(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】角度調整枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20220112BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A47G9/10 Z
A47G9/10 M
A47C27/14 D
(21)【出願番号】P 2019203657
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2019-11-11
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599158111
【氏名又は名称】明光ホームテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】特許業務法人 Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白木 豊治
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】鈴木 充
【審判官】山本 信平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-148178(JP,A)
【文献】特開平11-187961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0232696(US,A1)
【文献】韓国実用新案第20-0440058(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G9/10
A47C3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一とし、かつ、
ウレタンフォームで包み込んだ枕受体(10)と、
前記枕受体(10)の対向する2辺に架設し、その端部を接合した複数本の金属管材か
らなる第1の形状保持材(
14,15)と、
2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一とした前記枕
受体(10)よりも幅が狭い転倒防止体(20)と、
前記転倒防止体(20)の対向する2辺に架設し、その端部を接合した複数本の金属管
材からなる第2の形状保持材(
24,25,26)と、
前記枕受体(10)と前記転倒防止体(20)とを互いに結ぶ軸として形成した回動自在軸(40)と、
前記転倒防止体(20)側を固定側とし、前記枕受体(10)側を回動自在側としたと
き、両者間の開き角度θが鋭角で、かつ、所定の角度で係止される回動軸ロック機構(30A,30B)と
を具備し、
前記転倒防止体(20)と前記枕受体(10)の両者間の角度θ=0°のとき、前記枕受体(10)の前記コ字状内に前記枕受体(10)よりも幅が狭い前記コ字状の転倒防止体(20)が収まり、
前記転倒防止体(20)側を固定側とし、前記枕受体(10)側を回動自在側としたと
き、両者間
の角度θ=90°内を4~40個の角度で係止爪が係止可能に係止させることを特徴とする角度調整枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絨毯の上面、畳の上面、ホーム炬燵に「ごろ寝」をするとき、背もたれ部を有する椅子、ソファー、ベッド用ヘッドボード、医療用のベッドの上に本発明の角度調整枕を置き、頭を載せる普通の枕として、または腰枕として人体との間に配置する角度調整枕に関するものである。
特に、座った背中を凭れ、押圧力を利用して押し当てて背筋を伸ばし、また、反らせながら背中の疲れを癒やすことのできる角度調整枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、角度調整枕に近似する発明として、特許文献1に記載の背凭れ器がある。特許文献1には、縦長方形の板体からなる固定板上の中央付近に、同様の板体からなる回転板を長さ方向に沿って基端に遊びを設けて枢着し、固定板と回転板の重なり部に支点部材を長さ方向に移動可能に介在してなる技術が開示されている。
即ち、椅子等の背凭れ部に立てかけた固定板に対し、回転板を上方に展開し、両板の重なり部相互間に移動可能に装着した支点部材の支点位置により、固定板に対し回転板を任意の角度に支持固定して、座り凭れた重力を利用して背筋部を回転板上に押し当てることで、頭部重力を支える頸骨の筋肉及び背筋肉を弛緩させて背筋を押圧し、肩押骨を後方へ反らすことができる。
この特許文献1に記載の背凭れ器は、固定板と回転板の弾性と梃子の原理を使用するもので、角度調整枕の機能は有していない。殊に、睡眠を採りやすいとか、背筋を伸ばしやすい等の機能は有していない。
【0003】
一般に、背凭れの座椅子は、物臭な人間にとっては角度調整枕として使用される場合も少なくない。背凭れが調整可能な座椅子として特許文献2に記載の技術がある。
即ち、特許文献2のラチェット金具によれば、複数段の回転位置で逆転防止爪の爪片をラチェット歯に安定して係合させることができ、更にラチェット歯における一側面部を所定の円弧状に形成しているため、ラチェットを逆回転方向に回転させるような多大な荷重が加わったとしても、爪片がラチェット歯の一側面部に強圧に干渉するようなことがなく切り下げ現象を防止できるので、ラチェット歯や爪片が破損してしまう等の不具合を確実に防止することができる。
【0004】
また、回動金具を初期位置に復帰させた際に、カム板における周縁突部の端部を、第2爪片の初期係合位置に対応するラチェット歯の歯溝部内に配置する場合、長期間の使用等により、カム板における周縁突部の端部がすり減ったとしても、各爪片を確実に初期係合位置に対応するラチェット歯に確実に係合させることができ、安定した動作を長期間維持することができ、信頼性を向上させることができる。
そして、カム板を押して操作するための押込位置を、カム板の外周縁部に設ける場合には、カム板回転操作時のモーメントを大きくすることができ、カム板の回転操作をスムーズに行うことができる。更に、カム板回転操作時のストロークも大きく確保することができるため、カム板の微細な操作も確実に制御することができ、動作信頼性をより一層向上させることができる。
【0005】
更に、特許文献3の回動角度調整装置は、シャフトと棒状プレートとリベットとレバー部材と係止部材と引張ばねを備えている。シャフトは外周に歯車を有し、棒状プレートはシャフトの周りに回動自在に連結されている。リベットは棒状プレートに取付けられ、レバー部材はリベットの周りに回動することができるように連結されている。また、係止部材はシャフトの歯車を係止することができるように配置された第1と第2の係止爪とを有し、リベットの周りに回動できるように連結されている。引張ばねはレバー部材と係止部材との間に配置されている。
このように、反時計回りまたは時計回りのいずれの方向にも可動部材を回動させて360度の範囲で角度を調整して固定することが可能な回動角度調整装置となる。また、反時計回り、または時計回りの何れの方向にも座部または背凭れ部を回動させて360度の範囲で角度を調整して固定することが可能な座椅子を得ることができる。
そして、反時計回りまたは時計回りのいずれの方向にも可動部材を回動させ、角度を調整して固定することが可能な回動角度調整装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平3-16934号公報
【文献】登録実用新案第3127379号
【文献】特開2005-102785号公報
【文献】特開2004-092876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、特許文献1を検討すると、特許文献1には縦長方形の板体からなる固定板、その上の中央付近に板体からなる回転板を長さ方向に沿って枢着し、固定板と回転板の重なり部に支点部材を長さ方向に移動可能に介在してなる技術が開示されているが、回動角度調整は何ら開示されていない。
また、特許文献2にはラチェット金具が開示されており、これはカム板に外方突出状のストッパを形成し、そのストッパを介在させて回動金具を逆転防止爪に当接させ、回動金具の固定金具に対する終端位置を超える正回転方向への回転を阻止するよう構成する場合には、回動金具が必要以上に回転してしまう等の不具合を確実に防止することができるという発明が開示されている。
特許文献3は、回動角度調整装置はシャフトと棒状プレートとリベットとレバー部材と係止部材と引張ばねとを備え、前記シャフトは外周に歯車を有し、棒状プレートはシャフトの周りに回動自在に連結され、リベットは棒状プレートに取り付けられ、レバー部材はリベットの周りに回動することができるように連結されている。係止部材はシャフトの歯車を係止することができるように配置された第1と第2の係止爪とを有し、リベットの周りに回動することができるように連結され、棒状プレートはストッパを含む。引張ばねはレバー部材と係止部材との間に配置されている。
したがって、反時計回りまたは時計回りのいずれの方向にも可動部材を回動させて角度を調整して固定することが可能となる。
【0008】
しかし、特許文献1に記載の背凭れ器は、固定板と回転板の重なり部に支点部材を長さ方向に移動可能に介在してなる技術が開示されているが、何ら回動角度調整技術の開示がされておらず、運動補助具として使用できるだけで、絨毯の上面、畳の上面を利用してごろ寝をするときとか、凭れ有する椅子、ソファー、ベッド用ヘッドボード、医療用のベッドの上に置き腰枕として人体との間に配置する角度調整枕に関する技術思想には、疲れを癒すことのできる角度調整枕という概念がない。
また、特許文献2及び特許文献3にはラチェット機構により、7段以上の回転位置で逆転防止爪の爪片をラチェット歯に係合させるラチェットを逆回転方向に回転させる多大な荷重が加わっても、爪片がラチェット歯の一側面部に強圧に干渉することなく切り下げ現象を防止できるので、ラチェット歯や爪片が破損いる等の不具合を確実に防止できると記載されている。しかし、逆転防止爪やラチェット歯の爪や歯の強度のことは開示されているが、絨毯の上面、畳の上面を利用してごろ寝をするときとか、凭れ有する椅子、ソファー、ベッド用ヘッドボード、医療用のベッドの上に置き腰枕として人体との間に配置する角度調整枕に関する技術思想には、疲れを癒すことができるという概念がない。
【0009】
加えて、特許文献4には、少なくとも、人が着座する座部及び前記座部と接続されて傾動自在な背凭れ部とを有する座椅子において、前記背凭れ部の最上部側にラチェット金具を設け、頭部の凭れ掛けを自在とした傾動自在な頭部受け部と、前記背凭れ部の下部の前記座部側に形成した開口部と、前記背凭れ部の前記座部側の面に人体の尾骨及び胸椎の上部を凭れ掛けた状態下で、前記背凭れ部の面と腰椎との間の間隙を、前記背凭れ部の前記開口部の上側を軸として当該軸に取付けられたラチェット金具によって回動自在に取付けられた補助クッションフレーム及び前記補助クッションフレームに設けられた緩衝材及び被覆材からなる補助クッション部を具備し、頚椎の位置に応じて前記頭部の凭れ掛けの設定を行うように前記頭部受け部を傾動させると共に、前記補助クッション部を回動させることにより、前記背凭れ部の面と前記腰椎との間の隙間をなくすように、人体の背骨全体の曲線形状に従った支えを行う技術思想を発明者らが提供した。
しかし、人が着座する座部及び前記座部と接続されて傾動自在な背凭れ部とを有する座椅子において新規な背凭れを形成したものであるから、座椅子において新規な背凭れを取り付けたものであり、大形のデザインに限られるという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点を解消すべく、絨毯の上面、畳の上面、ホーム炬燵等を利用してごろ寝をするとき、背もたれ部を有する椅子、ソファー、ベッド用ヘッドボード、医療用のベッドの上に置き、人体との間に配置し、押圧力を押し当てて背筋を伸ばし、腰枕として、また、反らせながら背中の疲れを癒やすことのできる角度調整枕の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明の角度調整枕は、内側に曲げてコ字状とした枕受体と、前記転倒防止体の対向する2辺に橋渡しした第1の形状保持材と、内側に曲げてコ字状とした転倒防止体と、前記転倒防止体の対向する並行する2辺に橋渡しした第2の形状保持材と、前記枕受体の自由端側と前記転倒防止体の自由端側とを互いに結ぶ直軸を回動自在軸とし、前記転倒防止体側を固定側とし、前記枕受体側を回動自在側としたとき、両者間の角度が鋭角のときのみ所定の角度で係止された回動軸ロック機構を具備する。
【0012】
ここで、上記枕受体は、2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一としたものである。
上記複数の第1の形状保持材は、前記枕受体の対向する2辺に橋渡しし、枕受体と複数の第1の形状保持材とを接合したものである。
また、上記転倒防止体は、2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一とし、前記枕受体は前記転倒防止体よりも両者の自由端間の幅が広くなっている。
上記複数の第2の形状保持材は、前記転倒防止体の対向する2辺に橋渡しし、転倒防止体と複数の第2の形状保持材とを接合したものである。
そして、上記回動自在軸は、前記枕受体の自由端側と前記転倒防止体の自由端側とを互いに結ぶ軸を回転軸としている。
更に、上記回動軸ロック機構は、前記転倒防止体側を固定側とし、前記枕受体側を回動側としたとき、両者間の角度が鋭角のときのみ所定の回動角度、即ち、4ヶ所以上、40ヶ所以下で回動角度を係止するものである。前記回動軸ロック機構は、角度90°の範囲で任意の数だけ係合するように形成すればよい。
【0015】
この発明の角度調整枕は、前記転倒防止体側を固定側とし、前記枕受体側を回動自在側としたとき、両者が直線状の角度θ=0~90°までを4乃至40個の角度で停止可能に係止させる回動軸ロック機構は、ラチェット機構により、直線状の角度θ=0~90°を4ヶ所以上、40ヶ所以下に係止させるものである。
このとき、4ヶ所以上、40ヶ所以下の係止は、均一に間隔を設定してもよいし、不均一に人の好みまたは健康状態の良好な位置から設定してもよい。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明に係る角度調整枕は、複数の第1の形状保持材を数本接合し、2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とした枕受体と、同様に、2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、また、対向する2辺の長さを略均一とし、枕受体よりも自由端間の幅が狭い転倒防止体と、前記枕受体の自由端側と前記転倒防止体の自由端側とを互いに結ぶ軸を回動自在軸とし、前記転倒防止体側を固定側とし、前記枕受体側を回動自在側としたとき、両者間の角度が鋭角のときのみ所定の角度で係止された回動軸ロック機構を具備する。
したがって、前記転倒防止体側を平面固定側とし、前記枕受体側を垂直に回動自在とし、当該角度は直線状の角度θ=0~90°を回動させた回動角度の90°までを回動自在とするものである。なお、回動角度θ=90°とは、厳格に90°であることを必要とするものではなく、誤差及び接触抵抗を考慮して、90°±15°程度までは許容範囲である。
【0022】
この発明に係る角度調整枕は、前記転倒防止体側を固定側とし、前記枕受体側を垂直方向に起倒回動自在側としたとき、両者が直線状の角度θ=0~90°までを4~40個の角度で係止可能にロックされた回動軸ロック機構を具備するものであるから、前記転倒防止体20側を固定側とし、前記枕受体側を起倒自在側とし、両者が直線状の角度θ=0~90°までの鋭角の変化を行うことができる。しかも、回動軸ロック機構により4~40個の角度で停止可能でき、何れかの体制によって絨毯の上面、畳の上面を利用してごろ寝をするとき、背もたれ部を有する椅子、ソファー、ベッド用ヘッドボード、医療用のベッドの上に置き腰枕として人体との間に配置し、押圧力を押し当てて背筋を伸ばし、また、反らせながら背中の疲れを癒やすことができる。
【0023】
請求項5の発明に係る角度調整枕の前記転倒防止体の固定側は、その裏面に滑りを防止する合成樹脂または合成ゴムを設けているから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、合成樹脂または合成ゴムによる滑りを防止しているから、枕として定位置が決まれば、角度調整枕の設定に無理があっても、頭や腰から離れることがなく滑りを防止できる。特に、合成樹脂または合成ゴムの下面は、密に絨毯の上面、畳の上面に接触するから、安定した固定状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は本発明の角度調整枕の管材全体の(a)は転倒防止体及び転倒防止体を示す正面、(b)はその側面の説明図である。
【
図2】
図1は本発明の角度調整枕の全体の(a)は転倒防止体及び転倒防止体及びウレタンフォームを示す正面、(b)はその側面の説明図である。
【
図3】
図3は本発明の角度調整枕の回動軸ロック機構を示す斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の角度調整枕の3種類(a)~(c)のウレタンフォームを示す平面図である。
【
図5】
図5は本発明の角度調整枕の角度θ=0°の使用状態に係る説明図である。
【
図6】
図6は本発明の角度調整枕の角度θ=15°の使用状態に係る説明図である。
【
図7】
図7は本発明の角度調整枕の角度θ=30°の使用状態に係る説明図である。
【
図8】
図8は本発明の角度調整枕の角度θ=75°の使用状態に係る説明図である。
【
図9】
図9は本発明の角度調整枕の角度θ=90°の回動角度の説明図である。
【
図10】
図10は本発明の角度調整枕の回動角度の変更する説明図である。
【
図11】
図11(a)及び(b)は本発明の角度調整枕を角度θ=90°とした場合の説明図である。
【
図12】
図12は本発明の角度調整枕の(a)は角度θ=0°、(b)は角度θ=15°の使用状態に係る説明図である。
【
図13】
図13は本発明の角度調整枕の(a)は角度θ=30°、(b)は角度θ=40°使用状態に係る説明図である。
【
図14】
図14は本発明の角度調整枕の(a)は角度θ=75°の使用状態及び実施の形態に係る斜視図である。
【
図15】
図15は本発明の角度調整枕を医療用ベッドのヘッドボードに取付けた場合の説明図である。
【
図16】
図16は本発明の角度調整枕を使用する場合の説明図で(a)は角度θ=0°、(b)角度θ=90°の回動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
なお、
図1乃至
図11は角度調整枕1の図示の概略構造図である。本実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は、同一または相当する部分及び機能を意味するものであるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0028】
2ヶ所を略直角に内側に90度(°)曲げて全体をコ字状とした枕受体10は、対向する2辺の長さを略均一とした2辺の対向部11,12、それらを対向部11と対向部12を有する両端の中間辺13から形成されている。
枕受体10の対向する対向部11,12に並行して架設、即ち、橋渡しし、端部をアルミ二ウム管、チタン菅、鉄管等の機械的強度の強い材料を溶接してなる2本の第1の形状保持材14,15が配設されている。第1の形状保持材14の両端は、直接溶接されているが、自由端10a,10b側には回動軸ロック機構30A及び回動軸ロック機構30Bと共に第1の形状保持材14,15が溶接されている。
【0029】
転倒防止体20の両端の自由端20a,20bは、中間辺23の対向部21,22の端部として一体に接続されている。自由端20a,20bは、自由端10a,10b側を互いに結ぶ直線状に自由端20a,20bと堅固に一体に接続されている回動自在軸40を設けている。即ち、回動自在軸40は両側の対向部21,22及び中間辺23と一体に接続されおり、自由端10a,10bも回動自在軸40に堅固に取付けられている。
【0030】
回動自在軸40と2本の第1の形状保持材14,15は並行に配設している。第1の形状保持材14,15は、上下に頚椎を跨ぐ位置にあり、しかも、
図1に示すウレタンフォーム50で包み込まれているので、第1の形状保持材14,15の硬さが気にならない弾性を有している。回動自在軸40についても、肩の位置となり、空間となるので違和感が殆どない。
【0031】
2ヶ所を略直角に内側に90°曲げてコ字状とした転倒防止体20は、対向する2辺の長さを略均一とし、両端に対向部21と対向部22に位置する中間辺23から形成している。
対向する2辺の長さを略均一とした転倒防止体20は、自由端10a,10b間の長さが短い転倒防止体20と、転倒防止体20の対向する2辺の対向部21,22に橋渡しし、端部を接合した3本の第2の形状保持材24,25,26を有している。
【0032】
枕受体10の対向する対向部11,12に並行して橋渡しし、端部をアルミ二ウム菅、チタン菅等を溶接した2本の第1の形状保持材14,15が配設されている。第1の形状保持材14,15の両端は、本実施の形態では直接溶接しているが、自由端10a,10b側には回動軸ロック機構30A,30Bから所定の角度の回動信号を得ている。回動軸ロック機構30A,30Bからの回動角度信号は、回動軸ロック機構30A,30Bの角度の回動信号を介して対向部11,12に回動出力を出している。
即ち、回動軸ロック機構30A,30Bのラチェット歯列66と噛み合う係合爪84のラチェット歯の位置によって、回動軸83が転倒防止体20と、枕受体10との面との開き角度θを変化させる。
【0033】
端部を接合した第1の形状保持材14,15を有する枕受体10と、端部を接合した第2の形状保持材24,25,26を有する転倒防止体20と、枕受体10の自由端10a,10b側と転倒防止体20の自由端20a,20b側とを互いに結ぶ直線を形成する回動自在軸40と、転倒防止体20を面とし、枕受体10を面とする面相互の開き角度θが鋭角(90°以下)のとき、所定の角度で係止される回動軸ロック機構30A,30Bは、ウレタンフォーム50で包み込んでいる。
【0034】
本実施の形態の角度調整枕1は、転倒防止体20側を絨毯、畳、布団等に固定し、枕受体10側をその転倒防止体20の面の回動自在側としたとき、回動自在軸40を中心軸に角度θ=0~90°回動するものである。枕受体10の自由端10a,10b側と転倒防止体20の自由端20a,20b側とは、互いに結ぶ中心線を回動自在軸40として回動する。
【0035】
このとき、枕受体10の2本の第1の形状保持材14,15は、枕受体10の自由端10a,10b側と転倒防止体20の自由端20a,20b側とを比較すると、枕受体10の自由端10a,10b側は枕受体10の自由端10a,10b側よりも短くなっている。即ち、枕受体10は転倒防止体20よりも全長が長いことを意味する。正確には、縦横が長く形成されている。
【0036】
枕受体10の自由端10a,10b側は、転倒防止体20の第2の形状保持材24,25,26は、金属管材で形成したものであるが、本発明を実施する場合には、鉄帯、アルミニウム帯、チタン帯等の帯の形態とすることもできる。また、金属の板材とすることもできる。そして、その本数も、2~3本が好適の範囲である。
【0037】
また、複数の第1の形状保持材14,15及び/または複数の第2の形状保持材24,25,26は、合成樹脂の紐、合成樹脂の帯、合成樹脂の板材で形成したものであるが、本発明を実施する場合には、鉄帯、アルミニウム帯、チタン帯等とすることもできる。
また、金属または合成樹脂の板材とすることもできる。そして、本数も2本に限定されるものではなく、2~3本が好適である。
【0038】
転倒防止体20側を固定側とし、枕受体10側を回動する角度θの自在回動側としたとき、両者が直線状の角度θ=0°から直角の角度θ=90°の鋭角を4乃至40個の段数で停止可能に係止するように回動軸ロック機構30A,30Bを配設するのが好適である。
しかし、本発明を実施する場合には、直線角度θ=0~90°の鋭角を4乃至40個の角度で停止しているのは、4ヶ所以上の停止であれ枕がそれに応じた体制になることを意味し、40個以下の角度で停止させるのは、2°毎に切り欠きを入れれば対応可能である。2°以下毎に切り欠きを入れるのは、刃こぼれ、滑り等の動作の安定性を欠くことになる
【0039】
本発明の実施例では、回動軸ロック機構30A,30Bが、角度θ=0~90°の鋭角を4~40個の係合爪84(
図5~
図10参照)が係合し、その係合状態で停止可能とするように係合爪84を設けるものである。実用的には、角度θ=0~90°に対し4~40ヶ所で係合することが望ましく、装置の安定性から見れば、1度毎に係合爪84の係合を行うと、係合が外れたり、係合が飛んだり、摩耗したりするので、通常、40個以下、できれば10個と程度の係合に設定される。また、下限についても、人の個性によって枕の位置は定まるが、経験則から4以上が望ましい。
【0040】
転倒防止体20を固定側とすると、その固定側は、滑りを防止する合成樹脂または合成ゴムを下面にコーティングすれば、本実施の形態の角度調整枕1に頭を載せても、角度調整枕1がスライドするようなベクトル力を受けないから、安定した静止状態を維持できる。ここで使用する合成樹脂または合成ゴムは、エラストマーのように軟体で接着するものでもよい。
転倒防止体20の固定側は、ベッドのヘッドボードABと固定自在とすることにより、看者が医療用ベッドの上に反身を起こした状態でも、或いは病院給食採取するおりにも、或いは通常にベッドに寝ていても、それらの体形が取れるので、安定した睡眠に入ることができる。
【0041】
端部を接合した複数本、例えば、第1の形状保持材14,15を有する枕受体10と、端部を接合した複数本、例えば、第2の形状保持材24,25,26を有する転倒防止体20と、枕受体10の自由端10a,10b側と転倒防止体20の自由端20a,20b側とを互いに結ぶ回動自在軸40と、転倒防止体20側、枕受体10側の開き角度が鋭角のとき、所定の角度で係止される回動軸ロック機構30A,30Bは、ウレタンフォーム50で包み込んだものである。ウレタンフォーム50は意匠袋52に入れられている。
【0042】
枕受体10のウレタンフォーム50は、
図4(a)に示すウレタンフォーム50aと
図4(b)に示すウレタンフォーム50bを積層して構成している。また、転倒防止体20のウレタンフォーム51は、
図4(c)に示すウレタンフォーム51aと
図4(d)に示すウレタンフォーム51bを積層して構成している。
図2(b)に示す意匠被覆52a及び意匠被覆52bは、共に意匠袋52に収納されている。
【0043】
回動軸ロック機構30A,30Bは、次のような構造になっている。以下、ここで、
図5乃至
図10の構成について説明する。
まず、
図5乃至
図10を用いて、本実施の形態の回動軸ロック機構30A,30Bについて、具体的構成を説明する。
【0044】
なお、ラチェット機構については、特開平08-84629、特開平10-28624、特開2008-22955、特開2004-92876、特開2005-102785、特開2012-40079等で構造、動作は周知である。また、シリンダを使用するものも、特開2001-128777、特開2001-128777、特開2001-145533、特開2001-111480等で周知であるので、その1例のみを実施例として説明する。
【0045】
図において、回動軸ロック機構30A,30Bは、枕受体10と転倒防止体20との間の連結部に使用されるものである。
角度調整枕1の枕受体10の自由端10a,10bは、カシメまたはスポット溶接によって第1の形状保持材11,12に固着されている。
転倒防止体20は、枕受体10に取付けられ、その端部に形成された相対向する一対のラチェット歯列66を有している。この一対のラチェット歯列66は、本発明を実施する場合には、回動軸ロック機構30Aまたは回動軸ロック機構30Bの片側のみとすることもできる。しかし、両側に配設すると安定した動作が期待できる。
【0046】
複数のラチェット歯が所定のピッチで形成されてなるラチェット歯列66には、カム板71の第1当接部63または第2当接部78が衝突する第1受部67または第2受部82が設けられている。ラチェット歯列66のラチェット歯は、枕受体10の何段階の変化で傾動停止させるかを決定するもので、通常、4~15段の位置で停止できるように形成されている。
一対のラチェット歯列66間にカム板71を介在させた状態で、ラチェット歯列66及びカム板71が、転倒防止体20側の固定部材60(自由端10a,10b)のハウジング部62内に収容され、ハウジング部62の両側壁に設けられた6角棒からなる回動軸83に回動自在に軸支されている。
【0047】
また、ハウジング部62内に配置される逆転防止爪81は、その先端側にラチェット歯に係合する係合爪84が形成されている。係合爪84をラチェット歯に対応させた状態で、逆転防止爪81の基端側がハウジング部62に爪軸80を介し回転自在に軸支されている。そして、この逆転防止爪81が、爪軸80を支点として、
図8乃至
図11の反時計方向に弾性力が付与されており、係合爪84がラチェット歯に係合すると共に、また、ラチェット歯列66のラチェット歯によって
図5乃至
図10のように、時計方向に回動させられた場合には、係合爪84がラチェット歯から離脱した状態となる。
【0048】
即ち、逆転防止爪81は、爪軸80に設けられたコイルばね79の弾性力により、
図8乃至
図10の反時計方向であるラチェット歯に噛み合う方向に弾性力が付与されている。そして、係合爪84がラチェット歯に係合した状態においては、ラチェット歯列66の時計方向の回転が規制され、ラチェット歯列66が反時計方向に回転しようとした際には、ラチェット歯と係合爪84とが係合しないように離脱方向に押されて係合が解除される。なお、係合爪84の歯数は1個でも2個でもよい。
【0049】
この回動軸83を中心に回動自在のカム板71は、逆転防止爪81に対向する側の約90~120度の外周には、第1受部67または第2受部82に衝突する第1当接部63と第2当接部78とを有し、係合爪84のラチェット歯への係合を許容する周縁凹部72と、係合爪84のラチェット歯への係合を規制するようにラチェット歯列66より僅かに大きく円弧状に形成された第1当接部63が設けられている。
【0050】
この構成の回動軸ロック機構30A,30Bにおいて、
図8乃至
図10に示すように、固定部材60(自由端10a,10b)に対し開いた背凭れを後方に倒した状態、即ち、枕受体10においては、逆転防止爪81の係合爪84が、カム板71の周縁凹部72内に配置されることにより、逆転防止爪81が係合方向に付勢され、係合爪84がラチェット歯にそれぞれ係合する。
図5の状態においては、
図7の枕受体10と固定部材60(自由端10a,10b)との角度を狭めたものであり、枕受体10を転倒防止体20から約15°程度起こした状態に相当する。このとき、時計方向に荷重が加わったとしても、係合爪84がラチェット歯に係合し、角度を開く方向への回転は係合爪84がラチェット歯に係合した状態に規制される。
【0051】
また、
図8に示すように、枕受体10を転倒防止体20の取付部材60(自由端10a,10b)に対し反時計方向に回転させた場合は、ラチェット歯により係合爪84が離脱方向に移動し、係合爪84が次段のラチェット歯を乗り越えた後、係合爪84がコイルばね79の弾性力によって、次段のラチェット歯に係合する。この係合状態においても、転倒防止体20を開く方向に荷重が加わったとしても、係合爪84がラチェット歯に係合し、反対方向の回転は規制される。
【0052】
転倒防止体20を枕受体10に対し約90°回転させた
図9に示す状態から、転倒防止体20を閉じる方向に最終係合位置まで傾動させると、係合爪84が最終係合位置のラチェット歯列66に係合した際、転倒防止体20が固定部材60に対し略90°の位置に固定される。
【0053】
更に、
図9の最終係合位置から、
図10に示すように、一旦、枕受体10を転倒防止体20に対し開く方向に傾動(小矢印)させると、枕受体10の第2受部82がカム板71の第2当接部78に当接して、カム板71が反時計方向に僅か回動する。これにより、係合爪84の先端が、コイルばね79の付勢力に抗してカム板71に沿って離脱方向に移動して第1当接部63に乗り上げた状態となる。こうして係合爪84のラチェット歯に対する係合が解除された状態に保持される。
【0054】
したがって、この状態では、転倒防止体20を開く方向に回転することが可能となる。また、
図10に示すように、枕受体10を開く方向、即ち、背凭れを寝させる方向に回転させていくと、
図6に示すように転倒防止体20の第1受部67がカム板71の第1当接部63に衝合して、カム板71が時計方向に僅かに回動して、の先端がカム板71の第1当接部63から案内部を通って周縁凹部72の位置に配置される。これにより、係合爪84がコイルばね79の弾性力により周縁凹部72内に挿入されると同時に、対応するラチェット歯にそれぞれ係合可能となる。
【0055】
このように、回動軸ロック機構30A,30Bは、枕受体10を転倒防止体20側に傾動させると、
図11の位置まで回動し、枕受体10を転倒防止体20側に接触させることができる。この状態下では、カム板71が逆転防止爪81の係合爪84がラチェット歯列66のラチェット歯と噛み合わないので、枕受体10を転倒防止体20側から離反する方向に回動させることができる。
枕受体10を転倒防止体20側に傾動させるとき、
図8乃至
図10の位置まで回動させる間では、当該転倒防止体20の特定の傾動角度で回動を止め、転倒防止体20の回動方向とは異なる方向に若干戻すと、係合爪84がラチェット歯列66の最寄りのラチェット歯に係合し、転倒防止体20に対し特定の角度の停止位置となり固定される。
【0056】
したがって、
図5乃至
図10に示す枕受体10を転倒防止体20に対し約90°回動させるまでの間では、転倒防止体20を転倒防止体20に対し特定の角度で停止させることができる。しかし、枕受体10を転倒防止体20に対し約90°を超えて回動させると、係合爪84がラチェット歯列66の最寄りのラチェット歯に係合できなくなるから、枕受体10と転倒防止体20は、枕受体10と転倒防止体20との重なり状態または
図8に示す一直線状態となる。枕受体10と転倒防止体20の最大傾度から徐々に回動角度を狭くすることにより、その傾動角度で停止させることができる。このときの係合爪84がラチェット歯列66の最寄りのラチェット歯に係合する点が枕受体10の停止点となり、その数が背凭れを何段階の変化で停止させるかを決定するもので、通常、4段から10段の位置で停止できるように形成されている。
【0057】
次に、
図11は枕受体10と転倒防止体20が垂直の場合、荷重による接触圧を転倒防止体20に加えると、F方向の外力を得て、転倒防止体20が滑ろうとする。
しかし、S方向の外力はF方向の外力によって、S方向のベクトル力を生じさせないので、枕受体10に対する転倒防止となる。転倒防止体20よる枕受体10に対する転倒防止となっている。
【0058】
図12(a)は角度θ=0°、(b)は角度θ=15°の使用状態の説明図である。このとき、角度調整枕1の前者が
図5及び後者が
図6の回動軸ロック機構30A,30Bを示している。
図13(a)は角度θ=30°、(b)は角度θ=40°の使用状態の説明図である。このとき、角度調整枕1の前者が
図7及び後者が
図8の回動軸ロック機構30A,30Bを示している。
【0059】
図14(a)は角度θ=75°の使用状態を記すもので、(b)は角度θ=75°の斜視図である。
また、
図15は本発明の角度調整枕1を医療用ベッドのヘッドボードABに取付けた場合の説明図である。
角度調整枕1は医療用ベッドのヘッドボードABに取付け、人の臀部と背中側では、背中側から人の臀部側に開く構成として、腰枕としたものである。特に、病人が腰から上を起こしている場合に好適である。
角度調整枕1は医療用ベッドのヘッドボードAB側にボルト孔を形成し、そのボルト孔を利用してそこに転倒防止体20を取付け、枕受体10が機能するようにして使用するのが好適である。
【0060】
なお、本発明の実施の形態の角度調整枕1を使用する場合の説明図で、
図16(a)は角度θ=0°から、
図16(b)は角度θ=90°の回動説明図である。
まず、
図16(a)に示すようにAからB方向に移動させるとき、転倒防止体20に対して枕受体10を一体に重ねる。このときの角度を角度θ=0とする。
図16(b)は、Bから順次開き角度を大きくする。このとき、転倒防止体20に対して枕受体10との開きを順次係合させ、枕受体10と転倒防止体20の開きを調節することになる。
【0061】
本実施の形態の2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一とした枕受体10は、頭部または腰を枕として受けるものであればよい。
2ヶ所を略直角に内側に曲げてコ字状とし、対向する2辺の長さを略均一とした枕受体10よりも幅が狭い転倒防止体20は、転倒を防止できる構造物であればよい。
また、前記枕受体10の対向する2辺に架設し、その端部を接合した複数本の第1の形状保持材、前記転倒防止体20の対向する2辺に架設し、その端部を接合した複数本の第2の形状保持材は、枕受体10または転倒防止体20の全体が機械的強度を上げるものであればよい。
【0062】
前記枕受体10の自由端と前記転倒防止体20の自由端とを互いに結ぶ軸として形成した回動自在軸40は、枕受体10及び転倒防止体20の支軸となって回動自在とするものであればよい。
前記回動軸ロック機構30A,30Bは、転倒防止体20側を固定側とし、前記枕受体10側を回動自在側としたとき、両者間の開き角度θ=90以内のとき、角度θ=90°に対し4~15ヶ所で係合することが望ましく、製造性から4~10ヶ所で係合することが望ましい。
【0063】
枕受体10と転倒防止体20の正面のシークレットラインの描く面積は、実施の形態においては、枕受体10が転倒防止体20よりも広い面積となっている。その枕受体10を広く、転倒防止体20の面積をそれよりも狭く設定することもできる。安定性から見れば、枕受体10よりも転倒防止体20の面積が広い方が好ましい。特に、転倒防止体20のウレタンフォーム51は、
図4(c)に示すウレタンフォーム51aと
図4(d)に示すウレタンフォーム51bを積層したときの弾性力、反発力に変化させると人の個性にあった枕が構成できる。
また、枕受体10と転倒防止体20は、ウレタンフォームで包み込んだものであるから、そのウレタンに弾性を複数とするものであるから、ウレタンフォームで枕受体10、転倒防止体20、回動自在軸40、回動軸ロック機構30A,30Bを包み込むものであるから、枕としての使用に違和感がない。
【0064】
更に加えて、ラチェット機構については、特定の角度の回動によって係止状態が外れ、また、特定の角度の回動で特定の角度内のときのみ、ラチェットが係合状態となる。しかし、本発明を実施する場合には、ラチェットの係合または解除を別のレバー操作によって行うものであればよい。当該レバーは、ウレタンフォームで包み込んでもよいし、露出させてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 枕受体
20 転倒防止体
10a,10b 自由端
20a,20b 自由端
30A,30B 回動軸ロック機構
40 回動自在軸
11,12 対向部
21,22 対向部