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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】動画再生方法及び動画再生システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20220128BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220128BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220128BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20220128BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20220128BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20220128BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20220128BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20220128BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20220128BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20220128BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20220128BHJP
   H04N 21/2387 20110101ALI20220128BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20220128BHJP
   A63B 69/00 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
H04N21/431
G06F3/0481
G09G5/00 510H
G09G5/00 555D
G09G5/14 A
G09G5/36 510M
G09G5/36 520M
G09G5/38 Z
H04L67/00
H04N5/765
H04N5/92 010
H04N5/93
H04N21/2387
H04N21/262
A63B69/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020147961
(22)【出願日】2020-09-03
(62)【分割の表示】P 2015145346の分割
【原出願日】2015-07-22
(65)【公開番号】P2021036665
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2020-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】518288420
【氏名又は名称】RUN.EDGE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小口 淳
(72)【発明者】
【氏名】木原 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】土井 和美
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-289515(JP,A)
【文献】特開2014-186168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/431
G06F 3/0481
G09G 5/00
G09G 5/14
G09G 5/36
G09G 5/377
G09G 5/38
H04L 29/00
H04N 5/765
H04N 5/92
H04N 5/93
H04N 21/2387
H04N 21/262
A63B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンピュータに、
動画再生領域を有する送信側ユーザの動画再生画面を表示部に表示させ、
前記動画再生領域に、表示サイズ及び表示位置の制御情報を持ち、当該制御情報に基づいて表示位置を変更可能な、第1動画および第2動画の少なくとも2つの複数の動画を表示させ、
前記送信側ユーザの操作により選択された、前記第1動画において第1水平バー又は第1垂直バーで示される、前記表示部内の前記第1動画の第1位置及び前記第2動画において第2水平バー又は第2垂直バーで示される、前記表示部内の前記第2動画の第2位置の位置指定を受け付け、
前記第1位置と前記第2位置とが、前記第1及び第2水平バーで示される場合は垂直方向において、又は前記第1及び第2垂直バーで示される場合は水平方向において同じ位置に並ぶように、前記第1動画及び前記第2動画の各々の前記制御情報に含まれる前記表示位置の情報を更新し、更新した前記制御情報に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画の少なくとも一方の表示位置を変更させて、前記複数の動画の前記動画再生領域内における前記表示位置を調整し、
前記送信側ユーザのユーザ名、前記第1動画の第1プレイリスト名、前記第2動画の第2プレイリスト名、及び前記制御情報から取得した各動画の表示位置の情報を含む共有情報と、プレイリストとを第2コンピュータに送信する、
処理を実行させ、
第3コンピュータに、
前記第2コンピュータが管理する前記共有情報と、前記プレイリストとを取得させ、
前記第3コンピュータの表示部に表示される、動画再生領域を有する受信側ユーザの動画再生画面に、前記共有情報に含まれる、前記第1プレイリスト名、前記第2プレイリスト名、及び前記制御情報から取得した各動画の表示位置の情報に基づいて、前記送信側ユーザと同じ前記第1動画および前記第2動画の少なくとも2つの複数の動画を、前記送信側ユーザと同じ表示位置に表示させて、前記プレイリストに従って前記第1動画及び前記第2動画を再生する、
処理を実行させる、
ことを特徴とする動画再生方法。
【請求項2】
前記第1コンピュータに、
前記表示位置の調整において、前記第1動画及び前記第2動画の少なくとも一方の表示位置を垂直方向及び/又は水平方向に移動させ、前記第1動画及び前記第2動画を重畳させて表示する、
処理を実行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の動画再生方法。
【請求項3】
動画再生領域を有する送信側ユーザの動画再生画面を表示部に表示させ、
前記動画再生領域に、表示サイズ及び表示位置の制御情報を持ち、当該制御情報に基づいて表示位置を変更可能な、第1動画および第2動画の少なくとも2つの複数の動画を表示させ、
前記送信側ユーザの操作により選択された、前記第1動画において第1水平バー又は第1垂直バーで示される、前記表示部内の前記第1動画の第1位置及び前記第2動画において第2水平バー又は第2垂直バーで示される、前記表示部内の前記第2動画の第2位置の位置指定を受け付け、
前記第1位置と前記第2位置とが、前記第1及び第2水平バーで示される場合は垂直方向において、又は前記第1及び第2垂直バーで示される場合は水平方向において同じ位置に並ぶように、前記第1動画及び前記第2動画の各々の前記制御情報に含まれる前記表示位置の情報を更新し、更新した前記制御情報に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画の少なくとも一方の表示位置を変更させて、前記複数の動画の前記動画再生領域内における前記表示位置を調整し、
前記送信側ユーザのユーザ名、前記第1動画の第1プレイリスト名、前記第2動画の第2プレイリスト名、及び前記制御情報から取得した各動画の表示位置の情報を含む共有情報を作成する、
第1動画再生装置と、
前記第1動画再生装置から送信された前記共有情報及びプレイリストを管理する、
動画管理装置と、
前記動画管理装置が管理する前記共有情報及び前記プレイリストを取得させ、
表示部に表示される、動画再生領域を有する受信側ユーザの動画再生画面に、前記共有情報に含まれる、前記第1プレイリスト名、前記第2プレイリスト名、及び前記制御情報から取得した各動画の表示位置の情報に基づいて、前記送信側ユーザと同じ前記第1動画および前記第2動画の少なくとも2つの複数の動画を、前記送信側ユーザと同じ表示位置に表示させ、前記プレイリストに従って前記第1動画及び前記第2動画を再生する、
第2動画再生装置と、
を備える、
ことを特徴とする動画再生システム。
【請求項4】
前記第1動画再生装置における前記表示位置の調整において、前記第1動画及び前記第2動画の少なくとも一方の表示位置を垂直方向及び/又は水平方向に移動させ、前記第1動画及び前記第2動画を重畳させて表示する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の動画再生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画再生プログラム、動画再生装置、及び動画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体を動かして行うスポーツ、演技又は行為等の体の動かし方を指導するための指導方法が提案されている。この方法では、指導をうける受講者が行うスポーツ、演技又は行為等をビデオ・カメラで撮影し、複数のビデオ画像を画面上で対比をしながら指導する。また、指導者が行うスポーツ、演技又は行為等を同一画面上で比較し、その正しいフォームやタイミングを受講者に理解させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-144038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一つの側面として、複数の動画の比較を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一つの態様として、複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付ける。そして、前記複数の動画それぞれについて指定された前記位置が、垂直方向または水平方向において同じ位置に並ぶように、前記複数の動画の表示領域の配置位置を調整する。
【発明の効果】
【0006】
一つの側面として、複数の動画の比較を容易にすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1~第3実施形態に係る動画再生システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態における動画再生画面の一例を示す図である。
図3】水平バーが表示された動画再生画面の一例を示す図である。
図4】2つの動画の高さが調整された動画再生画面の一例を示す図である。
図5】第1~第3実施形態に係る動画再生装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図6】高さ調整処理の一例を示すフローチャートである。
図7】垂直バーが表示された動画再生画面の一例を示す図である。
図8】2つの動画の水平位置が調整された動画再生画面の一例を示す図である。
図9】第2実施形態における動画再生画面の一例を示す図である。
図10】重畳マークが表示された動画再生画面の一例を示す図である。
図11】2つの動画が重畳表示された動画再生画面の一例を示す図である。
図12】重畳表示の位置が調整された動画再生画面の一例を示す図である。
図13】重畳表示処理の一例を示すフローチャートである。
図14】共有情報テーブルの一例を示す図である。
図15】共有ユーザテーブルの一例を示す図である。
図16】第3実施形態における動画再生画面の一例を示す図である。
図17】共有リスト表示ボタンが表示された動画再生画面の一例を示す図である。
図18】共有リスト画面の一例を示す図である。
図19】送信側ユーザの動画再生装置と、動画管理装置と、受信側ユーザの動画再生装置との間でやり取りされる処理の流れを表したシーケンス図である。
図20】共有情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
図21】共有情報受信処理の一例を示すフローチャートである。
図22】共有動画送信処理の一例を示すフローチャートである。
図23】共有動画再生処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明に関する実施形態の一例を詳細に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係る動画再生システム10は、動画再生装置20と、動画管理装置30とを含む。動画再生装置20と、動画管理装置30とは、互いにネットワークを介して接続されている。
【0010】
動画管理装置30は、動画再生装置20への動画データの配信等の制御を行う制御部31と、ユーザに提供可能な複数の動画データが格納された動画データベース(DB)32とを含む。本実施形態では、1つの動画データを所定時間(例えば、10秒)毎に分割した分割ファイルをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)により順次配信する方式により、動画データを動画再生装置20に配信する。例えば、HLS(HTTP Live Streaming)やMPEG-DASH(Moving Picture Experts Group - Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)等のような方式である。そのため、動画DB32には、各動画データについて、分割ファイルの再生順などを記述したプレイリストも格納されている。また、動画DB32には、各動画データを配信可能なユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を管理するための管理情報も格納されている。
【0011】
制御部31は、動画再生装置20においてユーザが動画再生のアプリケーションにログインすると、ログインユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を受け付ける。制御部31は、ログインユーザへの配信が許可されている動画データのプレイリスト一覧を、動画再生装置20へ送信する。プレイリスト一覧は、ログインユーザに配信が許可されている動画データの各々のプレイリスト名を一覧にしたものであり、プレイリスト名の他に、動画データの他のメタ情報やサムネイル画像等を含むことができる。なお、サムネイル画像は、動画データに含まれるいずれかのフレーム画像から予め生成したものを動画DB32に格納しておいてもよいし、プレイリスト一覧を送信する際に生成してもよい。
【0012】
また、制御部31は、動画再生装置20からの動画データの要求を受け付けると、要求された動画データに対応するプレイリストを動画DB32から取得し、動画再生装置20に送信する。また、制御部31は、プレイリストに従って動画再生装置20から順次要求される分割ファイルを動画DB32から取得し、順次動画再生装置20に送信する。
【0013】
動画再生装置20は、動画再生画面60(詳細は後述)が表示される表示部、及び情報を入力するための入力部を備えたユーザ端末に搭載され、動画再生のアプリケーションとして機能する。ユーザ端末は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置である。
【0014】
動画再生装置20は、図1に示すように、機能的には、取得部21と、表示制御部22とを含む。なお、表示制御部22は、本発明の受付部及び調整部の一例である。
【0015】
取得部21は、ログインユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を動画管理装置30へ送信することにより、動画管理装置30から、ログインユーザに配信が許可されている動画データのプレイリスト一覧を取得し、表示制御部22へ受け渡す。また、取得部21は、プレイリスト一覧からユーザにより選択された動画のプレイリスト名を動画管理装置30へ送信することにより、動画管理装置30に動画データを要求し、その動画データに対応するプレイリストを取得する。また、取得部21は、取得したプレイリストに従って、動画管理装置30へ順次分割ファイルを要求し、動画管理装置30から分割ファイルを順次取得する。取得部21は、取得した分割ファイルを、順次表示制御部22へ受け渡す。
【0016】
表示制御部22は、取得部21からプレイリスト一覧を受け取ると、例えば、図2に示すような動画再生画面60を表示部に表示する。図2の例では、動画再生画面60の画面中央に設けられた動画再生領域61において、複数の動画を再生可能である。なお、本実施形態では、2つの動画を再生する場合を例に説明する。また、動画再生画面60左側の動画を左動画62L、右側の動画を右動画62Rという。なお、プレイリスト一覧から所望の動画が未だ選択されていない状態では、動画再生領域61には、左動画62L及び右動画62Rは表示されない。
【0017】
表示制御部22は、動画再生画面60の所定領域に、再生する左動画62Lを選択するための左動画用のプレイリスト一覧63Lと、再生する右動画62Rを選択するための右動画用のプレイリスト一覧63Rとを表示する。図2では、各プレイリスト一覧63L、63Rとして、各プレイリストが示す動画のサムネイル画像を表示する例を示している。表示制御部22は、スクロールなどにより、全てのサムネイル画像を確認可能な状態で、各プレイリスト一覧63L、63Rを表示する。なお、プレイリスト一覧の表示形態は、図2に示すように、サムネイル画像を用いる場合に限定されない。プレイリスト一覧に含まれるプレイリスト名を一覧で表示してもよいし、プレイリスト名をサムネイル画像と共に表示してもよい。動画管理装置30から取得したプレイリスト一覧に他のメタ情報も含まれる場合は、それらのメタ情報も共に表示してもよい。
【0018】
表示制御部22は、左動画用のプレイリスト一覧63L及び右動画用のプレイリスト一覧63Rの各々に対するダブルクリックやダブルタップ等の操作により、サムネイル画像が選択されると、選択されたサムネイル画像を強調表示する。表示制御部22は、強調表示としては、例えば、枠線を太くする、サイズを大きくする、輝度を高くする等の表示制御を行うことができる。また、表示制御部22は、左動画用のプレイリスト一覧63Lから選択されたサムネイル画像に対応するプレイリスト名と、右動画用のプレイリスト一覧63Rから選択されたサムネイル画像に対応するプレイリスト名とを、取得部21に通知する。
【0019】
また、表示制御部22は、取得部21から分割ファイルを受け取ると、左動画用のプレイリスト一覧63Lから選択されたサムネイル画像に対応する動画を左動画62Lとして、動画再生領域61に表示する。また、右動画用のプレイリスト一覧63Rから選択されたサムネイル画像に対応する動画を右動画62Rとして、動画再生領域61に表示する。
【0020】
ここで、HTML(HyperText Markup Language)による動画のストリーミング再生の一般的な手法では、動画が再生される領域の位置やサイズは予め固定されている。本実施形態では、左動画62L及び右動画62Rの各々に、表示サイズ及び表示位置の制御情報を持たせ、表示制御部22は、この制御情報を用いて、左動画62L及び右動画62Rの各々を、動画再生領域61の任意の位置に任意のサイズで配置する。制御情報である表示サイズは、例えば、左動画62L及び右動画62Rの各々の幅及び高さを指定する情報である。制御情報である表示位置は、左動画62L及び右動画62Rの各々の任意の一点(例えば、左上角)のx座標及びy座標を指定する情報である。なお、x座標及びy座標は、動画再生領域61の左上角を原点とし、右方向がx軸のプラス方向、下方向がy軸のプラス方向となる座標系を設定した場合の座標値を用いることができる。
【0021】
また、表示制御部22は、動画再生画面60の所定領域に、左動画62Lの再生を制御するための左動画用の操作ボタン群64Lと、右動画62Rの再生を制御するための右動画用の操作ボタン群64Rとを表示する。さらに、表示制御部22は、左動画62Lの再
生と右動画62Rの再生とを同時に制御するための共通操作ボタン群64Cを表示する。各操作ボタン群64L、64C、64Rの各々は、操作ボタンとして、例えば、早戻しボタン、再生ボタン、一時停止ボタン、早送りボタン、コマ戻しボタン、スロー再生ボタン、コマ送りボタン等を含む。
【0022】
表示制御部22は、左動画用の操作ボタン群64Lの操作ボタンがユーザにより操作された場合には、操作されたボタン及び操作量に基づいて、左動画62Lの再生を制御する。また、表示制御部22は、右動画用の操作ボタン群64Rの操作ボタンがユーザにより操作された場合には、操作されたボタン及び操作量に基づいて、右動画62Rの再生を制御する。また、表示制御部22は、共通操作ボタン群64Cの操作ボタンがユーザにより操作された場合には、操作されたボタン及び操作量に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの両方の再生を制御する。これにより、左動画62L及び右動画62Rの各々の再生が制御可能なだけでなく、両動画62L、62Rを同期させて再生させることも可能である。例えば、左動画62Lを所望のタイミングで一時停止し、その一時停止したコマ画像とタイミングを合わせたい右動画62Rのコマ画像をコマ送り等で探索して表示させた状態で、共通操作ボタン群64Cの再生ボタンを選択する。これにより、所望のコマ画像の再生タイミングを一致させた同期再生が実現できる。
【0023】
また、表示制御部22は、動画再生画面60の所定領域に、水平バー表示ボタン65を表示する。水平バーとは、左動画62L及び右動画62Rの各々についての高さ方向の位置を指定するためのマークである。水平バー表示ボタン65が選択されると、表示制御部22は、例えば、図3に示すように、左動画62L上に左動画用の水平バー66Lを表示し、右動画62R上に右動画用の水平バー66Rを表示する。水平バー表示ボタン65が選択された際に表示する各水平バー66L、66Rの位置は、予め定めた初期位置(例えば、左動画62L及び右動画62Rの各々の高さ1/2の位置)とすることができる。
【0024】
また、表示制御部22は、動画再生画面60の所定領域に、左動画用の水平バー位置調整ボタン67L、及び右動画用の水平バー位置調整ボタン67Rを表示する。各水平バー位置調整ボタン67L、67Rは、各水平バー66L、66Rの高さの変更を指示するためのボタンである。例えば、表示制御部22は、各水平バー位置調整ボタン67L、67Rの上方向又は下方向を示すボタンが1回選択される毎に、各水平バー66L、66Rの表示位置を所定画素(例えば、1画素)分ずつ、上方又は下方に移動させる。なお、各水平バー66L、66Rは、ドラッグやスワイプ操作などにより、上下方向に直接移動可能としてもよい。
【0025】
また、表示制御部22は、動画再生画面60の所定領域に、水平バー表示ボタン65に代えて、高さ調整実行ボタン68を表示する。高さ調整実行ボタン68が選択されると、表示制御部22は、図4に示すように、各水平バー66L、66Rで示される各動画62L、62R内の位置が同じ高さになるように、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を調整する。なお、図4では、左動画用の水平バー66L及び右動画用の水平バー66Rが表示されていた位置を、点線Pで示している。
【0026】
具体的には、表示制御部22は、左動画用の水平バー66Lの高さと右動画用の水平バー66Rの高さとの差、現在の左動画62L及び右動画62Rの各々の表示位置、並びに動画再生領域61のサイズの情報を取得する。表示制御部22は、取得した情報に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方を調整した表示位置を求める。例えば、表示制御部22は、左動画62Lを、動画再生領域61からはみ出さない範囲で、移動量が水平バー66Lと66Rとの高さの差分となる位置まで、水平バー66L、66Rの高さが一致する方向へ移動させた場合の表示位置を求める。移動量が差分に満たない場合には、右動画62Rを、動画再生領域61からはみ出さない範囲で、移動量が差分の残
り分となる位置まで、水平バー66L、66Rの高さが一致する方向へ移動させた場合の表示位置を求める。表示制御部22は、左動画62L及び右動画62Rの各々の制御情報に含まれる表示位置の情報を、上記のように求めた表示位置に更新する。そして、表示制御部22は、更新した制御情報に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を変更する。
【0027】
なお、両動画62L、62Rを動画再生領域61からはみ出さない範囲で限界まで移動させても、移動量が差分に満たない場合には、両動画62L、62Rの表示サイズを縮小した上で、表示位置の高さ調整を実行すればよい。
【0028】
上記のように、本実施形態では、左動画62L及び右動画62Rの各々が持つ制御情報により、左動画62L及び右動画62Rの各々を任意のサイズで任意の領域に配置可能である。これにより、指定された位置(水平バー66L、66Rで示される各動画62L、62R内の位置)に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの各々の表示位置を調整することができる。このような動画の表示位置の調整は、メディアプレーヤーのような簡易に扱える大きな枠組みのワークフレームではなく、細かな機能を実現可能なワークフレームの組み合わせにより実現することができる。例えば、動画を表示するワークフレーム、線を表示するワークフレーム、タッチ等の操作を検出するワークフレームなどの組み合わせにより、上記の機能を実現することができる。動画を表示するワークフレームとしては、例えば、iOS(登録商標)におけるオーディオ関連のワークフレームであるAVFoundationのAVPlayer、AVPlayerItemのレイヤを使用することができる。
【0029】
動画再生装置20は、例えば、図5に示すコンピュータ40で実現することができる。コンピュータ40は、CPU41、一時記憶領域としてのメモリ42、及び不揮発性の記憶部43を備える。また、コンピュータ40は、表示装置及び入力装置等の入出力装置48が接続される入出力インターフェース(I/F)44を備える。また、コンピュータ40は、記録媒体49に対するデータの読み込みと書き込みとを制御するread/write(R/W)部45、及びインターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F46を備える。CPU41、メモリ42、記憶部43、入出力I/F44、R/W部45、及びネットワークI/F46は、バス47を介して互いに接続される。
【0030】
記憶部43は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部43には、コンピュータ40を動画再生装置20として機能させるための動画再生プログラム50が記憶される。動画再生プログラム50は、取得プロセス51と、表示制御プロセス52とを有する。
【0031】
CPU41は、動画再生プログラム50を記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、動画再生プログラム50が有するプロセスを順次実行する。CPU41は、取得プロセス51を実行することで、図1に示す取得部21として動作する。また、CPU41は、表示制御プロセス52を実行することで、図1に示す表示制御部22として動作する。これにより、動画再生プログラム50を実行したコンピュータ40が、動画再生装置20として機能することになる。
【0032】
なお、動画再生プログラム50により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現することも可能である。
【0033】
次に、第1実施形態に係る動画再生システム10の作用について説明する。
【0034】
動画再生装置20において、ユーザが、動画再生のアプリケーションにログインすると、取得部21が、ログインユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を動画管理装置30へ送信する。
【0035】
動画管理装置30では、ユーザの識別情報を受け付けると、制御部31が、ログインユーザへの配信が許可されている動画データのプレイリスト一覧を、動画再生装置20へ送信する。
【0036】
動画再生装置20では、取得部21が、取得したプレイリスト一覧を表示制御部22へ受け渡す。表示制御部22は、例えば、図2に示すような動画再生画面60(左動画62L及び右動画62Rは未表示)を表示する。
【0037】
ユーザにより、左動画用のプレイリスト一覧63L及び右動画用のプレイリスト一覧63Rの各々からサムネイル画像が選択されると、表示制御部22が、選択されたサムネイル画像を強調表示する。そして、表示制御部22が、左動画用のプレイリスト一覧63Lから選択されたサムネイル画像に対応するプレイリスト名と、右動画用のプレイリスト一覧63Rから選択されたサムネイル画像に対応するプレイリスト名とを、取得部21に通知する。そして、取得部21が、通知された左動画62L及び右動画用の62Rの各々を示すプレイリスト名を動画管理装置30へ送信することにより、動画管理装置30に動画データを要求する。
【0038】
動画管理装置30では、制御部31が、要求された動画データに対応するプレイリストを動画DB32から取得し、動画再生装置20に送信する。
【0039】
動画再生装置20では、取得部21が、プレイリストを取得し、取得したプレイリストに従って、動画管理装置30へ順次分割ファイルを要求する。
【0040】
動画管理装置30では、制御部31が、要求された分割ファイルを動画DB32から取得し、順次動画再生装置20に送信する。
【0041】
動画再生装置20では、取得部21が、取得した分割ファイルを、順次表示制御部22へ受け渡す。そして、表示制御部22は、取得部21から分割ファイルを受け取ると、動画再生領域61において、左動画62L及び右動画62Rの各々を再生する。左動画62L及び右動画62Rの各々の表示サイズ及び表示位置は、左動画62L及び右動画62Rの各々が持つ制御情報により定まる。なお、この段階では、制御情報には、予め定めた初期値が設定されているものとする。そして、表示制御部22が、各操作ボタン群64L、64C、64Rの操作ボタンに対するユーザの操作に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの各々の再生を制御する。
【0042】
そして、水平バー表示ボタン65を含む動画再生画面60が表示されている状態で、水平バー表示ボタン65がユーザにより選択されると、動画再生装置20において、図6に示す高さ調整処理が実行される。
【0043】
図6に示す高さ調整処理のステップS11で、表示制御部22が、例えば、図3に示すように、左動画62L上の予め定めた初期位置に左動画用の水平バー66Lを表示し、右動画62R上の予め定めた初期位置に右動画用の水平バー66Rを表示する。
【0044】
次に、ステップS12で、表示制御部22が、ユーザにより高さ調整実行ボタン68が選択されたか否かを判定する。高さ調整実行ボタン68が選択されていない場合には、処理はステップS13へ移行する。
【0045】
ステップS13では、表示制御部22が、左動画用の水平バー66L及び右動画用の水平バー66Rのいずれかの位置の変更を受け付けたか否かを判定する。例えば、いずれかの水平バー位置調整ボタン67L、67Rが選択された場合や、いずれかの水平バー66L、66Rがドラッグやスワイプ操作された場合には、表示制御部22は、水平バー66L、66Rのいずれかの位置の変更を受け付ける。そして、処理はステップS14へ移行する。一方、位置の変更を受け付けていない場合には、処理はステップS12に戻る。
【0046】
ステップS14では、表示制御部22が、上記ステップS13で受け付けた位置に水平バー66L、66Rが表示されるように、水平バー66L、66Rの表示位置を変更して、処理はステップS12に戻る。
【0047】
ステップS12で、表示制御部22が、ユーザにより高さ調整実行ボタン68が選択されたと判定すると、処理はステップS15へ移行する。ステップS15では、表示制御部22が、例えば、図4に示すように、各水平バー66L、水平バー66Rで示される各動画62L、62R内の位置が同じ高さになるように、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を調整する。そして、高さ調整処理を終了する。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態に係る動画再生システム10によれば、動画再生装置20が、左動画及び右動画の表示位置を、水平バーで指定された位置が垂直方向において同じ位置に並ぶように、すなわち、指定された位置の高さが同じになるように調整する。これにより、左動画と右動画との比較が容易になる。
【0049】
なお、第1実施形態では、水平方向に並んで配置された左動画62Lと右動画62Rとの表示位置の高さを調整する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、動画再生画面160において、垂直方向に並んで配置された上動画62U及び下動画62Dの水平方向の表示位置を調整するようにしてもよい。動画再生画面160において、図3における動画再生画面60の各構成と同様の構成については、符号の末尾のみを「L」又は「R」から「U」又は「D」に変えた同様の符号を付して、詳細な説明は省略する。なお、符号の「U」は、上動画62Uに関連する構成に付し、符号の「D」は、下動画62Dに関連する構成に付している。
【0050】
具体的には、表示制御部22は、動画再生画面160に設けた垂直バー表示ボタン165(図8も参照)が選択されると、上動画62U上に上動画用の垂直バー66Uを表示し、下動画62D上に下動画用の垂直バー66Dを表示する。各垂直バー66U、66Dは、水平バー66L、66Rと同様、上動画用の垂直バー位置調整ボタン67U、及び下動画用の垂直バー位置調整ボタン67Dの操作により、水平方向への移動が可能である。また、各垂直バー66U、66Dをドラックやスワイプ操作により直接水平方向に移動させることも可能である。そして、動画再生画面160に設けた水平位置調整実行ボタン168が選択されると、表示制御部22は、図8に示すように、垂直バー66U及び66Dの各々が示す各動画62L、62R内の位置が、水平方向において同じ位置になるように、上動画62U及び下動画62Dの少なくとも一方の表示位置を調整する。なお、図8では、上動画用の垂直バー66U及び下動画用の垂直バー66Dが表示されていた位置を、点線Qで示している。
【0051】
これにより、左動画62Lと右動画62Rとの垂直方向の表示位置を調整する場合と同様に、上動画62Uと下動画62Dとの水平方向の表示位置についても調整することができる。
【0052】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る動画再生システムついて説明する。なお、第2実施形態に係る動画再生システムにおいて、第1実施形態に係る動画再生システム10と同様の部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
図1に示すように、第2実施形態に係る動画再生システム210は、動画再生装置220と、動画管理装置30とを含む。動画再生装置220と、動画管理装置30とは、互いにネットワークを介して接続されている。動画再生装置220は、図1に示すように、機能的には、取得部21と、表示制御部222とを含む。なお、表示制御部222は、本発明の受付部及び調整部の一例である。
【0054】
表示制御部222は、取得部21からプレイリスト一覧を受け取ると、例えば、図9に示すような動画再生画面260を表示部に表示する。動画再生画面260は、第1実施形態における動画再生画面60の水平バー表示ボタン65に代えて、重畳マーク表示ボタン265を含む。重畳マークとは、左動画62Lと右動画62Rとを重畳表示する際に、重ね合わせの基準となる位置を指定するためのマークである。重畳マーク表示ボタン265が選択されると、表示制御部222は、例えば、図10に示すように、左動画62L上に左動画用の重畳マーク266Lを表示し、右動画62R上に右動画用の重畳マーク266Rを表示する。図10の例では、四角形及び四角形内の対角線で表されるマークを重畳マーク266L、266Rとしており、対角線の交点の位置により、各重畳マーク266L、266Rの位置(座標)が特定される。重畳マーク表示ボタン265が選択された際に表示する各重畳マーク266L、266Rの位置は、予め定めた初期位置(例えば、左動画62L及び右動画62Rの各々の中央)とすることができる。
【0055】
また、表示制御部222は、動画再生画面260の所定領域に、左動画用の重畳マーク位置調整ボタン267L、及び右動画用の重畳マーク位置調整ボタン267Rを表示する。各重畳マーク位置調整ボタン267L、267Rは、各重畳マーク266L、266Rの水平方向及び垂直方向の各々の位置の変更を指示するためのボタンである。例えば、表示制御部222は、各重畳マーク位置調整ボタン267L、267Rの上下左右のいずれかの方向を示すボタンが1回選択される毎に、各重畳マーク266L、266Rの表示位置を所定画素(例えば、1画素)分ずつ、指定された方向に移動させる。なお、各重畳マーク266L、266Rは、ドラッグやスワイプ操作により、上下左右方向に直接移動可能としてもよい。
【0056】
また、表示制御部222は、動画再生画面260の所定領域に、重畳マーク表示ボタン265に代えて、重畳実行ボタン268を表示する。重畳実行ボタン268が選択されると、表示制御部222は、図11に示すように、左動画用の重畳マーク266Lと右動画用の重畳マーク266Rとで示される動画62L、62R内の位置が同じ位置になるように、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を調整する。なお、図11の例では、右動画62Rを動画再生領域61の中央に配置し、その上に、透過設定を行った左動画62Lを重畳している。図11中の点線Sは、重畳マーク266L又は重畳マーク266Rが左動画62L又は右動画62R上で表示されていた位置を示している。なお、重ね合わせの順番(どちらの動画を上に重ねるか)、及び透過設定の情報は、各動画62L、62Rの制御情報として持たせることができる。
【0057】
表示制御部222は、各重畳マーク266L、266Rの各動画上における位置、現在の左動画62L及び右動画62Rの各々の表示位置、並びに動画再生領域61のサイズの情報を取得する。表示制御部222は、取得した情報に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方を調整した表示位置を求める。例えば、表示制御部222は、右動画62Rを動画再生領域61の中央に配置した場合の右動画用の重畳マーク266Rの位置を求める。そして、表示制御部222は、求めた右動画用の重畳マーク266Rの
位置と、現在の左動画用の重畳マーク266Lの位置との水平方向及び垂直方向の差を求め、この差分移動させた位置を、左動画62Lの表示位置として求める。いずれかの動画62L、62Rが動画再生領域61からはみ出す場合には、はみ出さないように調整したり、両動画62L、62Rの表示サイズを縮小した上で、表示位置を再調整したりしてもよい。
【0058】
表示制御部222は、左動画62L及び右動画62Rの各々の制御情報に含まれる表示位置の情報を、上記のように求めた表示位置に更新する。また、表示制御部222は、重ね合わせの順番を各動画62L、62Rの制御情報に設定する。さらに、表示制御部222は、上に重ねる側の動画の制御情報に含まれる透過設定に、予め定めた透過率を設定する。そして、表示制御部222は、更新された制御情報に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を変更して、左動画62Lと右動画62Rとを重畳表示する。
【0059】
また、表示制御部222は、動画再生画面260の所定領域に、重畳表示位置調整ボタン69を表示する。重畳表示位置調整ボタン69は、重畳表示している左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置の調整を指示するためのボタンである。表示部のサイズや動画の内容によっては、重畳マーク266L、266Rを完全に一致させるように重畳表示した場合よりも、若干ずらした方が両動画62L、62Rの比較を行い易い場合もあるため、重畳表示位置の調整を可能としたものである。図11の例では、上に重ねた左動画62Lの表示位置を調整するための重畳表示位置調整ボタン69が設けられている。この場合、重畳表示位置調整ボタン69の上下左右のいずれかの方向を示すボタンが1回選択される毎に、例えば、図12に示すように、表示制御部222は、左動画62Lの表示位置を所定画素(例えば、1画素)分ずつ、指定された方向に移動させる。
【0060】
また、表示制御部222は、動画再生画面260の所定領域に、重畳実行ボタン268に代えて、重畳表示解除ボタン70を表示する。重畳表示解除ボタン70が選択された場合には、表示制御部222は、動画再生画面260を、重畳表示が実行される前の状態(例えば、図9に示す動画再生画面260)に戻す。
【0061】
動画再生装置220は、例えば、図5に示すコンピュータ40で実現することができる。コンピュータ40の記憶部43には、コンピュータ40を動画再生装置220として機能させるための動画再生プログラム250が記憶される。動画再生プログラム250は、取得プロセス51と、表示制御プロセス252とを有する。
【0062】
CPU41は、動画再生プログラム250を記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、動画再生プログラム250が有するプロセスを順次実行する。CPU41は、取得プロセス51を実行することで、図1に示す取得部21として動作する。また、CPU41は、表示制御プロセス252を実行することで、図1に示す表示制御部222として動作する。これにより、動画再生プログラム250を実行したコンピュータ40が、動画再生装置220として機能することになる。
【0063】
なお、動画再生プログラム250により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0064】
次に、第2実施形態に係る動画再生システム210の作用について説明する。第2実施形態では、第1実施形態において実行される高さ調整処理(図6)に代えて、図13に示す重畳表示処理が実行される点が異なる。重畳表示処理は、重畳マーク表示ボタン265を含む動画再生画面260が表示されている状態で、重畳マーク表示ボタン265がユーザにより選択されると、動画再生装置220において実行される。
【0065】
図13に示す重畳表示処理のステップS21で、表示制御部222が、例えば、図10に示すように、左動画62L上の予め定めた初期位置に左動画用の重畳マーク266Lを表示する。また、表示制御部222が、右動画62R上の予め定めた初期位置に右動画用の重畳マーク266Rを表示する。
【0066】
次に、ステップS22で、表示制御部222が、ユーザにより重畳実行ボタン268が選択されたか否かを判定する。重畳実行ボタン268が選択されていない場合には、処理はステップS23へ移行する。
【0067】
ステップS23では、表示制御部222が、左動画用の重畳マーク266L及び右動画用の重畳マーク266Rのいずれかの位置の変更を受け付けたか否かを判定する。例えば、いずれかの重畳マーク位置調整ボタン267L、267Rが選択された場合や、いずれかの重畳マーク266L、266Rがドラッグ操作された場合には、表示制御部22は、重畳マーク266L、266Rのいずれかの位置の変更を受け付ける。そして、処理はステップS24へ移行する。一方、位置の変更を受け付けていない場合には、処理はステップS22に戻る。
【0068】
ステップS24では、表示制御部222が、上記ステップS23で受け付けた位置に重畳マーク266L、266Rが表示されるように、重畳マーク266L、266Rの表示位置を変更して、処理はステップS22に戻る。
【0069】
ステップS22で、表示制御部222が、ユーザにより重畳実行ボタン268が選択されたと判定すると、処理はステップS25へ移行する。ステップS25では、表示制御部22が、例えば、図11に示すように、左動画62Lを透過設定し、左動画用の重畳マーク266Lと右動画用の重畳マーク266Rとが同じ位置になるように、右動画62Rの上に左動画62Lを重畳表示する。
【0070】
次に、ステップS26で、表示制御部222が、重畳表示の位置の変更を受け付けたか否かを判定する。例えば、重畳表示位置調整ボタン69が選択された場合には、表示制御部222は、重畳表示の位置の変更を受け付け、処理はステップS27へ移行する。一方、位置の変更を受け付けていない場合には、処理はステップS26に戻る。
【0071】
ステップS27では、表示制御部222が、上記ステップS26で受け付けた位置に基づいて、左動画62L及び右動画62Rの少なくとも一方の表示位置を変更して、処理はステップS26に戻る。
【0072】
ステップS26で、表示制御部222が、重畳表示の位置の変更を受け付けていないと判定した場合には、処理はステップS28へ移行し、表示制御部222が、重畳表示解除ボタン70がユーザにより選択されたか否かを判定する。重畳表示ボタン70が選択されていない場合には、処理はステップS26に戻る。重畳表示ボタン70が選択された場合には、左動画62Lと右動画62Rとの重畳表示を解除して、重畳表示処理を終了する。
【0073】
以上説明したように、第2実施形態に係る動画再生システム210によれば、動画再生装置220が、左動画及び右動画の表示位置を、重畳マークで指定された位置が、水平方向及び垂直方向において同じ位置に並ぶように調整する。すなわち、重畳マークの位置を基準に、左動画と右動画とが重畳表示される。これにより、左動画と右動画との比較が容易になる。
【0074】
また、重畳マークの位置を基準に重畳表示した左動画と右動画との重畳表示位置を調整
可能とすることで、より左動画と右動画との比較が容易になる。
【0075】
なお、第2実施形態では、右動画の上に、透過設定した左動画を重畳する場合について説明したが、これに限定されない。右動画を上にしてもよいし、両動画に透過設定を行ってもよい。
【0076】
また、第2実施形態では、重畳表示位置調整ボタンの操作により、重畳表示された動画の表示位置を水平方向又は垂直方向にずらす場合について説明したが、これに限定されない。例えば、重畳表示を実行する際に、両動画の重畳マークが完全に一致する位置から、水平方向又は垂直方向に予め定めた距離ずらされた位置で重畳表示されるように、予め設定しておいてもよい。
【0077】
また、重畳マークを基準として重ね合わせる場合に限定されず、一方の動画をボタン操作やドラッグ操作等により、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に直接動かして、他方の動画の上に重ねることで、両動画の重畳表示を実現してもよい。
【0078】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る動画再生システムついて説明する。第3実施形態では、ユーザ間で動画の表示位置を共有する場合について説明する。なお、第3実施形態に係る動画再生システムにおいて、第1実施形態に係る動画再生システム10と同様の部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
図1に示すように、第3実施形態に係る動画再生システム310は、動画再生装置320と、動画管理装置330とを含む。動画再生装置320と、動画管理装置330とは、互いにネットワークを介して接続されている。
【0080】
動画管理装置330の制御部331は、第1実施形態における制御部31と同様に、動画再生装置320への動画データの配信を制御する。加えて、制御部331は、ユーザ間で動画の表示位置を共有するための共有情報を管理する。詳細は後述するが、共有情報には、ユーザ名、2つのプレイリスト名、各プレイリストが示す動画の表示位置の情報が含まれる。以下では、動画管理装置330へ共有情報を登録する側のユーザを「送信側ユーザ」ともいい、動画管理装置330で管理されている共有情報を利用して動画を再生する側のユーザを「受信側ユーザ」ともいう。
【0081】
具体的には、制御部331は、送信側ユーザの指示により、動画再生装置320から送信された共有情報を受け付ける。制御部331は、複数の動画データ及び各動画データのプレイリストを格納した動画DB332に、例えば、図14に示すような共有情報テーブル332Aを保持して、受け付けた共有情報を管理する。図14の例では、各行が1つの共有情報に相当する。また、「プレイリスト1」及び「プレイリスト2」は、共有情報に含まれる2つのプレイリスト名のそれぞれである。なお、第3実施形態でも、第1実施形態と同様に、動画再生装置320においては、左動画62Lと右動画62Rとを並べた状態で動画再生を行う。そのため、2つのプレイリスト名の各々は、左動画62Lのプレイリスト名と、右動画62Rのプレイリスト名である。ただし、両動画62L、62Rは、表示位置に基づいて、左動画62Lか右動画62Rかを識別可能であるため、プレイリスト1又はプレイリスト2が、左動画62L及び右動画62Rのいずれに該当するかを特定する必要はない。
【0082】
また、制御部331は、送信側ユーザ毎に共有情報を管理する。そこで、制御部331は、共有情報を共有情報テーブル332Aに登録する際に、ユーザ名毎の共有情報を識別するための番号を、「ユーザ別共有情報番号」として各共有情報に付与する。
【0083】
また、動画DB332には、図15に示すように、ユーザ毎に、そのユーザが送信側ユーザとして送信した共有情報を、受信側ユーザとして利用可能なユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)が対応付けられた共有ユーザテーブル332Bも格納される。共有ユーザテーブル332Bは、アプリケーションの利用登録時に予め登録してもよいし、共有情報に、共有情報を利用可能なユーザのユーザ名を含めておき、制御部331で共有情報を受け付けた際に登録してもよい。
【0084】
制御部331は、ログインユーザへの配信が許可されている動画データのプレイリスト一覧を送信すると共に、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する場合には、その旨を動画再生装置320に通知する。具体的には、制御部331は、共有ユーザテーブル332Bを参照して、「受信側ユーザ」欄からログインユーザのユーザ名を検索し、対応する送信側ユーザのユーザ名を取得する。そして、制御部331は、共有情報テーブル332Aに、取得したユーザ名に対応付けて管理されている共有情報が存在する場合に、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在すると判定する。
【0085】
また、制御部331は、動画再生装置320から、共有リストの要求(詳細は後述)を受け付けると、ログインユーザが利用可能な共有情報を共有情報テーブル332Aから取得して、取得した共有情報をリスト化した共有リストを動画再生装置320へ送信する。共有リストには、少なくとも、各共有情報のユーザ名及びユーザ別共有情報番号を含める。また、共有情報に含まれる情報以外にも、各共有情報に含まれるプレイリスト名が示す動画データのメタ情報やサムネイル画像等を含んでもよい。
【0086】
また、制御部331は、動画再生装置320から、共有された動画の要求を受け付けた場合には、要求された動画についての共有情報と、その共有情報に含まれる2つのプレイリスト名の各々が示す2つのプレイリストとを、動画DB332から取得する。そして、制御部331は、取得した共有情報及びプレイリストを動画再生装置320へ送信する。
【0087】
動画再生装置320は、図1に示すように、機能的には、取得部321と、表示制御部322とを含む。なお、表示制御部322は、本発明の受付部及び調整部の一例である。
【0088】
取得部321は、第1実施形態の取得部21と同様に、動画管理装置330から動画データを取得する。加えて、取得部321は、送信側ユーザの指示により、動画管理装置330へ共有情報を送信する。
【0089】
また、取得部321は、受信側ユーザの指示により、動画管理装置330から共有された動画データを取得する。具体的には、取得部321は、ユーザがログインした際に、動画管理装置330から、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する旨の通知を受け付けた場合には、その旨を表示制御部322に通知する。また、取得部321は、表示制御部322から、共有リスト表示ボタンが選択された旨が通知(詳細は後述)されると、動画管理装置330に、共有リストを要求する。また、取得部321は、要求に応じて受け付けた共有リストを表示制御部322へ受け渡す。さらに、取得部321は、表示制御部322から、共有リストから選択された共有情報のユーザ名及びユーザ別共有情報番号が通知(詳細は後述)されると、ユーザ名及びユーザ別共有情報番号を動画管理装置330に送信することにより、共有された動画を要求する。そして、取得部321は、要求に応じて受け付けた共有情報及びプレイリストを取得し、プレイリストに従って、動画管理装置330から順次分割ファイルを取得し、取得した分割ファイルを共有情報と共に表示制御部322へ受け渡す。
【0090】
表示制御部322は、第1実施形態の表示制御部322と同様に、動画再生画面を表示
部に表示し、左動画62Lと右動画62Rとの高さ調整を行う。加えて、表示制御部322は、例えば、図16に示すように、左動画62Lと右動画62Rとの高さ調整が行われた動画再生画面360に、共有ボタン71を表示する。共有ボタン71が選択されると、表示制御部322は、再生中の左動画62L及び右動画62Rの各々のプレイリスト名をプレイリスト一覧から取得し、表示位置の情報を、各動画62L、62Rが持つ制御情報から取得する。表示制御部322は、取得した左動画62L及び右動画62Rの各々のプレイリスト名、及び表示位置の情報に、ログインユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を付加し、これを共有情報として取得部321に受け渡す。
【0091】
また、表示制御部322は、取得部321から、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する旨の通知がされると、図17に示すように、動画再生画面360に、共有リスト表示ボタン72を表示する。共有リスト表示ボタン72が選択されると、表示制御部322は、その旨を取得部321に通知する。
【0092】
また、表示制御部322は、取得部321から共有リストを受け取ると、例えば、図18に示すような、共有リスト画面80を表示する。共有リスト画面80は、動画再生画面360から切り替えて表示してもよいし、動画再生画面360の上に重畳して表示してもよい。図18の例では、共有リスト画面80は、共有リスト81と選択ボタン82とを含む。共有リスト81は、各行が1つの共有情報に対応しており、各行が選択可能な状態で表示される。また、共有リスト81の各行は、少なくともユーザ名及びユーザ別共有情報番号と紐付いており、共有リスト81から少なくとも1つの行が選択されることにより、その行に紐付いたユーザ名及びユーザ別共有情報番号で特定される共有情報が選択されることになる。なお、図18の例では、共有リスト81に含まれる項目は、ユーザ名、プレイリスト1、及びプレイリスト2である場合を示しているが、これに限定されない。動画管理装置330から取得された共有リストに、各プレイリスト名が示す動画データのメタ情報やサムネイル画像等が含まれる場合には、それらの情報を合わせて表示してもよい。
【0093】
共有リスト81から少なくとも1つの行が選択された状態で、選択ボタン82が選択されると、表示制御部322は、共有リスト81において選択されている行に紐付けられたユーザ名及びユーザ別共有情報番号を取得部321に通知する。また、表示制御部332は、共有リスト画面80を閉じて、動画再生画面360に表示を戻す。
【0094】
また、表示制御部322は、取得部321から、分割ファイルと共に共有情報を受け取った場合には、分割ファイルが示す動画の制御情報に、共有情報に含まれる表示位置の情報を設定する。具体的には、例えば、図14に示す共有情報テーブル332Aの1行目の共有情報を受け取った場合には、プレイリスト1に従って取得された分割ファイルが示す動画の制御情報に含まれる表示位置に(x1,y1)を設定する。同様に、プレイリスト2に従って取得された分割ファイルが示す動画の制御情報に含まれる表示位置に(x2,y2)を設定する。そして、表示制御部322は、制御情報に従って各動画62L、62Rを配置することで、受信側ユーザが動画を再生する際に、送信側ユーザが共有ボタン71を選択したときの動画再生画面360と同じ表示位置で動画を表示することができる。
【0095】
動画再生装置320は、例えば、図5に示すコンピュータ40で実現することができる。コンピュータ40の記憶部43には、コンピュータ40を動画再生装置320として機能させるための動画再生プログラム350が記憶される。動画再生プログラム350は、取得プロセス351と、表示制御プロセス352とを有する。
【0096】
CPU41は、動画再生プログラム350を記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、動画再生プログラム350が有するプロセスを順次実行する。CPU41は、取得プロセス351を実行することで、図1に示す取得部321として動作する。また、CP
U41は、表示制御プロセス352を実行することで、図1に示す表示制御部322として動作する。これにより、動画再生プログラム350を実行したコンピュータ40が、動画再生装置320として機能することになる。
【0097】
なお、動画再生プログラム350により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0098】
次に、第3実施形態に係る動画再生システム310の作用について説明する。第3実施形態では、ユーザ間で動画の表示位置を共有する処理以外は、第1実施形態と同様であるため、以下、ユーザ間で動画の表示位置を共有する処理について説明する。
【0099】
まず、送信側ユーザにより操作される動画再生装置320Aと、動画管理装置330と、受信側ユーザにより操作される動画再生装置320Bとの間でやり取りされる処理の流れを説明した後に、各装置で実行される処理の詳細について説明する。なお、動画再生装置320Aと動画再生装置320Bとは、共有情報を送信する際と、共有情報を利用する際との振る舞いの違いを説明するために便宜的に区別したものであり、装置構成の相違を意味するものではない。
【0100】
図19に、動画再生装置320Aと、動画管理装置330と、動画再生装置320Bとの間でやり取りされる処理の流れを表したシーケンス図を示す。動画再生装置320Aにおいて、例えば、第1実施形態における高さ調整処理(図6)と同様に、左動画62Lと右動画62Rとの高さ調整処理が実行される(S10)。その状態で、動画再生画面360から共有ボタン71が選択されると、表示制御部322は、共有情報を作成し(S30)、動画管理装置330へ送信する(S33)。動画管理装置330では、受け付けた共有情報を管理する(S40)。
【0101】
そして、動画再生装置320Bでユーザがログインすることにより、動画再生装置320Bからログインユーザのユーザ名が動画管理装置330へ送信される(S71)。動画管理装置330は、そのログインユーザが利用可能な共有情報が存在する場合には、その旨を動画再生装置320Bへ通知する(S72)。この通知を受け、動画再生装置320Bから共有リストが要求されると(S63)、動画管理装置330から共有リストが送信される(S54)。そして、動画再生装置320Bから動画管理装置330へ、共有された動画が要求される(S66)。動画管理装置330は、要求された動画についての共有情報及びその共有情報に含まれるプレイリスト名が示すプレイリストを動画再生装置320Bへ送信する(S56)。
【0102】
動画再生装置320Bでは、取得した共有情報を解析し、ユーザ名、各プレイリスト名、及び各プレイリストが示す動画の表示位置の情報を抽出する。また、動画再生装置320Bは、動画管理装置330に対して、取得したプレイリストに従って分割ファイルを順次要求する(S68)。動画管理装置330は、要求に従って、分割ファイルを順次動画再生装置320Bへ送信する(S73)。動画再生装置320Bでは、取得した分割ファイルが示す動画を、共有情報に含まれるプレイリストの表示位置に従った位置に配置して再生する(S69)。
【0103】
以下、動画再生装置320A、動画管理装置330、及び動画再生装置320Bの各々で実行される処理について説明する。なお、各処理において、図19を参照して説明した処理と同様の処理となるステップについては、同一符号を付す。
【0104】
まず、動画再生装置320Aでは、動画再生画面360に表示された共有ボタン71が選択されると、図20に示す共有情報送信処理が実行される。
【0105】
ステップS31で、表示制御部322が、取得部321から受け取ったプレイリスト一覧から、再生中の左動画62L及び右動画62Rの各々のプレイリスト名を取得する。次に、ステップS32で、表示制御部322が、左動画62L及び右動画62Rの各々の制御情報から、各動画62L、62Rの表示位置の情報を取得する。次に、ステップS33で、表示制御部322が、取得した2つのプレイリスト名及び表示位置の情報に、ログインユーザの識別情報(例えば、ユーザ名)を付加し、これを共有情報として取得部321に受け渡す。そして、取得部321が、共有情報を動画管理装置330へ送信して、共有情報送信処理は終了する。
【0106】
次に、動画管理装置330では、動画再生装置320Aから送信された共有情報を受け付けると、図21に示す共有情報受信処理が実行される。
【0107】
ステップS41で、制御部331が、受け付けた共有情報にユーザ別共有情報番号を付与する。次に、ステップS42で、制御部331が、ユーザ別共有情報番号を付与した共有情報を、動画DB332の共有情報テーブル332Aに格納し、共有情報受信処理は終了する。
【0108】
また、動画再生装置320Bにおいてユーザがログインすることにより動画再生装置320Bから送信されたユーザ名を動画管理装置330で受け付けた場合には、動画管理装置330において、図22に示す共有動画送信処理が実行される。
【0109】
ステップS51で、制御部331が、動画DB332の共有ユーザテーブル332B及び共有情報テーブル332Aを参照して、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在するか否かを判定する。ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する場合には、処理はステップS52へ移行し、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する旨を動画再生装置320Bに通知する。一方、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在しない場合には、共有動画送信処理は終了する。
【0110】
次に、ステップS53で、制御部331が、動画再生装置320Bからの共有リストの要求を受け付けたか否かを判定する。共有リストの要求を受け付けた場合には、処理はステップS54へ移行し、受け付けていない場合には、本ステップの判定を繰り返す。
【0111】
ステップS54では、制御部331が、ログインユーザが利用可能な共有情報を共有情報テーブル332Aから取得して、取得した共有情報をリスト化した共有リストを動画再生装置320Bへ送信する。
【0112】
次に、ステップS55で、制御部331が、動画再生装置320Bから、共有された動画の要求を受け付けたか否かを判定する。共有された動画の要求を受け付けた場合には、処理はステップS56へ移行し、受け付けていない場合には、本ステップの判定を繰り返す。
【0113】
ステップS56では、制御部331が、要求された動画についての共有情報と、その共有情報に含まれる2つのプレイリスト名の各々が示す2つのプレイリストとを、動画DB332から取得して、動画再生装置320Bへ送信する。
【0114】
次に、ステップS57で、制御部331が、動画再生装置320Bから、分割ファイルの要求を受け付けたか否かを判定する。分割ファイルの要求を受け付けた場合には、処理はステップS58へ移行し、受け付けていない場合には、本ステップの判定を繰り返す。
【0115】
ステップS58では、制御部331が、要求された分割ファイルを、動画DB332から取得して、順次動画再生装置320Bへ送信し、共有動画送信処理は終了する。
【0116】
一方、動画管理装置330から動画再生装置320Bへ、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する旨が通知されると、動画再生装置320Bにおいて、図23に示す共有動画再生処理が実行される。
【0117】
ステップS61で、取得部321が、ログインユーザが利用可能な共有情報が存在する旨を表示制御部322へ通知し、この通知を受けて、表示制御部322が、動画再生画面360に共有リスト表示ボタン72を表示する。
【0118】
次に、ステップS62で、表示制御部322が、共有リスト表示ボタン72が、ユーザにより選択されたか否かを判定する。共有リスト表示ボタン72が選択された場合には、処理はステップS63へ移行し、選択されていない場合には、本ステップの判定を繰り返す。
【0119】
ステップS63では、表示制御部322が、共有リスト表示ボタン72が選択されたことを取得部321に通知し、この通知を受けて、取得部321が、動画管理装置330に共有リストを要求する。次に、ステップS64で、取得部321が、要求に応じて動画管理装置330から送信された共有リストを取得し、表示制御部322へ受け渡す。表示制御部322は、例えば、図18に示すような、共有リスト画面80を表示する。
【0120】
次に、ステップS65で、表示制御部322が、共有リスト画面80の共有リスト81から少なくとも1つの行が選択された状態で、選択ボタン82が選択されたか否かを判定することにより、ユーザにより共有情報が選択されたか否かを判定する。共有情報が選択された場合には、処理はステップS66へ移行し、選択されていない場合には、本ステップの判定を繰り返す。
【0121】
ステップS66では、表示制御部322が、共有リスト81において選択されている行に紐付けられているユーザ名及びユーザ別共有情報番号を取得部321に通知する。この通知を受けて、取得部321は、動画管理装置330に共有された動画を要求する。また、表示制御部322は、共有リスト画面80を閉じて、動画再生画面360に表示を戻す。
【0122】
次に、ステップS67で、取得部321が、要求に応じて動画管理装置330から送信された共有情報及びプレイリストを取得する。次に、ステップS68で、取得部321が、プレイリストに従って、動画管理装置330から順次分割ファイルを取得し、取得した分割ファイルを、上記ステップS67で取得した共有情報と共に表示制御部322へ受け渡す。
【0123】
次に、ステップS69で、表示制御部322が、取得した分割ファイルが示す動画の制御情報に、共有情報に含まれる表示位置の情報を設定し、制御情報に従って各動画62L、62Rを配置して再生し、共有動画再生処理は終了する。
【0124】
以上説明したように、第3実施形態に係る動画再生システム310によれば、動画再生装置320が、高さ調整を行った左動画及び右動画の各々の表示位置の情報を動画管理装置330に送信し、動画管理装置330において、共有情報として管理する。そして、共有された動画を再生する際には、動画再生装置320において、プレイリストと共に共有情報も取得し、共有情報が示す表示位置に動画を配置する。これにより、高さ調整を行った状態の動画を編集ツール等を使って新たに作成することなく、あるユーザが複数の動画を比較した際の各動画の表示位置を、他のユーザも共有して、同じ表示位置で再生することができる。
【0125】
なお、第3実施形態では、第1実施形態のように、左動画と右動画との高さ調整を行った各動画の表示位置を共有する場合について説明したが、これに限定されない。第2実施形態のように、左動画と右動画とを重畳表示した場合の表示位置を共有するようにしてもよい。この場合、上記実施形態と同様に、重畳表示した際の各動画の表示位置や透過設定等を共有情報として管理すればよい。
【0126】
また、第3実施形態では、動画の表示位置を共有する場合について説明したが、送信側ユーザにおいて、共通操作ボタン群64Cが操作されて、2つの動画の再生タイミングが同期されている場合には、この同期の状態も共有するようにしてもよい。この場合、共有ボタン71が選択されたタイミングで表示されている左動画62L及び右動画62Rの各々のコマ画像を特定するための情報(例えば、タイムスタンプやフレーム番号)を取得し、この情報を共有情報に含めるようにすればよい。共有された動画を受信側ユーザで再生する際には、共有情報に含まれるタイムスタンプ等の情報から特定される左動画62Lのコマ画像と右動画62Rのコマ画像とが同じタイミングで表示されるように、左動画62L及び右動画62Rの再生タイミングを制御すればよい。
【0127】
また、上記の各実施形態では、1つの動画データを所定時間毎に分割した分割ファイルを、プレイリストに従って順次取得して再生する場合、すなわち複数のセグメントに分割されて管理される動画データを対象とする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、MPEG4のように、各セグメントが個々のファイルとして管理されている動画データを対象とすることもできる。この場合、共有情報には、プレイリスト名に代えて、各ファイルのファイル名を含めるようにすればよい。
【0128】
また、上記の各実施形態では、2つの動画を比較する場合を例に説明したが、本発明は、3つ以上の動画を比較する際にも適用可能である。
【0129】
また、上記の各実施形態では、図面において、野球の動画を再生する場合を示しているが、対象となる動画は、テニスやゴルフ等の他のスポーツの動画であってもよいし、スポーツ以外の動画であってもよい。開示の技術は、特に、同様の場面を撮影した動画であるが、僅かなアングルの違い等が生じている動画の比較に適している。例えば、野球の動画の場合、投手の背後から打者方向を撮影した構図が多く含まれるが、この構図は、同じような構図であっても、球場の違い、投手や打者の立ち位置の違いなどによって微妙な差異が生じ得る。このような差異が生じている動画同士を比較する場合であっても、上記各実施形態のように表示位置を調整可能であれば、投手や打者の特定部位の位置などのように細かい部分の比較も容易になる。
【0130】
また、上記では、動画再生プログラム50、250、350が記憶部43に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。開示の技術に係るプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等の記録媒体に記録された形態で提供することも可能である。
【0131】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)
コンピュータに、
複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付け、
前記複数の動画それぞれについて指定された前記位置が、垂直方向または水平方向にお
いて同じ位置に並ぶように、前記複数の動画の表示領域の配置位置を調整する、
処理を実行させることを特徴とする動画再生プログラム。
【0133】
(付記2)
前記コンピュータに、
再生中の前記複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付ける処理を実行させることを特徴とする付記1記載の動画再生プログラム。
【0134】
(付記3)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画の垂直方向位置または水平方向位置を調整し、かつ、前記複数の動画を重畳させて表示する、
処理を実行させることを特徴とする付記1又は付記2記載の動画再生プログラム。
【0135】
(付記4)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における同じ位置となるように、前記複数の動画を重畳させて表示する
処理を実行させることを特徴とする付記1又は付記2記載の動画再生プログラム。
【0136】
(付記5)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における垂直方向または水平方向に所定の距離ずらされた位置で表示されるように、前記複数の動画を重畳させて表示する
処理を実行させることを特徴とする付記1~付記4のいずれか1項記載の動画再生プログラム。
【0137】
(付記6)
前記コンピュータに、
前記複数の動画それぞれについて調整された前記配置位置の情報を記憶部に記憶するように制御する
処理を実行させることを特徴とする付記1~付記5のいずれか1項記載の動画再生プログラム。
【0138】
(付記7)
複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付ける受付部と、
前記複数の動画それぞれについて指定された前記位置が、垂直方向または水平方向において同じ位置に並ぶように、前記複数の動画の表示領域の配置位置を調整する調整部と、
を含む動画再生装置。
【0139】
(付記8)
前記受付部は、再生中の前記複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付ける処理を実行させることを特徴とする付記7記載の動画再生装置。
【0140】
(付記9)
前記調整部は、前記複数の動画の垂直方向位置または水平方向位置を調整し、かつ、前記複数の動画を重畳させて表示する付記7又は付記8記載の動画再生装置。
【0141】
(付記10)
前記調整部は、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における同じ位置となるように、前記複数の動画を重畳させて表示する付記7又は付記8記載の動画再生装置。
【0142】
(付記11)
前記調整部は、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における垂直方向または水平方向に所定の距離ずらされた位置で表示されるように、前記複数の動画を重畳させて表示する付記7~付記10のいずれか1項記載の動画再生装置。
【0143】
(付記12)
前記複数の動画それぞれについて調整された前記配置位置の情報を記憶部に記憶する記憶制御部を含む付記7~付記11のいずれか1項記載の動画再生装置。
【0144】
(付記13)
コンピュータに、
複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付け、
前記複数の動画それぞれについて指定された前記位置が、垂直方向または水平方向において同じ位置に並ぶように、前記複数の動画の表示領域の配置位置を調整する、
処理を実行させることを特徴とする動画再生方法。
【0145】
(付記14)
前記コンピュータに、
再生中の前記複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付ける処理を実行させることを特徴とする付記13記載の動画再生方法。
【0146】
(付記15)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画の垂直方向位置または水平方向位置を調整し、かつ、前記複数の動画を重畳させて表示する、
処理を実行させることを特徴とする付記13又は付記14記載の動画再生方法。
【0147】
(付記16)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における同じ位置となるように、前記複数の動画を重畳させて表示する
処理を実行させることを特徴とする付記13又は付記14記載の動画再生方法。
【0148】
(付記17)
前記コンピュータに、
前記配置位置の調整において、前記複数の動画それぞれの指定された前記位置が、前記表示領域における垂直方向または水平方向に所定の距離ずらされた位置で表示されるように、前記複数の動画を重畳させて表示する
処理を実行させることを特徴とする付記13~付記16のいずれか1項記載の動画再生方法。
【0149】
(付記18)
前記コンピュータに、
前記複数の動画それぞれについて調整された前記配置位置の情報を記憶部に記憶するように制御する
処理を実行させることを特徴とする付記13~付記17のいずれか1項記載の動画再生
方法。
【0150】
(付記19)
コンピュータに、
複数の動画それぞれについて、動画の表示領域内の位置の指定を受け付け、
前記複数の動画それぞれについて指定された前記位置が、垂直方向または水平方向において同じ位置に並ぶように、前記複数の動画の表示領域の配置位置を調整する、
処理を実行させることを特徴とする動画再生プログラムを記憶した記憶媒体。
【符号の説明】
【0151】
10、210、310 動画再生システム
20、220、320 動画再生装置
21、321 取得部
22、222、322 表示制御部
30、330 動画管理装置
31、331 制御部
32、332 動画データベース
332A 共有情報テーブル
332B 共有ユーザテーブル
40 コンピュータ
41 CPU
42 メモリ
43 記憶部
49 記録媒体
50、250、350 動画再生プログラム
60、160、260、360 動画再生画面
61 動画再生領域
62L、62R、62U、62D 左動画、右動画、上動画、下動画
63L、63R プレイリスト一覧
64L、64C、64R 操作ボタン群
66L、66R 水平バー
66U、66D 垂直バー
67L、67R 水平バー位置調整ボタン
67U、67D 垂直バー位置調整ボタン
68 高さ調整実行ボタン
168 水平位置調整実行ボタン
69 重畳表示位置調整ボタン
71 共有ボタン
80 共有リスト画面
266L、266R 重畳マーク
267L、267R 重畳マーク位置調整ボタン
268 重畳実行ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23