ毛に付着される可能性を少なくすることができ、まつげエクステンション用人工毛が複数本のまつ毛に貼付され難くできる。また、まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離されている間は、目の近くでまつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤から揮発性物質が発生することにならないので、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質が目の近くで発生する時間を最小限に抑えることができ、目に染みるなど揮発性物質の目への影響を少なくすることができる。
【0008】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、人工毛接着剤付着工程により接着剤が付着されるまつげエクステンション用人工毛の基端部の最大幅は、0.05mm~1.5mmであることを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、人工毛接着剤付着工程により接着剤が付着されるまつげエクステンション用人工毛の基端部の最大幅は0.05mm~1.5mmであるので、まつげエクステンション用人工毛に付着させた接着剤が左右のまつ毛に付着され難くすることができる。これにより、1つのまつげエクステンション用人工毛に複数本のまつ毛が付着され難くなるので、眼球が傷つけられ難くなる。
【0010】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1の態様または第2の態様に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、人工毛まつ毛下部貼付工程によりまつげエクステンション用人工毛が貼付される1本のまつ毛は、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程によりまつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分が接触されたまつ毛であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程によりまつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分がまつ毛に接触されることにより、まつげエクステンション用人工毛に付着された接着剤がまつ毛の上部のみならず、そのまつ毛の全周を覆うように付着されることになる。そして、人工毛まつ毛下部貼付工程により、その全周を覆うように接着剤が付着された1本のまつ毛にまつげエクステンション用人工毛が貼付されるので、まつげエクステンション用人工毛がその1本のまつ毛に強い接着力で貼り付けられ、まつげエクステンション用人工毛をその1本のまつ毛に長期間貼り付けることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、2本以上の人工毛から構成されるまつげエクステンション用人工毛がまつ毛に装着される場合でも、眼球が傷つけられることを防止できるとともに、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質の目への影響を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に用いられるまつげエクステンション用人工毛の平面図である。
【
図2】同まつげエクステンション用人工毛の装着方法のフローチャートである。
【
図3】(a)同まつげエクステンション用人工毛の基端部に接着剤が付着されている状態を示す図である。 (b)同まつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分をまつ毛の上部に接触させている状態を示す図である。(c)同まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部に接触されている部分の拡大図である。
【
図4】(a)同まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離される状態を示す図である。 (b)同まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の下部に貼付されている状態を示す図である。 (c)同まつげエクステンション用人工毛がまつ毛の下部に貼付される部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に用いられるまつげエクステンション用人工毛について、図面を参照しながら説明する。ここで、
図1は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に用いられるまつげエクステンション用人工毛の平面図である。
【0015】
図1に示すように、まつげエクステンション用人工毛1は、人工毛束部2と、人工毛本体部3を有している。
【0016】
人工毛束部2は、6本の人工毛4の基端部が束ねられ、その束ねられた6本の人工毛4の基端部が人工毛固着接着剤により固着されている部分である。この人工毛4は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を主な材質として、長さが10mm、最大径が0.05mmの大きさから構成され、後述するまつ毛6の直径より小さく形成されている。そして、エクステンション用人工毛1の基端部の人工毛束部2の最大幅(横幅)は、略0.09mmの大きさで構成されている。なお、本実施形態では、6本の人工毛4の基端部が束ねられて人工毛束部2が構成されたが、これに限らず、2本~10本(好ましくは、4本~6本)などの2本以上の人工毛4の基端部が束ねられて人工毛束部2が構成されるようにしてもよい。また、本実施形態では、人工毛4の主な材質をポリブチレンテレフタレート樹脂としたが、これに限らず、ナイロン等の化学繊維または天然繊維などを主な材質としてもよい。また、本実施形態では、人工毛4の長さを10mm、最大径を0.05mmしたが、これに限らず、人工毛4の長さを7mm~14mm(好ましくは、8mm~12mm(より好ましくは、9mm~11mm))で、人工毛4の最大径を0.03mm~0.25mm(好ましくは、0.05mm~0.12mm(より好ましくは、0.05mm~0.07mm))としてもよい。さらに、本実施形態では、まつげエクステンション用人工毛1の基端部の人工毛束部2の最大幅を略0.09mmとしたが、これに限らず、最大幅を0.05mm~1.5mm(好ましくは、0.05mm~0.4mm(より好ましくは、0.09mm~0.3mm))としてもよい。
【0017】
人工毛本体部3は、人工毛束部2から突出している6本の人工毛4から構成されている。この6本の人工毛4は、人工毛本体部3の基端部側では束となって纏まっているが、先端に向かって扇形に広がった形状で形成されている。
【0018】
次に、まつげエクステンション用人工毛の装着方法について
図2を用いて説明する。ここで、
図2は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に用いられるまつげエクステンション用人工毛の装着方法のフローチャートである。
【0019】
まず、S1において、人工毛接着剤付着工程が実施される。この人工毛接着剤付着工程では、6本の人工毛4から構成されるまつげエクステンション用人工毛1の基端部(人工毛束部2部分)に接着剤が付着される。具体的には、ピンセット5(ツイザー)を用いて、まつげエクステンション用人工毛1の縦方向中間部分を挟み持ち上げ、まつげエクステンション用人工毛1の基端の部分(人工毛束部2の基端から2mm~3mm)に接着剤が接触されることにより、まつげエクステンション用人工毛1の基端部(人工毛束部2部分)に接着剤が付着される(
図3(a)参照)。ここで、
図3(a)は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の基端部に接着剤が付着されている状態を示す図である。ここで、接着剤は、グルーと呼ばれる一般的に使用される瞬間強力接着剤のことである。また、本実施形態では、人工毛束部2の基端から2mm~3mmの部分に接着剤を付着させたが、これに限らず、人工毛束部2の基端から2mm~5mm(好ましくは、2mm~4mm(より好ましくは、2mm~2.5mm))の部分に付着させてもよい。さらに、本実施形態では、ピンセット5を用いて、まつげエクステンション用人工毛1の縦方向中間部分を挟み持ち上げられたが、これに限らず、まつげエクステンション用人工毛1の基端(人工毛束部2の基端)からまつげエクステンション用人工毛1の縦方向長さの2/5~3/5(好ましくは、2/5~1/2)の部分を挟み持ち上げるようにしてもよい。
そして、S2に進む。
【0020】
S2において、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程が実施される。この人工毛接着剤まつ毛上部接触工程では、まつげエクステンション用人工毛1の接着剤付着部分がまつ毛6の上部に接触される。具体的には、まつげエクステンション用人工毛1の縦方向中間部分をピンセット5で挟んで持ち上げられた状態で、まつげエクステンション用人工毛1の接着剤付着部分(人工毛束部2部分)をまつ毛6上部に沿って先端方向に向けて移動させながら接触される(
図3(b)および
図3(c)参照)。このように、まつげエクステンション用人工毛1の基端部(人工毛束部2部分)に付着された接着剤がまつ毛6の上部において先端方向に移動させながら接触されることにより、まつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤がまつ毛6の上部のみならず、そのまつ毛6の長手方向全周を覆うように付着されることになるとともに、まつげエクステンション用人工毛1の基端部に付着された接着剤にまつ毛6に含まれる水分が吸収されるので、まつげエクステンション用人工毛1の基端部に付着された接着剤の硬化進行を急速に促進されることができる。ここで、
図3(b)は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛の接着剤付着部分をまつ毛の上部に接触させている状態を示す図であり、
図3(c)はまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部に接触されている部分の拡大図である。なお、本実施形態では、まつげエクステンション用人工毛1をまつ毛6上部に沿ってまつ毛6の先端方向に向けて移動させたが、これに限らず、まつげエクステンション用人工毛1を先端方向に向けて移動させずに、まつ毛6に接触させてもよい。このように、まつげエクステンション用人工毛1を先端方向に向けて移動させずにまつ毛6に接触させた場合でも、まつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤がまつ毛6の全周を覆うように付着される。そして、S3に進む。
【0021】
S3において、人工毛まつ毛離し工程が実施される。この人工毛まつ毛離し工程では、人工毛接着剤まつ毛上部接触工程(S2)によりまつ毛6の上部に接触されたまつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離される(
図4(a)参照)。このように、まつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離れることにより、まつ毛6の上部から離されている間にまつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤が硬化され、仮硬化状態に近づけることができる。また、まつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離されている間は、目の近くでまつげエクステンション用人工毛1に付着されている接着剤から揮発性物質が発生しない状態にすることができる。ここで、
図4(a)は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の上部から離される状態を示す図である。そして、S4に進む。
【0022】
S4において、人工毛まつ毛下部貼付工程が実施される。この人工毛まつ毛下部貼付工程では、人工毛まつ毛離し工程(S3)によりまつ毛6上部から離されたまつげエクステンション用人工毛1が1本のまつ毛6の下部に貼付される(
図4(b)および
図4(c)参照)。具体的には、まず1本のまつ毛6にまつげエクステンション用人工毛1が貼付されやすくするために、ピンセット7(ツイザー)を用いて、まつげエクステンション用人工毛1の貼付対象となるまつ毛6の左右のまつ毛6が左右に分けられ、まつげエクステンション用人工毛1の貼付対象となるまつ毛6がその左右のまつ毛6と少し離される。ここで、ピンセット7は、ピンセット5が持たれている手(右手又は左手)と異なる手(左手又は右手)で持たれる。そして、人工毛まつ毛離し工程(S3)によりまつ毛6の上部から離されたまつげエクステンション用人工毛1が1本のまつ毛6の下部に貼付される(
図4(b)および
図4(c)参照)。このように、人工毛まつ毛離し工程(S3)により接着剤が付着されたまつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離されている間にまつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤が硬化され、仮硬化状態に近づけられているので、まつげエクステンション用人工毛1に付着されている接着剤は、まつげエクステンション用人工毛1が1本のまつ毛6の下部に貼付されてから早期(1秒~3秒等)に仮硬化されることにより、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質が目の近くで発生する時間を最小限に抑えることができ、目に染みるなど揮発性物質の目への影響を少なくすることができるとともに、まつげエクステンション用人工毛1が貼付対象となるまつ毛6の左右のまつ毛6に貼付され難くすることができる。また、まつげエクステンション用人工毛1の貼付対象となる1本のまつ毛6には長手方向全周を覆うように接着剤が付着されているので、まつげエクステンション用人工毛1がその1本のまつ毛6に強い接着力で貼り付けられ、まつげエクステンション用人工毛1をその1本のまつ毛6に長期間貼り付けることができる。さらに、本実施形態では、エクステンション用人工毛1の基端部(人工毛束部2部分)の最大幅が略0.09mmで構成されているので、まつげエクステンション用人工毛1に付着させた接着剤が左右のまつ毛6に付着され難くすることができる。ここで、
図4(
b)は本発明の一実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の下部に貼付されている状態を示す図であり、
図4(c)はまつげエクステンション用人工毛がまつ毛の下部に貼付される部分の拡大図である。そして、S5に進む。
【0023】
S5において、まつ毛6に貼付されるまつげエクステンション用人工毛1が他に存在するかが判断される。そして、「YES」と判断された場合は、「NO」と判断されるまで、S1→S2→・・S5の処理が繰り返し実施され、「NO」と判断されることにより、「エクステンション用人工毛の装着方法」が終了する。
【0024】
以上説明したように、本実施形態におけるまつげエクステンション用人工毛1の装着方法によれば、まつげエクステンション用人工毛1の接着剤付着部分がまつ毛6の上部に接触された後に、まつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離されることにより、そのまつ毛6の上部から離されている間にまつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤が硬化され、仮硬化状態に近づけられるので、まつげエクステンション用人工毛1が1本のまつ毛6の下部に貼付された後、まつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤が早期に硬化される。これにより、まつげエクステンション用人工毛1を左右のまつ毛6に付着される可能性を少なくでき、まつげエクステンション用人工毛1が複数本のまつ毛6に貼付され難くできる。また、まつげエクステンション用人工毛1がまつ毛6の上部から離されている間は、目の近くでまつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤から揮発性物質が発生することにならないので、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質が目の近くで発生する時間を最小限に抑制させることができ、目に染みるなど揮発性物質の目への影響を少なくすることができる。また、エクステンション用人工毛1の基端部の最大幅が略0.09mmであるので、1つのまつげエクステンション用人工毛1に複数本のまつ毛6が付着され難くなり、眼球が傷つけられ難くすることができる。
【0025】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。さらに本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
1 まつげエクステンション用人工毛
2 人工毛束部
3 人工毛本体部
4 人工毛
5 ピンセット
6 まつ毛
7 ピンセット
【要約】 (修正有)
【課題】眼球が傷つけられることを防止できるとともに、接着剤が硬化する際に発生する揮発性物質の目への影響を少なくすることができるまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供する。
【解決手段】まつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤をまつ毛6の上部に接触させた後に、そのまつ毛6の上部から離されたまつげエクステンション用人工毛1を1本のまつ毛6の下部に貼付させるので、まつげエクステンション用人工毛1に付着された接着剤を早期に硬化させることができ、まつげエクステンション用人工毛1が左右のまつ毛に貼付され難くすることができる。
【選択図】
図4