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特許7000292情報処理装置、システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20220112BHJP
   G06Q 20/10 20120101ALI20220112BHJP
【FI】
G06Q20/08
G06Q20/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018190277
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060866
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2020-09-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 寿
(72)【発明者】
【氏名】炬口 英子
(72)【発明者】
【氏名】北川 信之
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-277686(JP,A)
【文献】特開2016-029592(JP,A)
【文献】特開2016-126615(JP,A)
【文献】特開2006-065715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部及び表示部を備えるコンピュータに、
各々が少なくとも一の口座に対応する複数の口座領域を前記表示部に表示させるステップと、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数の口座領域のうちの一の口座領域の選択を受け付けるステップと、
前記一の口座領域の選択が受け付けられた場合、前記複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域について、前記一の口座領域に対応する第1口座からの資金の振替が制限されている口座に対応するか否かを通知するステップ
前記操作部の操作に基づいて、前記一の口座領域から前記複数の口座領域のうちの他の口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出するステップと、
前記ジェスチャ操作が検出された場合、少なくとも幾らかの資金を前記第1口座から前記他の口座領域に対応する第2口座に振り替えることの要求信号を送信するステップと、
前記一の口座領域の選択が受け付けられた場合、前記複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域について、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座に対応するか否かを通知するステップと、を実行させるためのプログラムであって、
前記通知するステップは、前記一の口座領域の選択が受け付けられたとき、前記複数の口座領域のうちの前記一の口座領域以外の口座領域のそれぞれを、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座と、前記第1口座からの資金の振替が制限されていない口座とのいずれに対応するかが識別可能な態様で前記表示部に表示させるステップを含む、プログラム
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記ジェスチャ操作が検出された場合、前記第1口座から前記第2口座への資金の振替に係る所定の条件を設定するためのウィンドウを前記表示部に表示させるステップと、
前記操作部の操作に基づいて、前記所定の条件の設定を受け付けるステップと、を更に実行させるための、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定の条件は、振り替える資金の額、振替の実行予定日、及び振替の繰り返し条件の少なくともいずれかを含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記通知するステップは、前記ジェスチャ操作が検出されたとき、前記第1口座から前記第2口座への資金の振替が制限されているか否かを通知するステップを更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ジェスチャ操作は、前記操作部によるドラッグ&ドロップ操作又はフリック操作である、請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
複数の口座間における資金の振替を管理するためのサーバ装置と、操作部及び表示部を有するユーザ端末とを備えるシステムであって、
前記ユーザ端末は、
前記表示部に、各々が少なくとも一の口座に対応する複数の口座領域を表示させる表示処理部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数の口座領域のうちの一の口座領域の選択を受け付ける口座領域選択受付部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記一の口座領域から前記複数の口座領域のうちの他の口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出するジェスチャ操作検出部と、
前記ジェスチャ操作が検出された場合、少なくとも幾らかの資金を前記一の口座領域に対応する第1口座から前記他の口座領域に対応する第2口座に振り替えることの要求信号を前記サーバ装置に送信する振替要求信号送信部と、
前記口座領域選択受付部が前記一の口座領域の選択を受け付けた場合、前記複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域について、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座に対応するか否かを通知する通知処理部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記要求信号を受信する受信部と、
前記要求信号を受信した場合、前記要求信号に応じて前記第1口座から前記第2口座への資金の振替の処理を実行する振替処理実行部と、を備えるシステムであって、
前記通知処理部は、前記口座領域選択受付部が前記一の口座領域の選択を受け付けたとき、前記複数の口座領域のうちの前記一の口座領域以外の口座領域のそれぞれを、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座と、前記第1口座からの資金の振替が制限されていない口座とのいずれに対応するかが識別可能な態様で前記表示部に表示させる、システム
【請求項7】
操作部と、
表示部と、
前記表示部に、各々が少なくとも一の口座に対応する複数の口座領域を表示させる表示処理部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記複数の口座領域のうちの一の口座領域の選択を受け付ける口座領域選択受付部と、
前記操作部の操作に基づいて、前記一の口座領域から前記複数の口座領域のうちの他の口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出するジェスチャ操作検出部と、
前記ジェスチャ操作が検出された場合、少なくとも幾らかの資金を前記一の口座領域に対応する第1口座から前記他の口座領域に対応する第2口座に振り替えることの要求信号を送信する振替要求信号送信部と、
前記口座領域選択受付部が前記一の口座領域の選択を受け付けた場合、前記複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域について、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座に対応するか否かを通知する通知処理部と、を備える情報処理装置であって、
前記通知処理部は、前記口座領域選択受付部が前記一の口座領域の選択を受け付けたとき、前記複数の口座領域のうちの前記一の口座領域以外の口座領域のそれぞれを、前記複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域を、前記第1口座からの資金の振替が制限されている口座と、前記第1口座からの資金の振替が制限されていない口座とのいずれに対応するかが識別可能な態様で前記表示部に表示させる、情報処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、銀行やクレジットカード会社、仮想通貨取引所等の様々な機関が、各々の口座間の入出金を管理するためのサービスをインターネット経由でユーザに提供している。
【0003】
例えば、特許文献1には、送金元となる移動端末から、送金先となる移動端末及び送金額を設定した送金依頼を送信し、料金管理装置において、この送金依頼に応じて送金先に対して送金額の払込みを実行する送金管理システムが記載されている。送金元となる移動端末に表示される送金指示画面においては、送金先の電話番号や個人番号等の入力によって送金先が設定される。そして、送金に関するその他の情報が更に入力され、確認ボタンが選択されると、送金元となる移動端末から料金管理装置に対して送金内容の確認指示が送出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-97325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、送金先の情報の入力等は煩雑であり、より簡単な操作で送金指示を行うことのできるユーザインタフェースが望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、振替処理に係る操作性が大幅に向上した情報処理装置、システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、操作部と、表示部と、表示部に、各々が少なくとも一の口座に対応する複数の口座領域を表示させる表示処理部と、操作部の操作に基づいて、複数の口座領域のうちの一の口座領域の選択を受け付ける口座領域選択受付部と、操作部の操作に基づいて、一の口座領域から複数の口座領域のうちの他の口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出するジェスチャ操作検出部と、ジェスチャ操作が検出された場合、少なくとも幾らかの資金を一の口座領域に対応する第1口座から他の口座領域に対応する第2口座に振り替えることの要求信号を送信する振替要求信号送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、振替処理に係る操作性が大幅に向上した情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムによる振替処理の動作フローの一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る表示部が表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
(1)情報処理システム1の構成例
図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続された、ユーザ端末10、振替管理システム20、及び複数の機関システム30(30a,30b,30c等)を含む。
【0012】
ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末又は携帯端末等である。より具体的には、ユーザ端末10は、後述する表示部11及び操作部12の他、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源を備えている。ユーザ端末10は、例えば、ウェブブラウザや専用のアプリケーションによって振替管理システム20や機関システム30にアクセスすることができる。ユーザ端末10は、ユーザによる所定の操作を受け付けると、口座間の資金の振替を要求する信号を振替管理システム20に送信する。ユーザ端末10の詳細な構成については後述する。
【0013】
振替管理システム20は、機関システム30が管理する口座間の資金の振替等のサービスを提供するものであり、1台又は複数台のコンピュータによって構成される。例えば、振替管理システム20は、クラウドシステムによって実現されてもよい。図1に示すとおり、振替管理システム20は、例えば、受信部21と、振替処理実行部22とを含む。これらは、振替管理システム20において、記憶装置に記憶されたプログラムがプロセッサにより実行されることにより実現される機能モジュールである。受信部21は、ユーザ端末10から口座間の資金の振替を要求する信号を受信する。振替処理実行部22は、当該信号に基づいて、各機関システム30を制御し、振替元の口座(第1口座)から振替先の口座(第2口座)に所定の金額の資金を振り替える。具体的には、振替元の口座がある機関システム30に対して、振替元口座から振替先口座に所定の金額の資金の振替を行うための指示を、例えば、API(Application Programing Interface)を用いて送信する。
【0014】
機関システム30は、クレジットカード会社、電子マネー会社、デビットカード会社、銀行、仮想通貨(暗号通貨)の取引所等の機関が運営する、これら機関が提供する口座の入出金等を管理するためのシステムである。機関システム30は、1台又は複数台のコンピュータによって構成される。
【0015】
(2)ユーザ端末10の構成例
図2は、ユーザ端末10の構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、表示部11と、操作部12と、通知部13と、処理部14と、記憶部15とを備える。
【0016】
表示部11は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示部11は、処理部14から供給された画像データに応じた画像等を表示する。
【0017】
操作部12は、ユーザ端末10の操作(クリック、タップ、スワイプ、ピンチ、ドラッグ、ドロップ等)が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード、ボタン、マウス等である。また、操作部12は、フリック操作が可能なように、デバイスの筐体自体によって構成されていてもよい。操作部12は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を生成し、当該信号を処理部14に供給する。
【0018】
通知部13は、種々の態様でユーザに対して様々な通知を行うことが可能であればどのようなデバイスでもよい。例えば、通知部13は、音声を出力することにより通知を行うことが可能なスピーカ等であってもよい。或いは、通知部13は、振動を発生させることにより通知を行うことが可能な振動部であってもよい。
【0019】
処理部14は、機能モジュールとして、表示処理部141と、口座領域選択受付部142と、ジェスチャ操作検出部143と、振替条件受付部144と、振替要求信号送信部145と、通知処理部146とを含む。
【0020】
処理部14に含まれる各機能モジュールは、例えばユーザ端末10が備える記憶装置に記憶されたプログラムがプロセッサにより実行されることにより実現される。なお、当該プログラムは、例えば非一時的な記録媒体を介してユーザ端末10の記憶装置にダウンロードされてもよい。或いは、当該プログラムは、例えば通信ネットワークNを介して他の情報処理装置からダウンロードされてもよい。
【0021】
また、処理部14に含まれる各機能モジュールは、ユーザ端末10がWebブラウザを介して振替管理システム20にアクセスし、振替管理システム20に記憶されたプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0022】
表示処理部141は、表示部11に後述する振替処理に係る各種の画面を表示させる。口座領域選択受付部142は、操作部12の操作に基づいて、振替元口座に係る口座領域の選択を受け付ける。ジェスチャ操作検出部143は、操作部12の操作に基づいて、振替元口座に係る口座領域から、振替先口座に係る口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出する。振替条件受付部144は、振替の種々の条件の設定を受け付ける。振替要求信号送信部145は、ジェスチャ操作が検出された場合に、振替元口座から振替先口座に資金の振替を要求する要求信号を振替管理システム20に送信する。通知処理部146は、振替元口座の選択が受け付けられた場合、複数の口座領域のうちの少なくとも一の口座領域について、振替元口座からの資金の振替が制限されている口座に対応するか否かを種々の態様で通知する。例えば、管理者等の負担によってプレミアム(取得に要した対価の分に上乗せされる分)が上乗せされる通貨がある場合、振替を繰り返すことにより無限に通貨を増やすことを防止するため、当該通貨の口座から他の通貨の口座への振替が制限される。
【0023】
通知処理部146による通知処理の具体例について説明する。例えば、通知処理部146は、振替元口座の選択が受け付けられたとき、少なくとも一の口座領域を、当該振替元口座からの資金の振替が制限されている口座と、制限されていない口座とのいずれに対応するかが識別可能な態様で表示部11に表示させてもよい。より具体的には、当該振替元口座からの資金の振替が制限されている口座に対応する口座領域は周辺領域(他の口座領域を含む)等より目立たない態様で、当該振替元口座からの資金の振替が制限されていない口座は周辺領域(他の口座領域を含む)等より目立つ態様で表示させてもよい。
【0024】
或いは、通知処理部146は、ジェスチャ操作が検出されたとき、選択された振替元口座から振替先口座への資金の振替が制限されているか否かを通知する。より具体的には、通知処理部146は、例えば、資金の振替が制限されている旨(記号や文言等)を表示部11に表示させてもよい。或いは、通知処理部146は、当該旨の音声を通知部13に出力させてもよい。或いは、通知処理部146は、通知部13により振動を発生させることにより通知してもよい。
【0025】
記憶部15は、上述した記憶資源によって構成されるメモリであって、各種のデータやプログラムを記憶する。記憶部15は、例えば、書誌情報、入金額に関する情報、及び取引情報等の口座に係る任意の情報を記憶している。これら口座に係る情報は、振替管理システム20や各機関システム30から取得してものであってもよい。また、口座によっては特定の口座への資金の振替が制限されている場合があるが、記憶部15は、このような口座間の振替の制限に関する情報も記憶している。
【0026】
(3)振替処理の動作フロー
図3は、情報処理システム1による振替処理の動作フローの一例を示す図である。
【0027】
まず、ユーザ端末10の表示処理部141は、複数の口座領域を含む画面を表示部11に表示させる(S201)。次に、口座領域選択受付部142は、ユーザによる操作部12の操作に基づいて、複数の口座領域のうちから、振替元口座としての一の口座領域の選択を受け付ける(S202)。当該操作は、例えば、タップ操作、クリック操作、ボタン押下操作等であってよい。選択操作があった場合、表示処理部141は、選択された口座領域を任意の態様で強調表示してもよい。このとき通知処理部146は、振替元口座の選択が受け付けられたとき、少なくとも一の口座領域を、当該振替元口座からの資金の振替が制限されている口座と、制限されていない口座とのいずれに対応するかが識別可能な態様で表示部11に表示させてもよい。
【0028】
次に、ジェスチャ操作検出部143は、ユーザによる操作部12の操作に基づいて、振替元口座に係る口座領域から、振替先口座としての他の口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出する(S203)。なお、当該他の口座領域に係る口座が、選択された振替元口座からの資金の振替が制限された口座である場合、ジェスチャ操作検出部143は、当該口座領域に向かう経路を表すジェスチャ操作を検出しなくてもよい。また、この場合、通知処理部146は、ジェスチャ操作が検出されたとき、選択された振替元口座から振替先口座への資金の振替が制限されているか否かを上述した方法によって通知してもよい。次に、振替条件受付部144は、振替条件の設定を受け付ける(S204)。具体的には、振替条件受付部144は、例えば、振り替える資金の額、振替の実行予定日、及び振替の繰り返し条件等の振替条件の設定を受け付ける。次に、振替要求信号送信部145は、振替要求信号を振替管理システム20に送信する(S205)。
【0029】
次に、振替管理システム20の受信部21は、ユーザ端末10から振替要求信号を受信する(S206)。次に、振替管理システム20の振替処理実行部22は、受信した振替要求信号に基づいて、機関システム30と協働して振替元口座から振替先口座への資金の振替を実行する(S207)。
【0030】
(4)画面例
図4~8を用いて、ユーザ端末10が表示する画面の一例について説明する。図4~8に示す画面は、これらに限るものではないが、例えば、ユーザ端末10がパーソナルコンピュータやタブレット端末である場合に、ユーザ端末10に表示される画面の例である。
【0031】
図4は、ホーム画面の一例である。ホーム画面は、複数の口座領域1001(1001a~1001h)を有している。各口座領域は、所定の機関が管理する少なくとも一の口座に対応している。図4に示す例では、口座領域1001a~cは銀行口座に対応し、口座領域1001d~fは仮想通貨の口座に対応し、口座領域1001g、hは、ローン口座に対応している。各口座領域1001には、口座を管理している機関の名前や、当該口座に入金されている資金の残高等が表示されている。各口座領域1001に表示される項目は、これらに限られず、過去の入出金に関する情報等の他の任意の項目を含んでもよい。当該画面において、ユーザは、操作部12の操作により、振替元口座として一の口座領域を選択することができる。
【0032】
図5は、振替元口座が選択された後、ジェスチャ操作が行われている途中における画面の一例である。操作部12の操作によって振替元口座が選択された後、操作部12によるスワイプ操作やドラッグ操作が開始されると、振替元口座に係る口座領域1001aの複製領域1001a’が、スワイプ操作やドラッグ操作に追従するように表示される。なお、複製領域1001a’は、背後のオブジェクト等が視認可能なように透過性を有していてもよい。
【0033】
図6は、振替に係る条件を設定する画面の一例である。ここでは、ジェスチャ操作に係る経路は、口座領域1001aから口座領域1001bに向かう経路であるものとする。このとき、当該経路の終点に位置する口座領域1001bに係る口座が振替先口座となる。ジェスチャ操作検出部143が当該ジェスチャ操作を検出すると、表示処理部141は、振替元口座に係る口座領域1001aを始点とし、振替先口座に係る口座領域1001bを終点とする矢印1002を画面に表示する。更に、表示処理部141は、例えば、資金の振替に係る所定の条件を設定するためのウィンドウ1003を表示する。ウィンドウ1003に含まれる「動かす金額」と表示された領域には、振り替える資金の金額を入力することができる。ウィンドウ1003に含まれる「お金を動かす」は、資金の振替を決定するための選択部の一例である。当該選択部が選択されると、振替要求信号送信部145は、振替要求信号を振替管理システム20に送信する。
【0034】
図7は、振替の繰り返し予約を設定する画面の一例である。図7に示すとおり、ウィンドウ1003には、振替の繰り返し予約をするかを問う質問文が表示される。例えば、「予約する」が選択されると、振替要求信号送信部145は、振替を所定の条件で繰り返して実行することの要求信号を振替管理システム20に送信する。そして、図8に示すとおり、振替の繰り返し予約が受け付けられた旨を示す文言がウィンドウ1003に表示され、処理が終了する。一方、図7に示す画面において、「しない(本画面を閉じる)」が選択されると、処理が終了する。
【0035】
(5)他の画面例
図9~13を用いて、ユーザ端末10が表示する画面の他の一例について説明する。図4~8に示す画面は、これらに限るものではないが、例えば、ユーザ端末10がパーソナルコンピュータやタブレット端末である場合に、ユーザ端末10に表示される画面の例である。
【0036】
図9は、ホーム画面の一例である。ホーム画面は、振替元口座選択領域2000Aと、振替先口座選択領域2000Bと、その間に配置され振替元口座選択領域2000Aから振替先口座選択領域2000Bに延びる矢印オブジェクト2002を有している。振替元口座選択領域2000Aには、振替元口座の候補として少なくとも一の口座領域2001aが表示される。そして、振替元口座選択領域2000Aの左右に配置された「<」や「>」などと表記されたオブジェクトが選択される度に、順次、他の口座領域2001aが振替元口座選択領域2000Aに表示される。同様に、振替先口座選択領域2000Bには、振替先口座の候補として少なくとも一の口座領域2001bが表示される。そして、振替先口座選択領域2000Bの左右に配置された「<」や「>」などと表記されたオブジェクトが選択される度に、順次、他の口座領域2001bが振替先口座選択領域2000Bに表示される。なお、選択された振替元口座からの資金の振替が制限された口座がある場合、表示処理部141は、当該制限された口座に対応する口座領域を振替先口座選択領域2000Bに表示させないようにしてもよい。
【0037】
口座領域選択受付部142は、振替元口座選択領域2000Aに表示されている口座領域2001aが更新される度に、表示されている口座領域2001aが振替元口座として選択されたことを受け付ける。そして、例えば上述したとおりユーザ端末10の筐体自身等によって構成された操作部12によってフリック操作が行われると、ジェスチャ操作検出部143が当該フリック操作を検出する。すなわち、ジェスチャ操作検出部143は、振替元口座選択領域2000Aに表示された口座領域2001aから、振替先口座選択領域2000Bに表示された口座領域2001bに向かう経路を表すジェスチャ操作を検出する。これにより、振替先口座選択領域2000Bに表示された口座領域2001bに係る口座が振替先口座として選択される。
【0038】
図10は、ジェスチャ操作が検出された後、振替に係る条件を設定する画面の一例である。ジェスチャ操作検出部143が当該ジェスチャ操作を検出すると、表示処理部141は、振替元口座に係る口座領域2001aを始点とし、振替先口座に係る口座領域2001bを終点とする矢印オブジェクト2002を画面に表示する。更に、表示処理部141は、例えば、資金の振替に係る所定の条件を設定するためのウィンドウ2003を表示する。ウィンドウ2003に含まれる「動かす金額」と表示された領域には、振り替える資金の金額を入力することができる。画面上部に配置された「お金を動かす」と表示された部分は、資金の振替を決定するための選択部の一例である。当該選択部が選択されると、振替要求信号送信部145は、振替要求信号を振替管理システム20に送信する。
【0039】
図11は、振替の繰り返し予約を設定する画面の一例である。図11に示すとおり、ウィンドウ2003には、振替の繰り返し予約をするかを問う質問文が表示される。例えば、「予約する」が選択されると、振替要求信号送信部145は、振替を所定の条件で繰り返して実行することの要求信号を振替管理システム20に送信する。一方、図11に示す画面において、「しない(本画面を閉じる)」が選択されると、処理が終了する。
【0040】
図12は、振替の繰り返し予約を設定するための画面である。当該画面は、例えば、図11に示す画面で「予約する」を選択されることにより表示される。図12に示すとおり、当該画面は、資金の振替の繰り返しの設定として、繰り返す間隔、日にち、休日・祝日の場合の実行日、終了日等の設定項目を含む。繰り返す間隔については、例えばプルダウンメニューから、時間ごと、週ごと、月ごと、年ごと等の単位と、数値とを選択することができる。日にちを設定することにより、例えば毎月決まった日にちに振替が実行されるように設定することができる。また、設定された振替の実行日が休日・祝日の場合に、当該実行日に代えて前営業日や翌営業日に振替が実行されるように設定することができる。また、繰り返しの回数を選択することが可能である。振替の繰り返し予約の設定が終了すると、図13に示すとおり、振替の繰り返し予約が受け付けられた旨を示す文言が画面に表示され、処理が終了する。
【0041】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…情報処理システム、10…ユーザ端末、11…表示部、12…操作部、13…通知部、14…処理部、141…表示処理部、142…口座領域選択受付部、143…ジェスチャ操作検出部、144…振替条件受付部、145…振替要求信号送信部、146…通知処理部、15…記憶部、20…振替管理システム、21…受信部、22…振替処理実行部、30、30a、30b、30c…機関システム
図1
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図13