(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】TEEプローブのための誘導デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 6/12 20060101AFI20220112BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20220112BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61B6/12
A61B6/00 370
A61B8/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020009370
(22)【出願日】2020-01-23
(62)【分割の表示】P 2016573069の分割
【原出願日】2015-06-10
【審査請求日】2020-01-24
(32)【優先日】2014-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ハンシス,エバーハルト ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ネイホフ,ニールス
(72)【発明者】
【氏名】グラス,ミヒャエル
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513412(JP,A)
【文献】特表2013-521920(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0132024(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102811666(CN,A)
【文献】国際公開第2011/070477(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/190409(WO,A2)
【文献】国際公開第2011/114259(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TEEプローブのための誘導デバイスであって、
実行可能なコンピュータプログラムを格納するメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行するプロセッサとを含み、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサによって実行されるときに、前記TEEプローブのための誘導デバイスに、
初期的な位置及び向きにおけるTEEプローブ及び介入デバイスを示す第1の画像データを受信すること、
該第1の画像データにおいて前記介入デバイスの中心線を決定すること、
前記第1の画像データにおいて前記中心線の接線に対して直交する平面を視認平面として決定すること、
前記TEEプローブの撮像平面及び撮像向きを前記視認平面内にほぼ位置するように計算されるデータとして計算すること、及び
該計算されるデータを前記TEEプローブを誘導する誘導データとして提供すること、
を含むプロセスを実施させる、
誘導デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TEEプローブのための誘導デバイス、医療撮像システム、TEEプローブを誘導する方法、そのようなデバイスを制御するコンピュータプログラム要素、及びそのようなコンピュータプログラム要素を格納させたコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば標準的なX線撮像によって提供される情報よりも多くの軟組織情報を必要とする医療処置のモニタリング(監視)を提供するために、経食道心エコー検査法(TEE)情報が利用される。超音波撮像の形態であるTEE撮像は、介入デバイス(インターベンショナルデバイス)及びその周囲の解剖学的構造を同時に示すことができ、ライブX線画像においては欠けることが多い解剖学的構造及び機能の優れた詳細をもたらす。
【0003】
しばしば、X線蛍光透視法及びTEE撮像の組み合わせを用いて、医療処置をモニタリングする。それに加えて、特許文献1は、2D蛍光透視画像において介入デバイスを検出し且つトラッキング(追跡)し、そして、TEE超音波プローブビームをこのデバイスに向けて操縦することを開示している。超音波プローブは、蛍光透視画像中で位置合わせされ、位置合わせは、蛍光透視に対するプローブの位置及び向きの推定を含む。特許文献2は、超音波平面の内側で関心の移動物体(例えば、介入デバイス)を常に提示するために、超音波平面の自動操縦を開示している。これを達成するために、処理ユニットが、TEEプローブからX線源への第1の線又はベクトル及びTEEプローブから介入デバイスへの第2の線又はベクトルを用いて、超音波画像平面を計算するように、構成される。
【0004】
しかしながら、カテーテルのような介入デバイスは、それらの音響特性の故に、TEE画像中で殆ど見えないか或いはアーチファクトを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、TEE画像データ中の介入デバイスの視認性(visibility)を向上させる必要がある場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、独立項の主題によって解決され、更なる実施態様は、従属項に含まれる。本発明の後述の特徴は、TEEプローブのための誘導デバイス、医療撮像システム、TEEプローブを誘導する方法、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に当て嵌まることが留意されるべきである。
【0007】
本発明によれば、TEEプローブのための誘導デバイスが提示される。TEEプローブのための誘導デバイスは、画像データ提供ユニット及び処理ユニットを含む。
【0008】
画像データ提供ユニットは、初期的な位置及び向きにおけるTEEプローブ及び介入デバイス(インターベンショナルデバイス)を示す第1の画像データを提供するように構成される。ある実施例において、第1の画像データは、蛍光透視X線画像データである。介入デバイスは、カテーテルであってよい。
【0009】
処理ユニットは、第1の画像データ中の介入デバイスの中心線を決定するように構成される。ある実施例において、介入デバイスの中心線は、単一のX線画像、2面X線画像(bi-plane X-ray image)、及び/又は、例えば、電磁トラッキング又は光学形状検知のような、代替的な3Dトラッキング技術に基づき、3Dにおいて決定される。光学形状検知は、ファイバ内に結合される反射レーザ光を解析することによって、単一ワイヤ内に詰め込まれる幾つかの捩れワイヤの3D形状を測定する。
【0010】
処理ユニットは、中心線の接線に対して直交する平面を視認平面として決定するように更に構成される。何故ならば、介入デバイスの視認性は、介入デバイスに対するTEEプローブの向きに強く依存するからである。介入デバイスの均一な表面は、エコー信号のみを反射し、いかなる後方散乱信号も殆ど提供しない。従って、介入デバイスは、TEE信号伝搬ベクトルが介入デバイスに対して法線方向にある表面とほぼ同一直線上にある場合に、TEE画像中で完全に見えるに過ぎない。結果的に、少なくとも1つの中心線セグメントの接線に対して直交する平面は、TEEプローブのための最適な場所を定める。最適とは、TEE信号伝搬ベクトルが介入デバイスに対して法線方向にある表面とほぼ同一直線上にあることを意味する。換言すれば、視認平面は、介入デバイスの視認性の観点からTEEプローブのために最適な場所の平面として定められる。ある実施例において、処理ユニットは、介入デバイスの2Dセグメント化(2D segmentation)に基づき、視認平面を決定するように構成される。
【0011】
処理ユニットは、視認平面内にほぼ位置するよう、TEEプローブの撮像平面(imaging plane)及び撮像向き(imaging orientation)を計算するように構成される。TEEプローブの撮像平面及び撮像向きは、TEEプローブの現在の場所及び向きとして定められてよい。TEEプローブの撮像平面及び撮像向きは、介入デバイスの視認性の観点からTEEプローブのために最適な場所の平面として視認平面内にほぼ位置するように配置され得る。最適とは、TEE信号伝搬ベクトルが介入デバイスに対して法線方向にある表面とほぼ同一直線上にあることを意味する。結果的に、TEEプローブの最適な平面及び向きが見出され、それにより、撮像向きは、例えば、TEEプローブの円錐形状又は扇形状の撮像視野の、撮像角度又は開放角度を意味する。
【0012】
ある実施例において、処理ユニットは、介入デバイスがTEEプローブの円錐形状又は扇形状の撮像視野内に位置するように、TEEプローブの位置を計算するように構成される。ある実施例において、処理ユニットは、介入デバイスがTEEプローブの円錐形状又は扇形状の撮像視野の重心内に位置するように、TEEプローブの位置を計算するように構成される。それにより、TEE画像データ内の介入デバイスの視認性が更に改良される。
【0013】
処理ユニットは、計算されたデータを誘導データとして提供するように更に構成される。ある実施例において、処理ユニットは、最適なTEEビュー(TEE view)のために、計算されたデータを、TEEプローブの位置及び/又は向きをどのように変更するかの表示として、使用者(ユーザ)に伝達するように構成される。ある実施例では、TEE超音波伝搬方向がカテーテル表面に対してほぼ直交し、従って、カテーテルの最適な視認性が予期され得る、TEEプローブの位置及び向きを示す抽出された中心線に基づき、最適ビューマップ(optimal view map)が計算され且つ表示される。
【0014】
換言すれば、例示的に、誘導デバイスは、介入デバイスに対するTEEプローブの向き及び位置の画像ベース最適化に基づき、最適なTEE姿勢を操作者に自動的に提示する。それにより、誘導デバイスは、複雑なインターベンション(介入)における改良されたナビゲーションのために介入デバイスのための改良された視認性をTEE画像データに提供するよう、TEEプローブを他の向き及び/又は位置に誘導するのに役立つ。更に、全ての関連する情報は、情報が共同記録される(co-registered)単一ビューにおいて示され得る。
【0015】
TEEプローブの最良のビュー、位置及び/又は向きは、操作者がTEEプローブをどのように適合させ或いはTEEプローブをどこに動かすかの表示として、第1の画像データに位置合わせされ且つ重ね合わせられてよく、或いは、他の手段によって介入スタッフ(interventional staff)に伝達されてよい。ある実施例において、処理ユニットは、TEEプローブの撮像位置及び/又は向きを第1の画像データと組み合わせるように構成され、誘導デバイスは、その組み合わせを示すディスプレイユニットを更に含む。
【0016】
誘導デバイスは、TEEプローブを初期的な位置及び向きから撮像位置及び/又は向きに動かす移動機構のために信号を提供するように構成される、制御ユニットを更に含んでよい。ある実施例において、TEEプローブの向きの変化は、TEEプローブの向きを電子的に適合させることのみを含み、それはプローブを動かさずにその測定平面を電子的に調節することを意味する。動かすこと及び電子的に調節することの組み合わせは、より一層良好結果をもたらすことがある。
【0017】
ある実施例において、処理ユニットは、TEEプローブの適切でない位置を撮像位置として排除するように構成される。従って、最適なビュー、位置及び/又は向きの計算は、例えば、食道の、セグメント化又はモデルによって制約されることがあり、それはTEEプローブのアクセス不能な位置を排除する。
【0018】
本発明によれば、医療撮像システムも提示される。医療撮像システムは、画像データ取得デバイス、TEEプローブ、TEEプローブのための誘導デバイス、及びディスプレイユニットを含む。画像データ取得デバイスは、誘導デバイスの画像データ提供ユニットによって提供されるべき第1の画像データを取得するように構成される。TEEプローブは、第2の画像データを提供するように構成され、ディスプレイユニットは、誘導データを提供するように構成される。
【0019】
本発明によれば、TEEプローブを誘導する方法も提示される。それは以下のステップを含むが、必ずしもこの順序である必要はない。
a)初期的な位置及び向きにおけるTEEプローブ及び介入デバイスを示す第1の画像データを提供し、
b)第1の画像データ中の介入デバイスの中心線を決定し、
c)中心線の接線に対して直交する平面を視認平面として決定し、
d)視認平面内にほぼ位置するようTEEプローブの少なくとも撮像平面及び撮像向きを計算し、且つ
e)計算されたデータを誘導データとして提供する。
【0020】
ある実施例では、介入デバイスが、例えば、TEEプローブの円錐形状又は扇形状撮像視野内に位置するよう、好ましくは、撮像視野の中心又は撮像視野の重心の位置するよう、撮像平面及び撮像向きのみならず、TEEプローブの位置も計算される。
【0021】
ある実施例において、計算されたデータは、最適なTEEビューのためにTEEプローブの位置及び/又は向きをどのように変更するかの表示として、使用者に伝達される。ある実施例において、TEEプローブの撮像位置及び/又は向きは、第1の画像データと組み合わせられ、同様に使用者に伝達される。
【0022】
ある実施例では、移動機構がTEEプローブを初期的な位置及び向きから撮像位置及び/又は向きに動かし、且つ/或いは、TEEプローブを動かさずに向きを電子的に適合させることによってTEEプローブの向きを変える。
【0023】
本発明によれば、コンピュータプログラム要素も提示され、コンピュータプログラム要素は、コンピュータプログラムが、誘導デバイスを制御するコンピュータ上で動作しているときに、デバイスの独立項において定められるような誘導デバイスに、方法の独立項において定められるような方法のステップを実施させるプログラムコードを含む。
【0024】
独立項に従ったTEEプローブのための誘導デバイス、医療撮像システム、TEEプローブを誘導するための方法、そのようなデバイスを制御するコンピュータプログラム要素、及びそのようなコンピュータプログラム要素を格納させるコンピュータ可読媒体は、特に従属項において定められるような、類似の及び/又は同一の好適な実施態様を有することが理解されよう。本発明の好適実施態様はそれぞれの独立項と従属項とのあらゆる組み合わせでもあり得ることが更に理解されるであろう。
【0025】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下に記載する実施態様から明らかになり、それらを参照して解明されるであろう。
【0026】
添付の図面を参照して本発明の例示的な実施態様を以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に従った医療撮像システムの実施例の概略図を示している。
【
図2a】介入デバイス及びTEEプローブを示す2つのX線画像の概略図である。
【
図2b】介入デバイス及びTEEプローブを示す2つのX線画像の概略図である。
【
図3】TEEプローブを誘導する方法の実施例の基本的ステップを示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明に従った医療撮像システム1の実施態様を図式的に及び例示的に示している。医療撮像システム1は、画像データ取得デバイス30、TEE変換器又はプローブ20、TEEプローブ20のための誘導デバイス10、及びディスプレイユニット13を含む。
【0029】
画像データ取得デバイス30は、第1の画像データを取得し、TEEプローブ20は、第2の画像データを提供し、ディスプレイユニット13は、以下において説明されるべき誘導データを提供する。第1の画像データは、X線蛍光透視画像データである。
【0030】
TEEプローブ20のための誘導デバイス10は、画像データ提供ユニット11と、処理ユニット12とを含む。画像データ提供ユニット11は、画像データ取得デバイス30の第1の画像データを提供する。第1の画像データは、介入デバイス40(インターベンショナルデバイス)及びTEEプローブ20を初期的な位置及び向きにおいて示す。介入デバイス40は、カテーテルである。画像データ提供ユニット11は、画像データ取得ユニット30及び処理ユニット12と接続される。
【0031】
処理ユニット12は、画像データ提供ユニット11、TEEプローブ20、ディスプレイユニット13、及び制御ユニット13と更に接続される。処理ユニット12は、第1の画像データ中の介入デバイス40の中心線を決定する。中心線は、単一のX線画像、2面X線画像(bi-plane X-ray image)、及び/又は同等物に基づき、3Dにおいて決定されてよい。
【0032】
TEEプローブ20、介入デバイス40、及び介入デバイス40の中心線の接線に対して直交する平面41が、
図2a及び2bに示されている。処理ユニット12は、中心線の接線に対して直交する平面41を視認平面(viewing plane)として決定する。処理ユニット12は、介入デバイス40の2Dセグメント化(2D segmentation)に基づき、視認平面を決定する。中心線の接線に対して直交する平面41は、TEEプローブ20のための最適な場所を定める。何故ならば、その場合、TEE信号伝搬ベクトルは、介入デバイス40に対して法線方向の表面とほぼ同一直線上にあるからである。
【0033】
処理ユニット12は、視認平面内にほぼ位置するようTEEプローブ20の撮像平面(imaging plane)及び撮像向き(imaging orientation)を計算する。それにより、TEEプローブ20の最適な平面及び向きが見出され、それにより、撮像向きは、例えば、TEEプローブ20の円錐形状(コーン形状)撮像視野の、撮像角度(imaging angle)又は開放角度(opening angle)を意味する。最適とは、TEE信号伝搬ベクトルが、その場合、介入デバイスに対して法線方向の表面とほぼ同一直線上にあることを意味する。処理ユニットは、介入デバイス40がTEEプローブ20の円錐形状撮像視野内に位置するよう、TEEプローブ20の位置を更に計算してよい。処理ユニットは、介入デバイス40がTEEプローブ20の円錐形状撮像視野の重心内に位置するよう、TEEプローブ20の位置を更に計算してよい。
【0034】
処理ユニット12は、計算データを誘導データとして提供し、それらを、最適化されたTEEビュー(TEE view)のためにTEEプローブ20の位置及び/又は向きをどのように変更するかの表示として、使用者(ユーザ)に伝達する。また、最適ビューマップ(optimal view map)が計算され、ディスプレイユニット13に表示される。TEEプローブ20の最良のビュー、位置及び/又は向きは、操作者がTEEプローブ20をどのように適合させるか或いはTEEプローブ20をどこに動かすかについての表示として、第1の画像データの上に重ね合わせられる。
【0035】
次に、TEEプローブ20を最適なTEEプローブ20姿勢に動かし得る。従って、誘導デバイス10は、移動機構15がTEEプローブ20を初期的な位置及び向きから撮像位置及び/又は向きに動かすための信号を提供するよう、制御ユニット14を更に含む。従って、制御ユニット14は、移動機構15に接続される。
【0036】
TEEプローブ20の向きの変化は、TEEプローブ20の向きの電子的な適合のみを含むこともでき、それはTEEプローブ20を動かさずにその測定平面を電子的に調節することを意味する。
【0037】
それにより、誘導デバイス10は、介入デバイス40に対するTEEプローブ20の向き及び位置の画像ベース最適化に基づき、最適なTEEプローブ20の姿勢を操作者に自動的に提示する。結果的に、誘導デバイス10は、複雑な医療インターベンション(医療介入)における改良されたナビゲーションのために介入デバイス40の改良された視認性(visibility)をTEE画像データにもたらすために、TEEプローブ20を他の向き及び/又は位置に誘導するのに役立つ。
【0038】
図2aは、その初期的な2つの円錐形状視野42が互いに直交し合う、その初期的な位置及び向きにある、TEEプローブ及び介入デバイス40としてのカテーテルを示している。
【0039】
図2bは、同じX線画像の更なる図面を示しているが、介入デバイス40の最適な画像データを達成するために、操作者がTEEプローブ20を最適な撮像位置に動かすのを助けるよう、TEEプローブ20の最適な撮像位置は、オーバーレイ43としてX線画像の上に今や位置合わせされ且つ重ね合わせられている。
図2bは、同様にX線画像の上に重ね合わされたTEEプローブ20の最適な円錐形状視野44を更に示している。
図2bは、カテーテルの中心線の接線に対して直交する平面41に対応する線を更に示しており、それにより、この平面は、TEEプローブ20の最適な視認平面でもある。何故ならば、その場合、TEE信号伝搬ベクトルは、カテーテルに対して法線方向の表面とほぼ同一直線上にあるからである。最適な視認平面と検出平面との交差線をもたらす、2Dカテーテルセグメント化(2D catheter segmentation)及び中心線抽出(centerline extraction)によって、最適な視認平面のサブセットのセットを取得し得る。
【0040】
図3は、TEEプローブ20を誘導する方法の実施例の基本的ステップを示している。それは以下のステップを含むが、必ずしもこの順序である必要はない。
- 第1のステップS1において、初期的な位置及び向きにあるTEEプローブ20及び介入デバイス40を示す第1の画像データを提供し、
- 第2のステップS2において、第1の画像データ中で介入デバイス40の中心線を決定し、
- 第3のステップS3において、中心線の接線に対して直交する平面41を視認平面として決定し、
- 第4のステップS4において、視認平面内にほぼ位置するよう、TEEプローブ20の少なくとも撮像平面及び撮像向きを計算することを決定し、そして、
- 第5のステップS5において、計算データを誘導データとして提供することを決定する。
【0041】
介入デバイス40が、TEEプローブの円錐形状撮像視野内に位置するよう、或いは、好ましくは、撮像視野の中心又は重心内に位置するよう、撮像平面及び撮像向きのみならず、TEEプローブ20の位置も計算し得る。計算データは、最適なTEEビューのために、TEEプローブ20の位置及び/又は向きをどのように変更するかの表示として、使用者に伝達される。TEEプローブ20の撮像位置及び/又は向きは、第1の画像データと組み合わせられ、同様に使用者に伝達される。移動機構15は、TEEプローブ20を初期的な位置及び向きから撮像位置及び/又は向きに動かし、且つ/或いは、TEEプローブ20を動かさない向きの電子的な適合によってTEEプローブ20の向きを変える。
【0042】
本発明の他の例示的な実施態様では、適切なシステムの上で、先行する実施態様のうちの1つに従った方法の方法ステップを実行するように構成されることを特徴とする、コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0043】
従って、コンピュータプログラム要素は、本発明の実施態様の部分であってもよい、コンピュータユニットに格納されてよい。このコンピューティングユニットは、上述の方法のステップを遂行するように或いは遂行することを誘導するように構成されてよい。その上、それは上述の装置の構成部品(コンポーネント)を作動させるように構成されてよい。コンピューティングユニットは、使用者の命令を自動的に作動させ且つ/或いは実行するように構成され得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリ内にロードされてよい。よって、データプロセッサは、本発明の方法を実施するように装備されてよい。
【0044】
本発明のこの例示的な実施態様は、最初から本発明を用いるコンピュータプログラム及びアップデートを用いて既存のプログラムを本発明を用いるプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方をカバーする。
【0045】
これより先、コンピュータプログラム要素は、上述のような方法の例示的な実施態様の手順を充足する全ての必要なステップを提供し得ることがある。
【0046】
本発明の更なる例示的な実施態様によれば、CD-ROMのようなコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、その上に格納されるコンピュータプログラム要素を有し、そのコンピュータプログラム要素は、前節によって記載される。
【0047】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの部分として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体のような適切な媒体の上に格納されてよく且つ/或いは分散させられてよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線の遠距離通信システムのような他の形態において分散させられてもよい。
【0048】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを通じて提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリ内にダウンロードされ得る。本発明の更なる例示的な実施態様によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードのために利用可能にする媒体が提供され、そのコンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施態様のうちの1つに従った方法を遂行するように構成される。
【0049】
本発明の実施態様は異なる主題を参照して記載されることが留意されなければならない。具体的には、幾つかの実施態様は、方法の種類の請求億を参照して記載されるのに対し、他の実施態様は、装置の種類の請求項を参照して記載される。しかしながら、当業者は、上述の記述及び後続の記述から、特段の断りのない限り、1つの種類の主題に属する構成のあらゆる組み合わせに加えて、異なる主題に関する構成の間のあらゆる組み合わせもこの明細書で開示されている考えられることを推測するであろう。しかしながら、全ての構成を組み合わせて、それらの構成の単純な総和よりも多くの相乗効果をもたらし得る。
【0050】
本発明を図面及び先行する記述中に詳細に例示し且つ記載したが、そのような例示及び記述は例示的又は例証的であると考えられるべきであり、限定的であると考えられるべきでない。本発明は開示の実施態様に限定されない。請求項の発明を実施する当業者は、図面、開示、及び従属項の研究から、開示の実施態様に対する他の変形を理解し且つもたらし得る。
【0051】
請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形は、複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項中に引用される幾つかの品目の機能を充足してよい。特定の手段が相互に異なる従属項中に引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に用い得ないことを示さない。請求項中の如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されてならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【文献】米国特許出願公開第2012/245458A1号明細書
【文献】国際公報第2014/087324A1号