(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】偏光無依存集積型光変調器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20220203BHJP
H04B 10/50 20130101ALI20220203BHJP
【FI】
G02F1/01 C
H04B10/50
(21)【出願番号】P 2019540589
(86)(22)【出願日】2018-01-22
(86)【国際出願番号】 CN2018073645
(87)【国際公開番号】W WO2018137580
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2019-09-05
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ヤンジン・ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ユ・シェン・バイ
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-148389(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0337041(US,A1)
【文献】特開2014-202815(JP,A)
【文献】特開2007-171548(JP,A)
【文献】国際公開第2011/114753(WO,A1)
【文献】特開2008-076752(JP,A)
【文献】特開2000-244415(JP,A)
【文献】米国特許第05654818(US,A)
【文献】特開2014-149323(JP,A)
【文献】CHARBONNIER, B. et al.,Reflective polarisation independent Mach-Zenhder modulator for FDMA/OFDMA PON,Electronics Letters,IET,2010年12月09日,Volume: 46, Issue: 25,Page(s): 1682 - 1683,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5665833,IEL Online(IEEE Xplore), DOI: 10.1049/el.2010.8613
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
G02B 6/12-6/14
H04B 10/00、10/50
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)によって実施される変調する方法であって、
入力部で連続波(CW)光を受ける、ステップと、
第1の偏光分離回転子(PSR)によって、前記CW光を、横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離する、ステップと、
前記TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、前記TM偏光を有する前記第2の光ビームを前記第1のPSRによって回転させる、ステップと、
1つの多ポート変調器で、第1の出力信号を生成するために、データを用いて前記第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを用いて前記第3の光ビームを変調する、ステップであって、前記多ポート変調器は4つのポートを含み、
前記多ポート変調器の第1のポートで前記第3の光ビームを受け、前記多ポート変調器の第2のポートで前記第1の光ビームを受け、前記多ポート変調器の第3のポートで前記第1の出力信号を出力し、前記多ポート変調器の第4のポートで前記第2の出力信号を出力し、前記第1の光ビームを受ける
前記第2のポートは前記第2の出力信号を出力する
前記第4のポートと異なり、前記第3の光ビームを受ける
前記第1のポートは前記第1の出力信号を出力する
前記第3のポートと異なる、ステップと、
変調された出力CW光を形成するために、第2のPSRによって、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを結合する、ステップと、
前記入力部から離れた出力部で、前記変調された出力CW光を光学受信装置に送信する、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のポートと前記第2のポートとが前記多ポート変調器
の両側にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のポートと前記第4のポートとが前記多ポート変調器
の両側にある、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のポートおよび前記第4のポートが、前記多ポート変調器の前記第1のポートおよび前記第3のポートに対して前記多ポート変調器のほぼ反対側にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記多ポート変調器が、前記第3の光ビームを受けて前記第1の出力信号を出力するように構成された第1のカプラを備え、前記多ポート変調器が、前記第1の光ビームを受けて前記第2の出力信号を出力するように構成された第2のカプラを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のカプラおよび前記第2のカプラが各々、一対の導波路アームの両端にある50/50カプラである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記多ポート変調器が、4ポートマッハツェンダー変調器(MZM)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記多ポート変調器が、同相(I)変調器および直交(Q)変調器を有する4ポート同相/直交変調器(IQM)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
連続波(CW)光を受けるように構成される、入力部と、
前記入力部に動作可能に結合された第1の偏光分離回転子(PSR)であって、
CW光を横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離し、および
前記TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、前記TM偏光を有する前記第2の光ビームを回転させる
ように構成される、第1の偏光分離回転子(PSR)と、
前記第1のPSRに動作可能に結合された1つの多ポート変調器であって、
前記多ポート変調器の第1の側にある第1のポートで前記第3の光ビームを受け、
前記多ポート変調器の、前記第1の側のほぼ反対側の第2の側にある、第2のポートで前記第1の光ビームを受け、
第1の出力信号を生成するために、データを用いて前記第1の光ビームを変調し、
第2の出力信号を生成するために、データを用いて前記第3の光ビームを変調し、
前記多ポート変調器の第3のポートで前記第1の出力信号を出力し、および
前記多ポート変調器の第4のポートで前記第2の出力信号を出力する
ように構成される、多ポート変調器と、
前記多ポート変調器に動作可能に結合され、変調された出力CW光を形成するために、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを結合するように構成される、第2のPSRと、
前記第2のPSRに動作可能に結合され、前記変調された出力CW光を光学受信装置に出力するように構成されており、前記入力部から離れている、出力部と
を備える、装置。
【請求項10】
前記装置が、偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のポートおよび前記第3のポートが、前記第2のポートおよび前記第4のポートに対して前記多ポート変調器
の反対側にある、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記第3の光ビームを受けて前記第1の出力信号を出力するように構成された第1のカプラを備え、前記装置が、前記第1の光ビームを受けて前記第2の出力信号を出力するように構成された第2のカプラを備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のカプラおよび前記第2のカプラが、2x2カプラである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記多ポート変調器が、マッハツェンダー変調器(MZM)を含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記多ポート変調器が、前記第1のカプラと前記第2のカプラとの間に配置された同相(I)変調器および直交(Q)変調器を含む、同相/直交変調器(IQM)である、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2017年1月27日に出願された「Polarization insensitive integrated optical modulator」という名称の非仮特許出願第15/417,569号の優先権および利点を請求し、この出願は参照することによって本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
短距離光ネットワーク(データセンタ、集中型無線アクセスネットワーク(centralized radio access network、C-RAN)、波長分割多重化受動光ネットワーク(wave-division multiplexing passive optical network、WDM-PON)など)にとって、搬送波分配による遠隔変調は有望な技術である。このような技術を使用して集中光源を共有することにより、費用が削減され得る。
【0003】
遠隔変調に適した外部変調器(例えば、シリコン(Si)変調器)は、非気密形式でパッケージされ、熱電冷却器(thermoelectric cooler、TEC)を必要とせずに高温環境下で動作されてもよい。しかしながら、外部変調器にはいくつかの実用的な欠点がある。例えば、シリコンマッハツェンダー変調器(Mach-Zehnder modulator、MZM)などの外部変調器は、入ってくる光搬送波の偏光配向に依存する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態において、本開示は偏光無依存集積型光変調器(polarization insensitive integrated optical modulator、PIIOM)によって実施される変調する方法を含み、本方法は、入力部で連続波(continuous wave、CW)光を受けるステップと、第1の偏光分離回転子(polarization splitter-rotator、PSR)によって、CW光を、横電界(transverse electric、TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(transverse magnetic、TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離するステップと、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを第1のPSRによって回転させるステップと、多ポート変調器で、第1の出力信号を生成するために、データを有する第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを有する第3の光ビームを変調するステップと、変調された出力CW光を形成するために、第2のPSRによって、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合するステップと、入力部から離れた出力部で、変調された出力CW光を光学受信装置に送信するステップとを含む。
【0005】
実施形態では、多ポート変調器は4ポート変調器である。実施形態において、本方法は多ポート変調器の第1のポートで第3の光ビームを受けるステップと、多ポート変調器の第2のポートで第1の光ビームを受けるステップとをさらに含み、第1のポートと第2のポートとが多ポート変調器のほぼ両側にある。実施形態において、本方法は多ポート変調器の第3のポートで第1の出力信号を出力するステップと、多ポート変調器の第4のポートで第2の出力信号を出力するステップとをさらに含み、第3のポートと第4のポートとが多ポート変調器のほぼ両側にある。実施形態では、第2のポートおよび第4のポートは、多ポート変調器の第1のポートおよび第3のポートに対して多ポート変調器のほぼ反対側にある。実施形態では、多ポート変調器は、第3の光ビームを受けて第1の出力信号を出力するように構成された第1のカプラを備え、多ポート変調器は、第1の光ビームを受けて第2の出力信号を出力するように構成された第2のカプラを備える。実施形態では、第1のカプラおよび第2のカプラは各々、一対の導波路アームの両端にある50/50カプラである。実施形態では、多ポート変調器は、4ポートマッハツェンダー変調器(MZM)を含む。実施形態では、多ポート変調器は、同相(in-phase、I)変調器および直交(quadrature、Q)変調器を有する4ポート同相/直交変調器(in-phase quadrature modulator、IQM)を含む。
【0006】
実施形態において本開示は、連続波(CW)光を受けるように構成された、入力部と、入力部に動作可能に結合され、CW光を横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離し、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させるように構成される、第1の偏光分離回転子(PSR)と、第1のPSRに動作可能に結合され、多ポート変調器の第1の側にある第1のポートで前記第3の光ビームを受け、多ポート変調器の、第1の側の反対側の第2の側にある、第2のポートで第1の光ビームを受け、第1の出力信号を生成するために、データを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを用いて第3の光ビームを変調し、多ポート変調器の第3のポートで第1の出力信号を出力し、多ポート変調器の第4のポートで第2の出力信号を出力するように構成される、多ポート変調器と、多ポート変調器に動作可能に結合され、変調された出力CW光を形成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合するように構成される、第2のPSRと、第2のPSRに動作可能に結合され、変調された出力CW光を光学受信装置に出力するように構成され、入力部から離れた出力部とを含む、装置を備える。
【0007】
実施形態では、装置は、偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)である。実施形態では、第1のポートおよび第3のポートは、第2のポートおよび第4のポートに対して多ポート変調器のほぼ反対側にある。実施形態では、装置は、第3の光ビームを受けて第1の出力信号を出力するように構成された第1のカプラを備え、装置は、第1の光ビームを受けて第2の出力信号を出力するように構成された第2のカプラを備える。実施形態では、第1のカプラおよび第2のカプラは、2x2カプラである。実施形態では、多ポート変調器は、マッハツェンダー変調器(MZM)を含む。実施形態では、多ポート変調器は、第1のカプラと第2のカプラとの間に配置された同相(I)変調器および直交(Q)変調器を含む、同相/直交変調器(IQM)である。
【0008】
実施形態において本開示は、出力部から離れた入力部を有する透過型変調器を備え、透過型変調器は、入力部で受けた連続波(CW)光を横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離し、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させるように構成される、第1の偏光分離回転子(PSR)と、第1のPSRに動作可能に結合され、多ポート変調器の第1のポートで第3の光ビームを受け、多ポート変調器の第2のポートで第1の光ビームを受け、第1の出力信号を生成するために、データを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを用いて第3の光ビームを変調し、多ポート変調器の第3のポートで第1の出力信号を出力し、多ポート変調器の第4のポートで第2の出力信号を出力するように構成される、多ポート変調器と、多ポート変調器に動作可能に結合され、変調された出力信号を形成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合し、変調された出力信号を出力部に供給するように構成される、第2のPSRとを備える。
【0009】
実施形態では、第1のポートおよび第3のポートは、第2のポートおよび第4のポートに対して多ポート変調器のほぼ反対側にある。実施形態では、多ポート変調器は、4ポートマッハツェンダー変調器(MZM)、または同相(I)変調器および直交(Q)変調器を含む4ポート同相/直交変調器(IQM)のうちの1つである。実施形態では、透過型変調器は、遠隔無線ユニット(remote radio unit、RRU)、エンド・オブ・ロー(EOR)スイッチ、トップ・オブ・ラック(TOR)スイッチ、データセンタ、または波長分割多重化データセンタのうちの1つに実装される。
【0010】
明確にするために述べると、本開示の範囲内で新しい実施形態を作成するために、前述の実施形態はいずれも、他の前述の実施形態のいずれか1つ以上と組み合わされてもよい。
【0011】
これらその他の特徴は、添付の図面および特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明を参照することでより明確に理解されるであろう。
【0012】
本開示をより完全に理解するために、ここで以下の簡単な説明を参照するが、これは添付されている図面および詳細な説明に関し、同様の参照符号は同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】偏光無依存反射型変調器(polarization insensitive reflective modulator、PIRM)の概略図である。
【
図2】偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)の実施形態の概略図である。
【
図3】4ポートマッハツェンダー変調器(MZM)を含む、PIIOMの実施形態の概略図である。
【
図4】4ポート同相/直交変調器(IQM)を含む、PIIOMの実施形態の概略図である。
【
図5】無線ネットワークのフロントホールに実装された、PIIOMの実施形態の概略図である。
【
図6】データセンタ内のエンド・オブ・ロー(EOR)スイッチ、およびトップ・オブ・ラック(TOR)スイッチに実装された、PIIOMの実施形態の概略図である。
【
図7】波長分割多重化(wave-division multiplexing、WDM)データセンタに実装された、複数のPIIOMの実施形態の概略図である。
【
図9】PIIOMによって実施される変調する方法の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1つ以上の実施形態の例示的な実施が以下に示されているが、開示されるシステムおよび/または方法は現在知られている、または存在するかどうかにかかわらず、任意の技術を使用して実施されてもよいことをまず理解されたい。本開示は決して、本明細書で図示し説明する例示的な設計および実施を含む、例示されている実施、図面、および以下に示す技術に限定されるものではないが、その均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲内で修正され得る。
【0015】
図1は、PIRM100の概略図である。図示されるように、PIRM100は、結合された入力部/出力部102と、単一の偏光分離回転子(PSR)104と、変調器106とを備える。PIRM100は実用上、他の構成部品を含んでもよい。PIRM100の入力部/出力部102は、
図1ではE
in,CWと標識されている連続波(CW)光を受けるように構成される。入力部/出力部102で受けられたCW光は、PSR104に供給される。PSR104はCW光を、
図1ではTEと標識されている横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、
図1ではTMと標識されている横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離する。PSR104は、
図1ではTE’と標識されている、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させる。第1の光ビームは第1のポート108でPSR104から出力され、第3の光ビームは第2のポート110でPSR104から出力される。
【0016】
PSR104から出た後、第1の光ビームおよび第3の光ビームは、変調器106に供給される。
図1において配向されるように、第1の光ビームは変調器106の上部に入り、第3の光ビームは変調器106の下部に入る。しかしながら、光ビームは、その代わりに他の適用で変調器に入ってもよい(例えば、
図1において配向されるように左側および右側から)。一般に、PIRM100は反射型変調器であるため、2つの光ビームは反対方向から変調器106に入る。
【0017】
変調器106は、第1の出力信号を生成するためにデータを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するためにデータを用いて第3の光ビームを変調する。
図1において配向されるように、第1の出力信号は変調器106の下部から出て、第2の出力信号は変調器106の上部から出る。
【0018】
単一のPSR104は、変調された出力CW光を生成するために第1の出力信号と第2の出力信号とを結合し、これは
図1ではE
outと標識されている、変調された信号である。変調された出力CW光は、結合された入力部/出力部102を使用してPIRM100から出力されたものである。変調された出力CW光とCW光とは、両方ともPIRM100の結合された入力部/出力部102を使用するので、PIRM100は反射型変調器と呼ばれる。
【0019】
PIRM100は高速動作が可能であり、入力および出力(すなわち、搬送波分配および上りリンクデータ伝送)の両方に1本のファイバを使用することができる。PIRM100の利点にかかわらず、いくつかの用途では、別個の入力部および出力部を有する透過型変調器が所望されている。
【0020】
本明細書で開示されるのは、透過型偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)である。以下でより完全に説明されるように、PIIOMは、他の種類の変調器に勝るいくつかの利点を提供する。例えば、入ってくる光搬送波の偏波依存性は、PIIOMを使用すると排除される。これにより、外部変調が実現する。また、PIIOMは個別の入力部および出力部を使用するため、PIIOMを使用すれば搬送波と上りリンク信号とを分離する必要がない。このことは、1つの結合された入力部/出力部を使用する反射型変調器とは対照的である。したがって、以下で詳しく述べるPIIOMは、入ってくる光搬送波の偏光状態とは無関係であり、かつ透過型変調器である。
【0021】
図2は、PIIOM200の実施形態の概略図である。PIIOM200は、入力部202と、第1のPSR204と、多ポート変調器206と、第2のPSR208と、出力部210とを備える。入力部202は、
図2では入力CWと標識されているCW光を受けるように構成される。CW光は、光ファイバを経て入力部202に送信される。入力部202で受けられたCW光は、第1のPSR204に供給される。第1のPSR204はCW光を、TE偏光を有する第1の光ビームと、TM偏光を有する第2の光ビームとに分離する。第1のPSR204もまた、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するためにTM偏光を有する第2の光ビームを回転させる。第1の光ビームは
図2ではTEと標識され、第3の光ビームは
図2ではTE’と標識されている。
図2において配向されるように、第1の光ビームは第1のPSR204の上部から出力され、第3の光ビームは第1のPSR204の下部から出力される。
【0022】
第1のPSR204から出た後、第1の光ビームおよび第3の光ビームは、変調器206に供給される。実施形態では、変調器206は4ポート変調器である。第1の光ビームは2と標識されている変調器206のポート2に入り、第3の光ビームは1と標識されている変調器206のポート1に入る。図示されているように、第1の光ビームおよび第3の光ビームは、反対方向から(例えば、
図2において配向されるように上部および下部から)変調器206に入る。
【0023】
変調器206は、
図2ではSと標識されている第1の出力信号を生成するためにデータを用いて第1の光ビームを変調し、
図2ではS’と標識されている第2の出力信号を生成するためにデータを用いて第3の光ビームを変調する。
図2において配向されるように、第1の出力信号は3と標識されている変調器206のポート3から出て、第2の出力信号は4と標識されている変調器206のポート4から出る。図示されているように、第1の出力信号および第2の出力信号は、反対方向から(例えば、
図2において配向されるように下部および上部から)変調器206を出る。
【0024】
第2のPSR208は、変調器206から第1の出力信号および第2の出力信号を受信する。第2のPSR208は、
図2では出力と標識されている変調された出力CW光を生成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合する。変調された出力CW光は、PIIOM200から光ファイバに、かつ例えば、変調された光信号を受信するように構成された装置(例えば、光受信器)に出力されたものである。変調された出力CW光用の出力部210はCW光用の入力部202から離れているので、PIIOM200は透過型変調器と呼ばれる。
【0025】
図3は、PIIOM300の実施形態の概略図である。
図3のPIIOM300は、
図2のPIIOM200と類似している。実際には、PIIOM300は、
図2のPIIOM200の入力部202、第1のPSR204、多ポート変調器206、第2のPSR208、および出力部210と同様の、入力部302と、第1のPSR304と、多ポート変調器306と、第2のPSR308と、出力部310とを備える。しかしながら、PIIOM300の多ポート変調器306は4ポートMZMである。したがって多ポート変調器306は、第1のカプラ322と第2のカプラ324との間に配置された一対の導波路アーム320を備える。
【0026】
入力部302は、
図3では入力CWと標識されているCW光を受けるように構成される。CW光は、光ファイバを経て入力部302に送信される。入力部302で受けられたCW光は、第1のPSR304に供給される。第1のPSR304はCW光を、TE偏光を有する第1の光ビームと、TM偏光を有する第2の光ビームとに分離する。第1のPSR304もまた、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するためにTM偏光を有する第2の光ビームを回転させる。第1の光ビームは
図3ではTEと標識され、第3の光ビームは
図3ではTE’と標識される。
図3において配向されるように、第1の光ビームは第1のPSR304の上部から出力され、第3の光ビームは第1のPSR304の下部から出力される。
【0027】
第1のPSR304から出た後に、第1の光ビームおよび第3の光ビームは変調器306に供給され、これは
図3では4ポートMZMである。第1の光ビームは、2と標識されている変調器306のポート2に入り、第3の光ビームは、1と標識されている変調器306のポート1に入る。図示されているように、第1の光ビームおよび第3の光ビームは、反対方向から(例えば、
図3において配向されるように上部および下部から)変調器306に入る。
【0028】
第1の光ビームは第2のカプラ324で受けられ、第3の光ビームは第1のカプラ322で受けられる。実施形態では、第1のカプラ322および第2のカプラ324は、50/50カプラである。実施形態では、第1のカプラ322および第2のカプラ324は、2x2カプラである。
【0029】
変調器306は、
図3ではSと標識されている第1の出力信号を生成するために、両方の導波路アーム320でデータを用いて第1の光ビームを変調し、
図3ではS’と標識されている第2の出力信号を生成するために、両方の導波路アーム320でデータを用いて第3の光ビームを変調する。
図3において配向されるように、第1の出力信号は、変調器306の3と標識されているポート3で第1のカプラ322から出て、第2の出力信号は、変調器306の4と標識されているポート4で第2のカプラ324から出る。図示されているように、第1の出力信号および第2の出力信号は、反対方向から(例えば、
図3において配向されるように下部および上部から)変調器306を出る。
【0030】
第2のPSR308は、変調器306から第1の出力信号および第2の出力信号を受ける。第2のPSR308は、
図3では出力と標識されている変調された出力CW光を生成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合する。変調された出力CW光は、PIIOM300から光ファイバに、かつ例えば、変調された光信号を受信するように構成された装置に出力されたものである。PIIOM300は、透過型変調器と呼ばれてもよい。
【0031】
図4は、PIIOM400の実施形態の概略図である。
図4のPIIOM400は、
図3のPIIOM300と類似している。実際には、PIIOM400は、
図3のPIIOM300の入力部302、第1のPSR304、多ポート変調器306、第2のPSR308、および出力部310と同様の、入力部402と、第1のPSR404と、多ポート変調器406と、第2のPSR408と、出力部410とを備える。しかしながら、PIIOM400の多ポート変調器406は、4ポート同相/直交変調器(IQM)である。したがって多ポート変調器406は、第1のカプラ422と第2のカプラ424との間に配置される、同相(I)変調器480および直交(Q)変調器482に結合される、一対の導波路アーム420を備える。
【0032】
入力部402は、
図4では入力CWと標識されているCW光を受けるように構成される。CW光は、光ファイバを経て入力部402に送信される。入力部402で受けられたCW光は、第1のPSR404に供給される。第1のPSR404はCW光を、TE偏光を有する第1の光ビームと、TM偏光を有する第2の光ビームとに分離する。第1のPSR404もまた、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するためにTM偏光を有する第2の光ビームを回転させる。第1の光ビームは
図4ではTEと標識され、第3の光ビームは
図4ではTE’と標識される。
図4において配向されるように、第1の光ビームは第1のPSR404の上部から出力され、第3の光ビームは第1のPSR404の下部から出力される。
【0033】
第1のPSR404から出た後に、第1の光ビームおよび第3の光ビームは変調器406に供給され、これは
図4では4ポートIQMである。第1の光ビームは、2と標識されている変調器406のポート2に入り、第3の光ビームは、1と標識されている変調器406のポート1に入る。図示されているように、第1の光ビームおよび第3の光ビームは、反対方向から(例えば、
図4において配向されるように上部および下部から)変調器406に入る。
【0034】
第1の光ビームは第2のカプラ424で受けられ、第3の光ビームは第1のカプラ422で受けられる。実施形態では、第1のカプラ422および第2のカプラ424は、50/50カプラである。実施形態では、第1のカプラ422および第2のカプラ424は、2x2カプラである。
【0035】
変調器406は、各々が1つの導波路アーム420上に配置されるI変調器480およびQ変調器482を各々使用して、同相(I)データおよび直交(Q)データで第1の光ビームを変調する。変調されたI信号とQ信号との間に90度(90°)の移相が導入され、これらの信号はその後、
図4ではSと標識されている第1の出力信号を生成するために第1のカプラ422で結合される。その一方で変調器406は、各々が1つの導波路アーム420上に配置されるI変調器480およびQ変調器482を各々使用して、IデータおよびQデータで第3の光ビームを変調する。変調されたI信号とQ信号との間に90°の移相が導入され、これらの信号はその後、
図4ではS’と標識されている第2の出力信号を生成するために第2のカプラ424で結合される。
図4において配向されるように、第1の出力信号は、変調器406の3と標識されているポート3で第1のカプラ422から出て、第2の出力信号は、変調器406の4と標識されているポート4で第2のカプラ424から出る。図示されているように、第1の出力信号および第2の出力信号は、反対方向から(例えば、
図4において配向されるように下部および上部から)変調器406を出る。
【0036】
第2のPSR408は、変調器406から第1の出力信号および第2の出力信号を受ける。第2のPSR408は、
図4では出力と標識されている変調された出力信号を生成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合する。変調された出力信号は、PIIOM400から光ファイバに、かつ例えば、変調された光信号を受信するように構成された装置に出力されたものである。PIIOM400は、透過型変調器と呼ばれてもよい。
【0037】
図5は、無線ネットワーク550のフロントホールに実装された、PIIOM500の実施形態の概略図である。
図5のPIIOM500は、
図2~4のPIIOM200、300、400と類似している。したがって、簡潔にするために、PIIOM500の詳細な説明は繰り返されない。
【0038】
図5の無線ネットワーク550は、光ファイバによって遠隔無線ユニット(RRU)554に結合されたベースバンドユニット(baseband unit、BBU)552を備える。BBU552は、MUX1と標識されているマルチプレクサ560に供給する、下りリンク送信機(TX)556と上りリンクCW558とを備える。BBU552は、上りリンク受信機(RX)562をさらに備える。
【0039】
RRU554は、下りリンク受信機(RX)566およびPIIOM500に供給する、MUX2と標識されているデマルチプレクサ564を備える。実施形態では、マルチプレクサ560およびデマルチプレクサ564のうちの1つまたは両方が、WDMマルチプレクサである。実施形態では、マルチプレクサ560およびデマルチプレクサ564のうちの1つまたは両方が、粗WDMマルチプレクサである。実施形態では、マルチプレクサ560およびデマルチプレクサ564のうちの1つまたは両方が、マッハツェンダー(MZ)干渉計の形態をとる。下りリンク光ファイバは、BBU552のマルチプレクサ560をRRU554のデマルチプレクサ564に結合する。また、上りリンク光ファイバはPIIOM500を上りリンクRX562に結合する。
【0040】
動作時にマルチプレクサ560は、下りリンク送信機556から受信した信号、および上りリンクCW558から受けたCW光を多重化する。実施形態では、信号は異なる波長を有する。例えば、下りリンク送信機556は下りリンク波長を使用し、上りリンクCW558は上りリンク波長を使用する。マルチプレクサ560は、下りリンクファイバを介して、デマルチプレクサ564に多重化された信号を送信する。
【0041】
デマルチプレクサ564は、下りリンク波長および上りリンク波長を得るために、出力信号を逆多重化する。下りリンク波長は下りリンク受信機566に供給され、上りリンク波長はPIIOM500に供給される。PIIOM500は、データを用いて上りリンク波長を変調し、変調した出力信号を上りリンクファイバを使用して上りリンク受信機562に供給する。
【0042】
図6は、データセンタ650に実装された、2つのPIIOM600の実施形態の概略図である。
図6のPIIOM600は、
図2~5のPIIOM200、300、400、500と類似している。したがって、簡潔にするために、PIIOM600の詳細な説明は繰り返されない。
【0043】
図6のデータセンタ650は、CW集中光源652と、スプリッタ654と、エンド・オブ・ロー(EOR)スイッチ656と、トップ・オブ・ラック(TOR)スイッチ658とを備える。スプリッタ654は、CW光源652から受けたCW光を分離するように構成される。スプリッタ654は、光ファイバによってEORスイッチ656に、そして別の光ファイバによってTORスイッチ658に結合される。したがってスプリッタ654は、CW光の一部をEORスイッチ656に供給し、光の別の部分をTORスイッチ658に供給するように構成される。
【0044】
EORスイッチ656内のPIIOM600は、スプリッタ654から受けたCW光の一部を変調し、変調した信号を下りリンクファイバを介してTORスイッチ658内の下りリンク受信機666に送信する。同様に、TORスイッチ658内のPIIOM600は、スプリッタ654から受けたCW光の一部を変調し、変調した信号を上りリンクファイバを介してEOR656内の上りリンク受信機662に送信する。
【0045】
図7は、波長分割多重化(WDM)データセンタ750に実装された、複数のPIIOM700の実施形態の概略図である。
図7のPIIOM700は、
図2~6のPIIOM200、300、400、500、600と類似している。したがって、簡潔にするために、PIIOM
700の詳細な説明は繰り返されない。
【0046】
図7のデータセンタ750は、CW光源752と、スプリッタ754と、複数のEORスイッチ756と、ラックサーバ758とを備える(
図7では1つのラックサーバが図示されている)。実施形態では、CW光源752はWDM光源であり、したがってさまざまな異なる波長で光を生成する。異なる光の波長は
図7ではλ
1, λ
2, λ
3, ... λ
Nで表されている。スプリッタ754は、各EORスイッチ756に光を複数の波長で供給する。各EORスイッチ756はラックサーバ758のうちの1つに結合されるが、
図7では1つのEORスイッチ756とラックサーバ758との対のみが図示されている。
【0047】
スプリッタ754は、CW光源752から受けたCW光を分離するように構成される。スプリッタ754は、光ファイバによってEORスイッチ756の各々に結合される。したがってスプリッタ754は、EORスイッチ756に複数の波長を有するCW光を供給するように構成される。
【0048】
スプリッタ754からの光は、EORスイッチ756内の増幅器702によって受けられる。実施形態では、増幅器は、エルビウム添加ファイバ増幅器(erbium-doped fiber amplifier、EDFA)である。受けた光を増幅した後に、増幅器702は、EORスイッチ756内の、MUX1と標識されているデマルチプレクサ704に光を供給する。増幅器702は、上りリンク搬送波ファイバを介して、ラックサーバ758内の、MUX4と標識されているデマルチプレクサ712に光をさらに供給する。
【0049】
デマルチプレクサ704は、波長によって光を分離し、EORスイッチ756の各PIIOM700に1つの波長を供給する。変調した後に、各PIIOM700は、EORスイッチ756内の、MUX2と標識されているマルチプレクサ706に光を供給する。マルチプレクサ706は、さまざまな光の波長を再結合し、下りリンクファイバを介してラックサーバ758のデマルチプレクサ708に光を供給する。MUX3と標識されているデマルチプレクサ708は、波長によって光を分離し、各下りリンク受信機710に1つの波長を供給する。
【0050】
同様の方式で、ラックサーバ758内のMUX4と標識されているデマルチプレクサ712は、波長によって光を分離し、ラックサーバ758内の各PIIOM700に1つの波長を供給する。変調した後に、各PIIOM700は、ラックサーバ758内のMUX5と標識されているマルチプレクサ714に光を供給する。マルチプレクサ714は、さまざまな光の波長を再結合し、上りリンクファイバを介して、EORスイッチ756内のMUX6と標識されているデマルチプレクサ716に光を供給する。デマルチプレクサ716は、波長によって光を分離し、対応する上りリンク受信機718に各波長を供給する。
【0051】
図8は、本開示の実施形態による、ネットワーク装置の概略図である。装置800は、本明細書で説明される構成部品(例えば、
図2~7のPIIOM200~700)を実装するのに適している。装置800は、データ受信用の入口ポート810および受信機ユニット(Rx)820と、データを処理するためのプロセッサ、論理ユニット、または中央処理ユニット(CPU)830と、データ送信用の送信機ユニット(Tx)840および出口ポート850と、データ記憶用のメモリ860とを備える。装置800は、光信号または電気信号を出し入れするために、入口ポート810、受信機ユニット820、送信機ユニット840、および出口ポート850に結合される、光-電気(optical-to-electrical、OE)部品および電気-光(electrical-to-optical、EO)部品をさらに備えてもよい。
【0052】
プロセッサ830は、ハードウェアおよびソフトウェアによって実装される。プロセッサ830は、CPUチップ、コア(例えば、マルチコアプロセッサとして)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field-programmable gate array、FPGAs)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASICs)、またはデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSPs)のうちの1つ以上として実装されてもよい。プロセッサ830は、入口ポート810、受信機ユニット820、送信機ユニット840、出口ポート850、およびメモリ860と通信する。プロセッサ830は、セレクタモジュール870を備える。セレクタモジュール870は、前述した開示されている実施形態を実施する。例えば、セレクタモジュール870は、
図2~7のPIIOM200~700によって実行される変調を実施する。したがってセレクタモジュール870を含むことにより、装置800の機能性に実質的な改善がもたらされ、装置800を異なる状態に転換する効果がある。あるいは、セレクタモジュール870は、メモリ860に記憶されプロセッサ830によって実行される命令として実装される。
【0053】
メモリ860は、1つ以上のディスク、テープドライブ、およびソリッドステートドライブを備え、実行するためにプログラムが選択されたときにこのようなプログラムを記憶し、プログラムの実行中に読み出される命令およびデータを記憶するために、オーバーフローデータ記憶装置として使用されてもよい。メモリ860は、揮発性および不揮発性であってもよく、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、三値連想メモリ(ternary content-addressable memory、TCAM)またはスタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)であってもよい。
【0054】
例示的な実施形態では、装置800は、連続波(CW)光を受ける受信モジュールと、CW光を、横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離するスプリッタモジュールと、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させる回転子モジュールと、第1の出力信号を生成するためにデータを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するためにデータを用いて第3の光ビームを変調する変調器モジュールと、変調された出力CW光を形成するために第1の出力信号と第2の出力信号とを結合する結合器モジュールと、入力部から離れた出力部で、変調された出力CW光を光学受信装置に送信する送信モジュールとを備える。いくつかの実施形態では、装置800は、実施形態で説明されるいずれか1つのステップ、またはステップの組み合わせを実行するための他のモジュールまたは追加のモジュールを備えてもよい。また、本方法の追加の実施形態または態様、あるいは代替実施形態または態様はいずれも、いずれかの図面に示す通り、またはいずれかの請求項に記載される通りに、これも類似のモジュールを含むものと考えられる。
【0055】
図9は、PIIOM(例えば、
図2~
図7のPIIOM200~700)によって実施される変調する方法の実施形態である。本方法は、光信号の変調が所望されるときに実施され得る。ブロック902において、連続波(CW)光が入力部(例えば、
図2~4の入力部202~402)で受けられる。ブロック904において、第1のPSR(例えば、
図2~4のPSR204~404)はCW光を、TE偏光を有する第1の光ビームと、TM偏光を有する第2の光ビームとに分離する。ブロック906において、第1のPSRは、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させる。
【0056】
ブロック908において、多ポート変調器(例えば、
図2~4の変調器206~406)は、第1の出力信号を生成するためにデータを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するためにデータを用いて第3の光ビームを変調する。ブロック910において、第2のPSR(例えば、
図2~4のPSR208~408)は、変調された出力CW光を形成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合する。ブロック912において、変調された出力CW光は、入力部から離れた出力部(例えば、
図2~4の出力部210~410)で、光学受信装置に送信される。
【0057】
偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)によって実施される変調する方法は、入力手段で連続波(CW)光を受けるステップと、第1の偏光分離回転子(PSR)手段によって、CW光を、横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離するステップと、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを第1のPSR手段によって回転させるステップと、多ポート変調器手段で、第1の出力信号を生成するために、データを有する第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを有する第3の光ビームを変調するステップと、変調された出力CW光を形成するために、第2のPSR手段によって、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合するステップと、入力手段から離れた出力手段で、変調された出力CW光を光学受信装置に送信するステップとを含む。
【0058】
装置は、連続波(CW)光を受けるように構成された、入力手段と、入力部に動作可能に結合され、CW光を横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離し、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させるように構成される、第1の偏光分離回転子(PSR)手段と、第1のPSRに動作可能に結合され、多ポート変調器の第1の側にある第1のポートで第3の光ビームを受け、多ポート変調器の、第1の側のほぼ反対側の第2の側にある、第2のポートで第1の光ビームを受け、第1の出力信号を生成するために、データを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを用いて第3の光ビームを変調し、多ポート変調器手段の第3のポートで第1の出力信号を出力し、多ポート変調器手段の第4のポートで第2の出力信号を出力するように構成される、多ポート変調器手段と、多ポート変調器手段に動作可能に結合され、変調された出力CW光を形成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合するように構成される、第2のPSR手段と、第2のPSR手段に動作可能に結合され、変調された出力CW光を光学受信装置に出力するように構成され、入力手段から離れた出力手段とを備える。
【0059】
出力手段から離れた入力手段を有する透過型変調器は、入力部で受けた連続波(CW)光を横電界(TE)偏光を有する第1の光ビームと、横磁界(TM)偏光を有する第2の光ビームとに分離し、TE偏光を有する第3の光ビームを生成するために、TM偏光を有する第2の光ビームを回転させるように構成される、第1の偏光分離回転子(PSR)手段と、第1のPSRに動作可能に結合され、多ポート変調器手段の第1のポートで第3の光ビームを受け、多ポート変調器手段の第2のポートで第1の光ビームを受け、第1の出力信号を生成するために、データを用いて第1の光ビームを変調し、第2の出力信号を生成するために、データを用いて第3の光ビームを変調し、多ポート変調器手段の第3のポートで第1の出力信号を出力し、多ポート変調器手段の第4のポートで第2の出力信号を出力するように構成される、多ポート変調器手段と、多ポート変調器手段に動作可能に結合され、変調された出力信号を形成するために、第1の出力信号と第2の出力信号とを結合し、変調された出力信号を出力手段に供給するように構成される、第2のPSR手段とを備える。
【0060】
本開示においていくつかの実施形態が提供されているが、開示されているシステムおよび方法は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、その他多くの特定の形態で具体化されてもよいことは理解されよう。本例は、例示的であって限定的ではないとみなされるべきであり、その意図は、本明細書に示されている詳細に限定することではない。例えば、さまざまな要素または構成部品が、別のシステムと組み合わせられるか、またはこれと一体化されてもよく、あるいはいくつかの特徴は、省略されるかまたは実装されなくてもよい。
【0061】
また、個別または別のものとして、さまざまな実施形態において説明され図示される技術、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、ユニット、技術、または方法と組み合わせられるかまたはこれと一体化されてもよい。互いに結合または直接結合され、あるいは互いに通信するものとして図示され説明される他の品目は、いくつかのインターフェース、装置、または中間部品に、あるいはこれらを通じて、電気的に、機械的に、または別の方法で間接的に結合または通信してもよい。他の変更、置換、および代替の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書で開示される精神および範囲から逸脱することなく作成され得る。
【符号の説明】
【0062】
100 偏光無依存反射型変調器(PIRM)
102 入力部/出力部
104 偏光分離回転子(PSR)
106 変調器
108 第1のポート
110 第2のポート
200 偏光無依存集積型光変調器(PIIOM)
202 入力部
204 第1の偏光分離回転子(PSR)
206 多ポート変調器
208 第2の偏光分離回転子(PSR)
210 出力部
300 PIIOM
302 入力部
304 第1のPSR
306 多ポート変調器
308 第2のPSR
310 出力部
320 導波路アーム
322 第1のカプラ
324 第2のカプラ
400 PIIOM
402 入力部
404 第1のPSR
406 多ポート変調器
408 第2のPSR
410 出力部
420 導波路アーム
422 第1のカプラ
424 第2のカプラ
480 同相(I)変調器
482 直交(Q)変調器
500 PIIOM
550 無線ネットワーク
552 ベースバンドユニット(BBU)
554 遠隔無線ユニット(RRU)
556 下りリンク送信機(TX)
558 上りリンクCW
560 マルチプレクサ
562 上りリンク受信機(RX)
564 デマルチプレクサ
566 下りリンク受信機(RX)
600 PIIOM
650 データセンタ
652 CW集中光源
654 スプリッタ
656 EORスイッチ
658 TORスイッチ
662 上りリンク受信機(RX)
666 下りリンク受信機(RX)
700 PIIOM
702 増幅器
704 デマルチプレクサ
706 マルチプレクサ
708 デマルチプレクサ
710 下りリンク受信機(RX)
712 デマルチプレクサ
714 マルチプレクサ
716 デマルチプレクサ
718 上りリンク受信機(RX)
750 波長分割多重化WDMデータセンタ
752 CW光源
754 スプリッタ
756 EORスイッチ
758 ラックサーバ
800 装置
810 入口ポート
820 受信機ユニット(RX)
830 プロセッサ
840 送信機ユニット(TX)
850 出口ポート
860 メモリ
870 セレクタモジュール
900 変調する方法