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特許7000430タバコ加工産業のフィルタセグメントを編成するためのフィルタセグメント編成装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】タバコ加工産業のフィルタセグメントを編成するためのフィルタセグメント編成装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A24D3/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019531042
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017081479
(87)【国際公開番号】W WO2018108623
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】102016124052.4
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ハウニ・マシイネンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】デッペ・オーリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ヴットケ・ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】エッガース・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン・フローリアーン
(72)【発明者】
【氏名】ディートリッヒ・ダニエル
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3067644(US,A)
【文献】特表2010-514436(JP,A)
【文献】米国特許第3039367(US,A)
【文献】特表2005-502376(JP,A)
【文献】西独国特許第1090560(DE,B)
【文献】特開2013-247954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタセグメント(9,9’)を横軸方向にフィルタセグメント編成機構(28)に受け渡すためのフィルタセグメント搬送路を有するタバコ加工産業のフィルタセグメント編成装置であって、
取出し装置(1,1’,1’’)がフィルタセグメント搬送路に設けられ、当該取出し装置は、使用長さの複数倍の長さのフィルタロッド(8)をフィルタマガジン(21.1~21.5)から取り出すように形成され、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)がさらにフィルタセグメント搬送路に設けられ、当該シフト・切断装置(3,3’,3’’)は、使用長さの複数倍の長さのフィルタロッド(8)を収容するように形成され、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)は、フィルタロッド(8)を収容するための窪み部(7)を備えているフィルタセグメント編成装置において、
窪み部(7)の数は、29と同じかまたはそれより大きい素数であることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタセグメント編成装置において、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)はストッパ(130)を備え、窪み部(7)に収容されたフィルタロッド(8)またはフィルタセグメント(9,9’)が当該ストッパへとシフトされるか或いはシフト可能とされ、
切断装置(6)が設けられ、当該切断装置は、ストッパ(130)まで設定可能な距離のところでフィルタロッド(8)から少なくとも一つのフィルタセグメント(9,9’)を切り出すように形成されていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタセグメント編成装置において、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)は、ストッパと切断装置(6)との間に配置されているフィルタセグメント(9,9’)が引き渡される或いは引き渡し可能となるように形成されていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置において、
取出し装置(1,1’,1’’)は、フィルタロッド(8)を収容するための窪み部(7)を備え、
当該窪み部(7)の数が可変に設定可能とされているか、或いは取出し装置(1,1’,1’’)に加速装置(2)が接続されて当該加速装置(2)が窪み部(7)を備えその数が可変に設定可能とされていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタセグメント編成装置において、
使用する窪み部(7)の様々な数により可変性が与えられていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタセグメント編成装置において、
使用する窪み部(7)の数は、窪み部(7)の数が異なる交換可能なドラム外側リング(100~103,110~113)を用いるか、窪み部(7)の吸気コネクタを変えられるようにするか、窪み部(7)をメクラ状態にするか、或いは窪み部の数を変更できるクリックドラム(7)を用いるかにより異なるものにされることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置において、
取出し装置(1,1’,1’’)は、2,3,4,5,6,8,10,12,15,20,30,40,60,120または240の数の窪み部(7)または使用する窪み部(7)を有することを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置において、
二つのフィルタセグメント搬送路が設けられ、
そのために取出し装置(1,1’,1’’)の一つの回転軸線(140)上に、二つの取出しリング体(100,101)が配置され及び/又はシフト・切断装置(3,3’,3’’)の一つの回転軸線(141)上に二つのシフト切断リング体(110,111)が設けらていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項9】
請求項8に記載のフィルタセグメント編成装置において、
シフト切断リング体(110,111)は、互いに鏡映対称に配置されていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置において、
少なくとも三つの、又は四つのフィルタセグメント搬送路が設けられ、
そのために取出し装置(1,1’,1’’)の一つの回転軸線(140)上に、対応する数の取出しリング体(100~103)が設けられ及び/又はシフト・切断装置(3,3’,3’’)の一つの回転軸線(141)上に、対応する数のシフト切断リング体(110~113)が設けられていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項11】
請求項10に記載のフィルタセグメント編成装置において、
シフトドラム(120)がさらに設けられ、当該シフトドラムは、シフト切断リング体(110~113)から収容されたフィルタセグメント(9,9’)を一方の側にシフトし、編成機構(28)に引き渡ことを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタセグメント編成装置において、
編成機構(28)がシフト・切断装置(3,3’,3’’)の回転軸線に対応する回転軸線(141)を有していることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置において、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)と編成機構(28)との間に切断ドラム(4)が設けらていることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項14】
請求項13に記載のフィルタセグメント編成装置において、
切断ドラム(4)に、フィルタセグメント搬送方向において拡開ドラム(5)が接続していることを特徴とするフィルタセグメント編成装置。
【請求項15】
タバコ加工産業の多セグメントフィルタ製造機であって、
請求項1から14のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置を有し、
横軸方向に編成されたフィルタセグメントをストランド形成装置(17)に引き渡す受渡し装置(19,20)が設けられているか或いは編成されたフィルタセグメント(9,9’)をローリング法で巻装材料ストリップによりくるむための後続の装置が設けられている多セグメントフィルタ製造機。
【請求項16】
横断法でタバコ加工産業のフィルタセグメント(9,9’)を編成する方法であって、
請求項1から14のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置を用い、
フィルタ搬送路においてフィルタロッド(8)がフィルタロッドマガジン(21.1~21.5)から取出し装置(1.1’,1’’)を用いて取り出され、
取出し装置(1,1’,1’’)によりフィルタロッド(8)が直接的にシフト・切断装置(3,3’,3’’)に引き渡されるか、直接的に加速装置(2)に受け渡されてそこから直接的にシフト・切断装置(3,3’,3’’)に引き渡され、
フィルタロッド(8)は、シフト・切断装置(3,3’,3’’)が一回転する際に先ず終端位置にシフトされ、次にそれぞれ第一のフィルタセグメント(9)と第二のフィルタセグメント(9’)に切断され、第一のフィルタセグメント(9)は、続いて直接的に編成機構(28)または直接的にシフトドラム(120)に受け渡されてそこから直接的に編成機構(28)に引き渡される方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
第二のフィルタセグメント(9’)は、シフト・切断装置(3,3’,3’’)が次の周回を行なう間に終端位置にシフトされ、第一のフィルタセグメント(9)として引き渡されるか或いは第一のフィルタセグメント(9)とさらなる第二のフィルタセグメント(9’)に切断され、次に第一のフィルタセグメント(9)が続いて引き渡されることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の方法において、
シフト・切断装置(3,3’,3’’)の空いた窪み部(7)は、再びフィルタロッド(8)で占められることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16から18のいずれかに記載の方法において、
少なくとも二つのフィルタ搬送路は、取出し装置(1,1’,1’’)の少なくとも二つの取出しリング体(100,103)上の平行かつ少なくとも部分的に互いに共直線的に並べられた窪み部(7)を有し、或いは少なくとも二つのフィルタ搬送がそれらにより実施されるとともに、シフト・切断装置(3,3’,3’’)の少なくとも二つのシフト切断リング体(110~113)上の平行かつ少なくとも部分的に互いに共直線的に並べられた窪み部(7)を有し、或いは少なくとも二つのフィルタ搬送がそれらにより実施されることを特徴とする方法。
【請求項20】
タバコ加工産業の請求項1から14のいずれかに記載のフィルタセグメント編成装置のフィルタ搬送路における、29と同じかそれより大きい素数である窪み数を有したシフト・切断装置(3,3’,3’’)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタセグメントを横軸方向(軸線を横切る方向)にフィルタセグメント編成機構に受け渡すためのフィルタセグメント搬送路を有するタバコ加工産業のフィルタセグメント編成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、横断法(Querverfahren)でタバコ加工産業のフィルタセグメントを編成する方法に関する。
【0003】
この種の装置と方法が、例えばタバコ製造機においてタバコスティック(タバコ棒状体)とつなげられる単倍または使用長さの複数倍の長さのタバコフィルタを製造するために必要とされている。
【0004】
特許文献1より、フィルタセグメントのグループを編成する然るべき方法と装置が公知である。この文献において示された装置によれば、かなり自在にフィルタセグメントをフィルタセグメントの適当なまとまり(グループ)に編成することが可能になる。そのために、モジュールないしキャビネット部として設けられている相応のユニットが開示されており、特許文献1では軟質部材ユニット10~14として記述されているユニットがそれぞれ複数のドラム型の搬送・加工機構を備えている。
【0005】
このようにして、例えば特許文献1の図1に示されている軟質部材ユニット10のフィルタ搬送路は、取出しドラム22.1を備えており、この取出しドラムが二つの丸形カッタ27と噛み合っていることで、マガジンないし貯蔵部21.1から取り出された使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドを2度切断し、続いて段組ドラム23.1で段組し、その後、予め相応に三つのフィルタセグメントに切り分けられたフィルタロッドを、それぞれ先ず一列に並ぶ位置に移動させてからシフト・切断ドラム24.1においてもう一度改めて切断するようにする。続いて、これらの切断されたフィルタセグメントが段組ドラム25.1において段組され、接続しているシフト・受渡しドラムにより編成ドラム28.1に受け渡される。このフィルタセグメント搬送路ないしフィルタロッド搬送路は、搬送・加工機構を実際それほどにはもう備えていないが、それでもまだ最適化される余地があるように思われる。
【0006】
特許文献2は、フィルタタバコを製造する装置を開示し、図1では二つのフィルタ搬送路が設けられており、これがフィルタセグメントを大型の窪みドラム142に引き渡す。
【0007】
特許文献3は、フィルタロッドを搬送してフィルタロッドセグメントに切断する装置を開示する。
【0008】
特許文献4は、フィルタ切断システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第1393640号明細書
【文献】欧州特許第0383970号明細書
【文献】米国特許第3067644号明細書
【文献】国際公開第2008/081340
【文献】欧州特許出願公開第2921062号明細書
【文献】欧州特許第2328429号明細書
【文献】独国特許出願公開第2534666号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、タバコ加工産業のフィルタセグメント編成装置およびタバコ加工産業のフィルタセグメントを編成する相応の方法、特にフィルタセグメントをグループに編成する(グループ化する)方法であって、より少ない部品点数で効率的かつ変更可能に編成フィルタセグメントを作製する或いはフィルタセグメントをグループ化することを可能にする方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、フィルタセグメントを横軸方向にフィルタセグメント編成機構に受け渡すためのフィルタセグメント搬送路を有するタバコ加工産業のフィルタセグメント編成装置であって、取出し装置がフィルタセグメント搬送路に設けられ、当該取出し装置は、使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドをフィルタマガジンから取り出すように形成され、シフト・切断装置がさらにフィルタセグメント搬送路に設けられ、当該シフト・切断装置は、使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドを収容するように形成され、シフト・切断装置は、フィルタロッドを収容するための窪み部を備えているフィルタセグメント編成装置において、当該フィルタセグメント編成装置は、窪み部の数が29と同じかそれより大きい素数、とりわけ37より大きい素数であることにより発展的に構成されていることにより解決される。
【0012】
このようなフィルタセグメント編成装置を設けることで、フィルタロッドないしフィルタセグメントを搬送して加工するための複数の機構を省くことができる。ここでは特に、取出し装置とシフト・切断装置が稼動時にそれぞれ一つの回転軸線周りを回転するように設けられている。これにより、使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドが、例えば、好ましくはシフト・切断ドラムとして形成されているシフト・切断装置上で複数回にわたり切断される。その結果、シフト・切断装置が一周する毎にフィルタロッドないしフィルタセグメントの裁断が一回行なわれる。これにより、シフト・切断ドラムを一つ或いは切断ドラムを一つ早くも省略することができる。
【0013】
シフト・切断ドラムの窪み部の数が29または特に37と同じかそれより大きい素数であることで、一方では多数のフィルタロッドを装填できることで効率を確実に高められるようになり、他方では極めて高い可変性が確実に可能とされるようになる。この点については、また後で詳細に立ち入ることにする。
【0014】
取出し装置は、取出しドラムとして形成することができ、そのために例えば、取出しリング体を備えており、この取出しリング体に窪み部が設けられている。これに対応して、シフト・切断装置は、例えば然るべき窪み部を有するシフト切断リング体を備えたシフト・切断ドラムとして形成することができる。このシフト・切断装置では、相応にフィルタロッドをシフトする(ずらして移動する)ことができるだけでなく、フィルタセグメントもシフトすることができる。
【0015】
シフト・切断ドラムの窪み数は、61個の窪み部であることが特に好ましい。
【0016】
好ましくは、シフト・切断装置はストッパを備え、窪み部に収容されたフィルタロッドまたはフィルタセグメントが当該ストッパへとシフトされるか或いはシフト可能とされ、切断装置が設けられ、当該切断装置は、ストッパまでの設定可能な距離のところでフィルタロッドから少なくとも一つのフィルタセグメントを切り出すように形成されている。距離が設定可能であることにより、可変性の高い装置と可変性の高い方法が可能となる。例えば、8cmの長さとされた8倍使用長さのフィルタロッドであれば、ストッパまでの距離を1cmとすることで、シフト・切断装置が全部で7周する間に7回の切断を切断装置が行ない、それによりフィルタロッドを全部で8個のフィルタセグメントに切り分けることができるであろう。一回目の切断のときには、フィルタセグメントが1cmの長さに切断され、7cmの第二のフィルタセグメントが残り、これがシフト・切断装置の次の一周の間にストッパへとシフトされることで、そこで1cmの長さを有したもう一つの第一のフィルタセグメントに切断されることになり、するとその際には、6cmの長さを有した第二のフィルタセグメントが残ることになる。このようにして、シフト・切断ドラムの隣り合う窪み部には、結果的に異なる長さのフィルタロッドないしフィルタセグメントが特にパイプオルガンの如く配列されることになる。
【0017】
シフト・切断装置は、ストッパと切断装置との間に置かれているフィルタセグメントが引き渡される或いは引き渡し可能となるように形成されていることが好ましい。ストッパまでの切断装置の距離に相当する長さを持った切断済みのフィルタセグメントがシフト・切断ドラムにより常に引き渡される一方で、まだ残っている他の第二のフィルタセグメントは、シフト・切断装置上に留まってドラムとともに周回する。このようにして適当な回数の切断を行なうと、ストッパまでの切断装置の距離に相当する長さを既に持っている第二のフィルタセグメントがストッパへとシフトされることになる。すると、このフィルタセグメントは最早切断されることはなく単に引き渡されるだけとなり、それにより空いた窪み部が生じることになるが、その窪み部は次には再び使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドが装填される。上述の例でいえば、シフト・切断装置が8周するとそうなる。
【0018】
素数個の窪み部を用いることで、取出し装置や当該取出し装置に接続する加速装置がどれ位の窪み数を備えているかに基本的に係ることなく、まだ占有されている窪み部にフィルタロッドが導入されることにならない。
【0019】
取出し装置は、フィルタロッドを収容するための窪み部を備え、当該窪み部の数が可変に設定可能とされているか、或いは取出し装置に加速装置が接続されて当該加速装置が窪み部を備えその数が可変に設定可能とされているかの少なくともいずれかであることが好ましい。
【0020】
好ましくは、加速装置は、加速ドラムであるか或いは一つの回転軸線周りかまたはシャフト上を回転する加速リング体を備える。
【0021】
フィルタ搬送路は、フィルタロッドないしフィルタセグメントための稼動する搬送部材として、然るべき窪み部を有した、取出し装置または取出しドラム、必要に応じて加速装置とりわけ加速ドラム、シフト・切断装置とりわけシフト・切断ドラムおよび編成機構ないし編成ドラムまたは適切な編成搬送ベルトだけを備えていることが好ましい。
【0022】
特にフィルタ搬送路は、フィルタロッドないしフィルタセグメントのための稼動する搬送部材として、然るべき窪み数を有した、取出し装置または取出しドラム、シフト・切断装置とりわけシフト・切断ドラムおよび編成機構ないし編成ドラムまたは編成搬送ベルトだけを備えていることが好ましい。これに加えて、シフト・切断ドラムにシフトドラムが接続し、そのシフトドラムが次に、適切に終端位置にシフトされたフィルタセグメントないしフィルタセグメントのグループを編成機構ないし編成ドラムに受け渡し、この編成機構がこのとき、好ましくはシフト・切断ドラムの回転軸線に対応する一つの回転軸線上を回転するか或いは同じシャフト上に配置されているようにしてもよい。
【0023】
使用する窪み部の様々な数により可変性が与えられていることが好ましい。
【0024】
好ましくは、使用する窪み部の様々な数は、好ましくは異なる数の窪み部をそれぞれ有する取出しリング体、シフト切断リング体または加速リング体とも呼ばれる交換可能なドラム外側リングにより得られる。そのために例えば、取出し装置または取出しドラムは、容易に交換できる取出しリング体を備えている。これに代えて、変更可能な吸気コネクタを窪み部に配置してもよいし、物体を挿入することで窪み部がメクラ状態にされるのでもよい。これについてさらに代替的には、窪み部の数を変更できるクリックドラム(Klicktrommel)を用いてもよい。
【0025】
クリックドラムの変形例は、特許文献5を参照されたい。この文献には、窪み部6を装備することができる搬送ドラム2が開示されている。これに係る窪み部6はさらに、搬送ドラムの吸引孔ないし吸引開口部に差し込むことができるブシュ14をその下側に備えている。この場合、然るべき基体または窪み部を用いることができ、これらが或る幅を有し、その幅により、一周にわたり分散配置された吸引開口部にそれぞれ窪み部が組み込まれる、ないしは一つおきないし二つおき等で窪み部が組み込まれてその際に他の吸引開口部が閉鎖手段により閉鎖できることが可能になるか、又は、搬送ドラムの周方向に拡張された部分が窪み部に対して設けられており、その部分が、窪み部とは隔てられた搬送ドラムにおける吸引開口部を閉鎖または密閉することが可能になる。特許文献5に開示されている搬送ドラムは、取出し装置として用いることができる。その搬送ドラムは、シフト・切断装置としても用いることができる。特許文献5の開示内容は、この特許出願に総括的に取り入れられるものとする。
【0026】
吸気コネクタを変えられるようにすることや窪み部をメクラ状態に設定することについては、特許文献6を参照されたい。そこでは、吸引開口部にバルブを設けたり、シールとして形成することができる閉鎖体を設けたりすることで、窪み部の相応の吸引開口部をメクラ状態にすることができるといった三つの実施例が開示されている。これに代えて、内側リングを設け、この内側リングが、当該内側リングの外面に吸引開口部を備えた外側リング体の内面でつながるようにしてもよい。つまり、外側リングに比べてより少ない吸引開口部を内側リングに設ければよい。これについては、特に特許文献6の図1および図2とその図の符号22,26および28並びにそれに関する明細書の記載および図面の説明を参照されたい。特許文献6の開示内容は、総括的に本出願に含まれるものとする。
【0027】
フィルタセグメント編成装置が特に好ましいのは、取出し装置が、2,3,4,5,6,8,10,12,15,20,30,40,60,120または240の数の窪み部または使用する窪み部を有している場合である。設けられる最大の数は、このとき好ましくは120であり、上述の可変性によって変更できる、つまりは特に相応に低減ないし減少させることができる。然るべき基本窪み数の場合、つまり窪み部が最大で240,120または60の数の場合には、それより数を減らした使用窪み数は、割り算の際に余りがでない自然数で基本窪み数が除算されることで選択される。基本窪み数が120のときには従って、n=2,3,4,5,6,8,10,12,15,20,30,40または60とすることができる。
【0028】
特に好ましくは、取出し装置は、基本窪み数に対応する数の窪み部を備えた取出しリング体を備えた取出しドラムとして形成されている。この場合、単に取出しリング体を交換することで、取出し装置または取出しドラムの窪み数を変更することができる。
【0029】
好ましくは、二つのフィルタセグメント搬送路が設けられ、そのために取出し装置の一つの回転軸線上に、二つの取出しリング体が配置され及び/又はシフト・切断装置の一つの回転軸線ないしシャフト上に二つのシフト切断リング体が設けられ、シフト切断リング体は特に互いに鏡映対称に配置されている。
【0030】
“取出しリング体”という呼び方は、取出しドラム本体を意味するとしてよい。さらに、“シフト切断リング体”という概念は、シフト・切断ドラム体を意味するとしてよい。
【0031】
二つの取出しリング体または二つの取出しドラムが設けられているというのは、特に上記回転軸線上または一つの共通のシャフト上に窪み部縦軸方向に順番に二つの取出しリング体または二つの取出しドラムが配置されていることを意味する。これに対応して、二つのシフト切断リング体を一つの回転軸線上に設けるというのは、特に一つの共通のシャフト上に窪み部長手方向または回転軸線方向に二つのシフト切断リング体が順番に配置されていることを意味する。これに対応して、好ましくは二つの加速ドラムまたは二つの加速リング体が、加速ドラムの一つの回転軸線ないし特に好ましくは一つの共通のシャフト上に設けられていてもよい。
【0032】
好ましくは、少なくとも三つの、好ましくは四つのフィルタセグメント搬送路が設けられ、そのために取出し装置の一つの回転軸線上に、対応する数の、少なくとも三つの、好ましくは四つの、取出しリング体が設けられ及び/又はシフト・切断装置の一つの回転軸線上に、対応する数の、特には少なくとも三つの、好ましくは四つのシフト切断リング体が設けられている。これらのシフト切断リング体はこのとき、好ましくは互いに鏡映対称であるようにでき、例えば二組のシフト切断リング体のそれぞれが互いに鏡映対称であるようにできる。これらは、それぞれ一つのストッパを備え、このストッパは例えばこれらシフト切断リング体間の中央に配置することができる。
【0033】
鏡映対称とは、本発明の考え方では、フィルタロッドないしフィルタセグメントが、シフト・切断装置の一方の側に配置されているか、隣接する他方のシフト・切断リング体に接するそれぞれのシフト・切断リング体の一方の側に配置されていることを意味する。特に好ましくは、二つの互いに鏡映対称に配置されたシフト・切断リング体は、シフト・切断リング体の周囲に沿って、各シフト・切断リング体同士の間に配置された共通のストッパ本体を共有する。
【0034】
好ましくはさらにシフトドラムが設けられ、当該シフトドラムは、シフト切断リング体により収容されたフィルタセグメントを一方の側にシフトし、編成機構に引き渡す。
【0035】
好ましくは、編成機構は、シフト・切断ドラムの回転軸線に対応する回転軸線を有している。これにより、コンパクトな構造が可能である。
【0036】
シフトドラムは、四つのフィルタセグメント搬送路が設けられている場合に特に好適に設けることができ、そこでは、取出し装置の一つの回転軸線上に四つの取出しリング体が設けられ及び/又はシフト・切断装置の一つの回転軸線上に四つのシフト切断リング体が設けられている。
【0037】
好ましくは、四つの取出しリング体及び/又はシフト切断リング体がそれぞれ一つの共通のシャフト上に配置されている。代替的に、一つのシフトドラムに他の回転するシフト機構が設けられていてもよい。
【0038】
好ましくは、シフト・切断装置と編成機構との間に切断ドラムが設けられ、特にこの切断ドラムに、フィルタセグメント搬送方向において特に拡開ドラムが接続している。この構成は、確かに搬送及び/又は加工機構の数を増やすものの、例えば二つの同じフィルタセグメントが互いに離れた状態で一つの編成装置、好ましくは一つの編成ドラムないし編成搬送ベルト上で引き渡されなければならないような場合といった、ある一定の構成のもとでは有利となり得る。フィルタセグメントの間をあけるというのは、フィルタセグメントの縦軸方向に間をあけるということである。
【0039】
好ましくは、タバコ加工産業の多セグメントフィルタ製造機は、本発明に係るフィルタセグメント編成装置が装備されており、編成されたフィルタセグメントを横軸方向にストランド形成装置に引き渡す受渡し装置が設けられているか或いは編成されたフィルタセグメントをローリング法で巻装材料ストリップによりくるむための装置が設けられている。
【0040】
ストランド形成装置は、フィルタセグメントを縦軸方向に搬送する。そのため、フィルタ要素の横軸方向の搬送方向から縦軸方向の搬送方向への受渡しが行なわれる。ローリング法の変形例では、フィルタセグメントは、横軸方向の搬送方向のままとなる。
【0041】
さらに、本課題は、横断法(Querverfahren)でタバコ加工産業のフィルタセグメントを編成する方法であって、フィルタ搬送路においてフィルタロッドがフィルタロッドマガジンから取出し装置を用いて取り出され、取出し装置によりフィルタロッドが直接的にシフト・切断装置に引き渡されるか、直接的に加速装置に受け渡されてそこから直接的にシフト・切断装置に引き渡され、フィルタロッドは、シフト・切断装置が周回するのに合せて先ず終端位置にシフトされ、次にそれぞれ第一のフィルタセグメントと第二のフィルタセグメントに切断され、第一のフィルタセグメントは、続いて直接的に編成機構または直接的にシフトドラムに受け渡されてそこから直接的に編成機構に引き渡される方法により解決される。
【0042】
本発明に係る方法により、極めて効率的に且つより少ない機構により、つまりは低コストでタバコ加工産業のフィルタセグメントを編成し、特にフィルタセグメントをグループにすることが可能である。
【0043】
好ましくは、第二のフィルタセグメントは、シフト・切断装置が次の周回を行なう間に終端位置にシフトされ、第一のフィルタセグメントとして引き渡されるか或いは第一のフィルタセグメントとさらなる第二のフィルタセグメントに切断され、次に第一のフィルタセグメントが、続いてシフト・切断装置がこの周回を行なっている間に引き渡される。
【0044】
特にこの構成、つまりは特に、何回も周回する間に使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドを複数のフィルタセグメントに切断し、その際に常に一つのフィルタセグメントが引き渡されるシフト・切断装置を設けることにより、極めて省スペースで資源を大事にする方法が可能である。
【0045】
好ましくは、シフト・切断装置の空いた窪み部は、再びフィルタロッドで占められる。これに関して、好ましくはシフト・切断装置の空いた窪み部だけが再びフィルタロッドで占められる。
【0046】
この代わりに、第一のフィルタセグメントだけがまだ配置されている窪み部がフィルタロッドで占められるようにしてもよく、その場合には、次に新たなフィルタロッドで占められてから引き渡しが行なわれ、これより次にフィルタロッドがストッパまでシフトされることで、第一のフィルタセグメントと第二のフィルタセグメントに切断されるようにする。これにより、特にフィルタセグメント編成装置と方法の立ち上がり工程が加速される。
【0047】
好ましくは、シフト・切断装置は、29または37またはそれより大きい素数である数の、フィルタロッドとフィルタセグメントを収容するための窪み部を備えている。
【0048】
好ましくは、少なくとも二つのフィルタ搬送路は、平行かつ少なくとも部分的に互いに共直線的に並べられた窪み部が、取出し装置の少なくとも二つの取出しリング体上に装備されているとともに、さらに平行かつ少なくとも部分的に互いに共直線的に並べられた窪み部が、シフト・切断装置の少なくとも二つのシフト切断リング体上に装備されている。この方法は、好ましくは少なくとも二つのフィルタ搬送路であるときには、この特徴部により実施される。
【0049】
好ましくは、29と同じかそれより大きい素数、特には37と同じかそれより大きい素数である窪み数を有したシフト・切断装置が、タバコ加工産業のフィルタセグメント編成装置のフィルタ搬送路において使用される。特に好ましくは、窪み数は61である。
【0050】
様々な窪み部が設けられた本発明のドラムないし対応の取出しリング体は、好ましくは可変性が高められるようにピッチが異なる。特に好ましくは、分配を異ならせる、或いは取出しリング体の窪み部の数を異ならせることで可変性が増し、これにより、交換可能な取出しリング体を設けることで可変性を増すことができる。
【0051】
素数で29と同じかそれより大きい、特には37と同じがそれより大きい、好ましくは61とされた数の窪み部を持つ好ましくは二つまたはそれより多くのシフト切断リング体を有する好ましくはシフト・切断ドラムの形態のシフト・切断装置を設けることで、フィルタロッドを効率的に複数のフィルタセグメントに加工し、それらのフィルタセグメントを効率的にグループに編成することが可能である。その場合、一つの回転軸線または一つの共通のシャフト上に設けられている相応の取出しリング体ないし取出しドラム上の好ましくは二つ、特に好ましくは少なくとも三つ、特には四つのフィルタ搬送路と、一つの共通の回転軸線かつ特には一つの共通のシャフト上に設けられている、対応する数のシフト切断リング体ないしシフト・切断ドラムを持つ相応のシフト・切断装置とが可能である。その場合、搬送機構ないし加工機構のそれぞれ共通の軸線にいわば平行な二つまたはそれのより多いフィルタ搬送路が可能にされる。これにより、極めて効率的で省スペースのフィルタセグメントの編成が可能である。
【0052】
相応の取出し装置およびシフト・切断装置の回転速度も、編成機構の回転速度も、周速については略同じである。取出し装置とシフト・切断装置の間に加速装置が設けられている場合には、取出し器とシフト・切断装置の間の速度が合うように調整される。
【0053】
然るべき加速装置ないし加速ドラムが従来技術より公知である。これらは、移動可能な窪み部が装備されており、これらの窪み部は、フィルタロッドを取出し装置から受け取るために取出し装置のゆっくりとした速度を有し、それからシフト・切断装置に引き渡すために搬送方向にシフト・切断装置の周速まで加速する。
【0054】
本発明の第一変形例では、単搬送路が設けられており、それを用いることで使用長さの複数倍の長さのフィルタロッドを複数のフィルタセグメントに切断することができ、それにより、その都度二つ目のフィルタセグメントを引き渡すとともに、シフト・切断装置が一周する間に残っているフィルタセグメントを引き渡し位置までシフトする。続いて、フィルタセグメントはもう一度中央が切断され拡開される。
【0055】
本発明の第二変形例では、フィルタ二重搬送路ないしフィルタセグメント二重搬送路が設けられており、それぞれの搬送・加工機構ないし搬送・加工装置では、それぞれに一つの共通のシャフトが設けられている。第二変形例は、四重搬送路の形態で形成されていてもよい。フィルタセグメント二重搬送路が二つ設けられてもよく、それらに応じて使用可能なフィルタセグメントが一つの共通の編成機構においてフィルタセグメントのグループに編成される。
【0056】
本発明によれば、適切に引き渡されるフィルタセグメントの数は、各フィルタ搬送路につき、シフト切断リング体が一回転するごとに同じである。
【0057】
本発明のさらなる特徴部は、請求項および添付の図面とともに本発明に係る実施形態の記載から明らかになる。本発明に係る実施形態は、個々の特徴または複数の特徴の組み合わせを満たすことができる。
【0058】
以下に、一般的な本発明の思想を限定することなく図面を参照しながら実施例に基づいて本発明を説明する。その場合において、文章中に詳細に説明されていない本発明の個別の事項は明示的に図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】従来技術による多セグメントフィルタ製造機の概略図である。
図2】概略的に二つのフィルタセグメント搬送路の主な要素を本発明に基づき立体的に表した図である。
図3】本発明による他の実施形態における単一のフィルタセグメント搬送路を概略的に示す図である。
図4】本発明による四つのフィルタ搬送路または二つのフィルタセグメント二重搬送路を概略的に立体で表す図である。
図5】本発明による四重フィルタ搬送路を概略的に立体で表す図である。
図6】他の実施形態における本発明による単搬送路を概略的に示す図である。
図7図6の実施例を概略的に立体で表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図中、それぞれ同じまたは同様の部材および/または部分には同じ符号が付されており、それによりその都度改めて説明することはしない。
【0061】
図1は、たくさんのセグメントフィルタから、フィルタセグメントのグループを編成するための従来技術による装置を有した多セグメントフィルタ製造装置を概略的な側面図で示している。この多セグメントフィルタ製造装置は、然るべきユニットに分けられている。この装置は、本出願人による独国特許出願第10155292.0号によれば、複数の独立した機能ユニットに分けることができる。機能ユニットは、この実施例では、いくつかの軟質部材ユニット10~14、一つの受渡しユニットとして体現されてもよい二つの受渡しユニット15と16並びに適切なストランド形成ユニット17(極めて概略的にしか表されていない。)である。
【0062】
軟質部材ユニット10~14は互いに類似している。これらは、本出願人による独国特許出願第10155292.0の図5a)の軟質部材ユニットに概ね対応する。これら軟質部材ユニットの個別の詳細の全てについては、独国特許出願第10155292.0を明示的に参照されたい。軟質部材ユニット11,12,13は、軟質部材ユニット10,14とは違って、さらに別の丸形カッタ27が設けられ、これを用いることで、供給されたフィルタ要素がさらにもう一度切断される。この実施例では、五つの軟質部材ユニット10~14が用いられた。これらの軟質部材ユニットの代わりに或いは加えて、例えば、セルロースアセテートまたはフリースからなるフィルタ要素の代わりに、例えば焼結部材、中空シリンダないし中空チャンバ、そして例えば顆粒も充填できるカプセルといった硬質のフィルタ要素を有している硬質部材ユニットが用いられてもよい。然るべき硬質部材ユニットでは、例えば独国特許出願第10155292.0号の図6a)に関して述べられているようなものが考えられる。
【0063】
図1の軟質部材ユニット10~14は、例えば12倍使用長さのフィルタ要素を備えることができるか或いは例えば16倍使用長さのものを備えることができる相応の貯蔵部21.1~21.5を有する。軟質部材ユニット10では、n倍使用長さのフィルタ要素が取出しドラム22.1から取り出され、丸形カッタ27によって、もっと使用長さの短いフィルタ要素に切り分けられる。二つの丸形カッタだけであれば、12倍使用長さのフィルタが事前に4倍使用長さのフィルタ要素に切り分けられる。上側の丸形カッタが一つの丸形カッタであり且つ下側が背面において順番に位置する二つの丸形カッタであれば、16倍使用長さのフィルタ要素がそれぞれ4倍使用長さのフィルタ要素に切断される。
【0064】
続いて、4倍使用長さのフィルタ要素は、段組ドラム23.1に受け渡され、そこでフィルタ要素が段組(梯子状に)され、これにより、続くシフト・切断ドラム24.1において先ず横軸方向に揃えるようにシフトされると、最終的には、丸形カッタ27によりさらにまた切断が行なわれて、この丸形カッタが4倍使用長さのフィルタ要素を2倍使用長さのフィルタ要素に切断することになる。後続の段組ドラム25.1では、これらのフィルタ要素が段組され、これにより、次にシフト・受渡しドラム26.1において横軸方向に揃えるように整列されると、編成ドラム28.1上に載置される。
【0065】
従って、軟質部材ユニット10には、2倍使用長さのフィルタ要素が載置される。これらのフィルタ要素は、次に受渡しドラム29を用いて軟質部材ユニット11の編成ドラム28.2へとさらに渡される。この編成ドラム28.2上には、次に単倍使用長さの二つのフィルタ要素が配置され、それらが次に拡開ドラム30.1において縦軸方向に互いに引き離される。これについては、各フィルタ要素の位置を表す図2を特に参照されたい。
【0066】
軟質部材ユニット11は、2倍使用長さのフィルタ要素を単倍使用長さのフィルタ要素2に切断するさらにもう一つの丸形カッタ27がシフト・受渡しドラム26.2の領域に配置されている点で軟質部材ユニット10とは異なる。加えて、軟質部材ユニット11は、受渡しドラム29に代えて拡開ドラム30.1が用いられる点で軟質部材ユニット10とは異なる。軟質部材ユニット12,13は、対応する拡開ドラム30.2ないし30.3も含み、これらを用いることで、然るべく装填されたセグメントないしフィルタ要素を互いに引き離し或いは拡開することができる。
【0067】
軟質部材ユニット14は、また軟質部材ユニット10に概ね対応するが、ただし、受渡しドラム29に代えて段組ドラム31が用いられ、これが本発明にとって本質的である。この段組ドラムでは、具体的には、この実施例では8個とされたフィルタ要素の相応のまとまり(グループ)(すなわち、単倍使用長さの6個のフィルタ要素と2倍使用長さの2個のフィルタ要素)に並べられている編成されたセグメントないしフィルタ要素が二つのサブグループに分割され、この実施例では具体的には然るべく段組され、それにより次にシフトドラム32において横軸方向に真っ直ぐ揃うように整列され、後続の千鳥ドラム33においてまとめて圧縮されることになる。続いて、受渡しドラム34のサブグループが受け渡され、加速ドラム35を用いて加速され、移送搬送機20のローディングホイール19に挿入され、公知の方法で多セグメントフィルタストランドに移行させられ、これが次にフィルタ紙でくるまれて長さが縮められる。多セグメントフィルタのグループの、横軸方向の搬送方向から縦軸方向の搬送方向へのストランドへの移送に関しては、特許文献7を参照されたい。
【0068】
図1に概略的に17で表されたストランド形成ユニットは、例えば符号KDF2を持つ本出願人の通常のストランド形成装置である。
【0069】
図2は、タバコ加工産業の単純な二つのフィルタ搬送路ないしフィルタセグメント搬送路を概略的に立体で表す図である。取出しドラム形態の二つの取出し装置1が設けられており、これらがフィルタロッド8を不図示のフィルタロッドマガジンないし貯蔵部から取り出す。取出しドラムは、フィルタロッド8を収容するために数が60の窪み部7を有している。この取出しドラムは、ここでは取出しリング体100として示されている。取出しドラムないし取出しリング体100は、回転軸線140周りに矢印方向に回転するか、或いは然るべきシャフト(不図示)上に設けられている。フィルタロッド8は、取出し装置1によりシフト・切断装置3上へと受け渡される。
【0070】
それぞれのシフト・切断装置3は、シフト・切断リング体110を備えたシフト・切断ドラムの形態で形成されている。それぞれのシフト・切断装置3は、一つの回転軸線周りを回転するか或いはそれぞれ対応するシャフト上で回るようにして駆動されている。シフト・切断装置3上に設けられた窪み部7はここで、この例では数が61とされている。丸形カッタ6がそれぞれ設けられており、これにより、挿入されたフィルタロッド8が第一のフィルタセグメント9と第二のフィルタセグメント9’とに切断されることになる。
【0071】
第一のフィルタセグメントはその都度、続く編成ドラム形態の編成機構28上において引き渡されることで、そこに二つのフィルタセグメント9,9’が長手軸線方向に順番に対応の窪み部7に挿入されることになる。こうして、編成機構28の回転方向には、交互にフィルタセグメント9と9’が存在する。そこから、これら両方のフィルタセグメント9,9’は後続の加工のために受け渡される。例えば横軸方向にロール巻き部に、或いは縦軸方向にストランド製造機に受け渡される。シフト・切断装置3上に残っている第二のフィルタセグメント9’は、ストッパ130へとシフトされ、フィルタロッドがストッパ130へとシフトされたように或いはシフトされるように、然るべく次の周回時に編成ドラム28上に引き渡される。こうして残った空の窪み部7に再びフィルタロッド8が挿入される。
【0072】
編成ドラム28に代えて、例えば窪み部7を備えた編成搬送ベルトが設けられているのでもよい。
【0073】
変形性の一形態として、120個の窪み部7を備えた例えば取出しドラム100を設けてもよいと思われる。つまり、そのピッチは、図2に表された取出し装置1のピッチの半分である。30個の窪み部、15個の窪み部或いは前に既に述べた他の数の窪み部を設けてもよいであろう。例えば、一つのフィルタロッド8から、四つのフィルタセグメントが切り出されるようにすることも可能であろう。この場合、図2に示されたものの2倍のピッチを有する、つまり、2倍の窪み部の間隔を有する30個の窪み部の窪み数が用意されることになる。簡易な交換可能性或いは変形可能性は、様々な窪み部が設けられた取出しリング体100が相応に交換できることによって得られる。
【0074】
図3は、本発明の他の実施形態のフィルタ搬送路ないしフィルタセグメント搬送路を概略的に示す。取出しドラム形態の取出し装置1は、シフト・切断ドラム形態のシフト・切断装置3よりも遅い周速度で動いている。この速度差を相殺するために、加速ドラム2ないし段組ドラム2が設けられている。最終的には、然るべく切断されたフィルタセグメントは、シフト・切断装置3から編成ドラム28上へと引き渡される。ここで、編成ドラムに代えて、編成ベルトを設けることもできる。この場合に有意義と思われるのは、丸形カッタ6が、図3に示されているよりもシフト・切断装置3のずっと側方に配置され、その結果、編成ベルトがシフト・切断装置3の下側に配置できる場合である。
【0075】
図4は、本発明の他の実施形態を示す。ここでは、二つのフィルタセグメント搬送路が二重に、或いはフィルタセグメント二重搬送路が二つ示されている。取出し装置1’は、二つの取出しリング体100,101を含み、これら両方がともに回転軸線140の周りを回転する。取出し装置1’は、60個の窪み部を持つ取出しリング体100と、同軸に配置された40個の窪み部を持つ取出しリング体101とを備えている。上述したように別の窪み数が設けられていてもよい。このため、取出しリング体100のピッチは、取出しリング体101のピッチの1.5倍小さい。
【0076】
フィルタロッド8は、隣接する取出しリング体100又は101に向かう方の縁部でフィルタロッド8が当接するようにして、不図示のマガジンないし貯蔵部から取出し装置1により取り出される。代替的に、フィルタロッド8は、取り出されてから取出しリング体100又は101に隣接する位置までシフトされるのでもよい。フィルタロッド8は次に、二つのシフト・切断リング体110,111を含むシフト・切断装置3’上へと受け渡される。一つのシフト・切断リング体が設けられているのでもよい。このシフト・切断体の真中に、或いは二つのシフト・切断体を用いるときには二つのシフト・切断体の真中にストッパ130が設けられ、その上にフィルタロッド8ないし相応に切断されたフィルタセグメント9,9’を当てることができるということができさえすればよい。
【0077】
シフト・切断リング体110,111の窪み数は61である。それぞれのシフト・切断リング体に対して一つの丸形カッタ6が設けられており、このカッタがその都度フィルタロッド8ないしフィルタセグメント9,9’を切断する。次に、然るべく切断されたフィルタセグメント9,9’は、編成機構ないし編成ドラム28上へと引き渡される。二つのシフト・切断リング体110,111を有したシフト・切断装置3’は、一つの回転軸線141の周りを回転するか或いは一つの共通のシャフト上で回転する。
【0078】
相応に同じく構成されたさらに別のフィルタ二重搬送路が図4に示されており、この結果、共通の回転軸線ないしシャフト上に配置されている、合せて四つのフィルタ搬送路ないし各々二つのフィルタ二重搬送路が実現され或いはフィルタ二重搬送が実施される。編成ドラム28上にはこうして、長-短-長-短と交互に配置されているフィルタセグメントからなるグループが出来上がる。短いフィルタセグメントは、取出しリング体101から引き渡されたシフト・切断リング体110,111上でフィルタロッドを三つのフィルタセグメントに切断することで出来たものである。やや長めのフィルタセグメントは、フィルタロッド8を一度切断、つまりそれぞれのシフト・切断リング体110,111上で切断することでできたものである。
【0079】
図5は、本発明のさらに他の実施形態を示す。ここでは、一つの共通の回転軸線140または一つの共通のシャフト上に、取出し装置1’’に四つの取出しリング体100,101,102,103が配置されている。ピッチないし窪み部の数は、ここではそれぞれ異なっている。取出しリング体100は60個の窪み部を有し、取出しリング体101は40個の窪み部を有し、取出しリング体102は20個の窪み部を有し、さらに取出しリング体103は10個の窪み部を有する。
【0080】
取出し装置1’には、一つの共通のシャフト上に配置されたシフト・切断装置3’’が直に接続しており、そのシフト・切断装置上に四つのシフト・切断リング体110,111,112,113が設けられている。シフト・切断リング体110,111並びにシフト・切断リング体112,113の各ユニットを構成する二つのシフト・切断リング体が設けられていてもよい、これら両方のシフト・切断リング体の真中にストッパ130が設けられている。
【0081】
図5から明らかなように、取出しリング体上の窪み部の数が次第に少なくなるのに応じて、シフト・切断リング体上の異なる長さのフィルタセグメントの数が増える。切断された全てのフィルタセグメントを相応に編成機構28に引き渡すことができるように、シフトドラム120が設けられており、シフト・切断装置3’’の共通のシャフト上に配置されている編成ドラム28上にもたらすことができるように、シフトドラムが全ての収容されたフィルタセグメントを一方の側(図5の右前方)にシフトさせる。
【0082】
図6は、本発明の他の変形例を概略図で示している。この場合、取出し装置1に続いて加速ドラム2が設けられており、この加速ドラムにシフト・切断装置3が接続している。
【0083】
図7に概略的に立体的に示されているこの装置を用いて、フィルタロッド8は最初に一回切断され、フィルタセグメントとして後続の切断ドラム4上に引き渡され、そこで改めて例えば真中が切断される。然るべく切断されたフィルタセグメントは、切断ドラム4から拡開ドラム5上へと引き渡され、縦軸方向に拡開される。この然るべく拡開されたフィルタセグメント9は、次に別のフィルタセグメントを持つ編成機構において編成することができる。
【0084】
図面から単独で看取できるものも含めて上述の全ての特徴並びに他の特徴との組み合わせで開示された個々の特徴は、単独かつ組み合わせで本発明に本質的なものと見做される。本発明に係る実施形態は、個別の特徴または複数の特徴の組み合わせにより達成することができる。本発明の考え方では、“特に”或いは“好ましくは”により示された特徴は、任意の特徴として理解されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
1,1’,1’’ 取出し装置
2 加速ドラム
3,3’,3’’ シフト・切断装置
4 切断ドラム
5 拡開ドラム
6 丸形カッタ
7 窪み部
8 フィルタロッド
9,9’ フィルタセグメント
10~14 軟質部材ユニット
15 受渡しユニット
16 受渡しユニット
17 ストランド形成ユニット
19 装填輪
20 移送搬送機
21.1~21.5 貯蔵部
22.1~22.5 取出しドラム
23.1~23.5 段組ドラム
24.1~24.5 シフト・切断ドラム
25.1~25.5 段組ドラム
26.1~26.5 シフト・受渡しドラム
27 丸形カッタ
28,28.1~28.5 編成ドラム
29 受渡しドラム
30.1~30.3 拡開ドラム
31 段組ドラム
32 シフトドラム
33 千鳥ドラム
34 受渡しドラム
35 加速ドラム
36 搬送方向
100~103 取出しリング体
110~113 シフト・切断リング体
120 シフトドラム
130 ストッパ
140 回転軸線
141 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7