(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】初期設定方法及び初期設定装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/244 20060101AFI20220112BHJP
G01D 5/04 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G01D5/244 A
G01D5/04 C
(21)【出願番号】P 2018117394
(22)【出願日】2018-06-20
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】垣見 宗良
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-232617(JP,A)
【文献】特開2005-077304(JP,A)
【文献】特開2012-141217(JP,A)
【文献】特開2010-256058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0030381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00-7/34
G01D 5/00-5/252
5/39-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の初期設定方法であって、
前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転基準とセンサ出力の基準とが合うように前記センサ出力のゼロ点を調整するゼロ点調整を、前記第1センサ及び前記第2センサの各々において行うゼロ点調整ステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、当該回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定する測定ステップと、
前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の少なくとも一方の前記ゼロ点を、前記ずれ量のオフセットによって当該ずれ量が規定の範囲内に収まるように補正する補正ステップとを備えている初期設定方法。
【請求項2】
前記回転角検出装置は、前記回転体の回転を検出する場合に、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転情報を演算するとともに、当該回転情報と、前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも一方のセンサ出力とを基に、前記回転体の回転角を演算する
請求項1に記載の初期設定方法。
【請求項3】
前記ゼロ点調整ステップでは、前記第1従動歯車の回転基準と前記第1センサのセンサ出力の基準とのずれを第1ゼロ点補正値として設定し、当該第1ゼロ点補正値を基に前記第1センサのセンサ出力のゼロ点を調整し、前記第2従動歯車の回転基準と前記第2センサのセンサ出力の基準とのずれを第2ゼロ点補正値として設定し、当該第2ゼロ点補正値を基に前記第2センサのセンサ出力のゼロ点を調整し、
前記補正ステップでは、前記第1センサのセンサ出力と前記第1センサの前記回転情報とを基に前記回転体の回転角が演算される場合に、前記ずれ量を前記規定の範囲内に収めるためのオフセット量を演算し、当該オフセット量を基に前記第2ゼロ点補正値を補正して新たなゼロ点補正値を算出する
請求項1又は2に記載の初期設定方法。
【請求項4】
前記回転情報は、端数が四捨五入された数値であり、
前記補正ステップでは、前記ずれ量の最大値及び最小値の平均値から求まる中心ずれ量を算出し、当該中心ずれ量がゼロ又はその近傍となるように前記ずれ量をオフセットさせる
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の初期設定方法。
【請求項5】
回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の初期設定装置であって、
前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の回転基準とセンサ出力の基準とが合うように前記センサ出力のゼロ点を調整するゼロ点調整を、前記第1センサ及び前記第2センサの各々において行うゼロ点調整部と、
前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも一方のセンサ出力の前記ゼロ点を補正する補正部とを備え、
前記補正部は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、当該回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の少なくとも一方の前記ゼロ点を、前記ずれ量のオフセットによって当該ずれ量が規定の範囲内に収まるように補正する初期設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体の回転角検出の初期設定を行う初期設定方法及び初期設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転角検出装置としては、被検出物の回転角を絶対値で算出する絶対角測定方式が知られている。絶対角測定方式の回転角検出装置としては、例えば、特許文献1に記載の構成が知られている。この回転角検出装置は、被検出物である回転体と一体回転する主動歯車に連動して回転する2つの従動歯車を備えている。これら従動歯車は、それぞれ歯数が異なるため、主動歯車の回転に伴う2つの従動歯車の回転角は、それぞれ異なる。このように形成された2つの従動歯車にそれぞれ検出部(センサ等)を設け、これら検出部の出力から、これら従動歯車の回転角を検出する。そして、検出した回転角に基づいて、回転体の絶対回転角を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主動歯車と2つの従動歯車とを組み合わせた構成において、これら歯車の寸法のばらつき、組付け位置のばらつき、及び、歯車間のバックラッシなどの要因によって、検出される従動歯車の回転角には誤差が含まれることがある。そのため、これら回転角から演算される回転体の絶対回転角には、この誤差に起因したずれ量が含まれる場合がある。よって、回転角の検出精度の悪化の懸念があった。
【0005】
本発明の目的は、回転角の検出精度確保を可能にした初期設定方法及び初期設定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための回転角検出装置の初期設定方法は、回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の初期設定方法であって、これら従動歯車の回転基準とセンサ出力の基準とが合うように前記センサ出力のゼロ点を調整するゼロ点調整を、前記第1センサ及び前記第2センサの各々において行うゼロ点調整ステップと、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、当該回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定する測定ステップと、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の少なくとも一方の前記ゼロ点を、前記ずれ量のオフセットによって当該ずれ量が規定の範囲内に収まるように補正する補正ステップとを備えている。
【0007】
この構成によれば、ゼロ点調整ステップにおいて求めた第1センサ及び第2センサの各センサ出力のゼロ点を、測定ステップで得た回転情報のずれ量を基に好適な値に補正する。これにより、仮に第1従動歯車及び第2従動歯車の間に寸法ばらつきや組み付けばらつきなどが生じていても、センサ出力のゼロ点が補正される。よって、回転角検出装置において、回転角の検出精度を確保することが可能となる。
【0008】
前記回転角検出装置の初期設定方法において、前記回転角検出装置は、前記回転体の回転を検出する場合に、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転情報を演算するとともに、当該回転情報と、前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも一方のセンサ出力とを基に、前記回転体の回転角を演算することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、回転情報は、ゼロ点が補正された各センサ出力から求まる好適な値となる。そして、回転角検出装置は、好適な値の回転情報から回転体の回転角を演算することが可能となる。よって、回転角検出装置において、回転角の検出精度を確保するのに一層有利となる。
【0010】
前記回転角検出装置の初期設定方法において、前記ゼロ点調整ステップでは、前記第1従動歯車の回転基準と前記第1センサのセンサ出力の基準とのずれを第1ゼロ点補正値として設定し、当該第1ゼロ点補正値を基に前記第1センサのセンサ出力のゼロ点を調整し、前記第2従動歯車の回転基準と前記第2センサのセンサ出力とのずれを第2ゼロ点補正値として設定し、当該第2ゼロ点補正値を基に前記第2センサのセンサ出力のゼロ点を調整し、前記補正ステップでは、前記第1センサのセンサ出力と前記第1センサの前記回転情報とを基に前記回転体の回転角が演算される場合に、前記ずれ量を前記規定の範囲内に収めるためのオフセット量を演算し、当該オフセット量を基に前記第2ゼロ点補正値を補正して新たなゼロ点補正値を算出することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、回転体の回転角演算に直接関係のない第2センサのセンサ出力の第2ゼロ点補正値を、第1センサのセンサ出力のずれも含めて補正する。よって、回転角検出装置において、回転角の検出精度を確保するのに一層有利となる。
【0012】
前記回転角検出装置の初期設定方法において、前記回転情報は、端数が四捨五入された数値であり、前記補正ステップでは、前記ずれ量の最大値及び最小値の平均値から求まる中心ずれ量を算出し、当該中心ずれ量がゼロ又はその近傍となるように前記ずれ量をオフセットさせることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、回転情報のずれ量は、ゼロを中心とした範囲の中に入り易くなる。これにより、ずれ量を端数として四捨五入して回転情報を求める場合、端数の繰り上げや繰り下げに影響を受け難くなるので、回転情報が誤った値をとる可能性が低くなる。
【0014】
上記課題を解決する初期設定装置は、回転体と一体回転する主動歯車に第1従動歯車及び第2従動歯車が連動するように組み付けられ、前記第1従動歯車の回転を第1センサにより検出し、前記第2従動歯車の回転を第2センサにより検出し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記回転体の回転角を演算する回転角検出装置の初期設定装置であって、これら従動歯車の回転基準とセンサ出力の基準とが合うように前記センサ出力のゼロ点を調整するゼロ点調整を、前記第1センサ及び前記第2センサの各々において行うゼロ点調整部と、前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも一方のセンサ出力の前記ゼロ点を補正する補正部とを備え、前記補正部は、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力を基に前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の少なくとも一方の回転情報を演算し、当該回転情報を演算するにあたって計算上発生するずれ量を測定し、前記第1センサ及び前記第2センサのセンサ出力の少なくとも一方の前記ゼロ点を、前記ずれ量のオフセットによって当該ずれ量が規定の範囲内に収まるように補正する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の初期設定方法及び初期設定装置は、回転角の検出精度確保を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】従動歯車の回転情報に発生する誤差を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、初期設定方法及び初期設定装置の一実施形態を
図1~6に従って説明する。
図1に示すように、回転角検出装置10は、図示しないステアリングに一体回転可能に連結されたステアリングシャフト11に組み付けられている。回転角検出装置10は、ステアリングシャフト11の周囲に配設される図示しないステアリングコラム等の構造体に固定される箱体状のハウジング12を備えている。このハウジング12内には、ステアリングシャフト11に一体回転可能に且つ同軸状に外嵌された主動歯車13が収容されるとともに、当該主動歯車13と連動して回転する第1従動歯車14及び第2従動歯車15が収容されている。本例の第1従動歯車14は、主動歯車13に噛合し、第2従動歯車15は、第1従動歯車14に噛合している。
【0018】
第1従動歯車14及び第2従動歯車15は、それぞれ歯数が異なるように形成されている。このため、ステアリングシャフト11の回転に連動して主動歯車13が回転した場合、主動歯車13の絶対回転角度θに対する第1従動歯車14の絶対回転角度α´と、第2従動歯車15の絶対回転角度β´とは、それぞれ異なった値となる。例えば、主動歯車13の歯数をz、第1従動歯車の歯数をm、第2従動歯車の歯数をL、且つm<L<zとした場合、主動歯車13が1回転したときは、第1従動歯車はz/m回転、第2従動歯車はz/L回転する。
【0019】
第1従動歯車14及び第2従動歯車15には、永久磁石である第1磁石16及び第2磁石17がそれぞれ設けられている。第1磁石16及び第2磁石17は、第1従動歯車14及び第2従動歯車15とそれぞれ同一軸上に一体回転する。回転角検出装置10は、第1磁石16の磁界を検出する第1センサとしての第1磁気センサ18と、第2磁石17の磁界を検出する第2センサとしての第2磁気センサ19とを備えている。第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19には、例えば4つの磁気抵抗素子がブリッジ状に接続されてなるいわゆるMRセンサが採用可能である。磁気抵抗素子の抵抗値は、与えられる磁界(磁束の向き)に応じて変化する。そして、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19は、与えられる磁界(磁束の向き)の変化に応じて、ブリッジ状の回路の中点電位を検出信号としてハウジング12内に設けられたマイクロコンピュータ20に出力する。
【0020】
第1磁気センサ18は、第1従動歯車14の回転に伴う第1磁石16の磁束の方向の変化に基づき、2つのアナログ信号、すなわち第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1を出力する。第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1は、第1従動歯車14が第1磁気センサの検出範囲Ωだけ回転したときに、すなわち、主動歯車13が(m/z)Ωだけ回転したときに1周期となる。これらアナログ信号は、第1従動歯車14の回転角度αに応じて連続的に変化し、これが周期ごとに繰り返される波形をとる。第1余弦波信号Vc1の位相は、第1正弦波信号Vs1に対して1/4周期ずれている。
【0021】
第2磁気センサ19は、第2従動歯車15の回転に伴う第2磁石17の磁束の方向の変化に基づき、2つのアナログ信号、すなわち第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2を出力する。第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2は、第2従動歯車15が第2磁気センサの検出範囲Ωだけ回転したときに、すなわち、主動歯車13が(L/z)Ωだけ回転したときに1周期となる。これらアナログ信号は、第2従動歯車15の回転角度βに応じて連続的に変化し、これが周期ごとに繰り返される波形をとる。第2余弦波信号Vc2の位相は、第2正弦波信号Vs2に対して1/4周期ずれている。
【0022】
回転角検出装置10は、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19からの出力を基に主動歯車13(ステアリングシャフト11)の絶対回転角度θを演算する角度演算部21を備えたマイクロコンピュータ20を備えている。マイクロコンピュータ20には、ステアリングシャフト11の360°を超える回転角度を含む角度である絶対回転角度θを演算するためのプログラムが格納されている。角度演算部21は、当該プログラムにより絶対回転角度θを演算する。
【0023】
角度演算部21は、ステアリングシャフト11の絶対回転角度θを求めるに際して、まず第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19からの出力をA/D変換器(図示略)を通じて取得する。そして、角度演算部21は、このA/D変換後の出力に基づき第1磁気センサ18の検出範囲Ωにおける第1従動歯車14の回転角度αと、第2磁気センサ19の検出範囲Ωにおける第2従動歯車15の回転角度βとを求める。
【0024】
すなわち、回転角度αは、第1正弦波信号Vs1及び第1余弦波信号Vc1に基づく逆正接「α=tan-1(Vs1/Vc1)」として、角度演算部21により算出される。また、回転角度βは、第2正弦波信号Vs2及び第2余弦波信号Vc2に基づく逆正接「β=tan-1(Vs2/Vc2)」として、角度演算部21により算出される。
【0025】
<絶対回転角度θの算出>
角度演算部21による主動歯車13の絶対回転角度θの演算処理について説明する。
主動歯車13の絶対回転角度θと、第1従動歯車14の絶対回転角度α´には、それらの歯数z、mにより、次式(1)で示される関係が成立する。
【0026】
θ=mα´/z・・・(1)
第1従動歯車14の絶対回転角度α´は、次式(2)のように表せる。
α´=α+iΩ・・・(2)
ここで、αは、前述の第1磁気センサ18の検出範囲Ωにおける第1従動歯車14の回転角度である。iは、第1磁気センサ18の回転情報としての周期数(回転数)を示す。周期数iは、第1磁気センサ18の検出範囲Ωを何回繰り返しているのかを示す値であり、整数値(0周期、1周期、2周期・・・)である。
【0027】
式(1)に式(2)を代入すると、次式(3)が得られる。
θ=m(α+iΩ)/z・・・(3)
角度演算部21は、この式(3)に基づいて、主動歯車13の絶対回転角度θを求める。すなわち、第1従動歯車14の回転角度αと周期数iとが分かれば、主動歯車13の絶対回転角度θを算出可能である。このように、絶対回転角度θは、周期数i(回転数)と回転角度α(又はβでも可)とを基に算出される。
【0028】
<周期数iの算出>
角度演算部21により周期数iを求める考え方を説明する。前述した歯数の違いにより、主動歯車13がθだけ回転したときの、第1従動歯車14の絶対回転角度α´及び第2従動歯車15の絶対回転角度β´は異なる。絶対回転角度α´と絶対回転角度β´の差には、以下のような関係が成立する。
【0029】
α´-β´=θ{z(L-m)/mL}
これより、主動歯車13の絶対回転角度θは、次式(4)のように表せる。
θ=Δab・mL/z(L-m)・・・(4)
ここで、Δabは「α´-β´」を示している。Δabは回転角度α及び回転角度βによって、次のように算出できる。
【0030】
・Δab=α-β (α-β≧0)
・Δab=α-β+Ω (α-β<0)
式(3)及び式(4)から、周期数iは次式(5)により求められる。
【0031】
i=(θab-θa)/(mΩ/z)・・・(5)
ただし、θab及びθaは、次のようにして算出される値である。
・θab=Δab・mL/z(L-m)
{Δab=α-β (α-β≧0)、Δab=α-β+Ω (α-β<0)}
・θa=mα/z
角度演算部21は、式(5)に基づいて、回転角度α及び回転角度βから第1従動歯車14の周期数iを求める。このように、周期数i(回転数)は、差Δabと回転角度α(又はβでも可)とを基に算出される。
【0032】
<ゼロ点補正>
マイクロコンピュータ20は、回転角検出装置10の初期設定を行う初期設定装置22を備える。初期設定装置22は、第1従動歯車14及び第2従動歯車15の回転基準と、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19のセンサ出力(アナログ信号)の基準とが合うように、磁気センサの出力のゼロ点を調整するゼロ点調整部23を備える。ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14の回転基準(例えば、0°)と第1磁気センサ18の出力の基準とのずれを基に、第1ゼロ点補正値としての第1補正値Aを演算する。すなわち、ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14が回転基準に位置するときの第1磁気センサ18の出力を求め、このときの出力のずれを第1補正値Aとして設定する。第1補正値Aは、例えばマイクロコンピュータ20のメモリ(図示略)に保持される。角度演算部21は、この第1補正値Aを基に補正された第1磁気センサ18の出力から回転角度αを求める。
【0033】
また、ゼロ点調整部23は、第2従動歯車15の回転基準(例えば、0°)と第2磁気センサ19の出力の基準とのずれを基に、第2ゼロ点補正値としての第2補正値Bを演算する。すなわち、ゼロ点調整部23は、第2従動歯車15が回転基準に位置するときの第2磁気センサ19の出力を求め、このときの出力のずれを第2補正値Bとして設定する。第2補正値Bは、例えばマイクロコンピュータ20のメモリ(図示略)に保持される。角度演算部21は、この第2補正値Bを基に補正された第2磁気センサ19の出力から回転角度βを求める。
【0034】
図2に、ゼロ点補正によって算出される回転角度α,βの変化波形を図示する。同図に示すように、ゼロ点補正後は、回転角度αの回転基準と回転角度βの回転基準とが一致する。そして、主動歯車13が回転して第1従動歯車14及び第2従動歯車15が回転すると、回転基準を起点に第1従動歯車14及び第2従動歯車15が各々設定された周期に沿って回転する。
【0035】
回転角度α及び回転角度βは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して、第1従動歯車14及び第2従動歯車15の歯数の違いに応じて、異なる値となる。回転角度α及び回転角度βは、それぞれの歯数に応じて、所定の周期で立ち上がりと立ち下がりとを繰り返す。すなわち、回転角度α及び回転角度βは、第1従動歯車14及び第2従動歯車15が磁気センサの検出範囲Ωだけ回転する毎に、換言すれば主動歯車13がmΩ/z、あるいはLΩ/zだけ回転する毎に、それぞれ立ち上がりと立ち下がりを繰り返す。
【0036】
このため、回転角度α及び回転角度βの差Δabは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して、ゼロ点調整部23によってゼロ点を調整した位置を基準(本例では0)として直線的に変化する。本例の回転角検出装置10は、主動歯車13(ステアリングシャフト11)の絶対回転角度θを基準の位置から右回り(又は左回り)に回る複数周の回転を検出する。
【0037】
なお、回転角度α及び回転角度βの差Δabは、絶対回転角度θが所定値に達したときに無くなる。これは、第1従動歯車14の歯数m及び第2従動歯車15の歯数Lの違いに応じて直線的に変化するΔabが第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の検出範囲Ωに達することで起きる。よって、回転角検出装置10の絶対回転角度θの演算範囲は、絶対回転角度θにおいてゼロ点の基準位置から再び回転角度α及び回転角度βの差Δabがゼロとなる所定値までの範囲となる。
【0038】
<誤差とずれ量>
図3に破線で示すように、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の出力には、誤差が含まれることがある。これは、例えば歯車の寸法のばらつき、組付け位置のばらつき、及び、歯車間のバックラッシなどに起因する。これにより、回転角度α及び回転角度βは、主動歯車13の絶対回転角度θに対して直線的に変化する理論的な値(
図3の実線)と比べて、プラス側及びマイナス側にずれる誤差を含んだ値となる。この誤差の大きさや正負の方向は、主動歯車13の絶対回転角度θの変化に伴い不規則に変化している。
【0039】
回転角度α及び回転角度βに含まれる誤差により、周期数iを演算するにあたって、周期数iにはずれ量が含まれる。本例では、このずれ量をmod_iと記載する。ずれ量mod_iは、周期数iを整数の回転数として算出する場合、計算上発生する端数(小数点以下)に相当する。ずれ量mod_iは式(5)により演算した周期数iの真値(実際の第1磁気センサ18の周期数)からのずれで示される。
【0040】
図4に示すように、ずれ量mod_iは、絶対回転角度θの変化に伴って変動する。これは、ずれ量mod_iが主動歯車13の絶対回転角度θの変化に伴いプラス側及びマイナス側に不規則に変化する回転角度α及び回転角度βの誤差に起因して生じるためである。
【0041】
ここで、「α-β≧0」の関係が成り立つ場合を一例として、ずれ量mod_iについて説明する。「α-β≧0」のとき、式(5)は、次式(6)のように展開される。
i=(mα-Lβ)/{(L-m)Ω}・・・(6)
式(6)の関係により、例えば回転角度αがプラス側に誤差を含み、且つ回転角度βがマイナス側に誤差を含む場合、換言すれば「α-β」が大きくなるように誤差を含む場合、ずれ量mod_iは、プラス側に生じる。一方、例えば回転角度βがマイナス側に誤差を含み、且つ回転角度βがプラス側に誤差を含む場合、換言すれば「α-β」が小さくなるように誤差を含む場合、ずれ量mod_iは、マイナス側に生じる。ずれ量mod_iは、回転角度α及び回転角度βの誤差の組み合わせによって、絶対回転角度θにおいて真値からのずれ幅の大きいところがあったりずれ幅の小さいところがあったりする。ずれ量mod_iは、次式(7)のように表せる。
【0042】
mod_i=(mΔα-LΔβ)/{(L-m)Ω}・・・(7)
ただし、Δα及びΔβは、それぞれ回転角度α及び回転角度βにおける誤差である。式(7)は、「α-β<0」のときにも成り立つ。
【0043】
主動歯車13の絶対回転角度θを演算するにあたって周期数iがずれ量mod_iを含む場合、絶対回転角度θは、ずれ量mod_iに影響を受けたものになることが懸念される。そのため、角度演算部21は、絶対回転角度θを演算するにあたって、周期数iの端数を丸めて演算する。本例では、角度演算部21は、周期数iの小数点以下の端数を、四捨五入によって丸める。
【0044】
しかし、周期数iを丸める場合、周期数iの丸め値が真値と異なった値になることがある。例えば、周期数iの小数点以下の端数を四捨五入する場合、ずれ量mod_iが0.5以上又は-0.5以下である場合、周期数iは真値とは異なる値となってしまう。例えば、ずれ量mod_iが0.5以上1.0未満である場合、周期数iは、四捨五入で繰り上げられ、真値より1だけ大きい値になる。また、ずれ量mod_iが-1.0を超え-0.5以下である場合、周期数iは四捨五入で繰り下げられ、真値より1だけ小さい値になる。そのため、ずれ量mod_iは、丸めによって誤った値とならない範囲で規定される規定の範囲内に収めることが求められる。本例では、ずれ量mod_iの規定の範囲は、-0.5を超え0.5未満の範囲である。
【0045】
<ゼロ点補正値の補正>
図1に戻り、本例の初期設定装置22は、ずれ量mod_iの測定を行うとともに、測定したずれ量mod_iに基づいてずれ量mod_iを規定の範囲に収めるために第2補正値Bを補正する補正部24を備える。
【0046】
続いて、第2補正値Bの補正の方法を説明する。ここで、ゼロ点調整部23によって第1補正値A及び第2補正値Bが設定されたとき、主動歯車13の絶対回転角度θと、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の出力(回転角度α及び回転角度β)との理想的な関係が決まる。このため、マイクロコンピュータ20は、この理想的な関係に基づき、絶対回転角度θに対する周期数iの真値を予め記憶しているものとする。
【0047】
補正部24は、実際に主動歯車13を回転させたときに演算される絶対回転角度θに対する周期数iとその真値とを比較することにより、ずれ量mod_iを測定する。この測定は、マイクロコンピュータ20が自動で行ってもよいし、測定者の所定操作をトリガにして行われてもよい。さらに、補正部24は、測定したずれ量mod_iの最大値と最小値との平均値から中心ずれ量C1を求める。ただし、誤差Δα及び誤差Δβのそれぞれの中心ずれ量C1に対する寄与度はわからない。そのため、本例では、誤差Δαはゼロであるとして、補正部24は、絶対回転角度θの算出に直接関係しない誤差Δβを補正、すなわち第2補正値Bを補正する。中心ずれ量C1は、次式(8)のように表せる。
【0048】
C1=(Δimax+Δimin)/2・・・(8)
ただし、Δimaxは、ずれ量mod_iの最大値であり、Δiminは、ずれ量mod_iの最小値である。
【0049】
補正部24は、この中心ずれ量C1がゼロとなるように第2補正値Bを補正する。すなわち、回転角度βの誤差Δβを、回転角度αの誤差Δαの分まで含めて補正する。式(7)に「Δα=0」を代入して、次式(9)を得る。
【0050】
mod_i=-LΔβ/{(L-m)Ω}・・・(9)
中心ずれ量C1をゼロにするためには、ずれ量mod_iを-C1だけオフセットさせればよい。式(9)より、ずれ量mod_iを-C1だけオフセットさせるための第2補正値Bのオフセット量Cは、次式(10)のように表せる。
【0051】
C=C1(L-m)Ω/L・・・(10)
そして、補正部24は、オフセット量Cを第2補正値Bに加算し、新たな第2補正値B´として設定する。
【0052】
<初期設定方法>
次に、回転角検出装置10の初期設定方法について、
図5及び
図6を用いて説明する。なお、本例の初期設定方法は、回転角検出装置10の組み立ての初期段階で実施される。
【0053】
図5に示すように、ステップS101では、初期設定装置22は、ゼロ点調整部23によるゼロ点の調整を実行する。ステップS101がゼロ点調整ステップに該当する。本例の場合、ゼロ点調整部23は、第1従動歯車14及び第2従動歯車15の任意の回転位置を回転基準として、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19のセンサ出力の基準と合うように、第1補正値A及び第2補正値Bを設定する。
【0054】
ステップS102では、初期設定装置22は、主動歯車13を実際に回転させたときのずれ量mod_iの測定を補正部24により実行する。ステップS102が測定ステップに該当する。ずれ量mod_iは、回転角検出装置10における主動歯車13の回転検出範囲の全域において測定される。
【0055】
ステップS103では、初期設定装置22は、補正部24により第2補正値Bの補正を行う。ステップS103が補正ステップに該当する。補正部24は、ステップS102において測定したずれ量mod_iに基づき、計算される中心ずれ量C1がゼロとなるオフセット量Cを求める。そして、補正部24は、オフセット量Cを第2補正値Bに加算して、新たな第2補正値B´を設定する。すなわち、補正部24は、第2補正値B´の補正により、第2磁気センサ19の出力を補正することで、ずれ量mod_iをオフセットさせる。
【0056】
図6に示すように、同図の2点鎖線で示した第2補正値B´で補正した回転角度βは、1点鎖線で示した第2補正値Bにより補正された回転角度βから、オフセット量Cの分だけ補正された値になる。これにより、ずれ量mod_iは、-C1だけオフセットされる。すなわち、測定ステップにおいて検出された中心ずれ量C1は、ゼロとなる。
【0057】
仮に、中心ずれ量C1がプラス側に振れている場合、ずれ量mod_iの最大値Δimaxが0.5以上になる可能性が高くなる。また、中心ずれ量C1がマイナス側に振れている場合、ずれ量mod_iの最小値Δiminが-0.5以下になる可能性が高くなる。本例の初期設定方法では、中心ずれ量C1がゼロとなるようにオフセットさせることで、ずれ量mod_iは、ゼロを中心とした範囲に入れ易くなる。そのため、ずれ量mod_iは、-0.5を超え0.5未満の規定の範囲に収めやすくなる。よって、周期数iは、四捨五入によって値が概算されて演算される場合であっても、誤った値になり難い。
【0058】
ステアリングシャフト11の絶対回転角度θは、第1従動歯車14の回転角度αと、第1従動歯車14の周期数iから求められる値である(式(3)参照)。ステップS103において、ずれ量mod_iをオフセットするにあたって、回転角度βを補正する第2補正値Bのみを補正した。すなわち、絶対回転角度θの演算に直接影響する回転角度αを補正しないので、ずれ量mod_iをオフセットするための補正によって絶対回転角度θの検出精度を低下してしまうという事態の発生を抑制できる。むしろ、ずれ量mod_iをオフセットすることにより周期数iが誤った値になり難いので、それだけ、絶対回転角度θの検出精度を確保できる。
【0059】
本例では、ゼロ点調整ステップ、測定ステップ、及び補正ステップを備えた初期設定方法により、周期数iを演算するにあたって計算上発生するずれ量mod_iが規定の範囲内に収まるように第2磁気センサ19の出力を補正した。この構成によれば、ゼロ点調整ステップで設定した第2補正値Bが、測定ステップで得たずれ量mod_iを基に好適な値に補正される。そのため、仮に第1従動歯車14及び第2従動歯車15の間に寸法ばらつきや組付けばらつきが生じていても、センサ出力のゼロ点が補正される。よって、回転角検出装置において、回転角の検出精度を確保することが可能となる。
【0060】
本例では、回転検出装置は、ステアリングシャフト11の回転を検出する場合に、回転角度α及び回転角度βを基に、周期数iを計算するとともに、周期数iと、回転角度αとに基づいてステアリングシャフト11の絶対回転角度θを演算する構成とした。この構成によれば、周期数iは、ゼロ点が補正された回転角度βから求まる好適な値となる。そして、回転角検出装置10は、好適な周期数iから絶対回転角度θを演算することが可能となる。よって、回転角の検出精度を確保するのに一層有利となる。
【0061】
本例では、補正ステップにおいて、第2補正値Bを補正する構成とした。この構成によれば、ステアリングシャフト11の回転角演算に直接関係のない第2磁気センサ19のセンサ出力の第2補正値Bを、第1磁気センサ18のセンサ出力のずれも含めて補正する。よって、回転角検出装置10において、回転角の検出精度を確保するのに一層有利となる。
【0062】
本例では、周期数iは、四捨五入によって端数が丸められた数値である。補正ステップでは、ずれ量mod_iの最大値Δimax及び最小値Δiminの平均値である中心ずれ量C1がゼロとなるように第2補正値Bを補正した。この構成によれば、周期数iのずれ量mod_iは、ゼロを中心とした範囲の中に入り易くなる。これにより、ずれ量mod_iを端数として四捨五入して周期数iを求める場合、端数の繰り上げや繰り下げに影響を受け難くなるので、周期数iが誤った値をとる可能性が低くなる。
【0063】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、周期数iの端数の丸め方法及びずれ量mod_iの規定の範囲変更できる。例えば、切り上げや切り捨てにより端数を丸めてもよい。ただし、小数点以下の端数を切り上げる場合、ずれ量mod_iの規定の範囲は、-1.0を超え0以下の範囲である。また、小数点以下の端数を切り捨てる場合、ずれ量mod_iの規定の範囲は、0以上1.0未満である。すなわち、丸め方法に応じて、ずれ量mod_iの規定の範囲は適宜変更される。
【0064】
・本実施形態において、測定ステップにおいて、絶対回転角度θの検出方法は限定されない。例えば、回転角検出装置10とは別の測定器を用いて測定した絶対回転角度θを、マイクロコンピュータ20に入力するようにしてもよい。また、例えば予め決められた角速度で主動歯車13を回転させ、主動歯車13の回転を開始してからの時間に基づき、補正部24が絶対回転角度θを検出するようにしてもよい。すなわち、測定ステップにおける絶対回転角度θの検出方法は、適宜変更可能である。
【0065】
・本実施形態において、補正ステップにおいて、中心ずれ量C1をゼロとなるように補正を行ったが、これに限定されない。要するに、ずれ量mod_iが規定の範囲に入っていればよく、中心ずれ量C1をゼロの近傍の値になるように補正するのでもよい。
【0066】
・本実施形態において、ずれ量mod_iは、周期数iにおいて端数となる小数点以下の値に相当するものに限定されず、理想の周期数iに対するずれ量であれば、種々のパラメータが適用可能である。
【0067】
・本実施形態において、回転情報は、周期数iに限定されず、歯車回転に係るパラメータであればよい。
・本実施形態において、第1センサ及び第2センサは、MRセンサに限定されない。例えば、他の磁気式や光学式のセンサが適用できる。
【0068】
・本実施形態において、第1磁気センサ18及び第2磁気センサ19の検出範囲Ωは、センサの特性により適宜変更される。
・本実施形態において、ゼロ点調整及びその補正は、回転角検出装置10の組み立ての初期段階に1回のみ実施されることに限定されない。例えば、車両への組み付け後の使用中に所定のタイミングで適宜実施されてもよい。
【0069】
・本実施形態において、歯車の歯数m、L、zは適宜変更可能である。ただし、これらの歯数間において、次の関係を保つ必要がある。すなわち、「z>m、L」かつ「m≠L」という関係式が成立するように歯数を設定する。この場合、歯数の少ない方の従動歯車が本例における第1従動歯車に相当する。
【0070】
・本実施形態において、歯車の噛合の態様は特に限定されない。例えば、主動歯車13に第1従動歯車14及び第2従動歯車15がそれぞれ噛合していてもよい。
・本実施形態において、回転角検出装置10は、ステアリングの回転角を検出するステアリングアングルセンサに限定されない。回転体全般について、その回転態様を検出する回転検出装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
10…回転角検出装置、11…ステアリングシャフト、12…ハウジング、13…主動歯車、14…第1従動歯車、15…第2従動歯車、16…第1磁石、17…第2磁石、18…第1磁気センサ、19…第2磁気センサ、20…マイクロコンピュータ、21…角度演算部、22…初期設定装置、23…ゼロ点調整部、24…補正部。