(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】弁と弁座挿入および抽出ツールを伴う弁
(51)【国際特許分類】
F16K 43/00 20060101AFI20220112BHJP
F16K 1/42 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F16K43/00
F16K1/42 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019206807
(22)【出願日】2019-11-15
(62)【分割の表示】P 2016567419の分割
【原出願日】2015-05-07
【審査請求日】2019-11-15
(32)【優先日】2014-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500120266
【氏名又は名称】スウエイジロク・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エイチ. グライム ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー. クラソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ネイサン オーバートン
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-526990(JP,A)
【文献】特表平07-502800(JP,A)
【文献】特表2017-516039(JP,A)
【文献】米国特許第4520842(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 43/00
F16K 1/00- 1/54
F16K 7/12- 7/17
F16K 41/00-41/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁
本体およびツールアセンブリであって、
縦軸および弁座陥凹を備える弁
本体と、
弁座と、
偏心整列部材によって前記弁
本体に取り付け可能な弁座抽出ツールと
を備え、前記偏心整列部材は、前記弁座抽出ツールを前記弁座と偏心して整列させるように前記弁
本体と組み立てられるように適合されており、前記偏心整列部材は、前記弁座抽出ツールが前記弁本体に搭載されたときに前記弁座の中心線と平行でありかつ前記中心線から半径方向にオフセットされる整列軸を有する、弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項2】
前記弁座抽出ツールは、座係合先端を備える、請求項1に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項3】
前記座係合先端は、ねじ山付き部分を備え、前記ねじ山付き部分は、前記ツールが前記ねじ山付き部分を前記弁座と係合させるように動作されたときに前記弁座とのねじ式接続をセルフタッピングするように構成されている、請求項2に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項4】
前記座係合先端は、前記ねじ山付き部分を前記弁座と偏心して整列させるように前記弁
本体に取り付け可能である、請求項3に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項5】
前記座係合先端は、前記座係合先端を前記弁座と偏心して整列させるように前記弁
本体に取り付け可能である、請求項2に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項6】
前記整列部材は、前記弁本体とねじ式で嵌め合わせられるようにねじ式で適合されている保持器ナットを備える、請求項1に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項7】
前記保持器ナットは、前記弁座の中心線と平行でありかつ前記中心線から半径方向にオフセットされる中心軸を有する内部孔を備え、前記内部孔は、それを通して前記弁座抽出ツールを受け取る、請求項6に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項8】
前記弁座抽出ツールは、円筒壁を備え、前記円筒壁は、前記内部孔内に密接して受け取られ、前記内部孔内で垂直にスライド可能である、請求項7に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項9】
前記保持器ナットは、前記弁座の中心線と同軸である中心軸を有する整列孔と、前記内部孔内に受け取られる偏心ブッシングとを備え、前記偏心ブッシングは、前記弁座の前記中心線と平行でありかつ前記中心線から半径方向にオフセットされる中心軸を有する整列孔を備え、前記整列孔は、それを通して前記弁座抽出ツールを受け取る、請求項
7に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項10】
前記弁座抽出ツールは、円筒壁を備え、前記円筒壁は、前記整列孔内に密接して受け取られ、前記整列孔内で垂直にスライド可能である、請求項9に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項11】
前記整列部材は、前記弁
本体とねじ式に接続可能である、請求項1に記載の弁
本体およびツールアセンブリ。
【請求項12】
弁座抽出ツールアセンブリであって、ねじ山付き部分を有する弁座抽出ツールと、前記ねじ山付き部分を弁座と偏心して整列させるように弁本体に搭載されるように適合された偏心整列部材とを備え、前記偏心整列部材は、前記弁座抽出ツールが前記弁本体に搭載されたときに前記弁座の中心線と平行でありかつ前記中心線から半径方向にオフセットされる整列軸を有する、弁座抽出ツールアセンブリ。
【請求項13】
前記偏心整列部材は、前記弁本体とねじ式で嵌め合わせられるように適合されている保持器ナットと、前記保持器ナット内に少なくとも部分的に受け取られる偏心ブッシングとを備える、請求項12に記載の弁座抽出ツールアセンブリ。
【請求項14】
弁座抽出ツールアセンブリであって、ねじ山付き部分を有する弁座抽出ツールと、前記ねじ山付き部分を弁座と偏心して整列させるように弁本体に搭載されるように適合された偏心整列部材とを備え、前記偏心整列部材は、前記弁本体とねじ式で嵌め合わせられるようにねじ式で適合されている保持器ナットを備え、前記保持器ナットは、前記保持器ナットの中心線と平行でありかつ前記中心線から半径方向にオフセットされる中心軸を有する内部孔を備える、弁座抽出ツールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、係属中の米国仮特許出願第62/055,793号(2014年9月26日出願、名称「VALVE WITH REPLACEABLE SEAT AND EXTRACTION TOOL」)、および係属中の米国仮特許出願第61/991,816号(2014年5月12日出願、名称「VALVE WITH REPLACEABLE
SEAT AND TOOL THEREFOR」)の利益を主張し、上記出願の全開示は、参照により本明細書に完全に援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、流体流動および流体送達のデバイス、および方法に関し、より具体的には、流体の流動および送達を制御するために使用される弁に関する。本発明はさらに、弁を伴うツールに関する。
【背景技術】
【0003】
弁は、ガスおよび液体の流体送達のための流量制御デバイスとしての使用に対して周知である。半導体業界および他の業界において、種々の処理動作中のプロセス化学物質の送達は、弁、例えば、高純度弁を使用して制御される。弁に対するより一般的な用途のうちのいくつかは、化学蒸着(CVD)および原子層堆積(ALD)である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で提示される第1の発明の概念は、弁と、弁の中へ弁座を設置するためのツールとを提供する。実施形態では、弁およびツールは、弁座と、弁座陥凹と、弁座キャリアと、弁座変位ツールとを備えている。本概念の追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0005】
本明細書で提示される第2の発明の概念は、弁座交換キットを提供する。実施形態では、弁座交換キットは、弁本体内の弁座陥凹から設置された弁座を除去するための弁座抽出ツールと、除去された弁座に取って代わるように弁座陥凹の中へ弁座を設置するための弁座設置ツールとを備えている。本概念の追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0006】
本明細書で提示される第3の発明の概念は、弁座設置ツールを提供する。実施形態では、弁座設置ツールは、弁座キャリアと、保持器ナットと、弁座変位ツールとを備え、保持器ナットは、弁座変位ツールおよび弁座キャリアを弁本体に接合するように動作可能である。本概念の追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0007】
本明細書で提示される第4の発明の概念は、弁本体から弁座を除去するための弁座抽出ツールを提供する。実施形態では、弁座抽出ツールは、ねじ山付き部分と、抽出ツールを弁座と軸方向に整列させるように弁本体に搭載する整列部材とを備えている。本概念の追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0008】
本明細書で提示される第5の発明の概念は、弁の弁座陥凹の中に前もって設置された弁座を交換する方法を提供する。実施形態では、本方法は、前もって設置された弁座を除去するステップと、交換用弁座を圧縮し、弁座陥凹から軸方向に間隔を置かれる第1の位置で圧縮された交換用弁座を保持するステップと、圧縮された交換用弁座を第1の位置から弁座陥凹の中へ変位させるステップとを含む。本概念の追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0009】
本明細書で提示される別の発明の概念は、弁本体から弁座を除去するための弁座抽出ツールアセンブリを提供する。実施形態では、弁座抽出ツールアセンブリは、ねじ山付き部分を有する弁座抽出ツールと、弁座抽出ツールを弁座と整列させるように弁本体に搭載する偏心整列部材とを備えている。偏心整列部材は、弁座の中心線と平行であり、かつそこから半径方向にオフセットされる、整列軸を有する。追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0010】
本明細書で提示される別の発明の概念は、弁本体から弁座を除去するための弁座抽出ツールアセンブリを提供する。実施形態では、弁座抽出ツールは、ねじ山付き部分と、抽出ツールを弁座と整列させるように弁本体に搭載する整列部材と、少なくとも部分的に整列部材の中に受け取られる偏心ブッシングとを備えている。偏心ブッシングは、弁座の中心線と平行であり、かつそこから半径方向にオフセットされる、縦軸を有する。追加の実施形態が、本明細書で提示される。
【0011】
偏心整列部材および/または偏心ブッシング概念は、上記で説明される第1から第4の実施形態の代替実施形態ならびにそれらの代替実施形態として使用され得る。
【0012】
本明細書で提示される別の発明の概念は、弁の弁座陥凹の中に前もって設置された弁座を除去する方法を提供する。実施形態では、本方法は、弁座の一部を握持するために、ねじ山付き部分を備えている偏心抽出ツールを使用するステップと、次いで、弁座陥凹から弁座を引き抜くステップとを含む。追加の実施形態が、本明細書で開示される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
弁およびツールアセンブリであって、
縦軸を有する弁本体であって、前記弁本体は、入口から出口までの流体のための流路を備え、前記弁本体は、ねじ山付き部分を備え、前記ねじ山付き部分は、アクチュエータを前記弁本体に接合するために、ねじ山付きナットと嵌め合うように寸法決定されており、前記弁本体は、弁座陥凹を備えている、弁本体と、
弁座と、
前記弁座を保持する弁座キャリアと、
ねじ山付き保持器ナットであって、前記ねじ山付き保持器ナットは、前記弁座キャリアを前記弁本体と接合するために、前記弁本体の前記ねじ山付き部分と嵌め合い、前記ねじ山付き保持器ナットは、前記弁本体の前記ねじ山付き部分と嵌め合う第1のねじ山付き部分と、第2のねじ山付き部分とを備えている、ナット保持器と、
ツールのねじ山付き部分を備えている弁座変位ツールであって、前記ツールのねじ山付き部分は、前記弁座変位ツールを前記弁座保持器に接合するために、前記ねじ山付き保持器ナットの前記第2のねじ山付き部分と嵌め合う、弁座変位ツールと
を備えている、弁およびツールアセンブリ。
(項目2)
前記弁座変位ツールは、心棒を備え、前記心棒は、前記保持器ナットとねじ式で係合された場合、軸方向に平行移動させられ、それによって、前記心棒は、前記弁座キャリアから外へ、および前記弁座陥凹の中へ前記弁座を変位させる、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目3)
前記心棒は、前記縦軸の周囲で自由に回転する先端を備え、前記先端は、前記弁座に接触し、前記弁座キャリアから外へ前記弁座を変位させる、項目2に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目4)
前記先端の表面と前記弁座の表面との間に配置されている回転防止部材を備えている、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目5)
前記弁座キャリアは、前記弁座キャリアの中に設置されている弁座に従って色分けされている、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目6)
前記弁座キャリアは、前記弁本体内の陥凹の中に嵌め入り、前記縦軸に沿って前記弁座を整列させる、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目7)
弁座抽出ツールとの組み合わせは、弁座交換キットである、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目8)
前記弁座抽出ツールは、少なくとも部分的に前記ねじ山付き保持器ナットの中で受け取られ、前記弁座が前記弁座陥凹から除去される場合、前記弁座と整列させられている、項目7に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目9)
前記弁座は、前記弁座キャリア内で圧縮されている、項目2に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目10)
前記弁座陥凹は、前記弁座の外径より小さい内径部分を有する囲い状の環状壁を備えている、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目11)
前記弁座は、環状本体を備えている、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目12)
弁座キャリアと、弁座変位ツールと、前記弁座変位ツールおよび前記弁座キャリアを弁本体に接合するように動作可能であるねじ山付き保持器ナットとを備えている、弁座設置ツール。
(項目13)
前記弁座キャリアは、弁座を保持する、項目12に記載の弁座設置ツール。
(項目14)
前記弁座キャリアは、その中で弁座を圧縮して保持する、項目12に記載の弁座設置ツール。
(項目15)
前記弁座変位ツールは、心棒を備え、前記心棒は、自由に回転する先端を備えている、項目12に記載の弁座設置ツール。
(項目16)
前記先端の表面と前記弁座の表面との間に配置されている回転防止部材を備えている、項目15に記載の弁座設置ツール。
(項目17)
前記弁座キャリアは、前記弁座キャリアの中に設置されている弁座に従って色分けされている、項目12に記載の弁座設置ツール。
(項目18)
弁座抽出ツールとの組み合わせは、弁座交換キットを提供する、項目12に記載の弁座設置ツール。
(項目19)
縦軸を有する弁アセンブリの中に前もって設置された弁座を交換する方法であって、
弁本体内の弁座陥凹の中に前もって配置された弁座にアクセスするステップと、
前記弁座陥凹から前記前もって配置された弁座を除去するステップと、
交換用弁座を半径方向に圧縮し、前記弁座陥凹から軸方向に間隔を置かれた第1の位置で前記圧縮された交換用弁座を保持するステップと、
前記圧縮された交換用弁座を前記第1の位置から前記弁座陥凹の中へ軸方向に変位させるステップと
を含む、方法。
(項目20)
前記交換用弁座を半径方向に圧縮するステップは、前記交換用弁座の外径より直径が小さい陥凹状部分を有する弁座キャリアの中へ前記交換用弁座を位置付けることによって行われる、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記弁からダイヤフラムを除去し、前記弁座へのアクセスを獲得するステップを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記交換用弁座が前記弁座陥凹の中に設置された後、前記弁の中へダイヤフラムを再設置するステップを含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記弁座キャリアは、前記弁座キャリアが前記ねじ山付き保持器ナットによって単一の配向のみで前記弁本体と接合されることを可能にする幾何学形状を備えている、項目1に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目24)
弁およびツールアセンブリであって、
縦軸および弁座陥凹を有する弁本体と、
弁座キャリアと、
保持器ナットと、
弁座変位ツールと
を備え、
前記保持器ナットは、前記弁座変位ツールおよび前記弁座キャリアを前記弁本体に接合するように動作可能である、弁およびツールアセンブリ。
(項目25)
弁およびツールアセンブリであって、
縦軸および弁座陥凹を備えている弁と、
弁座と、
前記弁に取り付け可能である弁座変位ツールと
を備えている、弁およびツールアセンブリ。
(項目26)
前記弁座変位ツールは、弁座設置ツールおよび/または弁座抽出ツールを備え、前記弁座設置ツールおよび/または弁座抽出ツールは、前記弁に取り付け可能である整列部材とねじ式で係合する、項目25に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目27)
前記弁座設置ツールは、前記整列部材とねじ式で係合し、前記整列部材は、前記弁とねじ式で接続可能である、項目26に記載の弁およびツールアセンブリ。
(項目28)
弁座抽出ツールアセンブリであって、
ねじ山付き部分を有する弁座抽出ツールと、
偏心整列部材と
を備え、
前記偏心整列部材は、弁本体に搭載され、前記ねじ山付き部分を弁座と偏心して整列させるように適合されている、弁座抽出ツールアセンブリ。
(項目29)
前記偏心整列部材は、前記弁座抽出ツールが前記弁本体に搭載された場合、前記弁座の中心線と平行であり、前記中心線から半径方向にオフセットされた整列軸を有する、項目28に記載の弁座抽出ツール。
(項目30)
前記偏心整列部材は、前記弁本体とねじ式で嵌め合わせられるように適合されている保持器ナットと、少なくとも部分的に前記保持器ナットの中に受け取られる偏心ブッシングとを備えている、項目28に記載の弁座抽出ツール。
【0013】
これらおよび他の発明の概念は、本明細書の以下で完全に開示され、添付図面を考慮して、例示的実施形態の以下の詳細な説明から、当業者によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本明細書に開示されるツールとともに使用され得る、従来技術の弁の実施形態を図示する。
【
図2】
図2は、弁本体上に設置された弁座設置ツールのアセンブリの立面図である。
【
図5】
図5は、
図3の線5-5に沿って得られた
図2のアセンブリの縦断面図である。
【
図7】
図7は、
図5および5Aに示されるような弁座キャリアの断面図である。
【
図8】
図8は、使用中であり、弁本体、例えば、
図1および5に示されるような弁本体上に設置された弁座抽出ツールの縦断面図である。
【
図9】
図9は、弁座陥凹からの弁座の変位後の使用中の弁座抽出ツールの縦断面図である。
【
図10】
図10は、弁座抽出ツールの縦断面図における別の実施形態である。
【
図11】
図11は、弁座抽出ツールアセンブリの実施形態の分解斜視図である。
【
図13】
図13は、弁座が抽出された弁座抽出ツールの縦断面図である。
【
図14】
図14は、弁座抽出ツールアセンブリの別の実施形態の分解斜視図である。
【
図16】
図16は、弁座が抽出された弁座抽出ツールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、例示的実施形態では、弁およびアクチュエータアセンブリ10は、アクチュエータアセンブリ12と、弁アセンブリ14とを含み得る。アクチュエータアセンブリ12は、弁アセンブリ14の上に積み重ねられるか、または別様に弁を開閉するために弁と動作可能に連結され得る。本例示的実施形態は、手動アクチュエータの使用を例証するが、代替実施形態は、自動アクチュエータ、例えば、空気圧アクチュエータを使用し得る。弁アセンブリ14は、液体またはガス等の流体の流動を制御するために使用され得る。
【0016】
アクチュエータアセンブリ12および弁アセンブリ14は、Swagelok Company(Solon,Ohio)から市販されているDP系列またはDF系列ダイヤフラム弁として都合よく実現され得るが、その必要はない。DP系列およびDF系列弁はまた、オンラインで、および別様にSwagelok Companyから公的に入手可能であり、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる「SPRINGLESS DIAPHRAGM VALVES and HIGH FLOW SPRINGLESS DIAPHRAGM VALVES」と題された製品カタログにも示されている。しかしながら、多くの他のアクチュエータ設計および弁設計が、代替として使用され得る。本発明はまた、ばね無しダイヤフラム弁アセンブリとの使用に限定されず、代替として、縛られたダイヤフラム弁、または多くの他の弁設計(従来の針もしくはプラグ弁で使用され得るようなOリングまたはパッキングによって密閉されたステムを有する弁等を含むがそれらに限定されない)とともに使用され得る。
【0017】
アクチュエータアセンブリ12は、便宜上、DP系列またはDF系列ダイヤフラム弁とともに市販されているアクチュエータアセンブリであり得る。したがって、アクチュエータアセンブリ12の詳細な説明は、本発明を理解して実践するために必要ではない。図面中の構成は、常時閉弁および手動アクチュエータアセンブリのためのものであるが、代替として、弁およびアクチュエータアセンブリ10は、常時開構成を用いて、および/または自動アクチュエータを用いて実践され得る。
【0018】
アクチュエータアセンブリ12は、ボンネット16と、ボンネット16上に支持され、それに対して回転させられることができる、ハンドル18とを含む。ハンドル18は、弁アセンブリ14を手動で開閉するために旋回させられ得る。ハンドル18は、ハンドルの回転が駆動部材20の回転を引き起こすように、駆動部材20に動作可能に連結される。駆動部材20は、弁ステム22にねじ式で連結される。弁ステムは、ダイヤフラム24の非湿潤側に接触している。止めねじ26は、弁ステム22が
駆動部材20とともに旋回することを制約する。結果として、
駆動部材20の回転は、ハンドル18が回転させられる方向に応じて、上下に弁ステム22の軸方向変位を引き起こす。弁
アセンブリ14は、閉鎖位置で
図1に示され、常時閉弁である。弁
アセンブリ14を閉鎖するために、ハンドル18は、図面で視認されるように時計回りに旋回させられ、これは、
駆動部材20を時計回りに回転させ、順に、弁ステム22を軸方向下向きに平行移動させ、弁座28にダイヤフラム24を押し付ける。ばね30が適用され、閉鎖力を弁ステム22に加える。これは、ダイヤフラムに加えられる閉鎖力を制限し、それによって、ハンドル18を過剰にきつく締めることが弁座28を損傷することを防止する。弁
アセンブリ14を開放するために、ハンドル18は、図面で視認されるように反時計回りに旋回させられる。これは、
駆動部材20を反時計回りに旋回させ、弁ステム22を軸方向上向きに平行移動させ、それは、ダイヤフラム24が、弁座28から離れた凹面を伴うその自然なドーム形状に戻ることを可能にし、それによって、流動させるために弁
アセンブリ14を開放する。ダイヤフラム24は、ダイヤフラム24の自然な応力を加えられていない状態が、そのドーム凹形状に戻るべきであるという点で、ばね様効果を及ぼすようにドーム状であり得る。
【0019】
弁アセンブリ14は、弁本体32を含み、弁本体を通した流体流動のための2つ以上のポートを有し得る。弁本体32は、弁座28の中心線と同軸である縦軸Xを有する。例示的実施形態では、弁座28は、弁座28の中心線、したがって、軸Xに関して対称であり得るが、その必要はない。軸Xは、弁本体32の中心縦軸であり得るが、その必要はない。軸および半径整列または方向への本明細書の全ての言及は、本明細書で別様に記述されない限り、軸Xに関する。
【0020】
弁本体32は、第1または入口ポート34と、第2または出口ポート36とを含み得、両方とも、弁が開放しているときに弁空洞38と流体連通している。弁空洞38は、ダイヤフラム24によって密閉される。ダイヤフラム24が弁座28に押し付けられているとき、流動が入口ポート34と出口ポート36との間で防止される。ダイヤフラム24が弁座28と接触していないとき、入口ポート34および出口ポート36は、弁空洞38を通して互いに流体連通している。追加のポートが、必要に応じて提供され得る。流体流動は、第1のポート34と第2のポート36との間でいずれかの方向であり得る。
【0021】
ハンドル18端の反対側のボンネットの遠位端は、フランジ40を含む。ボンネットナット42が、弁本体32上にボンネット16を締め付けて保持するために使用され得る。例えば、弁本体32は、ボンネットナット42のねじ山付き部分46と嵌め合うねじ山付き部分44を含み得る。ボンネットナット42は、ボンネットのフランジ40に係合するフランジ48も含み、ボンネットナット42が弁本体上に下方にきつく締められるとき、ボンネットフランジ40は、捕捉され、ボンネットナットフランジ48と弁本体32の締め付け表面50との間で軸方向の負荷を与えられる。ダイヤフラム24の外側周辺部分24aが、ボンネットフランジ40と弁本体32の締め付け表面50との間で締め付けられ得る。これは、周囲環境への流体損失に対して弁空洞38を密閉する本体シールを提供する。
【0022】
弁座28は、弁本体32の弁座陥凹52の中に配置され得る。弁座陥凹52は、入口ポート34を包囲し、弁座陥凹52の境界を定める環状支持壁54を含み得る。環状支持壁54は、弁座陥凹52の中で弁座28を捕捉して固定するように、示されるように内向きに、かつ随意に囲い状(staked)であり得る。したがって、支持壁54は、囲い状にされる場合、先細円錐台形外面56を提示し得る。
【0023】
弁アセンブリ14は、多くの異なる材料で作製され得る。DP系列およびDF系列は、ステンレス鋼で作製された弁本体およびダイヤフラムを含む。弁座28は、一般的に、例えば、PFA(ペルフルオロアルコキシ)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PI(ポリイミド)、およびエラストマーを含むが、それらに限定されない、非金属材料で作製される。全ての用途において、弁座材料が弾性的に圧縮性であることが好ましいが、必須ではない。
【0024】
弁座28は、弁アセンブリ14の中の磨耗アイテムである。弁座28の現場および稼働中の交換は、囲い状の弁座陥凹52から弁座28を除去することが困難であるため、通常は行われない。完全に組み立てられた弁およびアクチュエータアセンブリ10の中の弁座28を除去するために、ボンネットナット42は、緩められ、弁本体からねじを外され、これは、アクチュエータ12が除去されて脇に置かれることを可能にする。これは、次いで除去される、ダイヤフラム24へのアクセスを提供する。ダイヤフラム24が除去された後、オペレータが、弁座28にアクセスすることができる。我々の体験は、弁座28は、弁空洞38および弁ポート34、36等の弁本体32の露出表面を損傷することなく除去することが困難であることを示している。たとえ弁座28が失敗なく抽出されたとしても、交換用弁座は、望ましくない弁座の過剰な取り扱いおよび弁本体32の露出表面を損傷する可能性を伴わずに、囲い状の弁座陥凹52の中へ設置することが困難であり得る。
【0025】
我々は、本明細書の教示および発明によると、弁座抽出ツール58と、弁座設置ツール60とを含み得る弁座変位ツールを提供する。弁座抽出ツール58(略して、本明細書では抽出ツール58とも称される)は、設置された弁座28が、弁本体表面を損傷することなく安全に除去されることを可能にする。弁座設置ツール60は、弁座28を取り扱う必要なく、かつ弁本体32の表面を損傷にさらすことなく、(弁座陥凹が囲い状であるか、またはそうではないかにかかわらず)弁座28が弁座陥凹52の中へ設置されることを可能にする。本明細書の例示的実施形態は、設置ツール60および抽出ツール58の弁本体32との間のねじ式接続を例証するが、そのようなものは便宜のためである。代替として、設置ツール60または抽出ツール58の弁本体32との間のねじ式接続を利用しない非ねじ式実施形態が使用され得る。弁座変位ツールとは、弁座設置ツールまたは弁座抽出ツールのいずれかとして、弁座28に接触し、弁座陥凹52に対して軸方向に弁を変位または移動させるように構成されたツールを意味する。
【0026】
図2-5および7を参照すると、実施形態では、弁座変位ツールは、弁本体32上で容易に組み立てられ得る弁座設置ツール60(略して、本明細書では設置ツール60とも称される)の形態で実現され得る。本明細書の例示的実施形態は、上記のDP系列またはDF系列等の弁本体上に搭載されることができる弁座設置ツール60を示す。しかしながら、本発明は、必要とされる場合、ねじ山タイプ、弁本体の幾何学形状等に適切な修正を伴って、多くの異なる弁本体とともに利用され得る。
【0027】
弁座設置ツール60(
図4参照)は、弁本体32、具体的には、弁本体の弁座陥凹52の中へ設置されるべき弁座28を保持する弁座キャリア62を含む。設置ツール60はさらに、保持器ナット64と、弁座変位ツール66とを含む。
【0028】
図7を参照すると、弁座キャリア62は、略環状キャリア本体68であり、上向きの放射状表面または肩部72を伴う下フランジ70を有し得る。キャリア本体68はまた、好ましくは、弁本体内の環状支持壁54の円錐台形表面56(
図1)に補完的に成形され得る、円錐台形表面74を含み得る。キャリア本体68の円錐台形表面74は、キャリア本体68を通って延びる貫通孔壁76の一方の端部に形成され得る。円錐台形表面74に、第1の円筒部分78が軸方向に隣接している。第1の円筒部分78は、放射状段80を形成するように円錐台形表面74の内径よりわずかに小さい直径を有する。放射状段80の幅は、弁座陥凹52を画定する弁本体内の支持壁54の幅に近い。したがって、第1の円筒部分78の直径は、好ましくは、弁本体32内の支持壁54の内径を上回らず、それよりわずかに小さくあり得る。このように、弁座キャリア本体68が弁本体32上に位置付けられるとき、第1の円筒部分78と支持壁54との間に円滑な壁の移行がある(
図5および5A参照)。
【0029】
図7の弁座キャリア62は、その中に設置された弁座28を伴って示され、設置ツール60の一部として使用され得る弁座キャリアサブアセンブリ62aを提供する。孔壁76はさらに、その一方の端部において第1の円筒部分78に円滑に移行し、弁座キャリアの中で定位置に弁座28を保持する、キャリア陥凹82を含み得る。キャリア陥凹82の直径は、キャリア陥凹82の中に位置付けられたときに弁座28が圧縮されるように、弁座28の外径よりわずかに小さく寸法決定され得る。この圧縮は、輸送および通常の取り扱い中に弁座キャリア62の内側で弁座28を保持することに役立つことができる。第1の円筒部分78の直径は、好ましくは、(
図7ならびに
図5および5Aで視認されるように)弁座28が下向きに押されると、以下でさらに説明されるように、弁座28がさらに圧縮されるように、キャリア陥凹82の直径より小さい。キャリア陥凹82は、第2のその端部において、第1の円筒部分78と同一の直径を有し得る第2の円筒部分84に円滑に移行する。第1の円筒部分78および第2の円筒部分84が弁座28の外径より小さい直径を有するので、代替実施形態として、キャリア陥凹82は、弁座28をぴったりと、またはさらに緩く保持し得る。何故なら、第1および第2の円筒部分78、84が弁座キャリア62の内側で弁座を保持することに役立つからである。弁座キャリア62はまた、弁座キャリアサブアセンブリ62aの通常の輸送および取り扱い中に損傷から弁座28を保護することにも役立つ。
【0030】
図7は、例えば、使用に先立った輸送および通常の取り扱いのための場合にそうであるように、その中に(キャリア陥凹82の中に)弁座28が位置付けられて保持された、弁座キャリア62を示すことに留意されたい。弁座28のこの位置はまた、設置ツール60が弁本体32上に搭載されるときに、弁座陥凹52の中へ弁座28を設置するための初期位置である。
図5および5Aは、
図7に示される位置から弁座陥凹52の中へ軸方向に変位させられた後の弁座28を示す。
【0031】
図5Aを参照すると、弁座設置ツール60は、弁座変位ツール66を含む。
図5Aは、弁座設置ツール60を示し、弁座陥凹52の中へ弁座28を設置することに先立って完成したアセンブリとして、弁本体32上に設置された弁座キャリア62と、保持器ナット64と、弁座変位ツール66とを含み得る。弁座変位ツール66は、ノブ88および延長部90を有する心棒86の形態で実現され得る。心棒延長部90は、突起92を含み、突起92は、弁座変位ツール66上で中心に位置し、軸Xと整列する先端94を保持する。先端94は、先端94が軸Xの周囲で心棒86に対して回転可能に固定されるように、突起92によって保持される。先端94は、突起92内の孔98の中で受け取られる先端ステム96を含む。先端ステム96は、孔陥凹102および回転防止保持器ピン104と協働する先端ステム陥凹100を使用して、孔98の中で保持され得る。したがって、先端94は、保持器ピン104によって心棒86と接続されるが、先端94は、心棒86が旋回させられるときに軸Xの周囲で回転しないであろう。先端94にトルクを加えることなく、心棒86が軸Xの周囲で自由に旋回させられることを可能にするように、スラスト軸受106が提供され得る。
【0032】
図5Aも参照すると、弁座設置ツール60は、保持器ナット64を含む。保持器ナット64は、第1のねじ山付き部分110を伴う直円柱内部孔108を有し得る。保持器ナット64の中心線は、好ましくは、弁座28の中心線でもある軸Xと同軸である。保持器ナット64はまた、第2のねじ山付き部分114を伴うスカート112を有し得る。ねじ山付きスカート112は、
図5に示されるように、保持器ナット64が弁本体32に接合されることができるように、弁本体ねじ山付き部分44とねじ式で嵌め合う。心棒延長部90はまた、保持器ナット64の第1のねじ山付き部分110と協働する、ねじ山付き部分116も含む。したがって、心棒86は、保持器ナット64にねじ込まれることができる。
【0033】
したがって、
図5および
図5Aのように完全に組み立てられたとき、保持器ナット64は、弁本体32にねじ式で接合され、弁座変位ツール66は、保持器ナット64にねじ式で接合される。したがって、保持器ナット64は、弁座変位ツール66と弁座キャリア62との間の整列部材として動作する。弁座キャリア62は、弁座空洞38の中で部分的に受け取られ、弁座キャリアフランジ70は、弁本体32と保持器ナット64との間で圧縮負荷を与えられる。
【0034】
次に
図5Aおよび7を参照すると、弁座キャリア62は、軸Xに沿って弁座陥凹52と自己整列する。これは、環状支持壁54の円錐台形表面56に密接に一致する円錐台形表面74によって達成される。
【0035】
図5、5A、および7を参照すると、弁座設置ツール60の例示的動作は、以下の通りであり得る。設置ツール60は、上記のように弁本体32上に設置され、弁座キャリア62は、設置され保持器ナット64によって保持され、弁座変位ツール66は、保持器ナット64に接合される。弁座28は、設置プロセスの開始時、
図7のように弁座キャリア陥凹82の中に配置される。心棒86は、旋回させられ、保持器ナット64とのねじ式接続の動作によって、心棒86は、図面で見られるように軸方向下向きに前進するであろう。先端94は、弁座28と接触するであろう表面107を有し、ノブ88がさらに旋回させられると、先端94は、弁座28に対して下向きの力を加え、それは、キャリア陥凹82から外へ、および弁本体32の弁座陥凹52の中へ弁座28を押して変位させる。これは、
図5および5Aに示される位置である。心棒86は、弁座28が弁座陥凹52に完全に挿入されると、確動的停止部としての保持器ナット64の上面64aにノブ88が接触するように、軸方向に寸法決定され得る。したがって、弁座28は、弁座陥凹52の中で完全に据え付けられる。次いで、弁座変位ツール66は、心棒を軸方向上向きに後退させるように、逆方向に旋回させられる。心棒86は、完全に保持器ナット64から除去され得るか、または保持器ナット64が弁本体ねじ山付き部分44から緩められて係合解除されることを可能にするように十分に後退させられ得る。保持器ナット64が弁本体ねじ山付き部分44から分離された後、弁座変位ツール66および弁座キャリア62(後者は、もはやその中に弁座28を有していない)が除去され得る。
【0036】
弁座28は、オペレータが弁座28を取り扱う必要なく、弁座空洞52の中へ設置可能であることに留意されたい。弁座28は、製造業者または他の制御された場所で弁座キャリア62の中へ設置され得る。したがって、弁座キャリア62は、弁座を保持し、輸送および通常の取り扱い中に損傷ならびに汚染から弁座28を保護し得る。弁座キャリア62は、随意に、色分けされ、および/またはその中に保持された弁座28の1つ以上の特性を観察者に知らせる、他の識別情報もしくは視覚指標を含み得る。例えば、色分けまたは他の指標および情報は、例えば、弁座サイズもしくは材料を示し得る。
【0037】
再度、
図5Aを参照すると、上記のように、弁座キャリア62の第1の円筒部分78の直径は、弁座陥凹52の内径、特に、弁座28が弁座陥凹52の中へ変位させられるときに弁座28に対する縁を提供し得る支持壁54の直径を上回らず、好ましくは、それよりわずかに小さい。第1の円筒部分78の直径は、好ましくは、応力を加えられていない状態で弁座28の直径より小さい。したがって、弁座28がキャリア陥凹82から外へ変位させられる場合、弁座28は、圧縮され、弁座28が損傷なく弁本体32の弁座陥凹52に押し込まれることを可能にするであろう。
【0038】
加えて、第2の円筒部分84は、突起92を密接して受け取る直径を有し得る。これは、先端94の表面107が弁座28と平坦または同一平面で接触するように、軸Xに沿って弁座変位ツールを整列させる。非回転先端94は、先端94と弁座28との間の摩擦、または摩滅によって別様に引き起こされ得る弁座28への損傷を防止する。
【0039】
図6および8を参照すると、実施形態では、弁座変位ツールはまた、弁座抽出ツール58の形態で実現され得、ノブ118と、中心に位置付けられたステム120と、実施形態では、ステム120のねじ山付き弁座係合部分または先端であり得るねじ山付き部分122とを含み得る。ねじ山付き部分122(以降ではねじ山付き先端122の例示的実施形態と称する)は、弁座28を握持または把持するように機能し、弁座陥凹52から弁座28を抽出するために使用されることができる。抽出ツール58は、整列部材123または他の技法を使用して、弁座28と軸方向に整列させられ得る。便宜上、保持器ナット64は、この軸方向整列のために整列部材123として使用され得る。整列部材123を伴う抽出ツール58は、弁座抽出ツールアセンブリ125の実施形態(
図8)を提供する。
図8で最良に示されるように、ステム120は、密接に受け取られる直円柱滑壁124と、好ましくは、保持器ナット64の第1のねじ山付き部分110に干渉することなく、保持器ナット孔108の対応する直円柱平滑部分108a内のジャーナルとを有し得る。実施形態では、整列部材123は、弁座28の中心線でもある軸Xと同軸である中心縦軸を有する。したがって、ねじ山付き先端122がステム120上で中心に位置するので、ねじ山付き先端122もまた、軸Xに沿って整列させられる。ねじ山付き先端122のねじ山126は、好ましくは、鋭利である。アクチュエータアセンブリ12およびボンネットナット42が除去された後、弁座陥凹52から弁座28を抽出するために、ダイヤフラム24(
図1)が、弁座28へのアクセスを提供するように除去される。保持器ナット64は、弁本体32のねじ山付き部分44上に設置され、下方にきつく締められる。保持器ナット64は、弁本体32の上面32aに接触するカウンタボア64bを含み得る。抽出ツール58は、保持器ナット64の中へ軸方向にスライドさせられる。保持器ナット64は、ねじ山付き先端122が弁座28の中心線と整列させられるように、抽出ツール58を軸Xと整列させる。最初、ノブ118は、先端122が最初に弁座28に接触するとき、保持器ナット64の頂面64aから軸方向に間隔を置かれている。ねじ山126は、好ましくは、弁座28の内径より大きい外径を有する。鋭利なねじ山付き先端122が弁座28に係合すると、先端122のねじ山126は、弁座28とのねじ式接続をセルフタッピングする。好ましくは、ねじ山126は、弁座28b(
図7)の内径表面全体の周囲でセルフタッピングする。ノブ118が旋回させられるとき、わずかな軸方向下向きの力がノブ118に加えられ得る。これは、先端122のねじ山126と弁座28との間のセルフタッピングを支援するであろう。ノブ118は、ノブ118が保持器ナット64の上面64aと接触した後でさえも旋回させられ得る。弁座28と、弁座陥凹52の境界を定める表面との間に摩擦があるので、(軸方向に固定されるコルクスクリューを旋回させることによって瓶からコルクを除去することに若干類似して)先端122のさらなる回転は、弁座28が弁座陥凹52から軸方向に引かれることをもたらす。
図8は、弁座陥凹52からの完全抽出位置における弁座28を図示することに留意されたい。弁座28が弁座陥凹52から変位させられた後、抽出ツール58は、保持器ナット64から引き出され得、保持器ナット64は、弁本体32から緩められて除去され得る。代替として、ノブ118は、ねじ山126に弁座28の内径表面の中へセルフタッピングさせて弁座を捕捉するように旋回させられ得る。次いで、保持器ナット64は、弁本体32から緩められ、保持器ナット64および抽出ツール58は、弁本体32から除去され、それとともに、弁座28も除去され得る。
【0040】
図10は、抽出ツール58の代替実施形態を図示する。実施形態では、保持器ナット64と弁本体32との間で保持され得る、回転防止ディスク130が提供され得る。回転防止ディスク130は、環状であり、ねじ山付き先端122が通過するために十分に大きい中心孔132を含み得る。回転防止ディスク130は、保持器ナット64のカウンタボア表面に接触し得る周辺フランジ134を含み得る。回転防止ディスク130の下面136の一部が、弁座28の接面28a(
図7)に接触する。弁座28は、弁座陥凹52の中に完全に据え付けられたとき、環状支持壁54の上方に軸方向に延びており、回転防止ディスクの下面136が弁座28に接触することを確実にすることに留意されたい。弁座表面28aに接触する回転防止ディスク130の下面136の一部は、随意に、例えば、きざみ付けによって、粗面化またはテクスチャ加工され得る。硬質材料(例えば、ポリイミド)で作製される弁座28に対して、回転防止ディスク130は、ねじ山付き先端122が弁座28の中へセルフタッピングしている間に、弁座28が回転することを防止する。回転防止ディスク130は、異なる材料から(硬質ではない材料からさえも)作製された他の弁座とともに使用され得る。回転防止ディスク130は、先端ねじ山126が抽出のために弁座28に切り込んでいる間に弁座28の回転を防止する1つの方法にすぎない。使用されることができる他の技法は、弁座28と接触するであろう特殊保持器ナット64、および抽出ツール58の一部としてのばね荷重ブッシングを提供することを含むが、それに限定されない。抽出ツール58に対して、保持器ナット64は、便宜的に、設置ツール60とともに使用される保持器ナット64と同一であり得るが、そのようなものが当てはまる必要はないことに留意されたい。異なる整列部材123が、必要に応じて各ツール58、60に使用され得る。
【0041】
図10の実施形態の例示的動作は、以下の通りである。ダイヤフラム24が除去された後、回転防止ディスク130は、弁座接面28aに接触するように、弁本体32の中に位置付けられ得る。次いで、保持器ナット64は、弁本体32上にきつく締められ、これは、回転防止ディスク130と弁座28との間に圧縮負荷を加える。次いで、抽出ツール58は、先端122が弁座28に係合するまで、保持器ナット64の中へ軸方向にスライドさせられる。保持器ナット64は、ねじ山付き先端122が弁座28の中心と整列させられるように、抽出ツール58を軸Xと整列させる。ノブ118は、旋回させられ、鋭利なねじ山付き先端122は、弁座28とのねじ式接続をセルフタッピングする。ノブ118も旋回させられるとき、わずかな軸方向下向きの力が、ノブ118に加えられ得る。これは、先端122と弁座28との間のセルフタッピングを支援するであろう。回転防止ディスク130は、ねじ山126が弁座の内径表面に切り込む場合に弁座28が旋回することを防止する。弁座28がねじ山126によって捕捉された後、保持器ナット64は、弁本体32から緩められ得、保持器ナット64、抽出ツール58、および弁座28は、弁本体32から引き離され、それによって、弁座陥凹52から弁座28を除去する。
【0042】
我々はまた、縦軸を有する弁アセンブリの中に前もって設置された弁座を交換する方法も提供する。実施形態では、方法は、弁本体32内の弁座陥凹52の中に前もって位置付けられた弁座28にアクセスすることを含み得る。次に、弁座28は、上記で説明されるように、または別様に抽出される。次いで、交換用弁座28を圧縮し、第1の位置で、例えば、弁座陥凹52から軸方向に間隔を置かれた弁座キャリア62のキャリア陥凹82の中に圧縮された交換用弁座28を保持することによって、交換用弁座28が弁座陥凹52の中に設置される。次いで、圧縮された交換用弁座28は、第1の位置から弁座陥凹52の中へ軸方向に変位させられる。
図9は、弁座変位ツール66と同じように第1の位置における弁座28を図示し、具体的には、先端94が弁座28の上面に接触する。
図5Aは、変位ツール66が
図9の第1の位置から弁座28を軸方向に変位させた後の弁座陥凹52の中に位置付けられた弁座28を示す。
【0043】
図11-13を参照すると、弁座抽出ツールアセンブリ200の別の実施形態は、弁座抽出ツール202と、整列部材204とを含む。本説明に対して、類似参照数字が、本明細書の
図6および8の実施形態における類似構成要素に使用される。弁座抽出ツール202は、ノブ218と、中心ステム220と、実施形態では、ステム220のねじ山付き弁座係合部分または先端であり得る中心ねじ山付き部分222とを含み得る。弁座抽出ツール202は、本明細書の
図6および8の実施形態と同一の設計であり得るが、その必要はない。ねじ山付き部分222(以降ではねじ山付き先端222の例示的実施形態と称する)は、弁座28を握持または把持するように機能し、弁座陥凹52から弁座28を抽出するために使用されることができる。弁座抽出ツール202は、整列部材204または他の技法を使用して、弁座28と整列させられ得る。
図6および8の実施形態と異なり、整列部材204は、以下でさらに説明されるような偏心整列孔を有し、したがって、本実施形態では、我々は整列部材204を偏心整列部材204であると称する。
【0044】
ステム220は、密接に受け取られる、直円柱形滑壁224と、好ましくは、整列部材204の対応する直円柱平滑整列孔206内のジャーナルとを有し得る。
図12から、整列部材204は、整列部材204が弁本体32の嵌め合うねじ山付き部分208(
図4および5A参照)の上にねじ込まれることを可能にする、内部ねじ山付き部分208を含み得ることに留意されたい。
【0045】
実施形態では、偏心整列部材204は、弁座28の中心線でもある、軸Xと同軸の中心縦軸を有し得る。しかしながら、整列孔206は、好ましくは、縦軸Eに基づいて偏心して位置付けられる。したがって、偏心軸Eは、軸Xと平行であるが、そこから半径方向にオフセットされる。これは、ねじ山付き先端222が中心ステム220上で中心に位置するので、ねじ山付き先端222を軸Eと整列させる。ねじ山付き先端222のねじ山226は、好ましくは、鋭利に先細である。アクチュエータアセンブリ12およびボンネットナット42が除去された後に、弁座陥凹52から弁座28を抽出するために、ダイヤフラム24(
図1)が、弁座28へのアクセスを提供するように除去される。偏心整列部材204は、弁本体32のねじ山付き部分44上に設置され、下方にきつく締められる。偏心整列部材204は、弁本体32の上面32aに接触するカウンタボア204aを含み得る。
【0046】
弁座抽出ツール202は、偏心整列部材204の中へ軸方向にスライドさせられる。偏心整列部材204は、ねじ山付き先端222のねじ山226を偏心軸Eと整列させる。最初、ノブ218は、ねじ山付き先端222が最初に弁座28に接触するとき、偏心整列部材204の頂面204aから軸方向に間隔を置かれ得る。鋭利なねじ山付き先端222が弁座28に係合すると、ねじ山付き先端222のねじ山226は、弁座28とのねじ式接続をセルフタッピングする。弁座28とのねじ山226の偏心整列により、ねじ山付き部分222は、
図12および13に図示されるように、弁座28の内径表面の一部または弓形区分のみの中へセルフタッピングする。ノブ218も旋回させられるとき、わずかな軸方向下向きの力が、ノブ218に加えられ得る。これは、ねじ山付き先端222のねじ山226と弁座28との間のセルフタッピングを支援するであろう。ノブ218は、ノブ218が偏心整列部材204の上面204aと接触した後でさえも旋回させられ得る。ねじ山226と弁座28との間のこの偏心係合は、セルフタッピング中に弁座28の回転を防止し、したがって、回転防止特徴のいかなる必要性も排除する。ねじ山226が弁座28の一部のみに係合するので、ねじ山226は、弁座28の内径よりも小さい直径であり得、これは、弁座が抽出された後にねじ山付き先端222から弁座28を除去することをより容易にする。弁座28の一部のみをタップすることによって、弁座28の一側面が最初に支持壁54を通して持ち上げられるので、弁座28は、弁座陥凹52からより容易に抽出されることができる。
図13は、弁座陥凹52からの完全抽出位置における弁座28を図示することに留意されたい。ねじ山226が弁座28をセルフタッピングした後、弁座抽出ツール202は、(
図13で視認されるように)軸方向上向きに偏心整列部材204から引き出され得、次いで、偏心整列部材204は、弁本体32から緩められて除去され得る。偏心して整列される抽出ツールは、限定されないが、より硬質の材料、例えば、VESPEL
TMで作製された弁座の抽出に特に有用であることが分かっている。
【0047】
代替実施形態として、保持器228、例えば、Cクリップまたはリング228が、ステム220上の溝の中に位置付けられ得、弁座抽出ツール202が偏心整列部材204から完全に除去されることを防止する。保持器228は、例えば、孔206の直径より大きい外径を有し得る。ノブ218は、旋回させられ得、ねじ山226に弁座28の内径表面の中へセルフタッピングさせて弁座を捕捉する。次いで、弁座抽出ツール202は、軸方向に持ち上げられ、弁座陥凹52から弁座28を抽出する。しかしながら、保持器228は、弁座抽出ツール202が偏心整列部材204から完全に分離されることを防止するであろう。次いで、偏心整列部材204は、弁本体32から緩められ、または別様に切り離され、弁座抽出ツールアセンブリ200は、弁本体32から引き抜かれ、または分離されることができ、それとともに、抽出された弁座28も除去される。
【0048】
図14-16を参照すると、代替実施形態が示されている。本実施形態は、
図11-13の実施形態と要素および構成要素のほとんどを共有し得るが、その必要はなく、類似要素および構成要素は、同一の参照数字を与えられ、説明が繰り返される必要はない。両方の実施形態は、弁座28の機能性または設置および抽出に関して同様に動作し得る。
【0049】
実施形態では、
図11-13の要素204等の単一部品偏心整列部材ではなく、弁座28に対する弁座抽出ツールの偏心整列が、他の方法で導入され得る。
図14-16では、整列部材254が提供され、それは便宜上、
図1-10の実施形態で使用される保持器ナット64と同一の設計であり得る。したがって、整列部材254は、弁座28の中心線である軸Xと同軸である中心線を有する直円柱形孔108を含み得る。偏心挿入物256、例えば、ブッシングが、整列部材254の孔108の中で密接に受け取られる中心直円筒突起258を有する。上フランジ260は、孔108内に突起258を軸方向に位置付ける。突起258は、完全に突起258を通って延びる直円柱形孔108であり得る偏心孔262を含む。したがって、偏心孔262の縦中心線Eは、偏心軸であり、好ましくは、軸Xと平行であるが、そこから半径方向にオフセットされる。これは、ねじ山付き先端222が中心ステム220上で中心に位置するので、ねじ山付き先端222を軸Eと整列させる。したがって、ねじ山付き先端222は、
図11-13の実施形態のように弁座28の一部の中へセルフタッピングし、弁座抽出ツール202の動作は、同様に動作し得る。したがって、整列部材254および偏心ブッシング256は、2部品偏心整列部材264を形成する。
図15から、偏心部材フランジ260は、整列部材254の孔108内に突起258を軸方向に位置付けるために、整列部材254の上面254aに存在し得ることに留意されたい。突起258の上面258aはまた、弁座抽出ツール202のための停止表面として機能し得る。
【0050】
図11-16の両方の実施形態では、弁座28の内径に対するねじ山226の直径サイズは、弁座の所望の部分に係合するよう選択され得る。好ましくは、ねじ山226は、弁座28の内面全体より小さい弁座の弓形部分(例えば、
図13および16参照)の中へセルフタッピングするであろうが、弓形部分のサイズ、または換言すると、ねじ山226によってタップされる表面積の量は、設計選択の問題であり、弁座28の壁厚およびねじ山深度の関数でもある。ある場合には、弁座28の内面の大部分または全体にわたる接触さえもあり得るが、弁座28の一部の中へのバイアスまたはより大きい深度のセルフタッピングを伴うように、軸Xからの軸Eのわずかな半径方向オフセットが使用され得る場合がある。
【0051】
本明細書の本発明は、例示的実施形態に限定されない。本装置および方法は、例えば、異なる弁設計、ならびに異なるアクチュエータとともに使用され得る。弁座キャリア62は、特定の弁本体32と弁座キャリアを適合させるように、多くの異なる幾何学形状および構成を有し得る。キャリア陥凹82はまた、弁座28の形状および弁座キャリア62の中で弁座28を保持するために必要とされる頑健性に基づいて、構成され得る。弁座陥凹52はまた、囲い状または先細の円錐台形の陥凹である必要はない。弁座変位ツール66はまた、弁座抽出ツール58のように、多くの異なる形態および構成で実現され得る。代替として、異なる弁座抽出技法が使用され得る。
【0052】
本発明は、本発明を実行するために開示される特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の請求項の範囲内に入る全ての実施形態を含むであろうことが意図される。