(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】クッション体
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20220128BHJP
A47C 27/15 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
A47C27/14 B
A47C27/15 B
(21)【出願番号】P 2018172498
(22)【出願日】2018-09-14
【審査請求日】2020-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503285852
【氏名又は名称】やまと産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】平川 博丈
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 裕司
(72)【発明者】
【氏名】山田 善久
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/067974(WO,A1)
【文献】特開2004-166925(JP,A)
【文献】特開2001-204590(JP,A)
【文献】特開2005-102890(JP,A)
【文献】特開2009-279086(JP,A)
【文献】特開平07-100038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
A47C 27/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部、腰部、脚部を有するリクライニングベッド用のクッション体であって、
合成樹脂発泡体よりなり、
クッション体の表面の少なくとも短手方向に溝を設け形成された複数の突部と、
隣接する少なくとも一部の前記突部の間に、前記溝により形成された
凸状の支持部とを有し、
前記支持部を形成する溝は、前記支持部の頂面に向かって形成された溝と、前記支持部の頂面の位置において分岐し、前記支持部に沿って形成された溝とからなり、
前記支持部の基部から頂面までの高さが、前記突部の基部から頂面までの高さよりも低く、
前記背もたれ部と前記腰部との接続部には前記支持部を有しない、クッション体。
【請求項2】
隣接する前記突部の間において、前記支持部の
基部から頂面までの高さが、前記突部の基部から頂面までの高さの80%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
隣接する前記突部の間において、前記支持部の
基部から頂面までの高さが、前記突部の基部から頂面までの高さの10%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のクッション体。
【請求項4】
前記突部の基部から頂面までの高さが、30~50mmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のクッション体。
【請求項5】
前記支持部の
基部から頂面までの高さの半分の位置において、
隣接する前記突部の間の溝幅Waと、
前記突部間に設けられた前記支持部の幅Wbとが、
下記式(1)を満たすことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のクッション体。
0mm≦Wa-Wb≦10mm・・・(1)
【請求項6】
前記背もたれ部において、長手方向に隣接する少なくとも一部の前記突部の間に、前記支持部が設けられていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のクッション体。
【請求項7】
前記脚部において、長手方向に隣接する少なくとも一部の前記突部の間に、前記支持部が設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のクッション体。
【請求項8】
前記背もたれ部と腰部との接続部、及び/又は前記腰部と前記脚部との接続部に位置する前記突部の長手方向における幅が、10~100mmであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のクッション体。
【請求項9】
前記背もたれ部と腰部との接続部の裏面に、溝が形成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のクッション体。
【請求項10】
前記脚部の裏面に、溝が形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のクッション体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスを構成するクッション体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、体圧分散性に優れたマットレスとして、合成樹脂発泡体からなるクッション体の表面に、複数の突部を有するマットレスが知られている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、マットレスに荷重が掛かった際に、上記突部が倒れ込んでしまい、鉛直方向に沈み込むことができず、優れたクッション性及び体圧分散性が得られないことがあった。
【0004】
また、利用者の上半身を起こすことができるリクライニング機能を有するベッドが知られている(特許文献2)。
【0005】
上記のようなマットレスを、リクライニング機能を有するベッドに用いると、利用者の上半身を起こした際に、背もたれ部に設けられたマットレスの突部が重力方向に倒れ込み、クッション性が損なわれ、また、突部が倒れ込むと突部の角が利用者に接触し、使用感が悪化するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-166925号公報
【文献】特開2006-043352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明者は、上記の問題点に鑑み、突部の倒れ込みを抑制し、クッション性及び体圧分散性に優れたクッション体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るクッション体は、背もたれ部、腰部、脚部を有するリクライニングベッド用のクッション体であって、合成樹脂発泡体よりなり、クッション体の表面の少なくとも短手方向に溝を設け形成された複数の突部と、隣接する少なくとも一部の上記突部の間に、上記溝により形成された凸状の支持部とを有し、上記支持部を形成する溝は、上記支持部の頂面に向かって形成された溝と、上記支持部の頂面の位置において分岐し、上記支持部に沿って形成された溝とからなり、上記支持部の基部から頂面までの高さが、上記突部の基部から頂面までの高さよりも低く、上記背もたれ部と上記腰部との接続部、及び/又は上記腰部と上記脚部との接続部には、上記支持部を有しないするものとする。
【0009】
隣接する上記突部の間において、上記支持部の基部から頂面までの高さは、上記突部の基部から頂面までの高さの80%以下であるものとすることができる。
【0010】
隣接する上記突部の間において、上記支持部の基部から頂面までの高さは、上記突部の基部から頂面までの高さの10%以上であるものとすることができる。
【0011】
上記突部の基部から頂面までの高さは、30~50mmであるものとすることができる。
【0012】
上記支持部の基部から頂面までの高さの半分の位置において、隣接する上記突部の間の溝幅Waと、上記突部間に設けられた上記支持部の幅Wbとが、下記式(1)を満たすものとすることができる。
0mm≦Wa-Wb≦10mm・・・(1)
【0013】
上記リクライニングベッド用のクッション体は、上記背もたれ部において、長手方向に隣接する少なくとも一部の上記突部の間に、上記支持部が設けられているものとすることができる。
【0014】
上記リクライニングベッド用のクッション体は、上記脚部において、長手方向に隣接する少なくとも一部の上記突部の間に、上記支持部が設けられているものとすることができる。
【0015】
上記リクライニングベッド用のクッション体において、上記背もたれ部と上記腰部との接続部、及び/又は、上記腰部と上記脚部との接続部に位置する上記突部の長手方向における幅は、10~100mmであるものとすることができる。
【0017】
上記リクライニングベッド用のクッション体において、上記背もたれ部と上記腰部との接続部の裏面に溝が形成されていてもよく、上記脚部の裏面に溝が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るクッション体は、隣接する上記突部の少なくとも一部の間に、上記支持部を有することにより、クッション体に荷重が掛かった際に、上記突部が倒れ込むのを抑制することができるため、優れたクッション性及び体圧分散性を得ることができる。また、クッション体に荷重が掛かり、上記突部が沈み込んだ後、除荷された際に、上記突部が元の位置に戻ろうとするのを上記支持部が補助するため、クッション性及び体圧分散性が維持されやすい。さらに、上記支持部の高さが、隣接する上記突部の間において、上記突部よりも低いことにより、上記突部が除荷されて元の位置に戻る際、上記突部の角が上記支持部に引っかかりにくい。また、リクライニングベッドに用いた場合であって、背もたれ部や脚部を起こした際に、上記突部が重力方向に倒れ込むのを抑制することができるため、クッション性が損なわれず、使用感が悪化することもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るクッション体の模式斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るクッション体の模式側面図。
【
図3】本発明の一実施形態に係るクッション体の長手方向側面図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るクッション体の短手方向側面図。
【
図5】仰臥状態で寝転んだ時の理想的な姿勢を示す、利用者の模式側面図。
【
図6】本発明の一実施形態に係るクッション体の突部と支持部との関係性を示す拡大断面図。
【
図7】本発明の一実施形態に係るクッション体の変更例(a)~(d)を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の一実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るクッション体1の模式斜視図であり、
図2は模式側面図であって、
図1,2に示すように、クッション体1は、背もたれ部2、腰部3、脚部4を有するものであり、リクライニングベッド用にも使用できるものである。なお、
図1,2において、いずれも実線はフラット時のクッション体1の形態を示すものであり、二点鎖線は、クッション体1の背もたれ部2を起こし、利用者のひざ裏が接地する領域を曲げた状態で脚部4を起こした時の形態を示すものである。
【0022】
本実施形態に係るクッション体1は、合成樹脂発泡体からなり、
図3,4に示すように、クッション体1の表面の少なくとも短手方向に溝を設け形成された複数の突部5と、隣接する少なくとも一部の突部5の間に、上記溝により形成された、突部5よりも高さの低い支持部6とを有するものである。
【0023】
突部5の形状は、基部がくびれた形状をしている。基部がくびれていることにより、荷重が掛かった際に、突部5が沈み込みやすく、優れたクッション性が得られる。
【0024】
また、突部5は、利用者の体圧分散性の観点から、設ける位置に応じて、形状や高さを適宜変更することができる。突部5の高さは、例えば、30~50mmとすることができる。ここで「突部の高さ」とは、突部5の基部から頂面までの高さを示すものであり、「突部の基部」とは、クッション体1の厚さ方向において、突部5間の溝底の位置を示す。突部5間に支持部6を有する場合には、突部5間に形成された溝は、支持部6の頂面に向かって形成された溝と、支持部6の頂面の位置において分岐し、支持部6に沿って形成された溝とからなるものであり、溝底とは、支持部6に沿って形成された溝の底を意味する。また、「支持部の高さ」とは、支持部6の基部から頂面までの高さを示すものであり、「支持部の基部」とは、クッション体1の厚さ方向において、突部5間の溝底の位置を示す。
【0025】
ここで、仰臥状態で寝転んだ時の理想的な姿勢は、真っ直ぐに立った時と同じ姿勢であると言われており、具体的には、
図5に示すように、耳8、肩9、腰10、踝11がそれぞれ略同一鉛直面12上に位置するように真っ直ぐに立った姿勢とする。
【0026】
仰臥状態で寝転んだ時に、理想的な姿勢となるように、背もたれ部2において利用者の頭部が接地する領域、腰部3、及び脚部4において利用者の踵が接地する領域には突部5bが形成され、背もたれ部2において利用者の背中が接地する領域及び脚部4において利用者の太ももやふくらはぎが接地する領域には、突部5bよりも沈み込み量の大きい突部5cが形成されている。クッション性の異なる領域を、このように配置することにより、利用者の体型に合わせて、クッション体1が沈み込むことができ、理想的な姿勢となりやすい。
【0027】
上記クッション体1をリクライニングベッドに用いる場合、背もたれ部2と腰部3との接続部7a、及び腰部3と脚部4との接続部7bには、長手方向の幅の小さい突部5aが形成されていることが好ましい。突部5aの幅は、10~100mmであることが好ましく、20~80mmであることがより好ましい。長手方向の幅の小さい突部5aが形成されていることにより、接続部7a又は接続部7bを曲げたときの応力を吸収し、背もたれ部2や脚部4を起こしやすく、リクライニングベッドの変形に追従しやすい。特に、クッション部材として、ポリウレタン樹脂などの軽量な部材を使用した場合に有用である。クッション部材として軽量な部材を使用する場合、リクライニングベッドの背もたれ部2や脚部4を起こした際に、クッション部材が自身の重量によりリクライニングベッドに沿って撓むことができず、クッション体1がリクライニングベッドの変形に追従することができないという問題があったからである。
【0028】
図6に示すように、支持部6の高さ(t)は、隣接する突部5の間において、突部5の基部から頂面までの高さ(T)の80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。また、突部5の基部から頂面までの高さ(T)の10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることがさらに好ましい。支持部6の高さ(t)が上記範囲内であることにより、荷重が掛かり倒れ込もうとする突部5を支持しやすく、優れたクッション性や耐圧分散性が得られやすい。また、突部5が沈み込んだ後、除荷された際に、突部5が元の位置に戻ろうとするのを支持部6が補助するため、クッション性及び体圧分散性が維持されやすい。また、突部5が除荷されて元の位置に戻る際、突部5の角が支持部6に引っかかりにくい。また、クッション体1をリクライニングベッド用に用いた場合、長手方向に隣接する突部5の間に、上記範囲の高さを有する支持部6を有することにより、クッション体1の背もたれ部2や脚部4を起こした際に、突部5が重力方向に倒れ込むのを抑制することができる。これにより、クッション性が損なわれず、使用感が悪化することもない。
【0029】
支持部6の形状は、隣接する突部5の形状に合わせて、適宜変更することができ、特に限定されないが、
図6に示すように、支持部6の高さ(t)の半分の高さの位置(1/2t)において、隣接する突部5の間の溝幅Waと、突部5間に設けられた支持部6の幅Wbとが、下記式(1)を満たすものであることが好ましい。
[式1]
0mm≦Wa-Wb≦10mm・・・(1)
すなわち、支持部6と、隣接する突部5との間の隙間が、所定範囲内である場合、荷重が掛かり倒れ込もうとする突部5を支持部6が支持しやすく、突部5が沈み込んだ後、除荷された際に、突部5が元の位置に戻ろうとするのを支持部6が補助するため、クッション性及び体圧分散性が維持されやすい。また、突部5が除荷されて元の位置に戻る際、突部5の角が支持部6に引っかかりにくい。
【0030】
支持部6の高さ(t)の半分の高さの位置(1/2t)における、隣接する突部5の間の溝幅Waは、特に限定されないが、30~80mmであることが好ましい。
【0031】
支持部6の高さ(t)の半分の高さの位置(1/2t)における、支持部6の幅Wbは、特に限定されないが、20~60mmであることが好ましい。
【0032】
また、
図4に示すように、寝返りをしやすくし、横臥時の体圧分散性を向上させる観点から、幅方向中央から左右両側100mm以上外側に位置する領域Bにおいて、幅方向中央から左右両側100mmより内側に位置する領域Aに形成された溝よりも深い溝がそれぞれ1本以上形成されたものであってもよい。幅方向中央に仰向けに寝転んだ場合には、身体はほとんど領域Bに接地しないため、領域Bにおいてより深い溝が形成されたことで仰向け時の寝心地に影響を与えることはない。また、より深い溝が形成された領域Bは、身体の輪郭に沿って沈み込むことができるため寝返りがし易くなり、横臥時の体圧分散性にも優れる。
【0033】
上記クッション部材の材料としては、発泡樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられるが、加工性の観点からポリウレタン樹脂であることが好ましい。
【0034】
クッション部材の厚さは、特に限定されず、突部5の高さ(形成する溝の深さ)に応じて適宜選択することができるが、例えば40~200mmであることが好ましく、60~160mmであることがより好ましく、80~110mmであることがさらに好ましい。40mm以上であることにより、クッション性と耐久性に優れ、200mm以下であることにより、重くなりすぎず扱いやすい。
【0035】
また、上記クッション体1をリクライニングベッドに用いる場合、背もたれ部2と腰部3との接続部7aの裏面に、短手方向に伸びる溝13を有するのが好ましい。溝13の長手方向断面形状は、
図3に示すように、開口部よりも、溝底の溝幅が広い形状であることが好ましい。このような溝13を有することにより、クッション体1のクッション性や耐圧分散性に影響を与えることなく、背もたれ部2を起こしやすく、リクライニングベッドの変形に追従しやすい。
【0036】
また、上記クッション体1をリクライニングベッドに用いる場合、脚部4の裏面に、短手方向に伸びる溝14を有するのが好ましい。溝14の長手方向断面形状は、
図3に示すように、溝底よりも、開口部の溝幅が広い形状であることが好ましい。このような溝14を有することにより、クッション体1のクッション性や耐圧分散性に影響を与えることなく、ひざ裏が接地する領域を曲げた状態で脚部4を起こしやすく、リクライニングベッドの変形に追従しやすい。上述のように、特に、クッション部材として、ポリウレタン樹脂などの軽量の部材を用いた場合に有用である。
【0037】
クッション部材の幅方向及び長手方向の長さは、シングルサイズ、セミダブルサイズなどのサイズに合わせることができる。
【0038】
本発明のクッション体1は、従来から用いられていた1枚のクッション部材に溝を形成するだけで製造することが可能であり、体圧分散性の観点から、利用者の身体の形状に合わせてクッション性の異なる複数のクッション部材を組み合わせて製造していた従来のクッション体に比べて、生産性が高く、製造コストを安く抑えることができる。
【変更例】
【0039】
上記実施形態においては、突部5の基部がくびれた形状をしているものについて説明したが、これに限定されず、基部がくびれていないものであってもよい。
【0040】
上記支持部6の断面形状は、半円形状であってもよく、三角形や四角形などの多角形状であってよく、多角形状である場合には、各辺が湾曲していてもよく、各角が丸みを帯びたものであってもよい。
【0041】
上記実施形態においては、背もたれ部2、腰部3、脚部4のいずれの個所においても、支持部6が設けられたものについて説明したが、これに限定されず、少なくとも一部の領域において、隣接する突部5の間に、支持部6が設けられていればよい。
【0042】
上記クッション体1の幅方向左右両側端部から100~150mmの領域の硬さは、160~230Nであることが好ましく、180~200Nであることがより好ましい。上記領域の硬さが、上記範囲内であることにより、利用者がマットレスに乗り降りする際に、腰かけやすい。ここで、クッション部材の硬さとは、JIS K6400-2に準拠し測定した値とする。
【0043】
上記クッション体1は、単層からなるものであってもよく、硬さや材料の異なる部材を2種以上積層した構造からなるものであってもよい。
【0044】
クッション部材の硬さは、特に限定されないが、クッション体1が単層からなる場合、耐久性の観点から、120~240Nであることが好ましく、135~230Nであることがより好ましい。
【0045】
上記クッション部材が複数の層からなる場合、表層が合成樹脂発泡体からなればよく、下層のクッション部材は、合成樹脂発泡体に限定されず、天然繊維や合成繊維などを圧縮成型してなる、天然繊維や合成繊維の集合体からなるクッション部材であってもよい。
【0046】
また、上記クッション部材が複数の層からなるものをリクライニングベッドに用いる場合、表層を構成するクッション部材の硬さは、70~140Nであることが好ましく、90~120Nであることがより好ましい。また、表層を構成するクッション部材は、伸びが150%以上であることが好ましく、250%以上であることがより好ましい。ここで、伸びとは、JIS K6400-5に準拠して測定した値とする。表層を構成するクッション部材の硬さや伸びが上記範囲内であることにより、接続部7a又は接続部7bを曲げたときの応力を吸収することができ、背もたれ部2や脚部4を起こしやすく、リクライニングベッドの変形に追従しやすい。
【0047】
また、下層を構成するいずれかのクッション部材の硬さは、100~160Nであることが好ましく、110~150Nであることがより好ましい。また、下層を構成するいずれかのクッション部材の反発弾性が35~50%であることが好ましく、40~50%であることがより好ましい。ここで「反発弾性」とは、JIS K6400-3に準拠して測定した値とする。上記範囲内の硬さ又は反発弾性を有するクッション部材を有することにより、リクライニングベッドを、背もたれ部2や脚部4を起こした状態からフラット状態に変形した際に、クッション体1もその変形に追従しフラット状態に戻りやすい。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。具体的には、
図7に示すような変更例(a)~(d)も本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1・・・・・クッション体
2・・・・・背もたれ部
3・・・・・腰部
4・・・・・脚部
5・・・・・突部
6・・・・・支持部
7a・・・・接続部
7b・・・・接続部
8・・・・・耳
9・・・・・肩
10・・・・腰
11・・・・踝
12・・・・耳、肩、腰、踝がそれぞれ略同一平面上に位置する鉛直面
13・・・・溝
14・・・・溝