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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】決済端末
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20220112BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220112BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20220112BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G09G5/00 550B
G07G1/12 331A
G07G1/12 331Z
G07G1/01 301Z
G09G5/00 510H
G09G5/00 550X
G09G5/10 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017038399
(22)【出願日】2017-03-01
(65)【公開番号】P2018146626
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 芳規
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-051320(JP,A)
【文献】特開昭63-108458(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063953(US,A1)
【文献】特開2015-014727(JP,A)
【文献】特開2007-121374(JP,A)
【文献】特開2004-085682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G07G 1/12
G07G 1/01
G09G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
入力を受け付ける入力部と、
所定のタイムオーバー時間を規定する閾値と、計時動作によって単位時間ごとに変化するカウント値とに基づいて、前記閾値が示すタイムオーバー時間が経過したことを計測するタイマに対して、前記閾値と、前記カウント値の初期値とを設定し、前記タイマの計時動作によって変化した前記カウント値が示す前記初期値からの経過時間が、設定された前記閾値が示す所定のタイムオーバー時間を経過した場合に、前記表示部の画面を通常より暗くする制御部と、
を備え、
前記制御部は、計時動作中の前記タイマの前記カウント値を前記初期値に戻して計時動作を継続する再設定動作を前記タイマにさせるものであって、決済に関する決済処理が開始されていない場合には、前記入力部が前記入力を受け付けるごとに前記再設定動作を行うことによって、前記入力を受け付けてからの時間の経過を判定し、前記決済処理が開始された場合には、前記入力部が入力を受け付けているか否かに関わらず前記再設定動作を行わずに、前記決済処理の開始によって開始された計時動作を継続することによって、前記決済処理が開始されてからの時間の経過を判定する、
決済端末。
【請求項2】
前記閾値のうち、前記決済処理が開始されていない場合の閾値である第1の閾値と、前記決済処理が開始された場合の閾値である第2の閾値とが、互いに異なる
請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記第1の閾値が示すタイムオーバー時間よりも、前記第2の閾値が示すタイムオーバー時間のほうが長い、
請求項2に記載の決済端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済端末に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル付き取引端末装置では、一定時間操作されない場合は、省電力のため、画面を暗くし、決済処理が行われている間は、画面を暗くならないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5866500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、誤ってクレジット等のボタンを押し決済処理が開始された場合には、ユーザが気づかずに画面が明るいまま放置されてしまい、省電力にならない。また、端末装置が携帯端末である場合には、鞄に入れたまま移動中にボタンが押されると、画面が明るいまま時間が経過して電池がなくなり、実際に決済処理しようとしたときに決済処理できないことがある。
【0005】
そこで、本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、誤操作に起因して画面が明るいままになることを防いで省電力化を図ることができる決済端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の幾つかの態様は、表示部と、入力を受け付ける入力部と、所定のタイムオーバー時間を規定する閾値と、計時動作によって単位時間ごとに変化するカウント値とに基づいて、前記閾値が示すタイムオーバー時間が経過したことを計測するタイマに対して、前記閾値と、前記カウント値の初期値とを設定し、前記タイマの計時動作によって変化した前記カウント値が示す前記初期値からの経過時間が、設定された前記閾値が示す所定のタイムオーバー時間を経過した場合に、前記表示部の画面を通常より暗くする制御部と、を備え、前記制御部は、計時動作中の前記タイマの前記カウント値を前記初期値に戻して計時動作を継続する再設定動作を前記タイマにさせるものであって、決済に関する決済処理が開始されていない場合には、前記入力部が前記入力を受け付けるごとに前記再設定動作を行うことによって、前記入力を受け付けてからの時間の経過を判定し、前記決済処理が開始された場合には、前記入力部が入力を受け付けているか否かに関わらず前記再設定動作を行わずに、前記決済処理の開始によって開始された計時動作を継続することによって、前記決済処理が開始されてからの時間の経過を判定する決済端末である。
【0007】
また、本発明の他の態様の決済端末において、前記閾値のうち、前記決済処理が開始されていない場合の閾値である第1の閾値と、前記決済処理が開始された場合の閾値である第2の閾値とが、互いに異なる。
【0008】
また、本発明の他の態様の決済端末において、前記第1の閾値が示すタイムオーバー時間よりも、前記第2の閾値が示すタイムオーバー時間のほうが長い
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤操作に起因して画面が明るいままになることを防いで省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態における決済端末の外観構成を示す正面図である。
図2】第1の実施形態における決済端末の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態における決済端末が実行するスリープモード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施形態における決済端末が記憶するタイマテーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図5】第2の実施形態における決済端末が実行するスリープモード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態における決済端末が実行するスリープモード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
【0012】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における決済端末1の外観構成を示す正面図である。図2は、本実施形態における決済端末1の構成を示すブロック図である。決済端末1は、クレジットカードやデビットカードや電子マネー等の決済に関する決済処理を実行する携帯端末である。例えば、決済端末1は、クレジットやデビットや電子マネーの売上、口座振替の受け付けや取り消し等の業務内容の選択、あるいは、取引金額等の取引内容の入力等を行う。図示するように、決済端末1は、CPU(Central Processing Unit)101と、FROM(Flash Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、接触ICカードリーダライター104と、非接触ICカードリーダライター105と、磁気カードリーダ106と、プリンタ107と、液晶ディスプレイ108と、キー109と、LED110と、通信モジュール111と、スピーカ112とを備える。
【0013】
CPU101は、決済端末1が備える各部の制御を行う制御部である。FROM102は、CPU101が実行する動作用プログラムを予め記憶している。この動作用プログラムは、CPU101の起動時に読み出される。RAM103は、決済端末1の各部が用いるデータを記憶する記憶部である。
【0014】
接触ICカードリーダライター104は、挿入されたICカードCに対しカードに関するカード情報を読み書きするカードリーダライターである。非接触ICカードリーダライター105は、非接触(近距離無線通信)によりICカードに対しカード情報を読み書きするカードリーダライターである。磁気カードリーダ106は、磁気カードからカード情報を読み取るカードリーダである。
【0015】
プリンタ107は、用紙に印字して伝票を発行する印字部である。液晶ディスプレイ108は、種々の情報を表示する表示部である。なお、液晶ディスプレイ108の画面には、画面上における入力を受け付けるタッチパネルが設置されている。キー109は、入力を受け付ける入力部である。LED110は、点灯や点滅により決済端末1の状態等を報知する。通信モジュール111は、他の装置と通信する通信部である。スピーカ112は、音声を出力する音声出力部である。
【0016】
次に、本実施形態による決済端末1における動作を説明する。決済端末1は、画面が明るい通常モードと、画面が暗くなり操作待ちの状態となるスリープモードとの2つの動作モードを有する。決済端末1は、例えば、誤操作によりスリープモードが解除された場合などに液晶ディスプレイ108の画面が明るいまま放置されることを防ぐため、スリープモードに移行するタイマを設定する。なお、実際に決済を行っているときには頻繁にスリープモードに移行しないように、決済端末1は、決済に関する決済処理を開始すると、決済処理を実施しないときのタイマの値と異なるタイマの値(例えば、決済用タイマ)を設定する。また、決済端末1は、決済処理が終了すると、決済処理を実施しないときのタイマの値(例えば、通常用タイマ)を設定する。
【0017】
なお、決済処理とは、商品を決済するための処理であり、決済処理に関する決済業務キー又は決済種別キーが入力を受け付けた場合や、接触ICカードリーダライター104、非接触ICカードリーダライター105又は磁気カードリーダ106にカードが挿入された(またはタッチされた)場合等に開始される。決済業務キーや決済種別キーは、例えば、キー109或いはタッチパネル上に配置される。
【0018】
CPU101は、通常時には、通常用タイマ(例えば、2分)を設定して起動し、設定した通常用タイマの時間以上、キー109や液晶ディスプレイ108の画面上に配置されたタッチパネルが入力を受け付けていない場合に、液晶ディスプレイ108の画面の表示を通常より暗くするスリープモードに移行する。そして、CPU101は、スリープモード時に、キー109等が入力を受け付けると、液晶ディスプレイ108の画面の表示を明るくして通常モードに移行する。
【0019】
一方、CPU101は、決済処理が開始されると、通常用タイマより長い決済用タイマ(例えば、15分)を設定して起動する。そして、CPU101は、設定した決済用タイマの時間が経過すると、スリープモードに移行する。これにより、決済処理が開始されてから決済用タイマの時間が経過すると液晶ディスプレイ108の画面が暗くなるため、誤操作により決済処理が開始された場合に、液晶ディスプレイ108の画面が明るいままになることを防ぎ、省電力化を図ることができる。なお、CPU101は、決済処理を中止するキャンセルキーが決済処理中に入力を受け付けた場合には、決済処理を中止し、通常用タイマを再設定して起動する。キャンセルキーは、例えば、キー109或いはタッチパネル上に配置される。また、CPU101は、キャンセルキー以外のキーが決済処理中に入力を受け付けた場合には、決済用タイマを再設定して起動する。
【0020】
また、現実的に決済処理が確実に終了する時間か事実上の無制限の時間(例えば、1時間)に決済用タイマを設定することで、ユーザの意思で決済処理を開始した場合には、決済処理中は液晶ディスプレイ108の画面を明るいままにすることができる。そして、CPU101は、決済処理が終了すると、通常用タイマを再設定して起動する。例えば、オンライン決済時に決済するためのサーバ装置であるセンタから決済の完了を示すデータを受信した場合や、オフライン決済時にICカードから決済の完了を示すデータを受信した場合や、伝票の印字が完了した場合等に、決済処理は終了する。これにより、決済処理が終了した場合には、通常用タイマによりスリープモードに移行することができる。
【0021】
図3は、本実施形態における決済端末1が実行するスリープモード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。決済端末1は、電源がオンになったときに、本図に示す処理を実行する。
【0022】
(ステップS101)CPU101は、決済端末1の起動を完了させる。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)CPU101は、決済端末1における業務を選択するための業務選択画面を液晶ディスプレイ108に表示する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)CPU101は、スリープモードに移行するためのタイマを通常用タイマに設定し、起動する。その後、ステップS104の処理に進む。
【0023】
(ステップS104)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS110の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS105の処理に進む。
【0024】
(ステップS105)CPU101は、決済処理が開始されたか否かを判定する。決済処理が開始されたとCPU101が判定した場合には、ステップS107の処理に進む。また、決済処理が開始されていないとCPU101が判定した場合には、ステップS106の処理に進む。
【0025】
(ステップS106)CPU101は、決済処理以外のその他の処理用キーが入力を受け付けたか否かを判定する。入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS103の処理に戻る。また、入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS104の処理に戻る。
【0026】
(ステップS107)CPU101は、スリープモードに移行するためのタイマを通常用タイマより長い決済用タイマに設定し、起動する。その後、ステップS108の処理に進む。
【0027】
(ステップS108)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS110の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS109の処理に進む。
【0028】
(ステップS109)CPU101は、決済処理が終了したか否かを判定する。決済処理が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS102の処理に戻る。また、決済処理が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS108の処理に戻る。
【0029】
(ステップS110)CPU101は、スリープモードに移行し、液晶ディスプレイ108の画面の表示を通常より暗くする。その後、処理を終了して操作待ちの状態になる。なお、CPU101は、操作待ちの状態時にキー109等が入力を受け付け、スリープモードから通常モードに移行して画面の表示を通常の明るさにしたときには、処理を初期状態(業務選択画面)に戻す。
【0030】
上述したとおり、本実施形態では、決済端末1は、液晶ディスプレイ108と、入力を受け付けるキー109と、タイマを設定し、設定したタイマの時間以上、キー109又は液晶ディスプレイ108の画面に設置されたタッチパネルが入力を受け付けていない場合に、液晶ディスプレイ108の画面を通常より暗くするCPU101と、を備える。CPU101は、決済に関する決済処理を開始すると、通常より長い決済用タイマを設定し、決済処理が終了すると、通常のタイマを設定する。
【0031】
これにより、決済端末1は、誤操作により決済処理が開始された場合であっても、決済用タイマの時間が経過すると、画面を暗くするため、画面が明るいままになることを防ぐことができ、省電力化を図ることができる。また、可用性を向上することができる。
【0032】
なお、ステップS107の処理においてタイマ値を無制限に設定することで、決済処理中はスリープモードに移行しないようにすることも可能である。この場合には、決済処理中にはスリープモードに移行しないため、可用性を向上することができる。
【0033】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における決済端末1の構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。第1の実施形態では、決済処理中に1つの決済用タイマを再設定しているが、本実施形態では、決済処理の進行状況に応じてタイマを再設定する点が異なる。
【0034】
図4は、本実施形態における決済端末1が記憶するタイマテーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。タイマテーブルは、タイマを設定するタイミングと、設定するタイマの値とを対応付ける。
【0035】
図示するように、タイマテーブルは、Noと、タイマ種類と、値と、タイマ設定タイミングとの各項目を有する。Noは、タイマの識別情報である。タイマ種類は、タイマの種類である。値は、タイマの値である。タイマ設定タイミングは、タイマを設定するタイミングである。
【0036】
図示する例では、No.1は、タイマ種類「通常」であり、値「短い(2分等)」であり、タイマ設定タイミング「起動終了、キー操作毎」である。また、No.2は、タイマ種類「決済処理中」であり、値「長い(15分等)」であり、タイマ起動タイミング「決済業務キー押下」である。また、No.3は、タイマ種類「カード挿入待ち」であり、値「長い(10分等)」であり、タイマ起動タイミング「ユーザのカード挿入操作を促す表示時」である。また、No.4は、タイマ種類「PIN(暗証番号)入力」であり、値「短い(1分等)」であり、タイマ起動タイミング「PIN入力開始時」である。また、No.5は、タイマ種類「通信中」であり、値「中(7分等)」であり、タイマ起動タイミング「センタや上位機との通信開始時」である。また、No.6は、タイマ種類「印字中」であり、値「中(5分等)」であり、タイマ起動タイミング「伝票印字開始時」である。
【0037】
すなわち、決済処理をしていない通常時のタイマは短い時間である。また、決済処理中のタイマは長い時間である。また、決済処理において操作に時間のかかるカード挿入待ちのときのタイマは長い時間である。また、決済処理においてセキュリティ上短い時間で入力すべきPIN入力のタイマは短い時間である。また、通信中や印字中のタイマは長いタイマと短いタイマとの間の時間(中)である。
【0038】
次に、本実施形態による決済端末1における動作を説明する。決済端末1は、例えば、誤操作により決済処理が開始されたときに、液晶ディスプレイ108の画面が明るいまま放置されることを防ぐために、決済処理の進行状況に応じて、画面が暗くなるスリープモードに移行するためのタイマを再設定して起動する。
【0039】
具体的には、CPU101は、RAM103が記憶するタイマテーブルを参照し、タイマ起動タイミングになると、対応する値のタイマを設定して起動する。そして、CPU101は、タイマを起動してからタイマの時間が経過すると、スリープモードに移行する。これにより、決済処理中は常に画面が暗くなる(スリープモードに移行する)ことを止めるのではなく、決済用の入力や印字時など時間がかかる場合は長いタイマを設定し、PIN入力等セキュリティ上より短いタイマが要求される場合は短いタイマを設定することなどができ、決済処理の各フェーズにおける目的に合わせて画面が暗くなることを制御できる。
【0040】
図5及び図6は、本実施形態における決済端末1が実行するスリープモード移行処理の処理手順を示すフローチャートである。決済端末1は、電源がオンになったときに、本図に示す処理を実行する。
【0041】
(ステップS201)CPU101は、決済端末1の起動を完了させる。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)CPU101は、業務選択画面を液晶ディスプレイ108に表示する。その後、ステップS203の処理に進む。
(ステップS203)CPU101は、スリープモードに移行するためのタイマを通常に対応するNo.1に設定し、起動する。その後、ステップS204の処理に進む。
【0042】
(ステップS204)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS205の処理に進む。
【0043】
(ステップS205)CPU101は、決済業務キーが入力を受け付けたか否かを判定する。入力を受け付けたとCPU101が判定した場合にはステップS221の処理に進む。また、入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合にはステップS206の処理に進む。
【0044】
(ステップS206)CPU101は、接触ICカードリーダライター104、非接触ICカードリーダライター105又は磁気カードリーダ106にカードが挿入された(またはタッチされた)か否かを判定する。カードが挿入されたとCPU101が判定した場合には、ステップS228の処理に進む。また、カードが挿入されていないとCPU101が判定した場合には、ステップS207の処理に進む。
【0045】
(ステップS207)CPU101は、決済処理以外のその他の処理用キーが入力を受け付けたか否かを判定する。入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS208の処理に進む。また、入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS204の処理に戻る。
【0046】
(ステップS208)CPU101は、入力を受け付けた(押下された)キーに対応するNo.Nのタイマを設定し、起動する。その後、ステップS209の処理に進む。
(ステップS209)CPU101は、入力を受け付けた(押下された)キーに相当するその他の処理を開始する。その後、ステップS210の処理に進む。
【0047】
(ステップS210)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS211の処理に進む。
【0048】
(ステップS211)CPU101は、ステップS209において開始したその他の処理が終了したか否かを判定する。処理が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS203の処理に戻る。また、処理が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS210の処理に戻る。
【0049】
(ステップS221)CPU101は、決済処理中に対応するNo.2のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS222の処理に進む。
(ステップS222)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS223の処理に進む。
【0050】
(ステップS223)CPU101は、ステップS205において入力を受け付けた(押下された)決済業務キーに相当する決済に関する決済情報の入力が終了したか否かを判定する。入力が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS224の処理に進む。また、入力が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS222の処理に戻る。
【0051】
(ステップS224)CPU101は、カード挿入待ちに対応するNo.3のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS225の処理に進む。
【0052】
(ステップS225)CPU101は、接触ICカードリーダライター104、非接触ICカードリーダライター105又は磁気カードリーダ106にカードが挿入される(またはタッチされる)のを待つ待機状態になる。その後、ステップS226の処理に進む。
(ステップS226)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS227の処理に進む。
【0053】
(ステップS227)CPU101は、接触ICカードリーダライター104、非接触ICカードリーダライター105又は磁気カードリーダ106にカードが挿入された(またはタッチされた)か否かを判定する。カードが挿入されたとCPU101が判定した場合には、ステップS228の処理に進む。また、カードが挿入されていないとCPU101が判定した場合には、ステップS226の処理に戻る。
【0054】
(ステップS228)CPU101は、決済処理中に対応するNo.2のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS229の処理に進む。
【0055】
(ステップS229)CPU101は、決済用設定キーが入力を受け付けたか否かを判定する。入力を受け付けたとCPU101が判定した場合にはステップS228の処理に戻る。また、入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合にはステップS230の処理に進む。
【0056】
(ステップS230)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS231の処理に進む。
【0057】
(ステップS231)CPU101は、次の処理がPIN入力であるか否かを判定する。PIN入力であるとCPU101が判定した場合には、ステップS232の処理に進む。PIN入力でないとCPU101が判定した場合には、ステップS229の処理に戻る。
【0058】
(ステップS232)CPU101は、PIN入力に対応するNo.4のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS233の処理に進む。
(ステップS233)CPU101は、PIN入力の受け付けを開始する。その後、ステップS234の処理に進む。
【0059】
(ステップS234)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS235の処理に進む。
【0060】
(ステップS235)CPU101は、キー109が入力を受け付けたか否かを判定する。入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS236の処理に進む。また、入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS237の処理に進む。
【0061】
(ステップS236)CPU101は、PIN入力に対応するNo.4のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS237の処理に進む。
【0062】
(ステップS237)CPU101は、PINの入力が終了したか否かを判定する。入力が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS238の処理に進む。また、入力が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS234の処理に戻る。
【0063】
(ステップS238)CPU101は、通信中に対応するNo.5のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS239の処理に進む。
(ステップS239)CPU101は、通信モジュール111における通信を開始する。その後、ステップS240の処理に進む。
【0064】
(ステップS240)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS241の処理に進む。
【0065】
(ステップS241)CPU101は、通信が終了したか否かを判定する。通信が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS242の処理に進む。また、通信が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS240の処理に戻る。
【0066】
(ステップS242)CPU101は、印字中に対応するNo.6のタイマを設定し、起動する。その後、ステップS243の処理に進む。
(ステップS243)CPU101は、プリンタ107において印字を開始する。その後、ステップS244の処理に進む。
【0067】
(ステップS244)CPU101は、タイマの時間が経過したか否かを判定する。経過したとCPU101が判定した場合には、ステップS251の処理に進む。また、経過していないとCPU101が判定した場合には、ステップS245の処理に進む。
【0068】
(ステップS245)CPU101は、印字が終了したか否かを判定する。印字が終了したとCPU101が判定した場合には、ステップS203の処理に戻る。また、通信が終了していないとCPU101が判定した場合には、ステップS244の処理に戻る。
【0069】
(ステップS251)CPU101は、スリープモードに移行し、液晶ディスプレイ108の画面の表示を通常より暗くする。その後、処理を終了して操作待ちの状態になる。なお、CPU101は、操作待ちの状態時にキー109等が入力を受け付け、スリープモードから通常モードに移行して画面の表示を通常の明るさにしたときには、処理を初期状態(業務選択画面)に戻す。
【0070】
なお、本実施形態では、タイマテーブルの値が予め設定されている場合について説明したが、これに限らず、ユーザがタイマの値やタイマ起動タイミングを設定できるようにしてもよい。
【0071】
上述したとおり、本実施形態では、第1の実施形態における構成に加えて、決済端末1は、タイマを設定するタイマ起動タイミングと、設定するタイマの値とを対応付けるタイマテーブルを記憶するRAM103を備え、CPU101は、決済処理の進行状況に応じて、タイマ起動タイミングになると、対応する値のタイマを設定する。
【0072】
これにより、第1の実施形態における効果に加えて、決済用の入力や印字時など時間がかかる場合は長いタイマを設定し、PIN入力等セキュリティ上より短いタイマが要求される場合は短いタイマを設定することなどができ、決済処理の各フェーズにおける目的に合わせて画面が暗くなる(スリープモードに移行する)ことを制御できる。
【0073】
なお、上述した実施形態における決済端末1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0074】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態では、決済端末1がピンパッド(カードリーダ及びPIN入力)の機能を備える場合について説明したが、携帯端末とピンパッドとがそれぞれ別の装置で構成されていてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、決済端末1は、スリープモードから通常モードに移行した際に初期状態に戻っているが、これに限らず、スリープモードに移行する直前の処理に戻るようにしてもよい。
【0078】
また、タイマ時間経過時にスリープモードに移行したときには、液晶ディスプレイ108の画面を暗くするだけではなく、CPU101をスリープモードにし、通信モジュール111や、接触ICカードリーダライター104や、非接触ICカードリーダライター等の電源を切ったりしても良い。
【0079】
また、上述した実施形態では、液晶ディスプレイ108はタッチパネルを備えているが、これに限らず、タッチパネルを備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1・・・決済端末、101・・・CPU、102・・・FROM、103・・RAM、104・・・接触ICカードリーダライター、105・・・非接触ICカードリーダライター、106・・・磁気カードリーダ、107・・・プリンタ、108・・・液晶ディスプレイ、109・・・キー、110・・・LED、111・・・通信モジュール、112・・・スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6