(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】チャイルドセーフティシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B60N2/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020002217
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2020-03-03
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】カイル エス. メイスン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー マ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド エイ.レーマン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0126877(US,A1)
【文献】特開2007-283781(JP,A)
【文献】特開2002-029298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドセーフティシートであって、
背もたれ、前記背もたれと対向位置にあるフロントエンド、及び、前記背もたれと前記フロントエンドとの間に延在するシート部分を有する、子供を受け容れるためのシートシェルと、
前記子供の脚部を配置する空間を形成するために調整可能な、前記シートシェルの前記フロントエンドに隣接して配置される拡張手段であって、前記拡張手段は、前記シートシェルと摺動可能に接続し、前端部を有し、前記シートシェルに対して摺動可能であり、前記拡張手段の前記前端部と前記シートシェルの前記フロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させ得る、拡張手段と、
シートシェルに対して
前記拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、
前記拡張手段に取り付け可能であるとともに、前記拡張手段から取り外し可能であるアンチリバウンド部であって、前記チャイルドセーフティシートは前記アンチリバウンド部によって後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、前記アンチリバウンド部は前記拡張手段に
配置され、前記車両シートのシートバックに隣接する、アンチリバウンド部と、
を備える、チャイルドセーフティシート。
【請求項2】
前記拡張手段はソケットを有し、
前記アンチリバウンド部は前記ソケットに挿入可能な管部分を有する、
請求項1記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項3】
前記チャイルドセーフティシートはさらに、
前記拡張手段上の前記アンチリバウンド部をロックするために作動可能なアンチリバウンドロック機構であって、前記アンチリバウンド部の前記管部分と組み立てられたラッチを含む、アンチリバウンドロック機構と、
前記拡張手段と組み立てられたリリースアクチュエータであって、前記ラッチは、前記管部分が前記ソケットに挿入される場合に、前記拡張手段に係合し、前記アンチリバウンド部を前記拡張手段にロックし得、前記リリースアクチュエータは、前記ラッチを前記拡張手段から係合解除するように作動可能であり、前記アンチリバウンド部を前記拡張手段から取り除き得る、リリースアクチュエータと、
を有する、請求項2記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項4】
前記ソケットは、開口及びシャッタを有し、
前記シャッタは、バネ作用によって付勢されており、前記アンチリバウンド部が前記拡張手段から除去される場合に、前記ソケットの前記開口を閉鎖し得る、
前記アンチリバウンド部の前記管部分は、前記シャッタを押圧することにより前記ソケットの前記開口に挿入可能である、
請求項2又は3記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項5】
前記アンチリバウンド部は、凹部を形成する屈曲部を有し、
前記アンチリバウンド部は、第1構成において、前記シートシェルに対して後ろを向く前記凹部によって前記拡張手段に取り付け可能であり、第2構成において、前記シートシェルに対して前を向く前記凹部によって前記拡張手段に取り付け可能である、
請求項1乃至4いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項6】
前記拡張ロック機構は、拡張手段にそれぞれ接続されるロック部とリリース部とを有し、
前記ロック部は、前記シートシェルと係合するように移動可能であり、前記拡張手段を前記シートシェルに対して位置ロックし得る、
前記リリース部は、前記ロック部を前記シートシェルから係合解除させるように作動可能であり、前記拡張手段をアンロックし得る、
請求項1乃至5いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項7】
前記拡張手段は、
前記シート部分の幅にわたって延在する横方向部分と、
前記横方向部分にそれぞれ接続され、前記シート部分の左側及び右側において前記横方向部分の上方に隆起する、2つの屈曲部分と、
を有し、
前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段の前記2つの屈曲部分上にそれぞれ配置可能である、
請求項1乃至6いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項8】
前記拡張手段は、シート部分の幅にわたって延在する横方向部分を含み、前記拡張手段は、前記チャイルドセーフティシートの前方における脚部空間を調整するために、前記シートシェルに対して摺動可能である、
請求項1乃至6いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項9】
チャイルドセーフティシートであって、
背もたれ、前記背もたれに対向位置にあるフロントエンド、及び、前記背もたれと前記フロントエンドとの間に延在するシート部分を有する、子供を受け容れるためのシートシェルと、
前記シートシェルの前記フロントエンドに隣接して配置され、前記シートシェルに摺動可能に接続される拡張手段であって、前記拡張手段は、前端部と、前記シート部分の幅にわたって延在する横方向部分と、前記横方向部分にそれぞれ接続し、前記シート部分の左側及び右側において前記横方向部分の上方に隆起する、2つの屈曲部分と、を有し、前記シートシェルに対して摺動可能であり、前記拡張手段の前記前端部と前記シートシェルの前記フロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させ得る、拡張手段と、
シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、
前記拡張手段によって担持されるアンチリバウンド部であって、前記チャイルドセーフティシートは、前記アンチリバウンド部によって後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段の上方の角度において延在し、前記車両シートのシートバックに隣接し、前記アンチリバウンド部は、シートシェルに対して前記拡張手段とともに移動可能である、アンチリバウンド部と、
を備える、チャイルドセーフティシート。
【請求項10】
前記アンチリバウンド部は前記拡張手段の前記2つの屈曲部分の内の少なくとも1つと接続されている、
請求項
9記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項11】
前記アンチリバウンド部は、横方向部分と2つの側方部分とを有し、
前記2つの側方部分は、前記拡張手段の前記2つの屈曲部分の上に
配置されている、
請求項
10記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項12】
前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段に対して、展開するための前方方向に、及び、収納するための後方方向に移動可能であり、
前記アンチリバウンド部は第1角度位置において前記拡張手段に対して収納され、前記第1角度位置から傾く第2角度位置において前記拡張手段に対して展開され、
前記アンチリバウンド部は、前記第2角度位置において、前方かつ上方に延在する、
請求項
9記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項13】
前記アンチリバウンド部は遠位端を有し、
前記アンチリバウンド部の前記遠位端は、前記第1角度位置において、前記拡張手段の前記前端部に隣接して配置されており、第2角度位置において、前記拡張手段の前記前端部から離れるように変位されている、
請求項
12記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項14】
前記アンチリバウンド部は、2つのバーを有するリンクを介して前記拡張手段と接続されており、
前記2つのバーのそれぞれは、前記拡張手段及び前記アンチリバウンド部と、それぞれ枢動可能に接続されている、
請求項
12又は13記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項15】
前記チャイルドセーフティシートは、さらに、
前記拡張手段に対して前記アンチリバウンド部をロックするために作動可能なアンチリバウンドロック機構を備え、
前記アンチリバウンドロック機構は、前記拡張手段と接続されたラッチを有し、
前記ラッチは、前記2つのバーのうちの1つに設けられたロック構造と係合するために移動可能であり、前記拡張手段に対して前記アンチリバウンド部をロックし得る、
請求項
14記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項16】
前記拡張手段は、ガイドトラックを有し、
前記アンチリバウンド部は、前記ガイドトラックに沿って摺動するようにガイドされるピンを有する、
請求項
12又は13記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項17】
前記ガイドトラックは、相互に接続される第1トラック部分及び第2トラック部分を有し、
前記第1トラック部分は直線形状を有し、
前記第2トラック部分はアーチ状形状を有し、
前記第1トラック部分に沿った前記ピンの摺動動作は、前記第1角度位置と中間位置との間の前記アンチリバウンド部の摺動変位に相応し、
前記第2トラック部分に沿った前記ピンの摺動動作は、前記中間位置と前記第2角度位置との間の前記アンチリバウンド部の回転に相応する、
請求項
16記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項18】
前記アンチリバウンド部は、伸縮式の構造を有する、
請求項
9、12、13、16又は17記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項19】
前記アンチリバウンド部は、前記2つの屈曲部分のうちの一方と枢動可能に接続されるパドルであり、
前記チャイルドセーフティシートは、前記2つの屈曲部分のうちの他方と枢動可能に接続される第2パドルの形態の他のアンチリバウンド部を有し、
2つのパドルは、前記拡張手段に対して独立して回転可能である、
請求項
9記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項20】
前記アンチリバウンド部は、T字状のバーである、
請求項
9記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項21】
前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段の前記横方向部分と中間位置において接続されている、
請求項
9又は20記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項22】
前記拡張ロック機構は、拡張手段にそれぞれ接続されるロック部及びリリース部を有し、
前記ロック部は、前記シートシェルと係合するように移動可能であり、前記拡張手段を前記シートシェルに対して位置ロックし得る、
前記リリース部は、前記ロック部を前記シートシェルから係合解除させるように作動可能であり、前記拡張手段をアンロックし得る、
請求項
9乃至21いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項23】
チャイルドセーフティシートであって、
背もたれ、前記背もたれに対向位置にあるフロントエンド、及び、前記背もたれと前記フロントエンドとの間に延在するシート部分を有する、子供を受け容れるためのシートシェルと、
前記シートシェルの前記フロントエンドに隣接して配置される拡張手段であって、前記拡張手段は、前記シートシェルに摺動可能に接続し、前端部を有し、前記シートシェルに対して摺動可能であり、前記拡張手段の前記前端部と前記シートシェルの前記フロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させ得る、拡張手段と、
シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、
前記拡張手段によって担持され、遠位端を有するアンチリバウンド部であって、前記チャイルドセーフティシートは、前記アンチリバウンド部によって後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段の上方に延在し、前記車両シートのシートバックに隣接し、前記アンチリバウンド部の前記遠位端は、前記アンチリバウンド部が前記拡張手段に対する第1角度位置において収納される場合に、前記拡張手段の前記前端部に隣接して配置され、前記アンチリバウンド部が前記第1角度位置に対して傾く第2角度位置に展開される場合に、前記拡張手段の前記前端部から離れるように変位する、アンチリバウンド部と、
を備えるチャイルドセーフティシート。
【請求項24】
前記アンチリバウンド部は、2つのバーを有するリンクを介して前記拡張手段と接続されており、
前記2つのバーのそれぞれは、前記拡張手段及び前記アンチリバウンド部と、それぞれ枢動可能に接続されている、
請求項
23記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項25】
前記チャイルドセーフティシートは、さらに、
前記拡張手段に対して前記アンチリバウンド部をロックするために作動可能なアンチリバウンドロック機構を備え、
前記アンチリバウンドロック機構は前記拡張手段と接続されたラッチを有し、
前記ラッチは、前記拡張手段に対して前記アンチリバウンド部をロックするための前記2つのバーのうちの1つに設けられたロック構造と係合するために移動可能である、
請求項
24記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項26】
前記拡張手段は、ガイドトラックを有し、
前記アンチリバウンド部は、前記ガイドトラックに沿って摺動するようにガイドされるピンを有する、
請求項
23記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項27】
前記ガイドトラックは、相互に接続される第1トラック部分及び第2トラック部分を有し、
前記第1トラック部分は直線形状を有し、
前記第2トラック部分はアーチ状形状を有し、
前記第1トラック部分に沿った前記ピンの摺動動作は、前記第1角度位置と中間位置との間の前記アンチリバウンド部の摺動変位に相応し、
前記第2トラック部分に沿った前記ピンの摺動動作は、前記中間位置と前記第2角度位置との間の前記アンチリバウンド部の回転に相応する、
請求項
26記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項28】
前記アンチリバウンド部は、伸縮式の構造を有する、
請求項
23、26又は27記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項29】
前記アンチリバウンド部は、前記拡張手段とその左側において枢動可能に接続されるパドルであり、
前記チャイルドセーフティシートは、前記拡張手段とその右側において枢動可能に接続される第2パドルの形態の他のアンチリバウンド部を有し、
2つのパドルは、前記拡張手段に対して独立して回転可能である、
請求項
23記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項30】
前記拡張ロック機構は、拡張手段にそれぞれ接続されるロック部及びリリース部を有し、
前記ロック部は、前記拡張手段を前記シートシェルに対して位置ロックするために、前記シートシェルと係合するように移動可能であり、
前記リリース部は、前記拡張手段をアンロックするために、前記ロック部を前記シートシェルから係合解除させるように作動可能である、
請求項
23乃至29いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項31】
前記拡張手段は、シート部分の幅にわたって延在する横方向部分を含み、前記拡張手段は、前記チャイルドセーフティシートの前方における脚部空間を調整するために、前記シートシェルに対して摺動可能である、
請求項23乃至30いずれか1項記載のチャイルドセーフティシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月10日に出願された米国仮出願第62/790,707号、及び2019年5月6日に出願された米国仮出願第62/843,692号に基づく優先権をそれぞれ主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明はチャイルドセーフティシートに関する。
【背景技術】
【0003】
チャイルドセーフティシートは、典型的には、衝突事故の際に子供を適切に拘束するために自動車に使用される。チャイルドセーフティシートは、後ろ向き位置(a rear facing position)に配置されると、より良好な保護を提供できることが広く知られている。衝突力を本体(the body)のより大きな部分(すなわち、頭部を支持する背部(the back supporting the head)に分散させることができるからである。したがって、通常、シートに許容される最高の体重又は高さに子供が達するまで、可能な限り長く、後ろ向き位置でチャイルドセーフティシートを使用することが推奨される。
【0004】
異なる年齢の子供を収容するために、いくつかのチャイルドセーフティシートは、後ろ向き位置において、脚部空間を増減させるように調整可能な拡張パネルを有する。しかしながら、チャイルドセーフティシートが車両に取り付けられる領域は、形状及びサイズが大きく異なる可能性があり、拡張パネルの構成は、車両シート内へのチャイルドセーフティシートの不所望な回転を防止するために、必ずしも適切な支持を提供しない可能性がある。
【0005】
したがって、少なくとも前述の問題に対処することができ、よりフレキシブルに使用される、改良されたチャイルドセーフティシートが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、拡張手段と、必要に応じて調整できるアンチリバウンド部と、を有するチャイルドセーフティシートであって、より一層のフレキシビリティを提供することができ、使用上より安全であるチャイルドセーフティシートを記載する。
【0007】
一実施形態によれば、チャイルドセーフティシートは、子供を受け容れるためのシートシェルと、拡張手段と、シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、アンチリバウンド部とを有する。シートシェルは、背もたれと、背もたれに対向位置にあるフロントエンドと、背もたれとフロントエンドとの間に延在するシート部分と、を有する。拡張手段は、シートシェルのフロントエンドに隣接して配置されており、シートシェルと摺動可能に接続されており、前端部を有する。拡張手段は、拡張手段の前端部とシートシェルのフロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させるために、シートシェルに対して摺動可能である。アンチリバウンド部は、拡張手段に取り付け可能であるとともに拡張手段から取り外し可能であり、チャイルドセーフティシートは、拡張手段に制限的に配置され且つ車両シートのシートバック(a seatback)に隣接するアンチリバウンド部によって、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能である。
【0008】
他の実施態様によれば、本願明細書において記載されているチャイルドセーフティシートは、子供を受け容れるためのシートシェルと、拡張手段と、シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、アンチリバウンド部とを有する。シートシェルは、背もたれと、背もたれに対向位置にあるフロントエンドと、背もたれとフロントエンドとの間に延在するシート部分とを有する。拡張手段は、シートシェルのフロントエンドに隣接して配置され、シートシェルに摺動可能に接続される。拡張手段は、前端部と、シート部分の幅にわたって延在する横方向部分と、横方向部分にそれぞれ接続され、シート部分の左側及び右側において横方向部分の上方に隆起する、2つの屈曲部分と、拡張手段の前端部とシートシェルのフロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させるために、シートシェルに対して摺動可能である、拡張手段と、を有する。アンチリバウンド部は、拡張手段によって担持され、チャイルドセーフティシートは、拡張手段の上方の角度において延在し且つ車両シートの背もたれに隣接するアンチリバウンド部によって、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、アンチリバウンド部は、シートシェルに対して拡張手段とともに移動可能である。
【0009】
他の実施態様によれば、本明細書に記載されているチャイルドセーフティシートは、子供を受け容れるためのシートシェルと、拡張手段と、シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、アンチリバウンドロック部とを有する。シートシェルは、背もたれ、背もたれに対向位置にあるフロントエンド、及び、背もたれとフロントエンドとの間に延在するシート部分を有する子供を受け容れるためのシートシェルを有する。拡張手段は、シートシェルのフロントエンドに隣接して配置され、シートシェルに摺動可能に接続され、拡張手段は、前端部と、拡張手段の前端部とシートシェルのフロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させるためにシートシェルに対して摺動可能である、拡張手段と、を有する。アンチリバウンド部は、拡張手段によって担持され、遠位端を有し、チャイルドセーフティシートは、拡張手段の上方で延在し且つ車両シートの背もたれに隣接するアンチリバウンド部によって、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、アンチリバウンド部の遠位端は、アンチリバウンド部が第1角度位置において前記拡張手段に対して収納される場合に、拡張手段の前記前端部に隣接して配置され、アンチリバウンド部が第1角度位置に対して傾く第2角度位置に展開される場合に、拡張手段の前端部から離れるように変位する。
【0010】
さらに、他の実施態様によれば、本明細書に記載されているチャイルドセーフティシートは、子供を受け容れるためのシートシェルと、拡張手段と、シートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構と、アンチリバウンドロック部とを有する。シートシェルは、背もたれと、背もたれに対向位置にあるフロントエンドと、背もたれとフロントエンドとの間に延在するシート部分と、を有する。拡張手段は、シートシェルのフロントエンドに隣接して配置されており、拡張手段は、シートシェルと摺動可能に接続されるとともに、前端部を有し、拡張手段は、拡張手段の前端部とシートシェルのフロントエンドとの間の距離を増加させ又は減少させるために、シートシェルに対して摺動可能である。アンチリバウンド部は、シートシェルと接続されており、チャイルドセーフティシートは、拡張手段の上方の角度において延在し且つ車両シートの背もたれに隣接するアンチリバウンド部によって、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】チャイルドセーフティシートの一実施形態を斜視図で示す図である。
【
図2】チャイルドセーフティシートのシートシェルに対して拡張手段をロックするように作動可能な拡張ロック機構の部分断面図を概略的に示す図である。
【
図3】アンロック状態における
図2の拡張ロック機構を模式的に示すの部分断面図である。
【
図4】アンチリバウンド部を取り付けられた
図1のチャイルドセーフティシートを示す側面図である。
【
図5】アンチリバウンド部を取り付けられた
図1のチャイルドセーフティシートを別の構成で示す側面図である。
【
図6】拡張手段に取り付けられたアンチリバウンド部を示す斜視図である。
【
図7】拡張手段に取り付けられた
図6のアンチリバウンド部のさらなる構造的詳細を示す断面図である。
【
図8】チャイルドセーフティシートに設けられたアンチリバウンド部の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図9】中間位置におけるアンチリバウンド部を有する
図8の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図10】展開位置におけるアンチリバウンド部を有する
図8の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図11】
図8の実施形態における拡張手段を有するアンチリバウンド部の組立体を示す斜視図である。
【
図12】チャイルドセーフティシートに設けられたアンチリバウンド部の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図13】中間位置におけるアンチリバウンド部を有する
図12の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図14】展開位置におけるアンチリバウンド部を有する
図12の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図15】チャイルドセーフティシートの拡張手段に枢動可能に接続された2つのアンチリバウンド部の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図16】チャイルドセーフティシートの拡張手段に枢動可能に接続されたアンチリバウンド部の別の変形実施形態を示す側面図である。
【
図17】チャイルドセーフティシートの拡張手段に枢動可能に接続されたT字形のアンチリバウンド部の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図18】チャイルドセーフティシートに設けられたアンチリバウンド部の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図19】
図18に示す実施形態におけるアンチリバウンド部をシートシェルに結合する枢動接続部のさらなる構造詳細を示す分解図である。
【
図20】チャイルドセーフティシートに設けられたアンチリバウンド部の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図21】チャイルドセーフティシートに設けられた取り外し可能なアンチリバウンド部の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図22】チャイルセーフティドシートに設けられたアンチリバウンド部が調節可能な長さを有することができる別の実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図23】チャイルセーフティドシートに設けられたアンチリバウンド部が調節可能な長さを有することができる別の実施形態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、子供を車内に座らせるのに適したチャイルドセーフティシート100の一実施形態を示す斜視図である。チャイルドセーフティシート100は、ベース102と、ベース102に取り外し可能に取り付けることができるチャイルドキャリア104とを含むことができる。ベース102は、チャイルドキャリア104に対する安定的な支持を提供することができ、また、チャイルドキャリア104のリクライニング調整を可能にする。チャイルドキャリア104は、シート部分108と背もたれ110とを有する子供を受け容れるためのシートシェル106を有する。シート部分108及び背もたれ110を有するシートシェル106は、プラスチック成形(plastic molding)によって形成することができる。シートシェル106は、ベース102の上表面に接触して静止する(rest in contact)ことができるシートシェル106の下側で突出する2つの支持レール112を含むことができる。ベース102上に配置されると、ファスナシステムは、チャイルドキャリア104を位置ロックする(lock the child carrier 104 in position)ように作動可能である。次に、チャイルドキャリア104とベース102の組立体は、車両シート上に適切な構成で、特に後ろ向き位置において(すなわち、車両シートのシートバック(a seatback)に面して)、取り付けられることができる。
【0013】
シートシェル106のシート部分108は、子供が座ることができる上表面108Aを有することができ、背もたれ110からシートシェル106の前方に向かって延在し、背もたれ110と対向位置にある又は反対側の(opposite to)シートシェル106のフロントエンド106Aで終端することができる。背もたれ110は、子供の身長に適応するように調節可能なヘッドレスト114と組み立てられることができる。さらに、シートシェル106は、シートシェル106の左右の境界に隣接して配置され、上表面108Aから上方に隆起する2つの横方向ガード部分116を有することができる。2つの横方向ガード部分116は、シートシェル106に受け容れられる子供の横方向の動きを制限することができる。
【0014】
拡張手段120は、シートシェル106のフロントエンド106Aに隣接して配置されることができ、シートシェル106の後方から前方に延在する長手軸に沿った変位のために、シートシェル106に摺動可能に接続されることができる。拡張手段120は、シート部分108の幅にわたって延在する横方向部分120Aと、前記横方向部分120Aの左側及び右側にそれぞれ接続される2つの屈曲部分120Bと、前端部120Cと、を有することができる。屈曲部分120Bは、横方向部分120Aから上方に隆起することができ、前端部120Cは、横方向部分120Aによって支持され得る。一実施形態において、拡張手段120(横部分120A、2つの屈曲部分120Bおよび前端部120Cを含む)は、一体品(an integral body)として形成されてもよい。それにより形成される拡張手段120は、拡大された(enlarged)横方向部分120Aを有する略U字形を備えることができる。拡張手段120は、概ねシートシェル106のフロントエンド106Aからシートシェル106の後部に向かって延在する、シートシェル106のキャビティを通って配置されることができ、横方向部分120Aは上表面108Aの下にあり、2つの屈曲部分120Bはそれぞれ横方向ガード部分116の下側に隣接することができる。拡張手段120は、拡張手段120の前端部120Cとシートシェル106のフロントエンド106Aとの間の距離を増減させるために、シートシェル106に対して摺動可能である。例えば、拡張手段120は、拡張手段120の前端部120Cがシートシェル106のフロントエンド106Aから離れるように前方に展開される第1位置へ、シートシェル106に対して前方に摺動することができ、前端120Cがシートシェル106のフロントエンド106Aと隣接する第2位置へ、シートシェル106内に後退することができる。さらに、拡張手段120は、上述の第1位置と第2位置との間の複数の中間位置を占めることもできる。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置で車両シートに取り付けられる場合、拡張手段120の前端部120Cは、車両シートのシートバックに隣接して配置されてもよく、延長部材120は、子供の脚を配置するためにチャイルドセーフティシート100の前方に多少のスペースを設けるように調整されてもよい。したがって、拡張手段120は、異なる年齢の子供を収容するための脚部空間の調整を可能にする。
【0015】
図1に関連して、
図2及び
図3は、シートシェル106に対して拡張手段120をロックするように作動可能な拡張ロック機構122を概略的に示す部分断面図である。拡張ロック機構122は、互いに横方向に離間した2つの位置で拡張手段120と接続される2つのロック部124を含むことができる。拡張手段120は、横方向部分120Aに接続され、シートシェル106の2つの側壁126の間に配置される取付部分120Dを有することができる。2つのロック部124は、枢動軸R1及びR2まわりに枢動可能に拡張部材120と接続されることができ、取付部分120Dの左側及び右側端部に隣接して配置されることができる。ロック部124のそれぞれは、枢動軸R1又はR2から偏心して配置されるピン124Aで固定されることができる。ロック部124は、シートシェル106に対して拡張手段120を位置ロックするために、シートシェル106の2つの側壁126とそれぞれ係合するように、拡張手段120に対して回転することができる。より詳しくは、各側壁126は複数の開口128を有することができ、関連するロック部124は、それぞれ、第1位置において拡張手段120をロックするために開口128のうちの第1開口と係合することができ、第2位置において拡張手段120をロックするために開口128のうちの第2開口と係合することができる。
【0016】
拡張ロック機構122は、拡張手段120と組み立てられ、2つのロック部124の間のギャップ132内で長手方向に延在するリリース部130をさらに有することができる。リリース部130は、シートシェル106の前方から後方に延在する長手軸に沿って摺動変位するように拡張手段120に接続されることができ、拡張手段120の中央位置に配置される。2つの細長いスロット130Aは、2つの横方向に離間した位置においてリリース部130を介して形成されることができる。リリース部130が拡張手段と組み立てられる場合、2つのロック部124の2つのピン124Aは、それぞれ2つのスロット130Aに受け入れられ、スロット130Aの長さは、ピン124Aよりも長く、したがって、リリース部130とロック部124との間の相対的な変位が制限される。リリース部130は、前端部120Cの近くに配置されることができ、前端部120Cと共に形成されるキャップ134の後方に隠されることができる。リリース部130は、
図2に示すロック位置と
図3に示すアンロック位置との間で移動可能である。
図2に示すロック位置では、ロック部124は、拡張手段120を位置ロックするために、シートシェル106の側壁126と係合することができる。ロック部124を付勢して側壁126と係合するために、ねじりバネ136を用いることができる。
【0017】
ロック部124をアンロックするために、リリース部130は前方に引っ張られ、したがって、ロック部124のアンロック回転を可能にするために、リリース部130はギャップ132から離れるように拡張手段120に対して移動する。リリース部130がさらに前方に移動し続けると、スロット130Aの端縁は、それぞれピン124Aに接触して係合することができ、それにより、ロック部124は、拡張手段120のアンロックのためにシートシェル106の側壁126から係合解除するように、リリース部130によって回転を促される。一実施形態では、リリース部130は、バネ138によってロック位置に向かって付勢されてもよく、介護者は、拡張手段120の変位のため、リリース部130をロック位置からアンロック位置に切り替えるために、リリース部130をバネ138の付勢力に逆らって前方に引っ張ることができる。
【0018】
図1に関連して、
図4及び
図5は、アンチリバウンド部140を有するチャイルドセーフティシート100を示す2つの側面図であり、
図6は、拡張手段120に取り付けられたアンチリバウンド部140を示す斜視図であり、
図7は、拡張手段120に取り付けられたアンチリバウンド部140のさらなる構造的詳細を示す断面図である。
図1及び
図4~
図7を参照すると、チャイルドセーフティシート100は、車両の衝突時にチャイルドセーフティシート100のリバウンド又は跳ね返り(rebound)を防止するように適合されたアンチリバウンド部140をさらに有することができる。より詳しくは、チャイルドセーフティシート100は、拡張手段120に制限的に又は制限された状態で配置され(restrictedly positioned)且つ車両シートのシートバックに隣接するアンチリバウンド部140を用いて、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能であり、アンチリバウンド部140は拡張手段120の上方の角度で延在する。車両の衝突が発生する場合、アンチリバウンド部140は、リバウンド衝撃を消散させ、チャイルドセーフティシート100が車両シート内に回転する(rotating into the vehicle seat)のを防止するために、車両シートの背もたてに対して押圧することができる。
【0019】
構造の例によれば、アンチリバウンド部140は、横方向部分140Aと、その左側及び右側で横方向部分140Aとそれぞれ接続される2つの側方部分140Bとを有する。アンチリバウンド部140の例示的な形状は、略U字形を有する剛性バーを有することができる。横方向部分140Aと2つの側方部分140Bとを有するアンチリバウンド部140は、単一のパーツとして一体的に形成されてもよい。
【0020】
一実施形態によれば、アンチリバウンド部140は、拡張手段120上に取り付け可能であり且つ拡張手段120から取り外し可能であることができる。例えば、拡張手段120は、2つのソケット142を有することができ、アンチリバウンド部140の2つの側方部分140Bは、2つのソケット142とそれぞれ接続可能である。構造の例によれば、アンチリバウンド部140の2つの側方部分140Bは、それぞれ、2つのソケット142に挿入され、2つのソケット142から取り外すことができる2つの管部144(
図7により良く示される)を有することができる。それにより、アンチリバウンド部140は、拡張手段120によって担持されることができ、シートシェル106に対する拡張手段120の摺動調節の間、拡張手段120と共にて移動することができる。
【0021】
構造の例によれば、2つのソケット142は、拡張部材120の2つの屈曲部分120Bに、それぞれ設けられることができ、それによって、アンチリバウンド部140の2つの側方部分140Bは、拡張手段120の2つの屈曲部120B上に制限的に配置可能である。2つのソケット142は、同じ構造を有することができる。
図7により良く示されるように、各ソケット142は、例示的に、開口146、シャッタ148、及び、バネ150を有することができ、バネ150は、シャッタ148及び開口146の内側の拡張手段120の内表面とそれぞれ接続される2つの端部を有することができる。シャッタ148は、アンチリバウンド部140が拡張手段120から除去される場合に、ソケット142の開口146を閉鎖するようにバネ150の作用によって付勢されることができ、アンチリバウンド部140の各管部分144は、シャッタ148に対して押圧することにより、1つのソケット142の開口146内に挿入可能である。本明細書に記載されるシャッタ148は、汚染物質がソケット142の開口146に入るのを防止する助けとなり得る。しかしながら、いくつかの変形実施形態は、シャッタ148及びスプリング150を省略してもよいことが理解されよう。
【0022】
図4~
図6を参照すると、アンチリバウンド部140は、凹部152を形成する屈曲部を有してもよい。凹部152は、例示的に、アンチリバウンド部140の横方向部分140Aと2つの側方部分140Bとの間のジョイント領域に隣接して配置されてもよい。アンチリバウンド部140は、第1構成において、シートシェル106に対して後ろを向く(すなわち背もたれ110に面する)凹部152によって拡張手段120に取り付け可能であり、第2構成において、シートシェル106に対して前を向く(すなわちシートシェル106のフロントに面する)凹部152によって拡張手段120に取り付け可能である。
図4において、アンチリバウンド部140は、第1構成で示される。チャイルドセーフティシート100はシートシェル106が直立した状態で後ろ向き位置に取り付けられている場合、アンチリバウンド部140を第1構成に配置することができ、したがって、アンチリバウンド部140が車両のシートバックの傾斜に追従できる。
図5において、アンチリバウンド部140は、第2構成で示される。シートシェル106がリクライニングされると、アンチリバウンド部140は、車両のシートバックとの接触を容易にするために、第2構成に配置され得る。
【0023】
図1及び
図4~
図7を参照すると、チャイルドセーフティシート100は、拡張手段120上でアンチリバウンド部140をロックするように作動可能なリアンチバウンドロック機構154をさらに有することができる。アンチリバウンドロック機構154は、ラッチ156、バネ158、及びリリースアクチュエータ160を有することができる。同じアンチリバウンドロック機構154は、アンチリバウンド部140の左側及び右側に、対称的に設けられることができ、そして、
図7は、左側及び右側の一つに設けられるアンチリバウンドロック機構154を示す。ラッチ156は、アンチリバウンド部140の1つの管部分144に組み立てることができる。例えば、ラッチ156は、アンチリバウンド部140の管部分144に摺動可能に接続されたロックピンとすることができる。ラッチ156は、拡張手段120と係合するために管部分144の外側にそれぞれ側方に突出するように移動可能であり、さらに拡張手段120から係合解除するように内側に後退するように移動可能である。ラッチ156は、アンチリバウンド部140をロックするために拡張手段120と係合することができ、アンチリバウンド部140をアンロックし除去するために拡張手段120から係合解除することができる。
【0024】
バネ158は、拡張手段120との係合のために管部分144の外側に突出するようにラッチ156を付勢することができる。構造の例によれば、バネ158は、管部分144の内側に配置されることができ、それぞれ、ラッチ156及び管部分144の内側側壁と接続することができる。
【0025】
リリースアクチュエータ160は、拡張手段120と組み立てられることができ、管部分144が挿入されるソケット142に隣接して配置することができる。例えば、リリースアクチュエータ160は、拡張手段120と摺動可能に接続されるリリースボタンであることができる。リリースアクチュエータ160は、アンチリバウンド部140を除去するために拡張手段120から係合解除するようにラッチ156に接触して圧迫するように作動可能である。
【0026】
アンチリバウンド部140の管部分144がソケット142内に挿入される場合に、各ラッチ156は、アンチリバウンド部140を拡張手段120上でロックするために拡張手段120と係合することができる。アンチリバウンド部140を拡張手段120から除去するために、ラッチ156を拡張手段120から係合解除させるためにリリースアクチュエータ160は押下される(depressed)ことができ、それによって、アンチリバウンド部140を拡張手段120に対してアンロックすることができる。
【0027】
本明細書に記載されるアンチリバウンドロック機構154は、拡張手段120に対してアンチリバウンド部140を確実にロックすることができ、アンチリバウンド部140を解除するために、介護者によって操作されることができる。しかしながら、いくつかの変形実施形態は、アンチリバウンドロック機構154を省略してもよいことが理解されるであろう。例えば、アンチリバウンド部140はアンチリバウンド部140の管部分144をソケットに単に挿入することによって、アンチリバウンドロック機構154を設けることなく、拡張手段120上で位置保持される(be held in position)ことができる。他の実施形態では、アンチリバウンド部140を適所に(in place)保持するために、戻り止めが設けられてもよい。
【0028】
図8~11は、チャイルセーフティドシート100に設けられたアンチリバウンド部240の別の実施形態を示す様々な概略図である。
図8~
図11を参照すると、アンチリバウンド部240は、拡張手段120によって担持され、拡張手段120の調整中に、拡張手段120とともにシートシェル106に対して移動することができる。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構を用いてシートシェル106に対してロックされることができる。構造の例によれば、アンチリバウンド部240は、横方向部分240Aと、2つの側方部分240Bとを有し、2つの側方部分240Bは横方向部分240Aとその左側及び右側においてそれぞれ接続される。したがって形成されるアンチリバウンド部240は略U字形状を有する。
【0029】
アンチリバウンド部240は、同じ構造を有する2つのリンク242を介して拡張手段120と接続することができる。例えば、2つのリンク242は、それぞれ、アンチリバウンド部240の2つの側方部分240Bを、拡張手段120の2つの屈曲部120Bに対称的に結合することができる。構造の例によれば、左側及び右側にそれぞれ設けられたリンク242は、2つのバー244及び246を有し、2つのバー244及び246のそれぞれは、拡張手段120の屈曲部分120B及びアンチリバウンド部240の側方部分240Bと枢動可能に接続される。
【0030】
上述の構造では、アンチリバウンド部240は、拡張手段120に対して、展開するために前方方向に、及び、収納するために後方方向に移動可能である。特に、アンチリバウンド部240は拡張手段120に対して、第1角度位置において収納され、第1角度位置から傾いている拡張手段120に対する第2角度位置において展開され、アンチリバウンド部240は、第2角度位置において、前方かつ上方に延在する。
図8は、収納位置に対応する第1角度位置におけるアンチリバウンド部240を示し、
図10は、使用のための展開位置に対応する第2角度位置におけるアンチリバウンド部240を示し、
図9は、第1角度位置と第2角度位置との間の中間位置におけるアンチリバウンド部240を示す。構造の例によれば、アンチリバウンド部240は、アンチリバウンド部240の横方向部分240Aによって支持される遠位端240Cを有することができ、遠位端240Cは、第1角度位置において拡張手段120の前端部120Cに隣接し、第2角度位置において拡張部材120の前端部120Cから離れるように前方に変位する。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部240は、拡張手段120の上方に延在し、車両シートのシートバックに隣接して位置するように、第2角度位置まで展開され得る。アンチリバウンド部240が用いられない場合、アンチリバウンド部240は、第1角度位置において、拡張手段120の2つの屈曲部120Bに沿ってそれぞれ延在する2つの側方部分240Bとともに収納されることができる。
【0031】
図8~
図11を参照すると、チャイルセーフティドシート100は、拡張手段120に対してアンチリバウンド部240をロックするように作動可能なアンチリバウンドロック機構250をさらに有することができる。構造の例によれば、アンチリバウンドロック機構250は、1つのリンク242に設けられたロック構造252と、拡張手段120と接続されてロック構造252と係合し及び係合解除するように移動可能なラッチ254と、を含むことができる。より具体的には、ロック構造252は、リンク242の左側及び右側のいずれか一方のバー244、246に設けられることができ、ラッチ254は、同じ側で、拡張手段120の屈曲部120Bと接続することができる。構造の例によれば、ラッチ254は、拡張手段120と枢動可能に接続されてもよく、ロック構造252は、拡張手段120と枢動可能に連結されるバー244の円状端部(a rounded end)に設けられる複数の歯を有することができる。ラッチ254は、拡張手段120に対してアンチリバウンド部240をロックするためにロック構造252と係合するために、及び、拡張手段120に対してアンチリバウンド部240をアンロックするためにロック構造252から係合解除するために、拡張手段120に対して移動可能である。同じアンチリバウンドロック機構250は、拡張手段120の左側及び右側のそれぞれに設けられることができる。
【0032】
上述の構造では、アンチリバウンドロック機構250は、収納位置及び複数の展開位置において、アンチリバウンド部240を拡張手段120に対してロックすることができる。したがって、介護者は、シートシェル106の異なるリクライニング位置について、車両のシートバックに適切に接触するように、アンチリバウンド部240をフレキシブルに調節することができる。
【0033】
図12~14は、チャイルドセーフティシートに設けられたアンチリバウンド部の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
図12~14を参照すると、アンチリバウンド部340は、拡張手段120によって担持され、拡張手段120の調整中に、拡張手段120ともにシートシェル106に対して移動することができる。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。アンチリバウンド部340は、横方向部分340Aと、その左側及び右側で横方向部分340Aにそれぞれ接続される2つの側方部分340Bとを有することができる。したがって、形成されるアンチリバウンド部340は、例えば略U字形状を有する。
図12~14は、一方の側方部分340Bのみを示す側面図であり、他方の側方部分340Bは、
図12~14に示す側方部分340Bと対称的に同一であり得る。
【0034】
アンチリバウンド部340は、2つのガイドトラック342と接続されれることができ、2つのガイドトラックは拡張手段120の左側及び右側に、例えば拡張手段120の屈曲部120Bに、それぞれ設けられる。2つのガイドトラックは、同じ構造を有し、拡張手段120の左側及び右側に対称的に固定され、
図12~14は、左側及び右側の一方に設けられたガイドトラック342のみを示す。構造の例によれば、各ガイドトラック342は、直線形状を有するトラック部分344と、トラック部分344に接続されたアーチ状を有する2つのトラック部分346及び348と、を有することができ、アーチ状トラック部分346及び348は同心状である。左側及び右側のそれぞれにおいて、アンチリバウンド部340の側方部分340Bは、ガイドトラック342に沿って摺動するように案内される2つのピン350及び352に固定的に接続され得る。
【0035】
上述の構造では、アンチリバウンド部340は、拡張手段120に対して展開するための前方方向に、及び、収納するための後方方向に移動可能である。特に、アンチリバウンド部340は、第1角度位置において拡張手段120に対して収納され、第1角度位置から傾いている第2角度位置において拡張手段120に対して展開され、アンチリバウンド部340は、第2角度位置において、前方かつ上方に延在する。
図12は、収納位置に対応する第1角度位置におけるアンチリバウンド部340を示し、
図14は、使用のための展開位置に対応する第2角度位置におけるアンチリバウンド部340を示し、
図13は、第1角度位置及び第2角度位置の間の中間位置におけるアンチリバウンド部340を示す。左側及び右側のそれぞれにおいて、トラック部分344に沿ったピン350及び352の摺動運動は、
図12の第1角度位置と、
図13の中間位置との間のアンチリバウンド部340の摺動変位に対応することができ、トラック部分346及び348に沿ったピン350及び352の各々の摺動運動は、
図13の中間位置と、
図14の第2角度位置との間のアンチリバウンド部340の回転に対応することができる。したがって、ピン350及び352のガイドトラック342との摺動接続は、調整のためにアンチリバウンド部340が前後に摺動し、回転することができるようにする。
【0036】
構造の例によれば、アンチリバウンド部340は、アンチリバウンド部340の横方向部分340Aによって支持される遠位端340Cを有することができ、遠位端340Cは、第1角度位置において拡張手段120の前端部120Cに隣接して配置され、第2角度位置において拡張手段120の前端部120Cから離れるように前方に変位する。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部340は、拡張手段120の上方に延在し、車両シートのシートバックに隣接して位置するように、第2角度位置まで展開され得る。アンチリバウンド部340が用いられない場合、リバウンド防止部340は、第1角度位置において、拡張手段120の2つの屈曲部120Bに沿ってそれぞれ延在するその2つの側方部分340Bとともに、収納されることができる。
【0037】
図12~14を参照すると、前記アンチリバウンド部340は、伸縮式の構造(a telescopic structure)を有する。例えば、アンチリバウンド部340の各側方部分340Bは、互いに伸縮可能に組み立てられた2つの側方部分354及び356を有することができ、横方向部分340Aは、各側方部分340Bのサイドセグメント356と伸縮可能に組み立てられることができ、側方部分340B上の2つのピン350及び352は、サイドセグメント354と固定的に接続されることができる。アンチリバウンド部340の伸縮構造は、その伸長長さをロックするための任意の適切なロック装置を有することができる。例えば、横方向部分340A及びサイドセグメント354及び356のうちの1つ以上は、伸縮構造を所望の伸長長さにロックするように適合された1つ以上のラッチを有することができる。伸縮構造では、第1角度位置でのコンパクトな収納のためにアンチリバウンド部340を短かくするために、
図12に示すように、サイドセグメント354、356及び横方向部分340Aを互いの中に折り畳むことができる。アンチリバウンド部340が、仕様のために、
図14の第2の角度位置まで展開される場合、アンチリバウンド部340の長さを増加させるために、サイドセグメント354、356及び横方向部分340Aを互いに延長することができる。
【0038】
アンチリバウンド部340は、種々のアンチリバウンドロック機構を用いて所定の位置にロックすることができる。例えば、適切なアンチリバウンドロック機構は、アンチリバウンド部40に設けられた1つ以上のラッチを有してもよく、このラッチは、拡張手段120の異なる領域と係合して、アンチリバウンド部340を
図12の収納位置、
図14の展開位置、及び/又は他の任意の所望の位置にロックすることができる。構造の別の例によれば、アンチリバウンド部340を任意の所望の位置に保持するために、戻り止め(detents)が設けられてもよい。例えば、戻り止めは、アンチリバウンド部340の所望の位置に対応するガイドトラック342に沿った位置に、突起によって設けられてもよく、アンチリバウンド部340を所望の位置において保持するためにピン350及び352と係合することができる
【0039】
図15は、チャイルセーフティドシート100に2つのアンチリバウンド部440が設けられた別の実施形態を示す斜視図である。2つのアンチリバウンド部440は、それぞれ拡張手段120の2つの屈曲部分120Bに枢動可能に接続された2つのパドルであることができ、2つのパドルは、拡張手段120に対して互いに独立して回転可能である。より詳しくは、各アンチリバウンド部440は、アンチリバウンド部440の遠位端440Aが拡張手段120の前端部120Cに隣接して配置される収納位置に対応する第1角度位置と、アンチリバウンド部440の遠位端440Aが拡張手段120の前端部120Cから離れるように変位する展開位置に対応する、第1角度位置に対して傾いた第2角度位置と、の間で回転可能である。第2角度位置では、アンチリバウンド部440は、拡張手段120から前方かつ上方に延在してもよい。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、各アンチリバウンド部440は、拡張手段120の上方に延在し、車両シートのシートバックに隣接して位置するように、第2角度位置まで展開され得る。
【0040】
図16は、チャイルドセーフティシート100に設けられたアンチリバウンド部440’の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
図15に示される2つのアンチリバウンド部440の代わりに、
図16に示されるチャイルドセーフティシート100は、拡張手段120の2つの屈曲部分120Bと枢動可能に接続された単一のアンチリバウンド部440’を有することができる。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。前述のいくつかの実施形態と同様に、アンチリバウンド部440’は、横方向部分と、その左側及び右側においてそれぞれ横方向部分に接続される2つの側方部分とを有することができ、アンチリバウンド部440’の2つの側方部分は拡張手段120の2つの屈曲部120Bにそれぞれ接続される。したがって形成されるアンチリバウンド部440’は略U字形状を有する。作動中に、アンチリバウンド部440’は、アンチリバウンド部440’の遠位端が拡張手段120の前端部に隣接して配置される収納位置に対応する第1角度位置と、アンチリバウンド部440の遠位端440Aが拡張手段120の前端部から離れるように変位する展開位置に対応する、第1角度位置に対して傾いた第2角度位置と、の間で回転可能である。第2角度位置では、アンチリバウンド部440’は、拡張手段120から前方かつ上方に延在することができる。
【0041】
図17は、チャイルドセーフティシート100に設けられたアンチリバウンド部540の別の実施形態を示す斜視図である。
図17を参照すると、アンチリバウンド部540は、T字形バーであってもよく、拡張手段120の横方向部分120Aの中央位置に接続されてもよい。例えば、アンチリバウンド部540は、拡張手段120の横方向部分120Aと枢動可能に接続されてもよい。構造の別の例によれば、アンチリバウンド部540は、拡張手段120の横方向部分120Aに着脱可能に接続されてもよい。さらに、拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。チャイルドセーフティシート100は、拡張手段120の上方に延在して展開され且つ車両シートのシートバックに隣接して置かれるアンチリバウンド部540を用いて、後ろ向き位置において車両シートに取り付け可能である。アンチリバウンド部540はT字形バーの形態で設けられるので、シートシェル106へのアクセスが容易になる。
【0042】
図18は、チャイルドセーフティシート100に設けられたアンチリバウンド部640の別の実施形態を模式的に示す側面図である。
図18を参照すると、アンチリバウンド部640は、拡張手段120上ではなくシートシェル106上に取り付けられ、それによって、拡張手段120とアンチリバウンド部640とは、互いに独立して調整可能である。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。一実施形態によれば、アンチリバウンド部640は、例えば横方向ガード部分116のフロント部に隣接して、枢動可能にシートシェル106と接続されることができる。先に述べたように、アンチリバウンド部640は、横方向部分と、その左側及び右側で横方向部分にそれぞれ接続される2つの側方部分と、を有することができる。アンチリバウンド部640の2つの側方部分は、2つの枢動接続部642を介してシートシェル106とそれぞれ枢動可能に接続されている。したがって形成されるアンチリバウンド部640は略U字形状を有する。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部640は、拡張手段120の上方に所望の角度で延在し、車両シートのシートバックに隣接して置かれるように配置され得る。
【0043】
図18に関連して、
図19は、アンチリバウンド部を枢動軸Pまわりでシートシェル106に結合する枢動接続部642のさらなる構造詳細を示す分解図である。
図18及び19を参照すると、枢動連結部642は、シートシェル106と固定的に接続される結合部644と、アンチリバウンド部640と固定的に接続される結合部646と、2つの結合部644及び646を枢動可能に連結するシャフト648と、を有することができる。結合部644及び646は、シートシェル106に対してアンチリバウンド部640をロックするように作動可能なアンチリバウンドロック機構650を配置するための内部キャビティを画定する結合シェルであり得る。
【0044】
図18及び19を参照すると、アンチリバウンドロック機構650は、ラッチ652と、バネ654と、リリースアクチュエータ656とを有することができる。ラッチ652は、シャフト648に沿った摺動動作のために組み立てることができる。それにより、ラッチ652は、シートシェル106に対するアンチリバウンド部640の回転を防止するために、ラッチ652が2つの結合部644及び646に係合するロック位置と、シートシェル106に対するアンチリバウンド部640の回転のために、ラッチ652が結合部644及び646のうちの1つから係合解除されるアンロック位置と、の間で、枢動軸Pに沿って移動可能である。例えば、ラッチ652は、円周方向に複数の歯652Aを備えることができ、結合部644及び646のそれぞれは、複数の対応する溝を有することができる。ラッチ652の歯652Aは、それぞれ、ロック位置において2つの結合部644、646の溝と係合することができ、また、アンロック位置において結合部644の溝から係合解除することができる。
【0045】
アンロック位置において結合部644の溝から係合解除されるラッチの歯652Aを有する代わりに、別の実施形態は、アンロック位置において結合部646の溝から係合解除されるラッチ652の歯652Aを有することができることが理解されるであろう。
【0046】
図19を参照して、バネ654は、ラッチ652と結合部646とにそれぞれ接続される2つの端部を有することができる。バネ654は、2つの結合部644及び646との係合のために、ラッチ652をロック位置に向けて付勢することができる。
【0047】
リリースアクチュエータ656は、2つの結合部644及び646の一方に設けられ、ラッチ652をアンロック位置に移動させるように作動可能である。例えば、リリースアクチュエータ656は、枢動軸Pに沿った摺動移動のために結合部644の開口658内に組み立てられることができる。リリースアクチュエータ656が押下される(depressed)場合、リリースアクチュエータ656は、ラッチ652と接触することができ、アンチリバウンド部640のアンロックのために、ラッチ652をバネ654の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ移動させることができる。
【0048】
図20は、上述したアンチリバウンド部に代わるアンチリバウンド部740の別の実施形態を示す斜視図である。
図20を参照すると、アンチリバウンド部740は、例えば、横方向ガード部分116のフロント部に隣接して、シートシェル106に枢動可能に接続されることができる。前述のように、アンチリバウンド部740は、横方向部分740Aと、その左側及び右側で横方向部分740Aにそれぞれ接続される2つの側方部分740Bと、シートシェル106にそれぞれ枢動可能に接続されるアンチリバウンド部740の2つの側方部分740Bと、を有することができる。したがって形成されるアンチリバウンド部740は略U字形状を有する。さらに、拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部740は、拡張手段120の上方に所望の角度で延在し、車両シートのシートバックに隣接して置かれるように配置され得る。
【0049】
図20を参照すると、シートシェル106は、拡張手段120上の2つの横方向ガード部分116のフロント部に設けられる2つのチャネル742を有することができ、アンチリバウンド部740の2つの側方部分740Bは、それぞれ、2つのチャネル742を介して配置することができる。各側方部分740Bは、シートシェル106に対する複数の角度位置の間でアンチリバウンド部740を調整するために、対応するチャネル742に沿って上下に移動することができる。さらに、シートシェル106は、各チャネル742に沿って配置された複数の離間する戻り止め744を有することができる。戻り止め744は、チャネル742を局所的に狭める突出部であってもよい。戻り止め744のそれぞれは、アンチリバウンド部740を保持し、複数の角度位置の一つから隣接する他の角度位置への移動を防止するように構成される、
【0050】
図21は、チャイルドセーフティシートに設けられる取り外し可能なアンチリバウンド部の別の実施形態を示す斜視図である。
図21を参照すると、アンチリバウンド部840は、横方向部分840Aと、その左側及び右側で横方向部分840Aにそれぞれ接続される2つの側方部分840Bと、を有することができる。したがって形成されるアンチリバウンド部840は略U字形状を有する。シートシェル106は、シートシェル106に対するアンチリバウンド部840の複数の角度位置に対応する複数の開口842を有し、開口842は、拡張手段120の上方の2つの横方向ガード部分116のフロント部に設けられる。アンチリバウンド部840は、側方部分840Bを開口部842のいずれかに係合させることによって、シートシェル106に着脱可能に接続することができる。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部840は、拡張手段120の上方の所望の角度において延在し、車両シートのシートバックに隣接して置かれるように配置されることができる。使用されない場合は、アンチリバウンド部840は、シートシェル106から取り外されることができる。前述の実施形態のように、拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。
【0051】
図22及び23は、シートシェル106に対する所与の角度位置に保持されるアンチリバウンド部940が調節可能な長さを有することができる変形実施形態を示す2つの概略的な側面図である。例えば、シートシェル106に同じ角度位置で取り付けられたアンチリバウンド部940は、シートシェル106の外側に延在するアンチリバウンド部940の長さを変更するために、シートシェル106に対して内側又は外側に摺動することができる。構造の別の例によれば、アンチリバウンド部940は、伸長長さを調整することができる伸縮構造を有してもよい。チャイルドセーフティシート100が後ろ向き位置において車両シート上に取り付けられる場合、アンチリバウンド部940は従って車両のシートバックに適切に接触するように調整され得る。さらに、
図22及び23の実施形態は、同様に、子供のための脚部空間を調整するように作動可能な拡張手段120を有することができる。拡張手段120は、先に説明した拡張ロック機構122と同様の拡張ロック機構によってシートシェル106に対してロックされることができる。
【0052】
本明細書に記載されるチャイルドセーフティシートの利点は、異なる年齢の子供を収容するための脚部空間の調整を可能にする拡張手段を提供することができること、及び、車両衝突が発生する場合にチャイルドセーフティシートの不所望な回転を防止することができるアンチリバウンド部を提供することを含む。アンチリバウンド部は、必要に応じて取り外され及び取り付けられることができ、及び/又は、車両のシートバックと適切に接触するように調整されることができる。したがって、チャイルセーフティドシートは、一層のフレキシビリティをもたらし、より安全に使用できる。
【0053】
チャイルセーフティドシートの実現は、特定の実施形態との関連で説明されている。これらの実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。多くの変形、変更、追加及び改良が可能である。これらの及び他の変形、変更、追加、及び改良は、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあり得る。