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  • 特許-マルチヘッド計量器における異物検出 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】マルチヘッド計量器における異物検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20220112BHJP
   G01G 19/387 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
G01G19/387 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020543691
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 DE2018100862
(87)【国際公開番号】W WO2019080966
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】102017124895.1
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520145078
【氏名又は名称】ツェーエルカー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クルーズ,カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ダブリングハウス,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼ,ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】ベルツ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ビエファン,マッティアス
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第95/031702(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206330663(CN,U)
【文献】特表2007-533960(JP,A)
【文献】特開2006-029927(JP,A)
【文献】特開2011-075487(JP,A)
【文献】特開2003-294641(JP,A)
【文献】特開2001-099783(JP,A)
【文献】特開2000-046838(JP,A)
【文献】特表2008-541007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/32 - B65B 1/34
G01B 11/00 - G01B 11/30
G01G 19/387
G01N 21/84 - G01N 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチヘッド計量器(1)内の異物検出のための装置であって、
前記マルチヘッド計量器(1)は、バルク材料を充填するための複数の計量容器(2)を有し、トリガ信号が到着したときに選択された計量容器(2)から、漏斗(3)の形状に組み合わせられた1または複数のシュートに吐出され
前記装置は、一連の画像を記録するための画像記録ユニット(10)と、照明ユニット(11)と、一連の画像における異物の検出時に信号を出力するための画像評価ユニットと、を備え、
前記画像記録ユニット(10)は、前記漏斗(3)光学的に撮影するための少なくとも1つのカメラ(5)を備え、前記少なくとも1つのカメラ(5)は、前記漏斗(3)の内側または上方に配置され、2つの水平面の間において前記漏斗(3)の内部表面の少なくとも1つのセクション(8)を撮影するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記マルチヘッド計量器(1)は、前記漏斗(3)の内側または上方に、交差してまたはリング状に配置された複数のカメラ(5)を備え、前記カメラ()は、前記漏斗(3)の内部のセクション(8)をそれぞれ光学的に撮影するように設置され、光学的に撮影可能な前記セクション(8)は、前記漏斗(3)の内部表面が少なくとも2つの水平面の間において前記カメラ(5)によって完全に撮影されるように、互いに水平に隣接することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記画像記録ユニット(10)および/または前記照明ユニット(11)は、前記マルチヘッド計量器(1)の内側において、前記複数の計量容器(2)の間または下方に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記照明ユニット(11)は、扁平な形状を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記照明ユニット(11)は、照明ディスク状の形状を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
照明ユニット(11)および/または画像記録ユニット(10)は、一連の画像の記録のための前記トリガ信号によって始動されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記照明ユニット(11)および/または前記画像記録ユニット(10)を始動させるための前記トリガ信号は、前記バルク材料の落下高さと相関する所定の時間遅延されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記一連の画像は、300msにおける少なくとも6つの画像の記録を特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記シュート上の前記バルク材料は、前記少なくとも1つのカメラ(5)により60度の角度φにおいて撮影可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのカメラ(5)によって撮影可能な前記漏斗(3)の内部表面は、前記漏斗(3)の中間の高さにおいて前記2つの水平面の間に位置することを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
バルク材料を充填するための複数の計量容器(2)を有するマルチヘッド計量器(1)のための異物検出装置(4)であって、前記計量容器(2)は、トリガ信号が到着すると、漏斗(3)の形状に組み合わせられた1または複数のシュートに吐出するように選択され、前記異物検出装置(4)は、マルチヘッド計量器(1)に組み込まれるように設計され、前記異物検出装置(4)は、2つの水平面の間において前記漏斗(3)の内部表面の少なくとも1つのセクション(8)を撮影するように構成される少なくとも1つのカメラ(4)を有する異物検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチヘッド計量器内の異物検出のための装置に関し、またマルチヘッド計量器用の異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチヘッド計量器または部分量計量器は、バルク材料を所定の量または量比で迅速に充填するために、従来から知られている。特に、食品産業において、それらは、食品を缶、ジャー、バッグまたは類似の包装容器に充填するために使用されることが多い。
【0003】
例えば、EP2634546A1の実施例に記載されているような一般的な実施形態では、マルチヘッド計量器は、充填バルク材料で充填された漏斗の上方に円形に配置された複数の計量容器を備える。その中に位置するバルク材料の質量は計量容器内で検出され、次いで、評価ロジックにより、例えば、その総含有量が所定の総量に最も近くなる計量容器が識別される。これらの計量容器は、包装容器の充填のために下方に配置された漏斗に吐出される。
【0004】
衛生上の要件のために、この種のマルチヘッド計量器は、通常、コンパクトで密閉された設計を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改良されたマルチヘッド計量器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるこの問題に対する解決策は、独立請求項の特徴によって提供される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に特定されている。
【0007】
本発明によれば、マルチヘッド計量器において異物検出のための装置が提供され、マルチヘッド計量器はバルク材料を充填するための複数の計量容器を備え、トリガ信号が到着したときに選択された計量容器(2)から、漏斗(3)の形状に組み合わせられた1または複数のシュートに吐出され、装置は、一連の画像を記録するための画像記録ユニットと、照明ユニットと、一連の画像における異物の検出時に信号を出力するための画像評価ユニットと、を備え、画像記録ユニットは、漏斗の光学的に撮影するための少なくとも1つのカメラを備え、少なくとも1つのカメラは、漏斗の内側または上方に配置され、2つの水平面の間において漏斗の内部表面の少なくとも1つのセクションを撮影するように構成される。
【0008】
また、本発明の画像記録ユニットは、漏斗の内側または上方に、横方向にまたはリング状に配置された複数のカメラを有利に機能させることができ、各カメラは漏斗の内部のセクションを光学的に撮影するように設置され、光学的に撮影可能なセクションは、漏斗の内部表面が少なくとも2つの水平面の間においてカメラによって完全に撮影されるように、互いに水平に隣接する。画像記録ユニットの少なくとも1つのカメラ、または複数のカメラは、表面および/または材料の異なる反射特性に基づいて、バルク材料の異なる成分、特にバルク材料に含まれる異物を識別するために、それぞれ特定の波長の少なくとも1つのスペクトル範囲を撮影するように設定することができる。したがって、例えば、好ましくは近赤外線範囲において合成材料が検出可能である。
【0009】
この種の装置で得られる利点は、コンパクトな密閉包装装置に充填する前にバルク材料の必要な検査を行うために、異物の検出のための別個の分析によって検査を行う必要がなく、むしろ異物の検出を包装装置の一部としてマルチヘッド計量器に組み込むことができることである。異物の検出は、充填されるべき計量されたバルク材料において有利に行うことができる。複数のカメラを使用する場合、同等のカメラ解像度を有する画像記録ユニットにより、より高解像度で歪みの少ない一連の画像が得られるという利点がある。有利には、画像記録ユニットおよび/または照明ユニットは、マルチヘッド計量器の内部、計量容器の間または計量容器の下方に配置される。このように、また衛生上の理由から、密閉されたシステムを実現することができる。バルク材料が漏斗の形態に組み合わせられたシュートに沿ってスライドする充填プロセス中に、バルク材料の流れが形成される。
【0010】
言い換えれば、マルチヘッド計量器内のバルク材料の流れの中の異物を認識するための装置であって、バルク材料を充填するための複数の計量容器を有し、トリガ信号が到達すると、選択された計量容器は漏斗の形状に組み合わせられた1または複数のシュートに吐出することができ、マルチヘッド計量器の内部、計量容器の間または計量容器の下方に配置された照明ユニット、漏斗の内側または上方に配置され、2つの水平面の間において漏斗の内部のセクション内のバルク材料を撮影するように設定された少なくとも1つのカメラを用いて一連の画像を記録するための画像記録ユニットと、記録された一連の画像内の異物の検出時に信号を出力するための画像評価ユニットとを含む装置が提供される。
【0011】
この点に関して、本発明は、バルク材料が漏斗の形状に組み合わせられたシュートに沿ってスライドする充填プロセス中において、バルク材料が計量容器から短く落下した後に、シュートに沿って広がり、分散されるという状況を利用する。有利には、広がりはシュートの表面のノブ状の形状によって、シュート上におけるスライド工程の間において維持される。複数のカメラがあることにより、バルク材料は漏斗内で完全に撮影可能であり、カメラは漏斗内の所定の高さのセクションを完全に撮影する。したがって、バルク材料が漏斗の内部のこの高さのセクションを通過するときに、バルク材料内の異物を検出することができる。漏斗の内部の高さのセクションは、個々のカメラが漏斗の2つの水平面の間において水平および相互に隣接するセクションを撮影するという点で、いくつかのカメラによってセクション内で撮影することができる。この点に関して、カメラは、交差して配置されるか、または漏斗の形状に対応する形状を有し、例えば、漏斗の縁部に沿って、漏斗の内側または上方に配置される。漏斗は、三角形、正方形、または多角形として設計することができる。
【0012】
照明ユニットを扁平な形状(フラット)に、特に照明ディスクの形状に設計することも有利である。有利には、この照明ディスクは、拡散光または複数のイルミナントによって生成される光を放射する。これは、マルチヘッド計量器に容易に統合できる利点を提供し、揺れによって生じる反射が低減される利点も提供する。有利には、照明ディスクは、複数のLEDを備えることができ、これらのLEDは、水噴霧に対して保護されたディスク形状の筐体内に配置され、共通の透明なガラスの背後に配置される。
【0013】
照明ユニットおよび/または画像記録ユニットは、一連の画像を記録するためのトリガ信号によって有利に始動することができる。照明ユニットおよび/または画像記録ユニットの始動は、バルク材料の落下高さと相関する所定の時間遅延させることができる。これにより、画像記録を短時間に限定することができ、画像評価を、漏斗内の撮影される高さのセクションをバルク材料が1回通過する間に生成される画像に限定することができるので、画像評価ユニットの効率を高めることができる。
【0014】
有利には、一連の画像は、300msにおける少なくとも6つの画像の記録を含む。
【0015】
有利には、シュート上のバルク材料は、少なくとも1つのカメラによって、所定の角度、特に50~90度で撮影することができる。この種の検出角度は、例えば60度とすることができる。
【0016】
有利には、少なくとも1つのカメラによって検出可能な漏斗の内部表面も、漏斗のほぼ中間(中程度)の高さにおいて、水平面の間に位置する。漏斗の中間の高さにおいて、バルク材料は、計量皿を積み重ねられた形状になった後、漏斗の形状によって再び統合される前に、その個々の成分の検出のための最大の広がりを有する。
【0017】
さらに、異物を認識するか、または異物をバルク材料から区別し、検出信号を生成することができるように、画像評価ユニットを設定および構成することも有利である。異物の検出には、形状および色によって異物を特定することができる従来技術からの公知の評価方法を使用することができる。装置の機能は、例えば、特定された異物が、カメラによって撮影可能な漏斗のセクションに配置され得る試験方法によって検証可能であり得る。検出信号は、マルチヘッド計量器にフィードバックでき、例えば、充填プロセスを停止し、警告信号を生成し、梱包容器にタグを付け、または梱包容器を識別することができる。
【0018】
本発明によれば、バルク材料を充填するためのマルチヘッド計量器のための異物検出装置が提供され、トリガ信号が到着すると、選択された計量容器は漏斗の形状に組み合わせられた1または複数のシュートに吐出することができ、異物検出装置は、マルチヘッド計量器に組み込まれるように設計され、異物検出装置は、2つの水平面の間において漏斗の内部表面の少なくとも1つのセクションを撮影するように設定されたカメラを備える。
【0019】
1つの有利な実施形態では、異物検出装置は、複数のカメラを備え、これらのカメラは、各カメラが漏斗の内部のセクションを光学的に撮影するように配置または設定され、光学的に撮影可能なセクションは、漏斗の内部表面が少なくとも2つの水平面の間においてカメラによってほぼ完全に撮影されるように、互いに水平に隣接する。
【0020】
この種の異物検出装置は、有利には、例えば、上述したマルチヘッド計量器における異物検出のための装置を得るために、既存のマルチヘッド計量器に後付けされ、その中に組み込まれることができる。
【0021】
有利には、異物検出装置は、組み込みを支持するための手段を、例えば、固定手段の形態として備えることができる。
【0022】
異物検出装置に関するさらなる有利な実施形態および設置情報は、マルチヘッド計量器における異物検出のための上述の装置に示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、1つの好ましい実施形態に関連する添付の概略図を参照して、以下により詳細に説明される。
図1】マルチヘッド計量器内の異物検出のための装置の概略図である。
図2】マルチヘッド計量器内の異物検出のための装置の側面図である。
図3】下方から見たマルチヘッド計量器内の異物検出のための装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、マルチヘッド計量器1内の異物検出のための装置の概略図を示す。
【0025】
図1は、マルチヘッド計量器1内の異物検出のための装置を示し、マルチヘッド計量器1は、バルク材料を計量し充填するための複数の計量容器2を備える。トリガ信号が出力されると、それらの幾つかは、漏斗3の形状に組み合わせられた1つ以上のシュートに同時に吐出する。本装置は、一連の画像を記録する画像記録ユニット10、照明ユニット11、および一連の画像中に異物を検出した場合に信号を出力する画像評価ユニットを備え、画像記録ユニット10は、複数のカメラ5を備えている。カメラ5は、漏斗3の内側または上方に、交差してまたはリング状に配置され、それぞれが漏斗3の内部のセクション8を光学的に撮影するように設置される。各カメラ5によって光学的に撮影可能なセクション8は、漏斗3の内部表面が少なくとも2つの水平面6、7の間でカメラ5によってほぼ完全に撮影されるように、互いに水平に隣接する。
【0026】
検出可能なセクション8は、漏斗3の中間の高さに位置する。好ましい実施形態では、マルチヘッド計量器1は、計量容器2のより迅速な充填のために、計量容器2の上方に配置された供給容器9を備えている。簡潔にするために、本明細書では、マルチヘッド計量器1の付加的な要素は示されていない。
【0027】
また、図1には、マルチヘッド計量器1内部の計量容器2の中央下方に配置された、画像記録ユニット10および照明ユニット11が示されている。この場合、照明ユニット11は、照明ディスクの形態で設計される。照明ディスクは、ステンレススチール製で短いシリンダーの形状を有し、一端をステンレススチールベースで、他端を透明なガラスでシールされている。シリンダーは、ガラスとステンレススチールウォールとの間に設けられたラバーリングによって、水の噴霧の浸透から保護されている。ガラスの背後には、例えばLEDの形態の光源(図示せず)が設けられる。画像記録ユニット10のカメラ5は、シュート上または漏斗3内のバルク材料を約60度である角度φにおいて撮影できるように配置されている。
【0028】
画像記録ユニット10および照明ユニット11は、マルチヘッド計量器1の内部筐体13の基部14の中央下方に取り付けられている。マルチヘッド計量器1の内部筐体13は、漏斗3を形成するシュート間に延在する短いチューブ12によって支持されている。
【0029】
図2は、マルチヘッド計量器1における異物検出装置4の側面図を示す。図2は、カメラ5を備えた画像記録ユニット10と、照明ユニット11とからなる異物検出装置4を詳細に示す。異物検出装置4は、マルチヘッド計量器1の内部筐体の基部14の下方に設置されている。マルチヘッド計量器1の内部筐体13は、チューブ12によって支持されている。
【0030】
図3は、マルチヘッド計量器1内の異物検出装置4を下方から見た図であり、漏斗3のノズルが示されている。図3は、異物検出装置4がマルチヘッド計量器1の筐体の基部14の下方に異物検出装置4を固定するための固定手段15を有することを示している。
図1
図2
図3