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特許7000496全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置および検査方法{BATTERY CELL INSPECTION APPARATUS FOR AUTOMATION OF TOTAL INSPECTION AND INSPECTION METHOD THEREOF}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置および検査方法{BATTERY CELL INSPECTION APPARATUS FOR AUTOMATION OF TOTAL INSPECTION AND INSPECTION METHOD THEREOF}
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20220112BHJP
   G01N 23/046 20180101ALI20220112BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
G01N23/046
H01M10/48 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020085391
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2020188004
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0056389
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513303186
【氏名又は名称】ビューワークス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホ、カン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、サンウ
(72)【発明者】
【氏名】リー、グァンス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドゥホ
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1133048(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0166802(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1272556(KR,B1)
【文献】特開2012-164620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04-39
H01G 13/00
G01N 23/046
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮影によりバッテリーセルを検査するバッテリーセル検査装置であって、
回転可能なメインステージと、
前記メインステージ上に置かれた複数のサブステージと、
前記メインステージと前記サブステージとからなるマウントステージと、
前記サブステージ上に置かれた、複数の検査体が積層される検査体ケースと、
所定位置において前記放射線撮影により前記検査体の画像を取得する検査体検査部と、を備え、
前記マウントステージは、前記検査体ケースを前記所定位置に移動させ
前記検査体検査部においては、前記検査体ケースが回転して、積層された前記検査体の画像が取得される、
全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項2】
前記画像の取得後、前記検査体ケースが前記マウントステージの移動によって到達した位置において、積層された前記検査体が順次排出されることを特徴とする、請求項1に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項3】
前記メインステージは、中心を軸に回転可能に備えられ、
前記サブステージは、
前記メインステージの上部に前記検査体の載置、検査、排出のために円周方向に一定間隔で複数配置され、
記サブステージ各々の角度と高さが調節され、
前記検査体検査部においては、前記検査体ケースが回転して、
積層された前記検査体のコーナー部分に対する画像が取得されることを特徴とする、請求項1に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項4】
前記マウントステージと前記検査体検査部は、ケースの内部に位置し、
前記サブステージは、前記検査体の載置、検査、排出のために3個以上の個数で、回転可能な前記メインステージの上部に取り付けられ、
前記検査体検査部は、前記検査体の放射線検査のための放射線発生部および画像検出器を含み、
前記検査体検査部の上部には検査体整列部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項5】
前記ケースは、
放射線の流出を防止するために前記ケースを囲む遮蔽部と、
前記遮蔽部を含む前記ケースの一方に備えられた検査体流入口と、
前記遮蔽部を含む前記ケースの他方に備えられた検査体排出口と、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項6】
前記検査体流入口には前記ケースの内部及び外部を貫通する引き込みコンベヤーベルトが配置され、
前記引き込みコンベヤーベルトの上部には検査体ガイドプレートが配置され、
前記検査体排出口には前記ケースの内部及び外部を貫通する排出コンベヤーベルトが配置されることを特徴とする、請求項5に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項7】
前記メインステージは、
前記ケース下部の底面に位置し、
第1モータによって回転し、
前記サブステージは、
前記メインステージの上部に位置し、
前記メインステージ上で第2モータによって回転し、
前記サブステージには前記サブステージを上下に移動させる第1昇降部が含まれることを特徴とする、請求項4に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項8】
前記サブステージの上部には、前記検査体が順次積層される前記検査体ケースが置かれ、
前記検査体ケースは、
四角平板部の両側端部に、外側方向に延びる三角形状の延長部が一体的に形成されたケース胴体部と、
前記四角平板部の4個のコーナーにおいて下部に突出するケース脚部と、
前記延長部の端部において上部と下部に突出するケース支持部材と、
前記ケース支持部材の上部に備えられたケースカバーアンロック部と、
前記ケース胴体部の上部の中心に対して両側に対称的に配置されたふたつの検査体ステージ部と、
前記ケース胴体部の上部を覆い、前記ケースカバーアンロック部によって固定されていない状態にされる検査体カバーと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項9】
前記ケースカバーアンロック部は、
前記ケース支持部材の上部に備えられた「L」形状を有する挿入溝と、
前記挿入溝の垂直の部分に挿入されて固定された電磁石と、
前記挿入溝の水平の部分に挿入されて前記電磁石に接続されたインナー接続端子と、
前記インナー接続端子に接続されるアウター接続端子部と、を含むことを特徴とする、請求項8に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項10】
前記アウター接続端子部は、前記ケース支持部材の外側面に当接する「>」形状の接続端子加圧部材のコーナー内側の側面に突出することを特徴とする、請求項9に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項11】
前記接続端子加圧部材は、コーナー外側の側面が、加圧シリンダーの加圧シリンダーロッドに備えられたスリップ部に結合され、
前記スリップ部は、
スリップハウジングと、
前記スリップハウジングの内部に備えられたスリップモータと、
前記スリップモータのスリップモータ軸に備えられたスリップディスク端子と、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項12】
前記検査体ステージ部は、
前記四角平板部に備えられた第1長孔の両側において各々第3モータ軸が上部に突出する第3モータと、
前記第3モータ軸に結合された検査体ステージと、
前記検査体ステージの上部の上方向に突出する二つの検査体整列片と、を含むことを特徴とする、請求項8に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項13】
前記検査体整列片は、
一方の検査体整列片と他方の検査体整列片とのなす角の角度が90°であり、
対向する前記一方の検査体整列片と前記他方の検査体整列片とからなるコーナー部分に離隔した検査体コーナー露出部を含むことを特徴とする、請求項12に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項14】
前記検査体カバーは、
前記ケース胴体部と同一な形態を有し、
前記ケース支持部材に載せられる部分に、前記電磁石と中心が一致する金属片が備えられ、
前記検査体カバーの中央に第2長孔が備えられることを特徴とする、請求項9に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項15】
前記検査体整列部は、
整列支持フレーム部と、
前記整列支持フレーム部の下部に備えられた整列板移送シリンダー部と、
前記整列板移送シリンダー部の下部に結合された整列板と、
前記整列板の下部に備えられた複数の整列シリンダーと、
前記整列板に、エアー吸着力によって検査体カバーが吸着または分離される検査体カバー吸着部と、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項16】
前記整列シリンダーは、
前記整列板の下部に90°間隔で備えられ、
前記整列シリンダーの整列シリンダーロッドの端部に検査体整列板を備えることを特徴とする、請求項15に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項17】
前記検査体カバー吸着部は、
エアポンプと、
前記エアポンプの吸入側に一方が連結されたエアーホースと、
前記エアーホースの他方に連結され、前記整列板に備えられる吸着ノズルと、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置。
【請求項18】
複数の検査体を積層させるステップと、
積層された前記検査体を回転させてCT検査を行うステップと、
前記CT検査が行われた前記検査体を一つずつ排出させるステップと、からなり、
積層された前記検査体を回転させて前記CT検査を行うステップが進行する間、検査体流入口に位置するサブステージでは前記検査体を積層させるステップが行われ、検査体排出口に位置するサブステージでは積層された前記検査体を一つずつ排出させるステップが行われ
前記CT検査を行うステップでは、前記検査体を回転させて積層された前記検査体の画像を取得する、
全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査方法。
【請求項19】
前記検査体を積層させるステップでは一方の検査体のコーナーと、他方の検査体のコーナーとが対向するように2列に整列して、前記一方の検査体と前記他方の検査体がそれぞれ積層されることを特徴とする、請求項18に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査方法。
【請求項20】
前記CT検査を行うステップは、積層された前記検査体を平面上で見て前記検査体のコーナーを二等分する線分を中心に、前記検査体を回転させて前記CT検査を行うことを特徴とする、請求項18に記載の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置および検査方法に関する。特に複数のバッテリーセルを積層させてX線のような放射線で撮影することによって一貫工程を通じて生産されるバッテリーセルに対して全数検査が可能となるようにして、生産される全てのバッテリーセルに対する不良有無を正確で且つ速かに検査できるバッテリーセル検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の一種であるリチウムポリマーバッテリーは、化学エネルギーと電気エネルギーとの間の相互変換が可逆的であって充電と放電を繰り返すことができる電池であり、一般に、電解質、電解質に入れられた正極および負極、セパレータ、そして封止材で構成される。
【0003】
電解質は正極と負極の酸化還元反応が調和をなすようにする物質移動の媒介体であり、正極は外部から電子を受ける物質が還元される電極であり、負極は酸化されて電子を放出する電極であり、セパレータは正極と負極の物理的接触を防止するための隔離板としての機能を有する。
【0004】
そして、封止材は、機械的柔軟性、強度、高い酸素/水蒸気の遮蔽効果、高い熱的シーリング強度、電解液に対する耐化学性、電気絶縁性、成形容易性、大きさ制御の簡便性、印刷可能性、熱的安定性、そして低い生産単価を有するように、外層フィルム、接着剤、アルミニウムホイール、接着剤および内層フィルムなどの多層構造を有するアルミニウム積層膜の形態を有するように構成されている。
【0005】
一般に、リチウムポリマーバッテリーは、製造過程中、封止材の内部に備えられた正極と負極はバッテリーのコーナー部分での曲がりやそれによる短絡が発生する場合があり、このように曲がった、又は短絡したバッテリーを用いる場合、機器の誤作動は勿論、さらにはバッテリーセルが爆発するなどの問題が引き起こされる。
【0006】
このため、生産されたバッテリーの封止材内部電極の状態を検査するために、非破壊検査(Non-destructive inspection)装置の一種である商用MXI(Manual X-ray inspection)装置を用いて電極が変形したバッテリーを検出しているが、コンベヤーベルトにより移送される生産ライン上のバッテリーのうち特定の一つを一定周期でサンプリングして商用MXI装置に手作業で載置し、画像を取得、分析する形で検査が行われるため、全数検査は不可能であるという限界があった。
【0007】
このような従来のサンプリング検査が有する限界を克服するために、下記特許文献1のようなバッテリー検査装置が提案されている。
【0008】
提案された従来のバッテリー検査装置は、ハイブリッド電気自動車やノートブックコンピュータなどに適用される所定の厚さを有する板状の中大型バッテリーにおいて、正極、セパレータ、負極が明確に区分されて積層されているかというその整列状態(stacking alignment)を検査するためのものであり、図1に示すように、ロード部2、アンロード部3、移送部4、検査装置7で構成されている。
【0009】
図1に示された従来のバッテリー検査装置は、バッテリーをロード部2の下部に位置したロードジグ21にセッティングした後、バッテリーがセッティングされたロードジグ21をロード経路部22に沿って上部に移動させ、その次に移送部4の移送ジグ41、42にセッティングした後、移送部4の上部に移動させて検査装置7で検査ポイントを撮影し、撮影が終了すれば、バッテリーがセッティングされた移送ジグ41、42を移送部4の下部に移動させてアンロード部3の上部に位置したアンロードジグ31にセッティングされるようにし、アンロードジグ31をアンロード経路部32に沿って下部に移動させて排出する一連の過程が順次行われる。
【0010】
図1(b)に示すように、検査ポイントであるバッテリーコーナー部の2ヶ所をX線検査装置71と画像増強管72で撮影できるように移送ジグ41が回転するように構成されており、例示的に示すように、移送ジグ41が時計方向に45度、反時計方向に45度回転して該位置で撮影が行われる。
【0011】
前記のような従来のバッテリー検査装置は、一つのバッテリーが載置または排出される間、他のバッテリーに対する検査が行われることができるため、従来のサンプリング方式検査に比べて大きく向上した速度でバッテリー検査を実行できるという長所を有する。
【0012】
しかし、前記構成のバッテリー検査装置では、バッテリーコーナー部の2ヶ所に対して二次元画像を撮影する程度のみが可能であるだけであって、より精密な検査のためにバッテリーコーナー部を回転させながら撮影した数多くの二次元画像を三次元に再構成して検査する場合には、バッテリー1個当たりに撮影に数分ずつかかり、工程速度に制約が深刻であって、最近のバッテリー生産工程の全数検査装置としては依然として好適ではないという問題がある。
【0013】
現在技術レベルのバッテリーセル生産ラインの移送速度(flow rate)は8秒内外として知られているが、数多くの二次元画像を三次元に再構成するfull-CT(computerized tomography)撮影の場合は、full-CTのために回転させる時間と得られた画像から三次元の再構成をするのに少なくとも2分内外がかかり、前述した従来のバッテリー検査装置では全数検査を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国登録特許第10-1133048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置は、より精密な検査のためにバッテリーコーナー部を回転させながら取得した数多くの二次元画像を三次元に再構成してバッテリーセルを検査する場合にも、全数検査が可能となるように、バッテリー検査に必要とされる工程速度を顕著に改善させて生産性と効率性を向上させることによって、従来のバッテリー検査装置が有する問題を解決しようとするものである。
【0016】
また、本発明は、従来の検査装置とは異なり、複数のバッテリーセルを同時に検査できるように構成して、複数のバッテリーセルのコーナーを同時に且つ正確に検査するのに必要な時間の間、バッテリーセルを検査装置に積層させることによってバッテリー生産の一貫工程上でバッテリーセルの検査が円滑に行われるようにすることを目的とする。
【0017】
本発明が解決しようとする技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は下記の記載によって本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために、本発明は、一実施形態として、放射線撮影によりバッテリーセルを検査するバッテリーセル検査装置であって、回転可能なメインステージと、メインステージ上に置かれたサブステージと、メインステージとサブステージとからなるマウントステージと、サブステージ上に置かれた、検査体が積層される検査体ケースと、所定位置において放射線撮影により検査体の画像を取得する検査体検査部と、を備え、マウントステージは、検査体ケースを所定位置に移動させる、全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置を提供する。
【0019】
また、本発明のバッテリーセル検査装置において、画像の取得後、検査体ケースがマウントステージの移動によって到達した位置において、積層された検査体(BC)が順次排出される。
【0020】
ここで、メインステージは、中心を軸に回転可能に備えられ、サブステージは、メインステージの上部に検査体(BC)の載置、検査、排出のために円周方向に一定間隔で複数配置され、複数のサブステージ各々の角度と高さが調節され、検査体検査部においては、検査体ケースが回転して、検査体(BC)のコーナー部分に対する画像が取得される。
【0021】
また、マウントステージと検査体検査部は、ケースの内部に位置し、サブステージは、検査体(BC)の載置、検査、排出のために3個以上の個数で、回転可能なメインステージの上部に取り付けられ、検査体検査部は、検査体(BC)の放射線検査のための放射線発生部および画像検出器を含み、検査体検査部の上部には検査体整列部が備えられてもよい。
【0022】
特に、ケースは、放射線の流出を防止するためにケースを囲む遮蔽部と、遮蔽部を含むケースの一方に備えられた検査体流入口と、および検査体流入口と対応するように遮蔽部を含むケースの他方に備えられた検査体排出口と、を含む。
【0023】
さらに、検査体流入口にはケースの内部及び外部を貫通する引き込みコンベヤーベルト(IC)が配置され、引き込みコンベヤーベルト(IC)の上部には検査体ガイドプレート(GP)が配置され、検査体排出口にはケースの内部及び外部を貫通する排出コンベヤーベルト(OC)が配置されてもよい。
【0024】
また、メインステージは、ケース下部の底面に位置し、第1モータ(M1)によって回転し、サブステージは、メインステージの上部に位置し、メインステージ上で第2モータ(M2)によって回転し、サブステージにはサブステージを上下に移動させる第1昇降部(LF1)が含まれる。
【0025】
一方、サブステージの上部には、検査体(BC)が順次積層される検査体ケースが置かれ、検査体ケースが載置および分離される中央に位置したサブステージの上部にプッシュアップアクチュエータ(PA)が備えられ、検査体ケースは、四角平板部の両側端部に、外側方向に延びる三角形状の延長部が一体的に形成されたケース胴体部と、四角平板部の4個のコーナーに下部に突出するケース脚部と、延長部の端部に上部と下部に突出するケース支持部材と、ケース支持部材の上部に備えられたケースカバーアンロック部と、ケース胴体部の上部両側に対称的に配置された複数の検査体ステージ部と、ケース胴体部の上部を覆い、ケースカバーアンロック部によって固定されていない状態にされる検査体カバーと、を含むことを特徴とする。
【0026】
特に、ケースカバーアンロック部は、ケース支持部材の上部に備えられた「L」形状を有する挿入溝と、挿入溝の垂直の部分に挿入されて固定された電磁石、挿入溝の水平の部分に挿入されて電磁石に接続されたインナー接続端子と、インナー接続端子に接続されるアウター接続端子部と、を含み、アウター接続端子部は、ケース支持部材の外側面に当接する「>」形状の接続端子加圧部材のコーナー内側の側面に突出することとしてもよい。
【0027】
この時、接続端子加圧部材は、コーナー外側の側面が、加圧シリンダーの加圧シリンダーロッドに備えられたスリップ部に結合され、スリップ部は、スリップハウジングと、スリップハウジングの内部に備えられたスリップモータと、スリップモータのスリップモータ軸に備えられたスリップディスク端子と、を含むことを特徴とする。
【0028】
さらに、検査体ステージ部は、四角平板部に備えられた第1長孔の両側において各々第3モータ軸が上部に突出する第3モータと、第3モータ軸に結合された検査体ステージと、検査体ステージの上部の一方及び他方に突出する検査体整列片と、を含んでもよい。
【0029】
特に、検査体整列片は、一方の検査体整列片と他方の検査体整列片でなす角の角度が90°であり、対向する一方の検査体整列片と他方の検査体整列片とからなるコーナー部分に離隔した検査体コーナー露出部を含んでもよい。
【0030】
また、検査体カバーは、ケース胴体部と同一な形態を有し、ケース支持部材に載せられる部分に、電磁石と中心が一致する金属片が備えられ、検査体カバーの中央に第2長孔が備えられることを特徴とする。
【0031】
一方、検査体整列部は、整列支持フレーム部と、整列支持フレーム部の下部に備えられた整列板移送シリンダー部と、整列板移送シリンダー部の下部に結合された整列板と、整列板の下部に備えられた複数の整列シリンダーと、整列板に、エアー吸着力によって検査体カバーが吸着または分離される検査体カバー吸着部と、を含んで構成される。
【0032】
ここで、整列シリンダーは、整列板の下部において円周方向に90°間隔で備えられ、整列シリンダーの整列シリンダーロッドの端部に検査体整列板を備えられてもよい。
【0033】
さらに、検査体カバー吸着部は、エアポンプと、エアポンプの吸入側に一方が連結されたエアーホースと、エアーホースの他方に連結され、整列板に備えられる吸着ノズルと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、引き込みコンベヤーベルトを介してケースの内部に引き込まれた検査体であるバッテリーセルがサブステージの上部に位置した検査体ケースに順次積層された後、検査体検査部に移動して、積層されたバッテリーセルそれぞれのコーナー部分が検査体検査部によって検査されるようにすることによって、バッテリーセルの全数検査が高速で行われることができる。
【0035】
特に、本発明は、X線のような放射線撮影により封止材で密封されたバッテリーセルの電極状態を正確に検査する際に、特にバッテリーセルを複数積層して撮影された画像を三次元に再構成してバッテリーセルごとに不良有無を検査する場合にも全数検査が可能な程度の処理速度を提供することができ、さらには一貫工程上で検査を進行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来のバッテリー検査装置を示す例示図である。
図2】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置を示す平面図と検査体ケースとマウントステージを示す図である。
図3】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、検査品であるバッテリーセルの載置、検査および排出過程を示す概念図である。
図4】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、検査品であるバッテリーセルのCT撮影および分析過程を示す概念図である。
図5】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において循環型ステージを示す例示図である。
図6】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において循環型ステージの他の実施形態を示す例示図である。
図7】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、バッテリーセルのコーナー部の撮影のためのCT rotationを示す概念図である。
図8】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置の具体化された実施形態を示す斜視図である。
図9】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置の具体化された実施形態を示す正面図である。
図10】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、具体化されたサブステージの上部に位置する検査体ケースから検査体カバーが分離された状態および検査体整列部を示す斜視図である。
図11】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、具体化された検査体カバーが覆われた検査体ケースがスリップ部に結合された状態を示す斜視図である。
図12】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、具体化された検査体ケースを分離して示す斜視図である。
図13】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、具体化された検査体ケースとスリップ部を分離して示す斜視図である。
図14】本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置の具体化された平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、図面を参照して本発明についてより詳しく説明する。図面中の同一な構成要素は、可能な限りどの図面でも同一な符号を付している。また、本発明の要旨を不要に濁す恐れのある公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。
【0038】
ある構成要素が他の構成要素に連結されているかまたは接続されていると言及されるときには、他の構成要素に直接に連結または接続されていてもよいが、その間にまた他の構成要素が存在してもよい。また、本明細書の全体にわたって、ある部材が他の部材「上に」位置するとするとき、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0039】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0040】
先ず、図2は、本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置を示す平面図と検査体ケースとマウントステージを示している。
【0041】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置は、メインステージ210とサブステージ220とからなるマウントステージ200で構成され、回転可能に備えられたメインステージ210の上部には円周方向に一定間隔で配置された複数のサブステージ220が各々回転可能に備えられ、サブステージ220は昇降可能に備えられる。この時、サブステージ220は、メインステージ210の上部に検査体(BC)の載置、検査、排出のためにメインステージ210の回転軸に対する同心円上に円周方向に等間隔で配置され、回転速度や高さが調節されるようにすることが好ましい。
【0042】
サブステージ220の上部には検査体ケース230がサブステージ220から分離可能に備えられる。外部から検査体であるバッテリーセル(BC)が引き込みコンベヤーベルト(IC)を介して引き込まれた後に、検査体ケース230上に順次積層される。
【0043】
図2の上部側には検査体検査部300が備えられ、検査体検査部300は、検査体ケース230が検査体検査部300に移動した後、放射線撮影により検査体(BC)の画像を得る。この時、検査体検査部300は、検査体(BC)のX線検査のためのX線発生部300aおよび画像検出器300bで構成されることができる。
【0044】
一方、検査体ケース230に積層された検査体(BC)は、検査体検査部300に引き込まれる前に、図2の上部左側に平面図で示すように、空気圧などによって作動する検査体整列板442によって整列される。その後、図2の上部右側の正面図で示すように、別途の検査体カバー250によって流動が防止されるように結合されることによって、撮影過程で検査体ケース230が回転してもバッテリーセルが散乱するのが防止される中で、検査体(BC)のコーナー部分に対する正確な画像が得られる。
【0045】
画像の取得後、検査体ケースがマウントステージの移動によって到達した位置において、積層された検査体(BC)は、排出コンベヤーベルト(OC)によってケース100の外部に順次排出される。
【0046】
次に、図3は、本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、検査品であるバッテリーセルの載置、検査および排出過程を示す概念図である。図3を参照すれば、検査品であるバッテリーセルが一方のコンベヤーベルトを介して引き込まれて1、2・・・N-1、Nの順にN個積層された後、X線のような放射線検査装置によって検査された後、他方のコンベヤーベルトを介して外部に排出される。
【0047】
例えば、生産ラインに沿って移動している検査品のフローレート時間(flow rate time、Tf)が8秒、X線検査装置が画像を撮影し分析するのに必要な動作時間(operating time、Top)が240秒であると仮定すれば、検査体検査部においてX線検査が進行する240秒の時間の間、最大30(N=30)個のバッテリーセルを検査体ケースに積載して、ボトルネックの現象なしで一貫工程としての全数検査の実行が可能となる。
【0048】
図4は、本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、検査品であるバッテリーセルのCT撮影および分析過程を示す概念図である。
【0049】
図4を参照すれば、第1段階ではN個のバッテリーセルが積層(stacking)された後、第2段階ではX線CT(computerized tomography)検査が行われ、第3段階では個別バッテリーセルに対する周期的抽出が行われる中でCT再構築および分析が行われることが分かる。この時、第2段階では、N個のバッテリーセルが回転軸に対して回転する中で、X線チューブから発生したX線によって画像検出器により画像を得ることができる。図4に示すように、積層されたN個のバッテリーセルに対する画像を同時に撮影することによって、検査対象となるN個のバッテリーセルのコーナーを同時に撮影および分析が可能な多重ポイント検査が行われる。
【0050】
そして図面には示されていないが、バッテリーセルを回転させながら取得したバッテリーセルのコーナーに対する二次元撮影画像を三次元に再構成してバッテリーセルの不良有無をさらに正確に検査することができる。
【0051】
次に、図5は、本発明に係る全数検査の自動化のための循環型ステージを用いたバッテリーセル検査方法を示す例示図である。
【0052】
図5に示すように、本発明のバッテリーセル検査方法は、コンベヤーベルトを介して検査体流入口側に流入した検査体であるバッテリーセルが第1段階としてstage1においてN個積層され、第2段階としてstage2においてN個の積層されたバッテリーセルが回転軸を中心に回転する中でCT検査が行われ、第3段階としてstage3においてコンベヤーベルトを介して、積層されたバッテリーセルを一つずつ排出させる。
【0053】
図6は、本発明に係る全数検査の自動化のための循環型ステージを用いたバッテリーセル検査方法の他の実施形態を示す例示図である。
【0054】
図6に示すように、本発明のバッテリーセル検査方法は、コンベヤーベルトを通して流入したバッテリーセルが第1段階としてstage 1、2においてN個のバッテリーセルが2列に積層され、検査体検査部に移動してX線チューブと画像検出器との間に位置した後、第2段階としてstages 3、4において表示された軸を中心に回転して2列に整列したN個のバッテリーセルに対するCT検査が行われ、第3段階としてstage 5、6においてバッテリーセルが一つずつコンベヤーベルトを通して排出される。
【0055】
図5、6に示すバッテリーセル検査方法は、検査体であるバッテリーセルが1列に整列するかあるいは2列に整列するかの差はあるが、基本的に第1段階としてコンベヤーベルトを介して検査体流入口側に流入した検査体であるバッテリーセルがN個積層される、「検査体(BC)を積層させるステップ」と、第2段階としてN個の積層されたバッテリーセルが回転軸を中心に回転する中でCT検査が行われる、「積層された検査体を回転させてCT検査を行うステップ」、第3段階として、コンベヤーベルトを介して、CT検査が行われた積層されたバッテリーセルを一つずつ排出させる、「CT検査が行われた積層された検査体(BC)を一つずつ排出させるステップ」で構成されるものである。
【0056】
そして積層された検査体(BC)を回転させてCT検査を行うステップが進行する間、検査体流入口120に位置したサブステージ220では検査体(BC)を積層させるステップが行われ、検査体排出口130に位置したサブステージ220では積層された検査体(BC)を一つずつ排出させるステップが行われる。
【0057】
先立って図6で説明されたように、バッテリーセルが2列に積層される場合には、検査体(BC)を積層させるステップは、一方の列の検査体(BC)のコーナーと、他方の列の検査体(BC)のコーナーとが対向するように2列に整列させて一方の列の検査体(BC)と他方の列の検査体(BC)が積層されることが好ましい。
【0058】
それにより、CT検査に必要な時間が過度に長く、バッテリーセルの厚さなどにより一つの列に載置可能なバッテリーセルの数量が多くない場合、2列にバッテリーセルを整列させて同時にCT撮影ができるようにすることができる。2列に整列したバッテリーセルを一つの回転軸に対して回転させて画像を取得すれば、同時に2列に載置されたバッテリーセルを一度に検査することができる。
【0059】
図7は、本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置において、バッテリーセルのコーナー部の撮影のためのCT rotationを示す例示図である。
【0060】
CT撮影をする時、撮影画像の解像度は、物体の幾何学的構造は勿論、整列状態に応じても大きく異なりうる。特に、薄型のバッテリーセルは厚さ(約2mm)と長さ(50~1500mm)の相対的な差が非常に大きいため、整列の重要度はさらに高い。これは、特定方向に放射線吸収が非常に大きく発生すれば画質の低下をもたらすためである。十分な対称度を確保するためには、どの角度でも入射X線の強さが均一でなければならないことは勿論であり、物体もX線が吸収される量の均一性が保証されなければならない。これを考慮して、図7に示すように、バッテリーセルの一つのコーナーを二等分した線分を軸にして回転するようにすることが好ましい。
【0061】
すなわち、本発明において、CT検査を行うステップは、図7に示すように、積層された検査体(BC)を平面上で見てコーナーを二等分する線分を回転軸として、積層された検査体(BC)を回転させてCT検査を行うことが好ましく、より好ましくは、図4に示すように、積層された検査体(BC)の全体高さの中間に位置する仮想の平面に置かれた検査体のコーナーを二等分する線分を回転軸として、積層された検査体を回転させて対称画像を得ることができる。
【0062】
本発明に係る全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置の具体化された実施形態は、図8図14に示すように、ケース100と、マウントステージ200と、検査体検査部300と、検査体整列部400と、を含む。
【0063】
ここで、ケース100は、バッテリーセルからなる検査体(BC)が放射線によって検査される過程で放射線の一部が外部に流出するのを防止する中で、検査体(BC)が外部から内部に容易に引き込まれるようにし、引き込まれた検査体(BC)が検査体検査部300で検査された後に容易に排出されるように備えられる。
【0064】
このようなケース100は、上部、下部、および上部と下部を連結する隔壁によって閉じられた形態を有するものであり、遮蔽部110によって囲まれて放射線が流出するのを防止することによって、作業者の安全性を保証できるようにすることが好ましい。
【0065】
遮蔽部110を含むケース100の一方に検査体流入口120があり、検査体流入口120と対応するように遮蔽部110を含むケース100の他方に検査体排出口130があって、外部から内部に又は内部から外部に検査体(BC)が速かに引き込み又は排出されるようにすることによって、作業性を高めることができる。
【0066】
さらに検査体流入口120にはケース100の内部及び外部を貫通する引き込みコンベヤーベルト(IC)が配置され、引き込みコンベヤーベルト(IC)の上部には検査体ガイドプレート(GP)が配置され、検査体排出口130にはケース100の内部及び外部を貫通する排出コンベヤーベルト(OC)が配置される。
【0067】
特に引き込みコンベヤーベルト(IC)の上部には外側から内側に向かって幅が漸進的に狭くなる検査体ガイドプレート(GP)が備えられる。検査体ガイドプレート(GP)は、外側から内側に向かって幅が漸進的に狭くなり、検査体(BC)の幅と同一の幅になるまで狭くなる。検査体ガイドプレート(GP)の幅は、検査体(BC)の幅と同一になると、検査体(BC)の幅と平行になる。後述するサブステージ220の上部に載置された検査体ケース230の検査体ステージ部240の上面にバッテリーセルが落下して順次積層されるようにする。
【0068】
検査体排出口130は、検査体ケース230に複数積層された検査体(BC)が検査体検査部300においてX線のような放射線により検査された後、ケース100の外部に検査体(BC)を排出するためのものであり、ケース100の内部及び外部を貫通する排出コンベヤーベルト(OC)が隣接して設けられている。
【0069】
また、検査体排出口130には、ケース100の内及び外部を貫通する排出コンベヤーベルト(OC)入口側の端部に、図2に示すように、アーム駆動モータ(DM)を有するロータリーアーム(RA)が取り付けられて外側に反るようにすることによって、メインステージ210によってマウントステージ200が回転する過程でマウントステージ200の上部に載置された検査体ケース230と干渉する現象が発生するのを防止することができる。
【0070】
ここで、ロータリーアーム(RA)の端部には排出シリンダー(OS)が備えられ、このような排出シリンダー(OS)は排出シリンダーロッド(OR)の端部に検査体プッシュ片(PP)が備えられ、検査体(BC)を一つずつ押して排出コンベヤーベルト(OC)に移送する。
【0071】
一方、マウントステージ200では、引き込みコンベヤーベルト(IC)に載せられて外部からケース100の内部に引き込まれた検査体(BC)が、検査体ケース230に順次積層されるようにし、検査体(BC)が積層された検査体ケース230が検査体検査部300に移動してX線検査が行われるようにした後、再び排出コンベヤーベルト(OC)に向かって移動して、検査が終わった検査体(BC)が順次ケース100の外部に排出されるように作動する。
【0072】
マウントステージ200と検査体検査部300はケース100の内部に位置し、サブステージ220は検査体(BC)の載置、検査、排出のための3個以上の個数で、回転可能なメインステージ210の上部に取り付けられ、工程時間を短縮させ、検査速度を高める。
【0073】
また、マウントステージ200は、ケース100の底部にメインステージ210が第1モータ(M1)によって回転可能に備えられ、メインステージ210の上部に一定間隔で配置される一つ以上のサブステージ220が別途の第2モータ(M2)によって回転可能に備えられる。
【0074】
この時、第1モータ(M1)および第2モータ(M2)は、ステップモータにして回転量が適切に調節されることが好ましく、第2モータ(M2)は、サブステージ220が回転しつつ上下に移動するための方案として、スプライン軸として備えられ、サブステージ220に結合されることが好ましい。
【0075】
特に、メインステージ210を回転させる第1モータ(M1)は、メインステージ210のエッジ内側に備えられることが好ましい。これは、メインステージ210の中央に貫通孔を形成し、貫通孔が形成された部分に、後述する加圧シリンダー236を上下に往復移動可能にするガイドポストの下端を安定的に結合させるためである。すなわち、回転するメインステージ210と干渉するのを防止するために、第1モータ(M1)は、メインステージ210のエッジ内側に備えられることが好ましい。
【0076】
図8の左側に示すように、サブステージ220は、上部に載置された検査体ケース230上に、検査体ケース230の中心に対して両側に配置されるふたつの検査体ステージ部240を備える。そして、検査体ケース230上の一方に位置する検査体ステージ部240に検査体(BC)が順次積層された後に、サブステージ220が回転して、再び検査体(BC)が、他方に位置する検査体ステージ部240に順次積層される。その結果、検査体(BC)が2列に積層されて、検査体ケース230に多量の検査体(BC)が積層されるようにすることができる。
【0077】
また、サブステージ220は、検査体(BC)が積層された検査体ケース230を上部に移動させ、後述する検査体検査部300のX線発生部300aと画像検出器300bとの間に位置する加圧シリンダー236のスリップ部237に備えられた接続端子加圧部材235によって検査体カバー250が覆われてロックされるようにして、積層された検査体(BC)が検査過程で落とされたり動いたりしないように構成される。
【0078】
サブステージ220には上、下部に移動する第1昇降部(LF1)が含まれ、このような第1昇降部(LF1)はアクチュエータで構成され、アクチュエータも高さが可変的に調節される構成であってもよく、検査体ケースを昇降できる構成であれば、リニアモータなどの公知の構成が適用されてもよい。
【0079】
一方、サブステージ220は、上部に検査体(BC)が順次積層される検査体ケース230が置かれ、検査体ケース230が置かれるサブステージ220の内側に、図9および図10に示すように、プッシュアップアクチュエータ(PA)が備えられる。サブステージ220が検査体検査部300を経由した後、検査体排出口130にサブステージ220が位置する状態で、プッシュアップアクチュエータ(PA)を作動させれば、サブステージ220に備えられた貫通孔を通して検査体(BC)を押し上げる。その結果、サブステージ220は、検査体(BC)を検査体(BC)の厚さだけ上部に移動させることができ、その後、図2に示すように、ロータリーアーム(RA)に備えられた排出シリンダー(OS)の検査体プッシュ片(PP)によって検査体(BC)を排出コンベヤーベルト(OC)に移動させてケース100の外部に排出させることもできる。
【0080】
検査体ケース230は図10図13に示すように放射線透過率の高い非金属のケース胴体部231を有し、ケース胴体部231は、四角平板部231-1と延長部231-2とにより形成される。四角平板部231-1の両側端部それぞれに、三角形状の延長部231-2が位置し、延長部231-2は、外側方向に延びる。四角平板部231-1の4個のコーナーにはケース脚部232が下部に突出して、サブステージ220の上面において安定的に水平が保持され、後述する第3モータ(M3)がサブステージ220と干渉するのを防止するように配置される。
【0081】
また、延長部231-2の端部にはケース支持部材233が上部と下部に突出して構成され、上部に突出したケース支持部材233の上部にケースカバーアンロック部234が備えられ、後述する検査体カバー250が固定されて検査過程で検査体(BC)が流動するのを防止して精密な検査が行われるようにし、検査後には固定されていない状態にされて検査体(BC)が外部に排出されるようにする。
【0082】
さらに、ケース胴体部231の上部の中心に対して両側に二つの検査体ステージ部240が対称的に配置され、検査体(BC)が2列に積層されるように備えられており、ケース胴体部231の上部に覆われるか、またはケースカバーアンロック部234によってアンロックされる検査体カバー250が含まれる。
【0083】
ケースカバーアンロック部234は、図11および図12に示すように、ケース支持部材233の上部に「L」形状を有する挿入溝234-1が備えられ、挿入溝234-1の垂直の部分に電磁石234-2が挿入され、挿入溝234-1の水平の部分にはインナー接続端子234-3が挿入されて電磁石234-2に接続される。これによって、インナー接続端子234-3に接続されるアウター接続端子部234-4を介して外部から印加される電気信号による磁力の有無に応じて検査体カバー250がアンロックされる。
【0084】
アウター接続端子部234-4は、ケース支持部材233の外側面に当接する「>」形状の接続端子加圧部材235のコーナー内側の側面部に突出するように備えられて容易な接続がなされる中で、検査体ケース230の両側端部が安定的に支持されるようにする。つまり、接続端子加圧部材235のコーナー内側の側面、すなわち、「>」形状の凹部側の側面が、ケース支持部材233の外側面、すなわち、コーナー部分に当接する。そして、アウター接続端子部234-4は、コーナー内側の側面、すなわち、ケース支持部材233に当接する側面に突出する。
【0085】
また、接続端子加圧部材235は、コーナー外側の側面が加圧シリンダー236の加圧シリンダーロッド236-1に結合されたスリップ部237に結合されて電源が供給される中で回転が容易になされるようにする。
【0086】
スリップ部237は、中空のスリップハウジング237-1の内部にスリップモータ237-2が備えられ、スリップモータ237-2のスリップモータ軸237-3にスリップディスク端子237-4が備えられることによって、接続端子加圧部材235に電源が供給される場合、スリップ部237の内部に備えられたスリップモータ237-2によってケーブルが絡まるのを防止できるように備えられている。
【0087】
一方、検査体ステージ部240は、四角平板部231-1に形成された第1長孔231-11の両側に各々第3モータ軸241が上部に突出するように第3モータ(M3)が配置され、第3モータ軸241に検査体ステージ242が結合され、検査体ステージ242の上部の一方及び他方にそれぞれ検査体整列片243が突出して形成される。一方の検査体整列片243と他方の検査体整列片243は、お互いの一方の端部が対向する。
【0088】
検査体整列片243は、対向する2個の整列片、すなわち、一方の検査体整列片と他方の検査体整列片でなす角の角度が90°であって、一方の検査体整列片の端部と他方の検査体整列片の端部との間には間隔がある。当該間隔部分は、検査体コーナー露出部243-1である。より具体的には、検査体整列片243は、直線状の突出部であって、一方の検査体整列片の平行方向と他方の検査体整列片の平行方向とが直交し、両方の検査体整列片の一方の側の端部はそれぞれ、直交する点から同じ距離離れた位置にある。整列した検査体(BC)の対向するコーナー部分が検査体コーナー露出部243-1を介して検査体検査部300において撮影が行われるようにする。
【0089】
また、図10図11に示すように、検査体カバー250は非金属からなるものであって、ケース胴体部231と同一な形態に形成され、ケース支持部材233に載せられる部分に、電磁石234-2と中心が一致する金属片251が備えられて、電磁石234-2の磁力によってケース胴体部231に固定され、ケース胴体部231と同様に中央に第2長孔252が形成される。
【0090】
マウントステージ200の上部に位置する検査体検査部300は検査体(BC)の放射線検査のための放射線発生部および画像検出器300bで構成され、特に放射線発生部はX線検査のためのX線発生部300aであってもよい。
【0091】
特に、X線発生部300aは、検査体の物質組成を考慮して、20kVp~500kVpのうちの一つを選択して管電圧が用いられるようにし、焦点サイズは検査体の組成と幾何学的構造に応じて0.01μm~数百μmまで用いられることが好ましい。この時、管電圧と焦点サイズを満たすオープンチューブまたはクローズチューブが用いられることがより好ましい。
【0092】
画像検出器300bは、結像光学系形式の検出器のうち、検査体の組成と幾何学的構造を考慮して、TFTフォトダイオードタイプFPD(flat panel detector)、CMOSタイプFPD、CCD(digital radiography)のいずれか一つが用いられることが好ましい。
【0093】
さらに、図8図9に示すように、検査体整列部400は、検査体検査部300の上部に備えられたものであって、整列支持フレーム部410の下部に整列板移送シリンダー部420が備えられ、整列板移送シリンダー部420の下部に整列板430が結合されている。
【0094】
また、図10に示すように、整列板430の下部には複数の整列シリンダー440が備えられ、整列シリンダー440の間に位置した、整列板430にエアー吸着力によって検査体カバー250が吸着または分離される検査体カバー吸着部450が備えられる。この時、整列シリンダー440は整列板430の下部に90°間隔で複数配置されることが好ましく、整列シリンダー440の整列シリンダーロッド441の端部には検査体整列板442が取り付けられている。
【0095】
検査体カバー吸着部450は検査体カバー250の吸着に必要な圧力を発生させるエアポンプ451の吸入側にエアーホース452の一方が連結され、エアーホース452の他方が整列板430に備えられた吸着ノズル453に連結される。
【0096】
一方、本発明では、検査体(BC)がロータリーアーム(RA)に備えられた排出シリンダー(OS)の検査体プッシュ片(PP)によって検査体(BC)を排出コンベヤーベルト(OC)に移動させてケース100の外部に排出されるようにしたが、このような形態の他に、図14に示すように、支持ポスト(PT)の上部に空気圧ヘッド(AH)を有するアーム(AR)が回動可能に備えられることによって、空気圧ヘッド(AH)によって検査体(BC)が一つずつ吸着されて排出コンベヤーベルト(OC)を介して排出されることもできる。
【0097】
このような全数検査の自動化のためのバッテリーセル検査装置を用いたバッテリーセル検査方法は、先ず、検査体(BC)であるバッテリーセルがケース100の外部に露出した引き込みコンベヤーベルト(IC)に移送され、検査体流入口120を通してケース100の内部に引き込まれる過程から始まる。
【0098】
次に、検査体(BC)を積層させるステップとして、検査体(BC)はケース100に引き込まれた後に引き込みコンベヤーベルト(IC)の端部から落下し、マウントステージ200のサブステージ220の上部に位置した検査体ケース230の検査体ステージ部240に積層される。
【0099】
この時、引き込みコンベヤーベルト(IC)の上部に備えられたガイドプレート(GP)によって検査体(BC)が一定の位置に整列した状態で検査体ステージ部240に落下して順次積層され、積層過程で検査体ステージ242に備えられた検査体整列片243によって検査体(BC)が散乱するのが防止される。
【0100】
また、これと同時に、マウントステージ200に備えられた第1昇降部(LF1)によってマウントステージ200の最初高さ、すなわち、引き込みコンベヤーベルト(IC)の上面に対して1~2個の検査体(BC)の厚さを引いた高さに検査体ステージ部240の上面の高さを合わせることによって、検査体(BC)が検査体ステージ部240の検査体ステージ242の上面に落下して積層される過程で衝撃を吸収できる。
【0101】
このような過程の繰り返しにより、検査体ケース230の一方に備えられた検査体ステージ部240の検査体ステージ242に検査体(BC)が全て積層された後、第2モータ(M2)によってマウントステージ200が180°回転して止まると、再び他方に備えられた検査体ステージ部240の検査体ステージ242に同一な過程により検査体(BC)が積層される。
【0102】
この時、検査体(BC)の積層率、積層量は、減圧センサを用いた重さ測定方式または光電センサを用いた光学方式を利用して予め設定された重さまたは厚さと比較してそれ以上である場合、相次ぐ検査体カバー250の固定により動かないようにすることが好ましい。
【0103】
また、検査体(BC)を積層させるステップは、一方の検査体(BC)のコーナーと他方の検査体(BC)のコーナーとが対向するように2列に整列して一方の検査体と他方の検査体が積層されることが好ましい。
【0104】
検査体ケース230の両検査体ステージ242に検査体(BC)が全て積層されれば、第1モータ(M1)の駆動によってメインステージ210が回転して、検査体ケース230が検査体整列部400の直下部に位置した後、第1昇降部(LF1)の駆動によりサブステージ220が上部に移動して検査体検査部300のX線発生部300aと画像検出器300bの中心線上に検査体ケース230のケース胴体部231が位置するようになる。
【0105】
次に、検査体整列部400の整列板移送シリンダー部420によって整列板430が下部に移動した後、整列シリンダー440の駆動により整列シリンダーロッド441が引き出されることによって、検査体整列板442が検査体ステージ242に積層された検査体(BC)を検査体整列片243に押して整列させる。
【0106】
その後、整列板430が下部に移動して、エアポンプ451からエアーホース452および吸着ノズル453を介して吸入された空気圧が解除されると同時に、吸着ノズル453によって吸着された状態にある検査体カバー250は、整列板430の下部から分離されて、検査体カバーの下部が検査体(BC)の上部に載せられるようにした後、整列板430は再び上部に移動するようになる。
【0107】
次に、検査体ケース230は、第2モータ(M2)の回転によりケース胴体部231に備えられた長孔234-11がX線発生部300aと画像検出器300bの中心線の方向に一致した後、加圧シリンダー236の駆動により加圧シリンダーロッド236-1が引き出されることによって、スリップ部237のスリップディスク端子237-4に結合された接続端子加圧部材235が共に引き出されて検査体ケース230に備えられた各々のケース支持部材233に当接し、アウター接続端子部234-4がインナー接続端子234-3に嵌められて接続された状態が保持される。
【0108】
この時、スリップディスク端子237-4を介して電源がアウター接続端子部234-4およびインナー接続端子234-3に印加されることによって、電磁石234-2から発生する磁力によって検査体カバー250に備えられた金属片251が斥力によって付着した状態、すなわち、検査体(BC)が流動しないように拘束された状態が保持される。
【0109】
次に、積層された検査体(BC)を回転させてCT検査を行うステップが進行し、検査体検査部300のX線発生部300aから発生したX線が検査体ケース230と検査体カバー250に整列した検査体コーナー露出部243-1を通過する過程で、スリップ部237のスリップモータ237-2によって検査体ケース230が回転することによって、画像検出器300bによって回転位置ごとに二次元画像が得られ、得られた二次元画像により3D reconstruction作業が行われる。
【0110】
この時、検査体(BC)の他のポイントを連続して検査をしようとする場合、ケース胴体部231の下部に備えられた第3モータ(M3)を駆動させ、検査体ケース230の上部に備えられた検査体ステージ242を回転させて相次ぐ他の位置のコーナーに対して画像を撮影し、3D reconstructionを行う作業が行われることができる。この時、積層された検査体(BC)を回転させてCT検査を行うステップは、積層された検査体(BC)を平面上で見てコーナーを二等分する線分を中心に、積層された検査体を回転させてCT検査を行うことが好ましい。
【0111】
検査体ケース230に積層された全ての検査体(BC)の検査が終了すれば、電磁石234-2に印加される電源を遮断した後、検査体整列部400の整列板移送シリンダー部420によって整列板430が下部に移動してエアポンプ451から吸着ノズル453に吸着力が作用することによって、検査体カバー250を整列板430の下部に吸着されるようにして分離させる。
【0112】
次に、下部で待機していたサブステージ220が第1昇降部(LF1)によって上部に移動して検査体ケース230のケース脚部232が載置するようにし、次に、加圧シリンダーロッド236-1が加圧シリンダー236の内部に引き込まれることによって、接続端子加圧部材235が検査体ケース230のケース支持部材233から分離されて拘束が解除された状態となる。
【0113】
次に、CT検査が行われた、積層された検査体(BC)を一つずつ排出させるステップとして、第1昇降部(LF1)の逆駆動によりサブステージ220が下部に移動すれば、第1モータ(M1)の駆動によりメインステージ210が回転することによって、検査を終えた検査体ケース230は排出コンベヤーベルト(OC)の引き込み側に位置した後、アーム駆動モータ(DM)によってロータリーアーム(RA)が回転して、排出シリンダー(OS)の排出シリンダーロッド(OR)に備えられた検査体プッシュ片(PP)が検査体ケース230の検査体ステージ242に備えられた検査体整列片243の上部に位置する。
【0114】
その後、排出シリンダー(OS)の駆動により検査体プッシュ片(PP)が最上部に位置した検査体(BC)をプッシュして排出コンベヤーベルト(OC)に載せられるようにすることを繰り返して、一方の検査体ステージ242に積層された全ての検査体(BC)が排出される。この時、マウントステージ200の上部に備えられたプッシュアップアクチュエータ(PA)が四角平板部231-1に形成された長孔234-11を通して上部に突出することによって、最下端に載置された検査体(BC)も排出コンベヤーベルト(OC)に載せられる。
【0115】
さらに、積層された検査体(BC)を回転させつつCT検査を行うステップが進行する間、検査体流入口120に位置したサブステージ220では検査体(BC)を積層させるステップが行われ、検査体排出口130に位置したサブステージ220では積層された検査体(BC)を一つずつ排出させるステップが行われる。
【0116】
次に、マウントステージ200によって検査体ケース230を回転させ、他方の検査体ステージ242に積層され、検査が終わった他の検査体(BC)も同一な過程の繰り返しによって排出されるようになる。
【0117】
検査された全ての検査体(BC)を排出して空いた状態の検査体ケース230は、第1モータ(M1)によるメインステージ210の回転により引き込みコンベヤーベルト(IC)が位置したところに移動した後、再び検査体ケース230に検査体(BC)が積層される過程が繰り返されることによって、バッテリーセルの全数検査が行われる。
【0118】
一方、本発明では、検査体ケース230が第1昇降部(LF1)の駆動に応じたサブステージ220によって上部に移動して待機中の接続端子加圧部材235が結合された加圧シリンダー236によって支持された状態で回転できるようにしたが、このような形態の他に、サブステージ220はそのままにし、接続端子加圧部材235が結合された加圧シリンダー236が上部から下部にまたは下部から上部に移動できるようにすることができる。この場合、加圧シリンダー236は、図2図4に示すように、垂直形態を有するガイドポストに備えられたガイドレールに沿ってモータに連結された駆動軸が正逆駆動してスライダーが往復移動するようにし、スライダーに加圧シリンダー236が結合される構造を有するようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0119】
100 ・・・ケース
110 ・・・遮蔽部
120 ・・・検査体流入口
130 ・・・検査体排出口
200 ・・・マウントステージ
210 ・・・メインステージ
220 ・・・サブステージ
230 ・・・検査体ケース
231 ・・・ケース胴体部
232 ・・・ケース脚部
233 ・・・ケース支持部材
234 ・・・ケースカバーアンロック部
234-1 ・・・挿入溝
234-2 ・・・電磁石
234-3 ・・・インナー接続端子
234-4 ・・・アウター接続端子部
235 ・・・接続端子加圧部材
237 ・・・スリップ部
237-1 ・・・スリップハウジング
237-2 ・・・スリップモータ
237-3 ・・・スリップモータ軸
237-4 ・・・スリップディスク端子
240 ・・・検査体ステージ部
241 ・・・第3モータ軸
242 ・・・検査体ステージ
243 ・・・検査体整列片
250 ・・・検査体カバー
300 ・・・検査体検査部
300a ・・・X線発生部
300b ・・・画像検出器
400 ・・・検査体整列部
410 ・・・整列支持フレーム部
420 ・・・整列板移送シリンダー部
430 ・・・整列板
440 ・・・整列シリンダー
441 ・・・整列シリンダーロッド
442 ・・・検査体整列板
450 ・・・検査体カバー吸着部
451 ・・・エアポンプ
452 ・・・エアーホース
LF1 ・・・第1昇降部
M1、M2、M3 ・・・第1、2、3モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図14