(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】穴あけ装置、および、スパウト装着装置
(51)【国際特許分類】
B31B 70/84 20170101AFI20220112BHJP
【FI】
B31B70/84
(21)【出願番号】P 2021513469
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2020044657
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2020028693
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 幹夫
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-159093(JP,A)
【文献】特表2013-500890(JP,A)
【文献】特表2002-516794(JP,A)
【文献】特開2010-137901(JP,A)
【文献】特開昭61-233529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/84
B65D 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブの間欠搬送の停止の間に前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブにスパウト用の穴をあける穴あけ装置であって、
パンチ刃と、
スパウトを支持するための支持部材と、
前記パンチ刃と前記支持部材に支持された前記スパウトとが前記ウェブを間にして前記ウェブに垂直な方向に互いに対向しているときに、前記パンチ刃または前記支持部材の一方を他方に向かって前記垂直な方向に移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあける駆動機構と、を備える、
穴あけ装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記パンチ刃を前記支持部材に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあける、
請求項1に記載の穴あけ装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて、前記スパウトを前記ウェブに当接させる、
請求項2に記載の穴あけ装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記支持部材を前記パンチ刃に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあける、
請求項1に記載の穴あけ装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、穴あけの前に、前記パンチ刃を前記ウェブに当接させる、
請求項4に記載の穴あけ装置。
【請求項6】
前記スパウトは、
第1端および第2端を有する筒状の本体と、
前記第1端において前記本体の外周に設けられたフランジと、を備え、
前記支持部材は、前記フランジが前記ウェブに向けられるように前記本体を受容するための受容部を備え、
前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて前記フランジを前記ウェブに当接させる、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の穴あけ装置。
【請求項7】
前記ウェブ用の受台を、さらに備え、
前記受台は、前記垂直な方向にのびて前記パンチ刃の移動を許容する貫通孔としての通過孔を有し、
前記駆動機構は、
前記支持部材を移動させて前記スパウトを前記ウェブおよび前記受台に対して押し付け、
前記スパウトが前記ウェブおよび前記受台に対して押し付けられた状態で、前記パンチ刃を前記支持部材に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあける、
請求項6に記載の穴あけ装置。
【請求項8】
前記スパウトは、
第1端と第2端とを有する筒状の本体と、
前記第1端において前記本体の外周に設けられたフランジと、を備え、
前記支持部材は、前記第2端が前記ウェブに向けられるように前記フランジを受容するための受容部を備え、
前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて前記第2端を前記ウェブに当接させる、
請求項1から請求項5に記載の穴あけ装置。
【請求項9】
前記パンチ刃の外径は、前記スパウトの筒状の本体の内径以下である、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の穴あけ装置。
【請求項10】
前記パンチ刃の内径は、前記スパウトの筒状の本体の外径以上である、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の穴あけ装置。
【請求項11】
前記パンチ刃の外周りに設けられて前記パンチ刃の先端よりも突出する弾性体であって、前記パンチ刃の前記ウェブへの移動によって前記ウェブに押し付けられて圧縮される弾性体を、さらに備える、
請求項10に記載の穴あけ装置。
【請求項12】
前記駆動機構は、
前記パンチ刃を前記垂直な方向に移動させる第1駆動ユニットと、
前記支持部材を前記垂直な方向に移動させる第2駆動ユニットと、を備える、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の穴あけ装置。
【請求項13】
間欠搬送されるウェブにスパウトを装着するスパウト装着装置であって、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の穴あけ装置と、
間欠搬送の停止の間に前記スパウトを前記ウェブにシールするシール装置と、を備える、
スパウト装着装置。
【請求項14】
前記穴あけ装置は、前記穴と前記スパウトとが互いに整合するように前記スパウトを前記ウェブに対して位置決めし、
前記シール装置は、位置決めされた前記スパウトを前記ウェブにシールする、
請求項13に記載のスパウト装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ウェブの間欠搬送の停止の間にウェブを打ち抜いてウェブにスパウト用の穴をあける穴あけ装置、および、当該穴あけ装置を備えるスパウト装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スパウト付きの袋を製造する製袋機が知られている。例えば、このような製袋機は、連続状の胴材のようなウェブをその長さ方向に間欠搬送する搬送装置と、スパウトをウェブに装着するスパウト装着装置とを備える。
【0003】
特許文献1に開示されたスパウト装着装置は、穴あけ装置とシール装置とを備える。穴あけ装置は、パンチ刃およびパンチ受台を備え、これらによって胴材を打ち抜いて胴材に穴をあける。
【0004】
その後、スパウト装着装置は、穴あけ装置を、穴あけ位置から退避させるとともに、シール装置をその位置まで移動させる。そして、シール装置が、スパウトを、胴材の穴まで運び、スパウトを胴材にシールする。
【0005】
このようなスパウトの装着は、間欠搬送の停止の間に行われる。そして、スパウトの装着は、間欠搬送のサイクル毎に繰り返される。
【0006】
製袋効率の向上が求められている。そのために、製袋機の各装置、例えば穴あけ装置の改良が行われている。
【0007】
本願は、スパウトを利用した新規な穴あけを提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
本願の一態様によれば、ウェブの間欠搬送の停止の間に前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブにスパウト用の穴をあける穴あけ装置が提供され、前記穴あけ装置は、パンチ刃と、スパウトを支持するための支持部材と、を備える。前記穴あけ装置は、さらに、前記パンチ刃と前記支持部材に支持された前記スパウトとが前記ウェブを間にして前記ウェブに垂直な方向に互いに対向しているときに、前記パンチ刃または前記支持部材の一方を他方に向かって前記垂直な方向に移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあける駆動機構と、を備える。
【0010】
前記駆動機構は、前記パンチ刃を前記支持部材に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあけてよい。また、前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて前記スパウトを前記ウェブに当接させてよい。
【0011】
前記駆動機構は、前記支持部材を前記パンチ刃に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあけてよい。前記駆動機構は、穴あけの前に、前記パンチ刃を前記ウェブに当接させてよい。
【0012】
前記スパウトは、第1端および第2端を有する筒状の本体と、前記第1端において前記本体の外周に設けられたフランジと、を備えてよい。前記支持部材は、前記フランジが前記ウェブに向けられるように前記本体を受容するための受容部を備えてよい。前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて前記フランジを前記ウェブに当接させてよい。
【0013】
前記穴あけ装置は、前記ウェブ用の受台をさらに備えてよい。前記受台は、前記垂直な方向にのびて前記パンチ刃の移動を許容する貫通孔としての通過孔を有してよい。前記駆動機構は、前記支持部材を移動させて前記スパウトを前記ウェブおよび前記受台に対して押し付けてよい。そして、前記駆動機構は、前記スパウトが前記ウェブおよび前記受台に対して押し付けられた状態で、前記パンチ刃を前記支持部材に向かって移動させて、前記パンチ刃と前記スパウトとによって前記ウェブを打ち抜いて前記ウェブに穴をあけてよい。
【0014】
前記スパウトは、第1端と第2端とを有する筒状の本体と、前記第1端において前記本体の外周に設けられたフランジと、を備えてよい。前記支持部材は、前記第2端が前記ウェブに向けられるように前記フランジを受容するための受容部を備えてよい。前記駆動機構は、穴あけの前に、前記支持部材を移動させて前記第2端を前記ウェブに当接させてよい。
【0015】
前記パンチ刃の外径は、前記スパウトの筒状の本体の内径以下でよい。また、前記パンチ刃の内径は、前記スパウトの筒状の本体の外径以上でよい。
【0016】
前記穴あけ装置は、前記パンチ刃の外周りに設けられて前記パンチ刃の先端よりも突出する弾性体であって、前記パンチ刃の前記ウェブへの移動によって前記ウェブに押し付けられて圧縮される弾性体を、さらに備えてよい。
【0017】
前記駆動機構は、前記パンチ刃を前記垂直な方向に移動させる第1駆動ユニットと、前記支持部材を前記垂直な方向に移動させる第2駆動ユニットと、を備えてよい。
【0018】
また、本願の一態様によれば、間欠搬送されるウェブにスパウトを装着するスパウト装着装置が提供され、当該スパウト装着装置は、上記の穴あけ装置と、間欠搬送の停止の間に前記スパウトを前記ウェブにシールするシール装置と、を備える。
【0019】
前記穴あけ装置は、前記穴と前記スパウトとが互いに整合するように前記スパウトを前記ウェブに対して位置決めしてよい。そして、前記シール装置が、位置決めされた前記スパウトを前記ウェブにシールしてよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、例示の製袋機の部分的かつ概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本願の実施形態が説明される。図中に示される構成要素は正寸ではなく、働きを示すだけにすぎない。各実施形態において、同一または類似の構成には、同一の符号が付される。
【0022】
図1は、例示の製袋機を部分的かつ概略的に示す。製袋機は、少なくともウェブ1とスパウト2とから、スパウト2付きの袋を製造する。ウェブ1は、例えば、連続状の胴材であり、プラスチックフィルムである。ウェブ1は、袋の胴部を形成するための胴材に限られず、例えば、袋の端面部(天面部または底面部)を形成するための連続状の端面材でもよい。ウェブ1は、プラスチックフィルムの他に、例えば、紙や、紙のベースと当該ベースにラミネートされたフィルムとからなる積層体でもよい。
【0023】
製袋機は、ウェブ1をその長さ方向に間欠搬送する搬送装置3を備える。すなわち、ウェブ1は、搬送装置3によって搬送と停止を繰り返す。さらに、製袋機は、スパウト2をウェブ1に装着するスパウト装着装置4を備える。
【0024】
実施形態では、搬送装置3は、駆動ローラ30と、ガイドローラ31,32とを含む。ウェブ1および別のウェブ1’が互いに重ね合わされた状態で駆動ローラ30に挟まれている。駆動ローラ30が不図示のモータによって間欠回転されることで、ウェブ1,1’がその長さ方向に間欠搬送される。方向Xは、ウェブ1,1’の搬送方向を示す。ガイドローラ31,32は、駆動ローラ30の上流に配置されている。ウェブ1がガイドローラ31によって案内され、ウェブ1’がガイドローラ31,32によって案内され、ウェブ1,1’がガイドローラ31によって互いに重ね合わされる。実施形態では、袋は、少なくともウェブ1,1’およびスパウト2から、順次製造される。
【0025】
スパウト2が装着される位置より下流に設けられた駆動ローラ30やガイドローラ31,32は、公知の溝付きローラのような構成となっており、スパウト2と干渉することなくウェブ1,1’を搬送することが出来る。
【0026】
例示のスパウト2が、
図2A、
図2Bに示されている。スパウト2は、筒状の本体20と環状のフランジ21とを備える。本体20は、両端として第1端および第2端を有する。フランジ21は、本体20の第1端において本体20の外周に設けられている。符号200は、本体20の軸線を示す。
【0027】
スパウト装着装置4は、
図3の通り、ウェブ1の間欠搬送の停止の間にウェブ1を打ち抜いてウェブ1にスパウト2用の穴10(
図6A等)をあける穴あけ装置5を備える。
【0028】
穴あけ装置5は、パンチ刃50と、スパウト2を支持するための支持部材51とを備える。穴あけ装置5は、さらに、パンチ刃50と支持部材51とを移動させて、後述の通りウェブ1を打ち抜いてウェブ1に穴10をあける駆動機構52を備える。穴あけ装置5は、さらに、支持部材51にスパウト2を供給するスパウトフィーダ53と、穴あけの際に発生するカス11(
図5B)を吸引するための吸引機54と、をさらに備える。
【0029】
実施形態では、パンチ刃50は、スパウト2の本体20の内径以下の外径を有する。具体的には、パンチ刃50は、本体20の内径よりわずかに小さい外径を有するギザ刃である。符号500は、パンチ刃50の軸線を示す。
【0030】
支持部材51は、スパウト2を受容するための受容部510を有する。実施形態の受容部510は、本体20を受容する貫通孔としてブロック状の支持部材51に形成されている。
【0031】
実施形態の駆動機構52は、パンチ刃50を、ウェブ1に対して垂直な方向Zに移動させる第1駆動ユニット521と、支持部材51を方向Zに移動させる第2駆動ユニット522とを備える。ウェブ1が水平に間欠搬送される実施形態では、方向Zは上下方向である。
【0032】
パンチ刃50は、第1駆動ユニット521に取り付けられ、間欠搬送されているウェブ1に対して一方(上方)に位置し、ウェブ1の第1面(上面)に向けられている。実施形態の第1駆動ユニット521は、パンチ刃50を、当該パンチ刃50がウェブ1(搬送装置3によって水平に間欠搬送されているウェブ1)から退避した位置と、当該パンチ刃50がウェブ1に進入する位置との間で、方向Zに移動させる。例えば、第1駆動ユニット521は、シリンダなど、パンチ刃50を直線的に移動させるためのアクチュエータを含んでよい。
【0033】
支持部材51は、第2駆動ユニット522に取り付けられ、間欠搬送されているウェブ1に対して他方(下方)に位置し、ウェブ1の第2面(下面)に向けられている。そして、パンチ刃50と支持部材51とが、ウェブ1を間にして方向Zに互いに対向する。実施形態の第2駆動ユニット522は、支持部材51を、当該支持部材51がウェブ1から退避した位置と、支持部材51に支持されたスパウト2がウェブ1と当接する位置との間で、方向Zに移動させる。例えば、第2駆動ユニット522は、シリンダなど、支持部材51を直線的に移動させるためのアクチュエータを含んでよい。
【0034】
スパウトフィーダ53は、支持部材51がウェブ1から退避しているときに、スパウト2を支持部材51に供給する。実施形態のスパウトフィーダ53は、本体20が受容部510に受容され、かつ、フランジ21が支持部材51の上面に支持されてウェブ1に向けられるように、スパウト2を供給する。スパウト2が支持部材51に支持されると、スパウト2とパンチ刃50とがウェブ1を間にして方向Zに互いに対向する。さらに、スパウト2の軸線200は、パンチ刃50の軸線500と整合する。スパウトフィーダ53は、その詳細が省略されるが、例えば特許文献1と同様、ロボットでよい。
【0035】
実施形態の吸引機54は、支持部材51に接続されており、穴あけの際に発生するカス11を貫通孔としての受容部510を通じて吸引する。吸引機54は、例えば、支持部材51に接続されたチューブ、負圧を発生させるポンプなどを含んでよい。
【0036】
以下、穴あけ装置5の動作が説明される。
図4A-
図7Bにおいて、駆動機構52(第1および第2駆動ユニット521,522)、スパウトフィーダ53、吸引機54の図示は省略される。以下の穴あけは、ウェブ1の間欠搬送の停止の間に行われる。
【0037】
図4Aの通り、パンチ刃50および支持部材51は第1および第2駆動ユニット521,522によってそれぞれウェブ1から退避している。そして、支持部材51が退避しているときに、スパウト2が、スパウトフィーダ53によって支持部材51に供給され、支持部材51に支持される。
【0038】
図4Bの通り、第2駆動ユニット522が、支持部材51を上方に移動させてフランジ21をウェブ1に当接させ、それにより、スパウト2をウェブ1に対して位置決めする。
【0039】
図5A,
図5Bに示されるように、第1駆動ユニット521は、パンチ刃50を支持部材51に向かって移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜きウェブ1に穴10(
図6A)をあける。実施形態では、ウェブ1がパンチ刃50とスパウト2とによって挟まれ、それから、パンチ刃50がウェブ1に進入し、本体20に挿入し、それによって、穴10をウェブ1にあける。穴10は、位置決めされたスパウト2と整合している。
【0040】
カス11が穴あけの際に発生する。カス11は、吸引機54によって受容部510を通じて吸引される。
【0041】
図6A,
図6Bの通り、穴あけ後に、第1駆動ユニット521はパンチ刃50をウェブ1から退避させるが、第2駆動ユニット522はウェブ1から支持部材51を退避させず、スパウト2をウェブ1(穴10)に対して位置決めしたままである。
【0042】
こうして、穴あけ装置5は、ウェブ1の間欠搬送の停止の間に、スパウト2とパンチ刃50との協働によってウェブ1を打ち抜きウェブ1に穴10をあける。穴あけステップ後に、スパウト装着装置4は、スパウト2をウェブ1にシールするステップを実施する。
【0043】
このために、スパウト装着装置4は、
図7Aの通り、ウェブ1の間欠搬送の停止の間に、位置決めされたスパウト2をウェブ1にシールするシール装置6をさらに備える。シール装置6は、例えば、スパウト2をウェブ1にシールするためのシールヘッド60と、シールヘッド60を移動させるためのヘッド駆動機構61(例えば、駆動アームなどを含む)を備える。
【0044】
シール装置6が、ヘッド駆動機構61を用いて、シールヘッド60を、シールするのに適切な所定の位置まで移動させて、シールヘッド60を用いて、スパウト2(そのフランジ21)をウェブ1にシールする。例えば、シールヘッド60として、加熱されたシールブロックが用いられる。そして、
図7Aの通り、シール装置6が、シールブロック60と支持部材51とによってフランジ21およびウェブ1を挟み、それによって、ウェブ1とフランジ21とを互いにヒートシールする。それから、シール装置6は、ヘッド駆動機構61を用いてシールヘッド60を退避させる。
【0045】
スパウト2のシールは、上記のシールブロックを用いたヒートシールに限らず、レーザまたは超音波を用いたシールなど他の形態のシールでもよい。したがって、シールヘッド60は、シールの形態に合った構成を有すればよい。
【0046】
図7Bの通り、シール後に、第2駆動ユニット522が、支持部材51をウェブ1から下方に退避させる。スパウト2がウェブ1にシールされているので、支持部材51だけがウェブ1から離れる。
【0047】
以上のようにして、間欠搬送の停止の間に、スパウト2がウェブ1に装着される。そして、ウェブ1がスパウト2と共に搬送され始める。以上の穴あけおよびシールステップが、間欠搬送のサイクル毎に実施される。したがって、スパウト2が順次ウェブ1に装着される。こうして製造された袋では、内容物をスパウト2および穴10を通じて出し入れできる。
【0048】
以下、穴あけの他の実施形態が説明される。
【0049】
図8の実施形態では、パンチ刃50がウェブ1の下方に位置され、支持部材51がウェブ1の上方に位置されている。これに応じて、各構成要素が適切な位置に設けられている。穴あけ装置5は、さらに、ウェブ1用の受台55を備えている。受台55は、方向Zにのびてパンチ刃50の通過を許容する貫通孔としての通過孔550を有する。
【0050】
図9Aの通り、第2駆動ユニット522が支持部材51を下方に移動させて、フランジ21をウェブ1に当接させ、そして、フランジ21を支持部材51によってウェブ1および受台55に対して押さえ付ける。したがって、フランジ21およびウェブ1が支持部材51と受台55との間に挟まれ、フランジ21がウェブ1に対して位置決めされる。
【0051】
図9Bの通り、第1駆動ユニット521は、パンチ刃50を支持部材51に向かって上方に移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜きウェブ1に穴10(
図10)をあける。カス11は、受容部510を通じて吸引機54によって吸引される。
【0052】
図10の通り、第1駆動ユニット521は、パンチ刃50を下方に退避させる。第2駆動ユニット522は、支持部材51を上方に退避させ、スパウト2をウェブ1上に置いたままにする。
【0053】
シール装置(本実施形態では図示されない)は、受け台55に内蔵されたリング状のヒーターを含む。穴あけステップの際、ウェブ1のフランジ21に接している表面の素材が、当該ヒーターによってその融点以上の温度で加熱されることで、スパウト2がウェブ1にヒートシールされる。したがって、本実施形態では、穴あけステップおよびシールステップが同時並行で実施される。
【0054】
こうして、スパウト2がウェブ1に装着される。以上のスパウト2の装着が間欠搬送の停止の間に行われる。そして、これが、間欠搬送のサイクル毎に繰り返される。
【0055】
図11の実施形態では、パンチ刃50がウェブ1の上方に位置され、支持部材51がウェブ1の下方に位置されている。これに応じて、各構成要素が適切な位置に設けられている。パンチ刃50の内径は、本体20の外径以上である。具体的には、パンチ刃50は、ギザ刃であり、本体20の外径よりもわずかに大きい内径を有する。受容部510は、フランジ21を受容するために凹部として支持部材51に形成されている。スパウトフィーダ53は、フランジ21が受容部510に受容されかつ本体20の第2端(フランジ21と反対の端)がウェブ1に向けられるように、スパウト2を支持部材51に供給する。吸引機54は、支持部材51ではなくパンチ刃50に接続されており、カス11(
図12B)を、パンチ刃50内を通じて吸引する。
【0056】
図12Aの通り、スパウト2の支持部材1への供給後に、第2駆動ユニット522が、支持部材51を上方に移動させて本体20の第2端をウェブ1に当接させる。
【0057】
図12Bの通り、第1駆動ユニット521は、パンチ刃50を支持部材51に向かって下方に移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜きウェブ1に穴10をあける。実施形態では、ウェブ1がパンチ刃50とスパウト2とによって挟まれ、それから、パンチ刃50がウェブ1に進入し、スパウト2(本体20)に外嵌めし、それによって、穴10をウェブ1にあける。穴10は、スパウト2と整合している。カス11は、吸引機54によってパンチ刃50内を通じて吸引される。
【0058】
図13A、
図13Bの通り、第1駆動ユニット521がパンチ刃50を上方にウェブ1から退避させる一方で、第2駆動ユニット522は、支持部材51をさらに上方に移動させて、フランジ21がウェブ1に当接するまで本体20を穴10に挿入する。これにより、スパウト2が、シールのために、ウェブ1に対して位置決めされる。
【0059】
その後、シール装置(本実施形態では図示されない)が、位置決めされたスパウト2をウェブ1にシールする。こうして、スパウト2がウェブ1に装着される。以上のスパウト2の装着が間欠搬送の停止の間に行われる。そして、これが、間欠搬送のサイクル毎に繰り返される。
【0060】
図14の実施形態では、穴あけ装置5は、さらに、パンチ刃50の外周りに設けられた環状の弾性体56を備える。弾性体56は、パンチ刃50のベース501に取り付けられてパンチ刃50の先端よりも突出している。弾性体56は、非圧縮状態で第1長さL1(
図15A)を有する。その他の構成要素は、先の実施形態と同様の構成を有する。
【0061】
図15A、
図15Bの通り、第1駆動ユニット521が、パンチ刃50を弾性体56と共に下方に移動させて弾性体56をウェブ1に当接させ、さらに、パンチ刃50をウェブ1に向かって下方に移動させて、弾性体56をウェブ1に押し付け圧縮させ、パンチ刃50もウェブ1に当接させる。ここで、圧縮された弾性体56は、第1長さL1よりも短い第2長さL2を有する。
【0062】
図15B、
図16Aの通り、弾性体56がこのようにウェブ1に押し付けられ圧縮されているときに、第2駆動ユニット522が、支持部材51をパンチ刃50に向かって上方に移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜いてウェブ1に穴10をあける。すなわち、ウェブ1がパンチ刃50とスパウト2とによって挟まれ、それから、スパウト2(本体20)がウェブ1に進入し、パンチ刃50に挿入し、それによって、穴10をウェブ1にあける。したがって、穴あけと同時に、スパウト2(本体20)が穴10に挿入される。カス11は、吸引機54によってパンチ刃50内を通じて吸引される。
【0063】
図16Bに示される通り、第2駆動ユニット522がさらに支持部材51を上方に移動させて、フランジ21がウェブ1に当接するまで本体20を穴10にさらに挿入し、一方、第1駆動ユニット521もパンチ刃50を上方に移動させていく。ここで、弾性体56はまだ圧縮されており、第1長さL1より小さく第2長さL2より大きい第3長さL3を有する(L2<L3<L1)。つまり、ウェブ1は弾性体56によりフランジ21に密着するまで押しつけられ、かつ、パンチ刃50の刃の先端はウェブ1に触れていない状態なので、パンチ刃50によってフランジ21が傷つけられることはない。
【0064】
図17の通り、さらに、第1駆動ユニット521が、パンチ刃50をさらに上方に移動させて、スパウト2から完全に離れさせる。
【0065】
その後に、
図17のように位置決めされたスパウト2は、他の実施形態と同様にシール装置によってウェブ1にシールされる。こうして、スパウト2がウェブ1に装着される。以上のスパウト2の装着が間欠搬送の停止の間に行われる。そして、これが、間欠搬送のサイクル毎に繰り返される。
【0066】
以上の各実施形態の通り、駆動機構52は、パンチ刃50と支持部材51によって支持されたスパウト2とがウェブ1を間にして互いに方向Zに対向しているときに、パンチ刃50または支持部材51の一方を他方に向かって方向Zに移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜いてウェブ1に穴10をあける。すなわち、各実施形態は、スパウト2とパンチ刃50との協働という新規な穴あけを提供する。
【0067】
特許文献1では、パンチ刃とパンチ受台の穴あけ後に、これらを退避させて、それからスパウトをシールのためにウェブにまで運ばなければならない。そして、そのようなことをするための構成が必要とされる。一方、実施形態では、穴あけを実施すると、既にスパウト2がウェブ1にまで運ばれておりさらに穴10と整合している利点がある。これは、シールステップのスムーズな実施をもたらし、スパウト2の装着効率、ひいては製袋効率を向上させ得る。これは、また、穴あけ装置5、ひいてはスパウト装着装置4および製袋機の小型化に貢献もし得る。
【0068】
パンチ刃50の種類を適切に選択することで(例えば、実施形態のようなギザ刃を選択することで)、打ち抜き時にパンチ刃50の外周面/内周面と、スパウト2の内周面/外周面との間にある程度のクリアランスがあっても、穴あけを適切に実施できる。また、パンチ刃50とスパウト2との上下関係、またはスパウト2の本体20の内側か外側のいずれに穴をあけるのかについては、適宜選択することが出来る。
【0069】
上記の各実施形態は、本願の穴あけ装置がウェブ1,1’からなる非常に単純な袋の製造に適用された例示にすぎない。本願の穴あけ装置は、上記の各実施形態に限定されることはない。本願の穴あけ装置は、ガセット付き角底袋やスタンドパック袋など各種の袋にスパウトを装着するために適用されてよい。
【符号の説明】
【0070】
1 ウェブ
2 スパウト
20 本体
21 フランジ
3 搬送装置
4 スパウト装着装置
5 穴あけ装置
50 パンチ刃
51 支持部材
52 駆動機構
521 第1駆動ユニット
522 第2駆動ユニット
6 シール装置
X ウェブの搬送方向
Z ウェブに対する垂直な方向
【要約】
スパウトを利用した新規な穴あけを提供する。穴あけ装置は、パンチ刃50と、スパウト2を支持するための支持部材51とを備える。さらに、穴あけ装置は、駆動機構を備える。駆動機構は、パンチ刃50と支持部材51に支持されたスパウト2とがウェブ1を間にしてウェブ1に垂直な方向Zに互いに対向しているときに、パンチ刃50または支持部材51の一方を他方に向かって垂直な方向Zに移動させて、パンチ刃50とスパウト2とによってウェブ1を打ち抜いてウェブ1に穴をあける。