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特許7000152発電システム及び発電方法での使用に適した制御システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】発電システム及び発電方法での使用に適した制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/04 20060101AFI20220112BHJP
   F02C 1/08 20060101ALI20220112BHJP
   F02C 3/30 20060101ALI20220112BHJP
   F02C 9/28 20060101ALI20220112BHJP
   F23R 3/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H02P9/04 E
F02C1/08
F02C3/30 D
F02C9/28 C
F23R3/00 B
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2017525521
(86)(22)【出願日】2015-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-02-01
(86)【国際出願番号】 US2015060121
(87)【国際公開番号】W WO2016077440
(87)【国際公開日】2016-05-19
【審査請求日】2018-11-01
【審判番号】
【審判請求日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】62/078,833
(32)【優先日】2014-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】312000387
【氏名又は名称】8 リバーズ キャピタル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フェトベット,ジェレミー エロン
(72)【発明者】
【氏名】アラム,ロドニー ジョン
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】小川 恭司
【審判官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-520597(JP,A)
【文献】特開2014-159796(JP,A)
【文献】特表2012-519263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 9/04
F02C 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電システムであって、
前記発電システムの少なくとも1つの部品の自動制御のために構成される組込み型制御システムであって、前記制御システムは、前記発電システムの計測パラメータに関する入力を受領するよう構成され、前記自動制御の対象となる前記発電システムの少なくとも1つの部品への出力を提供するよう構成される少なくとも1つの制御部ユニットを含む、制御システムと、
タービンと、
発電機と、
前記タービンより下流にあり、前記タービンと流体連通するコンプレッサと、
前記コンプレッサより下流にあり、前記コンプレッサと流体連通するポンプと、
前記ポンプより下流に配置され、前記ポンプと流体連通し、前記タービンより上流に配置され、前記タービンと流体連通する燃焼器と、
を備える、発電システムであり、
前記組込み型制御システムは、前記発電機が産する電力に関する入力を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供するよう構成される電力制御部を含み、
前記組込み型制御システムは、前記タービンを出る排気ストリームの温度に関する入力を受領し、前記ポンプから前記燃焼器へ通るストリームの流量を制御する前記ポンプへの出力を提供し、それにより、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成されるポンプ制御部を含み、
前記組込み型制御システムは、前記燃焼器内への燃料の流量に関する入力と、前記燃焼器内への酸化剤の流量に関する入力とのうち一方または両方を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供するよう構成される燃料/酸化剤比制御部を含む、発電システム。
【請求項2】
前記電力制御部は、前記燃焼器に通される燃料の加減を可能にする燃料弁への出力を提供するよう構成される、請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記燃料/酸化剤比制御部は、前記燃焼器に通される酸化剤の加減を可能にする酸化剤弁への出力を提供するよう構成される、請求項1に記載の発電システム。
【請求項4】
前記組込み型制御システムは、前記ポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、前記ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるポンプ吸引圧制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項5】
前記ポンプ吸引圧制御部は、前記スピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるよう構成される、請求項4に記載の発電システム。
【請求項6】
前記組込み型制御システムは、前記タービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、前記排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、前記排気ストリームへ流体を入れることを可能にするよう構成される圧力調節制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項7】
前記組込み型制御システムは、前記発電システムの分離器にある水の量に関する入力を受領し、前記分離器からの水の除去を可能または不可とし、前記分離器にある前記水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供するよう構成される水分離器制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項8】
前記組込み型制御システムは、前記発電システムにおける、前記燃料の質量流量と、前記酸化剤の質量流量とのうち一方または両方に関する入力を受領し、前記燃料と前記酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される酸化剤ポンプ制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項9】
前記酸化剤ポンプ制御部は、前記発電システムにおける前記燃料と前記酸化剤との前記質量流量比に影響を与えるよう前記ポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供するよう構成される、請求項に記載の発電システム。
【請求項10】
前記組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、前記酸化剤コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項11】
前記組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、前記酸化剤コンプレッサより上流の前記酸化剤ストリームに加えられる前記発電システムからの再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項12】
前記再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームである、請求項11に記載の発電システム。
【請求項13】
前記組込み型制御システムは、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち一方または両方に関する入力を受領し、前記酸化剤と前記希釈酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される希釈制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項14】
前記希釈制御部は、前記希釈酸化剤に対する前記酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、前記発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成される、請求項13に記載の発電システム。
【請求項15】
前記組込み型制御システムは、前記コンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、前記コンプレッサより下流に配置され、前記コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるコンプレッサ吸引圧制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項16】
前記組込み型制御システムは、その中での加熱のために熱交換器に通される高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁を制御するよう構成される側方流加熱制御部を含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項17】
発電システムの自動制御のための方法であって、前記方法は、
タービンと、
発電機と、
前記タービンより下流にあり、前記タービンと流体連通するコンプレッサと、
前記コンプレッサより下流にあり、前記コンプレッサと流体連通するポンプと、
前記ポンプより下流に配置され、前記ポンプと流体連通し、前記タービンより上流に配置され、前記タービンと流体連通する燃焼器と、
を含む複数の部品を備える発電システムを動作させることを含み、
前記動作させることは、制御部を使用し、前記発電機が産する電力に関する入力を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供することを含み、
前記動作させることは、制御部を使用し、前記燃焼器内への燃料の流量に関する入力と、前記燃焼器内への酸化剤の流量に関する入力とのうち一方または両方を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供することを含み、
前記動作させることは、制御部を使用し、前記タービンを出る排気ストリームの温度に関する入力を受領し、前記ポンプから前記燃焼器へ通るストリームの流量を制御する前記ポンプへの出力を提供し、それにより、前記燃焼器が出力する熱を制御することを含む、方法。
【請求項18】
前記出力は、予めプログラミングされ、電子化された制御アルゴリズムに基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記制御部を使用し、前記発電機が産する電力に関する入力を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供することは、前記燃焼器に通される燃料の加減を可能にする前記発電システムの燃料弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記制御部を使用し、前記燃焼器内への燃料の流量に関する入力と、前記燃焼器内への酸化剤の流量に関する入力とのうち一方または両方を受領し、前記燃焼器が出力する熱を制御するよう構成される出力を提供することは、前記燃焼器に通される酸化剤の加減を可能にする前記発電システムの酸化剤弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記動作させることは、制御部を使用し、前記ポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、前記ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記制御部は、前記スピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記動作させることは、制御部を使用し、前記タービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、前記排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、前記排気ストリームへ流体を入れることを可能にすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記動作させることは、制御部を使用し、前記発電システムに含まれる分離器にある水の量に関する入力を受領し、前記分離器からの水の除去を可能または不可とし、前記分離器にある前記水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記動作させることは、制御部を使用し、前記発電システムに導入される、燃料の質量流量と、酸化剤の質量流量とのうち一方または両方に関する入力を受領し、前記燃料と前記酸化剤との質量流量比を算出することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記制御部は、前記発電システムにおける前記燃料と前記酸化剤との質量流量比に影響を与えるよう前記ポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、前記コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、前記酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームに加えられる再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記動作させることは、制御部を使用し、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち一方または両方に関する入力を受領し、前記酸化剤と前記希釈酸化剤との質量流量比を算出することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記制御部は、前記希釈酸化剤に対する前記酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、前記発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記動作させることは、制御部を使用し、前記コンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、前記コンプレッサより下流に配置され、前記コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項33】
前記動作させることは、制御部を使用し、その中での加熱のために熱交換器に通される高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁を制御することを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム及び制御方法、より具体的には、発電システム及び発電方法に組込むことができる制御システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
増大する消費ニーズに応じることができる電力システムの開発が大いに必要とされている。化石燃料の燃焼を利用しないシステムの研究が十分に行われているが、化石燃料、特に石炭及び天然ガス(残油生成物などの廃棄炭化水素も含む)のコスト要因及び利用可能性により、具体的には、炭素を高効率で完全に回収することを伴い、このような燃料を燃焼するよう構成されるシステムは、継続して必要とされている。これら必要性を満たすため、電力システムの精密な制御のために提供することができる制御システムの開発が継続して望まれている。
【発明の概要】
【0003】
1つ以上の実施形態において、本開示は、1つ以上の態様の発電システムに有用なシステム及び方法を提供することができる。制御システムは、具体的には、発電システムにおける、1つ以上の流れのストリームの圧力、温度、流量、及びストリーム成分のうち1つ以上の制御を提供することができる。制御システムは、発電システムの最適効率を提供することができる。制御システムは、さらに、システムのスタートアップ、システムのシャットダウン、システムにおける入力ストリーム(複数可)の変更、システムにおける出力ストリーム(複数可)の変更、システムに関する緊急時の動作対応、及び発電システムの動作に関する類似事項など、発電システムの態様の制御を提供することができる。
【0004】
1つ以上の実施形態において、本開示は、発電所での使用に適した制御システムに関する場合がある。例えば、発電所は、実質的に純粋な酸素で、燃焼器において、約12MPa以上の圧力で、循環COストリームを加え、燃料(炭化水素、具体的には炭化水素ガスなど)を燃やし、燃焼生成物と循環COとの複合ストリームを産するプラントであってもよい。一部の実施形態において、発電は、さらに、以下の点のうち1つ以上を特徴とすることができ、それは、任意の数または順で組み合わせることができる。
【0005】
複合ストリームは、少なくとも10barの吐出圧で、発電タービンを通過してもよい。
【0006】
タービン排気は、エコノマイザ熱交換器で冷却され、循環COストリームを予熱してもよい。
【0007】
タービン排気は、ほぼ周囲温度までさらに冷却されてもよく、復水は、除去されてもよい。
【0008】
COガスストリームは、ガスコンプレッサを使用してタービン吸込圧まで、またはほぼタービン吸込圧まで圧縮され、続いて、濃COポンプにより、循環COストリームが形成されてもよい。
【0009】
燃焼器で産した正味量のCOは、タービン吸込圧からタービン排出圧までの間の圧力で除去されてもよい。
【0010】
タービン排気と、エコノマイザ熱交換器を出る循環COストリームとの間の温度差を約50℃以下に減らすため、外部原因からの熱を導入し、循環COストリームの一部を200℃~400℃の範囲の温度に予熱してもよい。
【0011】
燃料ガス流量は、タービンからの所要の電力出力を提供するよう制御されてもよい。
【0012】
タービン排出温度は、COポンプの速度により制御されてもよい。
【0013】
COコンプレッサの吐出圧は、圧縮CO流をコンプレッサの吸込口に再循環させることにより、制御されてもよい。
【0014】
燃料ガス燃焼により産し、システムから除去された正味量のCOの流量は、COコンプレッサの吸込圧を制御するために使用されてもよい。
【0015】
エコノマイザ熱交換器に入るタービン排気の温度と、エコノマイザ熱交換器を出る循環COストリームの温度と間の差は、追加される熱源により加熱される循環COストリームの一部の流量を制御することにより、50℃以下に制御されてもよい。
【0016】
システムから除去された、正味量の液水の流量及び燃料由来の不純物は、液水分離器の水準で制御されてもよい。
【0017】
酸素流量は、燃料ガス流量に対する酸素の比率を維持するよう制御されてもよく、それにより、タービン吸込流における過剰酸素が所定量となり、燃料ガスの完全燃焼及び燃料ガスの成分の完全酸化を保証することができる。
【0018】
COコンプレッサの吸込圧の酸素ストリームは、COコンプレッサの吸込口からの多量のCOと混合され、約15%~約40%(モル濃度)の酸素成分を含む酸化剤ストリームを産してもよく、これにより、燃焼器における断熱火炎温度を下げることができる。
【0019】
燃料ガスに対する所要の酸素比を産するのに要する酸化剤流は、酸化剤ポンプの速度により制御されてもよい。
【0020】
酸化剤コンプレッサの吐出圧は、コンプレッサの吸込口に圧縮酸化剤流を再循環させることにより制御されてもよい。
【0021】
酸化剤コンプレッサの吸込圧は、酸化剤ストリームを形成する酸素と混合したCO希釈剤の流量により制御されてもよい。
【0022】
酸化剤ストリームにおけるCOに対する酸素の比率は、酸素の流れにより制御されてもよい。
【0023】
酸素は、少なくともタービン吸込圧ほどの圧力で、発電システムに送達されてもよく、約15%~約40%(モル濃度)の範囲の酸素成分を含む酸化剤ストリームが望まれる場合がある。
【0024】
燃料ガスに対する酸素比は、酸素流により制御されてもよい。
【0025】
酸素流におけるCOに対する酸素比は、COコンプレッサの吐出から得られたCO希釈剤の流れにより制御されてもよい。
【0026】
本明細書にて論じる実施形態のうちいずれかにおいて、第2パラメータによる1つのパラメータの制御は、具体的には、第2パラメータが、(例えば、センサを用いて)計測される、もしくは別の方法でモニタリングされること、または第2パラメータが、追加で提供される情報、ルックアップテーブル、または推定値に基づき、コンピュータにより算出され、制御部が、計測または算出された第2パラメータに基づき、制御シーケンスを開始し、その結果、第1パラメータが、(例えば、弁の開閉、ポンプへの電力の増減などにより)適切に調整されることを示してもよい。言い換えれば、第2パラメータは、制御部が第1パラメータの調整を実施するトリガーとして使用される。
【0027】
1つ以上の実施形態において、本開示は、発電システムの少なくとも1つの部品の自動制御のために構成することができる組込み型制御システムを含む発電システムを提供することができる。具体的には、制御システムは、発電システムの計測パラメータに関する入力を受領するよう構成され、自動制御の対象となる発電システムの少なくとも1つの部品への出力を提供するよう構成される少なくとも1つの制御部ユニットを含んでもよい。発電システム及び組込み型制御システムは、さらに、以下の記述のうち1つ以上に関して、定義することができ、それは、任意の数または順で組み合わせることができる。
【0028】
発電システムは、燃料の燃焼を介した熱入力用に構成されてもよい。
【0029】
発電システムは、非燃焼熱源を介した熱入力用に構成されてもよい。
【0030】
発電システムは、COのストリームを再循環するために構成されてもよい。
【0031】
発電システムは、パイプラインへ入力されるまたは油回収の向上など別の目的に利用されるなど、場合によりシステムから取り出すことができる量のCOを産するために構成されてもよい。
【0032】
発電システムは、繰り返し、圧縮され、加熱され、膨張させられる作動流体を利用するために構成されてもよい。
【0033】
組込み型制御システムは、発電システムの1つ以上の発電部品が産する電力に関する入力を受領するよう構成される電力制御部を含んでもよい。
【0034】
電力制御部は、発電システムのヒーター部品による熱生産を増減させるヒーター部品への出力を提供する要件と、発電システムに入れる燃料の加減を可能にする燃料弁への出力を提供する要件とのうち1つまたは両方を満たすよう構成されてもよい。
【0035】
組込み型制御システムは、燃料流量に関する入力と、酸化剤流量に関する入力とのうち1つまたは両方を受領するよう構成される燃料/酸化剤比制御部を含んでもよい。
【0036】
燃料/酸化剤比制御部は、発電システムに入れる燃料の加減を可能にする燃料弁への出力を提供する要件と、発電システムに入れる酸化剤の加減を可能にする酸化剤弁への出力を提供する要件とのうち1つまたは両方を満たすよう構成されてもよい。
【0037】
組込み型制御システムは、発電システムにあるタービンの排気ストリームの温度に関する入力を受領し、タービンより上流のポンプを出るストリームの流量を増減させるポンプへの出力を提供するよう構成されるポンプ制御部を含んでもよい。
【0038】
組込み型制御システムは、発電システムにあるポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるポンプ吸引圧制御部を含んでもよい。
【0039】
ポンプ吸引圧制御部は、スピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させる要件と、ポンプより上流で発電システムから除去される流体を加減させる要件とのうち1つまたは両方を満たすよう構成される。
【0040】
組込み型制御システムは、発電システムにあるタービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、排気ストリームへ流体を入れることを可能にするよう構成される圧力調節制御部を含んでもよい。
【0041】
組込み型制御システムは、発電システムの分離器にある水の量に関する入力を受領し、分離器からの水の除去を可能または不可とし分離器にある水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供するよう構成される水分離器制御部を含んでもよい。
【0042】
組込み型制御システムは、発電システムにおける、燃料の質量流量と、酸化剤の質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、燃料と酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される酸化剤ポンプ制御部を含んでもよい。
【0043】
酸化剤ポンプ制御部は、発電システムにおける燃料と酸化剤との質量流量比に影響を与えるようポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供するよう構成されてもよい。
【0044】
組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含んでもよい。
【0045】
組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームに加えられる発電システムからの再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含んでもよい。具体的には、再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームであってもよい。
【0046】
組込み型制御システムは、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、酸化剤と希釈酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される希釈制御部を含んでもよい。
【0047】
希釈制御部は、希釈酸化剤に対する酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成されてもよい。
【0048】
組込み型制御システムは、発電システムにあるコンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、コンプレッサより下流に配置され、コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるコンプレッサ吸引圧制御部を含んでもよい。
【0049】
組込み型制御システムは、ポンプより上流の吸引圧に関する入力を受領し、ポンプ速度を上下させるポンプへの出力を提供するよう構成されるポンプ速度制御部を含んでもよい。
【0050】
組込み型制御システムは、発電システムにある高圧再循環ストリームの側方流のための算出された質量流量要件に関する入力を受領し、側方流における高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁への出力を提供するよう構成される側方流加熱制御部を含んでもよい。
【0051】
発電システムは、タービンと、タービンより下流にあり、タービンと流体連通するコンプレッサと、コンプレッサより下流にあり、コンプレッサと流体連通するポンプと、ポンプより下流に配置され、ポンプと流体連通し、タービンより上流に配置され、タービンと流体連通するヒーターとを備えてもよい。場合によっては、発電システムは、レキュペレータ熱交換器を含んでもよい。
【0052】
1つ以上の実施形態において、本開示は、発電システムの自動制御のための方法を提供することができる。具体的には、方法は、タービンと、タービンより下流にあり、タービンと流体連通するコンプレッサと、コンプレッサより下流にあり、コンプレッサと流体連通するポンプと、ポンプより下流に配置され、ポンプと流体連通し、タービンより上流に配置され、タービンと流体連通するヒーターとを含む複数の部品を備える発電システムを動作させることを含んでもよい。さらに、発電システムを動作させることは、発電システムに組込まれる1つ以上の制御部を使用し、発電システムの計測パラメータに関する入力を受領し、発電システムの複数の部品のうち少なくとも1つを自動で制御する出力を提供することを含んでもよい。別の実施形態において、方法は、以下の工程のうち1つ以上を含んでもよく、それらは、任意の数または順で組み合わせることができる。
【0053】
出力は、予めプログラミングされ、電子化された制御アルゴリズムに基づいてもよい。
【0054】
動作させることは、燃料の燃焼を介した熱の入力を含んでもよい。
【0055】
動作させることは、非燃焼熱源を介した熱の入力を含んでもよい。
【0056】
動作させることは、COのストリームを再循環することを含んでもよい。
【0057】
動作させることは、パイプラインへ入力されるまたは油回収の向上など別の目的に利用されるなど、場合によりシステムから取り出すことができる量のCOを産することを含んでもよい。
【0058】
動作させることは、繰り返し、圧縮され、加熱され、膨張させられる作動流体を利用することを含んでもよい。
【0059】
動作させることは、制御部を使用し、発電システムが産する電力に関する入力を受領し、ヒーターによる熱生産を増減させるヒーターへの出力を提供する動きと、発電システムに入れる燃料の加減を可能にする発電システムの燃料弁への出力を提供する動きとのうち1つまたは両方を指示することを含んでもよい。
【0060】
動作させることは、制御部を使用し、燃料流量に関する入力と、酸化剤流量に関する入力とのうち1つまたは両方を受領し、発電システムに入れる燃料の加減を可能にする発電システムの燃料弁への出力を提供する動きと、発電システムに入れる酸化剤の加減を可能にする発電システムの酸化剤弁への出力を提供する動きとのうち1つまたは両方を指示することを含んでもよい。
【0061】
動作させる方法は、制御部を使用し、タービンの排気ストリームの温度に関する入力を受領し、ポンプを出るストリームの流量を増減させるタービンより上流のポンプへの出力を提供することを含んでもよい。
【0062】
動作させることは、制御部を使用し、ポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供することを含んでもよい。具体的には、制御部がスピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させる要件と、制御部がポンプより上流で発電システムから除去される流体を加減させる要件とのうち1つまたは両方を満たすことができる。
【0063】
動作させることは、制御部を使用し、タービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、排気ストリームへ流体を入れることを可能にすることを含んでもよい。
【0064】
動作させることは、制御部を使用し、発電システムに含まれる分離器にある水の量に関する入力を受領し、分離器からの水の除去を可能または不可とし分離器にある水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供することを含んでもよい。
【0065】
動作させることは、制御部を使用し、発電システムに導入される、燃料の質量流量と、酸化剤の質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、燃料と酸化剤との質量流量比を算出することを含んでもよい。具体的には、制御部は、発電システムにおける燃料と酸化剤との質量流量比に影響を与えるようポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供することができる。
【0066】
動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供することを含んでもよい。
【0067】
動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームに加えられる再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供することを含んでもよい。具体的には、再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームであってもよい。
【0068】
動作させることは、制御部を使用し、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、酸化剤と希釈酸化剤との質量流量比を算出することを含んでもよい。具体的には、制御部は、希釈酸化剤に対する酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成されてもよい。
【0069】
動作させることは、制御部を使用し、コンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、コンプレッサより下流に配置され、コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供することを含んでもよい。
【0070】
動作させることは、制御部を使用し、ポンプより上流の吸引圧に関する入力を受領し、ポンプ速度を上下させるポンプへの出力を提供することを含んでもよい。
【0071】
動作させることは、制御部を使用し、高圧再循環ストリームの側方流のための算出された質量流量要件に関する入力を受領し、側方流における高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁への出力を提供することを含んでもよい。
【課題を解決するための手段】
【0072】
本開示は、多くの実施形態に関して特徴付けることができる。非限定の実施例として、本開示は、少なくとも以下の実施形態を含む。組込み型制御システムを備える発電システムの以下の実施形態のうちいずれか1つを、組込み型制御システムを備える発電システムの他の実施形態のうち1つ以上と組み合わせることができることを明確に理解すべきである。従って、実施形態のうちいずれかを包含または除外する制限なく、いずれか2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10つ、11つ、12つ、13つ、14つ、15つ、16つ、17つ、18つ、19つ、20つ、または21つの実施形態を組み合わせることができよう。同様に、発電システムの自動制御のための方法の以下の実施形態のうちいずれか1つを、発電システムの自動制御のための方法の他の実施形態のうち1つ以上と組み合わせることができることを明確に理解すべきである。従って、実施形態のうちいずれかを包含または除外する制限なく、いずれか2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10つ、11つ、12つ、13つ、14つ、15つ、16つ、17つ、18つ、または19つの実施形態を組み合わせることができよう。
【0073】
実施形態1:発電システムの少なくとも1つの部品の自動制御のために構成される組込み型制御システムを備え、制御システムは、発電システムの計測パラメータに関する入力を受領するよう構成され、自動制御の対象となる発電システムの少なくとも1つの部品への出力を提供するよう構成される少なくとも1つの制御部ユニットを含む、発電システム。
【0074】
実施形態2:組込み型制御システムは、発電システムの1つ以上の発電部品が産する電力に関する入力を受領するよう構成される電力制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0075】
実施形態3:電力制御部は、
発電システムのヒーター部品による熱生産を増減させるヒーター部品への出力を提供する要件と、
発電システムに入れる燃料の加減を可能にする燃料弁への出力を提供する要件と
のうち1つまたは両方を満たすよう構成される、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0076】
実施形態4:組込み型制御システムは、燃料流量に関する入力と、酸化剤流量に関する入力とのうち1つまたは両方を受領するよう構成される燃料/酸化剤比制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0077】
実施形態5:燃料/酸化剤比制御部は、
発電システムに入れる燃料の加減を可能にする燃料弁への出力を提供する要件と、
発電システムに入れる酸化剤の加減を可能にする酸化剤弁への出力を提供する要件と
のうち1つまたは両方を満たすよう構成される、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0078】
実施形態6:組込み型制御システムは、発電システムにあるタービンの排気ストリームの温度に関する入力を受領し、タービンより上流のポンプを出るストリームの流量を増減させるポンプへの出力を提供するよう構成されるポンプ制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0079】
実施形態7:組込み型制御システムは、発電システムにあるポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるポンプ吸引圧制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0080】
実施形態8:ポンプ吸引圧制御部は、
スピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させる要件と、
ポンプより上流で発電システムから除去される流体を加減させる要件と
のうち1つまたは両方を満たすよう構成される、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0081】
実施形態9:組込み型制御システムは、発電システムにあるタービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、排気ストリームへ流体を入れることを可能にするよう構成される圧力調節制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0082】
実施形態10:組込み型制御システムは、発電システムの分離器にある水の量に関する入力を受領し、分離器からの水の除去を可能または不可とし分離器にある水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供するよう構成される水分離器制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0083】
実施形態11:組込み型制御システムは、発電システムにおける、燃料の質量流量と、酸化剤の質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、燃料と酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される酸化剤ポンプ制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0084】
実施形態12:酸化剤ポンプ制御部は、発電システムにおける燃料と酸化剤との質量流量比に影響を与えるようポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供するよう構成される、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0085】
実施形態13:組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0086】
実施形態14:組込み型制御システムは、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームに加えられる発電システムからの再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供するよう構成される酸化剤圧力制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0087】
実施形態15:再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームである、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0088】
実施形態16:組込み型制御システムは、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、酸化剤と希釈酸化剤との質量流量比を算出するよう構成される希釈制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0089】
実施形態17:希釈制御部は、希釈酸化剤に対する酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成される、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0090】
実施形態18:組込み型制御システムは、発電システムにあるコンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、コンプレッサより下流に配置され、コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供するよう構成されるコンプレッサ吸引圧制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0091】
実施形態19:組込み型制御システムは、ポンプより上流の吸引圧に関する入力を受領し、ポンプ速度を上下させるポンプへの出力を提供するよう構成されるポンプ速度制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0092】
実施形態20:組込み型制御システムは、発電システムにある高圧再循環ストリームの側方流のための算出された質量流量要件に関する入力を受領し、側方流における高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁への出力を提供するよう構成される側方流加熱制御部を含む、前述または以下の実施形態に係る発電システム。
【0093】
実施形態21:
タービンと、
タービンより下流にあり、タービンと流体連通するコンプレッサと、
コンプレッサより下流にあり、コンプレッサと流体連通するポンプと、
ポンプより下流に配置され、ポンプと流体連通し、タービンより上流に配置され、タービンと流体連通するヒーターと
を備える、前述の実施形態に係る発電システム。
【0094】
実施形態22:発電システムの自動制御のための方法であって、
タービンと、
タービンより下流にあり、タービンと流体連通するコンプレッサと、
コンプレッサより下流にあり、コンプレッサと流体連通するポンプと、
ポンプより下流に配置され、ポンプと流体連通し、タービンより上流に配置され、タービンと流体連通するヒーターとを含む複数の部品を備える発電システムを動作させることを含み、
この動作させることは、発電システムに組込まれる1つ以上の制御部を使用し、発電システムの計測パラメータに関する入力を受領し、発電システムの複数の部品のうち少なくとも1つを自動で制御する出力を提供することを含む、方法。
【0095】
実施形態23:出力は、予めプログラミングされ、電子化された制御アルゴリズムに基づく、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0096】
実施形態24:この動作させることは、制御部を使用し、発電システムが産する電力に関する入力を受領し、
ヒーターによる熱生産を増減させるヒーターへの出力を提供する動きと、
発電システムに入れる燃料の加減を可能にする発電システムにある燃料弁への出力を提供する動きと
のうち1つまたは両方を指示することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0097】
実施形態25:この動作させることは、制御部を使用し、燃料流量に関する入力と、酸化剤流量に関する入力とのうち1つまたは両方を受領し、
発電システムに入れる燃料の加減を可能にする発電システムの燃料弁への出力を提供する動きと、
発電システムに入れる酸化剤の加減を可能にする発電システムの酸化剤弁への出力を提供する動きと
のうち1つまたは両方を指示することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0098】
実施形態26:この動作させることは、制御部を使用し、タービンの排気ストリームの温度に関する入力を受領し、ポンプを出るストリームの流量を増減させるタービンより上流のポンプへの出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0099】
実施形態27:この動作させることは、制御部を使用し、ポンプより上流の流体における吸引圧に関する入力を受領し、ポンプより上流に配置されるスピルバック弁への出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0100】
実施形態28:
制御部がスピルバック弁からさらに上流にある部位にスピルバックする流体を加減させる要件と、
制御部がポンプより上流で発電システムから除去される流体を加減させる要件と
のうち1つまたは両方が満たされる、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0101】
実施形態29:この動作させることは、制御部を使用し、タービンの排気ストリームの圧力に関する入力を受領し、流体排出弁への出力を提供し、排気ストリームから流体を出すことを可能にし、場合によっては流体吸込弁への出力を提供し、排気ストリームへ流体を入れることを可能にすることを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0102】
実施形態30:この動作させることは、制御部を使用し、発電システムに含まれる分離器にある水の量に関する入力を受領し、分離器からの水の除去を可能または不可とし分離器にある水の量を所定値内に維持する水除去弁への出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0103】
実施形態31:この動作させることは、制御部を使用し、発電システムに導入される、燃料の質量流量と、酸化剤の質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、燃料と酸化剤との質量流量比を算出することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0104】
実施形態32:制御部は、発電システムにおける燃料と酸化剤との質量流量比に影響を与えるようポンプの電力を変更させる酸化剤ポンプへの出力を提供する、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0105】
実施形態33:この動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより下流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、コンプレッサを迂回する酸化剤を加減させる酸化剤バイパス弁への出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0106】
実施形態34:この動作させることは、制御部を使用し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームの圧力に関する入力を受領し、酸化剤コンプレッサより上流の酸化剤ストリームに加えられる再循環流体を加減させる再循環流体弁への出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0107】
実施形態35:再循環流体は、実質的に純粋なCOストリームである、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0108】
実施形態36:この動作させることは、制御部を使用し、酸化剤の質量流量と、希釈酸化剤ストリームの質量流量とのうち1つまたは両方に関する入力を受領し、酸化剤と希釈酸化剤との質量流量比を算出することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0109】
実施形態37:制御部は、希釈酸化剤に対する酸化剤の質量流量比を所定の範囲内とするよう、発電システムに入る酸化剤の加減を可能にする酸化剤エントリー弁への出力を提供するよう構成される、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0110】
実施形態38:この動作させることは、制御部を使用し、コンプレッサより上流の流体の吸引圧に関する入力を受領し、コンプレッサより下流に配置され、コンプレッサより上流にある部位にスピルバックする流体を加減させるスピルバック弁への出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0111】
実施形態39:この動作させることは、制御部を使用し、ポンプより上流の吸引圧に関する入力を受領し、ポンプ速度を上下させるポンプへの出力を提供することを含む、前述または以下の実施形態に係る方法。
【0112】
実施形態40:この動作させることは、制御部を使用し、高圧再循環ストリームの側方流のための算出された質量流量要件に関する入力を受領し、側方流における高圧再循環ストリームの量を増減させる側方流弁への出力を提供することを含む、前述の実施形態に係る方法。
【0113】
本開示は、このように、上述の一般的な用語で記載されているが、ここで、添付図面を参照されたい。なお、添付図面は、必ずしも一定の比率で描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
図1】本開示の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、具体的には、熱制御のために構成される。
図2】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、さらに、熱源の制御のために構成される。
図3】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、具体的には、直火式発電システムの構成要素の制御のために構成される。
図4】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、具体的には、直火式発電システムの別の構成要素の制御のために構成される。
図5】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、具体的には、発電システムからの過剰な質量の除去を含む、直火式発電システムの別の構成要素の制御のために構成される。
図6】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御システムは、具体的には、発電システムからの過剰な質量の除去を含む、直火式発電システムの別の構成要素の制御のために構成される。
図7】本開示の別の実施形態に係る制御システムの部品を含む発電システムの概略図であり、この制御部品は、具体的には、発電システムへの熱入力の制御のために構成される。
【発明を実施するための形態】
【0115】
次に、本発明を以降にてより詳細に記載する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施されることがあり、本明細書で述べる実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、それら実施形態は、本開示を完璧で完全とし、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上、明白に別段の指示のない限り、複数のものを含む。
【0116】
1つ以上の実施形態において、本開示は、発電の制御のためのシステム及び方法を提供する。制御システム及び制御方法は、多種多様な発電システムに対して利用することができる。例えば、制御システムは、周囲圧力よりも加圧するか否かは問わないが、燃料を燃焼させ、ストリームに熱を産する1つ以上のシステムに適用することができる。制御システムは、同様に、繰り返し加熱及び冷却させる及び/または繰り返し加圧及び膨張させるために、作動流体を循環させる1つ以上のシステムに適用することができる。そのような作動流体は、例えば、HO、CO、及びNのうち1つ以上を含んでもよい。
【0117】
本明細書に記載されるような制御システムを実装することができる発電システム及び発電方法の例は、Palmerらによる米国特許第9,068,743号、Allamらによる米国特許第9,062,608号、Palmerらによる米国特許第8,986,002号、Allamらによる米国特許第8,959,887号、Palmerらによる米国特許第8,869,889号、Allamらによる米国特許第8,776,532号、及びAllamらによる米国特許第8,596,075号に開示され、それらの開示内容は参照により本明細書に組込まれる。非限定例として、ここで記載されるような制御システムを利用することがある発電システムは、燃焼器において、CO循環流体の存在下でOを用いて燃料を燃焼するために構成されてもよく、好ましくは、COは、少なくとも約12MPaの圧力で、少なくとも約400℃の温度で導入され、COを含む燃焼生成物ストリームを提供し、好ましくは、燃焼生成物ストリームは、少なくとも約800℃の温度である。そのような発電システムは、さらに、以下のうち1つ以上を特徴とすることができる。
【0118】
燃焼生成物ストリームは、約1MPa以上の吐出圧で、タービンを渡って膨張し、電力を発生させ、COを含むタービン吐出ストリームを提供してもよい。
【0119】
タービン吐出ストリームは、熱交換器ユニットを通過し、冷却吐出ストリームを提供してもよい。
【0120】
冷却タービン吐出ストリームは、CO以外の1つ以上の第2成分を除去するよう処理され、精製吐出ストリームを提供してもよい。
【0121】
精製吐出ストリームは、圧縮され、超臨界CO循環流体ストリームを提供してもよい。
【0122】
超臨界CO循環流体ストリームは、冷却され、高密度CO循環流体(好ましくは、密度が、少なくとも約200kg/mである)を提供してもよい。
【0123】
高密度CO循環流体は、燃焼器への入力に適した圧力にポンプで圧送されてもよい。
【0124】
加圧CO循環流体は、タービン吐出ストリームから回収される熱を使用して、熱交換器ユニットを通過することにより、加熱されてもよい。
【0125】
全てまたは一部の加圧CO循環流体は、タービン吐出ストリームから取り出したものではない熱でさらに加熱されてもよい(好ましくは、さらなる加熱は、熱交換器を通過する前、その最中、またはその後のうち1つ以上で、行われる)。
【0126】
加熱加圧CO循環流体は、燃焼器に再循環されてもよい(好ましくは、燃焼器に入る加熱、加圧CO循環流体の温度は、タービン吐出ストリームの温度よりも最大約50℃低い)。
【0127】
本開示の制御システムは、具体的には、所望の性能及び安全性を提供するため精密な制御を必要とするパラメータなど、複数のストリームに関する複数のパラメータの精密な制御を提供するための必要性により、上記にて例示したような発電方法に関して有用である場合がある。例えば、1つ以上の実施形態において、本制御システムは、以下の機能のうち1つ以上に関して有用である場合がある。
【0128】
本制御システムは、発電タービンと、最後にタービンを通り膨張するストリームを圧縮するために利用するコンプレッサとで異なる速度制御を可能にする上で有用である場合がある。これは、コンプレッサ及びタービンが同じシャフトに搭載される従来のガスタービンを超える利点である。この従来の構成は、可変速度でコンプレッサを動作させることを不可能とする。一定の回転速度及び吸込状態は、コンプレッサへの、またそれ故タービンへの実質的に一定の質量スループットをもたらす。これは、吸込口ガイドベーンの使用を通じて、影響を受けることがあり、コンプレッサに入る気流を制限し、それにより、質量スループットを低下させる。本開示によれば、コンプレッサとタービンとの間でポンプを使用することにより、有意なレベルでの発電システムの制御が提供される。これにより、コンプレッサ-ポンプ間の繋がりの質量スループットと、タービン-コンプレッサ-発電機間の繋がりの回転速度とを切り離すことが可能となる。
【0129】
本制御システムは、加熱ガスストリームを膨張させるタービンの吸込圧及び/または排出圧を制御する上で有用である場合がある。加熱ガスストリームは、大半がCOであってもよい(質量%)。
【0130】
本制御システムは、タービンの排出温度を制御する上で有用である場合がある。
【0131】
本制御システムは、タービン排気量からのCO圧力を、タービン吸込量の圧力に上昇させ、結果としてそれら圧力を維持するCO圧縮手段を用いて、発電システムの動作を制御する上で有用である場合がある。
【0132】
本制御システムは、タービン排気圧からタービン吸込圧までのCO圧縮手段における任意の点で燃焼器の燃料ガスにある炭素から形成される正味量のCOの除去を制御する上で有用である場合がある。
【0133】
本制御システムは、再循環高圧COストリームを加熱し、冷却タービン排気からの熱回収を保証することにより、可能な限り最も高い温度で、加熱再循環高圧COの燃焼器への最適な流れを提供しつつ、高温タービン排気をエコノマイザ熱交換器で冷却する、発電システムの動作を制御する上で有用である場合がある。
【0134】
本制御システムは、外部熱源からの(例えば、約400℃以下の温度での)再循環COストリームへの熱入力を最適化し、エコノマイザ熱交換器における温度差を400℃未満に制御し、冷却タービン排気ストリームに対して加熱されてもよい再循環COの量を最大にし、エコノマイザ熱交換器のホットエンドの温度差を最小にする上で有用である場合がある。
【0135】
本制御システムは、高圧加熱再循環COストリームと混合するときの燃焼生成物が、所要温度及び所要圧力で、タービンへの吸込ガスストリームを形成することを保証するよう、燃焼器への燃料流を制御する上で有用である場合がある。
【0136】
本制御システムは、タービン排出ストリームにおける所要の過剰CO濃度を得、燃料の完全な燃焼を保証するよう、燃焼器への酸素流を制御する上で有用である場合がある。
【0137】
本制御システムは、燃焼処理で形成される水の凝結を最大にし、他の燃料または燃焼由来の不純物を伴う燃料ガス燃焼から正味量の水を生産させないため、エコノマイザ熱交換器を出るタービン排気ストリームを周囲冷却手段によりさらに冷却することができるよう、発電システムの動作を制御する上で有用である場合がある。
【0138】
1つ以上の実施形態において、本明細書に記載されるような制御システムの実装に適した発電システムは、化石燃料の燃料を経るもの以外の方法を介して加熱するために構成されてもよい。一非限定例として、燃焼器における化石燃料の燃焼由来の熱入力を補うまたはそれに代わるソーラーパワーを使用することができる。同様に、他の加熱手段を使用することができる。一部の実施形態において、400℃以下の温度でのCO再循環ストリームへの熱入力の形態を使用することができる。例えば、濃縮ストリーム、ガスタービン排気、断熱圧縮ガスストリーム、及び/または400℃超であってもよい他の高温流体ストリームを利用することができよう。
【0139】
一部の実施形態において、制御システムは、具体的には、利用されるエコノマイザ熱交換器の許容可能な最大温度により確定する最大値でタービン排出温度を制御する上で有用である場合がある。そのような制御は、タービン吸込圧及びタービン排出圧並びに熱交換器が動作するホットエンドの温度差に基づいてもよい。
【0140】
本開示の制御システムは、パラメータ(例えば、計測パラメータ及び/または算出パラメータ)が、1つ以上の実行可能な動きと関連する場合がある1つ以上の機能により定義されてもよい。実行可能な動きは、1つ以上の弁の開閉を経るなど、システムにおける流体の流れを調節する1つ以上の動きを含んでもよい。非限定例として、本開示に係る制御システムにおける計測パラメータは、流体流量、圧力、温度、液位、流体量 、及び流体成分などを含んでもよい。計測パラメータは、熱電対、圧力センサ、トランスデューサ、光検出器、流量計、分析装置(例えば、UV-VIS分光計、IR分光計、質量分析計、ガスクロマトグラフィー、及び高速液体クロマトグラフィーなど)、計器、及び同様のデバイスなどの任意の適したデバイスを使用して、計測することができる。本開示に係る制御システムにおける算出パラメータは、例えば、コンプレッサ(例えば、COコンプレッサ)の電力消費、ポンプ(例えば、COポンプ)の電力消費、極低温酸素プラントの電力消費、燃料熱入力、1つ以上の流体ストリームの圧力降下(例えば、熱交換器における圧力降下)、温度差(例えば、熱交換器のホットエンド及び/または熱交換器のコールドエンドにおける温度差)、タービンの電力出力、発電機の電力出力、及びシステム効率を含んでもよい。算出パラメータは、例えば、計測パラメータに基づき電子化されたスーパーバイザリーコントロールシステムにより算出することができよう。
【0141】
図1は、本開示の実施形態を図示し、ここでは具体的には閉電力サイクルに使用されることがある制御システムが図示される。制御システムは、具体的には、例えば、太陽光利用において、システムに入る熱の量の直接制御を要しないシステム及び方法において有用である。この構成において、作動流体は、ヒーター12、発電機11に接続されるタービン10、第1ヒーター/クーラー16、コンプレッサ30、第2ヒーター/クーラー18、及びポンプ20を通り、循環する。場合によっては、タービン10を出る作動流体ストリーム101bにおける熱を作動流体ストリーム101gへと回収し、ヒーター12によりさらに加熱される作動流体ストリーム101bとして出すことができるようなレキュペレータ熱交換器50を含んでもよい。
【0142】
ヒーター12において発電システムに入る熱は、好ましくは高圧(例えば、約10bar以上、約20bar以上、約50bar以上、約80bar以上、約100bar以上、約150bar以上、約200bar以上、または約250bar以上)で、作動流体に加えられ、高圧加熱作動流体ストリーム101aを提供する。このストリームは、タービン10を通り、低圧に膨張し、作動流体ストリーム101bとして出る。パラメータチェック部位13は、タービン10より下流で、第1ヒーター/クーラー16より上流(場合によっては、存在する場合、レキュペレータ熱交換器50より上流)に構成され、温度センサまたは熱電対などを含む。制御部2(ポンプ制御部とみなすことができる)は、パラメータチェック部位13にて、1つ以上の温度読み取り(読み取りは、継続的であっても定期的であってもよい)を指示及び/または収集する。パラメータチェック部位13にて実質的に一定の温度を維持するため、制御部2が、ポンプ20の必要に応じて、電力調整を指示する。例えば、制御部2は、パラメータチェック部位13における温度読み取りに応じてポンプ20の速度を制御することができる。このように、制御部2は、ヒーター12におけるシステムに導入される熱の量とは独立して、同様に、タービン10の吸込温度とは独立して、作業流体ストリーム101bにおける所望の温度を維持するよう構成されてもよい。これは、特に、ヒーター12に導入される熱の量により示されるようなタービン10への吸込温度により規定されるような正確な圧力で正確な質量流量の作動流体を送達するようポンプ20を制御することができる点で有益である。
【0143】
そのような動的制御は、図1に図示される発電システムにおける1つ以上の別のパラメータに影響を及ぼす場合がある。例えば、ポンプ20を通る流量の変化により、作動流体ストリーム101fにおけるポンプからすぐ上流での吸引圧に変化が生じる。ポンプ20の所望な制御性を維持するため、ポンプの吸引状態は、所定の範囲内で可能な限り一定に保たなければならない。第2ヒーター/クーラー18は、ポンプ20における吸引温度を所望の値に維持する上で有用である場合がある。ポンプ20の実質的に一定の吸引圧を維持するため、制御部3(ポンプ吸引圧制御部とみなすことができる)は、パラメータチェック部位23に配置される圧力センサまたはトランスデューサなどをモニタリングするよう構成されてもよく、制御部3は、そこから得た圧力読み取りを利用して、作動流体ストリーム101cにおける任意の位置にある場合があるパラメータチェック部位44にスピルバックする作動流体ストリーム101eからの流体の加減を可能にするよう構成されてもよいスピルバック弁31を制御することができる。従って、制御部3は、本質的には、スピルバック弁31を介してコンプレッサ30の周囲の再循環の流れの量を制御するよう構成されてもよい。このように、パラメータチェック部位23における圧力は、スピルバック弁31を通る流体流を減少させることにより上げることができ、スピルバック弁を通る流体流を増加させることにより下げることができる。流体が作動流体ストリーム101cにスピルバックするため、作動流体101b及び101cでは、実質的に一定の圧力が維持されることも望まれる場合がある。そのため、パラメータチェック部位13は、同様に、圧力センサまたはトランスデューサなどを含んでもよい。温度センサ及び圧力センサは、同じパラメータチェック部位に構成することができ、また作動流体ストリーム101bにて異なるパラメータチェック部位を、個々のセンサのため利用することもできる。
【0144】
パラメータチェック部位13が、パラメータチェック部位44及びパラメータチェック部位43と流体連通しているため、部位13、44、及び43における個々の圧力は、装置及び配管を通る固有の圧力損失に因ってのみ、実質的に異なることがある。制御部4は、パラメータチェック部位43に配置される圧力センサまたはトランスデューサなどをモニタリングするよう構成されてもよく、制御部4は、パラメータチェック部位44における実質的に一定の圧力を維持するため、作動流体ストリーム101dからの流体をシステムに入れるまたはシステムから出すことを可能にするよう、弁41を制御するよう構成されてもよい。このように、パラメータチェック部位44は、必要に応じて、制御部4がモニタリングすることができる圧力センサまたはトランスデューサなどを含んでもよい。あるいは、パラメータチェック部位43及び44が流体連通しているため、パラメータチェック部位43における計測圧力は、パラメータチェック部位44における圧力と実質的に同一であると考察することができる。弁41は、所望の圧力を維持するために、作動流体ストリームに対し、流体を除去及び/または追加するよう構成されてもよい。一部の実施形態において、単一の弁41の代わりに、低圧シンクへ流体を出すことを可能にするよう構成される第1弁(すなわち、流体排出弁)及び高圧源から流体を入れることを可能にするよう構成される第2弁(すなわち、流体吸込弁)といった2つの弁があってもよい。
【0145】
一部の実施形態において、図示されるシステムは、弁41がないまたは弁41を利用せずに、制御されてもよく、その代わりに、制御部3は、コンプレッサ30によるサージを実質的に防止するよう、動作してもよい。そのような実施形態において、制御部2は、なお、パラメータチェック部位13にて温度を管理するよう動作してもよく、制御は、一見して、完全な閉ループとなってもよく、この構成は、具体的には間接加熱発電サイクルに有用となる場合がある。例えば、1つ以上の実施形態において、ヒーター12は、所定の熱水準以上の太陽光加熱の供給のために構成されてもよく、従って、発電システムは、太陽光の入射の変化へ動的に応答し、可能な限り多くの電力を産するよう実質的に自己調節することができる。このような構成は、別の供給源からさらに熱が、継続的または断続的にヒーター12において加えられる場合にも、同様に維持されてもよいであろう。
【0146】
図1の図示されるシステムにおいて、コンプレッサ30は、タービン10からのその吸込作動流体ストリームを受け、その排出作動流体ストリームは、最後に、ポンプ20に送達される。コンプレッサ30は、タービン10に軸で搭載されてもよく、コンプレッサの作業状態は、タービン排気状態の制御に基づき、実質的に変化しないことがある。
【0147】
制御部2、制御部3、及び制御部4は、個別の制御部であると図示され論じているが、個々の制御部を大きなユニットの一部として構成することができることを理解されたい。例えば、単一の制御ユニットが、それらが指定されたパラメータチェック部位及びそれらが制御するデバイス(例えば、ポンプ20、スピルバック弁31、及び弁41)に独立して接続されることができる複数のサブユニットを含むことができよう。さらに、制御ユニットは、実質的に、個々のパラメータチェック及び制御されるデバイスに対し指定される複数の入力及び複数の出力を有する、全体的制御部(例えば、コンピュータまたは同様の電子デバイス)におけるサブルーチンとして構成されてもよい。
【0148】
伝熱式熱交換器50が含まれる実施形態において、パラメータチェック部位13における温度の制御は、特に重要である場合がある。パラメータチェック部位13における温度を定常時の値に、または実質的にそれに近い値に、維持することにより、伝熱式熱交換器50における温度プロファイルをも実質的に一定に保つことができる。少なくとも、そのような制御スキームは、システムで利用される配管、熱交換器、及び他の高温装置の熱循環を低下または消失させ、そして、部品寿命を著しく増加させることができるため、有益である。
【0149】
図2は、本開示の実施形態を図示し、ここでは図1に図示される発電システムと実質的に同一の発電システムが示される。図2のシステムでは、別の制御部1(電力制御部とみなすことができる)が含まれ、様々な値をモニタリングし、多くの制御コマンドを指示するために構成されてもよい。
【0150】
1つ以上の実施形態において、制御部1は、発電機11の電力出力に関する計測値を計測する及び/または受領するよう構成されてもよい。一部の実施形態において、制御部1は、ヒーター12を介する熱入力を指示し、所要の電力を発生させるよう構成されてもよい。このような方法で、発電機11における電力出力が所望の出力より多いまたは少ない場合、ヒーター12を介する熱入力を減少または増加させることができ、所望の電力出力を送達する。同様に、制御部1を用いた電力出力のモニタリングは、実質的に一定な電力出力を提供することができるよう、熱入力が動的に変化することを可能にすることができる。非限定例として、太陽光加熱をヒーター12に利用するとき、発電機11における電力出力は、トリガーとして利用されてもよく、その結果、例えば、電力出力が所定値未満に降下したとき、及び/または、使用率が増加することが予想されるときに電力出力を1日1度自動で増加させることがあるなど、電力出力が予め定義された加熱アルゴリズムを満たすのに不充分であるとき、熱出力を増加させるため、より多くのミラーを収集タワーに向けることができよう。別の非限定例として、複数の熱源を利用することができ、この場合、第1熱源を主として利用することができ、発電機11における電力出力が不十分なとき、第2熱源を自動で稼働させることができる。例えば、太陽光加熱は、主熱源となるもの及び主熱源を補うもう一方の第2熱源となるものを用いた燃焼加熱と組み合わせることができよう。
【0151】
より多くのまたはより少ない熱がシステムに加えられると、タービン吸込温度は、変化し、タービンを通り膨張した後、パラメータチェック部位13における温度は変化するであろう。このように、図1に関する上記制御機能のうち1つ以上は、同様に、図2に図示されるようなシステムに実装することができる。
【0152】
図3は、本開示の実施形態をさらに図示し、ここでは、具体的には、半閉電力サイクルに使用されることがある制御システムが図示される。制御システムは、具体的には、サイクルが酸素を用いて炭素質燃料を燃やす直火式酸素燃焼サイクルである、システム及び方法で有用である。図示されるように、発熱反応を提供するため組み合わせられてもよい少なくとも2つの成分は、弁14及び弁71を通りシステムに導入される。成分は、タービン10に直接導入されるように示されるが、1つ以上の実施形態において、成分は、燃焼器などの反応器に導入されることがある。一部の実施形態において、タービン10は、タービンより上流に反応または燃焼チャンバを含む多段式部品である。図3において、点線の下部の構成要素10の一部は、燃焼チャンバであってもよく、点線の上の構成要素10の一部は、タービンであってもよい。非限定例として、弁14は、天然ガスまたは他の化石燃料などのメーターを介して燃料を供給するために構成されてもよく、弁71は、空気または実質的に純粋な酸素(例えば、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%の純酸素)などの酸化剤を、メーターを介して供給するために構成されてもよい。
【0153】
図3に例示されるシステムにおいて、制御部1は、発電機11の電力出力をモニタリングするよう構成されてもよい。計測された電力出力に基づき、制御部1は、発電システムへの燃料の加減を可能にするよう燃料弁14を制御する。より多くのまたはより少ない燃料が発電システムに加えられると、制御部7(燃料/酸化剤比制御部とみなすことができる)は、パラメータチェック部位72における酸化剤流量とパラメータチェック部位15における燃料流量比を比較し、制御部7は、酸素に対する燃料の予め定められた比率を維持するために、酸化剤弁71にそこを通る酸化剤の加減を可能にするよう命じる。
【0154】
反応(例えば、燃焼)生成物は、タービン10(または複合反応器/タービンのタービン部分)を通過し、タービン排気ストリームとして出る。一例として、天然ガス及び酸素が弁14及び弁71を通りメーターを介して供給されるとき、タービン排気ストリームにおける主生成物は、HO及びCOであるであろう。タービン排気ストリームは、レキュペレータ熱交換器50(このような部品は任意であるが)を通過し、その後、第1ヒーター/クーラー16を通過することができる。タービン排気ストリームは、その後、水を弁61を通し取り出すことができる水分離器60で処理される。実質的に純粋なCOストリームは分離器60の上部から出て、コンプレッサ30を通過する(一部分画は、弁41を通り引き出される)。コンプレッサ30を出た圧縮再循環COストリームは、第2ヒーター/クーラー18を、その後、ポンプ20を通過し、高圧再循環COストリームを提供する。これは、(場合によっては、レキュペレータ熱交換器50を通過し、タービン排気ストリームから引き込まれる熱で加熱されて)、タービン10へ戻ることができる。実質的に純粋なCOストリームは、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも99.5重量%のCOを含んでもよい。
【0155】
図3に図示されるように、例示的な発電システムで使用される制御システムは、図1及び図2のシステムに関して上記したものと実質的に同一に機能することができる、制御部2、制御部3、及び制御部4を含む。また、制御部6(水分離器制御部とみなすことができる)は、制御部6が読み取ることができる水位出力を提供するのに適した1つ以上のセンサを含んでもよい、分離器60での水位をモニタリングするために利用される。受領した水位信号に基づき、制御部6は、正確な間隔及び持続時間で開くよう弁61に指示し、所望のレベルで分離器60における水位を維持する。計測値は、水位に関して参照されるが、体積、質量、または他のパラメータを利用し、制御部6に信号を提供することがあることを理解されたい。
【0156】
図4は、本開示のさらなる実施形態を図示し、ここでは、具体的には、人工空気源を利用する半閉電力サイクルに使用されることがある制御システムが図示される。制御システムは、具体的には、サイクルが酸素で炭素質燃料を燃やす直火式酸素燃焼サイクルである、システム及び方法で有用である。制御部1は、再び、発電機11の電力出力をモニタリングし、それに応じて、弁14を通る燃料入力をメーターで量る。
【0157】
図4に図示されるように、燃料及び酸化剤は、デュアル燃焼器/タービン10の燃焼部分に入り、タービン排気ストリームは、タービン部分を出る。タービン排気ストリームは、レキュペレータ熱交換器50(このような部品は任意ではあるが)を通過し、その後、第1ヒーター/クーラー16を通過してもよい。タービン排気ストリームは、その後、弁61を通し、水を取り出すことができる水分離器60で処理される。実質的に純粋なCOストリームは、分離器60の上部から出て、コンプレッサ30を通過する(一部分画は、弁41を通り引き出される)。コンプレッサ30を出た圧縮再循環COストリームは、第2ヒーター/クーラー18を、その後、ポンプ20を通過し、高圧再循環COストリームを提供する。これは、(場合によっては、レキュペレータ熱交換器50を通過し、タービン排気ストリームから引き込まれる熱で加熱されて)デュアル燃焼器/タービン10へ戻ることができる。
【0158】
この構成において、酸化剤は、弁111を通って入り、COを酸化剤と組み合わせることができる接合管114を通過する。酸化剤ストリーム(場合によっては、COストリームで希釈される)は、ヒーター/クーラー22を通過し、コンプレッサ90で加圧され、ヒーター/クーラー24を通過し、最終的に、ポンプ80を通過する。制御部8(酸化剤ポンプ制御部とみなすことができる)は、(パラメータチェック部位26で読み取った)燃料の質量流量と、(パラメータチェック部位82で読み取った)酸化剤の質量流量との間の比率を計測する。算出された比率に基づき、制御部8は、ポンプの電力を変更し、正確な質量流量で酸化剤の送達を可能にするよう変速度ポンプ80に指示することができ、所要の圧力で所望の燃料に対する酸化剤比が維持される。このように、発電システムに供給される酸化剤の量は、一貫して、デュアル燃焼器/タービン10への経路のための正確な流量及び正確な圧力となる。例えば、パラメータチェック部位82における圧力が燃焼器/タービン10からの逆圧により上昇し得た場合、制御部8は、ポンプ80に、正確な圧力及び酸化剤の質量流量を提供するのに適した異なる速度で動作するよう命じるよう構成されてもよい。パラメータチェック部位93にて得た圧力読み取りに基づき、制御部9(酸化剤圧力制御部とみなすことができる)は、コンプレッサ90より上流の点(具体的には、接合管114とヒーター/クーラー22との間)にスピルバックする(または再循環される)流体の加減を可能にすることにより、パラメータチェック部位93における圧力を増減するようスピルバック弁91に指示することができる。圧力は、同様に、パラメータチェック部位102にてモニタリングされてもよい(これは、コンプレッサ90の吸引に対応する圧力である)。この圧力に基づき、制御部100(酸化剤圧力制御部とみなすことができる)は、パラメータチェック部位102において実質的に一定な圧力を維持するため、コンプレッサ30の上流の流体の全てまたは一部を接合管114へ逸れないよう弁103に指示することができる。弁103を通り逸れた実質的に純粋なCOストリームは、酸化剤を希釈するのに利用されてもよく、制御部100は、同様に、弁103を通る流れを増減し、所望の希釈液を提供するよう構成されてもよい。弁103を通り提供されるCOストリームの質量流量は、パラメータチェック部位113で計測されてもよく、弁111を通り提供される酸化剤の質量流量は、パラメータチェック部位112で計測されてもよい。制御部110(希釈制御部とみなすことができる)は、チェック部位112及び113での流れの比率を算出するよう構成されてもよく、正確な比率が維持されることを保証するため、システムに入る酸化剤の加減を可能にするよう、弁111に指示するよう構成されてもよい。
【0159】
1つ以上の実施形態において、本開示に係る制御システムは、具体的には、広範囲の圧力にわたる質量制御を提供するよう構成されてもよい。低圧質量制御(例えば、約10barまで、約8barまで、または約5barまでの周囲圧力での質量制御)は、上記制御部4についての記載と同様に達成することができる。具体的には、制御部4は、弁41を開閉し、発電システムからの過剰な質量を取り除くよう構成されてもよい。例えば、作動流体として再循環COストリームを利用し、化石燃焼を燃焼させるシステムにおいて、過剰なCOが形成される場合がある。システムにおける正確な質量均衡を維持するため、形成されたCOの全てまたは一部は、弁41を通し引き出されてもよい。質量制御のため、弁41を通し引き出された流体の量は、燃焼反応の既知の化学量論に基づき算出されてもよく、制御部4は、それに応じて、弁41を通る質量流量を制御するよう構成されてもよい。必要に応じて、燃焼器より下流の流体質量を計測及び/または算出するため、及び/またはコンプレッサ30及び/またはポンプ20より下流にあるストリームに関して、燃焼器と弁41との間のストリーム間の流体質量比を計測及び/または算出するため、1つ以上のセンサを利用してもよい。
【0160】
図5に図示される実施形態において、上記のような制御部3及び制御部4はなく、コンプレッサ30の排出圧と実質的に同じ圧力(ポンプ20の吸引と実質的に同一である)で、発電システムから過剰な質量を放出するために、別の制御部が設けられる。上述したように、ポンプ20の速度は、制御部2を介して、タービン10の排気温度により制御される。しかし、図5に図示される実施形態において、コンプレッサ30の吸引圧は制御される。具体的には、パラメータチェックポイント54は、圧力センサを含んでもよく、制御部35(コンプレッサ吸引制御部とみなすことができる)は、パラメータチェック部位54で計測されるようなコンプレッサ30の吸引における圧力に基づき、弁31を開閉するよう構成されてもよい。パラメータチェック部位54における圧力が降下し始める場合、制御部35は、弁31を開け、流体がパラメータチェック部位54より上流の点にスピルバックする(図示される実施形態において、パラメータチェック部位44に向かいスピルバックする)ことを可能にし、パラメータチェック部位54における圧力を上昇させるよう構成されてもよい。パラメータチェック部位54における圧力が増加し始める場合、制御部35は、スピルバックする流体の量を減少させ、パラメータチェック部位54における圧力を低下させるため、弁31を閉じるよう構成されてもよい。
【0161】
ポンプ20の速度を制御することに加え、ポンプの吸引圧も制御することができる。具体的には、パラメータチェック部位23において読み取った圧力は、弁88を開閉するよう構成されてもよい制御部75(ポンプ速度制御部とみなすことができる)により利用することができる。そのため、ポンプ20の吸引圧は、弁88において、過剰な流体を発電システムから除去することにより制御され、そして、所望のシステム圧力の維持が提供される。
【0162】
図6に図示される実施形態において、電力制御スステムは、弁88を使用しないこと以外は、図5に図示される構築物と同様に構成される。この図示される実施形態において、コンプレッサ30は、図5に関して記載されるような吸引圧制御で動作し、ポンプ20も、吸引圧制御で動作する。具体的には、パラメータチェック部位23で読み取った圧力は、燃焼サイクルの別のパラメータにより規定される正確な圧力で制御される吸引状態及び出力を維持するようポンプ20の速度を調整するよう構成されてもよい制御部75により利用されてもよい。また、パラメータチェック部位13から得た温度は、制御部2により再度使用されてもよいが、制御部2は、タービン10からの排気の温度を制御するため、弁115を通るよう流体を向かわせるように構成される。弁115を通し、より多くの流体を発電システムから出すことを可能にすることにより(または発電システムにより多くの流体を保つことにより)、タービン10を通る吸込圧(さらには、質量流量)を制御することができ、同様に、タービン10の排出温度を制御することができる。
【0163】
1つ以上の実施形態において、図7に示す電力システムは、電気発生器11に連結されるタービン10を備えてもよい。燃料ストリームは、弁14を通りメーターを介して供給され、酸素は弁117を通りメーターを介して供給され、燃料は、燃焼器10において酸素を用いて燃焼される。燃料及び酸素は、エコノマイザ熱交換器50を出る加熱高圧再循環COストリーム120と混合される。燃焼ガスは、タービン10bに渡る。タービン吐出ストリームは、エコノマイザ熱交換気50にて、高圧再循環COストリーム119に対して、冷却され、第1ヒーター/クーラー16にて、ほぼ周囲温度までさらに冷却される。一部の実施形態において、第1ヒーター/クーラー16は、例えば、冷却水を使用する間接熱交換器であってもよく、またはタービン排気ストリームの冷却及び水の濃縮の両方を行う直接接触熱交換器であってもよい。ほぼ周囲温度のストリームは、弁61を通し復水液ストリームを吐出する水分離器60に入る。ストリームは、SO及びNOなどの酸化状態にある燃料または燃焼由来の不純物を含む場合がある。直接接触クーラーの場合、ユニットは、複合ガスクーラーガス/水コンタクター及び液相分離器として働く。再循環されたCOストリーム116は、(例えば、約30~70barから約80barに)その圧力を上昇させるCO再循環コンプレッサ30に入る。コンプレッサ30には、弁31を有する再循環CO管45が設けられ、圧力を低下させ、部位44での吸引に、コンプレッサ流の一部を戻す。正味量のCO生成物は、タービン燃焼器にて続いて酸化される燃料ガスストリーム由来の全ての炭素を含有し、弁41を通るストリームとして、コンプレッサから排気される。正味量のCO生成物は、コンプレッサ吸引からポンプ吐出までの圧力で送達されてもよい。コンプレッサ30を出る再循環されたCOストリームは、第2ヒーター/クーラー18にて、ほぼ周囲温度に冷却される。密度は、通常約0.7kg/リットルから約0.85kg/リットルに増加する。濃超臨界COは、多段ポンプ20において、通常320barにポンプで圧送される。ポンプ20を出た再循環されたCOストリーム119は、エコノマイザ熱交換器50に入る。
【0164】
ポンプ20を出た再循環されたCOストリームの一部119aは、加熱ストリーム53に対して熱交換器56で加熱され、これは、空気分離ユニットから取り出した熱など任意の供給源からであってもよい。このストリーム119aは、通常、約200℃から約400℃の温度に加熱される。加熱ストリームは、その後、中間部位で熱交換器50内を通り、再び高圧再循環COストリーム119と混合される。システムは、流体流を調節する制御弁により制御される。システムには、流量、圧力、温度、及びガス成分を計測するセンサが設けられる。それら計測値は、例えば、記憶されたスーパーバイザリーコントロールブログラムを伴う制御アルゴリズムを使用して電力プラントを調整するデジタル制御システムに与えられてもよい。制御システムからの出力は、ポンプ20の速度及び他のシステムの機能に加え、制御弁の開口具合を調節する。所要電力出力での所定の高効率な動作、最適なスタートアップ状態、制御されたランプアップまたはランプダウンいずれかの速度、並びにシステムマルファンクションへのシャットダウン及び応答を達成することが目的である。そのようなデジタル制御システム及び制御アルゴリズムを図7のシステムに関して記述するが、そのような開示は、図1から図6及び図8までに関して記載される、またそれらの実施形態を含む、本明細書に記載の別の実施形態にも等しく適用されることを理解されたい。
【0165】
システムの機能的制御は、センサにより計測される変数と特定の制御弁の応答との間での関連性により定義されてもよい。本明細書に開示される実施形態に関して利用することができる制御システムの1つ以上の実施形態は、以下のものを含む。
【0166】
弁14を通る燃料流量は、電気発生器58に課される電力需要により制御されてもよい。
【0167】
ポンプ20の速度は、その吐出流量を制御するために使用されてもよい。具体的には、流量設定値は、所定のタービン排出温度を維持するよう変えてもよい。
【0168】
COコンプレッサ30の排出圧は、コンプレッサ再循環流制御弁31の設定値を変えることにより、一定の所定値に維持されてもよい。
【0169】
発電サイクルで産したCOの排気は、流れ制御弁41で制御されてもよい。この流れ制御部の設定値は、COコンプレッサ及びタービン吐出部への一定の吸込圧を維持するよう変えてもよい。弁41を通る排気がコンプレッサ30の吐出部で行われる一部の実施形態において、制御システムは、弁41を通り、再循環弁31を通る流れを変えるよう構成されてもよい。
【0170】
熱交換器56において加えられる熱源により加熱される再循環高圧COの量は、流れ制御弁42及び制御部17(側方流加熱制御部とみなすことができる)により制御されてもよい。CO流の設定値は、高圧CO再循環ストリーム120と部位13におけるタービン排気ストリームとの間の熱交換器50のホットエンドにおける温度差を50℃未満に最小化するよう制御される。
【0171】
燃料及び燃焼由来の酸化不純物を伴う復水の吐出は、水分離器60において、または代わりとなる直接接触クーラーの水溜において、一定の水位を維持することにより制御されてもよい。後者の場合、吐出流が、冷却水熱交換器を通りポンプで圧送され、パッキング層の上の直接接触クーラーの上部に導入されつつ、過剰な水は、吐出される。
【0172】
図5に関連して、燃焼器への酸素の流量は、流れ制御弁111により制御されてもよい。流れ制御部の設定値は、燃料ガスに対する酸素の所定比を維持するよう変えてもよく、これにより、燃料由来の不純物の酸化に加え完全な燃料燃焼を保証するため化学量論値より通常1%過剰な酸素が保証されるであろう。一体型タービン燃焼器の耐熱火炎温度を制御するため、これは、ある量のCOで酸素を希釈し、15%~40%の間、通常25%(モル濃度)のO濃度のOガス混合物を加えたCOを産する上で有用となる場合がある。酸素ストリームは、COコンプレッサ30の吸込管から得られたCOストリームで希釈されてもよい。取り出されたCOは、流れ制御弁103を通過し、一部の実施形態においてスタティックミキサである場合がある接合管114に入る。弁91のための流れ制御部の設定値は、スーパーバイザリーコンピュータプログラムにより、部位102にて一定の圧力を維持するよう調整されてもよい。酸素吸込流制御弁111の設定値は、ミキサー114に入る二酸化炭素流に対する酸素の固定比を維持するよう調整されてもよい。混合酸化剤ストリームは、ヒーター/クーラー22を通過する。冷却酸化剤ストリームは、酸化剤コンプレッサ90に入り、ここで、通常約90barから約120barの圧力範囲に圧縮される。流れ制御弁91の設定値は、酸化剤コンプレッサ90の吐出圧を制御するよう変えてもよい。酸化剤コンプレッサ90は、固定吸込圧及び固定排出圧で動作してもよい。コンプレッサからの吐出物は、ヒーター/クーラー24にてほぼ周囲温度に冷却されてもよい。その密度は、例えば、約0.6kg/リットルから約0.75kg/リットルの範囲に増加する。濃超臨界酸化剤ストリーム82は、多段式渦巻きポンプ80にて、通常320barの圧力にポンプで圧送される。ポンプ80を出た高圧吐出ストリームは、エコノマイザ熱交換器50に入り、ここで、冷却タービン吐出ストリームから放出された熱の一部により加熱される。酸化剤の流量は、酸化剤ポンプ80の速度を調整することにより制御されてもよい。流量設定値は、燃料由来の不純物の酸化に加え燃料ガスの完全燃焼を保証するため、化学量論燃料ガス燃焼に要する量よりも通常1%過剰な酸素を提供するであろう、燃料ガスに対する酸素の所定比を維持するよう調整されてもよい。
【0173】
当業者であれば、前述の記載にある教示の利益を有し、本発明に属する本発明の多くの変形形態及び他の実施形態に想到するであろう。そのため、本発明が開示される特定の実施形態に限定されないこと、並びに変形形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが見込まれることを理解すべきである。本明細書では特定の用語を採用するが、それらは単に総称的及び記述的意図で使用され、限定を目的としていない。
図1
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図7