(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/00 20060101AFI20220128BHJP
B09C 1/10 20060101ALI20220128BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
C12N1/00 R ZNA
B09C1/10 ZAB
C12N1/20 A
(21)【出願番号】P 2017065031
(22)【出願日】2017-03-29
【審査請求日】2019-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 幹
(72)【発明者】
【氏名】荒木 希和子
(72)【発明者】
【氏名】川村 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 静郎
(72)【発明者】
【氏名】門倉 伸行
(72)【発明者】
【氏名】村上 順也
(72)【発明者】
【氏名】河村 大樹
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-025172(JP,A)
【文献】特開2006-314858(JP,A)
【文献】特開2009-166027(JP,A)
【文献】特開2014-061489(JP,A)
【文献】第71回土木学会年次学術講演会講演概要集,2016年,pp.1381-1382
【文献】Applied Biochemistry and Biotechnology,2011年,Vol.164,pp.1071-1082
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00
B09C 1/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未発酵資材を含む有機資材に石油を分解可能な細菌を植菌し培養する工程を含む石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法
であって、
前記細菌が、ゴルドニア属(Gordonia)及び/又はロドコッカス属(Rhodococcus)の細菌であり、
前記未発酵資材が、大豆かす及びピートモスからなる群から選択される少なくとも1種である、方法。
【請求項2】
前記有機資材中のC/N比が10~30である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記未発酵資材が前記有機資材中に60質量%以上含まれる、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の製造方法により製造された汚染土壌の浄化用組成
物を石油汚染土壌に添加する工程を含む石油汚染土壌の浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法、石油汚染土壌の浄化用組成物、及び石油汚染土壌の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油を運搬する際の事故や工場からの漏洩などに起因する「石油系炭化水素による土壌汚染」が従来から問題となっており、法整備や漏洩対策が進められている。石油系炭化水素汚染土壌対策の法律としては、まずアメリカが1980年に「スーパーファンド法」を制定した。この法律では土壌汚染に関わった当事者全てに浄化費用等の負担を求め、土壌中の全石油系炭化水素(TPH)濃度を1,000 mg/kg以下にすることが義務付けられている。
【0003】
日本では2002年に「土壌汚染対策法」が制定されたが、石油系炭化水素汚染への対策が十分に整っていないことを理由に石油を汚染物質の対象としていなかった。その後、2006年に「油汚染対策ガイドライン~鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方~」が発表され、石油系炭化水素汚染土壌の浄化では「油臭・油膜の解消」と「土壌中の油分濃度の低減」が必要となった。さらに、2010年4月からは「土壌汚染対策法」の改正により汚染土壌の運搬が制限され、できる限り原位置で汚染土壌を浄化することが求められるようになった。
【0004】
現在、石油系炭化水素汚染土壌の浄化には主に重油を利用した焼却処理や加熱分解処理が行われている。これらの方法では、まず汚染土壌を掘り起こし、処理場まで運搬しなければならない。しかしながら、土壌汚染対策法の改正により汚染土壌の運搬が制限されることとなったため、本処理方法は適さなくなった。また、焼却処理では汚染油分の10倍もの燃料が必要となり、石油価格によってコストが大きく変動するという課題がある。さらに、焼却後の土壌は微生物を含め有機物がなくなることから、土壌の再利用が難しい。
【0005】
そこで近年、微生物機能により汚染を浄化するバイオレメディエーション(bioremediation)の研究が進んでいる。バイオレメディエーションは焼却処理や洗浄処理に比べて省資源であり、土壌が再利用できる利点がある。さらに、原位置で土壌を浄化できることから、今後の土壌汚染対策法の改正で更なる普及が見込まれる。バイオレメディエーションには、微生物の栄養分を投与して土着の微生物を活性化するバイオスティミュレーション(biostimulation)と、汚染物質の分解能を有する微生物を外部から投入するバイオオーグメンテーション(bioaugmentation)がある。
【0006】
本発明者らは、これまでに石油汚染土壌のバイオレメディエーションの効率化のために、難分解性の炭化水素を分解できる石油分解菌の単離を行った(特許文献1)。また、特定の組成を有する培地を用いて前培養及び本培養を行うことにより、高分解機能を有する高活性なバイオレメディエーション用の微生物製剤を得ることができることを報告している(特許文献2)。さらに、土壌中の栄養成分(Total-C・Total-N・Total-P)の重量とその比を特定の範囲に調整することにより土壌微生物数を増加・維持し、油分分解を促進できることを報告している(特許文献3)。
【0007】
本発明者らは、堆肥中には石油分解菌が自然土壌より多いことを見出し、このような堆肥を石油汚染土壌に添加した上で石油汚染土壌中の栄養成分の含量を特定の範囲に調整することにより、効率的に石油汚染浄化を行えることを報告している(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2007-135425号公報
【文献】特開2008-228623号公報
【文献】特開2012-71255号公報
【文献】特開2014-61489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2のように培地を使用して石油分解菌を培養した場合、培地及びエネルギーにコストがかかってしまう。それに対して、特許文献4のように堆肥のようなバイオマス(有機資材)を汚染土壌に投入する場合、培地を使用して石油分解菌を培養する場合と比べてコストを低減させることはできる。しかしながら、石油汚染浄化のためには、石油分解菌の増殖及び菌数と活性の維持に更に優れたバイオマスが必要とされている。
【0010】
本発明は、石油汚染浄化の効率が高く且つ低コストである石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法、及び石油汚染土壌の浄化用組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、該石油汚染土壌の浄化用組成物を用いた石油汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、石油分解菌の培養のために、大豆かすやピートモスのような未発酵資材を使用することによって上記目的を達成することができるという知見を得た。
【0012】
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次の石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法、石油汚染土壌の浄化用組成物、及び石油汚染土壌の浄化方法を提供するものである。
【0013】
項1.未発酵資材を含む有機資材に石油分解菌を植菌し培養する工程を含む石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法。
項2.前記有機資材中のC/N比が10~30である、項1に記載の製造方法。
項3.前記未発酵資材が前記有機資材中に60質量%以上含まれる、項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記未発酵資材が、大豆かす、油かす、籾殻、魚粉、米ぬか、おから、ココナッツファイバー、ピートモス、稲ワラ、水苔、水草、おが屑、チップ、わら、落ち葉、刈草、及びバークからなる群から選択される少なくとも1種である、項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5.1×106 cells/g以上の石油分解菌、及び60質量%以上の未発酵資材を含む石油汚染土壌の浄化用組成物。
項6.前記未発酵資材が、大豆かす、油かす、籾殻、魚粉、米ぬか、おから、ココナッツファイバー、ピートモス、稲ワラ、水苔、水草、おが屑、チップ、わら、落ち葉、刈草、及びバークからなる群から選択される少なくとも1種である、項5に記載の組成物。
項7.項1~4のいずれか一項に記載の製造方法により製造された汚染土壌の浄化用組成物、又は項5若しくは6に記載の組成物を石油汚染土壌に添加する工程を含む石油汚染土壌の浄化方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、石油分解菌の増殖及び菌数と活性の維持に優れた有機資材を使用することで、石油汚染浄化の効率が高い石油汚染土壌の浄化用組成物を低コストで製造することができる。また、本発明の石油汚染土壌の浄化用組成物を使用することで、効率的に石油汚染浄化を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
なお、本明細書において「含む(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「のみからなる(consist of)」という意味をも包含する。
【0017】
本明細書で使用している用語の定義を以下に示す。
【0018】
「全炭素」(本明細書においてTCと呼ぶこともある)とは、土壌中の有機態炭素及び無機態炭素の総和を意味する。全炭素は全有機炭素計(TOC-VCPH、株式会社島津製作所)及び固体試料燃焼装置(SSM-5000A、株式会社島津製作所)により測定することができる。
【0019】
「全窒素」(本明細書においてTNと呼ぶこともある)とは、土壌中の有機態窒素及び無機態窒素の総和を意味する。全窒素はケルダール法及びインドフェノール青法により測定することができる。
【0020】
「C/N比」とは、全炭素/全窒素(TC/TN)の比を意味する。
【0021】
下記の石油分解菌数は、実施例、特開2014-60966号公報、特開2014-61489号公報などに記載されている方法により求めることができる。
【0022】
石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法
本発明の石油汚染土壌の浄化用組成物の製造方法は、未発酵資材を含む有機資材に石油分解菌を植菌し培養する工程を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明における石油汚染土壌としては、本発明により浄化が可能である石油汚染土壌であれば特に限定されず、例えば、ガソリン、灯油、原油、軽油、重油、潤滑油、エンジンオイル等で汚染された土壌が挙げられる。そのような土壌としては、工場跡地、工場敷地、ガソリンスタンド跡地、焼却場、パイプライン周辺、石油汚染事故現場等における土壌が挙げられる。
【0024】
石油汚染土壌に含まれる炭化水素としては、具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等のシクロアルカン;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、フェノール、クレゾール等の単環芳香族炭化水素;ナフタレン、アントラセン、フエナンスレン、ビフェニル、フェノールフタレイン、トリフェニルメタン等の多環芳香族炭化水素;1,1-ジクロロエタン、クロロホルム、1,2-ジクロロプロパン、ジブロモクロロメタン、1,1,2-トリクロロエタン、2-クロロエチルビニルエーテル、テトラクロロエテン(PCE)、クロロベンゼン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、ブロモジクロロメタン、トランス-1,3-ジクロロプロペン、シス-1,3-ジクロロプロペン、ブロモホルム、クロロメタン、ブロモメタン、塩化ビニル、クロロエタン、1,1-ジクロロエテン、トランス-1,2-ジクロロエテン、トリクロロエテン(TCE)、ジクロロベンゼン、シス-1,2-ジクロロエテン、ジブロモエタン、1,4-ジクロロブタン、1,2,3-トリクロロプロパン、ブロモクロロメタン、2,2-ジクロロプロパン、1,2-ジブロモメタン、1,3-ジクロロプロパン等の含ハロゲン炭化水素;長鎖直鎖炭化水素;長鎖環状炭化水素等が例示される。
【0025】
本発明における有機資材としては、未発酵資材を含むものである限り特に制限されず、未発酵資材を60質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、80質量%以上含むものが更に好ましく、未発酵資材のみからなるものが特に好ましい。また、未発酵資材の含有量の上限としては、100質量%、95質量%、90質量%、85質量%などが挙げられる。未発酵資材の含有量が多い方が、石油分解菌の増殖及び菌数と活性の維持に優れるため望ましい。
【0026】
未発酵資材としては、発酵が行われていない有機資材である限り特に限定されず、例えば、大豆かす、油かす、籾殻、魚粉、米ぬか、おから、ココナッツファイバー、ピートモス、稲ワラ、水苔、水草、おが屑、チップ、わら、落ち葉、刈草、バークなどが挙げられる。未発酵資材は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
本発明における有機資材には、本発明の効果が得られる範囲において、未発酵資材以外のものを含ませることができ、そのようなものとしては、堆肥、化学肥料などが挙げられる。
【0028】
堆肥としては、バーク堆肥などの植物堆肥、馬糞堆肥、鶏糞堆肥、牛糞堆肥、豚糞堆肥などの家畜堆肥、海藻堆肥などが挙げられる。特許文献4に記載されているように、堆肥には比較的多くの石油分解菌が含まれている。
【0029】
化学肥料としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、石灰窒素、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、溶成リン肥、苦土過リン酸、苦土リン酸、硫リン酸、リン硝安カリウム、塩リン安、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。
【0030】
有機資材中のC/N比は、好ましくは10~30、より好ましくは10~25である。C/N比がこの範囲にある有機資材は、石油分解菌の増殖及び菌数と活性の維持に優れる。1種の有機資材で上記C/N比を満足していない場合は、複数の有機資材を用いることでC/N比を上記範囲とすることができる。このようなC/N比の調整は、各種有機資材の全炭素及び全窒素の含有量を計測した後、C/N比が上記範囲となるような混合比で有機資材を混合することにより行うことができる。
【0031】
本発明における有機資材は、全炭素の含有量が150,000 mg/kg以上、全窒素の含有量が5,000 mg/kg以上であることが望ましい。
【0032】
本発明における石油分解菌とは、石油、特に石油に含まれる炭化水素を分解可能な細菌を示す。このような石油分解菌としては、例えば、ゴルドニア属(Gordonia)(例えば、ゴルドニア・テラエ(Gordonia terrae))、ロドコッカス属(Rhodococcus)(例えば、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis))、アシネトバクター属(Acinetobacter)、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アクロモバクター属(Achromobacter)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、ミコバクテリウム属(Mycobacterium)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、ラルストニア属(Ralstonia)等の細菌が例示される。これらの微生物の内、石油で汚染された土壌から単離されたものは、一般的に石油の分解能が高いため好適に使用できる。
【0033】
有機資材中に石油分解菌を植菌する量は、好ましくは1×104 cells/g以上、より好ましくは1×105cells/g以上、更に好ましくは1×106~1×107 cells/gである。
【0034】
石油分解菌の培養は、公知の方法、例えば、室温で静置することにより行うことができる。また、培養は、堆積させた有機資材に対して、切り返しを繰り返すことでも行うこともできる。有機資材の水分量を培養に適した量に調整するために、水を適宜添加してもよい。有機資材を培養に適した温度に調整するために、有機資材を適宜加温してもよい。培養の期間は、通常、1日~3ヶ月、好ましくは5日~1ヶ月である。
【0035】
本発明の製造方法により得られた浄化用組成物中の石油分解菌数は、好ましくは1×106 cells/g以上、より好ましくは1×107 cells/g以上、更に好ましくは1×108~1×1011 cells/gである。
【0036】
石油汚染土壌の浄化用組成物
本発明の石油汚染土壌の浄化用組成物は、1×106 cells/g以上の石油分解菌、及び60質量%以上の未発酵資材を含むことを特徴とする。
【0037】
当該浄化用組成物は前述する方法により製造することができる。石油分解菌、未発酵資材などは前述するものと同様である。
【0038】
本発明の浄化用組成物中の石油分解菌数は、好ましくは1×107 cells/g以上、より好ましくは1×108~1×1011 cells/gである。
【0039】
本発明における浄化用組成物は、未発酵資材を好ましくは70質量%以上含み、より好ましくは80質量%以上含み、更に好ましくは未発酵資材のみからなる。また、未発酵資材の含有量の上限としては、100質量%、95質量%、90質量%、85質量%などが挙げられる。ここでの未発酵資材の含有量とは、石油分解菌を培養する前の原料としての未発酵資材の含有量を意味する。
【0040】
本発明の浄化用組成物には、本発明の効果が得られる範囲において、未発酵資材以外のものを含ませることができ、そのようなものとしては、堆肥、化学肥料などが挙げられる。
【0041】
石油汚染土壌の浄化方法
本発明の石油汚染土壌の浄化方法は、上記製造方法により製造された汚染土壌の浄化用組成物、又は上記の浄化用組成物を石油汚染土壌に添加する工程を含むことを特徴とする。
【0042】
石油汚染土壌に対する浄化用組成物の添加量としては、通常1~10容量%、好ましくは2~8容量%である。石油汚染土壌中の全炭素の含有量、C/N比などを、特定の範囲(例えば、特許文献4に開示の範囲)となるように浄化用組成物の添加量を設定することで、石油汚染浄化の効率を向上させることもできる。
【0043】
また、石油汚染土壌を浄化するのに必要な日数は、通常1.5ヶ月以上、好ましくは2~6ヶ月である。
【0044】
本発明の石油汚染土壌の浄化方法では、上記の浄化用組成物の添加に加えて、必要により、石油分解菌の投与、石油分解菌の栄養分の投与などの追加処理を行い得る。
【0045】
本発明の製造方法は、培地を使用して石油分解菌を培養した場合と比べて、石油汚染土壌の浄化用組成物を低コストで製造することができる。また、本発明の石油汚染土壌の浄化用組成物は、石油分解菌の菌数と活性の維持に優れているので、効率的に石油汚染浄化を行うことができる。その上、本発明により石油汚染浄化後には、植生の回復も期待できる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
【0047】
[実験方法]
・総細菌数
(1) 滅菌(121℃、15分間)した50 ml容ファルコンチューブに試料1.0 g、下記表1に示すDNA抽出緩衝液(pH 8.0) 8.0 ml、及び20%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム溶液1.0 mlを加えた。
【0048】
【0049】
(2) 攪拌機にファルコンチューブをセットし、攪拌(1,500 rpm、室温、20分間)した。
(3) 攪拌後の溶液1.5 mlを滅菌済みエッペンドルフチューブに分取し、遠心分離(8,000 rpm、20℃、10分間)した。
(4) 水層700μlを新たなエッペンドルフチューブに分取し、クロロホルム・イソアミルアルコール(24:1, v/v) 700 mlを加えて緩やかに攪拌し、遠心分離(14,000 rpm、20℃、10分間)した。
(5) 水層500μlを新たなエッペンドルフチューブに分取し、2-プロパノール300μlを加えて緩やかに攪拌し、遠心分離(14,000 rpm、20℃、20分間)した。
(6) 水層を除去し、70%(v/v)エタノールを1.0 ml加え、遠心分離(14,000 rpm、20℃、5分間)した。
(7) 水層を除去し、減圧乾燥(アスピレーターで30分間)した。
(8) 下記表2に示す10:1 TE 緩衝液(pH 8.0)を50μl加えて溶解し、eDNA溶液とした。
【0050】
【0051】
(9) eDNA溶液(5μl)をアガロースゲル電気泳動に供した。また、マーカーとしてsmart Ladder (株式会社ニッポンジーン)を用いた。
(10) 画像解析ソフトウェアKODAK 1D Image Analysis software (KODAK)を用いてsmart LadderのDNAバンドを解析し、蛍光強度に対するDNA量の検量線を作成し、この検量線を用いてゲルDNA量を得た。
(11) 得られたゲルDNA量から、下記式によりeDNA量を算出した。
【0052】
【0053】
(12) 算出したeDNA量から、下記式により試料1.0 gあたりの総細菌数を算出した。
総細菌数(cells/g-soil)=eDNA量(μg/g)×1.70×108[R2=0.938]
【0054】
・石油分解菌数
前述するのと同様の方法で、eDNA溶液を調製した。eDNA溶液15μlをアガロースゲル電気泳動に供した。アガロースゲルからDNAバンドを切り出し、eDNAを精製した。KAPA SYBR (登録商標) FAST qPCR Master Mixを10μl、10μMのフォワードプライマー(5'-AACTAYMTCGARCAYTAYGG-3':配列番号1)及びリバースプライマー(5'-TGRTCKSWRTGNCGYTGVARGTG-3':配列番号2)を1μl、ROX highを0.4μl、精製したeDNAを1~5μl含む20μlの反応液を200μl容チューブに加え、Applied Biosystems 7300 Real Time System (Applied Biosystems)にセットして、リアルタイムPCRを行った。PCRの反応条件は、95℃・5~10分の加熱後、95℃・15~30秒、60℃・30~60秒の反応を40サイクルとした。なお、リアルタイムPCRに用いた試料のうち、KAPA SYBR、ROX highは、KAPA SYBR qPCR kit (Kapa Biosystems)のプロトコールに従って用いた。得られたCt値から以下の式を使って石油分解菌数を算出した。
石油分解菌数(cells/g-sample) = (3×1014) × e(-0.516×Ct値)
この方法により、石油分解菌を特異的に高感度で定量することができる。
【0055】
[試験例1]各種有機資材(バイオマス)の含有成分の分析
発酵資材として牛糞堆肥(発酵乾燥牛ふん、京種株式会社)と鶏糞堆肥(発酵鶏ふん、アグリエヌワイ)を、未発酵資材として大豆かす(加工大豆、株式会社J-オイルミルズ)とピートモス(ピートモス, グリーンメール)を選択した。各バイオマスの乾燥状態の総炭素量(TC)を全有機体炭素計(TOC-V CPH、株式会社島津製作所)及び固体試料燃焼装置(SSM-5000A、株式会社島津製作所)を用いて測定した。また、総窒素量(TN)をケルダール法及びインドフェノール青法で測定した。乾燥状態のバイオマスのTC、TN及びC/N比を以下の表3に示す。
【0056】
【0057】
[試験例2]発酵資材及び発酵資材と未発酵資材を用いた炭化水素分解菌数の生育(ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6)
発酵資材のみの混合バイオマスと発酵資材と未発酵資材を用いた混合バイオマスでのロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育挙動を解析した。培養は、バイオマス300 mlに、5×105 cells/g-biomassとなるように植菌し、室温、静置培養で行った。また、バイオマスはオートクレーブ滅菌したものを使用した。各混合バイオマス1 g中のロドコッカス・エリスロポリスNDKK6数をロドコッカス・エリスロポリスNDKK6が有するalkB R2遺伝子を用いたreal-time PCRによって4週間定量した。結果を以下の表4に示す。
【0058】
【0059】
牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスにおいて、窒素源の多いC/N比が19の混合バイオマスでは、1週目でロドコッカス・エリスロポリスNDKK6数が減少したが、2週目までに0週目と比べ1.9倍まで増加した。その後4週目にかけて減少し、4週目で1.29×106 cells/g-biomassを維持していた。窒素源の少ないC/N比が21の混合バイオマスでは、1週目で菌数が最大に達し、4週目で1.92×106 cells/g-biomassを維持していた。2種類の牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスでは、ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育挙動に大きな変化は見られなかった。
【0060】
一方、牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスにおいて、窒素源の多いC/N比が13の混合バイオマスでは、1週目までで0週目と比べ約57倍に増加した。また、3週目まで同程度の菌数を維持したが、4週目では7.38×106 cells/g-biomassに減少した。窒素源の少ないC/N比16の混合バイオマスでは、1週目までに0週目と比べ約56倍に増加した。その後、2週目までに菌数が減少し、4週目では1.37×106 cells/g-biomassを維持していた。牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスでは、窒素源の多いC/N比が13の混合バイオマスの方がロドコッカス・エリスロポリスNDKK6を維持・活性化していた。
【0061】
牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスよりも未発酵有機資材を用いた牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスの方が、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6数が増加したことから、牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスの方がロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育に適していた。また、4種の混合バイオマスのうち、牛糞堆肥+大豆かすのC/N比が13の混合バイオマスで最もロドコッカス・エリスロポリスNDKK6が維持・活性化された。
【0062】
次に、それぞれのバイオマス中の総細菌数を測定した。結果を表5に示す。その結果、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6とほぼ同様の挙動を示した。このことより、環境中に存在する細菌も未発酵資材を加えた方が生育には適しており、また窒素が多い方が生育は良好であった。
【0063】
【0064】
[試験例3]発酵資材及び発酵資材と未発酵資材を用いた炭化水素分解菌数の生育(ゴルドニア・テラエNDKY76A)
試験例2と同様に発酵資材のみの混合バイオマスと発酵資材と未発酵資材を用いた混合バイオマスでの石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育挙動を解析した。各混合バイオマス1 g中のゴルドニア・テラエNDKY76A数をゴルドニア・テラエNDKY76Aが有するalkB GT遺伝子を用いたreal-time PCRによって4週間定量した。結果を表6に示す。
【0065】
【0066】
牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスにおいて、窒素源の多いC/N比が19の混合バイオマスでは、順調に増加していき3週目では3.07×106 cells/g-biomassまで増加した。その後4週目にかけて減少したが、4週目で1.34×106 cells/g-biomassを維持していた。窒素源の少ないC/N比が21の混合バイオマスでは、2週目で菌数が最大に達し(2.78×106 cells/g-biomass)、4週目で若干減少したが2.04×106 cells/g-biomassを維持していた。2種類の牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスでは、ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様にゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育挙動に大きな変化はなかった。
【0067】
一方、牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスにおいて、窒素源の多いC/N比が13の混合バイオマスでは、1週目までで0週目と比べ約33倍に増加した。また、4週目まで増加が続き、4週目では8.67×106 cells/g-biomassに減少した。窒素源の少ないC/N比16の混合バイオマスでは、1週目までに0週目と比べ約16倍に増加した。その後、減少に転じ、4週目では1.22×106 cells/g-biomassになった。牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスでは、窒素源の多いC/N比が13の混合バイオマスの方がゴルドニア・テラエNDKY76A NDKK6を維持・活性化していた。これは、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスと同じ挙動であった。
【0068】
牛糞堆肥+鶏糞堆肥の混合バイオマスよりも未発酵有機資材を用いた牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスの方が、石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76A数が増加したことから、牛糞堆肥+大豆かすの混合バイオマスの方がゴルドニア・テラエNDKY76A NDKK6の生育に適していた。また、4種の混合バイオマスのうち、牛糞堆肥+大豆かすのC/N比が13の混合バイオマスで最もゴルドニア・テラエNDKY76Aが維持・活性化された。この結果は、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6とほぼ同じであった。
【0069】
次に、それぞれのバイオマス中の総細菌数を測定した。結果を表7に示す。その結果、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6とほぼ同様の挙動を示した。このことより、環境中に存在する細菌も未発酵資材を加えた方が生育には適しており、また窒素が多い方が生育は良好であった。
【0070】
【0071】
[試験例4]未発酵資材を用いた炭化水素分解菌の生育(ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6)
未発酵資材のみを用いた混合バイオマス(大豆かす・ピートモス)中のロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育挙動を試験例2と同様に解析した。結果を表8に示す。
【0072】
【0073】
大豆かすとピートモスを用いた混合バイオマスは、いずれのC/N比においても、発酵資材と未発酵資材を用いた場合よりも4週目で高い菌数を示した。これは、未発酵資材の方が石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育が良いことを示しており、石油分解菌の増殖に適した資材であることが明らかとなった。また、何れの資材も7週目においても高い菌数を保持しており、新たな石油分解菌供給手法となる。
【0074】
次に、未発酵の混合資材中の総菌数を調べた。結果を表9に示す。その結果、総細菌数は何れの混合資材も石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育と同様の挙動を示していた。また、総菌数のほとんどはロドコッカス・エリスロポリスNDKK6であり、これらの資材は有効なロドコッカス・エリスロポリスNDKK6生育資材であることが明らかとなった。
【0075】
【0076】
[試験例5]未発酵資材を用いた炭化水素分解菌の生育(ゴルドニア・テラエNDKY76A)
未発酵資材のみを用いた混合バイオマス(大豆かす・ピートモス)中のゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育挙動を試験例2と同様に解析した。結果を表10に示す。
【0077】
【0078】
大豆かすとピートモスを用いた混合バイオマスは、いずれのC/N比においても、発酵資材と未発酵資材を用いた場合よりも3~4週目で高い菌数を示した。これは、発酵資材よりも未発酵資材の組み合わせ方が石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育が良いことを示しており、石油分解菌の増殖に適した資材であることが明らかとなった。また、何れの資材も7週目においても高い菌数を保持しており、新たな石油分解菌供給手法である。これらの傾向は、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様であった。
【0079】
次に、未発酵の混合資材中の総菌数を調べた。結果を表11に示す。その結果、総菌数は何れの混合資材も石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育と同様の挙動を示していた。また、総菌数のほとんどはゴルドニア・テラエNDKY76Aであり、これらの資材は有効なゴルドニア・テラエNDKY76A生育資材であることが明らかとなった。この結果もロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様であり、これらの資材は、何れの石油分解菌でも適応可能であることが明らかとなった。
【0080】
【0081】
[試験例6]ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6含有バイオマス資材を用いたバイオレメディエーション
ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の生育に適したバイオマスを探索したところ、未発酵資材である大豆かすとピートモスを混合させたC/N比が20のバイオマスでロドコッカス・エリスロポリスNDKK6が維持・活性化されることが分かった。そこで、このバイオマスを用いて炭化水素汚染土壌のバイオレメディエーションを行った。
【0082】
試験例2と同様に、大豆かす+ピートモス(C/N:20)にロドコッカス・エリスロポリスNDKK6を植菌し室温で3週間培養した(微生物含有資材)。その後、基油(潤滑油)5,000 mg/kgを添加した汚染土壌に微生物含有資材を1%(v/v)添加した。対照実験として、大豆かす+ピートモスのみを同様の汚染土壌に1%(v/v)添加後、培養したロドコッカス・エリスロポリスNDKK6を1×107 cells/g-土壌になるように添加した。油分解析は、公定法である赤外分析法を用いた。
【0083】
炭化水素汚染土壌中のロドコッカス・エリスロポリスNDKK6数の結果を表12に、総細菌数の結果を表13に、ベースオイル濃度の結果を表14にそれぞれ示す。
【0084】
【0085】
混合資材中で石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6を増やし汚染土壌に投入したものと、従来と同様の手法で培養したロドコッカス・エリスロポリスNDKK6を汚染土壌に投入したものを比較すると、ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6の数はほとんど同等であった(表12)。このことより、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6は、エネルギーコストのかからない資材中で増殖させる手法でも有効に機能することが明らかとなった。
【0086】
【0087】
同様に汚染土壌の総細菌数を測定したところ、総細菌数もほぼ同様の挙動を示し、混合資材中で増殖させる手法が有効であることが明らかとなった(表13)。
【0088】
【0089】
最終的に、残存する油分を解析したところ、ほぼ同等な油分分解が示された(表14)。これらのことから、高価な菌株培養の代わりに有機資材中で石油分解菌を増殖させる新たな手法の有効性が示された。
【0090】
[試験例7]ゴルドニア・テラエNDKY76A含有バイオマス資材を用いたバイオレメディン
石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様に、石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aの生育に適したバイオマスを探索したところ、未発酵資材である大豆かすとピートモスを混合させたC/N比が20のバイオマスでゴルドニア・テラエNDKY76Aが維持・活性化されることが分かった。この結果は、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様であった。そこで、このバイオマスを用いて炭化水素汚染土壌のバイオレメディエーションを行った。
【0091】
実験は、試験例6と同様に、大豆かす+ピートモス(C/N:20)にゴルドニア・テラエNDKY76Aを植菌し室温で3週間培養した(微生物含有資材)。その後、基油(潤滑油) 5,000 mg/kgを添加した汚染土壌に微生物含有資材を1%(v/v)添加した。対照実験として、大豆かす+ピートモスのみを同様の汚染土壌に1%(v/v)添加後、培養したゴルドニア・テラエNDKY76Aを1×107 cells/g-土壌になるように添加した。
【0092】
炭化水素汚染土壌中のゴルドニア・テラエNDKY76A数の結果を表15に、総細菌数の結果を表16に、ベースオイル濃度の結果を表17に示す。
【0093】
【0094】
混合資材中で石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aを増やし汚染土壌に投入したものと、従来と同様の手法で培養したゴルドニア・テラエNDKY76Aを汚染土壌に投入したものを比較すると、ゴルドニア・テラエNDKY76Aの数はほとんど同等であった(表15)。このことより、石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aは、エネルギーコストのかからない資材中で増殖させる手法でも有効に機能することが明らかとなった。この結果は、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6と同様であった。
【0095】
【0096】
同様に汚染土壌の総細菌数を測定したところ、総細菌数もほぼ同様の挙動を示し、混合資材中で増殖させる手法が有効であることが明らかとなった(表16)。
【0097】
【0098】
最終的に、残存する油分を解析したところ、ほぼ同等な油分分解が示された(表17)。これらのことから、石油分解菌ゴルドニア・テラエNDKY76Aは、石油分解菌ロドコッカス・エリスロポリスNDKK6同様、高価な菌株培養の代わりに、コストが大幅に低減できる有機資材中で石油分解菌を増殖させる新たな手法の有効性が示された。
【配列表】