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特許7000573クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法
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  • 特許-クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法 図1
  • 特許-クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法 図2
  • 特許-クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法 図3
  • 特許-クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法 図4
  • 特許-クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/46 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B66C13/46 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020528808
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(86)【国際出願番号】 JP2019025122
(87)【国際公開番号】W WO2020008948
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】P 2018129237
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】立石 隆
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-190233(JP,A)
【文献】国際公開第2014/156279(WO,A1)
【文献】特開2018-62414(JP,A)
【文献】特開2014-234260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、
前記巻上機に指令を与える操作入力部と、
前記巻上機を制御する制御装置と、
前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、
前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備えたことを特徴とするクレーン装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御装置には、前記巻上機の稼働回数、稼働時間を記憶するアワーメータユニットを備えたことを特徴とするクレーン装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記制御装置には、前記吊り具が上方向の上限に達した時、電気回路を遮断するリミットスイッチを備えたことを特徴とするクレーン装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記記憶手段を保持する保持手段と、前記吊り具に固定されたスタンドと、前記保持手段と前記スタンドとの間に配置されたスタンドバネとを備えたことを特徴とするクレーン装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記入出力ポートには前記記憶手段を案内する案内手段を備えたことを特徴とするクレーン装置。
【請求項6】
吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、
前記巻上機に指令を与える操作入力部と、
前記巻上機を制御する制御装置と、
前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、
前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備え、
前記吊り具を上方向に移動した時、前記記憶手段は前記入出力ポートと接続し、
前記巻上機の稼働回数、稼働時間に関する情報を前記制御装置から前記記憶手段に転送することを特徴とするクレーン装置の情報出力方法。
【請求項7】
吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、
前記巻上機に指令を与える操作入力部と、
前記巻上機を制御する制御装置と、
前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、
前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備え、
前記吊り具を上方向に移動した時、前記記憶手段は前記入出力ポートと接続し、
前記巻上機の初期情報、メンテナンス情報を前記記憶手段から前記制御装置に転送することを特徴とするクレーン装置の情報入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーン装置は、稼働状況から部品の交換時期や故障予測といった保守作業が行われる。クレーン装置の稼働状況は、クレーン装置を制御する制御装置に記憶される。クレーン装置を制御する制御装置は、巻上機と共に高所に設置されることが多い。このため、保守作業員は高所に設置された制御装置まで行き、クレーン装置の稼働状況に関する情報を取得する必要があり、作業性が悪かった。この課題を解決するために、クレーン装置に無線通信装置を設置し、スマートフォン等の情報処理装置との間で通信を行うことで、巻上、横行、走行といった指令を情報処理装置から無線通信装置に送信し、クレーン装置の制御を行うと共に、クレーン装置の情報を取得するような技術が提案されている。このような技術として、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-234260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、情報処理装置を利用してクレーン装置を制御したり、情報を取得するようにしているので、クレーン装置を操作していない時には情報処理装置を身につけて作業するか、どこかに置いて作業する必要がある。このため、情報処理装置が作業の邪魔になり、また情報処理装置を紛失したり、さらには使用者以外が不意に情報処理装置に触って誤作動を起こす可能性があった。また、情報処理装置は充電や電池の交換が都度必要であり操作中に充電切れや電池切れによる作業中断などを強いられる問題があった。
【0005】
本発明の目的は、クレーンでの作業性を落とすことなく、巻上機に関する情報の入出力が可能なクレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、前記巻上機に指令を与える操作入力部と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備えたことにある。
【0007】
また、本発明の特徴とするところは、吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、前記巻上機に指令を与える操作入力部と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備え、前記吊り具を上方向に移動した時、前記記憶手段は前記入出力ポートと接続し、前記巻上機の稼働回数、稼働時間に関する情報を前記制御装置から前記記憶手段に転送することにある。
【0008】
さらにまた、本発明の特徴とするところは、吊り具を上下方向に移動させる巻上機と、前記巻上機に指令を与える操作入力部と、前記巻上機を制御する制御装置と、前記制御装置に備えられ情報の入出力を行う入出力ポートと、前記吊り具に備えられ前記入出力ポートと接続可能な記憶手段とを備え、前記吊り具を上方向に移動した時、前記記憶手は前記入出力ポートと接続し、前記巻上機の初期情報、メンテナンス情報を前記記憶手段から前記制御装置に転送することにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クレーンでの作業性を落とすことなく、巻上機に関する情報の入出力が可能なクレーン装置及びクレーン装置の情報入出力方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係るクレーン装置の外観斜視図である。
図2】本発明の実施例に係る巻上機の電気回路図である。
図3】本発明の実施例に係る巻上機の一部拡大斜視図である。
図4】本発明の実施例に係る巻上機の側面図である。
図5図4における要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るクレーン装置の実施例を図面に基づいて説明する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
【0012】
図1は本発明の実施例に係るクレーン装置の外観斜視図である。工場の建屋内にはクレーン装置が設置されることがある。クレーン装置は、建屋内の壁面に沿って設置された一対のランウェイ2と、ランウェイ2を走行する車輪を備えた一対のサドル3と、一対のサドル3間に渡って配置されたガーダ4と、ガーダ4を走行する横行装置に設置された巻上機1と、巻上機1に電気的に接続されたケーブル5と、ケーブル5に接続された押ボタンスイッチ6(操作入力部)から構成されている。操作者は押ボタンスイッチ6を操作することにより、巻上機1に指令を与え、巻上下動作や走行・横行動作を行う。
【0013】
次に、本実施例に係る巻上機1の動作について説明する。図2は本発明の実施例に係る巻上機の電気回路図である。
【0014】
押ボタンスイッチ6は、巻上機1を巻上動作させるための上ボタン13(巻上入力部)と、巻上機1を巻下動作させるための下ボタン14(巻下入力部)とを有する。上ボタン13及び下ボタン14は、操作者により押され、押ボタンスイッチ6内の押ボタン用接点10が閉じることで電磁接触器7の励磁コイル9を励磁する。電磁接触器7の電磁接触器用接点8は、励磁した励磁コイル9により閉じられる。これにより、モータ11が通電されるとともに電磁ブレーキ12が開放され、巻上機1は巻上動作および巻下動作を開始する。
【0015】
巻上動作と巻下動作の切替えについては、押ボタンスイッチ6の上ボタン13及び下ボタン14を押した場合に、それぞれ電磁接触器7の出力側の相回転が逆になるよう接続することで、巻上動作と巻下動作を可能にしている。
【0016】
巻上機1の運転動作回数は、押ボタンスイッチ6の操作回数と、電磁接触器7の動作回数に基づいて、マイコン18取得されて保存される。また、巻上機1の運転時間は、押ボタンスイッチ6の通電時間と、電磁接触器7の通電時間とに基づいて、マイコン18に取得されて保存される。
【0017】
ここで、巻上機1において、インバータ駆動方式による電子化がなされた機種の普及が進む一方、稼働情報は高所にある巻上機1の制御部にて直接確認するか、無線装置を用いて通信により確認することが一般的である。
【0018】
さらに巻上機1の耐久性の長さなどの理由から、非インバータ駆動方式である巻上機1のニーズもある。非インバータ駆動方式の巻上機1は、モータ11、電磁ブレーキ12、電磁接触器7、押ボタンスイッチ6、リミットスイッチ15にて電気部品を構成することが一般的である。
【0019】
本実施例では、これらの構成に加え、巻上機1の電気回路にアワーメータユニット16を接続している。このアワーメータユニット16には、巻上機1の稼働回数、及び稼働時間などの稼働情報を記憶させる。さらに、本実施例では、アワーメータユニット16に記憶された稼働状況データを出力可能な入出力ポート17を設けている。本実施例は、電磁接触器7、電磁接触器用接点8、励磁コイル9、リミットスイッチ15、アワーメータユニット16、入出力ポート17にて制御装置30を構成している。制御装置30は巻上機1を制御する。そして、本実施例では、アワーメータユニット16及び入出力ポート17を設けたことにより、無線装置など用いることなく操作者が地上にいる状態で巻上機1の稼働回数および稼働時間などの稼働状況データを取得することができる。
【0020】
次に稼働状況データを取得する手段について、図2図5を用いて説明する。図3は本発明の実施例に係る巻上機の一部拡大斜視図、図4は本発明の実施例に係る巻上機の側面図、図5図4における要部拡大図である。
【0021】
図2において、押ボタンスイッチ6に設置された上ボタン13、もしくは下ボタン14を押すと、押ボタンスイッチ6内の押ボタン用接点10が閉じる。これにより、電磁接触器7の励磁コイル9が励磁され、電磁接触器7の電磁接触器用接点8が閉じる。電磁接触器用接点8が閉じると、アワーメータユニット16内にある入力回路部(信号検出部)が通電され、入力回路部で入力信号に置き換わる。
【0022】
入力回路部は、マイコン18に入力信号を出力し、これにより通電時間と始動回数の測定を開始する。 また、アワーメータユニット16において電気的信号が入力される場所は、上ボタン13用と下ボタン14用の2つあり、マイコン18は上ボタン13、もしくは下ボタン14の何れかの入力があった場合に測定を行う。
【0023】
入力回路部は、入力された電気的信号に基づき、巻上機1の稼働時間と稼働回数として、アワーメータユニット16が通電されている通電時間と、それにより巻上機1が始動した始動回数を検出する。
【0024】
入力回路部は、検出した通電時間と始動回数はマイコン18に出力する。マイコン18は、出力されて取得した通電時間と始動回数に基づき、稼働時間と稼働回数を記憶する。マイコン18はRAM(Random Access Memory)を備えており、稼働時間と稼働回数はこのRAMに記憶される。マイコン18では、通電時間と始動回数が入力される度に、前回の通電時間と始動回数に入力された通電時間と始動回数を積算し、トータルの稼働時間と稼働回数を算出していく。マイコン18は、記憶している巻上機1のトータルの稼働時間と稼働回数とに基づいて、巻上機1の残存寿命値を推定する。
【0025】
アワーメータユニット16は、USB端子等に代表される外部記憶媒体20(記憶手段)が接続可能な入出力ポート17を備えている。入出力ポート17では外部記憶媒体20の接続が確認されると、マイコン18に記憶された稼働時間と稼働回数などの稼働情報を取り出すことが可能となる。
【0026】
このように、アワーメータユニット16は、入力回路部、マイコン18、入出力ポート17を有し、それらの動作を実現するための必要最低限の電子部品により非常にコンパクトに一体構成されている。アワーメータユニット16は、巻上機1本体の制御装置30内に設けられており、入出力ポート17は巻上機1用の外装カバーに設けられた開口部より入出力ポート17への外部記憶媒体20の挿入が可能となっている。
【0027】
図3図5に示すように、巻上機1によって上下方向に移動する吊り具28には、外部記憶媒体20を保持するためのホルダー21(保持手段)と、このホルダー21を保持するスタンド23と、上下方向に付勢されたスタンドバネ22が設けられている。一般的に、巻上機1は吊り具28を上限位置で停止させる時、上限リミットを用いて動作を停止させる。一例として図3を用いてリミット機構について説明する。
【0028】
操作者が所定の高さ以上(上方向の上限に達した時)に吊り具28を巻上げ運転した場合、吊り具28がリミットバネ24を押し上げ、チェーンガイド25に接触する。リミットバネ24は吊り具28の上昇により圧縮され、リミットバネ24の付勢力によりチェーンガイド25が上昇する。チェーンガイド25が上昇すると、リミットレバー26を押し上げ、軸26aを中心としてリミットレバー26が転角する。リミットレバー26が転角すると、リミットレバー26の切欠きに挿入されているリミットスイッチ軸27が転角する。リミットスイッチ軸27が転角すると、リミットスイッチ15の接点が開路し、電気回路が遮断される。
【0029】
次に図4及び図5を用いて、稼働情報の出力方法(取得方法)について説明する。図4及び図5において、巻上機1を制御する制御装置30の下面には、入出力ポート17が設けられている。入出力ポート17は、外部記憶媒体20と接続する接続口が下方に向かって開口するように配置され、内部に外部記憶媒体20を案内するホルダーガイド19(案内手段)が設けられている。
【0030】
吊り具28が上昇すると、ホルダー21に保持された外部記憶媒体20も上昇し、外部記憶媒体20の接続部がホルダーガイド19に沿って案内され、入出力ポート17の接続口に挿入される。吊り具28はさらに上昇を続けるが、上述したリミットスイッチ15の接点が開路し、電気回路が遮断され、吊り具28の上昇が停止する。外部記憶媒体20を保持するホルダー21と、吊り具28に取り付けられたスタンド23との間には、スタンドバネ22が設けられているので、スタンドバネ22がホルダー21及び外部記憶媒体20を入出力ポート17に押し付けることにより、外部記憶媒体20の接続部が入出力ポート17の接続口に挿入される。
【0031】
アワーメータユニット16は、外部記憶媒体20が入出力ポート17への挿入されたことを検知すると、稼働情報の転送を行い、外部記憶媒体20に稼働情報の書込みを行う。なお、稼働情報の転送の開始は、外部記憶媒体20の挿入を検知すると直ちに行うようにしてもよい。このように本実施例では、巻上機1の稼働回数、稼働時間に関する情報を制御装置30から外部記憶媒体20に転送するようにしている。
【0032】
また、アワーメータユニット16には、入出力ポート17を介して情報の書き込み(入力)も可能である。書き込む情報としては、巻上機1本体情報である製造番号や特殊仕様の注記などの初期情報や、配線図番号、交換部品履歴などのメンテナンス情報などがあり、これらの情報をマイコン18に記憶させることが可能である。このように本実施例では、巻上機1の初期情報、メンテナンス情報を外部記憶媒体20から制御装置30に転送するようにしている。
【0033】
さらに、本実施例では、上記構成に代えて、RFID(Radio Frequency Identification)システムであるRFIDタグ、RFIDライター、RFIDリーダーを用いることも可能である。アワーメータユニット16の稼動情報は巻上機1内に備えたRFIDライターを介し、同じく巻上機1内のRFIDタグに記憶される。巻上機1用の吊り具28にはRFIDリーダーを備えており、操作者が吊り具28をRFIDタグリーダーの通信範囲内まで巻上げ運転することで情報を取得することが可能である。
【0034】
なお、マイコン18は、記憶している巻上機1の稼働時間と稼働情報とに加え、入力された初期情報やメンテナンス情報等に基づいて、巻上機1の残存寿命値を推定するようにするとよい。これにより、巻上機1を使用する操作者の使用状況や巻上機1の種類に応じて、精度よく巻上機1の残存寿命値を推定することができる。
【0035】
また、巻上機1はJISB8815及びクレーン構造規格で製品等級と常態としてつる荷重に応じて総運転時間(寿命時間)が設定されている。巻上機1の等級は、本体銘板,製品仕様書,製品カタログなどに記載されており、巻上機1もこの等級に対応して設計されている。
【0036】
通常は専門家が巻上機1の操作時間と常態としてつる荷重をサンプリングすることで残存寿命を推定しているが、本実施例によれば比較的想定容易な負荷のみを想定するだけで巻上機1の残存寿命が推定可能である。
【0037】
また、押ボタンスイッチ6、及び電磁接触器7の部品寿命は、始動回数により定められているため、始動回数を把握することで押ボタンスイッチ6、及び電磁接触器7の残存寿命値が推定可能である。
【0038】
このように、本実施例によれば、巻上機1本体の制御部を確認するために高所に上ることなく、手元で容易に、稼働情報やメンテナンス情報などの巻上機1に関する情報を取り出したり、入力したりすることで稼働情報の記憶や機器情報の取り出し等が可能となる。これにより、操作者が行うメンテナンスの一助とすることができる。
【0039】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0040】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0041】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…巻上機、2…ランウェイ、3…サドル、4…ガーダ、5…ケーブル、6…押ボタンスイッチ、7…電磁接触器、8…電磁接触器用接点、9…励磁コイル、10…押ボタン用接点、11…モータ、12…電磁ブレーキ、13…上ボタン、14…下ボタン、15…リミットスイッチ、16…アワーメータユニット、17…入出力ポート、18…マイコン、19…ホルダーガイド、 20…外部記憶媒体、21…ホルダー、22…スタンドバネ、23…スタンド、24…リミットバネ、25…チェーンガイド、26…リミットレバー、26a…軸、27…リミットスイッチ軸、28…吊り具、30…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5