(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】呼吸マスク用ベント装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20220112BHJP
A61M 16/20 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61M16/06 Z
A61M16/20 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081709
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2018081141の分割
【原出願日】2012-09-13
【審査請求日】2020-06-05
(32)【優先日】2011-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】フット,ロジャー・マーヴィン・ロイド
(72)【発明者】
【氏名】フービー,ロナルド・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ダンタナラヤナ,ムディタ・プラディープ
(72)【発明者】
【氏名】マッツォーネ,ダミアン・ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ディオン・チャールズ・チュウ
(72)【発明者】
【氏名】アーミットステッド,ジェフリー・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フォーマイカ,ジャスティン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ジュオ・ラン
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ランス・スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダイク,ジェイムズ・ウィリアム・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,デイヴィッド・ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ナゴルニー,アレクサンドル・エス
(72)【発明者】
【氏名】サンピエトロ,ジョゼフ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ファルジア,スティーヴン・ポール
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-511160(JP,A)
【文献】特開2011-036699(JP,A)
【文献】特表2008-508958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0302364(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0078255(US,A1)
【文献】特表2009-533199(JP,A)
【文献】特表2009-530054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06
A61M 16/20
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸治療装置の患者インタ-フェイスのガス洗い流しを自動的に制御するための装置において、
可変排気面積を有するベントアセンブリであって、前記可変排気面積は、前記ベントアセンブリの1つまたは複数の開口によって画定されており、前記ベントアセンブリは、呼気ガスを換気するために、患者インターフェイスに付随的に設けられている、ベントアセンブリと、
前記ベントアセンブリの前記1つまたは複数の開口を操作するアクチュエータ
と、
プロセッサを備える制御装置であって、前記アクチュエータに連結されており、前記制御装置は、前記ベントアセンブリの前記排気面積を変化させるために前記アクチュエータを作動させるように、構成されている、制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記可変排気面積の治療のための設定値と前記可変排気面積の快適さのための設定値との間で切り換えられるように構成され、
前記快適さのための設定値は、湿度設定値、圧力設定値、および温度設定値の1つまたは複数をさらに含んでいる、装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記可変排気面積の設定値を含む快適さのための設定値を入力するためのユーザーインターフェイスを有するように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置は、少なくとも1つの環境条件に基づいて、前記治療のための設定値と前記快適さのための設定値との間で切り換えられるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの環境条件が前記呼吸治療装置の外の温度である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの環境条件が前記呼吸治療装置の外の湿度である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記制御装置は、検出された睡眠状態に基づいて、前記治療のための設定値と前記快適さのための設定値との間で切り換えられるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
正常なまたは深い睡眠状態が前記制御装置によって検出された場合、前記制御装置が治療のための設定値に切り換えられるように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
軽睡眠または覚醒状態が前記制御装置によって検出された場合、前記制御装置が快適さのための設定値に切り換えられるように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
呼吸治療装置の「ランプ」特徴が作動した場合、前記制御装置が快適さのための設定値に切り換えられるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御装置は、流れ発生器の作動を制御するようにさらに構成されている請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記制御装置は、睡眠状態を検出し、前記睡眠状態の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
前記制御装置は、前記睡眠状態の検出に応じて、前記排気面積の周期的な変動を開始するように
、構成されている、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御装置は、睡眠の不在の検出に応じて、略一定の排気面積を保持するように
構成されている、請求項
11に記載の装置。
【請求項14】
前記制御装置が前記可変排気面積を複数の開位置で設定するように構成され、前記複数の開位置が、前記可変排気面積を通過する呼気ガスの流量の増減を提供するように適合された異なるベント流れ面積をもたらす、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
呼吸治療装置の患者インタ-フェイスのガス洗い流しを設定するために、前記呼吸治療装置の制御装置
により自動的に制御するための方法であって、
可変排気面積を有するベントアセンブリの1つまたは複数の開口を操作するアクチュエータの動作を
前記制御装置によって制御するステップであって、前記可変排気面積は、前記ベントアセンブリの1つまたは複数の開口によって画定され、前記ベントアセンブリは、呼気ガスを換気するために、患者インターフェイスに付随的に設けられており、前記作動が、前記ベントアセンブリの前記排気面積の変化を含むようにしてなるステップと、
前記可変排気面積の治療のための設定値と前記可変排気面積の快適さのための設定値との間で、
前記制御装置によって切り換えを行うステップとを備え、
前記快適さのための設定値は、湿度設定値、圧力設定値、および温度設定値の1つまたは複数を含んでいる、方法。
【請求項16】
前記制御装置は、前記可変排気面積の設定値を含む快適さのための設定値の入力を、ユーザーインターフェイスで受ける、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御装置は、少なくとも1つの環境条件に基づいて、前記治療のための設定値と前記快適さのための設定値との間で切り換える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの環境条件が前記呼吸治療装置の外の温度である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの環境条件が前記呼吸治療装置の外の湿度である、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記制御装置は、検出された睡眠状態に基づいて、前記治療のための設定値と前記快適さのための設定値との間で切り換わる、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
正常なまたは深い睡眠状態を前記制御装置が検出すると、前記制御装置が治療のための設定値に切り換わる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
軽睡眠または覚醒状態を前記制御装置が検出すると、前記制御装置が快適さのための設定値に切り換わる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
呼吸治療装置の「ランプ」特徴が作動すると、前記制御装置が快適さのための設定値に切り換わる、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記制御装置が、流れ発生器の作動を制御する、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記制御装置が、睡眠状態を検出し、前記睡眠状態の検出に基づいて、前記排気面積の変化を制御する、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記制御装置が、前記睡眠状態の検出に応じて、前記排気面積の周期的な変動を開始する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記制御装置が、睡眠の不在の検出に応じて、略一定の排気面積を保持する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記制御装置が前記可変排気面積を複数の開位置で設定し、前記複数の開位置が、前記可変排気面積を通過する呼気ガスの流量の増減を提供するように適合された異なるベント流れ面積をもたらす、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2011年9月13日に出願された米国仮特許出願第61/534,044号
および2011年11月10日に出願された米国仮特許出願第61/558,158号の
出願日の利得を主張するものであり、これらの開示内容は、参照することによって、ここ
に含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本技術は、呼吸圧力治療、例えば、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)のような睡眠呼吸障
害(SDB)疾患のための非侵襲性陽圧換気法(NPPV)および持続性気道陽圧療法(
CPAP)に用いられる、呼吸治療装置のための導管、例えば、マスクアセンブリ用ベン
ト装置に関する。
【背景技術】
【0003】
持続性気道陽圧(CPAP)式流れ発生器システムのような呼吸治療装置による睡眠呼
吸障害(SDB)、例えば、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)の治療では、導管および/ま
たはマスクを介して、大気圧を超える圧力の空気(または他の呼吸可能なガス)をヒトま
たは他の哺乳類の患者の気道に送達するようになっている。典型的には、マスクは、患者
の口および/または鼻に被せられるようになっているが、鼻ピロー式または鼻クッション
式マスクのような鼻下式マスクであってもよい。加圧空気が、マスク、次いで、鼻および
/または口を介して患者の気道に流れることになる。患者が息を吐くと、二酸化炭素ガス
がマスクおよび呼吸回路内に滞留する。回路内に保持された陽圧によって回路内のガスを
入れ替えるために、洗い流しベントがマスクまたは導管に設けられるとよい。回路の患者
端において十分なガスの入れ替えをもたらすことによって、患者の呼気ガスをマスクから
大気に排出することができる。
【0004】
洗い流しベントは、通常、マスクに配置されるか、またはマスクに連結されたガス送達
導管のマスクのかなり近くに配置されるようになっている。ベントを通って大気に向かう
ガスの洗い流しによって、呼気ガスが除去され、これによって、二酸化炭素の滞留が防が
れることになる。吐出された二酸化炭素の「再呼吸」は、マスク着用者の健康を害するお
それがある。ベントの患者側の回路空間(回路の「デッドスペース」)の滞留分の再呼吸
が生じる可能性がある。これは、一回換気量がこの「デッドスペース」よりもそれほど大
きくない患者にとって、極めて大きな問題になる。また、ベントを超えて患者から回路に
逆流する呼気量の再呼吸が生じる可能性もある。次の吸気の開始時に残っているこの呼気
ガスは、再呼吸の量と比例する。このように残っている呼気量が存在するかどうかは、換
気の程度、患者の一回換気量、および呼吸パターンに依存する。再呼吸を助長し易い呼吸
パターンは、一回換気量が大きく、呼気終末休止が極めて小さい呼吸パターン(例えば、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるような閉塞性肺機能がもたらす呼吸パターン)で
ある。十分なガス洗い流しは、低圧操作CPAPの圧力、典型的には、成人の場合に4c
mH2O、子供の場合に2cmH2Oの圧力で最小安全洗い流しを可能にする、ベントの
大きさおよび形態を選択することによって、達成することができる。
【0005】
特許文献1は、空気送達導管および空気流れ発生器内における空気流れを実質的に一定
に維持するように制御されるベント弁を有する空気送達システムを記載している。
【0006】
特許文献2は、マスクアセンブリと共に用いるベントアセンブリを記載している。この
ベントアセンブリは、第1のベント、第2のベント、および第1のベントと第2のベント
との間で患者の呼気ガスの流れを切り換えるセレクターを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際特許出願公開第2006/102708号公報
【文献】国際特許出願公開第2005/051468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
患者への十分な空気送達を可能にしながら、二酸化炭素の十分な換気を可能にするガス
洗い流しベント装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一態様は、可変有効換気面積または可変有効開口が組み込まれた、呼吸マスク
装置のための洗い流しベント装置に関する。
【0010】
本技術のさらに他の態様は、ガスベント装置が組み込まれた空気送達装置、およびガス
の可変換気を制御するための装置、システムおよび方法に関する。
【0011】
一形態では、本技術は、呼吸治療装置からのガスを換気するためのベント装置であって
、ベント部分を有するベント部材と前記ベント部分の可変面積を制御可能に覆うためのベ
ントカバー部材とを備えている、ベント装置を提供している。
【0012】
本技術のいくつかの態様は、呼吸治療装置の患者インタ-フェイスのガス洗い流しを自
動的に制御するための装置を含んでいる。本装置は、可変排気面積を有するベントアセン
ブリであって、可変排気面積は、ベントアセンブリの開口によって画定されており、ベン
トアセンブリは、呼気ガスを換気するために、患者インターフェイスに付随的に設けられ
ている、ベントアセンブリと、ベントアセンブリの開口を操作するアクチュエータと、を
備えているとよい。任意選択的に、本装置は、プロセッサを備える制御装置をさらに備え
ていてもよく、制御装置は、アクチュエータに連結されていてもよく、制御装置は、ベン
トアセンブリの排気面積を変化させるようにアクチュエータを作動させるように、構成さ
れていてもよい。任意選択的に、排気面積は、重なり合う開口によって画定されるように
なっていてもよい。
【0013】
いくつかのこのような場合、プロセッサは、可変排気面積の治療のための設定値と可変
排気面積の快適さのための設定値との間で切り換えられるように、構成されていてもよい
。プロセッサは、可変排気面積の設定値を含む快適さのための設定値を入力するためのユ
ーザーインターフェイスを有するように、構成されていてもよい。任意選択的に、快適さ
のための設定値は、湿度設定値、圧力設定値、および温度設定値の1つまたは複数をさら
に含んでいてもよい。
【0014】
いくつかのこのような場合、プロセッサは、患者換気の程度を測定し、患者換気の程度
の関数として、可変排気面積を調整するように、構成されていてもよい。例えば、可変排
気面積は、もし患者換気の程度が閾値を満たすかまたはそれを超える場合、減少するよう
になっていてもよい。任意選択的に、患者換気の程度は、不安定性指数を含んでいてもよ
い。不安定性指数は、換気の移動窓標準偏差、中枢性無呼吸指数、中枢性低呼吸指数、中
枢性無呼吸―低呼吸指数、持続性無呼吸-低呼吸指数、および呼吸障害指数の少なくとも
1つを含んでいてもよい。
【0015】
いくつかのこのような場合、制御装置は、患者流れ信号および可変排気面積の位相ロッ
ク調整からチェーン・ストークス呼吸サイクルを検出し、位相ロックによる再呼吸サイク
ルを制御するように、構成されていてもよい。
【0016】
制御装置は、任意選択的に、流れ発生器の作動を制御するように構成されていてもよい
。また、プロセッサは、意図しない漏れの有無を検出し、意図しない漏れの有無の検出に
基づいて、排気面積を変化させるように制御するように、構成されていてもよい。任意選
択的に、プロセッサは、漏れの存在の検出に応じて、排気面積を閉じるようになっていて
もよいし、または漏れの存在の検出に応じて、排気面積を開き、マスク圧力を大気圧まで
低下させるようになっていてもよい。一部の例では、プロセッサは、漏れの存在の連続し
た検出に応じて、排気面積を開閉するようになっていてもよい。
【0017】
さらにまた、プロセッサは、意図しない漏れの定量化の関数として、排気面積を変化さ
せるようになっていてもよい。例えば、プロセッサは、定量化の値と閾値との比較に基づ
いて、排気面積を減少させるようになっていてもよい。また、プロセッサは、睡眠状態を
検出し、睡眠状態の検出に基づいて、排気面積を変化させるように制御するように、構成
されていてもよい。例えば、プロセッサは、睡眠状態の検出に応じて、排気面積の周期的
な変動を開始するようになっていてもよい。任意選択的に、プロセッサは、睡眠の不在の
検出に応じて、略一定の排気面積を保持するようになっていてもよい。
【0018】
一部の例では、プロセッサは、呼吸疾患を検出し、呼吸疾患の検出に基づいて、排気面
積を変化させるように制御するように、構成されていてもよい。例えば、検出した呼吸疾
患は、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸であってもよく、プロセッサは、中枢性無呼吸ま
たは中枢性低呼吸の検出に基づいて、排気面積を減少させるように制御するように、構成
されていてもよい。プロセッサは、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸の不在のさらなる検
出に基づいて、排気面積を増大させるように制御するように、構成されていてもよい。
【0019】
一部の例では、プロセッサは、検出した患者呼吸に同期して、排気面積を変化させるよ
うに制御するようになっていてもよい。プロセッサは、圧力の大きさの関数として、排気
面積を変化させるように制御するようになっていてもよい。プロセッサは、流れの大きさ
、例えば、排気面積を通る流れの大きさの関数として、排気面積を変化させるように制御
するようになっていてもよい。プロセッサは、排気面積のベント流れが患者流れを反映す
ることを可能にするように、排気面積を変化させるように制御するようになっていてもよ
い。プロセッサは、患者流れの程度の関数として、排気面積を変化させるように制御する
ようになっていてもよい。制御装置またはプロセッサは、再呼吸される量の計算値の関数
として、排気面積を変化させるように制御するようになっていてもよい。
【0020】
一部の例では、ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円錐構造体を備
えていてもよく、円錐構造体の各々は、重なり合う開口(aperture)からなる開通路(openi
ng)を有していてもよい。ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円筒構
造体を備えていてもよく、円筒構造体の各々は、重なり合う開口からなる開通路を有して
いてもよい。任意選択的に、開口からなる開通路は、一組の溝を備えていてもよい。
【0021】
一部の例では、ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の構造体を備えて
いてもよく、構造体の各々は、重なり合う開口からなる開通路を有していてもよく、アク
チュエータは、モーターと第1の構造体に連結された誘導コイルとを備えていてもよく、
構造体は、第1の構造体の回転によって、重なり合う開口の大きさを調整するように、構
成されていてもよい。
【0022】
一部の例では、アクチュエータは、ボイスコイルおよび磁石の1つまたは複数を含んで
いてもよい。アクチュエータは、空圧ピストンを含んでいてもよい。アクチュエータは、
圧電モーターのようなモーターを含んでいてもよい。任意選択的に、本装置は、ベントア
センブリの可変排気面積を常開位置に戻すように構成されたバネ機構、例えば、トーショ
ンバネをさらに備えていてもよい。
【0023】
いくつかの態様では、ベントアセンブリは、浮動開口部分を備えていてもよく、浮動開
口部分は、柔軟材料から構成されていてもよい。ベントアセンブリは、発泡体ベント部分
、例えば、長さに沿って可変有効多孔率を有する発泡体を備えていてもよい。一部の例で
は、ベントアセンブリは、複数のスリットを有する柔軟円筒を備えていてもよく、複数の
スリットは、柔軟円筒の拡張および収縮によって拡張および収縮するように構成されてい
てもよい。任意選択的に、ベントアセンブリは、第1および第2のプレートを備えていて
もよい。
【0024】
本技術のいくつかの態様は、患者インターフェイスのガス洗い流しを自動的に制御する
ためのシステムを含んでいる。システムは 可変排気面積を有するベントアセンブリであ
って、可変排気面積は、ベントアセンブリの重なり合う開口によって画定されており、ベ
ントアセンブリは、患者インターフェイスに取付け可能になっている、ベントアセンブリ
と、ベントアセンブリの開口を操作するアクチュエータであって、ベントアセンブリの排
気面積を変化させるようにプロセッサによって制御されるように構成されている、アクチ
ュエータと、を備えているとよい。また、ベントアセンブリは、入れ子になった第1およ
び第2の円錐構造体を備えていてもよく、円錐構造体の各々は、重なり合う開口からなる
開通路を有していてもよい。
【0025】
ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円筒構造体を備えていてもよく
、円筒構造体の各々は、重なり合う開口からなる開通路を有していてもよい。重なり合う
開口からなる開通路は、一組の溝を備えていてもよい。ベントアセンブリは、入れ子にな
った第1および第2の構造体を備えていてもよく、構造体の各々は、重なり合う開口から
なる開通路を有していてもよく、アクチュエータは、モーターと第1の構造体に連結され
た誘導コイルとを備えていてもよく、構造体は、第1の構造体の回転によって、重なり合
う開口の大きさを調整するように構成されていてもよい。アクチュエータは、ボイスコイ
ルを含んでいてもよい。アクチュエータは、空圧ピストンを含んでいてもよい。アクチュ
エータは、誘導コイルおよび/または圧電モーターを含んでいてもよい。また、システム
は、ベントアセンブリの可変排気面積を常開位置に戻すように構成された、バネ機構、例
えば、トーションバネを備えていてもよい。
【0026】
システムのいくつかの態様では、第1の円筒構造体は、円筒構造体の長さに沿って延在
するコイル溝を備えていてもよく、コイル溝は、コイルを備えていてもよい。任意選択的
に、第2の円筒構造体は、磁化されていてもよい。一部の例では、第1の円筒構造体は、
長手方向に分割された2分割体から形成されていてもよく、各2分割体は、コイル溝を備
えていてもよい。一部の例では、第1の円筒構造体は、長手方向に分割された3分割体か
ら形成されていてもよく、各3分割体は、コイル溝を備えていてもよい。
【0027】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、複数の調整可能なフラップを備
えていてもよい。複数のフラップの部分集合の選択的な移動が、ベントの排気面積を変化
させるようになっていてもよい。複数のコイルが、フラップを作動させる磁場を生成する
ようになっていてもよい。フラップは、柔軟であってもよい。一部の例では、各フラップ
は、磁化された縁部分を備えていてもよい。
【0028】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、複数の柔軟糸および/または複
数の柔軟層を備える布地を備えていてもよい。糸の1つまたは複数の部分集合および/ま
たは層の1つまたは複数の部分集合の選択的な移動が、ベントの排気面積を変化させるよ
うになっていてもよい。複数のコイルが、糸のいくつかまたは全ておよび/または層のい
くつかまたは全てを作動させる磁場を生成するようになっていてもよい。
【0029】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、第1および第2のプレートを備
えていてもよい。第1のプレートは、第2のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐため
の複数の突起を備えていてもよい。いくつかのこのような場合、第2のプレートは、第1
のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐための複数の突起を備えていてもよい。任意選
択的に、突起は、円錐状に形作られていてもよく、開口は、ファンネル状に形作られてい
てもよい。付勢部材が、第1および第2のプレートに連結されていてもよい。付勢部材は
、第1および第2のプレートを開形態に付勢するようになっていてもよい。
【0030】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、1つまたは複数のキャップを備
えていてもよい。各キャップは、内側ベント部材の複数の開口を選択的に覆いかつ露出さ
せるように構成されていてもよい。任意選択的に、コイルが、キャップを内側ベント部材
に対して選択的に吸引または反発する磁場を生成するようになっていてもよい。
【0031】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、ベントファンを備えていてもよ
い。ベントファンは、ベントアセンブリの開口に組み合わされていてもよい。ベントファ
ンは、開口を通る排気を調整するようにファンを制御する制御装置を有していてもよい。
【0032】
システムのいくつかの態様では、アクチュエータは、調整可能なダイアフラムを備えて
いてもよい。調整可能なダイアフラムは、例えば、その直径を調整することによって、ダ
イアフラムを通る呼気流れを選択的に増減するように構成されていてもよい。任意選択的
に、調整可能なダイアフラムは、圧電セラミックリングまたは電気的活性ポリマーリング
を含んでいてもよい。いくつかのこのような場合、複数の調整可能なダイアフラムは、複
数のベント開口を通る流れを調整するようになっていてもよい。また、調整可能なダイア
フラムは、柔軟な呼気導管の表面に配置されるように適合されていてもよい。いくつかの
このような場合、柔軟な呼気導管は、吸気導管を含んでいてもよい。
【0033】
システムのいくつかの態様では、ベントアセンブリは、呼気チャンバおよびピストンを
備えていてもよい。ピストンは、呼気チャンバの表面の1つまたは複数の開口を選択的に
塞ぐように、呼気チャンバ内において移動するように配置されていてもよい。いくつかの
このような場合、アクチュエータは、ピストンを選択的に位置決めする磁場を生成するコ
イルを備えていてもよい。このようなベントアセンブリは、ピストンの運動の範囲を制限
する手動調整機構を備えていてもよい。手動調整機構は、ピストンの運動の範囲に張力を
加えるように構成されていてもよい。一部の例では、調整機構は、ネジ付きポストおよび
バネを備えていてもよい。
【0034】
いくつかのこのようなシステムでは、ベントアセンブリは、入れ子になった第1および
第2の構造体を備えていてもよく、構造体の各々は、重なり合う開口の開通路を有してい
てもよく、装置は、アクチュエータを作動させるように構成されたプロセッサをさらに備
えていてもよい。プロセッサは、意図しない漏れの有無を検出し、意図しない漏れの有無
の検出に基づいて、排気面積を変化させるように制御するように、構成されていてもよい
。プロセッサは、漏れの存在の検出に応じて、排気面積を閉じるようになっていてもよい
。プロセッサは、漏れの存在の検出に応じて、排気面積を開き、マスク圧を大気圧まで低
下させるようになっていてもよい。プロセッサは、漏れの存在の連続した検出に応じて、
排気面積を閉じおよび/または開くようになっていてもよい。システムのプロセッサは、
意図しない漏れの定量化の関数として、排気面積を変化させるようになっていてもよい。
例えば、プロセッサは、定量化の値と閾値との比較に基づいて、排気面積を減少させるよ
うになっていてもよい。
【0035】
また、システムのプロセッサは、睡眠状態を検出し、睡眠状態の検出に基づいて、排気
面積を変化させるように制御するように、構成されていてもよい。プロセッサは、検出し
た睡眠状態の関数として、排気面積の周期的な変動を開始するようになっていてもよい。
プロセッサは、任意選択的に、睡眠の不在の検出に応じて、略一定の排気面積を保持する
ようになっていてもよい。また、プロセッサは、呼吸疾患を検出し、呼吸疾患の検出に基
づいて、排気面積を変化させるように制御するように、構成されていてもよい。検出した
呼吸状態は、中枢無呼吸または中枢低呼吸を含んでいてもよく、プロセッサは、中枢無呼
吸または中枢低呼吸の検出に基づいて、排気面積を減少させるように制御するように、構
成されていてもよい。また、このようなプロセッサは、中枢無呼吸または中枢低呼吸の不
在のさらなる検出に基づいて、排気面積を増大させるように制御するように、構成されて
いてもよい。
【0036】
一部の例では、システムのプロセッサは、測定された患者流れの関数として、排気面積
を変化させるように制御するようになっていてもよい。プロセッサは、排気面積のベント
流れが患者流れを反映することを可能にするように、検出した患者呼吸に同期して、排気
面積を変化させるように制御するようになっていてもよい。
【0037】
任意選択的に、システムは、プロセッサを有する制御装置を備えていてもよく、制御装
置は、アクチュエータに連結されていてもよく、制御装置は、ベントアセンブリの排気面
積を変化させるようにアクチュエータを作動させるように、構成されていてもよい。プロ
セッサは、可変排気面積の治療のための設定値と可変排気面積の快適さのための設定値と
の間で切り換えられるように構成されていてもよい。プロセッサは、可変排気面積の設定
値を含む快適さのための設定値を入力するためのユーザーインターフェイスを有するよう
に構成されていてもよい。快適さのための設定値は、加湿器設定値、圧力設定値、および
温度設定値の1つまたは複数をさらに含んでいてもよい。
【0038】
システムのプロセッサは、患者換気の程度を測定し、患者換気の程度の関数として、可
変排気面積を調整するように、構成されていてもよい。このような場合、可変排気面積は
、もし患者換気の程度が閾値を満たすかまたはそれを超える場合、減少するようになって
いてもよい。このような患者換気の程度は、不安定正指数を含んでいてもよい。不安定指
数は、換気の移動窓標準偏差、中枢性無呼吸指数、中枢性低呼吸指数、中枢性無呼吸-低
呼吸指数、持続性無呼吸-低呼吸指数、および呼吸障害指数の少なくとも1つを含んでい
てもよい。
【0039】
任意選択的に、システムの制御装置は、患者流れ信号および可変排気面積の位相ロック
調整からチェーン・ストークス呼吸サイクルを検出し、位相ロックによる再呼吸サイクル
を制御するように、構成されていてもよい。また、制御装置は、流れ発生器の作動を制御
するように、構成されていてもよい。
【0040】
本技術のいくつかの態様は、呼吸治療装置の患者インターフェイスの洗い流しのために
ガス流量を自動的に制御するための装置を含んでいる。このような装置は、ガス流路を有
する導管を備えているとよい。また、本装置は、導管のガス流路のガスが通過する大きさ
を変化させるために導管内において移動するように構成されたスラグを備えているとよい
。任意選択的に、ガス流路は、スラグのための複数の段を備えていてもよい。ガス流路に
は、テーパが付されていてもよい。任意選択的に、複数の段は、対称的な段を含んでいて
もよい。スラグは、磁性を有していてもよい。一部の例では、本装置は、スラグのための
アクチュエータをさらに備えていてもよく、アクチュエータは、スラグを作動させるよう
に構成された複数の電磁石を備えていてもよい。
【0041】
一部の例では、導管は、一組のネジ山、すなわち、導管ネジ山を備えていてもよく、ス
ラグは、一組のネジ山、すなわち、スラグネジ山を備えていてもよい。一組の導管ネジ山
は、1つまたは複数の破断部分溝を備えていてもよい。このような破断部分溝は、テーパ
付き溝であってもよい。任意選択的に、一組の導管ネジ山は、複数のネジ山サイズを備え
ていてもよい。このような一組の導管ネジ山は、1つまたは複数の破断部分溝をさらに備
えていてもよい。
【0042】
一部の例では、スラグのためのアクチュエータは、スラグを作動させるように構成され
ていてもよい。このようなアクチュエータは、ガス流路の外に配置された複数のコイルを
備えていてもよい。いくつかの実施形態では、本装置は、プロセッサを備える制御装置を
さらに備えていてもよい。制御装置は、前記アクチュエータに連結されていてもよく、よ
り大きいまたはより少ないガス流れがガス流路を通ることを可能にするために、ガス流路
の大きさを変化させるようにアクチュエータを作動させるように、構成されていてもよい
。任意選択的に、いくつかの実施形態では、導管は、呼吸マスクのガス洗い流しベントに
連結されていてもよい。
【0043】
本技術のいくつかの態様は、呼吸治療装置の患者インターフェイスのガス洗い流しを制
御するための装置を含んでいる。本装置は、可変排気面積を有するベントアセンブリであ
って、可変排気面積は、アセンブリの複数の重なり合うブレードによって画定されている
、ベントアセンブリと、ベントアセンブリの開口を操作するアクチュエータであって、ブ
レードに連結されている、アクチュエータと、を備えているとよい。ベントアセンブリは
、第1および第2のブレードマウントを備えていてもよい。アクチュエータは、複数のブ
レードに連結された駆動レバーを備えていてもよい。アクチュエータは、駆動レバー用の
長孔を備えていてもよい。一部の例では、アクチュエータは、駆動レバーに連結されたヨ
ークを備えていてもよい。アクチュエータは、磁気区域を有するリングを備えていてもよ
い。アクチュエータは、一組の磁場コイルを備えていてもよい。任意選択的に、一部の例
では、アクチュエータは、駆動レバーに連結されたヨークを備えていてもよい。このよう
なヨークは、磁気区域を有するリングから構成されていてもよく、アクチュエータは、リ
ングの回転を制御するように構成された一組の磁場コイルを備えていてもよい。いくつか
のこのような例では、本装置は、磁場コイルを作動させるように構成されたプロセッサ、
例えば、呼吸治療装置の制御装置をさらに備えていてもよい。
【0044】
一部の例では、本装置は、付勢部材を有していてもよい。付勢部材は、アクチュエータ
の移動を予め設定された位置に向かって付勢するように構成されていてもよい。予め設定
された位置は、複数の重なり合うブレードによって画定された開排気面積であってもよい
。一部の例では、本装置は、アセンブリおよびアクチュエータに連結されたハウジングを
備えていてもよい。ハウジングは、呼吸治療装置のガス送達導管用の導管アダプターであ
ってもよい。ハウジングは、呼吸治療装置用のマスクの換気ポートであってもよい。
【0045】
本技術の他の態様、特徴および利点は、本開示の一部であって本技術の原理を例示的に
示す添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、明らかになるだろう。本
技術のさらに他の態様は、添付の請求項から明らかになるだろう。
【0046】
以下、添付の図面を参照して、本技術のさらなる例示的な実施形態について、説明する
。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図2A.2B.2C】可変面積式ベントアセンブリの例示的な一実施形態の構成部品を示す図である。
【
図3】呼吸マスクおよびガス導管装置への可変面積式ベントアセンブリの組込みを示す図である。
【
図4】鼻下式、具体的には、鼻ピロー式呼吸マスク内への可変面積式ベントアセンブリの組込みを示す図である。
【
図5A.5B.5C】可変面積式ベントアセンブリの円錐形態の構成部品を示す図である。
【
図6A】いくつかの実施形態における制御されたベント流れ対患者呼吸流れの種々の関数を示すグラフである。
【
図6B】いくつかの実施形態における制御されたベント流れ対患者呼吸流れの種々の関数を示すグラフである。
【
図7】本技術のいくつかの実施形態における実施に適する制御装置の例示的な構成部品を示す概略図である。
【
図8A.8B】可変面積式ベントアセンブリの構成部品のさらなる円錐例を示す図である。
【
図9A.9B.9C】回転可能なディスクを備える可変面積式ベントアセンブリを示す図である。
【
図10.10A.10B.10C】ベント流れの回転可能な調整および/または軸方向調整を可能とする可変面積式ベントアセンブリの種々の実施形態を示す図である。
【
図11】ベント流れの回転可能な調整および/または軸方向調整を可能とする可変面積式ベントアセンブリの種々の実施形態を示す図である。
【
図12A.12B】ベント流れの回転可能な調整および/または軸方向調整を可能とする可変面積式ベントアセンブリの種々の実施形態を示す図である。
【
図13A.13B.13C.13D】換気流れを変化させるための例示的な圧縮可能/拡張可能なベントアセンブリを示す図である。
【
図14】可変式ベントなどのための導管を通る流れの調整を制御するための可動スラグを有するネジ付き導管の断面を示す図である。
【
図16】チェーン・ストークス呼吸パターンを示す図である。
【
図17A.17B】
図17Aは、シミュレートされたチェーン・ストークス呼吸流れパターンを示すグラフである。
図17Bは、
図17Aのシミュレートされた患者流れから採取した換気測定値および換気測定値の標準偏差SDを示すグラフである。
【
図17C】本技術のベントアセンブリの操作を制御するのに適する計算によって得られた例示的な再呼吸量信号を示す信号図である。
【
図18A.18B.18C.18D】
図18Aは、可変式ベントアセンブリのための例示的な電磁カバー部材の等角図である。
図18Bは、
図18Aのカバー部材と共に用いるのに適する内側ベント部材の等角図である。
図18Cは、
図18Aの実施形態のカバー部材の端面図である。
図18Dは、
図18Aの実施形態と同様のカバー部材のさらなる例示的実施形態の端面図である。
【
図19A.19B】それぞれ、閉状態および開状態にある複数の磁気的に制御されるフラップを備える可変式ベントアセンブリの操作を示す図である。
【
図20A.20B】本技術のいくつかのベントアセンブリにおける流れを選択的に変化させるための層を有する多孔性材料を示す図である。
【
図21A.21B】本技術のいくつかのベントアセンブリにおける流れを選択的に変化させるための繊維または糸を有する多孔性材料を示す図である。
【
図22A.22B】本技術のいくつかのベントアセンブリにおける流れを選択的に変化させるための多孔性かつ伸張可能な材料を示す図である。
【
図23A.23B】本技術のいくつかのベントアセンブリにおける流れを選択的に変化させるための嵌合突起を有する換気組立体を示す図である。
【
図24A.24B】それぞれ、閉位置および開位置にあるベントアセンブリの他の例示的実施形態の断面図である。
【
図25】マスクファンベントを備える患者インターフェイスを有する呼吸治療装置を示す図である。
【
図26A.26B】それぞれ、開位置および部分的な閉位置にある調整可能なダイアフラムを備える可変面積式ベントのための導管の操作を示す図である。
【
図27A.27B】それぞれ、開位置および部分的な閉位置にある可変面積式ベントを備えるマスクアセンブリの断面図である。
【
図28A.28B】それぞれ、開位置および部分的な閉位置にある可変面積式ベントを備えるマスクアセンブリのさらなる実施形態の断面図である。
【
図30】
図29Aの機構を有するアダプターハウジングの断面斜視図である。
【
図31】アイリスアセンブリの構成部品の等角斜視図である。
【
図32】アイリスアセンブリの構成部品の等角斜視図である。
【
図33】
図29Aの機構のための磁気ヨークアセンブリの等角斜視図である。
【
図34】
図29Aの機構のための制御コイルアセンブリの等角斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[例示的な呼吸治療装置]
図1は、本技術の例示的な一実施形態による、例えば、睡眠呼吸障害(SDB)のため
のCPAP治療に用いられる、呼吸可能なガスを圧力下で患者に送達するための呼吸治療
装置の空気送達システムを概略的に示している。
【0049】
図1のシステムの基本的な構成部品は、流れ発生器10、流れ発生器と一体であっても
よいしまたは分離していてもよい任意選択的な加湿器15、および空気送達導管20であ
る。空気送達導管20は、流れ発生器または(もし装着されているなら)加湿器から(患
者の気道に連通している)患者インターフェイス30に繋がっている。
【0050】
空気流れ発生器は、当技術分野において一般的に知られている形式のもの、例えば、Re
sMed S9TMシリーズの流れ発生器であるとよい。流れ発生器は、空気入口を有するハ
ウジングと、例えば、2-30cmH2Oまたは4-25cmH2Oの圧力下で空気を患
者に送達することができる送風機と、空気送達導管20または加湿器15に接続するよう
に適合された空気出口と、を含んでいるとよい。
【0051】
流れ発生器は、センサ45、たとえば、圧力センサおよび流量センサと、マイクロプロ
セッサ制御装置(例えば、プロセッサ40)とをさらに備えているとよい。マイクロプロ
セッサ制御装置は、センサ45および任意の遠隔センサ50から信号を受信することがで
き、これらのセンサからの情報を流れ発生器10および/または加湿器15の制御に用い
るようになっている。
【0052】
空気送達導管20は、加圧された(可能であれば、さらに加湿された)空気を患者イン
ターフェイス30に送達するための、例えば、8-22mm、好ましくは、15mmまた
は19mmの内径を有する柔軟チューブであるとよい。導管20は、導管を通るガスの温
度を調整し、チューブ内の凝縮(レインアウト「rainout」)を防ぐために、1つまたは
複数の加熱要素(図示せず)を含んでいてもよい。
【0053】
空気送達導管20は、1つまたは複数のワイヤ55も備えている。ワイヤ55は、プロ
セッサ40から患者インターフェイス30またはその近傍に位置する構成部品(例えば、
遠隔センサ50)に信号を送信し、および/または該構成部品(例えば、遠隔センサ50
)からプロセッサ40に信号を送信するためのものである。代替的に、信号は、多重送信
によって、空気導管の加熱ワイヤを介して送信されてもよい。加熱チューブの例は、20
07年11月8日に出願された国際特許出願公開第2008/055308号パンフレッ
トに開示されている。さらに、センサからベント装置の制御部品への信号の送信および/
または該制御部品からセンサへの信号の送信は、無線によって行われてもよい。
【0054】
患者インターフェイス30は、例えば、患者の鼻孔、鼻、および/または口に密封して
被せられる鼻マスク、ピローマスク、プロングマスク、クレードルマスク、フルフェイス
マスク、または口腔鼻マスクであるとよい。これらの種類のマスクのいくつかの例として
、Resmed Mirage ActivaTMマスク、Mirage SwiftTMIIマスク、およびUltra MirageT
Mマスクが挙げられる。
【0055】
図1に示されている実施形態では、患者インターフェイスは、(概略的に、参照符号6
0によって示されている)ガス洗い流しベント部品も備えている。ガス洗い流しベント部
品の例については、以下、さらに詳細に説明する。空気送達導管20は、該導管の患者イ
ンターフェイス端におけるガス洗い流しベントおよび/または他の能動部品を制御するた
めの信号を供給するために、制御ワイヤ65を有しているとよい。任意選択的に、制御ワ
イヤは、ベント装置の作動に関連するセンサまたは患者インターフェイスのセンサによる
測定値を表す多重化信号を送信するようになっていてもよい。
【0056】
代替的に、ガス洗い流しのためのベントアセンブリ60は、患者インターフェイス30
の近位側の空気送達経路内に配置されていてもよい。例えば、ベントアセンブリ60は、
導管20の患者インターフェイス端と患者インターフェイス30との間に配置されていて
もよい。
【0057】
代替的に、ガス洗い流しのためのベントアセンブリ60は、患者インターフェイス30
から遠くに離れて配置されていてもよい。例えば、ベントアセンブリ60は、流れ発生器
10に配置されていてもよい。
【0058】
[可変面積式ガス洗い流しベント]
本技術のいくつかの実施形態では、ガス洗い流しベント部品は、可変面積式ガス洗い流
しベントであるとよい。可変面積式ガス洗い流しベントは、以下の利点の1つまたは複数
を有することができる。固定式ベントは、典型的には、CO2洗い流しを増大させるため
には、流れ発生器の流れ(および電力)を増大させる必要があり、CO2洗い流しを減少
させるためには、流れ発生器の流れを減少させる必要がある。しかし、可変式ベントは、
このような電力を増減させることなく、ベントを単純に開閉することによって、CO2洗
い流しを増減させることができる。また、固定式ベントの場合、CO2洗い流しの切換を
行うために流れ発生器が圧力および流れを切り換えるのを待つことになるが、それと比較
して、可変式ベントの場合、CO2洗い流しの切換をより迅速におよび/またはより正確
に行うことができる。さらに、流れ発生器の切換を可変式ベントの調整と組み合わせるこ
とによって、さらに一層迅速なおよび/またはさらに一層正確な洗い流しの調整が達成さ
れることになる。さらに、可変式マスクベントを用いることによって、患者は、不快に閉
じ込められていると感じなくても済むことになる。何故なら、ベントをより大きく開いて
より大きいベント流れをもたらすことによって、マスクがより開いているように感じさせ
ることができるからである。
【0059】
さらに、このようなベントは、患者への空気の流れを低減させることができる。これに
よって、空気の乱流が低減し、その結果、騒音が減少する。また、これによって、マスク
内の乱流を低減させ、正常な呼吸をいっそう十分にシミュレートすることができる。代替
的に、ベントの制御は、マスク内の乱流を増大させ、例えば、いっそう十分なCO2洗い
流しをもたらすように換気を改良することもできる。このようなベントの制御は、流れ発
生器からわずかの電力しか必要としない。これによって、流れ発生器およびその関連する
部品(例えば、加湿器)をより小さくすることができる。治療システムのコストも、(例
えば、構成部品をより小さくすることによって)、低減させることができる。また、ベン
トの制御は、呼気圧を低減させるために用いられてもよく、これによって、快適さを高め
、CO2洗い流しを増大または改良することができる。
【0060】
図2A-2Cは、例示的な一実施形態による可変面積式ベント(例えば、ベントアセン
ブリ60)を示している。
図2A,2Bは、それぞれ、内側ベント部材70の部品(
図2
A)およびカバー部材75の部品(
図2B)を示している。
図2Cは、カバー部材75の
部品に対して入れ子にされた内側ベント部材70の部品を示している。すなわち、内側ベ
ント部材がカバー部材内に挿入され、これによって、可変面積式ベントアセンブリが形成
されている。
【0061】
図2Aの内側ベント部材70は、中心内側孔80を有する略円筒状または管状の形態を
有している。中心内側孔80は、一端が開いており、任意選択的に、他端が、例えば、エ
ンドキャップ85によって閉じている。エンドキャップ85は、内側ベント部材70をカ
バー部材75内に固定して配置させるように適合された拡大直径を有しているとよい。
【0062】
内側ベント部材70の表面の少なくともベント部分90は、多孔性であり、内側孔80
に連通しており、これによって、空気が内側孔からベント部分を通過することが可能にな
る。
【0063】
内側ベント部材70は、どのような適切な材料から形成されていてもよいが、有利には
、ポリカーボネートまたはナイロンのような成型プラスチック材料、またはポリプロピレ
ンのような多孔性成形プラスチック、などから形成されているとよい。代替的に、内側ベ
ント部材70は、シリコーンのような柔軟ポリマー、熱可塑性エラストマー、などから形
成されていてもよい。さらに他の代替例では、内側ベント部材70のベント部分90は、
織物または発泡体のような代替的多孔性材料から形成されていてもよい。さらに他の代替
例では、内側ベント部材70は、材料の組合せから構成されていてもよい。例えば、内側
ベント部材70のエンドキャップ85および本体は、ナイロンのようなポリマーから構成
され、ベント部分90は、布地、織物、などから構成されていてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、内側ベント部材70のベント部分90のための発泡体は、可
変有効多孔率を有する材料から形成されているとよい。例えば、発泡体の多孔率は、発泡
体の幅および/または長さに沿って、より小さい値からより大きい値に変化しているとよ
い。従って、ベント部分90の発泡体のどの部分がカバー部材75の換気開口95に露出
するかに依存して、ベントを通る流れの程度を変化させることができる。任意選択的に、
発泡体の可変有効多孔率は、カバー部材と内側ベント部材との間の相対運動に応じて換気
の変動を可能にするために、軸方向または長手方向に変化するようになっていてもよい。
これに関して、内側ベント部材70は、その回転位置によって流れを変化させるために、
その円筒面に可変有効多孔率を有する発泡円筒体から形成されているとよい。さらにまた
、発泡円筒体の一部が、内側ベント部材のベント部分90をなすようになっていてもよい
。
【0065】
図2Aから分かるように、ベント部分90は、ベントアセンブリ60の円筒面の湾曲し
た矩形部分から形成されているとよい。他の形状が用いられてもよい。例えば、いくつか
の実施形態では、以下にさらに詳細に説明するように、カバー部材の運動に応じてベント
の開面積または排気面積を変化させるように構成されたテーパ形状が用いられてもよい。
【0066】
内側ベント部材70のベント部分90は、例えば、内側孔80からベント部分90の外
面に延在する孔を形成することによって、ベントアセンブリ60に一体に形成されている
とよい。ベント部分90は、均一または無作為に配置された一連のベント孔を備えている
とよい。ベント孔は、それらの長さ方向にテーパが付されているとよい。好ましくは、ベ
ント孔は、収束するようになっているとよい(すなわち、ベント孔は、内側ベント部材の
孔側の直径が内側ベント部材の大気側におけるベント孔の直径よりも大きくなっていると
よい)。例示的なベント装置は、2000年5月15日に出願された米国特許第6,58
1,594号明細書に開示されている。
【0067】
発泡プラスチック材料のような多孔性材料から形成された内側ベント部材70の場合、
ベント部分は、ベント部分においてベント部材の材料を表面処理し、多孔性材料の外皮を
除去することによって、形成されるとよい。
【0068】
代替的に、ベント部分90は、内側ベント部材70内へのインサートとして、例えば、
孔付き成型材料、発泡プラスチックのような多孔性材料、または布地、例えば、制限され
るものではないが、織布、不織物、スペーサ布地、成型布地上の3Dテキスタイルからな
るインサートとして、形成されてもよい。
【0069】
図2Bは、
図2Cに示されているように内側ベント部材70の周りに密嵌合するように
適合された管状カバー部材75を示している。
【0070】
カバー部材75は、外側スリーブとして形成されている。この外側スリーブは、例えば
、共通軸を中心として内側ベント部材70に対して相対的に回転することによって、内側
ベント部材70に対して移動可能になっている。代替的な形態では、カバー部材75は、
内側ベント部材70がカバー部材75に対して(回転というよりもむしろ)直線的に摺動
するように、内側ベント部材70と同一平面上にあってもよい。任意選択的に、カバー部
材および内側ベント部材は、回転および軸方向の直線運動を可能にするように構成されて
いてもよい。このような実施形態の例については、
図10,11を参照して説明する。
【0071】
カバー部材75は、換気開口95を有している。換気開口95は、カバー部材75およ
び内側ベント部材70の相対位置に応じて、内側ベント部材70のベント部分90の領域
と真っ直ぐに並ぶように位置決めされている。従って、ベント排気面積は、ベント部分と
換気開口との重なりの大きさによって画定され、カバー部材および内側ベント部材のそれ
ぞれの開口の少なくとも1つまたは両方が異なる位置に作動されたとき、これらの開口の
整合性に依存して、増減されることになる。
【0072】
ベントアセンブリは、適切なシール手段、例えば、内側ベント部材の各端に隣接するリ
ングシール(図示せず)を備えているとよく、これによって、ベント流れが互いに整合し
たベント部分90および換気開口95を迂回しないように防ぐことができる。
【0073】
カバー部材75は、どのような適切な材料、例えば、成型プラスチック材料、例えば、
制限されるものではないが、医学的使用が認可されたものから形成されているとよい。任
意選択的に、内側ベント部材およびカバー部材は、共成形によって、一緒に形成されても
よい。このような共成形の実施形態は、互いに接合されない材料の場合に実施されるとよ
い。例えば、内側部材が最初に成形され、次いで、カバー部材が、カバー部材および内側
部材の互いに隣接する接触面が適切に合致するように、内側部材を覆って成形されるとよ
い。
【0074】
換気開口95は、図示されているように、単純にカバー部材75の切抜き部分であって
もよいし、または発泡プラスチックまたは布部分のような多孔性材料を有するようになっ
てもよい。
【0075】
図5A-5Cは、他の可変面積式ベントアセンブリ60を示している。
図5A,5Bは
、それぞれ、略円錐形状の内側ベント部材570の部品(
図5A)およびカバー部材57
5の部品(
図5B)を示している。
図5Cは、可変面積式ベントアセンブリを形成するた
めにカバー部材575内に挿入された内側ベント部材570を示している。
【0076】
一般的に、このベントアセンブリは、
図5Cに示されているように、第1の円錐が第2
の円錐内に入れ子になった2つの円錐構造体を用いている。円錐構造体を用いるこのよう
な設計の場合、前述した円筒の実施形態のような代替的装置よりも小形化することができ
る。また、円錐構造体は、より小形であり、円筒よりも耐摩耗性がすぐれている。すなわ
ち、使用に関して、これらの円錐は、互いに摩耗するが、使用中にそれらの接触を維持す
ることができる。これに反して、入れ子にされた円筒の表面は、摩耗すると、それらの表
面が互いに分離することになる。この摩耗は、もし表面間の意図しない漏れを妨げるため
の適切なシールをもたらすために表面間の接触が必要な場合、ベント性能を低下させるこ
とになる。
【0077】
これらの円錐は、前述した方法と同じ方法によって形成された単一開口または多数の開
口を有しているとよい。
図5Bに示されているように、カバー部材575は、カバー部材
575の孔585の空洞に開いた換気開口595を有している。同様に、
図5Aに示され
ているように、内側ベント部材570は、内側ベント部材570の孔580の空洞に開い
たベント部分590を有している。図示されている例では、ベント部分および換気開口に
は、テーパが付されている。しかし、これらの開通路に対して他の形状が用いられてもよ
く、これらの開通路の形状および大きさは、可変換気面積を有する任意のベントアセンブ
リ60に対して互いに同じである必要がない。換気開口595およびベント部分590は
、
図5Cに示されているように、カバー部材575および内側ベント部材570の相対位
置に応じて互いに真っ直ぐに並ぶように位置決めされることになる。第2の円錐開口に対
する第1の円錐開口のこの位置決めによって、内側円錐内から外側円錐の外側に流れるガ
スの量が決定されることになる。先の実施形態と同じように、カバー部材または内側ベン
ト部材のいずれかが、孔空洞からこれらの円錐のベント部分および換気開口を通る空気の
流れを増減するように、調整されるとよい。具体的には、ベント部分と換気開口の重なり
によって画定されるベント開通路の面積は、これらの開口の少なくとも1つまたは両方が
異なる位置に作動されたとき、これらの円錐の整合性に依存して、増減されることになる
。
【0078】
また、
図5A-5Cに示されているように、これらの円錐の一方または両方が、任意選
択的に、これらの円錐のベント部分または換気開口のより長い側に繋がる溝596または
ノッチを有しているとよい。この実施形態に示されているように、カバー部材575は、
円錐構造体の内面に内側溝596-Iを備えており、内側ベント部材570は、円錐構造
体の外面に外側溝596-Oを備えている。このような構成は、騒音を低減させるために
より長い空気流路をもたらすように適合されているとよい。溝は、三角形状または多角形
状の断面を有しているとよい。溝は、半円状または湾曲した断面を有していてもよい。ま
た、溝は、それらの長さに沿って幅が変化していてもよい。例えば、ベント開通路のより
長い側の近くに位置する溝の端では、溝が比較的大きい幅を有し、ベント開通路のより長
い側から最も離れた溝の端では、溝が比較的小さい幅を有しているとよい。さらに、溝の
長さに沿って幅が徐々に変化するようになっていてもよいし、溝にテーパが付されていて
もよい。
【0079】
図5A,5Bに示されているように、両方の円錐の溝は、同一または同様の形状を有し
ている。任意選択的に、
図5A,5Bにそれぞれ示されているように、1つの円錐の溝が
第1の方向に配向され、第2の円錐の溝が第2の方向に配向されていてもよい。このよう
に溝を互いに反対方向に配向する構成によって、第2の円錐に対する第1の円錐の位置に
依存して、ベントから外に向かう流れの量をさまざまに変化させることができる。他の態
様(図示せず)では、円錐の1つの溝は、他の円錐の溝と略直交する方向に配向されてい
てもよい。また、このような溝は、それらの長さに沿って、ベント開通路に向かって大き
くなるテーパが付された幅を有していてもよい。円錐状ベント装置のさらに他の例示的実
施形態が、
図8A,8Bに示されている。
【0080】
前述したように有効ベント開通路の大きさを変化させるために、いずれかの円錐が他の
円錐に対して回転可能になっているとよい。任意選択的に、両方の円錐が回転可能になっ
ていてもよい。従って、これらの円錐は、該円錐の互いに対する回転を案内するために、
ネジ機構および/または旋回軸を有しているとよい。円錐および/またはそれらのベント
開口および/または溝の形状に依存して、一方の円錐を他方の円錐に対してわずかに回転
させることによって、ベント流れを大きく変化させることができる。これは、円筒構造体
と比較してより効果的である。代替的実施形態では、これらの円錐は、互いに対して回転
せずに、それらの中心軸に沿って直線運動するように、(すなわち、それらの頂点を互い
に対して移動させるように)、構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、このよ
うな直線運動は、前述したように、回転運動に組合されていてもよい。
【0081】
内側ベント部材570および外側ベント部分(例えば、カバー部材575)は、同じ材
料から形成されていてもよいし、または前述したように、内側ベント部材70およびカバ
ー部材75は、それぞれ、材料の組合せから形成されていてもよい。
【0082】
ベントアセンブリの代替的な物理的形態として、例えば、ベント部材およびカバー部材
を互いに平行のディスクとして含むものが用いられてもよい。この形態では、ベント部分
およびベント開口は、それぞれ、ディスクまたはプレートとして形成されており、これら
のディスクまたはカバーの相対的な回転によって、互いに真っ直ぐに並び、可変ベント面
積を露出させるようになっている。これらは、
図9A,9B,9Cに示されている。図示
されているように、第1のディスク970の表面は、例えば、導管990内に配置され、
第2のディスク975の表面に接触するように、位置決めされている。その結果、開口(
例えば、換気開口595およびベント部分590)が少なくとも部分的に重なるように回
転されたとき、可変ベント面積がディスクのこれらの開口によって形成され、これによっ
て、ベント流れが開口を通ることになる。
図9Bに示されているように、三角形状の開口
が用いられるとよい。
図9Cのディスクには、涙滴状の開口が示されている。一部の例で
は、ディスクのキー状の中心孔が、ディスクの回転のための対応するキー付きモーターシ
ャフトを受け入れるようになっている。このようなモーターは、ディスクを含むマスクま
たは導管内に配置されるように寸法決めされているとよい。
【0083】
前述したように、いくつかの態様では、内側ベント部材およびカバー部材の組合せは、
直線的な移動(例えば、それらの長さに沿った軸方向移動)によっておよび/または回転
によって、ベント面積を調整するように適合されているとよい。例えば、カバー部材は、
雌ネジ山を有しており、内側ベント部材の外面のネジ山に沿って移動するようになってい
るとよい。また、任意選択的に、例えば、モーターのカムによって案内されることによっ
て、可変螺旋経路に沿って移動するようになっていてもよい。
【0084】
例えば、
図10のベントアセンブリは、矢印RMによって示される方向の回転または矢
印AMによって示される構成部品の長さに沿った(例えば、円筒の中心軸に沿った)軸方
向移動によって作動されるように、構成されているとよい。このような装置では、ベント
面積の流れ調整は、粗調整および/または微調整をもたらすように、構成することができ
る。
図10に示されているように、例えば、開口孔が軸方向において線状に並んでいる場
合、1つの運動(例えば、回転)に付随して、ベント部分のより大きい開口またはより多
くの開口孔が開通することになり、その一方、例えば、開口孔が周方向において線状に並
んでいない場合、他の運動(例えば、直線運動)に付随して、ベント部分のより小さい開
口またはより少ない開口孔が開通することになる。具体的には、アセンブリが矢印RMに
沿って回転するとき、線状に並んだいくつかの開口孔(例えば、7つの孔)が同時に開閉
され、ベント流れの粗調整をもたらすことになる。しかし、アセンブリが矢印AMに沿っ
て直線運動するとき、わずかな数(例えば、2つ)の開口面積しか露出または閉鎖されず
、ベント流れの微調整をもたらすことになる。このような場合、ベント部分の開口孔の線
状または非線状の配置構成は、望まれる種々の流れ特性をもたらすように、選択されるこ
とになる。同様に、換気開口孔の形状は、線状に並んだ開口孔を非線状的にさまざまに露
出させるように選択されるとよい。ベント部分590,595は、それらのいずれかまた
は両方が、騒音を制御するために、多孔性材料、例えば、発泡体または他の多孔性材料に
よって充填されているとよい。この発泡体は、可変密度および/または可変多孔率を有し
ているとよい。また、このような可変性は、方向によって異なっているとよい。
【0085】
図10のベントアセンブリの構成部品が、
図10A,10B,10Cに示されている。
このベントアセンブリは、
図10Cに示されている浮動ベント部分1090を用いている
。浮動ベント部分1090は、
図10Bに示されている内側ベント部材1070の開口の
棚1088上に置かれるように挿入されるとよい。浮動ベント部分1090は、
図10の
組立構造では、内側ベント部材1070がカバー部材1075内に挿入されたときに、カ
バー部材1075の内側保持面IRSによって、その定位置に保持されることになる。内
側保持面IRSは、カバー部材1075の開口の境界の内面をなしており、浮動ベント部
分1090の境界よりも小さくなっている。使用中、ベントから外に向かう流れをもたら
す任意の導管内圧が浮動ベント部分を押し、該浮動ベント部分をカバー部材1075の内
側保持面IRSの部分と接触した状態で保持することになる。これによって、浮動ベント
部分1090は、使用中に浮動ベント部分および/またはカバー部材1075の内側保持
面の接触面が摩耗しても、内側保持面IRSの部分との接触を常に保つことができる。こ
れらの表面間の一貫性のある密封によって、カバー部材の開通路に直接露出していないベ
ント部分の任意の開口孔から外に向かう意図しないベント流れが防がれることになる。任
意選択的に、浮動ベント部分1090は、孔からの流れに押されたときに、カバー部材の
開口との接触を維持するように撓み、これによって、カバー部材の1つまたは複数の開口
の縁と接触するために、柔軟材料から形成されているとよい。
【0086】
このように、浮動ベント部分1090は、摩耗が容認されるので、内側ベント部材と一
体のベント部分と比較して、製品の有用寿命を延ばすことができる。同様に、この特定の
ベント部分は、内側ベント部材とは別体になっているので、その製造を簡素化することが
できる。また、このベント部分は、取替え可能になっているので、種々の換気特性を有す
るように構成することができる。このようなアセンブリは、構成部品の保守および洗浄を
容易に行うことができる。
【0087】
図11は、回転(矢印RM)および/または軸方向に沿った直線運動(矢印AM)によ
って作動されるベントアセンブリ装置の上面図である。この装置では、内側ベント部材7
0のベント部分90は、楕円形状を有しており、例えば、発泡体または他の多孔性材料か
ら構成されているとよい。他の実施形態と同じように、構成部品の種々の方向における作
動によって、ベント流れを動的に調整することが可能である。
【0088】
図12A,12Bは、他のベントアセンブリの構成部品を示している。
図12Aの内側
ベント部材1270は、そのベント部分1290に複数の開口を有している。内側ベント
部材1270は、
図12Bのカバー部材1275内に挿入されるとよい。このベントアセ
ンブリでは、カバー部材1275は、複数の換気開口1295-1,1295-2を備え
ており、これらの換気開口は、相対的な軸方向運動および/または相対的な回転によって
、可変面積換気をもたらすようになっている。
【0089】
図13A,13B,13C,13Dは、圧縮可能および/または拡張可能な可変面積式
ベントを示している。このベントアセンブリでは、円筒状ドラム1301は、シリコーン
のような柔軟材料から形成されている。このドラムは、その円筒面に沿って複数のスリッ
ト1303を備えている。これらのスリットは、ドラムの軸方向の拡張または圧縮によっ
て種々の程度に開閉するように、撓むようになっているとよい。スリットは、開いたとき
、可変面積式ベントの排気開口として機能する。この目的を達成するために、ロッド13
05またはピストンが、ドラムの両端の一方または両方に連結されているとよい。このロ
ッドは、例えば、ソレノイドによって電気機械的に作動され、ドラムを軸方向に延伸また
は短縮し、これによって、スリット1303の開通路を可変的に調整することができる。
例えば、
図13Cに示されているように、ドラムが延伸され、スリットからなる開通路を
拡張し、これによって、ベントの開面積を増大させることになる。
図13Dでは、ドラム
が短縮され、スリットからなる開通路を縮小し、これによって、ベントの開面積が減少す
ることになる。患者の呼気流れがドラムの一端に入り、スリットを通してドラムの内側か
ら外側に流れ、これによって、排気ベントとして作用するようになっているとよい。代替
的に、患者の呼気流れが、スリットを通してドラムの内側に入り、ドラムの端から流出し
、これによって、排気ベントとして作用するようになっていてもよい。一部の例では、円
筒の材料(例えば、薄膜または織物)のスリットまたは孔が、延伸または拡張時に、その
大きさが減少するかまたは収縮し、流れを低減させるようになっていてもよい。このよう
な場合、円筒の材料の孔は、材料が延伸した時に、流れを減少させるように形状を変化さ
せるようになっているとよい。例えば、弾性材料のような材料の孔は、
図22Aに示され
ている形態から
図22Bに示されている形態に伸張されたとき、一軸に沿って縮小するよ
うになっているとよい。代替的に、孔の形状または大きさの変化は、他の刺激によって引
き起こされてもよい。例えば、温度、振動、電荷または電流、または磁場の変化のいずれ
か1つまたは複数をこのような材料に加えることによって、形状および/または大きさの
変化を制御するようになっていてもよい。
【0090】
図14,15のベントアセンブリは、ベント導管内で作動する流れ制御スラグ(slug)
を用いている。スラグは、導管の気道通路の外側に全体的または部分的に位置する制御要
素によって作動されるようになっている。例えば、
図14は、ネジ付き導管1467を備
えている。このベントアセンブリでは、流れ制御スラグ1469は、導管のネジ山147
1-Cに関連して導管に沿って移動するためのネジ山も有している。導管の長さに沿った
流れ制御スラグの位置によって、導管を通る流れの量が決まることになる。例えば、図示
されている実施形態では、導管のネジ山1471-Cは、
図14に終端CEとして示され
ているネジ山1471-Cの一端では、導管の一部の内面の全体を取り囲んでいる。スラ
グがこれらのネジ山にねじ込まれると、流れは、導管を通ることができない。何故なら、
スラグが導管の内部通路を塞いでいるからである。しかし、終端CEから導管に沿って移
動した箇所では、ネジ山1471-Cは、1つまたは複数の(導管の内面がネジ山によっ
て完全に取り囲まれていない)破断部分BPを備えている。この破断部分BPは、導管の
ネジ山1471-Cの一部と略直交して延在する溝と考えられる。スラグが導管内で回転
し、ネジ山1471-Cの1つまたは複数の破断部分を含む箇所に隣接して位置すると、
導管は、少なくともいくらか開いているので、ガス流れが破断部分の溝内のスラグの近く
またはその周りを通り抜けることができ、これによって、流れが導管を通ることが可能に
なる。
【0091】
任意選択的に、導管の長さに沿った破断部分の溝の位置、数、および幅を異ならせるこ
とによって、流れを変化させることができる。このように、流れの程度を変化させること
ができ、これによって、導管の流れを粗増減または微増減するように構成することができ
る。例えば、一組の溝に、導管の長さに沿ってテーパが付されていてもよい。流れ制御ス
ラグが回転し、溝の狭幅テーパに隣接して位置すると、導管を通るわずかな流れしか許容
されないことになる。同様に、流れ制御スラグが回転し、溝の広幅テーパに隣接して位置
すると、導管を通る多くの流れが許容されることになる。これらの溝のテーパ構造に基づ
いて、ネジ付きスラグが、狭幅テーパ部分の近くから広幅テーパ部分の近くまで導管に沿
って前進すると(従って、そのネジ山に沿って回転すると)、導管を通る流れが、徐々に
変化することになる。
【0092】
流れ制御スラグをブラシレス電動モーターのロータとして駆動することによって、該ス
ラグが自動的に移動または回転されるようになっているとよい。任意選択的に、スラグの
移動は、導管の外面上に配置されたまたは導管壁内に埋設された電磁石のコイルによって
、行われてもよい。このような場合、スラグは、コイルの作動に応じてその回転を促進す
るために、部分的に磁性を有しているとよい。スラグは、電動ロッドによって回転駆動さ
れてもよい。任意選択的に、ネジ山は、導管を通るスラグの運動を容易にする多条ネジで
あってもよい。代替的に、スラグは、スラグに回転可能に連結されたソレノイドのロッド
によって、押し/引きされてもよい。任意選択的に、スラグおよび導管は、ネジ付き面を
備えていなくてもよい。
【0093】
さらなる構成では、導管のネジ山1471-Cの大きさは、例えば、導管およびスラグ
のそれぞれのネジ山間の隙間を変化させることによって、導管の長さに沿って変化するよ
うになっていてもよい。このようにすれば、緩嵌合されたスラグのネジ山1471-Sと
導管のネジ山1471-Cとの間の空間によって、いくらかの空気流れがスラグの周りに
沿って導管内を通ることが可能になる。しかし、密嵌合されたネジ山は、流れを遮ること
になる。このような構成は、破断部分からなる溝を設けることなく、実施されてもよい。
例えば、導管の一部は、第1の大きさ、例えば、ある断面高さのネジ山1471-Sを有
しているとよい。導管の次の部分は、第2のより小さい大きさ(例えば、より小さい断面
高さ)のネジ山を有し、導管のさらに次の部分は、第3のさらに小さい大きさ(さらに小
さい断面高さ)のネジ山を有しているとよい。導管の第1の大きさのネジ山は、スラグの
ネジ山1471-Sと実質的に同じであるとよい。スラグが第1のネジ山に隣接するとき
、流れは、スラグを迂回して導管内を通れないことになる。何故なら、スラグは、導管の
ネジ山に密嵌合しているからである。スラグが回転し、第2の大きさのネジ山に隣接する
と、導管の一部の流れが、スラグを迂回して導管を通ることになる。何故なら、スラグの
ネジ山が導管のネジ山に緩嵌合しているからである。次いで、スラグが回転し、第3の大
きさのネジ山に隣接すると、さらに多くの流れがスラグを迂回して導管を通ることになる
。何故なら、スラグのネジ山が導管のネジ山にさらに緩嵌合しているからである。
【0094】
このような構成では、導管の一端から他端までネジ山の大きさを徐々に変化させておく
と、スラグを種々のネジ山を介して導管に沿って前進させることによって、導管を通る流
れを連続的に微調整することができる。任意選択的に、ネジ山の大きさのこのような変化
は、破断部分からなる溝と共に実施されてもよい。
【0095】
図15は、ネジ山を有することなく段付き導管1567を通るガス流れを調整する移動
式流れ制御スラグ1569を示している。
図15Eは、段付き導管1567の上面図であ
る。
図15A,15B,15Cは、各々、
図15Eの線ABCに沿って切断した段付き導
管1567の断面図を示している。
図15Dは、
図15A,15B,15Cと同じ段付き
導管を
図15Eの線DDに沿って切断した他の断面図を示している。段付き導管は、その
長さに沿って複数の互いに離間した段1573を用いている。これらの段は、導管の両側
に互い違いに配置されたものとして示されている。しかし、他の段構成、例えば、導管の
両側に対称的に配置された対称段が、設けられてもよい。
図15Aに示されているように
、導管は、導管の流路内においてスラグ1568を作動させるために、電磁石1575を
用いている。例えば、
図15Aに示されているように、磁石制御装置C1,C2にのみ連
結された電磁石を駆動することによって、スラグを図示された位置に維持している。磁石
制御装置(例えば、C1,C2,C3,C4)を連続的に駆動することによって、スラグ
は、導管に沿って移動することになる。(磁石制御装置C1,C4を駆動させずに)磁石
制御装置C2,C3を駆動させることによって、スラグを
図15Aの位置から
図15Bに
示されているスラグ位置に移動させることができる。同様に、磁石制御装置C1,C2を
駆動させずに、磁石制御装置C3,C4を駆動することによって、スラグは、
図15Cに
示されているスラグ位置に移動することになる。この例では、静止電電磁石が、スラグを
移動させている、しかし、いくつかの実施形態では、導管の外部における可動磁石が導管
の外部に沿って機械的に移動し、導管内のスラグを段階的に移動させるようになっていて
もよい。
【0096】
図15Dの断面図に示されているように、導管には、広端WEと狭端NEを有するよう
にテーパが付されていてもよい。スラグがテーパの狭端に保持されていると、流れは、殆
どまたは全く、導管の流路1577を通ることができない。何故なら、スラグが通路を塞
いでいるからである。しかし、スラグが磁石の作動によってテーパの広い部分に前進する
と、より多くの流れがスラグの広い間隙の周りに沿って通路を通ることができる。これに
よって、スラグは、通路を通る流れを可変的に調整することができる。さらに、流れは、
スラグが導管に沿って前進するにつれて、徐々に変化することになる。
【0097】
図15Dに示されているような楕円状の形状を有するスラグが用いられるとよいが、導
管の輪郭に応じて、他の形状を有するスラグが用いられてもよい。例えば、
図15Fは、
プラグ部分1569Pおよび両端部分1569Eを備えるスラグ1569の上面図である
。
図15Fのスラグと共に用いられるのに適する導管の上面図が、
図15Gに示されてい
る。このような実施形態では、プラグ部分1569Pは、導管のテーパ部分の断面形状に
適するようになっているとよい。これによって、スラグが導管の狭端NEに位置するとき
、プラグ部分の外面形状が、これらの表面間に間隙または公称間隙をもたらすことなく、
導管の内面形状に対応することになる。スラグが導管の広端WEに位置するとき、プラグ
部分の外面形状は、導管の内面形状に対応しているが、これらの表面間に著しく大きい流
れ間隙が存在する。このように、プラグ部分は、導管の流路を可変的に阻止することにな
る。従って、プラグ部分1569Pは、
図15Fに示されているように略円形になってい
るとよいが、他の形状(例えば、矩形、球形、など)であってもよい。スラグの両端部分
は、導管の段と選択的に係合することを可能にするために、
図15Fに示されているよう
に、プラグ部分の表面を超えて延在しているとよい。これに関して、段1573は、任意
選択的に、導管の長さに沿って互いに向き合った溝SC内に形成されているとよい。両端
部分は、段と選択的に係合するために、段溝内において導管を横断するようになっている
とよい。
【0098】
スラグは、どのような適切な材料から形成されていてもよい。具体的には、スラグ自体
は、1つの磁気材料から形成されているとよいが、多数の材料が用いられてもよい。例え
ば、プラグ部分は、導管の流路内において移動して流れを阻止するのに適する非磁気材料
(例えば、プラスチック材料)から形成されているとよい。両端部分は、特定の運動制御
要素によって導管の段溝SC内を段階的に運動するのに適する磁気材料(例えば、金属ま
たは磁石)から形成されているとよい。
【0099】
図23A,23Bの可変ベントアセンブリは、カバー部材2075および内側ベント部
材2070の両方に相補的な換気突起を用いている。
図23A,23Bの例では、上下プ
レートは、流れが選択的にプレートを通ることに可能にする開口を備えている。具体的に
は、カバー部材2075のプレートは、開口を有するベント部分と、ベント部分2090
の開口を通る流れを選択的に塞ぐかまたは遮るための嵌合突起2076と、を備えている
とよい。同様に、内側ベント部材2070のプレートは、ベント部分2090を形成する
開口と、換気開口2095の孔を選択的に塞ぐかまたは遮るための嵌合突起2071と、
を有しているとよい。任意選択的に、突起および嵌合開口は、それぞれ、円錐構造および
漏斗構造(funnel structure)によって形成されているとよい。1つまたは複数の付勢部材
、例えば、バネ機構2097が、プレートを互いに離れるようにまたは一緒にするように
付勢し、開位置または(
図23Bに示されているような)閉位置をもたらすようになって
いるとよい。任意選択的に、アセンブリの内側ベント部材への空圧が付勢部材を伸延させ
、
図23Aに示されているように、流れFがアセンブリを通ることを可能にするようにな
っていてもよい。このような場合、内側ベント部材側に十分な空圧が存在しないとき、付
勢部材の力に打ち勝つことができず、これによって、アセンブリを通る流れを遮断または
阻止することになる。種々のバネ定数および換気開口特性の選択によって、ベントを種々
の圧力によって換気作動を行うように構成することができる。さらに、1つのアセンブリ
の換気構造の長さにわたって種々のバネ定数を有するいくつかの異なる付勢部材を用いる
ことによって、ベントの種々の領域における圧力に対してさまざまに対応することができ
、これによって、種々の圧力条件に応じてアセンブリの流れ特性をさらに異ならせること
ができる。アセンブリの2つのプレート間の付勢または移動は、プレートの一方または両
方が磁性を有している場合、コイル(図示せず)を用いて1つまたは複数の磁場を選択的
に作動させることによって、制御することができる。このような場合、バネは、省略され
てもよいし、または省略されなくてもよい。
【0100】
図24A,24Bのベントアセンブリでは、内側ベント部材のベント部分2490の開
口を選択的に開閉するために、キャップ状構造がカバー部材2475として機能するよう
になっている。カバー部材自体は、換気開口を備えていない。しかし、カバー部材247
5と内側ベント部材2470との間の1つまたは複数の間隙によって、
図24Bに示され
ているように、内側ベント部材を通る流れが大気に放出されることになる。付勢部材、例
えば、バネ機構2497が、(間隙Gの有無に関係なく)、カバー部材2475を閉位置
または開位置のいずれかに付勢するようになっているとよい。任意選択的に、バネの付勢
を変更するために、電磁場を生成する1つまたは複数のコイル2499が設けられてもよ
い。例えば、電流または種々の強さの電流を1つまたは複数のコイル2499に選択的に
印加することによって、開口の大きさまたはベントを開けるのに必要な力を異ならせるこ
とができる。例えば、ベントは、内側ベント部材および/またはカバー部材に作用するバ
ネおよび/または電磁場の結果として常閉するようになっているとよい。患者が息を吐き
出すとき、および呼気によって十分な内部空圧が溜まったとき、その圧力がバネ力および
/または磁気力の一部に打ち勝ち、カバー部材を開くようになっているとよい。カバー部
材2475を内側ベント部材に引き付ける磁気力を増大または減少させることによって、
ベントを開くのに必要な内部空圧がそれぞれ増大または減少するようになっていてもよい
。代替的に、カバー部材2475を内側ベント部材から反発させる磁気力を増大または減
少させることによって、ベントを開くのに必要な内部空気圧力がそれぞれ減少または増大
するようになっていてもよい。
【0101】
図25に示されているようないくつかの装置では、マスクの換気開口を通る流れは、マ
スクの換気開口内に含まれているマスクベントファン2525(例えば、モーターおよび
羽根付きディスク)の制御によって変更されるようになっている。ベントファンは、呼吸
治療装置RTAの制御装置によって制御されるとよい。また、制御装置、例えば、1つま
たは複数のプロセッサを有する制御装置は、圧力治療をもたらす呼吸治療装置の流れ発生
器FG(例えば、送風機)を制御するように構成されている。ベントファンは、マスク内
のベント出口として機能するようになっているとよい。例えば、ベントファンは、マスク
から呼気流れに対して内方流れおよび内方圧力を加える方向に回転するように、制御され
るとよい。このような制御によって、マスクからベントファンの開口を通って外に向かう
流れが阻止または遮断されることになる。ベントファンへの動力供給が遮断されると、マ
スクの圧力は、ベントファンの開口を通り、これによって、ベントファンを回転させるこ
とになる。ベントファンのこの呼気回転は、任意選択的に、エネルギー貯蔵部(例えば、
バッテリー)を誘導的に充電するようになっていてもよい。ベントからの外方流れは、ベ
ントファンのモーターに動力を可変的に供給することによって、変化させることができる
。例えば、患者呼気中、マスク内に内方流れを生成するように、ベントファンに動力が供
給されるとよい。一部の例では、容易な呼気流れをもたらすために、マスクから外方に向
かう流れを生成するように、マスクファンに動力が供給されてもよい。
【0102】
図26A,26Bに示されているように、可変換気の制御は、1つまたは複数の制御可
能なダイアフラムが設けられた調整可能な呼気導管によって、行われてもよい。例えば、
図26A,26Bに示されているように、呼気流れEFを通す呼気導管2633は、柔軟
材料から形成されているとよい。任意選択的に、呼気導管は、吸気流れIFを導く吸気導
管2635を含んでいてもよい。吸気導管は、呼気導管よりも剛性の材料から形成されて
いるとよい。1つまたは複数の調整可能なダイアフラム2637が、導管、例えば、呼気
導管の外周に施されているとよい。任意選択的に1つまたは複数の圧電セラミックまたは
電気作動ポリマーリングによって形成される調整可能なダイアフラム2637は、導管の
1つまたは複数の周面を選択的に調整するように、制御されるとよい。例えば、ダイアフ
ラム2637は、呼気導管の呼気通路を通る流れを大きくするために、
図26Aに示され
ているように、拡張または弛緩するように、制御されてもよい。同様に、ダイアフラムは
、導管の表面を締め付けるようにその周囲を縮小し、これによって、導管の流路の大きさ
を制限するように、制御されてもよい。例えば、
図26Bに示されているように、ダイア
フラム2637は、種々の程度に締め付け、これによって、呼気導管の呼気流路の大きさ
を選択的に縮小させるように、制御されてもよい。制御装置2641のフィードバック制
御ループは、例えば、呼気通路と関連する圧力センサ2639によって圧力を監視するこ
とによって、および所望の圧力および測定された圧力の関数としてダイアフラムの大きさ
を調整することによって、この通路の大きさを調整するようになっているとよい。単一の
導管アセンブリが示されているが、多数のダイアフラムを有する多数の呼気導管が、この
ようなアセンブリによって形成される換気面積を選択的に制御するように構成されてもよ
いことを理解されたい。
【0103】
[可変面積式ガス洗い流しベントを含む呼吸治療装置]
【0104】
図3は、本技術の一態様による呼吸治療装置内への可変面積式ガス洗い流しベントアセ
ンブリの組込みを示す概略図である。
【0105】
図3の装置では、呼吸治療装置は、
図1において前述したように略配置された流れ発生
器10および加湿器15を備えている。しかし、前述したように、加湿器15の使用は、
省略されてもよい。空気送達導管320は、加圧空気を流れ発生器から患者インターフェ
イスに送達し、生じた空圧を患者の気道に加えるようになっている。図示されている実施
形態では、患者インターフェイスは、三角形状のフルフェイス型または鼻型の呼吸マスク
からなる患者インターフェイス330である。しかし、他の型の患者インターフェイスも
適用可能である。
【0106】
マスク型患者インターフェイス330は、空気供給源にマスクを接続するためのエルボ
ーまたは接続要素322を備えている。
【0107】
概して前述した態様のいずれか1つによるガス洗い流しベントアセンブリ360は、実
質的に患者インターフェイス330の近くに位置するように空気送達導管とエルボーとの
間の気道経路に配置されるために、空気送達導管320とエルボー接続要素322とに接
続される1つまたは複数の端コネクター(図示せず)を備えることができる。代替的な位
置(例えば、エルボーとマスクとの間の位置)に配置されてもよい。このようにして、ガ
ス洗い流しベントアセンブリ360は、患者から吐出されたガスを換気することができる
。
【0108】
ベントアセンブリ360および送達導管320は、以下にさらに説明するように、動力
取出しのための嵌合電気コネクタ、およびフィードバック信号および制御信号の伝送のた
めの嵌合電気コネクタをさらに備えているとよい。
【0109】
図4は、呼吸治療装置に設けられた本技術によるさらに他のガス洗い流しベントを示し
ている。この装置では、鼻下型患者インターフェイス、例えば、鼻クッション、鼻ピロー
、またはプロングが、ガス洗い流しベントを備えている。
【0110】
図4の装置は、流れ発生器(図示せず)から患者インターフェイス430に繋がる空気
送達導管420も備えている。患者インターフェイス430は、図示されている例では、
患者の鼻孔を密封するためのノズル435を備えている。
【0111】
図3の例と対照的に、
図4では、ベントアセンブリ460は、患者インターフェイス4
30に設けられている。具体的には、患者インターフェイス430の(枢動可能なエルボ
ー422の反対側の)遠位端に取り付けられている。ベントアセンブリ460は、
図2A
-2Cのベントアセンブリまたは円錐状アセンブリの修正形態として示されているが、代
替的に、本明細書に記載されるベントアセンブリ装置のいずれの形態、例えば、ディスク
式ベントの形態を取ることもでき、ガスを周囲よりもむしろアセンブリの端から放出する
ようになっていてもよい。一部の例では、ベントの騒音を低減するのを助長するために、
出口マフラーが追加的に設けられてもよい。例えば、患者のマスクまたは耳から騒音をさ
らに遠くに離すために、チューブまたは導管がベントの出口に追加的に設けられてもよい
。これによって、吐出された空気を患者の顔面から離れる方に送ることが可能になる。
【0112】
[ベント流れ調整の作動]
【0113】
その最も簡単な形態では、
図2A-2Cにおけるカバー部材75および内側ベント部材
70の相対位置は、ベント部分90の可変面積を覆うかまたは露出させるように手動によ
って操作され、これによって、ベント流れ特性の調整制御を行うようになっている。ベン
トは、ベント面積に対する手動設定が可能になっている。この手動設定は、ベント流れに
対して偏り(DCオフセット)をもたらすことになる。このようなベントのベント流れの
微調整または粗調整は、制御装置によって、手動によって設定したベント面積からベント
面積を増減することによって、制御されるとよい。ベント面積の調整は、内側ベント部材
に対するカバー部材の相対的な変位に依存して、連続的に可変になっているとよい。例え
ば、これらの2つの部材は、カバー部材の内面と内側ベント部材の外面との間の摩擦によ
って保持されているとよい。代替的に、保持部材を用いて、複数の不連続な設定位置から
特定位置を選択することによって、調整を行うことも可能である。
図2Cの例に示されて
いるように、ベントアセンブリは、任意選択的にマーク91を有していてもよい。マーク
91は、カバー部材75とベント部分90の相対な回転位置に基づく可変ベント設定値を
示すものである。
【0114】
調整の範囲は、患者の治療の処方箋に従って可変ベント特性を設定するために、臨床医
によって予め設定されているとよい。
【0115】
ベントアセンブリは、ベント特性を調整するためのアクチュエータを備えているとよい
。
【0116】
例えば、ベントアセンブリは、例えば、トーションバネによって開位置に向かって付勢
され、これによって、常開ベントを形成するようになっているとよい。常開ベントは、患
者マスクに対して非窒息弁としても作用する。従って、アクチュエータは、付勢手段の力
に抗して作用し、ベントを完全にまたは比例的に閉鎖することになる。このような任意選
択的なバネ機構97が、
図2Aに示されている。
【0117】
種々の形式の構成要素からなる適切なアクチュエータが用いられるとよい。例えば、ボ
イスコイルは、アクチュエータとして、例えば、線形アームボイスコイルアクチュエータ
および回転または揺動アームボイスコイルアクチュエータとして、機能するものであると
よい。ソレノイドまたはボイスコイルのようなアクチュエータのためのコイル99の例示
的な配置が、
図2Aに示されている。代替的に、圧電アクチュエータ(直接作動式および
/または増幅式)が用いられてもよい。さらに他の代替物として、空圧アクチュエータ(
例えば、空圧増幅式アクチュエータ)が挙げられる。このような装置では、ピストンアク
チュエータに動力を供給するために、流れ発生器から圧力を取り出す導管がマスクに設け
られるとよい。ピストンは、1つまたは複数のサーボ弁、比例弁、または流量制御弁を介
して取出し導管に印加された圧力によって制御されることによって、回転または摺動し、
ベントアセンブリを所望の位置に移動させることになる。例示的な空圧ピストン399が
、
図3の実施形態に象徴的に示されている。
【0118】
ソレノイドがアクチュエータとして利用されるとき、流れ発生器の制御装置によって、
電圧が適所に配置されたソレノイドに伝達され、これによって、例えば、カバー部材に対
する内側ベント部材の相対位置を調整することによって、ベントアセンブリを作動するよ
うになっている。ソレノイドに伝達される電圧によって、ソレノイドの位置、従って、ベ
ントアセンブリの位置が変更されるようになっている。例えば、第1の電圧が、ベントア
センブリを第1の位置に位置決めするために、(例えば、ベントアセンブリの半分を大気
に対して開くために)、ベントアセンブリに印加されるとよい。第2の電圧は、ベントア
センブリを第2の位置に位置決めするために、(例えば、ベントアセンブリの全てを大気
に対して開くために)、ベントアセンブリに印加されるとよい。ベントのこのような調整
可能な位置は、不連続であってもよいが、完全に開いた位置と完全に閉じた位置との間で
連続的に変化するようになっていてもよいし、または完全に開いた位置と完全に閉じた位
置との間のいくつかのその他の設定限界値であってもよい。
【0119】
ボイスコイルアクチュエータまたは圧電アクチュエータのような電動式アクチュエータ
の場合、このアクチュエータは、バッテリのようなそれ自体の電源を備えているとよい。
任意選択的に、このアクチュエータには、例えば、
図1の空気送達導管20の加熱回路か
らの電力取出しによって、電力が供給されてもよい。ベントアセンブリおよび空気送達導
管には、この目的のために、嵌合電気コネクタが形成されていてもよい。さらにまた、こ
のアクチュエータには、誘導カプリングまたは変圧器カプリングによって、動力が供給さ
れてもよい。
【0120】
ボイスコイルアクチュエータは、ベントアセンブリの相対的変位、例えば、ガス洗い流
しベント(例えば、ベントアセンブリ60)の円錐構造体の変位を達成するように、構成
されているとよい、例えば、ワイヤのコイルは、1つの可動円錐(例えば、外側円錐また
は内側円錐の頂点)に取り付けられるとよい。磁石が、固定位置、例えば、ベントアセン
ブリに隣接する患者インターフェイスのフレームの部分に配置されるとよい。電圧がワイ
ヤに印加されると、磁気が円錐の再位置決めをもたらし、これによって、ベント開通路に
関連する整合性を変化させることになる。円錐の種々の位置は、コイルに印加される種々
の電圧または電流を制御することによって、設定されるとよい。
【0121】
さらに、アクチュエータは、ベント装置、例えば、ベント装置の円錐部材または円錐部
材の1つの一部に取り付けられた誘導コイルを備えていてもよい。任意選択的に、圧電モ
ーターのようなモーターが、誘導コイルに取り付けられてもよい。アクチュエータは、こ
のコイルのみによって、および/または圧電モーター/ドライバーによって作動されるこ
とになる。一部の例では、ベントアセンブリは、例えば、ソレノイドを制御し、ベント位
置よりもむしろベント流れを測定することによって、位置センサを設けることなく、作動
されてもよい。代替的に、ベントアセンブリは、ベントの位置を調整するモーターまたは
ドライバーのみによって作動されてもよい。
【0122】
ベント調整のための制御信号は、「学習(learn)」サイクルまたは「初期化(initiat
ion)」サイクルを実行することによって、学習されてもよい。このようなサイクルは、
任意選択的に流れ発生器の制御装置によって行われてもよい。このようなシステムは、ベ
ントを調整するのに必要な電力の量を学習し、任意選択的に、位置センサを必要とするこ
となく(または位置センサに経費を掛けることなく)、学習を行うことができる。このよ
うな学習サイクルは、治療の初期に開始されるとよい。このようなサイクルでは、一連の
電圧がモーターに送られ(例えば、電圧を変調し)、誘導コイルに一連の電圧を誘導し、
ベントアセンブリを、完全な閉位置から完全な開位置までの範囲内の多数のベント整合位
置に直線状にまたは段階的に移動させることになる。例えば、ベントがその端に到達し、
もはやベントを移動させるために電力を供給する必要がなくなったとき、システムは、停
止する。最小電圧および最大電圧に関するデータは、最小ベント位置および最大ベント位
置またはベントの線形位置に関連して、記録または保管されるとよい。同様に、ベントを
最初に移動させるのに必要な最小電圧が記録されるとよい。ベントを最小位置から最大位
置に(またはその逆に)移動させるのに必要または所望される電圧を表すデータも記録さ
れるとよい。電流が制御される場合、特定の電圧に関連してベントの移動を所望の位置に
設定するために必要な電流が、代替的に記録されてもよい。使用に際してベントアセンブ
リを設定する場合、流れ発生器の制御装置は、例えば、国際特許出願公開第2002/0
53217号公報に記載されている方法によって、所定のマスク特性に基づいて必要なベ
ント流れを計算するようになっているとよい。ベントの学習された値および既知の特性に
基づいて、制御装置は、ベントを所望の流れが得られるように位置決めするために、モー
ターまたはソレノイドへの電圧または電流の印加を制御するようになっているとよい。
【0123】
圧電モーターも有利である。何故なら、圧電モーターは、ベントを移動させるのに低電
力しか必要としないからである。例えば、圧電モーターは、ベントを移動させるのにわず
かな電力しか必要とせず、ベントを所定位置に保持するために付勢力を上回る電力を必要
としない。しかし、圧電モーターは、付勢力/ソレノイドアクチュエータよりも精度が劣
ることになる。何故なら、バネ/ソレノイド装置は、小さいストロークによってより正確
に作動することができるからである。
【0124】
図18A,18Bは、ソレノイド構造内に組み込まれたベントアセンブリを示している
。カバー部材1875は、複数の孔によって形成された換気開口1895と、1つまたは
複数の巻線溝1891とを備えている。巻線溝1891は、カバー部材1875の内側孔
と略平行になるように、該孔に沿って延在している。任意選択的に、このような溝は、(
図示されていないが)、カバー部材の外面にも同様に設けられていてもよい。巻線溝は、
内側ベント部材を電磁気的に操作するように作用するコイル巻線1899のための溝をも
たらすものである。一部の例では、このような巻線は、カバー部材1875の構造内に封
入されているとよい。
図18Cの端面図に示されているように、カバー部材は、いくつか
の部分、例えば、2つ,3つ,4つ,または5つ以上の部分、具体的には、円筒をその長
さに沿って長手方向に分割した左半体カバー部材1875Lおよび右半体カバー部材18
75Rによって形成されているとよく、これによって、コイルをカバー部材1875のそ
れぞれの区域に設けることができ、ベントの組立を容易にすることができる。これらの部
分は、内側ベント部材がこれらの部分内に保持されるように、互いに接合されることにな
る。カバー部材のこれらの部分の接合によって、内側ベント部材は、回転可能に保持され
ることになる。
【0125】
使用にあたって、内側ベント部材1870は、カバー部材1875のコイル1899の
数に依存して、
図18BにN-magおよびS-magとして示されているように、チュ
ーブの長手方向における両側に磁極を有するように、磁化されるとよい。例えば、
図18
A,18B,18Cに示されているアセンブリの実施形態では、内側ベント部材1870
は、2つの半体をなす複数の区域が磁化されている。しかし、
図18Dのアセンブリに示
されているように、内側ベント部材は、付加的なコイルに対応する付加的な区域が磁化さ
れていてもよい。
図18Dに示されているように、カバー部材は、3つのコイル溝189
1、および3つのコイル1899を備えており、内側ベント部材は、6つの磁極(例えば
、交互に配置されたS極,N極)を有する区域が磁化されているとよい。カバー部材のこ
のような実施形態は、任意選択的に、円筒をその長さに沿って長手方向に分割した3分割
体から形成されていてもよい。勿論、これらと異なる数のコイルが用いられてもよい。
【0126】
このような構成では、孔1880およびベント部分1890を有するチューブとして示
されている内側ベント部材は、いくつかの磁極を有している。次いで、外側カバー部材の
コイル巻線が、(例えば、電流を印加させることによって)励磁され、コイルの数に依存
して1つまたは複数の磁場を生成することになる。任意選択的に、内側ベント部材は、付
勢手段1897(例えば、バネ機構)を有するカバー部材に連結され、これによって、も
し装置に動力が供給されないなら、内側ベント部材の回転が、初期位置(例えば、開位置
、閉位置、または部分的な開位置)に戻るように付勢されるとよい。誘導巻線への電流を
制御することによって、生じた磁場が内側ベント部材の磁化された磁極に作用し、吸引力
および/または反発力によって内側ベント部材を移動または移行(例えば、回転)させる
ことになる。生じた磁場の強さは、回転の程度を制御するように調整されるとよい。従っ
て、この回転によって、回転チューブのベント面積の形態に依存して、孔がいくらか覆わ
れるかまたは開けられ、これによって、可変換気が可能になる。
【0127】
他のベントアセンブリ構造では、
図27A,27Bに示されているように、密封された
ソレノイドがマスクアセンブリの呼気チャンバ内に設けられ、これによって、可変面積式
ベントを形成している。円筒状マスクアセンブリ2701に形成された呼気チャンバP3
は、ピストン2703を含んでいる。呼気チャンバP3は、呼気チャンバP3から大気へ
の開通路をもたらす換気開口2705を備えている。任意選択的に、各換気開口の孔は、
微小孔、例えば、略0.4mmから1mm、例えば、0.7mmの直径を有する孔である
とよい。ピストンは、換気開口の1つまたは複数を選択的に塞ぐために、チャンバ内に摺
動可動に係合されている。ピストンは、ピストンチャンバP2を形成するように構成され
ており、ユーザーから生じた呼気流れFは、マスク2709のユーザー側チャンバP1か
らこのピストンチャンバP2を通るようになっている。この目的を達成するために、ピス
トンは,呼気流れがピストンを通ることを可能にする1つまたは複数のピストン開口27
15も備えている。コイル2799が、呼気チャンバP3内のピストンの位置を選択的に
調整し、これによって、換気開口2705の面積を選択的にいくらか覆うように、制御さ
れるとよい。ピストンを引っ張り、および/またはピストンの移動の程度または範囲を制
限するために、任意選択的な手動調整機構2711、具体的には、ネジ付きポスト(例え
ば、ネジ2711SW)および付勢部材(例えば、バネ2711SG)が、ピストンに固
定されているとよい。このような手動の調整は、ベントの最小開面積を手動によって設定
するために行われるとよい。任意選択的な位置センサ2713が、ピストンを位置決めす
るためのソレノイドコイルへの電流を選択的に制御するため、制御装置(図示せず)にデ
ータをフィードバックするようになっているとよい。
図27Aに示されているように、ピ
ストンは、呼気流れに対してより大きい換気面積をもたらすために開位置に配置されるよ
うに、制御されるとよい。また、
図27Bに示されているように、ピストンは、呼気流れ
の換気面積を少なくするために、換気開口2705の換気面積の一部を覆って摺動するよ
うに、電磁場によって制御されるとよい。
【0128】
図27A,27Bのいくつかの構成では、ソレノイドが省略されてもよい。このような
場合、ピストンを所望の換気位置に移動させるために、(バネが省略されてもよい)調整
機構によって、手動によって調整されるとよい。同様に、いくつかの構成では、手動の調
整機構が省略されてもよく、換気面積調整は、ソレノイドの制御によってのみ行われても
よい。
【0129】
図27A,27Bのベントアセンブリの1つの利点は、P1,P2,P3と呼ばれる多
数のチャンバを含んでいることである。多数のチャンバによって、呼気換気の騒音が低減
することになる。これらのチャンバによって、段階的な圧力降下のいくつか(例えば、P
1からP2、P2からP3、およびP3から大気)をもたらすことができ、これによって
、換気騒音を低減させることができる。
【0130】
可変面積換気のための調整可能なベントとして構成された他のマスクアセンブリ280
1が、
図28A,28Bに示されている。内側ベント部材2870は、マスクアセンブリ
2801の内側ユーザー側IUSに位置しているとよい。内側ベント部材は、マスクアセ
ンブリの換気開口2805を種々の程度に塞ぐように選択的に位置決めされるようになっ
ているとよい。これに関して、内側ベント部材は、換気開口の輪郭と相補的な輪郭または
外形を備えるプラグ1817Pのような1つまたは複数の突起を備えているとよい。例え
ば、突起は、円錐形状によって形成され、開口は、漏斗形状に形成されているとよい。こ
の場合、円錐形状は、漏斗形状内に延出するかまたは漏斗形状から引き出されるように移
動され、これによって、この漏斗を通る流れをより大きい程度またはより小さい程度に制
限することになる。また、開口を通る流れを変化させるために、他の形状の突起および開
口が用いられてもよい。
【0131】
図28A,28Bに示されているように、内側ベント部材2870の移動は、コイル2
899を有するソレノイドによって制御されるとよい。代替的に、ソレノイドは、マスク
アセンブリ2801の内側ベント部材2860と換気部分のアクチュエータ支持体281
9との間に連結されたネジ付きポストを回転させるステッパモーターに置き換えられても
よい。任意選択的に、戻りバネのような付勢部材2897が、内側ベント部材2870を
開位置または閉位置のいずれかに付勢するようになっていてもよい。従って、例えば、ス
ラグまたはソレノイドのピストンによるベント部材の移動は、バネを圧縮するかまたは引
っ張ることになる。例えば、付勢部材が内側ベント部材を開位置に付勢している場合、コ
イルへの電力を印加しないと、内側ベント部材は、
図28Aに示されている開位置に保持
され、ユーザー側から換気開口を通る最大呼気流れが可能になる。ソレノイドまたはステ
ッパモーターへの電流の供給を制御することによって、内側ベント部材を種々の程度にわ
たって換気開口に接近するように移動させ、ベントの面積を減少させ、これによって、マ
スクアセンブリの上側からの呼気流れFを減少させることができる。
【0132】
図28A,28Bのベントアセンブリの利点は、制御ユニット(例えば、ソレノイドお
よび/またはステッパモーター)の一部がマスクの外側に位置していることである。従っ
て、これらの制御ユニットを保守または交換のために容易に取り外すことができる。
【0133】
可変面積式ベントとして実施されるさらに他のベントアセンブリが、
図19A,19B
に示されている。カバー部材1975は、複数の柔軟なまたは枢動可能なフラップ197
5Fを備えている。これらのフラップは、フラップの枢動縁をなす一端が、内側ベント部
材1970に取り付けられている。内側ベント部材1970は、孔を備えており、これに
よって、フラップ1975Fの下またはそれらの間にベント部分1990を形成している
とよい。また、内側ベント部材1970は、1つまたは複数の電磁コイル1999のため
の1つまたは複数の導管を備えている。例えば、各フラップ1975Fは、それ自体のコ
イル1999に関連付けられているとよい。フラップは、流れFが内側ベント部材を通っ
て、カバー部材1975のフラップ1975F間の空間によって形成された換気開口19
95を通ることを可能にするように、操作されるとよい。コイル1999に電流を印加す
ることによって、磁場を生成し、これによって、近接フラップ1975Fの磁気部分を磁
気的に吸引し、該フラップを枢動または屈曲させるように引っ張り、内側ベント部材のベ
ント部分1990の開口を覆って閉鎖することになる。このようにして、フラップは、図
19Aに示されているように、フラップに近接する内側ベント部材を通る流れを阻止また
は遮断するように、作動されるとよい。このように印加される電流が存在しないと、流れ
Fは、内側ベント部材1970を通過し、カバー部材1975のフラップ1975Fの側
を通り過ぎることになる。任意選択的に、これらのコイルは、共通電流によって操作され
、全てのフラップを同一操作によって閉鎖するようになっていてもよい。しかし、代替的
に、フラップは、コイル1999の1つまたは複数またはそれらの組の選択的な操作によ
って(例えば、1つずつの操作によって)、選択的に作動されてもよく、これによって、
フラップの増大する部分集合を開閉することによって、ベント開面積を変化させることが
できる。
【0134】
フラップは、磁気材料から形成されていてもよいし、または磁気的な部分を有していて
もよい。例えば、磁気フラップ縁MFEが、(
図19Aに示されている)柔軟なプラスチ
ックまたはポリマーのような非磁性材料から形成された枢動フラップ縁PFEと反対側の
縁において磁気材料のフラップに沿って形成されているとよい。
図19Bは、フラップの
起立によるベントの開通路を示しているが、代替的に、磁気制御によるフラップの起立が
ベントを通る開口または通路を阻止するようになっていてもよい。
【0135】
加えて、布地の可動性布部分または糸が、ベントの面積を通る流れを調整するようにな
っていてもよい。例えば、多孔性布地が内側ベント部材の一部を覆うように設けられても
よい。磁場または物理的な刺激または布地の他の機械的な運動(例えば、伸張)を加える
ことによって、布地を通る空気の伝達を修正するための布地の流れ特性または多孔率を変
更するようになっているとよい。例えば、
図20A,20B,21A,21Bに示されて
いるように、布地は、流れを制御するための可動性糸または層を有しているとよい。
図2
0A,20Bに示されているように、任意選択的に翼形状を有する布地の層は、流れが布
地を通ることを可能にするように移動されるとよい。
図20Aに示されているように、層
が直立すると、布地の流れ特性が増大する。
図20Bに示されているように、層が倒れる
と、布地の流れ特性が減少する。同様に、
図21A,21Bの布地の形態では、1つまた
は複数の磁場に選択的に露出した金属糸のような糸が、布地の流れ特性を選択的に増減さ
せるために、起伏するようになっているとよい。
【0136】
図29A-35に示されているように、可変換気は、その手段として、調整可能なアイ
リス(iris)を用いてもよい。
図31,32の構成部品の例に最もよく示されているよう
に、アイリスアセンブリ3202は、調整可能な開口3203を有するダイアフラムとし
て機能するようになっている。ブレード3204-1,3204-2,3204-3,3
204-4,3204-5,3204-6,3204-7,3204-8は、開口を形成
するように、第1および第2のブレードマウント3206-1,3206-2間に回転可
能に取り付けられている。
図31に示されているように、ブレードは、湾曲しており、そ
れらの略平坦な平面が、少なくとも部分的に互いに接触するように重なり合っている。各
ブレードは、ブレードの端の近くにおいてブレードの枢動開口3208に挿入された枢動
ピン(図示せず)を中心として回転するようになっている。これらの枢動ピンは、第2の
ブレードマウント3206-2の開口3209-1,3209-2,3209-3,32
09-4,3209-5,3209-6,3209-7,3209-8内にさらに係合さ
れている。一般的に、ブレードの狭縁は、互いに接触していない。むしろ、各ブレードの
表面は、部分的に1つまたは2つの他のブレードの表面と摺動可能に係合している。用い
られるブレード3204の数は、変更されてもよいことを理解されたい。例えば、2,3
,4,5,6,7,8,9、またはそれ以上のブレード3204が用いられてもよい。
【0137】
ブレードマウント3206-1の一部として形成されたアイリス駆動レバー3210は
、ブレードによって形成される開口3203の調整のためのアクチュエータとして機能す
るために、ブレードの全てと枢動可能に連結されている。駆動レバーが
図32に示されて
いる矢印DDの方向に移動すると、ブレードが回転し、ブレードによって形成される調整
可能な開口3203の大きさを増減することができる。このように作動される駆動レバー
の運動によって、各ブレードは、アイリスの調整可能な開口3203の中心に向かう方に
(または中心から離れる方に)回転する。従って、駆動レバーの運動は、空気の流れを選
択的に阻止(または許容)することになる。また、駆動レバーの位置に応じて、アイリス
を通る空気流れの程度を選択的に変化させることができる。
【0138】
従って、アイリスアセンブリが換気部品、例えば、マスクまたは他の導管のポート内に
挿入されると、駆動レバーの手動調整によって、アイリスアセンブルを用いるベントを通
る所望レベルの空気流れを設定することができる。しかし、例えば、
図29A-29Dに
示されているように、アイリスアセンブリは、駆動レバーをさらに自動的に制御するため
に、従って、調整可能な開口3203の可変サイズを自動的に制御するために、アクチュ
エータ部品を装置内にさらに備えていてもよい。
【0139】
例えば、アイリスアセンブリには、ヨーク3312が装着されるとよい。
図33に示さ
れているように、ヨーク3312は、リングとして構成されている。任意選択的に、この
リングは、磁気材料および/またはプラスチック材料から形成されているとよい。ヨーク
は、駆動レバーキャッチ3314、例えば、アイリスアセンブリがヨーク3312内に挿
入されたときに駆動レバーに重ねられる一組の突起3316-1,3316-2を有する
駆動レバーキャッチを備えているとよい。リングの周囲に交互の磁極を有する一組の磁気
区域を形成するために、ヨークの周面は、磁気区域3318-1,3318-2または取
り付けられた磁石を有するように形成されているとよい。区域の数は、ヨークにとって望
ましい運動の範囲に依存して、必要に応じて、選択されるとよい。例えば、2つの磁極構
成、4つの磁極構成、などが用いられるとよい。
【0140】
ヨークリングは、制御コイルリングアセンブリ、例えば、
図34に示されているコイル
アセンブリ3319内に回転可能に取り付けられるとよい。制御コイルリングアセンブリ
は、典型的には、例えば、リング形態にある一組のコイル3320-1,3320-2を
備えているとよい。具体的には、コイルは、周囲に配置されており、ヨークリングが配置
される箇所の近くにおいて、制御コイルアセンブリの内面に近接しているとよい。これら
の磁場コイルには、制御装置によって、電力が一組のリード3322を介して選択的に供
給されるようになっているとよい。従って、制御装置によって動力をコイルに選択的に供
給すると、磁場コイルの磁気力およびヨークの磁気区域によって、(
図32に示されてい
る矢印DDの方向における)ヨークの選択的な回転が可能になる。例えば、ヨークおよび
コイルアセンブリは、ヨークがコイルアセンブリ内において略90°の範囲内の運動を可
能にするように、構成されているとよい。このようにして、アイリスアセンブリがヨーク
内に装着されると、ヨーク3312は、ヨークの長孔内の駆動レバーを駆動レバーキャッ
チ3314を介して移動させるように、制御されることになる。従って、磁場コイルへの
電力供給の制御によって、調整可能な開口3203の大きさを選択的に制御し、その結果
、アイリスを通る換気流れを制御することができる。これに関して、ベントの空気流れは
、ブレードによって形成された開口内を通過すると共に、コイルアセンブリおよびヨーク
によって形成されたリング内を通過することになる。いくつかの例示的な構成では、呼吸
治療装置の制御装置またはプロセッサは、本明細書にさらに詳細に記載される制御手順の
いずれかを用いて、このようなアイリスによって、ベント流れを制御するようになってい
るとよい。
【0141】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、ヨークは、ヨークを所定の方向に付勢する1
つまたは複数の付勢部材を用いてもよい。例えば、ヨークは、ヨークの駆動レバーの付勢
された位置によって、アイリスアセンブリが完全な開位置に固定されるように、1つまた
は複数のバネによって付勢されるとよい。次いで、コイルへの電力供給によって、アイリ
スアセンブリをそのバネ付勢された位置から離れる方に、従って、より閉位置に向かう方
に、付勢力に抗して移動させるようになっているとよい。コイルへの電力供給が遮断され
ると、このように付勢されたアイリスアセンブリは、付勢部材(例えば、バネ)の付勢力
によって完全な開位置に戻ることになる。同様に、ヨークは、ヨークの駆動レバーの付勢
された位置によって、アイリスアセンブリが完全な閉位置に固定されるように、1つまた
は複数のバネ部品によって付勢されてもよい。コイルへの電力供給によって、アイリスア
センブリをそのバネ付勢された位置から離れる方に、従って、より開位置に向かう方に、
付勢力に抗して移動するようになっているとよい。コイルへの電力供給が遮断されると、
このように付勢されたアイリスアセンブリは、バネの付勢力によって完全な閉位置に戻る
ことになる。
【0142】
さらにまた、1つまたは複数のバネ部品を用いて、アイリスアセンブリを半開/半閉位
置に固定するように、ヨークおよびヨーク内の駆動ピンの位置を付勢するようになってい
てもよい。コイルへの選択的な電力供給によって、アイリスアセンブリをそのバネ付勢さ
れた位置から離れる方に、従って、より開位置またはより閉位置に向かう方に、少なくと
も1つの付勢力に対抗して移動させるようになっているとよい。コイルへの電力供給が遮
断されると、アイリスアセンブリは、バネ部品の付勢力によって半開/半閉位置に戻るこ
とになる。
【0143】
図30,35に示されているように、アイリスアセンブリおよび制御機構(例えば、ヨ
ークおよび制御コイルアセンブリ)は、ハウジング3535内に挿入されるとよい。ハウ
ジング3535は、マスク用の排気ベントまたは洗い流しベントの導管の一部として機能
するものである。例えば、
図35に示されているように、ハウジング3535は、ハウジ
ングの導管3537を通る空気の流れを調整するために、アイリス機構3636に連結さ
れているとよい。任意選択的に、
図30に示されているように、アイリス機構3636が
挿入されたハウジング3535は、それ自体、導管アダプターとして形成されているとよ
い。従って、空気送達導管は、アイリス機構がアダプターに接続された導管を通る流れを
制御するように、ハウジング3535に連結されているとよい。このような場合、アダプ
ター開口3138-1,3138-2は、例えば、開口と導管との間の締り嵌めによって
、付加的な導管(例えば、空気送達チューブ)用のカプラーとして機能するようになって
いるとよい。一部の例では、ヨークおよびコイルアセンブリを有するアイリス機構は、洗
い流しベントとして機能するために、患者マスクの排気ポート内に挿入されるように寸法
決めされていてもよい。例えば、
図29Dのアダプターアセンブリの直径線DIAの長さ
は、15mm-30mm、例えば、約22mmであるとよく、線LTHによって示される
長さは、12mm-25mm、例えば、約17mmであるとよい。従って、アイリス機構
自体の直径は、22mmよりも小さくなっているとよく、その長さは、17mmよりも小
さくなっているとよい。このような部品寸法によって、マスクをそれほど大きくすること
なく、アイリス機構をマスク内に挿入して用いることができる。従って、このアイリス機
構を用いる患者に、睡眠中、より快適さをもたらすことになる。
【0144】
図1において、ベントアセンブリ60,360、460は、1つまたは複数のセンサ、
例えば、ベントの制御に用いられる流れまたは圧力を測定する圧力センサまたは流量セン
サをさらに備えているとよい。例えば、マスクの圧力は、ベントを制御する関数として測
定され、かつ用いられるとよい。同様に、ベント内の流れまたはベントを通る流れは、ベ
ントを制御するために、測定され、かつ用いられるとよい。さらに、患者流れの測定値は
、ベントの切換を制御するための関数の入力値として用いられてもよい。任意選択的に、
ベント部材およびカバー部材の相対的な位置を検出するために、位置センサが用いられて
もよい。このようなセンサの1つまたは複数に基づいて、ベントの換気特性が、例えば、
流れ発生器の制御装置またはプロセッサによって、作動中に評価されるようになっている
とよい。
【0145】
流れ発生器のプロセッサ40、ベントアセンブリアクチュエータ、およびセンサの間の
通信は、専用ワイヤを介して行われてもよいし、または代替的に、他のセンサワイヤによ
る多重送信によって行われてもよいし、チューブヒータワイヤによる多重送信によって行
われてもよいし、またはヒータワイヤへの誘導結合によって行われてもよい。代替的に、
通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)・リンクによる無線によって行われてもよ
い。
【0146】
アクチュエータアセンブリは、ベントアセンブリの方向に赤外線をパルス放射する赤外
線ライトを備えていてもよい。ベントアセンブリは、赤外線をアクチュエータアセンブリ
に向かって反射し、アクチュエータアセンブリにおいて、マイクロプロセッサが、赤外線
の放射と反射された赤外線の受信との間の時間遅れを計算する。この時間遅れが、ベント
アセンブリの位置の指標にされるとよい。代替的に、例えば、受信した光の振幅によって
、反射率が測定され、この反射率がベント位置の指標にされてもよい。何故なら、種々の
振幅は、ベントの種々の位置と関連するからである。いったんベントアセンブリの位置が
知られたら、流れ発生器のプロセッサは、マスクにおける圧力および/または流れを計算
し、これに応じて、流れ発生器の設定値を調整するようになっているとよい。加えて、ア
クチュエータまたはモーターは、もし流れ発生器が代替的なベント位置が必要であること
を算出したなら、ベントアセンブリの位置を調整するようになっているとよい。
【0147】
[ベント流れの制御]
【0148】
本技術の可変面積式ベント装置は、ガス洗い流しの制御を改良することができる。これ
によって、患者治療の改良および/または呼吸治療装置の機能化が可能になる。例えば、
マスクの状態に対する流れ発生器のより迅速な対応をもたらすように、ベントを作動させ
ることができる。より迅速な立ち上がり時間および立ち下がり時間をもたらすように、ベ
ントを流れ発生器によって作動させることもできる。一部の例では、ベントの作動によっ
て、単一圧で作動する送風機を用いながら、換気面積の変化を制御することによって、マ
スクの圧力を変化させることもできる。一部の例では、ベント導管のインピーダンスを変
化させることによって、マスク内の圧力レベルを調整することも可能である。例えば、図
14,15の導管の実施形態が、ベントの出口に連結されるとよい。この場合、流れ制御
スラグの操作によって生じる導管インピーダンスの変化によって、ベントの圧力または流
れを変化させることができる。
【0149】
例えば、ベント面積の制御は、患者の圧力治療と協働するために、患者の呼吸サイクル
と同期して行われるとよい。例えば、能動ベントの作動は、
図6A,6Bに示されている
ように、ベント流れが患者の呼吸流れサイクルの流れを反映するように、行われるとよい
。
図6A,6Bに示されているように、ベント流れは、患者の呼吸と位相がずれている。
具体的には、最小ベント流れがピーク吸気に設定されており、これによって、患者は、(
流れ発生器からのガスの一部がベントから直に排出される典型的な非調整型ガス洗い流し
ベントと対照的に)より多くのガスを流れ発生器から吸入することができ、その一方、最
大ベント流れがピーク呼気に設定されている。図に示されているように、ベント流れの振
幅の変化を設定するために、種々の関数(例えば、正弦波関数、鮫ヒレ状関数、など)が
用いられてもよい。
【0150】
任意選択的に、換気面積およびその結果としてのベント流れの制御は、患者の睡眠状態
(例えば、患者が目覚めているか、または睡眠しているかどうか)に依存して、その位相
またはタイミングが調整されるようになっているとよい。例えば、患者が目覚めている(
例えば、睡眠しようとしているとき)、ベントは、流れ発生器と協働して、より開いた位
置またはより大きい流れ位置、例えば、患者の呼吸サイクルに対して略一定に保持された
より大きい流れ位置に作動されるように制御されるとよく、これによって、患者が吸い込
むときのインピーダンスが小さくなる。患者が睡眠状態に入ると、システムの制御装置は
、
図6Aまたは6Bに示されているような方法に準じて、ベントの作動を開始するとよい
。任意選択的に、もし装置が目覚め状態または非睡眠状態を検出したなら、ベントは、流
れ発生器と協働して、より大きい流れ位置、例えば、より一定の大きい流れ位置に戻るよ
うに制御されるとよい。睡眠状態の決定は、どのような適切なプロセスによって行われて
もよいが、いくつかの実施形態では、2010年7月14日に出願された国際特許出願第
PCT/AU2010/000894号公報に記載されている睡眠状態検出技術によって
なされるとよい。なお、この文献の開示内容は、参照することによって、ここに含まれる
ものとする。
【0151】
ベントの制御は、検出された患者の疾患、例えば、睡眠呼吸障害事象に応じて、行われ
るようになっていてもよい。例えば、流れ発生器の制御装置のプロセッサによる流れデー
タおよび/または圧力データの解析が、呼吸疾患、例えば、中枢性無呼吸または閉塞型無
呼吸、中枢性低呼吸または閉塞型低呼吸、および/またはいびき、などを検出するように
なっているとよい。このような疾患を検出するための例示的な方法は、2010年5月1
7日に出願された米国特許出願第12/781,070号公報に記載されている。この文
献の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。次いで、制御装置
は、患者の検出された疾患の解析に基づいて、ベント面積を設定することになる。例えば
、中枢性無呼吸(気道が閉塞せずに生じる無呼吸)または中枢性低呼吸が検出されたなら
、プロセッサは、患者がCO
2を再呼吸することが可能になるように、換気面積を閉じる
かまたは減少させるように、ベントを制御するとよい。これによって、患者の脳を体内に
おけるCO
2の増大を検出するように誘発し、これによって、患者が自発的に呼吸を行う
ことになる。その後、もし制御装置が患者の呼吸を検出したなら、またはもし安全な時期
が連続的に経過したなら、ベントは、その標準的な作動、例えば、
図6Aまたは6Bの多
様な手順と関連する作動に戻るか、または呼吸中に必要なベント流れをもたらすより一定
の開位置に戻るように、制御されるとよい。有利には、ベント面積の変化に起因する圧力
または流れ調整は、流れ発生器の調整によって制御されるこのような変化よりも迅速に効
果をもたらすことができる。従って、ベントの作動によるマスク状態の初期の調整は、流
れ発生器による変化が行われる前に行われるとよい。これによって、流れ発生器の制御装
置は、そのセンサによって、いかに患者の気道が反応を示したかおよび/またはいかに流
れ発生器がその後に応答するべきかを決定する機会を得ることができる。
【0152】
さらに、換気面積の調整は、患者の快適さを改良するためにまたは不適切に配置された
マスクによる潜在的な漏れを相殺するために、行われてもよい。本質的に、これらの手順
によって、患者のマスクの位置の調整が可能になる。例えば、流れ発生器の制御装置は、
マスクの変位した配置に起因する意図しない漏れの生成を検出することができる。もしこ
のような漏れが検出されたなら、制御装置は、ベントアセンブリを閉鎖するようにまたは
迅速に閉鎖するように、ベント面積の調整を制御するとよい。任意選択的に、ベントのこ
のような閉鎖に伴って、流れ発生器は、マスクに送達される空気流れまたは圧力を一時的
に増大させるために、空気の流速を高めるように制御するとよい。ベントアセンブリの閉
鎖によるマスクの圧力増大によって、患者の顔面からのマスクの「跳躍(jump)」、振動
、または位置ずれが生じる。マスクのこの跳躍または移動の結果として、マスクは、患者
の顔面を密封するように再位置決めされ、場合によっては、検出された漏れ経路を密封す
ることになる。
【0153】
代替的な制御アプローチとして、制御装置は、次いで、ベント装置を開くように制御し
、(および/または同時に流れ発生器によって生じる圧力を減少するように制御し、)こ
れによって、所定の期間にわたって、マスク圧力を実質的に(例えば、所定の圧力または
大気圧に)低下させるとよい。マスク圧力のこの大きい低下によって、マスクは、患者の
ある程度の運動によって再位置決めされ、または自動調整マスクの場合には、マスクが位
置変化し、これによって、場合によっては、密封の問題を修正することも可能になる。任
意選択的に、この制御された開口アプローチは、マスク漏れが前述した「跳躍」の試み後
にさらに検出された場合、この「跳躍」の試みの後に行われるとよい。このような制御手
順は、漏れがもはや検出されなくなるまで、または所定の回数にわたって、(順序に関わ
りなく)繰り返されるとよい。さらに、ベントの開口および閉鎖は、流れ発生器による圧
力の増減に対応して迅速に繰り返されるとよい。このような揺動プロセスによって、検出
される漏れを修正するようにマスク位置を再設定するのを助長する程度に、マスクを振動
させることができる。
【0154】
他のベント面積制御手順が、漏れ検出、例えば、制御装置によって行われる意図しない
漏れ検出に応じて、行われてもよい。例えば、換気の程度は、意図しない漏れおよび/ま
たは(例えば、鼻のみのマスクの場合における)口漏れの検出の関数として可変的に制御
されるとよい。その結果、流れ発生器からの圧力および流れの出力が決定されることにな
る。加えて、ベント漏れは、ベントアセンブリまたはその近傍の圧力または流れを検出す
ることによって、計算されてもよい。流れ発生器によって生じた空気流れとベント漏れの
流れとの差は、意図しない漏れおよび(もし存在するなら)口漏れの合計として決定され
ることになる。口漏れは、例えば、2010年7月30日に出願された米国仮特許出願第
61/369247号公報に記載されているように、決定されるとよい。この文献の開示
内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。この文献によれ
ば、意図しない漏れ流れは、(例えば、流れ意図しない漏れ=流れ全流れ-(流れ口漏れ
+流れベント漏れ)によって計算されることになる。
【0155】
ベントアセンブリのベント面積は、流れ発生器のプロセッサによって、意図しない漏れ
量のこのような決定に基づいて制御されるとよい。一例では、流れ発生器のプロセッサが
大きいまたは過剰な意図しない漏れを検出したとき、ガス洗い流しに必要な流れを示す閾
値に対する定量化された漏れとの比較によって、プロセッサは、ベントアクチュエータを
ベント開面積を減少させるように制御するとよい。何故なら、患者の顔面における意図し
ない漏れの増大によって、わずかのガス洗い流しの換気しか必要としないからである。同
様に、もしこのような漏れがもはや検出されないなら、プロセッサは、その後、ガス洗い
流しベントの流れがガス洗い流しの要求を満たすために、ベント開面積を増大するように
制御することになる。
【0156】
さらに、ベントアセンブリの圧力特性に対する開面積を知ることによって、プロセッサ
は、ベントの検出または計算された圧力に基づいて、ベントアクチュエータを制御し、ベ
ント流れを一定になるように制御するかまたは所定のパターンに準じるように制御するよ
うになっていてもよい。
【0157】
加えて、換気は、患者の呼吸サイクルまたは治療の要求に応じて、制御されるようにな
っていてもよい。
【0158】
吸気と呼気との間の循環を決定するためのアルゴリズムは、周知であり、例えば、20
06年12月21日に出願された米国特許出願公開第2008/0283060号公報に
記載されている。このようなアルゴリズムを用いることによって、可変面積式ベントの制
御装置は、例えば、患者の呼吸サイクルの一部においてベント開面積を減少させるかまた
はベントを完全に閉じるために、呼吸サイクルと同期して制御されるとよい。例えば、ベ
ント面積は、ガス洗い流しを必要としない吸気に対応する時期において減少されるかまた
は閉じられ、患者呼気に対応する時期において開けられることになる。
【0159】
吸気中にガス換気を低減させることによって、流れ発生器によって生成される必要のあ
る平均流量またはピーク流量が低減され、その結果、流れ発生器の能力および大きさ、空
気送達導管の直径、および加湿器の能力を小さくすることができると考えられる。さらに
、装置の電力消費および水消費を低減させることができる。
【0160】
能動ベントの作動は、ソフトウエアによって制御されるとよい。ソフトウエアは、特定
の患者の要求または臨床医の意図によって、改良可能または再設定可能になっているとよ
い。例えば、患者(例えば、チェーン・ストークス呼吸CSRを患っている患者)に対し
て、第1の治療期間(例えば、第1の月、第1の週、第1の年、日数、など)における第
1のベント流れ要件が決められ、次いで、第2の治療期間(例えば、第2の月、第2の週
、第2の年、それに続く日数)における第2のベント流れ要求が決められるとよい。ソフ
トウエアは、体内時計をチェックし、それに応じて設定値を調整することによって、特定
の期間(例えば、年)に従ってベント流れの設定値のこの変化を制御するようになってい
るとよい。代替的に、ソフトウエアのデータは、ベントが第2のベント流れ要件を達成す
るために、第2の治療期間において能動ベントを再プログラム化するように改良されても
よい。以下にさらに詳細に説明するように、ベントの制御される調整は、検出された患者
の状態、例えば、睡眠段階または治療時期に応じて、治療セッション中になされてもよい
。さらに、ベント調整は、任意選択的に、血液ガス測定値またはその代用物、例えば、治
療中の患者の経皮的pCO2センサからの値に基づいて、なされてもよい。例えば、制御
装置は、1つまたは複数の閾値に対して正常なpaCO2よりも低い値を検出したとき、
CO2の再呼吸を生じるようにベントの大きさを減少させるとよい。次いで、血液のガス
測定値が正常化したとき、制御装置は、ベントの大きさを正常なCO2洗い流しに適する
ように戻すとよい。
【0161】
一部の例では、非窒息弁は、もはや必要ではない。能動ベントが非窒息弁としても作用
することになる。例えば、ベントが付勢部材を備えているとよい。もし制御装置がベント
に電力を供給していないなら、および/または制御装置が流れ発生器を作動させていない
なら、ベントを通る呼吸をもたらすように、付勢部材がベントを常開位置に維持するよう
になっている。流れ発生器に電力が供給され、流れ発生器が作動されると、制御装置は、
任意の所望のCO2洗い流しレベルにベント流れを制限するように、ベントを制御するこ
とになる。
【0162】
OSA治療、例えば、CPAPおよびAPAPを順守している患者は、多くの因子によ
って影響されることになる。有効な治療を受けているOSA患者の成功に影響を与える著
しく大きい因子の1つは、まだ目覚めている期間中における装置およびマスクの着用に関
連する快適さのレベルである。もし患者の快適さが睡眠の開始まで続くなら、CPAPま
たはAPAP治療の全体にわたって、患者は、CPAPまたはAPAP治療を厳守する傾
向にある。同様に、もし睡眠中になんらかの理由によって目覚めたなら、患者は、治療の
継続に逆らうことになる。目覚めは、患者の状態には関係がない場合があり、例えば、他
の家族の一員の帰宅が患者を目覚めさせる場合がある。いったん目覚めると、患者は、不
快さを覚え、CPAPシステムを取外す可能性がある。
【0163】
特に睡眠していないときまたは覚醒状態にあるときの患者の快適さを低下させる1つの
因子は、APAP機における覚醒状態における低圧設定にあると考えられる。典型的には
、APAP機は、着用者が閉塞気道を生じていないときには、低圧を用いるようになって
いる。固定式開口ベントを有するマスクシステムの場合、低圧を用いることによって、低
い内部漏れ(または低いベント流れ)が生じ、その結果、CO2洗い流しが低下すること
になる。患者は、いくらかの再呼吸をする可能性があり、これは、それほど臨床的な問題
にならないが、患者にとっては十分に不快であり、マスクシステムの使用を思いとどまる
可能性がある。
【0164】
可能性として、洗い流しのレベル、および追加的な導管およびマスク内の患者気道の近
くにおける湿度および空気の加熱レベルが低いことによって、患者は、不快さを感じるこ
とがある。
【0165】
治療中、眠りに入るのを待つ期間中、および潜在的な覚醒中、患者は、閉じ込められて
いるような感覚を覚え、この場合、CPAP/APAPシステムを取り外すことを望むこ
とになる。
【0166】
可変ベントシステム、例えば、前述した導管およびベントを用いる可変ベントシステム
は、治療を必要としない(覚醒を含む)睡眠状態期間における快適さを改良することがで
きる。例えば、調整可能なベントの制御装置は、患者の適切な睡眠に関連する期間、例え
ば、覚醒、場合によっては、軽睡眠を検出するようになっているとよい。これらの検出に
応じて、制御装置は、制御装置によって設定される空圧設定値、湿度設定値、および熱設
定値を変更するようになっているとよい。
【0167】
例えば、制御装置は、呼吸治療装置が低圧を生成するように設定されているとき、ベン
ト流れを増大させるようになっているとよい。同様に、制御装置は、呼吸治療装置が高圧
を生成するように設定されているとき、ベント流れを減少させるようになっているとよい
。これは、もしこれらの圧力設定値が、覚醒をもたらし、その結果、患者を目覚めさせる
事象の原因になっている場合に、適している。
【0168】
低圧のベント流れを増大させるとき、APAP/CPAP呼吸治療装置は、流れ発生器
からの流量の供給を増大させるように制御することによって、補うことができ、これによ
って、導管およびマスクを通ってベントの外に向かう流れを増大させながら、患者インタ
ーフェイスにおける設定圧を保持することができる。その結果、所望の圧力設定値にある
CO2洗い流しを著しく増大させることができる。
【0169】
また、この制御された調整は、患者の感覚を変化させることになる。何故なら、顔面の
皮膚および鼻孔の近くの流れが冷却効果および乾燥効果をもたらすからである。同様に、
ベント流れを減少させることによって、患者への空気の温度および湿度の感覚を高めるこ
とになる。
【0170】
ベント流れを変化させることによって、感じやすい皮膚および鼻組織の近くの空気の流
量を変化させ、これによって、患者は、より暑い/より冷たい感覚、および/またはより
湿った/より乾いた感覚を容易に感じることができる。従って、ベント流れの調整は、患
者の快適さを調整する基礎をもたらすことができる。
【0171】
睡眠状態の検出は、患者の快適さを改良するためにベント流れを切り換える基礎をなす
ものである。同様に、呼吸治療装置の制御装置が加湿器および暖房要素も制御する場合、
湿度および送達される空気の温度も、このような状態における患者に適応させるために、
最適化されるとよい。
【0172】
もし正常なまたは深い睡眠状態が制御装置によって検出されたなら、処方された患者治
療値(例えば、CPAPおよびAPAP治療設定値)、湿度設定値、および温度設定値が
設定され、装置によって実施されるとよい。
【0173】
しかし、装置が軽睡眠または覚醒状態を検出したとき、処方された治療設定値は、快適
さのための設定値に切り換えられるとよい。これらの状態では、医者によって処方された
設定値は、必要ではない。何故なら、OSAは、このような睡眠状態(または覚醒状態)
にある段階では、生じにくいからである。従って、軽睡眠または覚醒状態が検出された場
合、患者にとって好ましい設定値が自動的に実施されるとよい。
【0174】
現在のCPAP機の「ランプ(ramp)」などのような特徴は、圧力を治療レベルまで除
々に増大させ、少しの間だけ、治療レベルの圧力の送達を遅らせることによって、患者が
正しい睡眠状態にあることが予測されるまで、処方された漸増レベルの圧力を送達しない
ようになっている。
【0175】
さらに他の特徴は、軽睡眠または覚醒状態において治療圧が不要であることを活かし、
患者が、このような状態においてベントを通る流れを調整することが可能になっているこ
とである。正常な治療設定値は、該設定値を必要とする通常の睡眠状態中に再開されるこ
とになる。例えば、「ランプ」特徴が作動したとき、呼吸治療装置は、処方された治療設
定値よりもむしろ「患者の快適さ」のための設定値によって特定されるベント流れのレベ
ルを設定することになる。従って、装置は、患者が(例えば、許容される範囲内における
)「患者の快適さ」のための設定値をこれらの制御された特徴に対して装置に入力または
調整することが可能である。
【0176】
加えて、「患者の快適さ」のための設定値の一部として、装置は、漸増中に臨床スタッ
フによって設定された安全制限値内において、または検出された覚醒または軽睡眠期間中
に安全であることが分かっている範囲内において、患者がCPAP/APAP圧力を調整
することを許容するようになっている。
【0177】
同様に、「患者の快適さ」のための設定値の一部として、患者は、このような睡眠相中
に湿度設定値および熱設定値を優先的に取り込むことができるが、これらの設定値は、他
の睡眠状態では、必要に基づく設定値に戻されることになる。
【0178】
一部の例では、設定値は、検出された環境条件、例えば、装置の外の温度および/また
は湿度に基づいて、呼吸治療装置によって自動的に制御または調整されるようになってい
てもよい。例えば、寒気設定値が温暖季節中に利用されるとよく、温暖設定値が寒気季節
中に利用されるとよい。
【0179】
患者、さらには臨床スタッフまたは処方するスタッフによって選択される多数の設定値
および/または「患者の快適さ」を表す設定値が設けられてもよい。一人の患者に対して
も、種々の形態の設定値が、種々の検出された状態、例えば、特定の睡眠状態、環境条件
、などに依存して、装置によって実施されてもよい。
【0180】
例えば、装置は、空気送達パラメータの特定の好ましい形態の設定値を実施するように
構成されていてもよく、これによって、好ましい無意識のまたは特定の睡眠状態における
患者の快適さが改良されることになる。
【0181】
快適さ、圧力、流れ(CO2洗い流し)、湿度、熱、バッテリまたは電源の寿命、騒音
、機械/消耗部品の寿命、または好ましい他のシステムパラメータに対して、制御または
設定値の形態の優先順位が設けられてもよい。
【0182】
特定の例では、OSA呼吸治療装置は、患者の好みに合わせて、装置のユーザーインタ
ーフェイスによって「患者の快適さ」のための設定値として設定された圧力、ベント流れ
(CO2洗い流し)、湿度/湿気、および/または熱を送達するように、構成されていて
もよい。送達される空気の圧力、流れ、湿度、温度などのパラメータの任意の組合せが、
個別にまたは組合せて設定されてもよい。次いで、患者の快適さのための設定値が、機械
の特定の検出された状態、例えば、睡眠状態(例えば、覚醒または軽睡眠)および/また
は環境条件に依存して、実施されるとよい。例えば、検出された睡眠状態において処方さ
れた治療が必要とされる場合、医者に処方された「治療のための設定値」が実施されとよ
く、この場合、快適さのための設定値のいくつかまたは全てが実施されないことになる。
【0183】
チェーン・ストークス呼吸(CSR)、複合性睡眠時無呼吸、および中枢性睡眠時無呼
吸の他の形態は、概して、睡眠中の過換気によって特徴付けられている。この過換気は、
正常な値よりも低い日中のPaCO
2が兆候として現れることが多い。しかし、過換気は
、主に日中のPaCO
2から予期し得るCHF(鬱血性心不全)または高所に関連する周
期的な呼吸である。複合性睡眠時無呼吸は、典型的には、日中のPaCO
2から予期する
ことができない。
図16のグラフは、CPAP呼吸治療装置によってCPAP治療を受け
ている患者における典型的なCSRの漸増/漸減するパターンを示している。このパター
ンは、低換気(低呼吸)または中枢性無呼吸の期間によって挟まれた過換気(過呼吸)の
期間によって特徴付けられている。このパターンは、各サイクルの長さまたは各サイクル
の成分の長さのいずれも殆ど変動することがなく、著しく周期的である。
【0184】
PaCO2を正常な範囲に戻す治療法は、正常な呼吸パターンへの回復に重点が置かれ
ている。例えば、ResMed AutoSet CS (またはVPAP Adapt)は、無呼吸または低呼吸の期
間中に圧力サポートを高め、超過または標準の換気の期間中に圧力サポートを低下させる
ことによって、PaCO2を安定化させる非侵襲性圧力制御換気装置である。この方法は
、悪性サイクルを破断するように作用し、これによって、過換気が患者のPaCO2を無
呼吸閾値未満にし、過換気の新しいサイクルがもたらされることになる。短期の換気を長
期の換気の一部である目標値にサーボ換気することによって、CSRパターンがなくなる
ことが多い。この換気装置は、周知のマスクベント流れおよび変化し易い意図しないマス
ク漏れの存在下において患者呼吸流れを確実に測定するセンサおよび方法を有している。
換気の測定値は、患者呼吸流れの評価値から導かれるようになっている。
【0185】
CSRパターンを消失させるかまたは改善する他の方法は、患者に患者自身の呼気CO
2の一部を再呼吸させることである。再呼吸されたCO2は、過換気相中に患者のPaC
O2を高めるかまたはPaCO2が低下するのを防ぐように作用する。これによって、過
換気の動因を低減させることができる。これを行う便利な方法は、マスクの能動的に制御
されるベント、例えば、前述した実施形態の1つを用いることである。既存のベントを有
する呼吸システムでは、ベントは、固定式オリフィスから構成されている。固定式オリフ
ィスは、予期されるマスク圧の範囲にわたって十分な流れをもたらし、各呼吸サイクルに
おいて呼気CO2をマスクから十分に排出するようになっている。ベントオリフィスを制
御することができれば、患者によって再呼吸されるCO2の量を制御することができる。
このような能動的に制御されるベントは、呼吸治療装置のサーボ制御システムの一部をな
すことができる。
【0186】
一例では、換気装置のような呼吸治療装置は、例えば、リットル/分(LPM)で表さ
れる所定の過換気閾値の設定値を定めるようになっているとよい。この設定値は、治療の
開始の前に臨床医によって設定されるとよい。もし(例えば、3分間にわたって測定され
た)患者の平均換気測定値が閾値を超えていたなら、ベントは、例えば、そのベントの大
きさを減少させることによって流れを低下させるように、制御装置によって能動的に制御
されるとよく、これによって、患者は、自身のCO2のわずかな部分を再呼吸し始めるこ
とになる。もし検出された過換気が実質的に解消されたなら、例えば、もし閾値をもはや
超えていないなら、ベントは、制御装置によって正常な位置に戻るように制御されるとよ
い。
【0187】
他の代替的アプローチでは、制御装置のサーボ制御機構は、予め定められた閾値に基づ
いて、新鮮なガス換気を保つようにベントの大きさを連続的に調整するようになっていて
もよい。このようなサーボ制御システムは、PID式制御装置を利用するとよい。PID
制御では、換気が閾値を超えた程度に応じて誤差信号が生じ、対応するベントの大きさを
出力するようになっている。また、制御装置は、ベントの大きさを所定の最大値から最小
値の範囲内にとどめるように、調整することができる。
【0188】
他の例では、所定の換気閾値に代わって、換気不安定性の指数が用いられてもよい。例
えば、以下の指数が、換気不安定性の単一の基準または組み合わされた基準として用いら
れてもよい。
【0189】
a.制御装置によって評価された換気の移動窓標準偏差によって決定される換気不安定
性
【0190】
b.制御装置によって検出される中枢性無呼吸指数、中枢性低呼吸指数、または中枢性
無呼吸-低呼吸指数
【0191】
c.制御装置によって検出される(上側気道閉塞を消失させるための呼気陽圧(EPA
P)の自動調整に関わらずに持続する)無呼吸-低呼吸指数
【0192】
d.制御装置によって検出される呼吸障害指数(例えば、覚醒指数、例えば、流れ、S
pO2および/または光電式指尖容積脈波から導かれる覚醒指数)
【0193】
このような指数の検出および自動定量のための方法は、2009年7月16日に出願さ
れた米国仮特許出願第61/226,069号に基づく2010年7月14日に出願され
た国際特許出願第PCT/AU2010/000894号公報に記載されている内容の観
点から、検討されるとよい。これらの文献の開示内容は、参照することによって、ここに
含まれるものとする。
【0194】
いずれの場合にも、ベントオリフィスの大きさは、換気不安定性の程度を最小限に抑え
るために、段階的に調整されてもよいし、または連続的に調整されてもよい。任意選択的
に、ベントの大きさの制御される変化は、「正常な」呼吸および「再呼吸」に対して選択
された2つの大きさの間にあればよく、または予め設定された一定の制限値の範囲内にお
いて多くの値を取るように連続的に調整可能になっていてもよい。
【0195】
図17A,17Bは、シミュレートされたCSR流れパターン、および共通時間尺度上
にプロットされたいくつかのフィルター出力を示している。
図17Aのトレースは、CS
R呼吸が2つの正常な呼吸期間によって挟まれているシミュレートされた患者流れである
。
図17Bのプロットは、
図17Aのシミュレートされた患者流れから取った(時定数を
3分としてフィルター処理された)換気測定値VMおよび該換気測定値の移動窓標準偏差
SDを示している。時間を初期化するために(開始時に穏やかな立ち上がりをもたらすた
めに)フィルター処理することによって、CSR期間中の換気がa)平均して大きく、か
つb)変動していることが分かる。標準偏差SDのトレースは、換気の不安定性が移動窓
SDの測定基準によって評価されることを示している。
【0196】
前述したように、いくつかの実施形態では、調整可能なベントは、アクチュエータによ
って制御され、呼吸障害指数を最小限に抑えるようにサーボ制御されるとよい。例えば、
図17Bのプロットにおいて、換気の移動窓標準偏差SDにおいて決定されている立ち上
がりによって、制御装置は、吸入されるCO
2の比率を増大させるようにベントの大きさ
を減少させるとよい。次いで、移動窓標準偏差SDが減少したとき、制御装置は、ベント
を再び開くかまたはベントの面積を増大させ始めるとよい。
【0197】
他の例では、呼吸治療装置の制御装置は、CSRサイクルに「位相ロック」するように
なっていてもよい。このプロセスは、位相ロックされたループを介してCSRサイクルを
学習し、次いで、CSRサイクルに対して最適な位相関係を保ちながら、最適な時間にわ
たって再呼吸サイクルを開始するように、ベント面積を調整することを含んでいる。これ
によって、一定レベルまたは擬似静止調整レベルと比較して、再呼吸の平均的な量を低下
させることができる。
【0198】
このような場合、CSRサイクルは、代表的には、60秒であり、典型的には、40秒
から90秒の範囲内にある。一般的に、このサイクル長さは、心臓疾患HFの悪化(例え
ば、悪質SpO2値)と共に大きくなり、過呼吸の長さも同じように大きくなる。サイク
ル長さは、夜間において急速に変化せず、または実質的に変化しない。従って、いったん
システムがCSRサイクルに位相ロックされると、CSR振幅の変調の程度が小さくなっ
ても位相ロックを維持することができる。代替的に、もしCSR信号が完全に消失したな
ら(すなわち、正常な呼吸に回復したなら)、装置は、すでに学習したサイクル長さ、過
呼吸長さ、無呼吸長さまたは低呼吸長さ、またはこれらの特徴を示す測定基準に基づいて
、位相ロックを迅速に再設定するとよい。
【0199】
もし患者が際立った無呼吸を伴うCSRパターンを呈しているなら、過呼吸相(すなわ
ち、患者が実際に自発的に呼吸する相)においてのみ、再呼吸を開始することが可能であ
る。しかし、いったん無呼吸が装置によって消失され、呼吸サイクルの全体にわたって連
続的な自発的呼吸を伴うCSRが検出されたなら、サイクル内の最適な点において、不安
定さを可能な限り抑える最適な長さにわたって、制御可能な再呼吸プロセスを行うように
変更すると有利である。再呼吸サイクルのこの位相遅れおよび長さは、予めプログラム化
されてもよいし、予め決められた「最も有利に推測された(bestguess)」開始点におい
て開始した後に、学習されてもよい。
【0200】
一部の例では、装置は、前述したCSRの測定基準を記録することによって、時間と共
に患者を簡単に監視するようになっているとよい。次いで、装置は、測定基準を評価し、
もしCSRが残っているなら、換気流れをわずかしか通さないようにベントを用いること
を指示するとよい。例えば、装置は、一列に並んだ標準的ベンドの内から特定のベント流
れ特性を有するベントを選択するとよい。この場合、装置は、より小さいベントへのステ
ップダウンが警告またはテキスト命令を発することによって実施されるべきであることを
定めているとよい。任意選択的に、一定流れ換気を行う場合、装置は、ベントの調整、例
えば、手動調整、または代替的なマイラータブの挿入、またはベントの流れ特性を変化さ
せ、換気開口の選定を指示するようになっているとよい。
【0201】
上記の例では、能動ベント制御システムは、各治療セッションにおいて(例えば、夜間
ごとに)、実時間検出に基づきおよび/または患者の要求に応じて、患者に治療をもたら
すことができるようになっている。しかし、いくつかの実施形態では、能動ベント制御シ
ステムは、1つまたは複数の夜間において、(例えば、ベント流れ漸増プロトコルを実施
することによって)患者の後続の治療に適する一定のベントの大きさを決定するために用
いられてもよい。
【0202】
上記の例において、再呼吸のための能動ベントシステムおよび関連する制御システムは
、順応性サーボ換気装置(例えば、ResMed AutoSet CS2)と併せて用いられてもよい。こ
のような組合せシステムでは、圧力制御調整プロセスがCSR呼吸を抑制する主駆動機構
として用いられ、前述したような再呼吸制御プロセスが、(もし検出されたなら)任意の
残留する不安定性をなくすために、並行して、このプロセスを補うようになっているとよ
い。代替的に、2つのシステムは、換気を著しく安定化させることを目的とし、より同時
期に作動するために、圧力サポートおよび能動ベントを介する再呼吸の両方を制御するマ
スタープロセスと協働して作動するようになっていてもよい。例えば、このようなシステ
ムは、「早い(fast)」時定数で作用する圧力サポート制御ループと「遅い(slow)」時
定数で作用する再呼吸制御プロセスを行うようになっているとよい。
【0203】
他の例では、再呼吸制御プロセスが、CSR呼吸を抑制する主手段とされ、換気装置の
圧力サポート構成要素が、バックアップ呼吸の介入によって、際立った無呼吸を抑制する
ように作用するようになっていてもよい。
【0204】
CSRを治療するために、位相性換気が換気プロトコルによって行われてもよい。例え
ば、検出された過呼吸期間中に、制御装置は、検出された患者呼気中にのみ、過呼吸を治
療するために換気面積を開閉するようにベントを調整するようになっていてもよい。この
ような場合、ベント面積は、吸気中に大きくなるようになっているとよい。
【0205】
代替的に、制御装置のプロセスは、ベントを通る流れの量を計算または評価し、この流
れの量を所望の量または所望の割合に制御することによって、再呼吸を直接調整するよう
になっていてもよい。
【0206】
制御手順の一例では、CO
2再呼吸の存在が、センサ測定値の解析を用いて評価され、
ベントは、この評価値を許容レベルに低減させるように調整されるとよい。段落「000
4」において説明したように、もし患者の呼気量が次の吸気の時期に呼吸回路にまだ残っ
ていたなら、再呼吸が生じることになる。次の吸気においてチューブ内に残存している呼
気量を追跡するために、患者の呼吸流れの情報(または評価)および現在のベント流れの
情報(または評価)によって、CO
2再呼吸の量が推定されるとよい。
図17Cに示され
ているように、これは、患者に送達される全流れTFLWおよびマスク圧の評価値を利用
することによって、達成されることになる。例えば、呼吸治療装置の空気送達経路内の流
れセンサからの測定信号は、2つの成分、すなわち、交互成分である患者呼吸流れPFL
Wと、ベント流れおよび呼吸治療装置の呼吸回路からの意図しない漏れ流れ(例えば、マ
スク漏れまたは口漏れ)の合計である圧力依存性バイアス流れと、からなっている。呼吸
装置は、種々の方法、例えば、2012年7月30日に出願された国際特許出願第PCT
/AU2011/000950号公報および/または2001年7月10日に出願された
米国特許第6,659,101号公報に記載されている方法のいずれかによって、各成分
を評価することができる。これらの文献は、参照することによって、それらの全体がここ
に含まれるものとする。例えば、組み合わされた漏れは、一定の大きさのオリフィスとし
てモデル化され、該オリフィスを通る流れをマスク圧およびオリフィスのインピーダンス
から予想することができる。この場合、オリフィスのインピーダンスは、長期的に平均化
された(多重呼吸サイクルにおける)マスク圧と長期的に平均化された全流れとの関係を
用いて、評価することができる。オリフィスのインピーダンスをこのように評価すること
によって、任意の瞬間における全漏れ流れVFLW(意図した漏れおよび意図しない漏れ
の両方)を評価することができる。呼気相中に回路に停滞する逆流の全体が、潜在的に再
呼吸可能な呼気量PRBVLMを表している。吸気の開始時に残っているこの量のいくら
かが、実際に再呼吸されることになるが、この再呼吸される量は、呼気相から吸気相にわ
たって、評価された全漏れ流れVFLWから全流れTFLWを引いた全体よりも小さい(
図17Cにおいて参照符号RPRBVLMで示されている)潜在的な再呼吸量として計算
されることになる。従って、この計算された差は、実際に再呼吸される量ARBVLMを
表すことになり、この再呼吸される量は、呼吸ごとに、このように計算され、制御装置ま
たはプロセッサによって決定される実際に再呼吸される量を表す信号ARBVLMとして
表されるとよい。
【0207】
このようにすることによって、ベントは、PEEP/EPAP値、一回換気量、および
呼吸パターンとは無関係に、実際に再呼吸される量のこの評価値を許容レベルに低減する
ように調整することができる。すなわち、ベントを開くようにまたはベントアセンブリの
換気、すなわち、換気面積を増大させるように、ベントを作動させることができる。ベン
トのこのような調整は、典型的には、時系列において漏れインピーダンス計算によって用
いられる平均化期間よりも長期にわたって、多数回行われてもよい。制御装置によるベン
トアセンブリの作動は、損失を最小限に抑えながら再呼吸を防ぐようにベントをサーボ制
御するために、閉ループ制御手順によって行われるとよい。いくつかの態様では、制御装
置は、所望の範囲、例えば、2つの閾値によって画定された範囲内にベントの流れを保つ
ために、一組の閾値を有しているとよい。
【0208】
上記のプロセスの場合、圧力治療は、換気制御装置も含む呼吸治療装置によってもたら
されている。しかし、いくつかの実施形態では、換気制御装置を有するマスク(例えば、
シュノーケル)が、圧力治療をもたらす流れ発生器を設けることなく、用いられてもよく
、場合によっては、圧力治療は、換気制御装置が作動されている間停止されるようになっ
ていてもよい。
【0209】
本技術の可変面積式ベントアセンブリの制御作動に適する呼吸治療装置の制御装置の例
示的なシステム設計概念が、
図7のブロック図に示されている。図示されているように、
呼吸治療装置の制御装置706は、1つまたは複数のプロセッサ708を備えている。ま
た、システムは、ディスプレイインターフェイス710も備えている。ディスプレイイン
ターフェイス710は、事象検出報告(例えば、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、中枢性低
呼吸、閉塞性低呼吸、など)、またはモニターまたはLCDパネル上に表示されている本
明細書に記載されているようなベントアセンブリに関連するデータ(設定値、ベント流れ
対時間プロット、ベント面積、など)を出力するものである。これは、治療セッション中
にベント特性の性能または制御された変化を記録および/または監視するために用いられ
ることになる。本明細書に記載されている制御手順を作動または修正するために、ユーザ
ー制御/入力インターフェイス712、例えば、キーボード、タッチパネル、調節ボタン
、ボタン、ダイアル、マウス、なども設けられている。また、システムは、データ、例え
ば、プログラム化命令、圧力/流れ信号、位置決め信号、アクチュエータ制御信号などを
受信/送信するために、アクチュエータ、センサ、またはバスのようなデータインターフ
ェイス714も備えている。また、装置は、典型的には、前述の手順の制御命令を含む記
憶/データ貯蔵要素720を備えている。これらの記憶/データ貯蔵要素720は、セン
サ信号処理(例えば、流れおよび/または圧力の信号処理およびフィルター処理、ベント
アセンブリ位置決定、ベントアセンブリの流れ決定、ベントアセンブリの圧力決定、など
)のためのプロセッサ制御命令722を含んでいる。また、これらの記憶/データ貯蔵要
素720は、本明細書において詳細に説明したような可変ベント面積式ベントアセンブリ
の作動/設定(例えば、患者疾患検出、漏れ検出、患者呼吸サイクル検出、学習サイクル
、睡眠検出、マスク調整手順、関連する閾値との比較、など)を制御するためのプロセッ
サ制御命令724も含んでいる。また、これらの記憶/データ貯蔵要素720は、治療制
御(例えば、呼吸治療制御、圧力調整、CPAP圧力制御、バイレベル圧力制御、または
他の流れ発生制御手順、など)のためのプロセッサ制御命令726も含んでいる。最後に
、これらの記憶/データ貯蔵要素720は、制御装置の手順(例えば、ベントアセンブリ
の設定値、ベントアセンブリの電圧および/または電流データ、ベントアセンブリの位置
、ガス洗い流しの流れ要求データ、記録されたベント流れデータ、など)に対して送受信
される貯蔵データ728も含んでいる。
【0210】
いくつかの実施形態では、前述した手順を制御するためのこれらのプロセッサ制御命令
およびデータは、汎用コンピュータに用いられるソフトウエアとして、コンピュータ読み
取り記録媒体に含まれるようになっているとよい。従って、汎用コンピュータは、ソフト
ウエアを汎用コンピュータにロードすることによって、本明細書に記載されている手順の
いずれかに準じる専用コンピュータとして機能することになる。さらにまた、これらの手
順は、集積チップ、メモリおよび/または他の制御命令、データまたは情報貯蔵媒体を備
える装置または機器に含まれてもよい。例えば、このような検出手順を含むプログラム化
された命令は、装置または機器のメモリ内の集積チップに符号化され、特定用途向け集積
チップ(ASIC)を形成するようになっていてもよい。このような命令は、代替的に、
適切なデータ貯蔵媒体を用いてソフトウエアまたはファームウエアとしてロードされても
よい。
【0211】
本明細書において、「~を備える(comprising)」という用語は、その「オープン(op
en)」の意味、すなわち、「~を備える(including)」の意味に理解されるべきであり
、「そのクローズド(closed)」の意味、すなわち、「~のみからなる(consisting onl
y of)」の意味に制限されるべきではない。「comprise」、「comprised」、および「com
prises」という対応する用語が用いられる場合、これらの用語も対応する意味に理解され
るべきである。
【0212】
本技術の特定の実施形態について説明してきたが、本技術がその本質的な特性から逸脱することなく他の特定の形態で実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。従って、本実施形態および実施例は、あらゆる観点において、例示にすぎず、制限的とみなされるべきはない。本技術の範囲は、前述の説明というよりもむしろ添付の請求項によって示されており、請求項の意味内にある変更およびその等価の範囲内にある変更は、全て、請求項に含まれることが意図されている。さらに、当技術分野において周知の主題に対するどのような引用も、反する示唆がない限り、このような主題が本技術の関連する技術分野における当業者によって一般的に知られていることの承認を構成するものではないことを理解されたい。
出願当初の特許請求の範囲に記載されていた各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
呼吸治療装置の患者インタ-フェイスのガス洗い流しを自動的に制御するための装置において、
可変排気面積を有するベントアセンブリであって、前記可変排気面積は、前記ベントアセンブリの1つまたは複数の開口によって画定されており、前記ベントアセンブリは、呼気ガスを換気するために、患者インターフェイスに付随的に設けられている、ベントアセンブリと、
前記ベントアセンブリの前記1つまたは複数の開口を操作するアクチュエータと、
を備えている装置。
請求項2:
プロセッサを備える制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記アクチュエータに連結されており、前記制御装置は、前記ベントアセンブリの前記排気面積を変化させるように前記アクチュエータを作動させるように、構成されている請求項1に記載の装置。
請求項3:
前記制御装置は、前記可変排気面積の治療のための設定値と前記可変排気面積の快適さのための設定値との間で切り換えられるように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項4:
前記制御装置は、前記可変排気面積の設定値を含む快適さのための設定値を入力するためのユーザーインターフェイスを有するように構成されている請求項2に記載の装置。
請求項5:
前記快適さのための設定値は、湿度設定値、圧力設定値、および温度設定値の1つまたは複数をさらに含んでいる請求項3に記載の装置。
請求項6:
前記制御装置は、患者換気の程度を測定し、前記患者換気の程度の関数として、前記可変排気面積を調整するように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項7:
前記可変排気面積は、もし前記患者換気の程度が閾値を満たすかまたはそれを超える場合、減少するようになっている請求項6に記載の装置。
請求項8:
前記患者換気の程度は、不安定性指数を含んでいる請求項6に記載の装置。
請求項9:
前記不安定性指数は、換気の移動窓標準偏差、中枢性無呼吸指数、中枢性低呼吸指数、中枢性無呼吸―低呼吸指数、持続性無呼吸-低呼吸指数、および呼吸障害指数の少なくとも1つを含んでいる請求項8に記載の装置。
請求項10:
前記制御装置は、患者流れ信号および前記可変排気面積の位相ロック調整からチェーン・ストークス呼吸サイクルを検出し、前記位相ロックによる再呼吸サイクルを制御するように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項11:
前記制御装置は、流れ発生器の作動を制御するようにさらに構成されている請求項2に記載の装置。
請求項12:
前記制御装置は、意図しない漏れの有無を検出し、前記意図しない漏れの有無の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項13:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の検出に応じて、前記排気面積を閉じるようになっている請求項12に記載の装置。
請求項14:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の検出に応じて、前記排気面積を開き、マスク圧力を大気圧まで低下させるようになっている請求項12に記載の装置。
請求項15:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の連続した検出に応じて、前記排気面積を開閉するようになっている請求項12に記載の装置。
請求項16:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの定量化の関数として、前記排気面積を変化させるようになっている請求項12に記載の装置。
請求項17:
前記制御装置は、前記定量化の値と閾値との比較に基づいて、前記排気面積を減少させるようになっている請求項16に記載の装置。
請求項18:
前記制御装置は、睡眠状態を検出し、前記睡眠状態の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項19:
前記制御装置は、前記睡眠状態の検出に応じて、前記排気面積の周期的な変動を開始するようになっている請求項18に記載の装置。
請求項20:
前記制御装置は、睡眠の不在の検出に応じて、略一定の排気面積を保持するようになっている請求項18に記載の装置。
請求項21:
前記制御装置は、呼吸疾患を検出し、前記呼吸疾患の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項2に記載の装置。
請求項22:
前記検出した呼吸疾患は、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸を含んでおり、前記制御装置は、前記中枢性無呼吸または中枢性低呼吸の検出に基づいて、前記排気面積を減少させるように制御するように、構成されている請求項21に記載の装置。
請求項23:
前記制御装置は、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸の不在のさらなる検出に基づいて、前記排気面積を増大させるように制御するように、構成されている請求項21に記載の装置。
請求項24:
前記制御装置は、検出した患者呼吸に同期して、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項25:
前記制御装置は、圧力の大きさの関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項26:
前記制御装置は、前記排気面積を通る流れの大きさの関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項27:
前記制御装置は、前記排気面積のベント流れが患者流れを反映することを可能にするように、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項28:
前記制御装置は、患者流れの程度の関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項29:
前記制御装置は、再呼吸される量の計算値の関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項2に記載の装置。
請求項30:
前記排気面積は、重なり合う開口によって画定されるようになっている請求項1に記載の装置。
請求項31:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円錐構造体を備えており、前記円錐構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有している請求項30に記載の装置。
請求項32:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円筒構造体を備えており、前記円筒構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有している請求項30に記載の装置。
請求項33:
前記第1の円筒構造体は、前記円筒構造体の長さに沿って延在するコイル溝を備えており、前記コイル溝は、コイルを備えている請求項32に記載の装置。
請求項34:
前記第2の円筒構造体は、磁化されている請求項33に記載の装置。
請求項35:
前記第1の円筒構造体は、その長さに沿って長手方向に分割された2分割体から形成されており、各2分割体は、コイル溝を備えている請求項34に記載の装置。
請求項36:
前記第1の円筒構造体は、その長さに沿って長手方向に分割された3分割体から形成されており、各3分割体は、コイル溝を備えている請求項34に記載の装置。
請求項37:
前記開口からなる開通路は、一組の溝を備えている請求項1に記載の装置。
請求項38:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の構造体を備えており、前記構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有しており、前記アクチュエータは、モーターと前記第1の構造体に連結された誘導コイルとを備えており、前記構造体は、前記第1の構造体の回転によって、前記重なり合う開口の大きさを調整するように、構成されている請求項30に記載の装置。
請求項39:
前記アクチュエータは、ボイスコイルおよび磁石の1つまたは複数を含んでいる請求項1に記載の装置。
請求項40:
前記アクチュエータは、空圧ピストンを含んでいる請求項1に記載の装置。
請求項41:
前記アクチュエータは、モーターを含んでいる請求項1に記載の装置。
請求項42:
前記アクチュエータは、圧電モーターである請求項41に記載の装置。
請求項43:
前記ベントアセンブリの前記可変排気面積を常開位置に戻すように構成されたバネ機構をさらに備えている請求項32に記載の装置。
請求項44:
前記バネ機構は、トーションバネを含んでいる請求項43に記載の装置。
請求項45:
前記ベントアセンブリは、浮動開口部分を備えている請求項1に記載の装置。
請求項46:
前記浮動開口部分は、柔軟材料から構成されている請求項45に記載の装置。
請求項47:
前記ベントアセンブリは、発泡体ベント部分を備えている請求項1に記載の装置。
請求項48:
前記発泡体は、その長さに沿って可変有効多孔率を有している請求項47に記載の装置。
請求項49:
前記ベントアセンブリは、複数のスリットを有する柔軟円筒を備えており、前記複数のスリットは、前記柔軟円筒の拡張および収縮によって拡張および収縮するように構成されている請求項1に記載の装置。
請求項50:
前記ベントアセンブリは、第1および第2のプレートを備えている請求項1に記載の装置。
請求項51:
前記ベントアセンブリは、複数の調整可能なフラップを備えている請求項1に記載の装置。
請求項52:
前記複数のフラップの部分集合の選択的な移動が、前記ベントの前記排気面積を変化させるようになっている請求項51に記載の装置。
請求項53:
前記フラップを作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項52に記載の装置。
請求項54:
前記フラップは、柔軟である請求項53に記載の装置。
請求項55:
各フラップは、磁化された縁部分を備えている請求項54に記載の装置。
請求項56:
前記ベントアセンブリは、複数の柔軟糸を備える布地を備えている請求項1に記載の装置。
請求項57:
前記糸の部分集合の選択的な移動が、前記ベントの排気面積を変化させるようになって
いる請求項56に記載の装置。
請求項58:
前記糸を作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項57に記載の装置。
請求項59:
前記ベントアセンブリは、複数の柔軟層を備える布地を備えている請求項1に記載の装置。
請求項60:
前記層の部分集合の選択的な移動が、前記ベントの前記排気面積を変化させるようになっている請求項59に記載の装置。
請求項61:
前記層を作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項60に記載の装置。
請求項62:
前記ベントアセンブリは、第1および第2のプレートを備えており、前記第1のプレートは、前記第2のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐための複数の突起を備えている請求項1に記載の装置。
請求項63:
前記第2のプレートは、前記第1のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐための複数の突起を備えている請求項62に記載の装置。
請求項64:
前記突起は、円錐形状に形作られており、前記開口は、漏斗形状に形作られている請求項62に記載の装置。
請求項65:
前記第1および第2のプレートに連結された付勢部材をさらに備えている請求項62に記載の装置。
請求項66:
前記付勢部材は、前記第1および第2のプレートを開形状に付勢するようになっている請求項65に記載の装置。
請求項67:
前記ベントアセンブリは、キャップを備えており、前記キャップは、内側ベント部材の複数の開口を選択的に覆いかつ露出させるように構成されており、前記装置は、前記キャップを前記内側ベント部材に対して選択的に吸引または反発させる磁場を生成するコイルをさらに備えている請求項1に記載の装置。
請求項68:
前記ベントアセンブリは、ベントファンを備えており、前記ベントファンは、前記ベントアセンブリの開口に組み合わされており、前記ベントファンは、前記開口を通る排気を調整するように前記ファンを制御する制御装置を備えている請求項1に記載の装置。
請求項69:
前記アクチュエータは、調整可能なダイアフラムを備えており、前記調整可能なダイアフラムは、前記ダイアフラムを通る呼気流れを選択的に増減するように構成されている請求項1に記載の装置。
請求項70:
前記調整可能なダイアフラムは、圧電セラミックリングを含んでいる請求項69に記載の装置。
請求項71:
複数の調整可能なダイアフラムが、複数のベント開口を通る流れを調整するようになっている請求項69に記載の装置。
請求項72:
前記調整可能なダイアフラムは、柔軟な呼気導管の表面上に配置されるように適合されている請求項69に記載の装置。
請求項73:
前記柔軟な呼気導管は、吸気導管を含んでいる請求項72に記載の装置。
請求項74:
前記ベントアセンブリは、呼気チャンバおよびピストンを備えており、前記ピストンは、前記呼気チャンバの表面の1つまたは複数の換気開口を選択的に塞ぐように、前記呼気チャンバ内において移動するように配置されている請求項1に記載の装置。
請求項75:
前記アクチュエータは、前記ピストンを選択的に位置決めする磁場を生成するコイルを備えている請求項74に記載の装置。
請求項76:
前記ベントアセンブリは、前記ピストンの移動の範囲を制限する手動調整機構を備えている請求項74に記載の装置。
請求項77:
前記手動調整機構は、前記ピストンの移動の範囲に張力を加えるように構成されている請求項76に記載の装置。
請求項78:
前記調整機構は、ネジ付きポストおよびバネを備えている請求項77に記載の装置。
請求項79:
患者インターフェイスのガス洗い流しを自動的に制御するためのシステムにおいて、
可変排気面積を有するベントアセンブリであって、前記可変排気面積は、前記ベントアセンブリの重なり合う開口によって画定されており、前記ベントアセンブリは、患者インターフェイスに取付け可能になっている、ベントアセンブリと、
前記ベントアセンブリの開口を操作するアクチュエータであって、前記ベントアセンブリの前記排気面積を変化させるように制御装置によって制御されるように構成されている、アクチュエータと、
を備えているシステム。
請求項80:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円錐構造体を備えており、前記円錐構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有している請求項79に記載のシステム。
請求項81:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の円筒構造体を備えており、前記円筒構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有している請求項79に記載のシステム。
請求項82:
前記第1の円筒構造体は、前記円筒構造体の長さに沿って延在するコイル溝を備えており、前記コイル溝は、コイルを備えている請求項81に記載のシステム。
請求項83:
前記第2の円筒構造体は、磁化されている請求項82に記載のシステム。
請求項84:
前記第1の円筒構造体は、その長さに沿って長手方向に分割された2分割体から形成されており、各2分割体は、コイル溝を備えている請求項83に記載のシステム。
請求項85:
前記第1の円筒構造体は、その長さに沿って長手方向に分割された3分割体から形成されており、各3分割体は、コイル溝を備えている請求項83に記載のシステム。
請求項86:
前記ベントアセンブリは、複数の調整可能なフラップを備えている請求項79に記載のシステム。
請求項87:
前記複数のフラップの部分集合の選択的な移動が、前記ベントの前記排気面積を変化させるようになっている請求項86に記載のシステム。
請求項88:
前記フラップを作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項87に記載のシステム。
請求項89:
前記フラップは、柔軟である請求項88に記載のシステム。
請求項90:
各フラップは、磁化された縁部分を備えている請求項89に記載のシステム。
請求項91:
前記ベントアセンブリは、複数の柔軟糸を備える布地を備えている請求項79に記載のシステム。
請求項92:
前記糸の部分集合の選択的な移動が、前記ベントの排気面積を変化させるようになっている請求項91に記載のシステム。
請求項93:
前記糸を作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項92に記載のシステム。
請求項94:
前記ベントアセンブリは、複数の柔軟層を備える布地を備えている請求項79に記載のシステム。
請求項95:
前記層の部分集合の選択的な移動が、前記ベントの前記排気面積を変化させるようになっている請求項94に記載のシステム。
請求項96:
前記層を作動させる磁場を生成する複数のコイルをさらに備えている請求項95に記載のシステム。
請求項97:
前記ベントアセンブリは、第1および第2のプレートを備えており、前記第1のプレートは、前記第2のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐための複数の突起を備えている請求項79に記載のシステム。
請求項98:
前記第2のプレートは、前記第1のプレートの対応する開口を選択的に塞ぐための複数の突起を備えている請求項97に記載のシステム。
請求項99:
前記突起は、円錐形状に形作られており、前記開口は、ファンネル形状に形作られている請求項97に記載のシステム。
請求項100:
前記第1および第2のプレートに連結された付勢部材をさらに備えている請求項99に記載のシステム。
請求項101:
前記付勢部材は、前記第1および第2のプレートを開形状に付勢するようになっている請求項100に記載のシステム。
請求項102:
前記ベントアセンブリは、キャップを備えており、前記キャップは、内側ベント部材の複数の開口を選択的に覆いかつ露出させるように構成されており、前記システムは、前記キャップを前記内側ベント部材に対して選択的に吸引または反発させる磁場を生成するコイルをさらに備えている請求項79に記載のシステム。
請求項103:
前記ベントアセンブリは、ベントファンを備えており、前記ベントファンは、前記ベントアセンブリの開口に組み合わされており、前記ベントファンは、前記開口を通る排気を調整するように前記ファンを制御する制御装置を備えている請求項79に記載のシステム。
請求項104:
前記アクチュエータは、調整可能なダイアフラムを備えており、前記調整可能なダイアフラムは、前記ダイアフラムを通る呼気流れを選択的に増減するように構成されている請求項79に記載のシステム。
請求項105:
前記調整可能なダイアフラムは、圧電セラミックリングを含んでいる請求項104に記載のシステム。
請求項106:
複数の調整可能なダイアフラムが、複数のベント開口を通る流れを調整するようになっている請求項104に記載のシステム。
請求項107:
前記調整可能なダイアフラムは、柔軟な呼気導管の表面上に配置されるように適合されている請求項104に記載のシステム。
請求項108:
前記柔軟な呼気導管は、吸気導管を含んでいる請求項107に記載のシステム。
請求項109:
前記ベントアセンブリは、呼気チャンバおよびピストンを備えており、前記ピストンは、前記呼気チャンバの表面の1つまたは複数の換気開口を選択的に塞ぐように、前記呼気チャンバ内において移動するように配置されている請求項79に記載のシステム。
請求項110:
前記アクチュエータは、前記ピストンを選択的に位置決めする磁場を生成するコイルを備えている請求項109に記載のシステム。
請求項111:
前記ベントアセンブリは、前記ピストンの移動の範囲を制限する手動調整機構を備えている請求項109に記載のシステム。
請求項112:
前記手動調整機構は、前記ピストンの移動の範囲に張力を加えるように構成されている、ことを特徴とする請求項111に記載のシステム。
請求項113:
前記調整機構は、ネジ付きポストおよびバネを備えている請求項112に記載のシステム。
請求項114:
前記重なり合う開口からなる開通路は、一組の溝を備えている請求項79に記載のシステム。
請求項115:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の構造体を備えており、前記構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有しており、前記アクチュエータは、モーターと前記第1の構造体に連結された誘導コイルとを備えており、前記構造体は、前記第1の構造体の回転によって、前記重なり合う開口の大きさを変化させるように、構成されている請求項79に記載のシステム。
請求項116:
前記アクチュエータは、ボイスコイルを含んでいる請求項79記載のシステム。
請求項117:
前記アクチュエータは、空圧ピストンを含んでいる請求項79に記載のシステム。
請求項118:
前記アクチュエータは、誘導コイルを含んでいる請求項79に記載のシステム。
請求項119:
前記アクチュエータは、圧電モーターを含んでいる請求項79に記載のシステム。
請求項120:
前記ベントアセンブリの前記可変排気面積を常開位置に戻すように構成されたバネ機構をさらに備えている請求項79に記載のシステム。
請求項121:
前記バネ機構は、トーションバネを含んでいる請求項120に記載のシステム。
請求項122:
前記ベントアセンブリは、入れ子になった第1および第2の構造体を備えており、前記構造体の各々は、前記重なり合う開口からなる開通路を有しており、前記システムは、前記アクチュエータを作動させるように構成された制御装置をさらに備えている請求項79に記載のシステム。
請求項123:
前記制御装置は、意図しない漏れの有無を検出し、前記意図しない漏れの有無の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項122に記載のシステム。
請求項124:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の検出に応じて、前記排気面積を閉じるようになっている請求項123に記載の装置。
請求項125:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の検出に応じて、前記排気面積を開き、マスク圧力を大気圧まで低下させるようになっている請求項123に記載のシステム。
請求項126:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの存在の連続した検出に応じて、前記排気面積を開閉するようになっている請求項123に記載のシステム。
請求項127:
前記制御装置は、前記意図しない漏れの定量化の関数として、前記排気面積を変化させるようになっている請求項123に記載のシステム。
請求項128:
前記制御装置は、前記定量化の値と閾値との比較に基づいて、前記排気面積を減少させるようになっている請求項127に記載のシステム。
請求項129:
前記制御装置は、睡眠状態を検出し、前記睡眠状態の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項122に記載のシステム。
請求項130:
前記制御装置は、検出した睡眠状態の関数として、前記排気面積の周期的な変動を開始するようになっている請求項129に記載のシステム。
請求項131:
前記制御装置は、睡眠の不在の検出に応じて、略一定の排気面積を保持するようになっている請求項129に記載のシステム。
請求項132:
前記制御装置は、呼吸疾患を検出し、前記呼吸疾患の検出に基づいて、前記排気面積を変化させるように制御するように、構成されている請求項122に記載のシステム。
請求項133:
前記検出した呼吸疾患は、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸を含んでおり、前記制御装置は、前記中枢性無呼吸または中枢性低呼吸の検出に基づいて、前記排気面積を減少させるように制御するように、構成されている請求項132に記載のシステム。
請求項134:
前記制御装置は、中枢性無呼吸または中枢性低呼吸の不在のさらなる検出に基づいて、前記排気面積を増大させるように制御するように、構成されている請求項132に記載のシステム。
請求項135:
前記制御装置は、患者流れの程度の関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項122に記載の装置。
請求項136:
前記制御装置は、再呼吸される量の計算値の関数として、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項122に記載のシステム。
請求項137:
前記制御装置は、前記排気面積のベント流れが患者流れを反映することを可能にするように、検出した患者呼吸と同期して、前記排気面積を変化させるように制御するようになっている請求項122に記載のシステム。
請求項138:
プロセッサを備える制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記アクチュエータに連結されており、前記制御装置は、前記ベントアセンブリの前記排気面積を変化させるように前記アクチュエータを作動させるように、構成されている請求項79に記載のシステム。
請求項139:
前記制御装置は、前記可変排気面積の治療のための設定値と前記可変排気面積の快適さのための設定値との間で切り換えられるように、構成されている請求項138に記載のシステム。
請求項140:
前記制御装置は、前記可変排気面積の設定値を含む快適さのための設定値を入力するためのユーザーインターフェイスを有するように構成されている請求項138に記載のシステム。
請求項141:
前記快適さのための設定値は、湿度設定値、圧力設定値、および温度設定値の1つまたは複数をさらに含んでいる請求項139または140に記載のシステム。
請求項142:
前記制御装置は、患者換気の程度を測定し、前記患者換気の程度の関数として、前記可変排気面積を調整するように、構成されている請求項138に記載のシステム。
請求項143:
前記可変排気面積は、もし前記患者換気の程度が閾値を満たすかまたはそれを超える場合、減少するようになっている請求項142に記載のシステム。
請求項144:
前記患者換気の程度は、不安定性指数を含んでいる請求項142または143に記載のシステム。
請求項145:
前記不安定性指数は、換気の移動窓標準偏差、中枢性無呼吸指数、中枢性低呼吸指数、中枢性無呼吸―低呼吸指数、持続性無呼吸-低呼吸指数、および呼吸障害指数の少なくとも1つを含んでいる請求項144に記載のシステム。
請求項146:
前記制御装置は、患者流れ信号および前記可変排気面積の位相ロック調整からチェーン・ストークス呼吸サイクルを検出し、前記位相ロックによる再呼吸サイクルを制御するように、構成されている請求項138に記載のシステム。
請求項147:
前記制御装置は、流れ発生器の作動を制御するようにさらに構成されている請求項138に記載のシステム。
請求項148:
呼吸治療装置の患者インターフェイスの洗い流しのためにガス流量を自動的に制御するための装置において、
ガス流路を有する導管と、
前記導管の前記ガス流路のガスが通過する大きさを変化させるために前記導管内において移動するように構成されたスラグと、
を備えている装置。
請求項149:
前記ガス流路は、前記スラグのための複数の段を備えている請求項148に記載の装置。
請求項150:
前記ガス流路には、テーパが付されている請求項149に記載の装置。
請求項151:
前記複数の段は、対称的な段を含んでいる請求項149に記載の装置。
請求項152:
前記スラグは、磁性を有している請求項149に記載の装置。
請求項153:
前記スラグのためのアクチュエータをさらに備えており、前記アクチュエータは、前記スラグを作動させるように構成された複数の電磁石を備えている請求項152に記載の装置。
請求項154:
前記導管は、一組の導管ネジ山を備えており、前記スラグは、一組のスラグネジ山を備えている請求項148に記載の装置。
請求項155:
前記一組の導管ネジ山は、破断部分溝を備えている請求項154に記載の装置。
請求項156:
前記破断部分溝は、テーパ付き溝である請求項155に記載の装置。
請求項157:
前記一組の導管ネジ山は、複数のネジ山サイズを備えている請求項154に記載の装置。
請求項158:
前記一組の導管ネジ山は、破断部分溝をさらに備えている請求項157に記載の装置。
請求項159:
前記スラグのためのアクチュエータをさらに備えており、前記アクチュエータは、前記スラグを作動させるように構成されており、前記アクチュエータは、前記ガス流路の外に配置された複数のコイルを備えている請求項154に記載の装置。
請求項160:
プロセッサを備える制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記アクチュエータに連結されており、前記制御装置は、より大きいまたはより少ないガス流れが前記ガス流路を通ることを可能にするために、前記ガス流路の大きさを変化させるように前記アクチュエータを作動させるように、構成されている請求項159に記載の装置。
請求項161:
前記導管は、呼吸マスクのガス洗い流しベントに連結されている請求項160に記載の装置。
請求項162:
呼吸治療装置の患者インターフェイスのガス洗い流しを制御するための装置において、
可変排気面積を有するベントアセンブリであって、前記可変排気面積は、前記アセンブリの複数の重なり合うブレードによって画定されている、ベントアセンブリと、
前記ベントアセンブリの開口を操作するアクチュエータであって、前記ブレードに連結されている、アクチュエータと、
を備えている装置。
請求項163:
前記ベントアセンブリは、第1および第2のブレードマウントを備えている請求項162に記載の装置。
請求項164:
前記アクチュエータは、前記複数のブレードに連結された駆動レバーを備えている請求項162または163に記載の装置。
請求項165:
前記アクチュエータは、前記駆動レバー用の長孔を備えている請求項164に記載の装置。
請求項166:
前記アクチュエータは、前記駆動レバーに連結されたヨークをさらに備えている請求項164または165に記載の装置。
請求項167:
前記アクチュエータは、磁気区域を有するリングを備えている請求項162-166のいずれか1つに記載の装置。
請求項168:
前記アクチュエータは、一組の磁場コイルを備えている請求項162-167のいずれか1つに記載の装置。
請求項169:
前記アクチュエータは、駆動レバーに連結されたヨークをさらに備えており、前記ヨークは、磁気区域を有するリングから構成されており、前記アクチュエータは、前記リングの回転を制御するように構成された一組の磁場コイルを備えている請求項162に記載の装置。
請求項170:
前記磁場コイルを作動させるように構成された制御装置をさらに備えている請求項168または169に記載の装置。
請求項171:
付勢部材をさらに備えており、前記付勢部材は、前記アクチュエータの移動を予め設定された位置に向かって付勢するように構成されている請求項162-170のいずれか1つに記載の装置。
請求項172: 前記予め設定された位置は、前記複数の重なり合うブレードによって画定された開排気面積である請求項171に記載の装置。
請求項173:
ハウジングをさらに備えており、前記ハウジングは、前記アセンブリおよびアクチュエータに連結されている請求項162~172のいずれか1つに記載の装置。
請求項174:
前記ハウジングは、呼吸治療装置のガス送達導管用の導管アダプターを構成するようになっている請求項173に記載の装置。
請求項175:
前記ハウジングは、呼吸治療装置用のマスクの換気ポートを構成するようになっている請求項173に記載の装置。
請求項176:
前記調整可能なダイアフラムは、電気的活性ポリマーリングを備えている請求項69に記載の装置。
請求項177:
前記調整可能なダイアフラムは、電気的活性ポリマーリングを備えている請求項104に記載のシステム。
【
図15A.15B.15C.15D.15E.15F.15G】