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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】粉体移送装置、及び、粉体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/14 20060101AFI20220112BHJP
   B65G 53/26 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B28C7/14
B65G53/26
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018057433
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2019166754
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-05-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月17日パークシティLaLa横浜(神奈川県横浜市)解体工事に係る既存杭引抜・埋戻し工事現場において本件特許出願に係る粉体移送装置を設置
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515302598
【氏名又は名称】株式会社アマング.
(73)【特許権者】
【識別番号】515302602
【氏名又は名称】株式会社キューアイエンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】518102344
【氏名又は名称】桑原 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】吉本 敦哉
(72)【発明者】
【氏名】中岸 良裕
(72)【発明者】
【氏名】桑原 秀一
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-147518(JP,A)
【文献】特開昭59-207323(JP,A)
【文献】実開昭60-107033(JP,U)
【文献】特開平08-052342(JP,A)
【文献】特開平06-055528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00-9/04
B65G 53/00-53/28
B65G 53/32-53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を吸引するための吸引装置と、
先端部に吸引ノズルが設けられ、移送対象の粉体が集積された粉体集積部に前記吸引ノズルが配置される粉体用通路と、
前記粉体用通路が接続され、前記吸引装置による吸引力によって前記粉体用通路を通じて吸引される粉体を貯留する粉体貯留タンクとを備え、
前記吸引ノズルには、主開口と、前記主開口を下方に向けた状態で側方を向く副開口とが形成され、
前記主開口及び前記副開口は、前記粉体を吸引するための開口であり、
回転自在に支持された回転部材と、前記回転部材を回転させる駆動源とを有し、前記駆動源により前記回転部材を回転させることにより、前記副開口の開口面積を増減させる開口調節部と、
前記粉体貯留タンクと前記吸引装置とを接続する空気用通路とをさらに備え、
前記粉体貯留タンクには、前記空気用通路に繋がる排気側通路にフィルタが取り付けられたフィルタユニットが設けられ、
前記粉体貯留タンク内では、前記フィルタユニット近傍に配置されて上部空間を区画する区画部材によって、前記粉体用通路の接続口が設けられて粉体が貯留される主室と、前記主室の側方に位置して前記フィルタユニットを収容する副室とが形成されている、粉体移送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉体移送装置と、
前記粉体貯留タンクから排出された粉体を液体に混ぜて攪拌する攪拌装置とを備えた粉体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントなどの粉体を移送するための粉体移送装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場において、セメントサイロなどの粉体貯留タンクにセメントを移送する場合に、クレーンによってグラブを操作して、グラブに入れたセメントを上側から粉体貯留タンクに投入していた。しかし、セメントの投入時にセメントが飛散する。そのため、工事現場の周辺環境に配慮して飛散対策が必要となる場合がある。
【0003】
一方、セメントの飛散を抑制又は防止できる粉体移送装置として、吸引式の粉体移送装置が考案されている。特許文献1には、この種の装置としてセメント供給装置が記載されている。特許文献1に記載のセメント供給装置は、貯蔵槽と、貯蔵槽の上部に配設されたフィルタ室と、貯蔵槽と離間して位置するバキュームブロワとを備えている。そして、セメント袋体の内部のセメントを貯蔵槽へ導入するために、バキュームブロワとセメント袋体との間が、貯蔵槽を介して吸引管により接続される。吸引管は、先端側が樹脂製の手持式パイプで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-226732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の装置では、移送対象の粉体が集積された粉体集積部から粉体を吸引する際に、作業者が吸引ノズル(特許文献1では手持式パイプ)を手に持って動かす場合、粉体の吸引期間中ずっと吸引ノズルを動かす作業者が必要となる。他方、作業者の負担を減らすために、粉体集積部に吸引ノズルを設置して作業者なしで粉体を自動吸引することも考えられる。しかし、従来の装置は、吸引ノズルで自動吸引をするための工夫が施されておらず、粉体集積部における粉体の吸い残しが比較的多くなる。そのため、自動吸引後において、吸い残しの粉体を手動で吸引する時間が長くなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、粉体集積部に吸引ノズルを設置して粉体を自動吸引する場合に、粉体集積部における粉体の吸い残しを減らすことができる粉体移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、粉体を吸引するための吸引装置と、先端部に吸引ノズルが設けられ、移送対象の粉体が集積された粉体集積部に吸引ノズルが配置される粉体用通路と、粉体用通路が接続され、吸引装置による吸引力によって粉体用通路を通じて吸引される粉体を貯留する粉体貯留タンクとを備え、吸引ノズルには、主開口と、主開口を下方に向けた状態で側方を向く副開口とが形成され、副開口において粉体を吸引可能な開口面積を増減させることが可能に構成された開口調節部をさらに備えている、粉体移送装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、吸引ノズルの外周面における周方向に、複数の副開口が形成され、開口調節部は、副開口を塞ぐ閉塞部が設けられて回転自在に支持された回転部材と、回転部材を回転させる駆動源とを有し、開口調節部は、駆動源によって回転部材を回転させて複数の副開口の各々について閉塞部に塞がれる面積を増減させることで、複数の副開口の各々について開口面積を増減させる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、回転部材は、主開口と副開口とが形成されたケーシングの内側に収容されている。
【0010】
第4の発明は、第2又は第3の発明において、回転部材には、主開口側に突出する突出部材が設けられ、回転部材の回転中に、突出部材によって、主開口において移送対象の粉体を引っ掻くように構成されている。
【0011】
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、粉体貯留タンクと吸引装置とを接続する空気用通路をさらに備え、粉体貯留タンクには、空気用通路に繋がる排気側通路にフィルタが取り付けられたフィルタユニットが設けられ、粉体貯留タンク内では、フィルタユニット近傍に配置されて上部空間を区画する区画部材によって、粉体用通路の接続口が設けられて粉体が貯留される主室と、主室の側方に位置してフィルタユニットを収容する副室とが形成されている。
【0012】
第6の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明の粉体移送装置と、粉体貯留タンクから排出された粉体を液体に混ぜて攪拌する攪拌装置とを備えた粉体処理装置である。
【0013】
第7の発明は、移送対象の粉体が集積された粉体集積部から粉体を吸引するための吸引ノズルであって、主開口と、主開口を下方に向けた状態で側方を向く副開口とが形成され、副開口において粉体を吸引可能な開口面積を増減させることが可能に構成された開口調節部を備えている。
【発明の効果】
【0014】
第1,7の発明では、粉体集積部に対し主開口が下方を向くように吸引ノズルを設置して粉体を自動吸引する場合に、吸引ノズルの下方と側方の両方から粉体が吸引される。そのため、吸引ノズルの下側だけから粉体を吸引する場合に比べて、粉体の吸引によって生じる穴の面積が大きくなり、粉体集積部における粉体の吸い残しを減らすことができる。従って、吸い残しの粉体を吸引するために吸引ノズルを動かす作業者の労力を軽減することができる。
【0015】
また、第1,7の発明では、開口調節部によって副開口の開口面積を増減させる。ここで、開口調節部を設けない場合、主開口と副開口とが常に全開となる。そのため、運転中に亘って吸引装置の負荷が大きくなり、吸引力が大きな吸引装置が必要となる。それに対し、本発明では、少なくとも副開口の開口面積が全開より小さくなる期間を設けることができる。そのため、開口調節部を設けない場合に比べて、吸引装置の負荷を軽減することができる。
【0016】
第2の発明では、吸引ノズルから粉体を吸引する期間に、1つの回転部材によって複数の副開口の開口面積が増減される。そのため、複数の副開口を設けた場合における開口調節部の構成を簡素化することができる。
【0017】
第3の発明では、ケーシングの内側に回転部材が収容される。そのため、回転部材が粉体と干渉しにくく、回転部材をスムーズに回転させることができる。
【0018】
第4の発明では、回転部材の回転中に、主開口において移送対象の粉体を突出部材によって引っ掻くことで、主開口から粉体が吸引しやすくなる。そのため、主開口から粉体を効率的に吸引することができる。
【0019】
第5の発明では、容器本体部において上部空間を区画する区画部材を設けているため、副室におけるセメントの堆積高さが高くなりにくい。そのため、主室の側方の副室にフィルタユニットを配置することが可能であり、粉体貯留タンクの高さを低くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、粉体処理装置を側方から見た概略構成図である。
図2図2(a)は、粉体移送装置の粉体貯留タンクの断面構造を示す概略図であり、図2(b)は、粉体貯留タンクの上面図である。
図3図3は、吸引ノズルを側方から見た概略構成図である。
図4図4は、吸引ノズルにおける吸引先端部のケーシングの縦断面図である。
図5図5(a)は吸引先端部のケーシングを斜め上から見た斜視図であり、図5(b)はケーシングの上面図であり、図5(c)はケーシングをA-A線で切断した横断面図である。
図6図6(a)は吸引先端部の回転部材を斜め上から見た斜視図であり、図6(b)は回転部材の上面図であり、図6(c)は回転部材の下面図である。
図7図7は、回転部材の回転中における副開口の高さ位置における吸引先端部の横断面図である。
図8図8は、セメントの移動動作中におけるフレコンバック内の様子を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1図8を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
[粉体処理装置の概略構成]
本実施形態は、工事現場においてセメントミルクの生成に用いられる粉体処理装置10である。粉体処理装置10は、図1に示すように、フレコンバック18などの粉体集積部に集積されたセメント(粉体)を粉体貯留タンク22に移送する粉体移送装置20と、粉体貯留タンク22から排出されたセメントを水に混ぜてセメントミルクを生成するためのミキシングタンク12と、ミキシングタンク12から排出されたセメントミルクを貯留する貯留タンク(アジテータ)14とを備えている。粉体処理装置10では、粉体貯留タンク22が架台11上に支持されている。ミキシングタンク12と貯留タンク14とは、架台11内に配置されている。ミキシングタンク12と貯留タンク14との各々には、内部の液体を攪拌するミキサー13,15が設けられている。
【0023】
粉体貯留タンク22は、下部がホッパー27になっている。粉体貯留タンク22の下側には、ホッパー27から排出されたセメントをミキシングタンク12に移送するスクリューフィーダー19が設けられている。スクリューフィーダー19の出口は、ミキシングタンク12の上方に開口している。スクリューフィーダー19の出口には、第1排出バルブ16が設けられている。貯留タンク14は、ミキシングタンク12の下側に配置され、第2排出バルブ17が設けられた配管を介してミキシングタンク12に接続されている。
【0024】
[粉体移送装置の構成]
粉体移送装置20は、図1に示すように、上述の粉体貯留タンク22と、粉体貯留タンク22にセメントを吸引するための吸引装置(吸引ポンプ)24と、先端部に吸引ノズル30が設けられて粉体貯留タンク22に接続された第1ホース31と、粉体貯留タンク22と吸引装置24とを接続する第2ホース32とを備えている。第1ホース31は粉体用通路に相当し、第2ホース32は空気用通路に相当する。
【0025】
粉体貯留タンク22は、ロードセル(図示省略)が設けられたセメント計量サイロである。粉体貯留タンク22は、図2(a)に示すように、上側の容器本体部26と、容器本体部26の下側に設けられたホッパー27とを備えている。容器本体部26は、図2(b)に示すように、上面視において略矩形状に形成され、下側が開放されてホッパー27に繋がっている。後述する第1ホース接続部41を通って容器本体部26に流入したセメントは、ホッパー27から堆積していき、堆積量が増えると容器本体部26に至る。ホッパー27は、側面視において下端の出口に近づくほど窄まる形状に形成されている。ホッパー27の外側には、バイブレーター29が取り付けられている。ホッパー27の出口は、スクリューフィーダー19の入口に接続されている。なお、以下では、粉体貯留タンク22や容器本体部26の上面視において長手方向(図2(b)における左右方向)を「長さ方向」、短手方向を「幅方向」という場合がある。
【0026】
容器本体部26の内部には、上面視において長さ方向の一端側(図2(a)に示すフィルタユニット38近傍)に配置されて上下方向に沿って延びる区画部材33によって、容器本体部26の大部分を占める主室26aと、主室26aの側方に位置して複数のフィルタユニット38を収容する副室26bとが形成されている。区画部材33は、板状に形成されており、容器本体部26の幅方向に亘って延びている。区画部材33の下端は、容器本体部26における真ん中付近の高さに位置している。区画部材33は、容器本体部26内の上部空間を区画している。主室26aと副室26bとは、区画部材33の下側で繋がっている。
【0027】
容器本体部26における主室26aの上面には、上方に突出する筒体34が設けられている。筒体34は円筒状に形成されている。筒体34の外側面には、第1ホース31が接続される第1ホース接続部41が設けられている。第1ホース接続部41は、真っすぐな管状の部材であり、筒体34の接線方向に沿って突出している。第1ホース31の接続口となる第1ホース接続部41が設けられた主室26aには、接続口から流入したセメントが貯留される。
【0028】
なお、主室26aの上面には、上述の筒体34が中央部に設けられた蓋体35が設けられている。蓋体35の直下の位置には、上向きに尖った破断用部材36が設けられている。破断用部材36は、容器本体部26に架設された桁材39に支持されている。蓋体35を開けた状態で、容器本体部26内にフレコンバッグを吊り下げて入れると、フレコンバッグが破断用部材36によって破られ、セメントが落下して粉体貯留容器22に溜まる。すなわち、粉体貯留タンク22は、吸引以外の方法でもセメントを導入できるようになっている。
【0029】
副室26bは、上面視において略矩形状に形成され、長さ方向の一端側に位置している。副室26bは、上方に突出している。副室26bでは、複数のフィルタユニット38が幅方向に並んでいる。また、副室26bには、副室26bを上下に区画する上下区画板37が設けられている。各フィルタユニット38は、図2(a)に示すように、上下方向に延びる姿勢で上下区画板37によって支持された排気側管部材38aと、排気側管部材38aの下部(下端部)に取り付けられたバグフィルタ38bとを備えている。排気側管部材38aは、上部(上端部)が上下区画板37によって支持され、上下区画板37の上側空間と下側空間とを連通している。バグフィルタ38bは、区画部材33の下端より上側に位置している。
【0030】
また、副室26bの外側側面の上部には、図2(b)に示すように、第2ホース32が接続される第2ホース接続部42と、負荷開放弁44が設けられた外部連通管43とが設けられている。第2ホース接続部42は、途中で屈曲して斜め下方に延びる管状の部材である。第2ホース接続部42及び外部連通管43の各々は、副室26bにおける上下区画板37の上側空間に開口しており、排気側管部材38aを通じて、上下区画板37の下側空間と主室26aとに連通している。第2ホース接続部42から空気を吸引すると、吸引力が排気側管部材38aを通じて主室26a側に伝わる。その結果、粉体貯留タンク22に堆積したセメントが、排気側管部材38a内のバグフィルタ38aを通って、第2ホース接続部42から流出する。また、外部連通管43は、負荷開放弁44が開状態に設定された状態で、粉体貯留タンク22の内部空間を外部空間に連通させる。
【0031】
粉体移送装置20は、バグフィルタ38aに捕捉されたセメントを除去するためのフィルタ清掃部として、圧縮機40と、圧縮機40の吐出空気を各バグフィルタ38bに吹き付けるための清掃用配管45とをさらに備えている。圧縮機40は、架台11に支持されている(図1参照)。清掃用配管45は、圧縮機40から延びる主管(図示省略)がバッファー容器46で複数の分岐管47に分岐している。各分岐管47の出口は、各バグフィルタ38aの上方において下向きに開口している。圧縮機40から圧縮空気が吐出されると、圧縮空気は、各分岐管47から吐出されてバグフィルタ38aに上側から吹き付けられる。なお、清掃用配管45には、圧縮機40を運転する際に開状態に切り替えられる逆洗バルブ(図示省略)が設けられている。
【0032】
[吸引ノズルの構造]
吸引ノズル30は、セメントの吸入口となる開口61,62が形成された構造物であり、セメントが溜まるフレコンバッグ(粉体貯留部)18に配置される。図3に示すように、吸引ノズル30は、先端側に設けられた先端吸引部54と、先端吸引部54を第1ホース31に接続するための配管部52と、後述する回転部材58を回転させるモーター(駆動源)50と、吸引ノズル30を振動させるバイブレーター51とを備えている。以下では、吸引ノズル30において第1ホース31に接続される側を「上側」と言い、先端吸引部54側を「下側」と言う。
【0033】
配管部52は、第1ホース31に接続される本管52aと、本管52aから分岐した複数の分岐管52b(本実施形態では、2つの分岐管52b)とを備えている。各分岐管52bは、本管52aから斜め下方向に延び出て途中で屈曲している。そして、各分岐管52bは、屈曲箇所から下方向に真っすぐ延びて、先端吸引部54の接続口55に接続されている。吸引ノズル30では、上面視において周方向に所定の角度間隔で配置された複数の分岐管52aが本管52aから外側に広がっていることで、複数の分岐管52aの内側における本管52aと先端吸引部54との間に空間が確保されている。この空間には、下側から順番にモーター50とバイブレーター51とが配置されている。また、モーター50及びバイブレーター51に電力を供給する配線部60が、上下方向に沿って設けられている。また、本管52aには、吸引ノズル30に作用する吸引力を調節するためのホースが接続されている(図示省略)。ホースは、開度調節可能な開閉弁(コック)を介して本管52aに接続されている。例えば、主開口61と副開口62に作用する吸引力が強すぎる場合、この開閉弁を半開きにする。
【0034】
先端吸引部54は、図3及び図4に示すように、主開口61と副開口62とが形成されたケーシング56と、ケーシング56内に収容されて回転自在に支持された回転部材58とを備えている。各副開口62は、主開口61に繋がっていない独立した開口である。回転部材58とモーター50は、副開口62においてセメントを吸引可能な開口面積(後述する閉塞部材64によって塞がれていない面積)を増減させる開口調節部に相当する。なお、図4では、ケーシング56は縦断面を示すが、回転部材58は側面視を示す。
【0035】
ケーシング56は、図5(a)に示すように、下方に向かって広がる椀状(椀を逆さにした形状)に形成されている。ケーシング56の上面部56aには、モーター50の回転軸50aが通る円形の上面開口57が形成されている。モーター50は、上面開口57の縁部に固定されている。また、ケーシング56における上面部56aと側面部56cとの間の曲面部56bには、図5(b)に示すように、分岐管52bが嵌合される接続口55が等角度間隔に形成されている。また、図5(c)に示すように、ケーシング56の下端は、開放されており、上述の主開口61となっている。主開口61は円形である。
【0036】
また、ケーシング56の側面部56c(外周面)における周方向に、複数の副開口62(本実施形態では、4つの副開口62)が形成されている。複数の副開口62は、同じ高さに等角度間隔で形成されている。側面部56cでは、副開口62が形成された高さ範囲が周方向に8等分されており、副開口62と側壁部72とが交互に並んでいる。各副開口62は、側面視において略矩形に形成され、側面部56cの周方向において45度の範囲に形成されている。
【0037】
回転部材58は、モーター50の回転軸50aに回転自在に支持されている。回転部材58は、図6(a)に示すように、中心部にモーター50の回転軸50aが垂直に固定された板状部材63と、板状部材63の外周に取り付けられた複数の閉塞部材64とを備えている。板状部材63は、円形の板であり、その半径はケーシング54の内径より少し小さい。各閉塞部材64は、副開口62を塞ぐための閉塞部に相当する。
【0038】
図6(b)に示すように、板状部材63には、複数の扇形開口63a(本実施形態では、4つの扇形開口63a)が形成されている。複数の扇形開口63aは、板状部材63の周方向に等角度間隔で形成されている。板状部材63は、周方向に8等分されており扇形開口63aと扇形板部63bとが交互に並んでいる。各扇形開口63aと各扇形板部63bは、板状部材63の周方向において45度の範囲に形成されている。
【0039】
複数の閉塞部材64は、ケーシング56における複数の副開口62に対応して形成されている。各閉塞部材64は、板状部材63に対し垂直に扇形板部63bの外周部分に固定されている。各閉塞部材64は、略矩形の板材を板状部材63の外周形状に合わせて湾曲させた形状をしている。各閉塞部材64は、板状部材63の周方向において45度の範囲に設けられている。閉塞部材64の角度範囲は、扇形板部63bの角度範囲と一致している。また、各閉塞部材64の高さは、副開口62と略同じ又は少し高い。各閉塞部材64は、副開口62と略同じ高さに設けられている。各閉塞部材64は、板状部材63から上側と下側とにそれぞれ突出している。
【0040】
また、板状部材63には、図6(c)に示すように、主開口61側(下方)に突出して回転中心から外側へ延びる突出部材67が設けられている。突出部材67は、主開口61からセメントを吸引しやすくするために、回転部材58の下方のセメントを引っ掻く部材である。板状部材63には、板状部材63の周方向に等角度間隔で複数の突出部材67(本実施形態では、2つの突出部材67)が設けられている。各突出部材67は、扇形板部63bにおいて回転方向の前側に配置されている。各突出部材67は、扇形開口63aの縁部において板状部材63の径方向に延びている。また、各突出部材67の突出長は、ケーシング56の下端高より下方に突出しないように設定されている。そのため、突出部材67によってフレコンバッグ18の底面が引っ掻かれて破れることを防ぐことができる。
【0041】
[吸引ノズルの動作]
図7を参照にして吸引ノズル30の動作について説明する。図7は、副開口62の高さ位置における吸引先端部54のケーシング56の横断面図である。図7において、実線の矢印は回転部材58の回転方向を示し、波線の矢印はセメントの流れを示す。以下では、各副開口62が閉じた状態(図7(a)に示す状態)から説明を行う。なお、吸引装置24の運転は行われており、各開口61,62には内側から吸引力が作用しているものとする。
【0042】
図7(a)に示す状態では、各閉塞部材64が各副開口62と同じ角度範囲に位置しており、何れの副開口62も閉塞部材64によって完全に塞がれた閉状態となっている。この状態では、各副開口62の開口面積はゼロであり、各副開口62からセメントは吸引されない。この状態から回転部材54が少し回転すると、図7(b)に示すように各副開口62が開状態に切り替わり、各副開口62からセメントが吸引される。副開口62の開口面積は、回転部材54の回転に伴って徐々に増加し、セメントの吸引量も増加していく。
【0043】
そして、図7(c)に示すように、各閉塞部材64が各側壁部72に完全に重なると、各副開口62の開口面積は最大となる。この状態では、各副開口62の全領域からセメントが吸引される。さらに、この状態から回転部材54が少し回転すると、図7(d)に示すように、各副開口62の一部が閉塞部材64によって塞がれた状態となる。副開口62の開口面積は、回転部材54の回転に伴って徐々に減少し、セメントの吸引量も減少していく。
【0044】
このように、回転部材58が回転している期間は、複数の副開口62の各々について閉塞部材64によって塞がれる面積が増減して、各副開口62の開口面積が増減する。各副開口62は開口面積がゼロになるタイミングがあり、各副開口62から間欠的にセメントが吸引される。本実施形態では、全ての副開口62が、互いに同じタイミングで全開状態となるし閉状態となる。なお、複数の副開口62の間で全開状態又は閉状態となるタイミングが互いにずれるように閉塞部材64又は副開口62の位置を決めてもよい。
【0045】
なお、主開口61は、常に板状部材63における4つの扇形板部63bによって閉塞されるが、常に開状態である。主開口61からは連続的にセメントが吸引される。主開口61においてセメントを吸引可能な開口面積は、主開口61の面積の略半分である。吸引ノズル30は、側方よりも下方から多くのセメントを吸引できるように、主開口61の開口面積の合計が副開口62の開口面積(図7(c)の最大値での面積)の合計より大きくなっている。
【0046】
[粉体処理装置の動作]
粉体処理装置10の動作について説明する。なお、粉体処理装置10は、使用者が粉体処理装置10を操作するための操作パネルと、操作パネルの入力に従って粉体処理装置10を制御する制御装置とを備えている(図示省略)。以下では、第1排出バルブ16、第2排出バルブ17及び負荷開放弁44の何れもが閉状態の状況から説明を行うものとする。
【0047】
<セメントの移送>
まず図8を参照にして粉体移送装置20の動作について説明する。図8(a)に示すように工事現場には、セメントが充填されたフレコンバッグ18が搬入されている。フレコンバッグ18の設置箇所には、第1ホース31の先端側を上下方向に移動可能に支持する支持機構21が設置されている。支持機構21は、例えば、貫通孔23aが設けられた板状部材23と、フレコンバッグ18の上方に板状部材23を支持する脚部材25とを有する。また、図8(b)に示すように、フレコンバッグ18の上端部は、地盤上に設置された引上げ機構48から延びる複数の紐49(又はロープ)によって、上方に引っ張られている。なお、図8(a)及び図8(b)では、フレコンバッグ18内の状態は同じであるが、引上げ機構48を見やすくするために別途に図8(b)を設けている。図8では、図8(b)を除いてフレコンバッグ18内のセメントを実線で記載している。
【0048】
作業者は、準備作業として、板状部材23の貫通孔23aに上側から第1ホース31を通し、図8(a)及び図8(b)に示すようにフレコンバッグ18のセメント面18aに吸引ノズル30の先端を当接させる。そして、作業者が制御パネルにおいてセメントの移送動作の実行を選択すると、制御装置は、粉体移送装置20に対しセメントの移送動作を実行させる。
【0049】
セメントの移送動作では、制御装置が、まず吸引装置24、モーター50及びバイブレーター51の各々について運転を開始させる。そうすると、粉体貯留タンク22内の空気が第2ホース32を通じて吸引装置24に吸引され、粉体貯留タンク22内は負圧となる。第1ホース31を介して粉体貯留タンク22に接続された吸引ノズル30では、主開口61と各副開口62とに吸引力が作用し、各開口61,62からセメントが吸引される。そして、主開口61又は副開口62から吸引されたセメントは、分岐管52b、本管52a及び第1ホース31を通って、粉体貯留タンク22へ移送される。
【0050】
具体的に、フレコンバッグ18内では、吸引ノズル30の下側からセメントが主開口61に吸引される。これにより、図8(c)に示すように、フレコンバッグ18内では吸引ノズル30の下側に穴が生じる。第1ホース31の先端側は上下方向の動きが拘束されておらず、セメント面18aの低下に追従して吸引ノズル30は自動的に自重で下方に移動する。
【0051】
また、穴の壁面のセメントは、副開口62から吸引される。そのため、吸引ノズル30の下側だけからセメントが吸引される場合に比べて、フレコンバッグ18に生じる穴の面積は大きくなる。さらに、穴の壁面のセメントは、バイブレーター51の振動を受けて崩されるため、穴の面積はさらに大きくなる。本実施形態では、比較的多くの量のセメントを自動吸引できる。
【0052】
そして、図8(d)に示すように、吸引ノズル30がフレコンバッグ18の底面に到達すると、吸引ノズル30による自動吸引は終了する。フレコンバック18内では、底面の周囲にセメントが残った状態となる。作業者は、吸引ノズル30を持ち上げて、自動吸引による吸い残しのセメントを吸引ノズル30に手動で吸引させる。本実施形態では、自動吸引によるセメントの吸い残しが少なく、手動吸引の時間が短くなる。
【0053】
手動吸引が終了してフレコンバック18内からセメントがなくなると、作業者は、フレコンバック18の交換作業を行う。具体的に、作業者は、セメントがなくなったフレコンバック18を取り除き、新しいフレコンバック18を設置し、フレコンバッグ18のセメント面18aに吸引ノズル30の先端を当接させる。これにより、新たに設置したフレコンバッグ18に対しセメントの自動吸引が開始される。セメントの自動吸引が開始されると、作業者は、フレコンバック18から離れることが可能となる。
【0054】
<セメントミルクの生成>
次に、セメントミルクの生成動作について説明する。作業者が、操作パネルにおいてセメントミルクの生成動作の実行を選択すると、制御装置は、粉体処理装置10に対しセメントミルクの生成動作を実行させる。
【0055】
セメントミルクの生成動作では、制御装置が、まず給水用ポンプ(図示省略)の運転を開始させて、ミキシングタンク12への水供給を開始させる。水供給の実行中は、ミキシングタンク12に設けられたロードセルによって、ミキシングタンク12内に供給された水の重量が計測される。そして、ロードセルの計測量が所定重量に到達すると、制御装置は給水用ポンプを停止させる。
【0056】
続いて、制御装置は、負圧開放弁44及び第1排出バルブ16の各々を開状態に切り替えると共に、スクリューフィーダー19の運転を開始させて、粉体貯留タンク22からミキシングタンク12へのセメント供給を開始させる。制御装置は、バイブレーター29も運転させる。セメント供給の実行中は、ロードセルによってミキシングタンク12内に供給されたセメントの重量が計測される。そして、ロードセルの計測量が所定重量に到達すると、制御装置は、スクリューフィーダー19を停止させる。なお、制御装置は、セメント供給の途中にミキサー13の運転を開始させる。セメント供給の終了後もミキサー13の運転は継続される。
【0057】
続いて、制御装置は、混和剤をミキシングタンク12へ供給する混和剤供給を行う。混和剤供給も、ロードセルによる計量を行うことで、所定重量の混和剤がミキシングタンク12へ供給される。そして、制御装置は、混和剤供給の終了から所定時間が経過するまでミキサー13の運転を継続させる。ミキサー13の運転が停止すると、セメントミルクの生成動作は終了する。なお、粉体処理装置10は、混和剤の代わりにベントナイトをミキシングタンク12へ供給可能に構成されていてもよい。
【0058】
セメントミルクの生成動作が終了すると、制御装置は、第2排出バルブ17を開状態に切り替える。これにより、ミキシングタンク12から貯留容器14へセメントミルクが供給され、貯留容器14にセメントミルクが貯留される。ミキシングタンク12は空になる。ミキシングタンク12が空になると、制御装置は、再び粉体処理装置10に対しセメントミルクの生成動作を実行させる。
【0059】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、フレコンバッグ18内において主開口61が下方を向くように吸引ノズルを設置してセメントを自動吸引する場合に、吸引ノズル30の下方と側方の両方からセメントが吸引されるため、フレコンバッグ18におけるセメントの吸い残しを減らすことができる。また、フレコンバッグ18の上端部が複数箇所で上方に引っ張られているため、フレコンバック18の内面側にセメントが残りにくく、セメントの吸い残しをさらに減らすことができる。そのため、手動吸引の時間を短くすることができ、手動吸引の作業者をなくして無人化を図ることも可能になる。
【0060】
また、本実施形態では、開口調節部50,58によって副開口62の開口面積を増減させるため、少なくとも副開口62の開口面積が全開より小さくなる期間を設けることができる。そのため、開口調節部50,58を設けない場合に比べて、吸引装置24の負荷を軽減することができる。
【0061】
また、本実施形態では、吸引ノズル30からセメントを吸引する期間に、1つの回転部材58によって複数の副開口62の開口面積が増減されるため、開口調節部50,58の構成を簡素化することができる。
【0062】
また、本実施形態では、ケーシング56の内側に回転部材58が収容されるため、セメントの吸引時に回転部材58をスムーズに回転させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、容器本体部26に区画部材33を設けているため、副室26bにおけるセメントの堆積高さが高くなりにくい。そのため、主室26a側方の副室26bに各フィルタユニット38を配置することが可能であり、粉体貯留タンク22の高さを低くすることが可能である。
【0064】
また、本実施形態では、主開口61の開口面積が副開口の開口面積の合計より大きいため、自動吸引においてフレコンバッグ18の底に吸引ノズル30が到達するのに要する時間を比較的短くすることができる。
【0065】
本実施形態では、セメントの吸引によってセメントの移送を行うため、セメントの飛散を抑制することができる。そのため、飛散対策が必要なくなる上に、セメントの飛散によって周辺環境に影響を与える社会問題を解決することができる。
【0066】
[変形例について]
上述の実施形態について、粉体移送装置20は、セメント以外の粉体(例えば、食品関係の粉末、インクトナーなど)の移送に使用してもよい。
【0067】
上述の実施形態では、各閉塞部材64について、扇形板部63bの外周部分に設けられているが、扇形開口63aの外側部分に設けてもよいし、扇形板部63bの外側部分と扇形開口63aの外側部分とに跨って設けてもよい。
【0068】
上述の実施形態では、回転部材58の回転中において主開口61の開口面積は一定であるが、主開口61の開口面積を増減させてもよい。この場合に、例えば、半円状の板部材によって主開口61を塞ぐ。半円状の板部材は、例えば各突出部材67の先端の直下に配置する。その場合に、主開口61と副開口62とで全開状態となるタイミングが互いにずれるように、半円状の板部材について周方向の位置を決定してもよい。また、主開口61の個数を2つ以上としてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、回転部材58の回転中に各副開口62の開口面積がゼロになるタイミングがあるが、このようなタイミングがなく各副開口62が常に開状態となるようにして開口面積を増減させてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、副開口62の開口面積を自動で増減させているが、副開口62の開口面積を手動で増減させるように吸引ノズル30が構成されていてもよい。この場合、例えば、吸引ノズル30の各副開口62に対し、手動で動かすシャッターが設けられる。作業者は、工事現場の状況に応じてシャッターをスライド等により動かして、各副開口62の開口面積を減らしたり、増やしたりすることができる。
【0071】
上述の実施形態では、フレコンバッグ18のセメントを移送する際に最初から、回転部材58を回転させて各副開口62の開口面積を増減させたが、途中まで各副開口62を閉状態に維持した後に回転部材58を回転させて各副開口62の開口面積を増減させてもよい。
【0072】
上述の実施形態では、ケーシング56において上下方向で見た場合に副開口62は1段であるが、副開口62を2段以上設けてもよい。この場合、図3に示すケーシング56に対し、例えば曲面部56bに上側の副開口62を追加してもよい。そして、この上側の副開口62に対して閉塞部を設けずに、開口が常に全開となるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、セメントなどの粉体を移送するための粉体移送装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 粉体移送装置
20 粉体処理装置
22 粉体貯留タンク
24 吸引装置
31 第1ホース(粉体用通路)
32 第2ホース(空気用通路)
50 吸引ノズル
61 主開口
62 副開口
64 閉塞部材(閉塞部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8