(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ICカード
(51)【国際特許分類】
B42D 25/305 20140101AFI20220112BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20220112BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B42D25/305 100
G06K19/077 156
H05K1/02 D
(21)【出願番号】P 2018025754
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】新井 英朗
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-282167(JP,A)
【文献】特開2012-053670(JP,A)
【文献】特開平07-061177(JP,A)
【文献】特開平09-030170(JP,A)
【文献】国際公開第2017/093514(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02548637(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0049309(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第10139382(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第10134989(DE,A1)
【文献】米国特許第09342774(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/305
G06K 19/077
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード基材と、
前記カード基材内に配置され、配線を含む、フィルム状の基板と、
前記基板に実装されるとともに、前記配線に接続され、前記カード基材内に設けられる構造体と、
前記カード基材内であって、且つ、前記カード基材の主面方向において前記構造体の外周縁又は前記構造体の外周縁の外方に設けられ、外力が印加されたときに生じる応力が集中する応力集中部と、
を備え
、
前記応力集中部は、前記カード基材の主面方向で前記構造体の外周縁よりも外方に、前記構造体の外周縁に沿って前記カード基材の内部に配置された、前記カード基材よりも曲げ強度が低い部材により構成されるICカード。
【請求項2】
カード基材と、
前記カード基材内に配置され、配線を含む、フィルム状の基板と、
前記基板に実装されるとともに、前記配線に接続され、前記カード基材内に設けられる構造体と、
前記カード基材内であって、且つ、前記カード基材の主面方向において前記構造体の外周縁又は前記構造体の外周縁の外方に設けられ、外力が印加されたときに生じる応力が集中する応力集中部と、
を備え、
前記構造体は、前記カード基材と異なる曲げ強度に構成され、
前記カード基材は、一方向に長い矩形状であり、
前記基板は、
前記構造体の前記カード基材の短手方向で中央側に位置する一辺と前記カード基材の厚み方向で対向する外周縁の一部が、前記構造体の前記カード基材の前記短手方向に位置する一辺と沿い、そして、前記構造体の前記カード基材の前記短手方向に位置する一辺と前記カード基材の主面方向で一致し、
前記応力集中部は、
前記構造体の前記カード基材の短手方向に位置する一辺と前記カード基材の厚み方向で対向する前記基板
の前記外周縁の一部と前記カード基材の境界により構成され
るICカード。
【請求項3】
前記構造体は、指紋センサであり、表面が前記カード基材から露出する、請求項1又は請求項2に記載のICカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ICカードに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、フィルム状の基板に実装されたICチップ、MPU、コンデンサ、指紋センサ等の実装品を内蔵する高機能のICカードが知られている。ICカードは、内部に実装品が実装されることから、ICカードに曲げ等の応力が生じた際に、実装品の端部に応力が集中する虞がある。応力が実装品の端部に集中すると、基板や実装品が破損する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、外力が印加されることで生じた応力により破損することを防止できるICカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、ICカードは、カード基材と、フィルム状の基板と、構造体と、応力集中部と、を備える。基板は、前記カード基材内に配置され、配線を含む。構造体は、前記基板に実装されるとともに、前記配線に接続され、前記カード基材内に設けられる。応力集中部は、前記カード基材内であって、且つ、前記カード基材の主面方向において前記構造体の外周縁又は前記構造体の外周縁の外方に設けられ、外力が印加されたときに生じる応力が集中する。前記応力集中部は、前記カード基材の主面方向で前記構造体の外周縁よりも外方に、前記構造体の外周縁に沿って前記カード基材の内部に配置された、前記カード基材よりも曲げ強度が低い部材により構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係るICカードの構成を示す平面図。
【
図2】同ICカードの断面形状を
図1中のII-II線断面で示す断面図。
【
図3】第2の実施形態に係るICカードの構成を示す平面図。
【
図4】同ICカードの断面形状を
図3中のIV-IV線断面で示す断面図。
【
図5】第3の実施形態に係るICカードの構成を示す平面図。
【
図6】同ICカードの断面形状を
図5中のVI-VI線断面で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るICカード1を、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態に係るICカード1の構成を示す平面図である。
図2は、ICカード1の断面形状を
図1中のII-II線断面で示す断面図である。なお、
図1及び
図2において、説明の便宜上、各構成の形状を簡略し、又は、寸法を拡大若しくは縮小して示す。
【0008】
ICカード1は、カード基材11と、カード基材11内に設けられた基板12と、基板12に実装された電子部品13と、基板12に実装された接触端子14と、基板12に実装された指紋センサ15と、を備えている。また、ICカード1は、カード基材11が曲がる等によって外力がICカード1に印加され、ICカード1に曲げ応力が生じたときに、曲げ応力が集中する応力集中部16を有する。
【0009】
カード基材11は、例えば、樹脂材料で構成された一方向に長い矩形状の第1シート11aと、樹脂材料で構成され、接触端子14及び指紋センサ15を露出させる開口が構成された第2シート11bと、を備えている。カード基材11は、例えば、第1シート11a及び第2シート11bを一体に貼り合わせることで構成される。なお、カード基材11は、樹脂成形により形成されてもよい。
【0010】
基板12は、フィルム状の基板である。基板12は、例えば、矩形状に構成される。基板12は、実装された電子部品13、接触端子14及び指紋センサ15を電気的に接続するプリント配線12aを含む。基板12は、外周縁よりも内部に、実装品である電子部品13、接触端子14及び指紋センサ15を実装する。
【0011】
電子部品13は、例えば、指紋センサ15でスキャンした画像を処理するためのIC、MPU(Micro Processing Unit)及びMCU(Micro Controller Unit)等である。
【0012】
接触端子14は、カード端末機のリーダ・ライタ端子と接触するモジュール端子である。接触端子14は、例えば、セキュアICチップを含んだ態様で、セキュアICチップを介して、基板12に実装される。セキュアICチップは、必ずしも接触端子14と基板12上の同一場所に積装されるとは限らず、基板12上の別の場所に実装されて、接触端子14と所定の配線関係となるように電気的に接続される。
【0013】
指紋センサ15は、基板12に実装された構造体であり、基板12に実装される電子部品13や接触端子14に比べて、カード基材11の主面方向で大きい形状を有する。指紋センサ15は、例えば矩形のシート状に構成される。指紋センサ15は、カード基材11と異なる曲げ強度を有する。即ち、指紋センサ15は、カード基材11に設けられることで、カード基材11の主面方向におけるICカード1の曲げ強度を部分的に異ならせる。例えば、指紋センサ15は、カード基材11の長手方向の一端側であって、且つ、カード基材11の短手方向の一端側に配置される。
【0014】
応力集中部16は、基板12の指紋センサ15が実装された面とは反対側の面に指紋センサ15と対向して設けられ、カード基材11の主面方向で指紋センサ15よりも大きい形状に構成された薄板状の補強板21を含む。補強板21は、カード基材11及び指紋センサ15よりも曲げ強度が高く構成される。例えば、補強板21は、ステンレス等の金属材料により形成される。補強板21は、カード基材11内に設けられる。補強板21は、指紋センサ15の外周縁よりも補強板21の外周縁がカード基材11の主面方向で外方に位置するとともに、カード基材11の厚み方向で指紋センサ15と基板12を挟んで対向する。
【0015】
このような応力集中部16は、カード基材11の主面方向で指紋センサ15よりも大きい補強板21を指紋センサ15と基板12を挟んで対向する位置に設けることで、カード基材11に曲げ応力が生じたときに、補強板21の外周縁とカード基材11との境界に当該応力を集中させる。
【0016】
このように構成されたICカード1は、指紋センサ15よりもカード基材11の主面方向で大きい形状を有する補強板21が指紋センサ15と対向して設けられる。この構成により、ICカード1は、カード基材11に曲げ応力が印加されたときに、指紋センサ15の外周縁よりもカード基材11の主面方向で外方に配置される補強板21及びカード基材11の領域が当該曲げ応力が集中する応力集中部16を構成する。結果、曲げ応力が指紋センサ15の外周縁に集中することを防止でき、指紋センサ15、並びに、指紋センサ15の外周縁におけるカード基材11及び基板12の破損を抑制でき、ICカード1の破損を防止できる。
【0017】
上述したように第1の実施形態に係るICカード1によれば、曲げ応力がICカード1に生じたときに、実装品である指紋センサ15の外周縁に局所的に応力が集中することを緩和できる。このため、ICカード1は、外力が印加されたときに生じる応力によって破損することを防止できる。
【0018】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るICカード1Aについて、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、第2の実施形態に係るICカード1Aの構成を示す平面図である。
図4は、ICカード1Aの断面形状を
図3中のIV-IV線断面で示す断面図である。
図3及び
図4において、説明の便宜上、各構成の形状を簡略し、又は、寸法を拡大若しくは縮小して示す。なお、第2の実施形態に係るICカード1Aの構成のうち、第1の実施形態に係るICカード1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0019】
ICカード1Aは、カード基材11と、基板12と、電子部品13と、接触端子14と、指紋センサ15と、を備えている。また、ICカード1Aは、カード基材11が曲がる等によってカード基材11に曲げ応力が印加されたときに、曲げ応力が集中する応力集中部16Aをカード基材11に有する。
【0020】
応力集中部16Aは、指紋センサ15の外周縁とカード基材11の主面方向で隣接して設けられ、カード基材11の曲げ強度よりも低い曲げ強度を有する部材31を含む。部材31は、例えば、カード基材11の内部であって、且つ、指紋センサ15のカード基材11の中央側に位置する外周縁の隣り合う二辺にそれぞれ隣接して2つ設けられ、当該指紋センサ15の外周縁の二辺にそれぞれ沿って延びる形状を有する。即ち、応力集中部16Aは、カード基材11の主面方向でICカード1Aの部材31が設けられた領域の曲げ強度を他の部位の曲げ強度に対して低下させることから、ICカード1Aに曲げ応力が生じたときに、応力集中部16Aに曲げ応力が集中する。
【0021】
また、
図3に示すように、基板12のプリント配線12aは、部材31が設けられる領域を避けて配置される。
【0022】
このように構成されたICカード1Aは、指紋センサ15に隣接するカード基材11内にカード基材11の曲げ強度よりも小さい曲げ強度を有する部材31が設けられる。このため、ICカード1Aは、カード基材11の指紋センサ15に隣接する部材31が設けられた部位がICカード1Aの中で小さい曲げ強度を有する領域となる。このため、ICカード1Aに曲げ応力が生じたときに、指紋センサ15の外周縁よりも外方の部材31が設けられた部位が、曲げ応力が集中する応力集中部16Aを構成する。結果、曲げ応力が指紋センサ15の外周縁に集中することを防止でき、指紋センサ15、並びに、指紋センサ15の外周縁におけるカード基材11及び基板12の破損を抑制でき、ICカード1Aの破損を防止できる。
【0023】
また、ICカード1Aは、基板12に設けられるプリント配線12aを、部材31を避けて設けることで、カード基材11の部材31が設けられた部位に曲げ応力が集中しても、プリント配線12aに曲げ応力が集中することを防止できる。このため、プリント配線12aの断線も防止できる。
【0024】
上述したように第1の実施形態に係るICカード1Aによれば、上述したICカード1と同様に、曲げ応力がカード基材11に印加されたときに、実装品である指紋センサ15の外周縁に局所的に応力が集中することを緩和できる。このため、ICカード1Aは、外力が印加されたときに生じる応力によって破損することを防止できる。
【0025】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るICカード1Bについて、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、第3の実施形態に係るICカード1Bの構成を示す平面図である。
図6は、ICカード1Bの断面形状を
図5中のVI-VI線断面で示す断面図である。
図5及び
図6において、説明の便宜上、各構成の形状を簡略し、又は、寸法を拡大若しくは縮小して示す。なお、第3の実施形態に係るICカード1Bの構成のうち、第1の実施形態に係るICカード1と同等の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0026】
ICカード1Bは、カード基材11と、カード基材11内に設けられた基板12Bと、基板12Bに実装された電子部品13と、基板12Bに実装された接触端子14と、基板12Bに実装された指紋センサ15と、を備えている。また、ICカード1Bは、カード基材11が曲がる等によってカード基材11に曲げ応力が印加されたときに、曲げ応力が集中する応力集中部16Bをカード基材11に有する。
【0027】
基板12Bは、フィルム状の基板である。基板12Bは、実装された電子部品13、接触端子14及び指紋センサ15を電気的に接続するプリント配線12aを含む。基板12Bは、外周縁よりも内部に、実装品である電子部品13及び接触端子14を実装する。
【0028】
また、
図5に示すように、基板12Bは、指紋センサ15が実装される領域の外周縁の一部が、実装された指紋センサ15の外周縁の一辺に沿った形状であって、且つ、面一に形成される。より具体的には、基板12Bは、指紋センサ15が実装される領域の外周縁の一部が、カード基材11の短手方向の中央側に位置する指紋センサ15の一辺に沿った形状であって、且つ、カード基材11の厚み方向で指紋センサ15の外周縁の一辺と同位置、即ち面一となる。換言すると、基板12Bの指紋センサ15が実装される領域の外周縁の一部は、カード基材11の厚み方向で指紋センサ15の外周縁の一辺と同位置となるように、指紋センサ15の外周縁の一辺に沿って構成される。
【0029】
応力集中部16Bは、基板12Bの指紋センサ15が実装される領域の外周縁の一部が、指紋センサ15の外周縁の一辺に沿って構成されることから、この指紋センサ15の外周縁の一辺となる。基板12Bは、指紋センサ15の外周縁の一辺よりもカード基材11の主面方向で外方に位置しないことから、結果として、指紋センサ15の外周縁の一辺よりもカード基材11の主面方向で外方にプリント配線12aが配置されない。これにより、ICカード1Bは、基板12Bと面一となる指紋センサ15の外周縁の一辺に曲げ応力が集中しても、プリント配線12aが断線することを防止できる。
【0030】
このように構成されたICカード1Bは、基板12Bの一部を指紋センサ15の外周縁の一辺に沿った形状とすることで、応力集中部16Bを指紋センサ15の外周縁の一辺とした場合であっても、基板12Bのプリント配線12aが設けられた領域に曲げ応力が集中することがない。よって、ICカード1Bは、プリント配線12aが破断することを防止できる。結果、曲げ応力が指紋センサ15の外周縁の一辺に集中しても、基板12の破損を抑制でき、ICカード1Bの破損を防止できる。
【0031】
上述したように第3の実施形態に係るICカード1Bによれば、曲げ応力がカード基材11に印加されたときに、基板12のプリント配線12aが設けられた領域に局所的に応力が集中することを緩和できる。このため、ICカード1Bは、外力が印加されたときに生じる応力によって破損することを防止できる。
【0032】
以上述べた少なくともひとつの実施形態のICカードによれば、外力が印加されたときに生じる応力によって、基板又は実装品に局所的に応力が集中することを緩和でき、ICカードの破損を防止できる。
【0033】
なお、上述した実施形態においては、局所的に応力が集中することを緩和する構造体である実装品として、指紋センサ15を説明したがこれに限定されず、電子部品13や接触端子14にも応力集中部16を設ける構成であってもよい。また、ICカード1、1A、1Bは、局所的に応力が集中することを緩和する構造体として、指紋センサ15を備える構成を説明したがこれに限定されず、構造体は、指紋センサ15以外として、タッチパネル、ディスプレイ、釦等であってもよい。即ち、ICカード1に実装される部材であって、カード基材11に実装されることで、カード基材11の曲げ強度を部分的に変える実装品であり、外力により生じる応力が集中する虞がある構造体であれば、適宜設定可能である。
【0034】
また、上述した実施形態においては、カード基材11に生じる応力は、カード基材11が曲がるように外力が印加されたときに生じる曲げ応力を用いて説明したがこれに限定されない。即ち、カード基材11に応力が生じる例としては、ICカードを通常時に使用又は保管するときにカード基材11に印加される外力により生じる応力が挙げられる。また、ICカードに構造体として指紋センサ15、タッチパネル又は釦等を設ける場合には、これら構造体を操作又は使用するときに生じる外力により生じる応力が挙げられる。
【0035】
また、上述した各実施形態は、組み合わせて使用することもできる。例えば、ICカードは、部材31をカード基材11の指紋センサ15に隣接する部位に設けるとともに、指紋センサ15が実装される基板12Bの外周縁の一部を指紋センサ15の外周縁の一辺に沿った構成としてもよい。また、例えば、ICカードは、補強板21を設けるとともに、部材31をカード基材11の指紋センサ15及び補強板21に隣接する部位に設ける構成としてもよい。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1]
カード基材と、
前記カード基材内に配置され、配線を含む、フィルム状の基板と、
前記基板に実装されるとともに、前記配線に接続され、前記カード基材内に設けられる構造体と、
前記カード基材内であって、且つ、前記カード基材の主面方向において前記構造体の外周縁又は前記構造体の外周縁の外方に設けられ、外力が印加されたときに生じる応力が集中する応力集中部と、
を備えるICカード。
[2]
前記構造体は、指紋センサであり、表面が前記カード基材から露出する、[1]に記載のICカード。
[3]
前記カード基材の主面方向で前記構造体よりも大きく構成され、前記基板の前記構造体が実装された実装面とは反対側の面に設けられた、前記カード基材よりも高い曲げ強度を有する補強板を備え、
前記応力集中部は、前記補強板の外周縁と前記カード基材との境界により構成される、[1]又は[2]に記載のICカード。
[4]
前記応力集中部は、前記カード基材の主面方向で前記構造体の外周縁よりも外方に、前記構造体の外周縁に沿って前記カード基材の内部に配置された、前記カード基材よりも曲げ強度が低い部材により構成される、[1]又は[2]に記載のICカード。
[5]
前記構造体は、前記カード基材と異なる曲げ強度に構成され、
前記基板は、前記構造体が実装される領域の外周縁の一部が前記構造体の外周縁の一部と、前記カード基材の主面方向で一致し、
前記応力集中部は、前記基板の前記構造体が実装される領域の前記外周縁の一部と前記カード基材の境界により構成される、[1]又は[2]に記載のICカード。
【符号の説明】
【0037】
1、1A、1B…カード、11…カード基材、11a…第1シート、11b…第2シート、12…基板、12a…プリント配線、12B…基板、13…電子部品、14…接触端子、15…指紋センサ、16、16A、16B…応力集中部、21…補強板、31…部材。